JP3340698B2 - 高張力鋼線材及び細径高張力鋼線 - Google Patents

高張力鋼線材及び細径高張力鋼線

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトラック、バス、乗
用車などのゴム製タイヤの補強用に使用されるスチール
コードあるいはベルトの補強用に使用されるベルトコー
ドなどに用いる高張力鋼線材及び細径高張力鋼線並びに
高強度の細径ワイヤを撚り合わせることによって得られ
る高張力撚鋼線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パーライト変態を利用した鋼線の製造方
法は、古くから用いられている。一般的にA3点以上の
温度域(750〜1100℃)に加熱し、γ化処理した
後、急冷して550〜680℃の温度範囲で恒温変態処
理を行いパーライト組織を得、さらにこの組織を有する
鋼線材を伸線加工してワイヤ(鋼線)として使用してい
る。
【0003】パーライト変態をコントロールする方法と
して特開平1−316420号公報記載の方法がある。
これはオーステナイト域の900〜800℃に冷却し、
この温度域で加工度20〜40%の範囲で塑性加工した
後、鉛中に浸漬する高強度、高疲労強度コードワイヤの
製造方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高張力鋼線を製造する
場合に最も重要なのが最終パテンティングにおいて形成
される組織である。一般的にはパテンティング処理によ
って均一なパーライト組織をつくるように熱処理過程を
調整している。しかし、今までのパテンティング処理に
おいては過共析鋼においても旧γ粒界に沿って薄いフェ
ライトあるいは擬似パーライト組織が析出する。この相
は、伸線過程においてクラックの起点となるため、でき
るだけ抑える必要がある。そこでこの相を無害化した伸
線加工性に優れた高張力鋼線材の出現が期待されてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような状
況に鑑みてなされたものであって、本発明の要旨とする
ところは、下記のとおりである。
【0006】(1) 重量%で、C:0.90%以上
1.10%以下、Si:0.4%以下、Mn:0.5%
以下、P:0.020%以下、S:0.020%以下、
Cu:0.10%以上0.80%以下を含み、残部鉄及
び不可避的不純物からなり、かつ不可避的に入るAl含
有量を0.003%以下としたことを特徴とする伸線加
工性に優れた高張力鋼線材。
【0007】(2) 重量%で、さらに、Cr:0.1
0%以上0.30%以下、Ni:0.10%以上1.0
0%以下の1種又は2種を含有することを特徴とする上
記(1)記載の伸線加工性に優れた高張力鋼線材。
【0008】(3) 均一なパーライト組織となってい
ることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の伸線加
工性に優れた高張力鋼線材。
【0009】(4) 伸線加工時にミクロクラックが発
生しないことを特徴とする上記(1)〜(3)の内のい
ずれかに記載の伸線加工性に優れた高張力鋼線材。
【0010】(5) 上記(1)〜(4)の内のいずれ
かに記載の鋼線材を用いて製造したことを特徴とする延
性の優れた細径高張力鋼線。
【0011】(6) 捻回試験によってデラミネーショ
ンが発生しないことを特徴とする上記(5)に記載の延
性の優れた細径高張力鋼線。
【0012】(7) 上記(5)及び(6)の内のいず
れかに記載の細径高張力鋼線を撚り合わせたことを特徴
とする高張力撚鋼線。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の鋼組成の限定理由は下記
のとおりである。
【0014】Cは経済的かつ有効な強化元素であるが、
このCの効果を十分に発揮させるには添加量を0.90
%以上とする必要がある。しかし、高すぎると延性が低
下し、伸線性が劣化するのでその上限を1.10%とす
る。
【0015】Siは鋼の脱酸のために必要な元素であ
り、従ってその含有量があまりに少ない場合には脱酸効
果が不十分となる。またSiは熱処理後に形成されるパ
ーライト中のフェライト相に固溶し、パテンティング後
の強度を上げるが、反面フェライトの延性を低下させ、
伸線後の極細線の延性を低下させるため0.4%以下と
する。
【0016】Mnは鋼の焼入れ性を確保するために少量
添加することが望ましい。しかし、多量のMnの添加は
偏析を引き起こし、パテンティングの際にベイナイト、
マルテンサイトなどの過冷組織が発生し、その後の伸線
性を害するため0.5%以下とする。
【0017】Cuはワイヤの腐食疲労特性を向上させる
元素であるのでその効果を発揮する0.10%以上添加
することが望ましい。Cuは添加量が多くなりすぎると
フェライト相の延性を低下させるので、上限を0.80
%とする。
【0018】Cr、Niは以下の理由で1種又は2種添
加するものとする。
【0019】過共析鋼の場合、パテンティング後の組織
においてセメンタイトのネットワークが発生しやすく、
セメンタイトの厚みのあるものが析出しやすい。この鋼
において高強度高延性を実現するためには、パーライト
を微細にし、かつ先に述べたようなセメンタイトネット
ワークや厚いセメンタイトをなくす必要がある。Crは
このようなセメンタイトの異常部の出現を抑制しさらに
パーライトを微細にする効果を持っている。しかし、多
量の添加は熱処理後のフェライト中の転位密度を上昇さ
せるため、引き抜き加工後の極細線の延性を著しく害す
ることになる。従ってCr添加量はその効果が期待でき
る0.10%以上とし、フェライト中の転位密度を増加
させ、延性を害することのない0.30%以下とする。
【0020】NiもCrと同じ効果を持つため、必要に
よりその効果を発揮する0.10%以上添加する。Ni
も添加量が多くなりすぎるとフェライト相の延性を低下
させるので、上限を1.00%とする。
【0021】従来の極細鋼線と同様に延性を確保するた
