JP3344273B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP3344273B2
JP3344273B2 JP10596397A JP10596397A JP3344273B2 JP 3344273 B2 JP3344273 B2 JP 3344273B2 JP 10596397 A JP10596397 A JP 10596397A JP 10596397 A JP10596397 A JP 10596397A JP 3344273 B2 JP3344273 B2 JP 3344273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転中
に同機関の気筒に設けられた吸気・排気バルブの開閉タ
イミングを可変制御する内燃機関のバルブタイミング制
御装置に係り、詳しくはベーン式のバルブタイミング制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のバルブタイミング制御装
置としては、例えば特開平5−113112号公報に記
載された装置が知られている。そして、この公報記載の
装置も含め、こうしたバルブタイミング制御装置は一般
に、大きくは、クランクシャフトからの動力が伝達され
るギヤと一体に連結されたハウジングと、このハウジン
グ内に同ハウジングと同一回転中心を有して回動自在に
収容され、バルブを開閉駆動するカムの配設されるカム
シャフトの一端に一体に連結されたベーン体とによって
構成されている。上記ハウジングには複数の凹部が形成
されており、これら凹部は相互に同一角度に均等に(す
なわち、ハウジングの回転軸を中心に回転対称に)配設
されている。一方、上記ベーン体には複数のベーンが形
成されており、これらベーンも同様にベーン体(ハウジ
ング)の回転軸を中心に回転対称をなして放射状に配設
されている。そして、前述のベーン体のハウジング内へ
の収容は、これら凹部に同ベーンが収容される態様でな
されており、このように各凹部を同ベーンにて各々区画
することにより各ベーンの両側に油圧室が形成される。
そして、形成された各油圧室に対する油圧制御に基づき
これらハウジングとベーン体との相対回転位相が変更さ
れることによってカムシャフトとギヤとの相対回転位
相、すなわちバルブタイミングが変更される。ここで、
上記各油圧室に対する油圧制御に基づきベーン体がカム
シャフトの回転方向と同方向に回動すると、カムシャフ
トの回転位相がギヤに対して進み、バルブタイミングが
進められ(進角制御)、一方、同様にベーン体がカムシ
ャフトの回転方向と逆方向に回動すると、カムシャフト
の回転位相がギヤに対して遅れ、バルブタイミングが遅
らされる(遅角制御)。
【0003】なお、この装置には上記各油圧室に油を供
給する油圧通路が形成されている。そして、機関の運転
に伴なってオイルポンプが駆動されると、オイルパンに
貯留されている油がオイルストレーナを介してオイルポ
ンプ内に吸引されるとともに、同ポンプにより加圧吐出
された油がオイルコントロールバルブを介して上記各油
圧通路に供給される。このとき、各油圧通路への油の供
給態様は、上記進角側若しくは遅角側への所望の制御方
向に応じてオイルコントロールバルブにより選択的に切
り替えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
各油圧室に対する油圧制御により進角側又は遅角側にバ
ルブタイミングを変更する装置においては、内燃機関の
始動時等、上記各油圧室に供給する油圧が低いとき、ベ
ーンがハウジングの凹部内壁に強く衝突して、大きな打
音(異音)が発生することがある。
【0005】また、機関の運転中、これを搭載する車両
の急旋回・急停止・急発進等によりオイルパン内の油が
偏ってオイルストレーナから吸引される油中に空気が混
入するなど、油圧が急激に変化したときにおいても同様
に、ベーンがハウジングの凹部内壁に強く衝突して、大
きな打音(異音)が発生することがある。
【0006】さらに、ベーンとハウジング凹部内壁との
衝突に伴い、カムシャフトに著しい回転変動が発生する
ことがあるが、同カムシャフトをタイミングベルトによ
って駆動する機関においては、この回転変動によりタイ
ミングベルトに大きな振れが発生し、同ベルトとそのカ
バーとの干渉による異音の発生やタイミングベルト自身
への損傷が生じることもある。この問題を解決するため
に、上記ベルトカバーの外形の拡大又はベルト幅の拡大
等の対策が検討されているが、その場合には機関形状の
大型化という別の問題が新たに生じることとなる。
【0007】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、ベーン体のベーンとハウジング
の凹部との衝突を緩和し、ひいては同衝突に起因する異
音等の発生をも抑制することのできる内燃機関のバルブ
タイミング制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
めに、請求項1記載の発明は、同一の回転軸心を有して
内燃機関の出力軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカ
ムシャフトの一方及び他方に連結された第1及び第2の
回転体を備えるとともに、前記第1の回転体に形成され
た複数の凹部を前記第2の回転体に形成された複数のベ
ーンにて各々区画することにより各ベーンの少なくとも
一側に液室を形成し、該形成した液室に対する液圧制御
に基づき前記第1及び第2の回転体を相対回転させて前
記機関出力軸と前記カムシャフトとの相対回転位相を変
更し、前記バルブの開閉タイミングを可変制御する内燃
