JP3358731B2 - 介護装置 - Google Patents

介護装置

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JP3358731B2
JP3358731B2 JP2000122051A JP2000122051A JP3358731B2 JP 3358731 B2 JP3358731 B2 JP 3358731B2 JP 2000122051 A JP2000122051 A JP 2000122051A JP 2000122051 A JP2000122051 A JP 2000122051A JP 3358731 B2 JP3358731 B2 JP 3358731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、お年寄り、病人、
身体障害者などの身体不自由者を介護するための介護装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、お年寄り、病人、身体障害者
などの身体不自由者を介護するための介護装置が種々提
供されている。例えば、特開平8−84753号公報、
特開平8−131506号公報、特開平9−30865
5号公報、特開平10−71178号公報、特開平10
−85273号公報などが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各号公報に記載さ
れている技術は、人体(被介護者)を吊って移動させる
装置であり、これらの人体吊具は、単に被介護者を吊っ
て搬送させるだけであって被介護者にとっては座りにく
いとか、締め付けられて不快感を感じるという問題があ
る。特に、従来の吊り具装置は、単に被介護者を吊って
所望の場所に移動ないし搬送させるだけという考えしか
なく、被介護者を吊って移動させる場合に、横揺れや縦
揺れ、また横揺れと縦揺れが同時に生じ、被介護者は非
常に不安感を覚えるという問題があった。
【0004】また、吊具を用いて被介護者をベッドに寝
かせる場合でも、ベッドの上に被介護者を吊具にて座ら
せてから寝かせるまで、介護者が被介護者を抱えるよう
にして寝かせる必要があり、介護者にとって被介護者の
重さが負担となっていた。つまり、ある場所から所定の
場所への移動自体は吊具にて出来るものの、被介護者を
吊具から降ろしてベッドに寝かせるまでが非常に高負担
となっていた。
【0005】本発明は上述の点に鑑みて提供したもので
あって、吊具により被介護者を移動させる場合にも横揺
れを防止して被介護者に不快感を与えず、また、被介護
者を吊具から降ろしてベッドなどに寝かせる場合でも、
介護者に負担を与えないようにした介護装置を提供する
ことを目的としているものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1記載の介護装置では、被介護者を座らせるリフト部4
7と、このリフト部47を上下動自在に吊設している吊
設部45とを有する介護装置において、上記吊設部45
の両側から並設して垂設した一対のサイドステッキ61
と、中央に穿孔した穴132に上記吊設部45から垂下
した吊り具52を挿通し、両側のサイドステッキ61間
に配置した横板63と、この横板63の両側からそれぞ
れ垂設し上記サイドステッキ61の内側面に近接して配
置した側板64と、上記吊り具52により略中央部分に
て吊設され上記リフト部47を回動自在に軸支する軸棒
65と、上記側板64の穴及びサイドステッキ61間の
スリット62を介して挿通した上記軸棒65の両端にそ
れぞれ配置され、サイドステッキ61の外側面に近接し
て配置される保持板67とでリフト装置30を構成して
いることを特徴としている。
【0007】かかる構成により、リフト部47に被介護
者が乗った場合、横板63の穴132に挿通している吊
り具52は下方に引っ張られ、上下の横板63と軸棒6
5、両側の側板64とで四角形状となり、荷重のバラン
スがくずれても、四角形状となっているので、横揺れが
生じにくく、しかも、サイドステッキ61の両側面には
側板64及び保持板67が近接して配置されていること
で、リフト部47の横揺れを防止でき、これにより、被
介護者に不安感を与えることがない。
【0008】また、請求項2記載の介護装置では、両側
の壁面32に固定レール体31を配設し、この両側の固
定レール体31間に移動レール体34を架橋し、この移
動レール体34を固定レール体31に沿って移動自在と
し、この移動レール体34の長手方向に沿って移動自在
に上記リフト装置30を設けていることを特徴としてい
る。
【0009】かかる構成により、固定レール体31間に
架橋した移動レール体34に移動自在にリフト装置30
を設けているので、リフト装置30のリフト部47に被
介護者を載せて、介護ルーム1の任意の場所に被介護者
をスムーズに移動ないし搬送させることができる。
【0010】請求項3記載の介護装置では、上記軸棒6
5に軸支したリフト部47を、軸棒65の両側からそれ
ぞれ垂設した吊り板70と、この吊り板70の下部間に
架橋した座板73と、両吊り板70の略中央部分の前後
に突設したグリップ体76とで構成していることを特徴
としている。
【0011】かかる構成により、リフト部47に乗った
被介護者がグリップ体76を持ち、リフト装置30を移
動させる介護者が例えば、被介護者の前面に位置してグ
リップ体76を持ちながらリフト装置30を移動させる
ことで、被介護者に不安感を与えることがない。
【0012】請求項4記載の介護装置では、上記グリッ
プ体76と座板73の間に被介護者がもたれるシート7
7を着脱自在に装着していることを特徴としている。
【0013】これにより、被介護者はシート77にもた
れることができるので、リフト部47から被介護者を落
下させることなく、安全に移動させることができる。ま
た、シート77を車椅子拡げて被介護者が座り、車椅
子をリフト部47まで移動させ、シート77をリフト部
47に装着してリフト部47をそのまま上昇させること
で、リフト部47に被介護者を介護者の力を必要とする
ことなく乗せることができる。また、リフト部47から
ベッドに被介護者を寝かせる場合でも、リフト部47を
ベッドの上に下降させていくだけで、リフト部47が倒
れながら被介護者を寝かせることができ、かかる場合に
も介護者の力をほとんど必要とせずに、被介護者をベッ
ドに寝かせることができる。
【0014】請求項5記載の介護装置では、リフト部4
7の両側に位置する両サイドステッキ61の間のスリッ
ト62は軸棒65の上下動のガイドの機能を有し、サイ