めSの含有量を0.020%以下とし、PもSと同様に
線材の延性を害するのでその含有量を0.020%以下
とするのが望ましい。極細線の延性を低下させる原因と
してAl23、MgO−Al 23等のAl23を主成分
とする非延性介在物の存在がある。従って、本発明にお
いては非延性介在物による延性低下を避けるために、A
l含有量を0.003%以下とする。
【0022】本発明鋼線は例えば図1に示すように、熱
間圧延→伸線→パテンティング→伸線→最終パテンティ
ング→ブラスメッキ→伸線の各工程を経て製造される。
このような製造工程では、最終熱処理で熱処理過程を調
整して均一なパーライト組織とすることが望ましいが、
通常の熱処理では旧オーステナイト粒界に沿ってフェラ
イト相あるいは擬似パーライト相が析出する。この相は
伸線加工の際に割れの起点となるためできるだけ析出を
抑制するか、析出形態を割れが発生しにくい形態に変え
る必要がある。通常のパテンティング処理においてはこ
の析出を抑えることができない。従って、この析出形態
を変えることによって無害化する必要がある。析出形態
を無害化するには、旧オーステナイト粒界に歪みを与え
て析出のサイトを面から点に変える必要がある。このた
めには、最も加工歪みの入りやすい、オーステナイト化
した後にA1変態温度以下の温度で、変態開始前あるい
は変態中の鋼線に加工を施しつつ最終パテンティング処
理を行う必要がある。
【0023】また、上記の加工としては、加工歪みを与
えることが可能であれば、どのような加工でもよい。例
えば、圧延、曲げ加工、スウェージング加工など、いず
れでも効果がある。さらに、曲げ加工は加工によるワイ
ヤの形状の変化がほとんどないので、導入が最も容易に
行える。しかし、曲げ加工ではワイヤに導入される加工
歪みが小さいので、少なくともD/d≦20(D:ロー
ル直径、d:ワイヤの直径)を満足する曲げ加工を行う
必要がある。
【0024】本発明の高張力鋼線材によれば、伸線加工
の際に割れの起点となる析出相を抑制あるいは、割れが
発生しにくい析出形態とすることができるので、伸線途
中でミクロクラックが発生しない。また、伸線後の捻回
試験によってもデラミネーションの発生しない延性の優
れた細径高張力鋼線が得られる。そして、高張力撚鋼線
は、細径高張力鋼線を撚り合わせることにより製造でき
る。
【0025】
【実施例】表1(化学成分)及び表2(加工条件及び特
性)に示すように、本発明に基づく1〜4の化学成分を
有する鋼で試験を実施した。鋼線の製造工程は図1に示
すとおりで、熱間圧延によって製造された線材を伸線加
工とLP処理によって表2に示す最終パテンティング処
理を行い5.50〜2.50mmφの線径のワイヤとす
る。このワイヤを用いて表2に示す熱処理を行った。そ
の後、ダイスアプローチ角が14°のものを用いて伸線
加工により最終線径0.060〜2.00mmφのワイ
ヤ(鋼線)とした。この時、伸線加工における減面率が
真歪みで約1.0となるところでワイヤ巾のミクロクラ
ックの存在数をL断面1/2部で測定を行った。また、
最終ワイヤにおいて引張試験と捻回試験を行い、最終ワ
イヤの機械的性質の調査を行った。
【0026】本発明例の番号1〜4は伸線途中でのミク
ロクラックは観察されず、その後の伸線加工によって製
造されたワイヤにおいても捻回試験によってデラミネー
ションの発生しないワイヤが得られている。このような
細径ワイヤを撚り合わせることにより高張力撚鋼線を製
造することができる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】最終パテンティング処理により、伸線加
工性の優れたワイヤ(鋼線材)が得られるため、その後
の伸線加工により、より延性の優れた細径高張力鋼線を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高張力鋼線の製造工程例を示す説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C22C 38/16 C22C 38/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.90%以上1.10
    %以下、Si:0.4%以下、Mn:0.5%以下、
    P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cu:
    0.10%以上0.80%以下を含み、残部鉄及び不可
    避的不純物からなり、かつ不可避的に入るAl含有量を
    0.003%以下としたことを特徴とする伸線加工性に
    優れた高張力鋼線材。
  2. 【請求項2】 重量%で、さらに、Cr:0.10%以
    上0.30%以下、Ni:0.10%以上1.00%以
    下の1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1
    記載の伸線加工性に優れた高張力鋼線材。
  3. 【請求項3】 均一なパーライト組織となっていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の伸線加工性に優れた
    高張力鋼線材。
  4. 【請求項4】 伸線加工時にミクロクラックが発生しな
    いことを特徴とする請求項1〜3の内のいずれかに記載
    の伸線加工性に優れた高張力鋼線材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の内のいずれかに記載の鋼
    線材を用いて製造したことを特徴とする延性の優れた細
    径高張力鋼線。
  6. 【請求項6】 捻回試験によってデラミネーションが発
    生しないことを特徴とする請求項5に記載の延性の優れ
    た細径高張力鋼線。
  7. 【請求項7】 請求項5及び6の内のいずれかに記載の
    細径高張力鋼線を撚り合わせたことを特徴とする高張力
    撚鋼線。
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