機関のバルブタイミング制御装置において、前記第1及
び第2の回転体に形成された凹部及びベーンの対の少な
くとも1つその中立位置からの相対回転許容角度
のうち、他の対における同中立位置からの相対回転許容
角度と同一回転方向に対する相対回転許容角度が、該他
の対における相対回転許容角度よりも小さく設定される
とともに、該相対回転許容角度の小さく設定された凹部
及びベーンの対それら凹部及びベーンの少なくと
も一方が、前記他の対について対応する凹部及びベーン
よりも回転方向に容易に弾性変形し得るように形成され
てなることをその要旨とする。
【0009】同構成によれば、例えば機関始動時等の液
圧が低いとき、あるいは液中に空気が混入するなど、そ
の液圧が急激に変化するとき、上記相対回転許容角度の
小さく設定された凹部及びベーンの対が他の凹部及びベ
ーンの対よりも先にそれら凹部とベーンとが当接される
ようになる。そして、それら当接される凹部及びベーン
の対は、それら凹部及びベーンの少なくとも一方がその
当接により弾性変形することで、同当接の際の衝突エネ
ルギが好適に吸収され、且つ、上記第1及び第2の回転
体間の相対的な角速度も減少する。したがってその後、
上記他の凹部及びベーンの対においてそれら凹部とベー
ンとが当接される場合であれ、同第1及び第2の回転体
間の相対的な角速度は十分に低減されており、それら当
接に起因する異音等の発生も確実に抑制される。
【0010】請求項2記載の発明は、同一の回転軸心を
有して内燃機関の出力軸及び同機関のバルブを開閉駆動
するカムシャフトの一方及び他方に連結された第1及び
第2の回転体を備えるとともに、前記第1の回転体に形
成された複数の凹部を前記第2の回転体に形成された複
数のベーンにて各々区画することにより各ベーンの少な
くとも一側に液室を形成し、該形成した液室に対する液
圧制御に基づき前記第1及び第2の回転体を相対回転さ
せて前記機関出力軸と前記カムシャフトとの相対回転位
相を変更し、前記バルブの開閉タイミングを可変制御す
る内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記
第1及び第2の回転体に形成された凹部及びベーンの対
の少なくとも1つでは、その中立位置からの進角回転方
向への相対回転許容角度が、他の対における同中立位置
からの前記進角回転方向への相対回転許容角度よりも小
さく設定されるとともに、前記相対回転許容角度の小さ
く設定された凹部及びベーンの対では、それら凹部及び
ベーンの少なくとも一方が、前記相対回転に伴う該凹部
及びベーンの当接により、前記他の対について対応する
凹部及びベーンよりも容易に弾性変形し得るように形成
されてなることをその要旨とする。請求項3記載の発明
は、同一の回転軸心を有して内燃機関の出力軸及び同機
関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一方及び他方
に連結された第1及び第2の回転体を備えるとともに、
前記第1の回転体に形成された複数の凹部を前記第2の
回転体に形成された複数のベーンにて各々区画すること
により各ベーンの少なくとも一側に液室を形成し、該形
成した液室に対する液圧制御に基づき前記第1及び第2
の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と前記カムシ
ャフトとの相対回転位相を変更し、前記バルブの開閉タ
イミングを可変制御する内燃機関のバルブタイミング制
御装置において、前記第1及び第2の回転体に形成され
た凹部及びベーンの対の少なくとも1つでは、その中立
位置からの遅角回転方向への相対回転許容角度が、他の
対における同中立位置からの前記遅角回転方向への相対
回転許容角度よりも小さく設定されるとともに、前記相
対回転許容角度の小さく設定された凹部及びベーンの対
では、それら凹部及びベーンの少なくとも一方が、前記
相対回転に伴う該凹部及びベーンの当接により、前記他
の対について対応 する凹部及びベーンよりも容易に弾性
変形し得るように形成されてなることをその要旨とす
る。請求項4記載の発明は、同一の回転軸心を有して内
燃機関の出力軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカム
シャフトの一方及び他方に連結された第1及び第2の回
転体を備えるとともに、前記第1の回転体に形成された
複数の凹部を前記第2の回転体に形成された複数のベー
ンにて各々区画することにより各ベーンの少なくとも一
側に液室を形成し、該形成した液室に対する液圧制御に
基づき前記第1及び第2の回転体を相対回転させて前記
機関出力軸と前記カムシャフトとの相対回転位相を変更
し、前記バルブの開閉タイミングを可変制御する内燃機
関のバルブタイミング制御装置において、前記第1及び
第2の回転体に形成された凹部及びベーンの対の少なく
とも1つでは、その中立位置からの進角回転方向への相
対回転許容角度が、他の対における同中立位置からの進
角回転方向への相対回転許容角度よりも小さく設定され
るとともに、前記中立位置からの遅角回転方向への相対
回転許容角度が、他の対における同中立位置からの遅角
回転方向への相対回転許容角度よりも小さく設定され、
さらに該相対回転許容角度の小さく設定された凹部及び
ベーンの対では、それら凹部及びベーンの少なくとも一
方が弾性変形可能に形成されてなることをその要旨とす
る。請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1
つに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記相対回転許容角度の小さく設定された凹部及び
ベーンの対は、前記他の凹部及びベーンの対においてそ
