JP4310667B2 - ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はポリエステル系の樹脂組成物に関し、特に金属素材用塗料および接着剤の樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは加工性と耐食性に優れ、かつ耐酸性などの耐薬品性、衛生性(抽出量が少ないこと)、耐熱性等に優れた塗装金属板用プライマー塗料組成物またはプライマーと上塗りを兼ねる1コート用塗料、金属缶内外面塗料、金属缶シーム部補修塗料、金属素材用接着剤などを提供するものである。
【0002】
【従来技術】
塗装金属板の内、いわゆるプレコート金属板はその経済性、生産性、加工性などの利点をいかして屋根材、壁材など建材分野、物置、ラジエターユニットなどの屋外器物、VTR、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品に広く使用されている。塗装金属板として、まず第1に要求される特性は折り曲げ加工性に優れていることである。現在用いられている塗料用樹脂としてはアルキッド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等があるが、これらは加工性に問題があり、高度の加工性を要求される分野においては、高分子量ポリエステルが使用されているのが現状である。
【0003】
現在、塗装金属板用プライマー樹脂としては、主としてエポキシ樹脂であるが、エポキシ樹脂は可撓性に欠けるため高度の加工には耐えられず、加工部の塗膜にクラックが発生し、容易に腐食するという欠点がある。また、エポキシ樹脂は一般に耐食性が良好であると認識されているが、耐衝撃性に劣り、塗装金属板を切断する際に端面に微小な塗膜のウキが生じるため端面の耐食性に劣るという問題がある。上記問題のために高加工用プライマーとしてはその利点が生かせないという重大な欠点があり、また、加工性の良好な高分子量ポリエステル樹脂を上塗りに用いた場合はプライマーと上塗りの層間密着性が不良である問題もある。
【0004】
このような問題を解決したものとしては、特公昭62−5467号、特開平6−256712号公報、特開平8−1137581号公報等が知られており、加工性、耐食性、耐薬品性などをある程度両立させているが、まだ十分性能が満足されたものとは言い難い。
【0005】
一方、金属缶内面塗料としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂を組み合わせたものが広く使用されている。これらは良好な耐レトルト性、耐内容物性、衛生性を有し広く使用されているが、絞りあるいはしごき加工性に劣るため2ピーズ缶には製缶後にスプレー塗装でポストコートする必要があり作業環境の悪化や塗料ロスが大きいなどの問題がある。従って、ロールコートでプレコートする場合は3ピース缶に限定されるため、加工性の改善が強く望まれている。
【0006】
このような問題を検討したものとしては、特開昭56−4664号公報、特開平1−245065号公報、特開平11−5941号公報、等が知られており、加工性と衛生性、耐内容物性、耐レトルト性などをある程度両立させているが、まだ不充分でありほとんど実用化には至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塗装金属板用としては年々要求特性は厳しくなり、建材、家電を問わず加工性と耐食性、硬度、種々の耐汚染性、耐薬品性、耐候性等の塗膜物性の高度の両立が要求されている。さらには、端面あるいは加工部の耐食性の保証、絞り加工性も要求されるようになって来ており、上記の従来技術では加工性、絞り加工性とクロスカット部および端面の耐食性、あるいは加工性と耐薬品性が満たされなくなってきた。
【0008】
すなわち、特公昭62−5467ではビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を共重合した芳香族ポリエステルを提案しているが、このものはエポキシ樹脂と比較して良好な加工性と耐食性を有するが、エポキシ樹脂と比較してスクラッチ性が不充分であり、また、耐食性も近年の要求には不充分なものとなっている。
【0009】
特開平6−256712号公報では脂肪族ジカルボン酸とビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を主成分とする低Tgのポリエステル樹脂を提案しているが、このものは優れた加工性と比較的良好な端面耐食性を有するものの、基本的に芳香族成分の少ない柔らかい樹脂のため、スクラッチ性、クロスカット部分の耐食性が劣り、耐薬品性も劣っている。
【0010】
特開平8−1137581号では脂環族グリコールとビスフェノールAのアルキレンオキサイドを主成分とした芳香族ポリエステル樹脂を提案しているが、このものも良好なコインスクラッチ性を得ようとするとガラス転移点温度を40℃以上にする必要があり、この領域では良好なクロスカット部の耐食性が得られるものの、端面及び加工部の耐食性に劣る問題がある。
