JP3323190B2 - ドライエッチング方法、半導体装置の製造方法及びドライエッチング装置 - Google Patents

ドライエッチング方法、半導体装置の製造方法及びドライエッチング装置

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JP3323190B2
JP3323190B2 JP2001053570A JP2001053570A JP3323190B2 JP 3323190 B2 JP3323190 B2 JP 3323190B2 JP 2001053570 A JP2001053570 A JP 2001053570A JP 2001053570 A JP2001053570 A JP 2001053570A JP 3323190 B2 JP3323190 B2 JP 3323190B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンを含む部
材に対するドライエッチング方法、該ドライエッチング
方法を用いた半導体装置の製造方法、及び該ドライエッ
チング方法を行なうためのドライエッチング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造において、半導体素子
の微細化及び高精度化のために、シリコンを含む部材
(以下、シリコン含有部材)に対してドライエッチング
を行なうときに、誘導結合型プラズマエッチング装置
(ICP)等の二電源方式のドライエッチング装置が用
いられている。二電源方式のドライエッチング装置の特
徴は、チャンバー内に導入されたプロセスガスからなる
プラズマを発生させると共に該プラズマ密度を制御する
ための第1の電力(以下、ソース電力と称する)と、該
プラズマ中のイオン(エッチング種)を被エッチング物
に引き込むための第2の電力(以下、バイアス電力と称
する)とを別々に制御しながら印加できることである。
このため、二電源方式のドライエッチング装置を用いる
ことによって高精度な加工特性が得られる。尚、一般的
に、二電源方式のドライエッチング装置においては、ソ
ース電力は、チャンバー外壁に設けられたコイル等に印
加されると共に、バイアス電力は、被エッチング物を載
せるためにチャンバー内に設けられた試料台に印加され
る。
【0003】従来、シリコン基板に素子分離を形成する
工程においては、窒化膜をマスクとしてシリコン基板を
局所的に酸化することによって素子分離を形成するLO
COS(Local Oxidation of Silicon)法が用いられて
きた。ところが、LOCOS法を用いた場合、微細化が
進むに従って分離寸法が所望の寸法よりも大きくなり、
その結果、活性領域の確保が困難になるという問題が生
じてきた。そこで、シリコン基板に溝を形成した後、該
溝に酸化膜を埋め込み、その後、酸化膜の表面を含むシ
リコン基板の表面をCMP(Chemical Mechanical Poli
shing )法により平坦化することによって素子分離を形
成するSTI(Shallow Trench isolation)法が用いら
れるようになってきた。このとき、素子分離用溝の形成
に前述の二電源方式のドライエッチング装置が利用され
ている。
【0004】以下、従来の半導体装置の製造方法、具体
的には、二電源方式のドライエッチング装置を用いてシ
リコン基板に対してエッチングを行なって素子分離用溝
を形成する方法について、図面を参照しながら説明す
る。
【0005】図11(a)〜(d)は従来の半導体装置
の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0006】まず、図11(a)に示すように、シリコ
ン基板80上に熱酸化により第1のシリコン酸化膜81
を形成した後、第1のシリコン酸化膜81上にCVD法
等の成膜方法を用いてシリコン窒化膜82を形成し、そ
の後、シリコン窒化膜82上にフォトリソグラフィー法
により、素子分離形成領域に開口部を有するレジストパ
ターン83を形成する。
【0007】次に、図11(b)に示すように、レジス
トパターン83をマスクとしてシリコン窒化膜82及び
第1のシリコン酸化膜81に対してドライエッチングを
行なって、シリコン窒化膜82及び第1のシリコン酸化
膜81をそれぞれパターン化する。その後、レジストパ
ターン83をアッシングにより除去した後、シリコン基
板80を洗浄する。
【0008】次に、図11(c)に示すように、パター
ン化されたシリコン窒化膜82をマスクとしてシリコン
基板80に対してドライエッチングを行なって、シリコ
ン基板80に素子分離用溝84を形成する。ここで、図
11(c)に示すドライエッチング工程について詳しく
説明する。まず、ドライエッチング装置のチャンバー内
(図示省略)に被エッチング物であるシリコン基板80
を設置する。その後、チャンバー内を所定の真空度に達
するまで真空排気した後、チャンバー内にシリコン基板
80に対してエッチングを行なうために必要なガス(以
下、プロセスガスと称する)、具体的にはCl2 又はH
Br等のハロゲン含有ガスと酸素ガスとの混合ガスを導
入する。その後、ソース電力の印加を開始することによ
ってプロセスガスからなるプラズマを発生させた後、バ
イアス電力の印加を開始することによってプラズマ中の
イオンをシリコン基板80に引き込む。これにより、プ
ラズマ中のイオンとシリコン基板80の露出部分とが反
応して揮発性の反応生成物(例えばシリコンと塩素との
化合物)が形成される。このとき、チャンバー内の真空
排気により前述の揮発性の反応生成物をチャンバーから
排出することによってシリコン基板80に対するドライ
エッチングが行なわれる。その後、シリコン基板80を
洗浄して、シリコン基板80に対するドライエッチング
時に形成された堆積物(例えば前述の揮発性の反応生成
物と酸素との化合物)を除去する。これにより、シリコ
ン基板80に素子分離用溝84が形成される。
【0009】尚、図11(c)に示すドライエッチング
工程においては、分離寸法の微細化によりゲート電極の
加工とほぼ同程度の高い加工精度が要求されるために、
二電源方式のドライエッチング装置、例えば誘導結合型
プラズマエッチング装置等が用いられる。
【0010】次に、シリコン基板80における素子分離
用溝84の壁面近傍及び底面近傍の表面準位を低減する
ために、該壁面近傍及び底面近傍を酸化炉を用いて熱酸
化する。その後、シリコン窒化膜82の上にCVD法に
より第2のシリコン酸化膜85を素子分離用溝84が完
全に埋まるように堆積した後、第2のシリコン酸化膜8
5の表面を含むシリコン窒化膜82の表面をCMP法に
より平坦化して素子分離用溝84の外側の第2のシリコ
ン酸化膜85を除去する。その後、図11(d)に示す
ように、シリコン窒化膜82をウエットエッチングによ
りを除去すると共に、シリコン基板80を洗浄してシリ
コン基板80の表面に残存する第1のシリコン酸化膜8
1を除去する。これにより、素子分離用溝84に埋め込
まれた第2のシリコン酸化膜85からなる素子分離が形
成される。
【0011】以下、二電源方式のドライエッチング装置
を用いた図11(c)に示すドライエッチング工程にお
ける従来のソース電力及びバイアス電力の印加方法(以
下、従来のドライエッチング方法と称する)及びその作
用について図面を参照しながら説明する。
【0012】図12は、従来のドライエッチング方法に
おけるソース電力及びバイアス電力のそれぞれの実効値
の時間変化の一例を示す図である。尚、図12におい
て、ソース電力の印加を開始した時刻を電力印加時刻の
基準(0秒)としている。また、本明細書において、電
力の実効値とは、電極(バイアス電力の場合は試料台で
あり、ソース電力の場合はコイル等である)に実際に印
加されている電力における振動量の2乗の時間的平均値
の平方根を意味するものとする。
【0013】図12に示すように、バイアス電力の印加
開始はソース電力の印加開始よりも1秒遅れて行なわれ
ている。また、ソース電力の実効値は600Wに設定さ
れている一方、バイアス電力の実効値は200Wに設定
されている。
【0014】図13(a)〜(c)は、従来のドライエ
ッチング方法の作用を示す図、具体的には、図11
(c)に示すドライエッチング工程におけるドライエッ
チング装置のチャンバー内の状態の変化を示す図であ
り、(a)はチャンバー内にプロセスガスを導入した直
後の状態を示しており、(b)はソース電力の印加を開
始した直後の状態を示しており、(c)はバイアス電力
の印加を開始した直後の状態を示している。尚、図13
(a)〜(c)において、シリコン基板上のシリコン窒
化膜等の図示を省略していると共に、チャンバー内の試
料台等の図示を省略している。
【0015】まず、図13(a)に示すように、被エッ
チング物であるシリコン基板80をドライエッチング装
置のチャンバー86内に設置した後、チャンバー86内
を所定の真空度に達するまで真空排気し、その後、チャ
ンバー86内にシリコン基板80に対してエッチングを
行なうために必要なプロセスガス87を導入する。次
に、図13(b)に示すように、ソース電力を印加する
ことによってプロセスガス87からなるプラズマ87A
を発生させた後、図13(c)に示すように、バイアス
電力を印加することによってプラズマ87A中のイオン
88をシリコン基板80に引き込む。
【0016】すなわち、二電源方式のドライエッチング
装置は、プロセスガスからなるプラズマの発生及び該プ
ラズマ密度の調整と、該プラズマ中のイオンの被エッチ
ング物への引き込みとをそれぞれ独立して制御できる。
このため、二電源方式のドライエッチング装置を用いた
従来のドライエッチング方法においては、まずソース電
力の印加によってプロセスガスからなるプラズマを発生
させてから、バイアス電力の印加によってプラズマ中の
イオンを被エッチング物に引き込むことによって、被エ
ッチング物に対してエッチングを行なっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドライエッチング方法を用いて例えばシリコン基板に素
子分離用溝を形成すると、図14に示すように、エッチ
ングが途中で停止してしまい、その結果、所望の分離深
さを有する素子分離用溝を形成できなくなるという問題
が生じる。尚、図14は、図11(c)に示すドライエ
ッチング工程でエッチングが途中で停止してしまった状
態を示している。また、図14において、図11(c)
と同一の部材には同一の符号を付している。
【0018】また、従来のドライエッチング方法を被エ
ッチング物であるシリコン基板等に用いた場合、エッチ
ングに起因してシリコン基板等にダメージ層が生じる結
果、半導体装置の電気的特性等が劣化してしまうという
問題が生じる。
【0019】さらに、従来のドライエッチング方法を用
いて例えばシリコン基板に素子分離用溝を形成したとき
には、シリコン基板における素子分離用溝の壁面近傍及
び底面近傍の表面準位を低減するために、該壁面近傍及
び底面近傍を酸化炉を用いて熱酸化する必要がある一
方、酸化炉の使用に伴い半導体装置の製造コストが増大
してしまうという問題が生じる。
【0020】前記に鑑み、本発明は、二電源方式のドラ
イエッチング装置を用いてシリコン含有部材に対してエ
ッチングを行なうときにエッチングが途中で停止してし
まうことを防止できるようにすることを第1の目的と
し、ドライエッチング時にシリコン含有部材に生じるダ
メージ層に起因して半導体装置の電気的特性が劣化する
ことを防止できるようにすることを第2の目的とし、シ
リコン基板における素子分離用溝の壁面近傍及び底面近
傍の表面準位を低コストで低減できるようにすることを
第3の目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記の第1の目的を達成
するために、本願発明者らは、従来のドライエッチング
方法におけるエッチング停止(図14参照)の原因につ
いて検討を加えたところ、以下に述べるような知見を得
た。
【0022】図15(a)〜(c)は従来のドライエッ
チング方法におけるエッチング停止が生じる様子、具体
的には、図11(c)に示すドライエッチング工程の各
タイミングにおけるドライエッチング装置のチャンバー
内の状態を示す図であり、(a)はプロセスガスが導入
