JP3324412B2 - 気筒識別装置 - Google Patents

気筒識別装置

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JP3324412B2
JP3324412B2 JP27968996A JP27968996A JP3324412B2 JP 3324412 B2 JP3324412 B2 JP 3324412B2 JP 27968996 A JP27968996 A JP 27968996A JP 27968996 A JP27968996 A JP 27968996A JP 3324412 B2 JP3324412 B2 JP 3324412B2
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剛 忠永
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所謂3気筒エンジ
ンや5気筒エンジン等の気筒数が奇数である多気筒内燃
機関における各気筒の行程位相を、簡単な構成の下で、
しかもドライバビリティを悪化させることなしに確実に
検出することのできる気筒識別装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近時、多気筒内燃機関において
は、各気筒に対する燃料噴射とその点火を電子的に制御
することが行われている。特にリーンバーン運転を行う
ような場合、その電子的な制御が必須である。この種の
制御を行う場合、各気筒の行程位相を正確に把握してい
ることが重要であり、また失火を検出する上でも、例え
ば燃焼行程にある気筒を識別することが重要である。
【0003】従来、この種の気筒識別は各気筒が2回転
で1回の燃焼行程を有し、これらの各気筒の燃焼行程が
順次等間隔に迎えるように設定されていることから、例
えば特開平5−106500号公報に開示されるように
専らクランク軸に設けられた回転角センサ(クランク角
センサ)と、上記クランク軸の2回転に対して1回転す
るカム軸に設けられた気筒識別センサとしての回転角セ
ンサ(カム角センサ)とを用いて、各センサの出力信号
の組み合わせにより気筒識別が行われている。また構成
の簡易化を図ったものとして、例えば特開平1−219
342号公報に示されるように、クランク角センサと気
筒識別センサとを兼用したセンサをカム軸に設け、その
センサの出力信号により気筒識別を行うものがある。更
に特開平6−213052号公報に示されるように、意
図的に特定の気筒を失火させ、そのときの回転変動から
気筒識別を行う手法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで特に3気筒エ
ンジンではシステムの簡素化やコスト低減の為、気筒識
別装置としては上記特開平1−219342号公報に示
されるように、カム軸に設けた1つのセンサで気筒識別
を行うことが一般的である。しかしカム軸はクランク軸
に対してベルトの撓み等による若干の位相ずれを生じ
る。これ故、上述の気筒識別装置において、カム軸に
けたセンサだけで失火検出や回転変動検出を行うことは
困難である。従って、例えば前記特開平5−10650
0号公報に示されるように、ベルトの撓み等による位相
ずれのないクランク軸に気筒識別センサを設けた気筒識
別装置とすることが必要である。しかしこのようにする
と装置の構成が複雑となり、センサの数が増える分だけ
コストアップとなることが否めない。
【0005】これに対して構成の簡略化を図ったものと
して、特開平6−213052号公報のように、クラン
ク軸に設けたセンサだけで、強制的な失火を利用して気
筒判別を行うものもあるが、このような手法では失火に
伴う回転変動に起因してドライバビリティが悪化するこ
とが否めない。特に3気筒エンジンの場合、4気筒エン
ジンに比べて失火に伴う回転変動の影響が大きく生じる
ので望ましくない。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、3気筒エンジンや5気筒エンジ
ンのような奇数気筒からなる多気筒内燃機関において、
ドライバビリティの劣化を招来することなしに、その気
筒判別を簡単な構成で、しかも正確に行うことのできる
気筒識別装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、2回転に1回の燃焼行程を有して駆動さ
れる奇数の気筒を、順次等間隔に燃焼行程を迎えるよう
に構成した多気筒内燃機関において用いられる気筒識別
装置に係り、特に請求項1に記載するように 上記多
気筒内燃機関の出力軸、例えばクランク軸に設けられ、
該クランク軸の回転に同期して、該出力軸の特定の回転
位相を示す特定信号を出力する特定信号発生手段と、
前記出力軸の1回転中における増速または減速区間の
始点と終点とをそれぞれ規定する為のトリガ信号を出力
するトリガ信号発生手段と、 上記トリガ信号によっ
て示される各区間の時間長を計測するタイマ手段と、
このタイマ手段によって計測される各トリガ信号間の
