JP3336781B2 - 防振支持装置 - Google Patents

防振支持装置

Info

Publication number
JP3336781B2
JP3336781B2 JP32106794A JP32106794A JP3336781B2 JP 3336781 B2 JP3336781 B2 JP 3336781B2 JP 32106794 A JP32106794 A JP 32106794A JP 32106794 A JP32106794 A JP 32106794A JP 3336781 B2 JP3336781 B2 JP 3336781B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
filter
fluid chamber
transfer function
neutral position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32106794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08177960A (ja
Inventor
和重 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP32106794A priority Critical patent/JP3336781B2/ja
Priority to US08/571,796 priority patent/US6062550A/en
Priority to GB9525888A priority patent/GB2296307B/en
Priority to DE19548039A priority patent/DE19548039B4/de
Publication of JPH08177960A publication Critical patent/JPH08177960A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3336781B2 publication Critical patent/JP3336781B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/06Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper
    • F16F13/22Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper the damper being a fluid damper, e.g. the plastics spring not forming a part of the wall of the fluid chamber of the damper characterised by comprising also a dynamic damper
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F13/00Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs
    • F16F13/04Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper
    • F16F13/26Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions
    • F16F13/264Units comprising springs of the non-fluid type as well as vibration-dampers, shock-absorbers, or fluid springs comprising both a plastics spring and a damper, e.g. a friction damper characterised by adjusting or regulating devices responsive to exterior conditions comprising means for acting dynamically on the walls bounding a working chamber

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば車両のエンジ
ン等のように周期的な振動を発する振動体を車体等の支
持体に防振しつつ支持する装置に関し、特に、所謂流体
封入式の防振支持装置において、大出力可能な大型で高
価な装置としなくても、大振幅入力等も十分に低減でき
るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】一般に車両のパワーユニットを支持する
ために用いられる防振支持装置であるエンジンマウント
には、主として、アイドル振動やこもり音振動及び加速
時騒音振動等対して良好な防振機能が発揮されること
が要求されるが、これら各種の振動のうち、20〜30
Hz程度の比較的大振幅の振動であるアイドル振動を低減
するために防振支持装置に要求される特性は、高動ばね
定数で且つ高減衰であるのに対し、80〜800Hz程度
の比較的小・中振幅の振動であるこもり音振動・加速時
騒音振動を低減するために防振支持装置に要求される特
性は、低動ばね定数で且つ低減衰である。従って、通常
の弾性体のみからなるエンジンマウントや、従来の液体
封入式のエンジンマウントでは、全ての振動を防振する
ことは困難である。
【0003】そこで、例えば特開平5−332392号
公報に開示されるように、能動的な支持力を発生可能な
液体封入式の防振支持装置が従来から存在する。即ち、
この公報記載の防振支持装置にあっては、振動体又は支
持体の一方に固定される内筒と、この内筒を包囲すると
ともに振動体又は支持体の他方に固定される外筒と、こ
れら内筒及び外筒間に介在する支持弾性体と、その支持
弾性体によって画成された主液体室と、容積可変の副液
体室と、これら主液体室及び副液体室間を連通させるオ
リフィスと、これら主液体室,副液体室及びオリフィス
内に封入された流体と、主液体室の容積を変化させる方
向に変位可能な可動板と、この可動板を駆動させるアク
チュエータと、を備えていて、オリフィスを通じての流
体の往来により所望の減衰力を発生させる一方で、可動
板の変位による支持弾性体の拡張方向ばねの弾性変形に
よって能動的な支持力を発生させるようにしていた。
【0004】そして、上記公報記載の防振支持装置にあ
っては、支持弾性体が主液体室内の液圧変動により拡張
するときの容積変動をその支持弾性体の拡張方向変位で
除した受圧面積A1 と、可動板の変動に対する主液体室
の容積変動をその可動板の変位で除した受圧面積A2
の比によって、能動的な支持力の大きさが左右されるこ
とに着目し、それら受圧面積の比(A2 /A1 )の値を
0.3 〜0.8 に設定することにより防振支持装置の出力効
率を上げるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように受圧面積の比を選定して防振支持装置の出力効
率を向上させても、例えばディーゼル車両において停車
時のエンジン低回転時に発生する大振幅のアイドル振動
を十分に打ち消して良好な防振効果を得るためには、支
持力を発生するアクチュエータを大型化して主液体室に
入力される力自体を大きくしなければならないという問
題点があった。特に、アクチュエータの大型化は、大幅
なコストアップを招くとともに、搭載スペース上の制約
が大きい車両に適用する場合には実現自体が不可能な場
合もあった。
【0006】本発明は、このような従来の技術が有する
解決すべき課題に着目してなされたものであって、大型
のアクチュエータを用いなくても大きな振幅の大きな振
動を低減し得る支持力を発生させることができる防振支
持装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、周期的な振動を発する振動
体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体
と、この支持弾性体によって画成された主流体室と、こ
の主流体室にオリフィスを介して連通する容積可変の副
流体室と、これら主流体室,副流体室及びオリフィス内
に封入された流体と、前記主流体室の隔壁の一部を形成
する可動部材と、この可動部材を前記主流体室の容積を
変化させる方向に変位可能に弾性支持し且つ非線形のば
ね特性を示す弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変
位させる変位力を発生するアクチュエータと、前記可動
部材の変位発生中立位置を移動させる中立位置制御手段
と、を備えた。
【0008】また、請求項2に係る発明は、周期的な振
動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在す
る支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された主
流体室と、この主流体室にオリフィスを介して連通する
容積可変の副流体室と、これら主流体室,副流体室及び
オリフィス内に封入された流体と、前記主流体室の隔壁
の一部を形成する可動部材と、この可動部材を前記主流
体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持し且
つ非線形のばね特性を示す弾性部材と、前記可動部材を
前記方向に変位させる変位力を発生するアクチュエータ
と、を備え、前記オリフィス内の前記流体を質量とし前
記支持弾性体の拡張方向ばね及び前記弾性部材をばねと
した流体共振系の、前記可動部材に外力が付与されてい
ない状況で減衰が最大となる周波数、前記周期的な振
動の最低周波数に一致又は略一致するように前記可動部
材の変位発生中立位置を移動させる中立位置制御手段を
設けた。
【0009】そして、請求項に係る発明は、上記請求
2に係る発明である防振支持装置において、車両に適
用され且つ前記振動体がエンジンであり、前記流体共振
系の、前記アクチュエータが前記変位力を発生していな
い状況で減衰が最大となる周波数を、前記車両のアイド
ル振動周波数に一致又は略一致させた。また、請求項
に係る発明は、上記請求項13に係る発明である防振
支持装置において、前記可動部材を磁化可能な材料で形
成するとともに、前記アクチュエータを電磁アクチュエ
ータとし、前記中立位置制御手段を、前記電磁アクチュ
エータの励磁コイルに直流電圧を印加する直流電圧印加
手段とした。
【0010】これに対し、請求項に係る発明は、上記
請求項13に係る発明である防振支持装置において、
