JP3317400B2 - ポリエステル樹脂の製造方法およびこれを用いた塗料用樹脂組成物 - Google Patents
ポリエステル樹脂の製造方法およびこれを用いた塗料用樹脂組成物Info
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Description
成物に関するものである。ポリエステル樹脂、とりわけ
数平均分子量が2,000以上の高分子ポリエステル樹
脂の製造は通常はエステル化、初期重合、後期重合の3
缶法、あるいはこの重合工程を1段とした2缶法で行わ
れる。製造ノウハウは各工程のサイクルバランスを考え
て決定されるため、各工程のサイクルタイム(反応時
間)がロットによりバラツクと製造上非常に大きな問題
となる。また、エステル化時、エステル交換時および減
圧重合時に発泡すると反応缶から重合途中の樹脂や原料
があふれ出すため大きな問題となる。
Aおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオキサ
イド付加物を原料に用いたポリエステル樹脂が知られて
いる。例えば、塗料用樹脂としては、特公昭62−54
67号公報、特開平3−217471号公報などが知ら
れている。
スフェノールAおよび/またはビスフェノールFのアル
キレンオキサイド付加物を原料に用いたポリエスル樹脂
を製造する場合、重合時間が長かったり、ポリエチレン
テレフタレートに代表される通常のモノマー系では見ら
れない、ロットにより著しく重合時間がバラツクという
問題があり、改良が要望されている。また、これらの樹
脂系においては、エステル化時、エステル交換時、減圧
重合時を問わず著しく発泡する場合があり、大きな問題
となっている。
発生する問題があり、また、塗膜物性面としては耐沸水
性、耐食性、耐プレッシャーマーク性が不充分であり、
近年の厳しい要求特性に耐えなくなってきている。
題に鑑み、鋭意検討した結果、ビスフェノールAおよび
/またはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加
物に含まれる微量のリンが大きく重合速度や塗膜物性に
影響することを見い出し本発明に到達した。
ルボン酸が50〜100モル%、脂肪族および/または
脂環族ジカルボン酸が0〜50モル%、グリコール成分
として一般式(1)に示すビスフェノールAおよび/また
はビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物が5
〜100モル%、その他のポリオールが0〜95モル%
からなるポリエステル樹脂(B)において、原料とし
て、リンの含有量が150ppm以下であるビスフェノ
ールAおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオ
キサイド付加物(A)を用いて得られたポリエステル樹
脂(B)および/またはさらに変性したポリエステル樹
脂(C)とこれらの樹脂と反応し得る硬化剤(D)を配
合してなる塗料用樹脂組成物である。
m、nはそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n
≦8である。)
は、グリコール成分として、ビスフェノールAおよび/
またはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物
(A)が5〜100モル%含まれる場合に適用される。
ノールFのアルキレンオキサイド付加物(A)は、ビス
フェノールAおよび/またはFにアルカリ触媒の存在下
でアルキレンオキサイドを付加し、ついで酸で中和して
製造するが、この際に通常リン酸が中和剤として使用さ
れる。この時生成するリン酸塩はろ過して除去するが、
完全には除去できない。
触媒残渣のリン酸塩等由来のリンの残存量が、上記ビス
フェノールAおよび/またはビスフェノールFのアルキ
レンオキサイド付加物(A)に対し150ppm以下で
あることが必要であり、好ましくは70ppm以下、さ
らに好ましくは25ppm以下である。リンの含有量が
150ppmを越えると著しく重合速度が低下する問題
が発生したり、例えば塗料やコーティング剤として用い
た場合、塗膜物性面として、耐沸水性、耐食性、耐プレ
ッシャーマーク性が低下する。
て、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸等のリン化合物を副
反応の抑制のために添加することが知られているが、そ
の際リン化合物の存在により重合速度が低下することが
知られている。例えば、高分子論文集、P293、36
(1979)などの文献がある。しかし、エチレングリ
コールなどと異なり、本発明のポリエステル樹脂の場
合、グリコール成分としてビスフェノールAおよび/ま
たはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物が
含まれるため、リン化合物の存在はエチレングリコール
の場合と比較して顕著に重合速度に悪影響を与えること
が分かった。この理由は、エチレングリコールなどは重
合時に容易に蒸留されるため、速やかに系内からエチレ
ングリコールが除去され、分子間の脱グリコール反応が
起こりやすく、重合速度がかなり早いが、ビスフェノー
ルAおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオキ
サイド付加物は高真空下でも全く揮発しないため、重合
速度が遅いためである。
残渣をろ過する方法と中和剤にリン酸を使わず、カルボ
ン酸などの有機酸を使用する方法があるがどちらの方法
を用いても良い。ろ過方法としては、吸着ろ過がとくに
好ましい。
用樹脂やコーティング剤として有用であり、特に金属鋼
板のプライマー塗料用の樹脂や熱昇華転写型の受像紙な
どの画像記録媒体として好適に用いられるが、従来の方
法で製造したものは、重合速度以外にも前述した製造時
