JP3576324B2 - 磁気ヘッドおよびそれを用いた録再一体型磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッドおよびそれを用いた録再一体型磁気ヘッド Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ヘッドおよびそれを用いた記録・再生一体型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録の高密度化が進み、VTRでは500Mb/inch、HDDでは 200 Mb/inchという高記録密度のシステムが実用化されており、またさらなる高密度化が要求されている。このような高記録密度化に伴って、狭トラック化は必須の課題である。例えば、200Mb/inchのHDDの場合、トラック幅は 7μm 、トラック間距離は 2μm 程度であり、トラック幅公差はトラック間距離(2μm)程度とすれば要求に応えることができた。しかし、さらなる高記録密度化に対応するためには、トラック幅は 5〜 6μm 以下にする必要があり、公差も 0.5μm 以下が要求される。さらに、 10Gb/inch程度の高記録密度化に向けては、トラック幅 1μm 以下、公差 0.1μm 程度が要求されることが予測される。これらに応えるためには、磁気ヘッドの大幅な改善が必要となる。
【0003】
ところで、従来の薄膜磁気ヘッドにおいては、トラック幅加工はパーマロイ等の選択メッキにより行っており、トラック幅精度は選択メッキ前のPEP工程(フォト・エングレイブメント・プロセス)におけるレジストのパターニング精度で決定される。この場合、上部磁極の形成前の下地段差は10μm 程度あり、この段差を十分被覆するためには下地段差と同程度のレジスト厚さが必要で、塗布方法を工夫しても 5μm 程度のレジスト厚が最低必要となる。このため、コンタクト露光でのフレネル回折に基くボケの大きさが 3.5μm 程度となり、遠い将来のトラック幅精度はもとより、200Mb/inch(トラック間距離(ガードバンド)〜 2μm 程度)にも対応できない。
【0004】
そこで、上部磁極を略扇形状をなす先端部半体と、後部ギャップ部まで延在する後部半体とで構成し、先端部半体を下地段差が比較的小さい製造初期の段階でイオンビームミリング法で形成して、加工公差を小さくしようとする方法が提案されている。しかし、上部磁極の先端部半体をイオンビームミリング法で作製する限り、レジストマスク寸法と最終の磁極の寸法の差が大きくなり、 10Gb/inchまでは到底対応することができない。また、イオンビームミリング法で作製する限り、そのレ−トが数10nm/minと遅く、生産性の向上を図ることができない。また、略扇形状をなす先端部半体を、選択メッキプロセスで形成する方法もあるが、選択メッキを用いる限りレジストマスク寸法と段差を無視することはできず、少なくとも下部磁極と上部磁極との合計厚さ(約 6μm )程度の厚膜レジストをパターニングする必要があるため、厚膜レジスト自体のパターニング公差が大きくなってしまう。またさらに、微細部への選択メッキは極度に困難である。一方、このような課題に対して、例えば 10Gb/inchまで対応可能な狭トラックの寸法交差と量産性を共に満足させるために、例えば図8に示すように、上部磁極1の先端部半体1aを、予め絶縁層2で形成したトレンチ3内に磁性体をコリメーションスパッタ等で埋め込んで形成した薄膜磁気ヘッドが提案されている(特開平7−141621号公報参照)。なお、図8において、1bは上部磁極1の先端部半体1aに一部積層された後部半体、4は磁気ギャップ、5は下部磁極、6は図示を省略したコイルが埋め込まれたコイル絶縁層である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した上部磁極1の先端部半体1aをトレンチ3内に埋め込み形成する薄膜磁気ヘッドにおいては、トレンチ3の形状に由来して磁極先端部半体1aの形状精度を確保することが難しいという問題が生じる。
【0006】
すなわち、トラック幅を規定するトレンチ3は、例えばSiO等からなる絶縁層2上にレジストマスクを形成した後、RIE(リアクティブイオンエッチング)等のエッチングを施して作製するため、例えば図9の平面図に示すように、レジストマスクの形状を反映して、トレンチ3の端部がR形状となってしまう。これは、レジストは矩形パターンで露光現像しても、ポストベーク後に最小表面積を保って安定になろうとするため、レジストマスクを用いる限り、端部のR形状は回避することができないためである。
【0007】
