JP3325136B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
ラー複写機、モノクロ及びカラープリンタ等の画像形成
装置に係り、詳しくは、乾式現像法により現像された現
像剤像を半導電性転写ベルト等の搬送手段により搬送さ
れる被転写材に転写して画像を形成する画像形成装置に
関する。
において、被転写材への感光体等からの現像剤像の転写
は、コロナ帯電器を用いて被転写材の画像面とは逆の面
から電荷を与えて行ってきたが、この方法では転写電圧
が4〜8kVと非常に高圧で危険であり、また人体に有
害なオゾンが発生するといった問題点がある。
して、4本の感光体を水平に並べ、それぞれの感光体に
接するように被転写材を搬送する絶縁性ベルトとコロナ
チャージャを用いた転写装置が実用化されている。しか
しながら、この方式では、転写電圧が4〜8kVと非常
に高圧で危険であり、また人体に有害なオゾンが発生す
る。また、ベルト自体が帯電するために除電器が必要と
なるといった問題点がある。
且つ、オゾンの発生が少ない転写方式として、例えば特
公昭60−10625号公報及び特開平4−28053
0号公報に示されるように、導電性ローラと導電性カー
ボンを絶縁性樹脂に分散した半導電性ベルトから構成さ
れる転写装置が考案されている。この半導電性ベルトは
電荷が蓄積し続けることがないため、除電器が不要であ
るというメリットがある。
報に示されるように、トナー像の転写と同時に電気絶縁
性ベルトの帯電により転写材をベルト上に吸着させて搬
送するもの。また、例えば、特開昭49−89537号
公報に示されるように、誘電性ベルトの感光体とは反対
側面を転写位置またはそれ以前に帯電し、感光体上の現
像像を転写材に転写し該帯電により誘電性部材と転写材
との間に生じた静電吸着力を利用して転写材を感光体表
面から分離するもの。等の転写材の吸着に関する従来法
があるが、これらは共に、上述したように誘電性ベルト
のために除電器によるベルトの除電プロセスが必要であ
る。
ルトを用いた転写装置では、ベルトが半導電性のために
電荷が蓄積し続けることがないため、除電器が不要であ
るというメリットがあるが、ベルトが半導電性のために
導電性の接触転写帯電器では火花放電が局所的に発生し
易くなり、転写電荷が均一に付与出来なくなり、転写性
能が悪化するという不具合が生じた。
写材の静電吸着を行うための接触帯電器に関しても、導
電性の接触帯電器では均一な電荷を転写材に付与できな
いために吸着性能が悪化するという不具合が生じた。
トローラでは、低湿・常温では転写材の半導電性ベルト
への吸着性能は問題ないが、高湿環境下では転写材
(紙)の吸湿による電気抵抗値の低下によって、吸着帯
電器からの電荷が転写材(紙)を伝わって導電性のレジ
ストローラへ流れ込み、吸着性能が確保できないといっ
た問題点がある。
写帯電器からの電荷が転写ベルトの表面或いは内部を通
って吸着部に作用し、吸着不良を生じてしまうといった
不具合も発生した。
転写帯電器からの電荷が転写ベルトの表面或いは内部を
通って転写ベルトと接している導電性部分へリークし、
転写部で有効な転写電界を形成できずに、転写不良を生
じてしまうといった不具合も発生した。
で、第1の目的とするところは、半導電性転写ベルトへ
の電荷付与を安定に実施することができ、良好で安定な
転写が可能となり、半導電性転写ベルトの絶縁破壊も防
止することが可能となる画像形成装置を提供することを
目的とする。
性転写ベルトへの被転写材の静電吸着を良好で安定に実
施することが可能であり、半導電性転写ベルトの絶縁破
壊も防止することが可能となる画像形成装置を提供する
ことを目的とする。
に、多湿環境下でも安定な被転写材の半導電性転写ベル
トへの吸着も可能となる画像形成装置を提供することを
目的とする。
性転写ベルトの表面抵抗値を適正な範囲に設定でき、安
定な吸着動作が行えると共に転写不良を生じることがな
い画像形成装置を提供することを目的とする。
荷付与手段から半導電性転写ベルトへ付与された電荷
が、半導電性ベルトを介して転写領域以外へ漏洩するこ
とが、防止でき、転写不良を生じないで、良好で安定な
転写が可能となる画像形成装置を提供することを目的と
する。
め、本発明の画像形成装置は、像担持体に現像像を形成
する像形成手段と、前記像担持体に接触して設けられ、
転写材を前記像担持体へ搬送する搬送手段と、前記搬送
手段を介して前記像担持体と対向する位置に設けられ、
前記搬送手段の転写材担持面と反対側の面に放電により
転写電荷を供給し、前記像担持体に形成された現像像を
前記転写材上に静電的に転写する転写手段と、前記搬送
手段を接触支持するための、前記搬送手段の搬送方向上
流側に位置する上流側支持部材と前記搬送手段の搬送方
向下流側に位置する下流側支持部材とを備えた支持手段
と、を有し、前記転写手段の転写位置における前記転写
手段から前記像担持体までの前記転写手段および像担持
体の体積方向の抵抗値は、前記転写手段と前記搬送手段
との対向位置から、前記上流側支持部材と前記搬送手段
との接触位置までの前記搬送手段の面方向の抵抗値より
も小さいことを特徴とする。
に現像像を形成する像形成手段と、前記像担持体に接触
して設けられ、転写材を前記像担持体へ搬送する搬送手
段と、前記搬送手段を介して前記像担持体と対向する位
置に設けられ、前記搬送手段の転写材担持面と反対側の
面に放電により転写電荷を供給し、前記像担持体に形成
された現像像を前記転写材上に静電的に転写する転写手
段と、前記搬送手段を接触支持するための、前記搬送手
段の搬送方向上流側に位置する上流側支持部材と前記搬
送手段の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材とを
備えた支持手段と、を有し、前記転写手段の転写位置に
おける前記転写手段から前記像担持体までの前記転写手
段および像担持体の体積方向の抵抗値は、前記転写手段
