JP3314736B2 - 横流沈殿式水処理装置 - Google Patents

横流沈殿式水処理装置

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JP3314736B2
JP3314736B2 JP28797398A JP28797398A JP3314736B2 JP 3314736 B2 JP3314736 B2 JP 3314736B2 JP 28797398 A JP28797398 A JP 28797398A JP 28797398 A JP28797398 A JP 28797398A JP 3314736 B2 JP3314736 B2 JP 3314736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水中の懸濁物質
の凝集沈殿、スラッジ分離を行う横流沈殿式水処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】排水中の懸濁物質の凝集沈殿、スラッジ
分離を行う横流沈殿式水処理装置は、横流沈殿槽の前に
設置されたフロック形成槽で排水と凝集剤とを攪拌接触
させ、排水中の懸濁物質を凝集させて粒子径を大きくし
てフロックとした後、横流沈殿槽にてフロックを沈殿さ
せてスラッジとして水と分離する方式となしている。
【0003】図5は、従来の横流沈殿式水処理装置を例
示したもので、その構造はフロック形成槽1と横流沈殿
槽2とがスラッジ排出口3を挟んで隣設され、かつフロ
ック形成槽1上には排水と凝集剤とを攪拌接触させて懸
濁物質を凝集してフロック9をつくる攪拌機4を、横流
沈殿槽2上にはスラッジ掻寄せ機5を備え、横流沈殿槽
2の下流側端部にオーバーフロー水を貯える処理水槽6
が付設され、フロック形成槽1の上流側に懸濁物質を含
む排水の導入管7および凝集剤投入管8が配管された構
造となっている。図5に示すように、フロック形成槽1
と横流沈殿槽2との間に、整流壁20が設けられている
ものもある。
【0004】上記構造の横流沈殿式水処理装置におい
て、排水の導入管7よりフロック形成槽1の上流側に導
入された排水は、フロック形成槽1から横流沈殿槽2へ
と流れる間に、フロック形成槽1上に垂直に設置された
攪拌機4により凝集剤投入管8より投入された凝集剤と
混合攪拌され、排水中の懸濁物質は凝集して粒子径が大
きくなりフロック9が形成される。そして、排水が緩や
かに横流沈殿槽2の底に沈殿、堆積し、水と分離してス
ラッジ10となる。横流沈殿槽2の底に沈殿、堆積した
スラッジ10は、該沈殿槽の上に設置されたスラッジ掻
寄せ機5により、フロック形成槽1と横流沈殿槽2との
間に設置されたスラッジ排出口3まで掻寄せられ、排泥
ポンプ(図面省略)にて系外に排出される。一方、上澄
水は横流沈殿槽2の下流に隣設されている処理水槽6に
オーバーフローし貯えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の横流沈殿式水処理装置には、以下に列記する問題があ
った。
【0006】(1)工場操業の変化等により、設計範囲
を超えて粒子径の大きい懸濁物質が流入した場合、粒子
の沈降速度が速いため、フロック形成槽1に垂直に設置
された攪拌機4の攪拌能力が不足し、図5に示すごとく
フロック形成槽1の原水流入口付近に、粒子径の大きい
スラッジ10が堆積するという問題がある。
【0007】(2)排水処理装置への流入排水量が減少
した場合、フロック形成槽1での滞留時間が増加し、前
記と同様、フロック形成槽1の原水流入口付近に粒子径
の大きいスラッジ10が堆積するという問題がある。
【0008】(3)通常、フロック形成槽1はスラッジ
10を堆積させないことを前提に設計されるため、スラ
ッジ排出機能を有していない。そのため、定期的に水抜
きして、堆積したスラッジ10を排出しなければならな
かった。
