JP3351826B2 - フロントフォークの油圧緩衝器 - Google Patents

フロントフォークの油圧緩衝器

Info

Publication number
JP3351826B2
JP3351826B2 JP28373692A JP28373692A JP3351826B2 JP 3351826 B2 JP3351826 B2 JP 3351826B2 JP 28373692 A JP28373692 A JP 28373692A JP 28373692 A JP28373692 A JP 28373692A JP 3351826 B2 JP3351826 B2 JP 3351826B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shock absorber
hydraulic shock
oil
cylinder
damper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28373692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06109054A (ja
Inventor
勉 梶野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP28373692A priority Critical patent/JP3351826B2/ja
Publication of JPH06109054A publication Critical patent/JPH06109054A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3351826B2 publication Critical patent/JP3351826B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロントフォークの油
圧緩衝器に関し、特に、小振動に対する柔軟な支持と大
衝撃に対する確実な支持との両立を可能とする位置依存
特性を備えたフロントフォークの油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】車体側に取り付けられる上側取付部材と
車輪側に取り付けられる下側取付部材との間に、摺動自
在な内外筒からなる伸縮筒とその内部に有って上下の取
付部材間に減衰力を作用するダンパとを備え、このダン
パの外側が油溜室としてなるフロントフォークの油圧緩
衝器が知られている。
【0003】この油圧緩衝器は、ダンパが摺動自在な内
外筒からなる伸縮筒の内部に収納されている構造である
ことから、安定した減衰力を得ることができるとともに
優れたメンテナンス性を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記油
圧緩衝器は、その構造により、ダンパのシリンダおよび
ピストンロッドを大径に構成できないので充分な油流が
確保できず、特に高速伸縮時の減衰力が不足する傾向が
ある。
【0005】また、ダンパは伸縮速度依存特性を有する
ので、この油圧緩衝器を車両に装架した場合は、走行路
面の凹凸の大小に関わらずその伸縮速度に応じて減衰力
が作用する。
【0006】したがって、基準ストローク位置(オフロ
ード車は地面から離れた時の自由伸張状態、オンロード
車は1名乗車時の車両静止荷重負荷状態)近傍の小スト
ローク範囲(または、初期ストローク)において減衰力
を抑えることにより走行路面の小凹凸を軟らかく受ける
とともに、大凹凸の衝撃に対してはその伸縮ストローク
限界内で確実に衝撃を受け止めるような、伸縮ストロー
ク位置に対応した減衰力を発生する伸縮ストローク位置
依存特性を得ることができない。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1は、車体側に取り付けられる外筒と、車軸
側に取り付けられる内筒からなる伸縮筒と、該伸縮筒内
に設けられ、前記外筒側に取り付けられたシリンダと、
前記内筒側に取り付けたピストンロッドからなるダンパ
と、該ダンパの外側を油溜室としてなるフロントフォー
の油圧緩衝器において、前記シリンダの外周に、前記
油溜室への進入時に該油溜室の作動油の絞り流路を形成
する絞り部材を設け、前記絞り部材を、前記油圧緩衝器
の伸縮基準位置で前記油溜室の油面の上方となる位置に
配設したことを特徴とする。
【0008】請求項2は、前記請求項1の油圧緩衝器の