前記可動部材の前記主流体室とは逆側を向く面によって
画成される空間を密閉空間とし、前記中立位置制御手段
を、前記密閉空間の内圧を制御する圧力制御手段とし
た。さらに、請求項に係る発明は、上記請求項1〜5
に係る発明である防振支持装置において、前記振動源に
おける振動の発生状態を検出し基準信号を生成する基準
信号生成手段と、前記支持体側での残留振動を検出し残
留振動信号として出力する残留振動検出手段と、フィル
タ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号
を前記適応ディジタルフィルタでフィルタ処理して前記
アクチュエータを駆動させる駆動信号を生成する駆動信
号生成手段と、前記変位力及び前記残留振動検出手段間
の伝達関数をモデル化した伝達関数フィルタと、前記基
準信号を前記伝達関数フィルタでフィルタ処理して更新
用基準信号を生成する更新用基準信号生成手段と、前記
支持体側での振動レベルが低減するように前記残留振動
信号及び前記更新用基準信号に基づき適応アルゴリズム
に従って前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を
更新する適応処理手段と、を備えた。
【0011】また、請求項に係る発明は、上記請求項
に係る発明である防振支持装置において、前記周期的
な振動の周波数が一定の状況であるか否かを判定する振
動状況判定手段と、前記適応ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数が最適値に収束しているか否かを判定する収束
判定手段と、を備え、前記中立位置制御手段は、前記振
動状況判定手段が前記周波数が一定であると判定し且つ
前記収束判定手段が前記フィルタ係数が最適値に収束し
ていると判定した場合に前記残留振動信号のレベルが低
減する方向に前記変位発生中立位置を移動させるように
した。
【0012】そして、請求項に係る発明は、上記請求
に係る発明において、前記中立位置制御手段は、前
記残留振動信号のレベルが十分低減した後にそのレベル
が悪化しない範囲で消費エネルギが低減するように前記
変位発生中立位置を再移動させるようにした。さらに、
請求項に係る発明は、上記請求項に係る発明で
ある防振支持装置において、前記伝達関数フィルタを、
前記変位力及び前記残留振動検出手段間の伝達関数から
前記流体共振系の共振の周波数成分及び前記可動部材の
共振の周波数成分を除いた成分に応じた第1伝達関数フ
ィルタと、前記流体共振系の共振の周波数成分に応じた
第2伝達関数フィルタと、前記可動部材の共振周波数成
分に応じた第3伝達関数フィルタと、で構成した。
【0013】そして、請求項10に係る発明は、上記請
求項に係る発明である防振支持装置において、前記第
2伝達関数フィルタ及び前記第3伝達関数フィルタを前
記変位発生中立位置に応じて可変とした。
【0014】
【作用】請求項1に係る発明にあっては、可動部材を弾
性支持する弾性部材のばね特性が非線形であるため、そ
の可動部材の変位に応じて弾性部材が弾性変形すると、
防振支持装置内の流体共振系(オリフィス内の流体を
“質量”とし、支持弾性体の拡張方向ばね及び弾性部材
からなる直列ばねを“ばね”とした流体共振系)を構成
する“ばね”の大きさが変化することになる。つまり、
弾性部材の変位発生中立位置を適宜調整することによ
り、防振支持装置の動ばね定数や減衰特性が変化する。
【0015】そして、その流体共振系の減衰が最大とな
る周波数(以下、減衰最大周波数と称す。)に一致又は
略一致する周波数の振動が入力されている状況では、入
力振動を打ち消すためにアクチュエータに必要な制御力
は小さくなる。その理由は、制御中に流体共振によって
発生する受動的な力がアクチュエータの発生力に加わ
り、アクチュエータの負担分がそれだけ小さくなるから
である。
【0016】そして、本発明であれば、中立位置制御手
段が可動部材の変位発生中立位置を移動させるから、流
体共振系の減衰が最大となる周波数が変化し、アクチュ
エータの負担分が変化する。一方、請求項2に係る発明
であれば、流体共振系の減衰最大周波数が防振支持装置
に入力される周期的な振動の最低周波数に一致又は略一
致しているから、その最低周波数の振動が入力されてい
る状況であれば可動部材の変位発生中立位置を積極的に
変化させなくても、アクチュエータに必要な制御力は小
さくなる。そして、入力される振動の周波数が最低周波
数から上昇すると、中立位置制御手段が、流体共振系の
減衰最大周波数が入力される振動の周波数に一致又は略
一致するように可動部材の変位発生中立位置を移動させ
るから、アクチュエータに必要な制御力は小さくて済
む。つまり、アクチュエータに必要な制御力は常に小さ
い状態を保つことになる。
【0017】例えば、請求項に係る発明にあっては、
減衰最大周波数がアイドル振動周波数に一致又は略一致
しているから、アイドル振動が入力されている状況では
アクチュエータに必要な制御力は小さく、そのアイドル
振動周波数よりも高い周波数のこもり音振動等が入力さ
れると、中立位置制御手段が、減衰最大周波数がそのこ
もり音振動の周波数に一致又は略一致するように可動部
材の変位発生中立位置を移動させるから、やはりアクチ
ュエータに必要な制御力は小さくて済む。
【0018】そして、請求項に係る発明にあっては、
中立位置制御手段としての直流電圧印加手段によって電
磁アクチュエータの励磁コイルに直流電圧が印加される
と、その直流電圧に応じた電磁力が発生して可動部材が
電磁アクチュエータ側に引き寄せられて変位発生中立位
置が変化し、それに伴い可動部材を弾性支持する弾性部
材のばね定数が変化する。このように、可動部材の変位
発生中立位置及び弾性部材のばね定数は、電磁アクチュ
エータに印加される直流電圧の大きさに応じて変化す
る。
【0019】これに対し、請求項に係る発明にあって
は、中立位置制御手段としての圧力制御手段によって密
閉空間の内圧が制御(例えば、減圧)されると、可動部
材の主流体室とは逆側を向く面がその密閉空間の隔壁の
一部を形成しているため、その密閉空間の内圧に応じて
可動部材が変位するから、やはり変位発生中立位置が変
化し、それに伴い可動部材を弾性支持する弾性部材のば
ね定数が変化する。このように、可動部材の変位発生中
立位置及び弾性部材のばね定数は、密閉空間の内圧に応
じて変化する。
【0020】そして、請求項に係る発明にあっては、
上記請求項1〜5に係る発明の作用に加え、適応制御が
実行されるため、振動が確実に低減されるという作用も
得られる。即ち、基準信号生成手段によって生成された
基準信号が適応ディジタルフィルタでフィルタ処理され
て駆動信号が生成されるが、制御開始直後は適応ディジ
タルフィルタのフィルタ係数が最適値に収束していると
は限らないため、その駆動信号によってアクチュエータ
が駆動されても振動が低減するような制御力が発生する
とは必ずしも言えない。しかし、制御が進むと、適応デ
ィジタルフィルタのフィルタ係数は、適応処理手段によ
って適宜更新されて最適値に向かって収束していくた
め、ある程度最適値に収束した後には駆動信号生成手段
によって生成された駆動信号がアクチュエータに供給さ
れると、振動が低減するような制御力が発生するように
なる。
【0021】さらに、請求項に係る発明にあっては、
振動状況判定手段によって振動の周波数が一定であると
判定され且つ収束判定手段によって適応ディジタルフィ
ルタのフィルタ係数が最適に収束していると判定された
場合に、中立位置制御手段によって可動部材の変位発生
中立位置が移動される。つまり、減衰最大周波数の目標
値である振動の周波数が推移しておらず、しかも振動低
減制御が良好となっている状況下において、アクチュエ
ータに対する駆動信号が一定でもより大きな制御力を発
生させてさらに良好な振動低減効果が得られる変位発生
中立位置が探索されることになる。
【0022】そして、請求項に係る発明にあっては、
その請求項7に係る発明の作用に加えて、中立位置制御
手段が、アクチュエータでの消費エネルギが低減するよ
うに変位発生中立位置を再移動させるから、振動低減効
果の悪化を招くことなく、アクチュエータに必要な制御
力がさらに小さくなる。ここで、請求項に係る発
明にあっては、アクチュエータが発生する可動部材の変
位力と残留振動検出手段との間には無視できない伝達関
数(特に、位相特性)が存在するため、適応ディジタル
フィルタのフィルタ係数を更新するためには、その伝達
関数をモデル化した伝達関数フィルタで基準信号をフィ
ルタ処理して更新用基準信号を生成する必要がある。そ
して、その伝達関数を構成する成分のうち、流体共振系
の共振の周波数成分と、可動部材の共振周波数成分と
は、弾性部材の弾性変形を伴う可動部材の変位発生中立
位置の影響を受けて変化するため、請求項に係る発明
のように、各成分毎に第1〜第3伝達関数フィルタとし
て構成することができる。
【0023】そして、請求項10に係る発明のように、
変位発生中立位置の影響を受けて変化する第2及び第3
伝達関数フィルタを、その変位発生中立位置に応じて可
変とすれば、現実により合致した適応制御が実行され
る。
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の第1実施例を示す図であり、こ
の実施例は、本発明に係る防振支持装置を、エンジンか
ら車体に伝達される振動を能動的に低減する所謂アクテ
ィブエンジンマウントに適用したものである。また、図
2はこのエンジンマウント1を実際に搭載した状態を示
す全体構成図であり、先ず、これら図1及び図2に従っ
て本実施例の構成を説明する。
【0025】即ち、このエンジンマウント1は、振動体
としてのエンジン30への取付け用の取付けボルト2a
を上部に一体に備え且つ内側が空洞で下部が開口した取
付部材2を有し、この取付部材2の下部外面には内筒3
の上端部がかしめ止めされている。この内筒3の内側に
は、取付部材2及び内筒3の内側の空間を上下に二分す
るように、それら取付部材2及び内筒3のかしめ止め部
分の下側に挟み込まれてダイアフラム4が配設されてい
て、このダイアフラム4によって二分された空間のう
ち、ダイアフラム4の上側の空間は大気圧に通じ、ダイ
アフラム4の下側の空間にはオリフィス構成体5が配設
されている。
【0026】一方、内筒3の外周面には、内周面及び外
周面の軸方向位置が内周側が高くなるように成形されて
いる円筒状の支持弾性体6の内周面が加硫接着されてい
て、その支持弾性体6の外周面は外筒7の内周面に加硫
接着されている。そして、外筒7の下端部は、上面側が
開口した円筒形のアクチュエータケース8の上部のフラ
ンジ部8Aにかしめ止めされていて、そのアクチュエー
タ保持部材8の下端面からは、車体36に固定される支
持体としてのメンバ35側への取付け用の取付けボルト
9が突出している。取付けボルト9は、その頭部9a
