JPH10264646A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH10264646A
JPH10264646A JP6880397A JP6880397A JPH10264646A JP H10264646 A JPH10264646 A JP H10264646A JP 6880397 A JP6880397 A JP 6880397A JP 6880397 A JP6880397 A JP 6880397A JP H10264646 A JPH10264646 A JP H10264646A
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JP
Japan
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temperature
air
heat exchanger
refrigerant
mode
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JP6880397A
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Inventor
Akira Isaji
晃 伊佐治
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 除湿冷房モードと除湿暖房モードとの選択条
件を最適化することにより、内気温度や外気温度等から
算出される目標吹出温度TAOを作り易くする。 【解決手段】 エアコンユニット1のOFF状態からD
EF制御に移行するときに、目標吹出温度TAOが、エ
バポレータ24に吸い込まれる空気の吸込温度Tin以
下の低温の場合には、室外熱交換器23を凝縮器として
運転し、エバポレータ24を蒸発器として単独運転する
除湿冷房モードを選択する。また、目標吹出温度TAO
が吸込温度Tinよりも高温の場合には、室外熱交換器
23とエバポレータ24とを並列して蒸発器として運転
する除湿暖房モードを選択する。それによって、乗員に
より車室内の除湿が希望されている時に、エバポレータ
24に吸い込まれる空気の性質を考慮して除湿モードを
選択できるので、電気自動車の車室内に吹き出す空気の
目標吹出温度TAOを作り易くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジン冷
却水を有しない電気自動車や空冷式エンジン搭載車等の
車両の車室内を除湿する車両用空気調和装置に関するも
ので、特に電気自動車の車室内を暖房気味除湿または冷
房気味除湿する電気自動車用空気調和装置に係わる。
【0002】
【先行の技術】本出願人は、エンジン冷却水を有しない
車両の車室内を空調する車両用空気調和装置として、例
えば特願平8−158502号(出願日平成8年6月1
9日)に記載された電気自動車用空気調和装置を提案し
た。この電気自動車用空気調和装置は、車室内を除湿
(特にフロント窓ガラスの曇りを除去)する必要のある
時に、冷凍サイクル中の冷媒経路を変更することによ
り、室外熱交換器を凝縮器として運転し、室内蒸発器を
蒸発器として単独運転する除湿冷房モード、あるいは室
外熱交換器と室内蒸発器とを並列して蒸発器として運転
する除湿暖房モードのいずれかの空調運転モードに切り
替えて、フロント窓ガラスの曇りを除去するようにして
いる。
【0003】ここで、除湿冷房モード時には、冷媒圧縮
機の吐出口より吐出された冷媒は、室内凝縮器→室外熱
交換器→減圧手段→室内蒸発器→冷媒圧縮機のように循
環する(除湿冷房サイクル)。また、除湿暖房モード時
には、冷媒圧縮機の吐出口より吐出された冷媒は、室内
凝縮器→減圧手段→室外熱交換器→室内蒸発器→冷媒圧
縮機のように循環する(除湿暖房サイクル)。
【0004】そして、上記の電気自動車用空気調和装置
においては、車室内を除湿する必要のある時の、除湿冷
房モードと除湿暖房モードとの切替条件(選択条件)
は、外気温度のみで選択されている。すなわち、外気温
度が切替温度(例えば18℃)以上の高温の時には、除
湿冷房モードを選択して車室内を冷房気味除湿し、外気
温度が切替温度(例えば18℃)よりも低温の時には、
除湿暖房モードを選択して車室内を暖房気味除湿してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の電気
自動車用空気調和装置においては、車室内に吹き出す空
気の目標吹出温度に基づいて冷媒圧縮機の回転速度を変
更することにより、温度設定スイッチにより設定される
希望温度となるように車室内に吹き出す空気の吹出温度
が制御されるが、目標吹出温度の作り易さは、外気温度
だけでなく、外気湿度、内気温度およびブロワの風量に
よっても左右される。特に、外気温度が一定値であって
も外気湿度が高い場合には、外気湿度が低い時と比べて
室内蒸発器の吸熱量が大きくなり、室内凝縮器の放熱量
も大きくなる。このため、外気温度だけで除湿冷房モー
ドと除湿冷房モードとを選択する場合には、外気湿度に
応じて切替温度を変更する必要があるため、目標吹出温
度が作り難いという問題が生じている。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、除湿冷房モードと除湿
暖房モードとの切替条件を最適化することにより、設定
吹出温度、内気温度および外気温度等を考慮して算出さ
れる目標吹出温度を作り易くした車両用空気調和装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、車室内の除湿が希望されている時に、設定吹出
温度、内気温度および外気温度を考慮して算出される目
標吹出温度が、冷却用室内熱交換器に吸い込まれる吸込
温度以下の低温の場合には除湿冷房モードが選択され、
除湿冷房モード用循環回路に切り替えられる。これによ
り、冷媒圧縮機より吐出された冷媒は、加熱用室内熱交
換器、室外熱交換器、減圧手段、冷却用室内熱交換器の
順に流れて冷媒圧縮機に吸入される。このとき、ダクト
内に吸い込まれた空気は、冷却用室内熱交換器で冷却除
湿された後に加熱用室内熱交換器で再加熱されて車室内
に吹き出されることにより、車室内が冷房気味除湿され
る。
【0008】また、目標吹出温度が吸込温度よりも高温
の場合には除湿暖房モードが選択さ、除湿暖房モード用
循環回路に切り替えられる。これにより、冷媒圧縮機よ
り吐出された冷媒は、加熱用室内熱交換器、減圧手段、
室外熱交換器、冷却用室内熱交換器の順に流れて冷媒圧
縮機に吸入される。このとき、ダクト内に吸い込まれた
空気は、冷却用室内熱交換器で冷却除湿された後に加熱
用室内熱交換器で再加熱されて車室内に吹き出されるこ
とにより、車室内が暖房気味除湿される。
【0009】それによって、車室内の除湿が希望されて
いる時に、冷却用室内熱交換器に吸い込む空気の性質、
外気温度、内気温度および目標吹出温度を考慮して、除
湿冷房モード用循環回路に切り替えることにより成され
る冷房気味除湿と除湿暖房モード用循環回路に切り替え
ることにより成される暖房気味除湿とを選択することが
できるので、目標吹出温度を作り易くなる。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、冷媒圧縮
機として、駆動モータにより回転駆動される電動式の冷
媒圧縮機を利用することにより、例えばエンジン冷却水
を有しない電気自動車や空冷式エンジン搭載車等の車両
の車室内を除湿することができる。また、駆動モータを
駆動電源としてのインバータによって通電制御すること
により、冷媒圧縮機より吐出される冷媒の吐出量の変
更、つまり加熱用室内熱交換器を循環する冷媒量、およ
び冷却用室内熱交換器を循環する冷媒量を容易に調節す
ることができる。したがって、駆動モータの回転速度を
変更するだけで、車室内に吹き出す空気の吹出温度(実
際の吹出温度)を目標吹出温度に略一致させることがで
きる。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、除湿冷房
モードが選択されると、冷媒圧縮機より吐出された冷媒
は、第1室内熱交換器に流入してダクト内の空気を加熱
した後に、室外熱交換器、減圧手段を通って第2室内熱
交換器に流入し、さらに冷媒圧縮機に吸入される。この
とき、ダクト内に吸い込まれた空気は、第2室内熱交換
器で冷却除湿された後に第1室内熱交換器で再加熱され
て車室内に吹き出されることにより、車室内が冷房気味
除湿される。
【0012】また、除湿暖房モードが選択されると、冷
媒圧縮機より吐出された冷媒は、第1室内熱交換器に流
