JP3356357B2 - 多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品 - Google Patents

多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品

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JP3356357B2 JP17444394A JP17444394A JP3356357B2 JP 3356357 B2 JP3356357 B2 JP 3356357B2 JP 17444394 A JP17444394 A JP 17444394A JP 17444394 A JP17444394 A JP 17444394A JP 3356357 B2 JP3356357 B2 JP 3356357B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔性シート及びそれ
を用いた吸収性物品に関するものであり、詳しくは、引
張強度及び成形生産性に優れ、且つ透湿性、耐水圧等を
有する多孔性シート及びそれを用いた吸収性物品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
多孔性シートの製造方法として、ポリエチレンやポリプ
ロピレン等のオレフィン系樹脂中に40重量部以上の無
機充填剤を溶融混練してシートを形成した後、一軸また
は二軸方向に延伸する方法が知られている。このように
して得られた多孔性シートは、通気性及び透湿性に優れ
結露現象を生じないため壁紙や包装紙等に好適に用いら
れている。また、このような多孔性シートの優れた性質
に更に柔軟性を付与することにより、使い捨てオムツの
裏面材等に使用することができる。多孔性シートに柔軟
性を付与するためには、オレフィン系樹脂として線状低
密度ポリエチレンを用いること等が提案されている。
【0003】一般に多用されている使い捨てオムツは、
尿等の***物を吸収する吸収体と、該吸収体の表面を覆
い肌に当てられる表面材と、上記吸収体を覆い液漏れを
防ぐ裏面材とからなり、これらは接着して一体化されて
いる。また、胴周部、脚周部からの濡れを防ぐ為に設け
られた伸縮機能及びオムツを装着した時に背側胴周部と
腹側胴周部とを止着するテープ等からなる止着機能を備
えている。この止着テープは利便性から約25mm幅の
ものが好ましく多用されている。オムツの装着ミスまた
は着用中の排尿点検の為に止着テープを剥がそうとする
と柔軟性を付与した裏面材は強度不足で破れてしまい、
新しいオムツと交換せざるを得ない。これを防止する為
に、腹側胴周部の裏面材に前もって幅広い保持用テープ
(通称ランディングテープ)を貼り付けておき、装着時
は止着テープ(通称ファスニングテープ)をその上に貼
ることにより止着テープを繰り返し付け剥がし出来るよ
うになっている。
【0004】しかしながら、ランディングテープを用い
ることはオムツ構成部材や製造工程が多くなるという欠
点、ランディングテープはオムツ素材の中で最も高価で
あるので、そのテープを幅広く(多量)用いることはコ
ストアップになるという欠点、更に、ランディングテー
プを幅広で用いても着用者の体型によってはファスニン
グテープがランディングテープ以外の裏面材に貼り付く
ことがあり、ファスニングテープの付け剥がしが出来な
くなるという欠点がある。
【0005】高強度の多孔性シートとして、特開平5−
98057号公報で「特定のポリオレフィンに充填剤と
特定の可塑剤とラジカル発生剤を配合してインフレッシ
ョン成形し、さらに引き取り方向に一軸延伸する製法」
が提案されている。しかし、かかる改良多孔性シート
は、通常のオレフィン系樹脂に無機充填剤を溶融混練し
た成形シートからの延伸シートに比べ2倍弱の強度up
が期待できるが、この程度の強度では使い捨てオムツ等
のランディングテープを省くことは出来ない。更に、ラ
ジカル発生剤を使用すると、成形品の溶融流動特性が成
形前組成物のそれと異なるので、通常の実生産工程で生
じる端部等の不要部分のリサイクル加工が困難となり、
生産性が劣るという問題がある。
【0006】多孔性シートの別の製法として、特公平5