ドステッキ61の下端を床面に近く延ばしていることを
特徴としている。
【0015】これにより、地震などの非常時にリフト装
置30が落下したとしても、床面に近接しているサイド
ステッキ61の下面が床面に当接することで、リフト装
置30自体が被介護者に直撃することがなく、被介護者
にとって安全性を向上させたリフト装置30を提供する
ことができる。
【0016】請求項6記載の介護装置では、上記移動レ
ール体34は、2枚のフレーム40からなり、このフレ
ーム40間の空間部50に上記吊設部45を配置し、こ
の吊設部45の外殻を両フレーム40の内側面に近接し
てそれぞれ配置したサイドプレート58と、フレーム4
0の上端面より突出したサイドプレート58の上端面間
に架橋しサイドプレート58間の寸法より長い天板56
と、フレーム40の下端面より突出し、サイドプレート
58の下端面間に架橋しサイドプレート58間の寸法よ
り長い底板60とで構成していることを特徴としてい
る。
【0017】かかる構成により、吊設部45は2枚のフ
レーム40間から脱落することがなく、地震等の非常時
においても安全である
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1は本発明の介護ルーム
1の配置構成図を示し、お年寄り、病人、身体障害者な
どの被介護者を介護するための専用の部屋とした場合で
ある。
【0019】この介護ルーム1の一方には車椅子が出入
り可能な横幅を有する出入口2が設けられており、この
出入口2には開閉自在な扉3が設けてある。また、介護
ルーム1の他方には、引き戸4が開閉自在に設けられて
いて、引き戸4の外側の庭先には、被介護者の心を和ま
せる鳥カゴ5や植木鉢6等が配置してある。介護ルーム
1の床面は全体にわたって防水フロアーとしていて、被
介護者の汚物などの汚れを水によって容易に洗浄可能と
なっている。床面の要部には、室内清掃用の排水口7が
設けられており、床面全体を清掃した洗浄水をこの排水
口7から配管10を介して汚水ピット11に排出するよ
うになっている。なお、汚水ピット11からは通常の下
水道に流すようになっている。
【0020】介護ルーム1には、シャワーが可能なシャ
ワーベッド12と、ゆったりした気分で寝ることができ
るゆりかごベッド13と、浴槽14と、便器15等が配
置されている。なお、この介護ルーム1は例示であり、
介護ルーム1に他の物、例えば、冷蔵庫、洗濯機、本棚
等を配置しても良いのは言うまでもない。被介護者にと
って少なくともこれらがあれば快適に過ごせる物を配置
しているものであり、これらに限定されるものではな
い。また、湯水が出る蛇口18や洗い槽16を備えたシ
ンク17が配設されている。さらに、上記浴槽14及び
便器15と、シャワーベッド12及びゆりかごベッド1
3との間には入浴時や便器15使用時に遮蔽するカーテ
ン20が開閉自在に設けられている。また、シャワーベ
ッド12及び便器15には排水用の配管21、22が汚
水ピット11に接続されている。
【0021】上記介護ルーム1内で自在且つ容易に移動
できるように、図2及び図5に示すようなリフト装置3
0が設けられており、以下、このリフト装置30につい
て説明する。このリフト装置30を図1に示す介護ルー
ム1の縦方向に自在に移動させるための固定レール体3
1が図1及び図6に示すように壁面32の上部に配設さ
れている。この固定レール体31は壁面32の縦方向の
略全長にわたって配設されており、固定レール体31の
端部側には図1に示すようにストッパー33が設けられ
ている。このストッパー33により、リフト装置30が
引き戸4側に移動しないようにして、被介護者が引き戸
4や壁に衝突しないように安全性を図っている。
【0022】また、リフト装置30を図1に示す横方向
に移動自在にする移動レール体34が、両側の固定レー
ル体31に懸架してある。すなわち、図1に示す介護ル
ーム1の縦方向に移動自在とした移動レール体34に、
横方向自在にリフト装置30が吊設されており、これに
より、リフト装置30を介護ルーム1の任意の場所にス
ムーズに移動ないし搬送させることができるようになっ
ている。
【0023】図4に示すように、固定レール体31と壁
面32との間に上面を長手方向に開口したレール溝35
が形成されており、また、移動レール体34の両端の下
面に固定した台車36(図4及び図6参照)内に回転自
在に装着したローラー37が固定レール体31の上面に
載置されている。なお、上記ローラー37は1個でも良
く、また、進行方向に2個以上設けても良い。
【0024】移動レール体34は、図1及び図6に示す
ように、平板状の2枚のフレーム40と、2枚のフレー
ム40の両端に設けられ該フレーム40を保持する保持
部材41と、フレーム40の両端の下面に略L型の固定
金具42により連結固定された上記台車36等で構成さ
れている。上記フレーム40の側面と台車36の上面と
の間に固定金具42をボルト止め等をして台車36の上
面に図6に示すように、フレーム40が固定されてい
る。また、図4に示すように台車36の外側面には、上
記レール溝35に嵌入させた脱輪止め板43が固定され
ていて、台車36が固定レール体31の上面から脱輪す
るのを防止している。また、移動レール体34の両側に
それぞれ脱輪止め板43を設けていることで、地震の際
にも移動レール体34が容易に脱落するのを防止してい
る。
【0025】このようにして、移動レール体34のロー
ラー37が固定レール体31の上面を長手方向(図1に
示す介護ルーム1の縦方向)に転動することで、移動レ
ール体34は固定レール体31に対して軽い力でスムー
ズに移動させることができるものである。
【0026】次に、上記移動レール体34に対して横方
向に移動自在としたリフト装置30の構成について説明
する。図2、図3及び図5において、リフト装置30
は、移動レール体34に対して移動自在とした台車部4
5と、台車部45の両側より垂設された支持部46と、
この支持部46により上下方向にガイドされ、また上記
台車部45から上下動自在に垂設されたリフト部47等
で構成されている。
【0027】リフト装置30の台車部45は、図3に示
すように移動レール体34の2枚のフレーム40の間の
空間部50内を移動自在に配置されており、この台車部
45にホイスト装置51が納装されている。このホイス
ト装置51は周知のように正逆回転可能なモータ(図示
せず)と、このモータの回転軸に装着されている吊り具
52と、上記モータを正転、逆転に駆動するコントロー
ラ53等で構成されている。図5に示すように、台車部
45からコード54が延出されており、このコード54
