JPH05231294A - 内燃機関の気筒判別装置及びそれを用いた内燃機関制御装置並びにセンサ装置 - Google Patents

内燃機関の気筒判別装置及びそれを用いた内燃機関制御装置並びにセンサ装置

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JPH05231294A
JPH05231294A JP4039494A JP3949492A JPH05231294A JP H05231294 A JPH05231294 A JP H05231294A JP 4039494 A JP4039494 A JP 4039494A JP 3949492 A JP3949492 A JP 3949492A JP H05231294 A JPH05231294 A JP H05231294A
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JP
Japan
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signal
internal combustion
combustion engine
cylinder
reference signal
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Application number
JP4039494A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Konno
仁志 今野
Yuichi Kashimura
祐一 鹿志村
Kenichi Kotabe
健一 小田部
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成で確実に多気筒内燃機関の気筒判別
が行なえるようにした気筒判別装置を提供すること。 【構成】機関の1サイクル中に気筒数と同数の基準信号
もしくは基準信号群2を発生する手段と、該機関の1サ
イクルを周期とし前記基準信号の間の信号レベルの変化
点の回数と基準信号入力時の値の組み合わせが気筒数分
の種類を持つ2値パターン信号3を発生する手段を設
け、これらの信号2と3の組合せにより気筒を判別する
ように構成した。 【効果】気筒判別のための信号発生手段及び処理手段が
簡単で済み、コストを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒内燃機関が回転
中、その中の何れの気筒が特定の行程(ストローク)にあ
るかを識別するための気筒判別装置に係り、特に自動車
用エンジンに好適な内燃機関の気筒判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関は、その動作の1サイクルが、
例えば2、又は4の複数の行程で成り立っており、この
ため2気筒以上の多気筒内燃機関では、点火時期や燃料
噴射時期などの制御のために、何れの気筒が特定のスト
ローク、例えば圧縮行程にあるかを識別する必要があ
り、このため、気筒判別装置が必要になる。
【0003】ところで、このような気筒判別装置として
は、いくつかの従来例があるが、その第一の従来例とし
て、特公昭56−143958号公報に開示されている
ように、エンジンのカム軸に取り付けられた回転円盤
に、数度間隔で設けられた角度信号検出用のスリット
と、各気筒に対応したパルス幅を持つ2値パターン信号
を検出するためのスリットとを設け、2値パターン信号
が“ハイ”レベルにある間の角度信号数によって気筒判
別を行うものがある。
【0004】なお、この他にも同様の方法ではあるが、
2値パターン信号をカム軸から検出し、角度信号はクラ
ンク軸から検出する方法も知られている。
【0005】他方、この気筒判別装置の第二の従来例と
しては、特公昭63−37336号公報の図面の第2図
及び第3図に示されているように、クランク角度検出セ
ンサと、カム軸に取り付けられた気筒判別センサ(カム
軸センサ)から構成され、カム軸センサ信号によって第
1気筒の点火上死点を判別する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
上記第一の従来例では、気筒数と同数の各々異なる幅を
持つスリットを加工する必要があり、特に4気筒を越え
る気筒数を持つエンジンにおいては、回転円盤に高い加
工精度が要求されたり、回転円板を小さくできない等の
問題があった。
【0007】また、カム軸から角度信号を検出する場