の発泡の問題や、塗膜物性が不足したり、バラツキが大
きいことが問題となっている。例えば、耐食性、沸水試
験後の外観不良がばらついたり、また、最近の厳しい塗
膜物性の要求には耐食性、耐プレッシャーマーク性など
が不足している問題がある。
原因は長らく不明であったが、本発明者らが鋭意検討し
た結果、前述したリン酸塩が塗膜中に残存すると、特に
耐食性、耐沸水性、耐プレッシャーマーク性に悪影響を
及ぼすことがわかった。これは、塗膜中に残存するアル
カリ金属のリン酸塩により、塗膜が部分的に比較的親水
性になる部分が発生したり、塗膜中にピンホールが発生
したりすることによると思われるが、詳細は不明であ
る。
スフェノールFのアルキレンオキサイド付加物を合成す
る際に、ビスフェノールAまたはビスフェノールFの分
解物であるイソプロペニルフェノール、ビニルフェノー
ルが生成し、さらにこれらの化合物にアルキレンオキサ
イドが付加したイソプロペニルフェノールのアルキレン
オキサイド付加物あるいはビニルフェノールのアルキレ
ンオキサイド付加物が生成することを見いだし、これら
の不純物が一定量以上残留生成すると発泡したり、塗膜
物性に悪影響を及ぼすことを見い出した。また、本発明
者らは、これらの不純物は、アルキレンオキサイドを付
加させる時の反応温度が高いほど多量に発生することも
確認している。
ンオキサイドおよび/またはビニルフェノールのアルキ
レンオキサイド付加物の含有量は、使用するビスフェノ
ールAおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオ
キサイド付加物の量に対して、20、000ppm以下
であることが好ましく、より好ましくは10、000p
pm、さらに好ましくは5、000ppm以下、最も好
ましくは2、000ppm以下である。これらの副生成
物の含有量が20、000ppmを越えるとかなり発泡
が起こる可能性が高く、また、塗膜物性が低下するおそ
れが高い。
使用するビスフェノールAおよび/またはビスフェノー
ルFのアルキレンオキサイド付加物(A)は、全グリコ
ール成分に対し、5〜100モル%、好ましくは15〜
80モル%、さらに好ましくは25〜60モル%含まれ
る。5モル%未満では、残存リンの影響は受けにくい
が、上記グリコール(A)の持つ耐食性、加工性などの
優れた特性が出ない。
て、製造するポリエステル樹脂(B)に使用する酸成分
は、芳香族ジカルボン酸50〜100モル%、好ましく
は70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100
モル%である。芳香族ジカルボン酸が50モル%未満で
は良好な耐酸性、耐薬品性、耐食性、スクラッチ性が得
られない。
する芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸などが挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては
塗膜物性と溶解性の面からテレフタル酸とイソフタル酸
を併用することが特に好ましい。芳香族ジカルボン酸の
含有量は50〜100モル%が好ましく、より好ましく
は70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100
モル%である。
する脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸0〜50
モル%、好ましくは0〜30モル%である。これらのジ
カルボン酸は必須ではないが、共重合することにより、
主に柔軟性を付与できるので加工性を改善できる。
する脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、アゼ
ライン酸、ダイマー酸などが挙げられる。ポリエステル
樹脂(A)に共重合する脂環族ジカルボン酸としては
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。このう
ち、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸が加工性の面より好ましく、耐酸性の面よ
り含有量は30モル%以下が好ましい。
コール成分としては、一般式(I)で示されるビスフェ
ノールAおよび/またはビスフェノールFのエチレンオ
サイドおよび/またはプロピレンオキサイド付加物以外
のその他のグリコールを通常併用して使用する。
コール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−オクタン
ジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、3−メチル、8−メチル−1,
8−オクタンジオールなどのアルキレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロ
ヘキサンジメタノール、TCDグリコールなどの脂環族
グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
その他のグリコールは経済性、塗膜物性などから適宜選
択されるが、エチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオールなどが好ましい。
どの多価カルボン酸またはトリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ルなどの多価ポリオールを全酸または全グリコールに対
し、0.1〜3モル%用いると耐酸性をさらに向上でき
る。
て、本実施例で例示したような常圧または加圧でジカル
ボン酸とグリコールを直接エステル化して重合する直接
重合法、ジカルボン酸のジメチルエステルとグリコール
をエステル交換してから重合するエステル交換法や少量
のキシレンを添加して常圧で脱水反応を行う方法など公
知の方法で合成される。また、重合触媒も本実施例で示
