JP3320256B2 - クラッチ機構 - Google Patents

クラッチ機構

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JP3320256B2
JP3320256B2 JP14320995A JP14320995A JP3320256B2 JP 3320256 B2 JP3320256 B2 JP 3320256B2 JP 14320995 A JP14320995 A JP 14320995A JP 14320995 A JP14320995 A JP 14320995A JP 3320256 B2 JP3320256 B2 JP 3320256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クラッチ機構に関し、
特に軸の回転方向、さらにその回転量に応じて軸を回転
させる駆動力の伝達を接断するクラッチ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、駆動源からの駆動力の伝達を接断
するクラッチ機構は、例えば自動給紙装置に搭載されて
おり、このクラッチ機構は駆動力を接断して断面形状を
半月形状に形成された給紙ローラ(給紙コロともいう)
を駆動・停止する。この種のクラッチ機構としては、例
えば、ソレノイド式クラッチや電磁クラッチ等の電磁力
を利用したクラッチ機構(以降、第1従来例という)が
あり、この第1従来例は装置本体からの電気信号により
励磁をON/OFFされて給紙ローラへの駆動力の伝達
を接断する。
【0003】また、特開平3−284547号、あるい
は特開平3−284548号公報に記載されているよう
に、スプリングクラッチを利用したクラッチ機構(以
降、第2従来例という)があり、この第2従来例は給紙
ローラおよび制御環にスプリングを固定するとともにそ
のスプリングを給紙ギヤの連結胴部に嵌挿して給紙ロー
ラおよび給紙ギヤを連結することにより駆動源の回転方
向に応じて給紙ギヤの連結胴部を締付け/解放して給紙
ローラへの駆動力の伝達を接断する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例にあっては、給紙ローラの回転位置を基準位置(用
紙に接しない停止位置)にするために複雑な回転位置制
御機構を必要とするとともに、電磁力を利用しているこ
とから部品点数が多くコスト高になるとともに大型化し
てしまうという問題があった。
【0005】また、第2従来例にあっては、制御環の溝
に係合して給紙ローラを基準位置に停止させるレバーが
制御環の軸半径方向に回動するとともに、また解除時に
はそのスラスト方向に働くため、信頼性に欠けるという
問題があった。この第1、2従来例の問題を解消するク
ラッチ機構を、本願出願人は、特願昭4−330340
号で提案している。このクラッチ機構は、図30〜図32に
示すように、給紙ローラ1の半月形状のローラ部1aを
軸支するローラ軸1bに連結されたクラッチ胴出力部2
と、クラッチ胴出力部2および給紙ギヤ3の胴部2a、
3aに挿入されて一端4aをクラッチ胴出力部2の切欠
2bに固定されるスプリングクラッチ4と、クラッチ胴
出力部2およびスプリングクラッチ4を挿入されてスプ
リングクラッチ4の他端4bを切欠5bに固定される制
御カム5と、制御カム5にその回転方向に沿って渦巻き
状に連通形成されたカム溝6と、カム溝6に係合してね
じりバネ7により制御カム5の径方向に付勢される回動
可能なカムレバー8と、から構成している。このクラッ
チ機構は、給紙ギヤ3の正転方向をスプリングクラッチ
4が給紙ギヤ3の胴部3aを締め付ける方向にして、そ
の制御カム5が所定位置まで回転したとき、カムレバー
8のピン8aをカム溝6の当接部6aに突き当ててスプ
リングクラッチ4の給紙ギヤ3の胴部3aの締付けを解
放することにより給紙ギヤ3を介して伝達される駆動力
を遮断してローラ部1aを基準位置で停止させる。ま
た、モータ9を逆方向に数パルス分だけ逆転駆動させた
とき、カムレバー8のピン8aをカム溝6内周の当接部
6aから連通部6bを通してその外周の逃げ部6cに逃
すことにより、正転方向への駆動を再開できるようにし
ている。なお、ローラ軸1bの片側端部をD字形状にカ
ットされてクラッチ胴出力部2が回転不能に取り付けら
れる。また、図中、9aはモータ9の回転軸に固定され
たピニオンギヤ、10は給紙ギヤ3およびピニオンギヤ9
aに噛合してモータ9の駆動力を給紙ギヤ3に伝達する
減速ギヤである。
【0006】しかしながら、特願昭4−330340号
で提案しているクラッチ機構にあっては、給紙ローラ用
のクラッチ機構を提供することを目的としていることか
らモータ9の逆転駆動を継続することには対応しておら
ず、モータ9の逆転駆動を継続すると制御カム5はスプ
リングクラッチ4と給紙ギヤ3の胴部3aとの接触負荷
により逆転方向に回転するため、カム溝6の逃げ部6c
の端部6dにカムレバー8のピン8aが突き当たりスプ
リングクラッチ4が給紙ギヤ3の胴部3aを締付けて駆
動系のロックが発生して損傷してしまうという問題が発
生する。そのため、モータ9を所定以上逆駆動させるこ
とができず、モータ9により他のローラを正逆回転させ
ることができない、すなわちモータ9を共通使用するこ
とができないという問題があった。また、このクラッチ
機構は、第2従来例と同様に所謂、スプリングクラッチ
を利用しているが、スプリングクラッチ4の内径および
給紙ギヤ3の胴部3aの外径の公差が厳しいことから、
工程も多くなりコスト高となってしまうという問題もあ
った。
【0007】そこで、請求項1記載の発明は、回転軸を
所定方向に所定の回転位置まで回転させる駆動系および
他の駆動系の駆動源を共通にしてコスト低減を図ること
ができ、複雑な機構を必要とせず、信頼性が高く小型で
部品点数の少ない、簡易な構成の安価なクラッチ機構を
提供することを目的とする。請求項2記載の発明は、構
成をより簡易にして、さらにコスト低減することを目的
とする。
【0008】請求項3記載の発明は、コスト高となるス
プリングクラッチを用いない簡単な構成により駆動源の
共通使用を実現して、さらにコスト低減することを目的
とする。請求項4または5に記載の発明は、駆動力を遮
断しているときの空転トルクによる回転を停止して、信
頼性をより向上させることを目的とする。
【0009】請求項6記載の発明は、回転軸を所定の回
転位置の範囲内で確実に停止させて信頼性をより向上さ
せることを目的とする。請求項7記載の発明は、回転軸
の所定方向への一回転および所定の回転位置での停止を
簡易な構成により実現して、信頼性が高く小型で部品点
数の少ない、簡易な構成の安価なクラッチ機構を提供す
ることを目的とする。
【0010】請求項8および9に記載の発明は、回転軸
を回転させる駆動系および他の駆動系の駆動源を共通に
するとともに空転トルクの無駄のない伝達を実現して、
コストの削減を可能にすることを目的とする。請求項1
0記載の発明は、給紙装置に搭載時に駆動力の伝達の接
断を確実にして、信頼性を向上させることを目的とす
る。
【0011】請求項11記載の発明は、給紙装置に搭載
時に待機状態への復帰を部品点数の少ない簡易な構成に
より実現して、コストを削減することを目的とする。請
求項12記載の発明は、給紙装置に搭載時に待機位置か
らの位置ずれを防止して、信頼性を向上させることを目
的とする。請求項13記載の発明は、給紙装置に搭載時
に無駄な負荷トルクをなくして、コストを削減すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、駆動源の駆動力を伝達して回転軸
を回転させるクラッチ機構であって、前記駆動源の駆動
力を伝達されて回転する伝達ギヤと、前記回転軸に相対
回転不能に支持された回転部材と、伝達ギヤの回転方向
に応じて該伝達ギヤを固定部材に連結または解放して該
回転部材への駆動力の伝達を接断する駆動力接断手段
と、摺接部材が摺接する所定形状のカム面を設けられ、
回転部材の回転に伴って回転して該摺接部材がカム面の
所定位置に位置したとき伝達ギヤおよび回転部材の連結
を解除する連結解除手段と、伝達ギヤの回転方向に応じ
て摺接部材を正逆方向に移動して該摺接部材を連結解除
手段のカム面に近接または離隔させる移動手段と、を備
えたことを特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は、前記移動手段およ
び該移動手段を動作させる駆動源の間に、所定の摩擦力
を利用するトルクリミッタを設けたことを特徴とするも
のである。請求項3記載の発明は、前記駆動力接断手段
として、前記伝達ギヤおよび回転部材が近接するよう付
勢する付勢手段と、伝達ギヤおよび回転部材のそれぞれ
の対向面に配設されて該伝達ギヤおよび回転部材の相対
的な回転方向に応じて互いの当接面を連結または解放す
るラチェット部と、を設け、前記連結解除手段は、カム
面に摺接する摺接部材の位置に応じて伝達ギヤおよび回
転部材のラチェット部を離隔させて該伝達ギヤおよび回
転部材の連結を解除することを特徴とするものである。
【0014】請求項4記載の発明は、前記回転部材の外
周面に摺接するストッパ部材と、回転部材の外周面の所
定位置に配設されて該固定部材が空転するときにストッ
パ部材に突き当る突当部と、を設けたことを特徴とする
ものである。請求項5記載の発明は、前記伝達ギヤが所
定方向に回転したときの連結解除手段によるラチェット
部の離隔状態を、該伝達ギヤが前記所定方向に対する逆
方向へ回転するときに保持する離隔状態保持手段を設け
たことを特徴とするものである。
【0015】請求項6記載の発明は、前記連結解除手段
のカム面に、部材の加工および組付誤差を許容して摺接
部材が所定位置に達するまでラチェット部を離隔させる
ことのない第1のスライド面と、部材の加工および組付
誤差を許容して摺接部材が前記所定位置に達した後にラ
チェット部を離隔させる第2のスライド面と、を形成し
たことを特徴とするものである。
【0016】請求項7記載の発明は、駆動源の駆動力を
伝達して回転軸を回転させるクラッチ機構であって、前
記回転軸に相対回転不能に支持されて駆動源の駆動力に
より回転する中間ギヤと噛合するとともに該回転軸が所
定の基準位置に位置するときに該中間ギヤに対応する部
分の歯面を切り欠いた切欠ギヤと、該切欠ギヤに正転方
向の回転トルクを付与するトルク付与手段と、駆動源の
駆動力をトルクリミッタを介して伝達されて動作し回転
