JP3329097B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3329097B2 JP26385294A JP26385294A JP3329097B2 JP 3329097 B2 JP3329097 B2 JP 3329097B2 JP 26385294 A JP26385294 A JP 26385294A JP 26385294 A JP26385294 A JP 26385294A JP 3329097 B2 JP3329097 B2 JP 3329097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクル内の冷媒
圧縮機の駆動源としてモータを利用するようにした車両
用空調装置、特には電気自動車用として好適する車両用
空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車用空調装置においては、従来
より、交流モータを内蔵した密閉型冷媒圧縮機を含んで
構成された冷凍サイクルを設けると共に、車載バッテリ
の出力を交流電力に変換するインバータ装置を設け、こ
のインバータ装置により上記モータを駆動することが行
われている。このような構成によれば、インバータ装置
の出力周波数を変化させることにより冷媒圧縮機用モー
タを可変速駆動できるから、その冷媒圧縮機からの冷媒
吐出量、つまり冷凍サイクルによる熱交換能力を容易に
制御できるなどの利点が得られる。
【0003】このような電気自動車用空調装置の場合、
暖房運転時の加熱源として、電気式ヒータであるPTC
ヒータを用いることが一般的となっている。即ち、前記
冷凍サイクルが冷房運転(除湿運転も含む概念である)
専用のものである場合には、PTCヒータを暖房運転或
いは除湿暖房運転時の主加熱源として設置することが行
われ、また、冷凍サイクルが暖房運転のためのヒートポ
ンプサイクルを形成可能な構成であった場合には、上記
PTCヒータを補助加熱源として設置することが行われ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電気自動車
用空調装置にあっては、PTCヒータの電源を車載バッ
テリから直接的に得る構成とされるのが通常であり、そ
の通断電制御のためのスイッチ手段としてリレーを用い
ることが行われていた。この場合、上記リレーにより比
較的大きな直流電流を断続する関係上、当該リレーとし
て機械的接点を備えたものを用いた場合には、その接点
開放時のアークによる接点の損傷及びこれに伴う接点溶
着などの重大な不具合を招き易く、PTCヒータの通断
電制御に関わる動作信頼性が悪化するという事情があ
る。そこで、従来では、PTCヒータの通断電制御のた
めに所謂ソリッドステートリレーを利用することが行わ
れているが、ソリッドステートリレーは機械式リレーに
比べて高価であるため、装置全体のコストが高騰すると
いう問題点があった。また、このような問題点は、自動
車のウインドガラスを加熱するための防曇用ヒータを設
けた場合にも同様に発生するものであった。
【0005】特に、PTCヒータを利用する場合には、
当該PTCヒータに直流電圧が継続的に印加される関係
上、そのPTCヒータを構成するセラミック半導体部分
に、当該PTCヒータの電極を形成する金属が一種の電
気分解作用により析出して電極間のインピーダンスの低
下及びこれに伴う短絡事故を引き起こす現象(所謂マイ
グレーション)が発生する虞があり、長期使用時の動作
信頼性に劣るという問題点もあった。
【0006】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、車両の所定部位に対する加
熱源として用いられる電気式ヒータの通断電を行うため
のスイッチ手段として、機械式接点を備えたスイッチ手
段を利用した場合でも、その通断電制御の信頼性を高め
ることができて、全体のコスト低減が可能になるなどの
効果を奏する車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、空調運転のための冷凍サイクルを備え、前
記冷凍サイクル内の冷媒圧縮機用モータの電源を、車載
バッテリの出力を交流電力に変換するインバータ装置か
ら得るようにした車両用空調装置において、車両の所定
部位に対する加熱源として設けられた電気式ヒータと、
前記インバータ装置の出力を前記電気式ヒータに対し選
択的に供給するためのスイッチ手段とを備えた構成とし
たものである(請求項1)。
【0008】前記電気式ヒータは、車室内雰囲気を加熱
するための暖房運転用ヒータとすることができるもので
あり(請求項2)、この場合には、当該電気式ヒータを
暖房運転時の主加熱源として設けた上で、前記スイッチ
手段を、前記インバータ装置の出力を前記電気式ヒータ
に供給する状態に切換えられたときに前記冷媒圧縮機用
モータをインバータ装置から切り離す構成としても良い
(請求項3)。
【0009】また、前記冷凍サイクルを、暖房運転のた
めのヒートポンプサイクルを形成可能な構成とした上
で、前記スイッチ手段を、その冷凍サイクルによる暖房
能力が不足するときに、前記インバータ装置の出力を前
記冷媒圧縮機用モータ及び電気式ヒータの双方に供給す
る構成としても良い(請求項4)。
【0010】前記電気式ヒータは、車両用のウインドガ
ラスを加熱するための防曇用ヒータとすることができる
(請求項5)。
【0011】さらに、前記インバータ装置を多相の交流
出力を発生するように構成した上で、そのインバータ装
置による多相交流出力の相間電圧が印加される複数の電
気式ヒータと、前記各電気式ヒータに対応した複数のス