入してダクト内の空気を加熱した後に、減圧手段、室外
熱交換器を通って第2室内熱交換器に流入し、さらに冷
媒圧縮機に吸入される。このとき、ダクト内に吸い込ま
れた空気は、第2室内熱交換器で冷却除湿された後に第
1室内熱交換器で再加熱されて車室内に吹き出されるこ
とにより、車室内が暖房気味除湿される。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、除湿冷房
モードが選択されると、冷媒圧縮機より吐出された冷媒
は、冷媒熱媒体熱交換器に流入して熱媒体を加熱した後
に、室外熱交換器、減圧手段を通って第2室内熱交換器
に流入し、さらに冷媒圧縮機に吸入される。一方、熱媒
体循環手段の作動によって、冷媒熱媒体熱交換器から第
1室内熱交換器に熱媒体が送られる。このとき、ダクト
内に吸い込まれた空気は、第2室内熱交換器で冷却除湿
された後に第1室内熱交換器で再加熱されて車室内に吹
き出されることにより、車室内が冷房気味除湿される。
【0014】また、除湿暖房モードが選択されると、冷
媒圧縮機より吐出された冷媒は、冷媒熱媒体熱交換器に
流入して熱媒体を加熱した後に、減圧手段、室外熱交換
器を通って第2室内熱交換器に流入し、さらに冷媒圧縮
機に吸入される。一方、熱媒体循環手段の作動によっ
て、冷媒熱媒体熱交換器から第1室内熱交換器に熱媒体
が送られる。このとき、ダクト内に吸い込まれた空気
は、第2室内熱交換器で冷却除湿された後に第1室内熱
交換器で再加熱されて車室内に吹き出されることによ
り、車室内が暖房気味除湿される。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、車室内の
除湿が希望されている時に、除湿冷房モードが選択され
ている場合には、目標吹出温度と第2室内熱交換器の温
度に応じて加熱量調節手段を制御することにより、第2
室内熱交換器で冷却除湿された空気の再加熱量が調節さ
れると共に、第2室内熱交換器の温度が目標温度となる
ように冷媒圧縮機の回転速度を制御することにより、車
室内に吹き出す実際の吹出温度が目標吹出温度に近づけ
られる。
【0016】請求項6に記載の発明によれば、車室内の
除湿が希望され、且つ除湿冷房モードが選択されている
時に、加熱量調節手段によるダクト内の空気の加熱量が
所定値以下に低下した場合には、熱媒体循環手段の作動
を停止することにより運転コストを低減する。このと
き、目標吹出温度と第2室内熱交換器の温度とが略一致
するように冷媒圧縮機の回転速度を制御することによ
り、冷媒圧縮機の仕事量を減らしながら、ダクトから車
室内に吹き出す実際の吹出温度を目標吹出温度に略一致
させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態の構成〕図1ない
し図7は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は
電気自動車用空気調和装置の全体構成を示した図で、図
2は電気自動車用空気調和装置の制御系を示した図であ
る。
【0018】電気自動車用空気調和装置は、走行用モー
タMを搭載する電気自動車(車両)の車室内を空調する
エアコンユニット(空調ユニット)1における各空調機
器(アクチュエータ)を、エアコン制御装置(以下EC
Uと呼ぶ)10によって制御するように構成された車両
用オートエアコンである。
【0019】エアコンユニット1は、内部に電気自動車
の車室内に空調空気を導く空気通路を形成する空調ダク
ト2、この空調ダクト2内において空気流を発生させる
遠心式送風機、空調ダクト2内を流れる空気を加熱して
車室内を暖房するためのブラインサイクル、および空調
ダクト2内を流れる空気を冷却除湿して車室内を除湿す
るための冷凍サイクル等から構成されている。
【0020】空調ダクト2は、電気自動車の車室内の前
方側に配設されている。その空調ダクト2の最も上流側
(風上側)は、内外気切替箱を構成する部分で、車室内
空気(以下内気と言う)を取り入れる内気吸込口3、お
よび車室外空気(以下外気と言う)を取り入れる外気吸
込口4を有している。さらに、内気吸込口3および外気
吸込口4の内側には、内外気切替ダンパ5が回転自在に
支持されている。この内外気切替ダンパ5は、サーボモ
ータ等のアクチュエータ(図示せず)により駆動され
て、吸込口モードを内気循環モード、外気導入モード等
に切り替える。なお、内外気切替ダンパ5は、内外気切
替箱と共に内外気切替手段を構成する。
【0021】また、空調ダクト2の下流側(風下側)
は、吹出口切替箱を構成する部分で、電気自動車のフロ
ント窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すデフ
ロスタ(DEF)吹出口11、乗員の頭胸部に向かって
主に冷風を吹き出すフェイス(FACE)吹出口12、
および乗員の足元部に向かって主に温風を吹き出すフッ
ト(FOOT)吹出口13を有している。さらに、各吹
出口の内側には、デフロスタ(DEF)ダンパ14、フ
ェイス(FACE)ダンパ15およびフット(FOO
T)ダンパ16が回転自在に支持されている。DEF、
FACE、FOOTダンパ14〜16よりなる吹出口切
替ドアは、サーボモータ等のアクチュエータ(図示せ
ず)により駆動されて、吹出口モードをフェイス(FA
CE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット
(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モードまた
はデフロスタ(DEF)モードに切り替える。
【0022】遠心式送風機は、空調ダクト2と一体的に
構成されたスクロールケースに回転自在に収容された遠
心式ファン17、およびこの遠心式ファン17を駆動す
るブロワモータ18を有し、ブロワ駆動回路(図示せ
ず)を介して印加されるブロワモータ端子電圧(ブロワ
電圧)に基づいて送風量(ブロワモータ18の回転速
度)が制御される。
【0023】ブラインサイクルは、温水式ヒータ6、ブ
ライン冷媒熱交換器7、ウォータポンプ8、燃焼式ヒー
タ9、およびこれらを環状に接続する温水配管(ブライ
ン配管)等から構成されている。なお、本実施形態で
は、ブラインサイクル内を循環する温水(熱媒体、ブラ
イン)として不凍液(例えばエチレングリコール水溶
液)やLLC(ロングライフクーラント)を使用してい
る。
【0024】温水式ヒータ6は、本発明の加熱用室内熱
交換器、第1室内熱交換器に相当するもので、空調ダク
ト2内に設置され、内部を流れる温水との熱交換によっ
て通過する空気を加熱する室内空気加熱器である。温水
式ヒータ6の空気の入口部および出口部には、温水式ヒ
ータ6を通過する空気量(温風量)と温水式ヒータ6を
迂回する空気量(冷風量)とを調節して車室内へ吹き出
す空気の吹出温度を調整する2個のエアミックス(A/
M)ダンパ19が回転自在に支持されている。これらの
A/Mダンパ19は、本発明の加熱量調節手段に相当す
るもので、ステッピングモータやサーボモータ等のアク
チュエータ(図示せず)により駆動される。
【0025】ブライン冷媒熱交換器7は、本発明の加熱
用室内熱交換器、冷媒熱媒体熱交換器に相当するもの
で、アルミニウム合金等の熱伝導性に優れる金属パイプ
よりなる二重管構造を成し、内周側に温水通路、外周側
に冷媒通路が形成されている。このブライン冷媒熱交換
器7は、車室外に設置され、温水通路内を流れる低温の
温水(ブライン:熱媒体)と冷媒通路内を流れる高温高
圧のガス冷媒とを熱交換させることにより、温水を加熱
する温水加熱器として運転されると共に、冷凍サイクル
の凝縮器として運転される。
【0026】ウォータポンプ8は、本発明の熱媒体循環
手段に相当するもので、通電を受けて起動することによ
りブラインサイクル内に温水の循環流を発生するウォー
タポンプである。燃焼式ヒータ9は、図示しない燃料ポ
ンプから圧送された燃料を燃焼用空気と混合して燃焼
し、その燃焼時に生成される燃焼ガスとの熱交換によっ
て温水を加熱する。温水との熱交換を終えた燃焼ガス
は、大気に排出される。但し、この燃焼式ヒータ9は、
外気温度が低い(例えば0℃以下の)時に、ブライン冷
媒熱交換器7だけでは十分に温水を加熱できない時に補
助加熱装置として使用される。なお、燃焼式ヒータ9
は、燃料ポンプから圧送される燃料供給量および燃焼用
空気量を調節することにより、燃焼量(発熱量)の高い
「Hi」、燃焼量の低い「Lo」の2段階に切り替えて
使用することができる。
【0027】冷凍サイクルは、ヒートポンプサイクルで
もあり、冷媒圧縮機20、ブライン冷媒熱交換器7、後
