JP3329070B2 - 投写型表示装置 - Google Patents

投写型表示装置

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JP3329070B2
JP3329070B2 JP11819794A JP11819794A JP3329070B2 JP 3329070 B2 JP3329070 B2 JP 3329070B2 JP 11819794 A JP11819794 A JP 11819794A JP 11819794 A JP11819794 A JP 11819794A JP 3329070 B2 JP3329070 B2 JP 3329070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主としてシアン色および
イエロー色をカットする誘電体薄膜を積層した色フィル
タを具備する投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大画面の映像を得るために、映像信号に
応じて小型のライトバルブ上に形成された画像を照明光
で照射し、その光学像を投写レンズによりスクリーン上
に拡大投写する方法が従来からよく知られている。特
に、近年、ライトバルブとして液晶パネルを用いた投写
型表示装置が注目されている(例えば、特開平2−25
0015号公報など)。
【0003】液晶パネルを用いてカラー表示を行うに
は、以前から各種の方式が提案されている。例えば、2
色性色素を液晶に混入して用いるGH方式、液晶の複屈
折を利用するECB方式、カラーフィルタと液晶セルを
組み合わせたカラーフィルタ方式等がある。カラーフィ
ルタ方式は、液晶パネルの各画素ごとに赤、緑、青のカ
ラーフィルタを微細加工して付けたものである。構造が
簡単であり、フルカラー表示にも対応できるので、単純
マトリクス方式、アクティブマトリクス方式等と組み合
わせてかなり実用化が進んでいる。
【0004】(図37)はカラーフィルタ方式の従来の
投写型表示装置の構成の一例を示したものである。ラン
プ331aは赤、緑、青の色成分を含む光(以後、白色
光と呼ぶ)を放射し、ランプ331aから放射される光
は、凹面鏡331bにより平行に近い光に変換される。
凹面鏡331bからの略平行光は、紫外線および赤外線
をカットするフィルタ(以後、UVIRカットフィルタ
と呼ぶ)により赤外線、紫外線を除去された後、フィー
ルドレンズ332を透過し、ライトバルブ344に入射
する。
【0005】ライトバルブ344は、ツイストネマティ
ック液晶パネル(以後、TN液晶パネルと呼ぶ)338
とその入射側および出射側に設けられた偏光板333
a、333bにより構成される。液晶パネル338は、
対向電極が形成された対向基板334と、画素電極およ
びスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(以後、
TFTと呼ぶ)等が形成されたアレイ基板335との間
にTN液晶337を狭持したものであり、ガラス基板3
34側には、各画素に対応して赤、緑、青の光を透過す
るカラーフィルタ336を配置した画素構造を有する。
ライトバルブ344上には、映像信号に応じて透過率の
変化としてカラー画像が形成される。このカラー画像
は、投写レンズ339によりスクリーン(図示せず)上
に拡大投写される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】カラーフィルタ方式の
投写型表示装置における色再現性は、カラーフィルタお
よび光源の分光特性により決められる。特に、良好な色
再現性を得るためには、カラーフィルタの分光特性と光
源との整合性が重要となる。
【0007】(図37)に示した投写型表示装置におい
て、カラーフィルタの分光特性を(図39)に示す。
赤、緑、青の各カラーフィルタともに、分光特性は急峻
でなく、その透過波長帯域は広いものとなっている。ま
た、メタルハライドランプ等の投写型表示装置に用いら
れる光源の分光特性は(図7)に示すように連続スペク
トルであり、各カラーフィルタを透過した光の分光特性
もかなり広帯域なものとなってしまう。その結果、投写
画像の各画素における色再現性を劣化させてしまうとい
う問題があった。
【0008】さらに液晶パネルに用いられるカラーフィ
ルタは、耐光性、耐久性に劣るという欠点がある。特に
投写型表示装置のように光輝度、高出力の光源を用いる
場合には、カラーフィルタの不要光吸収による発熱量も
増加するため劣化が激しい。
【0009】上記問題を解決するために、色選択性のフ
ィルタを用いて、光源からの放射光のうち不要な光の色
成分を反射させて除去するという方法が考えられる。こ
れを実現するためには、非常に狭い波長帯域の光に対し
てのみ高反射率を有するようなフィルタが必要となる。
【0010】所定の波長領域の光を反射させるため、誘
電体多層膜を利用した干渉フィルタ(以後、色フィルタ
と呼ぶ)が一般に用いられる。この誘電体多層膜は、ガ
ラス基板上に高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層
し、透過領域のリップルを抑えるためにガラス基板側か
ら数えて最終層を光学的膜厚が0.125λの低屈折率
層とし、他の層の光学的膜厚が0.25λであるものが
一般的である。なお、λは反射ピーク波長である。
【0011】(図6)に、12層構成でガラス基板(屈
折率1.52)側から奇数層が高屈折率層、偶数が低屈
折率層とした場合の分光透過率を示す。高屈折率層は屈
折率が2.30のTiO2、低屈折率層は屈折率が1.
46のSiO2を用いている。また、反射ピーク波長λ
は575nmである。
【0012】(図6)からわかるように、透過率が50
%となる波長の幅(以下、半値幅と呼ぶ)は200nm
以上あり、透過率の低い領域はグリーン、イエロー、レ
ッドの広い領域に渡っている。従って、波長帯域が50
nm以下となるイエロー光やシアン光のみを反射させた
い場合は従来の構成では困難であった。
【0013】およそ、イエロー色とは580nm付近を
中心とした帯域の光を、また、シアン光とは490nm
付近を中心とした帯域の光をいう。帯域としては一例と
して前記中心波長に対し約±20nmと考えればよいだ
ろう。液晶パネルの赤、緑、青色のカラーフィルタの分
光透過率はフィルタの構成材料に依存する。また、赤
色、緑色および青色のフィルタを透過した光でホワイト
バランスをとる必要があるが、ホワイトバランスは光源
が放射する分光分布に依存する。
【0014】したがって、本発明にいうイエロー光およ
びシアン光の中心波長および帯域はカラーフィルタの分
光特性または/および光源の分光特性と、得たいスクリ
ーン上の光学像の色純度(色特性)に左右され、かなら
ずしも一義に定まるものではない。
【0015】本発明の色フィルタはカラーフィルタの分
光透過率および光源の分光分布を考慮して、液晶パネル
等の表示画像が良好な色純度となるようにするものであ
る。したがって、色フィルタがカットするイエロー光お
よびシアン光は光源およびカラーフィルタ等に依存し一
義には定めることができない。しかし、光源およびカラ
ーフィルタの特性等が定めれば一義に定まることも明ら
かであろう。表示画像の輝度および色純度を一定以上確
保するようにカットするイエロー光およびシアン光を定
めるからである。本発明の色フィルタの主たる技術的思
想はカットするイエロー光とシアン光の帯域と波長に限
定されるものではなく、主眼は透過型の色フィルタでシ
アン光とイエロー光のみを良好にカットできる薄膜構成
にある。しかし、当然のことながら光源が特定の波長の
光を強く放射する場合は、前記特定の波長をカットする
ように薄膜構成を設定する必要があることは言うまでも
ないだろう。
【0016】この場合は、本発明の色フィルタにおける
技術的思想、広義には投写型表示装置における該技術的
思想とは、光源のランプの種類と色フィルタの薄膜構成
もしくは/およびダイクロイックミラー等の色分離手段
との組み合わせにあると言うことができる。
【0017】TN液晶を用いた液晶パネル338は、偏
光板333を用いて入射光を直線偏光にする必要があ
る。液晶パネル338の出射側にも、液晶パネルで変調
された光を検出するため、偏光板を配置する必要があ
る。つまり、TN液晶パネル338の前後には光を直線
偏光にするための偏光板(以後、偏光子と呼ぶ)と変調
された光を検出するための偏光板(以後、検光子と呼
ぶ)の2枚の偏光板を配置する必要がある。液晶パネル
の画素開口率を100%とし、偏光子に入射する光量を
1とすると偏光子より出射する光量は40%、液晶パネ
ルの透過率は80%、検光子の透過率は80%となるか
ら、全体としての透過率は0.4×0.8×0.8=約
25%となり、25%の光しか有効に利用できない。し
たがってTN液晶パネルでは低輝度画像表示しか実現で
きない。
【0018】偏光板等で損失した光はほとんどが偏光板
に吸収されて熱に変換される。熱は偏光板自身および輻
射熱等により液晶表示パネルを加熱する。液晶パネルを
ライトバルブとして用いる投写型表示装置の場合、偏光
板333aに入射する光量は数万ルクス以上となる。し
たがって、投写型表示装置にTN液晶パネル338を用
いた場合、偏光板およびパネル等は高温状態となり、短
期間で著しい性能劣化をひきおこす。
【0019】以上のように、前記TN液晶パネル338
をライトバルブとして用いる投写型表示装置は、光利用
率が悪く、投写画像のスクリーン輝度は低い。そこで、
偏光板を用いない高分子分散(PD)液晶パネルを用い
た投写型表示装置等が提案されている。前記投写型表示
装置に用いるライトバルブとしてのPD液晶パネルは入
射光を散乱あるいは透過させることにより光変調を行な
う。
【0020】PD液晶パネルの動作について(図40
(a)(b))を用いて簡単に述べる。(図40(a)
(b))はPD液晶パネルの動作の説明図である。高分
子分散液晶層192は対向電極341と画素電極342
間に狭持されている。前記液晶層192中には水滴状の
液晶(以後、水滴状液晶と呼ぶ)211がポリマー38
2中に分散されている。画素電極342にはTFT(図
示せず)等が接続され、TFTのオン、オフにより画素
電極342に電圧が印加されて、画素電極342上の液
晶分子配向方向を可変させて光を変調する。(図40
(a))に示すように電圧を印加していない状態では、
それぞれの水滴状液晶381は不規則な方向に配向して
いる。この状態ではポリマー382と水滴状液晶381
とに屈折率差が生じ、入射光は散乱する。ここで(図4
0(b))に示すように画素電極342に電圧を印加す
ると液晶分子の方向がそろう。液晶分子が一定方向に配
向したときの屈折率をあらかじめポリマー382の屈折
率と合わせておくと、入射光は散乱せずにアレイ基板3
35より出射する。なお、PD液晶パネルとしては液晶
が水滴状381になるもののみでなく、ポリマー382
がスポンジ状となり、前記スポンジ状の穴の中に液晶が
充填されたタイプのものもある。本明細書でPD液晶と
呼ぶ場合は、前記タイプの一方に限定するものではな
い。
【0021】良好な色再現性および高輝度表示を実現す
る装置として、3枚のPD液晶パネルを用いる投写型表
示装置が提案されている。前記装置は1つのランプと3
枚の液晶パネルを具備する。3枚のPD液晶パネルはそ
れぞれ赤色、緑色および青色の光の変調を担当する。1
つのランプから発生した白色光はダイクロイックミラー
により赤色、緑色および青色の光路に分割(以後、色分
離と呼ぶ)される。前記光路のそれぞれにPD液晶パネ
ルが配置される。各液晶パネルで変調された光はダイク
ロイックミラーで1つの光路に合成(以後、色合成と呼
ぶ)されて、投写レンズ等によりスクリーンに拡大投映
される。
【0022】しかし、PD液晶パネルをライトバルブと
して用いた投写型表示装置では自然光の光(ランダム偏
光と呼ぶ)をすべて利用するため色分離または色合成の
光学系における互いに直交するPS偏光成分の分光特性
違いに起因しダイクロイックミラーなどの分光特性の低
下が生じる。したがって、投写した画像の色相がTN型
液晶パネルをライトバルブとして用いた投写型表示装置
に比して劣るという欠点を生じる。これは、色分離手段
および色合成手段に、光軸に対して45度に傾けたダイ
クロイックミラーまたはダイクロイックプリズムが用い
られているためである。
【0023】このダイクロイックミラーまたはダイクロ
イックプリズムは、屈折率の異なる透明誘電体多層膜が
透明板またはプリズム面に積層された構造からなり、ほ
とんど光吸収損失を受けることなく、光干渉効果により
多層膜構成に応じて任意の波長で透過波長域と反射波長
域とに分離する機能を有する。このような光学多層膜
は、光の入射角θがゼロから増加するに従い、多層膜形
成面に対して、P偏光とS偏光に対応した分光特性の相
違が顕著となることが知られている。
【0024】ここで、P偏光とS偏光とを定義してお
く。P偏光とは、ダイクロイックミラーの平面の法線
(ダイクロイックプリズムの場合は光分離面の法線)と
光線の進行方向を含む面上で振動する光を言う。S偏光
とは前記P偏光の振動方向と垂直な方向に振動する光を
言う。
【0025】TN液晶パネルを用いた投写型表示装置の
場合、偏光板を用いているため、その偏光軸をP偏光と
S偏光のいずれかのみを利用するように配置し、一方の
偏光のみが利用される。このため、ダイクロイックミラ
ーまたはダイクロイックプリズムの分光特性の偏光依存
性が生じても、先鋭な色分離特性が得られることにな
り、投写画像の色相はよいものが得られる。
【0026】一方、PD液晶表示パネルを用いた場合に
は、前記液晶パネルに入射する光はランダム偏光(P偏
光およびS偏光の両方)の入射光となるため、ダイクロ
イックミラーおよびダイクロイックプリズムは分光特性
において、P偏光とS偏光との平均値に対応する分光作
用を示す。したがって、色純度が低下する。ゆえに、色
合成された投写画像の色相は、TN液晶パネルを用いた
投写型表示装置に比して劣ることになる。
【0027】前述の課題を解決する技術は特開平3−8
7721号公報に開示されている。前記投写型表示装置
はダイクロイックミラーへの入射角θを10°<θ<4
0°とし、ダイクロイックミラーの使用により生じる色
相の劣化を少なくしている。
【0028】前記公報に開示されているように、ダイク
ロイックミラーの配置角度を10°<θ<40°の条件
を満たすことにより、ダイクロイックミラーの分光特性
の偏光依存性が低減される。したがって、ダイクロイッ
クミラー等で発生する色相の劣化の課題は改善される。
【0029】前記公報に開示されている投写型表示装置
では、ダイクロイックミラーと光軸との角度を40°以
下としたことにより、ランダム偏光に対する色分離特性
が向上する。したがって、色相の劣化を少なくすること
ができる。しかし、以下の課題が発生する。
【0030】なお、本発明の明細書において、色相と色
純度とはほぼ同義の意味に用いることがある。たとえ
ば、色純度が向上するということはXY色度標における
R、G、Bの色度点を結んだ三角形の面積が大きくなる
ことをいう。第1の課題は、投写レンズのバックフォー
カスが長くなる点である。ダイクロイックミラーの光軸
に対する角度を小さくしているため、投写レンズとパネ
ルまでの間隔が長くなる。バックフォーカスを長くする
には投写レンズの設計に負担がかかる。レンズ枚数の増
加、レンズ径の拡大等弊害が生じる。これらは、液晶投
写型表示装置のコスト高、システムサイズの拡大につな
がる。
【0031】第2の課題は、システムサイズである。ダ
イクロイックミラーによる色分離色合成光学系の占める
面積(体積)が45度の角度で配置した(45度入射と
呼ぶ)TN液晶パネルを用いた投写型表示装置より大き
い。前記光学系サイズはシステムサイズにそのまま反映
される。システムサイズは家庭用の家電機器として普及
させるためには重要な問題である。CRT投写管をライ
トバルブとして用いた投写型表示装置は、システムサイ
ズが大きい点が課題であり、家庭用のテレビとして普及
していない。また、ダイクロイックミラーは、45度入
射に比較して大きい面積を必要とするためコスト高も招
く。
【0032】液晶パネルをライトバルブとして用いた投
写型装置は小型化にできるところに特徴がある。光学系
サイズが大きくなればCRT投写管を用いた投写型表示
装置と差異がなくなる。したがって、家庭用テレビとし
て普及することはない。
【0033】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、シアン光およびイエロー光を選択的に反射させる色
フィルタおよび前記色フィルタを用いた明るく色再現性
の優れた投写型表示装置を提供するものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の色フィルタは、イエロー光を反射する第1の誘
電体多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜
とが透明基板の両面または片面に積層され、前記第1の
誘電体多層膜と前記第2の誘電体多層膜はそれぞれ高屈
折率層と低屈折率層とが交互に積層され、かつ前記透明
基板側から数えて最終層が低屈折率層となる構成とした
ものである。
【0035】前記第1の誘電体多層膜の光学的膜厚は、
低屈折率層が略0.375λY、高屈折率層の最終層を
除く層が略1.125λYおよび低屈折層の最終層が略
0.188λY(ただし、λYはイエロー光の中心波長)
であり、前記第2の誘電体多層膜の光学的膜厚は、低屈
折率層が略0.625λC、高屈折率層の最終層を除く
層が略1.875λCおよび低屈折層の最終層が略0.
313λC(ただし、λ Cはシアン光の中心波長)であ
る。
【0036】第1の誘電体多層膜および第2の誘電体多
層膜において、低屈折率層はMgF 2、SiO2、Al2
3のいずれかであり、高屈折率層はTiO2、ZnS、
CeO2、ZrTiO4、HfO2、Ta25、ZrO2
いずれかである。好ましくは高屈折率層はTiO2とZ
nSを交互に積層した少なくとも2層以上の構成である
ことが望ましい。
【0037】本発明の投写型表示装置は、白色光を放射
する光源と、前記光源から出射する光により照射され映
像信号に応じて光学像を形成する液晶パネルと、本発明
の色フィルタと、前記液晶パネルにより変調された光学
像を投映する投写手段とを具備するものである。
【0038】前記色フィルタは光源の光出射面に配置さ
れ、不要なシアン光とイエロー光とを反射する。液晶パ
ネルは各画素に対応して赤色、緑色および青色光を透過
するカラーフィルタを有する画素構造を有している。液
晶パネルとしてはPD液晶パネルもしくはTN液晶パネ
ルを用いる。またTN液晶パネルが反射型の場合は偏光
ビームスプリッタ(PBS)を用いてP偏光とS偏光を
分離した光を前記パネルで変調をする。
【0039】光源にはネオジウム(Nd)を封入金属元
素として含むメタルハライドランプを用いることが好ま
しい。前記ランプは寿命が長くかつ電気一光変換効率が
良好である。しかし、発光スペクトル490nm付近と
577nm付近の光を強く放射する。そのため、色フィ
ルタは前記2つの波長のうち少なくとも一方の波長の光
をカットするように構成する。
【0040】第2の本発明の投写型表示装置は、白色光
を放射する光源と、本発明の色フィルタと、前記光源が
放射する光を、赤色光の光路、緑色光の光路および青色
光の光路の3つの光路の分離するダイクロイックミラー
もしくはダイクロイックプリズムからなる色分離手段
と、前記3つの光路のそれぞれに配置された光変調パネ
ルと、前記3つの光変調パネルが形成した光学像を略同
一位置に重ねあわせて投写する投写手段を具備するもの
である。
【0041】前記色フィルタは光源の光出射面に配置さ
れ、不要なシアン光とイエロー光とを反射する。光変調
パネルとしてはPD液晶パネル、TI社が開発している
微小ミラーの傾きの変化として光学像を形成するパネル
(以後、DMDと呼ぶ。詳細は特開平4−230722
号公報、特開平5−196880号公報を参照のこと)
が例示される。
【0042】第3の本発明の投写型表示装置は、同一画
素数の第1および第2の液晶パネルと、映像信号を画像
データとして保持するフィールドメモリと、前記フィー
ルドメモリから読み出したデータを第1および第2の液
晶パネルに印加する切り換え手段と、第1の液晶パネル
の光変調手段が形成する光学像と第2の光変調手段が形
成する光学像とを垂直方向に半画素ずらせて投影する
投写手段を具備するものである。
【0043】第1および第2の液晶パネルは赤、緑、青
の3色のモザイク状のカラーフィルタを有し、画素ピッ
チ、画素配列は同一である。
【0044】
【作用】(図6)に示したように1層あたりの光学的膜
厚がλ/4(λは反射ピーク波長)の誘電体多層膜構成
では、高い反射領域の半値幅が狭い(50nm以下)色
フィルタは実現できない。
【0045】これに対し、多層膜を構成する低屈折率膜
と高屈折率膜の光学的膜厚比を1:X(X>1)とし、
Xを大きくすれば、半値幅は若干狭くすることができ
る。しかし、膜厚比は大きくするほど薄膜の有する内部
応力によって低屈折率膜と高屈折率膜との応力のバラン
スがくずれ、多層膜面にクラックを生ずる恐れがある。
そこで、低屈折率膜と高屈折率膜との光学的膜厚比は
1:3より大きくならないようにすることが望ましい
が、このままでは半値幅はイエロー光、もしくはシアア
のみを反射するという条件には不十分である。
【0046】次に、このタイプの干渉フィルターは、波
長λにおける反射ピークの他に波長λよりも短波長側で
周期的に反射ピークが表れるという分光性能を有する。
しかもその半値幅は周期を重ねるほど狭くなるという特
性を持つ。そこで、この狭い半値幅の周期的な反射ピー
クを利用し、イエロー光、もしくはシアン光の中心波長
へシフトさせればよい。具体的には上記の低屈折率膜と
高屈折率膜の光学的膜厚比が1:3の交互多層膜の膜厚
を相対的に厚くすればよく、イエロー光に対応する半値
幅50nm以下を実現するには第2の周期、シアン光に
対応する半値幅40nm以下を実現するには第3の周期
をシフトさせることが望ましい。
【0047】多層膜の光学的膜厚はイエロー光反射の場
合、相対的に略1.5倍とし、低屈折率層が0.375
λ、高屈折率層が1.125λとすればよく、シアン光
反射の場合、相対的に略2.5倍とし、低屈折率層が
0.625λ、高屈折率層が1.875λとすればよ
い。
【0048】低屈折率膜に比べ膜厚の厚い高屈折率膜の
内部応力の影響でクラックの心配がある場合は、1層あ
たりの高屈折率層を屈折率がほぼ同じで、内部応力の方
向が互いに反対である特性を有するTiO2とZnSと
の組み合わせとして構成すれば応力を緩和することがで
き、さらに望ましい。
【0049】なお、反射ピークは第4以降の周期も存在
するが、多層膜の膜厚が厚くなり過ぎるため耐久性の点
で好ましくない。
【0050】また、1つのフィルタでイエロー光とシア
ン光の両方をカットさせたい場合は、上記したようなイ
エロー光反射の第1の誘電体多層膜と、シアン光反射の
第2の誘電体多層膜を合成すれば実現できる。しかし、
多層膜を形成するガラス基板の片面に第1および第2の
誘電体多層膜を続けて積層すると、トータルの層数、お
よび膜厚がともに非常に増加するため、これもクラック
の生ずる心配があるため好ましくない。そこで、ガラス
基板の両面にそれぞれ第1の多層膜と第2の多層膜を別
々に形成すれば上記問題点は解消できる。
【0051】本発明の投写型表示装置は、光源用ランプ
からの放射光が連続スペクトルを有するものであって
も、本発明の色フィルタを用いて不要な光の成分を除去
し、純度の高い赤、緑、青の3原色の光成分からなる白
色光に変換することができる。
【0052】これにより、投写画像において赤、緑、青
に対応する各画素の光帯域は、カラーフィルタの有する
光透過帯域よりも狭くすることが可能となる。したがっ
て、カラーフィルタの広帯域な分光特性により生じてい
た投写画像の色相の劣化を改善することができ、色再現
性の優れた投写画像を得ることができる。
【0053】また、色選択手段により不要光が除去され
ることから、従来カラーフィルタにおいて吸収されてい
た不要な光の成分が減少し、光吸収によるカラーフィル
タ内部の発熱が低減されるため、劣化を抑制し、カラー
フィルタの耐久性を向上することが可能となる。
【0054】照明用の光源はメタルハライドランプを有
することが好ましく、その場合色フィルタは前記メタル
ハライドランプの発光スペクトルのうち577nmの波
長の光を反射させることが好ましい。前記波長の発光ス
ペクトルは非常に強い。したがって、本発明の投写型表
示装置に用いる色フィルタは前記波長に主点をおいて設
計を行っている。そのため、投写画像は実用上十分な色
相を得ている。
【0055】赤色、緑色および青色の光を変調する3枚
の表示パネルを用いる投写型表示装置ではランプが放射
する白色光を色分離手段を用いて3つの三原色の光路に
分離する。
【0056】色分離手段として、主にダイクロイックプ
リズムもしくはダイクロイックミラーが用いられる。本
発明の投写型表示装置では前記どちらの素子を用いても
よいが、説明を容易にするため、主としてダイクロイッ
クミラーを例にあげて説明をする。
【0057】ダイクロイックミラーで反射した光はS偏
光の方がP偏光より帯域が広くなることが知られてい
る。逆にダイクロイックミラーを透過する光はP偏光の
方がS偏光の帯域より広くなる。
【0058】たとえば、前記ダイクロイックミラーがR
光を反射するダイクロイックミラーであれば、前記R光
のS偏光成分は広い帯域の波長の光が反射され、R光の
P偏光成分は広い帯域の波長の光が透過する。したがっ
て、S偏光のR光はG光の帯域に近い光も反射し、P偏
光のR光はG光の帯域に近い光も透過する。つまり、ダ
イクロイックミラーでR光の分離が良好に行なえないこ
とを意味する。従来例でも示したようにこれが色相を劣
化させる要因である。TN液晶表示パネル等では偏光板
を用い、PまたはS偏光の一方のみを用いて光変調を行
なうから課題とならないが、偏光を用いない方式の表示
パネルでは課題となる。前記表示パネルとは、PD液晶
パネル、DMD等が該当する。また、PLZTを用いた
表示パネル等も該当するであろう。したがって、本発明
の投写型表示装置における該技術的思想とは、ランダム
光を変調する表示パネルをライトバルブとして用いるす
べてに該当/適用されるものである。
【0059】本発明の投写型表示装置では、本発明の色
フィルタを用いて、光源から放射する光の波長のうち、
シアン光およびイエロー光をカットする。そのカットの
帯域はダイクロイックミラーの特性を考慮して決定す
る。ダイクロイックミラーで反射する光はS偏光の方が
P偏光より帯域が広くなる。したがって、反射するS偏
光の帯域がP偏光の帯域と同じになるように色フィルタ
のカット帯域を設定する。1つの色フィルタでシアン光
とイエロー光を反射し、前記色フィルタで透過する赤
(R)、緑(G)および青(B)色の帯域をそれぞれ、
ダイクロイックミラーを透過するP偏光の帯域以下にす
るという点が重要である。
【0060】しかし、光源が放射する光の分光特性は全
波長帯域で一定でない。たとえばメタルハライドランプ
は577nmで水銀の発光スペクトルが強い。そのため
色フィルタの設計は最も強くエネルギ量の多いスペクト
ルの波長を考慮せねばならない。本発明の投写型表示装
置では特にイエロー光の帯域である577nmの波長を
反射するように構成しているため、投写画像はすこぶる
色相が良好である。
【0061】通常ライトバルブとして用いられる液晶パ
ネルはアスペクト比が4:3のNTSC対応のものであ
る。近年、16:9のハイビジョンの画像を表示したい
というニーズが高い。アスペクト比が4:3の液晶パネ
ルは量産品であるから安価であるが、アスペクト比が1
6:9の液晶パネルは専用で作製する必要があるため高
価である。そこでアスペクト比が4:3の液晶パネルに
おいて、上下をカットし(非表示領域にし)16:9の
画像を表示する方法が考えられる。しかし、この場合、
水平走査線数が課題となる。
【0062】近年、液晶パネルの画素数も増大し、XG
A対応(たて768ドット×よこ1024ドット)の液
晶パネルも作製されるに至った。しかし、ハイビジョン
の画像を表示しようとするとたて1000ドット(水平
走査線数1000本)程度必要である。前記XGA対応
の液晶パネルではたて768ドットしかなく対応できな
い。ましてや、上下の画面をカットして16:9とした
のでは全く所定の垂直走査線数を得ることはできない。
【0063】なお、以後、本発明の明細書において液晶
パネルの縦方向のドット数はCRTの水平走査線とほぼ
同義に取り扱う。また、一水平走査線に該当する一行の
画素列を画素行と呼ぶ。
【0064】一方液晶パネルの画素の開口部は50%以
下と低い。これは非開口部にTFT、信号線等が形成さ
れているためである。したがって、画素の開口部と前記
画素と隣接した画素の開口部とは半画素程度の間隔があ
るのが通常である。
【0065】本発明は2枚の液晶パネルの画像を重ねあ
わせてスクリーンに投映する。その際、スクリーン上に
おいて2枚の液晶パネルの画素開口部は垂直方向に半画
素ずらす。つまり一枚の液晶パネルで必要な水平走査線
の1/2を確保し、2つの液晶パネルで必要な水平走査
線数を得るのである。たとえば水平走査線数1000本
(たて1000ドット)をXGA対応の液晶パネル2枚
を用いて実現するためには各液晶パネルのたて500ド
ットずつに画像を表示すればよい。なお、その際アスペ
クト16:9の画像表示に必要なよこのドット数は約8
90ドットとなる。
【0066】2枚の液晶パネルを用いてハイビジョン画
像を実現できれば安価に投写型表示装置のシステム構築
ができることは言うまでもない。また、液晶パネルの動
作クロットも低減でき、好ましい。なお、各液晶パネル
にはR、G、Bのモザイク状のカラーフィルタを具備し
ている。したがって、本発明の色フィルタを用いて、光
源から放射されるシアン光およびイエロー光をカットす
れば良好な色相を実現できることは言うまでもない。
【0067】
【実施例】以下、本発明の投写型表示装置の実施例につ
いて説明する。本発明の第1の実施例における投写型表
示装置の構成を(図1)に示す。331は光発生手段と
しての光源、16は本発明の色フィルタ、338はライ
トバルブ、339は投写レンズである。
【0068】光源331はランプ331a、凹面鏡33
1b、UVIRフィルタ331cにより構成される。ラ
ンプ331aはメタルハライドランプであり、発光管内
にディスプロシウム(Dy)とネオジウム(Nd)が封
入されているものである。その発光スペクトルを(図
7)に示す。(図7)で明らかなように前記メタルハラ
イドランプが放射する光の分光分布はDy、Ndによる
多数の連続発光スペクトルと水銀による輝線スペクトル
が混在したものである。凹面鏡331bはガラス製で、
反射面に可視光を反射し、赤外光を透過させる多層膜を
蒸着したものである。ランプ331aからの放射光に含
まれる可視光は、凹面鏡331bの反射面により反射
し、その反射光は平行に近い光になる。凹面鏡331b
から出射する反射光は、UVIRフィルタ331cによ
り赤外光および紫外光が除去されて出射する。
【0069】以下、本発明の投写型表示装置に用いる本
発明の色フィルタ16について説明をする。(図2)に
第1の実施例の本発明の色フィルタの拡大モデルを示
す。11は屈折率1.52のガラス基板、12は第1の
誘電体多層膜、13は第2の誘電体多層膜である。
【0070】ガラス基板11の両面にそれぞれ第1の誘
電体多層膜12と第2の誘電体多層膜13を形成してい
る。第1誘電体多層膜12は低屈折率層であるSiO2
(屈折率1.46)14a〜14fと、高屈折率層であ
るTiO2(屈折率2.30)15a〜15fとの交互
12層構成であり、SiO214aの光学的膜厚が0.
188λY(λY=577nm)、SiO214b〜14
fの光学的膜厚が0.375λY、TiO215a〜15
fの光学的膜厚が1.125λYである。また、第2の
誘電体多層膜13は低屈折率層であるSiO214g〜
14lと、高屈折率層であるTiO215g〜15lと
の交互12層構成であり、SiO214lの光学的膜厚
が0.313λC(λC=490nm)、SiO214g
〜14kの光学的膜厚が0.625λC、TiO215g
〜15lの光学的膜厚が1.875λCである。
【0071】(図4)に色フィルタ16の分光透過率を
示す。第1の誘電体多層膜12がイエロー光(半値幅約
550〜600nm)、第2の誘電体多層膜13がシア
ン光(半値幅約475〜505nm)をそれぞれピーク
波長で90%以上反射し、レッド、グリーン、ブルーの
3原色光のみが高い透過率を示している。
【0072】なお、高屈折率層の屈折率と低屈折率層の
屈折率層の屈折率差を小さくすれば、さらに反射波長領
域の半値幅を狭くすることができる。
【0073】(図3)に第2の実施例の本発明の色フィ
ルタの拡大モデル図を示す。21は屈折率1.52のガ
ラス基板、22は第1の誘電体多層膜、23は第2の誘
電体多層膜である。
【0074】ガラス基板21の両面にそれぞれ第1の誘
電体多層膜22と第2の誘電体多層膜23を形成してい
る。第1誘電体多層膜22は低屈折率層であるAl23
(屈折率1.62)24a〜24hと、高屈折率層であ
るTiO2(屈折率2.30)25a〜25hとの交互
16層構成であり、Al2324aの光学的膜厚が0.
188λY(λY=577nm)、Al2324b〜24
hの光学的膜厚が0.375λY、TiO225a〜25
hの光学的膜厚が1.125λYである。また、第2の
誘電体多層膜23は低屈折率層であるAl2324i〜
24pと、高屈折率層であるTiO225i〜25pと
の交互16層構成であり、Al2324pの光学的膜厚
が0.313λC(λC=490nm)、Al2324i
〜24oの光学的膜厚が0.625λC、TiO225i
〜25pの光学的膜厚が1.875λCである。
【0075】(図5)に色フィルタ16の分光透過率を
示す。第1の誘電体多層膜22がイエロー光(半値幅約
555〜595nm)、第2の誘電体多層膜23がシア
ン光(半値幅約480〜500nm)をそれぞれピーク
波長で90%以上反射し、レッド、グリーン、ブルーの
3原色光のみが高い透過率を示している。
【0076】なお、(図2)および(図3)に示す第1
の実施例および第2の実施例ではガラス基板の両面に第
1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜をそれぞれ形成
したが、一方の面に2種類の誘電体多層膜を重ねて形成
しても同様の性能が得られる。ただし、連続する層数が
多くなるため薄膜の有する内部応力で誘電体多層膜面に
クラックが生ずる恐れがある場合は、ガラス基板の両面
にそれぞれ分けて形成したほうが好ましい。
【0077】また、高屈折率層、低屈折率層の膜厚は、
実施例でシアン光を反射する場合に用いた1.875λ
C、0.625λCよりも厚い膜厚としても周期的に高い
反射率は得られるが、実用上、1層あたりの膜厚が実施
例で用いた膜厚より厚くなる場合もクラックが発生する
危険性があるため好ましくない。
【0078】また、ピーク波長での反射率の絶対値は誘
電体多層膜の層数を増やせば高くすることができる。
【0079】実施例では低屈折率層として、SiO2
Al23、高屈折率層としてTiO2を用いたが、他に
低屈折率層としてMgF2、高屈折率層としてZnS、
CeO 2、ZrTiO4、HfO2、Ta25、ZrO2
用いてもよい。
【0080】さらに、第2の実施例のように高屈折率層
と低屈折率層の屈折率差が小さい場合のようにピーク反
射率の絶対値を高くしようとすると、誘電体多層膜の層
数を多くする必要があり、層数によってはクラックの発
生する心配がある。この場合は高屈折率層を、屈折率が
ほぼ同じで、内部応力の方向がそれぞれキャンセルしあ
う方向である性質を有するTiO2とZnSの組み合わ
せとすればよい。屈折率は2種類ともほぼ2.30であ
り応力方向はTiO2が引っ張り応力、ZnSが圧縮応
力であるため、例えば高屈折率層を1層あたりをそれぞ
れTiO2、ZnS、TiO2の3層構成とし、膜厚も3
分割にすれば多層膜全体の内部応力を緩和することがで
き好ましい。
【0081】以上のことから明らかなように、(図6)
に示したように1層あたりの光学的膜厚がλ/4(λは
反射ピーク波長)の誘電体多層膜構成では、高い反射領
域の半値幅が狭い(50nm以下)色フィルタは実現で
きない。
【0082】これに対し、多層膜を構成する低屈折率膜
と高屈折率膜の光学的膜厚比を1:X(X>1)とし、
Xを大きくすれば、半値幅は若干狭くすることができ
る。しかし、膜厚比は大きくするほど薄膜の有する内部
応力によって低屈折率膜と高屈折率膜との応力のバラン
スがくずれ、多層膜面にクラックを生ずる恐れがある。
そこで、低屈折率膜と高屈折率膜との光学的膜厚比は
1:3より大きくならないようにすることが望ましい
が、このままでは半値幅はイエロー光、もしくはシアン
光のみを反射するという条件には不十分である。
【0083】次に、このタイプの干渉フィルターは、波
長λにおける反射ピークの他に波長λよりも短波長側で
周期的に反射ピークが表れるという分光性能を有する。
しかもその半値幅は周期を重ねるほど狭くなるという特
性を持つ。そこで、この狭い半値幅の周期的な反射ピー
クを利用し、イエロー光、もしくはシアン光の中心波長
へシフトさせればよい。具体的には上記の低屈折率膜と
高屈折率膜の光学的膜厚比が1:3の交互多層膜の膜厚
を相対的に厚くすればよく、イエロー光に対応する半値
幅50nm以下を実現するには第2の周期、シアン光に
対応する半値幅40nm以下を実現するには第3の周期
をシフトさせることが望ましい。
【0084】多層膜の光学的膜厚はイエロー光反射の場
合、相対的に略1.5倍とし、低屈折率層が0.375
λ、高屈折率層が1.125λとすればよく、シアン光
反射の場合、相対的に略2.5倍とし、低屈折率層が
0.625λ、高屈折率層が1.875λとすればよ
い。
【0085】なお、反射ピークは第4以降の周期も存在
するが、多層膜の膜厚が厚くなり過ぎるため耐久性の点
で好ましくない。
【0086】本発明の色フィルタにおいてλY=577
nmにしていることに考慮を要する。(図7)に示すメ
タルハライドランプは577nmで非常に強い発光スペ
クトルがある。このスペクトルは水銀原子による。ま
た、前記577nmの波長はイエロー光に帯域に該当す
る。したがって、577nmの波長の光を十分にカット
できなければ、スクリーンに投映される投写画像の色相
を良好にすることはできない。
【0087】また、490nmはNdによる発光スペク
トルである。(図7)の分光特性ではそれほどピーク値
となっていないが、Ndの添加量により非常に強い発光
スペクトルが発生する。DyおよびNdを含有するメタ
ルハライドランプは分光特性良好でかつ寿命が長い。し
かし、イエロー色およびシアン色の発光スペクトルが強
い。
【0088】本発明の色フィルタ16は前記490かつ
577nmの発光スペクトルを十分にカットでき、カッ
トした帯域の半値幅が50nm程度と狭く実現している
ことに特徴がある。この意味で本発明の色フィルタはメ
タルハライドランプと組み合わせて用いた時、相乗効果
がある。
【0089】以後、本明細書でいう色フィルタとは(図
2)または(図3)もしくは、それに近似する構成もフ
ィルタを指すものとする。
【0090】ライトバルブは、透過型のTN液晶パネル
338とその入射側および出射側に配置された2枚の偏
光板333a、333bにより構成される。液晶パネル
338は、(図38)に示すように、2枚のアレイ基板
335と対向基板334間にTN液晶層337を狭持し
たものであり、対向基板334と対向電極341との間
には各画素に対応して、3原色である赤、緑、青色光を
透過するカラーフィルタ336がモザイク状に配置され
ている。カラーフィルタ336は、(図39)に示すよ
うな分光特性を有するものである。
【0091】ライトバルブでは液晶パネル338の画素
電極342に電圧が印加されている場合、光は透過状態
となり、印加電圧の大きさに応じて透過率の変化として
光学像が形成される。
【0092】光源331からの略平行光は、色フィルタ
16に入射する。色フィルタ16では、(図4)等に示
す分光特性に従い、純度の高い3原色光成分のみが透過
する。色フィルタ16からの透過光は、フィールドレン
ズ332を透過し、ライトバルブに入射する。フィール
ドレンズ332は液晶パネル338の周辺部を透過する
光を投写レンズ339に入射させるためのものである。
ライトバルブに入射した光は、P偏光成分のみが偏光板
333bを透過し、映像信号に応じて透過率の変化とし
てカラー画像が形成される。ここでライトバルブからの
出力光は、投写レンズ339に入射し、スクリーン(図
示せず)上に拡大投射される。投写画像のフォーカス調
整は、投写レンズ339を光軸340に沿って移動する
ことにより行う。
【0093】赤、緑、青の各画素のスクリーン上におけ
る投影像に関して、各々の分光特性を(図19(a)、
(b)、(c))に示す。破線は(図37)に示すよう
な従来の構成における分光特性であり、実線は色フィル
タ16を用いて色純度の改善を行った場合の分光特性で
ある。色フィルタ16を用いることにより、色純度を劣
化させていると思われる光帯域の成分が減少し、カラー
フィルタの光透過帯域と比較して赤、緑、青色成分と
も、帯域が狭くなっていることがわかる。(図8)は
R、G、Bのカラーフィルタを透過した光を合成した時
の分光分布である。(図7)の分光特性を有するメタル
ハライドランプが色フィルタ16によりシアン光および
イエロー光がカットされ(図8)の分光特性となる。
【0094】(図10)は、上記構成における投写型表
示装置の色再現性を示す(実線)。従来の構成(点線)
と比較して、色再現範囲が広くなっていることがわか
る。
【0095】また、色フィルタ16において光源からの
放射光のうち、不要な光成分を除去することにより、液
晶パネル338内のカラーフィルタ336で吸収される
光量を減少させることができ、カラーフィルタ336の
不要光吸収により生じる発熱量が低下するため、カラー
フィルタ336の劣化を抑制することができる。
【0096】なお、色フィルタ16はライトバルブと投
写レンズ339との間の位置(Aで示す)または投写レ
ンズ339とスクリーン(図示せず)との間の光路中に
配置してもよい。しかし、色フィルタ16をライトバル
ブよりもスクリーン側の光路中に配置する場合には、イ
エロー光とシアン光が再びライトバルブ等に入射し、ハ
レーション等を引きおこすおそれがある。したがって、
あまり好ましくはない。なお、前に示すA位置に色フィ
ルタ16を配置するという構成は本発明の他の実施例に
おける投写型表示装置に適用できる事項である。
【0097】以下、本発明の投写型表示装置において、
液晶パネル等による映像表示方法について説明する。な
お、前記表示方法は本発明の他の投写型表示装置にも適
用でき、また、表示パネルはTN液晶パネル、PD液晶
パネルのみに対応するものではなく、たとえばDMDに
も対応できるものである。
【0098】本表示方法では、互いに異なる第1および
第2の表示方法が個別的にまたは選択的に実行される。
(図11)は第1の表示方法を説明するためのディスプ
レイ上の表示画像を示しており、(図12)は第2の表
示方法を説明するためのディスプレイ上の表示画像を示
している。
【0099】まず、第1の表示方法について説明する。
(図11)において、(a)は入力された順次走査映像
信号の第1フレームをディスプレイ上にそのまま表示し
たときの画像を示し、(b)は入力された順次走査映像
信号の第2フレームをディスプレイ上にそのまま表示し
た画像を示している。なお、第1および第2のフレーム
は、時間的に連続したフレームである。まず、入力され
た順次走査映像信号の第1フレームの第1ラインを選択
し、2倍に時間軸伸長してディスプレイ上の第1ライン
に表示する。次に、第1フレームの第3ラインを選択
し、2倍に時間軸伸長してディスプレイ上の第3ライン
に表示する。以下、第5ライン、第7ライン…というよ
うに、第1フレームの奇数ラインだけを順次選択し、2
倍に時間軸伸長してディスプレイ上の奇数ラインに表示
する。一方、第2フレームにおいては、偶数ラインだけ
を順次選択し、2倍に時間軸伸長してディスプレイ上の
偶数ラインに表示する。その結果、(図11(c))に
示すような第1フレームの奇数ラインと第2フレームの
偶数ラインとからなる1フレームが表示される。以上の
操作を第3フレーム、第4フレームにも同様に施し、以
後繰り返す。上記のように、入力された順次走査映像信
号の2フレーム期間で、第1のフレームの奇数ラインと
第2のフレームの偶数ラインとからなる1フレームを表
示すれば良いため、入力された順次走査映像信号をその
まま表示するときに比べて1/2の速度で表示すること
ができる。
【0100】次に、第2の表示方法について説明する。
(図12)おいて、(a)は入力された順次走査映像信
号の第1フレームをディスプレイ上にそのまま表示した
ときの画像示し、(b)は入力された順次走査映像信号
の第2フレームをディスプレイ上にそのまま表示した画
像を示している。まず、入力された順次走査映像信号の
第1フレームの第1ラインを選択し、2倍に時間軸伸長
してディスプレイ上の第1および第2のラインに同時に
表示する。次に、第1フレームの第3ラインを選択し、
2倍に時間軸伸長してディスプレイ上の第3および第4
のラインに同時に表示する。以後、第5、第7ライン…
というように、第1フレームの奇数ラインだけを順次選
択し、2倍に時間軸伸長してディスプレイ上の奇数ライ
ンと隣接偶数ラインに同時に表示する。その結果、(図
12(b))に示す画像が得られる。一方、第2フレー
ムにおいては、偶数ラインだけを順次選択し、2倍に時
間軸伸長してディスプレイ上の偶数ラインと隣接奇数ラ
インに同時に表示する。その結果、(図12(c))に
示す画像が得られる。以上の操作を第3フレーム、第4
フレームにも同様に施し、以後繰り返す。上記のよう
に、入力された順次走査映像信号の2ライン期間で、第
1フレームの奇数ラインと第2フレームの偶数ラインと
からなる1フレームを表示すれば良いため、入力された
順次走査映像信号をそのまま表示するときに比べて1/
2の速度で表示することができる。
【0101】以上2つの表示方法について示したが、静
止画の場合は第1の表示方法を選択し、動画の場合は第
2の表示方法を選択するのが好ましい。静止画は画像が
停止しているため、動画に比べて垂直方向の画像の不連
続性が視認されやすい。そのため、静止画の場合は、第
1の表示方法でフレーム間での内挿を行うことにより、
見かけ上の垂直解像度を確保することが好ましい。一
方、動画は時間的な画像の変化が激しいため、第1の表
示方法を適用すると、いわゆる動画ボケ(ジャーキネス
妨害等)が発生する。そのため、動画の場合は、第2の
方法でフレーム内での内挿を行うことにより、動画ボケ
の発生を防止することが好ましい。
【0102】なお、第1の表示方法では、CRTディス
プレイのように表示時間(発光時間)が数ミリ秒から数
十ミリ秒と非常に短い場合、例えば入力順次映像信号の
フレーム周期が60Hzのとき、同一ラインの表示周期
が30Hzとなりフリッカが発生する。ところが、画素
にスイッチング素子としてのTFTを配置したアクティ
ブマトリクス型液晶ディスプレイのように、リフレッシ
ュするまで表示状態を保持するディスプレイにおいて
は、完全に走査線補間が行われる。また、第2の表示方
法は、CRTディスプレイでは電子銃をマルチガン構成
にする(電子銃を例えば2つ用意する)必要があるが、
アクティブマトリクス型液晶ディスプレイではゲートラ
インを2ライン同時にアクティブにすることで、容易に
実現できる。
【0103】次に、映像信号表示回路について、図面を
参照しながら説明する。(図13)は、本発明の一実施
例の映像信号表示回路を示している。(図13)におい
て、映像信号表示回路は、表示ラインの選択と映像信号
の時間軸伸長を行う表示ライン選択回路139と、主に
γ補正と交流化を行い映像信号を液晶駆動に適した信号
に変換するソース信号処理回路135と、複数の画素が
マトリクス状に配置された液晶パネル338と、液晶パ
ネル338のソースラインに接続され液晶337に電圧
を印加するソース駆動IC141と、水平スタートパル
スHDおよび垂直スタートパルスVDに応答してゲート
駆動IC制御信号(GCK1、GCK2、GST1、G
ST2、GEN1、GEN2)を発生するゲート駆動I
C制御回路137a、137bと、ゲート駆動IC制御
回路137a、137bからのゲート駆動IC制御信号
に基づいて動作が制御されるゲート駆動IC140a、
140bと、画像の性質(静止画か動画か)に応じてゲ
ート駆動IC制御回路137a、137bのいずれかを
選択する表示方法選択回路136と、表示方法選択回路
136からの切換信号に応答してゲート駆動IC制御回
路137a、137bの出力を選択的に切り換えてゲー
ト駆動IC140a、140bに出力する切換器138
とを備える。表示ライン選択回路139は、A/D変換
器131と、一走査線分の画像信号を記憶するラインメ
モリ132と、D/A変換器134と、水平スタートパ
ルスHDおよび垂直スタートパルスVDに応答してメモ
リ制御信号(WCK、WEN、RCK)を発生しライン
メモリ132の動作を制御するラインメモリ制御回路1
33とを含む。
【0104】ゲート駆動IC140a、140bは、互
いに同じ構成および機能を備えたICである。ただし、
第1のゲート駆動IC140aは、液晶パネル338の
奇数番目のゲートラインに接続され、奇数番目のゲート
ラインを順次アクティブにする。また、第2のゲート駆
動IC140bは、液晶パネル338の偶数番目のゲー
トラインに接続され、偶数番目のゲートラインを順次ア
クティブにする。
【0105】(図14)は、上記ゲート駆動IC140
のより詳細な構成を示している。(図14)において、
ゲート駆動IC140は、n/2ビット(nは液晶パネ
ル338のゲートラインの本数)のシフトレジスタ14
5と、n/2個の切換スイッチ146を有する切換スイ
ッチ群142と、n/2個の出力バッファ147を有す
る出力バッファ群143とを備えている。シフトレジス
タ145は、n/2個のD型フリップフロップ144
と、1個のインバータ145とを有する。スタート信号
GST1(またはGST2)が、1つ目のD型フリップ
フロップ144のデータ入力端子Dに与えられるととも
に、インバータ145で極性が反転された後、2つ目以
降の各D型フリップフロップ144のクリア端子Cに与
えられる。また、クロック信号GCK1(またはGCK
2)が、各D型フリップフロップ144のクロック端子
CKに与えられる。また、2つ目以降の各D型フリップ
フロップ144のデータ入力端子Dには、前段のD型フ
リップフロップ144のQ出力が与えられる。上記のよ
うな構成を有するシフトレジスタ145は、k個目(k
=1〜n/2)のD型フリップフロップ144のQ出力
がkビット目の信号として取り出され、切換スイッチ群
142内のk個目の切換スイッチ146のA端子に与え
られる。各切換スイッチ146のB端子は、接地されて
いる。各切換スイッチ146の出力端子Cは、イネーブ
ル信号GEN1(またはGEN2)がハイレベルのとき
A端子に接続され、ローレベルのときB端子に接続され
る。各切換スイッチ146の出力端子Cから出力される
信号は、それぞれ出力バッファ群143内の対応する出
力バッファ147を介して各出力ピン148に与えられ
る。各出力ピン148は、それぞれ液晶パネル338の
対応するゲートライン(ゲート信号線)に接続される。
【0106】以上のように構成された映像信号表示回路
の動作を以下に説明する。(図15)は、ラインメモリ
132に入力されるメモリ制御信号およびラインメモリ
132の入出力映像信号のタイミングチャートを示して
いる。まず、この(図15)を参照して、ソースライン
の駆動制御動作を説明する。表示ライン選択回路139
に入力された順次走査映像信号は、まずA/D変換器1
31でディジタル映像信号に変換される。ラインメモリ
132は、ライトイネーブル信号WENがハイレベルの
期間、ライトクロック信号WCKに同期するタイミング
でディジタル順次走査映像信号を取り込む。すなわち、
第1フレームの第1ラインはライトイネーブル信号WE
Nがハイレベルのためライトクロック信号WCKに同期
して取り込まれ、第1フレームの第2ラインはライトイ
ネーブル信号WENがローレベルのため取り込まれな
い。上記の動作を繰り返すことにより、第1フレームの
奇数ラインがラインメモリ132に順次取り込まれる。
同様に、第2フレームの第1ラインはライトイネーブル
信号WENがローレベルのため取り込まれず、第2フレ
ームの第2ラインはライトイネーブル信号WENがハイ
レベルのためライトクロック信号WCKに同期して取り
込まれる。上記の動作を繰り返すことにより、第2フレ
ームの偶数ラインがラインメモリ132に順次取り込ま
れる。さらに、以上の各動作をフレーム単位で繰り返す
ことにより、奇数フレームの奇数ラインと偶数フレーム
の偶数ラインが、ラインメモリ132に順次取り込まれ
る。ラインメモリ132に取り込まれたディジタル映像
信号は、ライトクロック信号WCKの1/2の周波数で
あるリードクロック信号RCKに同期して読み出され
る。ラインメモリ132から出力される信号は、取り込
まれた順次走査映像信号の奇数フレームの奇数ラインと
偶数フレームの偶数ラインを2倍に時間軸伸長したディ
ジタル映像信号であり、D/A変換器134でアナログ
映像信号に変換される。
【0107】次に、ソース信号処理回路135は、ライ
ン選択され2倍に時間軸伸長された順次走査映像信号に
γ補正を施し、液晶パネル338を交流駆動するために
1フレーム毎に極性を反転し、ソース駆動IC141に
入力する。ソース駆動IC141は、入力された映像信
号をIC内部の各サンプルホールド回路(図示せず)へ
順次書き込み保持する。このときソース駆動IC141
に入力される信号は、2倍に時間軸伸長された順次走査
映像信号であるため、シフトレジスタ(図示せず)で生
成される各サンプルホールド回路への書き込みクロック
も、時間軸伸長しない場合に比べて1/2でよい。液晶
パネル338のゲートラインxi がゲート駆動IC14
0によってアクティブとなり薄膜トランジスタ343が
オンしたとき、各サンプルホールド回路に保持された映
像データはソースラインyj を介して画素電極342に
印加される。その結果、一走査線分の映像信号が液晶パ
ネル338に書き込まれる。上記の動作をくり返すとと
もに、ゲート駆動IC140がゲートラインを走査する
ことにより、液晶パネル338に画像が得られる。
【0108】次に、ゲートラインの駆動制御動作につい
て説明する。ゲートラインの走査は、第1および第2の
ゲート駆動IC制御回路137から出力されるゲート駆
動IC制御信号(GCK1、GST1、GEN1または
GCK2、GST2、GEN2)によって決まる。前述
したようにゲート駆動IC140a、140bは同じ機
能を備えたICであり、ゲート駆動IC制御信号の制御
によって液晶パネル338のゲートラインを順次的かつ
選択的にアクティブにする。ゲート駆動IC140は、
スタート信号GST1(またはGST2)がハイレベル
のとき、クロック信号GCK1(またはGCK2)の立
ち上がり(ローレベルからハイレベルに変化したとき)
で内部のシフトレジスタ145(図14参照)がリセッ
トされ1番目のゲートラインを選択(リトレースされ)
し、クロック信号GCK1(またはGCK2)の立ち上
がりのたびに2番目、3番目と順次選択していく。そし
て、イネーブル信号GEN1(またはGEN2)がハイ
レベルのときに、選択されたゲートラインに信号が出力
され、ゲートラインをアクティブにする。これによって
選択されたゲートラインに接続された薄膜トランジスタ
343がオンする。イネーブル信号GEN1(またはG
EN2)がローレベルのときは、選択されたゲートライ
ンに信号が出力されずアクティブにならない。したがっ
て、そのゲートラインに接続された薄膜トランジスタ3
43はオフ状態である。ここで、第1のゲート駆動IC
140aは液晶パネル338の奇数番目のゲートライン
に接続され、第2のゲート駆動IC140bは偶数番目
のゲートラインに接続されている。
【0109】(図16)は第1のゲート駆動IC制御回
路137aから出力されるゲート駆動IC制御信号のタ
イミングチャートを示し、(図17)は第2のゲート駆
動IC制御回路137bから出力されるゲート駆動IC
制御信号のタイミングチャートを示している。以下、こ
れら(図16)および(図17)を参照して、ゲートラ
インの駆動制御動作をより詳細に説明する。
【0110】(図16)において、クロック信号GCK
1、スタート信号GST1、イネーブル信号GEN1は
第1のゲート駆動IC制御回路36から第1のゲート駆
動IC140aに入力されるゲート駆動IC制御信号で
あり、クロック信号GCK2、スタート信号GST2、
イネーブル信号GEN2は第2のゲート駆動IC制御回
路137bから第2のゲート駆動IC140bに入力さ
れるゲート駆動IC制御信号である。クロック信号GC
K1は2ライン期間周期でハイレベル、スタート信号G
ST1は第1フレーム第1ラインでハイレベル、イネー
ブル信号GEN1は第1フレーム期間中ハイレベル(た
だし、第1フレーム期間の最終のラインではローレベ
ル)なので、第1フレームが始まると、第1のゲート駆
動IC140aは、1番目のゲートライン(図13のx
1 )から順次アクティブにする。第1のゲート駆動IC
140aは液晶パネル338の奇数番目のゲートライン
に接続されているため、第1フレーム期間は、2ライン
期間毎に液晶パネル338の奇数ラインが順次アクティ
ブにされる。なお、第2フレーム期間はイネーブル信号
GEN1がローレベルなので、液晶パネル338の奇数
ラインはアクティブにされない。
【0111】一方、クロック信号GCK2は2ライン期
間周期でハイレベル、スタート信号GST2は第2フレ
ーム第2ラインでハイレベル、イネーブル信号GEN2
は第2フレーム第2ラインからハイレベルなので、第2
フレームが始まると、第2のゲート駆動IC140b
は、2番目のゲートライン(図13のx2 )から順次ア
クティブにする。第2のゲート駆動IC140bは液晶
パネル338の偶数番目のゲートラインに接続されてい
るため、第2フレーム期間は、2ライン期間毎に液晶パ
ネル338の偶数ラインが順次アクティブにされる。な
お、第1フレーム期間はイネーブル信号GEN2がロー
レベルなので、液晶パネル338の偶数ラインはアクテ
ィブにされない。
【0112】したがって、入力順次走査映像信号の第1
フレームの奇数ラインだけを選択し2倍に時間軸伸長し
て、液晶パネル338の奇数ラインに表示することがで
きる。また、入力順次走査映像信号の第2フレームの偶
数ラインだけを選択し2倍に時間軸伸長して、液晶パネ
ル338の偶数ラインに表示することができる。以上の
動作を2フレーム単位で繰り返す。
【0113】図7において、クロック信号GCK1、ス
タート信号GST1、イネーブル信号GEN1は第2の
ゲート駆動IC制御回路137bから第1のゲート駆動
IC338bに入力されるゲート駆動IC制御信号であ
り、クロック信号GCK2、スタート信号GST2、イ
ネーブル信号GEN2は第2のゲート駆動IC制御回路
37から第2のゲート駆動IC140bに入力されるゲ
ート駆動IC制御信号である。第1フレーム期間におい
て、クロック信号GCK1は2ライン期間周期でハイレ
ベル、スタート信号GST1は第1ラインでハイレベ
ル、イネーブル信号GEN1は第1フレーム期間中ハイ
レベル(ただし、第1フレーム期間の最終のライン期間
はローレベル)なので、第1フレームが始まると、第1
のゲート駆動IC140aは、1番目のゲートライン
(図13のx1 )から順次アクティブにする。また、第
1フレーム期間において、クロック信号GCK2は2ラ
イン期間周期でハイレベル、スタート信号GST2は第
1ラインでハイレベル、イネーブル信号GEN2は第1
フレーム期間中ハイレベル(ただし、第1フレーム期間
の最終のライン期間はローレベル)なので、第1フレー
ムが始まると、第2のゲート駆動IC140bは、2番
目のゲートライン(図13のx2 )から順次アクティブ
にする。第1のゲート駆動IC140aは液晶パネル3
38の奇数番目のゲートラインに接続されており、第2
のゲート駆動IC140bは液晶パネル338の偶数番
目のゲートラインに接続されているため、第1フレーム
期間は、2ライン期間毎に液晶パネル338の奇数ライ
ンと次の隣接偶数ラインが同時にアクティブにされ、以
降、順次2ライン期間周期で、奇数、偶数ラインが2ラ
インずつ同時にアクティブにされる。
【0114】一方、第2フレーム期間において、クロッ
ク信号GCK1は2ライン期間周期でハイレベル、スタ
ート信号GST1は第1フレームの最終ラインでハイレ
ベルなので、第2フレーム第1ライン期間には、1番目
のゲートライン(図13のX1 )が選択されている。し
かしながら、第2フレーム第1ライン期間には、イネー
ブル信号GEN1がローレベルのため、1番目のゲート
ラインはアクティブにならない。その後、第2フレーム
第2ライン期間からイネーブル信号GEN1がハイレベ
ルとなるため、第1のゲート駆動IC140aは、第2
フレーム2ライン期間が開始すると、3番目のゲートラ
イン(図13のX3 )から順次アクティブにする。ま
た、クロック信号GCK2は2ライン期間周期でハイレ
ベル、スタート信号GST2は第2ラインでハイレベ
ル、イネーブル信号GEN2は第2フレーム第2ライン
期間からハイレベルなので、第2のゲート駆動IC14
0bは、第2フレーム2ライン期間が開始すると、2番
目のゲートライン(図13のx2 )から順次アクティブ
にする。第1のゲート駆動IC140aは液晶パネル3
38の奇数番目のゲートラインに接続されており、第2
のゲート駆動IC140bは液晶パネル338の偶数番
目のゲートラインに接続されているため、第2フレーム
期間は、2ライン期間毎に液晶パネル338の偶数ライ
ンと次の隣接奇数ラインが同時にアクティブにされ、以
降、順次2ライン期間周期で、偶数、奇数ラインが2ラ
インずつ同時にアクティブにされる。
【0115】したがって、入力順次走査映像信号の第1
フレームの奇数ラインだけを選択し2倍に時間軸伸長し
て、液晶パネル338の奇数ラインと隣接偶数ラインに
同時に表示することができる。また、入力順次走査映像
信号の第2フレームの偶数ラインだけを選択し2倍に時
間軸伸長して、液晶パネル338の偶数ラインと隣接奇
数ラインに同時に表示することができる。以上の動作を
2フレーム単位で繰り返す。
【0116】上記のように、第1および第2のゲート駆
動IC制御回路137a、137bいずれのゲート駆動
IC制御信号によっても、入力された順次走査映像信号
の2フレーム期間で、第1のフレームの奇数ラインと第
2のフレームの偶数ラインからなる1フレームを表示す
れば良いため、入力された順次走査映像信号をそのまま
表示するときに比べて1/2の速度で表示することがで
きる。したがって、液晶パネル338を分割駆動する必
要がなくなり、輝度差の発生を防止することができる。
【0117】前述のように、ゲートラインの走査方法
は、第1のゲート駆動IC制御回路137aまたは第2
のゲート駆動IC制御回路137bから出力されるゲー
ト駆動IC制御信号によって決まる。換言すれば、液晶
パネル338の表示方法は、どちらのゲート駆動IC制
御回路から出力されたゲート駆動IC制御信号を選択す
るかによって決定される。ゲート駆動IC制御信号の選
択は、表示方法選択回路136から出力される切換信号
に応答する切換器138で行う。表示方法選択回路13
6には、A/D変換器131でディジタル信号に変換さ
れた順次走査映像信号が入力される。表示方法選択回路
136は、入力された順次走査映像信号のフレーム毎の
差分を計算し、差分の大きさにより、静止画か動画かの
判定をする。その結果、静止画の場合は第1のゲート駆
動IC制御回路137aから出力されるゲート駆動IC
制御信号を、動画の場合は第2のゲート駆動IC制御回
路137bから出力されるゲート駆動IC制御信号選択
する。アクティブマトリクス型液晶パネルのように、リ
フレッシュするまで表示状態を保持するディスプレイに
おいては、静止画の場合、フレーム間での内挿が行われ
るために垂直解像度が確保され、動画の場合、フレーム
内での内挿が行われるために動画ボケは発生せず、入力
された順次走査映像信号をそのまま表示するときに比べ
て1/2の速度で表示したにもかかわらず良好な画像が
得られる。
【0118】なお、上記実施例では自動検出による切り
換えを述べたが、それにつけ加えユーザーによる切換器
の強制切換を可能にすると、さらに実用上便利になる。
【0119】以上のように、2フレーム期間で1フレー
ム分の映像情報を表示するようにしているので、入力さ
れた順次走査映像信号をそのまま表示するときに比べて
1/2の速度で表示することができる。その結果、パー
ソナルコンピュータやワークステーション等の広帯域
(高速データレート)順次走査映像信号を、マトリクス
型液晶パネルのように高速表示の苦手なディスプレイに
表示する場合でも画質の劣化が生じない。すなわち、従
来例のようにディスプレイを分割駆動する必要がなくな
り、輝度差の発生を防止することができる。
【0120】また、第1の表示制御手段と第2の表示制
御手段とを選択的に能動化するようにしているので、順
次走査映像信号の性質(例えば、静止画か動画か)に応
じて常に最適な表示を行うことができる。
【0121】さらに、順次走査映像信号の隣接フレーム
間の相関を表す値が所定値以上のとき(すなわち、静止
画のとき)は第1の表示制御手段を選択的に能動化し、
所定値未満のとき(すなわち、動画のとき)は第2の表
示制御手段を選択的に能動化するようにしているので、
静止画の場合はフレーム間で内挿が行われて垂直解像度
を確保でき、動画の場合はフレーム内で内挿が行われて
動画ぼけの発生を防止できる。
【0122】(図1)に示した投写型表示装置はライト
バルブとしてTN液晶パネルを用いるものであった。し
かし、TN液晶パネルは光変調に偏光板を用いるため、
画像表示輝度が低いという課題がある。また、カラーフ
ィルタで偏光状態がくずれるため表示コントラストが低
下するという課題がある。
【0123】光変調層に高分子液晶を用いるPD液晶パ
ネルは前記課題が発生せず、高輝度かつ高コントラスト
表示を実現できる。本発明の色フィルタを投写型表示装
置に用いるという技術的思想はライトバルブとして高分
子液晶パネルを用いる装置にも適用できる。以下、ライ
トバルブに高分子液晶パネルを用いた本発明の投写型表
示装置について説明する。
【0124】(図20)は本発明の投写型表示装置に用
いるPD液晶パネルの断面図である。なお理解を容易に
するためモデル的に描いており、物理的な厚みあるいは
形状は必ずしも一致しない。また、説明に不要な箇所は
省略している。以上の事項は他の図面においても同様で
ある。
【0125】対向基板334およびアレイ基板335は
ガラス基板であり、厚みは1.1mm、屈折率は1.5
2である。アレイ基板335上にITOからなる画素電
極342、および画素電極342に信号を印加するスイ
ッチング素子としてのTFT343、および各種信号線
(図示せず)等が形成されている。
【0126】TFT343上には遮光膜191が形成さ
れている。遮光膜191は主として、液晶層192で散
乱した光がTFT343の半導体層に入射することを防
止する。光が半導体層に入射すると、TFT343がオ
フ状態とならないホトコンダクタ状態(以後、ホトコン
と呼ぶ)となる。遮光膜191の形成材料としては、ア
クリル樹脂にカーボンを分散させたものが例示される。
また、TFT343上にSiO2などで絶縁薄膜を形成
し、前記絶縁薄膜上に遮光膜191としての金属薄膜を
パターニングして形成する方法も例示される。なお、P
D液晶パネルでは、TFT343はホトコンが発生しに
くいようにポリシリコン技術で形成することが好まし
い。もちろん、アモルファスシリコンを用いて形成して
も良いことはいうまでもない。しかし、その場合はTF
T343に十分な遮光が必要である。
【0127】対向基板上には赤、青、緑のモザイク状の
カラーフィルタ336が配置され、カラーフィルタ33
6上には対向電極341が形成されている。
【0128】対向電極336と画素電極342間にはP
D液晶192が挟持されている。液晶パネルに用いる液
晶材料としてはネマティック液晶、スメクティック液
晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2種
類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含ん
だ混合物であってもよい。なお、先に述べた液晶材料の
うち、異常光屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大
きいシアノビフェニル系のネマティック液晶または、経
時変化に安定なクロル系のネマティク液晶が最も好まし
い。高分子マトリックス材料としては透明なポリマーが
好ましく、ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液晶
相との分離等の点より紫外線硬化タイプの樹脂を用い
る。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が例
示され、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリル
モノマー、アクリルオリゴマーを含有するものが好まし
い。
【0129】PD液晶層中の液晶材料の割合はここで規
定していないが、一般には20重量%〜90重量%程度
がよく、好ましくは50重量%〜85重量%程度がよ
い。20重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散乱
の効果が乏しい。また90重量%以上となるとポリマー
と液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割
合は小さくなり散乱特性は低下する。PD液晶層192
の構造は液晶分率によって変わり、だいたい50重量%
以下では液晶滴は独立したドロップレト状として存在
し、50重量%以上となると高分子と液晶が互いに入り
組んだ連続層となる。
【0130】水滴状液晶の平均粒子径または、ポリマー
ネットワークの平均孔径は、0.5μm以上にすること
が好ましい。中でも、1.2以上1.5μm以下が好ま
しい。液晶層192の膜厚は5〜20μmの範囲が好ま
しく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜厚が
薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれず、逆に厚い
と高電圧駆動を行わなければならなくなる。
【0131】透明板174は光透過性のある厚みのある
板であり、より具体的には表示パネルの有効表示領域の
最大径d以上の直径をもつ円柱状もしくは四角柱状のガ
ラス板である。他にアクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂などの透明樹脂も用いることができ、これらは比較的
安価であり、形状も任意のものを容易に作製できる。ま
た、重量も軽く好ましい。透明板174は光結合剤17
9により光学的に接続されている。光結合剤179とは
具体的には透明シリコーン樹脂、紫外線硬化型接着剤、
エポキシ系透明接着剤、エチレングリコール等が例示さ
れる。前記光結合剤の屈折率は1.4〜1.5前後のも
のを用い、対向電極基板等ガラス基板との屈折率差は
0.05以内にすることが好ましい。なお、光学的に接
続とは、基板と基板間を、前記基板の屈折率とほぼ等し
い透明材料で接着あるいは接合することをいう。
【0132】透明板174の無効表示面175には黒色
塗料171が塗布されており、空気と透明板174の界
面で反射する光を吸収できるように構成されている。
【0133】透明板174とPD液晶パネル173の対
向基板334を加えた中心厚tは、屈折率n、液晶パネ
ルの有効表示領域の最大径をdとしたとき、次式を満足
するようにする。
【0134】
【数1】
【0135】(数1)を満足させなければならない理由
は特願平04−145277号公報に記載しているので
説明を省略する。なお、ガラス板の空気と接する面を凹
面にするつまり凹レンズ状にすることにより中心厚tを
短くすることができる。この事項も特願平04−145
277号公報に記載しているので説明を省略する。
【0136】以上のように透明板178を(数1)を満
足する厚さとすることにとにより、液晶パネル173の
液晶層192より発し、透明板174と空気との界面で
反射すれば、光は黒色塗料171で吸収される。したが
って、再び液晶パネルの液晶層192に戻ってくること
はない。
【0137】なお、(図20)では透明板174をアレ
イ基板335に接続したが、これに限定するものではな
い。たとえば、対向基板334に接続してもよく、対向
基板334とアレイ基板335の両方に接続してもよ
い。たとえば、(図21)等の構成が該当する。
【0138】また、透明板174を液晶パネル173に
光結合剤179により接続するとしたが、これに限定す
るものではなく、液晶パネルの対向基板334あるいは
アレイ基板335の厚みが(数1)を満足するのであれ
ば、透明板174を用いる必要がないことは明かであ
る。
【0139】本発明の他の実施例における投写型表示装
置の構成を(図18)に示す。331は光源、16は色
フィルタ、176はライトバルブ、339は投写レンズ
である。ただし、説明に不要な構成要素は省略してい
る。
【0140】ランプ331aから出た光は凹面鏡331
bにより集光され、UVIRカットフィルタ331cに
より紫外光および赤外光が除去されて出射する。光源3
31からの出射光は、色フィルタ16、フィールドレン
ズ332、液晶パネル173、透明板174の順に透過
し、投写レンズ340に入射する。色フィルタ16で
は、(図4)または(図5)に示した分光特性にしたが
い、色純度を劣化させると思われる帯域の光成分が除去
する。透明板174はPD液晶パネル173の出射側に
光結合剤179により光学的に結合されており、透明板
174の無効面175には黒色塗料171が塗布されて
いる。前述したように透明板174を(数1)を満足す
る厚さとすることにとにより、液晶パネルの液晶層19
2より発し、ライトバルブ176の出射面178で反射
する光は黒色塗料171で吸収される。したがって、再
び液晶パネル173の液晶層192に戻ってくることは
ない。なお、172は出射等する光の反射を防止する反
射防止膜である。こうして、液晶層192からの再出射
光による輝度上昇を抑制できるので、液晶層192上の
表示画像のコントラストは良好となり、投写画像のコン
トラストが向上する。
【0141】投写レンズ340の瞳の大きさは、液晶パ
ネル173の画面中心にある画素が透明状態の場合に、
その画素から拡がって出射する光のうち光量で約90%
が入射する大きさにしている。フィールドレンズ332
は、液晶パネル173の表示領域の周辺部を通過する光
を内側に屈折させて投写レンズ339の瞳に入射させ、
投写画像の周辺部が暗くならないようにするために用い
る。投写画像のフォーカス調整は、投写レンズ339を
光軸340に沿って移動することにより行う。
【0142】液晶パネル173には映像信号に応じて光
散乱状態の変化として光学像が形成される。投写レンズ
339は、各画素から出射する光のうちある立体角に含
まれる光を取り込む。各画素からの出射光の散乱状態が
変化すれば、その立体角に含まれる光量が変化するの
で、液晶パネル173上に散乱状態の変化として形成さ
れた光学像はスクリーン(図示せず)上で照度の変化に
変換される。こうして、液晶パネル173に形成された
光学像は、投写レンズ339によりスクリーン177上
に拡大投写される。本実施例においても色フィルタ16
を用い、前述した実施例と同様の作用により色再現性を
改善することができる。なお、メタルハライドランプ3
31aの分光特性を考慮して色フィルタ16の反射光帯
域を決定している等の事項は先の実施例と同様もしくは
類似である。
【0143】(図19)は(図18)の変形例である。
ライトバルブ176の出射側に配置された平凹レンズ1
74a以外は(図18)と同一の構成である。
【0144】投写レンズ339は平凹レンズ174cを
組み合わせた状態で、液晶層192上の光学像がスクリ
ーン(図示せず)上に結像するようにしている。凹面1
78からの出射光が投写レンズ339に入射する必要が
あるので、液晶パネル173への入射角は収束光とする
必要がある。投写画像のフォーカス調整は、投写レンズ
339を光軸340に沿って移動することにより行う。
【0145】光源331からの出射光は色フィルタ1
6、フィールドレンズ332を介してPD液晶パネル1
73に入射する。ライトバルブ176の出射面178が
凹面であることにより、上述したように、液晶層192
からの再出射光による輝度上昇を抑制できるので、液晶
層192上の表示画像のコントラストは良好となり、投
写画像のコントラストが向上する。また、平凹レンズ1
74cの側面175に塗布した黒色塗装171、凹面1
78に蒸着している反射防止膜172は、先の実施例と
同様の作用を示し、投写画像のコントラストを向上させ
る。
【0146】先の実施例では液晶表示パネルは透過型で
あった。したがって、投写型表示装置も透過型であっ
た。色フィルタを用い、投写型表示装置の表示画像の色
純度を改善するという本発明の技術的思想は反射型にも
適用できる。反射型の投写型表示装置に用いるライトバ
ルブは反射型の液晶表示パネルを用いる。反射型の表示
装置の一例として(図23)に示す画素電極223を反
射電極としてアルミニウム(Al)等を用いて形成して
ものが例示される。反射型の表示パネルの場合は対向電
極221側から光は入射し、再び対向電極221側から
出射する。したがって、透明板174bは対向基板33
4側に光学的に接続する。
【0147】投写型表示装置に用いる表示パネルが反射
型の場合、各光学系部品の表面反射を考慮する必要があ
る。表示パネルの表面等で反射した光は表示パネル17
3の液晶層192で変調された光ではないから、前記光
がスクリーンに投映されると表示画像のコントラストを
低下させる。
【0148】ある媒質と空気との界面反射を防止する反
射防止膜は3層あるいは2層の薄膜の積層で形成する。
なお、3層の場合は広い可視光の波長帯域での反射を防
止するために用いられ、これをマルチコートと呼ぶもの
とする。2層の場合は特定の可視光の波長帯域での反射
を防止するために用いられ、これをVコートと呼ぶもの
とする。
【0149】マルチコートの場合は酸化アルミニウム
(Al23)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウ
ム(ZrO2)をnd=λ/2、フッ化マグネシウム
(MgF2)をnd=λ/4積層して形成する。通常、
G光の場合、λとして520nmもしくはその近傍の値
として薄膜は形成される。Vコートの場合は一酸化シリ
コン(SiO)を光学的膜厚nd=λ/4とフッ化マグ
ネシウム(MgF2)をnd=λ/4、もしくは酸化イ
ットリウム(Y23)とフッ化マグネシウム(Mg
2)をnd=λ/4積層して形成する。SiOは青色
側に吸収帯域があるため青色光を変調する場合はY23
を用いた方がよい。物質の安定性からもY23の方が安
定しているため好ましい。なお、ここで言うλとは変調
する光のピーク波長つまり中心波長である。nは薄膜の
屈折率、dは物理的膜厚である。
【0150】アレイ基板335上にはTFT334等が
形成されている。TFT334上には絶縁膜224を介
して反射電極223が形成されている。反射電極223
とTFT334とは接続端子222で電気的に接続され
ている。絶縁膜223の材料としてはポリイミド等を代
表とする有機材料あるいはSiO2、SiNxなどの無
機材料が用いられる。反射電極223は表面をAlの薄
膜で形成される。Cr等を用いて形成してもよいが、反
射率がAlより低く、また硬質のため反射電極223周
辺部の破れなどが生じやすい。
【0151】接続端子部222は0.5〜1μmの落ち
くぼみができるが、PD液晶パネル173は配向などの
処理が不要なため問題とはならない。開口率は画素サイ
ズが100μm角の場合80%以上、50μm角の場合
でも70%以上の開口率が得られる。ただし、TFT3
34上等は凹凸が生じ、多少反射効率は低下する。前記
凹凸をなくするためには反射電極223の表面を研摩す
ればよい。研摩により反射率は90%以上を達成でき
る。
【0152】ソース信号線およびゲート信号線も図示し
ていないがアレイ基板335上に形成されている。前記
信号線およびTFT334上は反射電極223が被覆す
る構造となるため、信号線およびTFTから発生する電
界により液晶が配向動作し、画像ノイズが発生するとい
うことがない。
【0153】対向電極となるITO薄膜221bの前後
に透明誘電体薄膜221a、221cを形成して3層構
成をとり、反射防止機能をもたせている。
【0154】反射防止膜221は、ガラス基板334側
から順に第1の誘電体薄膜221a、ITO薄膜221
b、第2の誘電体薄膜221cで構成される3層構成で
あり、ITO薄膜221bの光学的膜厚(nd)はλ/
2、第1の薄膜221aおよび第2の薄膜221cの光
学的膜厚はそれぞれλ/4である。
【0155】第1の薄膜221aおよび第2の薄膜22
1cの屈折率は1.60以上1.80以下が望ましい。
誘電体薄膜221a、221cの材料として、SiO、
Al 23、Y23、MgO、CeF3、WO3、PbF2
のいずれかを用いる。特に誘電体薄膜221a、221
cの構成材料としてAl23あるいはY23が好まし
い。
【0156】本発明の反射型の投写型表示装置の構成を
(図22)に示す。331は光源、16は色フィルタ、
175はライトバルブ、212は平面ミラー、211は
投写レンズである。
【0157】先に説明したように、多層膜で反射した光
はS偏光の方がP偏光より帯域が広くなることが知られ
ている。逆に多層膜を透過する光はP偏光の方がS偏光
の帯域より広くなることが知られている。ライトバルブ
としてTN液晶パネルのように偏光を利用するものは問
題がないが、PD液晶パネルのようにPとS偏光の両方
の光(以後ランダム光呼ぶ)を用いる場合色分離が問題
となる。
【0158】本発明ではシアン、イエロー帯域の光を色
フィルタ16でカットする事を主目的としている。多層
膜がP偏光とS偏光で光の反射率がことなるため、色フ
ィルタ16でS偏光のシアン、イエロー帯域の光を狭帯
域化している。
【0159】投写レンズ211は液晶パネル173側の
第1レンズ群211aとスクリーン177側の第2レン
ズ群211bとで構成され、第1レンズ群211aと第
2レンズ群211bとの間には平面ミラー212が配置
されている。液晶パネル173の画面中心にある画素か
ら出射する散乱光は、第1レンズ群211aを透過した
後、約半分が平面ミラー212に入射し、残りが平面ミ
ラー212に入射せずに第2レンズ群211bに入射す
る。平面ミラー212の反射面の法線は投写レンズ21
1の光軸340に対して45°傾いている。光源331
からの光は色フィルタ16でシアン、イエローの帯域の
光がカットされる。次に前記光は平面ミラー212で反
射されて第1レンズ群211aを透過する。
【0160】液晶パネル173で反射した光は第1レン
ズ群211a、第2レンズ群211bの順に透過してス
クリーンに到達する。投写レンズ211の絞りの中心か
ら出て液晶パネル173に向かう光線は、液晶層192
にほぼ垂直に入射するように、つまりテレセントリック
としている。
【0161】なお、(図22)ではライトバルブとして
PD液晶パネルを用いるとし、前記パネルには透明板ま
たは平凹レンズ174cを光学的に接続するとした。し
かし、透明板174または平凹レンズ174cの接続し
ない状態でのPD液晶パネルをライトバルブとした用い
る場合も考えらるであろう。
【0162】なお、反射型のTN液晶パネルをライトバ
ルブとして用いる投写型表示装置も考えることができ
る。
【0163】その構成図を(図24)に示す。光源33
1から出射された光は色フィルタ16でシアン、イエロ
ー帯域の以外の光成分が反射され、偏光ビームスプッリ
タ(以後、PBSと呼ぶ)231に入射し、S偏光が反
射される。反射した光は反射型のTN液晶パネル232
に入射する。前記パネル232は映像信号に基づいて入
射光を変調し、変調した光はPBS231と投写レンズ
233を通過し平面ミラー234で反射されてスクリー
ン177に投写される。
【0164】前述の本発明の投写型表示装置は液晶パネ
ルを1枚用いるものであった。他に2枚の液晶パネルを
用いる構成も考えられる。その構成図を(図25)に示
す。243a、243bは前述の実施例で説明をしてき
たモザイク状のカラーフィルタを有するTN液晶パネル
である。また、231a、231bはPBSである。
【0165】光源331から放射される白色光は色フィ
ルタ16によりシアン光とイエロー光がカットされ、前
記カットされた光はPBS231aによりP偏光とS偏
光に分離される。S偏光はPBS231aで反射されミ
ラー241bで角度を曲げられ、フィールドレンズ24
2bを透過し、液晶パネル243bに入射する。またP
偏光はPBS231bを透過したP偏光は同じくミラー
241aで角度を曲げられ、フィールドレンズ242a
を透過し、液晶パネル243aに入射する。それぞれの
液晶パネル243は入射光を変調し、変調された光はP
BS231bで合成されて投写レンズ339によりスク
リーン(図示せず)に拡大投写される。
【0166】同様に(図26)に示すように光源331
が2つ有する投写型表示装置も考えられるであろう。こ
の場合PBS231aが不要となる。
【0167】スクリーン上には液晶パネル243aの光
学像261aと、液晶パネル243bの光学像261b
が重ねられて結像される。その際の説明図を(図27)
に示す。(図27)で明らかなように液晶パネル243
aの画素262aの像と液晶パネル243bの画素26
2bの像とは半画素ずらした状態で結像されている。テ
レビ画像で言えば1つの画面の水平走査線間にもう1つ
のテレビ画面の水平走査線が配置されている構成にな
る。
【0168】液晶パネル243はたて768×よこ10
24のXGA対応であり、パネルの対角サイズは10.
4インチである。また、光源のランプ331は250W
でアーク長が6.0mmのメタルハライドランプを用い
ており、フィールドレンズ242は非球面のプラスチッ
クレンズである。
【0169】XGAのパネルもそうであるが通常量産さ
れているパネルのアスペクト比は4:3である。近年、
アスペクト比が16:9のハイビジョン用パネルも試作
されてはいるが、研究開発レベルであり、非常に高価で
ある。それにもかかわらず16:9のアスペクト比の画
像を大画面で表示したいというニーズが高い。そこでア
スペクト比が4:3の液晶パネルの上下の表示部を非表
示領域(黒表示またはブルーバック表示等)にして1
6:9の画像表示を行なうという試みがある。しかし、
この場合、水平走査線数(たてのドット数)が不十分で
あるという課題が生じる。つまり、ハイビジョンの画像
を表示しようとすると水平走査線数は1000本程度必
要となるにもかかわらず、液晶パネルはたて1000ド
ット以下しかないからである。ましてや、4:3のアス
ペクト比のパネルを16:9にして用いれば全く水平走
査線数1000本で実現できようはずはない。
【0170】本発明は2枚の液晶パネルで1つの画面の
水平走査線数を半分ずつうけもち、水平走査線数100
0本を実現しようとするものである。つまり、各液晶パ
ネルはたて500ドットを表示すればよい。
【0171】液晶パネルの画素の開口部は通常50%以
下と低い。これは非開口部にTFT、信号線等が形成さ
れ、入射光を遮光してしまうためである。したがって、
画素の開口部と前記画素と隣接した画素の開口部とは一
定の間隔がある。そこで(図27)に示すように非開口
部に、もう一方の液晶パネルの開口部が結像するように
構成するのである。
【0172】以上のように2つの画像を良好に重ねるこ
とができるのは液晶パネルをライトバルブとして用いた
投写型表示装置に固有の事項である。CRTを用いた投
写型表示装置ではシステムサイズも大きくなり、また地
磁気の影響もうけて容易ではない。
【0173】もう1つのポイントはアクティブマトリッ
クス型の液晶パネルを用いている点である。各画素に
は、画像を1フレーム期間ホールドできるからフレーム
間での内挿が行ないやすい。CRTでは各画素は一瞬し
か表示されていないため容易ではない。
【0174】水平走査線数1000本(たて1000ド
ット)をXGAの液晶パネル2枚を用いて実現するため
には、各液晶パネルのたて500ドットに画像を表示す
ればよい。なお、その際アスペクト16:9の画像表示
に必要なよこのドット数は約890ドットとなる。表示
状態としては(図28(a))のように周辺部に黒表示
領域272(非表示もしくはブルーバック表示等)を配
置しても、(図28(b))のように上部と左右部に黒
表示領域272を配置してもよい。
【0175】量産されている安価なアスペクト比が4:
3の液晶パネルを用いてアスペクト比が16:9のハイ
ビジョン画像を実現できれば、安価な投写型表示装置を
提供できることは言うまでもない。また1枚の液晶パネ
ルでハイビジョン画像を表示するのと比較して、2枚の
液晶パネルで表示すれば動作クロックも1/2にするこ
とができ、好ましい。なぜならばハイビジョン画像を表
示するのに要する動作クロックは約80MHzにも及ぶ
からである。本発明の色フィルタ16によりシアン光お
よびイエロー光をカットすれば、ハイビジョンの画像表
示に実用上十分耐えうる色相の表示を行なえる。したが
って、(図25)等の投写型表示装置に対しても色フィ
ルタ16に関する本発明の技術的思想は適用されるので
ある。
【0176】以下、(図25)および(図26)に示す
投写型表示装置の映像表示回路について(図29)を参
考にしながら説明をする。なお、映像表示回路について
は(図13)等を用いて一度説明しているので主として
先の実施例との差異を中心として説明をする。
【0177】(図30)から(図31)は、(図25)
等の2つの液晶パネルの表示画像を重ねあわせて1つの
画像を表示する投写型表示装置の表示方法の説明図であ
る。
【0178】画像データ処理回路はA/D変換器13
1、フィールドメモリ(あるいはフレームメモリ)28
3、D/A変換器134およびフィールドメモリ制御回
路(あるいはフレームメモリ制御回路)284等を有す
る。映像信号はA/D変換器131によりデジタル化さ
れフィールドメモリ283に保持される。このように映
像信号をデジタル化するのは(図28)に示すように黒
表示領域272と画像表示領域273に合致した画像デ
ータに変換するためである。つまり、映像信号の時間軸
等の変換およびソース信号線処理回路282に出力する
データのタイミングを制御する。フィールドメモリ28
3にデータ等を入力するタイミング等は(図13)のラ
インメモリ132に関して説明した説明から類推される
と思われるため説明を省略する。
【0179】次に、ソース信号処理回路282は、D/
A変換器134から出力された映像信号にγ回路285
でγ補正を施す。次に液晶パネル292を交流駆動する
ために位相分割回路286および極性切り換え回路28
9でライン毎(1H)に極性を反転し、ソース駆動IC
141に入力する。基本的には(図13)のソース信号
処理回路135と同様である。その他ゲート駆動IC制
御回路137および表示方法選択回路136の動作、構
成も(図13)を用いた説明と同様あるいは類似であ
り、この分野の当事者であれば、容易に理解あるいは推
測することができるため説明を省略をする。
【0180】(図29)に示す映像表示回路において特
徴があるのはパネル選択回路290であろう。内部にス
イッチSW1およびSW2を有し、前記スイッチSWの
切り換えにより液晶パネル292aと292bのうち少
なくとも一方に信号を印加できるように構成されてい
る。この動作については(図30)から(図32)の表
示方法の説明とあわせて説明をする。
【0181】(図30)は第1の表示方法の説明図であ
る。(図30(1))は液晶パネル292aの表示画像
を、(図30(2))は液晶パネル(292b)の表示
画像をモデル的に表わしている。なお、映像信号はイン
タレース方式で伝送されてきているものとし、(図3
0)から(図32)の表示画像は(図28)の画像表示
領域273に該当する。つまり、(図28)においてA
3の部分で、かつ、画像表示領域273の部分が該当す
る。当然A1およびA2の部分に該当する部分にもゲー
ト駆動IC291の走査動作が行なわれるが、画像が黒
表示となるように画素電極342に電圧もしくは無電圧
状態に制御される。また、A3の部分の左右には黒表示
領域(非表示領域)272があるが、これは(図30)
の各ラインの左右が黒表示となるような映像信号となっ
ていると考えればよい。また、映像信号の伝送はインタ
レース方式であるから、1つの表示画面は第1フィール
ドと第2フィールドの2つのフィールドで構成され、前
記2フィールドで1フレームと呼ぶものとする。
【0182】(図30)において第1のフィールドで
は、パネル選択回路内SW1はa1端子、SW2はa2
端子に切り換えられ、液晶パネル292aのみに画像デ
ータが書き込まれる。一方、第2フィールドではSW1
はb1端子、SW2はb2端子に切り換えられ、液晶パ
ネル292bのみに画像データが書き込まれる。この際
液晶パネル292aは第1フィールドで書き込まれたデ
ータを保持している。液晶パネル292aと292bの
表示画像は内挿されて一画面を形成し、液晶パネル29
2aは前記一画面の奇数行を、液晶パネル292bは偶
数行を担っているとすれば、第1のフィールドで奇数行
の画像が書き換えられ、第2フィールドで偶数行の画像
が書き換えられることになる。以上のように、2つの液
晶パネル292を用いて2フィールドで一画面表示を構
成すれば、液晶パネルで一画面表示を構成するのに比較
して、動作速度を1/2に低減できる。この効果等は
(図11)で説明をしたので省略をする。ただし、(図
30)の実施例では液晶パネルは2枚であるから、(図
11)の例よりも動作速度は1/2となっていることは
言うまでもない。
【0183】もちろん、伝送されてきた映像信号がノン
インタレース信号の場合はパネル選択回路290のスイ
ッチSWを1水平走査期間(1ライン(1H))ごとに
切り換えれば対応できる。この説明図を(図31)に示
す。1_1ラインの画像データはスイッチSW1をa1
端子に、SW2をa2端子にして液晶パネル292aに
印加し、1_2ラインの画像データはスイッチSW1を
b1端子にSW2をa2端子にして液晶パネル292b
に印加する。以上のように1HごとにSW1、SW2を
切り換え液晶パネル292aおよび292bに印加して
いく。液晶パネル292aは奇数ラインの画像を、液晶
パネル292bは偶数ラインの画像を表示することにな
る。
【0184】以上のように伝送されてくる画像信号がイ
ンタレースでもノンインタレース方式であっても、画像
表示を行なうことができる。その際に2枚の液晶パネル
を用いるから1枚のみで一画像表示画面を形成する時に
比較して、ゲートおよびソース駆動ICの動作速度を1
/2に低減できる。したがって、ハイビジョン画像のよ
うに高動作周波数の信号に対しても対応でき好ましい。
【0185】次に第2の表示方法について(図32)を
用いて説明をする。映像信号の伝送はインタレース方式
とする。(図32)ではパネル選択回路290のSW1
はa1およびb1端子に接続される。つまりスイッチS
W1端子a1およびb1端子の両方に短絡される。同様
にSW1もa2およびb2端子の両方に短絡される。以
上のようにすれば、ソース信号線処号処理回路282か
らの出力は同時にソース駆動IC141aと141bに
印加され、また、ゲート駆動IC制御回路137の出力
も、同時に、ゲート駆動IC291aと291bに印加
される。つまり、液晶パネル292aと292bは同じ
動作を行なうことになる。
【0186】(図32)でも明らかなように第1のフィ
ールドでは液晶パネル292aと292bには1_1ラ
インから順次画像データが書き込まれていく。次の第2
フィールドでは液晶パネル292aと292bには2_
1ラインから順次画像データが書き込まれていく。この
際注意しなければならないのは第2フィールドでは第2
番目のラインから画像データを書き込んでいく点であ
る。つまり第1ラインに書き込まれた第1フィールドの
1_1ラインのデータは書き換えない。また、1フレー
ムを通して考えれば、第2番目のラインは第1フィール
ドの間1_2ラインの画像が表示され、第2フィールド
の間は2_1ラインの画像が表示されることになる。同
様に第3番目のラインは第1フィールドの間1_3ライ
ンの画像が表示され、第2フィールドの間は2_2ライ
ンの画像が表示されることになる。つまり各ラインの画
像表示は第1フィールドの画像と第2フィールドの画像
とを混合させた表示となる。なお、第2フィールドにお
いて2番目のラインから画像データを書き換える理由は
伝送されてくる映像信号がインタレース信号と考えれば
明らかであろう。つまり、インタレース信号では第1フ
ィールドで奇数(偶数)番目の画像データを、第2フィ
ールドで偶数(奇数)番目の画像データが伝送されてく
るからである。
【0187】以上の表示方法も2つの液晶パネルを用い
て1つの画像表示をスクリーン上で形成するため、駆動
IC等の動作速度を低減でき有益である。
【0188】以上は、主として2つの表示方法について
示したが、静止画の場合は第1の表示方法(図30参
照)を選択し、動画の場合は第2の表示方法(図33参
照)を選択するのが好ましい。静止画は画像が停止して
いるため、動画に比べて垂直方向の画像の不連続性が視
認されやすい。そのため、静止画の場合は、第1の表示
方法でフレーム間での内挿を行うことにより、見かけ上
の垂直解像度を確保することが好ましい。一方、動画は
時間的な画像の変化が激しいため、第1の表示方法を適
用すると、いわゆる動画ボケ(ジャーキネス妨害等)が
発生する。そのため、動画の場合は、第2の方法でフレ
ーム内での内挿を行うことにより、動画ボケの発生を防
止することが好ましい。
【0189】(図13)の実施の時にも説明をしたが第
1の表示方法と第2の表示方法の切り換えは、表示方法
選択回路136でパネル選択回路290を制御して行な
うことが好ましい。表示方法選択回路136には、A/
D変換器131でディジタル信号に変換された順次走査
映像信号が入力される。表示方法選択回路136は、入
力された順次走査映像信号のフレーム毎の差分を計算
し、差分の大きさにより、静止画か動画かの判定をす
る。その結果、静止画の場合は第1の表示方法を、動画
の場合は第2の表示方法となるようにパネル選択回路2
90を制御する。アクティブマトリクス型液晶ディスプ
レイのように、リフレッシュするまで表示状態を保持す
るディスプレイにおいては、静止画の場合、フレーム間
での内挿が行われるために垂直解像度が確保され、動画
の場合、フレーム内での内挿が行われるために動画ボケ
は発生せず、入力された順次走査映像信号をそのまま表
示するときに比べて1/2の速度で表示したにもかかわ
らず良好な画像が得られる。
【0190】なお、上記実施例では自動検出による切り
換えを述べたが、それにつけ加えユーザーによる切換器
の強制切換を可能にすると、さらに実用上便利になる。
【0191】色フィルタ16により表示画像の色純度を
改善する技術的思想は、(図1)のカラーフィルタを有
する1枚の液晶パネルを用いた投写型表示装置、あるい
は(図25)等の2枚の液晶パネルを用いる投写型表示
装置のみに適用されるものではない。たとえば、カラー
フィルタを有さない3枚の液晶パネルを用いてカラー表
示を行なう投写型表示装置(三板投写型表示装置と呼
ぶ)にも有効である。以下、本発明の三板投写型表示装
置について説明をする。
【0192】以下、本発明の三板投写型表示装置の実施
例を図面を参照しながら説明する。(図33)は本発明
の第1の実施例における三板投写型表示装置の構成図で
ある。
【0193】光源12はランプ331a、凹面鏡331
b、UVIRフィルタ331cで構成される。ランプ3
31はメタルハライドランプまたはキセノンランプであ
り、R、G、Bの3原色の色成分を含む光を放射する。
凹面鏡331bはガラス製で、反射面に可視光を反射し
赤外光を透過させる多層膜を蒸着したものである。UV
IRフィルタ331cはガラス基板の上に可視光を透過
し赤外光と紫外光を反射する多層膜を蒸着したものであ
る。ランプ331aからの放射光に含まれる可視光の一
部は、凹面鏡331bの反射面により反射する。凹面鏡
331bから出射する反射光は、UVIRフィルタ33
1cにより赤外線と紫外線とが除去されて出射する。な
お、16は先に説明した色フィルタ16である。
【0194】なお、ライトバルブとして用いる表示パネ
ル176はP、S偏光の両方を変調する表示パネルであ
れば何でもよい。一例として、光散乱状態の変化として
光学像を形成する表示パネル、たとえば特開平3−87
721号公報で開示されているPD液晶表示パネル、特
開平2−93519号公報で開示されている光書き込み
型空間光変調器が例示される。また、回折状態の変化と
して光学像を形成する表示パネル、たとえば、特開昭4
9−104659号公報、特開昭62−237424号
公報で開示される回折表示パネルでもよい。
【0195】本発明は投写型表示装置で用いるライトバ
ルブとしての表示パネルは前述の表示パネルのどれを用
いてもよいが、信頼性、光変調特性等の観点から(図2
3)に示すPD液晶表示パネルをライトバルブとして用
いている。
【0196】投写レンズ211は液晶表示パネル側の第
1レンズ群221aとスクリーン側の第2レンズ群22
1bとで構成され、第1レンズ群221aと第2レンズ
群221bとの間には平面ミラー212が配置されてい
る。表示パネル176の画面中心にある画素から出射す
る散乱光は、第1レンズ群211aを透過した後、約半
分が平面ミラー212に入射し、残りが平面ミラー21
2に入射せずに第2レンズ群211aに入射する。平面
ミラー212の反射面の法線は投写レンズ211の光軸
340に対して45°傾いている。光源331からの光
は平面ミラー212で反射されて第1レンズ群211a
を透過し、表示パネル176に入射する。表示パネル1
76からの反射光は、第1レンズ群211a、第2レン
ズ群211bの順に透過してスクリーン177に到達す
る。投写レンズ211の絞りの中心から出て表示パネル
176に向かう光線は、液晶層にほぼ垂直に入射するよ
うに、つまりテレセントリックとしている。
【0197】ここでは説明を容易にするために、176
cをR光を変調する表示パネル、176aをB光を変調
する表示パネル、176bをG光を変調する表示パネル
であるとして説明する。
【0198】293はダイクロイックミラーであるが、
これは色合成系と色分離系を兼用している。UVIRフ
ィルタ331cの帯域は半値の値で430nm〜690
nmである。以後、光の帯域を記述する際は半値で表現
する。ダイクロイックミラー293aはR光を反射し、
G光およびB光を透過させる。G光はダイクロイックミ
ラー293bで反射され表示パネル176bに入射す
る。各色の帯域の適正値は、R光の帯域は600nm〜
690nm、G光の帯域は510〜570nm、B光の
帯域は430nm〜490nmである。各表示パネル1
76はそれぞれの映像信号に応じて散乱状態の変化とし
て光学像が形成する。各表示パネルで形成された光学系
はダイクロイックミラー293で色合成され、投写レン
ズ211に入射し、スクリーン177上に拡大投写され
る。
【0199】まず、理解を容易にするため、色フィルタ
16がない場合について(図34)を用いて説明をす
る。(図34)中の(a)〜(e)は光の分光分布を示
し、点線はP偏光成分を、実線はS偏光成分を示してい
る。ただし、分光分布は理解を容易にするために、波長
帯域等はモデル的に図示している。
【0200】ランプ331aから放射した光はミラー2
12で反射される。その光の分光分布を(図34
(a))で示す。(図34(a))〜(図34(e))
のグラフの横軸は光の波長(nm)である。ダイクロイ
ックミラー293aはR光の光を反射し、その分光分布
を(図34(b))に示す。ダイクロイックミラー29
3bはG光の光を反射し、B光の光を透過する。反射さ
れたG光の分光分布を(図34(c))に、透過したB
光の分光分布を(図34(d))に示す。なお、ダイク
ロイックミラー293cはR光の帯域を狭くし、色純度
を向上させている。
【0201】(図34)に示すようにダイクロイックミ
ラーを光軸340に対して略45°に傾けて配置した
時、反射する光の分光分布は理論的にS軸光の方が帯域
が広く、P偏光の方が狭くなる。入射角度が小さくなれ
ば、P偏光とS偏光の帯域は一致してくるが、色分離色
合成の光学系は大きくなってしまう。
【0202】表示パネル176の液晶層192が透過状
態の時、ダイクロイックミラー293a、293bで色
分離された光(図34(b)(c)(d))は表示パネ
ル176の反射電極223で反射され、再びダイクロイ
ックミラー293a、293bに入射して色合成され
る。つまり、(図34(b)(c)(d))の分光分布
はそのまま維持される。前記ダイクロイックミラーで合
成された光の分光分布を(図34(e))に示す。前記
分光分布の光は投写レンズ211に入射し、スクリーン
177に投映される。
【0203】(図34(e))でわかるとおり、R、
G、B光の波長帯域はオーバーラップしていることがわ
かる。これはダイクロイックミラーを反射する光の帯域
がP偏光とS偏光で異なるために生じる。たとえば、G
光を変調する表示パネル176bに入射する光のうちS
偏光の光は、R光およびB光の帯域の光を含んでいる。
したがって、表示パネル176bは本来G光のみを変調
する必要があるのに、R光およびB光をも変調すること
になる。したがって、投写型画像の色相が低下すること
になる。
【0204】(図34(e))で示すようにオーバーラ
ップが生じると色相が低下する。色フィルタ16でオー
バーラップ領域の光の波長をカットすれば色相を向上で
きる。本発明の色フィルタは(図4)(図5)に示すよ
うにシアンおよびイエロー光を良好にカットできるフィ
ルタであり、PS光の両方を用いた三板投写型表示装置
と組み合わせた時相乗効果を発揮する。ダイクロイック
ミラーで反射する波長はP偏光の方がS偏光より狭い。
したがって色フィルタ16でカットする波長はP偏光の
帯域を中心に考えて設計すればよい。その時のR、G、
B光の帯域は前述の適正な帯域となるようにすればよ
い。なお、色フィルタ16は(図33)のA位置に配置
してもよい。
【0205】以上の結果から、色フィルタ16により光
の帯域を制限でき、投写画像の色相を改善できることが
わかる。本発明の構成ではダイクロイックミラー293
は同軸340に対して略45°(入射光の角度を45
°)に配置している。したがって、色分離色合成の光学
系サイズをコンパクトにすることができる。これは、特
開平3−87721号公報の投写型表示装置に比較して
優れた構成である。
【0206】本発明の反射型の三板投写型表示装置は2
枚あるいは3枚のダイクロイックミラーで色合成分離系
を構成している。したがって、光学系を大幅に小型化で
き、また、コストも安くすることができる。また、反射
型の表示パネル176を用いているため、透過型に比較
して、コントラストも良好であり、画素開口率も高いの
で光輝度表示を行うことができる。その上、表示パネル
の裏面には障害物がないのでパネル冷却が容易である。
たとえば、裏面からの強制空冷、液冷を容易に行え、ま
た、裏面にヒートシンク等も取り付けることができる。
【0207】なお、表示パネル176において、R光を
変調する液晶層192を他のGおよびB光を変調する液
晶層192に比較して水滴状液晶の粒子径を大きく、も
しくは液晶膜厚を厚めにして構成する。これは光が長波
長になるほど散乱特性が低下しコントラストが低くなっ
てしまうためである。水滴状液晶の粒子径は、重合させ
るときの紫外線光を制御すること、あるいは使用材料を
変化させることにより制御できる。液晶膜厚は液晶層の
ビーズ径を変化することにより調整できる。
【0208】なお、先の説明で水滴状液晶の平均粒子径
を変化させるとしたが、ポリマー中に液晶が水滴状にな
っていないPD液晶パネル、たとえば、大日本インキ
(株)が提案しているPD液晶パネルではポリマーネッ
トワークの平均孔径を変化させるを読みかえてもよい。
【0209】以上の本発明の投写型表示装置および表示
パネルは反射型であった。前述の発明の技術的思想は透
過型にも応用展開できる。その実施例を(図35)に示
す。
【0210】ここでは説明を容易にするため、317G
は、G光を変調するPD表示パネル、317RはR光を
変調するPD液晶表示パネル、317BはB光を変調す
る液晶PD表示パネルとする。したがって、各ダイクロ
イックミラーを透過および反射する波長は、ダイクロイ
ックミラー315aはR光を反射し、G光とB光を透過
する。ダイクロイックミラー315cはG光を反射し、
R光を透過させる。ダイクロイックミラー315bはB
光を透過し、G光を反射させ、また、ダイクロイックミ
ラー315dはB光を反射させ、G光およびR光を透過
する。なお、313は全反射ミラーである。
【0211】光源331から出射された光は全反射ミラ
ー313aにより反射され、光の方向を変化させられ
る。次に前記光は色フィルタ16により不要なシアンお
よびイエローの波長の光がカットされる。前記帯域をカ
ットされた光はダイクロイックミラー315a、315
bによりR・G・B光の3原色の光路に分離され、R光
はフィールドレンズ316Rに、G光はフィールドレン
ズ316Gに、B光はフィールドレンズ316Bに入射
する。各フィールドレンズ316は各光を集光し、表示
パネルはそれぞれ映像信号に対応して液晶の配向を変化
させ、光を変調する。このように変調されたR・G・B
光はダイクロイックミラー315c、315dにより合
成され、投映レンズ318によりスクリーン(図示せ
ず)に拡大投映される。
【0212】なお、(図33)および(図35)におい
て、ダイクロイックミラーによってR光、G光およびB
光の3原色の光に分離するとしたが、これに限定するも
のではなく、たとえばダイクロイックミラーのかわり
に、ダイクロイックプリズム等を用いてもよい。
【0213】前の実施例はPD液晶パネルを用いた実施
例であった。その他に本発明の技術的思想は微小マイク
ロミラーの傾きを制御して光学像を形成する表示パネル
を用いた三板投写型表示装置にも適用できる。その実施
例を(図36)に示す。
【0214】(図36)において323は微小ミラー表
示パネルである。前記表示パネルの一例として特開平4
−230722号公報、特開平5−196880号公報
等が例示される。
【0215】ランプ331aから放射された白色光は色
フィルタ16により不要なイエロー光とシアン光がカッ
トされ、プリズム332によりR、G、Bの3つの波長
の帯域の光に分離される。それぞれの波長の帯域ごとに
表示パネル323が配置されている。前記表示パネル3
23は映像信号にもとづいて画素に対応するミラーの傾
きを変化させ光学像を形成する。形成された光学像はズ
ームレンズ321によりスクリーンに投写される。
【0216】以上のように(図35)の構成の投写型表
示装置に対しても本発明の色フィルタ16の効果は有効
である。したがって、本発明の色フィルタはランダム光
を変調する表示パネルを用いる投写型表示装置のすべて
に有効である。とくに、その効果は光源にメタルハライ
ドランプを用いるとき有効である。
【0217】
【発明の効果】本発明の色フィルタは透過型のフィルタ
でありながら、短波長側にでる周期的な反射帯域を用い
ているので、十分にイエロー光およびシアン光をカット
でき、また、その帯域も狭い。その上、R、G、B光は
良好に透過させる。また、周期的な反射帯域も1または
2回目のものを用いているため、1層の誘電体多層膜の
膜厚が厚くなることがなく、クラック等が生じることも
ない。また、高屈折率の誘電体膜をTiO2とZnSを
交互に用いることにより誘電体膜間に生じる応力を緩和
し、高信頼性を実現している。さらにメタルハライドラ
ンプと組み合わせて用いる際、前記ランプ等の水銀原子
によるピーク波長を考慮しているため、投写型表示装置
として用いる時、その表示画像の色純度、色相を非常に
良好にできる。
【0218】本発明のカラーフィルタを用いた液晶パネ
ルを用いた投写型表示装置は、本発明の色フィルタを用
いることにより、光源から放射される白色光のうち不要
光成分を除去し、投写画像における赤、緑、青の各色光
の帯域を狭くすることが可能となる。また、ライトバル
ブに入射する不要光成分が減少することから、カラーフ
ィルタにおける不要な吸収光を低減でき、カラーフィル
タの発熱を低減することが可能となる。それにより、カ
ラーフィルタの劣化を抑制し、小型、軽量、低コストか
つ色再現性の優れた投写型表示装置を提供することがで
き、非常に大きな効果がある。
【0219】2つの液晶パネルを用いる本発明の投写型
表示装置は、2枚の液晶パネルの画像を重ねあわせてス
クリーンに投映するため、動作周波数を低減できハイビ
ジョン表示にも対応できる。また、各液晶パネルの一部
の水平走査線を内挿して1つの画像を表示するため、容
易に16:9のハイビジョン画像にも対応できる。
【0220】また、2フィールド期間で1フレーム分の
映像情報を表示するようにしているので、入力された順
次走査映像信号をそのまま表示するときに比べて1/2
の速度で表示することができる。その結果、パーソナル
コンピュータやワークステーション等の広帯域(高速デ
ータレート)順次走査映像信号を、マトリクス型液晶デ
ィスプレイのように高速表示の苦手なディスプレイに表
示する場合でも画質の劣化が生じない。
【0221】また、第1の表示方法と第2の表示方法と
を選択的に能動化するようにしているので、順次走査映
像信号の性質(例えば、静止画か動画か)に応じて常に
最適な表示を行うことができる。
【0222】さらに、順次走査映像信号の隣接フレーム
間の相関を表す値が所定値以上のとき(すなわち、静止
画のとき)は第1の表示方法を選択的に能動化し、所定
値未満のとき(すなわち、動画のとき)は第2の表示方
法を選択的に能動化するようにしているので、静止画の
場合はフレーム間で内挿が行われて垂直解像度を確保で
き、動画の場合はフレーム内で内挿が行われて動画ぼけ
の発生を防止できる。
【0223】また、本発明の三板投写型表示装置は本発
明の色フィルタを用いて、ダイクロイックミラーで生じ
るP偏光とS偏光の反射の不一致を補正するため、投写
画像の色相を良好にできる。さらに本発明の色フィルタ
はメタルハライドランプを組み合わせて用いる時に相乗
効果をもたらす。
【0224】また、ダイクロイックミラーに入射する光
の入射角度を45度近傍に設定することができるので、
光学系サイズは小さくなり、投写型表示装置のシステム
サイズをコンパクトにできる。投写画像の色相も実用上
十分である。また、投写レンズのバックフォーカスも大
幅に短くできるので、レンズ設計も容易でかつ、レンズ
のサイズ等も小さくでき低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における投写型表示装置の構
成図
【図2】本発明の色フィルタの構成図
【図3】本発明の他の実施例における色フィルタの特性
【図4】本発明の他の色フィルタの特性図
【図5】本発明の他の実施例における色フィルタの特性
【図6】従来の色フィルタの特性図
【図7】メタルハライドランプの放射光の分光分布図
【図8】本発明の色フィルタで帯域制限した光の分光分
布図
【図9】カラーフィルタを透過する光の分光分布図
【図10】xy色度図
【図11】本発明の一実施例における投写型表示装置の
説明図
【図12】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の説明図
【図13】本発明の投写型表示装置の回路ブロック図
【図14】本発明の投写型表示装置の回路ブロック図
【図15】本発明の投写型表示装置の回路のタイミング
チャート図
【図16】本発明の投写型表示装置のタイミングチャー
ト図
【図17】本発明の投写型表示装置のタイミングチャー
ト図
【図18】本発明の投写型表示装置の構成図
【図19】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の構成図
【図20】表示パネルの断面図
【図21】表示パネルの断面図
【図22】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の構成図
【図23】表示パネルの断面図
【図24】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の構成図
【図25】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の構成図
【図26】本発明の他の実施例における投写型表示装置
の構成図
【図27】本発明の表示方法の説明図
【図28】本発明の投写型表示装置の説明図
【図29】本発明の投写型表示装置の説明図
【図30】本発明の投写型表示装置の説明図
【図31】本発明の投写型表示装置の説明図
【図32】本発明の投写型表示装置の説明図
【図33】本発明の投写型表示装置の構成図
【図34】本発明の投写型表示装置の説明図
【図35】本発明の投写型表示装置の構成図
【図36】本発明の投写型表示装置の構成図
【図37】従来の投写型表示装置の構成図
【図38】液晶パネルの説明図
【図39】液晶パネルのカラーフィルタを透過する光の
分光分布
【図40】高分子分散液晶パネルの説明図
【符号の説明】
16 色フィルタ 11、21 ガラス基板 12、13、22、23 誘電体多層膜 131 A/D変換器 132 ラインメモリ 133 ラインメモリ制御回路 134 D/A変換器 135、282 ソース信号処理回路 136 表示方法選択回路 137a、137b ゲート駆動IC制御回路 138 切換回路 139 表示ライン選択回路 140a、140b ゲート駆動IC 141、141a、141b ソース駆動IC 144 D型フリップフロップ 146 スイッチ 147 バッファ 171 黒色塗料 172 反射防止膜 173 高分子分散液晶パネル 174 透明基板 175 側面 176 ライトバルブ装置 177 スクリーン 178 光出射面 179 透明結合剤 179a 凹レンズ 191 遮光膜 192 高分子分散液晶層 211 投写レンズ 212 平面ミラー 221 対向電極 222 接続部 223 反射電極 224 絶縁膜 231 偏光ビームスプリッタ 232 反射型液晶パネル 233 レンズ 234、241 ミラー 243 フィールドレンズ 243 液晶パネル 261、271 光学像 262 画素 272 黒表示領域 273 画像表示領域 281 画像データ処理回路 283 フィールドメモリ 284 フィールドメモリ制御回路 290 パネル選択回路 292a、292b 液晶パネル 293a、293b、293c、315a、315b、
315c、315dダイクロイックミラー 316R、316G、316B、332 フィールドレ
ンズ 317R、317G、317B 液晶パネル 318、339 投写レンズ 331 集光光学系 321 ズームレンズ 331 光源 331a ランプ 331b 凹面鏡 331c UVIRカットフィルタ 322a、322b、322c プリズム 323 表示パネル 333a、333b 偏光板 334 対向基板 335 アレイ基板 336 カラーフィルタ 337 液晶層 338 TN液晶パネル 340 光軸 344 ライトバルブ 341 対向電極 342 画素電極 343 TFT 381 水滴状液晶 382 ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 9/31 H04N 9/31 C 審査官 峰 祐治 (56)参考文献 特開 平1−155793(JP,A) 特開 昭59−210481(JP,A) 特開 昭57−212403(JP,A) 特開 昭57−178207(JP,A) 特開 平1−177020(JP,A) 特開 平4−188111(JP,A) 特開 平4−62532(JP,A) 特開 昭61−56325(JP,A) 特開 平4−81738(JP,A) 特開 平4−188112(JP,A) 特開 昭62−124518(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/28 G02F 1/13 505 G02F 1/1335 500 G03B 21/00 G09G 3/36 H04N 9/31

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色光を発生する光発生手段と、前記光発生手段が発生する光を変調する表示パネルと、 前記表示パネルで 変調した光を投写する投写手段と、 前記光発生手段から前記投写手段までの光路に配置され
    特定波長の光を反射する光反射手段とを具備し、前記光反射手段は 、イエロー光を反射する第1の誘電体
    多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜を
    し、 前記第1の誘電体多層膜と前記第2の誘電体多層膜はそ
    れぞれ高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層され、 前記第1の誘電体多層膜は、少なくとも低屈折率層が略
    0.375λ Y 、高屈折率層が略1.125λ Y (ただ
    し、λ Y はイエロー光の波長であり、λ Y =580nm±
    20nm)の光学的膜厚の層が交互に複数積層されてお
    り、 前記第2の誘電体多層膜は、少なくとも低屈折率層が略
    0.625λ C 、高屈折率層が略1.875λ C (ただ
    し、λ C はシアン光の波長であり、λ C =490nm±2
    0nm)の光学的膜厚の層が交互に複数積層されている
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  2. 【請求項2】 白色光を発生する光発生手段と、 赤、緑、青のカラーフィルタがマトリックス状に形成さ
    れ、前記光発生手段が発生する光を変調する液晶表示パ
    ネルと、 前記液晶表示パネルで変調した光を投写する投写手段
    と、 前記光発生手段から前記投写手段までの光路に配置され
    特定波長の光を反射する光反射手段とを具備し、前記光反射手段は 、イエロー光を反射する第1の誘電体
    多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜を
    し、 前記第1の誘電体多層膜と前記第2の誘電体多層膜はそ
    れぞれ高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層され、 前記第1の誘電体多層膜は、少なくとも低屈折率層が略
    0.375λ Y 、高屈折率層が略1.125λ Y (ただ
    し、λ Y はイエロー光の波長であり、λ Y =580 nm±
    20nm)の光学的膜厚の層が交互に複数積層されてお
    り、 前記第2の誘電体多層膜は、少なくとも低屈折率層が略
    0.625λ C 、高屈折率層が略1.875λ C (ただ
    し、λ C はシアン光の波長であり、λ C =490nm±2
    0nm)の光学的膜厚の層が交互に複数積層されている
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  3. 【請求項3】 表示パネルは、液晶表示パネルであるこ
    とを特徴とする請求項記載の投写型表示装置。
  4. 【請求項4】 白色光を発生する光発生手段と、 液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルで変調した光を投写する投写手段
    と、 前記光発生手段から前記投写手段までの光路に配置され
    た色フィルタとを具備し、 前記色フィルタは、イエロー光を反射する第1の誘電体
    多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜とを
    有し、 前記第1の誘電体多層膜は、低屈折率層が略0.375
    λY、高屈折率層が略1.125λY(ただし、λYはイ
    エロー光の中心波長)の光学的膜厚の層が交互に積層さ
    れており、 前記第2の誘電体多層膜は、低屈折率層が略0.625
    λC、高屈折率層が略1.875λC(ただし、λCはシ
    アン光の中心波長)の光学的膜厚の層が交互に積層され
    ており、 低屈折率層はMgF2、SiO2、Al23のいずれかで
    あり、 高屈折率層はTiO2、ZnS、CeO2、ZrTi
    4、HfO2、Ta25、ZrO2のいずれかであるこ
    とを特徴とする投写型表示装置。
  5. 【請求項5】 白色光を発生する光発生手段と、 液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルで変調した光を投写する投写手段
    と、 前記光発生手段から前記投写手段までの光路に配置され
    た色フィルタとを具備し、 前記色フィルタは、イエロー光を反射する第1の誘電体
    多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜と第
    2の誘電体多層膜とを有し、 前記第1の誘電体多層膜は、低屈折率層が略0.375
    λY、高屈折率層が略1.125λY(ただし、λYはイ
    エロー光の中心波長)の光学的膜厚の層が交互に積層さ
    れており、 前記第2の誘電体多層膜は、低屈折率層が略0.625
    λC、高屈折率層が略1.875λC(ただし、λCはシ
    アン光の中心波長)の光学的膜厚の層が交互に積層され
    ており、 前記光発生手段はメタルハライドランプを有し、前記メ
    タルハライドランプは発光管内にディスプロシウムとネ
    オジウムが封入されていることを特徴とする投写型表示
    装置。
  6. 【請求項6】 白色光を発生する光発生手段と、 液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルで変調した光を投写する投写手段
    と、 前記光発生手段から前記投写手段までの光路に配置され
    た色フィルタとを具備し、 前記色フィルタは、イエロー光を反射する第1の誘電体
    多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜とを
    有し、 前記第1の誘電体多層膜は、低屈折率層が略0.375
    λY、高屈折率層が略1.125λY(ただし、λYはイ
    エロー光の中心波長)の光学的膜厚の層が交互に積層さ
    れており、 前記第2の誘電体多層膜は、低屈折率層が略0.625
    λC、高屈折率層が略1.875λC(ただし、λCはシ
    アン光の中心波長)の光学的膜厚の層が交互に積層され
    ており、 前記第1の誘電体多層膜のイエロー光の設計中心波長λ
    Yは580nm±20nmの範囲であり、 前記第2の誘電体多層膜のシアン光の設計中心波長λC
    は490nm±20nmの範囲であることを特徴とする
    投写型表示装置。
  7. 【請求項7】 白色光を発生する光発生手段と、 表示パネルと、 前記表示パネルで変調した光を投写する投写手段と、 前記光発生手段から前記投写手段までの光路に配置され
    た色フィルタとを具備し、 前記色フィルタは、イエロー光を反射する第1の誘電体
    多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜とが
    透明基板の両面または片面に積層され、 前記第1の誘電体多層膜の光学的膜厚は、低屈折率層が
    略0.375λY、高屈折率層の最終層を除く層が略
    1.125λYおよび低屈折層の最終層が略0.188
    λY(ただし、λYはイエロー光の中心波長)であり、 前記第2の誘電体多層膜の光学的膜厚は、低屈折率層が
    略0.625λC、高屈折率層の最終層を除く層が略
    1.875λCおよび低屈折層の最終層が略0.313
    λC(ただし、λCはシアン光の中心波長)であることを
    特徴とする投写型表示装置。
  8. 【請求項8】 表示パネルは、微小マイクロミラーの傾
    きを制御して光学像して光学像を形成する表示パネルで
    あることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
  9. 【請求項9】 高屈折率層は、複数の複数種類の薄膜に
    より構成されていることを特徴とする請求項1記載の投
    写型表示装置。
  10. 【請求項10】 光発生手段と、前記光発生手段 が発生する光を変調する反射型の表示パ
    ネルと、 前記光発生手段から前記投写手段までの光路に配置され
    特定波長の光を反射する光反射手段と、 前記表示パネル の表示画像を投写する投写手段とを具備
    し、前記光反射手段は、イエロー光を反射する第1の誘電体
    多層膜と、シアン光を反射する第2の誘電体多層膜を有
    し、 前記第1の誘電体多層膜と前記第2の誘電体多層膜はそ
    れぞれ高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層され、 前記第1の誘電体多層膜は、少なくとも低屈折率層が略
    0.375λ Y 、高屈折率層が略1.125λ Y (ただ
    し、λ Y はイエロー光の波長であり、λ Y =580nm±
    20nm)の光学的膜厚の層が交互に複数積層されてお
    り、 前記第2の誘電体多層膜は、少なくとも低屈折率層が略
    0.625λ C 、高屈折率層が略1.875λ C (ただ
    し、λ C はシアン光の波長であり、λ C =490nm±2
    0nm)の光学的膜厚の層が交互に複数積層されている
    ことを特徴とする投写型表示装置。
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