されたチャンバー内においてソース電力の印加を開始し
た直後の状態を示しており、(b)はバイアス電力の印
加開始前にソース電力の印加を継続したときの状態を示
しており、(c)はバイアス電力の印加を開始した直後
の状態を示している。尚、図15(a)〜(c)におい
て、シリコン基板上のシリコン窒化膜等の図示を省略し
ていると共に、チャンバー内の試料台等の図示を省略し
ている。
【0023】まず、図15(a)に示すように、被エッ
チング物であるシリコン基板80をドライエッチング装
置のチャンバー86内に設置した後、チャンバー86内
を所定の真空度に達するまで真空排気し、その後、チャ
ンバー86内にシリコン基板80に対してエッチングを
行なうために必要なプロセスガス87(例えばハロゲン
含有ガスと酸素ガスとの混合ガス)を導入した後、ソー
ス電力を印加することによってプロセスガス87からな
るプラズマ87Aを発生させる。
【0024】次に、図15(b)に示すように、バイア
ス電力の印加開始前にソース電力の印加を継続すると、
プラズマ87A中にエッチング種となるイオン88と共
に活性な酸素(以下、酸素ラジカルと称する)89が発
生する。このとき、酸素ラジカル89とシリコン基板8
0の露出部分とが反応して、シリコン基板80上に薄い
シリコン酸化膜90が形成される。
【0025】次に、図15(c)に示すように、バイア
ス電力を印加することによってプラズマ87A中のイオ
ン88をシリコン基板80に引き込む。しかしながら、
被エッチング物であるシリコン基板80の上にシリコン
酸化膜90が形成されていると共に、シリコン酸化膜の
エッチング速度がシリコンのエッチング速度の約100
分の1であるので、シリコン基板80に対するエッチン
グがほとんど進行しない。
【0026】本願発明者らは、従来のドライエッチング
方法におけるエッチング停止のメカニズム(図15
(a)〜(c)参照)を検証するために、以下に説明す
る2つの実験を行なった。
【0027】まず、第1の実験において、バイアス電力
の印加開始前にソース電力の印加を継続した場合におけ
るシリコン基板表面の酸化を検証するために、ソース電
力の印加のみによって生成されたプラズマにシリコン基
板を一定時間曝しながらシリコン基板表面に形成される
シリコン酸化膜の膜厚を測定した。このとき、二電源方
式のドライエッチング装置として誘導結合型プラズマエ
ッチング装置を用いると共に、ソース電力及びバイアス
電力のそれぞれの実効値を600W及び0Wに設定し
た。また、プロセスガスとしてCl2 ガスとO2 ガスと
の混合ガス(圧力:7Pa、Cl2 ガス流量:150m
l/min、O2 ガス流量:6ml/min)を用い
た。
【0028】図16は第1の実験の結果、具体的には、
シリコン基板表面における酸化膜厚(縦軸)のソース電
力印加時間(横軸)に対する依存性を示している。
【0029】図16に示すように、バイアス電力の印加
開始前にソース電力の印加を開始すると、ソース電力印
加時間の経過に伴ってシリコン基板表面が厚く酸化され
ていくことが判明した。
【0030】次に、第2の実験において、ソース電力及
びバイアス電力のそれぞれの印加開始タイミングとシリ
コン基板に対するエッチングの停止との関係を検証する
ために、ソース電力の印加開始タイミングとバイアス電
力の印加開始タイミングとを色々変えながらシリコン基
板に対してドライエッチングを行なったときのシリコン
基板のエッチング深さ(以下、シリコン削れ量と称す
る)を測定した。このとき、第2の実験の対象となる試
料として、図11(a)及び(b)に示す従来の半導体
装置の製造方法によって形成されたシリコン基板(素子
分離形成用マスクパターンとなるシリコン窒化膜82が
形成されたシリコン基板80)を用いた。また、第2の
実験におけるシリコン削れ量の目標値を300nmに設
定した。また、二電源方式のドライエッチング装置とし
て誘導結合型プラズマエッチング装置を用いると共に、
ソース電力及びバイアス電力のそれぞれの実効値を60
0W及び200Wに設定した。さらに、プロセスガスと
してCl2 ガスとO2 ガスとの混合ガス(圧力:7P
a、Cl2 ガス流量:150ml/min、O2 ガス流
量:6ml/min)を用いた。
【0031】尚、第2の実験においては、ソース電力の
印加開始時刻を基準時刻として、バイアス電力の印加開
始時刻を基準時刻からの遅延時間(バイアス電力の印加
開始時刻がソース電力の印加開始時刻よりも早い場合に
は負の値をとる)によって表した。
【0032】図17は第2の実験の結果、具体的には、
シリコン削れ量(縦軸)の遅延時間(横軸)に対する依
存性を示している。
【0033】図17に示すように、バイアス電力の印加
開始前にソース電力の印加を開始すると、シリコン基板
に対するエッチングの停止が発生することが判明した。
具体的には、ソース電力の印加開始によりプラズマを発
生させてからバイアス電力の印加を開始するまでの時
間、つまりソース電力の印加開始時刻からシリコン基板
に対するエッチングの開始時刻までの時間が僅かであっ
ても、シリコン基板表面の酸化が生じ、その結果、シリ
コン基板に対するエッチングが停止してしまう。
【0034】図16及び図17に示した結果から、本願
発明者らは、前記の第1の目的を達成するためには、つ
まりシリコン含有部材に対するドライエッチングが途中
で停止してしまうことを防止するためには、シリコン含
有部材に対してドライエッチングを行なうときに、シリ
コン含有部材表面を酸化させないことが重要であること
を見出した。また、シリコン含有部材表面を酸化させな
いための具体的な方法として、二電源方式のドライエッ
チング装置においてソース電力の印加開始前にバイアス
電力の印加を開始する方法を着想した。ところで、一般
に、印加電力の実効値に対する設定値が大きくなるに従
って、該電力の印加開始からその実効値が設定値に達す
るまでに要する時間が長くなる。このため、バイアス電
力の実効値に対する設定値(第1の設定値)よりもソー
ス電力の実効値に対する設定値(第2の設定値)が高い
場合においてバイアス電力の印加開始と同時に又はバイ
アス電力の印加開始前にソース電力の印加を開始する場
合であっても、バイアス電力の実効値が第1の設定値に
達した後にソース電力の実効値が第2の設定値に達する
ならば、前述の「ソース電力の印加開始前にバイアス電
力の印加を開始する方法」と同等の効果が得られる。
【0035】また、本願発明者らは、二電源方式のドラ
イエッチング装置を用いてシリコン含有部材に対してエ
ッチングを行なう場合、該エッチングに引き続いて同じ
二電源方式のドライエッチング装置を用いてバイアス電
力を印加することなくソース電力を印加することによ
り、エッチング時にシリコン含有部材に生じたダメージ
層を酸化し、その後、酸化されたダメージ層を基板洗浄
により除去することによって、前記の第2の目的を達成
できること、つまり半導体装置の電気的特性の劣化を防
止できることに着想した。
【0036】さらに、本願発明者らは、二電源方式のド
ライエッチング装置でバイアス電力を印加することなく
ソース電力を印加して、シリコン基板における素子分離
用溝の壁面近傍及び底面近傍を酸化することによって、
前記の第3の目的を達成できること、つまりシリコン基
板における素子分離用溝の壁面近傍及び底面近傍の表面
準位を酸化炉を用いることなく低コストで低減できるこ
とに着想した。
【0037】本発明は、以上に説明した知見に基づきな
されたものであって、具体的には、前記の第1の目的を
達成するために、本発明に係るドライエッチング方法
は、チャンバー内にプラズマを発生させるためのソース
電力と、該プラズマ中のイオンをチャンバー内の被エッ
チング物に引き込むためのバイアス電力とを独立して制
御できる二電源方式のドライエッチング装置を用いたド
ライエッチング方法を前提とし、チャンバー内に、少な
くともシリコンを含む部材が露出した基板を設置する工
程と、基板が設置されたチャンバー内に少なくとも酸素
を含むプロセスガスを導入する工程と、ソース電力の印
加によりプロセスガスからなるプラズマを発生させると
共にバイアス電力の印加により該プラズマ中のイオンを
部材に引き込むことにより、部材に対してエッチングを
行なう工程とを備え、部材に対してエッチングを行なう
工程は、部材の表面における酸化が進行する前にバイア
ス電力の印加を開始する工程を含む。
【0038】本発明のドライエッチング方法によると、
被エッチング物であるシリコン含有部材に対して二電源
方式のドライエッチング装置を用いてエッチングを行な
うときに、シリコン含有部材の表面における酸化が進行
する前にバイアス電力の印加を開始する。このため、プ
ラズマ中のイオンのシリコン含有部材への引き込みが、
シリコン含有部材の表面に形成される酸化膜によって阻
害されることがないので、シリコン含有部材に対するド
ライエッチングが途中で停止してしまうことを確実に防
止できる。
【0039】本発明のドライエッチング方法において、
部材に対してエッチングを行なう工程は、ソース電力の
印加を開始する前にバイアス電力の印加を開始する工程
を含むことが好ましい。
【0040】このようにすると、ソース電力の印加によ
り発生したプラズマ中の酸素ラジカルによってシリコン
含有部材の表面が酸化される前に、プラズマ中のイオン
をシリコン含有部材に確実に引き込み、それによってシ
リコン含有部材に対して確実にエッチングを行なうこと
ができる。
【0041】本発明のドライエッチング方法において、
部材に対してエッチングを行なう工程は、バイアス電力
の実効値が第1の設定値に達した後にソース電力の実効
値が第2の設定値に達するようにソース電力及びバイア
ス電力の印加を行なう工程を含むことが好ましい。
【0042】このようにすると、ソース電力の印加によ
り発生したプラズマ中の酸素ラジカルによってシリコン
含有部材の表面が酸化される前に、プラズマ中のイオン
をシリコン含有部材に確実に引き込み、それによってシ
リコン含有部材に対して確実にエッチングを開始するこ
とができる。具体的には、ソース電力の第2の設定値が
バイアス電力の第1の設定値よりも高い場合等には、バ
イアス電力の印加開始と同時に又はバイアス電力の印加
開始前にソース電力の印加を開始しても、ソース電力の
実効値が第2の設定値に達する時点がバイアス電力の実
効値が第1の設定値に達する時点よりも後になる。従っ
て、このような場合には、バイアス電力の印加開始後に
ソース電力の印加を開始する場合と同等の効果が得られ
る。
【0043】本発明のドライエッチング方法において、
シリコン含有部材としてシリコン基板、ポリシリコン
膜、アモルファスシリコン膜又はシリサイド膜等を用い
てもよい。
【0044】前記の第1の目的を達成するために、本発
明に係る第1の半導体装置の製造方法は、チャンバー内
にプラズマを発生させるためのソース電力と、該プラズ
マ中のイオンをチャンバー内の被エッチング物に引き込
むためのバイアス電力とを独立して制御できる二電源方
式のドライエッチング装置を用いた半導体装置の製造方
法を前提とし、シリコン基板上に、素子分離形成領域に
開口部を有するマスクパターンを形成する工程と、チャ
ンバー内に、マスクパターンが形成されたシリコン基板
を設置する工程と、シリコン基板が設置されたチャンバ
ー内に少なくとも酸素を含むプロセスガスを導入する工
程と、ソース電力の印加によりプロセスガスからなるプ
ラズマを発生させると共にバイアス電力の印加により該
プラズマ中のイオンをシリコン基板に引き込むことによ
り、シリコン基板に対してエッチングを行なってシリコ
ン基板に素子分離用溝を形成する工程とを備え、素子分
離用溝を形成する工程は、シリコン基板の露出部分にお
ける酸化が進行する前にバイアス電力の印加を開始する
工程を含む。
【0045】第1の半導体装置の製造方法によると、シ
リコン基板に対して二電源方式のドライエッチング装置
を用いてエッチングを行なって素子分離用溝を形成する
ときに、シリコン基板の露出部分における酸化が進行す
る前にバイアス電力の印加を開始する。このため、プラ
ズマ中のイオンのシリコン基板への引き込みが、シリコ
ン基板の表面に形成される酸化膜によって阻害されるこ
とがないので、シリコン基板に対するドライエッチング
が途中で停止してしまうことを確実に防止できる。従っ
て、シリコン基板に所望の分離深さを有する素子分離用
溝を形成できる。