記する減圧手段、室外熱交換器23、エバポレータ2
4、アキュームレータ25、後記する循環回路切替手
段、およびこれらを環状に接続する冷媒配管等から構成
されて、各空調運転モードに基づいて冷媒の循環方向が
変わる。なお、本実施形態の通常の空調運転モードとし
ては、車室内を冷房する冷房モード、車室内を除湿する
除湿モード(除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モ
ード)、ヒートポンプのみで車室内を暖房するヒートポ
ンプ暖房モード、燃焼式ヒータ9のみで車室内を暖房す
る燃焼暖房モード等が設定されている。また、本実施形
態のDEF制御(除湿モード、DEFモード)の時の空
調運転モードとしては、フロント窓ガラスの防曇を行う
外気冷房モード、車室内を冷房気味除湿する除湿冷房モ
ード、車室内を暖房気味除湿する第1、第2除湿暖房モ
ード、フロント窓ガラスの防曇とエバポレータ24のフ
ロスト防止を行う外気暖房モード、燃焼式ヒータ9のみ
で車室内を除湿暖房する燃焼暖房モード等が設定されて
いる。
【0028】冷媒圧縮機20は、吸入したガス冷媒を圧
縮する電動式の冷媒圧縮機(コンプレッサ)であって、
ECU10の出力信号に基づいて冷媒圧縮機20の駆動
モータ(図示せず)の回転速度を制御する回転速度制御
手段としてのエアコン用インバータ30を備えている。
そして、駆動モータは、エアコン用インバータ30によ
って車載電源Vから印加される電力が連続的あるいは段
階的に可変制御される。したがって、冷媒圧縮機20
は、印加電力の変化による駆動モータの回転速度の変化
によって、冷媒吐出容量を変化させて冷凍サイクル内を
循環する冷媒の流量を調節することによりブライン冷媒
熱交換器7(温水式ヒータ6)の加熱能力やエバポレー
タ24の冷却能力(除湿能力)が制御される。
【0029】本実施形態では、本発明の減圧手段に相当
する部品として2個の第1、第2減圧手段21、22を
備えている。第1減圧手段21は、暖房モード時および
除湿モード(第1、第2除湿暖房モード、外気暖房モー
ド)時にブライン冷媒熱交換器7より流入した冷媒を減
圧するキャピラリチューブである。第2減圧手段22
は、冷房モード時および除湿モード(除湿冷房モード、
外気冷房モード)時に室外熱交換器23より流入した冷
媒を減圧するキャピラリチューブである。
【0030】室外熱交換器23は、車室外に設置され
て、内部を流れる冷媒と電動ファン26により送風され
る外気とを熱交換する。なお、室外熱交換器23は、暖
房モード時および除湿モード(第2除湿暖房モード、外
気暖房モード)時には、第1減圧手段21で減圧された
低温低圧の冷媒を外気との熱交換により蒸発気化させる
蒸発器として運転され、冷房モードおよび除湿モード
(除湿冷房モード、外気冷房モード)時には、ブライン
冷媒熱交換器7より流入した冷媒を外気との熱交換によ
り凝縮液化させる凝縮器として運転される。ここで、一
般的に、室外熱交換器23は、電気自動車が走行する際
に生じる走行風を受け易い車室外に設置されている。こ
のため、電気自動車が走行中であれば、室外熱交換器2
3内を流れる冷媒は、蒸発器として運転する際にはエバ
ポレータ24内を流れる冷媒よりも吸熱量が大きく、凝
縮器として運転する際にはブライン冷媒熱交換器7内を
流れる冷媒よりも放熱量が大きくなる。
【0031】エバポレータ24は、本発明の冷却用室内
熱交換器、第2室内熱交換器に相当するもので、空調ダ
クト2内において温水式ヒータ6よりも下流側(風下
側)に設置され、冷房モード時および除湿モード(第
1、第2除湿暖房モード、除湿冷房モード、外気冷房モ
ード)時に第2減圧手段22および第1減圧手段21で
減圧された低温低圧の冷媒を空調ダクト2内の空気との
熱交換により蒸発気化させる蒸発器として運転される。
これにより、エバポレータ24の内部を流れる冷媒がエ
バポレータ24を通過する空気から蒸発潜熱を奪って
(吸熱して)蒸発することで、エバポレータ24を通過
する空気が冷却除湿される。アキュームレータ25は、
内部に流入した冷媒を液冷媒とガス冷媒とに気液分離し
て液冷媒を貯溜し、ガス冷媒のみを冷媒圧縮機20へ供
給する気液分離器として運転される。
【0032】循環回路切替手段は、冷凍サイクル中の冷
媒の循環方向を冷房サイクル(図1において矢印Cの経
路)、暖房サイクル(図1において矢印Hの経路)、除
湿サイクル(図1において矢印Dの経路)および除湿暖
房サイクル(図1において矢印H・Dの経路)等のいず
れかのサイクルに切り替えるものである。ここで、冷房
サイクルは本発明の除湿冷房モード用循環回路に相当
し、除湿サイクルは本発明の除湿暖房モード用循環回路
に相当する。本実施形態では、循環回路切替手段とし
て、通電(ON、オン)されると開弁し、通電が停止
(OFF、オフ)されると閉弁する3個の電磁式開閉弁
(以下電磁弁と略す)VC、VH、VDが使用されてい
る。
【0033】電磁弁VCは、第1減圧手段21を迂回
し、ブライン冷媒熱交換器7と室外熱交換器23とを結
ぶ冷房用冷媒流路に設置されている。そして、電磁弁V
Cは、冷房サイクル時に、冷媒圧縮機20より吐出され
た冷媒を、ブライン冷媒熱交換器7→室外熱交換器23
→第2減圧手段22→エバポレータ24→アキュームレ
ータ25→冷媒圧縮機20の順に流す第3冷媒流路を開
く冷房用開閉手段である。電磁弁VHは、第2減圧手段
22およびエバポレータ24を迂回し、室外熱交換器2
3とアキュームレータ25とを結ぶ暖房用冷媒流路に設
置されている。そして、電磁弁VHは、暖房サイクル時
および除湿暖房サイクル時に、冷媒圧縮機20より吐出
された冷媒を、ブライン冷媒熱交換器7→第1減圧手段
21→室外熱交換器23→アキュームレータ25→冷媒
圧縮機20の順に流す第1冷媒流路を開く暖房用開閉手
段である。電磁弁VDは、第2減圧手段22を迂回し、
第1減圧手段21とエバポレータ24とを結ぶ除湿用冷
媒流路に設置されている。そして、電磁弁VDは、除湿
サイクル時および除湿暖房サイクル時に、冷媒圧縮機2
0より吐出された冷媒を、ブライン冷媒熱交換器7→第
1減圧手段21→エバポレータ24→アキュームレータ
25→冷媒圧縮機20に順に流す第2冷媒流路を開く除
湿用開閉手段である。
【0034】ECU10は、本発明の空調制御装置、目
標吹出温度決定手段、吸込温度検出手段に相当するもの
で、中央演算処理装置(以下CPUと言う)31、RO
M32、RAM33、A/D変換器34、インターフェ
イス35、36等を持ち、それ自体は周知のものであ
る。また、ECU10は、走行用モータMの回転速度を
制御する走行用インバータIにも接続するジャンクショ
ンボックスJを介して車載電源Vより電力が供給されて
作動する。
【0035】そして、ECU10は、内気温センサ4
1、外気温センサ42、日射センサ43、冷媒圧力セン
サ44、エバ後温度センサ45、水温センサ46、除霜
センサ47、水温センサ48および操作パネル50より
入力される入力信号と予めインプットされた制御プログ
ラムに基づいて、各空調機器を制御する。すなわち、E
CU10は、各センサの検出値(検出信号)および操作
パネル50の操作値(操作信号)などの入力信号と予め
インプットされた制御プログラムに基づいて、各冷凍機
器(アクチュエータ)の運転状態を制御する。
【0036】内気温センサ41は、例えばサーミスタ等
の感温素子よりなり、車室内の空気温度(内気温度)を
検出する内気温度検出手段である。外気温センサ42
は、例えばサーミスタ等の感温素子よりなり、車室外の
空気温度(外気温度)を検出する外気温度検出手段であ
る。日射センサ43は、車室内への日射量を検出する日
射量検出手段である。冷媒圧力センサ44は、冷媒圧縮
機20の吐出圧力である冷凍サイクルの高圧圧力を検出
する冷媒圧力検出手段である。
【0037】エバ後温度センサ45は、本発明の蒸発器
温度検出手段に相当するもので、例えばサーミスタ等の
感温素子よりなり、エバポレータ24を通過した直後の
空気温度を検出するエバ後温度検出手段である。水温セ
ンサ46は、例えばサーミスタ等の感温素子よりなり、
温水式ヒータ6の入口水温を検出する熱媒体温度検出手
段である。除霜センサ47は、例えばサーミスタ等の感
温素子よりなり、暖房モード時および除湿暖房モード時
に室外熱交換器23の入口部の冷媒温度を検出する冷媒
温度検出手段である。水温センサ48は、例えばサーミ
スタ等の感温素子よりなり、燃焼式ヒータ9の出口水温
を検出する。
【0038】操作パネル50には、図3に示したよう
に、温度設定スイッチ51、ブロワオフスイッチ52、
オートスイッチ53、風量設定スイッチ54、モード設
定スイッチ55、液晶表示器56、内気循環設定スイッ