が、アクチュエータケース8の内底面の凹部8aに嵌合
したキャップ8bの空洞部に収容されている。
【0027】さらに、アクチュエータケース8の内側に
は、これと同軸にキャップ8b上面に固定された円筒形
のヨーク10Aと、このヨーク10A内の上端面側に軸
を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル10Bと、ヨ
ーク10Aの励磁コイル10Bに包囲された部分の上面
に極を上下に向けて固定された永久磁石10Cと、から
構成される電磁アクチュエータ10が配設されている。
なお、アクチュエータケース8内周面と電磁アクチュエ
ータ10外周面との間には、その電磁アクチュエータ1
0を固定するためのアダプタ10aを介在させている。
【0028】また、アクチュエータケース8の開口部側
を覆うように金属製の円形の板ばね11が配設されてい
る。この板ばね11(弾性部材)は、弾性変形量に応じ
てばね定数が変化する非線形のばね特性を示すようにな
っており、その周縁部11aが外筒7下端部のかしめ止
め部分にフランジ部8Aと一体に挟み込まれることによ
り配置されている。そして、その板ばね11の中央部1
1bの裏面側(電磁アクチュエータ10側)には、リベ
ット等によって磁化可能な材料製(例えば、鉄製)の円
盤状の磁路部材12(可動部材)が、電磁アクチュエー
タ10上端面との間で所定のクリアランスを開けるよう
に固定されている。ここで、板ばね11が本発明におけ
る弾性部材に対応するとともに、これら板ばねの中央部
11b及び磁路部材12によって、本発明における可動
部材が構成される。
【0029】さらに、本実施例では、支持弾性体6の下
面及び板ばね11の上面によって画成された部分に主流
体室15が形成され、ダイアフラム4及びオリフィス構
成体5によって画成された部分に副流体室16が形成さ
れていて、これら主流体室15及び副流体室16間が、
オリフィス構成体5に形成されたオリフィス5aを介し
て連通している。なお、これら主流体室15,副流体室
16及びオリフィス5a内には油等の流体が封入されて
いる。
【0030】ここで、オリフィス5a内の流体の質量
と、支持弾性体6の拡張方向ばね及び板ばね11で構成
された流体共振系の特性は、図3に示す非制御時(磁路
部材12に電磁アクチュエータ10からの制御力等の外
力が加わっていないとき)の減衰ピーク周波数(減衰が
最大となる周波数)が、車両停車中に発生するアイドル
振動の周波数に一致するように調整されている。
【0031】そして、電磁アクチュエータ10の励磁コ
イル10Bは、電磁アクチュエータ制御手段としてのコ
ントローラ20に図示しないハーネスを介して接続され
ていて、かかるコントローラ20から供給される駆動電
流としての駆動信号yに応じて所定の電磁力を発生する
ようになっている。コントローラ20は、マイクロコン
ピュータ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,
D/A変換器,アンプ等を含んで構成されていて、アイ
ドル振動周波数及びそれ以上の高周波の振動(例えば、
こもり音振動)が入力されている場合には、その振動と
同じ周期の制御振動がエンジンマウント1に発生して、
メンバ35への振動の伝達力が“0”となるように(よ
り具体的には、エンジン30側の振動によってエンジン
マウント1に入力される加振力が、電磁アクチュエータ
10の電磁力によって得られる制御力で相殺されるよう
に)、駆動信号yを生成し励磁コイル10Bに供給する
ようになっている。
【0032】ここで、アイドル振動やこもり音振動は、
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動がエンジンマウント1を介してメ
ンバ35に伝達されることが主な原因であるから、その
エンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し出
力すれば、振動伝達率の低減が可能となる。そこで、本
実施例では、エンジン30のクランク軸の回転に同期し
た(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、クラ
ンク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信号
を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成器2
1を設けていて、その基準信号xが、エンジン30にお
ける振動の発生状態を表す信号としてコントローラ20
に供給されている。
【0033】一方、メンバ35には、エンジンマウント
1の取り付け位置に近接して、メンバ35の振動状況を
加速度の形で検出し残留振動信号eとして出力する加速
度センサ22が固定されていて、その残留振動信号e
が、干渉後における振動を表す信号としてコントローラ
20に供給されている。そして、コントローラ20は、
それら基準信号x及び残留振動信号eに基づき、逐次更
新形の適応アルゴリズムの一つであるFiltered
−X LMSアルゴリズム、より具体的には、同期式F
iltered−X LMSアルゴリズムに従って駆動
信号yを生成し出力する。
【0034】即ち、コントローラ20は、フィルタ係数
i (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ数)可
変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最新の基
準信号xが入力された時点から所定サンプリング・クロ
ックの間隔で、その適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する一方、エ
ンジン30からエンジンマウント1を介してメンバ35
に伝達される振動が低減するように、基準信号x及び残
留振動信号eに基づいて適応ディジタルフィルタWのフ
ィルタ係数Wi を適宜更新する処理を実行する。ただ
し、本実施例にあっては、磁路部材12の変位発生中立
位置を所望の位置に制御するために、フィルタ係数Wi
をそのまま駆動信号yとするのではなく、そのフィルタ
係数Wi と所定のオフセット成分とを加算した結果を駆
動信号yとして出力するようになっている。
【0035】適応ディジタルフィルタWの更新式は、F
iltered−X LMSアルゴリズムに従った下記
の(1)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)−μRT e(n) ……(1) ここで、(n)が付く項は時刻nにおける値であること
を表し、また、μは収束係数と呼ばれる係数であってフ
ィルタ係数Wi の収束の速度やその安定性に関与する係
数である。RT は、理論的には、基準信号xを、電磁ア
クチュエータ10で発生する力と加速度センサ22との
間の伝達関数Cをモデル化した伝達関数フィルタC^で
フィルタ処理した値(リファレンス信号若しくはFilter
ed-X信号)であるが、この実施例では同期式Filte
red−X LMSアルゴリズムを適用した結果基準信
号xがインパルス列であるため、伝達関数フィルタC^
のインパルス応答を基準信号xに同期して次々に生成し
た場合のそれらインパルス応答波形の時刻nにおける和
に一致する。
【0036】ただし、本実施例では、伝達関数フィルタ
C^は、電磁アクチュエータ10で発生する力と加速度
センサ22との間の伝達関数Cから、上述した流体共振
系の共振の周波数成分及び磁路部材12の共振の周波数
成分を除いた成分に応じた第1伝達関数フィルタC1^
と、前記流体共振系の共振の周波数成分に応じた第2伝
達関数フィルタC2^と、前記可動部材の共振周波数成
分に応じた第3伝達関数フィルタC3^と、に分けて記
憶されている。そして、それら第1〜第3伝達関数フィ
ルタC1 ^〜C3^のうち、第1伝達関数フィルタC1
^のフィルタ係数は固定であるが、第2伝達関数フィル
タC2^及び第3伝達関数フィルタC3^のフィルタ係
数は後述するように電磁アクチュエータ10に印加され
る直流電圧に応じて切り換わるようになっている。
【0037】また、理論的には、適応ディジタルフィル
タWで基準信号xをフィルタ処理して駆動信号yを生成
することになり、フィルタ処理はディジタル演算では畳
み込み演算に該当するが、基準信号xがインパルス列で
あるので、上述したように最新の基準信号xが入力され
た時点から、所定サンプリング・クロックの間隔で適応
ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi を順番に駆
動信号yとして出力しても、フィルタ処理の結果を駆動
信号yとしたのと同じ結果になる。
【0038】ここで、このエンジンマウント1をモデル
で表すと、図4に示すようになる。なお、この図4中、
f はオリフィス5a内の流体質量[kg]、Cf はオ
リフィス5a内の流体粘性減衰係数[Ns/m]、Km
は支持弾性体6の支持方向のばね定数[N/m]、Ke
は支持弾性体の拡張方向のばね定数[N/m]、Kp
板ばね11のばね定数[N/m]、fa は電磁アクチュ
エータ10が磁路部材12に及ぼす制御力[N]、x0
はエンジン30側からエンジンマウント1に入力される
変位[m]、xf はオリフィス5a内の流体の変位
[m]、x1 は支持弾性体6の拡張方向ばねの上部にお
ける変位[m]、xp は磁路部材12の変位[m]、
f' は支点反力[N]、fはメンバ35側への伝達力
[N]、Rは支持弾性体6の拡張方向ばねの有効受圧面
積Au [m2 ]と磁路部材12の有効受圧面積Ap [m
2 ]との比(Ap /Au )、rは有効受圧面積Au とオ
リフィス5a穴受圧面積Ao との比(Au /Ao )であ
る。
【0039】そして、このモデルの運動方程式は下記の
(2)式のようになり、梃子部変位釣り合い式は下記の
(3)式のようになり、支点O1 ,O2 回りのモーメン
ト釣り合い式はそれぞれ下記の(4),(5)式のよう
になり、エンジンマウント1の力の伝達式は下記の
(6)式のようになる。 Mf (dxf 2 /dt2 )+Cf (dxf /dt−dx0 /dt) −(l/r)Ke (x1 −Rxp )=0 ……(2) (xf −x0 )=r(x1 −x0 ) ……(3) R・Ke (x1 −R・xp )−Kp ・xp +fa =0 ……(4) (R−l)ke (x1 −R・xp )−f' =0 ……(5) f=Km ・x0 −fa +Kp p −f' ……(6) これらのうち、(6)式において電磁アクチュエータ1
0の制御力fa を0とした場合が流体封入式のエンジン
マウント1としての特性であり、その動ばね定数及び減
衰特性は、図3に示すようになる。これに対し、(6)
式における伝達力fを0とするために電磁アクチュエー
タ10に必要な制御力(アクチュエータ必要制御力)