イッチ手段とを設ける構成としても良い(請求項6)。
【0012】
【作用】請求項1記載の車両用空調装置では、車載バッ
テリの出力がインバータ装置により交流電力に変換され
ると共に、その変換出力により冷凍サイクル内の冷媒圧
縮機用モータが駆動される。また、車両の所定部位に対
する加熱源として設けられた電気式ヒータに対しては、
上記インバータ装置による変換出力がスイッチ手段を通
じて選択的に供給されることになる。この場合、上記電
気式ヒータの通断電を行うスイッチ手段は、交流電流を
断続することになるから、当該スイッチ手段を機械的接
点を備えたものにより構成した場合でも、接点開放時の
アークによる接点損傷が直流電流を断続するときに比べ
て軽減されることになる。この結果、スイッチ手段とし
て機械的接点を備えたコスト安のものを利用することが
可能となる。
【0013】請求項2記載の車両用空調装置では、暖房
運転時には、電気式ヒータに対してインバータ装置によ
る変換出力がスイッチ手段を通じて選択的に供給され
て、車室内雰囲気が加熱されるようになる。このような
暖房運転用の電気式ヒータとしてはPTCヒータを用い
ることが一般的であるが、当該電気式ヒータには交流電
圧が印加されることになるため、電気式ヒータとしてP
TCヒータを利用した場合であっても従来構成のような
マイグレーション現象が発生する虞がなく、長期使用時
の動作信頼性が向上するようになる。
【0014】請求項3記載の車両用空調装置では、暖房
運転時においては、スイッチ手段によって冷媒圧縮機用
モータがインバータ装置から切り離され、この状態で当
該インバータ装置の出力が主加熱源として設けられた電
気式ヒータに対し与えられるようになる。従って、イン
バータ装置の出力変化が電気式ヒータの出力変化に直接
結び付くことになるから、当該電気式ヒータによる暖房
能力を容易に調整できるようになる。
【0015】請求項4記載の車両用空調装置では、冷凍
サイクルがヒートポンプサイクルとして機能されること
により暖房運転が行われ、このときの暖房能力が不足す
るときには、スイッチ手段が、インバータ装置の出力を
上記冷凍サイクル用の冷媒圧縮機用モータの他に電気式
ヒータにも与えるようになり、これに伴う電気式ヒータ
の発熱によって上記のような暖房能力の不足状態が解消
或いは補われるようになる。この場合、スイッチ手段
は、電気式ヒータをインバータ装置の出力側に接離する
だけの単純な構成で良く、しかも補助的な加熱源として
設けられた電気式ヒータに流れる電流(つまり電気式ヒ
ータが主加熱源として用いられる場合より少ない電流)
を断続するだけで良いから、その構造の簡単化並びに小
接点容量化を図り得るようになって、スイッチ手段のコ
ストをさらに下げ得るようになり、また、アークによる
接点損傷も小さくなる。
【0016】請求項5記載の車両用空調装置では、ウイ
ンドガラスの防曇運転(既に付着している曇りの除去運
転も含む概念である)を行う場合には、電気式ヒータに
対してインバータ装置による変換出力がスイッチ手段を
通じて選択的に供給されて、ウインドガラスが加熱され
るようになり、これによりウインドガラスの防曇運転が
行われる。
【0017】請求項6記載の車両用空調装置では、イン
バータ装置が多相交流出力を発生するようになり、車両
の所定部位を加熱する際には、その多相交流出力の相間
電圧が複数のスイッチ手段を介して複数の電気式ヒータ
に与えられることになる。この場合には、個々の電気式
ヒータに流す電流を少なくできるから、スイッチ手段を
小接点容量化できると共に、アークによる損傷を受け難
くなる利点がある。
【0018】
【実施例】以下、本発明を電気自動車用空調装置に適用
した第1実施例について図1〜図4を参照しながら説明
する。図3には電気自動車用空調装置の送風系統が摸式
的に示されている。この図3において、エアダクト1
は、最上流部に内外気切換ダンパ2により開閉される内
気導入口3及び外気導入口4を備えた構成となってお
り、下流側には、車室内に開口した各吹出口(デフロス
タ吹出口5、センタフェイス吹出口6、左右一対のサイ
ドフェイス吹出口7、フット吹出口8)にそれぞれ空調
風を導くための分岐ダクト9〜12が連結されている。
【0019】各分岐ダクト9〜12のうち、分岐ダクト
9、10及び12の上流側開口部には、それらの分岐ダ
クト9、10及び12へ流入する風量の割合を調節可能
な手段である例えば板状の吹出口ダンパ9a、10a及
び12aが設けられている。また、分岐ダクト10及び
11の最下流側には、対応するセンタフェイス吹出口6
及びサイドフェイス吹出口7を開閉するための手段であ
る例えば板状の開閉ダンパ10b及び11aが設けられ
ている。
【0020】エアダクト1内には、前記内気導入口3及
び外気導入口4に対応する位置に、送風手段である例え
ばブロワ13が設けられると共に、その下流側に冷却手
段としての例えば冷凍サイクル用蒸発器14が配置され
る。さらに、エアダクト1内における蒸発器14の下流
側には、例えば3個のPTCヒータ15(本発明でいう
電気式ヒータに相当)が配置される。尚、この場合にお
いて、上記PTCヒータ15は、暖房運転時においてブ
ロワ13による送風空気ひいては車室内雰囲気を加熱す
るための主加熱源として設けられている。また、図示し
ないが、各PTCヒータ15は、一対の電極間に正の温
度抵抗特性を有するセラミック半導体を挟み込んで構成
されたもので、ブロワ13による送風空気との熱交換能
力を高めるための多数の放熱フィンを備えた構成となっ
ている。
【0021】図4には、前記蒸発器14を含んで構成さ
れた空調運転用冷凍サイクルの配管構成が、当該蒸発器
14に関連した送風系統の一部と共に示されている。こ