チ57、フロントデフロスタスイッチ(以下DEFスイ
ッチと言う)58、リヤデフォッガスイッチ59、エア
コンスイッチ60、燃焼式ヒータ切替スイッチ61およ
び燃焼式ヒータオフスイッチ62が配置されている。
【0039】このうち、温度設定スイッチ51は、冷媒
圧縮機20の回転速度の設定、またはA/Mダンパ19
の開度設定を行って車室内へ吹き出す空気の吹出温度を
設定する吹出温度設定手段である。モード設定スイッチ
55は、DEF、FACE、FOOTダンパ14〜16
を開閉制御することによって、吹出口モードを、フェイ
ス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、
フット(FOOT)モードまたはフットデフ(F/D)
モードのうちのいずれかに設定するように指令するスイ
ッチである。内気循環設定スイッチ57は、内外気切替
ダンパ5を開閉制御することによって吸込口モードを内
気循環モードに設定するスイッチである。DEFスイッ
チ58は、本発明の除湿モード設定手段に相当するもの
で、吹出口モードをデフロスタ(DEF、除湿)モード
に設定するように指令する吹出口モード切替指令手段で
ある。
【0040】〔第1実施形態の作用〕次に、本実施形態
の電気自動車用空気調和装置の作動を図1ないし図7に
基づいて説明する。先ず、本実施形態のECU10の制
御処理を図1ないし図4に基づいて説明する。ここで、
図4はECU10による主要な制御処理を示したフロー
チャートである。
【0041】先ず、ECU10に車載電源Vから電力が
供給されると、図4のルーチンが起動され、各イニシャ
ライズおよび初期設定を行う(ステップS1)。続い
て、温度設定スイッチ51で設定された設定吹出温度T
setを読み込む(吹出温度設定手段:ステップS
2)。続いて、操作パネル50からの各操作信号(例え
ば風量設定スイッチ54で設定される遠心式送風機の送
風量信号、モード設定スイッチ55やDEFスイッチ5
8で設定される吹出口モード信号、内気循環設定スイッ
チ57で設定される内気循環モード信号)を読み込む
(除湿モード設定手段:ステップS3)。続いて、内気
温センサ41で検出した内気温度TR、外気温センサ4
2で検出した外気温度TAM、日射センサ43で検出し
た日射量TS、エバ後温度センサ45で検出したエバ後
温度TE、水温センサ46で検出した温水温度TW等の
各種センサから各センサ信号を読み込む(内気温度検出
手段、外気温度検出手段、蒸発器温度検出手段:ステッ
プS4)。
【0042】続いて、予めROM32に記憶された下記
の数1の式に基づいて、電気自動車の車室内に吹き出す
空気の目標吹出温度TAOを算出する(目標吹出温度決
定手段:ステップS5)。
【数1】TAO=Kset×Tset−KR×TR−K
AM×TAM−KS×TS+C
【0043】なお、Tsetは温度設定スイッチ51で
設定された設定吹出温度、TRは内気温センサ41で検
出した内気温度、TAMは外気温センサ42で検出した
外気温度、TSは日射センサ43で検出した日射量であ
る。また、Kset、KR、KAMおよびKSはゲイン
で、Cは補正用の定数である。
【0044】続いて、予めROM32に記憶された図示
しない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)
に対応するブロワ電圧(ブロワモータ18に印加する電
圧)を決定する(ステップS6)。続いて、予めROM
32に記憶された図示しない特性図(マップ)から、目
標吹出温度(TAO)に対応する吹出口モードを決定す
る(ステップS7)。なお、DEFスイッチ58が押さ
れた場合には、DEFダンパ14を図1の一点鎖線位
置、FACEダンパ15を図1の一点鎖線位置およびF
OOTダンパ16を図1の実線位置に設定して、空調風
をフロント窓ガラスの内面に吹き出すDEFモードに設
定される。また、モード設定スイッチ55を乗員が操作
した場合には、その操作に対応した吹出口モードに決定
される。
【0045】ここで、吹出口モードの決定においては、
目標吹出温度(TAO)または目標温水温度(TWO)
が低い温度から高い温度にかけて、FACEモード、B
/Lモード、FOOTモードおよびF/Dモードとなる
ように決定される。なお、FACEモードとは、DEF
ダンパ14を図1の実線位置、FACEダンパ15を図
1の実線位置およびFOOTダンパ16を図1の一点鎖
線位置に設定して、空調風を車室内の乗員の頭胸部に向
けて吹き出す吹出口モードである。B/Lモードとは、
DEFダンパ14を図1の実線位置、FACEダンパ1
5を図1の実線位置およびFOOTダンパ16を図1の
一点鎖線位置に設定して、空調風を車室内の乗員の頭胸
部および足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。
【0046】FOOTモードとは、DEFダンパ14を
若干量開く位置、FACEダンパ15を図1の一点鎖線
位置およびFOOTダンパ16を図1の一点鎖線位置に
設定して、空調風の約8割を乗員の足元部に向けて吹き
出し、空調風の約2割をフロント窓ガラスの内面に向け
て吹き出す吹出口モードである。F/Dモードとは、D
EFダンパ14を図1の一点鎖線位置、FACEダンパ
15を図1の一点鎖線位置およびFOOTダンパ16を
図1の一点鎖線位置に設定して、空調風を乗員の足元部
とフロント窓ガラスの内面に同量ずつ吹き出す吹出口モ
ードである。
【0047】続いて、予めROM32に記憶された図示
しない特性図(マップ)から、目標吹出温度(TAO)
に対応する吸込口モードを決定する(ステップS8)。
ここで、吸込口モードの決定においては、内気循環設定
スイッチ57が押された場合には吸込口モードが内気循
環モードに設定される。なお、DEFスイッチ58が押
された場合には、内気循環設定スイッチ57が押されて
いても外気導入モードに設定されるが、その後に内気循
環設定スイッチ57が押された場合には吸込口モードが
内気循環モードに設定される。
【0048】なお、内気循環モードとは、内外気切替ダ
ンパ5を図1の一点鎖線位置に設定して、内気吸込口3
を開き、外気吸込口4を閉じて空調ダクト2内に100
%内気を導入する吸込口モードである。また、外気導入
モードとは、内外気切替ダンパ5を図1の実線位置に設
定して、内気吸込口3を閉じ、外気吸込口4を開いて空
調ダクト2内に100%外気を導入する吸込口モードで
ある。また、内外気切替ダンパ5を中立位置に設定し
て、内気吸込口3および外気吸込口4の両方とも開いて
空調ダクト2内に内気および外気を導入する内外気モー
ドを設定しても良い。
【0049】続いて、図5に示すサブルーチンがコール
され、図4のフローチャートのステップS5で算出され
た目標吹出温度TAO等に応じて、空調運転モードを決
定する(ステップS9)。続いて、図6に示すサブルー
チンがコールされ、冷媒圧縮機20の目標回転速度を決
定して、車室内に吹き出す空気の吹出温度制御を行う
(回転速度制御手段:ステップS10)。
【0050】続いて、各ステップS5〜ステップS8に
て算出または決定した各制御状態が得られるように、内
外気切替ダンパ5、ウォータポンプ8、燃焼式ヒータ
9、DEF、FACE、FOOTダンパ14〜16、ブ
ロワモータ18、エアコン用インバータ30、電動ファ
ン26、電磁弁VC、VH、VDおよびA/Mダンパ1
9等の各アクチュエータに対して制御信号を出力する
(ステップS11)。そして、ステップS12で、制御
サイクル時間であるτ(例えば0.5秒間〜2.5秒間
の経過を待ってステップS2の処理に戻る。
【0051】〔第1実施形態の空調運転モード決定制
御〕次に、本実施形態のECU10によるOFF状態か
らDEF制御に移行するときの空調運転モード決定制御
を図1ないし図5に基づいて説明する。ここで、図5は
ECU10による空調運転モード決定制御を示したサブ
ルーチンである。
【0052】先ず、DEFスイッチ58が押されたか否
かを判断する(ステップS21)。この判断結果がNO
の場合には、エアコンスイッチ60がONされているか
否かを判断する(ステップS22)。この判断結果がN
Oの場合には、図5のサブルーチンを抜ける。また、ス
テップS22の判断結果がYESの場合には、温度コン
トロール制御に応じて空調運転モードを選択する。例え
ば図4のフローチャートのステップS5で算出された目
標吹出温度TAOと外気温センサ42で検出した外気温
度TAMに応じて空調運転モードを選択する(ステップ
S23)。その後に、図5のサブルーチンを抜ける。
【0053】また、ステップS21の判断結果がYES
の場合には、外気温センサ42で検出した外気温度TA