と前記搬送手段との対向位置から、前記下流側支持部材
と前記搬送手段との接触位置までの前記搬送手段の面方
向の抵抗値よりも小さいことを特徴とする。
向に沿って配置された4つの像担持体にそれぞれ現像像
を形成する4つの像形成手段と、前記4つの像担持体に
接触して設けられ、転写材を前記4つの像担持体へ順次
搬送する搬送手段と、前記搬送手段を介して前記4つの
像担持体とそれぞれ対向する位置に設けられ、前記搬送
手段の転写材担持面と反対側の面に放電により転写電荷
を供給し、前記4つの像担持体それぞれに形成された現
像像を前記転写材上に静電的に転写する4つの転写手段
と、前記搬送手段を接触支持するための、前記搬送手段
の搬送方向上流側に位置する上流側支持部材と前記搬送
手段の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材とを備
えた支持手段と、を有し、前記搬送手段の転写材搬送方
向に沿って最も上流に位置する転写手段の転写位置にお
ける該転写手段から対向する像担持体までの該転写手段
および像担持体の体積方向の抵抗値は、この最も上流に
位置する転写手段と前記搬送手段との対向位置から、前
記上流側支持部材と前記搬送手段との接触位置までの前
記搬送手段の面方向の抵抗値よりも小さいことを特徴と
する。
向に沿って配置された4つの像担持体にそれぞれ現像像
を形成する4つの像形成手段と、前記4つの像担持体に
接触して設けられ、転写材を前記4つの像担持体へ順次
搬送する搬送手段と、前記搬送手段を介して前記4つの
像担持体とそれぞれ対向する位置に設けられ、前記搬送
手段の転写材担持面と反対側の面に放電により転写電荷
を供給し、前記4つの像担持体それぞれに形成された現
像像を前記転写材上に静電的に転写する4つの転写手段
と、前記搬送手段を接触支持するための、前記搬送手段
の搬送方向上流側に位置する上流側支持部材と前記搬送
手段の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材とを備
えた支持手段と、を有し、前記搬送手段の転写材搬送方
向に沿って最も下流に位置する転写手段の転写位置にお
ける該転写手段から対向する像担持体までの該転写手段
および像担持体の体積方向の抵抗値は、この最も下流に
位置する転写手段と前記搬送手段との対向位置から、前
記下流側支持部材と前記搬送手段との接触位置までの前
記搬送手段の面方向の抵抗値よりも小さいことを特徴と
する。
に形成された現像剤像を転写するよう前記像担持体に転
写材を搬送し、この転写材を前記像担持体に当接させる
体積固有抵抗値が10 8 〜10 15 Ω・cmで厚みが30
〜300μmの搬送手段と、この搬送手段により搬送さ
れる転写材上に前記現像剤像を転写する転写手段と、前
記搬送手段の転写材担持面に対向する側に設けられた搬
送手段との接触ニップ幅が0.2mm〜2mmで、この
接触状態の時の抵抗値が10 4 〜10 10 Ωであり、前記
搬送手段に転写材を静電吸着させるため弾性吸着手段
と、前記転写材と前記現像剤像との同期をとるための弾
性吸着手段より上流側にある表面が絶縁性のレジストロ
ーラと、を備えている。
ベルトへの電荷付与を抵抗値が104〜1010Ωの弾性
バイアス印加手段を採用することによって安定に実施す
ることができるために、良好で安定な転写が可能とな
り、半導電性転写ベルトの絶縁破壊も防止することが可
能となる。
導電性転写ベルトへの被転写材の静電吸着を抵抗値が1
04〜1010Ωの弾性吸着バイアス印加手段を採用する
ことによって良好で安定に実施することが可能であり、
半導電性転写ベルトの絶縁破壊も防止することが可能と
なる。
写材をタイミングを計って送り出すレジストローラの表
面を絶縁性にすることによって、多湿環境下でも安定な
被転写材の半導電性転写ベルトへの吸着も可能になる。
写材搬送部材の吸着手段が接している面から、像担持体
が接している面までの抵抗値が、転写手段から像担持体
までの抵抗値より大きいために、吸着動作が安定し、転
写不良を生じることがない。
写材搬送部材の吸着手段と接している面から、一方の転
写材搬送部材支持・駆動部材が転写材搬送部材と接して
いる面までの転写材搬送部材の抵抗値が、転写手段が転
写材搬送部材と接している面から、像担持体が転写材搬
送部材と接している面までの転写材搬送部材の抵抗値よ
りも高く設定することによって、転写電荷付与手段から
半導電性転写ベルトへ付与された電荷が、半導電性ベル
トを介して転写領域以外へ漏洩することが、防止できる
ために、転写不良を生じないで、良好で安定な転写が可
能となる。
明する。図1は本発明の画像形成装置の概略断面図であ
る。図1において、像担持体である感光体ドラム1a
は、図示矢印方向へ回転可能に設けられている。
に沿って以下のものが配設されている。すなわち、感光
体ドラム1aを一様に帯電させる帯電手段である帯電ロ
ーラ5aが感光体ドラム1aの表面に接触して設けら
れ、この帯電ローラ5aの下流側には帯電した感光体ド
ラム1aに露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手
段である露光装置7aが設けられている。また露光装置
7aの下流には黒色の現像剤である黒トナーTaを収納
し、この黒トナーTaで露光装置7aにより形成された
静電潜像を現像する現像手段である現像器9aが設けら
れている。現像器9aの下流には感光体ドラム1aに対
し、転写材である転写紙Pを搬送する搬送手段10が設
けられている。この搬送手段10については後述する。
接位置よりも下流側には清掃手段であるブレード式クリ
ーニング装置17a及び除電手段である除電ランプ19
aが設けられている。ブレード式クリーニング装置17
aは、現像剤像であるトナー像Ta′の転写後に感光体
ドラム1a上に残留した黒トナーTaをブレード21に
より掻き落として除去するものである。
ドラム1aの表面を除電するものである。この除電ラン