は、図5に示すような特性であり、図3に示した減衰ピ
ーク周波数において最小となることが判る。これは、制
御実行時にオリフィス5aを通過する流体の共振により
受動的に発生する力が、電磁アクチュエータ10によっ
て発生する能動的な制御力に加わるから、トータルの制
御力が同じであれば電磁アクチュエータ10の負担分が
小さくて済むからである。しかしながら、図5からも明
らかなように、制御周波数(振動の周波数)がその減衰
ピーク周波数からずれてしまうと、アクチュエータ必要
制御力は大きくなってしまう。
【0040】一方、非線形ばねである板ばね11の変形
量とばね定数との関係は、図6に示すようになってい
る。即ち、図6の横軸は板ばね11の変形量を示し、a
は磁路部材12の重量のみより変形した状態、b,cは
それぞれ電磁アクチュエータ10の電磁力によりその電
磁アクチュエータ10側に引っ張られた状態に対応する
ものである。
【0041】また、図7(a)〜(c)は磁路部材12
の変位の状態を表しており、それぞれ図6のa〜cに対
応している。つまり、磁路部材12が電磁アクチュエー
タ10側に変位する程板ばね11のばね定数Kp は大き
くなるようになっている。そして、板ばね11は、上述
した流体共振系の一部分を構成しているため、そのばね
定数が変化すると、流体共振系の特性が変化し、その特
性によって略決まるエンジンマウント1の動ばね特性及
び減衰特性も変化することになる。具体的には、図8に
示すように、板ばね11のばね定数Kp が高くなるに従
って、動ばね特性及び減衰特性は、それぞれa〜cのよ
うに推移していく。なお、図8の各特性a〜cは、図6
のa〜cに対応するものである。
【0042】このように、図8からも明らかなように、
磁路部材12を変位させて板ばね11の変形量を調整し
そのばね定数Kp を変化させると、減衰ピーク周波数も
推移するが、図5に示したように減衰ピーク周波数にお
いてアクチュエータ必要制御力が最も小さくなることか
ら、結局のところ、磁路部材12の変位発生中立位置を
適宜変位させれば、アクチュエータ必要制御力が最も小
さくなる周波数を振動の周波数に一致させることができ
るのである。
【0043】そこで、コントローラ20は、上述した能
動的な振動低減制御を実行する一方で、電磁アクチュエ
ータ10に必要な制御力が最も小さくなるように、磁路
部材12の変位発生中立位置を移動させる制御を実行す
るようになっている。具体的には、コントローラ20
は、エンジン30で発生する振動の周波数が一定である
と判定され、且つ、適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi が十分に最適値に収束していると判定された
状況となると、防振効果が向上し且つ電磁アクチュエー
タ10における消費電力が小さくなるオフセット位置に
磁路部材12の変位発生中立位置が移動するように、電
磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bに印加される
直流電圧の大きさを適宜変更するような制御を実行する
ようになっている。
【0044】次に、本実施例の作用を説明する。即ち、
アイドル振動周波数以上の周波数の振動が入力される
と、コントローラ20は、所定の演算処理を実行し、電
磁アクチュエータ10に駆動信号yを出力し、エンジン
マウント1に振動を低減し得る能動的な制御力を発生さ
せる。これを、コントローラ20内で実行される処理の
概要を示すフローチャートである図9に従って具体的に
説明する。なお、この図9に示す処理は、以下詳細に説
明するが、インパルス列でなる基準信号xに同期して1
サイクルの処理が実行されるとともに、その基準信号x
の入力タイミングで開始される所定時間間隔のクロック
パルスに同期して1サンプリングの処理が実行されるよ
うになっている。
【0045】先ず、そのステップ101において所定の
初期設定が行われた後に、ステップ102に移行し、所
定の記憶領域に保存されている第1〜第3伝達関数フィ
ルタC1^〜C3^を読み込む。次いで、ステップ10
3に移行しカウンタ(1サイクル内における駆動信号y
の出力回数を計数するためのカウンタ)iを零クリアし
た後に、ステップ104に移行し、後述する処理で加算
される駆動信号和Ty1を駆動信号和Ty2に代入して一時
保存するとともに、その駆動信号和Ty1を零リセットす
る。
【0046】そして、ステップ105に移行し、適応デ
ィジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi と、後
述する処理で設定される直流電圧としてのオフセット駆
動信号ydcとを加算して駆動信号yを演算し、これをス
テップ106で電磁アクチュエータ10の励磁コイル1
0Bに出力する。次いで、ステップ107に移行し、駆
動信号yを駆動信号和Ty1として累積した後に、ステッ
プ108に移行し、残留振動信号eを読み込む。そし
て、ステップ109に移行し、残留振動信号eを残留振
動信号和Te として累積する。
【0047】次いで、ステップ110に移行し第1〜第
3伝達関数フィルタC1^〜C3^を重ね合わせて(具
体的には、各フィルタ係数を時間軸上で整合させた上で
加算して)伝達関数フィルタC^を求め、ステップ11
1に移行し、基準信号xを伝達関数フィルタC^でフィ
ルタ処理して更新用基準信号RT を演算する。なお、更
新用基準信号RT の具体的な演算は上述した通りであ
る。
【0048】次いで、ステップ112に移行し、カウン
タjを零クリアする。なお、このカウンタjは、適応デ
ィジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新演算を必
要な回数だけ行ったか否かを判定するためのカウンタで
ある。そして、ステップ113に移行し、上記(1)式
に従って適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wj
を更新する。ステップ113における更新処理が完了し
たら、ステップ114に移行し、次の基準信号xが入力
されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力さ
れていないと判定された場合は、適応ディジタルフィル
タWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処
理を実行すべく、ステップ115に移行する。
【0049】ステップ115では、カウンタjが、エン
ジン30の最低回転数で決まる基準信号xの最大周期を
サンプリング・クロックで割った数である最大サンプリ
ング数Tap(正確には、カウンタjは0からスタート
するため最大サンプリング数Tapから1を減じた値)
に達しているか否かを判定する。この判定は、フィルタ
係数Wi に基づいた駆動信号yをステップ106で出力
した後に、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数W
j を必要な数だけ更新したか否かを判断するためのもの
である。そこで、このステップ115の判定が「NO」
の場合には、ステップ116でカウンタjをインクリメ
ントした後に、ステップ113に戻って上述した処理を
繰り返し実行する。
【0050】しかし、ステップ115の判定が「YE
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数を必要な数だけ更新処理したと判断できるから、ス
テップ117に移行する。ステップ117では、フィル
タ係数Wi からなる数列から直流成分を除去した後に、
ステップ118に移行し、オフセット駆動信号ydcに応
じたフィルタ係数Wi の上限値Wmax を演算する。具体
的には、電磁アクチュエータ10で出力し得る最大制御
力から、現時点でのオフセット駆動信号ydcに対応した
制御力を差し引いた残りの出力可能な制御力を求め、そ
の出力可能な制御力に対応する駆動信号を上限値Wmax
とする。
【0051】次いで、ステップ119に移行し、各フィ
ルタ係数Wi のいずれか一つでも上限値Wmax を越えて
いるか否かを判定し、ここで越えていないと判定された
場合には、ステップ120に移行して補正係数βを1に
設定する一方、越えていると判定された場合には、ステ
ップ121に移行し補正係数βを0を越えて1未満の数
に設定する。具体的には、ステップ121では、補正係
数βを各フィルタ係数Wi に乗じた結果が上限値Wmax
以下で且つ限りなくその上限値Wmax に近い値となるよ
うに設定する。そして、ステップ122に移行し、各フ
ィルタ係数Wiに補正係数βを乗じその結果でフィルタ
係数Wi を置き換える。
【0052】このステップ117〜122の処理を実行
するのは、ステップ113で更新されたフィルタ係数W
j をそのまま用いて駆動信号yを生成すると、コントロ
ーラ20や電磁アクチュエータ10等の特性上から出力
可能な駆動信号yに上限値がある場合、上限値を越える
駆動信号yがその上限値に強制的に修正されてしまうの
に対し、上限値を越えない駆動信号yはそのまま出力さ
れるため、駆動信号yに実際には存在しない高調波成分
が重畳されたことと等価になって、振動低減制御を劣化
させる原因となるからである。つまり、ステップ117
〜122の処理を実行すれば、駆動信号yが上限値を越
える場合には、駆動信号y全体が同じ形で縮小されてレ
ベルのみが修正されるから、不要な高調波成分が重畳さ
れるようなことが容易に回避できるのである。
【0053】ステップ122の処理を終えたら、ステッ
プ123に移行し、ここでカウンタiをインクリメント
した後に、上記ステップ106の処理を実行してから所
定のサンプリング・クロックの間隔に対応する時間が経
過するまで待機し、サンプリング・クロックに対応する
時間が経過したら、上記ステップ105に戻って上述し
た処理を繰り返し実行する。
【0054】しかし、ステップ114で基準信号xが入
力されたと判断された場合には、ステップ124に移行
し、直前の1サイクル処理の長さと、その前の1サイク
ルの処理の長さとを比較することにより、制御の周期
(つまり、エンジン30で発生する振動の周期,周波
数)が増減したか否かを判定する。具体的には、本実施
例にあっては、駆動信号yの出力回数がカウンタiによ
って計数され、その駆動信号yの出力間隔は1サンプリ
ング周期として一定であるため、最新の1サイクル処理
におけるカウンタiの最終値と、一つ前の1サイクル処
理におけるカウンタiの最終値とを比較して、両者が一
致しなければ周期が増減したと判断して判定は「YE
S」となり、両者が一致すれば周期は増減していないと
判断して判定は「NO」となる。
【0055】このステップ124の判定が「YES」の
場合には、ステップ125に移行して、第2伝達関数フ
ィルタC2^及び第3伝達関数フィルタC3^の各フィ