れら凹部とベーンとが当接されるときの前記第1及び第
2の回転体間の相対的な角速度が通常のバルブタイミン
グ制御における同第1及び第2の回転体間の相対的な角
速度と同等となるよう、それら凹部及びベーンの少なく
とも一方の剛性が決定されることをその要旨とする。
【0011】同構成によれば、上記相対回転許容角度の
小さく設定された凹部及びベーンの対においてそれら凹
部とベーンとが当接された後、上記他の凹部及びベーン
の対においてそれら凹部とベーンとが当接される場合で
あれ、その当接に起因する異音等の発生を実質的に問題
のないレベルまで抑制することができる。
【0012】請求項記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか1つに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装
置において、前記弾性変形可能に形成された凹部を有す
る第1の回転体及び前記弾性変形可能に形成されたベー
ンを有する第2の回転体の少なくとも一方は、当該回転
体の回転バランスの不均衡を是正するバランス是正手段
を更に備えて構成されることをその要旨とする。
【0013】同構成によれば、上記弾性変形可能に形成
された凹部を有する第1の回転体、上記弾性変形可能に
形成されたベーンを有する第2の回転体、あるいは上記
弾性変形可能に形成された凹部及びベーンを有する第1
及び第2の回転体について、それら弾性変形可能に形成
された凹部若しくはベーン形状に起因する回転バランス
の不均衡を是正することができ、いかなる場合も安定し
たバルブタイミング制御が実現される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を参照して、本
発明を内燃機関としてのエンジンに設けられた吸気バル
ブの開閉タイミングを変更制御する装置に具体化した一
実施の形態について説明する。
【0015】はじめに図3を参照して、同実施の形態に
係るエンジンの動弁構造について説明する。同図3に示
すように、この実施の形態の装置は、エンジンの軸受部
17a,17b上部に平行にかつ回転自在に支持された
吸気側カムシャフト12及び排気側カムシャフト23を
有して構成される。そして、吸気側カムシャフト12に
はカム20が、また排気側カムシャフト23にはカム2
5がそれぞれ設けられており、同カムシャフト12,2
3の回転に伴ってそれらカム20,25が回転すること
により、当該エンジンの各気筒に設けられている図示し
ない吸気バルブ及び排気バルブがそれぞれ開閉駆動され
る。
【0016】排気側カムシャフト23の基端側(図3の
右側)には、カムプーリ26が固定されており、同プー
リ26にはタイミングベルト27が掛装されている。タ
イミングベルト27は、エンジン出力軸であるクランク
シャフト(図示しない)に取り付けられたクランクプー
リ(図示しない)に掛装されている。
【0017】また、同排気側カムシャフト23の先端側
(図3の左側)にはドライブギヤ24が固定されてい
る。このドライブギヤ24は、上記吸気側カムシャフト
12の同じく先端側に設けられたドリブンギヤ22に噛
合連結されており、この連結により、ドリブンギヤ22
及びドライブギヤ24が一体回転するようになってい
る。すなわち、エンジンの運転が開始されると、排気側
カムシャフト23には前記カムプーリ26を介してクラ
ンクシャフトの回転駆動力が伝達されるとともに、その
回転駆動力は前記ドライブギヤ24及びドリブンギヤ2
2を介して吸気側カムシャフト12に伝達される。
【0018】そして、吸気側カムシャフト12の更に先
端側(図3の左側)には、上記ドリブンギヤ22及び同
カムシャフト12に対して一体に組み付けられたバルブ
タイミング変更機構(以下、「VVT機構」という)1
1が設けられている。
【0019】以下、図1及び図2を参照して、上記VV
T機構11の構造を説明する。図1は、VVT機構11
及び同VVT機構11が設けられたドリブンギヤ22並
びに吸気側カムシャフト12の断面構造を示す。
【0020】吸気側カムシャフト12は、シリンダヘッ
ド17の上端面及び前記軸受部17aによって回転可能
に支持されている。また、同吸気側カムシャフト12に
おいて、その先端には拡径部21が設けられており、こ
の拡径部21の外周に前記ドリブンギヤ22が被嵌され
ている。
【0021】一方、VVT機構11は、これも基本的に
は、ボルト53によって上記ドリブンギヤ22に一体に
連結されたハウジング28と、このハウジング28内に
回動自在に収容され、ボルト54によって上記吸気側カ
ムシャフト12に一体に連結されたベーン体29とによ
って構成されている。
【0022】ここで、ハウジング28は、そのカバー3
0共々、全体が有底円筒状を呈しており、その底面とな
るカバー30の側面をベーン体29の先端側側面が摺動
するようになっている。そして、このハウジング28と
ドリブンギヤ22とは、上記ボルト53による連結によ
って、吸気側カムシャフト12を回転軸とした一体回転
が可能となっている。
【0023】図2は図1の2−2線に沿った断面図であ
る(なお、図1は図2の1−1線に沿った断面図に相当
する)。次に、この図2を併せ参照して、上記ハウジン
グ28及びベーン体29の構造を更に詳述する。
【0024】図2に示すように、VVT機構11のベー
ン体29は、同ベーン体29の中心に位置した円環状を
なして前記吸気側カムシャフト12に固定される固定部
31と、同固定部31の外周部に形成された3つのベー
ン32a,32b,32cとを備えている。各ベーン3
2a,32b,32cは、吸気側カムシャフト12の径
方向に放射状に延びており全体が略Y字状を呈してい