【0046】第1の半導体装置の製造方法において、素
子分離用溝を形成する工程は、ソース電力の印加を開始
する前にバイアス電力の印加を開始する工程を含むこと
が好ましい。
【0047】このようにすると、ソース電力の印加によ
り発生したプラズマ中の酸素ラジカルによってシリコン
基板の表面が酸化される前に、プラズマ中のイオンをシ
リコン基板に確実に引き込み、それによってシリコン基
板に対して確実にエッチングを行なうことができる。
【0048】第1の半導体装置の製造方法において、素
子分離用溝を形成する工程は、バイアス電力の実効値が
第1の設定値に達した後にソース電力の実効値が第2の
設定値に達するようにソース電力及びバイアス電力の印
加を行なう工程を含むことが好ましい。
【0049】このようにすると、ソース電力の印加によ
り発生したプラズマ中の酸素ラジカルによってシリコン
基板の表面が酸化される前に、プラズマ中のイオンをシ
リコン基板に確実に引き込み、それによってシリコン基
板に対して確実にエッチングを行なうことができる。
【0050】前記の第1の目的を達成するために、本発
明に係る第2の半導体装置の製造方法は、チャンバー内
にプラズマを発生させるためのソース電力と、該プラズ
マ中のイオンをチャンバー内の被エッチング物に引き込
むためのバイアス電力とを独立して制御できる二電源方
式のドライエッチング装置を用いた半導体装置の製造方
法を前提とし、基板上に少なくともシリコンを含む導電
膜を形成する工程と、導電膜上にゲート電極形成領域を
覆うマスクパターンを形成する工程と、チャンバー内
に、導電膜及びマスクパターンが形成された基板を設置
する工程と、基板が設置されたチャンバー内に少なくと
も酸素を含むプロセスガスを導入する工程と、ソース電
力の印加によりプロセスガスからなるプラズマを発生さ
せると共にバイアス電力の印加により該プラズマ中のイ
オンを導電膜に引き込むことにより、導電膜に対してエ
ッチングを行なって導電膜からなるゲート電極を形成す
る工程とを備え、ゲート電極を形成する工程は、導電膜
の露出部分における酸化が進行する前にバイアス電力の
印加を開始する工程を含む。
【0051】第2の半導体装置の製造方法によると、基
板上に形成されたシリコン含有導電膜に対して二電源方
式のドライエッチング装置を用いてエッチングを行なっ
てゲート電極を形成するときに、シリコン含有導電膜の
露出部分における酸化が進行する前にバイアス電力の印
加を開始する。このため、プラズマ中のイオンのシリコ
ン含有導電膜への引き込みが、シリコン含有導電膜の表
面に形成される酸化膜によって阻害されることがないの
で、シリコン含有導電膜に対するドライエッチングが途
中で停止してしまうことを確実に防止できる。従って、
所望の寸法を有するゲート電極を形成できる。
【0052】第2の半導体装置の製造方法において、ゲ
ート電極を形成する工程は、ソース電力の印加を開始す
る前にバイアス電力の印加を開始する工程を含むことが
好ましい。
【0053】このようにすると、ソース電力の印加によ
り発生したプラズマ中の酸素ラジカルによってシリコン
含有導電膜の表面が酸化される前に、プラズマ中のイオ
ンをシリコン含有導電膜に確実に引き込み、それによっ
てシリコン含有導電膜に対して確実にエッチングを行な
うことができる。
【0054】第2の半導体装置の製造方法において、ゲ
ート電極を形成する工程は、バイアス電力の実効値が第
1の設定値に達した後にソース電力の実効値が第2の設
定値に達するようにソース電力及びバイアス電力の印加
を行なう工程を含むことが好ましい。
【0055】このようにすると、ソース電力の印加によ
り発生したプラズマ中の酸素ラジカルによってシリコン
含有導電膜の表面が酸化される前に、プラズマ中のイオ
ンをシリコン含有導電膜に確実に引き込み、それによっ
てシリコン含有導電膜に対して確実にエッチングを行な
うことができる。
【0056】第2の半導体装置の製造方法において、シ
リコン含有導電膜としてポリシリコン膜、アモルファス
シリコン膜又はシリサイド膜等を用いてもよい。
【0057】前記の第2の目的を達成するために、本発
明に係る第3の半導体装置の製造方法は、チャンバー内
にプラズマを発生させるためのソース電力と、該プラズ
マ中のイオンをチャンバー内の被エッチング物に引き込
むためのバイアス電力とを独立して制御できる二電源方
式のドライエッチング装置を用いた半導体装置の製造方
法を前提とし、チャンバー内に、少なくともシリコンを
含む部材が露出した基板を設置した後、チャンバー内に
第1のプロセスガスを導入し、その後、ソース電力の印
加により第1のプロセスガスからなる第1のプラズマを
発生させると共にバイアス電力の印加により該第1のプ
ラズマ中のイオンを部材に引き込むことにより、部材に
対してエッチングを行なう工程と、部材に対してエッチ
ングを行なう工程よりも後に、第1のプロセスガスをチ
ャンバーから排気し、その後、チャンバー内に基板を設
置したままチャンバー内に少なくとも酸素を含む第2の
プロセスガスを導入する工程と、バイアス電力の印加を
行なうことなくソース電力の印加により第2のプロセス
ガスからなる第2のプラズマを発生させることにより、
部材に対してエッチングを行なう工程において部材に生
じたダメージ層を酸化する工程と、基板をチャンバーか
ら取り出した後、基板を洗浄することにより、酸化され
たダメージ層を除去する工程とを備えている。
【0058】第3の半導体装置の製造方法によると、二
電源方式のドライエッチング装置を用いてシリコン含有
部材に対してエッチングを行なった後、同じ二電源方式
のドライエッチング装置を用いてバイアス電力を印加す
ることなくソース電力を印加することにより、ドライエ
ッチング時にシリコン含有部材に生じたダメージ層を酸
化し、その後、酸化されたダメージ層を基板洗浄により
除去する。このため、ドライエッチング時にシリコン含
有部材に生じるダメージ層に起因して半導体装置の電気
的特性が劣化することを防止できる。また、酸化炉に代
えて、ドライエッチング時に使用された二電源方式のド
ライエッチング装置を用いることによってダメージ層の
酸化を行なえるので、半導体装置の製造コストを大幅に
削減することができる。
【0059】第3の半導体装置の製造方法において、部
材はシリコン基板であり、部材に対してエッチングを行
なう工程は、シリコン基板に素子分離用溝を形成する工
程を含み、ダメージ層を酸化する工程は、シリコン基板
における素子分離用溝の壁面近傍及び底面近傍に生じた
ダメージ層を酸化する工程を含むことが好ましい。
【0060】このようにすると、シリコン基板に対して
ドライエッチングを行なって素子分離用溝を形成したと
きに、シリコン基板における素子分離用溝の壁面近傍及
び底面近傍に生じたダメージ層を低コストで除去でき
る。
【0061】第3の半導体装置の製造方法において、部
材は、基板上に形成された少なくともシリコンを含む導
電膜であり、部材に対してエッチングを行なう工程は、
基板上に導電膜からなるゲート電極を形成する工程を含
み、ダメージ層を酸化する工程は、ゲート電極の側面に
生じたダメージ層を酸化する工程を含むことが好まし
い。
【0062】このようにすると、基板上に形成されたシ
リコン含有導電膜に対してドライエッチングを行なって
ゲート電極を形成したときに、ゲート電極の側面に生じ
たダメージ層を低コストで除去できる。
【0063】また、この場合、シリコン含有導電膜とし
てポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜又はシリサ
イド膜等を用いてもよい。
【0064】前記の第3の目的を達成するために、本発
明に係る第4の半導体装置の製造方法は、チャンバー内
にプラズマを発生させるためのソース電力と、該プラズ
マ中のイオンをチャンバー内の被エッチング物に引き込
むためのバイアス電力とを独立して制御できる二電源方
式のドライエッチング装置を用いた半導体装置の製造方
法を前提とし、チャンバー内に、素子分離用溝が形成さ
れたシリコン基板を設置する工程と、シリコン基板が設
置されたチャンバー内に少なくとも酸素を含むプロセス
ガスを導入する工程と、バイアス電力の印加を行なうこ
となくソース電力の印加によりプロセスガスからなるプ
ラズマを発生させることにより、シリコン基板における
素子分離用溝の壁面近傍及び底面近傍を酸化してシリコ
ン酸化膜を形成する工程と、基板をチャンバーから取り
出した後、シリコン酸化膜が形成された素子分離用溝に
絶縁膜を埋め込んで素子分離を形成する工程とを備えて
いる。
【0065】第4の半導体装置の製造方法によると、二
電源方式のドライエッチング装置を用いてバイアス電力
を印加することなくソース電力を印加することにより、
シリコン基板における素子分離用溝の壁面近傍及び底面
近傍を酸化してシリコン酸化膜を形成する。このため、
酸化炉を用いることなく、シリコン基板における素子分
離用溝の壁面近傍及び底面近傍の表面準位を低減でき
る。また、酸化炉を用いることなく、素子分離用溝のコ
ーナ部を丸めて素子分離の絶縁破壊耐圧を向上させるこ
とができる。従って、半導体装置の製造コストを大幅に
削減することができる。尚、第4の半導体装置の製造方
法において、シリコン基板における素子分離用溝の壁面
近傍及び底面近傍を、ドライエッチング時に生じたダメ
ージ層よりも深く酸化することによって、ダメージ層除
去のための酸化と、表面準位低減及び絶縁破壊耐圧向上
のための酸化とを同時に行なうことができる。この場
合、酸化されたダメージ層を除去するための洗浄工程を
省略できる。
【0066】第4の半導体装置の製造方法のうちの素子
分離を形成する工程において、素子分離用溝が完全に埋
まるようにシリコン基板上に絶縁膜を形成した後、絶縁
膜の表面を含むシリコン基板の表面をCMP法により平
坦化して絶縁膜における素子分離用溝の外側の部分を除
去してもよい。
【0067】前記の第1の目的を達成するために、本発
明に係るドライエッチング装置は、チャンバー内にプラ
ズマを発生させるためのソース電力と、該プラズマ中の
イオンをチャンバー内の被エッチング物に引き込むため
のバイアス電力とを独立して制御できる二電源方式のド
ライエッチング装置を前提とし、バイアス電力の印加を
開始すると同時にタイマーを初期化して動作させるバイ
アス電力印加手段と、タイマーにより測定された経過時
間が所定の時間に達したときにソース電力の印加を開始
するソース電力印加手段とを備えている。
【0068】本発明のドライエッチング装置によると、
バイアス電力印加手段によりバイアス電力の印加が開始
されてからの経過時間が所定の時間に達したときに、ソ
ース電力印加手段によりソース電力の印加が開始され
る。すなわち、ソース電力の印加が開始される前に必ず
バイアス電力の印加が開始される。このため、酸素を含
むプロセスガスを用いて被エッチング物であるシリコン
含有部材に対してエッチングを行なう場合であっても、
ソース電力の印加により発生したプラズマ中の酸素ラジ
カルによってシリコン含有部材が酸化される前に、バイ
アス電力の印加を開始してプラズマ中のイオンをシリコ
ン含有部材に確実に引き込むことができる。その結果、
プラズマ中のイオンのシリコン含有部材への引き込み
が、シリコン含有部材の表面に形成される酸化膜によっ
て阻害されることがないので、シリコン含有部材に対す
るドライエッチングが途中で停止してしまうことを確実
に防止できる。
【0069】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について
図面を参照しながら説明する。
【0070】図1(a)〜(d)は第1の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0071】まず、図1(a)に示すように、シリコン
基板10上に例えば熱酸化により第1のシリコン酸化膜
11を形成した後、第1のシリコン酸化膜11上に例え
ばCVD法等の成膜方法を用いてシリコン窒化膜12を
形成し、その後、シリコン窒化膜12上にフォトリソグ
ラフィー法により、素子分離形成領域に開口部を有する
レジストパターン13を形成する。
【0072】次に、図1(b)に示すように、レジスト
パターン13をマスクとしてシリコン窒化膜12及び第
1のシリコン酸化膜11に対してドライエッチングを行