の図4において、冷媒圧縮機16は、三相交流モータ1
6a(本発明でいう冷媒圧縮機用モータに相当)を内蔵
した密閉形に構成されており、その交流モータ16aが
後述するインバータ装置により可変速運転されるのに応
じて冷媒吐出量が変化する構成となっている。この場
合、冷媒圧縮機16から吐出された高温高圧の気化冷媒
は、放熱用ファン装置17aを備えた室外熱交換器17
及び減圧装置18(図ではキャピラリチューブの例を示
したがエキスパンションバルブなどでも良い)を経て放
熱液化された後に蒸発器14へ供給され、この蒸発器1
4内で気化した後にアキュムレータ19を介して圧縮機
16に戻されるというサイクルが形成される。尚、上記
室外熱交換器17は、本実施例の場合、冷媒の凝縮器と
して機能する。また、冷媒圧縮機16は、アキュムレー
タ19と共にユニットケースに収納されることにより、
圧縮機ユニット20として構成されている。
【0022】図2には、電気自動車用空調装置の電気的
構成が概略的に示されている。この図2において、イン
バータ装置21は、車載バッテリ22の出力をヒューズ
23及び例えばブロワスイッチを兼用した電源スイッチ
24を介して受けるようになっており、入力される直流
電流をスイッチングして得た可変電圧・可変周波数の三
相交流出力によって冷媒圧縮機16用の交流モータ16
aを可変速駆動するようになっている。尚、上記インバ
ータ装置21としては、三相の交流モータ16aの可変
速駆動を行い得るものであれば形式は問わないが、ここ
では例えば三相PWMインバータを利用しており、その
出力トルクの制御を、電圧/周波数一定制御(所謂V/
f制御)を利用したオープンループ制御により行うよう
にしている。
【0023】上記インバータ装置21の動作制御は、E
CU(Electronic Control Unit )により構成された制
御装置25により行われるもので、この制御装置25に
は、インバータ装置21の入力電流を検出するためのC
Tなどより成る電流センサ26からの検出出力が与えら
れるようになっている。この場合、上記制御装置25
は、電流センサ26による検出電流が予め設定された上
限レベルを越えたときに、例えばインバータ装置21の
動作を強制的に停止させるという過電流保護動作を行う
構成となっている。
【0024】ここで、図2においては、インバータ装置
21の出力が交流モータ16aのみに供給されるように
示しているが、実際には図1に示すように、インバータ
装置21の出力は、制御装置25により同時に切換制御
されるリレースイッチ26R、26S、26Tを介して
3個のPTCヒータ15にも供給可能になっている。こ
の場合、上記リレースイッチ26R、26S、26Tは
機械的なトランスファ接点を備えたもので、インバータ
装置21からの三相交流出力電圧を交流モータ16aに
印加する状態と、その三相交流出力の相間電圧をデルタ
結線された3個のPTCヒータ15に印加する状態との
何れかに切換わる構成となっている。従って、交流モー
タ16aの通電状態(冷媒圧縮機16の運転状態)で
は、PTCヒータ15がインバータ装置21から切り離
され、PTCヒータ15の通電状態では交流モータ16
aがインバータ装置21から切り離されることになる。
【0025】図2に翻って、制御装置25には、コント
ロールパネル27からの操作信号(温度設定信号、吹出
風量設定信号、運転モード切換信号、送風モード切換信
号、内気循環・外気導入モード切換信号など)、冷媒圧
縮機16から吐出される冷媒の温度を検出するための吐
出温度サーミスタ28からの冷媒温度検出信号、車室外
の温度を検出するための室外温度サーミスタ29からの
外気温度検出信号、例えば減圧装置18上流の冷媒圧力
を検知するための圧力センサ30からの圧力検出信号が
与えられるようになっている。
【0026】制御装置25は、前記電源スイッチ24が
オンされた状態で動作されるようになっており、その動
作状態ではブロワ13をコントロールパネル27からの
吹出風量設定信号に応じた速度で駆動するようになって
いる。また、制御装置25は、上記動作状態において
は、前述したような各入力信号に基づいて、インバータ
装置21の出力制御、放熱用ファン装置17aの運転制
御、PTCヒータ15のリレー26R、26S、26T
を介した通断電制御、前記内外気切換ダンパ2、吹出口
ダンパ9a、10a及び12a、開閉ダンパ10b及び
11aの開閉制御を行うためのサーボモータ31群の動
作制御などを行う構成となっている。
【0027】上記のような制御装置25による主な制御
内容は以下に列挙する通りである。 (1)コントロールパネル27からの運転モード切換信
号に基づいて冷房モード及び暖房モードの何れが選択さ
れたかを判断し、冷房モードが選択された場合には、リ
レースイッチリレー26R、26S、26Tを交流モー
タ16a側に切換えることにより、インバータ装置21
の出力を当該交流モータ16aに供給する。これによ
り、冷媒圧縮機16が駆動されて蒸発器14に液化冷媒
が供給されるようになるため、ブロワ13による送風空
気が当該蒸発器14により冷却されるようになる。尚、
この場合には、インバータ装置21の出力周波数を、コ
ントロールパネル27からの温度設定信号により示され
る温度値が低い場合ほど高くする制御を行う(この場合
にはV/f制御が行われているから、その出力電圧も上
がることになる)。これにより、設定温度が低い場合ほ
ど交流電動機16aの回転数が上がって、冷媒圧縮機1
6からの冷媒吐出量が増大することになるから冷房能力
が上がるようになる。
【0028】(2)暖房モードが選択された場合には、
リレースイッチリレー26R、26S、26TをPTC
ヒータ15側に切換えることにより、インバータ装置2