時間長から、前記増速または減速区間の一方の時間長
(例えば区間幅)を表す第1情報、および前記増速また
は減速区間の他方の時間長(区間幅)を表す第2情報を
検出する情報検出手段と、 上記第1情報と第2情報
との比較結果および前記特定信号に基づいて前記各気筒
における行程位相を識別する識別手段とを具備したこと
を特徴としている。或いは請求項2に記載するように
上記多気筒内燃機関の出力軸、例えばクランク軸に設
けられ、該クランク軸の回転に同期して、該出力軸の特
定の回転位相を示す特定信号を出力する特定信号発生手
段と、 前記出力軸の1回転中における増速または減
速区間の始点および終点と、前記出力軸の特定の回転位
相を示す特定区間の始点および終点とをそれぞれ規定す
る為のトリガ信号を出力するトリガ信号発生手段と、
上記トリガ信号によって示される各トリガ信号間の時
間長を計測するタイマ手段と このタイマ手段によ
って計測される各トリガ信号間の時間長から、前記出力
軸の1回転中における増速または減速区間の一方の時間
長(例えば区間幅)を表す第1情報、および前記増速ま
たは減速区間とは異なる別の特定区間の時間長(区間
幅)を表す第2情報を検出する情報検出手段と、
記第1情報と第2情報との比較結果および前記特定信号
に基づいて前記各気筒における行程位相を識別する識別
手段とを具備したことを特徴としている。
【0008】つまり奇数気筒であるが故に、出力軸の一
回転中における増速または減速区間の位相が該出力軸の
1回転目と2回転目とで反転することを積極的に利用
し、且つ時間長をある区間幅における経過時間とした場
合、増速区間ではその時間長が短く、また減速区間では
その時間長が長くなることに着目して、第1情報と第2
情報との比較結果として前記出力軸が1回転目であるか
2回転目であるかを検出し、この検出結果と前記特定信
号との関係から各気筒の行程位相を確実に検出するよう
にしたことを特徴としている。
【0009】尚、上記では時間長をある区間幅における
経過時間としているが、例えばクランク軸の回転に同期
して所定角度毎に信号を発生する信号発生手段を有する
場合には、或る区間幅で出力されたパルス信号数や、同
一パルス信号数に対応する区間幅(例えばベーンの角度
情報)等が時間長となり得る
【0010】つまり奇数気筒が等間隔で爆発行程を迎え
ることから、増速区間または減速区間が出力軸の2回転
においてその気筒数分発生する。そこでこの2回転中に
おける全ての増速区間または減速区間を正確に規定する
べく、例えば出力軸の回転に同期させてトリガ信号を発
生させることで、このトリガ信号を基準として各区間の
時間長の正確な計測を可能とし、その時間長の情報を第
1情報および第2情報として求めることで、気筒判別の
確実化を図ることを特徴としている。
【0011】更に請求項3に記載の発明は、請求項1ま
たは2にそれぞれ記載の各発明において、前記情報検出
手段が、前記特定信号とは別に前記各気筒に対応して燃
料噴射または点火の時期をそれぞれ設定する為の基準信
号を発生する基準信号発生手段を備え、この基準信号の
一部、望ましくはその全てを前記トリガ信号と兼用する
ことを特徴としている。つまり気筒識別の為のトリガ信
号を発生する情報検出手段自体が、燃料噴射または点火
の時期をそれぞれ設定する為の基準信号をも発生するよ
うにすることで、その構成の簡素化を図ることを特徴と
している。特に基準信号自体を前述したトリガ信号とす
ることで、装置構成の大幅な簡素化を図ることを特徴と
している。
【0012】また請求項4に記載の発明は、請求項1
記載の発明において前記トリガ信号発生手段が、前記出
力軸の回転に同期してして特定区間の始点および終点を
設定する為のマーク信号を発生する為の回転体を備えた
ものとし、前記情報検出手段においては、上記マーク信
号を基準として求められる360°の位相差を持つ2つ
の周期データの一方に基づいて前記第1情報を検出し、
上記2つの周期データの他方に基づいて前記第2情報を
検出することを特徴としている。
【0013】つまり出力軸の回転に伴って生成される3
60°の位相差を持つ2つの周期データ、即ち位相が反
転した2つの周期データを用いて第1情報および第2情
報をそれぞれ検出することで、前述した気筒判別処理の
確実化と、信号発生手段における信号タイミングの誤差
の影響を取り除いて、気筒識別精度の向上を図ることを
特徴としている。この際、各周期データとしては、その
累積値累積値の平均値を用いるようにしても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る多気筒内燃機関における気筒識別装置に
ついて説明する。図1は内燃機関を構成する1つの気筒
の概略構成を模式的に示すもので、1はシリンダ2内を
上下動自在に設けられたピストン、3はシリンダヘッド
に設けられた点火プラグ(SP)である。また上記シリ
ンダヘッドには吸排気弁4,5がそれぞれ設けられてい
る。これらの吸排気弁4,5は、カム軸6によりそれぞ
れ開閉駆動されて燃焼室内に混合気を吸気し、また燃焼
ガスを排気する。尚、カム軸6は、前記ピストン1の駆
動(上下動)により回転駆動されるクランク軸7の回転