【0011】
このように、加工性、クロスカット部耐食性、端面耐食性、耐薬品性、スクラッチ性など種々の要求特性を両立することは至難であり、特に、クロスカット部と端面の耐食性を両立することは困難であった。
このような要求特性に対し上塗り用樹脂も鋭意検討されているものの加工性とその他の塗膜物性の両立が不充分であり、従来技術のプライマーとの組合せにおいては、未だ満足な特性が得られておらず、従来に無い優れたプライマー用樹脂の開発が要望されている。
【0012】
また、金属缶内面塗料としても主に加工性の改良が検討されているが、用途が飲食品用であるために要求特性は厳しく、前述した全ての特性を高度に両立できるものはない。すなわち、絞り加工性を改善したものとしては、特開昭56−4664号公報ではテレフタル酸とプロピレングリコールを主成分とした共重合ポリエステルが知られているが、衛生性やフレーバー性に優れるが、非結晶性の熱可塑樹脂のため強靱性に乏しく、加工性、耐衝撃性、耐内容物性に劣り実用化されていない。特開平1−245065号公報では同様のポリエステルとアミノ樹脂を配合したものが知られているが、良好な加工性を有するが、衛生性に劣り耐内容物性も不充分で用途が限定される。特開平11−5941号公報ではエポキシ変性ポリエステルとフェノール樹脂を配合したものなどが知られているが、比較的良好な衛生性を有するが硬化性に劣り、充分な加工性が得られていない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこうした問題に鑑み、塗装金属板用としては、卓越した耐食性と加工性、耐薬品性、スクラッチ性を合わせもつプライマー塗料用樹脂について、金属缶塗料用としては、絞り加工性と衛生性、耐内容物性、耐レトルト性を併せ持つ内面塗料として鋭意検討した結果、電子供与基が結合した芳香族環を含有するポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂とフェノール樹脂を配合することにより、良好な硬化性が得られ、卓越した耐食性、衛生性、耐内容物性、加工性など諸特性を高度に両立できることを見いだし本発明に到達した。
【0014】
すなわち本発明は、電子供与基が結合した芳香族環を含有するポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(B)を含むことを特徴とする樹脂組成物である。
【0015】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)は、ポリエステル骨格内に電子供与基が結合した芳香族環を含有することが必要である。電子供与基が結合した芳香族環を含有しないとフェノール樹脂(B)との反応性が著しく劣り、特に加工性が悪くなる。
【0016】
電子供与基とは、アミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基やエトキシ基やブトキシ基などのアルコキシ基、ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ基、アセトアミノ基、フェニル基、メチル基やエチル基やtert−ブチル基などのアルキル基、メチレン基やプロピレン基やイソプロピリデン基などのアルキレン基、ナフタレン環やフルオレン環などを含有する多環芳香族炭化水素基等が挙げられ、これらが芳香族環に結合していることが必要である。
【0017】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)に導入可能な電子供与基が結合した芳香族環を有する化合物の具体例としては、一般式(II)に示した電子供与基としてヒドロキシアルキル基および(ポリ)アルキレンオキサイド基を持つビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物、4−ヒドロキシイソフタル酸、p−オキシ安息香酸、ジメチロールフェノール、ビスフェノキシエタノールフルオレン、オキシジフェノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等のヒドロキシル基含有芳香族化合物および/またはそれらのアルキレンオキサイド付加物、N−フェニルジエタノールアミン等のアニリン誘導体、等が挙げられる。このうち、ビスフェノールAおよび/またはビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物が硬化性、加工性の面から特に好ましい。
【0018】
【化1】
【0019】
(式中、R1,R2,R3は水素またはメチル基であり、m、nはそれぞれ1以上の数であると同時に2≦m+n≦8である。)
【0020】
これらの化合物のポリエステル樹脂への導入方法は限定しないが、公知の重縮合法によりポリエステル樹脂に共重合できる。好ましい含有量としては、全酸またはグリコール成分に対し10〜100モル%、さらに好ましくは30〜60モル%である。10モル%未満ではフェノール樹脂(B)との反応性が低下し、加工性が低下する可能性がある。