の端部にコントローラ53が設けられている。また、図
示していないが、介護ルーム1のコンセントから電源コ
ードを接続し、この電源コードも台車部45内に接続さ
れており、商用電源のAC100Vを上記モータに供給
している。
【0028】また、図2及び図3に示すように、台車部
45の外殻は固定レール体31のフレーム40の上方に
位置し台車部45の両側にそれぞれ位置する天板56、
56と、フレーム40の下端面の両側に位置する底板6
0、60と、天板56及び底板60の間に配置されて両
フレーム40の内側面側にそれぞれ近接して配置される
サイドプレート58とで構成されている。また、上記天
板56と底板60の寸法は図3に示すように両フレーム
40間の寸法より大きく設定している。これにより、台
車部45が移動レール体34から地震などの際に脱落す
るのを防止している。
【0029】さらに、図3に示すように、台車部45の
サイドプレート58の上部の両側面にはローラー55が
回動自在に設けられ、且つこれらのローラー55は移動
レール体34のフレーム40の上面に転動自在としてあ
る。また、ローラー55の外側には側板57が設けられ
ている。
【0030】さらに、台車部45の両側の側面より2枚
のサイドステッキ61、61がそれぞれ垂下されてお
り、この平行に垂下されたサイドステッキ61の間の空
間をスリット62とし、後述するようにこのスリット6
2により、リフト部47を上下動のガイドを行なうよう
にしている。同時に2枚のサイドステッキ61によりリ
フト部47が横揺れするのを防止している。また、隣接
するサイドステッキ61の下面の間には連結板68が架
橋してあり、この連結板68によりリフト部47を下降
させた際に、軸棒65が当接してそれ以上リフト部47
が下降してサイドステッキ61から外れるのを防止して
いる。
【0031】なお、サイドステッキ61の下方向への長
さを床面近くまで延ばすことで、地震等の非常時にリフ
ト装置30が落下したとしても、サイドステッキ61の
下面が直ぐに床面に当接するので、リフト部47に乗っ
ている被介護者に台車部45などの部材が被介護者を直
撃する恐れはない。サイドステッキ61は上述したよう
に、リフト部47の昇降時のガイドを行なうので、上下
方向のある程度の長さは必要であり、サイドステッキ6
1を床面近くまで延ばすか否かは任意である。しかし、
サイドステッキ61を床面近くまで延ばす方が上述した
ように非常時には有効となる。
【0032】また、両側のサイドステッキ61の間であ
って軸棒65の上方には、横板63が配置されていて、
この横板63の端面には側板64がそれぞれ固定されて
いる。横板63の中央部分には穴132が穿設されてお
り、この穴132にホイスト装置51からの吊り具52
が挿通されている。なお、吊り具52として図ではチェ
ーンを使用しているが、ワイヤーを用いても良い。
【0033】上記吊り具52の下端と接続される略球形
状の吊り部66を中央に設けた軸棒65は金属製からな
り、両端に軸棒65の外径と同じ大きさの孔をあけた吊
り部66を軸棒65に挿通し、吊り部66を軸棒65に
固着している。これにより、軸棒65は吊り具52によ
り吊設され、また、ホイスト装置51により上下動自在
に吊設されている。軸棒65の両端は、側板64に穿孔
した孔及びスリット62を挿通すると共に、サイドステ
ッキ61の外側に配置した保持板67の孔内に位置して
いる。サイドステッキ61の両側に位置する側板64と
保持板67とは、図26に示すように、スリット62内
に位置させた連結部材69を介して連結固定されてい
る。
【0034】軸棒65の両側に配設する吊り板70の上
部には軸棒65が挿通する挿通孔71が穿孔されてお
り、この挿通孔71に軸棒65を挿通し、吊り板70の
両側に装着した略リング状で金属製の止め金具72にて
吊り板70を軸棒65に固定している。なお、止め金具
72の周面に複数のネジにより軸棒65に螺着すること
で、止め金具72を軸棒65に固定し、これにより、吊
り板70の横方向への移動を規制し、また、吊り板70
は軸棒65に対して回動自在となっている。また、両側
の吊り板70の下面間に座板73が架橋された形で固定
されており、この座板73及び両側の吊り板70でブラ
ンコのように軸棒65に対して回転するようになってい
る。なお、吊り板70、座板73等でリフト部47を構
成している。
【0035】さらに、吊り板70の上下の部分には穴7
4が穿設されていて、この穴74に両端にねじを螺刻し
た金属製の棒体(図示せず)を挿入し、この棒体の両側
に所定の寸法のパイプ75を挿入している。そして、パ
イプ75の先端より突出している棒体の先端をグリップ
体76の穴(図示せず)に挿通し、グリップ体76の先
端より突出したねじ部にナット78を螺着している。こ
のようにしてパイプ75を用いることで、吊り板70と
グリップ体76との間の寸法を所望の値にできると共
に、吊り板70にグリップ体76を固定しているもので
ある。これにより、図5に示すように、両側の吊り板7
0の前後にグリップ体76がそれぞれ設けられた形とな
り、両側のグリップ体76は被介護者が掴むようになっ
ており、同時に、介護者もリフト装置30を押したり、
手前に引く時にグリップ体76を持つようになってい
る。
【0036】図7はリフト部47に着脱自在に装着する
シート77の平面図を示し、シート77の上部の両側に
はグリップ体76の上部に引っ掛けるリング80が設け
られている。また、シート77の下部の両側には、ベル
ト体81が設けられ、このベルト体81は先端に装着し
たオスメス形状の嵌合部材82、83によりワンタッチ
で装着、取り外しができるようになっている。図8に示
すように、シート77のリング80をリフト部47の両
側のグリップ体76の上部に引っ掛けると共に、ベルト
体81を座板73の両側に係止する。これにより、シー
ト77がリフト部47に着脱自在に装着され、被介護者
がシート77にもたれかかるようにして座ることができ
る。なお、シート77は通常は必要とするが、例えば、
足にケガをして歩けないが、足以外の体は通常の場合で
は、特にシート77がなくても良いので、シート77が
ない場合でも本発明を適用することができる。しかし、
シート77をリフト部47に着脱自在に装着するのが好
適例である。
【0037】この時、被介護者はシート77及び座板7
3に座る形となり、被介護者は前のグリップ体76を持
つことで、座った場合の姿勢、重心等が安定することに
なる。なお、上記シート77の代わりにゴルフに使用す
るネットを用いるようにしても良く、また、リング80
