JP3328797B2 - 緑化用袋体および緑化方法 - Google Patents

緑化用袋体および緑化方法

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JP3328797B2 JP31429096A JP31429096A JP3328797B2 JP 3328797 B2 JP3328797 B2 JP 3328797B2 JP 31429096 A JP31429096 A JP 31429096A JP 31429096 A JP31429096 A JP 31429096A JP 3328797 B2 JP3328797 B2 JP 3328797B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法面、切土斜面、
河川敷等を緑化する緑化用袋体および緑化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の緑化用袋体としては、繊維を密
に編んだ織布で袋体を形成し、これら複数の袋体を法面
に対して横向きに並列させた緑化用袋体(グラウトシー
ディング工法やバイオオーガニック工法)や、同様の素
材で斜め格子状に複数の袋体を連結して構成する緑化用
袋体(ベルデマット工法)が存在する。これらの緑化用
袋体を法面に配置し、その後、一体に連結されている袋
体の開放端より泥状の植物生育基材を注入している。こ
の際、袋体の隅々まで泥状植物生育基材を行き渡らせる
ため、その注入を高圧で行っている。また注入時、泥状
の植物生育基材の漏出を阻止するため、袋体を構成する
織布は、網目が小さなものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の緑化用
袋体および緑化方法には次のような問題点がある。 <イ> 植物生育基材を圧送しているが袋体内に斑なく
植物生育基材を充填することが困難である。 <ロ> 泥状の植物生育基材の充填性を良くするため高
圧で圧送すると、緑化用袋体を構成する織物の繊維が密
に編まれているため、内圧が高くなり袋体が破損する危
険があり圧送圧力に限界がある。 <ハ> 袋体を構成する織物の繊維は泥状植物生育基材
の漏出を防止するため密に編まれている。そのため緑化
に用いられる植物が木本類や草花類などの双子葉植物で
あると、その子葉が袋体の網目から出ることができず、
緑化に用いられる植物は、子葉の細いイネ科の植物に限
られてしまう。 <ニ> 袋体を構成する織物の繊維が密に編まれている
ことから、袋体の通気性や排水性が悪い。そのため植生
植物の成長が悪く、根腐れを起こして枯れやすい。<ホ
>泥状植物生育基材が単粒構造であることから、袋体内
で密実に充填されてしまう。そのため植物生育基材内の
通気性と排水性が悪く、植生植物が根腐れを起こして枯
れやすい。 <ヘ> 植物生育基材を高圧で充填した袋体が、円筒状
に膨らみ、袋体と袋体との連結部が地山から離隔して間
隙を生じ、その部分が乾燥し、植生植物の根付きが悪く
なる。
【0004】本発明は以上の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、植生植物の根
付きに優れ、施工性に優れた緑化用袋体および緑化方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 請求項1に係る発明
は、法面緑化用の袋体において、法面を被覆する底部網
状シート材と、前記底部網状シート材を被覆する非腐食
性繊維と水膨性繊維とにより構成した上部網状シート材
とからなり、法面の上下方向に連続する、植物生育基材
を充填するための収容部を形成したことを特徴とする、
緑化用袋体である。請求項2に係る発明は、法面緑化用
の袋体において、法面を被覆する底部網状シート材と、
前記底部網状シート材を被覆する非腐食性繊維と腐食性
繊維と水膨性繊維とにより構成した上部網状シート材と
からなり、法面の上下方向に連続する、植物生育基材を
充填するための収容部を形成したことを特徴とする、緑
化用袋体である。請求項3に係る発明は請求項1又は請
求項2に記載の緑化用袋体において、前記底部網状シー
ト材の網目寸法を、前記収容部に充填する植物生育基材
が透過する大きさに形成したことを特徴とする、緑化用
袋体である。請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載の緑化用袋体において、前記上部
網状シート材の網目寸法を底部網状シート材より小さく
形成したことを特徴とする、緑化用袋体である。請求項
5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記
載の緑化用袋体において、前記上部網状シート材の網目
寸法を2mm〜15mmに形成したことを特徴とする、
緑化用袋体である。請求項6に係る発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれかに記載の緑化用袋体において、法
面を被覆する底部網状シート材と前記底部網状シートを
被覆する上部網状シート材とにより、法面の上下方向に
連続する、植物生育基材を充填するための収容部を複数
隣接して形成することを特徴とする、緑化用袋体であ
る。請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項5のい
ずれかに記載の緑化用袋体において、当該袋体の端部に
連続空間を有する固化材注入用の収容部を形成し、前記
固化材注入用の収容部を密に編んだ織物で形成したこと
を特徴とする、緑化用袋体である。請求項8に係る発明
は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の緑化用袋
体において、前記植物生育基材に、長さ5mm〜60m
mの天然繊維、半合成繊維及び合成繊維から選択された
一種以上の短繊維を混合することを特徴とする、緑化用
袋体である。請求項9に係る発明は、緑化用袋体に植物
生育基材を充填して緑化する緑化方法において、請求項
1乃至請求項7のいずれかに記載の緑化用袋体を使用
し、前記複数の緑化用袋体を法面上の敷設し、前記緑化
用袋体の収容部の開放端より土、肥料、種子等の植物生
育基材を充填し、緑化用袋体を構成する底部網状シート
材を透過させて根系を這わせると共に、上部網状シート
材を通過させて植生することを特徴とする、緑化方法で
ある。請求項10に係る発明は、請求項9に記載の緑化
方法において、緑化用袋体の収容部の開放端部より、
水、剤、土、肥料、種子等からなる泥状の植物生育基材
を団粒化充填することを特徴とする、緑化方法である。
請求項11に係る発明は、請求項9又は請求項10に記
載の緑化方法において、短繊維の混入した植物生育基材
を緑化用袋体に充填することを特徴とする、緑化方法で
ある。請求項12に係る発明は、請求項9乃至請求項1
1のいずれかに記載の緑化方法において、端部の収容部
を重合させて緑化用袋体を法面に敷設し、重合する上位
の収容部に固化材を充填して法面補強用の桁を形成する
ことを特徴とする、緑化方法である。
【0006】
【発明の実施の形態1】以下図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。 <イ>緑化用袋体(図1,2) 緑化用袋体10は、底部網状シート材20と上部網状シ
ート材30とを積層し、両網状シート材20,30の周
縁を接合して、内部に植物生育基材充填用空間である独
立した収容部40を並列に形成している。
【0007】<ロ>底部網状シート材(図2) 緑化用袋体10の収容部40の下半を構成する底部網状
シート材20は、緑化用袋体10の基体となる織物シー
トで、網目を大きくしてある。この場合の『大きい網
目』とは、後述する植物生育基材50を通過させる寸法
を指す。これは、法面と底部網状シート材20との間に
形成される間隙60内に底部網状シート材20を通じて
植物生育基材50を充填するためである。
【0008】<ハ>上部網状シート材(図2) 上部網状シート材30は、収容部40の上半を構成する
織物シートで、その網目寸法は底部網状シート材20よ
り小さい。上部網状シート材30の網目寸法は、後述す
る植物生育基材50を通過させない寸法であり、かつ、
水分の透過と双子葉科の植生植物70の出芽を許容する
寸法を指し、例えば2mm〜15mmの間が望ましく、
特に5mm程度の網目寸法が好適である。
【0009】<ニ>収容部(図1、3) 緑化用袋体10は、重ね合わせた底部網状シート材20
と上部網状シート材30の周縁を縫合または接着により
接合すると共に両網状シート材20,30間を一定間隔
を隔てて縦方向に接合して、縦方向に連続空間を有する
複数の収容部40を並列状に形成している。各収容部4
0の一方の端部(下端)41は閉塞処理し、他方の端部
(上端)42はその一部または全部を植物生育基材50
の注入口として開放しておく。各収容部40を構成する
両網状シート材20,30の間は、収容部40の変形を
一定に抑えるため糸材80で接続してある。
【0010】<ホ>植物生育基材(図4) 植物生育基材を収容部40へ充填するにあたって、緑化
用袋体10を構成する上部網状シート材30の網目が大
きいことから、従来のような泥状の土をそのまま注入す
ると上部網状シート材30の網目から漏出してしまう。
そこで、植物生育基材50として土、肥料、団粒化剤、
短繊維、用水および植生植物70の種子などを混合した
ものを用いる。泥状の植物生育基材50に団粒化剤を適
当な割合で混合して団粒化させることで、上部網状シー
ト材30の網目から植物生育基材50が漏出することを
効果的に阻止する。この場合の団粒化した植物生育基材
50は、前述した底部網状シート材20の網目を通過で
き、上部網状シート材30の網目を通過せずに団粒化す
るように、団粒化剤や短繊維の混入量を調節する。
【0011】団粒化剤は、余剰水をフロック内に取り込
み、外圧がかかってもフロックが変形されないタイプの
カチオン系(陽イオン系)又はノニオン系(非イオン
系)又はアニオン系(陰イオン系)の有機系の高分子団
粒化剤を指す。団粒化剤としては、例えば硫酸バンド、
塩化アルミニウム、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリ
ルアミド、アクリルアミド・アクリル酸塩共重合物、ア
クリルアミド・アクリルアミド−2メチルプロパンスル
ホン酸塩共重合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレートの塩または4級化物の(共)重合体、ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩または4級
化物の(共)重合体、ポリアクリルアミド変性物、キト
サン塩、ポリアミジン、アルギン酸塩などが挙げられ
る。
【0012】さらに短繊維を混入することにより、上部
網状シート材30の網目からの植物生育基材50の漏出
を防止し、更に植物生育基材50の補強を図り、土塊の
形状保持を行うと共に、植生植物の根付きを良好にす
る。短繊維としては、例えば天然繊維、化学繊維、合成
繊維等様々なものを使用できる。短繊維の長さとしては
約5mm〜60mmの範囲が好ましい。短繊維の長さが
5mm以下では土塊の形状保持機能が乏しくなって上部
網状シート材30の網目から植物生育基材50が流出し
易くなる。また短繊維の長さが60mm以上であると植
物生育基材50に添加した場合に短繊維の分散性が悪化
し、均一に混入することが困難となる。
【0013】つぎに緑化用袋体を用いた緑化方法につい
て説明する。
【0014】<イ>緑化用袋体の設置 図1,3に示すように緑化用袋体10を緑化予定の法面
に敷設する。この際、各収容部40の開口側を法面の上
位に位置させ、各収容部40を法面の傾斜に沿わせて敷
設する。各収容部40が法面に対して縦向きになるよう
に緑化用袋体10を配置したら、アンカー等を打設して
法面に固定する。
【0015】<ロ>植物生育基材の充填 つぎに緑化用袋体10を構成する各収容部40の開口し
ている端部42より植物生育基材50の充填を開始す
る。植物生育基材50は各収容部40の内部を法面の下
流側に向けて自重で流下することから低圧注入により効
率良く充填できる。各収容部40内に充填された植物生
育基材50の一部は、植物生育基材50の透過を許容す
る網目の底部網状シート材20を通過して、底部網状シ
ート材20と法面との間の間隙60に充填される。また
注入した植物生育基材50が団粒状となるため、上部網
状シート材30の網目からの漏出が阻止される。
【0016】<ハ>植生植物の成長 従来緑化に用いられた袋体は、植物生育基材の漏れを防
止するため網目が非常に密な織物であったため、植生植
物が袋体を透過して地上へ伸びることが困難な環境であ
り、また従来の植物生育基材は泥状であるから充填後に
土粒間の間隙が少なく十分な通気性を確保することが困
難であった。
【0017】これに対して本発明では、植物生育基材5
0が充填後も団粒構造を呈するため、内部に適度の微小
空隙を確保すると共に、植生植物70の乾燥原因となる
間隙60を解消し、植生植物70の生育環境として良好
な通気性や保水性および排水性が確保されている。した
がって、従来と比べ根腐れや根の乾燥を回避して根付性
がよいだけでなく、底部網状シート材20の大きな網目
を透過した植生植物70の根系が容易に地山や地山の割
れ目等に侵入し易くなる。植物生育基材50は植生植物
70の生育により保持されて法面と一体化する。また植
生植物70の地上部については団粒状の植物生育基材5
0を押し除け、さらに上部網状シート材30の網目を抜
け出る。尚、植生植物70としては従来のイネ科(牧
草、芝生類)の植物だけでなく、双子葉植物(草花、木
本類)による緑化が可能であり、法面の景観を更に良好
にすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態2】前記した実施の形態1は緑化用
袋体10を構成する底部網状シート材20と上部網状シ
ート材30とを非腐食性繊維で構成する場合について説
明したが、少なくとも上部網状シート材30に、水分を
含むことにより糸が膨脹(拡径)する例えばランシール
などの公知の水膨性繊維を用いて構成しても良い。水膨
性繊維の使用形態としては、上部網状シート材30のす
べてを水膨性繊維で構成するか、或いは非腐食性繊維と
混繊させて構成する。いずれの場合も、上部網状シート
材30の網目条件は、前記した実施の形態1と同様に荒
目に設定する。
【0019】本実施の形態にあっては、水膨性繊維が吸
水して膨脹すると上部網状シート材30の網目が小さく
なる。そのため形状が不安定な充填直後の植物生育基材
50の漏出を効果的に防止できるうえに、保水性も向上
して植生初期の生育環境として望ましい。また水膨性繊
維の乾燥により糸が収縮するとその網目が荒くなるた
め、緑化用植物の発芽時に子葉が外部に出やすくなる。
【0020】
【発明の実施の形態3】緑化用袋体10を構成する各網
状シート材20,30は、非腐食性繊維に腐食性繊維を
編み込んだものでもよい。腐食性繊維は植物生育基材の
形状が安定するまでは腐食せずに網目の形態を維持し、
所定期間経過後に腐食する性質の公知の素材を使用でき
る。
【0021】腐食性繊維を使用するのはつぎの理由によ
る。一般に肥大成長する木本類は、幹の成長過程で何等
かの障害物、例えばネット等に接触すると障害物を幹に
食い込ませたように障害物を避けて成長する性質があ
る。そのため、幹の食い込み箇所が弱点となり、台風等
によって折れてしまう。 緑化用袋体の一部又は全部に
腐食性繊維を用いれば、このような幹の弱点部の発生を
回避して植物の生育を阻害しないで済む。
【0022】
【発明の実施の形態4】緑化用袋体10を構成する各網
状シート材は、既述した腐食性繊維と水膨性繊維とを編
み込んだものでもよい。本実施の形態にあっては、腐食
性繊維が腐食した後も植物生育基材の形状を維持できる
だけの水膨性繊維を混入させておくとよい。これにより
網状シート材の一部を構成する腐食性繊維が腐食すると
網状シート材の網目がより大きくなり、植物の生育を阻
害する心配がなくなる。網状シート材の一部を構成する
水膨性繊維は、植物生育基材の漏出を防止すると共に、
その高い保水性により植物生育基材の乾燥を防止する。
【0023】
【発明の実施の形態5】図5は緑化用袋体10の一部に
モルタル等の固化材を充填する他の形態を示す。 本実
施の形態では、緑化用袋体10の左右の両端部又は一端
部に、網目を密にした固化材充填用の収容部を形成した
ものを使用する。固化材充填用の収容部を形成するに
は、緑化用袋体10を構成する網状シート材の縦糸ピッ
チを狭くすることで固化材の流出を阻止できる程度に網
目を密に形成することができる。そして、端部の収容部
を重合させて複数の緑化用袋体10を法面に敷設し、重
合する上位の固化材充填用の収容部にモルタル等の固化
材を充填して法面補強用の補強桁90を形成する。本実
施の形態にあっては、法面の補強が図れると共に、緑化
用袋体10の法面への固定を一層強固なものとすること
ができる。尚、補強桁90にアンカー等(図示せず)を
打設して、緑化用袋体10を法面に予め固定させておい
てもよい。
【0024】
【発明の実施の形態6】乾燥状態の植物生育基材50を
エア圧送して緑化用袋体10内に充填する場合もある。
緑化用袋体10は既述した実施の形態1〜5と同様に通
気性を有する網体で構成されている。そのため、土、肥
料、短繊維および種子等を混合した乾燥状態の植物生育
基材50を公知のブロア等で圧送すると、エアだけが緑
化用袋体10の網目を通じて外部へ排出され、圧送され
た乾燥状態の植物生育基材50が緑化用袋体10の内部
に残留することになり、効率良く植物生育基材50を充
填できる。 最後に、緑化用袋体10の外部より乾燥状
態の植物生育基材50に加水すると、予め含水させて泥
状とした植物生育基材50を充填した場合と同じ状態に
なる。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次
のような効果を得ることができる。 <イ> これまでは緑化用袋体を構成する網状シート材
の網目を小さくして植物生育基材の漏出防止効果を高め
ると植生植物の発芽性、生育性が悪化し、反対に網状シ
ート材の網目を大きくして植生植物の発芽性、生育性に
配慮すると植物生育基材の漏出の問題があった。本発明
では、植物生育基材を団粒構造とすることで、植生植物
の発芽性と植物生育基材の漏出防止の両課題を同時に達
成することができる。 <ロ> 緑化用袋体を網目の粗い網状シート材で構成す
ることで、袋体に良好な通気性および排水性を確保で
き、さらに植物生育基材が団粒構造を呈することで、植
物生育基材内部に適度の通気性、保水性、排水性を付与
できると共に、植物生育基材が緑化用袋体を構成する底
部網状シート材を透過して地山との間の隙間をなくし、
植生植物の根腐れや乾燥にる枯死を防止して、これまで
にない良好な植物環境を提供できる。 <ハ> 緑化用袋体を構成する上部網状シート材が、従
来のシート材と比較して網目を大きくできるため、これ
まで植生が困難とされてきた葉の大きな双子葉植物の緑
化が可能となる。 <ニ> 緑化用袋体の上流側から植物生育基材の自重を
利用して隅々まで充填できるので、従来に比べて充填圧
力が低くなり、袋体の破損事故を防止できるうえに、植
物生育基材が密実に充填されることを回避できる。 <ホ> 上部網状シート材のすべてを水膨性繊維で構成
するか、或いは非腐食性繊維と混繊させて構成すると、
水膨性繊維が吸水膨脹して上部網状シート材の網目を小
さくして、充填直後の形状が不安定な植物生育基材の漏
出防止効果が高くなり、さらに保水性も向上して植生初
期の生育環境として望ましい。また水膨性繊維の乾燥に
より糸が収縮すると網目が荒くなり、緑化用植物の発芽
時に子葉が外部に出やすくなる。 <へ> 緑化用袋体を構成する各網状シート材を非腐食
性繊維と腐食性繊維で編成して構成すると、植物生育基
材の形状が安定した後に腐食して網目がより大きくなる
ため、植物の生育を阻害しないで済む。 <ト> 緑化用袋体の端部に、網目を密にした固化材充
填用の収容部を形成し、重合させて法面に敷設した緑化
用袋体の端部の上位の固化材充填用の収容部に固化材を
充填して法面補強用の桁を形成すると、法面の補強が図
れると共に、緑化用袋体の法面への固定を一層強固なも
のとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るの緑化用袋体の斜視図
【図2】 実施の形態1に係る緑化用袋体の縦断面図
【図3】 実施の形態1に係る緑化用袋体の横断面図
【図4】 実施の形態1に係る植物生育基材の説明図
【図5】 実施の形態4に係る連結した緑化用袋体の斜
視図
【符号の説明】
10……緑化用袋体 20……底部網状シート材 30……上部網状シート材 40……植物生育基材充填用の収容部 50……植物生育基材 60……隙間 70……植生植物 80……糸材 90……補強桁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−1323(JP,A) 特開 平7−216896(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面緑化用の袋体において、法面を被覆
    する底部網状シート材と、前記底部網状シート材を被覆
    する非腐食性繊維と水膨性繊維とにより構成した上部網
    状シート材とからなり、法面の上下方向に連続する、植
    物生育基材を充填するための収容部を形成したことを特
    徴とする、緑化用袋体。
  2. 【請求項2】 法面緑化用の袋体において、法面を被覆
    する底部網状シート材と、前記底部網状シート材を被覆
    する非腐食性繊維と腐食性繊維と水膨性繊維とにより構
    成した上部網状シート材とからなり、法面の上下方向に
    連続する、植物生育基材を充填するための収容部を形成
    したことを特徴とする、緑化用袋体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の緑化用袋
    体において、前記底部網状シート材の網目寸法を、前記
    収容部に充填する植物生育基材が透過する大きさに形成
    したことを特徴とする、緑化用袋体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の緑化用袋体において、前記上部網状シート材の網目寸
    法を底部網状シート材より小さく形成したことを特徴と
    する、緑化用袋体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の緑化用袋体において、前記上部網状シート材の網目寸
    法を2mm〜15mmに形成したことを特徴とする、緑
    化用袋体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の緑化用袋体において、法面を被覆する底部網状シート
    材と前記底部網状シートを被覆する上部網状シート材と
    により、法面の上下方向に連続する、植物生育基材を充
    填するための収容部を複数隣接して形成することを特徴
    とする、緑化用袋体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の緑化用袋体において、当該袋体の端部に連続空間を有
    する固化材注入用の収容部を形成し、前記固化材注入用
    の収容部を密に編んだ織物で形成したことを特徴とす
    る、緑化用袋体。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の緑化用袋体において、前記植物生育基材に、長さ5m
    m〜60mmの天然繊維、半合成繊維及び合成繊維から
    選択された一種以上の短繊維を混合することを特徴とす
    る、緑化用袋体。
  9. 【請求項9】 緑化用袋体に植物生育基材を充填して緑
    化する緑化方法において、 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の緑化用袋体を
    使用し、 前記複数の緑化用袋体を法面上の敷設し、 前記緑化用袋体の収容部の開放端より土、肥料、種子等
    の植物生育基材を充填し、 緑化用袋体を構成する底部網状シート材を透過させて根
    系を這わせると共に、上部網状シート材を通過させて植
    生することを特徴とする、 緑化方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の緑化方法において、
    緑化用袋体の収容部の開放端部より、水、剤、土、肥
    料、種子等からなる泥状の植物生育基材を団粒化充填す
    ることを特徴とする、緑化方法。
  11. 【請求項11】 請求項9又は請求項10に記載の緑化
    方法において、短繊維の混入した植物生育基材を緑化用
    袋体に充填することを特徴とする、緑化方法。
  12. 【請求項12】 請求項9乃至請求項11のいずれかに
    記載の緑化方法において、端部の収容部を重合させて緑
    化用袋体を法面に敷設し、重合する上位の収容部に固化
    材を充填して法面補強用の桁を形成することを特徴とす
    る、緑化方法。
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