る。
【0025】一方、ハウジング28の内部には、吸気側
カムシャフト12の周方向に所定間隔を隔てて、同カム
シャフト12の軸心に向けて突出した3つの突状部3
3,33’が形成されている。これら各突状部33,3
3’の内周面は前記固定部31の外周面に摺接されるよ
うになる。各突状部33,33’の間は凹部34,3
4’となっており、前記各ベーン32a,32b,32
cは各凹部34,34’内に配置されており、各ベーン
32a,32b,32cの外周面はハウジング28の内
周面に摺接されるようになる。そして、各ベーン32
a,32b,32cによって凹部34,34’は、更に
2つの圧力室に区画されている。このうち、吸気側カム
シャフト12の回転方向と同方向側に形成された圧力室
は遅角側油圧室14,14’となっており、また、前記
回転方向と逆方向側に形成された圧力室は進角側油圧室
13,13’となっている。
【0026】前記各油圧室13,13’,14,14’
の内部には、後述する各油圧通路P1,P2を通じて油
が供給されるようになっており、ベーン体29は、各油
圧室13,13’,14,14’に供給された油の油圧
の大きさに応じて、吸気側カムシャフト12の軸回りの
双方向に回動可能となっている。
【0027】ここで、ベーン体29が吸気側カムシャフ
ト12の回転方向と同方向(以下、この回転方向を「進
角回転方向」とする)に回動すると、同ベーン体29が
固定された吸気側カムシャフト12の回転位相がドリブ
ンギヤ22に対して進められ、吸気バルブの開閉タイミ
ング(以下、「バルブタイミング」という)が早められ
る。
【0028】これに対して、ベーン体29が吸気側カム
シャフト12の回転方向と逆方向(以下、この回転方向
を「遅角回転方向」とする)に回動すると、吸気側カム
シャフト12の回転位相がドリブンギヤ22に対して遅
れ、バルブタイミングが遅らされることとなる。
【0029】次に、図1及び図2を併せ参照して、前記
進角側油圧室13,13’及び遅角側油圧室14,1
4’に油を供給するための油圧通路を構成する進角側・
遅角側油圧通路P1,P2、並びにこれら油圧通路P
1,P2を通じて油を供給するためのオイルポンプ15
及び前記油圧通路P1,P2の途中に設けられたオイル
コントロールバルブ(以下、「OCV」という)16等
について説明する。
【0030】シリンダヘッド17の内部には図示しない
進角側ヘッド油路及び遅角側ヘッド油路が形成されてお
り、各ヘッド油路はOCV16、オイルポンプ15、及
びオイルストレーナ56を介してオイルパン57に接続
可能となっている。エンジンの運転に伴ってオイルポン
プ15が駆動されると、オイルパン57に貯留されてい
る油はオイルストレーナ56を介してオイルポンプ15
内に吸引されるとともに、同ポンプ15により加圧され
て吐出される。そして、吐出された油はOCV16によ
って上記各ヘッド油路へ選択的に圧送されるようにな
る。
【0031】吸気側カムシャフトジャーナル12aに
は、上記各ヘッド油路の開口位置に対応して同カムシャ
フト12の周方向に延びる油溝58,59がそれぞれ形
成されており、これら各油溝58,59はシリンダヘッ
ド17の上端部及び軸受部17aによって囲まれてい
る。
【0032】吸気側カムシャフト12の内部には、その
軸線方向に延びる遅角側シャフト油路61が形成されて
いる。この遅角側シャフト油路61の先端側はボルト5
4により閉鎖されている。また、前記カムシャフト12
内部には、前記遅角側シャフト油路61からベーン体2
9の遅角側供給油路63に延びる1本の遅角側油路62
が穿設されており、同油路62によって遅角側シャフト
油路61と前記遅角側供給油路63とが連通されてい
る。
【0033】ベーン体29の内部には、前記遅角側供給
油路63が設けられており、基端側は前記遅角側油路6
2に連通されているとともに、先端側は、遅角側環状油
路64に連通し、さらに前記遅角側環状油路64から3
本の遅角側連通油路65を介して前記各遅角側油圧室1
4,14’に連通される。
【0034】ジャーナル12aの内部には吸気側カムシ
ャフト12の径方向に延びる遅角側油孔60が形成され
ている。遅角側シャフト油路61は、この遅角側油孔6
0によって前記一方の油溝59に通じており、同遅角側
シャフト油路61内には、油溝59及び遅角側油孔60
を介して遅角側ヘッド油路の油が供給されるようになっ
ている。したがって、遅角側ヘッド油路から供給される
油は油溝59、遅角側油孔60、遅角側シャフト油路6
1、遅角側油路62、遅角側供給油路63、遅角側環状
油路64、遅角側連通油路65を通じて前記各遅角側油
圧室14,14’に供給可能となる。
【0035】さらに、吸気側カムシャフト12の内部に
は、その軸線方向に対し斜めに延びる進角側シャフト油
路67が形成されている。ベーン体29の内部には、進
角側環状油路68が設けられており、基端側は前記進角
側シャフト油路67に連通されているとともに、先端側
は、前記進角側環状油路68から3本の進角側連通油路
69を介して前記各進角側油圧室13,13’と連通さ
れる。
【0036】ジャーナル12aの内部には吸気側カムシ
ャフト12の径方向に延びる進角側油孔66が形成され
ている。進角側シャフト油路67は、この進角側油孔6
6によって前記他方の油溝58に通じており、同進角側
シャフト油路67内には、油溝58及び進角側油孔66
を介して進角側ヘッド油路の油が供給されるようになっ
ている。したがって、進角側ヘッド油路から供給される
油は油溝58、進角側油孔66、進角側シャフト油路6
7、進角側環状油路68、進角側連通油路69を通じて
前記各進角側油圧室13,13’に供給可能となる。
【0037】同VVT機構11にあってはこのように、