【0009】本発明は、上述した従来の問題点を解決す
るためになされたもので、設計範囲を超えた粒子径の大
きい懸濁物質の流入や、流入排水量の変動によるフロッ
ク形成槽での滞留時間の変化等にも十分に対応でき、フ
ロック形成槽の原水流入口付近でのスラッジ堆積を防止
するとともに、横流沈殿槽にスラッジを確実に堆積させ
ることが可能な横流沈殿式水処理装置を提供しようとす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、最も広義に
は、スラッジ排出口を挟んで隣設されたフロック形成槽
底部が略水平に形成された横流沈殿槽とを有し、フロ
ック形成槽の内部には、フロック形成槽の内部のフロッ
クを横流沈殿槽の方向へ移動させるためのフロック移動
手段が設けられているとともに、横流沈殿槽の上方には
横流沈殿槽に堆積するスラッジをスラッジ排出口へ導く
ためのスラッジ掻寄せ機が設けられることを特徴とする
横流沈殿式水処理装置である。
【0011】すなわち、本発明は、フロック形成槽と横
流沈殿槽とがスラッジ排出口を挟んで隣設され、かつ横
流沈殿槽の上にスラッジ掻寄せ機を備え、フロック形成
槽で凝集剤にて排水中の懸濁物質を凝集し、横流沈殿槽
にて沈殿させてスラッジ分離を行う横流沈殿式水処理装
置において、従来の槽上部設置型の通常の攪拌機に替え
て、強力な水流が得られる水中攪拌機を使用したことを
主たる特徴とし、この水中攪拌機による強力な水流を任
意に設定してフロック形成槽の内部にフロックを上流か
ら下流側に吹飛ばす方式を採用することによって、前記
課題を解決するもので、その要旨は、フロック形成槽の
上流側底部付近に1ないし複数の水中攪拌機を昇降可能
にかつ首振り可能に設置し、排水管路に懸濁物質の粒径
を計測する粒度分析計と、流入排水量を計測する流量計
とを備えるとともに、粒度分析計および流量計それぞれ
の計測値に基づいて水中攪拌機を制御する演算制御装置
を備え、流入する懸濁物質の粒度分布および流入排水量
の変動に応じて水中攪拌機の回転数または向きを変化さ
せて、フロック形成槽の内部のフロックを横流沈殿槽の
方向に吹飛ばすことにより、フロックを横流沈殿槽の内
部に沈殿堆積させる構造となしたことを特徴とするもの
である。
【0012】上記の本発明において、フロック形成槽の
上流側底部付近に設置する水中攪拌機は、例えばフロッ
ク形成槽の内壁に沿って立設したガイド支柱に昇降可能
に装着した架台に、水中方向の首振り機構を介して水平
方向の向きを可変に取付けるとともにチェーン等により
吊設して上下方向にも向きを可変に設置することができ
る。水中攪拌機を昇降可能に設けたのは、流入排水量の
変動に対応できるようにするためであり、また、首振り
可能としたのは、必要に応じて槽の幅方向および高さ方
向の水流を均一にできるようにするためである。この水
中攪拌機の設置数は、横流沈殿式水処理装置の規模すな
わち槽の大きさや幅に応じて1ないし複数設置する。
【0013】また、排水管路に懸濁物質の粒径を計測す
る粒度分析計および流入排水量を計測する流量計を設
け、これらの計測値に基づいて演算制御装置により水中
攪拌機の回転数または向きを変化させて攪拌するように
したのは、工場の操業形態等による懸濁物質の粒度分布
の変動、流入排水量の変動に対応して、水中攪拌機の回
転数を制御し攪拌力を調節できるようにするためであ
る。
【0014】また、別の観点からは、本発明は、フロッ
ク形成槽と横流沈殿槽とがスラッジ排出口を挟んで隣設
され、かつ横流沈殿槽の上にスラッジ掻寄せ機を備え、
フロック形成槽で凝集剤にて排水中の懸濁物質を凝集
し、横流沈殿槽にて沈殿させてスラッジ分離を行う横流
沈殿式水処理装置において、フロック形成槽の上流側底
部付近に1ないし複数の水中攪拌機を昇降可能にかつ首
振り可能に設置し、フロック形成槽の内部に設けられた
フロック粒径を計測する粒度分析計の計測値に基づいて