【0021】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)としては、耐食性、耐レトルト性、耐内容物性などから、ガラス転移点温度は20〜100℃が好ましく、用途によって調整して使用する。分子量は還元粘度で0.3dl/g以上が好ましく、さらに好ましくは0.4〜0.7dl/gである。還元粘度が0.3dl/g未満では加工性が低下する可能性がある。好ましい数平均分子量は5,000〜25,000である。
【0022】
以下、本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)について述べる。共重合する酸成分は、前述した電子供与基が結合した芳香族環を有する化合物以外の酸成分としては、芳香族ジカルボン酸20〜100モル%、脂肪族および/または脂環族ジカルボン酸0〜80モル%であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸が20モル%未満では耐食性、スクラッチ性、耐薬品性、フレーバー性、耐内容物性が得られない可能性がある。
【0023】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては塗膜物性と溶解性の面からテレフタル酸とイソフタル酸を併用することが特に好ましい。
【0024】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)の脂肪族ジカルボン酸成分としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、アゼライン酸、ダイマー酸などが挙げられる。このうちアジピン酸、セバシン酸が加工性、耐食性、耐薬品性の面から特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)の脂環族ジカルボン酸成分としては1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。このうち、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が加工性の面より好ましい。
【0025】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)の前述した電子供与基が結合した芳香族環を有する化合物以外のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル、1,7−オクタンジオール、8−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。その他のグリコールは経済性、塗膜物性から適宜選択されるが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが特に好ましい。
【0026】
また、発明の内容を損なわない範囲で、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸またはトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを併用しても良い。このような3価以上のポリカルボン酸またはポリオールを適量共重合することにより、さらに耐薬品性を向上できる。
【0027】
また、本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)において、スルホン酸金属塩基を含むジカルボン酸やグリコールを5モル%以下の範囲で使用しても良い。スルホン酸金属塩基を含むジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸などの金属塩を挙げることができる。スルホン酸金属塩基を含むグリコールとしては2−スルホ1、4−ブタンジオール、2、5−ジメチル−3−スルホ−2、5−ヘキサンジオールなどの金属塩が挙げられる。金属塩としてはLi、Na、K、Mg、Ca、Cu、Feなどの塩が挙げられる。
【0028】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)は(メタ)アクリレートモノマーやスチレンなどのビニル重合性モノマーによるグラフト変性、エポキシ樹脂による変性、イソシアネート化合物によるウレタン変性などをしても良い。ビニル重合性モノマーによる変性ポリエステル樹脂はポリエステル樹脂にフマル酸、オレイン酸などの不飽和2重結合を含有するジカルボン酸を共重合してポリエステル樹脂中に不飽和2重結合を導入し、この不飽和2重結合と(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニルなどのビニル化合物を溶液中でラジカル重合する方法、あるいは(メタ)アクリル酸エステル、スチレンなどより合成される片末端にヒドロキシ基を2個含有するマクロモノマーを直接ポリエステルに共重合するなどの公知の方法により合成される。