なって、シリコン窒化膜12及び第1のシリコン酸化膜
11をそれぞれパターン化する。その後、アッシングに
よりレジストパターン13を除去した後、シリコン基板
10を洗浄する。
【0073】次に、図1(c)に示すように、パターン
化されたシリコン窒化膜12をマスクとしてシリコン基
板10に対してドライエッチングを行なって、シリコン
基板10に素子分離用溝14を形成する。ここで、図1
(c)に示すドライエッチング工程について詳しく説明
する。まず、ドライエッチング装置のチャンバー内(図
示省略)に被エッチング物であるシリコン基板10を設
置する。その後、チャンバー内を所定の真空度に達する
まで真空排気した後、チャンバー内にシリコン基板10
に対してエッチングを行なうために必要なプロセスガ
ス、例えばハロゲン含有ガスと酸素ガスとの混合ガスを
導入する。その後、バイアス電力の印加を開始すること
によってプロセスガスからなる第1のプラズマを発生さ
せると同時に該第1のプラズマ中のイオンをシリコン基
板10に引き込む。その後、バイアス電力の印加を継続
しながらソース電力の印加を開始することによってプロ
セスガスからなる第2のプラズマを発生させると共に該
第2のプラズマ中のイオンをシリコン基板10に引き込
む。これにより、プラズマ中のイオンとシリコン基板1
0の露出部分とが反応して揮発性の反応生成物が形成さ
れる。このとき、チャンバー内の真空排気により前述の
揮発性の反応生成物をチャンバーから排出することによ
ってシリコン基板10に対するドライエッチングが行な
われる。その後、シリコン基板10をチャンバーから取
り出した後、シリコン基板10を洗浄して、シリコン基
板10に対するドライエッチング時に形成された堆積物
を除去する。これにより、シリコン基板10に素子分離
用溝14が形成される。
【0074】尚、図1(c)に示すドライエッチング工
程においては、分離寸法の微細化によりゲート電極の加
工とほぼ同程度の高い加工精度が要求されるために、二
電源方式のドライエッチング装置、例えば誘導結合型プ
ラズマエッチング装置を用いると共に、ソース電力及び
バイアス電力のそれぞれの実効値を例えば600W及び
200Wに設定する。また、プロセスガスとして例えば
Cl2 ガスとO2 ガスとの混合ガス(圧力:7Pa、C
2 ガス流量:150ml/min、O2 ガス流量:6
ml/min)を用いる。さらに、バイアス電力の印加
開始をソース電力の印加開始よりも例えば1秒早く行な
う。図2は、図1(c)に示すドライエッチング工程に
おけるソース電力及びバイアス電力のそれぞれの実効値
の時間変化の一例を示す図である。但し、図2におい
て、ソース電力の印加を開始した時刻を電力印加時刻の
基準(0秒)としている。
【0075】次に、シリコン基板10における素子分離
用溝14の壁面近傍及び底面近傍の表面準位を低減する
ために、該壁面近傍及び底面近傍を酸化する。その後、
シリコン窒化膜12の上に例えばCVD法により第2の
シリコン酸化膜15を素子分離用溝14が完全に埋まる
ように堆積した後、第2のシリコン酸化膜15の表面を
含むシリコン窒化膜12の表面をCMP法により平坦化
して素子分離用溝14の外側の第2のシリコン酸化膜1
5を除去する。その後、図1(d)に示すように、シリ
コン窒化膜12をウエットエッチングによりを除去する
と共に、シリコン基板10を洗浄してシリコン基板10
の表面に残存する第1のシリコン酸化膜11を除去す
る。これにより、素子分離用溝14に埋め込まれた第2
のシリコン酸化膜15からなる素子分離が形成される。
【0076】以下、第1の実施形態に係る半導体装置の
製造方法の特徴である、二電源方式のドライエッチング
装置を用いた図1(c)に示すドライエッチング工程に
おけるソース電力及びバイアス電力の印加方法(以下、
本発明のドライエッチング方法と称する)、つまりソー
ス電力の印加を開始する前にバイアス電力の印加を開始
する方法の作用について、図面を参照しながら説明す
る。
【0077】図3(a)〜(c)は、本発明のドライエ
ッチング方法の作用を示す図、具体的には、図1(c)
に示すドライエッチング工程におけるドライエッチング
装置のチャンバー内の状態の変化を示す図であり、
(a)はチャンバー内にプロセスガスを導入した直後の
状態を示しており、(b)はバイアス電力の印加を開始
した直後の状態を示しており、(c)はソース電力の印
加を開始した直後の状態を示している。尚、図3(a)
〜(c)において、シリコン基板上のシリコン窒化膜等
の図示を省略していると共に、チャンバー内の試料台等
の図示を省略している。
【0078】まず、図3(a)に示すように、被エッチ
ング物であるシリコン基板10をドライエッチング装置
のチャンバー17内に設置した後、チャンバー17内を
所定の真空度に達するまで真空排気し、その後、チャン
バー17内にシリコン基板10に対してエッチングを行
なうために必要なプロセスガス18を導入する。次に、
図3(b)に示すように、バイアス電力を印加すること
によってプロセスガス18からなる第1のプラズマ18
Aを発生させると共に該第1のプラズマ18A中のイオ
ン19をシリコン基板10に引き込む。その後、バイア
ス電力の印加を継続しながらソース電力を印加すること
によってプロセスガス18からなる第2のプラズマ18
Bを発生させると共に該第2のプラズマ18B中のイオ
ン19をシリコン基板10に引き込む。
【0079】すなわち、二電源方式のドライエッチング
装置を用いた従来のドライエッチング方法においてはソ
ース電力の印加を開始してからバイアス電力の印加を開
始したが、二電源方式のドライエッチング装置を用いた
本発明のドライエッチング方法においてはバイアス電力
の印加を開始してからソース電力の印加を開始する。そ
の結果、本発明のドライエッチング方法においては、従
来のドライエッチング方法(図15(a)〜(c)参
照)において見られたような、プラズマ中のイオンのシ
リコン基板への引き込みによるエッチングが始まる前に
プラズマ中の酸素ラジカル(活性な酸素)とシリコン基
板の露出部分とが反応してシリコン基板上に酸化膜が形
成される事態を回避することができる。言い換えると、
本発明のドライエッチング方法においては、プラズマ中
の酸素ラジカルと被エッチング物であるシリコン基板と
が反応する前に、プラズマ中のイオンをシリコン基板の
方向へ加速させ、それによってシリコン基板に対するエ
ッチングを開始することができる。具体的には、本発明
のドライエッチング方法においてソース電力の印加を開
始する前にバイアス電力の印加を開始することにより、
バイアス電力によって加速運動をするイオンが、ランダ
ム運動をする酸素ラジカルよりも早くシリコン基板に到
達するので、シリコン基板上に酸化膜が形成されてシリ
コン基板に対するエッチングが停止してしまうことを防
止できる。
【0080】以上に説明したように、第1の実施形態に
よると、シリコン基板10に対して二電源方式のドライ
エッチング装置を用いてエッチングを行なって素子分離
用溝14を形成するときに、ソース電力の印加を開始す
る前にバイアス電力の印加を開始する。このため、ソー
ス電力の印加により発生したプラズマ中の酸素ラジカル
によってシリコン基板10の露出部分が酸化される前
に、バイアス電力の印加を開始してプラズマ中のイオン
をシリコン基板10に確実に引き込むことができる。そ
の結果、プラズマ中のイオンのシリコン基板10への引
き込みが、シリコン基板10の表面に形成される酸化膜
によって阻害されることがないので、シリコン基板10
に対するドライエッチングが途中で停止してしまうこと
を確実に防止できる。従って、シリコン基板10に所望
の分離深さを有する素子分離用溝14を形成できる。
【0081】尚、第1の実施形態において、二電源方式
のドライエッチング装置として誘導結合型プラズマエッ
チング装置を用いたが、これに代えて、電子サイクロン
共鳴型(ECR)、容量結合型プラズマ2周波型又は表
面波プラズマ型(SWP)等の他の二電源方式のドライ
エッチング装置を用いてもよい。
【0082】また、第1の実施形態において、ソース電
力の印加を開始する前にバイアス電力の印加を開始した
が、これに代えて、バイアス電力の実効値に対する第1
の設定値よりもソース電力の実効値に対する第2の設定
値が高い場合においてバイアス電力の印加開始と同時に
又はバイアス電力の印加開始前にソース電力の印加を開
始する場合に、バイアス電力の実効値が第1の設定値に
達した後にソース電力の実効値が第2の設定値に達する
ようにソース電力及びバイアス電力の印加を行なっても
よい。図4は、バイアス電力の実効値に対する第1の設
定値よりもソース電力の実効値に対する第2の設定値が
高い場合においてバイアス電力の印加開始と同時にソー
ス電力の印加を開始する場合における、ソース電力及び
バイアス電力のそれぞれの実効値の時間変化の一例を示
す図である。但し、図4において、ソース電力の印加を
開始した時刻を電力印加時刻の基準(0秒)としている
と共に、ソース電力及びバイアス電力の実効値をそれぞ
れ600W及び200Wに設定している。
【0083】また、第1の実施形態において、素子分離
用溝を形成するためにシリコン基板に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としたが、これに限られず、
他の目的のためにシリコン含有部材に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としても、シリコン含有部材
に対するドライエッチングの停止を防止できるという効
果が得られる。
【0084】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参
照しながら説明する。
【0085】図5(a)〜(c)は第2の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0086】まず、図5(a)に示すように、シリコン
基板20上に熱酸化によりシリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜21を形成した後、ゲート絶縁膜21上に例え
ばCVD法等の成膜方法を用いてポリシリコン膜22を
形成し、その後、ポリシリコン膜22上にフォトリソグ
ラフィー法により、ゲート電極形成領域を覆うレジスト
パターン23を形成する。
【0087】次に、図5(b)に示すように、レジスト
パターン23をマスクとしてポリシリコン膜22に対し
てドライエッチングを行なって、シリコン基板20上に
ゲート絶縁膜21を介してポリシリコン膜22からなる
ゲート電極24を形成する。ここで、図5(b)に示す
ドライエッチング工程について詳しく説明する。まず、
ドライエッチング装置のチャンバー内(図示省略)に被
エッチング物であるポリシリコン膜22が形成されたシ
リコン基板20を設置する。その後、チャンバー内を所
定の真空度に達するまで真空排気した後、チャンバー内
にポリシリコン膜22に対してエッチングを行なうため
に必要なプロセスガス、例えばハロゲン含有ガスと酸素
ガスとの混合ガスを導入する。その後、バイアス電力の
印加を開始することによってプロセスガスからなる第1
のプラズマを発生させると同時に該第1のプラズマ中の
イオンをポリシリコン膜22に引き込む。その後、バイ
アス電力の印加を継続しながらソース電力の印加を開始
することによってプロセスガスからなる第2のプラズマ
を発生させると共に該第2のプラズマ中のイオンをポリ
シリコン膜22に引き込む。これにより、プラズマ中の
イオンとポリシリコン膜22の露出部分とが反応して揮
発性の反応生成物が形成される。このとき、チャンバー
内の真空排気により前述の揮発性の反応生成物をチャン
バーから排出することによってポリシリコン膜22に対
するドライエッチングが行なわれ、その結果、ポリシリ
コン膜22からなるゲート電極24が形成される。
【0088】尚、図5(b)に示すドライエッチング工
程においては、ゲート寸法の微細化により高い加工精度
が要求されるために、二電源方式のドライエッチング装
置、例えば誘導結合型プラズマエッチング装置を用いる
と共に、ソース電力及びバイアス電力のそれぞれの実効
値を例えば200W及び50Wに設定した。また、プロ
セスガスとして例えばCl2 ガスとHBrガスとO2