に連動して、該クランク軸7の2回転に1回転の割で回
転し、燃焼室に対する前記吸気と排気のタイミングを規
定する。
【0015】また前記吸気弁4に繋がる吸気マニホルド
には燃料噴射弁(INJ)8が設けられている。そして
図示しないフィードポンプを介して燃料ポンプ内の燃料
が供給され、レギュレータ9により燃圧が調整された燃
料が上記燃料噴射弁8を介して吸気マニホルド内に噴射
されて所定の空燃比の混合気が形成され、この混合気が
前記吸気弁4を介して燃焼室内に供給される。尚、燃料
噴射弁8をシリンダヘッドに設けて、燃焼室内(筒内)
に燃料を直接噴射するように構成する場合もある。
【0016】尚、図中10はクランク軸7に設けたベー
ン型のクランク角センサである。電子制御ユニット(E
CU)11は、上記クランク角センサ10から得られる
各気筒の所定のクランク位置(例えばBTDC5°およびBT
DC75°)を示すクランク角信号SGTに基づいて後述
するように気筒識別を行い、また各気筒に対する燃料噴
射時期および点火時期をそれぞれ制御するものとなって
いる。
【0017】このように構成された気筒(エンジン)
は、基本的にはピストン1の上下動に関連して吸気,圧
縮,爆発(燃焼),排気の4行程を巡回的に実行するこ
とで動作し、その間、クランク軸7を2回転させる。多
気筒内燃機関はこのように2回転に1回の燃焼行程を有
して動作する複数の気筒を、各気筒の燃焼行程が順次等
間隔に迎えるように構成したものであり、その気筒数に
応じて3気筒エンジン,4気筒エンジン等と称される。
【0018】この発明に係る気筒識別装置は、上述した
多気筒内燃機関の内、特にその気筒数が奇数である、例
えば3気筒エンジンに適用されるもので、後述するよう
に特異パルスを得る如く工夫を施したクランク角センサ
10を用い、このクランク角センサ10から得られる信
号だけに基づいて気筒識別処理を実行するようにしたこ
とを特徴としている。そしてその識別結果と、前記クラ
ンク角センサ10から求められるタイミング信号とに従
って、各気筒に対する燃料の噴射時期、および点火時期
の確実な制御を行い得るようにしたものである。
【0019】図2はこの実施形態に係る気筒識別装置の
要部概略構成を示すブロック図であり、10はエンジン
の出力軸であるクランク軸7に設けられたクランク角セ
ンサである。このクランク角センサ10は、クランク軸
7に取り付けられて該クランク軸7と共に回転する回転
板10aを主体とするもので、回転板10aには、3つ
の気筒にそれぞれ対応して、例えば各気筒のBTDC5°お
よびBTDC75°なるクランク位置において後述する区間
検出の為のトリガ信号として用いられる基準信号を発生
する為の3つのベーン10b、およびクランク軸7の特
定回転位相において特定信号(特異パルス)を発生する
為の補助ベーン10cとが設けられている。この補助ベ
ーン10cはクランク軸7が1回転する都度、例えば第
3気筒のBTDC5°のタイミングから10°CA(クランク
角)の遅れを以て10°CAのパルスを生成する如く設け
られる。
【0020】このようなベーン10b,10cを備えた
回転板10aの回転によるクランク角センサ10からの
信号の発生は、例えば上記ベーン10b,10cの通過
を検出してオン・オフ動作し、ベーン検出時に[H],ベ
ーン間(切欠き部)において[L]となる信号を発生する
近接センサ10dを用いて行われる。しかして上記クラ
ンク角センサ10からの信号を入力して気筒識別処理等
を実行するECU11は、第1気筒識別手段12,パル
ス信号検出手段13,時間幅・累積手段14,気筒識別
手段15,始動検出手段16を備えている。噴射制御手
段17は、上記第1気筒識別手段12,気筒識別手段1
5,および始動検出手段16による検出情報に従って各
気筒の燃料噴射弁(INJ)8a,8b,8cの作動を制
御するものであり、また点火時期制御手段18は、前記
気筒識別手段16による検出結果に基づき、前記クラン
ク角センサ10から検出されるタイミングに従って各気
筒の点火プラグ(SP)3a,3b,3cにおける点火を
制御するものである。
【0021】尚、第1気筒識別手段12は、前記クラン
ク角センサ10から求められる前記特定信号の検出タイ
ミングから、第1気筒(#1)の特定クランク角(例え
ば上死点)を識別するものである。但し、この検出結果
からは、クランク軸7が1回転目であるときの特定クラ
ンク角であるかか、2回転目であるときの特定クランク
角であるかは分からない。
【0022】またパルス信号検出手段13は、エンジン
の回転に伴って前記クランク角センサ10の各ベーン1
0b,10cからそれぞれ得られる前記基準信号および
特定信号の立ち上がりと立ち下がりのタイミングをそれ
ぞれ検出し、各気筒の行程位相を示すクランク軸7の回
転位相と、クランク軸7の基準回転位相とをそれぞれ検
出するものである。更に時間幅・累積手段14は、この
パルス信号検出手段13によって検出されるパルス信号
に基づいて、クランク軸7の1回転中における増速区間
および減速区間の各始点と終点とをそれぞれ検出し、そ