合、クランク軸とカム軸の回転伝達時に生ずる角度誤差
や角度変動、及びカム軸センサの取付誤差により正確な
クランク角を計測することが難しいという問題があり、
他方、クランク軸から角度信号を検出する場合は、同様
の理由で2値パターン信号が“ハイ”レベルの間に検出
される角度信号数が保証されないという問題があった。
【0008】次に、第二の従来例では、エンジン始動
時、カム軸が最大1回転、すなわちクランク軸が2回転
するまでは気筒判別ができないことや、同じく始動時な
どで回転速度が低いときには、センサが磁気式のため十
分な出力が得られない上、ノイズに弱いなどの問題があ
った。
【0009】一方、始動時での気筒判別を速やかに行う
ために、カム軸センサにより気筒数分の異なった種類を
持つ信号を発生させる方法もあるが、磁気式のカム軸セ
ンサを用いた場合、特に4気筒を越える気筒数を持つエ
ンジンにおいては、信号間隔が狭くなるため信号の検出
が困難になることや、回転円盤の加工が難しく、またカ
ム軸センサの取付に高い精度が要求されるといった問題
があり、さらに、1気筒当りに複数種類の基準信号を用
いて制御を行なうようにした場合、クランク軸から検出
される基準信号の種類の判別が、信号間の時間差などに
よって成されるため、始動時などの回転変動が大きいと
きには判別が難しくなるという問題があった。
【0010】本発明の目的は、回転円盤などに要求され
る寸法精度が比較的低くて済み、最小個数の2値パター
ン信号で速やかに気筒判別のできる内燃機関の気筒判別
装置を提供することにある。
【0011】また、本発明の別の目的は、1気筒当りに
複数種類の基準信号を用いて制御を行なうようにした場
合での、基準信号の種類判別が速やかに行なえるように
した内燃機関の気筒判別装置を提供することにある。
【0012】さらに、本発明の別の目的は、エンジン始
動時、少ないクランク軸回転角で速やかに燃料噴射制御
と点火制御の少なくとも一方を開始できるようにした内
燃機関制御装置を提供することにある。
【0013】さらにまた、本発明の別の目的は、センサ
系統でのノイズによる誤判定に際しても、少ないクラン
ク軸回転角で速やかに制御の修復が可能な、燃料噴射制
御と点火制御の少なくとも一方を行なうようにした内燃
機関制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エンジンの
クランク軸或いはカム軸に連動し、エンジン動作の1サ
イクル中に気筒数と同数の基準信号もしくは複数種類の
信号からなる基準信号群を発生する手段と、エンジンの
クランク軸或いはカム軸に連動し、エンジンの1サイク
ルを周期として、前記基準信号の間の信号レベルの変化
点の回数と基準信号入力時の値の組み合わせが気筒数分
の種類を持つ2値パターン信号を発生する手段とを設け
ることにより達成される。
【0015】さらに上記別の目的は、前記2値パターン
信号の信号レベルの変化点が、全て周期的に発生する前
記基準信号、又は基準信号群の信号間に現われるように
して達成される。
【0016】
【作用】エンジンのクランク軸の回転に伴って基準信号
が検出されてくるが、隣あう基準信号或いは基準信号群
の間の2値パターン信号の信号レベルの変化点の回数を
数え、基準信号検出時の2値パターン信号レベルと組み
合わせることにより気筒判別が可能になる。
【0017】この気筒判別に必要な最小2値パターン信
号数Nは、エンジンの気筒数をnとし、2値パターン信
号の信号レベルの変化点が0の場合も含むものとする
と、次の式の通りになる。
【0018】
【数1】
【0019】但し、2値パターン信号の信号レベルの変
化点を基準として基準信号種類を判別する場合、基準信
号間に、必ず1個以上の2値パターン信号の信号レベル
の変化点が必要となるため、これは、次式で示すように
なる。
【0020】
【数2】
【0021】この場合、基準信号の識別は2値パターン
信号の信号レベルの変化点を基準として、その順番をも
って行うことが出来る。
【0022】そして、この気筒判別装置を用いることに
より、エンジン始動時、2個の基準信号又は基準信号群
が検出された時点で直ちに気筒判別が可能になるので、
この判別結果を燃料噴射制御装置と点火制御装置に与え
ることにより、気筒判別に基づく制御、例えばシーケン
シャル燃料噴射システムにおける燃料噴射弁の特定や噴
射タイミングの決定、電子配電点火方式のシステムにお
ける点火気筒の決定が可能になり、エンジンの始動性を
充分に改善することができる。
【0023】さらに、この気筒判別装置により気筒判別