水中攪拌機を制御する演算制御装置を備え、粒度分析計
により計測されたフロック粒径または予め定めた時間に
基づいて、水中攪拌機の回転数を変化させることによ
り、フロックを、所定の大きさに成長させた後に横流沈
殿槽の方向へ吹飛ばして横流沈殿槽の内部に沈殿堆積さ
せる構造となしたことを特徴とする横流沈殿式水処理装
置である。
【0015】これにより、フロック形成槽に流入した懸
濁物質と凝集剤との攪拌接触効果を高めてフロックを所
望の大きさに成長させることができる。また、水処理の
進行に伴って、所望の大きさに成長したフロックを横流
沈殿槽方向に吹飛ばして、フロックを横流沈殿槽内に確
実に沈殿堆積させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、本発明
に係る横流沈殿式水処理装置の一実施例を示す模式断面
図、図2は同上装置の水中攪拌機設置部分を示す模式平
面図、図3は同上装置の水中攪拌機設置構造を拡大して
示す概略図である。
【0017】図1〜図3において、符号11は水中攪拌
機、符号12はガイド支柱、符号13は取付架台、符号
14は首振り機構、符号15は吊下げチェーン、符号1
6はチェーンブロック、符号17は流量計、符号18は
粒度分析計、符号19は演算制御器である。
【0018】すなわち、この発明装置は、フロック形成
槽1と横流沈殿槽2とがスラッジ排出口3を挟んで隣設
され、横流沈殿槽2上に設置されたスラッジ掻寄せ機5
により横流沈殿槽2の底部に堆積したスラッジ10をス
ラッジ排出口3に掻寄せて排出する機能を備え、横流沈
殿槽2の下流側端部にオーバーフロー水を貯える処理水
槽6が付設された横流沈殿方式の水処理槽である。
【0019】この発明装置は、フロック形成槽1の上流
側底部付近に、フロック形成槽1の内部のフロック9を
横流沈殿槽2の方向へ移動させるためのフロック移動手
段として、1ないし複数の水中攪拌機11を設置する。
この水中攪拌機11は、フロック形成槽1の上流側内壁
に沿って立設したガイド支柱12に昇降可能に装着した
取付架台13に水平方向の首振り機構14を介して水平
方向に首振り可能に取付け、ガイド支柱12の頂部アー
ム12−1に吊下げチェーン15およびチェーンブロッ
ク16を介して高さ位置を調整可能にかつ上下方向にも
首振り可能に吊設している。
【0020】この水中攪拌機11としては、機種等を特
に限定するものではないが、攪拌力の強力なものが好適
である。また、首振り機構としては、パワーモーター等
を用いて、タイマー設定による自動首振りとすることも
可能である。
【0021】流量計17は、工場の操業形態等により時
々刻々変化する流入排水量を連続的に計測し、粒度分析
計18は同じく工場の操業形態等により変化する懸濁物
質の粒径を連続的に計測し、それぞれの計量値を演算制
御器19に出力するように構成される。
【0022】演算制御器19は、流量計17により計測
された流入排水量と、粒度分析計18により計測された
粒径より算出された懸濁物質の粒度分布に応じて、水中
攪拌機11の回転数を制御して攪拌力を調節する作用を
有する。
【0023】上記構成の横流沈殿式水処理装置におい
て、排水の導入管7よりフロック形成槽1の上流側に導
入された排水は、フロック形成槽1から横流沈殿槽2へ
と流れる間に、フロック形成槽1の上流側底部付近に設
置した攪拌力の強力な水中攪拌機11により横流沈殿槽
2の方向へ向けてつくられた水流により、凝集剤投入管
8より投入された凝集剤と混合攪拌されるとともに、水
中の懸濁物質が凝集して形成された粒子径の大きいフロ
ック9は前記水流により横流沈殿槽2の方向に吹飛ばさ
れ、スラッジ排出口3を超えて横流沈殿槽2の底部に沈
殿しスラッジ10として堆積する。
【0024】またこの時、流量計17により連続的に計
測される流入排水量と、粒度分析計18により連続的に
計測される粒径より算出された懸濁物質の粒度分布に応