【0029】
エポキシ樹脂による変性ポリエステル樹脂はポリエステル樹脂の末端ヒドロキシ基に無水トリメリット酸、無水フタル酸等の酸無水物を付加させて、末端カルボキシ変性をした後、このカルボキシル基とエポキシ樹脂をトリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下でエポキシ変性する方法などの公知の方法により合成できる。また、ジメチロールプロピオン酸などのカルボキシル基含有グリコールを用いることによりカルボキシル基を導入しても良い。
【0030】
ウレタン変性ポリエステル樹脂は低分子量のポリエステルジオールと必要により鎖延長剤を配合し、ジイソシアネート化合物と反応させるなど公知の方法により合成される。また、鎖延長剤にジメチロールプロピオン酸などのカルボキシル基含有ジオールを用いてカルボキシル基を側鎖に導入しても良い。
【0031】
本発明の塗料および接着剤用樹脂組成物はポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(B)を配合すること必要である。フェノール樹脂(B)を硬化剤として使用することにより、耐食性、耐薬品性、衛生性(耐抽出性)が著しく向上する。フェノール樹脂(B)の好ましい配合量は(A)/(B)=95/5〜60/40、さらに好ましくは(A)/(B)=80/20〜70/30(いずれも重量比)である。(A)の配合量が95(A)/5(B)を越えると硬化性が不足し、良好な耐食性、耐薬品性、スクラッチ性などの塗膜物性が不良となり、60(A)/40(B)未満では良好な加工性が得られない可能性がある。
【0032】
本発明の塗料および接着剤用樹脂組成物に使用されるフェノール樹脂(B)としては特に限定はしないが、フェノール類にアルカリ触媒の存在下でアルデヒドを反応させたレゾール型樹脂、フェノール類に酸性触媒の存在下でアルデヒドを反応させたノボラック型などが挙げられ、、特に架橋剤として好適なレゾール型樹脂が好ましい。これらのフェノール樹脂に用いるフェノール類は、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、m−メトキシフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどが挙げられ、ポリエステルとの相溶性の面からアルキルフェノール類が好ましい。これらのフェノール類のモノ〜トリメチロール化物やその縮合物、あるいはそれらのアルキルエーテル化物、好ましくはブチルエーテル化物、あるいはこれらをエポキシ変性、油変性、メラミン変性、アミド変性など各種変性をしたものなどが使用できる。
【0033】
また、硬化性を向上させる目的でフェノール樹脂(B)とアミノ樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物などのその他の硬化剤を衛生性など他の特性を低下させない範囲で併用しても良い。
【0034】
アミノ樹脂としては、例えば尿素、メラミン、ベンゾグアナミンなどのホルムアルデヒド付加体、更にこれらの炭素数が1〜6のアルコールによるアルキルエーテル化合物を挙げることができる。具体的にはメトキシメチロール化尿素、メトキシ化メチロール−N,N−エチレン尿素、メトキシメチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン、などが挙げられるが、好ましくはメトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラミン、およびメチロール化ベンゾグアナミンであり、それぞれ単独または併用して使用することができる
【0035】
エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1、4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
【0036】
さらにイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などとを反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0037】
イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであることが好ましい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1、3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは上記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法より付加反応させて得られる。
【0038】
これらの架橋剤には、その種類に応じて選択された公知の硬化剤あるいは促進剤を併用することもできる。
【0039】