情報を受けるようになっている燃料噴射システムや点火
システムでは、エンジン運転中、基準信号検出系にノイ
ズが乗ってしまった場合でも、2値パターン信号のレベ
ルの変化回数を条件とすることにより、このノイズを識
別すること、及びエンジンによって定められている気筒
順番との照合により、同じく、このノイズを識別するこ
とができ、従って、ノイズの影響を受けないようにする
ことができる。
【0024】また、基準信号を誤って判別した場合で
も、次の基準信号が検出された時点で正しい判別状態へ
の修復がなされ、且つ、万一、気筒判別が誤ってしまっ
た場合でも、次に続く2回分の基準信号が検出された時
点で、改めて正しい気筒判別状態に戻るので、常に正確
な制御状態を確実に保つことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明による内燃機関の気筒判別装置
について、図示の実施例により詳細に説明する。図1
は、4気筒の内燃機関に本発明を適用した一実施例の場
合の2値パターン信号及び基準信号の波形例を示したも
ので、図1中の#1〜#4は各気筒の点火上死点4を表
わしたもので、この場合には、クランク角1が180度
毎に点火上死点4が現われる。
【0026】まず、図1における2値パターン信号3
は、エンジンのカム軸と連動して回転する、図2の(a)
に示す形状を持った回転板5を用い、これに、図示して
ない光電式ピックアップを組合わせ、回転板5に形成し
てあるスリット6の形状に対応して光電式ピックアップ
から得られるものである。
【0027】また、図1に示す基準信号は、エンジンの
クランク軸と連動して回転し、図2の(b)に示す形状を
持つ磁性材料からなる回転板7と、これに組合せた磁気
式ピックアップ9を用い、回転板7の外周に設けられた
突起8がピックアップ9の近傍を通過するときに発生す
る信号を波形整形することで得られ、各パルス波形の立
ち下がり時点が各々の信号の角度情報を表わしている。
【0028】この実施例では、基準信号2により、クラ
ンク軸が180度回転する間に、次の点火上死点前A
度、B度、C度の3種類の角度位置でクランク角情報が
検出できるように構成したもので、このため、図2の
(b)に示すように、夫々3個の突起8を有する回転板7
を用い、A〜Cの3個のパルス信号を得るようにしたも
のであり、この3個のパルス信号からなる3種類の基準
信号2を、以下、まとめて基準信号群と呼ぶ。
【0029】他方、2値パターン信号3については、図
1から明らかなように、その信号レベルの変化点が、全
て基準信号群と次の基準信号群との間に位置するように
設定されている。そして、このとき、本実施例では、表
1に示すように、基準信号群の間の2値パターン信号レ
ベルの変化回数が1回である場合又は2回の場合と、基
準信号検出時の2値パターン信号レベルの組み合わせ
で、その基準信号が#1〜#4のいずれの気筒の上死点
直前のものであるかが判別できるのである。
【0030】
【表1】
【0031】そして、この実施例では、2値パターン信
号3のレベル変化点の直後に検出されるのがA度信号、
2番目がB度信号、3番目がC度信号であり、これによ
り基準信号群の中での基準信号の種類判別が得られるの
である。
【0032】次に、図3は、同じく4気筒の内燃機関に
本発明を適用した他の一実施例で、エンジンのカム軸と
連動して回転する、図4の(a)に示すように、角度が約
180度にわたる円弧状の1個のスリット6を有する回
転板5と、エンジンのクランク軸と連動して回転し、図
4の(b)に示すように、180度離れた2個の突起7を
有する回転板7を用い、基準信号2が180度に1回検
出され、2値パターン信号3の基準信号間でのレベル変
化回数が0回と1回となるように構成した場合のもの
で、表2に示すようにして気筒判別を行なうようにした
ものである。
【0033】
【表2】
【0034】次に、本発明を6気筒のエンジンに適用し
た場合の一実施例について説明すると、この実施例は、
図6の(a)に示すように、6個のスリット6を有する回
転板5と、同図(b)に示すように各3個づつで3群にな
った9個の突起8を有する回転板7を用い、これにより
図5に示すような基準信号2と2値パターン信号3を得
るように構成したもので、この実施例の場合には、次の
表3に示す判別条件に基づいて気筒判別が得られること
になる。
【0035】
【表3】
【0036】ところで、この図5、図6に示した実施例
は、図1と図2により示した実施例と同じく、3個の基
