JP3338507B2 - カーボンブラックグラフトポリマー組成物の製造方法 - Google Patents

カーボンブラックグラフトポリマー組成物の製造方法

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JP3338507B2 JP08745193A JP8745193A JP3338507B2 JP 3338507 B2 JP3338507 B2 JP 3338507B2 JP 08745193 A JP08745193 A JP 08745193A JP 8745193 A JP8745193 A JP 8745193A JP 3338507 B2 JP3338507 B2 JP 3338507B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカーボンブラックグラフ
トポリマー組成物に関するものである。詳しく述べると
本発明は、カーボンブラックの種々の物質との親和性を
改良し、有機高分子、水、有機溶剤等の物質への分散性
が改善され、同時にそれ自身の靭性においても優れた
ーボンブラックグラフトポリマー組成物の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラック(以下、CBと記す
る。)は、着色性、導電性、耐候性、耐薬品性等に優れ
るため、静電荷像現像用トナー、熱転写インキ等の着色
剤を始めとして、樹脂やゴムの補強剤、充填剤等種々の
目的で幅広く使用されている。しかしながら、CBは、
その形状が粉状または粒状のため、単独で使用されるこ
とが少なく、通常、樹脂やゴム等の固状の基材または水
や溶剤等の液体に均一に分散されてその特性を発揮す
る。
【0003】しかしながら、CBは粒子間の凝集力に比
べて他の物質、例えば有機高分子、水および有機溶剤等
との親和力が弱いため、通常の混合または分散条件では
均一に混合または分散することが極めて困難であった。
【0004】この問題を解決するために、CB表面を各
種の界面活性剤や樹脂で被覆して、固状または液状の基
材との親和力を高めることにより、CBの分散性を改良
する検討が数多くなされている。
【0005】中でも、重合性単量体をCB共存中で重合
させることにより得られるカーボンブラックグラフトポ
リマーは、重合性単量体の種類を適当に選択することに
より、親水性および/または親油性を適宜付与すること
ができるため、近年注目を浴びている。
【0006】このカーボンブラックグラフトポリマーを
製造する方法としては、特公昭42−22047号、特
公昭44−3826号、特公昭45−17248号、特
公昭46−26970号により開示されているが、これ
らの方法で得られるカーボンブラックグラフトポリマー
の収率は数%〜10数%と低く、大半はビニル系ホモポ
リマーの形で存在し、CBの表面処理効率の極めて悪い
ものであった。このため、他の物質との親和性は期待し
た程には改良されず、混合又は分散条件によって分散状
態が異なる場合が多々あった。
【0007】さらに特開昭63−265913号、特開
昭63−270767号においては、CBとこのCBに
反応性を有する重合体とを特定の温度条件下で反応させ
てカーボンブラックグラフトポリマーを得ることが示さ
れており、このようにして得られるカーボンブラックグ
ラフトポリマーは水や有機溶媒との親和性に富み、これ
らの媒体に良好な分散性を示すものであった。しかしな
がら、各種系においてより均一に分散されかつ優れた改
質効果を得るには、これらのカーボンブラックグラフト
ポリマーを用いた場合においても完全に満足できるとこ
ろまでには至っておらず、改善の余地の残るものであっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は新規
カーボンブラックグラフトポリマー組成物の製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決しようとするための手段および作用】本発
明者らは、前記したような現状に鑑み、上記課題を解決
するために鋭意研究を行なった結果、CBとこのCBに
反応性を有する基を有する重合体を反応させてなるカー
ボンブラックグラフトポリマー(以下、CBグラフトポ
リマーと記する。)に、熱可塑性エラストマーを配合す
ることにより、製造工程で十分な剪断力がかかり、得ら
れたCBグラフトポリマー組成物は各種の物質への分散
性が著しく優れたものとなることが明らかとなった。ま
た熱可塑性エラストマーの働きによりCBグラフトポリ
マー組成物それ自身の靭性も著しく優れたものとなって
おり、このため、例えば、静電荷像現像用トナー及び熱
転写インキに好適に配合できる。さらに該反応時の条件
を特定することにより、CBの分散性が一段と高められ
かつ靭性に優れたCBグラフトポリマー組成物が簡便に
得られることを見出し本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0010】すなわち上記課題はカーボンブラック1
00質量部と、アジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒ
ドロキシアルキルアミド基、エポキシ基およびチオエポ