及びベルト体81の代わりにシート77の四隅にロープ
を装着し、このロープをグリップ体76の上部や座板7
3の端部に巻き付けてシート77をリフト部47に着脱
自在に装着するようにしても良い。
【0038】ここで、コントローラ53を操作してホイ
スト装置51によりリフト部47を下げていくと、固定
されたサイドステッキ61の間のスリット62が軸棒6
5の両端をガイドする形となってリフト部47が下降す
る。また、リフト部47を上昇させる場合にも、同様に
スリット62が軸棒65のガイドとなってリフト部47
が上昇していく。また、図8に示すように被介護者がシ
ート77に座っている場合、リフト部47が軸棒65に
対して回動可能となっているが、介護者がグリップ体7
6を持って移動させているので、少々の揺れがあっても
大きく揺れることはなく、被介護者に不安感を与えるこ
となく、リフト装置30を移動させることができる。
【0039】また、リフト部47の前後方向(被介護者
の進行方向)の揺れは少しあるものの、本発明では、横
方向の揺れをほとんどなくしている。すなわち、図24
は本発明者が本発明を完成させる前の実験段階でのリフ
ト部47の吊り方法を示すものであり、軸棒65の中心
部にて吊り具52により吊った場合、軸棒65はある程
度の直径を有しているものの、1本の細い棒体とみなす
ことができる。図24(a)は吊り具52にて軸棒65
を吊設している場合であり、軸棒65の左右に荷重がか
からず、釣り合いがとれている状態である。したがっ
て、支点Pに対して軸棒65は傾かず略水平状態となっ
ている。
【0040】リフト部47に被介護者が乗った場合、被
介護者は必ずしも座板73の中心に座ることはなく、ま
た座っている途中で左右に動いたり、左右に体重をかけ
る場合もある。そのため、支点Pに対して荷重のバラン
スがくずれると、図24(b)に示すように、軸棒65
が大きく傾くことになる。特に、軸棒65に対しての吊
り具52は1点支持の形となっているため、軸棒65は
大きく傾斜する。そのため、図2に示す側板64(図2
では側板64は横板63に固定してある)を横揺れ防止
のために軸棒65の端部に固定し、軸棒65が傾いた際
に側板64をサイドステッキ61の接触させて横揺れを
防止することになる。しかしながら、図24に示す構成
とした場合、側板64の上下方向の寸法をかなり長くし
なければ、軸棒65の傾きを防ぐことができない。ま
た、側板64の長さを長くしても軸棒65の傾きを抑え
切れず、リフト部47の上下動がぎこちなく、同時にス
ムーズに昇降させることができないという問題点があっ
た。
【0041】そこで、本発明では、図2及び図25に示
すように、軸棒65の上方に横板63を設け、この横板
63の両側に軸棒65を挿通させた側板64を一体的に
設けるようにしたものである。すなわち、図25に示す
ように、リフト部47に被介護者が乗った場合、軸棒6
5には荷重がかかり、同時に吊り具52にも荷重がかか
るので、吊り具52には下向きの力がかかる。このと
き、横板63、2つの側板64、及び軸棒65により四
角体の構造となって、支点Pに対しての横揺れを少なく
している。そのため、側板64の長さを短くでき、しか
も、この側板64によりリフト部47の横揺れをほとん
どなくすようにしているものである。これにより、被介
護者に不安感を与えることがないものである。
【0042】次に、シャワーベッド12の構成について
説明する。なお、このシャワーベッド12に用いる部材
はゆりかごベッド13に使用する部材と共通の部材を用
いている。図9〜図12において、図12はシャワーベ
ッド12を構成する基台85の斜視図を示し、基台85
の下面には移動可能なように複数のキャスター86が取
り付けてある。基台85の端部には小物入れ87が設け
てあり、小物入れ87の上面開口部にはフタ88が開閉
自在に設けてある。基台85の上面には凹部が凹設され
ており、この凹部内に床面に防水加工を施したシャワー
水回収ユニット89が配設されている。また、このシャ
ワー水回収ユニット89の床面は中央に設けた排水口9
0に向かって傾斜している。
【0043】シャワー水回収ユニット89の上部の周囲
には四角枠状のリブ91が設けられていて、このリブ9
1の内側に図14に示す長四角枠状の枠本体93が着脱
自在に配置されるようになっている。枠本体93をリブ
91内に配置し、さらに、枠本体93の上面側に4つの
それぞれ簀の子状に形成した部材94〜97が着脱自在
に配置されるようになっている。すなわち、図14に示
すように、枠本体93の右側の開口面100に可倒敷板
94が着脱自在に装着され、中央の開口面101に敷板
95が着脱自在に敷設され、左側の開口面102に2枚
の敷板96、97がそれぞれ着脱自在に敷設されるよう
になっている。
【0044】なお、各敷板94〜97の下面にはそれぞ
れ桟が設けられていて、この桟を段部103に載置する
ことで各敷板94〜97を敷設するようにしている。こ
のような段部103は枠本体93の横桟108の下面側
にも形成しているが、図示は省略している。また、横桟
108により各敷板94〜97が枠本体93の長手方向
に移動するのを規制している。なお、図14に示す各敷
板94〜97は簀の子状としているが、1枚の板でも良
く、また格子状にしたり、空間部を設けて風通しを良く
するようにしても良いのはもちろんである。
【0045】被介護者の頭部側が可倒敷板94に対応し
ており、この可倒敷板94は後述するようにリフト装置
30により任意の角度で可倒自在としてある。可倒敷板
94の端部には断面を略L字型とした側片104が一体
的に設けてあり、この側片104の上部下面からは側方
に舌片105が一体的に突設されている。また、この舌
片105には穴106が穿設してある。一方、枠本体9
3の端部にも断面を略Z字型とした側片107が一体的
に設けられており、両側の側片104、107により、
各敷板94〜97の上面に敷いたふとんやマットレスが
動くのを防止している。なお、図14に示す枠本体9
3、各敷板94〜97でベースベッド110を構成して
いる。
【0046】図13は基台85の上面にスライド自在に
配置される補助台112を示し、この補助台112は、
天板113とこの天板113の下面の両側に垂設した脚
片114とで略コ字型に形成されている。また、脚片1
14の下面側にはローラー115が配設されており、軽
い力で補助台112をスライド可能にしている。補助台
112の横幅と基台85の横幅とは略同じ寸法としてお
り、基台85のリブ91の外側に補助台112の脚片1
14が位置することで、補助台112が基台85から脱
落しないようになっている。また、2枚のフタ88の横