軸が基準位置に位置するときの切欠ギヤの回転をトルク
付与手段の回転トルクに抗して制限する一方、該駆動源
の駆動方向に応じて切欠ギヤの回転の制限を解除する制
限解除手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0017】請求項8記載の発明は、前記トルクリミッ
タとして、前記中間ギヤと同軸に相対回転可能に支持さ
れ少なくとも該中間ギヤ側との間で所定の摩擦力を発生
する摩擦板と、該摩擦板を中間ギヤ側に付勢する付勢手
段と、を設け、該付勢手段の中間ギヤ側の反対側を該中
間ギヤと一体回転する部材により支持させたことを特徴
とするものである。
【0018】請求項9記載の発明は、前記中間ギヤを、
軸と一体回転するように構成し、該中間ギヤの軸を軸受
により回転自在に軸支させたことを特徴とするものであ
る。請求項10記載の発明は、断面形状を半月形状に形
成されて一回転することにより用紙を給紙方向下流へと
給紙する給紙部材を備える給紙装置に搭載され、前記切
欠ギヤを給紙部材の回転軸に支持させ、該切欠ギヤの歯
面を該給紙部材が用紙に接触し給紙を開始する前に中間
ギヤと噛合し給紙装置が備える給紙方向下流側の給紙手
段に用紙先端が達した後に該噛合から離脱するように切
り欠いたことを特徴とするものである。
【0019】請求項11記載の発明は、前記トルク付与
手段を、前記給紙装置の給紙部材による用紙の給紙終了
後に切欠ギヤへ正転方向の回転トルクを付与するように
該切欠ギヤの軸芯に対して重心をずらして構成したこと
を特徴とするものである。請求項12記載の発明は、前
記回転軸が基準位置に位置する姿勢からの切欠ギヤの逆
転方向への回転を給紙部材が用紙に接触する前に制限す
る制限手段を設けたことを特徴とするものである。
【0020】請求項13記載の発明は、前記トルクリミ
ッタを、駆動源の正逆駆動のいずれでも動作するように
構成するとともに、前記給紙部材を給紙方向に回転させ
る駆動源の駆動力に対するリミット値を他方よりも小さ
く設定したことを特徴とするものである。
【0021】ここで、請求項1から6に記載の発明にお
いては、伝達ギヤを回転させる駆動源と移動手段を動作
させる駆動源を共通にしてもよく、伝達ギヤを介して移
動手段にその駆動力を伝達するよう構成してもよい。ま
た、請求項1から13に記載の発明においては、機構自
体を筐体内に収めてユニット化してもよい。
【0022】
【作用】請求項1記載の発明では、伝達ギヤが所定方向
に回転する際、駆動力接断手段により伝達ギヤが固定部
材に連結されて駆動源からの駆動力が回転部材に伝達さ
れその回転部材が回転されるとともに、移動手段により
摺接部材が連結解除手段のカム面に近接されて摺接し、
その摺接部材がカム面の所定位置に位置したとき、伝達
ギヤおよび回転部材の連結が解除されて回転部材への駆
動力が遮断される。また、伝達ギヤが前記所定方向に対
して逆方向に回転する際、駆動力接断手段により伝達ギ
ヤが固定部材から解放されて回転部材への駆動源からの
駆動力は遮断されるとともに、移動手段により摺接部材
がカム面から離隔される。そのため、伝達ギヤを所定方
向に回転させる駆動源の駆動力は回転部材を所定方向に
所定位置まで回転させた後に遮断されて回転部材は停止
される。また、伝達ギヤを前記所定方向に対して逆方向
に回転させる駆動源の駆動力は遮断されて回転部材が回
転することはないとともに、摺接部材は連結解除手段の
カム面から離隔されている。したがって、駆動源を継続
して正逆駆動することができる。なお、回転部材への駆
動源からの駆動力を遮断したときには伝達ギヤは空転す
る。
【0023】請求項2記載の発明では、駆動源の駆動力
は摩擦力を利用するトルクリミッタを介して伝達されて
摺接部材が連結解除手段のカム面に当接される。したが
って、駆動源を停止させる必要はなく、簡易な構成で正
逆駆動する駆動源の駆動力を利用することができ、伝達
ギヤを回転させる駆動源を利用することができる。請求
項3記載の発明では、付勢手段の付勢力により互いに当
接するラチェット部は、伝達ギヤの所定方向の回転では
互いの当接面が連結され、また伝達ギヤの前記所定方向
に対する逆方向の回転では互いの当接面が解放される。
そのため、伝達ギヤが所定方向に回転するときにはラチ
ェット部の当接面がずれることはなく伝達ギヤが固定部
材に連結され、その逆方向に回転するときには付勢手段
の付勢力に抗してラチェット部の当接面がずれて伝達ギ
ヤが固定部材から解放される。したがって、コスト高と
なる所謂、スプリングクラッチを用いることなく簡易な
構成で伝達ギヤを回転部材に連結および解放することが
できる。
【0024】請求項4記載の発明では、回転部材が空転
する際、その外周面に摺接するストッパ部材に突当部が
突き当たって係止され回転部材の空転が停止される。ま
た、回転部材が空転方向に対して逆方向(伝達ギヤに連
結されて回転する方向)に回転する際にはストッパ部材
に突当部が突き当たることはない。したがって、空転ト
ルクによって回転する回転部材を停止させることができ
るとともに、伝達ギヤに連結された回転部材の回転を妨
げることはない。
【0025】請求項5記載の発明では、伝達ギヤが所定
方向に回転したときの連結解除手段によるラチェット部
の離隔状態が、離隔状態保持手段によりその伝達ギヤが
前記所定方向に対する逆方向へ回転するときに保持され
る。また、伝達ギヤが所定方向に回転するときにはその
保持は解除されてその伝達ギヤは固定部材に連結され
る。したがって、伝達ギヤが前記所定方向に対して逆方
向に回転するときには、伝達ギヤのラチェット部が固定
部材のラチェット部に接触することはなく、回転部材に
加えられる空転トルクが削減される。
【0026】請求項6記載の発明では、摺接部材が第1
のスライド面に位置するときには部材の加工および組付
誤差を許容して所定位置に達するまでラチェット部を離
隔させることがなく、その後に第2のスライド面に位置
したときには部材の加工および組付誤差を許容してラチ
ェット部を離隔させる。したがって、摺接部材がカム面
の所定位置に達したときにラチェット部を離隔させるこ
とができ、回転部材が所定の範囲内に回転したときに駆
動源からの駆動力を遮断してその回転を停止させること
ができる。
【0027】請求項7記載の発明では、回転軸に相対回
転不能に支持された切欠ギヤはトルク付与手段により付
与されている回転トルクに抗して制限解除手段により回
転を制限されて回転軸を基準位置に位置させ、このとき
に中間ギヤに対応する切欠ギヤの歯面は切り欠かれて駆
動源からの駆動力を伝達することはない。この状態から
その制限解除手段がトルクリミッタを介する駆動源の所
定方向への駆動力を伝達され切欠ギヤの回転の制限を解
除すると、切欠ギヤがトルク付与手段の回転トルクによ
り正転されて中間ギヤに噛合し駆動源の駆動力により回
転される。そして、回転軸が基準位置近傍まで回転した
ときには切欠ギヤが中間ギヤとの噛合から切り欠いた位
置で離脱し回転軸への駆動力の伝達が切断される。この
後には、切欠ギヤが制限解除手段により回転を制限され
て回転軸が基準位置に位置される。したがって、駆動源
の駆動力がその駆動方向に応じて接断され、回転軸が所
定方向の駆動力により一回転された後に停止される。
【0028】請求項8記載の発明では、切欠ギヤの回転
を制限/解除する制限解除手段へ駆動力を伝達するトル
クリミッタは、中間ギヤ側との間で所定の摩擦力を発生
させる摩擦板がその中間ギヤ側へ付勢手段により付勢さ
れて構成され、この付勢手段の中間ギヤ側の反対側は該
中間ギヤと一体回転する部材により支持される。したが
って、駆動源の正逆駆動を継続することができるととも
に、トルクリミッタの空転トルクすべてが制限解除手段
へ伝達される。
【0029】請求項9記載の発明では、中間ギヤが一体
回転する軸に支持され、この中間ギヤの軸は軸受により
回転自在に軸支される。したがって、機構の外部との間
に生じる負荷が小さくされる。請求項10記載の発明で
は、給紙部材の回転軸に切欠ギヤが支持され、その切欠
ギヤは回転を制限解除手段により制限されて給紙部材が
用紙に接触しない基準位置に回転軸が位置される。この
状態から、切欠ギヤの制限解除手段による回転の制限が
解除されると、切欠ギヤはトルク付与手段の回転トルク
により正転されて給紙部材が用紙に接触し給紙を開始す
る前に歯面が中間ギヤと噛合してその給紙部材に駆動源
の駆動力を伝達し用紙の給紙が開始される。そして、給
紙装置が備える給紙方向下流側の給紙手段に用紙先端が
達した後に切欠ギヤは中間ギヤとの噛合から切り欠いた
位置で離脱し給紙部材による用紙の給紙終了される。こ
の後に、切欠ギヤは制限解除手段により回転を制限され
るまでトルク付与手段の正転方向への回転トルクにより
回転されて給紙部材が用紙に接触しない基準位置に回転
軸が位置される。したがって、給紙装置による用紙の給
紙動作が確実に行なわれる。
【0030】請求項11記載の発明では、切欠ギヤは、
給紙部材による用紙の給紙終了後に回転トルクの付与が
開始されるように軸芯に対して重心がずらされる。した
がって、トルク付与手段が切欠ギヤの重心をずらすだけ
の簡易な構成にされる。請求項12記載の発明では、回
転軸が基準位置に位置するときの姿勢から切欠ギヤが逆
転方向へ回転したとしても給紙部材が用紙に接触する前
に制限手段によりその回転が制限される。したがって、
回転軸が基準位置に位置するときには、正転方向への回
転は制限解除手段により制限されるとともに、逆転方向
への回転は制限手段により制限される。
【0031】請求項13記載の発明では、制限解除手段
に駆動源の駆動力を伝達するトルクリミッタが、駆動源
の正逆駆動のいずれでも動作するように構成されるとと
もに、給紙部材を給紙方向に回転させる駆動源の駆動力
に対するリミット値が他方よりも小さく設定される。し
たがって、駆動源の正逆駆動の継続が可能にされるとと
もに、用紙の給紙動作時に駆動源の負荷となるトルクリ
ミッタの空転トルクが小さくされる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1および図2は本発明に係るクラッチ機構の第1実施例
を自動給紙装置に搭載した一例を示す図であり、本実施
例は請求項1記載の発明に対応している。なお、本実施
例は図30〜図32で説明した上述従来例と略同様に構成さ
れているので、同様な構成には同一の符号を付してその
詳細な説明を省略する。
【0033】まず、構成を説明する。なお、本実施例を
搭載した自動給紙装置は公知のものであることから、詳
細な説明は省略して特徴部分のみ説明する。両図におい
て、11は制御カムであり、制御カム11はクラッチ胴出力
部2およびスプリングクラッチ4を挿入されてスプリン
グクラッチ4の他端4bを切欠5bに固定される。12は
カム面であり、カム面12は制御カム11の一面側にその軸
と平行に回転方向に沿って渦巻き状に形成されており、
上述従来例の図32に示す制御カム5に形成されたカム溝
6の外周面を削除した状態の内周面に相当する。このカ
ム面12には、カムレバー8のピン8aが摺接する。ま
た、13は切換ギヤであり、切換ギヤ13はレバー8の回動
支点の基部に形成されて図示していない支持手段により
回転自在に支持されており、伝達ギヤ14に噛合してい
る。15は伝達ギヤであり、伝達ギヤ15は中継ギヤ16を介
して給紙ギヤ3に噛合している。17はトルクリミッタで
あり、トルクリミッタ17は伝達ギヤ14、15に固定された
軸18a、18bに連結されており、回動するカムレバー8
が固定部材(制御カム11等)に当接すると正逆回転方向
に所定の負荷トルクを発生させてその当接状態を維持す
る。また、19はストッパであり、ストッパ19は図2中、
時計回りに回動するカムレバー8が当接する。これら
は、クラッチ胴出力部2、給紙ギヤ3、スプリングクラ
ッチ4、および、カムレバー8とともにクラッチ機構を
構成している。また、ローラ軸1bは回転軸、クラッチ
胴出力部2は回転部材、給紙ギヤ3は伝達ギヤ、スプリ
ングクラッチ4は駆動力接断手段を構成しており、カム
レバー8および制御カム11により連結解除手段を構成し
ている。また、カムレバー8は移動手段を構成し、その
ピン8aが摺接部材を構成している。
【0034】次に、作用を説明する。まず、給紙時にモ
ータ9を正駆動すると、その駆動力はピニオンギヤ9a
および減速ギヤ10を介して伝達されて給紙ギヤ3が正転
(図2中、反時計回り)され、給紙ギヤ3の正転により
その胴部3aにスプリングクラッチ4が締め付いてクラ
ッチ胴出力部2および給紙ギヤ3が連結されて給紙ロー
ラ1が正転方向(所定方向)に回転される。同時に、ク
ラッチ胴出力部2およびスプリングクラッチ4の回転に
伴って制御カム11が同一方向に回転されるとともに、前
記駆動力は各種ギヤ13、14、15、16、トルクリミッタ1
7、および軸18a、18bを介して伝達されてカムレバー
8が、制御カム11に近接する方向に回動されてカム面12
にピン8aが当接して摺接する。このとき、トルクリミ
ッタ17は空転負荷トルクにより付勢力Fを発生させ、カ
ムレバー8のピン8aと制御カム11のカム面12との摺接
を維持する。
【0035】次いで、ローラ部1aが基準位置まで(ク
ラッチ胴出力部2が所定の回転位置まで)回転すると、
図2(a)に示すように、カムレバー8のピン8aがカ
ム面12の当接部12aに突き当り、制御カム11の回転が抑
えられてスプリングクラッチ4の他端4bが正転方向と
は逆に開かれてスプリングクラッチ4の給紙ギヤ3の胴
部3aの締付けが解放される。このため、給紙ギヤ3を
介して伝達されるモータ9の駆動力が遮断されてローラ
部1aが基準位置で停止する。したがって、スプリング
クラッチ4はクラッチ胴出力部2に対して給紙ギヤ3を
解放しているので、モータ9の駆動力がローラ軸1bに
伝達されることはなく、そのモータ9を継続して正駆動
させることができる。
【0036】次いで、モータ9を逆駆動すると、給紙ギ
ヤ3は逆転されるがスプリングクラッチ4はクラッチ胴
出力部2に給紙ギヤ3を連結されることはないので、給
紙ギヤ3は空転されてモータ9の駆動力がローラ軸1b
に伝達されることはない。同時に、その駆動力は各種ギ
ヤ13、14、15、16、トルクリミッタ17、および軸18a、
18bを介して伝達されてカムレバー8が、制御カム11か
ら離隔する方向に回動されてストッパ19に当接して停止
される。このとき、トルクリミッタ17は空転負荷トルク
により正転時と逆方向の付勢力Fを発生させ、ストッパ
19に当接するカムレバー8の位置を維持する。したがっ
て、クラッチ胴出力部2および給紙ギヤ3は連結されて
いないとともに、カムレバー8のピン8aは制御カム11
から離隔して、図32に示す上述従来例のカム溝6の端部
6dにように制御カム11の回転を妨げないので、モータ
9を継続して逆駆動させることができ、モータ9を正逆
駆動する他の駆動系と共通にしてもロックすることがな
い。そして、このような動作を繰り返すことにより、ク
ラッチ動作が行われる。
【0037】このように本実施例においては、モータ9
の正逆駆動を継続することができるとともに、カムレバ
ー8のピン8aは制御カム11から離隔して、駆動系のロ
ックを発生させることがない。したがって、モータ9に
より他の駆動系を正逆駆動するよう駆動源を共通にする
ことができ、コスト低減することができる。また、複雑
な機構を用いていないので、部品点数が少なく、小型で
簡易な構成にすることができる。また、カムレバー8は
一面内を回動するだけなので、信頼性が高い。また、カ
ムレバー8を回動する駆動源もモータ9にしていること
から、専用の駆動源を設ける必要がない。
【0038】さらに、カムレバー8を回動する駆動力は
給紙ギヤ3を介して伝達されるので、各種ギヤの歯数を
自由に設定することができる。なお、本実施例では、カ
ムレバー8を回動して制御カム11から離隔させている
が、直線移動させてもよいことはいうまでもない。次
に、図3〜図9は本発明に係るクラッチ機構の第2実施
例を自動給紙装置に搭載した一例を示す図であり、本実
施例は請求項1〜3、または6の何れかに記載の発明に
対応している。なお、本実施例では、上述実施例と同様
な構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0039】まず、構成を説明する。図3において、21
はクラッチ軸であり、クラッチ軸21は給紙ローラ1のロ
ーラ軸1bの片側端部に相当し、噛合部21aにより連結
されてローラ軸1bを構成しており、このクラッチ軸21
の端部はD字形状にカットされている。22はクラッチギ
ヤであり、クラッチギヤ22はクラッチ軸21を挿入される
とともに、図8に示すようにクラッチ軸21に刻設された
円周溝21bにストッパ爪22aが係合して回転自在に、か
つ、軸方向には移動不能に支持されており、その側面に
は他のギヤに噛合可能な図示していない歯面が形成され
ている。23はスライドカムであり、スライドカム23はク
ラッチ軸21に相対回転不能に、かつ、軸方向に移動可能
に前記D字カット面に支持されており、このスライドカ
ム23はクラッチギヤ22に所定の圧接力で当接するようス
プリング24により付勢されている。このクラッチギヤ22
およびスライドカム23には、互いの対向面にラチェット
部25、26が形成されており、スライドカム23にはラチェ
ット部26の裏面側に軸と直交してクラッチギヤ22側をカ
ム面27(図4に示している)とするカム部28が形成され
ている。これら、クラッチ軸21が回転軸を、クラッチギ
ヤ22が伝達ギヤを、スライドカム23が回転部材を、スプ
リング24が付勢手段を構成している。
【0040】また、31は切換ギヤであり、切換ギヤ31は
装置本体に固定された固定軸32に回転自在に、かつ、軸
方向には移動不能に支持されており、その側面にはクラ
ッチギヤ22および図示していないギヤ列を介するモータ
9からの駆動力を伝達する伝達ギヤ36(図7に示してい
る)に噛合する図示していない歯面が形成されている。
33、34はディスク板、35はスプリングであり、ディスク
板33、34はカムレバー8と切換ギヤ31のそれぞれの対向
面に固定されており、スプリング35は固定軸32が回転自
在に、かつ、軸方向に移動可能に支持するカムレバー8
を切換ギヤ31方向に所定の付勢力で付勢して、ディスク
板33、34を圧接させる。このディスク板33、34はスプリ
ング35により付勢されて互いの圧接面の摩擦力により正
逆回転方向に所定の負荷トルク(空転トルク)を発生さ
せるトルクリミッタを構成している。また、本実施例の
カムレバー8は、スライドカム23の前記カム面27に摺接
するよう回転方向に突出するピン8bが形成されてい
る。なお、カムレバー8および切換ギヤ31は、ディスク
板33、34の前記摩擦力を発生してその摩擦力が安定して
いる材料により構成することによりそのディスク板33、
34を削除することもでき、直接接触するトルクリミッタ
としてもよい。
【0041】次に、図4〜図6において、クラッチギヤ
22およびスライドカム23のラチェット部25、26は、スラ
イドカム23のみ図示しているが、スプリング24の付勢力
により互いに対向する面が当接して面接触するよう略同
一に形成されており、クラッチギヤ22の正転方向への回
転とともにスライドカム23が回転するように、正転時に
圧接する斜面25a、26aの軸に対する傾斜をαに設定し
ている。このラチェット部25、26は、スライドカム23が
スライドクラッチ22から離隔しようとする正転時の面圧
Tの力をスプリング24の付勢力および斜面25a、斜面26
aの間の摩擦力Rを加えたものよりも小さくして当接位
置がずれないようにすることによりクラッチギヤ22およ
びスライドカム23を連結する。また、ラチェット部25、
26は、逆転時には、逆転するクラッチギヤ22を空転させ
るように、逆転時に圧接する斜面25b、26bの軸に対す
る傾斜をβに設定されており、図示していないが、スラ
イドカム23がスライドクラッチ22から離隔しようとする
逆転時の面圧Tの力をスプリング24の付勢力および斜面
25b、26bの間の摩擦力Rを加えたものよりも大きくし
て前記当接位置をずらすことにより回転するクラッチギ
ヤ22をスライドカム23から解放する。すなわち、ラチェ
ット部25、26は駆動力接断手段を構成している。
【0042】また、スライドカム23のカム部28は、図5
および図6に示すように、給紙ローラ1のローラ部1b
が基準状態のときのスライドカム23の回転角θを0゜と
して、0゜の位置から+θ1回転した位置のカム面27
を、ラチェット部26の裏面からL3離隔させてラチェッ
ト部25、26が全面接触している状態でカムレバー8のピ
ン8bと接触可能に形成しており、また、正転時に+θ
の位置からのθ2回転した位置のカム面27を、前記裏面
からL2離隔させてカムレバー8のピン8bにより図4
中右方向に押されてラチェット部26をラチェット部25か
ら離隔させてその連結を解除するように形成されてい
る。すなわち、カム面27の+θ1〜θ2回転する間の軸
方向の距離(L3−L2)は、ラチェット部26の高さH
となる。このスライドカム23は、ラチェット部26の裏面
からL2離隔させるカム面27の回転角θ2の位置を任意
に設定することにより、その位置で回転を停止してクラ
ッチ軸21を所定の回転位置で停止させることができる。
すなわち、カム部28が連結解除手段を構成している。
【0043】このカム部28のカム面27は、カムレバー8
のピン8bの軸方向の位置精度が部品の加工精度や組付
精度によってばらつくため、カムレバー8のピン8bが
そのばらつきで最もクラッチギヤ22に近接方向(以降、
単に軸方向内側ともいう)に位置するときでもラチェッ
ト部25、26の連結を解除できるようにθ2の位置からの
さらに正転して0゜から−θ1回転した位置のカム面27
をラチェット部26の裏面から距離L1だけ離隔させて形
成されており、+θ1からθ2を経て−θまで正転する
のに応じて、ラチェット部26の裏面からのカム面27は距
離L3、L2、L1と徐々に近接する。また、カムレバ
ー8のピン8bが前記ばらつきで最もクラッチギヤ22か
ら離隔方向(以降、単に軸方向外側ともいう)に位置す
るときでもθ2まで回転したときにラチェット部25、26
の連結を解除するよう距離L2を設定している。このス
ライドカム23は、給紙ローラ1のローラ部1aを基準位
置で停止させるよう回転角θ2〜−θが設定されてお
り、カムレバー8のピン8bの平均的な位置のときに、
停止する位置が回転角θ2〜−θの間の0゜(理想停止
位置)となるように設定されている。すなわち、回転角
+θ1〜θ2の範囲のカム面27により第1のスライド面
27aを、回転角θ2〜−θ1の範囲のカム面27により第
2のスライド面27aを構成して、部品の加工誤差や組付
誤差を許容している。
【0044】次に、作用を図7〜図9を用いて説明す
る。まず、給紙時にモータ9を正駆動すると、その駆動
力は伝達ギヤ36等の前記ギヤ列を介して切換ギヤ31およ
びクラッチギヤ22に伝達されて、全面接触しているラチ
ェット部25、26の前記当接位置がずれることなくスライ
ドカム23が正転されてクラッチ軸21(ローラ軸1b)が
正転される。同時に、ストッパ19に当接しているカムレ
バー8が切換ギヤ31およびディスク板25、26を介して伝
達される駆動力により図7中実線で示す位置から破線で
示す位置に回動されてスライドカム23に当接するととも
に、図8に示すように、そのピン8bがスライドカム23
の回転角+θ1の位置からカム面27の第1のスライド面
27aに摺接される。このとき、ディスク板25、26は互い
の間で滑り出しその時の空転負荷トルクがカムレバー8
のスライドカム23への付勢力Fとなり、カムレバー8の
ピン8bとカム面27との摺接を維持する。
【0045】次いで、スライドカム23の正転によりカム
面27の第1のスライド面27aがカムレバー8のピン8b
に対して摺動すると、スライドカム23が+θ1からθ2
へと回転してピン8bのラチェット部26の裏面からの距
離がL3からL2へとなるのに応じてラチェット部25、
26の斜面25a、26aがずれてクラッチギヤ22およびスラ
イドカム23が徐々に離隔される。このとき、斜面25a、
26aは軸に対する傾斜をαに設定されているので、正転
時の面圧Tの力はスライドカム23がスライドクラッチ22
から離隔しようとする方向にも働くので、斜面25a、26
aをずらすためのモータ9の負荷が小さくされる。
【0046】次いで、カム面27のカムレバー8のピン8
bとの摺動面が第2のスライド部27bになり、スライド
カム23がθ2から−θ1の間の略0゜付近まで回転して
ローラ部1aが基準位置まで回転すると、図9に示すよ
うに、ラチェット部25、26が互いに離隔して連結が解除
される。このため、クラッチギヤ22からスライドカム23
への前記駆動力が遮断されてクラッチ軸21(ローラ軸1
b)が停止されローラ部1aが基準位置で停止する。そ
して、モータ9の駆動力はクラッチ軸21に伝達されない
ので、モータ9を継続して正駆動させることができる。
【0047】次いで、モータ9を逆駆動すると、カムレ
バー8は切換ギヤ31およびディスク板25、26を介して伝
達される駆動力により逆転されて図7中実線で示す位置
に回動されてピン8bがカム面27から離脱してストッパ
19に当接するとともに、そのピン8bのカム面27からの
離脱によりスライドカム23がスプリング24の付勢力によ
ってクラッチギヤ22に近接されてラチェット部25、26が
全面接触する。このとき、カムレバー8は、正転時と同
様に、ディスク板25、26の間に発生する逆方向の空転負
荷トルクの付勢力Fによりストッパ19に当接して停止さ
れる。なお、このディスク板25、26は、モータ9が停止
してもスプリング35の圧接による所定の摩擦力によって
カムレバー8をストッパ19に当接した状態で保持する。
【0048】また、モータ9の逆転する駆動力が伝達ギ
ヤ36等の前記ギヤ列および切換ギヤ31を介して伝達され
てクラッチギヤ22が逆転することにより、スライドカム
23はラチェット部25、26の前記当接位置をずらしてクラ
ッチギヤ22から離隔するが、ラチェット部25、26は頂部
を越えるとスプリング24の付勢力により再度全面接触す
る状態にされ、これを繰り返してクラッチギヤ22は空転
される。したがって、モータ9の駆動力はスライドカム
23に伝達されないとともに、カムレバー8のピン8bは
スライドカム23から離隔して、図32に示す上述従来例の
カム溝6の端部6dにように制御カム11の回転を妨げな
いので、モータ9を継続して逆駆動させることができ、
モータ9を正逆駆動する他の駆動系と共通にしてもロッ
クすることがない。そして、このような動作を繰り返す
ことにより、クラッチ動作が行われる。
【0049】このように本実施例においては、上述実施
例と同様な作用効果に加え、上述実施例のようにスプリ
ングクラッチ4により駆動力を接断する所謂、スプリン
グクラッチを使用せずにラチェット部25、26によりモー
タ9の駆動力を接断することができるので、低コストの
簡易な構成でモータ9の正逆駆動を継続することがで
き、さらにコストを低減することができる。
【0050】また、ディスク板25、26の摩擦力を利用し
てトルクリミッタを構成しているので、構成が簡易であ
り、さらにコスト低減することができる。さらに、カム
レバー8のピン8bに摺接するスライドカム23のカム面
27を部材の加工および組付誤差を許容する第1、2のス
ライド面27a、27bにより構成しているので、給紙ロー
ラ1のローラ部1bを確実に基準位置で停止させること
ができ、信頼性が向上する。
【0051】次に、図10および図11は本発明に係るクラ
ッチ機構の第3実施例の自動給紙装置に搭載した一例を
示す図であり、本実施例は請求項1〜6の何れかに記載
の発明に対応している。なお、本実施例は、上述第2実
施例と略同様に構成されていることから、同様な構成に
は同一の符号を付してその説明は省略して特徴部分のみ
説明する。
【0052】まず、構成を説明する。両図において、41
はストッパレバー(ストッパ部材)であり、ストッパレ
バー41は基部を支持部材42により回動自在に支持されて
おり、スライドカム23の正転方向に延在してその外周面
に先端が摺接するよう図示していない付勢手段により図
中矢印B方向に付勢されている。43は突当部であり、突
当部43はスライドカム23のストッパレバー41が摺接する
外周面の一部を径方向外方に突出されて形成されてお
り、スライドカム23の正転方向側先端にはその外周面の
接線と略一致する斜面43aが形成されている。また、突
当部43のスライドカム23の逆転方向先端にはその外周面
の接線と略直交する端面43bが形成されており、この端
面43bはラチェット部25、26が互いに離隔したときにス
トッパレバー41の先端から若干離隔する位置に形成され
ている。
【0053】また、ストッパレバー41の先端には、突当
部43の端面43bと当接する面よりもスライドカム23の正
転方向に突出する突出部(離隔状態保持手段)41aが形
成されており、この突出部41aは、スライドカム23の正
転によりラチェット部25、26が互いに離隔したときの突
当部43の位置よりも図11中の距離Cだけ軸方向内側に形
成されている。なお、距離Cは、ラチェット部25、26の
高さHより小さい。
【0054】次に、作用を説明する。まず、モータ9が
正転してスライドカム23が正転するときには、ストッパ
レバー41はスライドカム23の正転方向に延在するととも
に、突当部43の斜面43aはスライドカム23の外周面の接
線と略一致して滑らかに連続していることから、ストッ
パレバー41は突当部43に突き当たることはなく、摺接し
つつ揺動されてその突当部43を乗り越える。したがっ
て、スライドカム23の正転を妨げることはなく、駆動系
がロックしてしまうことがない。
【0055】そして、ラチェット部25、26が互いに離隔
して給紙ローラ1のローラ部1aを基準位置に位置させ
た後、モータ9を逆転すると、ラチェット部25、26は前
記当接位置をずらしてクラッチギヤ22を空転させるの
で、ラチェット面25、26の斜面25b、26bの間の摩擦力
Rによってスライドカム23には逆転方向への空転トルク
が加えられてそのスライドカム23は逆転しようとする
が、突当部43の端面43bはスライドカム23の外周面の接
線と略直交していることから、ストッパレバー41の先端
が突当部43に突き当たってその回転は係止される。した
がって、スライドカム23が逆転されることなく、給紙ロ
ーラ1のローラ部1aの基準位置は保持される。
【0056】また、同時に、モータ9の逆転によりカム
レバー8のピン8bはカム面27から離脱するので、スラ
イドカム23はスプリング24の付勢力によりクラッチギヤ
22に近接する方向への移動を開始するが、図11中実線で
示す位置から破線で示す位置に距離Cだけ移動したとき
に、ストッパレバー41の突出部41aにスライドカム23の
突当部43が突き当たってその移動が停止される。したが
って、クラッチギヤ22の逆転によりラチェット部25がラ
チェット部26に接触する斜面25b、26bは距離Cの範囲
内となる。この距離Cを小さくするほどその接触する面
積は小さくされる。
【0057】このように本実施例では、上述第2実施例
の作用効果に加え、スライドカム23はモータ9の逆転時
には逆転方向の空転トルクを加えられるが、ストッパレ
バー41が突当部43に突き当たってその回転を係止するの
で、スライドカム23が逆転することなくクラッチ軸21を
所定の回転位置に停止させることができる。そして、突
当部43の端面43bはラチェット部25、26が互いに離隔し
たときにストッパレバー41の先端から若干離隔する位置
に形成されているので、基準位置で回転を停止された給
紙ローラ1のローラ部1aをその位置に保持することが
できる。また、モータ9の正転時にはストッパレバー41
は突当部43に摺接しつつ揺動するので、その突当部43に
突き当りスライドカム23を停止させてしまうことがな
く、駆動系がロックしてしまうことがない。したがっ
て、信頼性が向上する。
【0058】また、このモータ9の逆転時には、ストッ
パレバー41の突出部41aがスライドカム23をラチェット
部25、26の離隔した状態から距離C以上クラッチギヤ22
方向に移動させないので、スライドカム23への空転トル
クはその距離C以内で摺接するラチェット面25、26の斜
面25b、26bのみにすることができる。したがって、ラ
チェット面25、26の斜面25b、26bの摩擦力Rによるモ
ータ9への負荷変動を軽減することができる。また、ラ
チェット面25、26が当接する面が小さくなるので当接を
繰り返すことにより発生する音を小さくすることができ
る。
【0059】次に、図12〜図14は本発明に係るクラッチ
機構の第4実施例の自動給紙装置に搭載した一例を示す
図であり、本実施例は請求項1〜6の何れかに記載の発
明に対応している。なお、本実施例は、上述第3実施例
と略同様に構成されていることから、同様な構成には同
一の符号を付してその説明は省略して特徴部分のみ説明
する。
【0060】図12および図13において、45はカム部(離
隔状態保持手段)であり、カム部45はストッパレバー41
の先端が突当部43の端面43に当接してスライドカム23の
逆転を停止させた後にカムレバー8がストッパ19に当接
するよう回動するときに図12中破線で示す位置から実線
で示す位置に回動してその突当部43に係合するようカム
レバー8の基部の外周面に突出されて形成されている。
カム部45は、図13に示すように、カムレバー8の逆転方
向に対する先端部45aの軸方向外側の面をストッパレバ
ー41の突出部41aの形成位置よりもさらに距離Dだけ軸
方向内側に形成されるとともに、カムレバー8の逆転方
向に対する後端部45bの軸方向外側の面を先端部45aよ
り距離Eだけ軸方向外側となるよう形成されている。な
お、距離Eは距離C+距離D以上に設定されている。
【0061】また、カム部45および突当部43の互いに係
合して摺接したときの摩擦力による負荷トルクWは、デ
ィスク板33、34の摩擦力による空転トルクUよりも小さ
い。次に、作用を説明する。まず、モータ9の正転によ
りスライドカム23を正転してラチェット部25、26が互い
に離隔した後、モータ9を逆転すると、カムレバー8が
図12中破線位置から実線位置に回動してスライドカム23
のカム面27からピン8bが離脱するとともに、スライド
カム23の突当部43にカム部45の先端部45aから係合して
カムレバー8がストッパ19に当接するときにはその後端
部45bが係合して支持する。したがって、カム部45が突
当部43を支持することにより、スライドカム23はクラッ
チギヤ22に近接することなくラチェット部25、26を互い
に離隔した状態に保持され、突当部43がカム部45の後端
部45bに係合するときには、図14に示すように、ラチェ
ット部25、26をさらに離隔されて保持される。そのた
め、モータ9の逆転を継続してもラチェット部25、26が
接触することはなく、スライドカム23が前記空転トルク
により逆転することはない。
【0062】そして、再度モータ9を正転すると、カム
レバー8の回動によりカム部45は図12中実線位置から破
線位置に回動するので、そのカム部45が突当部43から離
脱してスライドカム23はスプリング24の付勢力によりク
ラッチギヤ22に近接する方向に移動され、ラチェット部
25、26が全面接触してスライドカム23がモータ9の駆動
力により正転される。
【0063】このように本実施例では、上述第3実施例
の作用効果に加え、モータ9の逆転時にはカムレバー8
の回動によりカム部45がスライドカム23の突当部43に係
合してラチェット面25、26を互いに離隔した状態に保持
するので、スライドカム23への空転トルクをなくしてモ
ータ9の負荷を小さくするとともに、ラチェット面25、
26が当接することにより発生する音をなくすことができ
る。また、モータ9の正転時にはカムレバー8の回動に
よりカム部45がスライドカム23の突当部43から離脱する
ので、スライドカム23およびクラッチギヤ22のラチェッ
ト部25、26を全面接触させてモータ9の駆動力によりク
ラッチ軸21を正転させることができる。
【0064】次に、図15および図16は本発明に係るクラ
ッチ機構の第5実施例の自動給紙装置に搭載した一例を
示す図であり、本実施例は請求項1〜6の何れかに記載
の発明に対応している。なお、本実施例は、上述第4実
施例と略同様に構成されていることから、同様な構成に
は同一の符号を付してその説明は省略して特徴部分のみ
説明する。
【0065】両図において、53は突当部であり、突当部
53は上述実施例の突当部43と略同様に形成されており、
斜面43aおよび端面43bを近接させて形成されている。
54は突起(ストッパ部材)であり、突起54はカム部45の
軸方向外側の面に形成されており、この突起54は先端部
45a側をカム部45の表面から滑らかに連続して、後端部
45b側をその表面と略直交するよう形成されている。56
は伝達ギヤであり、伝達ギヤ56は上述第1実施例では切
換ギヤ31に噛合させていた伝達ギヤ36をクラッチギヤ22
に噛合させて図示していないギヤ列を介するモータ9か
らの駆動力をそのクラッチギヤ22を介して切換ギヤ31に
伝達するようにしたものである。そして、クラッチギヤ
22の歯数Z1は切換ギヤ31の歯数Z2よりも多く形成さ
れている。なお、本実施例では、ストッパレバー41は備
えていない。
【0066】次に、作用を説明する。まず、モータ9の
正転によりスライドカム23が正転してラチェット部25、
26が互いに離隔した後、モータ9を逆転すると、カムレ
バー8が図14中破線位置から実線位置に回動してピン8
bがスライドカム23のカム面27から離脱するとともに、
カム部45がスライドカム23の突当部43に先端部45aから
係合する。そして、本実施例では、クラッチギヤ22の歯
数Z1が切換ギヤ31の歯数Z2よりも多いため、、クラ
ッチギヤ22の回転量に対して切換ギヤ31の回転量が多
く、カムレバー8がストッパー19に突き当たる前に、突
当部53はカム部45の先端部45aから係合した後に端面43
bがカム部45の突起53を超えて後端部45bに係合する。
したがって、モータ9の逆転を継続しても、突当部53の
端面がカム部45の突起54に突き当たってスライドカム23
が逆転することはない。また、突当部53はカム部45の後
端部45bに係合しているので、ラチェット部25、26は離
隔された状態を保持することができ、スライドカム23が
前記空転トルクにより逆転することはない。
【0067】そして、再度モータ9を正転すると、カム
レバー8の正転方向への回動により突当部53は端面53b
をカム部45の突起54により正転方向に押されてスライド
カム23を正転させつつそのカム部45から離脱してスライ
ドカム23はスプリング24の付勢力によりクラッチギヤ22
に近接する方向に移動され、ラチェット部25、26が全面
接触してスライドカム23がモータ9の駆動力により正転
される。
【0068】このように本実施例では、上述第4実施例
の作用効果に加え、ストッパレバー41を設けることな
く、スライドカム23の空転トルクによる逆転を停止させ
ることができるので、より構成が簡易になり、コスト低
減することができる。また、カムレバー8を回動する駆
動力はクラッチギヤ22を介して伝達されるので、切換ギ
ヤ31の歯数を自由に設定することができる。
【0069】次に、図17は本発明に係るクラッチ機構の
第6実施例の自動給紙装置に搭載した一例を示す図であ
り、本実施例は請求項1〜6の何れかに記載の発明に対
応している。なお、本実施例は、上述第3実施例と略同
様に構成されていることから、同様な構成には同一の符
号を付してその説明は省略して特徴部分のみ説明する。
【0070】同図において、61、62は一対のフレームで
あり、フレーム61、62は装置本体に固定されており、こ
のフレーム61、62は切換ギヤ31およびカムレバー8を支
持する固定軸32をはめ込み固定されるとともにクラッチ
ギヤ22およびスライドカム23を支持するクラッチ軸21を
回転自在に支持して1つのフレーム内にクラッチ機構を
ユニット化している。フレーム62は、クラッチ軸21より
も大径の孔62aにストッパ爪22bを係合させることによ
りクラッチギヤ22を回転自在に、かつ、軸方向には移動
不能に支持するようになっており、またクラッチ軸21は
孔62aを覆うように形成された軸受62bにより軸受す
る。なお、フレーム61、62は、ストッパレバー41を支持
する支持部材42も回転自在に支持している。
【0071】本実施例では、上述第3実施例の作用効果
に加え、その上述第3実施例ではクラッチギヤ22のスト
ッパ爪22aをクラッチ軸21の円周溝21bに係合して支持
していたので位置決め基準は別部材となっていたが、固
定軸32およびクラッチギヤ22をフレーム61、62が位置決
めすることにより、切換ギヤ31、カムレバー8、クラッ
チギヤ22、およびスライドカム23の軸方向の基準が同一
部材の同一基準となり、カムレバー8のピン8bおよび
スライドカム23のカム面27の位置精度が容易に向上す
る。
【0072】次に、図18〜図29は本発明に係るクラッチ
機構の第7実施例を自動給紙装置に搭載した一例を示す
図であり、本実施例は請求項7、または10〜12記載
の発明に対応している。なお、本実施例では、上述実施
例と同様な構成には同一の符号を付してその説明を省略
する。まず、構成を説明する。なお、本実施例を搭載し
た自動給紙装置は公知のものであることから、上述実施
例と同様に詳細な説明は省略して特徴部分のみ説明す
る。
【0073】図18および図19において、71は切欠ギヤ、
72は中間ギヤであり、切欠ギヤ71は給紙ローラ1のロー
ラ部(給紙部材)1aを軸支するローラ軸(回転軸)1
bの一端部に回転不能に固設されており、中間ギヤ72は
装置本体の側板73にローラ軸1bと平行に突設された固
定軸74にハブ部72aを回転自在に支持され切欠ギヤ71に
噛合してモータ9の駆動力を伝達する伝達手段(例え
ば、伝達ギヤ列)の一部を構成している。また、切欠ギ
ヤ71は、ローラ部1aを用紙Pに接触しない状態で停止
させる基準位置にローラ軸1bが位置するときに中間ギ
ヤ72に対応する部分の歯面75を切り欠かいた切欠部71a
が形成されており、歯面75はローラ部1aが用紙Pに接
触する前から開始部75aが噛合し図示していない給紙方
向下流側の給紙手段に用紙Pの先端が達した後には終了
部75bがその噛合から離脱する。また、切欠ギヤ71は、
軸芯に対して切欠部71aと対称の位置が重心71bとなる
ように、例えば歯面75と異なる位置におもりが取り付け
られてトルク付与手段が構成されている。
【0074】76はハブであり、ハブ76は中間ギヤ72と同
様に固定軸74に回転自在に支持されており、中間ギヤ72
のハブ部72aに一端を固定されたスプリングクラッチ77
によりその中間ギヤ72に連結されている。このスプリン
グクラッチ77は、中間ギヤ72が給紙方向の反対方向(図
19中、時計廻り)に回転したときにそのハブ部72aとハ
ブ76とを締め付けて連結し、また中間ギヤ72が給紙方向
(図19中、反時計廻り)に回転したときにはその締付け
を緩めてハブ76に空転トルクを付与しつつその中間ギヤ
72に対する相対回転を許容する。なお、スプリングクラ
ッチ77は、ハブ76側に固定してもよい。
【0075】78、79はレバーであり、レバー78はハブ76
の一端部で法線方向に延在し、レバー79は切欠ギヤ71の
切欠部71a側に向かって法線方向と略平行に延在してお
り、これらは双方ともに略水平状態になったときに互い
の先端が当接して係合する。そして、レバー78は、スト
ッパ81により反時計廻り方向の揺動を制限され水平とな
っているときにレバー79の時計廻り方向の揺動を制限
し、時計廻り方向に揺動するときにはレバー79を押し下
げて離隔した後にストッパ82にその揺動が制限される。
また、レバー79は、反時計廻り方向に揺動するときには
所定量揺動した後に支点83aに揺動可能に支持されたス
トッパレバー83の先端部83bにその揺動が制限され、レ
バー78による制限が解除された後に時計廻り方向に揺動
するときにはそのストッパレバー83を揺動させその先端
部83bを乗り越えレバー78に係合する位置に復帰する。
すなわち、ストッパ78が制限解除手段を構成し、ストッ
パレバー83が制限手段を構成している。なお、時計廻り
に揺動するレバー78がストッパレバー83の先端部83bを
乗り越えるにはいずれか一方の対向面に斜面を形成する
などすればよく、ストッパレバー83はスプリング84によ
り付勢して復帰させればよい。また、図18中、85はロー
ラ軸1bを回転自在に軸支する軸受であり、86はハブ76
の固定軸74からの離脱を防止する例えば、Cリングであ
る。
【0076】次に、作用を説明する。まず、給紙動作を
開始する前にモータ9を逆駆動することにより中間ギヤ
72が逆転(時計廻り)されることによって、この中間ギ
ヤ72とハブ76がスプリングクラッチ77により連結されて
図19に示す状態から逆転され、ハブ76の逆転によるレバ
ー78の揺動によりレバー79が押し下げられ、図20〜図22
に示すように、切欠ギヤ71が逆転される。そして、レバ
ー78の先端がレバー79から離隔した後には、レバー78の
揺動がストッパ82に制限されるとともに切欠ギヤ71は重
心71bのずれによる回転トルクによって正転(時計廻
り)が開始される。このとき、切欠ギヤ71の逆転により
ローラ部1aが用紙Pに接触するまで回転することはな
いが、これ以上の逆転はレバー79の揺動がストッパレバ
ー83の先端部83bにより制限され、ローラ部1aが用紙
Pに接触したり歯面75の終了部75bが中間ギヤ72と噛合
(接触)することはない。
【0077】次いで、切欠ギヤ71が重心71bのずれによ
る回転トルクによって正転され、図23および図24に示す
ように、中間ギヤ72に歯面75の開始部75aが接触しモー
タ9が正転されることにより、中間ギヤ72に切欠ギヤ71
の歯面75が噛合されてモータ9の駆動力が伝達されロー
ラ部1aが正転され用紙Pの給紙動作が開始される。こ
のとき、ハブ76はスプリングクラッチ77による締付けが
解除されて中間ギヤ72の正転で生じる空転トルクにより
レバー78をストッパ81に当接した状態で停止させてい
る。
【0078】そして、ローラ部1aによる給紙動作が継
続され、用紙P先端が前記給紙手段に到達したときに
は、図25に示すように、中間ギヤ72と切欠ギヤ71の噛合
する位置が歯面75の終了部75b付近になっているととも
に切欠ギヤ71の重心71bは上方、かつ、軸芯に対して右
側(待機位置側)に移動される。次いで、ローラ部1a
による給紙動作が終了され、図26に示すように、中間ギ
ヤ72から歯面75の終了部75が離脱すると、切欠ギヤ71が
重心71bのずれによる回転トルクによって正転され、レ
バー79がストッパレバー83を揺動させて先端部83bを乗
り越えた後には、切欠ギヤ71はレバー79がレバー78に衝
止(係合)され、図19に示すローラ部1aが基準位置に
位置され待機状態とされる。
【0079】この待機状態では、レバー79の揺動はレバ
ー78およびストッパレバー83の先端部83bに制限される
ことにより、切欠ギヤ71の回転が制限されローラ部1a
が用紙Pに接触することはない。このように本実施例に
おいては、歯面75を切り欠くとともに重心71bをずらす
した切欠ギヤ71をスプリングクラッチ77を介して揺動さ
せるレバー78によりレバー79を衝止するだけの簡易な構
成により、中間ギヤ72に対応する位置に切欠部71aを位
置させて切欠ギヤ71の回転を制限し停止させることがで
き、ローラ軸1bを基準位置に位置させることができ
る。そして、レバー78による切欠ギヤ71の回転の制限を
解除したときにはその切欠ギヤ71を重心71bのずれによ
る回転トルクによって回転させて歯面75を開始部75aか
ら中間ギヤ72に噛合させることができ、モータ9の駆動
力を伝達してローラ軸1bの回転による給紙動作を開始
させることができる。この後、給紙動作が終了する前に
は、切欠ギヤ71に回転トルクを付与する位置まで重心71
bを移動させておき、給紙動作が終了したときには、切
欠ギヤ71の歯面75の終了部75bを中間ギヤ72との噛合か
ら離脱させるとともに重心71bのずれによる回転トルク
により切欠ギヤ71を正転させることができ、レバー78に
よりレバー79に衝止させて切欠ギヤ71の回転を制限しロ
ーラ軸1bを基準位置に復帰させて待機状態とすること
ができる。
【0080】したがって、モータ9の駆動力を伝達して
ローラ軸1bを一回転させるクラッチ動作を部品点数の
少ない簡易な構成により行なうことができ、モータ9の
共通使用を安価に実現することができる。また、切欠ギ
ヤ71に付与する回転トルクは重心71bの位置を工夫する
だけの構成なので、特別な機構は必要ない。さらに、ス
プリングクラッチ77は、ハブ76を介してレバー78を揺動
/停止させるだけでよく他の部材に支持されていないの
で、加工公差を厳しくする必要がないとともに、無駄な
空転トルクによりモータ9の容量を無駄に大きくする必
要がない。そのため、コストをより削減することができ
る。
【0081】また、切欠ギヤ71の歯面75は、ローラ部1
aが用紙Pに接触する前から噛合しまた前記給紙手段に
用紙P先端が達した後にはその噛合から離脱するように
開始部75aおよび終了部75bを形成するように切り欠く
だけなので、切欠ギヤ71は容易に作成することができ、
用紙Pの給紙動作を信頼性高く確実に行なうことができ
る。
【0082】さらに、ローラ軸1bが基準位置に位置す
るとき、切欠ギヤ71は重心71bの回転トルクによる正転
方向への回転がストッパ78により制限されるとともに、
その姿勢から切欠ギヤ71が逆転方向に回転したとしても
ローラ部1aが用紙Pに接触する前にその回転をストッ
パレバー83の先端部83bが制限するので、待機時にロー
ラ軸1bが基準位置から外れてしまうことがない。その
ため、例えば、用紙Pのジャム等の発生時にその用紙P
を引き出すことによりローラ1aが連れ回って給紙動作
を正常に再開することができなくなってしまうことがな
い。
【0083】次に、図27は本発明に係るクラッチ機構の
第8実施例を自動給紙装置に搭載した一例を示す図であ
り、本実施例は上述第7実施例と略同様に構成されてい
るので、要部のみ図示する。なお、本実施例は、請求項
7、または10〜12記載の発明に対応しており、上述
実施例と略同様な構成には同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0084】同図において、91は中継ハブであり、中継
ハブ91は中間ギヤ72のハブ部72aとハブ76との間に介装
されて固定軸74に回転自在に支持されており、中間ギヤ
72のハブ部72a側とはスプリングクラッチ92により連結
され、ハブ76側とはスプリングクラッチ93により連結さ
れている。このスプリングクラッチ92、93は、巻方向を
逆に設定されており、中間ギヤ72の正転時にレバー78が
ストッパ81に衝止された後には一方が空転してロックし
てしまうことを防止し、また逆転時にレバー78がストッ
パ88に衝止された後には他方が空転してロックしてしま
うことを防止するようになっている。
【0085】本実施例では、上述第7実施例の作用効果
に加え、ハブ76のレバー78は中継ハブ91およびスプリン
グクラッチ92、93を介して中間ギヤ72のハブ部72aに連
結されているので、中間ギヤ72の逆転時にレバー78がス
トッパ82により衝止されたとき、スプリングクラッチ9
2、93の他方が空転して空転トルクを発生させることに
よりモータ9の逆駆動を継続することができる。したが
って、モータ9は駆動方向に制限なく共通使用すること
ができる。
【0086】また、本実施例の他の態様としては、図示
は省略しているが、中間ギヤ72の正転時レバー78がスト
ッパ81に衝止されて空転させるスプリングクラッチ92、
93の一方のリミット値の設定を他方より小さく設定し、
その空転トルクをレバー78の位置を維持する程度にす
る。ここで、中間ギヤ72の逆転時にはレバー78により切
欠ギヤ71のレバー79を押し下げるだけの空転トルクを発
生させる必要があるが、正転時、すなわち給紙動作時に
はレバー78の位置を保持するだけでよいので、大きな空
転トルクは必要なくリミット値を小さくすることができ
る。このように構成することによって、給紙動作時にモ
ータ9に加えられる負荷のためにその容量を無駄に大き
くする必要がなく、コストを削減することができる。な
お、この他の態様は、請求項13記載の発明に対応す
る。
【0087】次に、図28は本発明に係るクラッチ機構の
第9実施例を自動給紙装置に搭載した一例を示す図であ
り、本実施例は上述第8実施例と略同様に構成されてい
る。なお、本実施例は、請求項7、8、または10〜1
2記載の発明に対応しており、上述実施例と略同様な構
成には同一の符号を付してその説明を省略する。同図に
おいて、101は切欠ギヤ71に噛合して前記伝達手段の一
部を構成する中間ギヤであり、中間ギヤ101は固定軸74
を内装する円筒状の回転軸101aと一体に形成されてお
り、その一端部にはフランジ部101bも一体に形成され
ている。102はレバー78を設けられた回転板であり、回
転板102は中間ギヤ101の回転軸101aに回転自在に支持
されており、その軸方向両面側には所定の摩擦力を有す
る摩擦板103が埋設されている。この回転板102は、摩擦
板103に所定の摩擦力を有するディスク板104が圧接する
ように中間ギヤ101の反対側から回転軸101aのフランジ
部101bに支持されたスプリング(付勢手段)105により
付勢されており、これらの間の摩擦力によって空転トル
クを発生するトルクリミッタを構成している。なお、デ
ィスク板104は中間ギヤ101およびスプリング105に固設
されている。
【0088】本実施例では、上述第7、8実施例と略同
様な作用効果を得ることができ、回転板102の摩擦板103
とディスク板104との間に発生する摩擦力を空転トルク
とするトルクリミッタとしているので、モータ9の正逆
駆動を継続することができる。また、回転板102の摩擦
板103とディスク板104とを圧接させるスプリング105の
反対側は、中間ギヤ101と一体のフランジ部101bに支持
させているので、スプリングフランジ部105とフランジ
部101bとの間に滑べりが生じてもその空転トルクを無
駄にすることがなく、スプリング105の付勢力を大きく
してモータ9に加わる負荷が大きくなってしまうことが
ない。したがって、モータ9を駆動方向に制限なく共通
使用することができるとともに、コストを削減すること
ができる。
【0089】なお、本実施例では、中間ギヤ101、回転
軸101a、フランジ部101bを一体に形成しているが、こ
れに限らず、個々に作成して固設してもよいことはいう
までもない。次に、図29は本発明に係るクラッチ機構の
第10実施例を自動給紙装置に搭載した一例を示す図であ
り、本実施例は上述第9実施例と略同様に構成されてい
る。なお、本実施例は、請求項7〜12記載の発明に対
応しており、上述実施例と略同様な構成には同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0090】同図において、111は切欠ギヤ71に噛合し
て前記伝達手段の一部を構成する中間ギヤであり、中間
ギヤ111は、円柱状の回転軸111aと一体に形成されてお
り、その一端部にはフランジ部101bが一体に形成され
ている。この中間ギヤ111は、側板73、115に固設された
軸受113、114に回転軸111aを回転自在に軸支されてい
る。
【0091】本実施例では、上述第9実施例の作用効果
に加え、中間ギヤ111の一体回転する回転軸111aが軸受
113、114に回転自在に軸支されているので、中間ギヤ11
1の回転抵抗(負荷)を小さくすることができ、モータ
9に加えられる無駄な負荷をさらに小さくすることがで
きる。
【0092】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、伝達ギヤ
を所定方向に回転させる駆動源の駆動力は回転部材を所
定方向に所定位置まで回転させた後に遮断して回転部材
を停止させ、伝達ギヤを前記所定方向に対して逆方向に
回転させる駆動源の駆動力は遮断して回転部材が回転す
ることはないとともに、伝達ギヤを前記逆方向に回転さ
せるときには摺接部材を連結解除手段のカム面から離隔
させるので、駆動源を継続して正逆駆動することができ
る。したがって、回転軸を所定方向に所定の回転位置ま
で回転させる駆動系および他の駆動系の駆動源を共通に
することができ、コスト低減することができる。また、
複雑な機構を用いていないので、部品点数が少なく、小
型で簡易な構成にすることができる。さらに、摺接部材
は近接・離隔の一方向のみの移動でよいので、信頼性が
高い。
【0093】請求項2記載の発明によれば、駆動源の駆
動力を摩擦力を利用するトルクリミッタを介して伝達す
ることによりその駆動源を停止させることなく摺接部材
をカム面に当接させることができるので、正逆駆動する
駆動源の駆動力を伝達することができ、摺接部材を移動
させる駆動源として伝達ギヤを回転させる駆動源の駆動
力を利用することができる。したがって、構成をより簡
易にすることができ、さらにコスト低減することができ
る。
【0094】請求項3記載の発明によれば、近接するよ
う付勢する伝達ギヤおよび回転部材のそれぞれの対向面
のラチェット部が、伝達ギヤおよび回転部材の相対的な
回転方向に応じて互いの当接面を連結または解放するの
で、コスト高となるスプリングクラッチを使用せずに簡
易な構成で駆動源の正逆駆動を継続することができる。
さらに、コストを低減することができる。
【0095】請求項4記載の発明によれば、回転部材が
空転するときにはストッパ部材に突当部を突き当てて係
止しその回転部材の空転を停止するとともに、回転部材
が伝達ギヤに連結されて回転する方向に回転するときに
はストッパ部材に突当部が突き当たることはないので、
空転トルクによって回転する回転部材を停止させること
ができるとともに、伝達ギヤに連結された回転部材の回
転を妨げることはない。したがって、回転軸の位置決め
をすることができ、信頼性が向上する。
【0096】請求項5記載の発明によれば、伝達ギヤが
前記所定方向に対する逆方向へ回転するときにはラチェ
ット部の離隔した状態を保持するので、伝達ギヤが前記
所定方向に対して逆方向に回転するときには、伝達ギヤ
のラチェット部が固定部材のラチェット部に接触するこ
とはない。したがって、回転部材に加えられる空転トル
クを削減することができるとともに、前記所定方向に対
する逆方向へ回転するときのラチェット部が接触するこ
とにより発生する音をなくすことができ、信頼性が向上
する。
【0097】請求項6記載の発明によれば、部材の加工
および組付誤差を許容して摺接部材が所定位置に達した
後にラチェット部を離隔させるので、回転部材を所定範
囲内に確実に停止させることができ、信頼性が向上す
る。請求項7記載の発明によれば、切欠ギヤの歯面を切
り欠くとともに駆動源の駆動方向に応じてその回転を制
限し回転軸を基準位置に位置させるとともに、その回転
の制限を解除したときには付与する正転方向への回転ト
ルクにより切欠ギヤを回転させて中間ギヤに噛合させ駆
動源の駆動力を伝達することにより回転軸を回転させ
る。この後に、回転軸が基準位置近傍まで回転したとき
に切欠ギヤを中間ギヤとの噛合から切り欠いた位置で離
脱させて駆動力の伝達を切断するとともにそれ以上の回
転を制限して回転軸を基準位置に位置させるので、回転
軸の正転方向への一回転および基準位置での停止を歯面
の一部を切り欠いただけの簡易な構成により行なうこと
ができる。したがって、小型で部品点数の少ない構成で
クラッチ動作を行なうことができ、コストを削減するこ
とができる。さらに、駆動源の駆動力の伝達を切欠ギヤ
の歯面を切り欠くだけで接断しているので、信頼性が高
い。
【0098】請求項8記載の発明によれば、切欠ギヤの
回転を制限/解除する手段への駆動力は、中間ギヤ側に
摩擦板を付勢することにより発生する摩擦力によって伝
達するので、駆動源の正逆駆動を継続することができ
る。また、付勢する手段の中間ギヤ側の反対側は一体回
転する部材により支持するので、空転トルクすべてを切
欠ギヤの回転を制限/解除する手段へ伝達することがで
きる。したがって、回転軸を回転させる駆動系および他
の駆動系の駆動源を共通にするとともに駆動源に加わる
無駄な負荷を小さくすることができ、搭載する装置本体
のコストを削減することができる。
【0099】請求項9記載の発明によれば、中間ギヤの
一体回転する軸を軸受により回転自在に軸支するので、
機構の外部との間に生じる負荷を小さくすることができ
る。したがって、駆動源に加えられる無駄な負荷をさら
に小さくすることができる。請求項10記載の発明によ
れば、給紙部材の回転軸に切欠ギヤを支持させて休止装
置に搭載し、この切欠ギヤの歯面を、給紙部材が用紙に
接触しない位置を回転軸の基準位置にして給紙部材が用
紙に接触し給紙を開始する前に中間ギヤと噛合しまた給
紙装置の給紙方向下流側の給紙手段に用紙先端が達した
後にその噛合から離脱するように切り欠いているので、
給紙装置の用紙の給紙動作を確実に行なうことができ
る。したがって、給紙装置の駆動源の共通使用を可能に
することができるとともに、簡易な構成により用紙の給
紙動作を実現し信頼性を向上させることができる。
【0100】請求項11記載の発明によれば、給紙部材
の回転軸に支持させた切欠ギヤは、給紙部材による用紙
の給紙終了後に回転トルクの付与が開始されるように軸
芯に対して重心をずらしているので、簡易な構成により
切欠ギヤに用紙の給紙終了後に回転トルクを付与するこ
とができる。したがって、コストを削減することができ
る。
【0101】請求項12記載の発明によれば、回転軸が
基準位置に位置するときの姿勢から切欠ギヤが逆転方向
へ回転したとしても給紙部材が用紙に接触する前にその
回転を制限するので、回転軸が基準位置に位置する待機
時に切欠ギヤが正逆方向に回転することを防止すること
ができ、給紙部材が用紙に接触することがない。したが
って、信頼性が向上する。
【0102】請求項13記載の発明によれば、切欠ギヤ
の回転を制限/解除する手段に駆動源の駆動力を伝達す
るトルクリミッタを駆動源の正逆駆動のいずれでも動作
するように構成するとともに、給紙部材を給紙方向に回
転させる駆動源の駆動力に対するリミット値を他方より
も小さく設定するので、駆動源の正逆駆動の継続を可能
にすることができるとともに、用紙の給紙動作時に駆動
源の負荷となるトルクリミッタの空転トルクを小さくす
ることができる。したがって、給紙装置の正逆駆動する
駆動源の共通使用を可能にすることができるとともに、
駆動源に加わる無駄な負荷を小さくして、給紙装置のコ
ストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチ機構の第1実施例の全体
構成を示す図であり、その一部断面拡大図である。
【図2】その要部を示す軸に対する正面図であり、
(a)はその正転時の状態図、(b)はその逆転時の状
態図である。
【図3】本発明に係るクラッチ機構の第2実施例の全体
構成を示す図であり、その分解斜視図である。
【図4】その要部を示す軸に対する側面図である。
【図5】図4に示す要部を説明するA矢視図である。
【図6】図4に示す要部を説明する説明図である。
【図7】その作用を説明する軸方向からの説明図であ
る。
【図8】図7と異なる方向からの状態図である。
【図9】図8と異なる状態を示す状態図である。
【図10】本発明に係るクラッチ機構の第3実施例を示す
概略全体構成図である。
【図11】図10と異なる方向からの全体構成図である。
【図12】本発明に係るクラッチ機構の第4実施例を示す
概略全体構成図である。
【図13】図12と異なる方向からの全体構成図である。
【図14】その作用を説明する図13と同一方向からの説明
図である。
【図15】本発明に係るクラッチ機構の第5実施例を示す
概略全体構成図である。
【図16】図15と異なる方向からの全体構成図である。
【図17】本発明に係るクラッチ機構の第6実施例を示す
概略全体構成図である。
【図18】本発明に係るクラッチ機構の第7実施例の全体
構成を示す図であり、そのラジアル方向からの一部断面
構成図である。
【図19】その動作を説明する説明図であり、その軸方向
からの基準位置での状態図である。
【図20】図19の基準位置からの動作開始時の状態を示す
状態図である。
【図21】図20に続く動作を示す状態図である。
【図22】図21に続く動作を示す状態図である。
【図23】図22に続く動作を示す状態図である。
【図24】図23に続く動作を示す状態図である。
【図25】図24に続く動作を示す状態図である。
【図26】図25に続く動作を示す状態図である。
【図27】本発明に係るクラッチ機構の第8実施例の要部
を示す図であり、そのラジアル方向からの一部拡大断面
である。
【図28】本発明に係るクラッチ機構の第9実施例の全体
構成を示す図であり、そのラジアル方向からの一部断面
構成図である。
【図29】本発明に係るクラッチ機構の第10実施例の全体
構成を示す図であり、そのラジアル方向からの一部断面
構成図である。
【図30】課題を説明する従来例の分解斜視図である。
【図31】その組立一部断面構成図である。
【図32】その要部を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ 1a ローラ部(給紙部材) 1b ローラ軸(回転軸) 2 クラッチ胴出力部(回転部材) 3 給紙ギヤ(伝達ギヤ) 4 スプリングクラッチ(駆動力接断手段) 8 カムレバー(連結解除手段、移動手段) 8a、8b ピン(摺接部材) 9 モータ(駆動源) 11 制御カム(連結解除手段) 12、27 カム面 21 クラッチ軸(回転軸) 22 クラッチギヤ(伝達ギヤ) 23 スライドカム(回転部材) 24 スプリング(付勢手段) 25、26 ラチェット部(駆動力断接手段) 27a 第1のスライド面 27b 第2のスライド面 28 カム部(連結解除手段) 33、34 ディスク板(トルクリミッタ) 41 ストッパレバー(ストッパ部材) 41a 突出部(離隔状態保持手段) 43、53 突当部 45 カム部(離隔状態保持手段) 54 突起(ストッパ部材) 71 切欠ギヤ 71a 切欠部 71b 重心(トルク付与手段) 72、101、111 中間ギヤ 72a ハブ部(トルクリミッタ) 75 歯面 76 ハブ(トルクリミッタ) 77、92、93 スプリングクラッチ(トルクリミッタ) 78 レバー(制限解除手段) 81、82 ストッパ 83 ストッパレバー(制限手段) 91 中継ハブ(トルクリミッタ) 101b フランジ部 102 回転板 103 摩擦板 104 ディスク板 105 スプリング(付勢手段) 113、114 軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16D 43/26 F16D 43/26 A F16H 27/08 F16H 27/08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 11/00 - 23/14 B65H 3/06 F16D 43/26 F16D 7/02 F16D 43/21 F16H 27/08

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源の駆動力を伝達して回転軸を回転さ
    せるクラッチ機構であって、 前記駆動源の駆動力を伝達されて回転する伝達ギヤと、 前記回転軸に相対回転不能に支持された回転部材と、 伝達ギヤの回転方向に応じて該伝達ギヤを固定部材に連
    結または解放して該回転部材への駆動力の伝達を接断す
    る駆動力接断手段と、 摺接部材が摺接する所定形状のカム面を設けられ、回転
    部材の回転に伴って回転して該摺接部材がカム面の所定
    位置に位置したとき伝達ギヤおよび回転部材の連結を解
    除する連結解除手段と、 伝達ギヤの回転方向に応じて摺接部材を正逆方向に移動
    して該摺接部材を連結解除手段のカム面に近接または離
    隔させる移動手段と、を備えたことを特徴とするクラッ
    チ機構。
  2. 【請求項2】前記移動手段および該移動手段を動作させ
    る駆動源の間に、所定の摩擦力を利用するトルクリミッ
    タを設けたことを特徴とする請求項1記載のクラッチ機
    構。
  3. 【請求項3】前記駆動力接断手段として、前記伝達ギヤ
    および回転部材が近接するよう付勢する付勢手段と、伝
    達ギヤおよび回転部材のそれぞれの対向面に配設されて
    該伝達ギヤおよび回転部材の相対的な回転方向に応じて
    互いの当接面を連結または解放するラチェット部と、を
    設け、 前記連結解除手段は、カム面に摺接する摺接部材の位置
    に応じて伝達ギヤおよび回転部材のラチェット部を離隔
    させて該伝達ギヤおよび回転部材の連結を解除すること
    を特徴とする請求項1記載のクラッチ機構。
  4. 【請求項4】前記回転部材の外周面に摺接するストッパ
    部材と、回転部材の外周面の所定位置に配設されて該固
    定部材が空転するときにストッパ部材に突き当る突当部
    と、を設けたことを特徴とする請求項1または3記載の
    クラッチ機構。
  5. 【請求項5】前記伝達ギヤが所定方向に回転したときの
    連結解除手段によるラチェット部の離隔状態を、該伝達
    ギヤが前記所定方向に対する逆方向へ回転するときに保
    持する離隔状態保持手段を設けたことを特徴とする請求
    項3記載のクラッチ機構。
  6. 【請求項6】前記連結解除手段のカム面に、部材の加工
    および組付誤差を許容して摺接部材が所定位置に達する
    までラチェット部を離隔させることのない第1のスライ
    ド面と、部材の加工および組付誤差を許容して摺接部材
    が前記所定位置に達した後にラチェット部を離隔させる
    第2のスライド面と、を形成したことを特徴とする請求
    項3記載のクラッチ機構。
  7. 【請求項7】駆動源の駆動力を伝達して回転軸を回転さ
    せるクラッチ機構であって、 前記回転軸に相対回転不能に支持されて駆動源の駆動力
    により回転する中間ギヤと噛合するとともに該回転軸が
    所定の基準位置に位置するときに該中間ギヤに対応する
    部分の歯面を切り欠いた切欠ギヤと、 該切欠ギヤに正転方向の回転トルクを付与するトルク付
    与手段と、 駆動源の駆動力をトルクリミッタを介して伝達されて動
    作し回転軸が基準位置に位置するときの切欠ギヤの回転
    をトルク付与手段の回転トルクに抗して制限する一方、
    該駆動源の駆動方向に応じて切欠ギヤの回転の制限を解
    除する制限解除手段と、を備えたことを特徴とするクラ
    ッチ機構。
  8. 【請求項8】前記トルクリミッタとして、前記中間ギヤ
    と同軸に相対回転可能に支持され少なくとも該中間ギヤ
    側との間で所定の摩擦力を発生する摩擦板と、該摩擦板
    を中間ギヤ側に付勢する付勢手段と、を設け、 該付勢手段の中間ギヤ側の反対側を該中間ギヤと一体回
    転する部材により支持させたことを特徴とする請求項7
    記載のクラッチ機構。
  9. 【請求項9】前記中間ギヤを、軸と一体回転するように
    構成し、 該中間ギヤの軸を軸受により回転自在に軸支させたこと
    を特徴とする請求項8記載のクラッチ機構。
  10. 【請求項10】断面形状を半月形状に形成されて一回転
    することにより用紙を給紙方向下流へと給紙する給紙部
    材を備える給紙装置に搭載され、 前記切欠ギヤを給紙部材の回転軸に支持させ、該切欠ギ
    ヤの歯面を該給紙部材が用紙に接触し給紙を開始する前
    に中間ギヤと噛合し給紙装置が備える給紙方向下流側の
    給紙手段に用紙先端が達した後に該噛合から離脱するよ
    うに切り欠いたことを特徴とする請求項7記載のクラッ
    チ機構。
  11. 【請求項11】前記トルク付与手段を、前記給紙装置の
    給紙部材による用紙の給紙終了後に切欠ギヤへ正転方向
    の回転トルクを付与するように該切欠ギヤの軸芯に対し
    て重心をずらして構成したことを特徴とする請求項10
    記載のクラッチ機構。
  12. 【請求項12】前記回転軸が基準位置に位置する姿勢か
    らの切欠ギヤの逆転方向への回転を給紙部材が用紙に接
    触する前に制限する制限手段を設けたことを特徴とする
    請求項10記載のクラッチ機構。
  13. 【請求項13】前記トルクリミッタを、駆動源の正逆駆
    動のいずれでも動作するように構成するとともに、前記
    給紙部材を給紙方向に回転させる駆動源の駆動力に対す
    るリミット値を他方よりも小さく設定したことを特徴と
    する請求項10記載のクラッチ機構。
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