キシ基からなる群より選択される少なくとも1種の反応
性基を有する重合体10〜500質量部とを熱可塑性エ
ラストマーの存在下で50〜350℃の温度条件におい
て撹拌混合することを特徴とするカーボンブラックグラ
フトポリマー組成物の製造方法によって達成される。本
発明はまた、前記熱可塑性エラストマーは、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、
スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー
(SIS)、または、SBSを水素添加したスチレン−
エチレン・ブチレン−スチレンコポリマー(SEBS)
もしくはスチレン−エチレン・プロピレン−スチレンコ
ポリマー(SEPS)である、前記製造方法である。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細
に説明する。本発明において使用される「熱可塑性エラ
ストマー」(以下、TPEと記する。)は、常温では加
硫ゴムの性質を示し、高温では可塑化されてプラスチッ
ク加工機で成形できる特性を有する高分子材料であっ
て、三次元網目の架橋点として塑性変形を防止する拘束
相を形成する拘束成分(ハードセグメント)と網目鎖と
してエントロピー弾性を発揮する弾性相を形成するゴム
成分(ソフトセグメント)とからなるものであり、例え
ば、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系
などの各種のものが使用可能である。
【0016】このうち特に好ましいのは、スチレン系T
PE(SBC)である。SBCはTPEのなかでも柔軟
性、弾力性に優れ、最もゴム的性質を有している。SB
Cは、ハードセグメントにポリスチレン、ソフトセグメ
ントにポリブタジエンまたはポリイソプレン、ポリオレ
フィンをもつブロック共重合体で、ゴムブロックにより
スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー
(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
コポリマー(SIS)、SBSを水素添加したSEB
S、SEPSの3タイプが知られている。さらにこのよ
うなSBCのうち、スチレン含量が約5〜60重量%程
度、また分子量が10,000〜1000,000程度
のものが特に望ましい。
【0017】一方、本発明において使用されるCBとし
ては、その表面に官能基としてカルボキシル基および/
またはヒドロキシル基を有するものであればよく、例え
ばファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレ
ンブラック、ランプブラック等のいずれの種類のものを
用いることができ、通常の市販品をそのまま使用できる
が、該CBと反応性を有する重合体の反応基がエポキシ
基またはチオエポキシ基の場合は、CBのpHが高いと
反応性が低くなるために、CBとしてはpHが8以下、
好ましくは6以下の範囲のものが望ましい。なお、CB
のpHの試験法はJIS K 6211によるものであ
る。
【0018】また、このようなCBと反応性を有する基
を有する重合体(以下、重合体Aと称する。)として
は、例えば、アジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒド
ロキシアルキルアミド基、エポキシ基およびチオエポキ
シ基などより選ばれる少なくとも1種の反応性基を分子
内に有するビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリエー
テル等の重合体が用いられ得る。なお、CB表面に存在
する官能基と反応し得る基としては、必ずしも上記に例
示したような反応性基のみに限定されるものではない
が、これらの反応性基以外の基を有する重合体を用いる
場合には、攪拌混合に先立ってCBを予め処理しておく
工程を必要とする。
【0019】このような重合体Aを得る方法としては、
例えば、(1)前記の反応性基を分子内に有する重合性
単量体(以下、単量体aと称する。)を、必要によりそ
の他の重合性単量体(以下、単量体bと称する。)と共
に、重合する方法、(2)前記の反応性基を分子内に有
する化合物(以下、化合物cと称する。)を、該化合物
cと反応し得る基を有する重合体(以下、重合体dと称
する。)に反応させて前記反応性基を重合体dに導入す
る方法、(3)前記反応性基以外の反応性基を分子内に
有する重合体(以下、重合体eと称する。)を用い、こ
れを公知の方法により該反応性基を有する重合体Aに変
換させる方法等を挙げることができる。
【0020】上記(1)の方法において使用できる単量
体aとしては、
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】 等で表されるアジリジン基含有重合性単量体類;
【0021】2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−
メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−エチル−
2−オキサゾリン、2−ビニル−5−エチル−2−オキ
サゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2
−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2
−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2
−イソプロペニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2
−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2
−イソプロペニル−4,5−ジメチル−2−オキサゾリ
ンなどのオキサゾリン基含有重合性単量体類;
【0022】N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシブ
チルアクリルアミド、N−ヒドロキシイソブチルアクリ
ルアミド、N−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリ
ルアミド、N−ヒドロキシシクロヘキシルアクリルアミ
ド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシブチル
メタクリルアミド、N−ヒドロキシイソブチルメタクリ
ルアミド、N−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタク
リルアミド、N−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリル
アミドなどのN−ヒドロキシアルキルアミド基含有重合
性単量体類;
【0023】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【化65】
【化66】
【化67】 (但し、これらの式中のR1 は水素またはメチル基を示
し、nは0または1〜20の整数である。)等の式で表
されるエポキシ基含有重合性単量体類;
【0024】
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
【化79】
【化80】 (但し、これらの式中のR1 およびnはエポキシ基含有
重合性単量体の場合と同様である。)等で表わされるチ
オエポキシ基含有重合性単量体類を挙げることができ、
これらの群から選ばれる1種または2種以上を使用する
ことができる。
【0025】(1)の方法において必要により使用でき
る単量体bとしては、単量体aと共重合し得るものであ
れば特に限定されず、例えばスチレン、o−メチルスチ
レン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロルスチ
レン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン等のス
チレン系モノマー;アクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、
アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル等のアクリル酸あるい
はメタクリル酸系モノマー;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルニトリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリ
ドン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用い
ることができる。
【0026】(1)の方法により反応性基を有する重合
体Aを得るには、単量体aを、必要により単量体bと共
に、従来公知の重合方法、例えば塊状重合法、懸濁重合
法、乳化重合法、沈殿重合法、溶液重合法等によって重
合すればよい。
【0027】(2)の方法において使用できる化合物c
としては、例えば、(2-1)前記反応性基の1種を分子内
に2個以上有する化合物、(2-2)前記反応性基の2種以
上を分子内に有する化合物、(2-3)前記反応性基の1種
以上と前記反応性基以外の基とを分子内に有する化合物
等を挙げることができる。但し(2-3) 項に記載の前記反
応性基以外の基とはアジリジン基、オキサゾリン基、N
−ヒドロキシアルキルアミド基、エポキシ基およびチオ
エポキシ基以外のものであって、かつ後述の重合体dに
含まれる基を反応し得るものであり、例えばイソシアネ
ート基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
ビニル基、ハロゲン基がこれに該当するものである。
【0028】(2)の方法における重合体dとは、前記
(2-1) 〜(2-3) 項に記載した化合物cと反応し得る基を
有するビニル系重合体、ポリエステル、ポリエーテル等
である。化合物cと反応し得る基としては、例えばヒド
ロキシル基(フェノール性ヒドロキシル基を含む)、カ
ルボキシル基、キノン基、アミノ基、エポキシ基等を挙
げることができ、これらの基を有する重合体dはラジカ
ル重合、重縮合等の公知の重合手段で容易に得ることが
できる。
【0029】(2)の方法により反応性基を有する重合
体Aを得るには、化合物cと重合体dとを前記反応性基
の少なくとも1個が未反応で残存する条件を選択して反
応すればよい。
【0030】(3)の方法における重合体eは、アジリ
ジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルアミ
ド基、エポキシ基またはチオエポキシ基に変換できる
基、例えばビニル基、カルボキシル基、クロルヒドリン
基、グリコール基等を分子内に有する重合体で、これら
は従来公知の方法により容易にアジリジン基、オキサゾ
リン基、N−ヒドロキシアルキルアミド基、エポキシ基
および/またはチオエポキシ基を有する重合体Aとする
ことができる。
【0031】重合体Aの分子量としては、特に制限され
ないが、CBに対する顕著な処理効果やCBとの反応時
の作業性の面で数平均分子量が500〜1,000,0
00の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1,
000〜500,000、最も好ましくは2,000〜
100,000である。
【0032】また重合体Aの反応性基のうち、アジリジ
ン基、オキサゾリン基およびN−ヒドロキシアルキルア
ミド基が最も好ましく、これらの反応性を有する重合体
Aを用いる意義は、使用するCBの種類や状態に関わら
ず、温和な反応条件においてもCBと重合体Aとが非常
に高いグラフト効率で反応し、各種物質への分散性に著
しく優れたCBが得られるところにある。また、反応性
基がエポキシ基またはチオエポキシ基を有する重合体A
を用い、前記したようにpHが8以下のCBを処理する
場合は、重合体Aは反応性基を平均して1個以上有して
いなければならないが、該反応性基の量が多量となる程
CBとの反応時に増粘して作業性が低下したり、得られ
るCBグラフトポリマーの他の物質への分散性が悪くな
るので、平均して1分子中に1〜5個程度とするのが好
ましく、より好ましくは1〜2個、最も好ましくはエポ
キシ基またはチオエポキシ基のいずれかを1個とするの
が好適である。
【0033】本発明に係わるCBグラフトポリマー組成
物は、CBに上記したような重合体Aが反応してなり該
重合体AがCBに極めて高い効率でグラフト結合したC
Bグラフトポリマーに、さらに第三の成分として上記の
ごときTPEを配合してなるものである。
【0034】このようなCBグラフトポリマー組成物
は、CBに重合体Aを反応させてCBグラフトポリマー
とした後、得られたCBグラフトポリマーにTPEを加
えて加熱下に攪拌混合することによって得ることができ
る。あるいは、CBおよび重合体Aと共に最初からTP
Eを存在させておき、加熱下に攪拌混合してCBと重合
体Aを反応させてCBグラフトポリマーと形成すると同
時にTPEを分散配合することによっても得ることがで
きる。ただし、CBと重合体Aとの反応時にTPEを存
在させておく後者の方法のほうが、CBと重合体Aとが
反応すると同時により高い剪断力がかかり、より分散性
の優れたCBグラフトポリマー組成物が得られるため
に、特に好ましい。
【0035】CBに上記したような重合体Aを反応させ
るのは、種々の方法によることができる。例えば、前記
した(1)や(2)の方法により得られた反応性基を有
する重合体AをCBに反応する方法によってもよく、C
Bの存在下に(1)や(2)の方法を実施して反応性基
を有する重合体Aを得る工程と該重合体とCBとの反応
工程を一つにまとめてもよい。但し、高いグラフト効率
でCBグラフトポリマーを得るには前者の方法によるの
が好ましい。反応に際し、反応基を有する重合体Aの使
用量は、CB100重量部に対し、10〜500重量
部、より好ましくは50〜300重量部程度であること
が望まれる。すなわち、重合体Aの使用量がCB100
重量部に対して10重量部未満であると、最終的に得ら
れるCBグラフトポリマー組成物の各種物質に対する分
散性が十分に改良されないものとなり、一方、CB10
0重量部に対して重合体Aの使用量が500重量部を越
えるものであるとCBの着色剤、改質剤等としての特性
が損なわれる虞れがあるためである。またCBと重合体
Aとの反応は、CBと重合体Aとを、50〜350℃、
好ましくは80〜250℃の温度条件下に攪拌混合する
ことによって行なわれ得る。またCBと反応性基を有す
る重合体Aとをトルク値が0.1〜20kg・m、好ま
しくは0.3〜10kg・mの範囲において、攪拌混合
することにより行なわれ得る。反応時の温度条件が35
0℃を越える場合は、ポリマー成分が変質するので好ま
しくなく、一方50℃未満であると十分な反応を生起さ
せることができず、CBに対する重合体Aのグラフト率
が低下して、CBの分散性を改善できないものである。
またトルク値が50kg・mを越える場合は、重合体A
の切断による劣化等の不都合が生じるので好ましくな
い。またこのCBと重合体Aとの反応は、これら二成分
だけを反応させる方法であってもよく、前記したように
TPEの存在下、さらには反応性基を有する重合体Aに
該当しないその他の重合体、重合性単量体、有機溶剤、
水等の他の物質の混在下での反応であってもよい。
【0036】なお、本明細書において述べる「カーボン
ブラックグラフトポリマー」とは、グラフト鎖として重
合体が結合したCBのみを厳密に意味するものではな
く、このようにグラフト鎖として重合体が結合したCB
と、その製造工程においてCBに直接結合し得なかった
重合体とが含まれるものを意味するものである。これ
は、上記したようないずれの方法により製造した場合で
あっても、そのグラフト率が100%とならない場合も
あり、また製造工程後にグラフト鎖として重合体が結合
したCBとCBに直接結合し得なかった重合体とを完全
に分離することは困難であるためである。
【0037】本発明のCBグラフトポリマー組成物を得
るために、CBと重合体Aとの反応時に、TPEを存在
させておく場合、その攪拌混合は前記50〜350℃、
好ましくは80〜250℃の温度条件下において行なえ
ば良い。攪拌混合が50℃未満の温度で行なわれると、
十分な反応を生起させることができず、CBに対する重
合体Aのグラフト率が低下して、CBの分散性を改善で
きない虞れがあり、またTPEが十分に分散せず優れた
靭性を得られない虞れがある。一方、350℃を越える
温度で行なわれると、ポリマー成分が変質しまた十分な
剪断がかからずCBの分散が不十分になる虞れがあるた
めである。
【0038】また予め形成されたCBグラフトポリマー
に対して、TPEを加えて攪拌混合してカーボンブラク
グラフトポリマー組成物を得る場合においても、その攪
拌混合は形成後に、50〜350℃、好ましくは80〜
250℃の温度条件下において行なうことが望ましい。
【0039】さらに、本発明のCBグラフトポリマー組
成物におけるTPEの配合量は、CBグラフトポリマー
100重量部に対し、TPE5〜200重量部、好まし
くは10〜50重量部程度が望ましい。TPEの配合量
がCBグラフトポリマー100重量部に対し5重量部未
満であるとTPEを配合したことによるCBグラフトポ
リマーの分散性の改善が十分になされずまた高い靭性が
得られない虞れが高く、一方200重量部を越えるもの
であるとCBの着色剤、改質剤等としての特性が損なわ
れる虞れがあるためである。
【0040】本発明において、CBにグラフト化させる
重合体(A)およびこれによって得られるCBグラフト
ポリマーに配合されるTPEの組成、種類および組合せ
等は、任意に選択することができるために、目的に応じ
て種々の特性をCBに付与することが可能である。そし
て上記のようにして得られる本発明のCBグラフトポリ
マー組成物は、種々の物質との親和性が改良されてお
り、例えば有機高分子、水、有機溶剤等の物質への分散
性及びCBグラフトポリマー組成物自身の靭性が著しく
優れているために、例えば熱転写インキ、静電荷像現像
用トナー等における着色剤や各種高分子の改質剤として
好適に使用できる。
【0041】本発明に係わる静電荷像現像用トナーは、
前記手順で得られるCBグラフトポリマー組成物を含ん
でなるものである。この静電荷像現像用トナーの製法と
しては、前記手順で得られるCBグラフトポリマー組成
物を着色剤成分として含有するものであれば特に限定さ
れるものではなく、粉砕法、懸濁重合法および乳化重合
法などの各種の製法が用いられ得る。
【0042】粉砕法によれば、前記手順で得られるCB
グラフトポリマー組成物を微粉砕してそのまま静電荷像
現像用トナーとすることができるが、定着樹脂としての
前記重合体(A)に該当しない重合体、特にスチレン
系、(メタ)アクリル酸系、ポリオレフィン系等の熱可
塑性重合体に、CBグラフトポリマー組成物を加え溶融
混練した後、微粉砕して静電荷像現像用トナーとしたも
のが画像の定着性の上からは望ましい。CBグラフトポ
リマー組成物は使用する定着樹脂として重合体に対して
良好な親和性を示すため、比較的低剪断力下に混練する
のみで該重合体のマトリックスに均一に分散する。
【0043】また懸濁重合法によれば、前記手順で得ら
れるCBグラフトポリマー組成物を重合性単量体、特に
スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸系モノマー、
ポリオレフィン系モノマー等のα,β−エチレン性不飽
和単量体に添加混合し、水性媒体中に懸濁させて重合を
行なうことにより静電荷像現像用トナーとすることがで
きる。CBグラフトポリマー組成物は重合性単量体に対
して良好な親和性を示すため容易に重合性単量体中に均
一に分散する。
【0044】このような静電荷像現像用トナーにおける
CBグラフトポリマー組成物の含有量は、特に限定され
ず、その使用目的に応じて適宜変更可能であるが、通常
静電荷像現像用トナー中におけるCB成分が1〜20重
量%、さらに好ましくは3〜10重量%程度となるよう
に、CBグラフトポリマー組成物の含有量を調整するこ
とが望まれる。
【0045】また本発明に係わる静電荷像現像用トナー
には、帯電制御剤、オフセット防止剤、流動化剤等の通
常のトナーに常用される添加剤が適宜配合されていても
よい。さらに、一成分系現像剤とする場合には公知のよ
うに磁性微粒子が添加される。このような静電現像用ト
ナーの平均粒径としては、特に限定はないが、1〜25
μm、より好ましくは3〜20μm程度が適当である。
【0046】このように本発明に係わる静電現像用トナ
ーにおいては、前記CBグラフトポリマー組成物を用い
ることにより、各トナー粒子中でCBが結着樹脂のマト
リックスに非常に均一に分散されてなるために、トナー