したテトラブチルチタネートなどのチタン化合物を始
め、亜鉛化合物、アンチモン化合物、錫化合物、ゲルマ
ニウム化合物などの公知の触媒が使用される。
によって樹脂特性を変えることができるが、ガラス転移
点温度は0〜80℃が好ましい。0℃未満では加工性は
良好であるが、スクラッチ性、耐薬品性、耐沸水性、耐
ブロッキング性などが低下する可能性があり好ましくな
い。80℃を越えると耐酸性は良好であるが加工性が低
下する可能性があり好ましくない。また、本発明のポリ
エステル樹脂(B)は数平均分子量2000以上が好ま
しく、より好ましくは5000〜35,000である。
数平均分子量が2000未満では加工性、耐衝撃性など
の物性が低下する可能性がある。
おいて、スルホン酸金属塩基を含むジカルボン酸やグリ
コールを5モル%以下の範囲で使用しても良い。スルホ
ン酸金属塩基を含むジカルボン酸としては、スルホテレ
フタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタ
レン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキ
シ〕イソフタル酸などの金属塩を挙げることができる。
スルホン酸金属塩基を含むグリコールとしては2−スル
ホ1、4−ブタンジオール、2、5−ジメチル−3−ス
ルホ−2、5−ヘキサンジオールなどの金属塩が挙げら
れる。金属塩としてはLi、Na、K、Mg、Ca、C
u、Feなどの塩が挙げられる。
重合性モノマーでのビニル変性、エポキシ化合物による
エポキシ樹脂変性、またはイソシアネート化合物でウレ
タン変性してもよい。ポリエステル樹脂をビニル重合性
モノマーでビニル変性する場合は、ポリエステル樹脂に
フマル酸、オレイン酸などの不飽和2重結合を含有する
ジカルボン酸を共重合してポリエステル樹脂中に不飽和
2重結合を導入し、この不飽和2重結合と(メタ)アク
リル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどのビニル化
合物を溶液中でラジカル重合する方法、あるいは(メ
タ)アクリル酸エステル、スチレンなどより合成される
片末端にヒドロキシ基を2個含有するマクロモノマーを
直接ポリエステルに共重合するなどの公知の方法により
合成される。
エステル樹脂の末端ヒドロキシ基に無水トリメリット
酸、無水フタル酸等の酸無水物を付加させて、末端カル
ボキシ変性をした後、このカルボキシル基とエポキシ樹
脂をトリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下でエポ
キシ変性する方法などの公知の方法により合成できる。
また、鎖延長剤にジメチロールプロピオン酸のどのカル
ボキシル基含有グリコールを用いることによりカルボキ
シル基を導入しても良い。
のポリエステルジオールと必要により鎖延長剤を配合
し、ジイソシアネート化合物と反応させるなど公知の方
法により合成される。また、鎖延長剤にジメチロールプ
ロピオン酸などのカルボキシル基含有ジオールを用いて
カルボキシル基を側鎖に導入しても良い。
またはこれらを変性してなる変性ポリエステル(C)と
これらと反応し得る硬化剤(D)を配合して塗料用に使
用することができる。硬化剤を配合することにより、耐
溶剤性を付与でき、加工性、硬度、耐汚染性、耐薬品
性、耐食性などの種々の塗膜物性を向上できる。硬化剤
(D)の配合量は{(B)+(C)}/(D)=95/
5〜60/40が好ましく、より好ましくは90/10
〜70/30(重量比)である。{(B)+(C)}の
配合量が95/5を越えると耐薬品性、耐食性、スクラ
ッチ性などの塗膜物性が不良となり、60/40未満で
は良好な加工性が得られない場合がある。
性ポリエステル樹脂(C)と反応し得る硬化剤として
は、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、
エポキシ化合物およびイソシアネート化合物、フェノー
ル樹脂などが挙げられる。このうち、加工性よりアルキ
ルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、イソシアネ
ート化合物が好ましい。さらに、耐酸性の面からイソシ
アネート化合物が特に好ましく、貯蔵安定性よりイソシ
アネート化合物はブロック化して使用することが好まし
い。
肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネー
トがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよ
い。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合
物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過
剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビ
トール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子
活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、
ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性
水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシアネ
ート基含有化合物が挙げられる。
イソシアネートることが好ましい。イソシアネートブロ
ック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノー
ル、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、ク
レゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェ
ノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセト
キシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノン
オキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレ
ンクロルヒドリン、1、3−ジクロロ−2−プロパノー
ルなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、
t−ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε−カ
プロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタ
ム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げら
れ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルア
セトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステル
などの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン
類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども
挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシア
ネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公
知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
ド樹脂とは、たとえばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの
炭素原子数1〜4のアルコールによってアルキルエーテ
ル化されたホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデ
ヒドなどと尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンジア
ミド、アミノトリアジン等との縮合生成物であり、メト
キシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化
メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールベ
ンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールメラミン、メトキシ化/ブトキシ化混合型メチロー
ルメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンな
どが挙げられるが、加工性の面から好ましいのは、メト
キシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラ
ミン、またはメトキシ化/ブトキシ化混合型メチロール
メラミンであり、それぞれ単独、または併用して使用す
ることができる。
のジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオ
リゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソ
フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシ
ジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステ
ル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘ
キサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸
ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、1、4−ブタンジオールジグリシジ
ルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエ
ーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ト
リグリシジルイソシアヌレート、1、4−ジグリシジル
オキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ
ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリ
シジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付
加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができ
る。
ル類にアルカリ触媒の存在下でアルデヒドを反応させた
レゾール型樹脂、フェノール類に酸性触媒の存在下でア
ルデヒドを反応させたノボラック型などが挙げられ、架
橋剤として好適なものを意味し、特にレゾール型樹脂が
好ましい。これらのフェノール樹脂に用いるフェノール
類は、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、
m−クレゾール、m−メトキシフェノール、2,3−キ
シレノール、2,5−キシレノール、p−tert−ブ
チルフェノール、p−エチルフェノール、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールFなどが挙げられ、これらのモノ
〜トリメチロール化物やその縮合物、あるいはそれらの