幅もリブ91の横幅と略同じとしてあり、フタ88の端
面とリブ91の端面とは面一となっている。さらに、フ
タ88の端部には突部117が設けられており、この突
部117により、補助台112のローラー115が基台
85の端部の、リブ91やフタ88の端面を利用して形
成したガイド部116を転動して補助台112をスライ
ドさせても、突部117により基台85から脱落するの
を防止している。なお、この補助台112は図9に示す
ように、2台使用している。
【0047】ここで、図9に示しているのは、シャワー
ベッド12の上にゆりかごベッド13(図中の破線で示
している)を置いた状態を示しているので、次にこのゆ
りかごベッド13の構成について説明する。このゆりか
ごベッド13は、畳の上に直接置いたり、上記シャワー
ベッド12の上にも置けるようになっている。図16は
ゆりかごベッド13を構成している支持体120の斜視
図を示し、この支持体120は、平板状の支持片121
と、この支持片121の両側の下端に設けられ略コ字型
の固定片122とで構成されている。
【0048】なお、この支持体120は一対で構成され
ており、支持体120を畳等の床面に直接載置しても良
く、図9及び図15に示すようにベースベッド110の
側片104、107に固定片122を介して載置するよ
うにしても良い。固定片122の内側の寸法と側片10
4、107の横幅の寸法は略同じとしてあり、固定片1
22を側片104、107に嵌めた際に、固定片122
ががたつかないようになっている。
【0049】また、支持体120の支持片121の両側
には挿通孔123が穿孔されていて、図15に示すよう
に金属製のパイプ124の端部が挿通されるようになっ
ている。パイプ124は2本使用するものであり、ゴル
フのネット125を何重か巻くと共に、図18に示すよ
うに、ネット125の下部が少し下方に湾曲するように
巻いている。これにより、被介護者がネット125の上
に寝た場合でもゆりかごの如く寝られるようになってい
る。また、ゴルフ用のネット125を何重か巻回するこ
とで、ネット125をパイプ124に確実に巻くことが
でき、特にネット125をパイプ124に固定する手段
を不要としている。
【0050】次に、図9によりゆりかごベッド13を使
用しない場合のシャワーベッド12の作用について説明
する。基台85の上にベースベッド110を載置し、さ
らにマットレスや布団を敷く。補助台112は上述のよ
うにシャワーベッド12の長手方向に沿って移動自在で
あるので、補助台112を使用しない時は、図9の実線
で示すようにシャワーベッド12の端部に位置させてお
き、被介護者はシャワーベッド12の上に寝る。また、
被介護者の足が布団で重い場合や、下半身のリハビリを
行なうために足を動かす場合には、2台の補助台112
を被介護者の下半身の位置に対応した場所に移動させ
る。そして、適宜の間隔を開けて位置させた補助台11
2の上に布団を覆うことで、被介護者の下半身を隠すこ
とができると共に、2台の補助台112により適宜の大
きさの空間を確保することができる。
【0051】そして、補助台112にて形成された空間
で被介護者は足を動かしてリハビリを行なうことができ
る。また、シャワー水回収ユニット89のリブ91の内
側の下方に図9に示すように段部126が形成されてお
り、この段部126に敷板96、97の端部を載置する
ことで、いずれか一方、あるいは両方の敷板96、97
の端部を下方に位置させて敷板96、97を下向きに傾
斜させて配置することができる。これにより、被介護者
の下半身の部分の空間をさらに大きくとることができ、
リハビリを行なう際にも効果的となる。
【0052】また、被介護者が寒いと感じる場合には、
図9に示すように、2台の補助台112の上に電気コタ
ツ127を置き、この電気コタツ127の上から布団を
かけるようにしても良い。さらに、補助台112の上面
を食事の際のテーブルとして使用しても良く、また、2
台の補助台112の上に大きなテーブルを置いて、広く
使用するようにしても良い。
【0053】シャワーベッド12の上にゆりかごベッド
13を置く場合には、以下のようにして設置する。先
ず、支持体120をシャワーベッド12のいずれかの側
片104に置き、ネット125を予め巻いたパイプ12
4の端部を支持体120の挿通孔123に挿通する。次
に、他方の支持体120を他方の側片107を置き、こ
の側片107の挿通孔123にパイプ124の他方の端
部に挿通することで、図9に示すようにゆりかごベッド
13をシャワーベッド12の上に載置することができ
る。
【0054】次に、シャワーベッド12の機能について
説明する。先ず、被介護者の体をシャワーにより洗う場
合、シンク17のところに設置しているお湯用の蛇口1
8からホースを引っ張ってこのホースの先端に装着した
シャワー用の器具により洗う。この場合、ゆりかごベッ
ド13とベースベッド110を取り除き、被介護者がシ
ャワー水回収ユニット89内に入ってシャワーを行なっ
ても良く、シャワー水回収ユニット89内にお湯を溜め
て行水のごとく使用するようにしても良い。また、ベー
スベッド110の上に寝た状態、あるいはゆりかごベッ
ド13の上に寝た状態でシャワーにより洗うようにして
も良い。
【0055】なお、被介護者が寝たきりの場合など、排
便のあとの被介護者への洗浄処理や、被介護者の洗浄や
衣類、ネット125、ベースベッド110の汚物の洗浄
を行なう場合、そのままシャワーで洗浄しても、被介護
者のシャワーの場合と同様に、洗浄水はシャワー水回収
ユニット89にて回収され、同時に排水口90により排
水され、さらに、図1に示すように配管21、汚水ピッ
ト11を介して下水道に流れるようになっている。
【0056】次に、被介護者が車イスに乗って介護ルー
ム1に入り、車イスからリフト装置30のリフト部47
に乗り、シャワーベッド12、あるいはゆりかごベッド
13に寝るまでの動作について説明する。なお、介護ル
ーム1には本発明の独自のシャワーベッド12やゆりか
ごベッド13を配置しているが、もちろん、市販されて
いる一般的なベッドを介護ルーム1に配置することは可
能である。説明上、介護ルーム1には本発明の特徴を出
すためにシャワーベッド12やゆりかごベッド13を配
置しているものである。
【0057】介護ルーム1内にある車イスの座部の上に
図7に示すシート77広げ、このシート77の上に被介
護者に座ってもらう。この時、リハビリを兼ねて被介護
者自身が車イスに座っても良く、介護者が手伝うように
しても良い。一方、介護者はリフト装置30を車イスの
位置まで手で押して移動させ、その位置でコントローラ