スとの混合ガス(圧力:4Pa、Cl2 ガス流量:25
ml/min、HBrガス流量:125ml/min、
2 ガス流量:1ml/min)を用いた。さらに、バ
イアス電力の印加開始をソース電力の印加開始よりも例
えば1秒早く行なった。
【0089】次に、シリコン基板20をチャンバーから
取り出した後、図5(c)に示すように、アッシングに
よりレジストパターン23を除去し、その後、シリコン
基板20を洗浄して、ポリシリコン膜22に対するドラ
イエッチング時に形成された堆積物、及びゲート絶縁膜
21におけるゲート電極24の外側の部分を除去する。
【0090】以上に説明したように、第2の実施形態に
よると、ポリシリコン膜22に対して二電源方式のドラ
イエッチング装置を用いてエッチングを行なってゲート
電極24を形成するときに、ソース電力の印加を開始す
る前にバイアス電力の印加を開始する。このため、ソー
ス電力の印加により発生したプラズマ中の酸素ラジカル
によってポリシリコン膜22の露出部分が酸化される前
に、バイアス電力の印加を開始してプラズマ中のイオン
をポリシリコン膜22に確実に引き込むことができる。
その結果、プラズマ中のイオンのポリシリコン膜22へ
の引き込みが、ポリシリコン膜22の表面に形成される
酸化膜によって阻害されることがないので、ポリシリコ
ン膜22に対するドライエッチングが途中で停止してし
まうことを確実に防止できる。従って、所望の寸法を有
するゲート電極24を形成できる。
【0091】尚、第2の実施形態において、二電源方式
のドライエッチング装置として誘導結合型プラズマエッ
チング装置を用いたが、これに代えて、電子サイクロン
共鳴型、容量結合型プラズマ2周波型又は表面波プラズ
マ型等の他の二電源方式のドライエッチング装置を用い
てもよい。
【0092】また、第2の実施形態において、ソース電
力の印加を開始する前にバイアス電力の印加を開始した
が、これに代えて、バイアス電力の実効値に対する第1
の設定値よりもソース電力の実効値に対する第2の設定
値が高い場合においてバイアス電力の印加開始と同時に
又はバイアス電力の印加開始前にソース電力の印加を開
始する場合に、バイアス電力の実効値が第1の設定値に
達した後にソース電力の実効値が第2の設定値に達する
ようにソース電力及びバイアス電力の印加を行なっても
よい。
【0093】また、第2の実施形態において、ゲート電
極を構成する導電膜としてポリシリコン膜を用いたが、
これに代えて、少なくともシリコンを含む他の導電膜、
例えばアモルファスシリコン膜、又はWSi(タングス
テンシリサイド)膜等のシリサイド膜を用いてもよい。
【0094】また、第2の実施形態において、ゲート電
極を形成するためにポリシリコン膜に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としたが、これに限られず、
他の目的のためにシリコン含有部材に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としても、シリコン含有部材
に対するドライエッチングの停止を防止できるという効
果が得られる。
【0095】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参
照しながら説明する。
【0096】図6(a)〜(e)は第3の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0097】まず、図6(a)に示すように、シリコン
基板30上に例えば熱酸化により第1のシリコン酸化膜
31を形成した後、第1のシリコン酸化膜31上に例え
ばCVD法等の成膜方法を用いてシリコン窒化膜32を
形成する。その後、シリコン窒化膜32上にフォトリソ
グラフィー法により、素子分離形成領域に開口部を有す
るレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジ
ストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜32及び第
1のシリコン酸化膜31に対してドライエッチングを行
なって、シリコン窒化膜32及び第1のシリコン酸化膜
31をそれぞれパターン化する。その後、アッシングに
よりレジストパターンを除去した後、シリコン基板30
を洗浄する。
【0098】次に、図6(b)に示すように、パターン
化されたシリコン窒化膜32をマスクとしてシリコン基
板30に対してドライエッチングを行なって、シリコン
基板30に素子分離用溝33を形成する。このとき、シ
リコン基板30における素子分離用溝33の壁面近傍及
び底面近傍に、結晶性の悪い又は不純物が混入したシリ
コン層つまりダメージ層34が生じる。ここで、図6
(b)に示すドライエッチング工程について詳しく説明
する。まず、ドライエッチング装置のチャンバー内(図
示省略)に被エッチング物であるシリコン基板30を設
置する。その後、チャンバー内を所定の真空度に達する
まで真空排気した後、チャンバー内にシリコン基板30
に対してエッチングを行なうために必要な第1のプロセ
スガス、例えばCl2 ガス又はHBrガス等のハロゲン
含有ガスと酸素ガスとの混合ガスを導入する。その後、
ソース電力の印加により第1のプロセスガスからなる第
1のプラズマを発生させると共にバイアス電力の印加に
より該第1のプラズマ中のイオンをシリコン基板30に
引き込む。これにより、第1のプラズマ中のイオンとシ
リコン基板30の露出部分とが反応して揮発性の反応生
成物が形成される。このとき、チャンバー内の真空排気
により前述の揮発性の反応生成物をチャンバーから排出
することによってシリコン基板30に対するドライエッ
チングが行なわれる。
【0099】尚、図6(b)に示すドライエッチング工
程においては、分離寸法の微細化によりゲート電極の加
工とほぼ同程度の高い加工精度が要求されるために、二
電源方式のドライエッチング装置、例えば誘導結合型プ
ラズマエッチング装置を用いる。
【0100】次に、図6(b)に示すドライエッチング
工程の終了後、第1のプロセスガスをチャンバーから排
気し、その後、チャンバー内にシリコン基板30を設置
したままチャンバー内に少なくとも酸素を含む第2のプ
ロセスガスを導入する。その後、バイアス電力の印加を
行なうことなくソース電力の印加により第2のプロセス
ガスからなる第2のプラズマを発生させることにより、
第2のプラズマ中の酸素ラジカルとダメージ層34とを
反応させ、それによって、図6(c)に示すように、酸
化ダメージ層34A(具体的にはシリコン酸化膜)を形
成する。
【0101】尚、図6(c)に示すダメージ層酸化工程
においては、ソース電力の実効値を例えば600W(バ
イアス電力の実効値は0W)に設定すると共に、第2の
プロセスガスとして例えばO2 ガス(圧力:7Pa、ガ
ス流量:50ml/min)を用いる。
【0102】次に、シリコン基板30をチャンバーから
取り出した後、図6(d)に示すように、例えばHFを
含む薬液等を用いてシリコン基板30を洗浄することに
よって、酸化ダメージ層34A、及びシリコン基板30
に対するドライエッチング時に形成された堆積物を除去
する。これにより、シリコン基板30に、ダメージ層3
4が除去された素子分離用溝33を形成できる。
【0103】次に、シリコン基板30における素子分離
用溝33の壁面近傍及び底面近傍の表面準位を低減する
ために、該壁面近傍及び底面近傍を酸化する。その後、
シリコン窒化膜32の上に例えばCVD法により第2の
シリコン酸化膜35を素子分離用溝33が完全に埋まる
ように堆積した後、第2のシリコン酸化膜35の表面を
含むシリコン窒化膜32の表面をCMP法により平坦化
して素子分離用溝33の外側の第2のシリコン酸化膜3
5を除去する。その後、図6(e)に示すように、シリ
コン窒化膜32をウエットエッチングによりを除去する
と共に、シリコン基板30を洗浄してシリコン基板30
の表面に残存する第1のシリコン酸化膜31を除去す
る。これにより、素子分離用溝33に埋め込まれた第2
のシリコン酸化膜35からなる素子分離が形成される。
【0104】以上に説明したように、第3の実施形態に
よると、二電源方式のドライエッチング装置を用いてシ
リコン基板30に対してエッチングを行なって素子分離
用溝33を形成した後、同じ二電源方式のドライエッチ
ング装置を用いてバイアス電力を印加することなくソー
ス電力を印加することにより、シリコン基板30におけ
る素子分離用溝33の壁面近傍及び底面近傍にドライエ
ッチング時に生じたダメージ層34を酸化し、その後、
酸化されたダメージ層34Aを基板洗浄により除去す
る。このため、ダメージ層34に起因して半導体装置の
電気的特性が劣化することを防止できる。また、酸化炉
に代えて、ドライエッチング時に使用された二電源方式
のドライエッチング装置を用いることによりダメージ層
34の酸化を行なえるので、半導体装置の製造コストを
大幅に削減することができる。
【0105】尚、第3の実施形態において、二電源方式
のドライエッチング装置として誘導結合型プラズマエッ
チング装置を用いたが、これに代えて、電子サイクロン
共鳴型、容量結合型プラズマ2周波型又は表面波プラズ
マ型等の他の二電源方式のドライエッチング装置を用い
てもよい。
【0106】また、第3の実施形態において、第2のプ
ロセスガスとしてO2 ガスを用いたが、これに代えて、
2 ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いてもよい。
【0107】また、第3の実施形態において、図6
(b)に示すドライエッチング工程と図6(c)に示す
ダメージ層酸化工程とで同一の二電源方式のドライエッ
チング装置を用いたが、これに代えて、各工程で異なる
二電源方式のドライエッチング装置を用いてもよいし、
又は図6(b)に示すドライエッチング工程で二電源方
式以外の他のドライエッチング装置を用いてもよい。ま
た、図6(b)に示すドライエッチング工程で二電源方
式のドライエッチング装置を用いる場合、バイアス電力
の印加をシリコン基板30の露出部分における酸化が進
行する前に開始することが好ましい。具体的には、ソー
ス電力の印加を開始する前にバイアス電力の印加を開始
するか、又は、バイアス電力の実効値が第1の設定値に
達した後にソース電力の実効値が第2の設定値に達する
ようにソース電力及びバイアス電力の印加を行なうこと
が好ましい。
【0108】また、第3の実施形態において、素子分離
用溝を形成するためにシリコン基板に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としたが、これに限られず、
他の目的のためにシリコン含有部材に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としても、ドライエッチング
時にシリコン含有部材に生じるダメージ層に起因して半
導体装置の電気的特性が劣化することを防止できるとい
う効果が得られる。
【0109】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参
照しながら説明する。
【0110】図7(a)〜(d)は第4の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0111】まず、図7(a)に示すように、シリコン
基板40上に熱酸化によりシリコン酸化膜からなるゲー
ト絶縁膜41を形成した後、ゲート絶縁膜41上に例え
ばCVD法等の成膜方法を用いてポリシリコン膜42を
形成し、その後、ポリシリコン膜42上にフォトリソグ
ラフィー法により、ゲート電極形成領域を覆うレジスト
パターン43を形成する。
【0112】次に、図7(b)に示すように、レジスト
パターン43をマスクとしてポリシリコン膜42に対し
てドライエッチングを行なって、シリコン基板40上に
ゲート絶縁膜41を介してポリシリコン膜42からなる
ゲート電極44を形成する。このとき、ゲート電極44
の側面にダメージ層45が生じる。ここで、図7(b)
に示すドライエッチング工程について詳しく説明する。
まず、ドライエッチング装置のチャンバー内(図示省
略)に被エッチング物であるポリシリコン膜42が形成
されたシリコン基板40を設置する。その後、チャンバ
ー内を所定の真空度に達するまで真空排気した後、チャ
ンバー内にポリシリコン膜42に対してエッチングを行
なうために必要な第1のプロセスガス、例えばCl2
ス又はHBrガス等のハロゲン含有ガスと酸素ガスとの
混合ガスを導入する。その後、ソース電力の印加により
第1のプロセスガスからなる第1のプラズマを発生させ
ると共にバイアス電力の印加により該第1のプラズマ中
のイオンをポリシリコン膜42に引き込む。これによ
り、第1のプラズマ中のイオンとポリシリコン膜42の
露出部分とが反応して揮発性の反応生成物が形成され
る。このとき、チャンバー内の真空排気により前述の揮
発性の反応生成物をチャンバーから排出することによっ
てポリシリコン膜42に対するドライエッチングが行な
われ、その結果、ポリシリコン膜42からなるゲート電
極44が形成される。
【0113】尚、図7(b)に示すドライエッチング工
程においては、ゲート寸法の微細化により高い加工精度
が要求されるために、二電源方式のドライエッチング装
置、例えば誘導結合型プラズマエッチング装置を用い
る。
【0114】次に、図7(b)に示すドライエッチング
工程の終了後、第1のプロセスガスをチャンバーから排
気し、その後、チャンバー内にシリコン基板40を設置
したままチャンバー内に少なくとも酸素を含む第2のプ
ロセスガスを導入する。その後、バイアス電力の印加を
行なうことなくソース電力の印加により第2のプロセス
ガスからなる第2のプラズマを発生させることにより、
第2のプラズマ中の酸素ラジカルとダメージ層45とを
反応させ、それによって、図7(c)に示すように、酸
化ダメージ層45A(具体的にはシリコン酸化膜)を形
成する。
【0115】尚、図7(c)に示すダメージ層酸化工程
においては、ソース電力の実効値を例えば600W(バ
イアス電力の実効値は0W)に設定すると共に、第2の
プロセスガスとして例えばO2 ガス(圧力:7Pa、ガ
ス流量:40ml/min)を用いる。
【0116】次に、シリコン基板40をチャンバーから
取り出した後、図7(d)に示すように、アッシングに
よりレジストパターン43を除去し、その後、例えばH
Fを含む薬液等を用いてシリコン基板40を洗浄するこ
とによって、酸化ダメージ層45A、ポリシリコン膜4
2に対するドライエッチング時に形成された堆積物、及
びゲート絶縁膜41におけるゲート電極44の外側の部
分を除去する。これにより、シリコン基板40上にゲー
ト絶縁膜41を介して、ダメージ層45が除去されたゲ
ート電極44を形成できる。
【0117】以上に説明したように、第4の実施形態に
よると、二電源方式のドライエッチング装置を用いてポ
リシリコン膜42に対してエッチングを行なってゲート
電極44を形成した後、同じ二電源方式のドライエッチ
ング装置を用いてバイアス電力を印加することなくソー
ス電力を印加することにより、ゲート電極44の側面に
ドライエッチング時に生じたダメージ層45を酸化し、
その後、酸化されたダメージ層45Aを基板洗浄により
除去する。このため、ダメージ層45に起因して半導体
装置の電気的特性が劣化することを防止できる。また、
酸化炉に代えて、ドライエッチング時に使用された二電
源方式のドライエッチング装置を用いることによりダメ
ージ層45の酸化を行なえるので、半導体装置の製造コ
ストを大幅に削減することができる。
【0118】尚、第4の実施形態において、二電源方式
のドライエッチング装置として誘導結合型プラズマエッ
チング装置を用いたが、これに代えて、電子サイクロン
共鳴型、容量結合型プラズマ2周波型又は表面波プラズ
マ型等の他の二電源方式のドライエッチング装置を用い
てもよい。
【0119】また、第4の実施形態において、第2のプ
ロセスガスとしてO2 ガスを用いたが、これに代えて、
2 ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いてもよい。
【0120】また、第4の実施形態において、図7
(b)に示すドライエッチング工程と図7(c)に示す
ダメージ層酸化工程とで同一の二電源方式のドライエッ
チング装置を用いたが、これに代えて、各工程で異なる
二電源方式のドライエッチング装置を用いてもよいし、
又は図7(b)に示すドライエッチング工程で二電源方
式以外の他のドライエッチング装置を用いてもよい。ま
た、図7(b)に示すドライエッチング工程で二電源方
式のドライエッチング装置を用いる場合、バイアス電力
の印加をポリシリコン膜42の露出部分における酸化が
進行する前に開始することが好ましい。具体的には、ソ
ース電力の印加を開始する前にバイアス電力の印加を開
始するか、又は、バイアス電力の実効値が第1の設定値
に達した後にソース電力の実効値が第2の設定値に達す
るようにソース電力及びバイアス電力の印加を行なうこ
とが好ましい。
【0121】また、第4の実施形態において、ゲート電
極を構成する導電膜としてポリシリコン膜を用いたが、
これに代えて、少なくともシリコンを含む他の導電膜、
例えばアモルファスシリコン膜、又はWSi膜等のシリ
サイド膜を用いてもよい。
【0122】また、第4の実施形態において、ゲート電
極を形成するためにポリシリコン膜に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としたが、これに限られず、
他の目的のためにシリコン含有部材に対してドライエッ
チングを行なう場合を対象としても、ドライエッチング
時にシリコン含有部材に生じるダメージ層に起因して半
導体装置の電気的特性が劣化することを防止できるとい
う効果が得られる。
【0123】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参
照しながら説明する。
【0124】図8(a)〜(d)は第5の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【0125】まず、図8(a)に示すように、シリコン
基板50上に例えば熱酸化により第1のシリコン酸化膜
51を形成した後、第1のシリコン酸化膜51上に例え
ばCVD法等の成膜方法を用いてシリコン窒化膜52を
形成する。その後、シリコン窒化膜52上にフォトリソ
グラフィー法により、素子分離形成領域に開口部を有す
るレジストパターン(図示省略)を形成した後、該レジ
ストパターンをマスクとしてシリコン窒化膜52及び第
1のシリコン酸化膜51に対してドライエッチングを行
なって、シリコン窒化膜52及び第1のシリコン酸化膜
51をそれぞれパターン化する。その後、アッシングに
よりレジストパターンを除去した後、シリコン基板50
を洗浄する。
【0126】次に、図8(b)に示すように、パターン
化されたシリコン窒化膜52をマスクとしてシリコン基
板50に対してドライエッチングを行なった後、シリコ
ン基板50を洗浄して、シリコン基板50に対するドラ
イエッチング時に形成された堆積物を除去する。これに
より、シリコン基板50に素子分離用溝53が形成され
る。
【0127】次に、図8(c)に示すように、シリコン
基板50における素子分離用溝53の壁面近傍及び底面
近傍を酸化して第2のシリコン酸化膜54を形成する。
これにより、シリコン基板50における素子分離用溝5
3の壁面近傍及び底面近傍の表面準位を低減できると共
に、素子分離用溝53のコーナ部を丸めて素子分離の絶
縁破壊耐圧を向上させることができる。尚、第5の実施
形態においては、図8(c)に示す酸化工程を二電源方
式のドライエッチング装置を用いて行なう。ここで、図
8(c)に示す酸化工程について詳しく説明する。ま
ず、二電源方式のドライエッチング装置のチャンバー内
(図示省略)に、素子分離用溝53が形成されたシリコ
ン基板50を設置する。その後、チャンバー内を所定の
真空度に達するまで真空排気した後、チャンバー内にシ
リコン基板50を酸化させるのに必要なプロセスガス、
つまり少なくとも酸素を含むプロセスガスを導入する。
その後、バイアス電力の印加を行なうことなくソース電
力の印加によりプロセスガスからなるプラズマを発生さ
せることにより、該プラズマ中の酸素ラジカルと、シリ
コン基板50における素子分離用溝53の壁面近傍及び
底面近傍とを反応させ、それによって第2のシリコン酸
化膜54を形成する。
【0128】尚、図8(c)に示す酸化工程において
は、二電源方式のドライエッチング装置として例えば誘
導結合型プラズマエッチング装置を用いると共に、ソー
ス電力の実効値を例えば600W(バイアス電力の実効
値は0W)に設定する。また、プロセスガスとして例え
ばO2 ガス(圧力:7Pa、ガス流量:60ml/mi
n)を用いる。
【0129】次に、シリコン基板50をチャンバーから
取り出した後、シリコン窒化膜52の上に例えばCVD
法により第3のシリコン酸化膜55を素子分離用溝53
が完全に埋まるように堆積した後、第3のシリコン酸化
膜55の表面を含むシリコン窒化膜52の表面をCMP
法により平坦化して素子分離用溝53の外側の第3のシ
リコン酸化膜55を除去する。尚、第2のシリコン酸化
膜54は、第3のシリコン酸化膜55の堆積時に第3の
シリコン酸化膜55と一体化してしまう。その後、図8
(d)に示すように、シリコン窒化膜52をウエットエ
ッチングによりを除去すると共に、シリコン基板50を
洗浄してシリコン基板50の表面に残存する第1のシリ
コン酸化膜51を除去する。これにより、素子分離用溝
53に埋め込まれた第3のシリコン酸化膜55からなる
素子分離が形成される。
【0130】以上に説明したように、第5の実施形態に
よると、二電源方式のドライエッチング装置を用いてバ
イアス電力を印加することなくソース電力を印加するこ
とにより、シリコン基板50における素子分離用溝53
の壁面近傍及び底面近傍を酸化してシリコン酸化膜(第
2のシリコン酸化膜54)を形成する。このため、酸化
炉を用いることなく、シリコン基板50における素子分
離用溝53の壁面近傍及び底面近傍の表面準位を低減で
きる。また、酸化炉を用いることなく、素子分離用溝5
3のコーナ部を丸めて素子分離の絶縁破壊耐圧を向上さ
せることができる。従って、半導体装置の製造コストを
大幅に削減することができる。
【0131】尚、第5の実施形態において、二電源方式
のドライエッチング装置として誘導結合型プラズマエッ
チング装置を用いたが、これに代えて、電子サイクロン
共鳴型、容量結合型プラズマ2周波型又は表面波プラズ
マ型等の他の二電源方式のドライエッチング装置を用い
てもよい。
【0132】また、第5の実施形態において、プロセス
ガスとしてO2 ガスを用いたが、これに代えて、O2
スと不活性ガスとの混合ガスを用いてもよい。
【0133】また、第5の実施形態において、図8
(b)に示す素子分離用溝形成工程を二電源方式のドラ
イエッチング装置を用いて行なってもよい。このとき、
シリコン基板50の露出部分における酸化が進行する前
にバイアス電力の印加を開始することが好ましい。具体
的には、ソース電力の印加を開始する前にバイアス電力
の印加を開始するか、又は、バイアス電力の実効値が第
1の設定値に達した後にソース電力の実効値が第2の設
定値に達するようにソース電力及びバイアス電力の印加
を行なうことが好ましい。
【0134】また、第5の実施形態において、図8
(b)に示す素子分離用溝形成工程でシリコン基板50
に対してドライエッチングを行なった後に、二電源方式
のドライエッチング装置を用いてバイアス電力を印加す
ることなくソース電力を印加することにより、シリコン
基板50における素子分離用溝53の壁面近傍及び底面
近傍にドライエッチング時に生じたダメージ層を酸化
し、その後、酸化されたダメージ層を基板洗浄により除
去することが好ましい。このとき、シリコン基板50に
対するドライエッチングを二電源方式のドライエッチン
グ装置を用いて行なう場合、同じドライエッチング装置
をダメージ層の酸化に続けて用いてもよい。また、図8
(c)に示す酸化工程でシリコン基板50における素子
分離用溝53の壁面近傍及び底面近傍をダメージ層より
も深く酸化することによって、ダメージ層の酸化を図8
(c)に示す酸化工程において同時に行なうこともでき
る。この場合、酸化されたダメージ層を除去するための
洗浄工程を省略できる。
【0135】(第6の実施形態)以下、本発明の第6の
実施形態に係るドライエッチング装置、具体的には二電
源方式のドライエッチング装置について図面を参照しな
がら説明する。
【0136】図9は第6の実施形態に係るドライエッチ
ング装置(以下、本発明のドライエッチング装置と称す
る)の概略構造を示している。
【0137】図9に示すように、本発明のドライエッチ
ング装置60は、プラズマを生成するチャンバー61
と、該チャンバー61の底部に配置された試料台62
と、チャンバー61内にプロセスガスを導入するガス供
給口63と、試料台62と接続され且つ試料台62にバ
イアス電力を印加するバイアス電力供給電源64と、バ
イアス電力供給電源64と接続され且つ試料台62に印
加されるバイアス電力の実効値を測定するバイアス電力
モニター65と、バイアス電力モニター65と接続され
且つバイアス電力の印加が開始されてからの経過時間を
測定するタイマー66と、タイマー66と接続され且つ
チャンバー61の外壁に設けられたコイル(図示省略)
等にソース電力を印加するソース電力供給電源67とを
備えている。
【0138】以下、本発明のドライエッチング装置を用
いたドライエッチング方法について、図10に示すフロ
ーチャートを参照しながら説明する。
【0139】まず、ステップS1において、チャンバー
61内における試料台62上に例えばシリコン基板等の
被エッチング物70を設置した後、チャンバー61内を
所定の真空度に達するまで真空排気し、その後、チャン
バー61内に被エッチング物70に対してエッチングを
行なうために必要なプロセスガス、例えばハロゲン含有
ガスと酸素ガスとの混合ガスをガス供給口63から導入
する。
【0140】次に、ステップS2において、チャンバー
61内に導入されたプロセスガスの圧力が設定値と等し
くなっているかどうかを確認する。プロセスガスの圧力
が設定値と等しくない場合、ステップS3において、プ
ロセスガスの圧力が設定値と等しくなるまで、排気バル
ブ(図示省略)の開閉等によりプロセスガスの圧力を調
整する。
【0141】次に、プロセスガスの圧力が設定値と等し
くなると、ステップS4において、バイアス電力供給電
源64がバイアス電力の印加を開始する。このとき、同
時に、ステップS5において、バイアス電力供給電源6
4がタイマー65を初期化して動作開始させる。
【0142】次に、ステップS6において、バイアス電
力モニター65により測定されたバイアス電力の実効値
が設定値と等しいかどうかを確認する。バイアス電力の
実効値が設定値と等しくない場合、ステップS7におい
て、バイアス電力の実効値が設定値と等しくなるまで、
バイアス電力印加用マッチング回路(図示省略)等を用
いてバイアス電力の実効値を調整する。
【0143】次に、バイアス電力の実効値が設定値と等
しくなると、ステップS8において、タイマー66によ
り測定された、バイアス電力印加開始後の経過時間が所
定の時間に達しているかどうかを確認する。経過時間が
所定の時間に達していない場合、ステップS9におい
て、経過時間が所定の時間に達するまでバイアス電力の
印加のみを続行する。
【0144】次に、経過時間が所定の時間に達すると、
ステップS10において、バイアス電力モニター65が
ソース電力供給電源67にソース電力印加指示信号SG
を発信する。そして、ソース電力供給電源67はソース
電力印加指示信号SG を受信するとソース電力の印加を
開始する。すなわち、第6の実施形態においては、バイ
アス電力の実効値が設定値と等しくなり且つバイアス電
力印加開始後の経過時間が所定の時間に達したときに、
ソース電力の印加が開始される。
【0145】次に、ステップS11において、ソース電
力の実効値が設定値と等しいかどうかを確認する。ソー
ス電力の実効値が設定値と等しくない場合、ステップS
12において、ソース電力の実効値が設定値と等しくな
るまで、ソース電力印加用マッチング回路(図示省略)
等を用いてソース電力の実効値を調整する。尚、第6の
実施形態において、例えばソース電力が印加されるコイ
ルにバイアス電力モニター65を接続しておくことによ
って、バイアス電力モニター65を用いてソース電力の
実効値を測定してもよい。
【0146】次に、バイアス電力の実効値が設定値と等
しくなると、ステップS13において、被エッチング物
70に対するエッチングを行なう。具体的には、ステッ
プS13において、ソース電力の印加によりプロセスガ
スからなるプラズマ71が発生すると共にバイアス電力
の印加によりプラズマ71中のイオンが被エッチング物
70に引き込まれる。これにより、プラズマ71中のイ
オンと被エッチング物70とが反応して揮発性の反応生
成物が形成される。このとき、チャンバー61内の真空
排気により前述の揮発性の反応生成物をチャンバー61
から排出することによって被エッチング物70に対する
ドライエッチングが行なわれる。
【0147】以上に説明したように、第6の実施形態に
よると、バイアス電力の印加を開始すると同時にタイマ
ー66を初期化して動作させるバイアス電力供給電源6
4と、タイマー66により測定された経過時間が所定の
時間に達したときにソース電力の印加を開始するソース
電力供給電源67とを備えている。すなわち、バイアス
電力供給電源64によりバイアス電力の印加が開始され
てからの経過時間が所定の時間に達したときに、ソース
電力供給電源67によりソース電力の印加が開始される
ため、ソース電力の印加が開始される前に必ずバイアス
電力の印加が開始される。このため、酸素を含むプロセ
スガスを用いて被エッチング物70であるシリコン含有
部材に対してエッチングを行なう場合であっても、ソー
ス電力の印加により発生したプラズマ71中の酸素ラジ
カルによって被エッチング物70が酸化される前に、バ
イアス電力の印加を開始してプラズマ71中のイオンを
被エッチング物70に確実に引き込むことができる。そ
の結果、プラズマ71中のイオンの被エッチング物70
への引き込みが、被エッチング物70の表面に形成され
る酸化膜によって阻害されることがないので、被エッチ
ング物70に対するドライエッチングが途中で停止して
しまうことを確実に防止できる。
【0148】尚、第6の実施形態において、バイアス電
力の実効値が設定値と等しくなり且つバイアス電力印加
開始後の経過時間が所定の時間に達したときに、ソース
電力供給電源67がソース電力の印加を開始したが、バ
イアス電力の実効値に対する設定値よりもソース電力の
実効値に対する設定値が高い場合には、バイアス電力モ
ニター65によりバイアス電力の実効値を測定すること
なく、バイアス電力印加開始後の経過時間が所定の時間
に達したときにソース電力供給電源67がソース電力の
印加を開始してもよい。この場合、所定の時間を0に設
定して、バイアス電力供給電源64がバイアス電力の印
加を開始するのと同時にソース電力供給電源67がソー
ス電力の印加を開始してもよい。
【0149】また、第6の実施形態において、バイアス
電力を印加するバイアス電力供給電源64と、バイアス
電力の実効値を測定するバイアス電力モニター65と、
バイアス電力の印加が開始されてからの経過時間を測定
するタイマー66とを別々に設けたが、これに代えて、
バイアス電力供給電源64の機能と、バイアス電力モニ
ター65又はタイマー66の機能とを有するバイアス電
力供給手段を設けてもよい。
【0150】
【発明の効果】本発明によると、プラズマ中のイオンの
シリコン含有部材への引き込みが、シリコン含有部材の
表面に形成される酸化膜によって阻害されることがない
ので、シリコン含有部材に対するドライエッチングが途
中で停止してしまうことを確実に防止できる。
【0151】また、本発明によると、酸化炉に代えて、
ドライエッチング時に使用された二電源方式のドライエ
ッチング装置を用いることによって、シリコン含有部材
に生じたダメージ層の酸化を行なったり、又は、シリコ
ン基板における素子分離用溝の壁面近傍及び底面近傍を
酸化して該壁面近傍及び底面近傍の表面準位を低減した
りできるので、半導体装置の製造コストを大幅に削減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法におけるドライエッチング工程でのソース電力及
びバイアス電力のそれぞれの実効値の時間変化の一例を
示す図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る半導体装置の製造方法におけるドライエッチング工程
でのドライエッチング装置のチャンバー内の状態の変化
を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法におけるドライエッチング工程でのソース電力及
びバイアス電力のそれぞれの実効値の時間変化の一例を
示す図である。
【図5】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図6】(a)〜(e)は本発明の第3の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の第5の実施形態に係
る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図9】本発明の第6の実施形態に係るドライエッチン
グ装置の概略構造を示す図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係るドライエッチ
ング装置を用いたドライエッチング方法のフローチャー
トである。
【図11】(a)〜(d)は従来の半導体装置の製造方
法の各工程を示す断面図である。
【図12】従来の半導体装置の製造方法におけるドライ
エッチング工程でのソース電力及びバイアス電力のそれ
ぞれの実効値の時間変化の一例を示す図である。
【図13】(a)〜(c)は従来の半導体装置の製造方
法におけるドライエッチング工程でのドライエッチング
装置のチャンバー内の状態の変化を示す図である。
【図14】従来の半導体装置の製造方法の問題点を説明
するための図である。
【図15】(a)〜(c)は従来の半導体装置の製造方
法におけるドライエッチング工程でエッチング停止が生
じる様子を示す図である。
【図16】バイアス電力の印加開始前にソース電力の印
加を継続した場合にシリコン基板表面に形成される酸化
膜の膜厚の、ソース電力印加時間に対する依存性を示す
図である。
【図17】ソース電力の印加開始タイミングとバイアス
電力の印加開始タイミングとを色々変えながらシリコン
基板に対してドライエッチングを行なったときのシリコ
ン削れ量の、バイアス電力印加開始時刻の遅延時間(ソ
ース電力印加開始時刻を基準時刻とする)に対する依存
性を示す図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板 11 第1のシリコン酸化膜 12 シリコン窒化膜 13 レジストパターン 14 素子分離用溝 15 第2のシリコン酸化膜 17 チャンバー 18 プロセスガス 18A 第1のプラズマ 18B 第2のプラズマ 19 イオン 20 シリコン基板 21 ゲート絶縁膜 22 ポリシリコン膜 23 レジストパターン 24 ゲート電極 30 シリコン基板 31 第1のシリコン酸化膜 32 シリコン窒化膜 33 素子分離用溝 34 ダメージ層 34A 酸化ダメージ層 35 第2のシリコン酸化膜 40 シリコン基板 41 ゲート絶縁膜 42 ポリシリコン膜 43 レジストパターン 44 ゲート電極 45 ダメージ層 45A 酸化ダメージ層 50 シリコン基板 51 第1のシリコン酸化膜 52 シリコン窒化膜 53 素子分離用溝 54 第2のシリコン酸化膜 55 第3のシリコン酸化膜 60 ドライエッチング装置 61 チャンバー 62 試料台 63 ガス供給口 64 バイアス電力供給電源 65 バイアス電力モニター 66 タイマー 67 ソース電力供給電源 70 被エッチング物 71 プラズマ SG ソース電力印加指示信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−288256(JP,A) 特開 平11−238722(JP,A) 特開 平1−106432(JP,A) 特開 平9−82495(JP,A) 特開 平3−280536(JP,A) 特開 平11−251292(JP,A) 特開 平11−145111(JP,A) 特開2001−156051(JP,A) 特開 平7−183097(JP,A) 特開 平8−213362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバー内にプラズマを発生させるた