本発明のポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)に特性を低下させない範囲内でその他樹脂を併用してもよい。
【0040】
本発明の樹脂組成物は接着剤としても好適である。各種金属素材に対して優れた接着性と耐食性、耐熱性が得られる。
【0041】
本発明の塗料および接着剤用樹脂組成物の硬化温度は金属素材の大きさ、厚さ、また焼き付け炉の能力、塗料または接着剤の硬化性などにより任意に選択される。塗料組成物の製造にはロール練り機、ボールミル、サンドミル、ブレンダーなどの混合機が用いられる。塗布に当たってはローラー塗り、ロールコーター、スプレー塗装、静電塗装などが適時選択される。
【0042】
本発明の塗料用樹脂組成物は目的、用途に応じて酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、などの体質顔料、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、カルシウムクロメート、コロイダルシリカ等の防食顔料、公知の着色剤、シリカ、ワックスなどの添加剤、グラスファイバー等を配合することができる。
【0043】
本発明の塗料および接着剤用樹脂組成物は有機溶媒に溶解した形で使用されるものである。有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ100、150、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、N−メチルピロリドン、2塩基酸エステル等から溶解性、蒸発速度を考慮して適宜選択される。
【0044】
本発明の塗料および接着剤用樹脂組成物はそれ自体を塗布焼付けしただけでも充分な性能を示すため、塗装金属板の裏面コートなどに好適であるが、さらに、プライマーとして使用することが好ましく、耐候性、耐汚染性、耐アルカリ性などを向上する目的でトップコートとして公知の上塗り塗料を塗布することもできる。また、金属缶用塗料として使用する場合は、その衛生性と耐内容物性から内面用に好適であるが、もちろん外面用にも使用できる。
【0045】
【実施例】
以下本発明を実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるのは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
【0046】
1.還元粘度ηsp/c(dl/g)
ポリエステル樹脂0.10gをフェノール/テトラクロロエタン(容量比6/4)の混合溶媒25ccに溶かし、30℃で測定した。
【0047】
2.ガラス転移点温度
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
【0048】
3.酸価
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレインを用いた。
【0049】
4.数平均分子量
ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン標準サンプルをキャリブレーションに用いて測定した。
【0050】
5.加工性−1
塗装鋼板を180度折り曲げ、屈曲部に発生する割れを10倍のルーペで観察し判定した。3Tとは折り曲げ部に同じ板厚のものを3枚挟んだ場合をさし、0Tは板を挟まなくて180度折り曲げた場合をさす。
【0051】
6.加工性−2
塗装ブリキ板を同様に1Tで折り曲げ、加工部を1%NaCl水溶液に浸漬したスポンジに接触させ5Vの電圧をかけたときの通電値により評価した。通電値が小さい方が良好である。
【0052】
7.絞り加工性
塗装ブリキ板を2段階絞りにより、L(深さ)/D(底面の直径)=2の円筒缶を作成し、内面のクラックや白化の状態を目視により評価した。
○:白化、クラックなし △:クラックはないが白化する
×:明確なクラックまたは著しい白化が認められる
【0053】
8.耐酸性
塗装鋼板を40℃の5%HCl中に48時間浸漬し、塗面のブリスタ−の発生状態をASTM D714−56に準じて評価した。異常のない場合は10とした。
【0054】
9.耐食性
塗装鋼板を所定時間35℃で5%NaCl塩水噴霧試験を実施し、ブリスターの発生状況を目視判定した。耐食性はクロスカット部、2T加工部は1000時間、端面(切断部)は500時間で実施した。評価基準を以下に示す。
2T加工部
◎:異常なし ○:ほとんどブリスターなし △:ブリスター発生
×:著しくブリスター発生
クロスカット部(ブリスターのふくれ幅)
◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm ×:10mm以上
××:ブリスター多数発生
端面(ブリスターのふくれ幅)
◎:1mm以下 ○:1〜5mm △:5〜10mm ×:10mm以上
【0055】
10.スクラッチ性
塗装鋼板を10円硬貨を取り付けたスクラッチ・テスターを用いて、荷重1kgで評価した。評価基準を以下に示す。