例えば、 10Gb/inchまで対応可能な狭トラックの薄膜磁気ヘッドを作製する場合、上述したような端部にR形状を有するトレンチ3では、記録磁界を規定する記録ヘッドのスロートハイトhを正確に制御することは困難であり、また磁極先端部半体1aと磁極後部半体1bとの接合面積を一定に保つことが難しい。これらはいずれも発生磁界の強度等に影響を及ぼすことから、薄膜磁気ヘッドの歩留りや信頼性を低下させることになる。なお、スロートハイトhは、下部磁極5と最短距離で対向する上部磁極1の部分領域について、媒体対向面から奥への距離とするものである。
【0008】
さらに、図9に示したように、トレンチ3の端部でスロートハイトhを規定する構造では、スロートハイトhを短くするためにはトレンチ3の端部を媒体対向面Sに近付けるしかない。この構造では、スロートハイトhがトレンチ3端部のR形状におけるdより短くなると、媒体対向面Sでのトレンチ3の幅が仕様値(2d)より小さくなり、トラック幅の制御が困難になるという問題が生じる。本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、例えば 10Gb/ inch程度まで対応可能な狭トラックを実現する上で、磁極先端部によるスロートハイト、トラック幅、さらには磁極後部との接合面積等を容易に制御することを可能にした磁気ヘッドを提供することを目的としており、さらにそのような磁気ヘッドを用いた録再一体型磁気ヘッドを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の磁気ヘッドは、下部磁極と、前記下部磁極上に形成された磁気ギャップ層と、媒体対向面側に溝が備えられ、前記磁気ギャップ層上に形成された第1の絶縁層と、前記溝内部の前記媒体対向面より奥の部分領域に形成された第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に形成されたコイルと、前記コイルを覆うコイル絶縁層と、前記溝内部の他の部分領域、前記第2の絶縁層上および前記コイル絶縁層上に形成された上部磁極とを具備することを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の磁気ヘッドは、上記した請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、第2の絶縁層と前記コイル絶縁層とは同一層であることを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の磁気ヘッドは、上記した請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、前記上部磁極は、前記溝内部の部分領域に形成された磁極先端部半体と、この磁極先端部半体上、前記第2の絶縁層上および前記コイル絶縁層上に形成された磁極後部半体とからなることを特徴としている。
【0012】
請求項4記載の録再一体型磁気ヘッドは、磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜の下側に形成された下側磁気シールド層と、前記下側磁気シールド層と共に再生用磁気ギャップ層を介して前記磁気抵抗効果膜を挟持しかつ下部磁極を構成する上側磁気シールド層と、前記上側磁気シールド層上に形成された記録用磁気ギャップ層と、媒体対向面側に溝が備えられ、前記記録用磁気ギャップ層上に形成された第1の絶縁層と、前記溝内部の前記媒体対向面より奥の部分領域に形成された第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に形成されたコイルと、前記コイルを覆うコイル絶縁層と、前記溝内部の他の部分領域、前記第2の絶縁層上および前記コイル絶縁層上に形成された上部磁極とを具備することを特徴としている。請求項1記載の磁気ヘッドにおいては、上部磁極の先端部の形成部位となる第1の絶縁層に設けた溝の媒体対向面より奥の部分領域に、第2の絶縁層例えば請求項2記載の磁気ヘッドのようにコイル絶縁層の端部を存在させているため、上部磁極の先端部がレジストに起因するR形状となることを防止することができる。そして、第2の絶縁層の端部で媒体対向面からの長さを規定しているため、上部磁極のスローハイトを正確に制御することが可能となる。さらに、スローハイトを例えば溝の幅より短く設定する場合においても、媒体対向面から溝端部を十分に離し、かつ第2の絶縁層の端部を媒体対向面に近付けることによって、溝端部のR形状を媒体対向面に露出させない構造とすることができる。よって、トラック幅を精度よく制御することができる。
【0013】
また、請求項3記載の磁気ヘッドにおいては、上部磁極を磁極先端部半体と磁極後部半体に分割して作製しており、この場合磁極先端部半体と磁極後部半体との接合面積を一定に保ちやすくなり、プロセス再現性がさらに向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明の磁気ヘッドを録再一体型磁気ヘッドに適用した一実施形態を説明するための図面であり、図1は録再一体型磁気ヘッドの断面図、図2は要部を一部断面で示す斜視図である。