じて演算制御器19により水中攪拌機11の回転数が調
節される。
【0025】なお、水中攪拌機11の高さ位置はチェー
ンブロック16を介して調節し、また必要に応じて首振
り機構14により水平方向に首振りさせたり、あるいは
チェーンブロック16を介して上下方向に首振りさせ
て、槽幅方向あるいは槽高さ方向の水流をより均一にす
る。
【0026】横流沈殿槽2の底に沈殿、堆積したスラッ
ジ10は、横流沈殿槽2の上部に設置されたスラッジ掻
寄せ機5により、フロック形成槽1と横流沈殿槽2との
間に設置されたスラッジ排出口3まで掻寄せられ、排泥
ポンプ(図面省略)にて系外に排出される。
【0027】一方、上澄水は横流沈殿槽2の下流に隣設
されている処理水槽6にオーバーフローし貯えられる。
【0028】なお、この発明では凝集剤投入管8に凝集
剤注入量調節弁Vを設け、これを自動調節弁とし、懸濁
物質の粒度分布と流入排水量に応じて演算制御器19に
より凝集剤注入量を変化させることも可能である。
【0029】(第2実施形態)次に、第2実施形態を説
明する。なお、本実施形態の説明では、第1実施形態と
相違する部分を説明し、同一の部分には共通の図中符号
を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
【0030】図4は、本実施形態の横流沈殿式水処理装
置を示す模式断面図である。本実施形態が、第1実施形
態と相違するのは、粒度分析計18の設置位置と、演算
制御器19による制御内容とである。
【0031】本実施形態では、粒度分析計18は、フロ
ック形成槽1の内部におけるフロック9の粒径を連続的
に計測し、その計測値を演算制御器19へ出力する。演
算制御器19は、粒度分析計18により計測されたフロ
ック粒径より算出されたフロック9の粒度分布に応じ
て、水中攪拌機11の回転数を制御し攪拌力を調整す
る。
【0032】そして、本実施形態では、粒度分析計18
により連続的に計測されるフロック形成槽1の内部にお
けるフロック9の粒径に基づいて算出されたフロック9
の粒度分布に応じて、演算制御器19により水中攪拌機
11の回転数が調節される。すなわち、フロック9を、
フロック形成槽1の内部において所定の大きさに成長さ
せた後に横流沈殿槽2の方向へ吹飛ばして、横流沈殿槽
2の内部にスラッジ10として沈殿堆積させるために、
演算制御器19により水中攪拌機11の回転数を変化さ
せる。
【0033】これにより、(1)懸濁物質を凝集させて
できたフロック9の強度が比較的弱い場合に、フロック
形成槽1の内部で強い水流で横流沈殿槽2の方向へ吹飛
ばされることが防止される。このため、破壊されて小さ
い粒子のまま横流沈殿槽2に移行されたフロック9が、
横流沈殿槽2に沈殿堆積し切れずに処理水槽6へリーク
して処理水水質が悪化することや、(2)処理能力に対
して水量が多く余裕が少ない装置、すなわち水槽容量が
小さく滞留時間が少ない装置であっても、上記(1)項
と同様に、フロック9が処理水槽6へリークして処理水
水質が悪化することが、ともに防止される。
【0034】なお、本実施形態の実施に際しては、排水
の導入管7よりフロック形成槽1の上流側に導入された
排水の水量、懸濁物質の濃度、粒度分布が比較的安定し
ている場合は、粒度分析計18により計測されたフロッ
クの粒度分布に依らずに、演算制御器19にタイマー設
定を行うことによって水中攪拌機11の回転速度を予め
定めた所定の時間で適宜変更するようにしてもよい。
【0035】
【実施例】(第1実施例)表1に示す装置諸元の横流沈
殿式水処理装置による実施結果を、図5に示す従来の横
流沈殿式水処理装置の場合と比較して以下に示す。
【0036】まず、従来の装置により、粒子径10〜1
00μm程度の懸濁物質(真比重:約4.5)が含まれ
た排水を処理した結果、横流沈殿槽に沈殿堆積してスラ
ッジとなったが、その後工場操業の変化に伴い、粒子径
10〜100μm程度の懸濁物質に加え、10〜200