53を介護者が操作してリフト部47の座板73の下面
が床面に接触ないし近接する位置までリフト部47を下
降させる。車イスをリフト部47まで移動させていき、
被介護者の足を座板73より前方へ出し、車イスを座板
73まで移動させる。そして、シート77の下部の両側
のベルト体81をリフト部47の両側の下部に嵌める。
この時、ベルト体81を吊り板70と座板73とに回し
てベルト体81がリフト部47から外れないようにす
る。次に、シート77の上部の両側のリング80を後側
のグリップ体76に係止する(図8参照)。なお、シー
ト77のリング80、ベルト体81のいずれを先にリフ
ト部47に係止するようにしても良いのはもちろんであ
る。
【0058】この場合、被介護者はシート77にもたれ
っぱなしでも良く、図8に示すように、シート77にも
たれながら手でグリップ体76を持つようにしても良
い。この状態でコントローラ53を操作してリフト部4
7を上昇させて、被介護者の足が床面から離れる位置ま
で上昇させる。被介護者を載せたリフト部47をどの高
さまで上昇させるかは任意であるが、被介護者を介護ル
ーム1内で単に縦方向、横方向に移動させるだけであれ
ば、被介護者の足が床面に接触しない程度の床面より少
し上昇させた位置で良い。この場合、被介護者にとって
床面からあまり高い位置とはならないので、被介護者に
不安感を与えることはない。
【0059】次に、被介護者を車イスからリフト部47
に載せてから、シャワーベッド12あるいはゆりかごベ
ッド13に寝かせる場合の動作について説明する。この
場合の被介護者の上昇位置は、上述したように、リフト
部47に乗った位置からシャワーベッド12まで床面か
ら少し浮いた位置にし、シャワーベッド12のところま
で来た時に、シャワーベッド12の上方の位置までリフ
ト部47を上昇させるようにする。また、最初からシャ
ワーベッド12の上方に対応した位置までリフト部47
を上昇させて、その高さの位置で被介護者を移動させる
ようにしても良い。
【0060】この時、介護者がリフト装置30を移動さ
せる場合、被介護者の後側に立ってグリップ体76を持
って押すようにしてリフト装置30を移動させても良
く、また、介護者が被介護者の前側に立ってリフト装置
30を移動させるようにしても良い。この場合、被介護
者側からは常に介護者が目の前にいるので、被介護者に
不安感を与えることがなく、かえって被介護者に安心感
を与えることになる。
【0061】また、リフト装置30を移動させていると
き、リフト装置30のリフト部47は軸棒65を軸とし
て回動可能となっているが、実際は介護者がグリップ体
76を持っているので、リフト部47の回動をほとんど
抑えることができる。また、リフト部47の横揺れも起
きようとするが、上述したように、軸棒65、横板6
3、吊り具52、さらに側板64、保持板67との作用
により、横揺れが発生しにくい構造となっているので、
リフト部47の横揺れはほとんど生じない。そのため、
被介護者に不安感を与えることはない。
【0062】ここで、いわゆる吊り具装置により被介護
者が乗っている時に、被介護者にとって一番不安感を与
えるのは横揺れであり、しかも、この横揺れが発生する
吊り具装置は前後方向にも回動するために、結果的に被
介護者は横揺れ、前後の揺れがそれぞれ、あるいは同時
に生じることになる。この揺れにより被介護者は非常に
不安感を感じてしまい、吊り具装置によるベッドへの移
動、トイレ(便器)への移動が不快なものとなってしま
うのである。しかしながら、本発明では、リフト部47
の前後方向の回動(前後の揺れ)は生じるものの、リフ
ト部47つまり被介護者の前、あるいは後に介護者が常
にいるために、被介護者に不安感を与えることはない。
しかも、リフト部47の横揺れを防止しているので、被
介護者に安心感を与えるものである。
【0063】このようにして、図20に示すように、被
介護者をリフト部47に載せてシャワーベッド12の上
方まで移動させた後に、被介護者をシャワーベッド12
の上に寝かせることになる。なお、ここで、図20では
被介護者を図示していないが、被介護者は図20の左側
を向いている。また、リフト部47に装着しているシー
ト77も図示は省略している。次に、リフト部47を徐
々に下降させていくと、図21に示すように、リフト部
47の座板73の下面が当接するが、介護者はコントロ
ーラ53によりさらにリフト部47を下降させる。
【0064】ここで、図8に示すようにように、被介護
者がリフト部47に乗った状態では被介護者がシート7
7側にもたれるので、被介護者の体重によりリフト部4
7の重心が座板73より後方に位置する。そのため、図
8ではリフト部47が真っ直ぐの下向きに記載している
が、実際には、軸棒65を軸として、吊り板70はやや
反時計方向に傾いた状態となっている。したがって、図
21に示すリフト部47の状態から、リフト部47をさ
らに降ろす、つまり、コントローラ53の操作により吊
り具52をさらに下降させていくと、被介護者及びリフ
ト部47の重量によりリフト部47は図21の右方に倒
れていくことになる。
【0065】ここで、移動レール体34は、固定レール
体31に対して軽い力でスムーズに移動するようになっ
ているので、リフト部47が後方に倒れていくに伴いリ
フト部47及び被介護者の重量により移動レール体34
が後方に押されることになり、それにつれて、図22に
示すようにリフト部47が倒れていき、移動レール体3
4も後方に移動していく。そして、図22に示すよう
に、リフト部47のグリップ体76の下端がシャワーベ
ッド12の上面に当接した状態では、被介護者が図23
に示すようにほとんど寝た状態となっているので、この
状態の時にホイスト装置51からの吊り具52の送り出
しを停止する。
【0066】図22及び図23に示す状態では、リフト
部47が傾いた状態なので、リフト部47の回転軸とな
る軸棒65の位置が被介護者の頭部からかなり上方の位
置となっている。そのため、被介護者の頭部と軸棒65
との間の距離が相当あるので、被介護者にとって軸棒6
5が頭に当たるという不安感を与えることはない。被介
護者をシャワーベッド12の上に寝かせた後は、シート
77が介護者の下になっているので、介護者が被介護者
を抱きながら横にして、シート77を取り出す。
【0067】ここで、リフト部47の座板73を吊り板
70に対して固定しているので、介護者は被介護者の足
を抱きかかえながらリフト装置30を足の先端側に移動
させることで、リフト部47の座板73を被介護者の足
から取り除くようにしている。そこで、リフト部47の
座板73を吊り板70に対して着脱自在にワンタッチで
装着できる構造にすることで、リフト装置30自体を移
動させることなく、被介護者からリフト装置30を移動
させることができる。例えば、ボルトとナット、あるい
はバックルのような金具で座板73と吊り板70とを着
脱自在に連結固定できる構造である。
【0068】また、シャワーベッド12に寝ている被介
護者を車イスに載せる場合には、先ず、被介護者の下に
シート77を敷いて、そのシート77の上に被介護者を
寝かせる。そして、リフト装置30を移動させてリフト
部47を図22に示すように倒して、シート77のリン
グ80、ベルト体81をリフト部47の上述と同様に装
着する。次に、そのままリフト部47を上昇させること
で、被介護者はシート77にもたれたままで、リフト部
47及びシート77によりもたれながら乗ることができ
る。そして、介護者がリフト装置30を押すことで、リ
フト装置30が移動レール体34を横方向に移動すると
同時に、移動レール体34自体が固定レール体31に対
して縦方向に移動することで、被介護者を介護ルーム1
内の任意の場所に移動させることができる。
【0069】被介護者をリフト装置30により浴槽14
に入れる場合も先と同様の要領で行なうことで、スムー
ズに被介護者を浴槽14内に搬送させることができる。
この時、先の場合と同様に目の詰まったシート77を用
いても良く、また、シート77をネット状のシート77
として用いても良い。また、被介護者が排便を行なう場
合には、被介護者の臀部の位置に対応するシート77の
箇所に穴(図示せず)をあけておき、この穴により排便
を行なう。また、シート77とは少し形状の異なるシー
ト(図示せず)をリフト部47の両側のグリップ体76
の上下のロープ等で装着し、このシートの下縁を座板7
3との間に被介護者の臀部を露出させて排便を行なうよ
うにしても良い。なお、リフト装置30による便器15
までの移動や、便器15の上に被介護者を座らせるの
は、先の作用と同じなので、説明は省略する。
【0070】ところで、図9及び図19はリフト装置3
0を利用して可倒敷板94を傾斜させるようにした場合
を示しており、ロープなどの吊り具130の上端をリフ
ト部47の上部、例えば、軸棒65に着脱自在に装着
し、また、吊り具130の下端を可倒敷板94の舌片1
05の穴106を介して着脱自在に接続するようにして
いる。リフト部47を上昇させることで、可倒敷板94
は横桟108(図14参照)により可倒敷板94の端部
を支点として図19及び図9に示すように上昇、つまり
可倒敷板94を任意の角度で傾斜させることができる。
これにより、被介護者の気分転換を図ったり、床ズレ等
の防止を図ることができる。
【0071】また、図19では、シャワーベッド12の
上面にゆりかごベッド13を配置し、このゆりかごベッ
ド13ごと傾斜させた場合を示し、特に、夏場の汗をか
き易い時期においては、扇風機131の風を被介護者に
当てることで、背中などが蒸れて汗疹が発生するのを防
止している。ここで、可倒敷板94は隙間の多い構造と
することで、風をスムーズに通すことができ、また、ゆ
りかごベッド13は目の粗いゴルフ用のネット125を
用いているので、被介護者の背中等に十分に風を当てる
ことができる。
【0072】なお、被介護者によっては、ベッドではな
く畳の上で寝たい場合もあり、畳の上に直接布団を敷い
ても良いが、本発明の介護装置を利用する場合は、図1
4に示すベースベッド110を畳の上に配置し、このベ
ースベッド110の上に布団等を敷いて利用することも
できる。
【0073】また、リフト装置30を構成している各部
材は、軸棒65などの荷重が直接かかる部材を除いて木
材で構成しているが、プラスチックなどで構成しても良
く、また、木材やプラスチックを組み合わせて構成する
ようにしても良い。なお、木材で構成した場合には、被
介護者にあたたかさを与えるので好都合である。さら
に、シャワーベッド12のベースベッド110や補助台
112、ゆりかごベッド13の支持体120等も木材を
用いているが、プラスチックを用いたり、これらを組み
合わせて構成するようにしても良いのはもちろんであ
る。
【0074】上記シャワーベッド12、ゆりかごベッド
13、浴槽14、便器15、固定レール体31、移動レ
ール体34、この移動レール体34に移動自在に設けた
リフト装置30等の介護装置、及びこれらの介護装置を
配設した介護ルーム1の構成は、介護を要するとした認
定である介護1〜介護5、また、人生の最終局面を迎え
ようとする人々のすべてをカバーできるものである。す
なわち、上述したように各介護装置は種々の機能を備え
ており、介護の軽い人や重い人でも十分に介護の対応が
できるようになっており、特に、リフト部47は介護者
が被介護者の後から、あるいは前からでも移動させるこ
とができるようになっている。そして、症状の軽い人は
介護者が後から移動したり、また、最終曲面を迎えよう
としている人に対して介護者が前に立っていたわりなが
ら介護ができるようになっている。これにより、介護者
が被介護者に話しかけながら、いたわり、やさしさを与
えることができ、被介護者に満足な介護をすることがで
きる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、横揺れのないリフト部
を提供できるので、被介護者には不安感を与えずに、被
介護者をスムーズに任意の場所に移動させることができ
る。また、シートをリフト部に着脱自在としているの
で、車椅子からリフト部、リフト部からベッドへと被介
護者を移動させる場合にも、介護者の力をほとんど必要
とせずに行なうことができるので、介護者がお年寄りの
場合でも被介護者の介護を楽に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の各種介護装置を配置した
介護ルームの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態のリフト装置の正面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態のリフト装置の一部断面を
示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態の移動レール体を固定レー
ル体に載置した状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態のリフト装置の斜視図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態の移動レール体の端部側の