Mをエバポレータ24に吸い込まれる空気の吸込温度T
inとする(吸込温度検出手段:ステップS24)。こ
こで、OFF状態からDEF制御に移行する時には、吸
込口モードは100%外気導入モードのため、吸込温度
Tinとして外気温度TAMを使用する。続いて、図4
のステップS5で算出された目標吹出温度TAO、外気
温度TAMおよび吸込温度Tinに応じた空調運転モー
ドを選択する(ステップS25)。その後に、図5のサ
ブルーチンを抜ける。
【0054】ここで、エアコンユニット1のOFF状態
のときに操作パネル50のDEFスイッチ58が押され
ると、ECU10は下記の表1に示したDEF制御を行
う。表1はDEF制御の各空調機器(アクチュエータ)
の作動状態を示す。
【表1】
【0055】なお、DEF制御開始前に仮にマニュアル
で内気循環設定スイッチ57が押されて内気循環モード
が指令されていたとしても100%外気導入モードに固
定してDEF制御を開始する。但し、DEF制御の外気
冷房モード時はオートエアコンの場合に必ず100%外
気導入モードに固定するが、マニュアルで内気循環設定
スイッチ57が押されて内気循環モードが指令されたら
これを受け付ける。
【0056】上記のDEF制御の空調運転モードの選択
は後述したように成される。すなわち、予めROMに記
憶された図7および下記の数2の式または数3の式に示
された関係を満足する場合には、表1のに示したよう
に、ウォータポンプ8をOFFし、冷凍サイクルを冷房
サイクルに切り替える外気冷房モードを選択する。な
お、(TAM−15℃)が(3℃)よりも高温の場合に
は数2の式を採用し、(TAM−15℃)が(3℃)よ
りも低温の場合には数3の式を採用する。
【数2】TAO≦TAM−10℃
【数3】TAO≦3℃
【0057】また、予めROMに記憶された図7および
下記の数4の式に示された関係を満足する場合には、表
1のに示したように、ウォータポンプ8をONし、冷
凍サイクルを冷房サイクルに切り替える除湿冷房モード
を選択する。
【数4】TAM−10℃<TAO≦Tin
【0058】そして、予めROMに記憶された図7およ
び下記の数5の式に示された関係を満足する場合には、
表1のに示したように、ウォータポンプ8をONし、
冷凍サイクルを除湿サイクルに切り替える除湿暖房モー
ドを選択する。
【数5】TAO>Tin
【0059】〔第1実施形態のDEF制御時の吹出温度
制御〕次に、本実施形態のECU10によるDEF制御
時の吹出温度制御を図1ないし図6に基づいて説明す
る。ここで、図6はECU10によるDEF制御時の吹
出温度制御(冷媒圧縮機の回転速度制御)を示したサブ
ルーチンである。
【0060】先ず、DEFスイッチ58が押されたか否
かを判断する(ステップS31)。この判断結果がNO
の場合には、図6のサブルーチンを抜ける。また、ステ
ップS31の判断結果がYESの場合には、空調運転モ
ードとして除湿暖房モードが選択されているか否かを判
断する(ステップS32)。この判断結果がYESの場
合には、温水式ヒータ6を通過する空気の風量V(m3
/h)から温度効率φを決定する(温度効率決定手段:
ステップS33)。ここでは、遠心式送風機の運転状態
によって求めた遠心式送風機の風量Vと温度効率φとの
特性図(図示せず)に基づいて温度効率φを算出する。
【0061】続いて、目標温水温度TWOを後述の方法
で決定する(目標熱媒体温度決定手段:ステップS3
4)。すなわち、エバ後温度センサ45で検出したエバ
後温度TE、図4のフローチャートのステップS5で決
定した目標吹出温度TAO、およびステップS21で決
定した温度効率φから目標温水温度TWOを下記の数6
の式に基づいて算出する。
【数6】TWO=(TAO−TE)/φ+TE
【0062】続いて、目標温水温度TWOと水温センサ
46で検出した温水式ヒータ6の入口水温(以下温水温
度と言う)TWとの温度偏差に基づいて、冷媒圧縮機2
0の目標回転速度を決定する(目標回転速度決定手段:
ステップS35)。その後に、図6のサブルーチンを抜
ける。そして、図4のフローチャートのステップS11
では、エバ後温度センサ45で検出したエバ後温度TE
を凍結限界温度(着霜限界温度、例えば2℃)に保ちな
がら、車室内に吹き出す実際の吹出温度TAが目標吹出
温度TAOになるように、冷媒圧縮機20の回転速度
が、目標温水温度TWOと温水温度TWとの温度偏差に
応じて制御される(TWO制御)。
【0063】ここで、図6のサブルーチンのステップS
34で決定される目標温水温度TWOを、例えばDEF
吹出口11よりフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出
す空気の吹出温度と関連させておけば、温度設定スイッ
チ51等により乗員が希望する吹出温度を設定するのみ
で、フロント窓ガラスの内面へ吹き出す空気の吹出温度
が乗員の希望に合った温度に到達する。
【0064】また、ステップS32の判断結果がNOの
場合には、空調運転モードとして除湿冷房モードが選択
されているか否かを判断する(ステップS36)。この
判断結果がYESの場合には、A/Mダンパ19の目標
ダンパ開度(SW)が0(%)であるか否かを判断する
(ステップS37)。この判断結果がNOの場合には、
前述の方法で、温水式ヒータ6を通過する空気の風量V
(m3 /h)から温度効率φを決定する(温度効率決定
手段:ステップS38)。
【0065】続いて、下記の数7の式に基づいて2個の
A/Mダンパ19の目標ダンパ開度(SW)を算出する
(ステップS39)。
【数7】SW={(TAO−TE)/φ(TW−T
E)}×100(%) ここで、SWはMAXCOOL(全閉)を0(%)と
し、MAXHOT(全開)を100(%)とする。
【0066】続いて、エバ後温度センサ45で検出した
エバ後温度TEが凍結限界温度(例えば2℃)付近に接
近するように冷媒圧縮機20の目標回転速度を決定する
(ステップS40)。その後に、図6のサブルーチンを
抜ける。そして、図4のフローチャートのステップS1
1では、エバ後温度センサ45で検出したエバ後温度T
Eを凍結限界温度(例えば2℃)に保ちながら冷媒圧縮
機20の回転速度が制御されると共に、車室内に吹き出
す実際の吹出温度TAが目標吹出温度TAOになるよう
に、A/Mダンパ19の目標ダンパ開度(SW)が、目
標吹出温度TAOとエバ後温度TEと温水温度TWに応
じて制御される(A/Mダンパ制御)。
【0067】また、ステップS36の判断結果がNOの
場合、ステップS37の判断結果がYESの場合には、
空調運転モードとして外気冷房モードが選択されている
ので、エバ後温度センサ45で検出するエバ後温度TE
が目標吹出温度TAOに一致(TE=TAO)するよう
に、冷媒圧縮機20の目標回転速度を決定する(ステッ
プS41)。その後に、図6のサブルーチンを抜ける。
そして、図4のフローチャートのステップS11では、
エバ後温度センサ45で検出するエバ後温度TEが目標
吹出温度TAOに一致するように、冷媒圧縮機20の回
転速度が、目標吹出温度TAOに応じて制御される(T
E=TAO制御)。
【0068】〔第1実施形態のDEF制御〕次に、本実
施形態のECU10によるエアコンユニット1のOFF
状態からDEF制御に移行する時の各アクチュエータの
作動を図1ないし図7に基づいて説明する。
【0069】(除湿暖房モード)乗員がDEFスイッチ
58を押してフロント窓ガラスの曇りの除去を希望した
時に、図7(a)の特性図に示したように、目標吹出温
度TAOが吸込温度Tinよりも高温の場合には、空調
運転モードとして除湿暖房モードが選択される。この場
合には、ウォータポンプ8および冷媒圧縮機20がON
され、2個のA/Mダンパ19がMAXHOTに固定さ
れ、電磁弁VCがOFFされ、電磁弁VH、VDがエバ
後温度TEに応じてON−OFF制御される。このと
き、吸込口モードは外気導入モードに固定され、吹出口
モードはDEFモードに固定される。
【0070】1)第1除湿暖房モード そして、エバ後温度TEが凍結限界温度(例えば2℃)
よりも高温の第1所定温度(例えば2.5℃)以上の場
合には、電磁弁VHがOFFされ、電磁弁VDがONさ
れることによって、エバポレータ24を蒸発器として単
独運転する第1除湿暖房モードに設定される。したがっ
て、冷媒圧縮機20の吐出口より吐出された冷媒は、除
湿サイクル(矢印D方向)を流れ、ブライン冷媒熱交換
器7→第1減圧手段21→電磁弁VD→エバポレータ2
4→アキュームレータ25→冷媒圧縮機20のように循
環する。一方、ブライン冷媒熱交換器7を通過する際に
冷媒の凝縮熱によって加熱された温水は、エバポレータ