の区間の時間長(区間幅)を求めるものである。この時
間幅・累積手段14においては、更には必要に応じてそ
の累積値を求めるものとなっている。
【0023】気筒識別手段18は、後述するように上記
各区間の時間長に基づいてクランク軸7が1回転目であ
るか2回転目であるかを判定するものであり、この判定
結果と前記特定信号のタイミングとから、例えば燃焼行
程中にある気筒の識別、ひいては各気筒の行程位相がそ
れぞれ判定される。ここで3気筒エンジンにおける各気
筒の燃焼サイクルについて簡単に説明すると、第1乃至
第3気筒#1,#2,#3の各燃焼行程は、図3に示すよ
うにクランク軸7の2回転を1周期として240°の位
相差を持たせて定められている。そして、例えばエンジ
ンの始動時であって、気筒識別前における2分割同時噴
射の場合には、図3(a)に示すタイミングでクランク軸
7が1回転する都度、第1気筒#1乃至第3気筒#3に
対して燃料が同時噴射される。また2分割シーケンシャ
ル噴射の場合には、図3(b)に示すようにクランク軸7
の回転に連動して120°の位相差をもつタイミングで
第1乃至第3の気筒#1,#2,#3に対して順に燃料噴
射が行われる。
【0024】しかし図3(a)(b)にそれぞれ示すよう
に、吸気行程以外の排気行程等において燃料を噴射する
ことは無駄である。そこで各気筒における行程位相を正
確に判定(気筒識別)し、各気筒毎に適切なタイミング
(吸気行程)で燃料噴射を行う必要が生じる。そこで本
装置においては、クランク軸7の1回転中における前述
した増速区間と減速区間の区間幅に着目して気筒識別を
行うようにしている。
【0025】即ち、3気筒(5気筒)エンジンに代表さ
れる奇数気筒エンジンにあっては、クランク軸7が2回
転(カム軸6が1回転)する1周期の間、各気筒の燃焼
行程が順次等間隔で迎えるように構成されるので、いず
れかの気筒における燃焼によりクランク軸7の回転速度
が高くなる増速区間が図4に示すように3回(5回)生
じる。このことはクランク軸7が1回転する毎に、増速
区間となる位相が120°CAずれることを意味する。そ
していずれかの気筒が燃焼行程を迎えている上記増速区
間においては、クランク軸7の回転速度が高くなること
から、その区間の時間長(区間幅)が短くなり、逆にそ
の他の区間においてはクランク軸7は摩擦等の抵抗を伴
いながら惰性により回転して回転速度が低下するので、
その区間の時間長(区間幅)が長くなる(減速区間)。
しかもこのような1回転期間中における回転変動は、そ
の気筒数が少ない程、つまり3気筒エンジンの場合に大
きく現れる。
【0026】従って、例えば上記増速区間の区間幅と、
減速区間の区間幅とをそれぞれ計測してこれらの区間幅
を比較すれば、その区間が増速区間であるか減速区間で
あるかを判定することができる。ひいてはクランク軸7
の基準回転位相に対してその計測区間が増速区間である
か、或いは減速区間であるかを調べれば、クランク軸7
の回転が1回転目であるか、或いは2回転目であるかを
判定することが可能となる。この結果、この判定結果
と、クランク角センサ10から得られるクランク軸7の
回転位相とに基づいて各気筒の行程位相を確実に検出す
ることが可能となり、燃焼行程を迎える気筒を識別する
ことが可能となる。
【0027】次に上述した観点に基づいて実行される気
筒識別処理について説明する。この処理は、先ず図5に
示す始動検出処理を実行することから開始される。この
始動検出処理は、エンジン始動の為のクランキング信号
がオンとなっているかを判定することから始められる
[ステップA1]。そしてクランキングがオンであり、
これによってエンジンが強制的に回転駆動されていると
き、前記クランク角センサ10から得られる図6に示す
ようなパルス信号(SGT)を検出し、そのハイレベル
期間TH、およびローレベル期間TLを順次計測する[ス
テップA2]。この期間の計測は、上記パルス信号(S
GT)の立ち上がりと立ち下がりのタイミング間をタイ
マにより順次カウントする等して求められる。
【0028】しかる後、一連のパルス信号(SGT)の
個々の性質(意味)を調べるべく、連続するハイレベル
期間THとローレベル期間TLとの比[TH/TL]を求め、
その比の値が[3]以上であるか否かを判定する[ステッ
プA3]。この判定はクランク角センサ10における前
述したベーン10b,10cが、前述したように各気筒
のBTDC5°およびBTDC75°を基準として定められ、第
1気筒#1に対応する基準信号(SGT)の前に特定信
号を発生するように定められていることを利用して行わ
れる。
【0029】具体的には、図6に示すように基準信号
(トリガ信号)におけるハイレベル期間が120°CA毎
に70°CAとなっており、特定信号(特異パルス)が上
記基準信号が10°CA遅れた10°CAのパルスとして1
カ所でだけ発生するように定められていることを利用し
て行われる。従ってクランク軸7が一定速度で回転して
いる場合には、上記ハイレベル期間THとローレベル期
間TLとの比[TH/TL]は、基本的には 7.0 → 0.25 → 1.4 → 1.4 → 7.0 → 0.