−38011号公報で「特定の結晶性ポリマーと特定の
(該ポリマーに混和性である)化合物を溶融ブレンド
し、シート成形し、冷却過程で相分離を起こさせ、その
シートを延伸することにより微孔質シートを製造する方
法」が提案されている。かかる微孔質シートは通常のオ
レフィン系樹脂に無機充填剤を溶融混練した成形シート
を延伸したものに比べて強度が2〜3倍のものとするこ
とが出来る。しかし、これでも未だランディングテープ
を省ける強度に至らない。本発明者等の検討では通常の
製法による多孔性シートの少なくとも4倍、好ましくは
5倍の強度が必要であるという結果がでている。
【0007】更に、かかる微孔質シートの処方では、使
用される化合物の揮発温度が低いので、シート成形時に
発煙による環境汚染や引火の危険性があるのみでなく、
揮発物がダイリップに付着して通称「目ヤニ」と呼ばれ
ている焼けの発生の原因ともなる。従って、成形を中断
しての分解掃除が頻発して工業的な生産性が著しく劣る
という問題があった。従って、本発明の目的は、通気
性、透湿性、及び耐水性を有するものであって、しかも
高強度及び工業的に安全且つ高速で連続生産することの
出来る生産性に優れた多孔性シート及びそれを用いた吸
収性物品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、特定のメルト
インデックスを有する結晶性ポリオレフィン樹脂と特定
の揮発温度と融点を有する化合物とを特定量溶融混練し
たものを多孔性シートとすると、極めて引張降伏点強度
の高いシートとなることを見出すことにより、上記目的
を達成することを知見したものである。
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、メルトインデックス3g/10分以下の結晶性ポ
リオレフィン樹脂55〜90重量部と、分子内にエステ
ル結合を有し、常圧での揮発温度が240℃以上でかつ
融点が100℃以下の化合物45〜10重量部とを含む
樹脂組成物から成形したシートを、少なくとも一つの方
向に延伸してなり、上記化合物が、モノカルボン酸と多
価アルコールとのエステルであることを特徴とする多孔
性シートを提供するものである。本発明はまた、液透過
性の表面材と、防漏性の裏面材と、これら両面材の間に
配置される吸収体とからなる吸収性物品において、上記
裏面材として、上述の多孔性シートを用いることを特徴
とする吸収性物品を提供するものである。
【0010】以下、本発明に係る多孔性シート及びそれ
を用いた吸収性物品について詳述する。本発明に係る多
孔性シートは、樹脂組成物をシート状に成形し、延伸処
理したシートであり、樹脂組成物は結晶性ポリオレフィ
ン樹脂と分子内にエステル結合を有する化合物からな
り、必要に応じて充填剤、着色剤等が含まれる。
【0011】本発明に用いる結晶性ポリオレフィン樹脂
は、主にポリプロピレン樹脂からなるが、その他にプロ
ピレンとエチレンとの共重合樹脂や、プロピレンとエチ
レン及び/または結晶性を阻害しない程度含まれる他の
ビニルモノマーとの共重合樹脂でもよい。結晶性ポリオ
レフィン樹脂は、メルトインデックスが3g/10分以
下、好ましくは0.2〜3g/10分である。中でも一
般に押出成形に用いられるメルトインデックスが0.2
〜2g/10分の結晶性ポリプロピレン樹脂、エチレン
含量が20重量%以下の結晶性エチレン−プロピレン共
重合樹脂が好ましい。特に風合いと強度(降伏点強度)
の観点から吸収性物品の裏面材としてはエチレンが3〜
15重量%の結晶性エチレン−プロピレン共重合樹脂が
最も好ましい。また、上記の如き重合体あるいは共重合
体を2種以上混用することも好ましい。
【0012】上記樹脂のメルトインデックスが3g/1
0分より大きいものを多孔性シートに用いると、その強
度が低下して使い捨てオムツ等の裏面材としての必要な
強度を得ることが難しくなる。また必要な強度を得るた
めに多孔性シートの厚みを厚くすることが考えられる
が、厚くするとその透湿性が低下すると共にその製品の
コストアップを招く。また、多孔性シートの引き裂き強
度不足はそれを厚くしても十分な効果が期待できない。
上記樹脂のメルトインデックスが0.2g/10分に満
たない場合は、そのシート成形時の押出成形で大きな動