24の風下側に配置された温水式ヒータ6に循環され
る。
【0071】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となる。そして、エバ
ポレータ24を通過した全ての空気は、温水式ヒータ6
を通過する際に再加熱された後に、DEF吹出口11よ
りフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出される。これ
によりフロント窓ガラスの曇りが除去されると共に、車
室内が暖房気味除湿される。さらに、室外熱交換器23
を蒸発器として運転しないため、室外熱交換器23の除
霜を行うこともできる。
【0072】2)第2除湿暖房モード また、エバ後温度TEが第1所定温度と第2所定温度と
の間の温度(例えば1.5℃〜2.5℃)の場合には、
電磁弁VH、VDが共にONされることによって、室外
熱交換器23とエバポレータ24とを並列して蒸発器と
して運転する第2除湿暖房モードに設定される。したが
って、冷媒圧縮機20の吐出口より吐出された冷媒は、
除湿暖房サイクル(図1において矢印H・Dの経路)を
冷媒が流れ、ブライン冷媒熱交換器7→第1減圧手段2
1を通過した後に、室外熱交換器23→電磁弁VHを通
るものと、電磁弁VD→エバポレータ24を通るものと
に分かれる。一方、ブライン冷媒熱交換器7で冷媒の凝
縮熱によって加熱された温水は温水式ヒータ6に循環さ
れる。
【0073】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となる。そして、エバ
ポレータ24を通過した全ての空気は、温水式ヒータ6
を通過する際に再加熱された後に、DEF吹出口11よ
りフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出される。これ
により、フロント窓ガラスの曇りが除去されると共に、
車室内が暖房気味除湿される。
【0074】ここで、上述したように、除湿暖房モード
Bでは、室外熱交換器23がエバポレータ24と並列し
て蒸発器として運転される。また、電気自動車が走行中
であれば走行風も室外熱交換器23に吹き付けられるの
で、エバポレータ24よりも室外熱交換器23の吸熱量
が多くなることにより、空調ダクト2内に吸い込まれた
外気からのエバポレータ24内を通過する冷媒の吸熱量
は少なくなる。さらに、ブライン冷媒熱交換器7での冷
媒から温水に与えられる熱量は、エバポレータ24を蒸
発器として単独運転する第1除湿暖房モードと比較し
て、室外熱交換器23を蒸発器として運転することによ
る吸熱量の増加分だけ上昇する。これにより、車室内の
暖房能力が向上するので目標吹出温度TAOを作り易く
なる。
【0075】3)第3除湿暖房モード(外気暖房モー
ド) さらに、エバ後温度TEが凍結限界温度(例えば2℃)
よりも低温の第2所定温度(例えば1.5℃)以下の場
合には、電磁弁VHがONされ、電磁弁VDがOFFさ
れることによって、室外熱交換器23を蒸発器として単
独運転する第3除湿暖房モード(外気暖房モード)に設
定される。したがって、冷媒圧縮機20の吐出口より吐
出された冷媒は、暖房サイクル(矢印H方向)を流れ、
ブライン冷媒熱交換器7→第1減圧手段21→室外熱交
換器23→電磁弁VH→アキュームレータ25→冷媒圧
縮機20のように循環する。一方、ブライン冷媒熱交換
器7で冷媒の凝縮熱によって加熱された温水が温水式ヒ
ータ6に循環する。
【0076】そして、外気吸込口4から空調ダクト2内
に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する際
にエバポレータ24の表面に付着した霜を解かして、温
水式ヒータ6を通過する際に加熱された後に、DEF吹
出口11よりフロント窓ガラスの内面に向けて吹き出さ
れる。これにより、フロント窓ガラスの曇りが除去され
ると共に、外気温度TAM(吸込温度Tin)が低温で
もエバポレータ24の着霜(フロスト)を抑えられ、且
つ車室内を外気暖房できる。ここで、外気温度TAM
(吸込温度Tin)が例えば0℃以下に低下した場合に
は、冷媒圧縮機20をOFFして燃焼式ヒータ9をHi
−Lo運転制御する。
【0077】(除湿冷房モード)乗員がDEFスイッチ
58を押してフロント窓ガラスの曇りの除去を希望した
時に、図7(a)の特性図に示したように、目標吹出温
度TAOが吸込温度Tin以下の低温で、且つ図7
(b)の特性図に示したように、目標吹出温度TAOが
(外気温度TAM−10℃)よりも高温の場合には、空
調運転モードとして除湿冷房モードが選択される。この
場合には、ウォータポンプ8および冷媒圧縮機20がO
Nされ、目標吹出温度TAOやエバ後温度TE等に応じ
て2個のA/Mダンパ19がMAXHOT〜MAXCO
OL間で可変され、電磁弁VCがONされ、電磁弁V
H、VDがOFFされる。このときも、吸込口モードは
外気導入モードに固定され、吹出口モードはDEFモー
ドに固定される。
【0078】したがって、冷媒圧縮機20の吐出口より
吐出された冷媒は、冷房サイクル(矢印C方向)を流
れ、ブライン冷媒熱交換器7→電磁弁VC→室外熱交換
器23→第2減圧手段22→エバポレータ24→アキュ
ームレータ25→冷媒圧縮機20のように循環する。一
方、ブライン冷媒熱交換器7で冷媒の凝縮熱によって加
熱された温水は、同様に温水式ヒータ6に循環される。
【0079】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となる。そして、エバ
ポレータ24を通過した空気は、A/Mダンパ19の開
度に応じて温水式ヒータ6を通過し再加熱された後に、
DEF吹出口11よりフロント窓ガラスの内面に向けて
吹き出される。これにより、フロント窓ガラスの曇りが
除去される。
【0080】ここで、除湿冷房モード時には室外熱交換
器23が凝縮器として運転される。また、同様に、電気
自動車が走行中であれば走行風も室外熱交換器23に吹
き付けられるので、ブライン冷媒熱交換器7での冷媒の
放熱量よりも室外熱交換器23での冷媒の放熱量が多く
なり、ブライン冷媒熱交換器7での冷媒から温水に与え
られる熱量が少なくなる。したがって、空調ダクト2内
に吸い込まれた外気はエバポレータ24で冷却除湿され
た後に温水式ヒータ6を通過する際に再加熱される量が
小さくなる。このため、除湿暖房モードの目標吹出温度
TAOよりも低い温度が算出される、除湿冷房モード時
の目標吹出温度TAOを作り易くなり、車室内が冷房気
味除湿される。
【0081】(外気冷房モード)乗員がDEFスイッチ
58を押してフロント窓ガラスの曇りの除去を希望した
時に、図7(b)の特性図に示したように、目標吹出温
度TAOが(外気温度TAM−10℃)以下の低温の場
合、または目標吹出温度TAOが3℃以下の低温の場合
には、空調運転モードとして外気冷房モードが選択され
る。この場合には、ウォータポンプ8がOFFされ、冷
媒圧縮機20がONされ、2個のA/Mダンパ19がM
AXCOOLに固定され、電磁弁VCがONされ、電磁
弁VH、VDがOFFされる。このとき、吸込口モード
は外気導入モードに設定され、吹出口モードはDEFモ
ードに設定される。
【0082】したがって、冷媒圧縮機20の吐出口より
吐出された冷媒は、冷房サイクル(矢印C方向)を流
れ、冷媒圧縮機20→ブライン冷媒熱交換器7(単に冷
媒通路として使用)→電磁弁VC→室外熱交換器23→
第2減圧手段22→エバポレータ24→アキュームレー
タ25→冷媒圧縮機20のように循環する。
【0083】このとき、外気吸込口4から空調ダクト2
内に吸い込まれた外気は、エバポレータ24を通過する
際に冷却除湿されて低湿度の空気となって、温水式ヒー
タ6を迂回した後に、DEF吹出口11よりフロント窓
ガラスの内面に向けて吹き出される。これにより、フロ
ント窓ガラスの防曇性能も十分得られると共に、電動式
のウォータポンプ8の作動を止めることができるので省
動力および省消費電力となり、電気自動車の走行距離も
延びる。
【0084】〔第1実施形態の効果〕ここで、室外熱交
換器23を凝縮器として運転し、エバポレータ24を蒸
発器として単独運転する除湿冷房モード時に、目標吹出
温度TAOに応じて冷媒圧縮機20の回転速度を制御す
ることにより、車室内に吹き出す実際の吹出温度TAが
どの温度範囲で作れるかを調査したところ、A/Mダン
パ19をMAXHOT、すなわち、エバポレータ24を
通過した全ての空気を100%温水式ヒータ6で再加熱
する場合に、本実施形態では以下の数8の式で表した範
囲であることが分かった。
【数8】TA<Tin+α℃ 但し、α=−1℃〜+3℃で、Tinはエバポレータ2