μm程度の懸濁物質も流入するようになり、フロック形
成槽内で形成されたフロックがより一層フロック形成槽
内に沈殿堆積し、次第に攪拌機の羽根が埋没し始め、過
負荷により攪拌機が停止するというトラブルが発生し
た。この攪拌機の停止により、流入水量3500m3
hの場合には、200μm程度のフロックは、フロック
形成槽入側端から1.2m、100μm程度のフロック
で同4.6m、80μm程度のフロックで同6.9m、
50μm程度のフロックで同15.4mの位置、すなわ
ちフロック形成槽内に沈殿堆積し、スラッジ掻寄せ機に
よりスラッジを排出口まで移動させることは困難とな
り、水抜きしなければ排出不可能となった。
【0037】そこで、図1〜図3に示す発明装置によ
り、流入する懸濁物質の粒度分布および流入排水量に応
じて水中攪拌機を最適な回転数に制御して強力な水流を
つくり、横流沈殿槽方向にフロックを吹飛ばすようにし
たところ、フロック形成槽内へのスラッジ堆積がなくな
り、フロックを横流沈殿槽内に沈殿堆積させることがで
き、スラッジ掻寄せ機により横流沈殿槽内のスラッジを
排出口まで移動させることが可能となったことにより、
従来フロック形成槽内に多量に堆積し、水抜きしなけれ
ば排出不可能であったスラッジの90%以上を排泥ポン
プにて排出することができた。
【0038】なお、本実施例では、フロックの最大粒子
径が200μm程度、排水流入量が3500m3 /hの
時、水中攪拌機の回転数を376rpm、水中攪拌機に
よる水流の初速を2.35m/sとするのが最適であっ
た。すなわち、流入した懸濁物質が最大200μm程度
のフロックになった後、横流沈殿槽入側(フロック槽入
口から15mの位置)まで移動させることができた。ま
た、粒子径が200μm程度のフロックはフロック槽入
口から15mの位置に、同じく100μm程度のフロッ
クは同24mの位置に、同じく80μm程度のフロック
は同28mの位置に、同じく50μm程度のフロックは
同41mの位置に、同じく40μm程度のフロックは同
54mの位置に、それぞれ沈殿し、90%以上のフロッ
クを横流沈殿槽内に沈殿堆積させることができた。
【0039】
【表1】
【0040】(第2実施例)図4および表2に示す装置
諸元の横流沈殿式水処理装置による実施結果を、図5に
示す従来の横流沈殿式水処理装置と比較して以下に示
す。
【0041】まず、図5に示す従来の装置により、粒子
径10〜200μm程度の懸濁物質(真比重4.5)が
含まれた排水を処理した結果、フロック形成槽1に垂直
に設置された攪拌機4の攪拌能力が不足し、図5に示す
ようにフロック形成槽1の原水流入口付近に粒子径の大
きいスラッジ10が堆積した。しかも、通常、フロック
形成槽1はスラッジ10を堆積させないことを前提に設
計されており、スラッジ排出機能を有していない。その
ため、定期的に水抜きして堆積したスラッジ10を排出
しなければならなかった。
【0042】次に、図4および表2に示す装置諸元の横
流沈殿式水処理装置により、上記同様、粒子径10〜2
00μm程度の懸濁物質(真比重4.5)が含まれた排
水を処理した。
【0043】その結果、フロック形成槽1の内部に沈殿
堆積させないための水中攪拌機11の最低必要回転数は
338rpmであった。しかし、この回転数のままで水
中攪拌機11の運転を継続すると、凝集効果が十分に得
られず、沈降速度が小さい粒子のまま横流沈殿槽2へ移
行した。このため、横流沈殿槽2に沈殿堆積し切れず、
約10分後に処理水槽6へのリークが発生し、処理水に
含まれる懸濁物質の濃度が平均15mg/lから平均3
0mg/lに悪化した。
【0044】そこで、この発明装置において、演算制御
装置19により水中攪拌機11の回転速度を、フロック
9の粒径が比較的小さい水処理の初期には、水中攪拌機
11を定速回転させることによりフロック形成槽1に流
入した懸濁物質と凝集剤との攪拌接触効果を高めてフロ