力を必要とする不都合が生じてくる。本発明において、
メルトインデックスとはASTM D−1238に準処
して、230℃、2.16kgfで測定した値をいう。
【0013】本発明に用いる分子内にエステル結合を有
する化合物は、脂肪族もしくは芳香族の一塩基カルボン
酸と脂肪族、脂環族もしくは芳香族の多価アルコール
み合わせによる脱水縮合反応から得られるエステル化
合物(つまり、モノ又はポリエステル)である。分子内
にエステル結合を有する化合物としては、多価アルコー
ル(特に多価のアルキルアルコール)とモノカルボン酸
(特に脂肪族モノカルボン酸)とのエステル化合物(つ
まり、モノ又はポリエステル)好ましい中でもグ
セリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスルトール、ジペンタエリスリトート又はソルビ
タン等の多価アルコールとカプリン酸、ラウリン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸又はオレイン酸等の脂肪族モ
ノカルボン酸とから得られるエステル化合物が好まし
い。また、得られたエステル化合物がゲル化しない程度
に少量のアジピン酸等のポリカルボン酸をエステルに加
えることも好ましい。更に、環境汚染防止及び安全性の
観点からは脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとから
得られるポリエステルが好ましい。上記エステル化合物
は、上記カルボン酸の1種又はそれ以上と、上記アルコ
ールの1種又はそれ以上から調製することができる。調
製方法に特に制限はなく、従来公知の如何なるエステル
化方法も用いることができる。また、上記エステル化合
物はカルボン酸中のカルボキシル基及びアルコール中の
ヒドロキシル基のすべてが完全に反応したエステルのみ
でなく、カルボン酸中のカルボキシル基及び/又はアル
コール中のヒドロキシル基の一部が未反応のまま残され
た部分エステル化物であってもよい。
【0014】かかるエステル結合を有する化合物はま
た、常圧での揮発温度が240℃以上、好ましくは25
0℃以上であり、また、該化合物の融点は100℃以
下、好ましくは80℃以下である。本発明における結晶
性ポリオレフィン樹脂と化合物との樹脂組成物のシート
成形温度は180〜250℃、好ましくは190〜24
0℃である。分子内にエステル結合を有する化合物の常
圧での揮発温度が240℃に満たない場合にはシート成
形時に揮発物の発煙が生じ易くなる。成形時の揮発物の
発煙は環境汚染や引火の危険性があるのみでなく、揮発
物がダイリップに付着して通称「目ヤニ」と呼ばれてい
る焼け発生の原因となる。従って、シート成形を一旦中
断してダイリップの分解掃除をたびたび行わなばなら
ず、工業的な生産性が著しく劣る。このため、かかる化
合物の好ましい揮発温度は250℃以上、特に好ましい
揮発温度は260℃以上である。
【0015】また化合物の融点が100℃以下に制限さ
れるのは、成形されたシートを延伸処理する時、該化合
物が延伸温度で軟化しているか溶融している方が、シー
トが容易に微多孔化する為であり、更に好ましい融点は
80℃以下である。尚、本明細書で用いる「揮発温度」
とは熱天秤を用い、窒素気流中(30ml/min)、
昇温速度10℃/min、サンプル10mgで測定、加
熱減量曲線を描き、その減量1%の温度を意味する。
【0016】このような条件を満たす具体的な好ましい
化合物としては、ジステアリルフタレート、トリオクチ
ルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート、ジ
ステアリルアジペート、ジステアリルセバテート、トリ
メチロールプロパントリラウレート、ペンタエリスリト
ールテトラカプレート等を挙げることができる。これら
は結晶性ポリマーの溶解度パラメーターと数単位以内の
組み合わせから選ぶことができる。
【0017】本発明に用いる結晶性ポリオレフィン樹脂
(以降、「樹脂」と略す)と分子内にエステル結合を有
し、常圧での揮発温度が240℃以上、融点が100℃
以下の化合物(以降、「化合物」と略す)の配合比は、
「樹脂」55〜90重量部に対し、「化合物」45〜1