◎:ほとんどプライマー面が見えない
○:プライマー面は見えるが金属素地は見えない
×:金属素地が見える ××:著しく金属素地が見える
【0056】
11.耐レトルト性
試験片を130℃水蒸気下30分処理した後、塗膜の白化、ふくれの状態を目視で判定した。
○:良好(全く白化、ブリスターなし)
△:若干(全面積の5%以内)の白化、またはブリスターあり
×:著しい(全面積5%以上)の白化、またはブリスターあり
【0057】
12.耐内容物性
試験片を130℃の食塩3wt%、及び乳酸3wt%を含む水溶液中、30分処理した後、塗膜の白化、ブリスターの状態を目視で判定した。
○:良好(全く白化、ブリスターなし)
△:若干(全面積の5%以内)の白化、またはブリスターあり
×:著しい(全面積5%以上)の白化、またはブリスターあり
【0058】
13.衛生性試験
塗装面積100cm2の試験片を100ccの20%エタノール水溶液中に浸漬し、加圧下にて120℃で60分間浸漬処理を行ない、浸漬処理後の抽出液を日立(株)製U−3210型スペクトロフォトメーターで波長200〜300nmの紫外線吸収スペクトルを測定し、その吸収値(%)の最大値で評価した。数値が小さい方が良好である。
【0059】
14.上塗り塗料の作製
あらかじめ溶解した市販の高分子量ポリエステル バイロン300 60固形部、バイロン200 40固形部(何れも東洋紡績(株)製)、メチルエーテル化メチロールメラミン スミマールM40S(不揮発分80%、住友化学工業(株)製製)31部、p−トルエンスルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部、酸化チタン125部を加え、ガラスビーズ型高速振とう機で5時間分散し上塗り塗料を作製した。尚、溶剤はシクロヘキサノン/ソルベッソ150=50/50混合品を適量使用した。
【0060】
15.塗装鋼板(試験片)の作製
0.5mm厚の亜鉛目付量60g/m2の溶融亜鉛めっき鋼板にクロメート処理を施したものを基材とした。この基材に所定のプライマー組成物を乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、210℃×50秒焼付けた。ついで、14.で作製した上塗り塗料を乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、230℃×60秒焼付けて塗装鋼板を作製した。
【0061】
16.塗装ブリキ板(試験片)の作製
塗料組成物を0.3mm厚のブリキ板に塗料組成物をバーコーターで膜厚が10〜15μmになるように塗装し、200℃×10分の硬化焼き付けを行い、これをテストピースとした。
【0062】
合成例(A)
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸137部、イソフタル酸121部、セバシン酸177部、エチレングリコール190部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物であるDA−350(日本油脂(株)製)613部、テトラブチルチタネート0.25部を仕込み、窒素雰囲気加圧下で160℃から240℃まで、4時間かけてエス箇所テル化反応を行った。
ついで系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて60分間重縮合反応を行った。得られたポリエステル樹脂(A)はNMR等の組成分析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸/イソソフタル酸/セバシン酸=34/30/36であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/DA−350=26/74であった。また、還元粘度を測定したところ0.46dl/gであり、酸価17当量/106g、数平均分子量12、000、ガラス転移温度12℃であった。
このポリエステル樹脂Aをシクロヘキサノン/ソルベッソ150(エクソン化学(株)製)=50/50(重量比)に固形分40%で溶解したところ、透明な淡黄色のワニスを得た。結果を第1表に示す。
【0063】
以下、合成例(A)に準じた方法により第1表〜第2表に示す組成のポリエステル樹脂(B)〜(C)、(E)、(G)〜(J)を合成した。(H)〜(J)は比較合成例である。
【0064】
合成例(D)
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸127部、イソフタル酸228部、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸158酸、エチレングリコール322部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド4.4モル付加物であるBD−500(日本油脂(株)製)459部、テトラブチルチタネート0.306部を仕込み、窒素雰囲気加圧下で160℃から240℃まで、4時間かけてエステル化反応を行った。