【0016】
これらの図において、11はAl付きAl・TiC等からなる基板であり、この基板11上にはアモルファスCoZrNb合金等のアモルファス軟磁性体やNiFe合金、FeSiAl合金等の結晶質軟磁性体からなる下側磁気シールド層12が形成されている。下側磁気シールド層12上には、Al等の非磁性絶縁膜からなる下側再生磁気ギャップ層13を介して、磁気抵抗効果膜(MR膜)14が形成されている。
【0017】
上記MR膜14としては、例えば電流の方向と磁性層の磁化モーメントの成す角度に依存して電気抵抗が変化するNi80Fe20等からなる異方性磁気抵抗効果膜や、強磁性膜と非磁性膜との積層膜構造を有し、各強磁性層の磁化の成す角度に依存して電気抵抗が変化する、いわゆるスピンバルブ効果を示すCo90Fe10/Cu/Co90Fe10積層膜等からなるスピンバルブ膜、あるいは巨大磁気抵抗効果を示す人工格子膜が例示される。また、MR膜14の両端には、Cu等からなる一対のリード15(図1はその一方を示す)が電気的に接続されており、これらMR膜14およびリード15によりMR素子16が構成されている。
【0018】
MR素子16上には、Al等の非磁性絶縁膜からなる上側再生磁気ギャップ層17が形成されており、さらにその上には下側磁気シールド層12と同様な軟磁性材料からなる上側磁気シールド層18が形成されている。これらによって、再生ヘッド(再生部)として機能するシールド型MRヘッド19が構成されている。
【0019】
上述したシールド型MRヘッド19からなる再生ヘッド上には、誘導型の薄膜磁気ヘッド20からなる記録ヘッド(記録部)が形成されている。シールド型MRヘッド19の上側磁気シールド層18は、誘導型薄膜磁気ヘッド20の下側磁極を兼ねるものであり、この上側磁気シールド層を兼ねる下側磁極18上には、Al等の非磁性絶縁材料からなる記録磁気ギャップ層21が形成されている。
【0020】
記録磁気ギャップ層21上には、第1の絶縁層としてSiO等からなるトレンチ形成用絶縁層22が設けられており、このトレンチ形成用絶縁層22に上部磁極23の磁極先端部半体23aの形成位置となるトレンチ(溝)24が設けられている。このトレンチ24の形状については後に詳述する。トレンチ形成用絶縁層22上には、Cu等からなるコイル25が形成されており、このコイル25はレジスト等のコイル絶縁層26で覆われている。
【0021】
トレンチ24の媒体対向面Sとは反対側の端部内には、コイル25を絶縁するコイル絶縁層26の端部が存在しており、このコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離を規定している。すなわち、トレンチ24内部の媒体対向面Sより奥の部分領域に形成される第2の絶縁層は、コイル絶縁層26と同一層とされている。
【0022】
このコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離が規定されたトレンチ24内、すなわちトレンチ24内部の他の部分領域には、アモルファスCoZrNb合金等のアモルファス軟磁性体やNiFe合金、FeSiAl合金等の結晶質軟磁性体が埋め込まれており、この軟磁性体が磁極先端部半体23aを構成している。磁極先端部半体23aの後方には、上部磁極23の磁極後部半体23bが、磁極先端部半体23aと一部積層するように形成されている。すなわち、磁極後部半体23bは、磁極先端部半体23a上、第2の絶縁層を兼ねるコイル絶縁層26上に形成されている。この磁極後部半体23bの先端は、媒体対向面Sから後退した位置に存在している。
【0023】
磁極先端部半体23aと磁極後部半体23b上には、Al等からなる保護層27が形成されて、誘導型薄膜磁気ヘッド20の電磁変換部の主要部が構成されている。そして、前述したシールド型MRヘッド19からなる再生ヘッド(再生部)と、この誘導型薄膜磁気ヘッド20からなる記録ヘッド(記録部)とによって、記録・再生一体型磁気ヘッド28が構成されている。
【0024】
次に、上記実施形態の録再一体型磁気ヘッド28の製造工程について述べる。まず、基板11上に下側磁気シールド層12、下側再生磁気ギャップ層13を順に形成し、この下側再生磁気ギャップ層13上にMR膜14を形成する。このMR膜14を所定形状にパターニングした後、MR膜14の両端に一対のリード15を形成してMR素子16とする。このMR素子16上に上側再生磁気ギャップ層17、上側磁気シールド層18を順に形成して、シールド型MRヘッド19を作製する。
【0025】