25 → … として変化するので、上記比[TH/TL]が[3]以上であ
るとき、これを前記特定信号(特異パルス)によって示
されるクランク軸7の特定回転位相を示す基準位置であ
ると判定する。そして上記比[TH/TL]の値の弁別判定
により特異パルスにより示される基準位置が検出された
とき、その基準信号SGTの値として[1]を与え[ステ
ップA4]、それ以外の場合には上記基準信号SGTの
値として[0]を与える[ステップA5]。
【0030】この処理は、基準信号SGTが少なくとも
4つ以上検出されるまで繰り返し実行され[ステップA
6]、その信号系列を記憶する[ステップA7]。従っ
て記憶された基準信号SGTの信号系列は [0001] , [0010] , [0100] , [1000] のいずれかとなり、検出時点における[1]なる値の基準
信号SGTにて特異パルスの位相、つまりクランク軸7
の基準回転位相が示されることになる。
【0031】しかる後、基準信号SGTが検出される都
度[ステップA8]、上記の如く記憶した基準信号SG
Tの信号系列をサイクリックにシフトして更新し[ステ
ップA9]、クランク軸7の回転に伴う基準回転位相の
位置(タイミング)を変更する。つまり基準信号SGT
が検出される都度、例えば最初に検出された信号系列が
[0001]であるならば、 → [0010] → [0100] → [1000] → [00
01] → … として順次更新する。そしてこの更新された信号系列に
従って各気筒に対する点火および燃料の同時噴射を開始
する[ステップA10]。
【0032】この点火制御は、基準信号SGTの立ち上
がりが検出された時点での前記信号系列が[0010]で
あるならば、その立ち上がりが第1気筒#1のBTDC75
°であることが示されるので、ピストン1が次に上死点
(TDC)を迎える時点で第1気筒#1の点火プラグ3
aを点火する。同様に基準信号SGTの立ち上がりが検
出された時点での信号系列が[0100]であるならば第
2気筒#2の点火プラグ3bを点火し、また信号系列が
[1000]であるならば第3気筒#3の点火プラグ3c
を点火する。このようにして各気筒に対して、クランク
軸7の1回転に1度ずつ点火する。但し、上記信号系列
が検出されるまでの期間においては、その点火を行わな
い。
【0033】また燃料の同時噴射については、クランキ
ングを開始した後、上述した信号系列のいずれかが検出
された時点で、先ず3気筒同時に噴射する。その後、例
えば上記信号系列が8回更新される都度、同時噴射す
る。このような同時噴射制御と上述した点火制御とによ
り、エンジンの始動が行われる。尚、このような燃料の
同時噴射制御に変えて、前述したシーケンシャル噴射制
御を行うことも勿論可能である。
【0034】さて上述した始動検出処理によってクラン
ク軸7の回転位相が検出されたならば、次に図7に示す
気筒判別処理が行われる。この気筒判別処理は、先ず特
定気筒、例えば燃焼行程にある第1気筒が検出されたか
を判定することから開始される[ステップB1]。そし
て特定気筒が未検出であるとき、例えばエンジンが燃料
カット・モードでの運転中であるかを判定し[ステップ
B2]、燃料カット・モードで動作中であることを条件
として図8に示す気筒識別処理を実行する[ステップB
3]。その後、その気筒識別結果に従って各気筒毎に、
その吸気行程で燃料を噴射するシーケンシャル噴射を実
行し[ステップB4]、排気上死点での点火を中止する
[ステップB5]。即ち、気筒識別結果と、クランク軸
7の回転位相とに従って、各気筒毎にその吸気行程で燃
料を噴射し、その圧縮上死点で点火する。これにより気
筒識別前の無駄な噴射と点火とを止めることができる。
【0035】ここで上記気筒識別処理について説明する
と、この処理手続きは制御パラメータn,Nをそれぞれ
[0]に初期設定した後[ステップC1,C2]、クラン
ク角センサ10から前述した基準信号(トリガ信号)お
よび特定信号(特異パルス)からなる所定の信号系列が
得られるかを判定して開始される[ステップC3]。そ
して、例えば所定の基準クロックを計数するタイマ(図
示せず)を起動した上で[ステップC4]、クランク軸
7の回転位相に従って前記信号系列中の、例えば各気筒
のBTDC5°を示す立ち下がりタイミングをクランク軸7
の1回転中における増速期間と減速区間とを分けるトリ
ガ信号として検出し[ステップC5]、その検出時点で
上記タイマを停止させることで各区間の時間幅Tnを計
測し、その時間幅Tnを記憶する[ステップC6]。
【0036】つまり各気筒のBTDC5°を示す回転位相
を、いずれかの気筒における燃焼行程によってクランク
軸7の回転速度が高まっている増速区間の始点と終点、
或いはそれ以外の減速区間の始点と終点として検出し、
各区間を規定する。そしてクランク角で120°の幅を
持つ計測区間(増速区間または減速区間)のクランク軸
7の回転に伴う時間幅Tnを前記タイマにより順次計測
し、これを記憶する。
【0037】具体的には、クランク角センサ10から求
められる前述した信号系列が[0010]となったとき、
その次の立ち下がりタイミング(BTDC5°)でタイマを
スタートさせ、その次の立ち下がりタイミング(BTDC5
°)でタイマをストップさせることでその区間の時間幅
Tnを計測し、これをクランク軸7が2回転する間(1
周期)における1回目の増速区間または減速区間の時間
幅T1として記憶する。