ルタ係数の値を、現時点のカウンタiの値に応じて例え
ば記憶領域から読み出すことにより更新する。これは、
ステップ124の判定が「YES」となるということ
は、エンジン30で発生しエンジンマウント1に入力さ
れる振動の周波数が変化したということであり、その振
動の周波数が変化すると本実施例では磁路部材12の変
位発生中立位置が変化するため、流体共振系の共振周波
数成分と、磁路部材12の共振周波数成分とが変化し
て、第2伝達関数フィルタC2^及び第3伝達関数フィ
ルタC3^の基となっている伝達関数も変化しているか
ら、正確な適応制御を実行するためには、それら伝達関
数フィルタを現実に合致させることが望ましいからであ
る。つまり、このステップ125の処理を実行すること
によって、第2伝達関数フィルタC2^及び第3伝達関
数フィルタC3^のそれぞれが、磁路部材12の変位発
生中立位置を追従するように変化することになる。
【0056】次いで、ステップ126に移行し、次の1
サイクル処理におけるオフセット駆動信号の初期値y
idc に現時点のオフセット駆動信号ydcを代入し、ステ
ップ127に移行してカウンタkを零クリアする。な
お、このカウンタkは、オフセット駆動信号ydcの極性
を決めるために必要なカウンタである。そして、ステッ
プ128に移行し、適応制御の収束性を判定するために
必要な変数を零クリアする。具体的には、第m周期にお
ける残留振動信号和Te の最終値である残留振動信号和
EL(m)、残留振動信号和の平均値AVEL、残留振
動振動和Te と平均値AVELとの残差ΔELという、
(m+2)個の変数を零クリアする。次いで、ステップ
129に移行し、オフセット駆動信号ydcを更新する処
理を実行する必要があるか否かを判定するための変数D
CYNを零クリアし、その後にステップ103に戻って
上述した処理を再び実行する。
【0057】これに対し、ステップ124の判定が「N
O」の場合には、ステップ130に移行し、変数DCY
Nが0であるか否かを判定する。このステップ130の
判定が「NO」の場合には、オフセット駆動信号ydc
更新する必要はない、つまり現時点のオフセット駆動信
号ydcは、現時点の振動の周波数に応じて最適な状態に
設定されていると判断できるから、そのままステップ1
03に戻り上述した処理を再び実行する。
【0058】しかし、ステップ130の判定が「YE
S」の場合には、振動の周波数が変化した後にオフセッ
ト駆動信号ydcを最適な状態に設定する処理は未だ実行
されていない或いは完了していないと判断できるから、
ステップ131に移行する。ステップ131では、適応
制御が収束しているか否か、具体的にはカウンタkが0
であるか否かを判定する。ここで、カウンタk=0の場
合は、適応制御は収束する前であるから、ステップ13
2に移行し、残留振動信号和EL(m)をシフトする。
具体的には、EL(M)=EL(M−1),EL(M−
1)=EL(M−2),…,EL(m)=EL(m−
1),…,EL(2)=EL(1),EL(1)=Te
という具合に、順次代入していく。
【0059】次いで、ステップ133に移行し、残留振
動信号和の平均値AVELと、残差ΔELとを下記の
(7)式及び(8)式に従って演算する。 ΔEL=Te −AVEL ……(8) そして、ステップ134に移行し、残差ΔELの絶対値
が十分に小さい値pよりも小さいか否かを判定し、これ
により適応制御が収束しているか否かを判断する。つま
り、残差ΔELは、現時点の残留振動信号和Te と、過
去M周期におけるM個の残留振動信号和EL(1)〜E
L(m)の平均値AVELとの差であるから、その残差
ΔELの絶対値が十分に小さいということは、残留振動
信号eの値が所定時間変化していないということである
から、適応制御が収束していると判断できるのである。
【0060】このステップ134の判定が「NO」の場
合には、適応制御は未だ収束しておらず、従って磁路部
材12の変位発生中立位置を移動させる処理は実行でき
ないと判断し、上記ステップ103に戻って上述した処
理を再び実行する。しかし、このステップ134の判定
が「YES」の場合には、適応制御が収束したため、磁
路部材12の変位発生中立位置を移動させる処理を実行
できると判断して、ステップ135に移行する。
【0061】ステップ135では、カウンタkをインク
リメントし、次いでステップ136に移行して、そのカ
ウンタkが2より大きいか否かを判定する。即ち、カウ
ンタkはステップ135でのみインクリメントされるよ
うになっているため、このステップ136の判定が「N
O」の場合には、ステップ136以降の処理を実行する
のは1回目若しくは2回目のいずれかであると判断でき
る。そこで、ステップ137に移行し、カウンタkが1
であるか否かを判定する。
【0062】このステップ137の判定が「YES」の
場合には、振動の周波数が変化してその後に周波数が一
定となったとステップ134で判定され且つその後にス
テップ134で適応制御が収束したと判定されてから、
磁路部材12の変位発生中立位置を移動させる処理が初
めて実行された場合である。そこで、ステップ138に
移行し、オフセット駆動信号ydcを、下記の(9)式に
従って演算する。
【0063】 ydc=yidc −Δydc ……(9) ここで、Δydcは通常設定されるオフセット駆動信号y
dcに比べて十分に小さい値からなる変動値であって、以
下の処理は、オフセット駆動信号ydcをその変動値Δy
dc分だけ徐々に小さく又は大きくしつつ、そのオフセッ
ト駆動信号ydcの変化の前後における残留振動信号和T
e の大きさを比較し、その比較結果に従って振動が低減
される方向を判断して最適なオフセット駆動信号ydc
自動的に見つけ出すようになっている。このステップ1
38の処理は第1回目であるから取り敢えず初期値y
idc を開始値とし、そこから変動値Δydc分だけ小さく
してこれをオフセット駆動信号ydcとする。ステップ1
38の処理を終えたら、ステップ103に戻って上述し
た処理を再び実行する。
【0064】ステップ135でカウンタkがインクリメ
ントされているため、それ以降の処理で振動の周波数が
変化せずステップ124及び130の判定が「YES」
となってステップ131に至ると、ここでの判定が「N
O」となって、ステップ139に移行する。ステップ1
39では、最新の1サイクルにおける残留振動信号和T
e が前回の1サイクルにおける残留振動信号和E(1)
以下であるか否かを判定し、振動がより低減されている
か否かを判断する。
【0065】このステップ139の判定が「YES」の
場合には、ステップ140に移行して、それら残留振動
信号和Te 及び残留振動信号和E(1)が等しいか否か
を判定する。ここでの判定が「NO」の場合は、振動が
最も低減された状態には未だ到っていないと判断できる
から、ステップ135に移行しカウンタkをインクリメ
ントした後にステップ136以降の処理を実行する。こ
の場合、ステップ135以降の処理は第2回目の実行で
あるから、カウンタkは2となっており、ステップ13
7の判定が「NO」となってステップ141に移行し、
オフセット駆動信号ydcを、下記の(10)式に従って演
算する。
【0066】 ydc=yidc +Δydc ……(10) ここでは、ステップ138の場合と異なり、初期値y
idc に変動値Δydcを加算しこれをオフセット駆動信号
dcとする。ステップ141の処理を終えたら、ステッ
プ103に戻って上述した処理を再び実行する。一方、
ステップ139の判定が「NO」の場合には、判定が
「YES」の場合とは逆に振動が悪化方向にあると判断
できる。そこで、ステップ142に移行してカウンタk
が2を越えているか否かを判定し、この判定が「NO」
の場合はステップ141の処理を実行していないと判断
できるから、ステップ135に移行しカウンタkをイン
クリメントした後にステップ136以降の処理を実行す
る。この場合には、カウンタkは2となるから、ステッ
プ137の判定が「NO」となってステップ141の処
理が実行される。
【0067】また、ステップ140の判定が「YES」
の場合には、可能な範囲で振動が最も低減された状態と
なっていると判断できる。そこで、ステップ143に移
行して、現時点の残留振動信号和Te を残留振動信号和
EL(1)として保存し、次いでステップ144に移行
する。ステップ144では、最新の1サイクル処理にお
ける駆動信号和Ty1が前回の1サイクル処理における駆
動信号和Ty2よりも小さくなっているか否かを判定す
る。つまり、このステップ144の判定を行うことによ
り、同じ振動低減効果を得る状態のままで、電磁アクチ
ュエータ10における消費電力が小さくなっているか否
かを判断することができる。このステップ144の判定
が「YES」であれば、磁路部材12の変位発生中立位
置の移動により消費電力は小さくなる傾向にあると判断
できるから、ステップ135に移行してカウンタkをイ
ンクリメントした後にステップ136以降の処理を実行
する。この場合、カウンタkの値は2よりも大きくなっ
ているから、ステップ136からステップ145に移行
することになる。そして、ステップ145でオフセット
駆動信号ydcの極性を判断し、ydc<0の場合にはステ
ップ146に移行して下記の(11)式に従って新たなオ
フセット駆動信号ydcを演算する一方、ydc≧0の場合
にはステップ147に移行して下記の(12)式に従って
新たなオフセット駆動信号ydcを演算する。
【0068】 ydc=ydc−Δydc ……(11) ydc=ydc+Δydc ……(12) すると、オフセット駆動信号ydcは振動が低減する方向
に増減していくとともに、振動低減効果が飽和した後に
は、電磁アクチュエータ10における消費電力が小さく
なる方向に増減していくことになる。
【0069】そして、ステップ142の判定が「YE
S」となった場合は、オフセット駆動信号ydcを振動が
低減する方向に増減させた後に再び悪化傾向になり始め
たと判断できるし、ステップ144の判定が「NO」の
場合は消費電力が増加傾向にあると判断できるから、ス
テップ148に移行する。ステップ148では、オフセ
ット駆動信号ydcの極性を判定して、ここでの判定が、
dc>0の場合にはステップ149に移行し、ydc≦0
の場合にはステップ150に移行する。そして、ステッ
プ149ではオフセット駆動信号ydcから変動値Δydc
を減じてその結果をオフセット駆動信号ydcする一方、
ステップ150ではオフセット駆動信号ydcに変動値Δ
dcを加算してその結果をオフセット駆動信号ydc
し、これにより、オフセット駆動信号ydcを、振動が悪
化傾向又は消費電力が増加傾向になる前の状態(つま
り、1サイクル処理前の値)に戻す。ステップ149又
はステップ150の処理を終えたら、ステップ151に
移行して変数DCYNに1をセットして、これにより磁