ック9を所望の大きさに成長させ、水処理の進行に伴っ
てフロック9の粒径が所定の大きさに成長するにつれ
て、水中攪拌機11の回転数を上昇させて高速回転させ
る操作を複数回繰り返し行った。これにより、形成され
たフロック9を横流沈殿槽2の方向へ吹飛ばし、スラッ
ジ排出口3を超えて横流沈殿槽2の底部まで移送し、ス
ラッジ10として堆積させた。
【0045】これにより、フロック形成槽1の内部への
スラッジ堆積がなくなり、フロック9を横流沈殿槽2の
内部に確実に沈殿堆積させることができた。したがっ
て、処理水槽6へのフロック9のリークも見られず、処
理水に含まれる懸濁物質の濃度は平均約10mg/lと
なり、従来よりも良質な処理水が得られた。
【0046】この結果、従来フロック形成槽1の内部に
多量に堆積して水抜きしなければ排出不可能であったス
ラッジの90%以上を、排泥ポンプにより簡単に排出す
ることができた。また、処理水の水質も安定して良好な
結果が得られた。
【0047】なお、本実施例ではフロック9の粒子径が
10〜200μm程度、排水流量が3500m3 /hで
ある場合、水中攪拌機11の回転数を低速回転(225
rpm)で約2時間継続した後に高速回転(338rp
m)を約10分間継続するというパターンを繰り返すこ
とにより、水中攪拌機11の回転数を変化させるのが最
適運転であった。
【0048】
【表2】
【0049】(変形形態)以上の説明では、フロック移
動手段が攪拌機である場合を例にとったが、本発明はか
かる形態には限定されず、攪拌機以外でも、フロック形
成槽の内部のフロックを横流沈殿槽の方向へ移動させる
ためのフロック移動手段であれば、等しく適用される。
例えば、フロック形成槽におけるフロックを横流沈殿槽
の方向へ移動させることができる程度の処理水流れを形
成できる処理水噴流装置を設置することを、例示でき
る。このような処理水噴流装置としては、横流沈殿槽の
方向を指向して設置された多数の処理水噴流ノズルが例
示される。
【0050】
【発明の効果】以上説明したごとく、この発明装置によ
れば、水中攪拌機による強力な水流によりフロック形成
槽内のフロックを上流から下流側に吹飛ばす方式を採用
し、かつ懸濁物質の粒子径や流入排水量に応じて水中攪
拌機の回転数を設定して攪拌できるので、設計範囲を超
えた粒子径の大きい懸濁物質の流入や、流入排水量が変
動しフロック形成槽での滞留時間の変化等に十分に対応
でき、フロック形成槽の原水流入口付近でのスラッジ堆
積を防止できるとともに、横流沈殿槽にスラッジを堆積
させることが可能となり、スラッジ排出効率を高めるこ
とができる結果、懸濁物質を含む排水の処理に多大な効
果を奏する。
【0051】また、この発明装置によれば、強力な水流
をつくることができる水中攪拌機の回転数を変化させ、
低速回転によりフロック形成槽に流入した懸濁物質と凝
集剤との攪拌接触効果を高めてフロックを成長させ、次
に高速回転により形成されたフロックを横流沈殿槽方向
に吹飛ばす方式を採用し、かつフロック形成槽内のフロ
ック粒径に応じて水中攪拌機の回転数を設定して攪拌で
きる。このため、フロックの強度が比較的弱い場合や処
理能力に対して処理水量が多く余裕が少ない場合でも十
分に対応でき、フロック形成槽の原水流入口付近でのス
ラッジ堆積を防止できるとともに、横流沈殿槽にスラッ
ジを堆積させることが可能となる。これにより、スラッ
ジ排出効率を高めることができ、また得られる処理水の
水質が良好になるのでさらに処理水量が増加する場合に
も設備増強なしで対応できるので、懸濁物質を含む排水
の処理に多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る横流沈殿式水処理装置の一実施
例を示す模式断面図である。
【図2】同上装置の水中攪拌機設置部分を示す模式平面
図である。
【図3】同上装置の水中攪拌機設置構造を拡大して示す
概略図である。