準信号2からなる基準信号群を用いた実施例であるが、
図7と図8に示す実施例は、図4と図5により説明した
実施例と同じく、1個のパルスからなる基準信号2を用
い、これを6気筒のエンジンに適用した場合の一実施例
であり、このため、図8の(a)と(b)に示すように、3個
のスリット6を持った回転板5と、同じく3個の突起8
を持った回転板7を用い、これにより、次の表4に示す
判別条件により気筒判別が得られるようにしたものであ
る。
【0037】
【表4】
【0038】次に、本発明の一実施例の動作について、
図9のタイミングチャートにより、さらに詳しく説明す
る。この実施例は、回転板5として、図2の(a)に示す
ように、3個のスリット6を有するものを用い、回転板
7として、図4の(b)に示すように、2個の突起8を有
するものを用いた場合の4気筒エンジンによる一実施例
で、このため、図9(a)に示すように、基準信号2はク
ランク角1が180度毎に1個発生し、2値パターン信
号3はクランク軸が2回転、つまりクランク角が720
度変化する毎に、3個のレベル“ハイ”状態を発生し、
基準信号2の間で1〜2回のレベル変化をするようにし
たものであり、この結果、表1に示す判定条件に基づい
て気筒判別が得られるようにしたものである。
【0039】まず、この実施例におけるエンジン始動時
での判別特性について説明すると、いま、図9(a)の白
抜星印で示す時点でエンジンが始動を開始したとする。
なお、このエンジンの始動開始は、エンジンがクランキ
ング開始後、磁気ピックアップ9による信号の検出が得
られ始める回転速度に達した時点をもって、始動開始と
する。
【0040】そうすると、この場合には、最初に現われ
る基準信号に続いて2値パターン信号3が2回レベル変
化したあと次の基準信号が検出されてくるので、黒塗星
印で示す時点で気筒判別が得られ、表1から明らかなよ
うに、このときは#2気筒が点火上死点にあることが判
る。
【0041】そして、この図9(a)の場合は、気筒判別
に最も多くのクランク回転角を必要とする場合について
示したもので、この実施例では、基準信号2が2回検出
された時点で気筒判別が可能になるから、従って、最大
クランク回転角でも360度未満であり、最小では、ク
ランク回転角が180度に達した時点で、早くも気筒判
別が可能なことが判る。
【0042】次に、この実施例において、燃料噴射制御
を行なった場合の動作について説明すると、まず、図9
(b)は、第一の動作例で、ここでは、気筒判別により電
子配電方式の点火時期制御を行なっているシステムに本
発明を適用したもので、エンジンが始動開始後、最初に
基準信号2が検出された時点で、直ちに1回だけ、この
基準信号の検出に同期して複数個(この場合は4個)の燃
料噴射弁を同時噴射させ、以後、気筒判別が得られた時
点でシーケンシャル燃料噴射へ移行させるようにしてあ
り、これにより気筒判別が得られた時点以後の最初の点
火時期で直ちに燃焼が得られるようにしたものであり、
従って、この実施例によれば、極めて良好な始動特性を
与えることができる。
【0043】そして、この実施例によれば、図9(b)か
ら明らかなように、最大でも基準信号が2個検出される
までには気筒判別が得られるので、最初に1回だけ同時
噴射(基準信号同時始動時同時燃料噴射)を行なっても、
点火されない生ガスが排気されてしまうことはなく、排
ガス悪化の虞れはない。
【0044】なお、このとき、基準信号同時始動時同時
燃料噴射を行なったことに応じて、括弧付黒塗三角印で
示すように、以後のシーケンシャル燃料噴射への移行に
際して、1回から数回、燃料噴射の開始を遅らせるよう
にしてもよい。
【0045】また、図9(c)は、この実施例における第
二の動作例で、これは、基準信号同時始動時同時燃料噴
射を行なうことなく、気筒判別が得られた時点から直ち
にシーケンシャル燃料噴射を開始するようにした場合
で、第一の動作例の場合に比して、最初の1回の点火時
期では燃焼が得られないが、始動時から各気筒全てに最
適なタイミングでの燃焼噴射が与えられることになる。
【0046】次に、この実施例における始動時での電子
式点火制御について、図9(b)、(c)により説明する。こ
の実施例は、電子配電による各気筒独立点火方式を適用
した場合のもので、始動時、エンジン回転速度が所定値
に達するまで、基準信号2に同期して点火を行なうよう
にした場合の動作例を示したもので、この場合には、気
筒判別が得られてから、初めて点火コイルへの通電を開
始する必要があり、従って、最初の点火は、始動開始
後、3回目に現われる基準信号に同期したものとなる
が、これでも、上記した第一の例における基準信号同時
始動時同時燃料噴射によって供給された燃料が吸気さ
れ、爆発するタイミングには充分に間に合うことが判
る。
【0047】次に、図9の実施例において、基準信号2
にノイズが混入した場合での処理について、図10によ
り説明する。この図10において、10が基準信号2に
混入したノイズを表わし、これが混入した位置(タイミ
ング)として、3種の場合について示したもので、ここ
で、まず上から5番目に示す例2の波形は、ノイズ10
と前回の基準信号2との間、或いは、図示してないが、
複数のパルスからなるノイズの場合で、ノイズのパルス
とパルスの間で2値パターン信号3のレベルに変化が無
かった場合の例で、この場合には、本発明における原
則、すなわち、2値パターン信号3については、その信
号レベルの変化点が、全て基準信号と次の基準信号との
間に位置するように設定されているという原則からし
て、これがノイズであると判定するのは、極く容易なこ
とであり、従って、この例2の場合には、ノイズが混入
したことによる基準信号2の判別や気筒判別に問題を生
じることはない。
【0048】次に、上から4番目に示す例1の波形は、
ノイズ10と前回の基準信号2との間、或いは、ノイズ
のパルスとパルスの間で2値パターン信号3のレベルに
変化が生じていた場合の例で、このときには、決められ
た気筒順番と、気筒判別の結果とが一致しなくなる。そ
こで、このときは、気筒順番による判定を優先し、気筒
判別の条件となった、このときの基準信号をノイズと判
断し、これを無視することにより、ノイズによる基準信
号及び気筒判別への影響を排除することができる。
【0049】さらに、上から6番目に示す例3の波形
は、ノイズ10と前回の基準信号2との間、或いは、ノ
イズのパルスとパルスの間で2値パターン信号3のレベ
ルに変化が生じており、しかも、決められた気筒順番
と、気筒判別の結果とが一致している場合で、このとき
には、ノイズ10を基準信号2と判断してしまい、その
気筒については、基準信号の位置(タイミング)が真の基
準信号の位置からずれてしまう。
【0050】しかしながら、本発明の実施例によれば、
この場合でも、ノイズが混入してない次の気筒について
の判別は正しく得られ、正常に基準信号及び気筒判定が
行なわれるため、ノイズ10による影響は、そのときの
1気筒分にとどめられる。そして、このときでも、基準
信号のずれの度合いは、2値パターン信号3のレベル変
化の間隔と、基準信号2の間隔によってかなり小さく制
限されるため、実際の燃料噴射制御や点火制御への影響
はわずかであり、ほとんど無視できる程度にすることが
できる。
【0051】ところで、以上の制御処理は、例えばマイ
コン(マイクロコンピュータ)などを備えた制御ユニット
により実行されるのであるが、このときの気筒判別ロジ
ックの一実施例を図11に示す。
【0052】この図11は、4気筒エンジンにおいて、
図9に示すように、基準信号2がクランク軸回転角18
0度に1回発生し、2値パターン信号3のレベル変化回
数が1〜2回の組合せからなるものを用いた場合、つま
り、表1に示す条件に基づいて気筒判別を行なうように
した場合の気筒判別ロジックで、基準信号の入力によっ
て開始されるルーチンであり、上記したノイズの判定処
理と、上記始動時の判定処理を含んだものである。
【0053】図12は、本発明による内燃機関の気筒判
別装置が適用されたエンジンシステムの一例で、28は
4気筒、4行程のガソリンエンジンで、エアクリーナ2
1、エアフローセンサ22、それに吸気管23を備え、
これらを介して供給される吸入空気と、制御ユニット2
9からの制御信号によって制御される電磁式燃料噴射弁
13から供給される燃料を、クランク軸11と同期して
回転するカム軸12によって開閉動作される吸気弁(図
には現われていない)を介して、これも図には現われて
いない気筒内に供給するようになっている。
【0054】また、制御ユニット29は、イグナイタ1
5を介して点火コイル14の通電制御を行ない、図には
現われていない点火プラグに高電圧を供給させ、点火制
御を行なう。
【0055】このときの吸入空気量は、図示してないア
クセルペダルによりアクセルワイヤ20を介して開閉さ
れるスロットルバルブ19によって制御されるが、この
ときのスロットルバルブ19の開度はスロットル位置セ
ンサ18により検出され、制御ユニット29に入力され
る。そして、このときの吸入空気の流量はエアフローセ
ンサ22により計量され、これも制御ユニット29に入
力される。
【0056】また、このスロットルバルブ19をバイパ
スする補助空気弁17が設けられており、これを制御ユ
ニット29により制御して、スロットルバルブ19が全
閉位置に戻されているときでのアイドル回転速度制御が
行なわれる。
【0057】一方、燃料は、図示してない燃料タンクか
ら燃料ポンプ16により加圧供給され、燃料供給管32
を介して燃料噴射弁13に供給されるが、このときの燃
料の圧力は、図示してない圧力調整弁によって制御さ
れ、吸気管23内の吸気圧力との差が所定の値になるよ
うにされている。そして、吸気管23内への燃料の供給
量は、制御ユニット29による燃料噴射弁13の開弁時
間によって制御される。
【0058】エンジン28の気筒内で燃焼したガスは、
カム軸12により開閉動作される排気弁(図示されてい
ない)を介して排気管24に導かれ、触媒を備えた排ガ
ス浄化装置27を経由して大気中に放出される。
【0059】排気管24には、排ガスセンサ(O2セン
サ)25が設けてあり、これにより制御ユニット29で
空燃比が検出される。また、冷却水の温度で代表される
エンジンの温度は、温度センサ31により検出され、制
御ユニット29に入力される。そして、制御ユニット2
9の電源は、バッテリ26から供給されるようになって
いる。
【0060】クランク軸11には上記した回転板7が、
そしてカム軸12には上記した回転板5が取付けてあ
る。ここでは、図9で説明した実施例に対応した回転板
5、7が用いられており、このため、まず、回転板7に
は2個の突起8がエンジン28の各気筒の上死点に対応
して180度間隔で設けられ、これを磁気ピックアップ
9で基準信号2(図9)として検出し、その時間間隔を制
御ユニット29で測定することによりエンジン回転速度
が検出される。従って、上死点クランク角4(図9)はク
ランク角180度毎に、つまり1気筒当りでは720度
毎に検出されることになる。
【0061】しかして、この基準信号2だけでは、上記
したように、各点火上死点4に対応する気筒の判別がで
きないため、これも上記したように、カム軸12に回転
板5が設けてあり、この回転板5に設けてあるスリット
6を光電式ピックアップ30により検出し、2値パター
ン信号3(図9)を取り出し、制御ユニット29に入力す
る。そして、制御ユニット29により、例えば図11で
説明したロジックにしたがった処理により気筒判別を行
ない、燃料噴射制御や点火制御など、各種のエンジン制
御を行なうのである。
【0062】なお、以上の実施例では、特に説明しなか
ったが、本発明は前記実施例に限らず、回転板5と7の
双方をカム軸12の回転に連動させるようにしてもよ
く、また、光電式ピックアップ30に代えてホール素子
磁気式センサを用いて信号を発生するようにしてもよ
い。
【0063】また、本発明は、回転板5と7、それに磁
気ピックアップ9と光電式ピックアップ30からなるセ
ンサ装置として実施してもよいことはいうまでもない。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、少ない2値パターン信
号数で気筒判別が出来るので、信号の発生や処理に必要
な装置が簡単になるという効果がある。また、基準信号
の識別に2値パターン信号のレベル変化という明確な基
準点を用いるため、回転変動の影響を受けることなく確
実に、しかも簡単に基準信号の種類識別ができるという
効果がある。
【0065】さらに、2値パターン信号のレベル変化が
基準信号或いは基準信号群の間に有れば気筒判別ができ
るため、2値パターン信号発生手段に必要な精度及びそ
の取付における精度をラフにできるという効果がある。
その上、基準信号或いは基準信号群が2個検出された時
点で気筒判別が可能になるため、エンジン始動時、早い
時点で正確な燃料噴射制御及び点火制御に移行すること
ができ、エンジンの始動性を充分に向上させることがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の動作を説明するための
波形図である。
【図2】本発明の第1の実施例における信号発生手段の
説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例の動作を説明するための
波形図である。
【図4】本発明の第2の実施例における信号発生手段の
説明図である。
【図5】本発明の第3の実施例の動作を説明するための
波形図である。
【図6】本発明の第3の実施例における信号発生手段の
説明図である。