進角側ヘッド油路、油溝58、進角側油孔66、進角側
シャフト油路67、進角側環状油路68及び進角側連通
油路69によって進角側油圧通路P1が構成され、ま
た、遅角側ヘッド油路、油溝59、遅角側油孔60、遅
角側シャフト油路61、遅角側油路62、遅角側供給油
路63、遅角側環状油路64及び遅角側連通油路65に
よって遅角側油圧通路P2が構成されている。そして本
実施形態では、前記OCV16によって前記各油圧通路
P1,P2と、オイルポンプ15及びオイルパン57と
の連通状態を切り換えることによってオイルポンプ15
から前記各油圧室13,13’,14,14’内へ油を
供給し、あるいは同各油圧室13,13’,14,1
4’内から油を排出してオイルパン57に戻すようにし
ている。なお、OCV16は、図示しない電子制御装置
を通じてその開度がデューティ制御されることにより上
記進角側、遅角側の各油圧室13,13’,14,1
4’に供給される油圧を制御する周知の油圧制御弁であ
る。
【0038】また、同図1及び図2に示すように、ベー
ン体29における各ベーン32a,32b,32cの外
周部には、断面矩形状をなす溝35が形成され、この溝
35内には板バネ37によって外周側に向けて付勢され
るシール部材36が配設されている。そして、このシー
ル部材36によってベーン32a,32b,32cの外
周面とハウジング28の内周面との間がシールされ、上
記進角側油圧室13,13’及び遅角側油圧室14,1
4’間での油の移動が規制されるようになっている。
【0039】次に、本実施の形態におけるハウジング2
8及びベーン体29の関係を図2に基づき更に詳述す
る。本実施の形態においては、1つの突状部33’の周
方向の幅W1’をその他の2つの突状部33の同幅W1
よりも小さく形成している。すなわち、突状部33’の
剛性がより小さく、その弾性変形が容易になる構造とし
ている。
【0040】また、前述のようにハウジング28の凹部
34,34’内にベーン体29のベーン32a,32
b,32cが収容されることにより油圧室13,1
3’,14,14’が形成されるが、ベーン32a,3
2b,32cが任意の位置にあるときの油圧室13’,
14’の周方向の幅L1’,L2’はそれぞれ油圧室1
3,14の同幅L1,L2よりも小さくなるように、上
記凹部34,34’及びベーン32a,32b,32c
の寸法を決めている。すなわち、突状部33’に対する
ベーン32bの遅角側への相対回転許容角度は同ベーン
32a,32cの同角度よりも小さく設定されており、
一方、同突状部33’に対するベーン32cの進角側へ
の相対回転許容角度は同ベーン32a,32bの同角度
よりも小さく設定されている。したがって、ベーン体2
9とハウジング28との当接(衝突)は、当初、ベーン
32b,32c側面と突状部33’側面とにおいて生じ
る。
【0041】さらに、突状部33’の上記剛性は、その
後その他の突状部33とこれに対向するベーン32a,
32b,32cとが当接(衝突)するときのベーン体2
9及びハウジング28間の相対的な角速度が、エンジン
の通常運転時のバルブタイミング制御における同角速度
と同等となるように決定されている。
【0042】またさらに、上記のように突状部33’を
突状部33よりも小さく形成したことに伴う回転バラン
スの不均衡を是正するために、突状部33に対するハウ
ジング28の外周面に切り欠き28aを設けている。
【0043】次に、上記のように構成された内燃機関の
バルブタイミング制御装置の作用を説明する。前述のよ
うに、本実施の形態においては、前記ハウジング28の
1つの突状部33’はその周方向の幅が他の突状部33
よりも小さく形成されている。したがって、突状部3
3’はその剛性がより小さく、弾性変形も容易となって
いる。また、突状部33’の両側に形成される油圧室1
3’,14’の周方向の幅L1’,L2’は他の突状部
33の両側に形成される油圧室13,14の同幅L1,
L2よりも短く設定されており、ベーン体29とハウジ
ング28との当接(衝突)は、当初、ベーン32b,3
2c側面と突状部33’側面とにおいて生じる。さら
に、突状部33’の剛性は、その後その他の突状部33
とこれに対向するベーン32a,32b,32cとが当
接(衝突)するときのベーン体29及びハウジング28
間の相対的な角速度が、エンジンの通常運転時のバルブ
タイミング制御における同角速度と同等となるように決
定されている。
【0044】したがって本実施の形態にあっては、エン
ジンの始動時等、遅角側・進角側油圧室13,13’,
14,14’に供給する油圧が低いとき、あるいはエン
ジンを搭載する車両が急旋回・急停止・急発進等を行っ
たとき、ベーン体29のベーン32a,32b,32c
側面と、対向するハウジング28の突状部33,33’
側面との当接(衝突)は、当初、突状部33’側面とに
おいて生ずる。そしてこの衝突により突状部33’に所
要の弾性変形がなされ、その異音等の発生が抑制される
とともに、その後のそれら相対的な角速度は通常のバル
ブタイミング制御に係る同角速度へと減衰されることと
なる。したがって、その後その他の突状部33側面とに
おいて上記当接(衝突)が引き続き起こる場合であって
も、その衝突に伴う異音等の発生も実質的に問題のない
レベルまで抑制されることとなる。
【0045】また、突状部33に対するハウジング28
の外周面には切り欠き28aが設けられている。上記の
ようにハウジング28の1つの突状部33’は全体とし
て突状部33よりも小さく形成されているが、この切り
欠き28aにより、形状の不均一に伴う回転バランスの
不安定さは好適に是正されることとなる。