路部材12の変位発生中立位置の移動処理が完了したこ
とを記憶してから上記ステップ103に戻り、上述した
処理を再び実行する。
【0070】このような処理を繰り返し実行する結果、
コントローラ20からエンジンマウント1の電磁アクチ
ュエータ10に対しては、基準信号xが入力された時点
から所定のサンプリング・クロックの間隔で、適応ディ
ジタルフィルタWのフィルタ係数Wi にオフセット駆動
信号ydcを重畳してなる駆動信号yが順番に供給され
る。この結果、励磁コイル10Bに駆動信号yに応じた
磁力が発生するが、磁路部材12には、既に永久磁石1
0Cによる一定の磁力が付与されているから、その励磁
コイル10Bによる磁力は、永久磁石10Cの磁力を強
める又は弱めるように作用すると考えることができる。
つまり、励磁コイル10Bに駆動信号yが供給されてい
ない状態では、磁路部材12は、板ばね11による支持
力と、永久磁石10Cの磁力との釣り合った中立の位置
に変位することになる。そして、この中立の状態で励磁
コイル10Bに駆動信号yが供給されると、その駆動信
号yによって励磁コイル10Bに発生する磁力が永久磁
石10Cの磁力と逆方向であれば、磁路部材12は電磁
アクチュエータ10とのクリアランスが増大する方向に
変位する。逆に、励磁コイル10Bに発生する磁力が永
久磁石10Cの磁力と同じ方向であれば、磁路部材12
は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが減少する
方向に変位する。
【0071】このように磁路部材12は正逆両方向に変
位可能であり、磁路部材12が変位すれば主流体室15
の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体6の
拡張ばねが変形するから、このエンジンマウント1に正
逆両方向の能動的な支持力が発生するのである。そし
て、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタWの各フ
ィルタ係数Wi は、同期式Filtered−X LM
Sアルゴリズムに従った上記(1)式によって逐次更新
されるため、ある程度の時間が経過して適応ディジタル
フィルタWの各フィルタ係数Wi が最適値に収束した後
は、駆動信号yがエンジンマウント1に供給されること
によって、エンジン30からエンジンマウント1を介し
てメンバ35側に伝達されるアイドル振動やこもり音振
動が低減されるようになるのである。
【0072】特に、本実施例では、磁路部材12を弾性
支持する板ばね11を図6に示すようなばね特性である
非線形ばねとしているため、図9の処理を実行すること
によりオフセット駆動信号ydcを適宜設定してこれを駆
動信号yに含ませ、磁路部材12の変位発生中立位置を
図7のように変化させて板ばね11を弾性変形させる
と、図8に示すように流体共振系の動ばね特性及び減衰
特性を変化させることができる。
【0073】そして、図9の処理では、振動の周波数が
一定で且つ適応制御が収束したと判定された後には、先
ず残留振動信号和Te が小さくなる方向を確認しつつオ
フセット駆動信号ydcの値を適宜増減させて、そのオフ
セット駆動信号ydcの最適値を見つけ出すようになって
いる。つまり、本実施例の構成であれば、適応ディジタ
ルフィルタWのフィルタ係数Wi が最適値に収束した後
であっても、磁路部材12の変位発生中立位置を変化さ
せ流体共振系の特性を変化させることにより、さらに振
動低減効果を向上させることができるのである。
【0074】さらに、そのようにして振動低減効果が向
上した後には、その振動低減効果が劣化しない範囲で、
電磁アクチュエータ10での消費電力が小さくなる方向
に再び磁路部材12の変位発生中立位置を変化させるよ
うになっている。つまり、本実施例の構成であれば、流
体共振系の特性によって決まる図3及び図5に示した減
衰ピーク周波数が適宜移動して、アクチュエータ必要制
御力を極力小さくすることができるのである。
【0075】このため、電磁アクチュエータ10を大型
化等しなくても、例えばディーゼル車両におけるアイド
ル振動のように比較的大きな振幅の振動を打ち消す又は
十分に低減することができる制御振動を生成することが
できるのである。これは、特に搭載スペース上の制約が
大きな車両のエンジンマウント1にとっては非常に好ま
しい効果である。また、電磁アクチュエータ10が小型
で済めば、それだけコスト的にも有利になるという利点
がある。
【0076】また、本実施例では、伝達関数フィルタC
^を第1〜第3伝達関数フィルタC1^〜C3^に分け
て記憶し、磁路部材12の変位発生中立位置に応じて変
化する第2,第3伝達関数フィルタC2^,C3^をそ
れぞれステップ125で上述のように更新するようにし
ているため、磁路部材12の変位発生中立位置が変化し
ても良好な適応制御が実行されるという利点がある。
【0077】そして、本実施例にあっては、電磁アクチ
ュエータ10にオフセット駆動信号ydcに応じた直流電
圧を印加することにより磁路部材12の変位発生中立位
置を移動させるようにしているため、フローチャートの
変更だけで対処可能であるから、別途新たな装置等を設
ける必要がないという利点がある。さらに、本実施例に
あっては、ステップ124において振動の周期(周波
数)が一定であると判定されるとともに、ステップ13
9で適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が最
適に収束していると判定された場合に、磁路部材12の
変位発生中立位置を移動させる制御が実行されるように
なっている。従って、減衰ピーク周波数の目標値である
振動の周波数が推移しておらず、しかも振動低減制御が
良好となっている状況下において、さらに良好な振動低
減効果が得られ且つ消費電力が小さくなるような変位発
生中立位置が探索される。そして、その探索の際には、
オフセット駆動信号ydcを僅かずつ増減させるだけであ
るから、その変位発生中立位置を移動させる制御によっ
てメンバ35側に伝達される振動が極端に増大して車室
内騒音等を悪化させることもない。
【0078】ここで、本実施例では、ステップ107,
109,129,131〜151の処理によって中立位
置制御手段及び直流電圧印加手段が構成され、パルス信
号生成器21が基準信号生成手段に対応し、加速度セン
サ22が残留振動検出手段に対応し、ステップ105,
106の処理及びこれら各処理を基準信号xが入力され
てから所定サンプリング・クロックの間隔で実行する処
理手順によって駆動信号生成手段が構成され、ステップ
102,110及び111の処理によって更新用基準信
号生成手段が構成され、ステップ112〜116の処理
によって適応処理手段が構成され、ステップ124の処
理が振動状況判定手段に対応し、ステップ132〜13
4の処理によって収束判定手段が構成されている。
【0079】図10〜図12は本発明の第2実施例を示
す図であって、この実施例も、上記第1実施例と同様に
本発明に係る防振支持装置を、エンジンから車体に伝達
される振動を能動的に低減する所謂アクティブエンジン
マウントに適用したものであり、図10は上記第1実施
例の図1と同様にエンジンマウント1の断面図、図11
は上記第1実施例の図2と同様にエンジンマウント1を
実際に搭載した状態を示す全体構成図、図12は上記第
1実施例の図9と同様にコントローラ20内で実行され
る処理の概要を示すフローチャートである。なお、上記
第1実施例と同様の部材やステップには、同じ符号を付
し、その重複する説明は省略する。
【0080】即ち、上記第1実施例では、電磁アクチュ
エータ10の励磁コイル10Bに、適応ディジタルフィ
ルタWのフィルタ係数Wi とともにオフセット駆動信号
dcを供給することにより、磁路部材12を電磁アクチ
ュエータ10側に引き寄せる電磁力の直流分を変化させ
て磁路部材12の変位発生中立位置を制御するようにし
ていたが、本実施例では、板ばね11及び磁路部材12
の電磁アクチュエータ10側の面によって画成される空
間の圧力を調整することにより、変位発生中立位置を所
望の位置に制御するようにしている点に特徴がある。
【0081】具体的には、図10に示すように、板ばね
11及び磁路部材12の電磁アクチュエータ10側の面
及びアクチュエータケース8内面によって画成される空
間を密閉空間40とするとともに、アクチュエータケー
ス8の側面から先端部がその密封空間40内に位置する
ように吸入圧調整バルブ41の吸入端41Aが差し込ま
れている。そして、その吸入圧調整バルブ41の排出側
は負圧源42に接続されている。負圧源42としては、
例えば図11に示すようにエンジン30のインテークマ
ニホールド42Aを用いることができる。
【0082】つまり、吸入圧調整バルブ41が負圧源4
2(インテークマニホールド42A)の吸引力を利用し
て密閉空間40の内圧を適宜調整するようになってい
て、その密閉空間40の内圧が負圧方向に大きくなれ
ば、弾性変形可能な板ばね11の変形を伴って磁路部材
12が電磁アクチュエータ10側に変位するから、吸入
圧調整バルブ41のバルブ開度を適宜調整することによ
り、磁路部材12の変位発生中立位置を移動させること
ができるのである。
【0083】そして、コントローラ20は、吸入圧調整
バルブ41に対して駆動信号yv を出力するようになっ
ていて、その駆動信号yv の設定方法が、実質的に上記
第1実施例のオフセット駆動信号ydcと同様になってい
る。つまり、本実施例のコントローラ20は、図12に
示すような処理を実行するようになっている。ここで、
上記第1実施例における処理との相違点を中心に説明す
ると、ステップ104に続いて実行されるステップ20
1においては、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係
数Wi がそのまま駆動信号yとして設定されるととも
に、次いで実行されるステップ202においては、電磁
アクチュエータ10への駆動信号yと、吸入圧調整バル
ブ41への駆動信号yv とが出力されるようになってい
る。そして、ステップ203では、駆動信号y及びyv
の両方が駆動信号和Ty1として累積されるようになって
いる。
【0084】また、上記第1実施例ではオフセット駆動
信号ydc,初期値yidc ,変動値Δydc,変数DCYN
としていたステップではそれぞれが駆動信号yv ,初期
値y iv,変数VYNとなっている(ステップ204〜2
15)。このような構成であっても、振動の周波数が一
定であると判定され且つ適応制御が収束したと判定され
た後に、上記第1実施例と同様に、振動低減効果が向上
するとともに、電磁アクチュエータ10及び吸入圧調整
バルブ41における消費電力が小さくなるように磁路部
材12の変位発生中立位置を移動させるため、上記第1