4に吸い込まれる空気の吸込温度である。
【0085】上記の様子から、DEFスイッチ58が押
されて車室内の除湿(特にフロント窓ガラスの曇りの除
去)を希望している場合、吸込口モードを外気導入モー
ド(100%外気導入)にするのが原則であるため、吸
込温度Tinは外気温度TAMに置き換えて処理するこ
とができる。すなわち、DEF制御時に欲しい目標吹出
温度TAOが外気温度TAMよりも高温の場合には、空
調運転モードとして除湿暖房モードを選択し、目標吹出
温度TAOが外気温度TAM以下の低温の場合には、空
調運転モードとして除湿冷房モードを選択することが望
ましい。
【0086】したがって、本実施形態では、上述したよ
うに、エアコンユニット1のOFF状態からDEF制御
に移行するときに、目標吹出温度TAOおよび吸込温度
Tinを利用して、除湿暖房モードと除湿冷房モードと
を選択するようにしている。すなわち、目標吹出温度T
AOが外気温度TAM以下の低温の場合には、除湿冷房
モードを選択することにより、低めに設定される目標吹
出温度TAOを作り易くなる。また、目標吹出温度TA
Oが外気温度TAMよりも高温の場合には、除湿暖房モ
ードを選択することにより、高めに設定される目標吹出
温度TAOを作り易くなる。
【0087】ここで、エバ後温度TEを常に凍結(着
霜)防止温度の3℃にして温水式ヒータ6でリヒート
(再加熱)することによって目標吹出温度TAOを作る
のは、冷媒圧縮機20の消費動力および消費電力が大き
くなり、電気自動車の走行距離が短くなるので好ましく
ない。このため、除湿冷房モードによりDEF制御を行
っている時に、リヒート量を最小にしてもなお目標吹出
温度TAOまで実際の吹出温度TAが下がらない場合に
は、すなわち、目標吹出温度TAOに応じたA/Mダン
パ制御によりA/Mダンパ19がMAXCOOL(SW
=0%)に制御された場合には、外気冷房モード(通常
の冷房サイクル)で冷媒圧縮機20の回転速度をTAO
制御するようにしている。このとき、本実施形態では、
エバ後温度TEが目標吹出温度TAOとなるように冷媒
圧縮機20の回転速度を増減しているので、冷媒圧縮機
20の消費動力および消費電力が小さくなり、電気自動
車の走行距離も延びる。
【0088】また、外気を外気温度よりも10℃〜18
℃程度冷却除湿すれば、フロント窓ガラスやサイド窓ガ
ラスを防曇できることが実車試験の積み重ねによって確
認している。このため、以下の数9の式の関係を満たす
時は、A/Mダンパ19を閉じ(MAXCOOL)てリ
ヒートすることなく、直接エバ後温度TEが目標吹出温
度TAOとなるように冷媒圧縮機20の回転速度を増減
することが望ましい。
【数9】TAO≦TAM+β℃ 但し、β=+10℃〜+18℃である。
【0089】以上のように、除湿が必要な時に外気冷房
モードを選択することにより、ブラインサイクルの電動
式のウォータポンプ8の作動を停止できるので省動力お
よび省消費電力となると共に、フロント窓ガラスやサイ
ド窓ガラスの防曇性能も十分得られる。
【0090】〔第2実施形態の構成〕図8は本発明の第
2実施形態を示したもので、電気自動車用空気調和装置
の全体構成を示した図である。
【0091】本実施形態の冷凍サイクルは、回転速度が
インバータ制御される冷媒圧縮機20、この冷媒圧縮機
20の吐出口より吐出された冷媒が流入するコンデンサ
71、このコンデンサ71より流出冷媒を減圧する第
1、第2減圧器21、22よりなる減圧手段、空調ダク
ト2外に設置された室外熱交換器23、空調ダクト2内
に設置されたエバポレータ24、気液分離するアキュー
ムレータ25、冷凍サイクル中の冷媒の流れ方向を切り
替える電磁弁VC、VH、VDよりなる循環回路切替手
段、およびこれらを環状に接続する冷媒配管等から構成
されている。
【0092】コンデンサ71は、本発明の加熱用熱交換
器、第1室内熱交換器に相当するもので、空調ダクト2
内においてエバポレータ24よりも下流側に設置され、
内部を流れる冷媒の凝縮熱によって通過する空気を加熱
する凝縮器である。コンデンサ71には、コンデンサ7
1を通過する空気量(温風量)とコンデンサ71を迂回
する空気量(冷風量)とを調節して車室内へ吹き出す空
気の吹出温度を調整する空気量調節手段としての2個の
エアミックス(A/M)ダンパ72が回転自在に支持さ
れている。これらのA/Mダンパ72は、ステッピング
モータやサーボモータ等のアクチュエータ(図示せず)
により駆動される。
【0093】ここで、本実施形態では、エアコンユニッ
ト1のOFF状態からDEF制御に移行するときに、冷
凍サイクルを除湿冷房サイクルにて運転する除湿冷房モ
ードと、冷凍サイクルを除湿サイクル、除湿暖房サイク
ルまたは暖房サイクルにて運転する除湿暖房モードとが
選択される。なお、冷房サイクルとして、冷媒圧縮機2
0の吐出口より吐出された冷媒をコンデンサ71を迂回
させて電磁弁VCを経て室外熱交換器23に直接流入さ
せることのできる冷媒流路を設ければ、第1実施形態の
除湿モード時の外気冷房モードと同じ作用効果を得るこ
とができる。
【0094】本実施形態でも、DEFスイッチ58が押
されて車室内の除湿(特にフロント窓ガラスの曇りの除
去)を希望している場合に、目標吹出温度TAOと吸込
温度Tinとを比較して、その比較結果に基づいて除湿
暖房モードと除湿冷房モードとを選択するようにしてい
るので、外気湿度に応じて切替温度を変更する複雑な制
御を導入することなく、目標吹出温度TAOを作り易く
なる。
【0095】〔他の実施形態〕本実施形態では、本発明
を電気自動車用空気調和装置に適用したが、本発明を空
冷式エンジン搭載車または水冷式エンジン搭載車用空気
調和装置に適用しても良い。本実施形態では、エアコン
ユニット1のOFF状態からDEF制御に移行する時に
のみ本発明を用いたが、エアコンユニット1の温度コン
トロール状態(温コン状態)からDEF制御に移行する
時に本発明を用いても良く、またモード設定スイッチ5
5によりFOOTモードやF/Dモードが選択された時
のFOOT制御やF/D制御時に本発明を用いても良
い。
【0096】本実施形態では、エバポレータ(冷却用室
内熱交換器、第2室内熱交換器)24に吸い込まれる空
気の吸込温度Tinを検出する吸込温度検出手段として
外気温センサ42を用いたが、冷却用室内熱交換器や第
2室内熱交換器に吸い込まれる空気の吸込温度Tinを
検出する吸込温度検出手段として吸込温度センサを用い
ても良い。本実施形態では、蒸発器温度検出手段として
エバポレータ24を通過した直後の空気温度を検出する
エバ後温度センサ45を用いたが、蒸発器温度検出手段
としてエバポレータ(第2室内熱交換器)24の表面温
度(フィン温度)や蒸発温度を検出する温度センサを用
いても良い。
【0097】本実施形態では、温水温度TWとして水温
センサ46で検出する温水式ヒータ6の入口水温を用い
たが、温水温度TWとして水温センサ48で検出する燃
焼式ヒータ9の出口水温を用いても良い。なお、ブライ
ンサイクルのいずれの箇所の水温を温水温度TWとして
読み込んでも良い。本実施形態では、加熱量調節手段と
してA/Mダンパ19の開度を調節して車室内に吹き出
す空気の吹出温度を調整するエアミックス温度コントロ
ール方式を利用したが、加熱量調節手段として温水式ヒ
ータ6に流入する温水量を調節して車室内に吹き出す空
気の吹出温度を調整するリヒート式温度コントロールを
利用しても良い。
【0098】また、第2除湿暖房モード時に、冷媒圧縮
機20→ブライン冷媒熱交換器7またはコンデンサ71
→第1減圧手段21→室外熱交換器23→エバポレータ
24→冷媒圧縮機20のように冷媒が循環する除湿暖房
サイクルが形成できるように冷凍サイクルを変更しても
良い。すなわち、第2除湿暖房モード時に、室外熱交換
器23とエバポレータ24とを直列に蒸発器として運転
する除湿暖房サイクルが形成できるように冷凍サイクル
を変更しても良い。
【0099】そして、図1に示したブラインサイクル
に、ラジエータ等の放熱装置、電動器具の排熱を回収す
る排気回収器や電気ヒータ等の補助加熱装置、流路切替
弁等の付属装置を追加しても良い。さらに、減圧手段と
して、温度自動膨張弁、電動式の膨張弁、オリフィス等
の減圧手段を用いても良いが、安価で、故障のないキャ
ピラリチューブやオリフィス等の固定絞りを用いること
が望ましい。そして、気液分離器として、レシーバ(受
液器)を使用しても良い。このレシーバの接続箇所は、
ブライン冷媒熱交換器7と第1減圧手段21との間に接
続するか、あるいは室外熱交換器23と第2減圧手段2
2との間に接続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気自動車用空気調和装置の全体構成を示した
模式図である(第1実施形態)。
【図2】電気自動車用空気調和装置の制御系を示したブ
ロック図である(第1実施形態)。
【図3】操作パネルを示した正面図である(第1実施形
態)。
【図4】ECUによる主要な制御処理を示したフローチ
ャートである(第1実施形態)。
【図5】空調運転モード決定制御を示したサブルーチン
である(第1実施形態)。
【図6】DEF制御時の吹出温度制御を示したサブルー
チンである(第1実施形態)。
【図7】(a)は除湿暖房モードと除湿冷房モードとの
選択条件を示した特性図で、(b)は除湿冷房モードと
外気冷房モードの選択条件を示した特性図である(第1
実施形態)。
【図8】電気自動車用空気調和装置の全体構成を示した
模式図である(第2実施形態)。
【符号の説明】
1 エアコンユニット 2 空調ダクト 6 温水式ヒータ(加熱用室内熱交換器、第1室内熱交
換器) 7 ブライン冷媒熱交換器(加熱用室内熱交換器、冷媒
熱媒体熱交換器) 8 ウォータポンプ(熱媒体循環手段) 10 ECU(空調制御装置、目標吹出温度決定手段、
吸込温度検出手段) 20 冷媒圧縮機 21 第1減圧手段 22 第2減圧手段 23 室外熱交換器 24 エバポレータ(冷却用室内熱交換器、第2室内熱
交換器) 41 内気温センサ(内気温度検出手段) 42 外気温センサ(外気温度検出手段) 45 エバ後温度センサ(蒸発器温度検出手段) 50 操作パネル 51 温度設定スイッチ(吹出温度設定手段) 58 DEFスイッチ(除湿モード設定手段) 71 コンデンサ(加熱用室内熱交換器、第1室内熱交
換器) VC 電磁弁(循環回路切替手段) VH 電磁弁(循環回路切替手段) VD 電磁弁(循環回路切替手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)車室内へ向かって空気を送るための
    ダクトと、 (b)このダクト内において車室内へ送風する送風機
    と、 (c)冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、加熱用室内熱
    交換器、室外熱交換器、減圧手段および冷却用室内熱交
    換器の順に流して前記冷媒圧縮機に戻す除湿冷房モード
    用循環回路と、 (d)前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記加熱
    用室内熱交換器、前記減圧手段、前記室外熱交換器また
    は前記冷却用室内熱交換器の順に流して前記冷媒圧縮機
    に戻す除湿暖房モード用循環回路と、 (e)前記除湿冷房モード用循環回路または前記除湿暖
    房モード用循環回路のいずれかの循環回路に切り替える
    循環回路切替手段と、 (f)車室内の除湿を希望する除湿モード設定手段と、 (g)車室内に吹き出す空気の吹出温度を所望の吹出温
    度に設定する吹出温度設定手段と、 (h)内気温度を検出する内気温度検出手段、 外気温度を検出する外気温度検出手段、 前記吹出温度設定手段で設定された設定吹出温度、前記
    内気温度検出手段で検出した内気温度、および前記外気
    温度検出手段で検出した外気温度に基づいて、車室内に
    吹き出す空気の目標吹出温度を決定する目標吹出温度決
    定手段、 および前記冷却用室内熱交換器に吸い込まれる空気の吸
    込温度を検出する吸込温度検出手段を有し、 前記除湿モード設定手段により車室内の除湿が希望され
    ている時に、 前記目標吹出温度決定手段で決定した目標吹出温度が、
    前記吸込温度検出手段で検出した吸込温度以下の低温の
    場合は、前記除湿冷房モード用循環回路に切り替えるよ
    うに前記循環回路切替手段を制御し、 前記目標吹出温度決定手段で決定した目標吹出温度が、
    前記吸込温度検出手段で検出した吸込温度よりも高温の
    場合は、前記除湿暖房モード用循環回路に切り替えるよ
    うに前記循環回路切替手段を制御する空調制御装置とを
    備えた車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記冷媒圧縮機は、駆動電源としてのインバータによっ
    て通電制御される駆動モータにより回転駆動される電動
    式の冷媒圧縮機であることを特徴とする車両用空気調和
    装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記加熱用室内熱交換器は、前記ダクト内に配設され、
    前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒と前記ダクト内の空
    気とを熱交換させて冷媒を凝縮させる凝縮器として運転
    される第1室内熱交換器であって、 前記室内熱交換器は、前記ダクト内において前記第1室
    内熱交換器よりも空気の流れ方向の上流側に配設され、
    前記減圧手段より流入した冷媒を蒸発させる蒸発器とし
    て運転される第2室内熱交換器であることを特徴とする
    車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記加熱用室内熱交換器は、前記ダクト外に配設され、
    前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒と熱媒体とを熱交換
    させて冷媒を凝縮させる凝縮器として運転される冷媒熱
    媒体熱交換器、前記ダクト内に配設され、前記冷媒熱媒
    体熱交換器より流入する熱媒体により前記ダクト内の空
    気を加熱する第1室内熱交換器、および前記冷媒熱媒体
    熱交換器と前記第1室内熱交換器との間で熱媒体を循環
    させる熱媒体循環手段を有し、 前記冷却用室内熱交換器は、前記ダクト内において前記
    第1室内熱交換器よりも空気の流れ方向の上流側に配設
    され、前記減圧手段より流入した冷媒を蒸発させる蒸発
    器として運転される第2室内熱交換器であることを特徴
    とする車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記第1室内熱交換器内を流れる熱媒体による前記ダク
    ト内の空気の加熱量を調節する加熱量調節手段を備え、 前記空調制御装置は、前記第2室内熱交換器の温度を検
    出する蒸発器温度検出手段を有し、 前記冷凍サイクルを前記除湿冷房モード用循環回路に切
    り替えられている時に、前記目標吹出温度決定手段で決
    定した目標吹出温度と前記蒸発器温度検出手段で検出し
    た前記第2室内熱交換器の温度に基づいて、前記加熱量
    調節手段を制御すると共に、 前記蒸発器温度検出手段で検出した前記第2室内熱交換
    器の温度が目標温度となるように前記冷媒圧縮機の回転
    速度を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記空調制御装置は、前記冷凍サイクルを前記除湿冷房
    モード用循環回路に切り替えられている時に、前記加熱
    量調節手段による前記ダクト内の空気の加熱量が所定値
    以下に低下した場合は、前記熱媒体循環手段の作動を停
    止すると共に、 前記目標吹出温度決定手段で決定した目標吹出温度と前
    記蒸発器温度検出手段で検出した前記第2室内熱交換器
    の温度とが略一致するように前記冷媒圧縮機の回転速度
    を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012176659A (ja) * 2011-02-25 2012-09-13 Sanden Corp 車両用空気調和装置
WO2018042969A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 株式会社デンソー 冷凍サイクル装置
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JP2019131038A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 サンデン・オートモーティブクライメイトシステム株式会社 車両用空気調和装置
CN112976986A (zh) * 2019-12-13 2021-06-18 杭州三花研究院有限公司 应用于汽车热管理***的控制装置及控制方法

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