【図4】この発明に係る横流沈殿式水処理装置の他の一
実施例を示す模式断面図である。
【図5】この発明の対象とする従来の横流沈殿式水処理
装置の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 フロック形成槽 2 横流沈殿槽 3 スラッジ排出口 5 スラッジ掻寄せ機 6 処理水槽 7 排水導入管 8 凝集剤投入管 9 フロック 10 スラッジ 11 水中攪拌機 12 ガイド支柱 13 取付架台 14 首振り機構 15 吊下げチェーン 16 チェーンブロック 17 流量計 18 粒度分析計 19 演算制御器 20 整流壁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−63753(JP,A) 特開 平10−34162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 21/00 - 21/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラッジ排出口を挟んで隣設されたフロ
    ック形成槽と底部が略水平に形成された横流沈殿槽とを
    有し、前記フロック形成槽の内部には、当該フロック形
    成槽の内部のフロックを前記横流沈殿槽の方向へ移動さ
    せるためのフロック移動手段が設けられているととも
    に、前記横流沈殿槽の上方には該横流沈殿槽に堆積する
    スラッジを前記スラッジ排出口へ導くためのスラッジ掻
    寄せ機が設けられることを特徴とする横流沈殿式水処理
    装置。
  2. 【請求項2】 フロック形成槽と横流沈殿槽とがスラッ
    ジ排出口を挟んで隣設され、かつ前記横流沈殿槽の上に
    スラッジ掻寄せ機を備え、前記フロック形成槽で凝集剤
    にて排水中の懸濁物質を凝集し、前記横流沈殿槽にて沈
    殿させてスラッジ分離を行う横流沈殿式水処理装置にお
    いて、 前記フロック形成槽の上流側底部付近に1ないし複数の
    水中攪拌機を昇降可能にかつ首振り可能に設置し、 排水管路に前記懸濁物質の粒径を計測する粒度分析計
    と、流入排水量を計測する流量計とを備えるとともに、
    前記粒度分析計および前記流量計それぞれの計測値に基
    づいて前記水中攪拌機を制御する演算制御装置を備え、 流入する前記懸濁物質の粒度分布および前記流入排水量
    の変動に応じて前記水中攪拌機の回転数または向きを変
    化させて、前記フロック形成槽の内部の前記フロックを
    前記横流沈殿槽の方向に吹飛ばすことにより、当該フロ
    ックを前記横流沈殿槽の内部に沈殿堆積させる構造とな
    したことを特徴とする横流沈殿式水処理装置。
  3. 【請求項3】 フロック形成槽と横流沈殿槽とがスラッ
    ジ排出口を挟んで隣設され、かつ前記横流沈殿槽の上に
    スラッジ掻寄せ機を備え、前記フロック形成槽で凝集剤
    にて排水中の懸濁物質を凝集し、前記横流沈殿槽にて沈
    殿させてスラッジ分離を行う横流沈殿式水処理装置にお
    いて、 前記フロック形成槽の上流側底部付近に1ないし複数の
    水中攪拌機を昇降可能にかつ首振り可能に設置し、 前記フロック形成槽の内部に設けられたフロック粒径を
    計測する粒度分析計の計測値に基づいて水中攪拌機を制
    御する演算制御装置を備え、 前記粒度分析計により計測された前記フロック粒径また
    は予め定めた時間に基づいて、前記水中攪拌機の回転数
    を変化させることにより、フロックを、所定の大きさに
    成長させた後に前記横流沈殿槽の方向へ吹飛ばして前記
    横流沈殿槽の内部に沈殿堆積させる構造となしたことを
    特徴とする横流沈殿式水処理装置。
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