1の出力を当該PTCヒータ15に供給する。これによ
り、PTCヒータ15が発熱して、ブロワ13による送
風空気がPTCヒータ15により加熱されるようにな
る。尚、この場合には、3個のPTCヒータ15に対し
て、インバータ装置21からの三相交流出力電圧が2π
/3の位相差をもって印加されることになる。また、イ
ンバータ装置21の出力電圧をコントロールパネル27
からの温度設定信号により示される温度値に応じて変化
させることにより、PTCヒータ15の出力制御を行う
構成としても良い。
【0029】(3)内外気切換ダンパ2を、コントロー
ルパネル27からの内気循環・外気導入モード切換信号
に応じた位置となるようにサーボモータ31を通じて制
御すると共に、吹出口ダンパ9a、10a及び12a
を、コントロールパネル27からの送風モード切換信号
に応じた位置となるようにサーボモータ31を通じて制
御する。
【0030】(4)吐出温度サーミスタ28からの冷媒
温度検出信号により示される冷媒圧縮機16からの吐出
冷媒温度が予め設定された上限温度を越えたときには、
交流モータ16aの保護のためにインバータ装置21の
出力周波数を落とすことにより上記冷媒温度の異常な上
昇を抑制する。
【0031】(5)室外温度サーミスタ29からの外気
温度検出信号により示される車室外温度に基づいて、放
熱用ファン装置17aの能力を切換える。具体的には、
冷房モードが選択されている状態では、外気温度検出信
号により示される車室外温度が例えば25℃以上に上昇
したときに放熱用ファン装置17aの送風量を増大させ
て室外熱交換器17の凝縮能力を高め、上記車室外温度
が例えば22℃以下に低下したときに放熱用ファン装置
17aの送風量を減少させて室外熱交換器17の凝縮能
力を低くするというデファレンシャル制御を行う。尚、
ヒートポンプサイクルを利用して暖房運転を行う構成が
採用されていた場合には、その暖房運転時において、室
外温度サーミスタ29からの外気温度検出信号により示
される車室外温度が例えば12℃以下に低下したときに
放熱用ファン装置17aの送風量を増大させて室外熱交
換器17の凝縮能力(つまりヒートポンプサイクルの吸
熱量)を高め、上記車室外温度が例えば16℃以上に上
昇したときに放熱用ファン装置17aの送風量を減少さ
せて室外熱交換器17の凝縮能力を低くするというデフ
ァレンシャル制御を行う構成が採用される。
【0032】(6)圧力センサ30からの圧力検出信号
により示される減圧装置18上流の冷媒圧力(これは室
外熱交換器17内の冷媒圧力と等価と見なし得る)が、
予め設定された上限圧力を越えたときには、インバータ
装置21の出力周波数を落とすことにより、上記冷媒圧
力の異常な上昇を抑制する。
【0033】以上説明した本実施例の構成によれば、暖
房運転時には、PTCヒータ15に対してインバータ装
置21からの交流出力が与えられることになる。従っ
て、PTCヒータ15において、直流電圧の印加に起因
したマイグレーション現象が発生する虞がなくなり、長
期使用時の動作信頼性が向上するようになる。
【0034】また、上記PTCヒータ15の通断電を行
うリレースイッチ26R、26S、26Tは、交流電流
を断続することになるから、接点開放時のアークによる
接点損傷が直流電流を断続するときに比べて軽減される
ことになる。この結果、リレースイッチ26R、26
S、26Tのような機械的接点を備えたコスト安のスイ
ッチ手段を利用しても支障がなくなり、全体のコストダ
ウンを実現できるようになる。この場合、インバータ装
置21からの三相交流出力の相間電圧を3個のPTCヒ
ータ15を印加する構成としたから、個々のPTCヒー
タ15に流す電流が小さくなる。この結果、リレースイ
ッチ26R、26S、26Tを小接点容量化できると共
に、それらリレースイッチ26R、26S、26Tがア
ークによる損傷を受け難くなるから、コストダウン並び
に長期使用に対する信頼性向上を図り得るようになる。
【0035】しかも、暖房運転時においては、冷媒圧縮
機16用の交流モータ16aがインバータ装置21から
切り離され、この状態で当該インバータ装置21の出力
がPTCヒータ15に与えられるようになるから、イン
バータ装置21の出力変化がPTCヒータ15の出力変
化に直接結び付くことになる。従って、インバータの出
力電圧を変化させることによって、PTCヒータ15に
よる暖房能力を容易に調整できるようになる。
【0036】尚、上記した第1実施例では、3個のPT
Cヒータ15をデルタ結線して用いる構成としたが、本
発明の第2実施例を示す図5のように、3個のPTCヒ
ータ15をスター結線(Y結線)して用いる構成として
も良い。
【0037】図6〜図9には本発明の第3実施例が示さ
れており、以下これについて前記第1実施例と異なる部
分のみ説明する。即ち、この第3実施例は、空調運転用
の冷凍サイクルとして、暖房運転のためのヒートポンプ
サイクルを形成可能なものを用いると共に、PTCヒー
タ15を上記冷凍サイクルによる暖房能力が不足すると
きの補助加熱源として利用する構成とした点に特徴を有
する。
【0038】具体的には、図8に示す電気自動車用空調
装置の送風系統において、エアダクト1内におけるPT
Cヒータ15の上流側位置(蒸発器14の下流側位置)
には、前記ヒートポンプサイクル形成時に冷媒凝縮器の
機能を果たすことにより、暖房運転時の熱発生源として
利用される補助熱交換器32が配置される。
【0039】また、図9に示す冷凍サイクルの配管構成
において、冷媒圧縮機16は、アキュムレータ19及び
流路切換手段を構成する四方弁33と共にユニットケー
スに収納されることにより、圧縮機ユニット20′とし