アルキルエーテル化物、あるいはこれらをエポキシ変
性、油変性、メラミン変性、アミド変性など各種変性を
したものなどが使用できる。
択された公知の硬化剤あるいは促進剤を併用することが
好ましい。
け温度は金属板の大きさ、厚さ、また焼き付け炉の能
力、塗料の硬化性などにより任意に選択される。塗料組
成物の製造にはロール練り機、ボールミル、サンドミ
ル、ブレンダーなどの混合機が用いられる。塗装に当た
ってはローラー塗り、ロールコーター、スプレー塗装、
静電塗装などが適時選択される。
に応じて酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、クレーな
どの体質顔料、ジンククロメート、ストロンチウムクロ
メート、カルシウムクロメートなどのクロム含有防錆顔
料、コロイダルシリカ、トリポリリン酸アルミなどのト
リポリリン酸塩系、リン酸亜鉛系、亜リン酸塩系、リン
モリブデン酸塩系、モリブデン酸塩系、シアナミド亜鉛
カルシウム系、ホウ酸塩系、カルシウムシリカ系などの
非クロム系防錆顔料、公知の着色剤、シリカ、ワックス
などの添加剤、難燃剤、グラスファイバー等を配合する
ことができる。
媒に溶解した形で使用されるものであるが、前述したス
ルホン酸金属塩基などのイオン性基を導入した場合など
は水分散体として使用することもできる。有機溶媒とし
ては、例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ100、
150、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビト
ール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブア
セテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカル
ビトールアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、イソホロン、N−メチルピロリドン、2塩基酸
エステル等から溶解性、蒸発速度を考慮して適宜選択さ
れる。本発明の(変性)ポリエステル樹脂を塗料用に用
いる場合は、それ自体を塗布焼付けしただけでも充分な
性能を示すため、塗装金属板の裏面コートなどに好適で
あるが、さらに、プライマーとして使用することが好ま
しく、耐候性、耐汚染性、耐アルカリ性などを向上する
目的でトップコートとして公知の上塗り塗料を塗布する
こともできる。また、本発明の(変性)ポリエステル樹
脂は紙、プラスチックフィルムに塗布して画像記録媒体
としても使用できる。従来技術と比較して、優れた印字
性、耐指紋性などの特性が得られる。
例中、単に部とあるのは重量部を示すまた、各測定項目
は以下の方法に従った。
ロエタン(容量比6/4)の混合溶媒25ccに溶か
し、30℃で測定した。
ノールA又はビスフェノールFアルキレンオキサイド付
加モル数の定量 ゲルろ過クロマトグラフ(GPC)により、溶剤はテト
ラヒドロフラン、標準サンプルはポリスチレンを用いて
測定した。カラムは、分子量測定時はショーデックKF
802、KF804、KF806(昭和電工(株))を
直列につないで使用した。アルキレンオキサイド付加モ
ル数測定時はTSKgel SUPERH4000、H
3000、H2000(東ソー(株)製)を直列につな
いで用いた。ディテクターはRIを用いた。
アルキレンオキサイド付加物およびビニルフェノールの
アルキレンオキサイド付加物の定量 ゲルろ過クロマトグラフ(GPC)により、溶剤はテト
ラヒドロフランを用いて測定した。カラムは、TSKg
el SUPERH4000、H3000、H2000
(東ソー(株)製)を直列につないで用いた。デティク
ターはUV(254nm)を用いた。
速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム
押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
た。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール
溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタ
レインを用いた。
塩素酸0.5mlおよび硝酸3.5mlを加えて熱板上
で徐々に加熱分解して硫酸白煙とした。室温まで放冷
後、水で約15mlに希釈した。0.2%パラニトロフ
ェノール溶液1滴を加え、流水にて冷却しながら徐々に
アンモニア水を加えて硫酸を中和した。ついで、全ての
内容物を50mlメスフラスコに水で洗い込みながら移
し、2%モリブデン酸アンモニウム溶液5mlおよび
0.2%硫酸ヒドラジン溶液2mlを加え、水にて標線
を合わせてから内容物をよく混合した。ついで、沸騰水
浴中に10分間フラスコをつけて加熱発色させ、これを
室温まで水冷して試験液とした。また、空実験を同様に
行った。得られた試験液を分光光度計で波長830nm
で空試験液を対照にして吸光度を測定し、あらかじめ作
成しておいた検量線を用いてリン含有量を定量した。リ
ン標準液は、試薬特急リン酸二水素カリウムを水に溶解
して作成したものを用いた。
10倍のルーペで観察し判定した。3Tとは折り曲げ部
に同じ板厚のものを3枚挟んだ場合をさし、0Tは板を
挟まなくて180度折り曲げた場合をさす。
の発生状態をASTMD714−56に準じて評価し
た。異常のない場合は10とした。
35℃で5%NaCl塩水噴霧試験を1000時間実施
し、ブリスターの発生状況を目視判定した。耐食性はク
ロスカット部、1T加工部、端面部について実施した。
評価基準を以下に示す。 1T加工部または2T加工部 ◎:異常なし ○:ほとんどブリスターなし △:ブリスター発生 ×:著しくブリスター発生 クロスカット部(ブリスターのふくれ幅) ◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm ×:10mm以 上 端面部(ブリスターのふくれ幅) ◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm ×:10mm以 上