【0046】以上詳述したように、本実施の形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 ・ベーン32a,32b,32c側面と突状部33,3
3’側面との当接(衝突)に伴う異音等の発生を実質的
に問題のないレベルまで抑制することができる。
【0047】・ハウジング28の形状の不均衡に伴う回
転バランスの不安定さを是正することができる。 ・ベーン32a,32b,32c側面と突状部33,3
3’側面との衝突による吸気側カムシャフト12の回転
変動が緩和されるため、同回転変動に伴うタイミングベ
ルト27と同ベルト27のカバー(図示せず)との干渉
を好適に防止・低減できる。したがって、エンジン外形
をコンパクトに維持したまま、上記干渉に起因する異音
の発生やタイミングベルト27の損傷等を回避すること
ができる。
【0048】なお、本実施の形態は上記に限定されるも
のではなく、次のように変更してもよい。 ・本実施の形態においては、複数設けられた突状部のう
ちの1つに剛性が低く、弾性変形の容易な形状を採用し
たが、1つに限らないより多くの突状部に対して同形状
を採用してもよい。この場合、剛性が低く、弾性変形の
容易な形状に形成されている突状部が複数となるため、
ベーン32a,32b,32cとの衝突がより緻密に緩
和され、衝突に伴う異音等の発生もより有効に抑制され
ることとなる。
【0049】・本実施の形態においては、ハウジング2
8の突状部33’に剛性が低く、弾性変形の容易な形状
を採用した。これに対して、ベーン体29のベーン32
a,32b,32cの1つ又は複数に同じく剛性が低
く、弾性変形の容易な形状を採用してもよい。また、ベ
ーン体29のベーン32a,32b,32cの1つ又は
複数及び突状部の1つ又は複数の両方に剛性が低く、弾
性変形の容易な形状を採用してもよい。そしてベーン体
29の回動に伴うベーン32a,32b,32c側面と
ハウジング28の突状部側面との当接(衝突)は、当
初、それら剛性の低い形状の採用されたベーン、若しく
はベーン及び突状部とにおいて生ずるように設定するこ
とにより、上記と同様の効果を得ることができる。そし
てこの場合も、形状が不均一となるベーン体29、若し
くはベーン体29及びハウジング28に対してはこれを
是正する適宜の切り欠き等を設けることで、それら形状
の不均質に伴う回転バランスの不安定さを是正すること
ができる。
【0050】・本実施の形態では、ハウジング28の突
状部33に対応する外周面に切り欠き28aを設け、こ
れにより形状の不均質に伴う回転バランスの不安定さを
是正した。これに対して、ハウジング28の突状部3
3’に対応する外周面にウェイト等を取り付けることに
よって形状の不均質に伴う回転バランスの不安定さを是
正してもよい。
【0051】・本実施の形態では、ハウジング28の突
状部33に対応する外周面に切り欠き28aを設け、こ
れにより形状の不均質に伴う回転バランスの不安定さを
是正したが、こうした回転バランスの不安定さがそれほ
ど問題にならない場合には、上記ウェイト等も含め、同
バランス是正に係る構造を省略してもよい。
【0052】・本実施の形態においては、ベーン体29
の回転方向において、ベーン32a,32b,32cの
両側に油圧室を設けるようにしたが、片側にのみ油圧室
を設ける構成に変更することができる。
【0053】これには例えば、前記遅角側油圧室14,
14’、同油圧室14,14’に油を供給するための遅
角側油圧通路P2及びその周辺構造を省略するととも
に、遅角側油圧室14,14’の該当する空間内に、ベ
ーン体29を遅角回転方向に付勢するコイルスプリン
グ、板バネ等の付勢部材を配設する。
【0054】そして、バルブタイミングを進める場合に
は、進角側油圧室13,13’の油圧力によってベーン
体29を進角回転方向に回転させる。逆に、バルブタイ
ミングを遅らせる場合には、進角側油圧室13,13’
内への油の供給を停止して、前記付勢部材によりベーン
体29を遅角回転方向に回転させる。そして進角側油圧
室13,13’内において対向するベーン及び突状部の
少なくとも一方の1つ又は複数に対して剛性が低く、弾
性変形の容易な形状を採用する。またこの場合、進角側
・遅角側の関係は逆であってもよい。
【0055】・本実施の形態では、吸気側カムシャフト
12にVVT機構11を設ける場合について示したが、
図4に示すように、排気側カムシャフト23に同VVT
機構11を設ける構成を採用してもよい。
【0056】・本実施の形態においては、ハウジング2
8をドリブンギヤ22を介してクランクシャフトに駆動
連結し、ベーン体29を吸気側カムシャフト12に連結
する構成とした。これに対して、ベーン体29をドリブ
ンギヤ22を介してクランクシャフトに駆動連結し、ハ
ウジング28を吸気側カムシャフト12に連結する構成
としてもよい。
【0057】・本実施の形態では、ベーン体29の各ベ
ーン32a,32b,32cの外周部に断面矩形状をな
す溝35を形成し、この溝35内にシール部材36を配
設するとともに、これを板バネ37により外周部に向け
て付勢する構成としたが、これを、同ベーン体29の固
定部31側に、またはベーン32a,32b,32c及
び固定部31の両側に設ける構成とすることもできる。
【0058】・吸気側バルブまたは排気側バルブの一方
の開閉タイミングを変更する構成に限らず、VVT機構
11を吸気側カムシャフト12及び排気側カムシャフト
23の双方に設け、吸気バルブ及び排気バルブの双方の
バルブ開閉タイミングを変更するようにしてもよい。
【0059】・本実施の形態では、ベーン体29に3つ
のベーン32a,32b,32cが形成される構成を採
用したが、同ベーンを2つ、あるいは4つ以上有した構
成とすることもできる。ベーンの数を上記実施形態より
少なくした場合には、前記各油圧通路P1,P2の構成