粒子の帯電分布が均一であり、汚染のない安定した画像
が形成でき、かつ輪郭が明確で極めてコントラストに富
む画像を得ることができる。またCBグラフトポリマー
組成物中には靭性の高いTPEが配合されていたことに
よって、定着性の面でもこのトナーは非常に優れたもの
となる。
【0047】また本発明に係わる感熱転写インキは、前
記手順で得られるCBグラフトポリマー組成物を含んで
なるものである。感熱転写インキは、CBグラフトポリ
マー組成物を公知のバインダー成分、例えばカルナバワ
ックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、酸化ワックス、低分子量ポ
リエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス
等の天然または合成ワックス、あるいはポリスルフォン
エーテル、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコン
樹脂、アクリル系樹脂等の合成樹脂などに添加混練する
ことにより得られる。CBグラフトポリマー組成物のバ
インダー成分への分散は、これらのバインダー成分にC
Bグラフトポリマー組成物が極めて良好な親和性を示す
ために極めて容易であり、ボールミルやロールミル等を
用いて高剪断力下に混練する必要はなく、各種形状の羽
根付攪拌機、スタティックミキサー、溶融混合機等の攪
拌機を用いて低剪断力下に混合するだけでよい。なお、
前記重合体Aとしてインキのバインダーに適したものを
選択すれば、他のバインダー成分を加えることなく、C
Bグラフトポリマー組成物をそのまま感熱転写インキと
して使用することも可能である。
【0048】このような感熱転写インキにおけるCBグ
ラフトポリマー組成物の含有量は、特に限定されず、そ
の使用目的に応じて適宜変更可能であるが、通常感熱転
写インキ中におけるCB成分が5〜40重量%、さらに
好ましくは10〜30重量%程度となるように、CBグ
ラフトポリマー組成物の含有量を調整することが望まれ
る。
【0049】このように本発明に係わる感熱転写インキ
においては、前記CBグラフトポリマー組成物を用いる
ことにより、インキのバインダー成分とCBグラフトポ
リマー組成物が極めて高い親和性を有し、CBがバイン
ダー成分のマトリックスに非常に均一に分散されてなる
ものである。このため、PETフィルム、ポリイミドフ
ィルム、コンデンサー紙、絹織物、アルミ箔等に代表さ
れる支持体に、ホットメルトコーター、リバースロール
コーター、グラビアロールコーター等の公知の手法によ
って塗布することで、極めて高い品位を有する安定した
画像が形成でき、かつ耐久性に優れたものとなる。特
に、その線画が高品質で安定したものとなることから、
バーコード印刷用インキ等として好適に使用できる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例によって限定される
ものではない。尚、例中の「部」は重量部を、また
「%」は重量%をそれぞれ示す。
【0051】実施例1 攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコにポリビニルアルコール0.2部を溶解し
た脱イオン水400部を仕込んだ。そこへ予め調製して
おいたスチレン194.4部及びグリシジルメタクリレ
ート5.1部からなる重合性単量体にベンゾイルパーオ
キサイド16部を溶解した混合物を仕込み、高速で攪拌
して均一な懸濁液とした。次いで、窒素ガスを吹き込み
ながら80℃に加熱し、この温度で5時間攪拌を続けて
重合反応を行った後冷却して重合体懸濁液を得た。この
重合体懸濁液を瀘過、洗浄した後乾燥して反応性基とし
てエポキシ基を有する重合体を得た。この重合体の分子
量はGPC測定によりMn=5,500であった。反応
性基としてエポキシ基を有する重合体60部とカーボン
ブラックMA−100R(三菱化成工業(株)製)40
部及びスチレン系TPE(SIS)クインタック345
0(日本ゼオン(株)製)20部とをラボプラストミル
(東洋精機(株)製)を用いて160℃、100rpm
の条件下に混練して反応させた後、冷却、粉砕してCB
グラフトポリマー組成物(1)を得た。CBグラフトポ
リマー(1)に関してのCBの分散状態の評価結果を表
1に示す。
【0052】実施例2 攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコにポリビニルアルコール0.2部を溶解し
た脱イオン水400部を仕込んだ。そこへ予め調整して
おいたスチレン196部及びイソプロペニルオキサゾリ
ン4部からなる重合性単量体にベンゾイルパーオキサイ
ド16部を溶解した混合物を仕込み、高速で攪拌して均
一な懸濁液とした。次いで、窒素ガスを吹き込みながら
80℃に加熱し、この温度で5時間攪拌を続けて重合反
応を行った後冷却して重合体懸濁液を得た。この重合体
懸濁液を瀘過、洗浄した後乾燥して反応性基としてオキ
サゾリン基を有する重合体を得た。この重合体の分子量
はGPC測定によりMn=5,800であった。反応性
基としてオキサゾリン基を有する重合体50部とカーボ
ンブラックMA−100R(三菱化成工業(株)製)4
0部及びスチレン系TPE(SEBS)エラストマーA