伸縮基準位置が、油圧緩衝器を最大長近傍まで自由伸張
させた時の伸縮長さをなす位置とした。
【0009】請求項3は、前記請求項1の油圧緩衝器の
伸縮基準位置が、油圧緩衝器が乗員の荷重を受けた車両
静止状態の伸縮長さをなす位置とした。
【0010】請求項4は、請求項1〜請求項3のいずれ
かにおいて、前記絞り部材は、前記油圧緩衝器の伸縮基
準位置からの小なる圧縮範囲をなす初期ストローク時に
は油面までの気体中をストロークする位置に配設したこ
とを特徴とする。
【0011】請求項5は、前記請求項1ないし請求項4
の何れかの油圧緩衝器の絞り部材には、油溜室内に絞り
流路を形成するオリフィスを穿設した。
【0012】請求項6は、前記請求項1ないし請求項
の何れかの油圧緩衝器の絞り部材の下側には、スプリン
グを受けるためのスプリングシートを形成し、このスプ
リングシートと下側取付部材との間を弾性支持するコイ
ルスプリングをダンパの外側に同心に備えた。
【0013】
【作用】請求項1の油圧緩衝器は、絞り部材が上側取付
部材の動きとともに油溜室内をその油面の上下にわたっ
て移動し、殆ど減衰力が発生しない油面上方の位置か
ら、気泡の混入が多くて減衰力が弱い油面近傍の位置を
経て、気泡の混入が少なく強い減衰力が得られる油溜室
底部まで、その各位置に応じた減衰力を発生する。
【0014】請求項2の油圧緩衝器は、その絞り部材に
より最大長近傍まで自由伸張した位置からの圧縮の各位
置に応じた減衰力を発生する。
【0015】請求項3の油圧緩衝器は、その絞り部材に
より油圧緩衝器が乗員の荷重を受けた車両静止状態から
の圧縮の各位置に応じた減衰力を発生する。
【0016】請求項4の油圧緩衝器は、絞り部材が上側
取付部材の動きとともに油溜室内をその油面の上下にわ
たって移動し、伸縮基準位置からの小なる圧縮範囲をな
す初期ストローク時には少なくとも油面までの気体中を
ストロークし、殆ど減衰力が発生しない油面上方の位置
から、気泡の混入が多くて弱い減衰力が作用する油面近
傍の位置を経て、気泡の混入が少なく強い減衰力が得ら
れる油溜室底部まで、その各位置に応じた減衰力を発生
する。
【0017】請求項5の油圧緩衝器は、絞り部材に穿設
されたオリフィスによってその各位置に応じた減衰力が
発生する。
【0018】請求項の油圧緩衝器は、絞り部材のスプ
リングシートを介して上下の取付部材がコイルスプリン
グにより弾性支持される。
【0019】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に
説明する。
【0020】図1は発明の実施例に係る油圧緩衝器の半
切縦断面図、図2は同油圧緩衝器の下側要部を示す縦断
面図、図3は同油圧緩衝器の絞り部の詳細を示す半断面
図、図4は同油圧緩衝器の絞り部の上面図、図5は同油
圧緩衝器の絞り部の作用説明図、図6は同油圧緩衝器の
減衰特性図、図7は同油圧緩衝器のロックバルブ部詳細
半断面図、図8は同油圧緩衝器の上側要部を示す縦断面
図、図9は同油圧緩衝器の上面図。
【0021】図1において、発明に係る油圧緩衝器は、
車体側に取り付けられる上側取付部材1、車輪側に取り
付けられる下側取付部材2、これらの間に設けられて摺
動自在な内外筒3b,3aからなる伸縮筒3、その内部
において上下の取付部材1,2間に減衰力を作用するダ
ンパ4および懸架用のコイルスプリング5とからなる。
【0022】伸縮筒3の外筒3aは上記上側取付部材1
に取り付けられ、また、内筒3bは下側取付部材2に固
設され、上記ダンパ4との間を油溜室Aとし、この油溜
室Aにコイルスプリング5を内設する。
【0023】ダンパ4は、上側取付部材1からシリンダ
6を垂下し、その内周には減衰バルブをなすピストン7
を摺設し、このピストン7をピストンロッド8によって
下側取付部材2に固定した倒立ダンパをなす。また、外
筒3a、シリンダ6等はばね上部材側を構成し、内筒3
b、ピストンロッド8等はばね下部材側を構成する。
【0024】シリンダ6の基部側は体積補償部9をな
し、この体積補償部9の入口には、その油流に介設する
減衰バルブ10を、また、シリンダ6の下端近傍には自
由伸張時に上記ピストン7の取付部に当接するリバウン
ドスプリング11を備え、シリンダ6の下端部は下側取
付部材2との間で作用するオイルロック機構12を構成
する。
【0025】図2において、ダンパ4のシリンダ6の中
間部には、油溜室A内に絞り流路を形成して減衰力を発
生する絞り部材13を備える。この絞り部材13は上側
取付部材1側(ばね上部材側)をなし、油圧緩衝器の所