    めのソース電力と、該プラズマ中のイオンを前記チャン
    バー内の被エッチング物に引き込むためのバイアス電力
    とを独立して制御できる二電源方式のドライエッチング
    装置を用いたドライエッチング方法であって、 前記チャンバー内に、少なくともシリコンを含む部材が
    露出した基板を設置する工程と、 前記基板が設置された前記チャンバー内に少なくとも酸
    素を含むプロセスガスを導入する工程と、 前記ソース電力の印加により前記プロセスガスからなる
    プラズマを発生させると共に前記バイアス電力の印加に
    より該プラズマ中のイオンを前記部材に引き込むことに
    より、前記部材に対してエッチングを行なう工程とを備
    え、 前記部材に対してエッチングを行なう工程は、前記部材
    の表面における酸化が進行する前に前記バイアス電力の
    印加を開始することにより前記プラズマを発生させる
    程を含むことを特徴とするドライエッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記部材に対してエッチングを行なう工
    程は、前記ソース電力の印加を開始する前に前記バイア
    ス電力の印加を開始する工程を含むことを特徴とする請
    求項1に記載のドライエッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記部材に対してエッチングを行なう工
    程は、前記バイアス電力の実効値が第1の設定値に達し
    た後に前記ソース電力の実効値が第2の設定値に達する
    ように前記ソース電力及びバイアス電力の印加を行なう
    工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のドライエ
    ッチング方法。
  4. 【請求項4】 前記部材はシリコン基板、ポリシリコン
    膜、アモルファスシリコン膜又はシリサイド膜であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング方
    法。
  5. 【請求項5】 チャンバー内にプラズマを発生させるた
    めのソース電力と、該プラズマ中のイオンを前記チャン
    バー内の被エッチング物に引き込むためのバイアス電力
    とを独立して制御できる二電源方式のドライエッチング
    装置を用いた半導体装置の製造方法であって、 シリコン基板上に、素子分離形成領域に開口部を有する
    マスクパターンを形成する工程と、 前記チャンバー内に、前記マスクパターンが形成された
    前記シリコン基板を設置する工程と、 前記シリコン基板が設置された前記チャンバー内に少な
    くとも酸素を含むプロセスガスを導入する工程と、 前記ソース電力の印加により前記プロセスガスからなる
    プラズマを発生させると共に前記バイアス電力の印加に
    より該プラズマ中のイオンを前記シリコン基板に引き込
    むことにより、前記シリコン基板に対してエッチングを
    行なって前記シリコン基板に素子分離用溝を形成する工
    程とを備え、 前記素子分離用溝を形成する工程は、前記シリコン基板
    の露出部分における酸化が進行する前に前記バイアス電
    力の印加を開始することにより前記プラズマを発生させ
    工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記素子分離用溝を形成する工程は、前
    記ソース電力の印加を開始する前に前記バイアス電力の
    印加を開始する工程を含むことを特徴とする請求項5に
    記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記素子分離用溝を形成する工程は、前
    記バイアス電力の実効値が第1の設定値に達した後に前
    記ソース電力の実効値が第2の設定値に達するように前
    記ソース電力及びバイアス電力の印加を行なう工程を含
    むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 チャンバー内にプラズマを発生させるた
    めのソース電力と、該プラズマ中のイオンを前記チャン
    バー内の被エッチング物に引き込むためのバイアス電力
    とを独立して制御できる二電源方式のドライエッチング
    装置を用いた半導体装置の製造方法であって、 基板上に少なくともシリコンを含む導電膜を形成する工
    程と、 前記導電膜上にゲート電極形成領域を覆うマスクパター
    ンを形成する工程と、 前記チャンバー内に、前記導電膜及びマスクパターンが
    形成された前記基板を設置する工程と、 前記基板が設置された前記チャンバー内に少なくとも酸
    素を含むプロセスガスを導入する工程と、 前記ソース電力の印加により前記プロセスガスからなる
    プラズマを発生させると共に前記バイアス電力の印加に
    より該プラズマ中のイオンを前記導電膜に引き込むこと
    により、前記導電膜に対してエッチングを行なって前記
    導電膜からなるゲート電極を形成する工程とを備え、 前記ゲート電極を形成する工程は、前記導電膜の露出部
    分における酸化が進行する前に前記バイアス電力の印加
    を開始することにより前記プラズマを発生させる工程を
    含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ゲート電極を形成する工程は、前記
    ソース電力の印加を開始する前に前記バイアス電力の印
    加を開始する工程を含むことを特徴とする請求項8に記
    載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ゲート電極を形成する工程は、前
    記バイアス電力の実効値が第1の設定値に達した後に前
    記ソース電力の実効値が第2の設定値に達するように前
    記ソース電力及びバイアス電力の印加を行なう工程を含
    むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記導電膜はポリシリコン膜、アモル
    ファスシリコン膜又はシリサイド膜であることを特徴と
    する請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 チャンバー内にプラズマを発生させる
    ためのソース電力と、該プラズマ中のイオンを前記チャ
    ンバー内の被エッチング物に引き込むためのバイアス電
    力とを独立して制御できる二電源方式のドライエッチン
    グ装置を用いた半導体装置の製造方法であって、 前記チャンバー内に、少なくともシリコンを含む部材が
    露出した基板を設置した後、前記チャンバー内に第1の
    プロセスガスを導入し、その後、前記ソース電力の印加
    により前記第1のプロセスガスからなる第1のプラズマ
    を発生させると共に前記バイアス電力の印加により該第
    1のプラズマ中のイオンを前記部材に引き込むことによ
    り、前記部材に対してエッチングを行なう工程と、 前記部材に対してエッチングを行なう工程よりも後に、
    前記第1のプロセスガスを前記チャンバーから排気し、
    その後、前記チャンバー内に前記基板を設置したまま前
    記チャンバー内に少なくとも酸素を含む第2のプロセス
    ガスを導入する工程と、 前記バイアス電力の印加を行なうことなく前記ソース電
    力の印加により前記第2のプロセスガスからなる第2の
    プラズマを発生させることにより、前記チャンバー内に
    前記基板を設置したまま、前記部材に対してエッチング
    を行なう工程において前記部材に生じたダメージ層を酸
    化する工程と、 前記基板を前記チャンバーから取り出した後、前記基板
    を洗浄することにより、酸化された前記ダメージ層を除
    去する工程とを備えていることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記部材はシリコン基板であり、 前記部材に対してエッチングを行なう工程は、前記シリ
    コン基板に素子分離用溝を形成する工程を含み、 前記ダメージ層を酸化する工程は、前記シリコン基板に
    おける前記素子分離用溝の壁面近傍及び底面近傍に生じ
    た前記ダメージ層を酸化する工程を含むことを特徴とす
    る請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記部材は、前記基板上に形成された
    少なくともシリコンを含む導電膜であり、 前記部材に対してエッチングを行なう工程は、前記基板
    上に前記導電膜からなるゲート電極を形成する工程を含
    み、 前記ダメージ層を酸化する工程は、前記ゲート電極の側
    面に生じた前記ダメージ層を酸化する工程を含むことを
    特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記導電膜はポリシリコン膜、アモル
    ファスシリコン膜又はシリサイド膜であることを特徴と
    する請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 チャンバー内にプラズマを発生させる
    ためのソース電力と、該プラズマ中のイオンを前記チャ
    ンバー内の被エッチング物に引き込むためのバイアス電
    力とを独立して制御できる二電源方式のドライエッチン
    グ装置を用いた半導体装置の製造方法であって、 前記チャンバー内に、素子分離用溝が形成されたシリコ
    ン基板を設置する工程と、 前記シリコン基板が設置された前記チャンバー内に少な
    くとも酸素を含むプロセスガスを導入する工程と、 前記バイアス電力の印加を行なうことなく前記ソース電
    力の印加により前記プロセスガスからなるプラズマを発
    生させることにより、前記シリコン基板における前記素
    子分離用溝の壁面近傍及び底面近傍を酸化してシリコン
    酸化膜を形成する工程と、 前記基板を前記チャンバーから取り出した後、前記シリ
    コン酸化膜が形成された前記素子分離用溝に絶縁膜を埋
    め込んで素子分離を形成する工程とを備えていることを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記素子分離を形成する工程は、前記
    素子分離用溝が完全に埋まるように前記シリコン基板上
    に前記絶縁膜を形成した後、前記絶縁膜の表面を含む前
    記シリコン基板の表面をCMP法により平坦化して前記
    絶縁膜における前記素子分離用溝の外側の部分を除去す
    る工程を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導
    体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 チャンバー内にプラズマを発生させる
    ためのソース電力と、該プラズマ中のイオンを前記チャ
    ンバー内のシリコン含有部材からなる被エッチング物に
    引き込むためのバイアス電力とを独立して制御できる二
    電源方式のドライエッチング装置であって、前記チャンバー内に配置された試料台と、 酸素ガスを含むプロセスガスを前記チャンバー内に導入
    するガス供給口と、 前記試料台にバイアス電力を印加するバイアス電力供給
    手段と、 タイマーと接続されたソース電力供給手段とを備え、 前記バイアス電力供給手段は、 前記バイアス電力の印加
    を開始することにより前記プラズマを発生させると同時
    前記タイマーを初期化して動作させ 前記ソース電力供給手段は、 前記タイマーにより測定さ
    れた経過時間が所定の時間に達したときに前記ソース電
    力の印加を開始することを特徴とするドライエッチング
    装置。
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