て構成されている。上記四方弁33は、冷媒圧縮機16
から吐出された冷媒を、逆止弁34を介して室外熱交換
器17に与える第1の状態と、その冷媒を補助熱交換器
32に与える第2の状態とに切換わる構成となってい
る。尚、四方弁33が第1の状態に切換えられたときに
は、アキュムレータ19上流の分岐点19aが当該四方
弁33を介して補助熱交換器32に連通され、また、四
方弁33が第2の状態に切換えられたときには、上記分
岐点19aが逆止弁34を介して室外熱交換器17に連
通されるようになっている。
【0040】補助熱交換器32は、その冷媒吐出口が補
助減圧装置35(図ではキャピラリチューブの例を示し
たがエキスパンションバルブなどでも良い)及び逆止弁
36を介して室外熱交換器17の冷媒流入口に連通され
ている。
【0041】第1電磁弁37は、開閉弁として構成され
たもので、暖房運転時において冷媒蒸発器として機能す
る室外熱交換器17から吐出された冷媒を、減圧装置1
8及び蒸発器15をバイパスさせてアキュムレータ19
側に戻すように構成されている。また、第2電磁弁38
も、開閉弁として構成されたもので、除湿運転時におい
て冷媒凝縮器として機能する補助熱交換器32から吐出
された冷媒を、補助減圧装置35をバイパスさせて室外
熱交換器17に流入させるように構成されている。
【0042】このように構成された冷凍サイクルにおい
ては、四方弁33、第1電磁弁37及び第2電磁弁38
を適宜に切換えることにより、冷媒の流れを以下に述べ
るように制御し、暖房運転、冷房運転及び除湿運転を実
現している。
【0043】具体的には、冷房運転時には、四方弁33
を前記第1の状態に切換えると共に、第1電磁弁37を
閉鎖状態に切換えることにより(第2電磁弁38は断電
しておけば良い)、図中矢印Cで示すように、冷媒圧縮
機16から吐出される冷媒を、四方弁33→逆止弁34
→室外熱交換器17→減圧装置18→蒸発器14→アキ
ュムレータ19→冷媒圧縮機16の順に流す。
【0044】これにより、蒸発器14に液化冷媒が供給
されるようになるため、ブロワ13による送風空気が当
該蒸発器14により冷却されるようになる。尚、この場
合には、アキュムレータ19上流の分岐点19aが四方
弁33を介して補助熱交換器32に連通されることにな
るが、この状態では逆止弁36が圧力差に基づき冷媒通
路を閉じているので、実質的には補助熱交換器32への
冷媒流入が阻止されることになる。
【0045】暖房運転時には、四方弁33を前記第2の
状態に切換えると共に、第1電磁弁37を開放状態、第
2電磁弁38を閉鎖状態に切換えることにより、図中矢
印Hで示すように、冷媒圧縮機16から吐出される冷媒
を、四方弁33→補助熱交換器32→補助減圧装置35
→逆止弁36→室外熱交換器17→第1電磁弁37→ア
キュムレータ19→冷媒圧縮機16の順に流す。
【0046】これにより、補助熱交換器32に高温気化
冷媒が供給されると共に、室外熱交換器17に液化冷媒
が供給されるようになる。つまり、補助熱交換器32が
冷媒凝縮器として機能するようになって、ブロワ13に
よる送風空気と補助熱交換器32との間で熱交換が行わ
れるため、当該送風空気が加熱されるようになる。ま
た、室外熱交換器17がファン装置17aからの送風空
気との間で熱交換を行う蒸発器として機能するようにな
る。尚、この場合には、アキュムレータ19上流の分岐
点19aが四方弁33を介して室外熱交換器17に連通
されることになるが、この状態では逆止弁34が圧力差
に基づき冷媒通路を閉じているので、実質的には室外熱
交換器17への冷媒流入が阻止されることになる。
【0047】除湿運転時には、四方弁33を第2の状態
に切換えると共に、第1電磁弁37を閉鎖状態、第2電
磁弁38を開放状態に切換えることにより、図中矢印D
で示すように、冷媒圧縮機16から吐出される冷媒を、
四方弁33→補助熱交換器32→第2電磁弁38→逆止
弁36→室外熱交換器17→減圧装置18→蒸発器14
→アキュムレータ19→冷媒圧縮機16の順に流す。
尚、この場合には、放熱用ファン装置17aを停止させ
ておく。
【0048】これにより、補助熱交換器32に高温気化
冷媒が供給されると共に、蒸発器14に減圧装置18を
経た液化冷媒が供給されるようになる。従って、この場
合には、ブロワ13による送風空気が蒸発器14におい
て一旦冷却された後に、補助熱交換器32により加熱さ
れることになる。このため、ブロワ13による送風空気
が蒸発器14と熱交換するときの飽和蒸気温度の低下に
応じて、その送風空気中の水分が蒸発器14の表面で結
露して除去される。この後において、上記送風空気が補
助熱交換器32との熱交換により再加熱されるのに応じ
て、その相対湿度が大幅に低下するようになる。
【0049】上記のような四方弁33、第1電磁弁37
及び第2電磁弁38の制御は、図7に示すように、制御
装置25により行われる。尚、この制御装置25による
制御機能は、基本的には前記第1実施例と同じである
が、特に暖房運転時には、例えば、圧力センサ30によ
る検出圧力に基づいて補助熱交換器32での冷媒凝縮温
度を演算し、その演算結果に基づいてインバータ装置2
1の出力周波数を調整することにより、上記凝縮温度つ
まり暖房温度を制御するようにしている。
【0050】また、図6に示すように、インバータ装置
21の出力は、交流モータ16aに対して常時供給され
ると共に、制御装置25により同時に切換制御されるリ
レースイッチ39R、39S、39Tを介して3個のP
TCヒータ15にも供給可能な構成となっている。この
場合、上記リレースイッチ39R、39S、39Tは機
械的なメーク接点を備えたもので、そのオン状態では、
インバータ装置21の三相交流出力をデルタ結線された
3個のPTCヒータ15に対して2π/3の位相差をも
って印加する状態に切換わる構成となっている。つま
り、リレースイッチ39R、39S、39Tの制御に応
じて、交流モータ16aのみに通電した状態と、交流モ
ータ16a及びPTCヒータ15の双方に通電した状態
とに切換え得る構成となっている。
【0051】従って、上記構成の本実施例では、暖房運
転時には、冷媒圧縮機16用の交流モータ16aに通電
されると共に、四方弁33、第1電磁弁37及び第2電
磁弁38が所定の状態に切換えられることにより、冷凍
サイクルがヒートポンプサイクルとして機能されるよう
になり、このときの暖房能力が不足するときには、リレ
ースイッチ39R、39S、39Tがオンされて、イン
バータ装置21の出力が上記交流モータの16aの他に
PTCヒータ15にも与えられるようになり、これに伴
うPTCヒータ15の発熱によって上記のような暖房能
力の不足状態が解消或いは補われるようになる。
【0052】この場合、本実施例では、PTCヒータ1
5に対してインバータ装置21からの交流出力が与えら
れるなどの構成となっているから、前記第1実施例と同
様の効果を奏するものである。特に、本実施例では、リ
レースイッチ39R、39S、39Tとして、PTCヒ
ータ15をインバータ装置21の出力側に接離するだけ
の単純なメーク接点を備えた構成のものを使用すれば良
く、しかも補助的な加熱源として設けられたPTCヒー
タ15に流れる電流(つまりPTCヒータ15が前記第
1実施例のように主加熱源として用いられる場合より少
ない電流)を断続するだけで良いから、その構造の簡単
化並びに小接点容量化を図り得るようになって、リレー
スイッチ39R、39S、39Tのコストを低下できる
と共に、アークによる接点損傷を小さくできる利点があ
る。
【0053】尚、上記実施例では、3個のPTCヒータ
15をデルタ結線して用いる構成としたが、前記した第
2実施例と同様に、3個のPTCヒータ15をスター結
線(Y結線)して用いる構成としても良いことは勿論で
ある。
【0054】図10〜図13には本発明の第4実施例が
示されており、以下これについて前記第1実施例と異な
る部分のみ説明する。即ち、この実施例は、電気自動車
のウインドガラスを加熱するための防曇用ヒータの一種
であるヒ−テッドウインドシールドをインバータ装置の
駆動対象とした構成に特徴を有する。
【0055】具体的には、図12のように、その断面構
造の一部を拡大した状態で示す例えばフロント用のウイ
ンドガラス40は、合わせガラスより成るもので、外側
ガラス41及び内側ガラス42間に主として樹脂より成
る中間層43を挟み込んだ三層構造となっている。この
場合、外側ガラス41の内面(中間層43との接触面)
には、主としてAg合金の蒸着膜より成る透明導電膜4
4が設けられており、斯かる透明導電膜44の上下両端
部に給電用の電極(図12には第1の電極45aのみ図
示)を設けることによって、ウインドガラス40全体を
加熱可能なヒーテッドウインドシールド46(本発明で
いう電気式ヒータに相当)が構成されている。
【0056】具体的には、図13に示すように、透明電
極膜44の上端部のほぼ全域にわたる形状に形成された
第1の電極45aと、透明電極膜44の下端部に左右に
離間して形成された所定幅寸法ずつの第2の電極45b
及び第3の電極45cとが設けられるものであり、これ
により電極45a〜45cの各間には、図13中にR
a、Rb、Rcで示す仮想抵抗(電気式ヒータと等価)
がデルタ結線状に存在することになる。尚、図12に示
すように、外側ガラス41及び内側ガラス42の各対向
面には、上記第1の電極45a〜第3の電極45cを前
後から隠蔽するようにして黒色セラミック膜41a、4
2aが設けられるものである。
【0057】しかして、図10に示すように、上記ヒ−
テッドウインドシールド46は、第1の電極45a、第
2の電極45b、第3の電極45cが、それぞれリレー
スイッチ47R、47S、47Tを介してインバータ装
置21の各相出力端子に接続されている。尚、上記リレ
ースイッチ47R、47S、47Tは機械的なメーク接
点を備えたものである。
【0058】また、図11に示すように、ヒ−テッドウ
インドシールド46をオンオフするためのHWSスイッ
チ48が運転者による操作が可能な位置に設けられるも
のであり、制御装置25は、HWSスイッチ48のオン
オフ操作に応じてリレースイッチ47R、47S、47
Tをオンオフさせる構成となっている。従って、ヒ−テ
ッドウインドシールド46に対して、インバータ装置2
1の出力をリレースイッチ47R、47S、47Tを介
して選択的に供給できるようになる。尚、上記HWSス
イッチ48は、デフロストスイッチと兼用しても良いも
のである。
【0059】上記した本実施例の構成によれば、リレー
スイッチ47R、47S、47Tの制御に応じて、交流
モータ16aのみに通電した状態と、交流モータ16a
及びヒ−テッドウインドシールド46の双方に通電した
状態とに切換え得るものであり、これによりウインドガ
ラス40に付着した霜、氷、水分による曇りなどを必要
に応じて除去できるようになる。この場合、ヒ−テッド
ウインドシールド46自体は、消費電力が比較的大きい
(1000〜1500W/m程度)ものであるが、
その通断電を行うリレースイッチ47R、47S、47
Tは、第1実施例におけるリレースイッチ26R、26
S、26Tと同様に、交流電流を断続することになるか
ら、大電流の断続を行う構成でありながら、接点開放時
のアークによる接点損傷が直流電流を断続するときに比
べて軽減されることになる。この結果、リレースイッチ
47R、47S、47Tのような機械的接点を備えたコ