R−740B(アロン化成(株)製)30部とをラボプ
ラストミル(東洋精機(株)製)を用いて160℃、1
00rpmの条件下に混練して反応させた後、冷却、粉
砕してCBグラフトポリマー組成物(2)を得た。CB
グラフトポリマー(2)に関してのCBの分散状態の評
価結果を表1に示す。
【0053】比較例1 攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコにポリビニルアルコール0.2部を溶解し
た脱イオン水400部を仕込んだ。そこへ予め調整して
おいたスチレン194.4部及びグリシジルメタクリレ
ート5.1部からなる重合性単量体にベンゾイルパーオ
キサイド16部を溶解した混合物を仕込み、高速で攪拌
して均一な懸濁液とした。次いで、窒素ガスを吹き込み
ながら80℃に加熱し、この温度で5時間攪拌を続けて
重合反応を行った後冷却して重合体懸濁液を得た。この
重合体懸濁液を瀘過、洗浄した後乾燥して反応性基とし
てエポキシ基を有する重合体を得た。この重合体の分子
量はGPC測定によりMn=5,500であった。反応
性基としてエポキシ基を有する重合体60部とカーボン
ブラックMA−100R(三菱化成工業(株)製)40
部とをラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて
160℃、100rpmの条件下に混練して反応させた
後、冷却、粉砕して比較用CBグラフトポリマー(a)
を得た。比較用CBグラフトポリマー(a)に関しての
CBの分散状態の評価結果を表1に示す。
【0054】比較例2 カーボンブラックMA−100R(三菱化成工業(株)
製)をそのまま用いて、実施例1と同様のCBの分散状
態の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】実施例3 実施例1で得られたCBグラフトポリマー組成物(1)
30部、スチレンブチルメタクリレート共重合物(三洋
化成(株)製、ハイマーSBM73)70部、低分子量
ポリプロピレン(三洋化成(株)製、ビスコール550
P)3部および電荷制御剤(保土谷化学工業(株)製、
Aizen Spiron Black TRH)1部をヘンシェルミキサー中
で攪拌混合し、さらにロールミルにより160℃で20
分間混練し、冷却後連続振動ミルで粗粉砕した。続い
て、ジェットミルを用いて微粉砕した後、分級し粒子径
が3〜15μmの静電荷像現像用トナー(1)を得た。
この静電荷像現像用トナー(1)5部に対して平均粒子
径50〜80μmの鉄粉キャリア95部とを均一に混合
し現像剤(1)を調製した。現像剤(1)に関して画像
の定着試験を行なった結果を表2に示す。
【0057】実施例4 攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管および温度計を
備えた反応釜に、アニオン性界面活性剤としてドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム5部を溶解した脱イオン
水8,970部を仕込んだ。そこへ予め調製しておいた
スチレン800部、アクリル酸n−ブチル200部およ
びジビニルベンゼン0.03部からなる重合性単量体成
分に実施例2で得られたCBグラフトポリマー組成物
(2)500部、電荷制御剤(保土ケ谷化学工業(株)
製、Aizen Spiron Black TRH)3部、アゾビスイソブチ
ロニトリル30部および2,2´−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)30部を配合した混合物を仕
込み、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)
により8,000rpmで5分間攪拌して均一な懸濁液
とした。次いで、窒素ガスを吹き込みながら65℃に加
熱し、この温度で5時間攪拌を続けて懸濁重合反応を行
った後、さらに75℃で1時間加熱した結果、重合率9
5%、平均粒子径が5.82μm、粒子径の変動係数が
20.5%の着色球状微粒子の懸濁液を得た。75℃に
保たれた着色球状微粒子の懸濁液にメタノール2,09
5部を添加し、さらに1時間加熱を行ったところ粒子同
士が融着してなるブロック状物を形成した。これを瀘過
し、熱風乾燥機を用いて50℃で10時間乾燥し、粒界
を残した融着状態で粟おこしの形状を呈したブロック状
物1,500部を得た。このブロック状物を超音速ジェ
ット粉砕機IDS2型(日本ニューマチック工業(株)
製)を用い15kg/hrのフィード量で解砕し、着色
微粒子(2)を得た。得られた着色微粒子(2)をコー
ルターカウンター(アパーチャ 100μm)で測定し
た結果、平均粒子径が5.67μmで、粒子径の変動係
数が18.7%であった。この着色微粒子(2)をその
まま静電荷像現像用トナー(2)として用いて、実施例
3と同様の方法で現像剤(2)を調製した。現像剤
(2)に関して画像の定着試験を行った結果を表2に示
す。
【0058】比較例3 比較例1で得られた比較用CBグラフトポリマー(a)
30部、スチレンブチルメタクリレート共重合物(三洋
化成(株)製、ハイマーSBM73)70部、低分子量
ポリプロピレン(三洋化成(株)製、ビスコール550