ールを置き、加重1kg/cm2をかけ60℃で2時間
放置した。試験後の塗膜外観で判定した。 ◎:異常なし ○:わずかに発泡スチロールの跡がのこる ×:発泡スチロールのはっきり跡がのこる ××:発泡スチロールの跡が著しくのこり、場合によっ
ては発泡スチロールが塗面に接着する
ロン300、80固形部、バイロン200、20固形部
(何れも東洋紡績(株)製)、メチルエーテル化メチロ
ールメラミン、スミマールM40S(不揮発分80%、
住友化学工業(株)製)25部、p−トルエンスルホン
酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部、酸化チタ
ン125部、表面平滑剤としてポリフローS(共栄社油
脂化学工業(株)製)を加え、ガラスビーズ型高速振と
う機で8時間分散し上塗り塗料を作製した。尚、溶剤は
シクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50混合
品を適量使用した。
または比較ポリエステル樹脂I〜K、30固形部、メチ
ルエーテル化メチロールメラミン、スミマールM40S
(不揮発分80%、住友化学工業(株)製)10部、p
−トルエンスルホン酸の20%ベンジルアルコール溶液
0.5部、酸化チタン40部、表面平滑剤としてポリフ
ローS(共栄社油脂化学工業(株)製)0.2部を加
え、ボールミル中で1昼夜混練し上塗り塗料を作製し
た。尚、溶剤はシクロヘキサノン/ソルベッソ150=
50/50混合品を適量使用した。
プライマーを乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、2
20℃×60秒焼付けた。ついで、11.で作製した上
塗り塗料を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、2
30℃×60秒焼付けて塗装鋼板を作製した。
物(a)の合成 公知の方法により、触媒に水酸化カリウムを用いて加圧
下でビスフェノールAにエチレンオキサイドを2.3モ
ル付加した後、リン酸で中和した。反応後に吸着ろ過に
より触媒残渣をろ過した。得られたビスフェノールAエ
チレンオキサイド付加物に含まれるリンの含有量を測定
したところ5ppmであった。また、イソプロペニルフ
ェノールのエチレンオキサイド付加物の含有量は120
ppmであった。結果を第1表に示す。
物(d)の合成 公知の方法により、触媒にトリエチルアミンを用いてビ
スフェノールAにエチレンオキサイドを平均4.0モル
付加した後、コハク酸で中和した。反応後にろ過せずそ
のまま使用した。得られたビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物に含まれるリンの含有量を測定したとこ
ろ2ppm未満(測定限界以下)であった。また、イソ
プロペニルフェノールのエチレンオキサイド付加物の含
有量は260ppmであった。結果を表1に示す。
ェノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキサ
イド付加物(b)〜(j)を合成した。表2の合成例
(f)〜(j)は比較合成例である。触媒として水酸化
カリウムを用いたものはいずれも触媒残渣を吸着ろ過し
て除去しているが、比較合成例のものはろ過が不充分で
あり、リン含有量が高くなっている。また、不純物のイ
ソプロペニルフェノールまたはビニルフェノールのアル
キレンオキサイド付加物の量は、反応温度を調節して変
化させている。反応温度が高いほどビスフェノールAま
たはFが分解して、これらの不純物の量が増える。
メチルテレフタレート485部、ジメチルイソフタレー
ト485部、エチレングリコール512部、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド2.3モル付加物(a)9
07部、酢酸亜鉛0.44部、三酸化アンチモン0.4
3部を仕込み、140℃から220℃まで、4時間かけ
てエステル交換反応を行った。ついで系内を徐々に減圧
していき、60分かけて1mmHgまで減圧し、さらに
0.1〜0.3mmHgの減圧下、270℃にて重縮合
反応を行ったところ、速やかに重合し、50分で還元粘
度0.64dl/g、数平均分子量21,000に到達
した。得られたポリエステル樹脂(A)はNMR等の組
成分析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸/イソソ
フタル酸=50/50であり、グリコール成分がモル比
でエチレングリコール/ビスフェノールAエチレンオキ
サイド2.3モル付加物=45/55であった。また、
酸価12当量/106g、ガラス転移温度76℃であっ
た。エステル交換時、重合時ともに異常な発泡はなかっ
た。このポリエステル樹脂(A)をシクロヘキサノン/
ソルベッソ150(エクソン化学(株)製)=50/5
0(重量比)に固形分40%で溶解したところ、透明な
色相(APHA)100のワニスを得た。結果を表3に
示す。
い、ポリエステル樹脂(B)〜(G)を合成した。結果
を表3、表4に示す。いずれの場合も良好な重合速度を
得ている。また、これらは酸価、色相ともに低い値のも
のが得られた。ただし、不純物であるイソプロペニルフ
ェノールのエチレンオキサイド付加物の多い原料を使用
したポリエステル合成例3については、不純物が少ない
場合と比較して発泡が多く認められた。
レフタル酸415部、イソフタル酸415部、エチレン
グリコール384部、ビスフェノールFのエチレンオキ
サイド2.2モル付加物(e)1128部、テトラブチ
ルチタネート0.51部を仕込み、140℃から220
℃まで、4時間かけてエステル化反応を行った。ついで
系内を徐々に減圧していき、60分かけて1mmHgま
で減圧し、さらに0.1〜0.3mmHgの減圧下、2
70℃にて重縮合反応を行ったところ、速やかに重合
し、90分で還元粘度0.55dl/g、数平均分子量
16,000に到達した。得られたポリエステル樹脂
(H)はNMR等の組成分析の結果、酸成分がモル比で
テレフタル酸/イソソフタル酸=50/50であり、グ
リコール成分がモル比でエチレングリコール/ビスフェ
ノールFエチレンオキサイド2.2モル付加物=24/
76であった。また、酸価13当量/106g、ガラス
転移温度68℃であった。エステル化時、重合時ともに
異常な発泡はなかった。このポリエステル樹脂(H)を
シクロヘキサノン/ソルベッソ150(エクソン化学
(株)製)=50/50(重量比)に固形分40%で溶
解したところ、透明な色相(APHA)150のワニス
を得た。結果を表4に示す。
(I)の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にジ
メチルテレフタレート485部、ジメチルイソフタレー
ト485部、エチレングリコール512部、ビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド2.3モル付加物(f)9
07部、酢酸亜鉛0.44部、三酸化アンチモン0.4
3部を仕込み、140℃から220℃まで、4時間かけ
てエステル交換反応を行った。ついで系内を徐々に減圧
していき、60分かけて1mmHgまで減圧し、さらに
0.1〜0.3mmHgの減圧下、270℃にて重縮合
反応を行ったところ、還元粘度0.64dl/g、数平
均分子量21,000に到達するのに120分を要し
た。この重合時間は明らかにポリエステル合成例1と比
較して明らかに遅いものであった。得られたポリエステ
ル樹脂(I)はNMR等の組成分析の結果、酸成分がモ
ル比でテレフタル酸/イソソフタル酸=50/50であ
り、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/ビ
スフェノールAエチレンオキサイド2.3モル付加物=
45/55であった。また、酸価40当量/106g、
ガラス転移温度76℃であった。また、エステル交換
時、重合時ともに異常な発泡はなかった。このポリエス
テル樹脂(A)をシクロヘキサノン/ソルベッソ150
(エクソン化学(株)製)=50/50(重量比)に固
形分40%で溶解したところ、透明な色相(APHA)
400のワニスを得た。このポリエステル(I)は、重
合時間、組成、樹脂特性から考えて、特公昭62−54
67号公報のポリエステル樹脂Aに相当するものであ
る。結果を表5に示す。
を行った。結果を表5、表6に示す。いずれの場合も同
条件のポリエステル合成例と比較してかなり重合速度が
遅く、このため色相、酸価ともに高い値となった。さら
に、ポリエステル比較合成例3においては、重合速度が
遅く、重合時間240分においても還元粘度0.35d
l/gまでしか上がらなかった。また、エステル交換
時、重合時の発泡はポリエステル比較合成例1とポリエ
ステル比較合成例8を除きいずれも不良であったり、反
応容器からあふれそうになったり、ポリエステル比較合
成例2では一部の反応途中のポリエステルが反応容器か
らあふれた。さらに、ポリエステル比較合成例4のポリ
エステル(L)は、重合時間、組成、樹脂特性から考え
て、特開平3−217471号公報のポリエステル樹脂
Aに相当するものである。ポリエステル合成例5,6と
比較して、かなり重合速度が遅いことが分かる。
テル化又はエステル交換後に徐々に減圧し、1時間かけ
て1mmHgまで減圧初期重合した後の、0.5mmH
g以下での本重合に所用した時間を示す。
タン40部、ストロンチウムクロメート40部、硬化剤
としてのメチルエーテル化メチロールメラミン(商品
名:スミマールM40S、不揮発分80%、住友化学工
業(株)製)10部、硬化触媒としてのp−トルエンス
ルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部を加
え、ビーズ分散機8時間分散しプライマー塗料を作製し
た。このプライマー塗料組成物を13.に記述した方法
でプライマー、上塗りの順に塗布、焼付けして塗装鋼板
を作製し、所定の試験をおこなった。尚、上塗り塗料は
上塗り塗料(I)を使用した。結果を表7に示す。この
ように、本発明の製造方法による塗料用樹脂組成物は加
工性、耐食性、耐沸水性に優れ、特に相当する比較例と
比較して、耐食性、耐沸水性に優れていることが分か
る。
して、実施例2〜7、比較例1〜6の塗料組成物を作成
し、塗布、焼付けを行った。得られた塗装鋼板の試験結
果を表7〜表9に示す。いずれの実施例も相当する比較
例よりも良好な塗膜物性を示し、ポリエステル(I)、
ポリエステル(L)などは、相当する実施例と比較し
て、かなり耐食性、耐沸水性が劣ることが分かる。ま
た、実施例においても、原料の不純物であるイソプロペ
ニルフェノールまたはビニルフェノールのアルキレンオ
キサイド付加物の少ない高純度の原料を使用したもの
は、耐食性、耐沸水性がさらに顕著に優れることが分か
る。
に記載した方法により上塗り塗料を作製した。これを前
記11.の方法によりプライマーなしで乾燥膜厚が20
μmになるように塗布し、230℃×30秒焼き付けて
塗装鋼板を作製した。このものの耐プレッシャーマーク
性を評価したところ非常に良好で、痕跡なしの◎であっ
た。また、耐沸水性にも優れる。結果を表10に示す。
て、実施例9、10、比較例7〜9の塗料組成物を作成
し、塗布、焼付けを行った。得られた塗装鋼板の試験結
果を第10表に示す。いずれの実施例も相当する比較例
よりも良好な耐プレッシャーマーク性を示し、ポリエス
テル(I)、ポリエステル(J)などは、実施例と比較
してかなり耐プレッシャーマーク性が劣ることが分か
る。また、実施例においても、原料の不純物であるイソ
プロペニルフェノールまたはビニルフェノールのアルキ
レンオキサイド付加物の少ない高純度の原料を使用した
ものは、耐プレッシャーマーク性、耐沸水性がさらに顕
著に優れることが分かる。
ン(50/50)の混合溶媒に溶解し、20%溶液とし
た。この溶液にエポキシ変性シリコーンオイル(信越化
学(株)製 KF−102)を樹脂に対して10重量%
配合し、厚み150μmの合成紙王子油化製:ユポPP
G−150)にワイヤーバーを用いて塗工後、120℃
で30分間乾燥し、厚み4μmの染着層を持つ昇華型熱
転写受像体を得た。白色度の高い昇華型熱転写受像体で
あった。これに市販のビデオプリンターを用いて写真調
の画像を記録した。白色部、着色部とも違和感のない色
調の優れた画像が得られた。受像体の耐久性の評価とし
て、画像が記録された受像体を暗所60℃の環境下で1
68時間放置した。また、直射日光の当たる窓辺(室
内)に画像が記録された受像体を2週間放置した。いず
れの場合も変色、色あせ等は認められず耐久性の高い受
像体であった。また、画像が記録された受像体表面に、
親指を強く押し当てて指紋が画像表面に残るようにし、
この受像体を40℃の環境下で放置した。48時間後に
取り出し、画像を観察したところ、染料の凝集、変色
(色抜け)、指紋後残り等はなく、耐指紋性に優れる受
像体であった。
が得られ、さらに得られたポリエステル樹脂は、ロット
バラツキも少なく、従来技術と比較して生産性が大幅に
向上する。このため、樹脂の色相や酸価を小さく押さえ
ることが可能である。また、ビスフェノールAおよび/
またはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物
に含まれる不純物のイソプロペニルフェノールまたはビ
ニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の含有量
が少なくすることにより、耐食性、耐沸水性などの塗膜
物性を向上することが可能である。また、反応時の発泡
を押さえられる効果も大きい。従って、本発明の塗料用
樹脂をプライマーに使用することにより、従来のポリエ
ステル樹脂あるいはエポキシ樹脂と比較して、優れた加
工性、耐食性、耐沸水性が得られるため、特に高度の加
工性、耐食性、耐沸水性の要求される冷蔵庫、洗濯機、
エアコン室外機、ファンヒーターなどの家電用、金属サ
イディングなどの建材用に有用である。また、上塗りま
たは上塗りとプライマーを兼ねた1コート塗料としても
有用であり、優れた耐沸水性、耐プレッシャーマーク性
が得られる。さらには、紙、プラスチックフィルムに塗
布して画像記録媒体として使用することができる。本発
明の樹脂をコーティングすることにより、従来技術と比
較して、優れた色調、印字性、耐指紋性が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】 酸成分が芳香族ジカルボン酸が50〜1
00モル%、脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸
が0〜50モル%、グリコール成分として一般式(1)に
示すビスフェノールAおよび/またはビスフェノールF
のアルキレンオキサイド付加物が5〜100モル%、そ
の他のポリオールが0〜95モル%からなるポリエステ
ル樹脂(B)において、原料として、リンの含有量が1
50ppm以下であるビスフェノールAおよび/または
ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物(A)
を用いて得られたポリエステル樹脂(B)および/また
はさらに変性したポリエステル樹脂(C)とこれらの樹
脂と反応し得る硬化剤(D)を配合してなる塗料用樹脂
組成物。 【化1】 (式中、R1,R2,R3は水素またはメチル基であり、
m、nはそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n
≦8である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37056099A JP3317400B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | ポリエステル樹脂の製造方法およびこれを用いた塗料用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37056099A JP3317400B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | ポリエステル樹脂の製造方法およびこれを用いた塗料用樹脂組成物 |
Publications (2)
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---|---|
JP2001181381A JP2001181381A (ja) | 2001-07-03 |
JP3317400B2 true JP3317400B2 (ja) | 2002-08-26 |
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JP2006282938A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Toyobo Co Ltd | 共重合ポリエステル樹脂の製造方法、共重合ポリエステル樹脂、塗料用樹脂組成物及びこれを塗布した塗装金属板 |
-
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- 1999-12-27 JP JP37056099A patent/JP3317400B2/ja not_active Expired - Fee Related
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