スト安のスイッチ手段を利用しても支障がなくなり、全
体のコストダウンを実現できるようになる。
【0060】尚、このように制御対象負荷がヒ−テッド
ウインドシールド46である場合には、その通電が空調
運転と無関係に行われるのが一般的であるから、その電
源を電気自動車の走行用モータを駆動するためのインバ
ータ装置から得るように構成することも可能である。
【0061】図14には、上記第4実施例に回路構成上
の変更を加えた本発明の第5実施例が示されており、以
下これについて異なる部分のみ説明する。即ち、この第
5実施例は、第4実施例におけるリレースイッチ47
R、47S、47Tに代えて、機械的なトランスファ接
点を備えたリレースイッチ49R、49S、49Tを設
け、これらリレースイッチ49R、49S、49Tを、
インバータ装置21からの三相交流出力電圧を交流モー
タ16aに印加する状態と、その三相交流出力の相間電
圧をヒ−テッドウインドシールド46に印加する状態と
の何れかに切換える構成としたものである。
【0062】このような構成によれば、交流モータ16
aとヒ−テッドウインドシールド46とが同時通電され
ることがないから、そのヒ−テッドウインドシールド4
6に対する印加電圧つまり発熱量を任意に変化させ得る
ようになる。
【0063】図15、図16には本発明の第6実施例が
示されている。即ち、図16において、この実施例にお
けるヒーテッドウインドシールド50(本発明でいう電
気式ヒータに相当)は、ウインドガラス40に設けられ
た透明電極膜44の上端部及び下端部のほぼ全域にわた
る形状に形成された一対の電極50a、50bを設けた
構成となっており、電極50a、50b間には、図16
中にRzで示す仮想抵抗が存在することになる。
【0064】図15に示すように、上記ヒ−テッドウイ
ンドシールド50は、インバータ装置21から機械的な
トランスファ接点を備えた一対のリレースイッチ51
R、51Sを介して通電されるように接続される。尚、
この場合において、上記インバータ装置21は、ヒ−テ
ッドウインドシールド50に通電する状態では二相或い
は単相インバータとして機能するように出力様式が変更
される。
【0065】図17には本発明の第7実施例が示されて
おり、以下これについて説明する。即ち、図17は電気
自動車の全ウインドガラスの配置を摸式的に示したもの
であり、フロントウインドガラス51、リアウインドガ
ラス52及び運転席用ドアに設けられたウインドガラス
53のそれぞれにヒ−テッドウインドシールド51A、
52A及び53A(本発明でいう電気式ヒータに相当)
を設けると共に、これらヒ−テッドウインドシールド5
1A、52A及び53Aを例えばスター結線し、インバ
ータ装置21からの三相交流出力電圧を、前記第4実施
例のようなリレースイッチ47R、47S、47T或い
は前記第5実施例のようなリレースイッチ49R、49
S、49Tを介して供給する構成としたものである。
【0066】その他、本発明は上記した各実施例に限定
されるものではなく、次のような変形または拡張が可能
である。上記各実施例では、マニュアルタイプの空調装
置に適用したが、オートタイプの空調装置にも適用可能
であり、また、電気自動車用に限らず、空調運転用冷凍
サイクル内の冷媒圧縮機をモータにより駆動する構成を
採用した自動車一般に適用できるものである。電気式ヒ
ータとしては、PTCヒータに限らず他の形式のヒータ
を広く利用できるものであり、また、その設置個数も上
記した実施例のように3個に限られるものではない。コ
ストを考慮する必要がない場合には、スイッチ手段とし
て無接点タイプのスイッチング素子(トライアック、逆
並列接続されたサイリスタなど)を利用しても良いもの
である。防曇用ヒータとしてヒ−テッドウインドシール
ドを対象にしたが、熱線式ヒータなど他の形式の防曇用
ヒータを対象にしても良い。
【0067】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、請
求項1記載の発明によれば、車両の所定部位に対する加
熱源として設けられる電気式ヒータの電源を、冷凍サイ
クル内の冷媒圧縮機用モータの電源として設けられたイ
ンバータ装置からスイッチ手段を通じて得る構成とした
から、上記スイッチ手段として、機械式接点を備えたス
イッチ手段を利用した場合でも、その通断電制御の信頼
性を高めることができて、全体のコスト低減が可能にな
るものである。
【0068】請求項2記載の発明によれば、前記電気式
ヒータを車室内雰囲気を加熱するための暖房運転用ヒー
タとしたから、暖房用の電気式ヒータとして最も一般的
なPTCヒータを利用した場合であってもマイグレーシ
ョン現象が発生する虞がなく、長期使用時の動作信頼性
の向上を実現できるようになる。
【0069】請求項3記載の発明では、前記電気式ヒー
タを暖房運転時の主加熱源として設けた上で、インバー
タ装置の出力を電気式ヒータに供給する状態時には、ス
イッチ手段により冷媒圧縮機用モータをインバータ装置
から切り離す構成としたから、インバータ装置の出力変
化が電気式ヒータの出力変化に直接結び付くことになっ
て、当該電気式ヒータによる暖房能力を容易に調整でき
るようになる請求項4記載の発明では、前記冷凍サイク
ルを、暖房運転のためのヒートポンプサイクルを形成可
能な構成とした上で、冷凍サイクルの暖房能力の不足時
には、スイッチ手段によりインバータ装置の出力を前記
冷媒圧縮機用モータ及び電気式ヒータの双方に供給する
構成としたから、スイッチ手段の構造の簡単化並びに小
接点容量化を図り得るようになって、そのスイッチ手段
のコストを低下できると共に、アークによる接点損傷を
抑制できるようになる。