を簡略化することができ、上記実施形態より多くした場
合には、ベーン体29に対してより大きな回転トルクを
付与することができる。
【0060】・本実施の形態において、カムプーリ26
をタイミングスプロケットに変更し、タイミングベルト
27をタイミングチェーンに変更した構成を採用するよ
うにしてもよい。
【0061】・本実施の形態では、ベーン体29のベー
ン32a,32b,32c及びハウジング28の凹部3
3,33’を扇状に形成したが、例えばベーン32a,
32b,32cを板状に形成してもよい。
【0062】・本実施の形態はいずれもハウジング28
の突状部33,33’が扇状の立体に構成されている
が、軽量化を図るべく、この扇状の立体内部をくり抜い
て突状部33,33’を構成してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明の構成によれば、例えば機関始動時等の液圧が低いと
き、あるいは液中に空気が混入するなど、その液圧が急
激に変化するとき、上記相対回転許容角度の小さく設定
された凹部及びベーンの対が他の凹部及びベーンの対よ
りも先にそれら凹部とベーンとが当接されるようにな
る。そして、それら当接される凹部及びベーンの対は、
それら凹部及びベーンの少なくとも一方がその当接によ
り弾性変形することで、同当接の際の衝突エネルギが好
適に吸収され、且つ、上記第1及び第2の回転体間の相
対的な角速度も減少する。したがってその後、上記他の
凹部及びベーンの対においてそれら凹部とベーンとが当
接される場合であれ、同第1及び第2の回転体間の相対
的な角速度は十分に低減されており、それら当接に起因
する異音等の発生も確実に抑制される。
【0064】請求項記載の発明の構成によれば、上記
相対回転許容角度の小さく設定された凹部及びベーンの
対においてそれら凹部とベーンとが当接された後、上記
他の凹部及びベーンの対においてそれら凹部とベーンと
が当接される場合であれ、その当接に起因する異音等の
発生を実質的に問題のないレベルまで抑制することがで
きる。
【0065】請求項記載の発明の構成によれば、上記
弾性変形可能に形成された凹部を有する第1の回転体、
上記弾性変形可能に形成されたベーンを有する第2の回
転体、あるいは上記弾性変形可能に形成された凹部及び
ベーンを有する第1及び第2の回転体について、それら
弾性変形可能に形成された凹部若しくはベーン形状に起
因する回転バランスの不均衡を是正することができ、い
かなる場合も安定したバルブタイミング制御が実現され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るバルブタイミング制御装置の一
実施の形態を示す断面図。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図。
【図3】同実施の形態に係る動弁構造を示す平面図。
【図4】この発明に係るバルブタイミング制御装置の他
の構成例を示す平面図。
【符号の説明】
11…VVT機構、12…吸気側カムシャフト、13,
13’…進角側油圧室、14,14’…遅角側油圧室、
15…オイルポンプ、16…OCV、17…シリンダヘ
ッド、17a,17b…軸受部、22…ドリブンギヤ、
28…ハウジング、28a…切り欠き、29…ベーン、
30…カバー、32a,32b,32c…ベーン、3
3,33’…突状部、34,34’…凹部、57…オイ
ルパン、P1…進角側油圧通路、P2…遅角側油圧通
路。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の回転軸心を有して内燃機関の出力
    軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一
    方及び他方に連結された第1及び第2の回転体を備える
    とともに、前記第1の回転体に形成された複数の凹部を
    前記第2の回転体に形成された複数のベーンにて各々区
    画することにより各ベーンの少なくとも一側に液室を形
    成し、該形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第
    1及び第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と
    前記カムシャフトとの相対回転位相を変更し、前記バル
    ブの開閉タイミングを可変制御する内燃機関のバルブタ
    イミング制御装置において、 前記第1及び第2の回転体に形成された凹部及びベーン
    の対の少なくとも1つその中立位置からの相対回
    転許容角度のうち、他の対における同中立位置からの相
    対回転許容角度と同一回転方向に対する相対回転許容角
    度が、該他の対における相対回転許容角度よりも小さく
    設定されるとともに、該相対回転許容角度の小さく設定
    された凹部及びベーンの対それら凹部及びベーン
    の少なくとも一方が、前記他の対について対応する凹部
    及びベーンよりも回転方向に容易に弾性変形し得るよう
    形成されてなることを特徴とする内燃機関のバルブタ
    イミング制御装置。
  2. 【請求項2】 同一の回転軸心を有して内燃機関の出力
    軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一
    方及び他方に連結された第1及び第2の回転体を備える
    とともに、前記第1の回転体に形成された複数の凹部を
    前記第2の回転体に形成された複数のベーンにて各々区
    画することにより各ベーンの少なくとも一側に液室を形