【図7】本発明の第4の実施例の動作を説明するための
波形図である。
【図8】本発明の第4の実施例における信号発生手段の
説明図である。
【図9】本発明の一実施例におけるエンジン始動時での
動作を更に具体的にに示す説明図である。
【図10】本発明の一実施例におけるノイズ混入時での
動作を説明するための波形図である。
【図11】本発明の一実施例における気筒判別ロジック
の説明図である。
【図12】本発明の一実施例が適用されたエンジン制御
装置の説明図である。
【符号の説明】
1 クランク角 2 基準信号 3 2値パターン信号 4 点火上死点 5 2値パターン信号発生用の回転板 6 スリット 7 基準信号発生用の回転板 8 突起 9 磁気ピックアップ 10 ノイズ 11 クランク軸 12 カム軸 13 燃料噴射弁 14 点火コイル 15 イグナイタ 16 燃料ポンプ 17 補助空気弁 18 スロットル位置センサ 19 スロットルバルブ 20 スロットルワイヤ 21 エアクリーナ 22 エアフローセンサ 23 吸気管 24 排気管 25 排ガスセンサ(O2センサ) 26 バッテリ 27 排ガス浄化装置 28 エンジン 29 制御ユニット 30 光電式ピックアップ 31 温度センサ 32 燃料供給管

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個の気筒を持ち、1サイク
    ルの動作期間中に少なくとも2行程を含む内燃機関にお
    いて、内燃機関の1サイクルの動作期間中に気筒数と同
    数の基準信号を発生する第1の手段と、内燃機関の1サ
    イクルの動作期間を周期とする2値パターン信号を発生
    する第2の手段とを設け、前記基準信号の発生期間内で
    の前記2値パターン信号の信号レベルの変化点の個数
    と、前記基準信号が発生された時点での前記2値パター
    ン信号のレベル値の組合わせを用いて気筒判別を行うよ
    うに構成したことを特徴とする内燃機関の気筒判別装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項2の発明において、前記基準信号
    が2個以上のパルス信号からなる基準信号群によって形
    成されるように構成したことを特徴とする内燃機関の気
    筒判別装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の発明において、前記2値パタ
    ーン信号の信号レベルの変化点を基準として、その発生
    順から、前記基準信号群の中の信号種類識別を行うこと
    を特徴とする請求項2の気筒判別装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の発明において、前記第1の手
    段と第2の手段が、共に機関のカム軸の回転により信号
    を発生する手段で構成されていることを特徴とする内燃
    機関の気筒判別装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の発明において、前記第1の手
    段が機関のクランク軸の回転により信号を発生する手段
    で構成され、前記第2の手段が機関のカム軸の回転によ
    り信号を発生する手段で構成されていることを特徴とす
    る内燃機関の気筒判別装置。
  6. 【請求項6】 請求項1の発明において、前記第2の手
    段が、スリット付き回転板と光電式センサを用いて信号
    を発生する手段で構成されていることを特徴とする内燃
    機関の気筒判別装置。
  7. 【請求項7】 請求項1の発明において、前記第2の手
    段が、スリット付き回転板とホール素子磁気式センサを
    用いて信号を発生する手段で構成されていることを特徴
    とする内燃機関の気筒判別装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかの発明による内
    燃機関の気筒判別装置を用いて燃料噴射制御と点火制御
    の少なくとも一方の制御を行なうように構成したことを
    特徴とする内燃機関制御装置。
  9. 【請求項9】 上記請求項1〜7いずれかの発明による
    内燃機関の気筒判別装置に使用するセンサ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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