実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0085】また、本実施例であれば、吸入圧調整バル
ブ41によって磁路部材12の変位発生中立位置を移動
させるようにしているため、上記第1実施例の場合に比
べて電磁アクチュエータ10の負担分が小さくなるとい
う利点がある。そして、負圧源42としてエンジン30
のインテークマニホールド42Aを利用しているから特
に燃費等に影響を与えることもない。
【0086】ここで、本実施例では、吸入圧調整バルブ
41及び負圧源42(インテークマニホールド42A)
によって中立位置制御手段としての圧力制御手段が構成
される。なお、上記各実施例では、本発明に係る防振支
持装置を、エンジン30を支持するエンジンマウント1
に適用した場合を示しているが、本発明に係る防振支持
装置の適用対象はエンジンマウント1に限定されるもの
ではなく、例えば振動を伴う工作機械の防振支持装置等
であってもよい。
【0087】また、上記各実施例では、駆動信号yを同
期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従っ
て生成しているが、適用可能なアルゴリズムはこれに限
定されるものではなく、例えば通常のFiltered
−X LMSアルゴリズムであってもよいし、周波数領
域のLMSアルゴリズムであってもよい。また、系の特
性が安定しているのであれば、LMSアルゴリズム等の
適応アルゴリズムを用いることなく、係数固定のディジ
タルフィルタ或いはアナログフィルタによって駆動信号
yを生成するようにしてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、可動部材を弾性支持する弾性部材のばね特性を非線
形ばねとしたため、弾性部材の変位発生中立位置を適宜
調整することにより、防振支持装置の動ばね定数や減衰
特性を変化させることができるから、その変位発生中立
位置を適宜調整することにより、振動を打ち消すために
アクチュエータで発生させる必要のある制御力が小さく
てなり、より小型のアクチュエータで対処が可能になる
という効果がある。
【0089】そして、請求項に係る発明では、中立位
置制御手段を設けているから、可動部材の変位発生中立
位置を変化させて流体共振系の減衰が最大となる周波数
を変化させ、もって振動を打ち消すためにアクチュエー
タで発生させる必要のある制御力が小さい状態を例えば
振動の周波数に追従させて変化させることが可能になる
という効果がある。
【0090】また、請求項2に係る発明であれば、アク
チュエータに必要な制御力を常に小さい状態に保つこと
ができるようになるから、小型のアクチュエータで大き
な振動を良好に打ち消すことができ、搭載スペース上の
制約が大きい場合にもこの防振支持装置を容易に適用す
ることができるという効果がある。この場合、請求項
に係る発明であれば、比較的大振幅のアイドル振動を小
さなアクチュエータで打ち消すことが可能となり、搭載
スペース上の制約が特に大きい車両であっても容易に適
用することができるという効果がある。
【0091】そして、請求項に係る発明にあっては、
可動部材の変位発生中立位置及び弾性部材のばね定数
を、電磁アクチュエータに印加される直流電圧の大きさ
に応じて変化させるようにしたため、その変位発生中立
位置を移動させるために別途新たな装置を設ける必要が
ないという効果がある。これに対し、請求項に係る発
明にあっては、可動部材の変位発生中立位置及び弾性部
材のばね定数を、密閉空間の内圧に応じて変化させるよ
うにしたため、可動部材を変位させるアクチュエータの
負担が請求項に係る発明の場合に比べて小さくなると
いう効果がある。
【0092】そして、請求項〜請求項1に係る発明
にあっては、上記請求項1〜に係る発明の効果に加
え、適応制御が実行されるため、良好な防振特性が確実
に得られるという効果がある。特に、請求項,請求項
に係る発明であれば、伝達関数が変化しても良好な
防振効果を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるエンジンマウントの構成を
示す断面図である。
【図2】エンジンマウントの配設状態を示す全体構成図
である。
【図3】動ばね特性及び減衰特性を示す周波数特性図で
ある。
【図4】本実施例のエンジンマウントをモデルで表した
図である。
【図5】アクチュエータ必要制御力の周波数特性図であ
る。
【図6】板ばねの変形量とばね定数との関係を示す図で
ある。
【図7】板ばねの変形状態の移り変わりを示す要部断面
図である。
【図8】板ばねのばね定数の変化に対する流体共振系の
動ばね特性及び減衰特性の変化を示す周波数特性図であ
る。
【図9】第1実施例のコントローラ内で実行される処理
の概要を示すフローチャートである。
【図10】第2実施例におけるエンジンマウントの構成
を示す断面図である。
【図11】第2実施例におけるエンジンマウントの配設
状態を示す全体構成図である。
【図12】第2実施例のコントローラ内で実行される処
理の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジンマウント(防振支持装置) 5a オリフィス 6 支持弾性体 10 電磁アクチュエータ 11 板ばね(弾性部材) 11b 中央部(可動部材) 12 磁路部材(可動部材) 15 主流体室 16 副流体室 20 コントローラ 21 パルス信号生成器(基準信号生成手段) 22 加速度センサ(残留振動検出手段) 30 エンジン(振動体) 35 メンバ(支持体) 41 吸入圧調整バルブ(圧力制御手段) 42 負圧源(圧力制御手段) 42A インテークマニホールド(圧力制御手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−346942(JP,A) 特開 平6−241266(JP,A) 特開 平6−106996(JP,A) 特開 平6−109060(JP,A) 特開 平6−33986(JP,A) 特開 平7−208537(JP,A) 実開 平7−4944(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/26 B60K 5/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的な振動を発する振動体及びこれを
    支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾
    性体によって画成された主流体室と、この主流体室にオ
    リフィスを介して連通する容積可変の副流体室と、これ
    ら主流体室,副流体室及びオリフィス内に封入された流
    体と、前記主流体室の隔壁の一部を形成する可動部材
    と、この可動部材を前記主流体室の容積を変化させる方
    向に変位可能に弾性支持し且つ非線形のばね特性を示す
    弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる変位
    力を発生するアクチュエータと、前記可動部材の変位発
    生中立位置を移動させる中立位置制御手段と、を備えた
    ことを特徴とする防振支持装置。
  2. 【請求項2】 周期的な振動を発する振動体及びこれを
    支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾
    性体によって画成された主流体室と、この主流体室にオ
    リフィスを介して連通する容積可変の副流体室と、これ
    ら主流体室,副流体室及びオリフィス内に封入された流
    体と、前記主流体室の隔壁の一部を形成する可動部材
    と、この可動部材を前記主流体室の容積を変化させる方
    向に変位可能に弾性支持し且つ非線形のばね特性を示す
    弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる変位
    力を発生するアクチュエータと、を備え、 前記オリフィス内の前記流体を質量とし前記支持弾性体
    の拡張方向ばね及び前記弾性部材をばねとした流体共振
    系の、前記可動部材に外力が付与されていない状況で減
    衰が最大となる周波数が、前記周期的な振動の周波数に
    一致又は略一致するように前記可動部材の変位発生中立
    位置を移動させる中立位置制御手段を設けたことを特徴
    とする防振支持装置。
  3. 【請求項3】 車両に適用され且つ前記振動体がエンジ
    ンであり、前記流体共振系の、前記アクチュエータが前
    記変位力を発生していない状況で減衰が最大となる周波
    数を、前記車両のアイドル振動周波数に一致又は略一致
    させた請求項2記載の防振支持装置。
  4. 【請求項4】 前記可動部材は磁化可能な材料からなる
    とともに、前記アクチュエータは電磁アクチュエータで
    あり、前記中立位置制御手段は、前記電磁アクチュエー
    タの励磁コイルに直流電圧を印加する直流電圧印加手段
    である請求項1乃至請求3記載の防振支持装置。
  5. 【請求項5】 前記可動部材の前記主流体室とは逆側を
    向く面によって画成される空間を密閉空間とし、前記中
    立位置制御手段は、前記密閉空間の内圧を制御する圧力
    制御手段である請求項1乃至請求項3記載の防振支持装
    置。
  6. 【請求項6】 前記振動源における振動の発生状態を検
    出し基準信号を生成する基準信号生成手段と、前記支持
    体側での残留振動を検出し残留振動信号として出力する
    残留振動検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタ
    ルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタルフィ
    ルタでフィルタ処理して前記アクチュエータを駆動させ
    る駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記変位力
    及び前記残留振動検出手段間の伝達関数をモデル化した
    伝達関数フィルタと、前記基準信号を前記伝達関数フィ
    ルタでフィルタ処理して更新用基準信号を生成する更新
    用基準信号生成手段と、前記支持体側での振動レベルが
    低減するように前記残留振動信号及び前記更新用基準信
    号に基づき適応アルゴリズムに従って前記適応ディジタ
    ルフィルタのフィルタ係数を更新する適応処理手段と、
    を備えた請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の防振
    支持装置。
  7. 【請求項7】 前記周期的な振動の周波数が一定の状況
    であるか否かを判定する振動状況判定手段と、前記適応