    成し、該形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第
    1及び第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と
    前記カムシャフトとの相対回転位相を変更し、前記バル
    ブの開閉タイミングを可変制御する内燃機関のバルブタ
    イミング制御装置において、 前記第1及び第2の回転体に形成された凹部及びベーン
    の対の少なくとも1つでは、その中立位置からの進角回
    転方向への相対回転許容角度が、他の対における同中立
    位置からの前記進角回転方向への相対回転許容角度より
    も小さく設定されるとともに、前記相対回転許容角度の
    小さく設定された凹部及びベーンの対で は、それら凹部
    及びベーンの少なくとも一方が、前記相対回転に伴う該
    凹部及びベーンの当接により、前記他の対について対応
    する凹部及びベーンよりも容易に弾性変形し得るように
    形成されてなることを特徴とする内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置。
  3. 【請求項3】 同一の回転軸心を有して内燃機関の出力
    軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一
    方及び他方に連結された第1及び第2の回転体を備える
    とともに、前記第1の回転体に形成された複数の凹部を
    前記第2の回転体に形成された複数のベーンにて各々区
    画することにより各ベーンの少なくとも一側に液室を形
    成し、該形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第
    1及び第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と
    前記カムシャフトとの相対回転位相を変更し、前記バル
    ブの開閉タイミングを可変制御する内燃機関のバルブタ
    イミング制御装置において、 前記第1及び第2の回転体に形成された凹部及びベーン
    の対の少なくとも1つでは、その中立位置からの遅角回
    転方向への相対回転許容角度が、他の対における同中立
    位置からの前記遅角回転方向への相対回転許容角度より
    も小さく設定されるとともに、前記相対回転許容角度の
    小さく設定された凹部及びベーンの対では、それら凹部
    及びベーンの少なくとも一方が、前記相対回転に伴う該
    凹部及びベーンの当接により、前記他の対について対応
    する凹部及びベーンよりも容易に弾性変形し得るように
    形成されてなることを特徴とする内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置。
  4. 【請求項4】 同一の回転軸心を有して内燃機関の出力
    軸及び同機関のバルブを開閉駆動するカムシャフトの一
    方及び他方に連結された第1及び第2の回転体を備える
    とともに、前記第1の回転体に形成された複数の凹部を
    前記第2の回転体に形成された複数のベーンにて各々区
    画することにより各ベーンの少なくとも一側に液室を形
    成し、該形成した液室に対する液圧制御に基づき前記第
    1及び第2の回転体を相対回転させて前記機関出力軸と
    前記カムシャフトとの相対回転位相を変更し、前記バル
    ブの開閉タイミングを可変制御する内燃機関のバルブタ
    イミング制御装置において、 前記第1及び第2の回転体に形成された凹部及びベーン
    の対の少なくとも1つ では、その中立位置からの進角回
    転方向への相対回転許容角度が、他の対における同中立
    位置からの進角回転方向への相対回転許容角度よりも小
    さく設定されるとともに、前記中立位置からの遅角回転
    方向への相対回転許容角度が、他の対における同中立位
    置からの遅角回転方向への相対回転許容角度よりも小さ
    く設定され、更に該相対回転許容角度の小さく設定され
    た凹部及びベーンの対では、それら凹部及びベーンの少
    なくとも一方が弾性変形可能に形成されてなることを特
    徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 【請求項5】 前記相対回転許容角度の小さく設定され
    た凹部及びベーンの対は、前記他の凹部及びベーンの対
    においてそれら凹部とベーンとが当接されるときの前記
    第1及び第2の回転体間の相対的な角速度が通常のバル
    ブタイミング制御における同第1及び第2の回転体間の
    相対的な角速度と同等となるよう、それら凹部及びベー
    ンの少なくとも一方の剛性が決定される請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の内燃機関のバルブタイミング制御
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の内
    燃機関のバルブタイミング制御装置において、 前記弾性変形可能に形成された凹部を有する第1の回転
    体及び前記弾性変形可能に形成されたベーンを有する第
    2の回転体の少なくとも一方は、当該回転体の回転バラ
    ンスの不均衡を是正するバランス是正手段を更に備えて
    構成されることを特徴とする内燃機関のバルブタイミン
    グ制御装置。
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