【0070】請求項5記載の発明では、前記電気式ヒー
タを車両用のウインドガラスを加熱するための防曇用ヒ
ータとしたから、ウインドガラスの防曇運転を確実に行
い得ると共に、その通断電用に機械式接点を備えたスイ
ッチ手段を利用した場合でも、通断電制御の信頼性を高
めることができて全体のコスト低減が可能になる。
【0071】請求項6記載の発明では、前記インバータ
装置を多相の交流出力を発生するように構成した上で、
その多相交流出力の相間電圧が印加される複数の電気式
ヒータと、各電気式ヒータに対応した複数のスイッチ手
段とを設ける構成としたから、個々の電気式ヒータに流
す電流を少なくできて、スイッチ手段を小接点容量化で
きると共に、アークによる損傷を受け難くできるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の電気的構成図
【図2】全体の電気的構成図
【図3】送風系統を摸式的に示す断面図
【図4】冷凍サイクルの配管構成図
【図5】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図6】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図7】図2相当図
【図8】図3相当図
【図9】図4相当図
【図10】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図11】図2相当図
【図12】ヒ−テッドウインドシールドを一部拡大した
状態で示す摸式的な縦断面図
【図13】ヒ−テッドウインドシールドを摸式的に示す
【図14】本発明の第5実施例を示す図1相当図
【図15】本発明の第6実施例を示す図1相当図
【図16】図13相当図
【図17】本発明の第7実施例を示す図13相当図
【符号の説明】
図面中、1はエアダクト、13はブロワ、14は蒸発
器、15はPTCヒータ(電気式ヒータ)、16は冷媒
圧縮機、16aは交流モータ(冷媒圧縮機用モータ)、
17は室外熱交換器、21はインバータ装置、22は車
載バッテリ、25は制御装置、26R、26S、26
T、39R、39S、39T、47R、47S、47
T、51R、51Sはリレースイッチ(スイッチ手
段)、40、51、52、53はウインドガラス、4
6、50、51A、52A、53Aはヒ−テッドウイン
ドシールド(電気式ヒータ)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−229334(JP,A) 特開 平5−178069(JP,A) 特開 平5−178061(JP,A) 特開 平5−254334(JP,A) 特開 平5−147428(JP,A) 特開 平5−312029(JP,A) 実開 平5−91922(JP,U) 実開 平5−91925(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/22 611

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調運転のための冷凍サイクルを備え、
    前記冷凍サイクル内の冷媒圧縮機用モータの電源を、車
    載バッテリの出力を交流電力に変換するインバータ装置
    から得るようにした車両用空調装置において、 車両の所定部位に対する加熱源として設けられた電気式
    ヒータと、 前記インバータ装置の出力を前記電気式ヒータに対し選
    択的に供給するためのスイッチ手段とを備えたことを特
    徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記電気式ヒータは、車室内雰囲気を加
    熱するための暖房運転用ヒータであることを特徴とする
    請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記電気式ヒータは暖房運転時の主加熱
    源として設けられ、 前記スイッチ手段は、前記インバータ装置の出力を前記
    電気式ヒータに供給する状態に切換えられたときに前記
    冷媒圧縮機用モータをインバータ装置から切り離すよう
    に構成されていることを特徴とする請求項2記載の車両
    用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記冷凍サイクルは暖房運転のためのヒ
    ートポンプサイクルを形成可能に構成され、 前記スイッチ手段は、その冷凍サイクルによる暖房能力
    が不足するときに、前記インバータ装置の出力を前記冷
    媒圧縮機用モータ及び電気式ヒータの双方に供給するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項2記載の車
    両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記電気式ヒータは、車両用のウインド
    ガラスを加熱するための防曇用ヒータであることを特徴
    とする請求項1記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記インバータ装置は多相の交流出力を
    発生するように構成され、 前記インバータ装置による多相交流出力の相間電圧が印
    加される複数の電気式ヒータと、 前記各電気式ヒータに対応した複数のスイッチ手段とを
    備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の
    車両用空調装置。
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