次に、上記したシールド型MRヘッド19の上側磁気シールド層を兼ねる下側磁極18上に、記録磁気ギャップ層21を形成し、その上にSiO等からなるトレンチ形成用絶縁層22を形成する。そして、このトレンチ形成用絶縁層22上にレジストマスクを形成した後、CF等のガスによりトレンチ形成用絶縁層22をRIE等の手段によりエッチングして、図3に示すように、トレンチ形成用絶縁層22にトレンチ24を形成する。
【0026】
このトレンチ24の媒体対向面Sとは反対側の端部24aは、レジストマスクの形状を反映してR形状となるが、このR形状の端部24aがスローハイトや記録トラック幅等に影響を及ぼさないように、媒体対向面Sから十分に離れた位置となるようトレンチ24の長さを設定する。
【0027】
次いで、トレンチ形成用絶縁層22の後方上にコイル25を形成した後、このコイル25をレジスト等からなるコイル絶縁層26で覆う。この際、その端部がトレンチ24内に入るようにコイル絶縁層26を形成し、このレジスト等からなるコイル絶縁層26を所定の形状に現像、露光する際、図4に示すように、コイル絶縁層26の端部が媒体対向面Sから所定の距離hとなるようにパターニングする。
【0028】
すなわち、このコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離hを規定している。ここで、コイル絶縁層26の端部位置は、コイル絶縁層26としてレジストを用いる場合、レジストの種類やそのベーク温度等を制御することにより正確に規定することができる。
【0029】
そして、このコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離hを規定したトレンチ24内に、前述したような軟磁性体を例えばコリメーションスパッタで埋め込み、その後ポリッシングやエッチバック等で不要部分を取り除くことによって、図5に示すようにトレンチ24内に磁極先端部半体23aを形成する。この後、図2に示したように、トレンチ24内の磁極先端部半体23aと一部が積層するように、磁極後部半体23bを形成する。
【0030】
このように、トレンチ24の媒体対向面Sとは反対側の端部24aを媒体対向面Sから十分に離れた位置とし、この端部24a側にコイル絶縁層26の一部を存在させることによって、レジストマスクの形状を反映したトレンチ端部24aのR形状をコイル絶縁層26で埋めることができる。よって、このトレンチ24内に埋め込み形成した磁極先端部半体23aは、その媒体対向面Sとは反対側の端部がR形状となることはない。
【0031】
また、図6に示すように、トレンチ24はコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離hが規定されているため、磁極先端部半体23aの媒体対向面Sからの距離、すなわちスローハイトを正確に制御することができる。さらに、磁極先端部半体23aと磁極後部半体23bとの接合面積を一定に保つことができる。加えて、トレンチ端部24aにトレンチ幅が狭くなるR形状が存在していないため、軟磁性体のコリメーションスパッタ等による埋め込み形成を均一に実施することができる。すなわち、磁極先端部半体23aとなる軟磁性体が均一に成長しやすくなり、磁極先端部半体23aの磁気特性の向上を図ることができる。さらに、媒体対向面Sからの距離hをコイル絶縁層26の端部で規定したトレンチ24内に磁極先端部半体23aを形成しているため、スローハイトをトラック幅より短く設定する場合においても、図6に示すようにトレンチ端部24aのR形状を媒体対向面Sに露出させない構造とすることができる。従って、磁極先端部半体23aによりトラック幅を正確に規定することが可能となる。
【0032】
言い換えると、コイル絶縁層26の端部をトレンチ24内に存在させ、かつこのコイル絶縁層26の端部でスロートハイトhを規定しているため、トレンチ形成用絶縁層22に形成する当初のトレンチ24は、その端部24aが媒体対向面Sから十分に離れた位置とすることができる。従って、トレンチ24をトレンチ形成用絶縁層22にRIE等で作製する際に、レジストマスクの形状を反映してトレンチ端部24aがR形状となっても、このトレンチ端部24aのR形状がスロートハイト、トラック幅、磁極後部半体との接合面積等に影響を及ぼすことはない。
【0033】
これらによって、幅 1μm 以下というような狭トラックを実現する場合においても、上部磁極23の形状精度を再現性よく確保することができる。すなわち、 10Gb/inch程度まで対応可能な狭トラックの薄膜磁気ヘッド20を再現性よく作製することが可能となる。また、このような誘導型の薄膜磁気ヘッド20とシールド型MRヘッド19とを組合せて録再一体型磁気ヘッド28を構成することによって、高記録密度化への対応を図った記録再生特性に優れた磁気ヘッドを提供することができる。
【0034】
次に、本発明の他の実施形態について、図7を参照して説明する。
図7に示す録再一体型磁気ヘッド29は、前述した実施形態と同一構成のシールド型MR19を有している。このシールド型MRヘッド19からなる再生ヘッド(再生部)上には、誘導型の薄膜磁気ヘッド30からなる記録ヘッド(記録部)が形成されている。シールド型MRヘッド19の上側磁気シールド層18は、誘導型薄膜磁気ヘッド30の下側磁極を兼ねるものであり、この上側磁気シールド層を兼ねる下側磁極18上には、Al等の非磁性絶縁材料からなる記録磁気ギャップ層21が形成されている。
【0035】
記録磁気ギャップ層21上には、第1の絶縁層としてSiO等からなるトレンチ形成用絶縁層22が設けられており、このトレンチ形成用絶縁層22に上部磁極30の先端部30aの形成位置となるトレンチ(溝)24が設けられている。トレンチ形成用絶縁層22上には、Cu等からなるコイル25が形成されており、このコイル25はレジスト等のコイル絶縁層26で覆われている。
【0036】
トレンチ24の媒体対向面Sとは反対側の端部内には、コイル絶縁層26の端部が存在しており、このコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離hを規定している。すなわち、コイル絶縁層26はトレンチ24内部の媒体対向面Sより奥の部分領域に形成される第2の絶縁層を兼ねている。
【0037】
上部磁極31を構成するアモルファスCoZrNb合金等のアモルファス軟磁性体やNiFe合金、FeSiAl合金等の結晶質軟磁性体は、その一部がコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離が規定されたトレンチ24内、すなわちトレンチ24内部の他の部分領域に埋め込まれ、かつこの埋め込み部から後方に連続するように形成されている。すなわち、上部磁極31はトレンチ24内に埋め込まれた先端部31aと、この先端部31aから連続して後方に向けて、第2の絶縁層を兼ねるコイル絶縁層26上に成膜された後方部31bとにより構成されている。
【0038】
上述した上部磁極31上には、Al等からなる保護層27が形成されており、これらによって誘導型薄膜磁気ヘッド30の電磁変換部の主要部が構成されている。そして、前述したシールド型MRヘッド19からなる再生ヘッド(再生部)と、この誘導型薄膜磁気ヘッド30からなる記録ヘッド(記録部)とによって、録再一体型磁気ヘッド29が構成されている。
【0039】
この実施形態の録再一体型磁気ヘッド29においても、トレンチ24の媒体対向面Sとは反対側の端部を媒体対向面Sから十分に離れた位置とし、この端部側にコイル絶縁層26の一部を存在させているため、レジストマスクの形状を反映したトレンチ端部のR形状をコイル絶縁層26で埋めることができ、よって上部磁極31の先端部31aの媒体対向面Sとは反対側の端部がR形状となることはない。
【0040】
また、トレンチ24はコイル絶縁層26の端部で媒体対向面Sからの距離が規定されているため、上部磁極31の先端部31aの媒体対向面Sからの距離、すなわちスローハイトを正確に制御することができる。さらに、トレンチ端部にトレンチ幅が狭くなるR形状が存在していないため、軟磁性体のコリメーションスパッタ等による埋め込み形成を均一に実施することができる。すなわち、上部磁極31を構成する軟磁性体が均一に成長しやすくなり、上部磁極31の磁気特性の向上を図ることができる。
【0041】
さらに、媒体対向面Sからの距離をコイル絶縁層26の端部で規定したトレンチ24内に上部磁極31の先端部31aを埋め込み形成しているため、スローハイトをトラック幅より短く設定する場合においても、トレンチ端部のR形状を媒体対向面Sに露出させない構造とすることができる。従って、上部磁極31の先端部31aによりトラック幅を正確に規定することが可能となる。
【0042】
このように、レジストマスクの形状を反映してトレンチ端部がR形状となっても、このトレンチ端部のR形状がスロートハイト、トラック幅等に影響を及ぼすことはないため、幅 1μm 以下というような狭トラックを実現する場合においても、上部磁極31の形状精度を再現性よく確保することができる。すなわち、 10Gb/inch程度まで対応可能な狭トラックの薄膜磁気ヘッド30を再現性よく作製することが可能となる。また、この実施形態における薄膜磁気ヘッド30では、上部磁極31を先端部31aから後方部31bまで連続して形成しているため、製造工数の削減等を図ることができる。
【0043】
ただし、上部磁極先端部の媒体対向面Sに露出する形状の制御性については、上部磁極の後方部すなわち磁極後部半体23bの位置を正確に制御できることから、前述した第1の実施形態の方が有利である。
【0044】
そして、上述したような誘導型薄膜磁気ヘッド30とシールド型MRヘッド19とを組合せて録再一体型磁気ヘッド29を構成することによって、高記録密度化への対応を図った記録再生特性に優れた磁気ヘッドを提供することができる。なお、上述した各実施形態では、上部磁極の先端部のみをトレンチ内に埋め込み形成する場合について説明したが、下部磁極についても上側再生磁気ギャップ層17上に、前述したトレンチ形成用絶縁層22と同様な他のトレンチ形成用絶縁層を形成し、この他のトレンチ形成用絶縁層に形成したトレンチ内に一部を埋め込むことによって、上部磁極の先端部の形状制御性を高めることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気ヘッドによれば、磁極先端部によるスロートハイト、トラック幅、さらには磁極後部との接合面積等を容易に制御することができる。従って、例えば 10Gb/inch程度まで対応可能な狭トラックの磁気ヘッドを再現性よく提供することが可能となる。また、本発明の録再一体型磁気ヘッドによれば、高記録密度化への対応を図った上で、優れた記録再生特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドを録再一体型磁気ヘッドに適用した一実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す録再一体型磁気ヘッドの要部を一部断面で示す斜視図である。
【図3】図1に示す録再一体型磁気ヘッドの要部製造工程の一部を示す断面図である。
【図4】図3以降の録再一体型磁気ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】図4以降の録再一体型磁気ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】図1に示す録再一体型磁気ヘッドのトレンチ構造を示す平面図である。
【図7】本発明の磁気ヘッドを録再一体型磁気ヘッドに適用した他の実施形態の概略構成を示す断面図である。
【図8】従来の磁気ヘッドの一構成例を一部断面で示す斜視図である。
【図9】図8に示す磁気ヘッドのトレンチ構造を示す平面図である。
【符号の説明】
12……下側磁気シールド層
14……磁気抵抗効果膜(MR膜)
18……上側磁気シールド層を兼ねる下側磁極
19……シールド型MRヘッド
20……誘導型薄膜磁気ヘッド
21……記録磁気ギャップ層
22……トレンチ形成用絶縁層
23、30……上部磁極
23a……磁極先端部半体
23b……磁極後部半体
24……トレンチ
25……コイル
26……コイル絶縁層
30a……上部磁極の先端部

Claims (4)

  1. 下部磁極と、
    前記下部磁極上に形成された磁気ギャップ層と、
    媒体対向面側に溝が備えられ、前記磁気ギャップ層上に形成された第1の絶縁層と、
    前記溝内部の前記媒体対向面より奥の部分領域に形成された第2の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成されたコイルと、
    前記コイルを覆うコイル絶縁層と、
    前記溝内部の他の部分領域、前記第2の絶縁層上および前記コイル絶縁層上に形成された上部磁極と
    を具備することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、
    前記第2の絶縁層と前記コイル絶縁層とは同一層であることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、
    前記上部磁極は、前記溝内部の部分領域に形成された磁極先端部半体と、この磁極先端部半体上、前記第2の絶縁層上および前記コイル絶縁層上に形成された磁極後部半体とからなることを特徴とする磁気ヘッド。
  4. 磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気抵抗効果膜の下側に形成された下側磁気シールド層と、
    前記下側磁気シールド層と共に再生用磁気ギャップ層を介して前記磁気抵抗効果膜を挟持し、かつ下部磁極を構成する上側磁気シールド層と、
    前記上側磁気シールド層上に形成された記録用磁気ギャップ層と、
    媒体対向面側に溝が備えられ、前記記録用磁気ギャップ層上に形成された第1の絶縁層と、
    前記溝内部の前記媒体対向面より奥の部分領域に形成された第2の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層上に形成されたコイルと、
    前記コイルを覆うコイル絶縁層と、
    前記溝内部の他の部分領域、前記第2の絶縁層上および前記コイル絶縁層上に形成された上部磁極と
    を具備することを特徴とする録再一体型磁気ヘッド。
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