下から見た場合の要部斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態のリフト装置のリフト部に
着脱自在に装着するシートの平面図である。
【図8】本発明の実施の形態のシートを介してリフト部
に被介護者を載せた状態を示す側面図である。
【図9】本発明の実施の形態のシャワーベッドの断面図
である。
【図10】本発明の実施の形態のシャワーベッドの平面
図である。
【図11】本発明の実施の形態のシャワーベッドの横断
面図である。
【図12】本発明の実施の形態のシャワーベッドを構成
する基台の斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態のシャワーベッドに使用
する補助台の斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態のシャワーベッドに使用
するベースベッドの分解斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態のゆりかごベッドをシャ
ワーベッドの上に載置した場合の断面図である。
【図16】本発明の実施の形態のゆりかごベッドの構成
部材である支持体の斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態のゆりかごベッドの平面
図である。
【図18】本発明の実施の形態のゆりかごベッドの断面
図である。
【図19】本発明の実施の形態の可倒敷板をリフト部で
上昇させて傾斜させた状態を示す要部側面図である。
【図20】本発明の実施の形態のリフト装置により被介
護者をベッドに寝かせる状態を示す説明図である。
【図21】本発明の実施の形態のリフト装置により被介
護者をベッドに寝かせる状態を示す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態のリフト装置により被介
護者をベッドに寝かせる状態を示す説明図である。
【図23】本発明の実施の形態のリフト装置により被介
護者をベッドに寝かせる状態を示す説明図である。
【図24】リフト部の従来の吊設方法を示す説明図であ
る。
【図25】本発明の実施の形態のリフト部の横揺れ防止
のための吊設方法を示す説明図である。
【図26】本発明の実施の形態のリフト部の側板と保持
板との連結構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
30 リフト装置 31 固定レール体 32 壁面 34 移動レール体 40 フレーム 45 台車部 47 リフト部 50 空間部 51 ホイスト装置 52 吊り具 56 天板 58 サイドプレート 60 底板 61 サイドステッキ 62 スリット 63 横板 64 側板 65 軸棒 67 保持板 70 吊り板 73 座板 76 グリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61G 7/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被介護者を座らせるリフト部(47)と、
    このリフト部(47)を上下動自在に吊設している吊設
    部(45)とを有する介護装置において、 上記吊設部(45)の両側から並設して垂設した一対の
    サイドステッキ(61)と、中央に穿孔した穴(13
    2)に上記吊設部(45)から垂下した吊り具(52)
    を挿通し、両側のサイドステッキ(61)間に配置した
    横板(63)と、この横板(63)の両側からそれぞれ
    垂設し上記サイドステッキ(61)の内側面に近接して
    配置した側板(64)と、上記吊り具(52)により略
    中央部分にて吊設され上記リフト部(47)を回動自在
    に軸支する軸棒(65)と、上記側板(64)の穴及び
    サイドステッキ(61)間のスリット(62)を介して
    挿通した上記軸棒(65)の両端にそれぞれ配置され、
    サイドステッキ(61)の外側面に近接して配置される
    保持板(67)とでリフト装置(30)を構成している
    ことを特徴とする介護装置。
  2. 【請求項2】両側の壁面(32)に固定レール体(3
    1)を配設し、この両側の固定レール体(31)間に移
    動レール体(34)を架橋し、この移動レール体(3
    4)を固定レール体(31)に沿って移動自在とし、こ
    の移動レール体(34)の長手方向に沿って移動自在に
    上記リフト装置(30)を設けていることを特徴とする
    請求項1記載の介護装置。
  3. 【請求項3】上記軸棒(65)に軸支したリフト部(4
    7)を、軸棒(65)の両側からそれぞれ垂設した吊り
    板(70)と、この吊り板(70)の下部間に架橋した
    座板(73)と、両吊り板(70)の略中央部分の前後
    に突設したグリップ体(76)とで構成していることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の介護装置。
  4. 【請求項4】上記グリップ体(76)と座板(73)の
    間に被介護者がもたれるシート(77)を着脱自在に装
    着していることを特徴とする請求項3記載の介護装置。
  5. 【請求項5】リフト部(47)の両側に位置する両サイ
    ドステッキ(61)の間のスリット(62)は軸棒(6
    5)の上下動のガイドの機能を有し、サイドステッキ
    (61)の下端を床面に近く延ばしていることを特徴と
    する請求項1〜請求項4にいずれか記載の介護装置。
  6. 【請求項6】上記移動レール体(34)は、2枚のフレ
    ーム(40)からなり、このフレーム(40)間の空間
    部(50)に上記吊設部(45)を配置し、この吊設部
    (45)の外殻を両フレーム(40)の内側面に近接し
    てそれぞれ配置したサイドプレート(58)と、フレー
    ム(40)の上端面より突出したサイドプレート(5
    8)の上端面間に架橋しサイドプレート(58)間の寸
    法より長い天板(56)と、フレーム(40)の下端面
    より突出し、サイドプレート(58)の下端面間に架橋
    しサイドプレート(58)間の寸法より長い底板(6
    0)とで構成していることを特徴とする請求項1〜請求
    項5にいずれか記載の介護装置
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