ついで系内を徐々に減圧していき、50分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて60分間重縮合反応を行った。ついで、窒素雰囲気下で200℃まで冷却し、無水トリメリット酸6部を仕込み、30分付加反応させた。
得られた共重合ポリエステルはNMR等の組成分析の結果、酸成分がモル比でテレフタル酸/イソソフタル酸/1,4−シクロヒキサンジカルボン酸/トリメリット酸=25/45/30/1であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/BD−500=70/30であり、還元粘度0.36dl/g、酸価72当量/106g、ガラス転移温度45℃であった。
【0065】
合成例(F)
合成例(A)と同様にして酸成分がモル比でテレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸=40/45/15であり、グリコール成分がモル比でエチレングリコール/DA−350=45/55であり、還元粘度が0.15dl/g、酸価が10当量/106g、数平均分子量が2,500のポリエステル樹脂を得た。
ついで、得られたポリエステル樹脂100部とネオペンチルグリコール7部をシクロヘキサノン/ソルベッソ150(エクソン化学(株)製)=50/50(重量比)に固形分40%で溶解し窒素気流下で80℃に加熱した。ついで、ジフェニルメタンジイソシアネートを26.5部仕込み1時間攪拌後、ジブチルチンジラウレート0.03部を仕込みさらに2時間反応させてウレタン変性ポリエステル(F)を得た。得られた樹脂は還元粘度を測定したところ0.82dl/gであり、酸価15当量/106g、ガラス転移温度50℃であった。
【0066】
比較合成例(K)
合成例(D)と同様にして、テレフタル酸66.4部、イソフタル酸66.4部、アジピン酸29.2部、エチレングリコール37.2部、プロピレングリコール29.6部を仕込み、後に無水トリメリット酸2.9部を仕込み付加反応により数平均分子量23,000、酸価160等量/106g、ガラス転移点温度43℃のポリエステル樹脂を合成した。ついで、これをソルベッソ150(エクソン化学(株)製)/シクロヘキサノン=50/50の混合溶剤に固形分が40%になるように溶解した。
この樹脂溶液120固形部にビスフェノールAエポキシ樹脂であるエピコート1004(油化シェルエポキシ(株)製)を24部混合溶解し、ジメチルエタノールアミン1部を添加して120℃に加温し、3時間反応させ、エポキシ変性ポリエステル樹脂溶液(K)を得た。
【0067】
参考例1
1)プライマー塗料の作製
ポリエステル樹脂(B)溶液70固形部に酸化チタン50部、ジンククロメート35部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:CKM1634、昭和高分子(株)製)30固形部、p−トルエンスルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部を加え、ガラスビーズ型高速振とう機で5時間分散しプライマー塗料を作製した。
【0068】
この塗料組成物を15.に記述した方法で塗布、焼付けして塗装鋼板を作製し、所定の試験をおこなった。結果を第3表に示す。このように、電子供与基が結合した芳香族環を含有するポリエステル樹脂はフェノール樹脂との反応性が良好で、加工性が良好で、耐食性がクロスカット部、端面、加工部共に著しく向上している。また、耐酸性も非常に良好である。
【0069】
以下、第3表〜第4表に示す組成により同様にして、実施例1、2、参考例2〜4、比較例1〜6の塗料組成物を作成し、塗布、焼付けを行った。得られた塗装鋼板の試験結果を第3表〜第4表に示す。ただし、塗料の配合比は固形分換算で表示した。いずれの実施例においても良好な加工性と卓越した耐食性、耐薬品性を有し、アミノ樹脂やイソシアネート化合物で硬化した場合と比較して著しく優れていることが分かる。
【0070】
参考例5
合成例Bで作成したポリエステル樹脂80固形部とレゾール型フェノール樹脂(商品名:CKM1634、昭和高分子(株)製)20固形部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸の10%ベンジルアルコール溶液2.5部を混合してクリアー塗料を作成した。これを16.に記載した方法でブリキ板に塗布、硬化した。得られた結果を表−5に示す。得られた塗膜は加工性、耐レトルト性に優れ、特に耐内容物性と衛生性に優れている。
【0071】
参考例5と同様に実施例3、参考例6、7、比較例7〜12を行った。結果を表−5、6に示す。
【0072】
参考例8
合成例(F)で作成したウレタン変性ポリエステル樹脂70固形部とレゾール型フェノール樹脂(商品名:CKM1634、昭和高分子(株)製)30固形部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.25部を混合して接着剤を調合した。これを脱脂、塗布クロメート処理した0.5mm厚の冷延鋼板に乾燥膜厚で20μmになるように塗布し、120℃で10分乾燥した。ついで同じ冷延鋼板を貼り合わせ、230℃で2分プレスして接着した。剪断接着強度を測定したところ、150kg/cm2と優れた接着力を示した。これを60℃、相対湿度95%で250時間処理したが接着強度の低下は認められず良好な耐湿性であった。
【0073】
【表1】
【0074】
1)ビスフェノールAのエチレンオキサイド2.2モル付加物(日本油脂(株)製)
2)ビスフェノールAのプロピレンオキサイド4.4モル付加物(日本油脂(株)製)
3)ビスフェノキシエタノールフルオレン(大阪ガス(株)製)
4)N−フェニルジエタノールアミン(明成化学工業(株)製)
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
1)レゾール型フェノール樹脂、CKM1634(昭和高分子(株)製)
*MEKラビングはプライマーのみ(上塗りなし)で評価
【0078】
【表4】
【0079】
1)ビスフェノールAエポキシ樹脂、エピコート1007(油化シェルエポキシ(株)製)
2)レゾール型フェノール樹脂、CKM1634(昭和高分子(株)製)
3)メチル化メラミン、スミマールM40S(住友化学工業(株)製)
4)ヘキサメチレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート化合物、コロネート2507(日本ポリウレタン工業(株)製)
*MEKラビングはプライマーのみ(上塗りなし)で評価
【0080】
【表5】
【0081】
1)レゾール型フェノール樹脂、CKM1634(昭和高分子(株)製)
【0082】
【表6】
【0083】
1)ビスフェノールAエポキシ樹脂、エピコート1009(油化シェルエポキシ(株)製)
2)レゾール型フェノール樹脂、CKM1634(昭和高分子(株)製)
3)レゾール型フェノール樹脂、フェノディアPR401(ヘキスト(株)製)
4)メチル化メラミン、スミマールM40S(住友化学工業(株)製)
【0084】
【発明の効果】
本発明の塗料および接着剤用樹脂組成物は、ポリエステル樹脂に電子供与基が結合した芳香族環を導入することにより、従来エポキシ樹脂以外では困難であったフェノール樹脂との組み合わせで良好な反応性が得られ、このため、加工性と耐食性、耐薬品性、衛生性などの諸物性を高度に両立できる。
従って、本発明の塗料用樹脂組成物をプライマーに使用することにより、従来のポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂と比較して、クロスカット部、加工部、端面を問わず優れた耐食性と卓越した耐酸性が得られ、加工性、スクラッチ性などの塗膜物性を高度に両立することが可能となる。特に、加工部および端面の耐食性が優れるため特に高度の耐食性が要求される、建材、屋外器物はもとより、冷蔵庫、洗濯機、エアコン室外機などの耐食性の必要な家電用途にも幅広く使用することができる。
また、本発明の塗料用樹脂組成物を缶内面用に用いることにより、優れた加工性、絞り加工性が得られ、さらには耐内容物性と衛生性に優れるため、3ピース缶はもちろん2ピース缶においてもプレコート化が可能となる。
さらに、本発明の樹脂組成物を接着剤に用いると、優れた接着性、耐久性が得られる。
また、本発明の樹脂組成物は、金属素材用としてだけではなく、種々の基材、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムなどのコーティング剤や接着剤、導電性ペースト、封止剤などの電子材料用バインダー樹脂として使用することもできる。

Claims (4)

  1. ビスフェノキシエタノールフルオレンおよび/またはN−フェニルジエタノールアミンに由来する電子供与基が結合した芳香族環を含有するポリエステル樹脂および/または該ポリエステル樹脂を用いた変性ポリエステル樹脂(A)とフェノール樹脂(B)を含み、(A)/(B)=95/5〜60/40(重量比)であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. ビスフェノキシエタノールフルオレンおよび/またはN−フェニルジエタノールアミンに由来する構造の含有量が前記ポリエステル樹脂を構成する全グリコール成分に対し10〜100モル%である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記フェノール樹脂(B)がレゾール型および/またはノボラック型である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 塗料用、コーティング剤用、接着剤用、導電ペースト用または封止剤用である請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。
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