0重量部、好ましくは「樹脂」65〜80重量部に対
し、「化合物」35〜20重量部である。「化合物」が
45重量部より多くなると樹脂組成物のシート成形性が
劣り、且つ延伸処理して得られる多孔性シートが強度不
足となり、しかも長時間保存中に該シートから該化合物
がブリードアウトして実用性に欠ける。また、10重量
部より少ないと延伸処理で十分な透湿度を満たす多孔性
シートを得ることが出来ない。
【0018】上記配合比を有する樹脂組成物には必要に
より充填剤、着色剤等を添加することができる。充填
剤、着色剤等は特に制限されず、通常、ゴムやプラスチ
ック等に用いられる充填剤、例えば、炭酸カルシウム、
石膏、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化チタン、金
属粉その他無機物または無機物を主体とする有機物金属
塩等が挙げられる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂又はポリアクリル酸ソーダ等の熱硬化性樹脂の粒状や
粉状物も使用できる。これらの充填剤は50μm以下、
好ましくは0.1〜5μmの平均粒径を有する粉粒体と
して用いることが好ましい。着色剤は有機、無機を問わ
ず用いられる。更に、必要に応じて本発明の多孔性シー
トの基本物性に悪影響しない程度に少量の安定剤、帯電
防止剤等通常の樹脂物性改良剤を用いることが出来る。
これらの添加剤は、樹脂組成物の全量に対して、0.1
〜30重量%、好ましくは1〜20重量%添加すること
ができる。
【0019】上記樹脂組成物の溶融混練物からのシート
成形においては、その溶融混練は通常用いられる二軸混
練押出機による混練方法が好ましく、実生産の為にはホ
ッパー部より「樹脂」を供給し、樹脂が可塑化している
押出機の混練部(中腹部)より「化合物」を定量ポンプ
で圧入する方法が好ましい。「化合物」の融点が常温以
上のときは「化合物」を融点以上に加熱し液状にして注
入する。溶融混練に引き続きシート成形では、溶融樹脂
組成物を二軸混練押出機の吐出部(先端)に取り付けた
ギヤポンプを経てダイに供給するか、二軸混練押出機と
単軸押出機をタンデムに組み合わせ、単軸押出機を経て
ダイに供給する方法が好ましい。
【0020】また、二軸混練押出機により一度溶融混練
物(コンパウンド)をフィラメント状に押出し、これを
カッティングして、ペレットとした後、ダイを取り付け
た単軸押出機にペレットを供給してシート成形する方法
も良い。溶融混練物をペレットとする場合、通常のフィ
ラメント状に押し出した溶融樹脂組成物をそのまま冷却
してカッティングするよりも、冷却したフィラメントを
約1.2〜1.5倍に延伸してからカッティングするこ
とが望ましい。この工程を省くとフィラメントの表面に
「化合物」の一部がブリードして、次の単軸押出機への
食い込みが悪くなりシート成形性が劣る場合がある。シ
ート成形はフラットダイ、サーキュラーダイのいずれで
も良いが、シートの歩留りの観点からサーキュラーダイ
による成形が好ましい。
【0021】更に、本発明の多孔性シートを歩留り良く
得る為には、樹脂組成物のシート成形における冷却条件
が重要である。即ち、溶融樹脂組成物の冷却による結晶
性ポリオレフィン樹脂の結晶生成(結晶の大きさ)が重
要である。例えば、著しい徐冷による極大結晶の生成、
及び著しい急冷による微細結晶の生成は、次の延伸処理
における均一な延伸を妨げ、得られた多孔性シートの強
度が弱い、透湿度が低いといった結果を招く。好ましい
冷却条件は、樹脂組成物温度がダイ吐出時温度から結晶
性ポリオレフィン樹脂の融解温度迄の時間が0.1〜3
sec、融解温度から更に100℃下がる時間が2〜2
0secである。例えば、融点175℃のポリプロピレ
ンを用いた樹脂組成物であれば溶融混練温度は220〜
240℃であり、融解温度は158〜160℃であり、
前者の時間は0.8〜2.0sec、後者の時間は5〜
20secである。
【0022】更にまた、核剤(結晶造核剤)の働きも重
要である。既に市販されている結晶性ポリオレフィン樹
脂には、高剛性、ハイサイクルグレードとして核剤が配
合されたもの、また、核剤として配合されていなくても
実質的に核剤機能を有する物質が配合されたものもあ
る。これらが添加されていないグレード及び添加されて
いるが核剤の効果の劣るグレードには必要に応じて核剤
を添加することが好ましい。用いられる核剤は特に制限
されず、当業界で周知の核剤を用いるとよい。例えば、
プラスチックス(工業調査会発行)Vol.43、N
o.11、113〜116頁に「プラスチック配合剤の
機能と効果=核剤」が紹介されている。具体的には芳香
族カルボン酸の金属塩(Al−PTBBA等)、ソルビ
トール系誘導体、有機リン酸塩(PTBNa等)、高融
点ポリマー核剤、無機系核剤としてのタルク等が挙げら
れる。
【0023】本発明に係る多孔性シートにおける樹脂組
成物のシート状物の延伸処理は、縦方向(MD)への一
軸延伸、または一軸延伸後引き続きテンター延伸機、エ
アーインフレッション延伸機又はマンドレル延伸機等に
より横方向(TD)に逐次二軸延伸するか、あるいは縦
及び横方向に同時二軸延伸することによって得られる。
この場合の延伸温度は、一般に常温以上で樹脂組成物の
融点より10℃以上低い温度、特に融点より30℃以上
低い温度であることが好ましい。また、延伸倍率は一軸
方向に少なくとも1.1倍(元の長さ1.0に対し延伸
後の長さ1.1)以上、好ましくは1.3倍以上6倍以
下、即ち一軸延伸の場合は縦方向に、また二軸延伸の場
合は縦方向及び横方向にそれぞれ1.1〜6倍とするこ
とが力学的バランスや強度の保持、優れた透湿性及び耐
水圧を発現させるために好ましい。
【0024】本発明に係る多孔性シートは、その透湿度
が0.5〜4.0g/100cm2・Hr、特に0.8
〜2.5g/100cm2 ・Hrであることが望まし
い。透湿度が0.5g/100cm2 ・Hrを下回る
と、吸収性物品の裏面材としてのムレ防止等の効果が劣
り、また逆に4.0g/100cm2 ・Hrを超える
と、耐水圧が低下し、防漏性が低下する。多孔性シート
を使い捨てオムツ等の吸収性物品に使用する場合には、
該シートの耐水圧は1.5m Aq以上、特に好ましく
は2.0m Aq以上であることが必要である。また本
発明に係る多孔性シートは、その引張降伏点強度が11
0kgf/cm 2 以上であることが好ましく、特に好ま
しくは120kgf/cm2 以上、更に好ましくは13
0kgf/cm2 以上である。
【0025】次に、本発明に係る吸収性物品を詳しく説
明すると、本発明の吸収性物品には、使い捨てオムツ、
失禁ブリーフや生理用ナプキン等があり、例えば使い捨
てオムツは、尿等の***物を吸収する吸収体と、該吸収
体の表面を覆い肌に当てられる表面材と、上記吸収体を
覆い液漏れを防ぐ裏面材とからなり、これらは接着して
一体化されている。また、胴周部、脚周部からの濡れを
防ぐ為に設けられた伸縮機能及びオムツを装着した時に
背側胴周部と腹側胴周部とを止着する止着テープ等から
なる止着機能を備えている。この止着テープは利便性か
ら約25mm幅のものが好ましく多用されている。
【0026】裏面材には上述の本発明に係る多孔性シー
トが用いられる。使い捨てオムツに使用される裏面材と
しての厚さは、通常、オムツに必要な柔軟性とオムツの
組立加工時に必要なシートの腰、裏面材を用いている安
心感から25μm以上、好ましくは35μm以上であ
り、その一方オムツに必要な柔軟性、コスト面から55
μm以下、好ましくは45μm以下である。
【0027】このように構成される使い捨てオムツにあ
っては、いわゆるランディングテープを省いてファスニ
ングテープを直接裏面材に付け剥がしするために必要な
裏面材の強度は引張降伏点強度でシート幅1cm当たり
600gf以上、好ましくは700gf以上、特に好ま
しくは800gf以上必要である。従って、厚さ55μ
mで1cm当たり600gfを得るには109kgf/
cm2 以上の強度が裏面材に必要となる。このように、
上記使い捨てオムツの裏面材では、その引張降伏点強度
が上述のように110kgf/cm2 以上となることに
より十分な強度を有することになる。従って、ランディ
ングテープを使用する必要がなくなるのでオムツの装着
ミスが生じず、また着用中に排尿点検の為に剥がした場
合でも、裏面材が破れることはない。また、裏面材の透
湿度が上記範囲にあればムレ等が生じず、快適な着用感
が維持できる。
【0028】
参考例1〜5及び比較例1〜2(多孔性シート)〕
・「樹脂」及び「化合物」の配合: 「樹脂」として密度0.91g/cm3 、メルトインデ
ックス0.4g/10分、融点169℃の結晶性ポリプ
ロピレン(チッソ石油化学製、チッソHCPPXF19
32)を270cm3 /minで供給し、「化合物」の
以下の各種サンプルを「樹脂」:「化合物」=70:3
0(重量比)になるように後述の二軸混練押出機に供給
した。
【0029】・「化合物」の各種サンプル:参考 例1の「化合物」=フタル酸とステアリルアルコー
ルのエステル化物(酸価=0.1、OH価=0.2:略
称DSP)参考 例2の「化合物」=フタル酸とイソトリデシルアル
コールのエステル化物(花王(株)製ビニサイザー#2
0:略称DTDP)参考 例3の「化合物」=トリメリット酸と2−エチルヘ
キシルアルコールのエステル化物(花王(株)製トリメ
ックスT−08:略称TOT)参考 例4の「化合物」=ピロメリット酸と2−エチルヘ
キシルアルコールのエステル化物(花王(株)製ピロメ
ックスP−08:略称TOP)参考 例5の「化合物」=アジピン酸とステアリルアルコ
ールのエステル化物(酸価=0.2、OH価=0.2:
略称DSA) 比較例1の「化合物」=鉱油(中央化成(株)製流パラ
350S、引火点220℃、アニリン点112℃、アロ
マ系/ナフテン系/パラフィン系=0/34/66:略
称350S) 比較例2の「化合物」=フタル酸と2エチルヘキシルア
ルコールのエステル化物(花王(株)製ビニサイザー#
80:略称DOP)また、「化合物」の物性を表1に記
載した。
【0030】
【表1】
【0031】・シート成形:二軸混練押出機(φ45m
m、L/D=33.5)の先端(吐出口)にギヤポンプ
を挟んでサーキュラーダイ(φ200mm)を接続し
た。そして、ダイからニップロールまでの間が4mの空
冷インフレーション成形設備を用いた。ホッパーから
「樹脂」を供給し、そして二軸混練押出機の中腹(混
練)部に加熱液状化した「化合物」をギヤポンプで注入
した。設定温度は押出機のシリンダーC1部(ホッパー
側)を190℃、C2部を210℃、C3〜C8部を2
40℃、ギヤポンプ部を230℃、ダイを230℃とし
た。エアーリングから20℃の空気をバブルに吹き付け
強制空冷しながら、シート折り幅60cm引き取り速度
8m/minで、厚さ40μmのシートを得た。
【0032】・延伸処理:幅1mのロール延伸機を用
い、上記シートを成形方向に60℃で1.6倍に延伸
し、続いてアニーリングで1.5倍(延伸前の1.5
倍)とした。得られたシートは全て36〜38μmであ
った。
【0033】・多孔性シートの評価基準 (1)成形時の発煙;上記シート成形時の揮発物の発煙
状態を目視により次の基準で判定した。 ◎:発煙は全くなし。 ○:発煙少し。 △:発煙多い。 ×:発煙非常に多い。 (2)目ヤニ発生(蓄積)時間;上記シート成形でシー
ト表面に肉眼で観察出来るダイライン発生迄の時間を測
定した。 (3)シート成形性;目視により次の基準により判定し
た。 ◎:バルブ安定、ダイライン無し。 ○:バルブ安定、ダイライン有り。 △:バルブ変動。 ×:成形不可。 (4)延伸性; ◎:切断なし、均一白化* 。*白化と延伸は相関するこ
とを確認済み。 ○:切断なし、僅かに白化ムラあり。 △:切断なし、白化ムラ多い。 ×:切断。 (5)引張降伏点強度;延伸方向と直角方向に10mm
幅シートをテンシロン引張試験機で300mm/min
にて測定。 (6)透湿度;JIS Z0208に準拠して測定。 (7)耐水圧;JIS L1093B法に準拠して測定参考 例1〜5、及び比較例1、2の多孔性シートの評価
を表2に示した。
【0034】〔比較例3〕参考 例の「樹脂」の代わりに密度0.90g/cm3
メルトインデックス0.5g/10分、融点170℃の
結晶性ポリプロピレン(チッソ石油化学(株)製、チッ
ソPP FM101)を用い、「化合物」に「比較例
2」と同じDOPを用い、シート製法、評価法は参考
1と同じに行った。多孔性シートを得る為の評価及び得
られたシートの評価結果を表2に記載した。
【0035】
【表2】
【0036】
【0037】〔実施例1、2及び比較例4、5(多孔性
シート)〕 実施例及び比較例4では、参考例1の「樹脂」の代わ
りに密度0.91g/cm3 、メルトインデックス0.