プ19aによる除電により画像形成の1サイクルを終
え、次に画像形成する時に未帯電の感光体ドラム1aは
再び帯電ローラ5aにより帯電される。
ム幅とほぼ等しい幅を有した転写材搬送部材としての無
端のベルト11からなっている。ベルト11は、転写紙
Pの搬送路の上流側に設けられた上流側支持部材として
の保持ローラ13及び搬送路の下流側に設けられた下流
側支持部材としての保持ローラ15に巻き掛けられた状
態で張設されている。保持ローラ13から保持ローラ1
5までの距離は、約300mmである。尚、保持ローラ
13、15は、本発明の支持手段として機能する。
び保持ローラ15が、各々図示矢印h及びj方向に回転
することにより、保持ローラ13及び保持ローラ15の
外周に接触しながら図中矢印e方向に走行するようにな
っている。本実施例では、ベルト11の移動速度は、5
0mm/sであり、A4用紙で8枚/分の印字速度であ
る。
0の近傍には、多数枚の転写紙Pを一括して収容する給
紙カセット25が設けられており、ピックアップローラ
27の図示矢印f方向に回転により、最上端の転写紙P
を1枚ずつ取出されるようになっている。
された転写紙Pの先端が、搬送手段10の手前側に配設
された下ローラ29Aと上ローラ29Bとからなる停止
中のレジストローラ対29に突き当たった状態、かつ、
少し撓んだ状態となるまでの時間継続して停止する。こ
れにより、転写紙Pは、先端の位置決めと整位とがなさ
れた状態となる。
ラム1aに形成されたトナー像Ta′の先端が、転写紙
Pの先端にくるようにタイミングをとって回転を開始
し、転写紙Pを搬送手段10へ送り出すようになってい
る。
んで保持ローラ13と対向する位置に設置された弾性吸
着手段である吸着ローラ24に搬送される。この吸着ロ
ーラ24として、φ10mmのカーボン分散ウレタンゴ
ムローラを用いた。
1により行う。印加電圧は−1.5kVとした。吸着の
ための印加電圧は高ければ高い程、ベルト11に付与す
る電荷量が増え吸着力が増すが、ベルト11の耐電圧性
に限界がある(大きくても3kV程度)。
写紙Pの動きに従動して回転する。転写紙Pが吸着ロー
ラ24の配設位置に搬送されてくると同時に吸着ローラ
24に吸着バイアスが印加される。それにより転写紙P
表面は負に帯電し、ベルト11の反対側(保持ローラ1
3側)は正に帯電する。この電荷による静電力で転写紙
Pをベルト11に吸着することができる。
ラ5a、露光装置7a、現像器9a、ブレードクリーニ
ング装置17a及び除電ランプ19aによって黒色用の
プロセスユニット100aを構成している。
持ローラ15との間に対応する位置には、上述の黒色用
のプロセスユニット100aの他に、転写紙Pの搬送方
向に沿ってイエロー画像形成用のプロセスユニット10
0b、マゼンダ画像形成用のプロセスユニット100
c、及びシアン画像形成用のプロセスユニット100d
が順次配設されている。
0b、マゼンダ用のプロセスユニット100c、及びシ
アン用のプロセスユニット100dは、黒色用のプロセ
スユニット100aと基本構成は同一であるので、前述
の符号aを、イエロー用は符号b,マゼンダ用はc,シ
アン用はdの符号に変えることで、詳細な説明は省略す
る。
の感光体ドラム1a,1b,1c,1dと順次接触す
る。この転写紙Pと各々の感光体ドラム1a,1b,1
c,1dとの当接位置近傍には、弾性バイアス印加手段
であり転写手段である給電ローラ23a,23b,23
c,23dが感光体ドラム1a,1b,1c,1dに1
対1に対応して設けられている。
3c,23dは、対応する感光体ドラム1a,1b,1
c,1dとベルト11との当接位置近傍で、ベルト11
に背面に接触して設けられ、ベルト11を介して感光体
ドラム1a,1b,1c,1dと対向するようになって
いる。
23c,23dは、ベルト11の走行に従動して回転す
るようになっていると共に、給電ローラ23a,23
b,23c,23dは、電圧印加手段であるバイアス電
源31a、31b、31c、31dに接続されている。
置の画像形成プロセスについて述べる。上述の4つのプ
ロセスユニット100a,100b,100c,100
dの各々の回転する感光体ドラム1a,1b,1c,1
dが、まず、帯電ローラ5a,5b,5c,5dによっ
て一様に約−500Vに帯電される。
感光体ドラム1aに、露光装置7aからレーザビームが
照射され、静電潜像が形成される。この静電潜像は現像
器9aにより予め十分に帯電された黒トナーTaにより
現像が行われ感光体ドラム1a上に黒色トナー像Ta′
が形成される。
0b、マゼンダ用のプロセスユニット100c、シアン
用のプロセスユニット100dの各感光体ドラム1b,
1c,1d上にも、イエロートナー像Tb′,マゼンダ
トナー像Tc′,シアントナー像Td′が形成される。
ックアップローラ27により取り出され、レジストロー
ラ対29へ送られる。レジストローラ対29は転写紙P
の先端にトナー像Ta′の先端がくるように感光体ドラ
ム1aの回転とタイミングを取った後、転写紙Pをベル
ト11上へ送り出す。
の作用によってベルト11に吸着され搬送される。さら
に、転写紙Pが転写位置に搬送されてくるとベルト11
には各々の電源31a,31b,31c,31dに接続
されている給電ローラ23a,23b,23c,23d
から電荷が順次付与される。このベルト11に付与され
た電荷によって、感光体ドラム1a,1b,1c,1d
とベルト11との間に転写電界が順次形成される。
ナー像Ta′が転写紙P上に転写される。この黒トナー
像Ta′を担持した転写紙Pは搬送されて感光体ドラム
1bに達する。感光体ドラム1bに形成されたイエロー
トナー像Tb′が、先に転写された黒トナー像Ta′上
に重ねて転写される。転写紙Pは更に搬送されて感光体
ドラム1c、感光体ドラム1dに順次対向し、同様にマ
ゼンダトナー像Tc′,シアントナー像Td′が重ねて
転写される。
ラートナー像T′を担持した転写紙Pは、保持ローラ1