定の伸縮長さをなす伸縮基準位置においてその油溜室A
の油面の上方となる位置に配設する。
【0026】上記伸縮基準位置は、具体的には、オフロ
ード車においては、車両が空中姿勢を採った時を基準と
し、すなわち、油圧緩衝器に車体側荷重が作用すること
のない最大自由伸張状態またはその近辺となる最大長近
傍まで自由伸張させた時の伸縮長さをなす位置をいい、
また、オンロード車においては、乗員1名の荷重を受け
た車両静止時を基準としてこの時の車体側荷重が油圧緩
衝器に作用している状態の伸縮長さをなす位置をいう。
【0027】上記絞り部材13によって油溜室A内に設
けられる絞り流路は、絞り部材13に穿設したオリフィ
ス孔によるものや、絞り部材13の外縁と内筒3bとの
間の周縁空隙によって形成することができる。オリフィ
ス孔は、その穴径と穴数により、また、周縁空隙はその
離隔距離により、中高速域に適する任意の減衰力をそれ
ぞれ設定することができ、さらに、これら両方を組み合
わせることも可能である。
【0028】オリフィス孔による例としては、図3に詳
細に示すごとく、摺動筒3の下側取付部材2側(ばね下
部材側)をなす内筒3bの内周面を摺動するスライドブ
ッシュ14を絞り部材13に備えて油溜室Aを上下に画
成するとともに、複数のオリフィス孔13a,…とこれ
らの一方の端部を連続する環状溝13bを備える。上記
オリフィス孔13a,…は例えば直径を3.8〜4.0
mmとして、図4に示すごとく絞り部材13を16分周
して配置される。
【0029】上記絞り部材13は、その上側に図3のス
ラストレース13cを備え、抜け止めカラー13dを備
えた上側のストッパリング13eと下側のストッパリン
グ13fとによってシリンダ6の外周に回転自在に係止
される。絞り部材13の下側にはコイルスプリング5を
受けるためのスプリングシート15を備える。上記スラ
ストレース13cはコイルスプリング5による捩りを吸
収するので、懸架スプリングの支持をも兼ね簡易構成が
可能となる。
【0030】このように構成される絞り部材13は、前
記基準状態の伸縮位置において油溜室の油面の上方、例
えば、図5に示すごとく、オリフィス孔13a,…の下
端までの高さHを略40mmの位置に採る。
【0031】走行状態においては油溜室A内の作動油は
封入気体を混入するので油面の近傍ほど多くの気泡を内
包する。この気泡を内包した作動油はその気泡の混入量
に応じて減衰作用が低下する。
【0032】上記混入気泡は油面からの深さに対応して
減少するので、気泡を混入した作動油による減衰力はそ
の深さに対応して減衰力が増加する。したがって、基準
状態から緩衝器が圧縮されて絞り部材13が油面に達す
るまでの圧縮初期を経過した後は油面からの深さに対応
して減衰力が増加する減衰特性を示す。
【0033】緩衝器全体の減衰特性は、図6に示すごと
く、ダンパ4の減衰力に上記絞り部材による減衰力が付
加され、油面到達以後の圧縮量に対応して減衰力を増加
する位置依存特性を得ることができる。
【0034】ダンパ4のシリンダ6の下端側は、図7に
示すごとく、ピストンロッド8の基部に取り付けられた
カラー2aに嵌合するオイルロックピースをなし、上記
カラー2aでなるオイルロックカラーと合せてオイルロ
ック機構12を構成する。
【0035】オイルロックピースをなすシリンダ6の下
端は小径部16aをなし、この小径部16aにはリング
状をなすリングバルブ16を遊嵌する。このリングバル
ブ16は小径部16aの先端側のストッパ16bによっ
て軸線方向に遊間を確保して係止され、この軸線方向の
動作によって小径部16aとの間を離接するオイルロッ
クバルブをなす。
【0036】上記カラー2aの内周側はリングバルブ1
6の外周側をガイドするテーパをなし、シリンダ6が下
降してリングバルブ16がカラー2a内に進入した時
に、リングバルブ16はカラー2aによってセンタリン
グされつつシリンダ6の小径部16aとカラー2aとの
間の隙間を閉鎖する。
【0037】シリンダ6の内周側のピストンロッド8と
の間には、上記オイルロック機構12によって閉鎖され
るオイルロック室Bを画成する画成部材17を備える。
この画成部材17は、上記油溜室Aとオイルロック室B
とを連通する流路17aと、この流路17aをオイルロ
ック時に閉じるチェックバルブ17bを備え、また、ピ
ストンロッド8側にガイドブッシュ17cを介設する。
【0038】上記ガイドブッシュ17cはオイルロック
室B内部の高圧油の漏れを小さく抑え、漏れ出す作動油
の圧力が周囲に及ぼす影響を最小限に抑えることができ
る。また、上記流路17aとチェックバルブ17bは、
閉鎖油室Bが負圧になった時に油溜室Aから作動油を供
給し、オイルロック状態を速やかに解除する。
【0039】上記画成部材17の上方には、図2のシリ
ンダ6の内部のダンパ油室Cを画成する他の画成部材1
8を備える。この画成部材18はガイドブッシュ18a
をピストンロッド8との間に介設するとともに、さら
に、ダンパ油室C内の作動油の漏れを抑えるオイルシー
ル18bを介設する。また、画成部材18の上端側には
リバウンドスプリング11を着座する。
【0040】上記画成部材18のオイルシール18b
は、前記オイルロック機構12側の画成部材17によっ
てオイルロック室Bの高圧油の影響を受けることがない
ので、ダンパ油室Cは安定性が保たれる。
【0041】ピストンロッド8は円管をなし、その中空
部に偏形ロッド8aを回動自在に内設し、この偏形ロッ
ド8aの下端部は下側取付部2に設けられた回動操作部
8bに連結する。
【0042】上記ピストンロッド8の上端には、図8に
示すごとく、シリンダ6内周に摺接し、ダンパ油室Cを
上下に画成して緩衝器の伸張行程で減衰力を作用するバ
ルブを内設したピストン7を備える。このピストン7に
よって減衰特性が規定される。ピストン7の下部は前記
リバウンドスプリング11の当接面をなす。
【0043】上記ピストン7の中心にはダンパ油室Cを
上下に連通する油路7aが穿設され、この油路7aには
上記偏形ロッド8aに連結するニードルバルブ7bが進
退自在に介設する。このニードルバルブ7bは偏形ロッ
ド8aの回動に応じてその油路7aの減衰特性が調整さ
れ、低速時の減衰特性が規定される。
【0044】体積補償部9は、シリンダ6の基部をなす
大径シリンダ9aと、この大径シリンダ9aの中心に固
設された中空ロッド19と、この中空ロッド19に沿っ
て大径シリンダ9a内を摺動可能に設けられたフリーピ
ストン20とからなる。
【0045】大径シリンダ9a内はフリーピストン20
によってダンパ油室Cと気体室Dとに上下に画成され、
気体室Dにはダンパ油室Cの圧力に対抗してフリーピス
トン20を押圧するスプリング20aを内設する。図9
に示すプラグ20bは内外筒の摺動に伴ってその内部に
蓄圧されるエアーを排出するための栓である。
【0046】上記中空ロッド19の中間部は小径部19
aをなす。この小径部19aはフリーピストン20が上
昇した場合にダンパ油室Cと気体室Dとを連通し、ダン
パ油室Cの作動油のオーバーフローを気体室Dに逃がす
ことにより、ダンパ油室C内の作動油を一定に保つ。大
径シリンダ9aにはその内外を連通して上記作動油のオ
ーバーフローを気体室Dから油溜室Aに戻す孔9bを備
える。
【0047】また、上記中空ロッド19の下端には、シ
リンダ6内周に接してダンパ油室Cを上下に画成し、緩
衝器の圧縮行程で大径シリンダ9aに向かう油流によっ
て減衰力を作用するピストン10を備えるとともに、こ
のピストン10の上下を連通する油路10aと、この油
路10aに介設して上側取付部1側から操作可能なニー
ドルバルブ10bとを備える。このニードルバルブ10
bの回動操作部10cの回動に応じてその油路10aの
減衰特性が調整される。上記ピストン10によって中高
速時の減衰特性が規定され、また、ニードルバルブ10
bによって低速時の減衰特性が規定される。
【0048】上記構成からなる緩衝器の作用を以下に説
明する。
【0049】緩衝器の圧縮行程においてはシリンダ6が
下降し、このシリンダ6内にピストンロッド8が進入す
ることによってダンパ油室Cの作動油は体積補償部9に
向い、フリーピストン20が上昇される。
【0050】この油流がダンパ4のピストン10に作用
し、速度に対応した減衰力が発生する。伸張行程におい
てはその逆の流れがピストン7に作用し、速度に対応し
た減衰力が発生する。
【0051】上記伸縮行程において、絞り部材13が油
面上方に位置する基準状態から緩衝器が圧縮されて絞り
部材13が油面に達するまでの間は、上記ダンパ4の減
衰力のみが生じ、絞り部材13が油溜室Aの作動油内に
浸漬されると、絞り部材13によって油面からの深さに
対応した減衰力が付加される。したがって、フロントフ
ォークの油圧緩衝器に位置依存特性を備えたことによっ
て柔軟な支持と大衝撃に対する確実な支持との両立が可
能となる。
【0052】最圧縮時は、オイルロック機構12のリン
グバルブ16がオイルロック室Bを閉鎖し、この時、画
成部材17の内周のガイドブッシュ17cとピストンロ
ッド8との間の僅かな隙間から漏れた高圧油はオイルロ
ック機構12側の画成部材17とダンパ油室C側の画成
部材18の間の油室から油孔6aを通り油溜室Aに逃が
されることにより、ダンパ油室C内の作動油は安定に保
たれる。また、画成部材17の流路17aとチェックバ
ルブ17bによって、オイルロック状態が速やかに解除
される。
【0053】長期間の使用により、大径シリンダ9a内
のフリーピストン20が上昇した場合には、中空ロッド
19の小径部19aを介してダンパ油室Cの作動油のオ
ーバーフローが気体室Dに逃がされ、最終的に孔9bを
経て油溜室Aに戻される。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したごとく、請求項1は、車
体側に取り付けられる外筒と、車軸側に取り付けられる
内筒からなる伸縮筒と、該伸縮筒内に設けられ、前記外
筒側に取り付けられたシリンダと、前記内筒側に取り付
けたピストンロッドからなるダンパと、該ダンパの外側
を油溜室としてなるフロントフォークの油圧緩衝器にお
いて、シリンダの外周に、油溜室への進入時に該油溜室
の作動油の絞り流路を形成する絞り部材を設け、絞り部
材を、油圧緩衝器の伸縮基準位置で油溜室の油面の上方
となる位置に配設したので、絞り部材がその伸縮基準位
置をなす油面上方の位置から油溜室底部まで、その各位
置に対応するストロークに応じて大きくなる減衰力が発
生する。したがって、伸縮基準位置近傍の小ストローク
における柔軟な支持と大衝撃に対する大ストローク圧縮
における確実な支持との両立が可能となる。
【0055】請求項2は、請求項1の油圧緩衝器の伸縮
基準位置を最大長近傍まで自由伸張した位置としたの
で、車両の空中姿勢状態からの圧縮の各位置に応じた減
衰力が発生し、オフロード車対応の位置依存特性を得る
ことができる。
【0056】請求項3は、請求項1の油圧緩衝器の伸縮
基準位置を乗員の荷重を受けた車両静止状態としたの
で、その伸縮基準位置からの圧縮の各位置に応じた減衰
力が発生し、オンロード車対応の位置依存特性を得るこ
とができる。
【0057】請求項4は、請求項1ないし請求項3のい
ずれかにおいて、絞り部材は、前記油圧緩衝器の伸縮基
準位置からの小なる圧縮範囲をなす初期ストローク時に
は少なくとも油面までの気体中をストロークする位置に
配設したので、絞り部材がその伸縮基準位置をなす油面
上方の位置から油溜室底部まで、その各位置に対応する
ストロークに応じて大きくなる減衰力が発生する。した
がって、伸縮基準位置近傍の小ストロークにおける柔軟
な支持と大衝撃に対する大ストローク圧縮における確実
な支持との両立が可能となる。
【0058】請求項5は、請求項1ないし4の油圧緩衝
器の絞り部材にオリフィスを穿設したので、その各位置
に応じた減衰力が絞り部材に穿設したオリフィスによっ
て発生し、このオリフィスの寸法設定によって任意の調
整幅を有する位置依存特性を得ることができる。
【0059】請求項6は、請求項1ないしの油圧緩衝
器の絞り部材の下側には、スプリングを受けるためのス
プリングシートを形成してコイルスプリングをダンパの
外側に同心に備えたので、絞り部材のスプリングシート
を介して上下の取付部材が弾性支持され、簡易な懸架支
持構造を位置依存特性に合せて得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施例に係る油圧緩衝器の半切縦断面図
【図2】同油圧緩衝器の下側要部を示す縦断面図
【図3】同油圧緩衝器の絞り部の詳細を示す半断面図
【図4】同油圧緩衝器の絞り部の上面図
【図5】同油圧緩衝器の絞り部の作用説明図
【図6】同油圧緩衝器の減衰特性図
【図7】同油圧緩衝器のロックバルブ部詳細半断面図
【図8】同油圧緩衝器の上側要部を示す縦断面図
【図9】同油圧緩衝器の上面図
【符号の説明】
1…上側取付部材(ばね上部材) 2…下側取付部材(ばね下部材) 3…伸縮筒 4…ダンパ 5…コイルスプリング 13…絞り部材 13a…オリフィス 15…スプリングシート A…油溜室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/48 B60G 17/08 B62K 25/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に取り付けられる外筒と、車軸側
    に取り付けられる内筒からなる伸縮筒と、該伸縮筒内に
    設けられ、前記外筒側に取り付けられたシリンダと、前
    記内筒側に取り付けたピストンロッドからなるダンパ
    と、該ダンパの外側を油溜室としてなるフロントフォー
    の油圧緩衝器において、 前記シリンダの外周に、前記油溜室への進入時に該油溜
    室の作動油の絞り流路を形成する絞り部材を設け、 前記絞り部材を、前記油圧緩衝器の伸縮基準位置で前記
    油溜室の油面の上方となる位置に配設した、 ことを特徴とするフロントフォークの油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記油圧緩衝器の伸縮基準位置は、油圧
    緩衝器を最大長近傍まで自由伸張させた時の伸縮長さを
    なす位置としたことを特徴とする請求項1に記載のフロ
    ントフォークの油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記油圧緩衝器の伸縮基準位置は、油圧
    緩衝器が乗員の荷重を受けた車両静止状態の伸縮長さを
    なす位置としたことを特徴とする請求項1に記載のフロ
    ントフォークの油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 前記絞り部材は、前記油圧緩衝器の伸縮
    基準位置からの小なる圧縮範囲をなす初期ストローク時
    には油面までの気体中をストロークする位置に配設した
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれかに記
    載のフロントフォークの油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 前記油圧緩衝器の絞り部材には、油溜室
    内に絞り流路を形成するオリフィスを穿設したことを特
    徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載のフロ
    ントフォークの油圧緩衝器。
  6. 【請求項6】 前記油圧緩衝器の絞り部材の下側には、
    スプリングを受けるためのスプリングシートを形成し、
    このスプリングシートと下側取付部材との間を弾性支持
    するコイルスプリングをダンパの外側に同心に備えたこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載
    フロントフォークの油圧緩衝器。
JP28373692A 1992-09-29 1992-09-29 フロントフォークの油圧緩衝器 Expired - Fee Related JP3351826B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28373692A JP3351826B2 (ja) 1992-09-29 1992-09-29 フロントフォークの油圧緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28373692A JP3351826B2 (ja) 1992-09-29 1992-09-29 フロントフォークの油圧緩衝器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06109054A JPH06109054A (ja) 1994-04-19
JP3351826B2 true JP3351826B2 (ja) 2002-12-03

Family

ID=17669442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28373692A Expired - Fee Related JP3351826B2 (ja) 1992-09-29 1992-09-29 フロントフォークの油圧緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3351826B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069830A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Kayaba Ind Co Ltd フロントフォーク
JP5357788B2 (ja) * 2009-01-19 2013-12-04 カヤバ工業株式会社 フロントフォーク
JP5390927B2 (ja) * 2009-04-30 2014-01-15 カヤバ工業株式会社 区画部材
JP5669375B2 (ja) * 2009-10-29 2015-02-12 株式会社ショーワ 油圧緩衝器
JP5542493B2 (ja) * 2010-03-24 2014-07-09 株式会社ショーワ フロントフォーク
JP2012166747A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Kyb Co Ltd 搬送台車
JP5116874B2 (ja) * 2011-11-22 2013-01-09 株式会社ショーワ 油圧緩衝器
JP6279920B2 (ja) * 2014-02-10 2018-02-14 Kyb株式会社 懸架装置
JP7198053B2 (ja) * 2018-11-15 2022-12-28 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 緩衝器
WO2020100793A1 (ja) * 2018-11-15 2020-05-22 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 緩衝器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06109054A (ja) 1994-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3308186B2 (ja) 懸架減衰装置
US5992585A (en) Acceleration sensitive damping for automotive dampers
US5988655A (en) Vehicular height adjusting device
US4795009A (en) Twin-tube type shock absorber
US6659242B2 (en) Hydraulic shock absorber for vehicle
US20050056506A1 (en) Stroke dependent bypass
JPS597856B2 (ja) 車両用油圧緩衝装置
GB2342423A (en) A stroke dependent shock absorber for a vehicle suspension
JP3351826B2 (ja) フロントフォークの油圧緩衝器
US20050087412A1 (en) Compensated rod for a frequency dependent damper shock absorber
US3332677A (en) Vehicle leveling system
JPH03172639A (ja) 油圧緩衝器
JPH0726591Y2 (ja) サスペンション装置
JPH03535B2 (ja)
US6364075B1 (en) Frequency dependent damper
JP2000104778A (ja) ダンパ
JPS597057B2 (ja) 車輛用油圧緩衝装置
JP2529993Y2 (ja) 倒立型フロントフォーク
US3001610A (en) Oil damper
JP3346221B2 (ja) ショックアブソーバ
JP2599593Y2 (ja) ショックアブソーバ
JPH0245288A (ja) リアクッションユニット
JP4159691B2 (ja) エアサスペンション
JPH0424190Y2 (ja)
JP2004028167A (ja) 油圧緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020906

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080920

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080920

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090920

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090920

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100920

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110920

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees