JP3902115B2 - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた加工性と硬度を有し、光沢、鮮映性に優れた塗膜外観を呈し、さらに、卓越した耐アルカリ性、耐候性、耐食品汚染性を合わせもつ塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗装鋼板用の樹脂として現在用いられている塗料としては、アルキッド樹脂、ビニル樹脂、シリコン樹脂塗料など数多くあり、溶剤系、水分散系、粉体塗料として使用されている。しかし、何れの場合にもすべての要求性能を満足するものはなく、一つの性能に重点をおくといずれも他の性能に欠点を生ずることが避けられず、使用上の制限を受けているのが現状である。高度の加工性と硬度が必要で、かつ耐アルカリ性、耐ガスケット性、耐汚染性が要求される冷蔵庫側天板用などは従来技術の溶剤型では性能不充分であるため、粉体塗料が使用されているが、粉体塗料は耐汚染性は良好であるが、加工性が未だ不充分である上、溶剤型と比較してラインスピードがかなり遅いためコスト高であり、外観上も柚肌となるなど問題点も多い。また、加工性の良い樹脂は耐候性が不充分であり、屋外家電用などはほとんどポストコートが使用されている。
【0003】
例えば、特開昭57−57746号公報、特開昭63−108081号公報などのように、硬度と加工性を両立させるべく検討されているが、いずれの場合も充分な効果は得られていない。また、特公昭62−21830号公報ではテレフタル酸とアルキレングリコールを主成分とした塗料用樹脂組成物を検討しているが、比較的良好な加工性が得られるものの良好な硬度が得られず、また、耐アルカリ性、耐候性、耐ガスケット性も不充分である。特公昭61−34754号公報においても、テレフタル酸とアルキレングリコールを主成分とした塗料用樹脂組成物が知られているが、加工性が不充分であり、また、耐アルカリ性、耐候性が不充分である。また、特開昭53−2536号公報、特公平2−56375号公報などは、顔料分散性の改良を目的としてスルホン酸金属塩基の導入が検討されているが、光沢、鮮映性にすぐれた塗膜は得られるものの、良好な耐候性、耐アルカリ性、耐食品汚染性が得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
塗装鋼板用ポリエステル樹脂において良好な加工性を得ようとすると、通常Tgを40℃以下とする必要があり、相当塗膜が軟らかくなり硬度、耐アルカリ性、耐ガスケット性、耐候性、耐食品汚染性が不足してくる。また逆に、硬度、耐アルカリ性、耐ガスケット性、耐候性、耐食品汚染性を得ようとすると、充分な加工性が得られないという問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はこうした問題に鑑み、優れた加工性と硬度を有し、光沢、鮮映性に優れた塗膜外観を呈し、さらに、卓越した耐アルカリ性、耐ガスケット性、耐候性、耐食品汚染性を合わせもつ塗料用樹脂を有する塗料用樹脂について、鋭意検討した結果、芳香属ジカルボン酸とグリコール成分が1,3−プロパンジオール1〜24モル%、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1、3−シクロヘキサンジメタノールおよび1,2−シクロヘキサンジメタノールからなる群のうち少なくとも1種が76〜99モル%からなり、かつ、比重が1.21〜1.30、ガラス転移点温度が45℃以下、還元粘度が0.2dl/g以上、酸価が20〜300当量/10gの条件を満足するポリエステル樹脂は、優れた加工性と硬度を有し、光沢、鮮鋭性に優れた塗膜外観を呈し、さらに、卓越した耐アルカリ性、耐ガスケット性、耐候性、耐食品汚染性を併せもつ驚くべき塗膜物性を有することを発見し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、(A)酸成分がテレフタル酸30〜80モル%、テレフタル酸とその他の芳香族ジカルボン酸の合計が70〜100モル%、その他のジカルボン酸が0〜30モル%であり、グリコール成分が1,3−プロパンジオール1〜24モル%、炭素数5〜10のアルキレングリコール76〜99モル%であり、比重が1.21〜1.30、ガラス転移点温度が45℃以下、還元粘度が0.2dl/g以上のポリエステル樹脂、(B)前記(A)と反応し得る硬化剤を(A)/(B)=95/5〜60/40(重量比)の割合で配合することを特徴とする塗料用樹脂組成物である。
【0007】
本発明のポリエステル樹脂(A)に共重合する酸成分はテレフタル酸30〜80モル%、好ましくは30〜60モル%かつテレフタル酸とその他の芳香族ジカルボン酸の合計が70〜100モル%、好ましくは90〜100モル%、その他のジカルボン酸が0〜30モル%である。テレフタル酸が80モル%を越えると良好な溶剤溶解性が得られず、30モル%未満では良好な加工性と硬度のバランスが得られない。芳香族ジカルボン酸の合計が70モル%未満では良好な耐アルカリ性、耐食品汚染性、耐候性、硬度が得られない。
【0008】
本発明のポリエステル(A)に共重合するテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。このうち、テレフタル酸とイソフタル酸を併用して使用することが加工性と硬度のバランス上特に好ましい。
【0009】
本発明のポリエステル(A)に共重合するその他のカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価のカルボン酸を併用しても良い。
【0010】
本発明のポリエステル(A)に共重合するグリコ−ル成分は1,3−プロパンジオールが1〜24モル%、好ましくは10〜24モル%、炭素数5〜10のアルキレングリコールが76〜99モル%、好ましくは76〜90モル%である。1,3−プロパンジオールが24モル%を越えると良好な加工性が得られず、耐アルカリ性も低下する。1モル%未満では良好な硬度が得られない。また、主鎖の炭素数3以下のハード成分として2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール以外のグリコールを使用すると良好な結果が得られない。例えば、エチレングリコールは良好な耐アルカリ性、耐候性が得られず、ネオペンチルグリコールは良好な耐汚染性が得られず、良好な硬度と加工性のバランスも得られない。炭素数5〜10のアルキレングリコールが76モル%未満では良好な加工性が得られない。
【0011】
本発明で用いられる炭素数5〜10のアルキレングリコールは、具体的には、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1、3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。塗膜の物性面から特に好ましいのは、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオ−ルである。また、発明の内容を損なわない範囲で、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを併用しても良い。
【0012】
また、5−スルホイソフタル酸,4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸,5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸などの金属塩又は2−スルホ−1,4−ブタンジオ−ル,2,5−ジメチル−3−スルホ−2,5−ヘキサンジオ−ル等の金属塩などのスルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸又はグリコ−ルを全酸または全グリコ−ル成分の5モル%以下の範囲で使用してもよい。
【0013】
また、本発明のポリエステル(A)においてポリエステル樹脂を重合した後に無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などを後付加して酸価を付与してもよい。酸価を付与することにより耐食品汚染性をさらに向上させることができる。好ましい酸価は20〜300当量/106 g、さらに好ましくは50〜150当量/106 gである。酸価が300当量/106 gを越えると良好な加工性が得られない。
【0014】
本発明に使用するポリエステル樹脂(A)は、その比重は1.21〜1.30である。比重が1.21未満では良好な硬度と加工性のバランスが得られず、また、耐汚染性も不良となる。比重が1.30を越えると良好な溶剤溶解性が得られない。
【0015】
本発明に使用するポリエステル樹脂(A)は、そのガラス転移温度は45℃以下、好ましくは10〜30℃である。ガラス転移温度が45℃を越えると、硬くなり良好な加工性が得られない。
【0016】
本発明のポリエステル樹脂の還元粘度は0.2dl/g以上、好ましくは0.4dl/g以上である。還元粘度が0.2dl/g未満では良好な加工性が得られない。
【0017】
本発明の塗料用樹脂組成物はポリエステル樹脂(A)と反応し得る硬化剤(B)を配合して使用する。その場合、ポリエステル樹脂(A)と硬化剤(B)との割合が(A)/(B)=95/5〜60/40(重量比)である。好ましくは(A)/(B)=90/10〜70/30である。(A)が95/5を超えると、塗膜硬度、耐汚染性が低下する。また、(A)が60/40未満であると加工性が低下し好ましくない。
【0018】
ポリエステル樹脂(A)と反応し得る硬化剤(B)としては、アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化合物およびイソシアネート化合物などが挙げられる。アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂とは、たとえばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの炭素原子数1〜4のアルコールによってアルキルエーテル化されたホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデヒドなどと尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンジアミド、アミノトリアジン等との縮合生成物であり、メトキシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化/ブトキシ化混合型メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミンなどが挙げられるが、加工性と耐汚染性から、メトキシ化メチロールメラミンまたはメトキシ化/ブトキシ化混合型メチロールメラミンとブトキシ化メチロールメラミンを併用して使用することが特に好ましい。
【0019】
エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0020】
さらにイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0021】
イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
【0022】
これらの架橋剤には、その種類に応じて選択された公知の硬化剤あるいは促進剤を併用することもできる。
【0023】
なお、本発明の塗料組成物はそれ自体を鋼板に塗布、焼付けしただけでも充分な性能を示すが、さらに耐蝕性などを向上させることが要求される場合には、プライマーコート剤としてエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を使用してもよい。
【0024】
本発明の塗料組成物の焼付け温度は鋼板の大きさ、厚さ、また焼き付け炉の能力、塗料の硬化性などにより任意に選択される。塗料組成物の製造にはロール練り機、ボールミル、ブレンダーなどの混合機が用いられる。塗装に当たってはローラー塗り、ロールコーター、スプレー塗装、静電塗装などが適時選択される。
【0025】
本発明の塗料組成物は目的、用途に応じて酸化チタンなどの顔料、ガラスファイバー、シリカ、ワックスなどの添加剤を添加することができる。
【0026】
【実施例】
以下本発明を実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
【0027】
1.還元粘度ηsp/c(dl/g)
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25ccに溶かし、30℃で測定した。
【0028】
2.ガラス転移点温度
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
【0029】
3.酸価
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレインを用いた。
【0030】
4.比重
約20%塩化カルシウム水溶液を入れた500mlメスシリンダーを30±0.05℃に調製し、この中に油気、気泡のない試料(ポリエステル)を入れ、試料がメスシリンダーの中間に留まるように塩化カルシウムの比重を調節する。この時の塩化カルシウムの比重を比重計により測定し、これを試料の比重とした。
【0031】
5.耐汚染性
5−1.耐カラシ汚染性(耐食品汚染性)
鋼板の塗面にカラシを塗布25℃で24時間放置後水洗いし、着色の程度で判定した。(○:ほとんど着色なし、△:うすく着色する、×:著しく着色する)
5−2.耐ガスケット性
冷蔵庫ドアパッキンを磁石接着後、70℃で96時間放置後ウエスでふきとり痕跡を5段階評価した。(5:痕跡なし、4:わずかに痕跡が残る、3:跡が残る、1:完全に跡が残る)
5−3.マジック耐汚染性
鋼板の塗面に赤マジックで線を書き2時間放置後、エタノ−ルにより拭き取った後のマジックの痕跡を5段階評価した。(5:痕跡なし、1:完全に跡が残る)
【0032】
6.硬度
鋼板の塗面をJIS S−6006に規定された高級鉛筆を用い、JIS K−5400に従って測定し、キズの有無で判断した。
【0033】
7.加工性
塗装鋼板を180度折り曲げ、屈曲部に発生する割れを10倍のルーペで観察し判定した。3Tとは折り曲げ部に同じ板厚のものを3枚挟んだ場合をさし、0Tは板を挟まなくて180度折り曲げた場合を示す。
【0034】
8.光沢
60度反射率を測定した。
【0035】
9.耐アルカリ性
塗装鋼板を10%NaOH中に72時間浸漬し、塗面の光沢保持率を測定した。この場合、ポリエステル系プライマ−を使用し、ブリスタ−の発生しない条件下で評価した。
【0036】
10.耐候性
促進耐候性試験機QUVをもちいて2000時間照射後の光沢の保持率で示した。QUV照射条件UV60℃×4時間、結露50℃×4時間の8時間を1サイクルとし、250サイクル実施した。
【0037】
合成例(A)
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸 389部、イソフタル酸 389部、2−メチル−1,3−プロパンジオール 238部、1,5−ペンタンジオール 642部、テトラブチルチタネート 0.41部を仕込み、160℃から240℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて60分間重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステル(A)はNMRの組成分析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸/イソフタル酸=50/50であり、グリコール成分がモル比で2−メチル−1,3−プロパンジオール/1,5−ペンタンジオール=21/79であった。また、還元粘度を測定したところ0.45dl/gであり、ガラス転移温度10℃、比重1.23であった。結果を表1に示す。
【0038】
以下、上記合成例に準じた方法により表1〜表3に示す組成のポリエステル樹脂(B)〜(M)を合成した。(E)〜(M)は比較ポリエステルである。
【0039】
参考例 1
ポリエステル樹脂(A)溶液100固形部に酸化チタン125部、メチル化メラミン(商品名:スミマールM40S、不揮発分80%、住友化学工業社製)15.7部、ブチル化メラミン(商品名:スーパーベッカミンJ−820、不揮発分60%、大日本インキ化学工業社製)20.8部、p−トルエンスルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部、およびポリフローS(共栄社油脂化学工業社製)0.5部を加え、ガラスビーズ型高速振とう機で5時間分散し塗料組成物とした。
【0040】
この塗料組成物を厚さ0.5mmの亜鉛鉄板に膜厚20μとなるように塗布したのち、230℃で1分間焼付けを行った。得られた塗膜は良好な加工性と硬度を有し、さらに卓越した耐アルカリ性、耐ガスケット性、耐候性、耐汚染性を有した。また、屋外暴露2年後においても90%以上の光沢保持率を維持していた。試験結果を表4に示す。
【0041】
以下、表4〜表6に示す組成により同様にして、参考例1〜4、実施例1〜2、比較例1〜9の塗料組成物を作成し、塗布、焼付けを行った。得られた塗装鋼板の試験結果を表4〜表6に示す。ただし、塗料の配合比は固形分換算で表示した。
【0042】
【表1】
Figure 0003902115
【0043】
【表2】
Figure 0003902115
【0044】
【表3】
Figure 0003902115
【0045】
【表4】
Figure 0003902115
【0046】
【表5】
Figure 0003902115
【0047】
【表6】
Figure 0003902115
【0048】
【発明の効果】
本発明の塗料用組成物は、硬度と加工性、耐汚染性を高度に両立することができ、さらに驚くべきことには、従来技術では得られなかった卓越した耐アルカリ性、耐ガスケット性、耐候性、耐食品汚染性を合せ持ち、屋外用を含む家電製品等の分野における高い要求品質にこたえることができる。また、本発明に使用するポリエステル樹脂は、塗料組成物としてだけではなく、単独、あるいは公知の硬化剤と併用することにより、種々の基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム、鉄、ブリキ等の金属板などの接着剤として、または、各種ピグメントのバインダーとして使用することもできる。

Claims (1)

  1. (A)酸成分がテレフタル酸30〜80モル%、テレフタル酸とその他の芳香族ジカルボン酸の合計が70〜100モル%、その他のジカルボン酸が0〜30モル%であり、グリコール成分が1,3−プロパンジオール1〜24モル%、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1、3−シクロヘキサンジメタノールおよび1,2−シクロヘキサンジメタノールからなる群のうち少なくとも1種が76〜99モル%であり、かつ、比重が1.21〜1.30、ガラス転移点温度が45℃以下、還元粘度が0.2dl/g以上、酸価が20〜300当量/10gの条件を満足するポリエステル樹脂、(B)前記(A)と反応し得る硬化剤を(A)/(B)=95/5〜60/40(重量比)の割合で配合することを特徴とする塗料用樹脂組成物。
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