5に対応した位置でベルト11から剥離され、定着手段
である定着器33へ送られ、加熱ローラ33と加圧ロー
ラ35との間を通過する。この時、カラートナー像T′
が加熱ローラ33と接触する状態で転写紙P上に定着さ
れる。
について詳細に説明する。ベルト11は、転写材である
転写紙Pの搬送と、 現像剤像であるトナー像T′の転
写という2つの機能が要求されるが、以後、転写ベルト
11という名称に統一して説明する。
ボン粒子を10重量部混入した熱硬化性ポリイミド90
重量部で、これを金型に注入し、イミド化反応によって
シームレスの転写ベルト11を作製した。成形後のサイ
ズは、幅270mmでφ668mmの環状で、膜厚は1
00μmである。ベルト材料の基材としては、他にもポ
リカーボネイト、ポリエチレンテフタレート、ポリテト
ラフルオロエチレン(テフロン)、ポリフッカビニリデ
ン(PVDF)等の樹脂や、合成された種々のポリマー
アロイ等でも良い。また、構成としても単層構造だけで
なく、多層構造でも良い。
ドフィルムの電気抵抗の測定を行った。測定は、三菱油
化製の抵抗測定器で商品名がHirestaで型名HR
SSプローブを用いて、500V印加し、10秒後の抵
抗値を求めた。抵抗値は、体積抵抗値と表面抵抗値の両
方を求めた。測定は測定マニュアルに準じて実施した。
また、測定環境は高温・多湿(30℃、85%RH)、
常温・常湿(21℃、50%RH)、低温・低湿(10
℃、20%RH)で実施した。この結果を表1に示す。
3.0×1013Ω/□であることがわかる。また、体積
抵抗値も同様に環境に関わらず、3〜4×1013Ω・c
mである。
して詳細に説明する。この給電ローラ23(23a,2
3b,23c,23dを総称して単に23とする)は、
転写ベルト11上に搬送されている転写紙Pに感光体ド
ラム1(1a,1b,1c,1dを総称して単に1とす
る)上のトナー像T′(Ta′,Tb′,Tc′,T
d′を総称して単にT′とする)を静電的に転写させる
ための電荷を供給する役割を受け持っている。
た金属ローラを用いて実験を実施したところ、その放電
が不安定で火花放電となってしまい、転写ベルト11に
均一に電荷を付与することが出来ず、転写不良が多数発
生してしまった。これは、放電を安定して行うための安
定したニップが剛体の金属ローラでは得られないためで
あると考えられる。(機械的に非常に高度な精度が要求
される。)さらに、異常放電のために転写ベルトに絶縁
破壊が生じてしまい、電圧の印加が不可能となってしま
った。
ある導電性ゴムローラを用いることにした。具体的に
は、カーボンが分散したウレタンゴムローラを用いた。
このウレタンゴムローラは、φ6mmの金属シャフトの
周りに3mmの厚みのウレタンゴムを巻いたものであ
り、JIS−A規格のゴム硬度は60°である。このゴ
ム硬度は前述の安定したニップを形成するためには、2
5°〜65°が適当である。これ以上柔らかいと、永久
歪みを生じてしまう。また、抵抗値は4×104 Ωであ
った。
転写ローラ23の金属シャフトの両側にそれぞれ500
gの重り201をつけて、金属平板200に接触させた
状態で、金属シャフトと金属平板200に電圧202を
印加して、電流を電流計203で測定し、抵抗値を求め
た。
て図1の装置に採用した場合に、通常のPPC用紙であ
る64g紙を転写材として用いて、多重転写実験を実施
した。
圧値を印加し、また実験環境を、高温・多湿(30℃、
85%RH)、常温・常湿(21℃、50%RH)、低
温・低湿(10℃、20%RH)として、多重転写特性
の評価を実施した。その結果を表2に示す。
加する電圧を種々変化させて、転写残り画像濃度及び転
写画像濃度を測定したもののうち、最も転写画像残り画
像濃度が低く、転写画像濃度が高い時の測定データであ
る。
写バイアス値(バイアス電源31aの出力電圧値)が1
200V、第2転写バイアス値(バイアス電源31bの
出力電圧値)が1250V、第3転写バイアス値(バイ
アス電源31cの出力電圧値)が1300V、第4転写
バイアス値(バイアス電源31dの出力電圧値)が14
00Vである。この時、給電ローラ23からの異常放電
である火花放電等は認められず、転写不良も発生しなか
った。
抵抗値を1010Ωとした給電ローラ23を用意して、同
様の多重転写特性を評価した。抵抗値の測定方法は前述
の方法と同様である。その結果、1010Ωとした給電ロ
ーラ23では、転写に必要な電荷を転写ベルト11に付
与させるためには、かなりの高電圧を印加する必要があ
った。具体的には、第4転写バイアス値が3000V程
度必要となった。この時の多重転写画像は、一部に部分
的に転写不良が認められた。
りすぎたために、給電ローラ23の表面の放電に適した
条件になったある部分だけに放電が生じてしまったため
である。この結果から、この抵抗値が上限と考えられ
る。
ての実験を実施した。転写紙Pの静電吸着力は、図3を
用いて説明する。転写ベルト11と吸着ローラ24に挟
まれた転写紙Pは、電源41に接続された吸着ローラ2
4の放電によって、マイナスに帯電する。この帯電に伴
って転写ベルト11には保持ローラ13からプラス電荷
が供給されて、静電的に転写紙Pと転写ベルト11は吸
着することになる。
シャフトを使用していたが、転写紙Pが多湿環境下で
は、抵抗値が極端に低くなり、バイアス電源に接続され
た吸着ローラ24からの電荷保持能力が低くなってしま
うために、転写ベルト11と転写紙Pの静電的な吸着力
が減少するといった現象が見られた。
印加する電圧値を高くして、電荷の減衰を補償すること
を行った。その結果、印加する電圧が、2000V以上
となってしまい、吸着ローラ24が異常放電(火花放
電)してしまい、転写紙Pに均一な電荷付与が出来なく
なってしまった。さらに、異常放電の結果、転写ベルト
11が部分的に絶縁破壊を生じてしまった。
とと全く同一内容であると考えられる。つまり放電を安
定して行うための安定したニップが剛体の金属ローラで
は得られないためであると考えられる。(機械的に非常
に高度な精度が要求される。)そこで、吸着ローラ24
も給電ローラ23と同様に弾性力の有る抵抗性ローラと
することで、放電の安定性を図った。φ6mmの金属シ
ャフトに厚みが2mmでカーボンを分散させて抵抗値を
104 Ωとしたものを用いた結果、高電圧を印加しても
異常放電(火花放電)せずに、転写材(紙)が転写ベル
トに吸着するのに充分な電荷を与えることが可能であっ
た。
抵抗値を1010Ωとした吸着ローラ24を用意して、同
様に吸着性能を評価した。抵抗値の測定方法は前述の方
法と同様である。その結果、1014Ωとした吸着ローラ
24では、吸着に必要な電荷を転写紙Pに付与させるた
めには、かなりの高電圧を印加する必要があった。具体
的には、3,000V程度必要となった。この時の吸着
性能は、一部に部分的に転写紙Pが浮いた状態で吸着不
良が認められた。
りすぎたために、吸着ローラ24の表面の放電に適した
条件になった有る部分だけに放電が生じてしまったため
である。この結果から、この抵抗値が上限と考えられ
る。
た。これは、多湿環境下で多重転写特性の評価を行って
いた時に、転写紙Pの転写ベルト11への吸着動作が不
安定となり、多重転写画像の色ずれが生じたことに由来
する。転写紙Pの転写ベルト11の吸着力は、前述した
ように、転写ベルト11の内側に設置された保持ローラ
13があり、これと転写ベルト11を挟んで対向してい
る吸着ローラ24からの電荷が転写紙Pに付与されるの
に伴い、設置された保持ローラ13からも転写ベルト1
1へ吸着ローラ24からとは逆極性の電荷が付与され
る。この電荷によって静電力が働き、転写紙Pが転写ベ
ルト11へ吸着されるのである。(図3参照) ここで、吸着力が低下するのは、付与された電荷が漏洩
するためであると考えられる。そこで、転写ベルト11
と転写紙Pの抵抗値の環境(湿度)依存性の評価を実施
した。
抵抗値は3〜4×1013Ω・cm、表面抵抗値も3〜4
×1013Ω/□程度であった。(表1参照)これに対し
て、転写紙Pは、表3で示すように、10℃、20%R
Hでは体積抵抗値で3.3×1011Ω・cm、21℃、
50%RHでは4.9×1010Ω・cm、30℃、85
%RHでは〜6.0×107Ω・cmと環境に対して大
きく抵抗値が変化してしまう。
では3×1012Ω/□、21℃、50%RHでは2.2
×1010Ω/□、30℃、85%RHでは1×108 Ω
/□と変化する。(表3参照) 以上から、転写紙Pの環境(湿度)による抵抗値の変化
が大きいために、転写紙Pに吸着ローラ24から付与さ
れた電荷は、転写紙P自身の低抵抗化のために、導電性
ローラであるレジストローラ対29を伝わって漏洩して
いたものと考えられる。この様子を図4に示す。
のゴムローラとして、多湿環境下で多重転写を行ったと
ころ、多重転写画像の色ずれは認められなかった。つま
り、転写紙Pは転写ベルト11にしっかり吸着してい
た。
細に検討を加えた。抵抗値について考慮しなければなら
ない事柄は、転写紙Pの静電吸着性能・多重転写性能で
ある。ここでは、転写性能に関して第1転写領域を拡大
した図5を基に検討する。
ラ23aと感光体1aで挟まれる。この状態で、給電ロ
ーラ23aには、バイアス電源31aが接続されてい
る。給電ローラ23aと感光体ドラム1aとで形成され
る電界によって、給電ローラ24から放電が生じる。こ
の時の放電電圧(放電開始電圧とは異なる。)は120
0Vであった。
に放電電流iが転写ベルト11及び転写紙Pを通して、
感光体ドラム1a側へ流れる。但し、転写ベルト11の
抵抗値は、1013Ω・cmと高いために、電荷は転写ベ
ルト11に留まる。この電荷と感光体ドラム1aとで形
成する電界によって、 感光体ドラム1a上のトナー像
Ta′は転写紙Pに静電的に転写されることになる。
1として半導電性のベルトを使用しているために、前述
した放電電荷は図6に示したような経路をとって移動す
る。つまり、図中のA1という経路とA2という経路で
ある。A1という経路は、実際の転写に寄与する電荷で
あり、若干の感光体ドラム1a側へ漏洩するものと転写
ベルト11に滞留するものである。A2という経路は、
転写ベルト11の表面(内側)を介して、接地された導
電性の保持ローラ13へ漏洩する電流であ3る。ここ
で、A2は全く転写動作には寄与しないために、不要な
電流ということになる。
した転写ベルト11に残留する電荷を漏洩するために導
電性が必要である。これによって、特別な除電工程を省
略しているために、必要不可欠の構成部品である。
は、A1>A2となるように設定する必要がある。さら
に言えば、「(転写ベルト11の体積抵抗値+感光体ド
ラム1aの体積抵抗値)<転写ベルト11の表面抵抗
値」となるように設定しなければならないということで
ある。
常湿では、表1より体積抵抗値で3×1013Ω・cmで
ある。転写ベルト11の厚みは100μmであり、給電
ローラ23aの転写ベルト11に接している幅は200
mm、給電ローラ23aの転写ベルト11への接触ニッ
プ幅は2mmであるので、 体積抵抗値は7.5×10
10Ωとなる。尚、転写部の接触ニップ幅は、転写動作中
実験機を強制オフして、感光体ドラム1aと接触してい
る幅を画像の様子を観察して求めた。
述した三菱油化製の抵抗測定器で商品名がHirest
aで型名HRSSプローブを用いて、500V印加し、
10秒後の抵抗値で求めた結果、2×1014Ω・cmで
あった。
求めた方法と同じようにして、抵抗値を算出したとこ
ろ、1×1011Ωであった。(転写ベルト11と感光体
ドラム1aの接触ニップ幅を2mm、感光体ドラム1a
の膜厚を20μmとして計算した。)故に、転写ベルト
11と感光体ドラム1aの体積方向の抵抗値は約2×1
011Ωである。
ながら説明する。転写ベルト11の表面抵抗は約3×1
013Ω/□であり、給電ローラ23aの転写ベルト11
に接しているところから、保持ローラ13が転写ベルト
11に接するまでの距離(L1)は52mmである。給
電ローラ23の転写ベルト11に接している幅は200
mmであるので、給電ローラ23aと保持ローラ13の
間の抵抗値は、3×1013( Ω/□)/200×52=
7.8×1012Ω となる。
体ドラム1aの体積抵抗値(2×1011Ω)の方が、転
写ベルト11の表面抵抗値(7.8×1012Ω)より小
さいために、放電電荷が有効に転写電界を形成すること
になる。実際の画像も転写不良がない良好な画像であっ
た。
24による影響を考慮する必要がある。吸着ローラ24
もバイアス電圧を印加することによって、転写紙Pに電
荷を付与し、転写ベルト11に吸着させるという役割を
担っている。
るA4と保持ローラ13へ漏洩するA3である。A4の
抵抗成分を考えると、転写紙Pの表面抵抗は、表3より
常温・常湿では2.2×1010Ω/□であり、吸着ロー
ラ24と第1転写部までの距離(図7のL1)は52m
mである。また、吸着ローラ24の幅は200mmであ
るので、転写紙Pの表面抵抗値は、5.5×108 Ωと
なる。
の計算結果より、1×1011Ωであるために、A4の電
流が流れる経路の抵抗値は、ほぼ1×1011Ωというこ
とになる。
と、転写紙の体積抵抗値は4.9×1010Ω・cmで、
吸着ローラ24の転写紙Pに対するニップ幅が2mm
で、吸着ローラ24の幅が200mm、転写紙Pの厚み
は0.1mmであるために、転写紙Pの体積抵抗は、
1.2×108 Ωとなる。さらに、転写ベルト11の体
積抵抗は前述のように、7.5×1010Ωであるので、
A3の電流が流れる経路の抵抗値は、ほぼ7.5×10
10Ωである。
響を与えないためには、A2及びA4の電荷が相互に影
響を及ぼさない程度に、各々のプロセスに関与するA1
及びA3に影響が無いことである。このことを考える
と、前述したようにA2に関与する抵抗値(7.8×1
012Ω)は、A1に関与する抵抗値(2×1011Ω)よ
り大きいために、転写プロセスは吸着プロセスに悪影響
を及ぼさないことがわかる。さらに、A4に関与する抵
抗値(1×1011Ω)は、A3に関与する抵抗値(7.
5×1010Ω)より大きいために、吸着プロセスは転写
プロセスに悪影響を及ぼさないことがわかる。
イト樹脂中にカーボンを分散させて製作したものについ
て評価した。先ず、この転写ベルト11の体積抵抗値と
表面抵抗値を前述の測定器並びに測定方法で測定した結
果を表4に示す。
ポリカーボネイト転写ベルトの抵抗値の測定データを記
載しているが、議論は常温・常湿環境下に於ける抵抗値
で行う。(他の環境下でも基本的には同じ結果とな
る。)表4より、体積抵抗値は4×107 Ω・cmであ
る。
リイミド転写ベルトと同様に100μmとした。さら
に、給電ローラ23aの転写ベルト11に接している幅
は200mm、給電ローラ23aの転写ベルト11への
接触ニップ幅はカーボン分散ポリイミド転写ベルトと同
様に2mmであったので、体積抵抗値は1×105 Ωと
なる。
じものを使用したので、感光体ドラム1aの体積抵抗値
は1×1011Ωである。故に、転写ベルト11と感光体
ドラム1aの体積方向の抵抗値は約1×1011Ωで有
る。つまり、カーボン分散ポリカーボネイト転写ベルト
11の抵抗値は感光体ドラム1aの抵抗値と比較して極
端に小さいことがわかる。
ながら説明する。転写ベルト11の表面抵抗は8×10
8 Ω/□であり、給電ローラ23aの転写ベルト11に
接しているところから、保持ローラ13が転写ベルト1
1に接するまでの距離(L1)は52mmである。給電
ローラ23aの転写ベルト11に接している幅は200
mmであるので、給電ローラ23aと保持ローラ13の
間の抵抗値は、8×108 ( Ω/□)/200×52=
2×108 Ω となる。
体ドラム1aの体積抵抗値(1×1011Ω)の方が、転
写ベルト11の表面抵抗値(2×108 Ω)より大きい
ために、放電電荷が有効に転写電界を形成することが出
来ずに、導電性保持ローラ13へ流れることになる。こ
れは、実際の画像にも反映されており、転写不良が発生
した。また、保持ローラ13に多量の電荷が流入するこ
とにより、吸着動作が不安定となった。
ョンでも発生した。このことを図8を用いて説明する。
転写紙Pは、転写ベルト11と共に給電ローラ23dと
感光体ドラム1dで挟まれる。この状態で、給電ローラ
23dにはバイアス電源31dが接続されている。給電
ローラ23dと感光体ドラム1dとで形成される電界に
よって、給電ローラ23dから放電が生じる。この時の
放電電圧(放電開始電圧とは異なる。)は、1400V
であった。
に放電電流A5が転写ベルト11及び転写紙Pを通し
て、感光体ドラム1d側へ流れる。但し、転写ベルト1
1の抵抗値は1013Ω・cmと高いために、電荷は転写
ベルト11に留まる。この電荷と感光体ドラム1dとで
形成する電界によって、感光体ドラム1d上のトナー像
Td′は転写紙Pに静電的に転写されることになる。
1として半導電性のベルトを使用しているために、前述
した放電電荷は図中のA6という経路を辿るものも存在
する。
電荷であり、若干の感光体ドラム1d側へ漏洩するもの
と転写ベルト11に滞留するものである。A6は、転写
ベルト11の表面(内側)を介して、接地された導電性
の保持ローラ15へ漏洩する電流である。ここで、A6
は全く転写動作には寄与しなために、不要な電流という
ことになる。
した転写ベルト11に残留する電荷を漏洩するために導
電性が必要である。これによって、特別な除電工程を省
略しているために、必要不可欠の構成部品である。そこ
で、転写を効率良く実施するためには、A5>A6とな
るように設定する必要がある。さらに言えば、「(転写
ベルト11の体積抵抗値+感光体ドラム1dの体積抵抗
値)<転写ベルト11の表面抵抗値」となるように設定
しなければならないということである。
常湿では、表1より、体積抵抗値で3×1013Ω・cm
である。転写ベルト11の厚みは100μmであり、給
電ローラ23dの転写ベルト11に接している幅は20
0mm、給電ローラ23dの転写ベルト11への接触ニ
ップ幅は2mmであるので、体積抵抗値は7.5×10
10Ωとなる。尚、転写部の接触ニップ幅は、転写動作中
実験機を強制オフして、感光体と接触している幅を画像
の様子を観察して求めた。
述した三菱油化製の抵抗測定器で商品名がHirest
aで型名HRSSプローブを用いて、500V印加し、
10秒後の抵抗値で求めた結果、2×1014Ω・cmで
あった。そこで、転写ベルト11の実際の抵抗値を求め
た方法と同じようにして、抵抗値を算出したところ、1
×1010Ωであった。(転写ベルト11と感光体ドラム
1dの接触ニップ幅を2mmとして計算した。)故に、
転写ベルト11と感光体ドラム1dの体積方向の抵抗値
は約2×1011Ωである。
しながら説明する。転写ベルト11の表面抵抗は約3×
1013Ω/□であり、給電ローラ23dの転写ベルト1
1に接しているところから、保持ローラ15が転写ベル
ト11に接するまでの距離(L2)は40mmである。
給電ローラ23dの転写ベルト11に接している幅は2
00mmであるので、給電ローラ23dと保持ローラ1
5の間の抵抗値は、3×1013( Ω/□)/200×4
0=6×1012Ω となる。
体ドラム1dの体積抵抗値(1×1011Ω)の方が、転
写ベルト11の表面抵抗値(6×1012Ω)より小さい
ために、放電電荷が有効に転写電界を形成することにな
る。実際の第4転写画像は、転写不良も無く良好な画像
が得られた。
イト樹脂中にカーボンを分散させて製作したものについ
て評価した。先ず、この転写ベルト11の体積抵抗値と
表面抵抗値を前述の測定器並びに測定方法で測定した結
果を表5に示す。
散ポリカーボネイト転写ベルトの抵抗値の測定データを
記載しているが、議論は常温・常湿環境下に於ける抵抗
値で行う。(他の環境下でも基本的には同じ結果とな
る。)表5より、体積抵抗値は4×107 Ω・cmであ
る。
リイミド転写ベルトと同様に100μmとした。さら
に、給電ローラ23dの転写ベルト11に接している幅
は200mm、給電ローラ23dの転写ベルト11への
接触ニップ幅はカーボン分散ポリイミド転写ベルトと同
様に2mmであったので、体積抵抗値は1×105 Ωと
なる。
じものを使用したので、感光体ドラム1dの体積抵抗値
は1×1010Ωである。故に、転写ベルト11と感光体
ドラム1dの体積方向の抵抗値は約1×1010Ωであ
る。つまり、カーボン分散ポリカーボネイト転写ベルト
11の抵抗値は感光体ドラム1dの抵抗値と比較して極
端に小さいことがわかる。
ながら説明する。転写ベルト11の表面抵抗は8×10
8 Ω/□であり、給電ローラ23dの転写ベルト11に
接しているところから、保持ローラ15が転写ベルト1
1に接するまでの距離(L1)は40mmである。給電
ローラ23dの転写ベルト11に接している幅は200
mmであるので、給電ローラ23dと保持ローラ15の
間の抵抗値は、8×108 ( Ω/□)/200×40=
6×108 Ω となる。
体ドラム1dの体積抵抗値(1×1010Ω)の方が、転
写ベルト11の表面抵抗値(1.6×108 Ω)より大
きいために、放電電荷が有効に転写電界を形成すること
が出来ずに、導電性保持ローラ15へ流れることにな
る。これは、実際の画像にも反映されていた。
湿で3.2×1013Ω・cmの体積抵抗率のカーボン分
散ポリイミド・転写ベルト11のバイアス印加条件を変
更しても、本ベルトによる転写効率は改善されずに転写
不良が発生した。さらに、バイアス電源31dは過剰電
流が流れたために、その機能を自己停止してしまった。
ラ23a(23d)が、転写材搬送部材である転写ベル
ト11と接している面から、一方の転写材搬送部材支持
・駆動部材としての保持ローラ13(15)が転写ベル
ト11として接している面までの転写ベルト11の抵抗
値が、給電ローラ23a(23d)が転写ベルト11と
接している面から、像担持体としての感光体ドラム1a
(1d)までの抵抗値よりも高いことが必要であること
がわかる。
なく、例えば、搬送手段10として、転写材搬送部材と
してのベルト11を転写材搬送部材支持・駆動部材とし
ての保持ローラ13,15を介して偏平状に張設したも
のについて説明したが、ドラム状に張設してもよい。そ
の他、本発明の要旨を変えない範囲で種々変形実施可能
なことは勿論である。
ら、次のような効果を奏する。つまり、本発明の画像形
成装置によれば、半導電性転写ベルトへの電荷付与を抵
抗値が104〜1010Ωの弾性バイアス印加手段を採用
することによって安定に実施することができるために、
良好で安定な転写が可能となり、半導電性転写ベルトの
絶縁破壊も防止することができる。
導電性転写ベルトへの被転写材の静電吸着を抵抗値が1
04〜1010Ωの弾性吸着バイアス印加手段を採用する
ことによって良好で安定に実施することが可能であり、
半導電性転写ベルトの絶縁破壊も防止することができ
る。
写材をタイミングを計って送り出すレジストローラの表
面を絶縁性にすることによって、多湿環境下でも安定な
被転写材の半導電性転写ベルトへの吸着も可能になる。
写材搬送部材の吸着手段が接している面から、像担持体
が接している面までの抵抗値が、転写手段から像担持体
までの抵抗値より大きいために、吸着動作が安定し、転
写不良を生じることがない。
写材搬送部材の吸着手段と接している面から、一方の転
写材搬送部材支持・駆動部材が転写材搬送部材と接して
いる面までの転写材搬送部材の抵抗値が、転写手段が転
写材搬送部材と接している面から、像担持体が転写材搬
送部材と接している面までの転写材搬送部材の抵抗値よ
りも高く設定することによって、転写電荷付与手段から
半導電性転写ベルトへ付与された電荷が、半導電性ベル
トを介して転写領域以外へ漏洩することが、防止できる
ために、転写不良を生じないで、良好で安定な転写がで
きる。
図。
係を示す図。
体)、10…搬送手段、11…転写ベルト(転写材搬送
部材)、13…保持ローラ(転写材搬送部材支持・駆動
部材)、15…保持ローラ(転写材搬送部材支持・駆動
部材)、23(23a,23b,23c,23d)…給
電ローラ(弾性バイアス印加手段,転写手段)、24…
吸着ローラ(弾性吸着手段)、29…レジストローラ
対、31a、31b、31c、31d…バイアス電源
(電圧印加手段)、P…転写紙(転写材)、T′(T
a′,Tb′,Tc′,Td′)…トナー像(現像剤
像)。
Claims (5)
- 【請求項1】 像担持体に現像像を形成する像形成手段
と、 前記像担持体に接触して設けられ、転写材を前記像担持
体へ搬送する搬送手段と、 前記搬送手段を介して前記像担持体と対向する位置に設
けられ、前記搬送手段の転写材担持面と反対側の面に放
電により転写電荷を供給し、前記像担持体に形成された
現像像を前記転写材上に静電的に転写する転写手段と、 前記搬送手段を接触支持するための、前記搬送手段の搬
送方向上流側に位置する上流側支持部材と前記搬送手段
の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材とを備えた
支持手段と、 を有し、 前記転写手段の転写位置における前記転写手段から前記
像担持体までの前記転写手段および像担持体の体積方向
の抵抗値は、前記転写手段と前記搬送手段との対向位置
から、前記上流側支持部材と前記搬送手段との接触位置
までの前記搬送手段の面方向の抵抗値よりも小さいこと
を特徴とする画像形成装置。 - 【請求項2】 像担持体に現像像を形成する像形成手段
と、 前記像担持体に接触して設けられ、転写材を前記像担持
体へ搬送する搬送手段と、 前記搬送手段を介して前記像担持体と対向する位置に設
けられ、前記搬送手段の転写材担持面と反対側の面に放
電により転写電荷を供給し、前記像担持体に形成された
現像像を前記転写材上に静電的に転写する転写手段と、 前記搬送手段を接触支持するための、前記搬送手段の搬
送方向上流側に位置する上流側支持部材と前記搬送手段
の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材とを備えた
支持手段と、 を有し、 前記転写手段の転写位置における前記転写手段から前記
像担持体までの前記転写手段および像担持体の体積方向
の抵抗値は、前記転写手段と前記搬送手段との対向位置
から、前記下流側支持部材と前記搬送手段との接触位置
までの前記搬送手段の面方向の抵抗値よりも小さいこと
を特徴とする画像形成装置。 - 【請求項3】 所定の方向に沿って配置された4つの像
担持体にそれぞれ現像像を形成する4つの像形成手段
と、 前記4つの像担持体に接触して設けられ、転写材を前記
4つの像担持体へ順次搬送する搬送手段と、 前記搬送手段を介して前記4つの像担持体とそれぞれ対
向する位置に設けられ、前記搬送手段の転写材担持面と
反対側の面に放電により転写電荷を供給し、前記4つの
像担持体それぞれに形成された現像像を前記転写材上に
静電的に転写する4つの転写手段と、 前記搬送手段を接触支持するための、前記搬送手段の搬
送方向上流側に位置する上流側支持部材と前記搬送手段
の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材とを備えた
支持手段と、 を有し、 前記搬送手段の転写材搬送方向に沿って最も上流に位置
する転写手段の転写位置における該転写手段から対向す
る像担持体までの該転写手段および像担持体の体積方向
の抵抗値は、この最も上流に位置する転写手段と前記搬
送手段との対向位置から、前記上流側支持部材と前記搬
送手段との接触位置までの前記搬送手段の面方向の抵抗
値よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項4】 所定の方向に沿って配置された4つの像
担持体にそれぞれ現像像を形成する4つの像形成手段
と、 前記4つの像担持体に接触して設けられ、転写材を前記
4つの像担持体へ順次搬送する搬送手段と、 前記搬送手段を介して前記4つの像担持体とそれぞれ対
向する位置に設けられ、前記搬送手段の転写材担持面と
反対側の面に放電により転写電荷を供給し、前記4つの
像担持体それぞれに形成された現像像を前記転写材上に
静電的に転写する4つの転写手段と、 前記搬送手段を接触支持するための、前記搬送手段の搬
送方向上流側に位置する上流側支持部材と前記搬送手段
の搬送方向下流側に位置する下流側支持部材とを備えた
支持手段と、 を有し、 前記搬送手段の転写材搬送方向に沿って最も下流に位置
する転写手段の転写位置における該転写手段から対向す
る像担持体までの該転写手段および像担持体の体積方向
の抵抗値は、この最も下流に位置する転写手段と前記搬
送手段との対向位置から、前記下流側支持部材と前記搬
送手段との接触位置までの前記搬送手段の面方向の抵抗
値よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項5】 像担持体に形成された現像剤像を転写す
るよう前記像担持体に転写材を搬送し、この転写材を前
記像担持体に当接させる体積固有抵抗値が108〜10
15Ω・cmで厚みが30〜300μmの搬送手段と、 この搬送手段により搬送される転写材上に前記現像剤像
を転写する転写手段と、 前記搬送手段の転写材担持面に対向する側に設けられた
搬送手段との接触ニップ幅が0.2mm〜2mmで、こ
の接触状態の時の抵抗値が104〜1010Ωであり、前
記搬送手段に転写材を静電吸着させるため弾性吸着手段
と、 前記転写材と前記現像剤像との同期をとるための弾性吸
着手段より上流側にある表面が絶縁性のレジストローラ
と、 を有する画像形成装置。
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