【0038】しかる後、前記信号系列が[0100]とな
ったとき、同様にして次の立ち下がりタイミング(BTDC
5°)と、その次の立ち下がりタイミング(BTDC5°)
との間の時間幅Tnを計測し、これを2回目の増速区間
または減速区間の時間幅T2として記憶する。更に同様
にして3回目,〜6回目の各区間における時間幅T3,T
4,T5,T6をそれぞれ計測し、燃焼サイクルの1周期に
おいて区分される増速・減速区間の各時間幅T1,T2,
〜,T6をメモリ上に求める。そして上記増速区間と減速
区間とは交互に生じることから、例えば Ta = T1 + T3 + T5 , Tb = T2 + T4 +
T6 として増速区間または減速区間の時間幅をそれぞれ累積
し、その累積時間幅Ta,Tbを相互に比較する[ステッ
プC8]。そして累積時間幅Taの方が大きいとき(Ta
> Tb)、その奇数番目の区間が増速区間であると判
定して制御パラメータNをインクリメントする[ステッ
プC9]。
【0039】尚、このような区間時間幅の計測と、その
累積時間幅の比較処理については、制御パラメータnを
インクリメントしながら[ステップC8]、例えば燃焼
サイクルの6周期に亘って繰り返し実行される[ステッ
プC10]。この繰り返しによってクランク軸7の回転
速度の揺らぎや、クランク角センサ10の製作誤差に伴
う誤差要因の相殺(吸収)がなされ、時間幅計測および
その判定処理精度の向上が図られる。
【0040】しかして上述した如くn回に亘って計測さ
れた累積時間幅Taの全てが、累積時間幅Tbより大きい
ときには制御パラメータNの値は[n]となる。逆に累積
時間幅Taの全てが、累積時間幅Tbより小さい場合に
は、上記制御パラメータNの値は[0]となる。しかし現
実的には計測時間誤差等に原因して、上記n回に亘る計
測結果の全てが同じ結果として得られるとは限らない。
【0041】そこでこの実施形態においては、パラメー
タNの値がその計測回数nの80%以上であるか否か、
或いは20%以下であるか否を判定することで、その判
定基準に余裕を持たせて気筒識別を行っている[ステッ
プC12,C13]。そしてパラメータNの値がその計
測回数nの80%以上であるとき、具体的には6回に亘
る計測判定のうち、5回または6回に亘って累積時間幅
Taの方が累積時間幅Tbより大きいとの判定結果を得た
とき、これを前述した時間幅T1を得た区間が増速区間
であって、その時間幅T1の計測開始タイミングが第1
気筒の圧縮行程5°TDCBであると判定している[ステッ
プC14]。
【0042】また逆にパラメータNの値がその計測回数
nの20%以下であるとき、具体的には6回に亘る計測
判定のうち、1回または0回だけ累積時間幅Taの方が
累積時間幅Tbより大きいとの判定結果を得たとき、換
言すれば5回または6回に亘って累積時間幅Taの方が
累積時間幅Tbよりも小さいとの判定結果を得たとき、
これを前述した時間幅T1を得た区間が減速区間であっ
て、その時間幅T1の計測開始タイミングが第1気筒の
排気行程5°TDCBであると判定している[ステップC1
5]。
【0043】尚、上記判定条件に整合しない場合には、
その測定結果の信頼性が乏しいと判断し、前述したパラ
メータN,nをリセットして前述した計測処理からの処
理手続きを再起動する[ステップC16]。またこの例
では、6周期に亘って繰り返し区間幅の計測を行って気
筒識別処理を行ったが、その繰り返し回数を更に増やす
ことも勿論可能である。また原理的には時間幅T1とT2
とを比較する等、隣接する区間での時間幅の比較により
気筒識別することも可能である。更には図4に示したよ
うにクランク軸7の1回転目と2回転目とで、増速区間
と減速区間との位相が反転することに着目して、360
°位相の異なる区間の時間幅、例えば時間幅T1と時間
幅T4とを相互に比較することも可能である。この場
合、例えばベーン10cがマーク信号となり得る。また
時間幅T1,〜T6の平均時間を求め、各区間の時間幅
(例えば時間幅T1またはT2)が上記平均時間より長い
か短いかを判定して気筒識別することも勿論可能であ
る。特に360°位相の異なる区間を利用して気筒判別
を行った場合、ベーンの製作誤差による気筒判別精度の
低下を抑制することができる。またこの手法を用いる場
合には、クランク角センサのベーンは1枚でも良く、ベ
ーンの大幅な簡素化を図ることが可能となる。
【0044】以上のように特定気筒の識別がなされ、各
気筒の行程位相がそれぞれ検出されたならば、その検出
結果に基づき、前記クランク角センサ10から各気筒に
対応して得られるBCTD75°やBCTD5°のタイミングに
従って正規噴射および正規点火によるエンジンの駆動を
行う。この場合、その動作モード切替時に数行程におい
て燃料量の過不足が生じる虞があるので、例えば1回目
の燃料噴射においては予めその過不足分を予め補正した
燃料量を噴射するようにすれば良い。
【0045】かくして上述した如く構成された気筒識別
装置によれば、各気筒に対応した基準信号(トリガ信
号)発生する為のベーン10bに加えて、クランク軸7
の特定の回転位相を示す特定信号(特異パルス)を発生
する為のベーン10cを備えたクランク角センサ7を備
えている。そしてこのクランク角センサ7から求められ
る信号に従って、クランク軸7の1回転中における増速
区間と減速区間とを規定するタイミングを正確に得なが
ら、各区間の時間幅から増速区間と減速区間を特定し、
クランク軸7の1回転目と2回転目とを正確に判定し
て、例えば燃焼行程にある特定気筒を識別することがで
きる。そしてその識別結果に基づいて、各気筒の行程位
相を正確に把握し、適切なタイミングで各気筒に対する
燃料噴射と点火とを行うことが可能となる。
【0046】従ってカム軸6にセンサを設けることなし
に、しかも特定の気筒を意図的に失火させることなし
に、上述した構成のクランク角センサ7から求められる
信号に従って簡易に、しかも確実に気筒識別を行い、且
つ正確なタイミングで各気筒に対する燃料の噴射制御と
点火制御を行い得る。特に奇数気筒に特有なエンジンの
1回転中における増速区間と減速区間との位相のずれを
積極的に利用して気筒識別を行うので、簡単で低コスト
な構成でありながら効率的に、正確な気筒識別を行うこ
とができ、しかもドライバビリティを損なうことがない
等の効果が奏せられる。
【0047】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば第1情報および第2情報として
検出する増速区間および減速区間の時間幅情報を、クラ
ンク軸7の回転に連動して等位相間隔で発生するパルス
を、予め設定された時間内で計数して求めたり、或いは
同一パルス数に対応する区間幅情報(ベーンの角度情
報)から求めたりするようにしても良い。また各気筒に
対応した行程位相を示すトリガ信号を発生するクランク
角センサと、クランク軸7の特定回転位相を示す特定信
号を発生するクランク角センサとを別個に設けることも
勿論可能である。
【0048】更にはクランク角センサからエンジンの出
力軸の回転に連動して、気筒数に応じた一連の等位相間
隔の信号列を第1トリガ信号列として発生させ、更に必
要に応じてこれらの信号列間に位置する等位相間隔の信
号列を第2トリガ信号列として発生させて、これらのト
リガ信号列に基づいて第1情報としての増速または減速
区間(以下、被比較区間と言う)と、第2情報としての
特定区間(以下、比較区間と言う)を定めても良い。
上記第1トリガ信号列の隣り合う信号間で形成される
区間を交互に比較区間と被比較区間(例えば本実施形態
の増速区間と減速区間)としても良い。また第1トリガ
信号列の信号を始点とし、これに続く第2トリガ信号列
の信号を終点として区間を設定し、これらの区間を1つ
置きに選択して上記比較区間と被比較区間としても良
い。
【0049】更には前記第1トリガ信号列の隣接する信
号間で形成される区間を上記被比較区間とし、その区間
が複数連続する区間を上記比較区間としても良い。同様
に第1トリガ信号列の信号を始点、これに続く第2トリ
ガ信号列の信号を終点とした区間を被比較区間とし、第
1トリガ信号列の隣接する信号間で形成される区間また
はその連続した区間を比較区間とすることも可能であ
る。更に本実施形態では3気筒エンジンについての気筒
識別装置について説明したが、5気筒以上の奇数気筒エ
ンジンに適用できることは言うまでもない。その他、本
発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施す
ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る気筒識
別装置は、2回転に1回の燃焼行程を有して駆動される
奇数の気筒を、順次等間隔に燃焼行程を迎えるように構
成した多気筒内燃機関において用いられるものであっ
て、多気筒内燃機関の出力軸に設けられ該出力軸の特定
の回転位相を示す特定信号と、請求項1に記載するよう
に前記出力軸の1回転中における増速または減速区間の
始点と終点とをそれぞれ規定する為のトリガ信号によっ
て示される各区間(トリガ信号間)の時間長から求めら
れる、前記増速または減速区間の一方の時間長(例えば
区間幅)を表す第1情報、および上記増速または減速区
間の他方の時間長(例えば区間幅)を表す第2情報とに
従って前記各気筒における行程位相を識別するので、意
図的な失火制御等が不要であり、ドライバビリティを損
なうことなしに簡単な構成で、しかも確実に気筒識別を
行い得る。または請求項2に記載するように、前記出力
軸の1回転中における増速または減速区間の始点および
終点と、前記出力軸の特定の回転位相を示す特定区間の
始点および終点とをそれぞれ規定する為のトリガ信号に
よって示される各トリガ信号間の時間長から求められ
る、前記出力軸の1回転中における増速または減速区間
の時間長(例えば区間幅)を表す第1情報、および上記
増速または減速区間とは異なる別の特定区間の時間長
(例えば区間幅)を表す第2情報とに従って前記各気筒
における行程位相を識別するので、請求項1に記載の発
同様に簡単な構成で、しかも確実に気筒識別を行い
得る。
【0051】特に増速区間および減速区間における始点
と終点とをそれぞれ規定する為のトリガ信号に基づいて
各トリガ信号間の時間長を計測するので、出力軸にトリ
ガ信号の発生手段を設けるだけの簡単な構成で各区間を
正確に規定して前記第1情報および第2情報を正確に求
めることができる
【0052】更に請求項3に記載の発明によれば、請求
項1または2に記載の発明において更に各気筒に対応し
て燃料噴射または点火の時期をそれぞれ設定する為の基
準信号を発生する基準信号発生手段を備え、この基準信
号の一部を、望ましくはその全てを前記トリガ信号と兼
用しているので、信号発生手段の簡単化を図り、正確で
効率的な制御が可能となる。また請求項4に記載の発明
によれば、請求項1に記載の発明において前記トリガ信
号発生手段が、特定区間の始点および終点を設定する為
のマーク信号を発生する為の回転体を備えており、この
マーク信号を基準として求められる360°の位相差を
持つ2つの周期データからそれぞれ第1情報および第2
情報を検出するので、トリガ信号発生手段の製作誤差等
による時間長(例えば時間幅)の検出精度の低下等を防
いで、より正確な気筒識別を行い得る等の効果が奏せら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される内燃機関を構成する気筒の
概略構成を模式的に示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る気筒識別装置の要部
概略構成を示すブロック図。
【図3】3気筒エンジンにおける燃焼サイクルと、気筒
識別前における燃料噴射と点火のタイミングを示す図。
【図4】3気筒エンジンおよび5気筒エンジンにおける
1燃焼サイクルでのクランク軸の回転変動を概念的に示
す図。
【図5】本発明の一実施形態に係る気筒判別処理手続き
における始動検出処理の流れを示す図。
【図6】クランク角センサから得られる信号列と、その
信号タイミングの例を示す図。
【図7】本発明の一実施形態に係る気筒判別処理手続き
におけるメイン処理の流れを示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係る気筒判別処理手続き
における区間検出と各区間の時間幅に基づく気筒識別処
理の流れを示す図。
【符号の説明】
1 ピストン 2 シリンダ 3 点火プラグ 7 クランク軸 8 燃料噴射弁 10 クランク角センサ 10b ベーン(基準信号発生用) 10c ベーン(特定信号発生用) 11 電子制御ユニット(ECU) 12 第1気筒識別手段 13 パルス信号検出手段 14 時間幅・累積手段 15 気筒識別手段 16 始動検出手段 17 噴射制御手段 18 点火時期制御手段

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2回転に1回の燃焼行程を有して駆動さ
    れる奇数の気筒を、順次等間隔に燃焼行程を迎えるよう
    に構成した多気筒内燃機関において、 上記多気筒内燃機関の出力軸に設けられ、該出力軸の回
    転に同期して、該出力軸の特定の回転位相を示す特定信
    号を出力する特定信号発生手段と、 前記出力軸の1回転中における増速または減速区間の
    点と終点とをそれぞれ規定する為のトリガ信号を出力す
    るトリガ信号発生手段と、 上記トリガ信号によって示される各区間の時間長を計測
    するタイマ手段と、 このタイマ手段によって計測される各トリガ信号間の時
    間長から、 前記増速または減速区間の一方の時間長を表
    す第1情報、および前記増速または減速区間の他方の時
    間長を表す第2情報を検出する情報検出手段と、 上記第1情報と第2情報との比較結果および前記特定信
    号とに基づいて前記各気筒における行程位相を識別する
    識別手段とを具備したことを特徴とする気筒識別装置。
  2. 【請求項2】 2回転に1回の燃焼行程を有して駆動さ
    れる奇数の気筒を、順次等間隔に燃焼行程を迎えるよう
    に構成した多気筒内燃機関において、 上記多気筒内燃機関の出力軸に設けられ、該出力軸の回
    転に同期して、該出力軸の特定の回転位相を示す特定信
    号を出力する特定信号発生手段と、前記出力軸の1回転中における増速または減速区間の始
    点および終点と、前記出力軸の特定の回転位相を示す特
    定区間の始点および終点とをそれぞれ規定する為のトリ
    ガ信号を出力するトリガ信号発生手段と、 上記トリガ信号によって示される各トリガ信号間の時間
    長を計測するタイマ手段とこのタイマ手段によって計測される各トリガ信号間の時
    間長から、 前記出力軸の1回転中における増速または減
    速区間の時間長を表す第1情報、および上記増速または
    減速区間とは異なる別の特定区間の時間長を表す第2情
    報を検出する情報検出手段と、 上記第1情報と第2情報との比較結果および前記特定信
    号とに基づいて前記各気筒における行程位相を識別する
    識別手段とを具備したことを特徴とする気筒識別装置。
  3. 【請求項3】 前記情報検出手段は、前記特定信号とは
    別に前記各気筒に対応して燃料噴射または点火の時期を
    それぞれ設定する為の基準信号を発生する基準信号発生
    手段を備え、 前記トリガ信号は、上記基準信号の一部として兼用され
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の気筒識別
    装置。
  4. 【請求項4】 前記トリガ信号発生手段は、前記出力軸
    の回転に同期して特定区間の始点および終点を設定する
    為のマーク信号を発生する為の回転体を備えてなり、 前記情報検出手段は、上記マーク信号を基準として求め
    られる360°の位相差を持つ2つの周期データの一方
    に基づいて前記第1情報を検出し、上記2つの周期デー
    タの他方に基づいて前記第2情報を検出することを特徴
    とする請求項1に記載の気筒識別装置。
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