P)3部および電荷制御剤(保土谷化学工業(株)製、
Aizen Spiron Black TRH)1部をヘンシェルミキサー中
で攪拌混合し、さらにロールミルにより160℃で20
分間混練し、冷却後連続振動ミルで粗粉砕した。続い
て、ジェットミルを用いて微粉砕した後、分級し粒子径
が3〜15μmの比較用静電荷像現像用トナー(a)を
得た。この比較用静電荷像現像用トナー(a)5部に対
して平均粒子径50〜80μmの鉄粉キャリア95部と
を均一に混合し比較用現像剤(a)を調製した。比較用
現像剤(a)に関して画像の定着試験を行なった結果を
表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】実施例5 実施例1で得られたCBグラフトポリマー組成物(1)
50部とカルバナワックス50部とを100℃で30分
間攪拌混合することによって調製し、感熱転写インキ
(1)を得た。得られた感熱転写インキ(1)を厚さ6
μmの2軸延伸PETフィルムにインキ層の乾燥膜厚が
4μm厚になるように塗布した。塗布はインキに適した
温度に加温してインキを流動状態とし、ワイヤーバーを
用いて行った。得られた感熱転写シートをサーマルプリ
ンターに装着して普通紙に対して印画した。画像の引っ
かき強度を片方の端が直径1.5mmの半球状のステン
レス棒に150gの荷重をかけて画像面を擦り、傷のつ
く程度を評価した。結果を表3に示す。
【0061】比較例4 比較例1で得られた比較用CBグラフトポリマー(a)
50部とカルバナワックス50部とを100℃で30分
間攪拌混合することによって調製し、比較用感熱転写イ
ンキ(a)を得た。得られた感熱転写インキ(1)を用
いて実施例5と同様の方法で画像の引っかき強度を評価
した。結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、CB
に、反応性基を有する重合体(A)を反応させてCBグ
ラフトポリマーとし、さらにこのCBグラフトポリマー
にTPEを配合するものであり、該重合体(A)中の反
応性基がCBの表面官能基と高い反応性を示すために該
重合体(A)成分が高い効率でCB表面にグラフト化さ
れてCBの分散性が改善され、加えて、熱可塑性エラス
トマーの働きにより更にCBの分散性を向上させると共
にこの組成物自身の靭性を高めることができる。そして
重合体(A)およびTPEの組成、種類、組合せ等は任
意に選択することができるために、目的に応じて種々の
特性をCBに付与することが可能である。従って、この
ようにして得られる本発明のCBグラフトポリマー組成
物は、種々の物質との親和性が改良されており、例えば
有機高分子、水、有機溶剤等への分散性に著しく優れ、
かつカーボンブラックグラフトポリマー組成物自身の靭
性も著しく優れているために、静電荷像現像用トナー、
熱転写インキ等における着色剤や各種高分子の改質剤と
して好適に使用できる。また、本発明の製造方法によれ
ば、分散性、靭性を始めとする種々の特徴が一段と高め
られたCBグラフトポリマー組成物が、CBに、反応性
基を有する重合体(A)およびTPEを所定の温度条件
下に単に攪拌混合するだけという簡便な操作で製造でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−14257(JP,A) 特開 平1−284564(JP,A) 特開 平3−15861(JP,A) 特開 昭62−230872(JP,A) 特開 昭63−270767(JP,A) 特開 昭63−265913(JP,A) 特開 平5−45931(JP,A) 特開 昭62−27180(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/09 B41M 5/26 C08L 53/00,101/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンブラック100質量部と、アジ
    リジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルア
    ミド基、エポキシ基およびチオエポキシ基からなる群よ
    り選択される少なくとも1種の反応性基を有する重合体
    10〜500質量部とを熱可塑性エラストマーの存在下
    で50〜350℃の温度条件において撹拌混合すること
    を特徴とするカーボンブラックグラフトポリマー組成物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマーは、スチレン
    −ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SB
    S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリ
    マー(SIS)、または、SBSを水素添加したスチレ
    ン−エチレン・ブチレン−スチレンコポリマー(SEB
    S)もしくはスチレン−エチレン・プロピレン−スチレ
    ンコポリマー(SEPS)である、請求項に記載の製
    造方法。
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