5g/10分、融点168℃、エチレン8重量%含有結
晶性ブロック共重合ポリプロピレン(チッソ石油化学
(株)製)を用い、「化合物」にそれぞれラウリン酸と
トリメチロールプロパンとのエステル化物(酸価=0.
24、OH価=3.8:略称TTL)及び鉱油(出光興
産(株)ダイアナプロセスオイルPW−90、引火点2
72℃、アニリン点127.7℃、アロマ系/ナフテン
系/パラフィン系=0/29/71:略称PW−90)
を用いた。実施例及び比較例5では参考例1の「樹
脂」を用い、「化合物」にそれぞれTTL及びPW−9
0を用いた。TTL及びPW−90の物性を表3に示
す。シート製法及び評価法は参考例1と同様とし、更に
評価(8)を追加して行った。多孔性シートを得る為の
評価及び得られたシートの評価を表4に記載した。評価
(8)風合い ◎:柔軟で風合い非常に良好 ○:柔軟で風合い良好 △:やや硬く風合いやや悪い ×:硬く風合い悪い
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】〔実施例及び比較例6〜7(使い捨てオ
ムツ)〕 実施例1、比較例1の多孔性シート、及び従来の線状低
密度ポリエチレンと炭酸カルシウムによる多孔性シート
を裏面材に用い、表面材、吸収体、裏面材及び止着テー
プからなる使い捨てオムツ(但し、ランディングテープ
を使用せず)を製造した(順に実施例3、比較例6及び
比較例7とする。)。この結果、実施例は、比較例1
のシート、及び従来の裏面材を用いたオムツ(比較例6
及び7)に比してファスニングテープの付け剥がしが良
好であった。特に比較例7のオムツは全く剥がれること
なく、全て裏面材が破れた。また、風合いにおいては実
施例のオムツは柔軟で最も優れた感触を呈した。
【0041】
【発明の効果】本発明の多孔性シートは、通気性、透湿
性、及び耐水性を有するものであって、しかも高強度及
び工業的に安全且つ高速で連続生産することの出来る生
産性に優れている。また本発明の吸収性物品は、ランデ
ィングテープを使用しなくてもファスニングテープの付
け剥がしが可能なので、利便性に優れると共に経済的に
も有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 23:02 (56)参考文献 特開 平5−98057(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックス3g/10分以下の
    結晶性ポリオレフィン樹脂55〜90重量部と、分子内
    にエステル結合を有し、常圧での揮発温度が240℃以
    上でかつ融点が100℃以下の化合物45〜10重量部
    とを含む樹脂組成物から成形したシートを、少なくとも
    一つの方向に延伸してなり、 上記化合物が、モノカルボン酸と多価アルコールとのエ
    ステルであ ることを特徴とする多孔性シート。
  2. 【請求項2】 上記結晶性ポリオレフィン樹脂がポリプ
    ロピレン樹脂またはプロピレンとエチレンとの共重合樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の多孔性シー
    ト。
  3. 【請求項3】 透湿度が0.5〜4.0g/100cm
    2 ・Hrであることを特徴とする請求項1又は2記載の
    多孔性シート。
  4. 【請求項4】 液透過性の表面材と、防漏性の裏面材
    と、これら両面材の間に配置される吸収体とからなる吸
    収性物品において、 上記裏面材として、請求項1乃至のいずれかに記載の
    多孔性シートを用いることを特徴とする吸収性物品。
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