    ディジタルフィルタのフィルタ係数が最適値に収束して
    いるか否かを判定する収束判定手段と、を備え、前記中
    立位置制御手段は、前記振動状況判定手段が前記周波数
    が一定であると判定し且つ前記収束判定手段が前記フィ
    ルタ係数が最適値に収束していると判定した場合に前記
    残留振動信号のレベルが低減する方向に前記変位発生中
    立位置を移動させる請求項記載の防振支持装置。
  8. 【請求項8】 前記中立位置制御手段は、前記残留振動
    信号のレベルが十分低減した後にそのレベルが悪化しな
    い範囲で消費エネルギが低減するように前記変位発生中
    立位置を再移動させる請求項7記載の防振支持装置。
  9. 【請求項9】 前記伝達関数フィルタは、前記変位力及
    び前記残留振動検出手段間の伝達関数から前記流体共振
    系の共振の周波数成分及び前記可動部材の共振の周波数
    成分を除いた成分に応じた第1伝達関数フィルタと、前
    記流体共振系の共振の周波数成分に応じた第2伝達関数
    フィルタと、前記可動部材の共振周波 数成分に応じた第
    3伝達関数フィルタと、で構成される請求項6乃至請求
    項8のいずれかに記載の防振支持装置。
  10. 【請求項10】 前記第2伝達関数フィルタ及び前記第
    3伝達関数フィルタを前記変位発生中立位置に応じて可
    変とした請求項記載の防振支持装置。
JP32106794A 1994-12-22 1994-12-22 防振支持装置 Expired - Fee Related JP3336781B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32106794A JP3336781B2 (ja) 1994-12-22 1994-12-22 防振支持装置
US08/571,796 US6062550A (en) 1994-12-22 1995-12-13 Vibration insulating device
GB9525888A GB2296307B (en) 1994-12-22 1995-12-19 Vibration insulating device
DE19548039A DE19548039B4 (de) 1994-12-22 1995-12-21 Vibrationsisoliervorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32106794A JP3336781B2 (ja) 1994-12-22 1994-12-22 防振支持装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08177960A JPH08177960A (ja) 1996-07-12
JP3336781B2 true JP3336781B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=18128440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32106794A Expired - Fee Related JP3336781B2 (ja) 1994-12-22 1994-12-22 防振支持装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6062550A (ja)
JP (1) JP3336781B2 (ja)
DE (1) DE19548039B4 (ja)
GB (1) GB2296307B (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08312714A (ja) * 1995-05-23 1996-11-26 Nissan Motor Co Ltd 制御型防振支持装置
JPH11223238A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Nissan Motor Co Ltd 能動型振動制御装置
US6209841B1 (en) * 1998-07-14 2001-04-03 Newport Corporation Active isolation module
AU2001288421A1 (en) * 2000-08-25 2002-03-04 Acentech, Inc. Noise cancellation using a mechanical oscillator
JP2003097632A (ja) * 2001-07-16 2003-04-03 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
US6641120B2 (en) * 2001-07-31 2003-11-04 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Method for controlling drive of actuator of active vibration isolation support system
JP2004100789A (ja) * 2002-09-06 2004-04-02 Honda Motor Co Ltd 車両の動力源マウント構造
DE10316283A1 (de) * 2003-04-09 2004-10-28 Trelleborg Automotive Technical Centre Gmbh Schaltbares Topflager
JP4478435B2 (ja) * 2003-11-17 2010-06-09 キヤノン株式会社 露光装置、およびデバイス製造方法
KR101462911B1 (ko) * 2013-03-19 2014-11-19 현대자동차주식회사 양방향 제어 가능한 전자식 액티브 마운트
CN113460164B (zh) * 2021-07-23 2022-08-12 江苏徐工工程机械研究院有限公司 一种主动控制动力总成悬置***及控制方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3433255A1 (de) * 1984-09-11 1986-03-13 Fa. Carl Freudenberg, 6940 Weinheim Vorrichtung zur elastischen lagerung eines schwingenden koerpers
JPH0752436Y2 (ja) * 1988-09-26 1995-11-29 日産自動車株式会社 制御型エンジンマウント
DE3918753C1 (ja) * 1989-06-08 1990-07-12 Fa. Carl Freudenberg, 6940 Weinheim, De
JPH04131538A (ja) * 1990-09-19 1992-05-06 Tokai Rubber Ind Ltd 高粘性流体封入式マウント装置
JP2510916B2 (ja) * 1991-12-06 1996-06-26 東海ゴム工業株式会社 流体封入式防振装置の製作方法
JP2538468B2 (ja) * 1991-12-06 1996-09-25 東海ゴム工業株式会社 流体封入式防振装置
JP2510919B2 (ja) * 1991-12-24 1996-06-26 東海ゴム工業株式会社 流体封入式マウント装置
JPH05312232A (ja) * 1992-05-08 1993-11-22 Bridgestone Corp 液体封入式防振装置
JPH05332392A (ja) * 1992-05-28 1993-12-14 Tokai Rubber Ind Ltd 位相変換型流体封入式防振装置
US5628499A (en) * 1993-01-25 1997-05-13 Mazda Motor Corporation Counter vibration generating power unit mounting device
GB2278180B (en) * 1993-05-17 1996-11-27 Nippon Denso Co Vibration isolator
JPH07208537A (ja) * 1994-01-20 1995-08-11 Nippondenso Co Ltd 液体封入式マウント装置

Also Published As

Publication number Publication date
GB2296307B (en) 1997-06-18
GB9525888D0 (en) 1996-02-21
DE19548039A1 (de) 1996-07-04
US6062550A (en) 2000-05-16
GB2296307A (en) 1996-06-26
JPH08177960A (ja) 1996-07-12
DE19548039B4 (de) 2004-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3399138B2 (ja) 防振支持装置
JP3336781B2 (ja) 防振支持装置
JPH09303477A (ja) 能動型騒音振動制御装置
JPH09100868A (ja) 防振支持装置
JPH08177961A (ja) 防振支持装置
JP3593866B2 (ja) 能動型騒音振動制御装置
JP3163900B2 (ja) 防振支持装置
JP3829408B2 (ja) 車両用能動型振動制御装置
JP3480181B2 (ja) 能動型騒音振動制御装置
JP3747619B2 (ja) 能動型振動制御装置
JPH09317816A (ja) 能動型振動制御装置
JP3598888B2 (ja) 車両用能動型振動制御装置
JP3419231B2 (ja) 能動型振動制御装置
JP3265793B2 (ja) 能動型振動制御装置及び車両用能動型振動制御装置
JPH0754905A (ja) 振動吸収装置
JPH10307590A (ja) 能動型騒音制御装置及び能動型振動制御装置
JP3428281B2 (ja) 防振支持装置
JP3541613B2 (ja) 能動型騒音振動制御装置
JP3168849B2 (ja) 防振支持装置
JP3743165B2 (ja) 能動型騒音振動制御装置
JP2001001767A (ja) 車両用能動型騒音振動制御装置
JP4003331B2 (ja) 防振支持装置及びこの装置を搭載した車両
JP3336946B2 (ja) 防振支持装置
JPH09273588A (ja) 防振支持装置
JP2000010638A (ja) 能動型振動制御装置及び車両用能動型振動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees