JP3346902B2 - 薄膜磁気ヘッド、及びこれを用いた磁気記録システム、ハードディスクドライブ - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、及びこれを用いた磁気記録システム、ハードディスクドライブ

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JP3346902B2
JP3346902B2 JP18813994A JP18813994A JP3346902B2 JP 3346902 B2 JP3346902 B2 JP 3346902B2 JP 18813994 A JP18813994 A JP 18813994A JP 18813994 A JP18813994 A JP 18813994A JP 3346902 B2 JP3346902 B2 JP 3346902B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化が進み、VT
Rでは500Mb/inch2 、HDDでは 200Mb/inch2 という
高記録密度のシステムが実用化されており、またさらな
る高密度化が要求されている。このような高記録密度化
に伴って、狭トラック化は必須の課題である。例えば、
200Mb/inch2 のHDDの場合、トラック幅は 7μm 、ト
ラック間距離は 2μm 程度であり、トラック幅公差はト
ラック間距離(2μm)程度とすれば要求に応えることがで
きた。しかし、さらなる高記録密度化に対応するために
は、トラック幅は 5〜 6μm 以下にする必要があり、公
差も 0.5μm 以下が要求される。さらに、 10Gb/inch2
程度の高記録密度化に向けては、トラック幅 1μm 以
下、公差 0.1μm 程度が要求されることが予測される。
これらに応えるためには、磁気ヘッドに対する大幅な改
善が必要となる。
【0003】図11および図12に、従来の薄膜磁気ヘ
ッドの構成を示す。これらの図において、1はAl2 O 3
・TiC 等で形成された基板を示している。この基板1上
には、Al2 O 3 等からなる絶縁層2を介して、下側磁気
コア3となるパーマロイ等による第1の磁性層が形成さ
れている。下側磁気コア3上には、 SiO2 等からなる磁
気ギャップ4と、Cu等からなるコイル5が埋め込まれた
ポリイミド等の絶縁層6が形成されている。絶縁層6上
には、上側磁気コア7となる第2の磁性層が形成されて
いる。上側磁気コア7上を含む基板1上には、Al2 O 3
等による保護層8が形成されている。
【0004】しかし上述したような形状の下側磁気コア
3および上側磁気コア7を有する従来の薄膜磁気ヘッド
では、トラック幅が例えば 4μm 程度と狭くなると、そ
の磁化容易軸がトラック幅方向に対して垂直方向に向き
やすくなり、透磁率が低下してヘッド特性、特に高周波
応答特性が劣化するという問題が指摘されている(三谷
寛他、”狭ストライブCr-Ta-Zrアモルファス膜の磁気特
性” 日本応用磁気学会誌、 12 、255-258 (1988)) 。
【0005】また、図11および図12に示すような従
来の薄膜磁気ヘッドのトラック幅加工は、パ−マロイ等
の選択メッキにより行われている。この際、トラック幅
の精度を決定するのは、選択メッキ前のPEP工程(フ
ォト・エングレイブメント・プロセス)におけるレジス
トのパターニング精度である。薄膜磁気ヘッドの場合、
上側磁気コア7の形成前の下地段差hは10μm 程度あ
り、この段差を十分被覆するためには、下地段差と同程
度のレジスト厚さが必要で、塗布方法を工夫しても 5
μm 程度のレジスト厚は最低必要となる。
【0006】そして、コンタクト方式で露光した場合、
フォトマスク面とレジスト底面との間の距離は、最低15
μm(下地段差10μm +レジスト厚 5μm)程度となる。こ
のようなコンタクト露光を用いる場合のフレネル回折に
基くボケの大きさ(光強度が100%から 50%まで変わる範
囲)を計算すると 3.5μm となり、遠い将来のトラック
幅精度はもとより、トラック間距離(ガードバンド)〜
2μm 程度となる200Mb/inch2 にも対応できない。
【0007】このような課題を解決する方法として、媒
体対向面(ABS面)からトラック加工する方法が提案
されている(IEEE TRANSACTION ON MAGNETICS, Vol.24,
No.6, November 1988 p.2841-2843)。また、同様にFI
B(フォーカスト・イオンビーム)エッチングを用い
て、媒体対向面からトラック加工する方法も提案されて
いる(特開平3-296907号公報参照)。しかしながら、こ
れらの方法は、トラック幅精度は確保できるものの、ヘ
ッド 1個毎の単品処理になることと、例えばFIB自体
のスループットが非常に遅いこと等から、量産性の点で
大きな問題を有している。
【0008】また、図13に示すように、上側磁気コア
7を略扇形状をなす先端部半体7aと、後部ギャップ部
まで延在する後部半体7bとで構成し、先端部半体7a
を下地段差が比較的小さい製造初期の段階でイオンビー
ムミリング法で形成して、加工公差を小さくしようとす
る方法も提案されている(IEEE TRANSACTION ON MAGN-ET
ICS, Vol.27, No.6, November 1991 p.4936-4938)。し
かし、上側磁気コア7の先端部半体7aをイオンビ−ム
ミリング法で作製する限り、レジストマスク寸法と最終
の磁気コアの寸法の差が大きくなり、 10Gb/inch2 の高
密度化には到底対応することができない。また、イオン
ビームミリング法で作製する限り、そのレ−トが数10nm
/minと遅く、生産性の向上を図ることができない。さら
には、フッ素系のガスを導入してイオンビームミリング
を行う場合、イオンビームガン内部に種々の堆積が起こ
り、長時間安定な加工ができないために、生産性が極端
に落ちてしまう。
【0009】一方、略扇形状をなす先端部半体7aを、
選択メッキプロセスで形成する方法もあるが、選択メッ
キを用いる限り、レジストマスク厚さ寸法と段差h′を
無視することはできず、少なくとも下側磁気コアと上側
磁気コアとの合計厚さ(約 6μm )程度の厚膜レジスト
をパターニングする必要があるため、厚膜レジスト自体
のパターニング公差が大きくなってしまう。またさら
に、微細部への合金の選択メッキも極度に困難である。
【0010】また、上述したいずれの方法においても、
上下磁気コアのアライメント誤差を見込むと、上側磁気
コアは下側磁気コアよりアライメント誤差の 2倍程度小
さくしなければならないので、上下の磁気コアの媒体対
向面の幅(上下磁極幅)をまったく同じにすることはで
きず、合せずれがない場合でも、サイドライティングが
大きくなるという問題を招いてしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の薄膜磁気ヘッド構造とトラック加工技術では、トラッ
ク間隔を狭めることに限界があり、例えば 10Gb/inch2
までは到底対応することができない。このように、従来
技術では寸法公差と量産性を共に満足した狭トラック対
応の薄膜磁気ヘッドは実現されておらず、これらの改善
が強く求められている。
【0012】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、例えば 10Gb/inch2 まで対応可能な
狭トラックを、寸法公差と量産性を共に満足させて形成
することを可能にした薄膜磁気ヘッドを提供することを
目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の薄膜磁気
ヘッドは、気ギャップを介して形成された一対の磁気
コアと、前記一対の磁気コア間に設けられ、前記一対の
磁気コアとは絶縁されたコイルとを具備する薄膜磁気ヘ
ッドにおいて、一方の記磁気コア上に絶縁層が設けら
れ、この絶縁層内に埋め込まれた磁性体からなると共
に、前記絶縁層の表面と連続して平面を形成する表面及
びこの表面と交わる媒体対向面を有する磁極先端部半体
と、前記磁極先端部半体の表面及び前記絶縁層の表面上
において前記磁極先端部半体及び絶縁層に積層形成され
る磁極後部半体とを他方の前記磁気コアは具備し、前記
磁極後部半体の前記磁極先端部半体との積層面のトラッ
ク幅方向の幅前記磁極先端部半体のトラック幅方向の
幅より広く、前記磁極後部半体は前記磁極先端部半体の
前記媒体対向面とは反対側の後方端部より前記媒体対向
面から遠い側で前記磁気ギャップと離れる方向に湾曲ま
たは屈曲した形状を有することを特徴としている。
【0014】本発明の第2の薄膜磁気ヘッドは、上記し
た第1の薄膜磁気ヘッドにおいて、さらに前記磁極後部
半体の媒体対向面側端部は前記磁極先端部半体の媒体対
向面側端部より前記媒体対向面から遠い側に位置するこ
とを特徴としている。
【0015】本発明の薄膜磁気ヘッドは、さらに上記し
た第2の薄膜磁気ヘッドにおいて、基板への投影像が前
記磁極先端部半体に対して前記磁極後部半体が90〜120
度の範囲内の接続角をもって接続された形状を成して
いることを特徴としている。また、本発明の磁気記録シ
ステムあるいはハードディスクドライブは、磁気記録媒
体と、前記磁気記録媒体に磁気情報を記録する、上記し
た本発明の薄膜磁気ヘッドとを具備することを特徴とし
ている。
【0016】さらに本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、前記磁極先端部半体と磁極後部半体は異なった磁性
体を使用することができる。すなわち、前記磁極先端部
半体は異方性磁界の小さい磁性体、および前記磁極後部
半体は異方性磁界の大きい磁性体とすることにより、特
性の改善が可能である。
【0017】さらに、前記磁極先端部半体を、複数の磁
性層間に非磁性層を介在させた積層構造とすることによ
りさらに特性が改善される。
【0018】さらに本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、前記磁極先端部半体が、予め形成された絶縁層のト
レンチ内に埋め込まれた磁性体からなっている。
【0019】また、トレンチ内に埋め込まれた磁性体の
底面外周部またはトレンチの側壁上端外周部に、面取り
が付与されている上記の磁性体は、コリメーションスパ
ッタにより埋め込まれていることも本発明の特徴の一つ
である。
【0020】さらに、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、前記磁極先端部半体が直方体形状を成している。
【0021】さらにまた、本発明の薄膜磁気ヘッドにお
いては、前記下側磁気コアおよび上側磁気コアの少なく
とも磁極先端部はともに予め形成された絶縁層のトレン
チ内に埋め込まれた磁性体からなり、前記下側磁気コア
の磁極先端部についてはトレンチ内に埋め込まれた磁性
体の底面外周部に面取りが付与され、前記上側磁気コア
の磁極先端部についてはトレンチの側壁上端外周部に面
取りが付与されていることも特徴の一つである。
【0022】また具体的に本発明の薄膜磁気ヘッドは、
例えば次のようなプロセスにより製造される。
【0023】まず基板上に順に第1の絶縁層、エッチン
グストッパー層、第2の絶縁層、ポリシングストッパー
層、エッチングマスク及び第3の絶縁層を形成し、下側
磁気コアの磁極本体の埋め込み用トレンチを形成する領
域を除く前記第3の絶縁層上にレジストマスクを形成
後、第3の絶縁層、エッチングマスク、ポリシングスト
ッパー層、第2の絶縁層、エッチングストッパー層、第
1の絶縁層を順にエッチングして磁極本体埋め込み用ト
レンチを形成し、前記磁極本体埋め込み用トレンチに磁
性体材料をコリメーションスパッタによりデポジットす
る。
【0024】次いで、ポリシング及び/またはエッチバ
ックにより前記トレンチ以外の部分の第3の絶縁層、お
よびエッチングマスクおよび磁性層がポリシングストッ
パー層と同一平面となるように余分な磁性体材料を取り
除く。
【0025】さらに前記磁性層を含む面上に磁気ギヤッ
プ層、第4の絶縁層、第2のポリシングストッパー層、
第5の絶縁層を順に形成し、その上の所定の領域に第2
のレジストマスクを形成後、第5の絶縁層、第2のポリ
シングストッパー層、第4の絶縁層を順にエッチングし
て除去して、上側磁気コアの磁極先端部半体の埋め込み
用トレンチおよび下側磁気コアの磁極後部補助半体の埋
め込み用トレンチとを形成し、前記磁極先端部半体の埋
め込み用トレンチおよび磁極後部補助半体の埋め込み用
トレンチに磁性体材料をコリメーションスパッタにより
デポジットする。 続いて、ポリシング及び/またはエ
ッチバックにより前記トレンチ以外の部分の第5の絶縁
層および磁性層が第2のポリシングストッパー層と同一
平面となるように余分な磁性体材料を取り除き、磁極先
端部半体および磁極後部補助半体を形成する。
【0026】この後、磁極後部補助半体を含む面上にコ
イルが埋め込まれた絶縁層を形成し、さらに磁極先端部
半体面の一部および前記コイルが埋め込まれた絶縁層上
に上側磁気コアの磁極後部半体となる磁性層を形成し、
最後に前記磁極後部半体となる磁性層を含む面に保護層
を形成し、本発明の薄膜磁気ヘッドを製造する。
【0027】
【作用】本発明の薄膜磁気ヘッドにおいては、下側磁気
コアおよび上側磁気コアの少なくとも一方を、磁極先端
部半体とこの磁極先端部半体と一平面で接触する磁極後
部半体とで構成しているため、これらの接触部での磁気
抵抗が比較的小さく、磁気ギャップにおける磁束密度が
均一で、特性の揃ったヘッドを再現性よくかつ容易に作
製することができる。また、このように、磁極先端部半
体と磁極後部半体とで構成した下側磁気コアおよび上側
磁気コアの一方の磁極先端部半体と、下側磁気コアおよ
び上側磁気コアの他方の少なくとも一部を同じ平面に設
けているため、磁性体材料をデポジットしてこれらを同
時に形成することが可能となり、製造プロセスを簡略化
できる。さらに、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいては、
まず磁極先端部半体の形成部となるトレンチを段差のま
ったくない状態で高精度に形成することができ、またこ
のようなトレンチ内に略直方体形状を成す磁性体を、例
えばオリフィス状コリメータを用いてコリメーションス
パッタ等により埋め込むことで、磁極先端部半体を形成
しているため、磁極先端部半体の位置精度を大幅に向上
させることができる。また、磁極先端部半体は、空孔の
ない良質なものとすることができる。これらによって、
高精度で公差の非常に小さい狭トラック加工が可能とな
る。
【0028】さらに本発明では、磁極先端部半体と磁極
後部半体とを異なる磁性体で形成することが可能とな
る。例えば磁気記録の高密度化に伴い、トラック幅が1
μm程度にまで狭トラック化されて、磁極先端部の磁化
容易軸をトラック幅方向に向けることが困難になる場合
は、例えば誘導磁気異方性の小さい低Hk材料を先端部
半体に用い、後部半体にはより高周波透磁率の大きい高
Hkで好ましくは高抵抗の材料を用いれば記録効率が向
上する。とくに、これは、本発明のように、先端部半体
を埋め込みで作成する場合には有効である。この理由は
埋め込まれた時の結晶配向性の乱れによる磁気特性の劣
化が、低Hk材料の場合には小さいためと考えられる。
【0029】一方、磁極先端部半体の磁化容易軸をトラ
ック幅方向に向けることが容易である程度のトラック加
工を行う際には、磁極先端部半体により高飽和磁束密度
を有する材料あるいはより誘導磁気異方性の大きな材料
等を用いてもよい。
【0030】また、磁極後部半体を媒体対向面から後退
させて配置することにより、磁路が略直角に屈曲する構
造となる磁極先端部半体と磁極後部半体との接合点近傍
での磁束の漏洩が媒体対向面で発生することが抑止さ
れ、よって漏洩磁束による記録や再生が防止できる。さ
らに、磁極後部半体を磁極先端部半体とその後方端部ま
で面接触するように積層形成することで、磁極後部半体
の形成位置がヘッドデプスの方向に多少ずれても、ヘッ
ドの効率変動やウィグル等のノイズに影響が生じること
を防止できる。また、コイル用の絶縁層等にパターニン
グ精度のあまりよくないポリイミド系有機絶縁材料を、
レジスト材に代えて用いることができるため、 350℃程
度でアニールの必要な高飽和磁束密度を有する磁性体材
料の使用が可能となる。
【0031】また本発明の薄膜磁気ヘッドにおいては、
図15に示すように下側磁気コアおよび上側磁気コアの
少なくとも一方について、その基板への投影面が、突起
状の磁極先端部半体tに90〜120度の範囲の角度図中
θで示す)で磁極後部半体rが接続した形状とするこ
とで、狭トラック化した場合でも、その磁化容易軸を安
定してトラック幅方向と平行とすることができる。
【0032】すなわち、図15に示すような形状を有す
る磁気コアにおいて、磁極後部半体rにおける磁気モー
メントは、それぞれ矢印Xで示すように、各辺に沿った
方向に向きやすい。また、狭トラック化された磁極先端
部半体tにおける磁化容易軸は、磁極後部半体r中の磁
気先端部半体tに積層形成された領域の磁気モーメント
(図中、破線矢印Xで示す)の影響を受けやすい。
【0033】ここで本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、磁極先端部半体tと磁極後部半体rの接続角θを90
〜120度の範囲に規定し、磁極後部半体r中の磁極先端
部半体tの磁化容易軸に影響を及ぼす部分の磁気モーメ
ントX1をトラック幅方向に向きやすくしているため、
狭トラック化された磁極先端部半体tにおける磁化容易
軸(図中、矢印Yで示す)をトラック幅方向に向けるこ
とができる。従って、ヘッド特性、とくに高周波応答特
性に優れた薄膜磁気ヘッドを再現性良く且つ容易に得る
ことが可能になる。これに対して図16に示すように、
従来の磁極先端部t′から磁極後部r′が扇状に広がる
ような磁気コアでは、通常θ>120度であるため、磁極
後部r′中の磁極先端部t′に直接接続された部分の磁
気モーメントの影響を受けて、図中矢印yで示すよう
に、磁極先端部t′の磁気モーメントがその突出方向お
よびトラック幅方向に対して垂直方向となりやすい。こ
れにより、磁極先端部t′の磁化容易軸がトラック幅方
向に対して垂直方向となってしまう。
【0034】さらに本発明のように、少なくとも一つの
磁気コアが磁極先端部半体と磁極後部半体とが積層形成
されている場合は、基板上への投影面は同様の略凸形状
(90≦θ≦120 )であるが、磁極先端部t´と磁極後部
r´が同じ平面に配置されて直接接続された磁気コアよ
りは、この効果が顕著になる。以下その原理について説
明する。
【0035】通常、軟質磁性体内の磁化は自己エネルギ
ーを減らすため、周辺部の磁化は、図17に示すよう
に、周囲の面に平行となり、50μm幅 x 50 μm長 x 2
μm厚さ程度の場合には同図に示すように還流磁区構造
を取る。なおこの場合、磁化容易軸はトラック幅方向で
ある。
【0036】しかるに磁極先端部のように2 μm幅 x 5
μm長 x 2μm厚さ程度になると明瞭な磁区構造をとら
ず、例えば図18のような磁化のカーリングが発生す
る。しかし、自己減磁界エネルギーを減らすため周辺部
の磁化はやはり図18に示すように周囲の面に平行とな
る。
【0037】このような磁極先端部半体に図17のよう
な磁極後部半体を図19のように積層し、接合面を交換
結合させると磁極先端部半体の接合部分の磁化は磁極後
部半体の磁化にひきづられ略トラック幅方向を向く。さ
らに磁極先端部半体の接合部分以外の磁化は磁極先端部
半体の接合部分の磁化と交換結合しているためやはり略
トラック幅方向を向き、結果的に磁極先端部半体の磁化
はマクロ的にすべて略トラック幅方向を向かせることが
できる。この時積層部分の占める割合(L2 /L1 )が
大きいほど、その効果は大きく、磁極先端部半体と磁極
後部半体との接続角θが90〜120 °程度の範囲で、この
ような効果を得ることができる。すなわち、磁極先端部
半体と磁極後部半体とを積層形成することで、基板上へ
の投影面が同様の略凸形状であっても積層部分の全くな
い場合に比べ、磁極先端部の磁化容易軸を容易にトラッ
ク幅方向に向けさせることが可能となる。
【0038】さらに、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、例えば磁極先端部および磁極後部の形成部となるト
レンチ内に、磁性体をオリフィス状コリメータを用いた
コリメーションスパッタ等により埋め込むことで、上記
の磁極先端部および磁極後部を有する磁気コアを形成し
ている。従って、狭トラック化された磁極先端部半体の
位置精度を大幅に向上させることができると共に、上述
したような形状の磁気コアを空孔等のない良質なものと
することができる。さらに段差のない状態で磁気コアを
形成できる。これらによって、高精度で公差の非常に小
さい狭トラック加工が可能になり、さらにはギャップに
おける磁束密度が均一で、特性の揃ったヘッドを再現性
よく且つ容易に作成することができる。
【0039】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて
は、少なくとも磁極先端部半体が、予め絶縁層の一部に
形成されたトレンチ内にオリフィス状コリメータを用い
たコリメーションスパッタ等により埋め込まれた磁性体
からなる場合、トレンチの側壁上端外周部または埋め込
まれた磁性体の底面外周部に面取りを付与することが好
ましい。この時、トレンチは実質的に2段以上のテーパ
ーの側壁を有する形状を成すことになり、上述した面取
りを付与することでトレンチの側壁底部近傍または側壁
上端部近傍のテーパー角がそれ以外の側壁テーパー角よ
りも小さく設定される。これにより磁性体をコリメーシ
ョンスパッタにより埋め込む際に発生する巣を完全に無
くすることができ、また磁気異方性をトラック幅方向に
保つことが出来るので、高周波透磁率を向上させること
ができる。これらの2段テーパーの側壁を有するトレン
チは、トレンチが形成されている絶縁層をエッチンググ
レードの異なる2層以上の積層膜から構成することによ
り、ケミカルエッチングやRIE等により積層膜をエッ
チングするだけで容易に形成できる。
【0040】またこのとき、上側磁気コアについては磁
極先端部が形成されるトレンチの上端部外周部に面取り
を付与しトレンチの側壁底部近傍テーパー角をトレンチ
上端近傍の側壁テーパー角よりも大きく設定し、下側磁
気コアについては磁極先端部の磁性体の底面外周部に面
取りを付与し、トレンチの側壁上端部近傍テーパー角を
トレンチ底部近傍の側壁テーパー角よりも大きく設定す
ると、一段と高精度のトラック加工を達成できる。
【0041】さらに上側磁気コアの磁極先端部半体につ
いて、トレンチの側壁底部近傍テーパー角をトレンチ上
端部近傍の側壁テーパー角よりも大きく設定することに
より、磁極先端部半体と磁極後部半体との磁気的接合面
積が大きく、磁気抵抗の小さな磁路を形成することも可
能となる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0043】実施例1 図1および図2は、本発明の一実施例による薄膜磁気ヘ
ッドの主要部の構造をそれぞれ示す図であり、図1は薄
膜磁気ヘッドの構造を一部断面で示す概略斜視図、図2
はその縦断面図である。
【0044】これらの図において、11はAl2 O 3 ・Ti
C 等からなる基板である。この基板11上には、Al2 O
3 等からなる絶縁層12およびエッチングストッパー層
13を介して、CoZrNb等を用いた積層磁性体からなる下
側磁気コア14の磁極本体14aが形成されている。こ
の磁極本体14a上には、エッチングストッパー層を兼
ねるAl2 O 3 等からなる磁気ギャップ15が形成されて
いる。
【0045】この磁気ギャップ15上には、媒体対向面
側に、CoZrNb等を用いた積層磁性体からなる上側磁気コ
ア16の磁極先端部半体16aが設けられている。この
磁極先端部半体16aは、略直方体形状を有するもので
あり、磁極先端部半体16aの後方には、絶縁層17に
より磁気的に分離された下側磁気コア14の後部補助半
体14bが形成されている。これらの上には、ポリイミ
ド等の絶縁層18内に埋め込まれたCu等からなるコイル
19が形成されている。
【0046】絶縁層18上には、その一部を磁極先端部
半体16aと一平面で面接触させた上側磁気コア16の
磁極後部半体16bが積層形成されている。そして、磁
極先端部半体16aおよび磁極後部半体16b上には、
Al2 O 3 等からなる保護層20が形成されて、薄膜磁気
ヘッドの電磁変換部が構成されている。
【0047】なお、下側磁気コア14の磁極本体14a
および後部補助半体14b、さらに上側磁気コア16の
磁極先端部半体16aおよび磁極後部半体16bは、い
ずれもAl2 O 3 等からなる非磁性層21を介在させたCo
ZrNb等の磁性層22の積層構造を有している。また、磁
極本体14aの周囲には、その形成位置を規定する SiO
2 等からなる絶縁層23が設けられており、また後部補
助半体14bの後方には、同材質からなるコイル引き出
し線24が設けられている。さらに、絶縁層17、23
上には、それぞれポリシングストッパー層25が設けら
れている。
【0048】次に、上記構造の薄膜磁気ヘッドの製造工
程を、図3および図4を参照して説明する。
【0049】まず、図3Aに示すように、基板11上に
厚さ 5μm 程度のAl2 O 3 等からなる絶縁層12、厚さ
0.1μm 程度のエッチングストッパー層13、厚さ 3
μm程度の SiO2 等からなる絶縁層23、厚さ 0.1μm
程度のAl2 O 3 等からなるポリシングストッパー層2
5、厚さ 0.2μm 程度のエッチングマスク26、および
厚さ 0.5μm 程度の SiO2 等からなる絶縁層27を順に
形成する。この場合の絶縁層27は、後工程のポリシン
グ工程の際の削りしろとなる。
【0050】上記エッチングストッパー層13およびエ
ッチングマスク26としては、フッ素系の反応性ガスに
対してエッチング速度が遅い、Al2 O 3 、 C、Al、Ti、
Cr、W、Nb、Si等を用いることが好ましい。また、ポリ
シングストッパー層25としては、ポリシングのされに
くいAl2 O 3 等を用いることが好ましい。
【0051】次に、平滑な絶縁層27上にレジストマス
ク(図示せず)を形成した後、CF4等のエッチングガス
により絶縁層27をエッチングし、次いでCF4 等にO 2
等を添加したガスによりエッチングマスク26を、さら
にCF4 等にアルゴンを添加したガスによりポリシングス
トッパー層25を、最後にCF4 等のガスにより絶縁層2
3を、RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)等
の手段によりエッチングする。この後、レジストマスク
を除去して、図3Bに示すように、前記磁極本体14a
の埋め込み用トレンチ28が得られる。なおこのエッチ
ングマスク26に Cを用いた場合は O2 ガスのみでエッ
チングマスク26のエッチングが可能となる。
【0052】この際、エッチングマスク26を形成して
いるために、マスク材と絶縁層材の選択比を変えてトレ
ンチ28の側壁を垂直に加工することもできるし、また
若干テーパ状や逆テーパ状に加工することもできる。ま
た、エッチングストッパー層13が存在しているため
に、埋め込み用トレンチ28の深さを正確に制御できる
だけでなく、適切なオーバーエッチをかけることができ
るため、トレンチ28の底部エッヂ形状を制御すること
ができる。例えば、オーバーエッチの時間を制御するだ
けでトレンチ28の底部エッヂにアールを形成すること
もできるし、あるいは底部エッヂを略垂直に加工するこ
ともできる。
【0053】次に、図3Cに示すように、トレンチ28
内に、磁極本体14aとなる積層磁性体の構成材料、す
なわちCoZrNb等の磁性層22とAl2 O 3 等の非磁性層2
1とを順にコリメーションスパッタ等により被着させ
る。この後、ポリシングやエッチバックを行うことによ
り、不要部分を取り除いて、磁極本体14aを形成す
る。 このとき、前工程でトレンチ28の底部エッヂに
アールを形成しておくことにより、埋め込みされる磁性
層22のエッヂ部分での磁気特性を容易に制御すること
ができる。また、ポリシングのされにくいAl2 O 3 等か
らなるポリシングストッパー層25を、磁極本体14a
の上面の両側に配置しているため、ポリシング工程で多
少傾いて研磨が進んでも、ポリシングストッパー層25
がストッパーとして働き、傾きを補正することができる
と共に、磁極本体14aの厚さを制御することができ
る。
【0054】次に、図4Aに示すように、磁極本体14
a上に、厚さ 0.1μm 程度の磁気ギャップ15、厚さ 3
μm 程度の絶縁層17、厚さ 0.1μm 程度のポリシング
ストッパー層25、厚さ 0.5μm 程度の削りしろ用の絶
縁層27を順に形成する。各層の構成材料は、図3Aに
示した工程と同様とする。そして、レジストマスクを形
成した後、削りしろ用の絶縁層27、ポリシングストッ
パー層25、および絶縁層17を、前述の工程と同様に
してエッチングする。このエッチングにより、図4Bに
示すように、前記磁極先端部半体16aの埋め込み用ト
レンチ29aおよび前記後部補助半体14bの埋め込み
用トレンチ29bが得られる。これらトレンチ29の形
成にあたっても、前述の工程と同様に、トレンチ壁を所
望の形状に加工することができる。
【0055】ここで、磁気ギャップ15は、上記エッチ
ング時のエッチングストッパー層を兼ねるものであり、
フッ素系の反応性ガスに対してエッチング速度が遅く、
かつ磁気ギャップとして機能する材料、例えばAl2 O
3 、Si等で形成することが好ましい。このように、磁
気ギャップ15がエッチングストッパー層を兼ねること
で、磁極先端部半体16aのトレンチ加工の際に、多少
オーバエッチしてもギャップ長が変わらないために、歩
留りの向上を図ることができる。また、この場合 C等の
エッチングストッパーを磁気ギャップ15上に形成して
おき、トレンチ29を形成した後に O2 プラズマ等によ
り C等のエッチングストッパーを除去し、磁気ギャップ
15を露出させてもよい。
【0056】次いで、図4Cに示すように、上記各トレ
ンチ29a、29b内に、 2層構造の積層磁性体(22
/21/22)の構成材料をコリメーションスパッタに
より被着させた後、ポリシングやエッチバックにより不
要部分を取り除き、略直方体形状の磁極先端部半体16
aと後部補助半体14bを埋め込み形成する。また、こ
の実施例では、コイル引き出し線24も同時に埋め込み
形成している。このように、同じ平面に設けられる磁極
先端部半体16aと後部補助半体14b、さらにコイル
引き出し線24を同時に埋め込み形成しているため、大
幅な工数削減が可能となる。
【0057】そして、磁極先端部半体16aおよび後部
補助半体14b上に、Cu等からなるコイル19が埋め込
まれたポリイミド樹脂等からなる絶縁層18を形成し、
さらに前記磁極後部半体16bとなる 2層構造の積層磁
性体、および Al2 O3 等からなる保護層20を形成す
ることによって、本発明の薄膜磁気ヘッドの電磁変換部
が完成する。なお、上述した工程中において、磁気ギャ
ップ15は、磁極先端部半体16aおよび後部補助半体
14bとなる積層磁性体をコリメーションスパッタで形
成する前に、コリメーションスパッタ等により形成して
もよい。
【0058】上述した実施例の薄膜磁気ヘッドの構造お
よび製法によれば、略直方体形状の磁極先端部半体16
aを、絶縁層17等で形成したトレンチ29a内に積層
磁性体の構成材料をコリメーションスパッタで埋め込む
ことにより形成しているため、幅 1μm 以下の狭トラッ
クを、公差(3σ)が± 0.1μm 以下で高精度にかつ再現
性よく得ることが可能であった。すなわち、段差のない
状態で、磁極先端部半体16aの形成位置となるトレン
チ29aを加工しているため、その位置精度を大幅に向
上させることができる。そして、このトレンチ29a内
に磁性体材料をコリメーションスパッタで埋め込むこと
によって、略直方体形状の磁極先端部半体16aを形成
しているため、空孔等のない良質な磁極先端部半体16
aを高精度に位置合せした状態で得ることができる。
【0059】また磁極先端部は、全て耐熱性のよい無機
材料で形成していると共に、コイル19が埋め込まれる
絶縁層18等を形成する前に、磁極先端部を全て形成し
ているため、 500℃程度の高温熱処理が可能となる。よ
って、高飽和磁束密度を有する磁性体材料に異方性分散
の小さい一軸異方性を付与することができる。さらに、
上記薄膜磁気ヘッドでは、下側磁気コア14および上側
磁気コア16に、Al2 O 3 等からなる非磁性層21を介
在させた 2層構造の積層磁性体を用いているため、狭ト
ラックとした場合においても、磁性層22の厚さを薄く
でき、その磁化容易軸をトラック幅と平行にすることが
できる。なお、積層数は 3以上であればより効果を発揮
する。
【0060】また、この実施例の薄膜磁気ヘッドにおい
ては、コイル19が埋め込まれた絶縁層18のテーパー
立上がり部を、磁極先端部半体16aの後方端部より後
方に設定し、かつ磁極後部半体16bを磁極先端部半体
16aの後方端部まで一平面で面接触させ、磁極後部半
体16bを磁極先端部半体16aの後方端部より後方側
で湾曲させている。これにより、その湾曲点が多少ずれ
ても、磁極先端部半体16aと磁極後部半体16bとの
接触面を十分に確保することができ、高効率で特性の揃
ったヘッドを得ることができる。また、ウィグル等のノ
イズの発生も抑制することができる。またこれらによっ
て、絶縁層18としてパターニング精度があまりよくな
いポリイミド系有機絶縁材料を、レジスト材に変えて用
いることができるようになり、 350℃程度でアニールの
必要な高飽和磁束密度を有する磁性体材料を使用するこ
とが可能となる。
【0061】これに対して、例えば図5に示すように、
絶縁層18のテーパ立上がり部を磁極先端部半体16a
の後方端部より媒体対向面側に設定すると、磁極先端部
半体16aと磁極後部半体16bとの接触面が小さくな
って、効率が低下するだけでなく、アライメントずれに
より効率が大きく変化し、品質のばらつきが発生しやす
くなる。
【0062】さらに、この実施例の薄膜磁気ヘッドにお
いては、磁極後部半体16bの先端部を媒体対向面(図
中、Aで示す)から後退させて配置しているため、磁性
体が不連続に屈曲する構造となる磁極先端部半体16a
と磁極後部半体16bとの接合点近傍における磁束漏洩
が媒体対向面で発生することを防止できる。よって、漏
洩磁束による記録や再生等の悪影響を取り除くことが可
能となる。例えば、図6Aに示すように、磁極後部半体
16bの端部を媒体対向面まで延在させると、図6Bに
示すように、媒体対向面での漏洩磁束(図中、Bで示
す)の発生が顕著となり、トラック間はもとより、隣接
するトラックにまで記録されてしまうことがある。ま
た、再生時には、クロストークノイズが増加する。一方
本発明では、磁極後部半体16bを媒体対向面から後退
させることにより、これらの悪影響を取り除くことが可
能となる。
【0063】また上記の本発明の構成において、磁極後
部半体16bと磁極先端部半体16aの接触面が平面で
ない場合、例えば接触面が凹凸面で構成されている場合
には、接合面において磁束のうねりが発生し、磁束が流
れににくくなり、飽和記録に必要な磁束を磁気ギャップ
15中に得ることが困難となる。なお、上記実施例で
は、RIEにより形成した SiO2 トレンチ内にに磁性体
をスパッタ埋め込みすることにより形成したが、通常の
ように磁性体を成膜した後、イオンミリングあるいはR
IEにより磁性体を加工し、次いで絶縁膜を被着させて
ポリシングバックしてもよい。ただし、この場合、トラ
ック幅精度は多少悪くなる。
【0064】実施例2 次に、本発明の他の実施例について、図7を参照して説
明する。図7は、下側磁気コア31を略直方体形状を有
する磁極先端部半体31aとこの磁極先端部半体31a
と一平面で面接触する磁極後部半体31bとで構成した
薄膜磁気ヘッドを示している。すなわち絶縁層12内
に、下側磁気コア31の磁極後部半体31bとコイル1
9が埋め込まれた絶縁層18とが埋め込み形成されてい
る。これらの上には、下側磁気コア31の磁極先端部半
体31aと絶縁層17により磁気的に分離された上側磁
気コア32の後部補助半体32b、さらにコイル引き出
し線24が同一面上に設けられている。そして、これら
の上には、磁気ギャップ15を介して、上側磁気コア3
2の磁極本体32aが形成されており、さらに磁極本体
32a上に保護層20が形成されて、薄膜磁気ヘッドの
電磁変換部の主要部が構成されている。
【0065】この実施例の薄膜磁気ヘッドにおいては、
前述した実施例と同様に、絶縁層17により前記磁極先
端部半体31aの埋め込み用トレンチを形成し、このト
レンチ内に磁性体材料をコリメーションスパッタにより
埋め込み、さらに不要部分をポリシング等で取り除くこ
とで、略直方体形状の磁極先端部半体31aを形成す
る。なお、図7ではポリシングストッパー層やエッチン
グストッパー層等を省略したが、前述した実施例と同様
に、必要に応じて形成するものとする。また、各磁気コ
アについても便宜上単層で記載したが、前述した実施例
と同様に積層磁性体で構成することができる。これは以
下の実施例についても同様とする。
【0066】上記した実施例の薄膜磁気ヘッドにおいて
も、略直方体形状の磁極先端部半体31aを、絶縁層1
7等で形成したトレンチ内に磁性体材料をコリメーショ
ンスパッタで埋め込むことにより形成しているため、段
差のない状態で各部を加工することができ、これにより
公差の非常に小さい狭トラックを、高精度にかつ再現性
よく得ることが可能である。また、他の効果についても
同様である。さらに、製造工程上は、磁極先端部半体3
1a、後部補助半体32b、およびコイル引き出し線2
4を同一の埋め込み工程で形成しているため、大幅な工
数の削減が可能である。
【0067】実施例3 図8は、下側磁気コア33と上側磁気コア34の双方
を、略直方体形状を有する磁極先端部半体33a、34
aと、これら磁極先端部半体33a、34aと一平面で
面接触する磁極後部半体33b、34bとで構成した薄
膜磁気ヘッドを示している。すなわち、絶縁層12上に
は、下側磁気コア33の磁極後部半体33bが形成され
ており、その上には下側磁気コア33の磁極先端部半体
33aと下側磁気コア33の後部補助半体33cとが形
成されている。さらに、これら磁極先端部半体33aと
後部補助半体33c上には、磁気ギャップ15を介し
て、上側磁気コア34の磁極先端部半体34aと上側磁
気コア34の後部補助半体34cとコイル引き出し線2
4とが設けられている。そして、これらの上に、第1の
実施例と同様に、コイル19が埋め込まれた絶縁層1
8、それを覆うように設けられた上側磁気コア34の磁
極後部半体34b、さらに保護層20が形成されて、薄
膜磁気ヘッドの電磁変換部の主要部が構成されている。
【0068】上記構造の薄膜磁気ヘッドは、例えば以下
のようにして作製する。すなわち、図9Aに示すよう
に、絶縁層12上に設けた磁極後部半体33b上に、絶
縁層35を形成し、この絶縁層35にRIE加工等を施
して、トレンチ36を形成する。このトレンチ加工に際
して、トレンチ壁を垂直あるいは若干逆テーパ状に加工
すると共に、適切なオーバーエッチを行い、トレンチ3
6の底部エッヂを略直角にする。
【0069】次に、図9Bに示すように、コリメータに
より飛来するスパッタ粒子の方向を、トレンチ36の側
壁に対してほぼ平行とし、同一のトレンチ36内に下側
磁気コア33を構成する磁性体材料、磁気ギャップ15
の構成材料、および上側磁気コア34を構成する磁性体
材料を連続してスパッタする。そして、ポリシングバッ
クを行って、図9Cに示すように、上下の磁極先端部半
体33a、34aおよび後部補助半体33c、34cを
形成する。
【0070】このように、下側磁気コア33および上側
磁気コア34が共に磁極先端部半体33a、34aを有
する構造とすると共に、上下の磁極先端部半体33a、
34aを 1回の埋め込み工程で連続して作製することに
よって、上下の磁極先端部半体33a、34aのアライ
メントずれを完全に防止することができる。従って、上
下の磁極幅が同一で、ずれがないヘッドが得られる。ひ
いては、サイドフリンジングによるサイドライティング
を最小限にすることができ、トラックピッチをより小さ
くすることが可能となる。
【0071】また、上記実施例の製造工程に関しては、
上下の磁極先端部半体33a、34a、後部補助半体3
3c、34c、磁気ギャップ15、およびコイル引き出
し線24を同一の埋め込み工程で同時に作製しているた
め、製造工数を大幅に削減することができる。
【0072】実施例4 図10は、コイル19を上側磁気コア16の磁極先端部
半体16aと同一材料で、かつ同一の埋め込み工程で同
時に作製し、またコイル引き出し線24を下側磁気コア
14と同一材料で、かつ同一の埋め込み工程で同時に作
製した例であり、これにより大幅に工数を削減すること
ができる。この場合、記録専用のヘッドとして使用する
限り問題はなく、純鉄を用いることにより、比抵抗を15
μΩ・cmとすることができた。また、コイルを下側磁極
先端部半体と同一材料で、かつ同一の埋め込み工程で同
時に作製することも可能である。
【0073】実施例5 図14は、本発明の実施例5による薄膜磁気ヘッドの主
要部の構造を一部断面で示す概略斜視図である。
【0074】この図において、11はAl2 O 3 ・TiC 等
からなる基板である。この基板11上には、Al2 O 3
からなる絶縁層12およびエッチングストッパー層13
を介して、CoZrNb等の磁性体からなる下側磁気コア14
の磁極本体14aが形成されている。この磁極本体14
aはほぼ凸型形状を有しており、凸形状の突起部にあた
るほぼ直方体形状を有する磁極本体先端部と、磁極本体
後部とから構成されている。これら磁極本体先端部と磁
極本体後部は、同一平面上で連続的に形成されている。
このような磁極本体14a上には、エッチングストッパ
ー層を兼ねるAl2 O3 等からなる磁気ギャップ15が形
成されている。
【0075】この磁気ギャップ15上には、媒体対向面
側に、CoZrNb等の磁性体からなる上側磁気コア16の磁
極先端部半体16aが設けられている。この磁極先端部
半体16aは、ほぼ直方体形状を有するものである。磁
極先端部半体16aの後方には、絶縁層17により磁気
的に分離された下側磁気コア14の後部補助半体14b
が形成されている。これらの上には、ポリイミド等の絶
縁層18内に埋め込まれたCu等からなるコイル19が形
成されている。
【0076】絶縁層18上には、磁極先端部半体16a
と一平面で面接触させた上側磁気コア16の磁極後部半
体16bが設けられている。磁極先端部半体16aと磁
極後部半体16bとは、平面的に見た場合、前記磁極本
体14aと同様に、凸形状の突起部にあたる磁極先端部
半体16aに対して接続角θが90〜120 度の範囲で磁極
後部半体16bが接続された形状を成しており、換言す
れば基板11への投影面がほぼ凸形状を成している。そ
して、磁極先端部半体16aおよび磁極後部半体16b
上には、図示を省略したAl2 O3 等からなる保護層が形
成されて、薄膜磁気ヘッドの電磁変換部の主要部が構成
されている。
【0077】なお、磁極本体14aの周囲には、その形
成位置を規定する SiO2 等からなる絶縁層23が設けら
れており、また後部補助半体14bの後方には、同材質
からなるコイル引き出し線24が設けられている。
【0078】ここで、上述した下側磁気コアの磁極本体
14aおよび上側磁気コア16における磁極先端部と磁
極後部との接続角θは、狭トラック化した場合において
も、磁極先端部の磁化容易軸を安定してトラック幅方向
と平行とするために、90〜120 度の範囲に規定してい
る。すなわち、接続角θが120 度を越えると、図16に
示したように、磁極先端部の磁化容易軸がトラック幅方
向に対して垂直方向となりやすくなり、これはトラック
幅を 3μ以下とした場合には、とくに顕著になる。さら
に前記接続角θは、90〜100 度の範囲とすることがより
好ましい。ただし、磁極後部の磁束を磁極先端部に収束
させる上では、接続角θの値をある程度大きくすること
が好ましいため、前記磁化容易軸の付与と磁束の収束性
とを考慮して、接続角θを設定することが好ましい。ま
た、磁束の収束のためには、例えば図20に示すよう
に、磁極先端部に接続される磁極後部の辺の両端部C、
Cを湾曲させることが好ましい。これによって、接続角
θを90度に近付けた上で、磁束の収束を図ることができ
る。
【0079】次に、上記の構造の薄膜磁気ヘッドの製造
工程を、図21A、B、Cおよび図22A、B、C、D
を参照して説明する。
【0080】まず、図21Aに示すように、基板11の
上に、厚さ 5μm程度のAl2 O3 等からなる絶縁層1
2、厚さ 0.1μm程度のエッチングストッパー層13、
厚さ 3.5μm程度の SiO2 等からなる絶縁層23を順に
形成する。なお、この絶縁層23は、後工程のポリッシ
ング工程の際の削りしろを含む厚さで形成するものとす
る。また、予め絶縁層23を所定の厚さに形成し、ポリ
ッシングストッパー層やエッチングマスクを介して、削
りしろ用の SiO2 層を形成するようにしてもよい。
【0081】次いで、平滑な絶縁層23上に、レジスト
マスク(図示せず)を形成した後、CF 4 等のエッチン
グガスにより絶縁層23をエッチングして、図21Bに
示すように、前記磁極本体14aの形成部にあたる略凸
形状のトレンチ28を形成する。この際、適切なエッチ
ング条件を設定して、トレンチ28の側壁を垂直に加工
することが好ましい。
【0082】次に、図21Cに示すように、トレンチ2
8内に磁極本体14aとなる磁性体をオリフィス状コリ
メータを用いたコリメーションスパッタにより被着し、
ポリッシング等により不要部分を取り除いて、突起状の
磁極先端部と磁極後部とから構成される磁極本体14a
を形成する。
【0083】ここで磁極本体14aとなる磁性体のコリ
メーションスパッタは、図23に示すように、オリフィ
ス状コリメータ41を用いて行うことが好ましい。この
オリフィス状コリメータ41は、その幅方向へのスパッ
タ粒子の飛翔を抑制するものである。このようなオリフ
ィス状コリメータ41を用いることにより、例えば図2
4に示すような一般的なコリメータ42を用いた場合に
比べて、スパッタ速度を 3倍以上にすることができる。
なお図中 43 はスパッタターゲット、44は被着基板を示
している。
【0084】また上記のオリフィス状コリメータ41
は、その長手方向が磁気コアのトラック幅方向(図中、
矢印Zで示す)と略直角となるよう配置することが好ま
しく、これにより磁極先端部の突出方向がスパッタ粒子
の飛来方向となるため、トレンチ28の磁極先端部の形
成部分に相当する微小部分を、空隙等の発生なしに良好
に埋め込むことができる。この磁極先端部の埋め込みに
は、磁極本体14aの形状も影響する。即ち、図16に
示したように、磁極先端部から 120度を越える角度で扇
状に磁極後部が接続した形状においては、上述したよう
なオリフィス状コリメータ41を用いても、扇状部分の
辺に対して直角方向にスパッタ粒子が成長するため、特
に磁極先端部の根元部分等に空孔(巣)が発生しやすく
なる。このように、磁極本体14aを磁極先端部に 90
〜120 度の範囲の角度で磁極後部を接続した構造とする
ことにより、特に磁極先端部に空孔が生じることを防止
できる。なお、オリフィス状コリメータ41の長手方向
とトラック幅方向との角度が略直角からずれるに従っ
て、従来形状の磁気コアと同様に空孔が生じやすくなる
ため、オリフィス状コリメータ41は、上述したよう
に、その長手方向がトラック幅方向と略直角になるよう
に配置することが好ましい。
【0085】次に、図22Aに示すように、磁極本体1
4aの上に、厚さ 0.1μm程度の磁気ギャップ15、厚
さ 3.5μm程度の絶縁層17を順に形成する。なお、こ
の絶縁層17は、後工程のポリッシング工程の際の削り
しろを含む厚さで形成するものとするが、図21Aに示
した工程と同様に、絶縁層17上にポリッシングストッ
パー層、エッチングマスク、削りしろ用の SiO2 層等を
形成するようにしてもよい。そして、レジストマスクを
形成した後、絶縁層17を前述の工程と同様にエッチン
グする。このエッチングにより、図22Bに示すよう
に、前記磁極先端部半体16aの埋め込み用トレンチ2
9aおよび前記後部補助半体14bの埋め込み用トレン
チ29bが得られる。
【0086】ここで、磁気ギャップ15は、上記エッチ
ング時のエッチングストッパー層を兼ねるものであり、
フッ素系の反応性ガスに対して、エッチング速度が遅
く、かつ磁気ギャップとして機能する材料、例えば Al
2 O 3 、Si等で形成することが好ましい。このように、
磁気ギャップ15がエッチングストッパー層を兼ねるこ
とで、磁極先端部半体16aのトレンチ加工の際に、多
少オーバーエッチしてもギャップの大きさが変わらない
ので、歩留まりの向上を図ることができる。
【0087】次いで、図22Cに示すように、磁極本体
14aの埋め込み時と同様に、上記各トレンチ29a、
29b内に磁性体をオリフィス状コリメータを用いたコ
リメーションスパッタにより被着させた後、ポリッシン
グ等により不要部分を取り除き、略直方体形状の磁極先
端部半体16aおよび後部補助半体14bを埋め込み形
成する。また、この実施例においては、コイル引き出し
線24も同時に埋め込み形成している。
【0088】そして、磁極先端部半体16aおよび後部
補助半体14b上に、Cu等からなるコイル19が埋め込
まれたポリイミド樹脂等からなる絶縁層18を形成し、
さらに磁極後部半体16bとなる磁性体、および Al 2
O 3 等からなる保護層20を形成することにより、本発
明の薄膜磁気ヘッドの電磁変換部が完成する。なお、上
述の工程の中で、磁気ギャップ15は、磁極先端部半体
16aおよび後部補助半体14bとなる磁性体をコリメ
ーションスパッタにより形成する前に、コリメーション
スパッタにより形成してもよい。
【0089】上述した実施例の薄膜磁気ヘッドの構造お
よび製造方法によれば、磁極先端部の磁化容易軸をトラ
ック幅方向と平行とした狭トラックの下側磁気コア14
および上側磁気コア16を、安定して且つ効率よく、即
ち量産性を満足させて得ることが可能となった。ここ
で、下側磁気コア14、上側磁気コア16について磁極
先端部と磁極後部との接触角θを変化させたときの磁極
先端部のMHループを測定した結果を図25に示す。な
お、この測定結果はトラック幅を 2μmとした場合であ
り、印加磁界はデプス方向(磁極先端部の励磁方向)に
加えた。まず図25は下側磁気コアの測定結果を示す特
性図であり、接続角θが 90 〜120 度のときには、図2
5A、Bに示されるように、磁性体先端部の磁化容易軸
はトラック幅方向を向いていることが分かる。これに対
して、図25Cに示すように、接続角θが120 度を越え
る場合には、磁化容易軸はトラック幅方向に対して垂直
方向に向いてしまう。
【0090】また図26は、上側磁気コアの測定結果を
示す特性図であるが、上側磁気コアにおいて接続角θが
90、135 度のときのMHループは下側磁気コアと略同様
であったのに対して、θが 120度のときには図26に示
されるように、下側磁気コアとは異なり、完全な線形性
が得られている。このことから磁極先端部と磁極後部と
を部分的に積層することが、磁極先端部の磁化容易軸を
トラック幅方向に向かせる上で有効であることが確認さ
れた。
【0091】また下側磁気コアについても、磁気コアを
CoZrNb 等からなる2層の磁性層の間に、 Al 2 O 3
からなる非磁性層を介在させた積層構造とした場合、接
続角θが120 度で、図26に示すようなMHループを示
し、積層磁性体で磁気コアを形成することにより、より
一層、磁化容易軸の異方性を高めることができることも
わかった。すなわち、磁気コアに Al 2 O 3 等の非磁性
層を介した2層構造の積層磁性体を用いることにより、
狭トラックとした場合においても、磁性層の厚さを薄く
することが出来、その磁化容易軸をより一層トラック幅
と平行に向けやすくすることができる。
【0092】また上記の実施例では、下側磁気コア14
の磁極本体14aおよび上側磁気コア16の磁極先端部
半体16aを予め絶縁層23、17等に形成したトレン
チ28、29a内に磁性体をコリメーションスパッタで
埋め込むことにより形成しているので、幅 1μm以下に
狭トラック化された磁極先端部を、公差(3 σ)が±0.
1 μm以下で高精度に且つ再現性よく得ることが可能と
なる。特に、上側磁気コア16の磁極先端部半体16a
に関しては、段差のない状態で、磁極先端部半体16a
の形成部となるトレンチ29aを加工しているので、そ
の位置精度を大幅に向上させることができる。そしてこ
のトレンチ29a内に磁性体をコリメーションスパッタ
で埋め込むことにより磁極先端部半体16aを形成して
いるので、空孔等のない良質な磁極先端部半体16aを
高精度に位置合わせした状態で得ることができる。
【0093】さらに、磁極本体14aおよび磁極先端部
半体16aは、全て耐熱性のよい無機材料で形成してい
ると共に、コイル19が埋め込まれる絶縁層18を形成
する前に、これらが全て形成されているので、500 ℃程
度の高温熱処理が可能となる。したがって、高飽和磁束
密度を有する磁性体に異方性分散の小さい一軸異方性を
付与することができる。
【0094】また上記実施例の薄膜磁気ヘッドにおい
て、上側磁気コア16については、磁極先端部半体16
aと磁極後部半体16bとを異なる磁性体で形成するこ
ともできる。例えば、磁極先端部半体16aに、より高
い飽和磁束密度を有する材料を用いることにより、高保
磁力の磁気記録媒体に対する記録が容易になると共に、
先端部の磁性層の厚さを薄くすることができる。これに
より、サイドフリンジング量の減少を図ることができ
る。また、磁極先端部半体16aの異方性磁界Hkを大
きく設定し、且つ磁極後部半体16bの異方性磁界Hk
を小さく設定することにより、低周波における磁気ヘッ
ドの磁気回路の磁気抵抗が減少してヘッド効率を高める
ことができる。また逆に磁極先端部半体16aのHkを
小さくし設定し、磁極後部半体16bのHkを大きく設
定することにより高周波における磁気ヘッドの磁気抵抗
が小さくなり高周波でのヘッド効率を向上させることが
できる。これは狭トラック化が進み磁極先端部の磁気モ
ーメントをトラック幅方向に向けることが困難になる場
合や、50 MHzを越えるような高周波のもとでは特に有効
である。
【0095】なお、上記実施例では、RIEにより形成
したトレンチ内に磁性体をスパッタ埋め込みすることに
より形成したが、通常のように磁性体を成膜した後、イ
オンミリング或はRIEにより磁性体を加工し、次いで
絶縁層を形成してポリシングバックしてもよい。但し、
この場合にはトラック幅精度が多少悪くなる。
【0096】実施例6 実施例6の薄膜磁気ヘッドは、図1等に示される埋め込
み磁極を有する薄膜磁気ヘッドにおいて、磁極が埋め込
まれているトレンチが2段以上のテーパーの側壁を有し
ていることを特徴とするものである。まず、図27A、
B、Cに示される製造プロセスの一例に基づいて説明す
る。
【0097】まず、図27Aに示すように、基板11上
に、Al2 O 3 等の絶縁膜12,Al2O 3 或は C等のエッ
チングストッパー層13、 SiO2 等の絶縁層23a、Si
O2スパッタ膜等の絶縁層23b、Al2 O 3 等のポリシ
ングストッパー層25、C 或はSi等のエッチングマスク
26、さらにSi O2 等の絶縁層27が形成される。この
場合、絶縁層27は、後のポリシング工程のときの削り
しろとなる。
【0098】次いで、図27Bに示すように、レジスト
マスク(図示せず)を形成後、CF4等のガスにより、前
記絶縁層27をエッチングし、次ぎにCF4 等のガスにO
2 等を添加したガスによりエッチングマスク26、さら
にCF4 等のガスにArを添加したガスによりポリシングス
トッパー層25、最後にCF4 等のガスにより絶縁層23
a,23bをRIE等の手段によりエッチングする。こ
の後レジストマスクが除去されて、トレンチ28が形成
される。このときエッチングマスク26があるために、
トレンチ側壁上部を垂直に加工できるし、基板温度等の
エッチング条件を制御することにより、若干テーパー状
或は逆テーパー状にも加工することが可能である。また
エッチングストッパー層13があるために、適切なオー
バーエッチをかけることができる。さらには、絶縁層2
3aのエッチング速度が絶縁層23bのエッチング速度
よりも遅くなるようにガス種や添加ガスを適宜選択し、
前記トレンチ28の側壁底部近傍のテーパー角を底部近
傍以外の側壁テーパー角より小さくすることができ、実
質的に2段テーパーの側壁を有するトレンチが形成され
た。
【0099】次に、図27Cに示すように、2層構造の
積層磁性体をコリメーションスパッタ等によりデポジッ
ト後、ポリシングにより不要部分を取り除き、下側磁気
コアの磁極本体14aを埋め込み形成する。この時前工
程でトレンチ底部エッジにアールを残して置くことによ
り、埋め込み磁性膜のエッジ部分での磁気特性を容易に
制御できた。
【0100】ここで、本実施例におけるトレンチ28内
への磁性体の埋め込み具合を図28および図29に模式
的に示す。なお、図28は通常の1段テーパー、図29
は2段テーパーの場合の埋めこまれ具合を示す。
【0101】図示されるように、本実施例では2段テー
パーの側壁を有するトレンチ28内に磁性体31を埋め
込み形成することで、コリメーションスパッタ時に発生
する巣を完全になくすことが出来た。
【0102】次いで、磁極本体14aに磁気ギャップを
形成後、2段テーパーの側壁を有するトレンチを形成す
る以外は実施例1と同様に、上側磁気コアの磁極先端部
半体および下側磁気コアの後部補助半体を埋め込み形成
する。すなわち磁気ギャップ上に2層の絶縁層、ポリシ
ングストッパー層、削りしろ用の絶縁層を形成、続い
て、レジストマスクを形成後、前記絶縁層、ポリシング
ストッパー層、絶縁層を順にエッチングして、レジスト
マスクを除去して、トレンチが出来上がる。
【0103】さらに、2層構造の積層磁性体をコリメー
ションスパッタ等によりトレンチ内にデポジット後、ポ
リシングにより不要部分を取り除き、上側磁気コアの磁
極先端部半体と下側磁気コアの後部補助半体が埋め込み
形成される。
【0104】さらにコイルが埋め込まれた絶縁層、上側
磁気コアの磁極後部半体、保護層が形成されて本発明の
薄膜磁気ヘッドの電磁変換部が完成する。
【0105】ここでは前記構成と製法により、トレンチ
の側壁底部近傍のテーパー角が底部近傍以外の側壁テー
パー角よりも小さく、実質的に2段テーパーの側壁を有
するトレンチを形成することで、磁性体をコリメーショ
ンスパッタ等により埋め込む際に発生する巣を完全にな
くすことが出来た。
【0106】また2段テーパーの寸法は、図29に示す
ように、トレンチ幅をA、深さをBとし、下層の絶縁層
23aの厚さをt1、上層の絶縁層23bの厚さをt
2、下段のテーパー角をφ、上段のテーパー角をθとす
ると、ほかの寸法に関係なく、0 °<φ< 88 °で、且
つφ<θの場合に効果が認められた。またt1> 0.01x
t2の時に容易に2段テーパー付与、あるいはアール
形状付与ができた。さらに、B/A = αとすると、t1>
α 2 x 0.01 x t2の場合に一層の効果が認められた。
【0107】さらに、図30は、本発明の応用例を示す
3段テーパートレンチにコリメーションスパッタで磁性
膜を埋め込んだ時のモデル図を示す。この場合には3段
目のテーパーψを有するために、成膜中に 0.1 W/cm 2
程度の基板バイアスを印加するだけで膜のC部のテーパ
ー長さ Lを成膜の進行と共に大きくすることが出来た。
これにより、成膜が進行してもトレンチ28の底面にお
ける成膜速度を維持できるために、さらに巣の発生防止
が容易になった。
【0108】また巣の発生防止に必要な基板バイアスも
小さくできるために、イオン衝撃による膜の損傷も少な
くすることが出来た。特に、結晶化しやすいアモルファ
ス膜を埋め込む時は効果があり、低い基板バイアス印加
で巣の発生を防止できるため、埋め込み磁性膜のアモル
ファス状態を維持できた。例えば、CoZrNbにおいてCo:Z
r:Nbの比率が、at %で 88:5:8 の場合、成膜速度が約 2
00 A/min. の時に、0.2 W /cm 2 程度の基板バイアス
で、部分的に結晶化が起こり、膜の抗磁力が 0.5エルス
テッド程度に上昇したが、3段テーパートレンチにする
ことにより、0.1W/cm2 程度以下の基板バイアスで0.2 W
/cm 2 以上の基板バイアスと同等の効果を持たせるこ
とができ、膜の結晶化を完全に防止できた。また最上層
の絶縁層23cの厚さt3については、0.05μm以上で
効果が認められた。
【0109】ここで、このような3段テーパートレンチ
は、トレンチエッチング初期にCDE(ケミカルドライ
エッチング)を行い、その後前述の方法と同様にRIE
を行うことにより容易に形成できる。また3段目のテー
パー角ψを付与する最上層の絶縁層23cにSi3 N 4
を用いることにより、より容易にテーパーを付与するこ
とが出来る。
【0110】実施例7 本実施例は、上側磁気コアの磁極先端部半体を SiO2
のトレンチ内に磁性体をコリメーションスパッタ等によ
り埋め込み、その後ポリシング或はエッチングバックす
る工程により作成する薄膜磁気ヘッドにおいて、前記ト
レンチの側壁上端部近傍テーパー角を側壁上端部近傍以
外の側壁テーパー角より小さく設定した例である。
【0111】すなわち、この例では上側磁気コアおよび
下側磁気コアの磁極先端部がともに実質的に2段テーパ
ーの側壁を有するトレンチ内に埋め込み形成され、かつ
下側磁気コアについては、トレンチの側壁底部近傍のテ
ーパー角がトレンチ側壁底部近傍以外の側壁テーパー角
より小さく、上側磁気コアについては、トレンチの側壁
上端部近傍のテーパー角が側壁上端部近傍以外の側壁テ
ーパー角より小さく設定されているものである。
【0112】図31A、B、C、D、Eに基づいて、本
実施例の薄膜磁気ヘッドの製法を説明する。
【0113】まず、基板11上に Al 2 O 3 等の絶縁層
12、 SiO2 スパッタ膜等の絶縁層23を形成する。続
いてレジストマスク(図示せず)を形成後、CF4 等のガ
スにより、前記絶縁層23をエッチングし、さらに基板
温度を 273K 程度の低温にして前記トレンチの側壁底部
近傍のテーパー角を底部近傍以外の側壁テーパー角より
も小さくする。
【0114】次に、磁性体材料をコリメーションスパッ
タによりトレンチ内にデポジット後、ポリシングにより
不要部を取り除き、図31Aに示されるように下側磁気
コア14の磁極本体14aを埋め込み形成する。このと
き実施例6と同様にコリメーションスパッタ時に巣等発
生することなく、図29に示したように2段テーパーの
側壁を有するトレンチ内での磁性体の埋め込みは良好で
あった。
【0115】次いで、図31Bに示すように、磁気ギャ
ップ15、および絶縁層17を形成し、レジストマスク
(図示せず)を形成後、前記絶縁層17をエッチングし
てトレンチを形成する。この場合、エッチングの最初は
CF4 等のガスを用い等方エッチングし、その後RIEに
より垂直エッチングする。さらに磁性体材料をコリメー
ションスパッタによりトレンチ内にデポジット後、ポリ
シングにより不要部を取り除き、上側磁気コア16の磁
極先端部半体16aと下側磁気コア14の後部補助半体
14bが埋め込み形成される。
【0116】さらに図31C、D、Eに示されるよう
に、コイル19が埋め込まれた絶縁層18、上側磁気コ
アの磁極後部半体16b、保護層20が形成されて、本
発明の薄膜磁気ヘッドの電磁変換部が完成する。
【0117】ここで、2段テーパーの寸法は図32Aに
示すように、トレンチ幅をA、深さをBとし、下層の絶
縁層23aの厚さをt1、上層の絶縁層23bの厚さを
t2、上段のテーパー角をφとすると、他の寸法によら
ず、t1/Aが2未満のときに、巣をなくす効果が大き
かった。また 0°<φ<45°でも効果があった。
【0118】また図32Bは、本発明の他の応用例を示
す2段テーパートレンチを示す。図中C部からのオーバ
ーハングが押さえられて、さらに埋め込み具合は良くな
る。図33には、図32Aに示す2段テーパートレンチ
内に埋め込まれた厚さB=2μm、長さ8.5 mmのストラ
イプ状の磁性膜について比透磁率のトレンチ幅依存性を
示す。図示されるように、φが小さくなるにしたがって
比透磁率が大きく、しかもφが大きいほど幅Aを小さく
狭トラック化した場合の比透磁率低下が顕著であった。
【0119】さらに、このような薄膜磁気ヘッドにおい
て、φを変えたときの書き込み効率を図34に示す。図
示されるように、φが小さくなるに従って書き込み効率
が上昇した。なお、この時、上側磁気コアの磁極先端部
半体のデプスは 3μm、トラック幅は 2μmであった。
【0120】なお、上記実施例では、本発明の薄膜磁気
ヘッドを単独で用いる例について説明したが、例えば本
発明の薄膜磁気ヘッドを記録専用ヘッドとして用い、別
途MR素子等の再生ヘッドを形成(例えば積層形成)し
た構成とすることもできる。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁極先端部の磁化容易軸を安定してトラック幅方向に向
けることができ、かつ寸法公差と量産性を共に満足させ
た狭トラック加工が可能な薄膜磁気ヘッドを得ることが
できる。よって例えば10 Gb/inch2 まで対応可能な高性
能の狭トラックの薄膜磁気ヘッドを、再現性良く且つ効
率よく提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による薄膜磁気ヘッドの概
略構成を示す一部断面斜視図である。
【図2】 図1に示す本発明の実施例1の薄膜磁気ヘッ
ドの縦断面図である。
【図3】 A、B、Cは、本発明の実施例1による薄膜
磁気ヘッドの製造工程の一部を示す縦断面図である。
【図4】 A、B、C、Dは、図3に示した薄膜磁気ヘ
ッドの製造工程の以降の工程を示す縦断面図である。
【図5】 図2に示す実施例1の薄膜磁気ヘッドと対比
して説明される他の薄膜磁気ヘッドの縦断面図である。
【図6】Aは、図2に示す実施例1の薄膜磁気ヘッドと
対比して説明される他の薄膜磁気ヘッドの縦断面図であ
る。Bは、磁束の流れを説明する図である。
【図7】 本発明の実施例2による薄膜磁気ヘッドの構
成を示す縦断面図である。
【図8】 本発明の実施例3による薄膜磁気ヘッドの構
成を示す縦断面図である。
【図9】A、B、Cは、本発明の実施例3による薄膜磁
気ヘッドの要部製造工程を説明する縦断面図である。
【図10】 本発明の実施例4による薄膜磁気ヘッドの
構成を示す縦断面図である。
【図11】 従来の薄膜磁気ヘッドの構成を示す一部断
面斜視図である。
【図12】 図11に示す従来の薄膜磁気ヘッドの縦断
面図である。
【図13】 従来の薄膜磁気ヘッドの他の構成を示す縦
断面図である。
【図14】 本発明の実施例5による薄膜磁気ヘッドの
概略構成を示す一部断面斜視図である。
【図15】 図14に示す本発明の実施例5の薄膜磁気
ヘッドにおける磁極先端部半体の磁化容易軸を説明する
ための図である。
【図16】 従来の薄膜磁気ヘッドにおける磁極先端部
の磁化容易軸を説明するための図である。
【図17】 磁極後部半体の磁化の方向を説明するため
の図である。
【図18】 磁極先端部半体の磁化の方向を説明するた
めの図である。
【図19】 本発明の薄膜磁気ヘッドにおける磁気コア
の磁極先端部の磁化容易軸を説明するための図である。
【図20】 図14に示す本発明の実施例5の薄膜磁気
ヘッドにおける磁気コア形状の他の例を示す図。
【図21】A、B、Cは、本発明の実施例5による薄膜
磁気ヘッドの要部製造工程を説明する断面図である。
【図22】A、B、C、Dは、本発明の実施例5による
薄膜磁気ヘッドの図21以降の要部製造工程を説明する
断面図である。
【図23】 本発明の薄膜磁気ヘッド製造工程に用いる
コリメーションスパッタを説明する図である。
【図24】 一般的なコリメーションスパッタを説明す
る図である。
【図25】A、B、Cは、本発明の実施例5による薄膜
磁気ヘッドにおける下側磁気コアの磁極先端部のMHル
ープの測定結果を示す特性図である。
【図26】 本発明の実施例5による薄膜磁気ヘッドに
おける上側磁気コアの磁極先端部のMHループの測定結
果を示す特性図である。
【図27】A、B、Cは、本発明の実施例6による薄膜
磁気ヘッドの要部製造工程を説明する縦断面図である。
【図28】 通常の1段テーパーの側壁を有するトレン
チ内への磁性体の埋まり具合を模式的に示す説明図であ
る。
【図29】 本発明の実施例6による2段テーパーの側
壁を有するトレンチ内への磁性体の埋まり具合を模式的
に示す説明図である。
【図30】 本発明の実施例6による3段テーパーの側
壁を有するトレンチ内への磁性体の埋まり具合を模式的
に示す説明図である。
【図31】 A、B、C、D、Eは、本発明の実施例7
による薄膜磁気ヘッドの要部製造工程を説明する縦断面
図である。
【図32】A、Bは、本発明の実施例7による2段テー
パーの側壁を有するトレンチ内への磁性体の埋まり具合
を模式的に示す説明図である。
【図33】 本発明の実施例7によるストライプ状の磁
性膜における比透磁率のテーパー角依存性を示すグラフ
である。
【図34】 本発明の実施例7によるヘッド効率のテー
パー角依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
11…基板 12、17、18、23…絶縁層 14…下側磁気コア 15…磁気ギャップ 16…上側磁気コア 19…コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤邊 厚仁 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平3−100910(JP,A) 特開 昭63−34711(JP,A) 特開 平1−184611(JP,A) 特開 平4−195809(JP,A) 特開 平4−163708(JP,A) 特開 昭64−42011(JP,A) 特開 平3−49008(JP,A) 特開 平7−65320(JP,A) 特開 平7−225917(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気ギャップを介して形成された一対の
    磁気コアと、前記一対の磁気コア間に設けられ、前記
    対の磁気コアとは絶縁されたコイルとを具備する薄膜磁
    気ヘッドにおいて、一方の記磁気コア上に絶縁層が設けられ、この絶縁層
    内に埋め込まれた磁性体からなると共に、前記絶縁層の
    表面と連続して平面を形成する表面及びこの表面と交わ
    る媒体対向面を有する磁極先端部半体と、前記磁極先端
    部半体の表面及び前記絶縁層の表面上において前記磁極
    先端部半体及び絶縁層に積層形成される磁極後部半体と
    を他方の前記磁気コアは具備し、 前記磁極後部半体の 前記磁極先端部半体との積層面のト
    ラック幅方向の幅前記磁極先端部半体のトラック幅方
    向の幅より広く、前記磁極後部半体は前記磁極先端部半
    体の前記媒体対向面とは反対側の後方端部より前記媒体
    対向面から遠い側で前記磁気ギャップと離れる方向に
    曲または屈曲した形状を有することを特徴とする薄膜磁
    気ヘッド。
  2. 【請求項2】 記磁極後部半体の媒体対向面側端部
    前記磁極先端部半体の媒体対向面側端部より前記媒
    体対向面から遠い側に位置することを特徴とする請求項
    1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁極後部半体は基板への投影像が前
    記磁極先端部半体に対して90〜120度の範囲内の接続角
    をもって接続されており、前記磁極後部半体と前記磁極
    先端部半体は前記基板への投影像が凸形状を成している
    ことを特徴とする請求項2記載薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記磁極先端部半体は、直方体形状を成
    していることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記磁極先端部半体は、前記絶縁層のト
    レンチ内に埋め込まれた磁性体からなることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記トレンチ内に埋め込まれた磁性体の
    底面外周部または前記トレンチの側壁上端外周部に、面
    取りが付与されていることを特徴とする請求項5記載の
    薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記磁極先端部半体は、複数の磁性層間
    に非磁性層を介在させた積層構造からなることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁極先端部半体は、磁極本体と磁極
    後部補助半体とを有する他方の磁気コアにおける前記磁
    極後部補助半体と同一平面上に形成されていることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 前記トレンチは、側壁底部のテーパー角
    が側壁上端部の側壁テーパー角より大きい形状を有する
    ことを特徴とする請求項5記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記絶縁層は、前記磁極先端部半体と
    接する側壁部テーパー角が前記側壁上端部テーパ
    ー角より大きい形状を有することを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記磁極先端部半体は、前記磁気ギャ
    ップと対向する面より前記磁極後部半体との積層面の面
    積が大きいことを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 磁気記録媒体と、 前記磁気記録媒体に磁気情報を記録する、請求項1ない
    し請求項11のいずれか1項記載の薄膜磁気ヘッドとを
    具備することを特徴とする磁気記録システム。
  13. 【請求項13】 磁気記録媒体と、 前記磁気記録媒体に磁気情報を記録する、請求項1ない
    し請求項11のいずれか1項記載の薄膜磁気ヘッドとを
    具備することを特徴とするハードディスクドライブ。
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