JP3314407B2 - 被膜導電部材の抵抗溶接制御方法及びその装置 - Google Patents

被膜導電部材の抵抗溶接制御方法及びその装置

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JP3314407B2
JP3314407B2 JP13065192A JP13065192A JP3314407B2 JP 3314407 B2 JP3314407 B2 JP 3314407B2 JP 13065192 A JP13065192 A JP 13065192A JP 13065192 A JP13065192 A JP 13065192A JP 3314407 B2 JP3314407 B2 JP 3314407B2
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    • B23K11/24Electric supply or control circuits therefor
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    • B23K11/256Monitoring devices using digital means the measured parameter being the inter-electrode electrical resistance

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗溶接制御の方法及
びその装置に係り、特に、被膜電線等の被膜導電部材の
抵抗溶接制御を行うのに適した抵抗溶接制御方法及びそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の被膜導電部材の抵抗溶接
制御装置においては、銅合金等の材料からなる導電部材
の先端部をU字状に折り曲げてターミナルを形成し、こ
のターミナルのU字状折り曲げ部内に被膜電線の先端部
をその被膜をそのままにして挿入し、然る後、当該折り
曲げ部を上下両電極間に挟持加圧して、両電極間に電圧
を印加したときの通電電流による抵抗発熱により被膜電
線の先端部をその被膜を剥離しつつターミナルの折り曲
げ部に抵抗溶接するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
成においては、抵抗溶接条件の三大要素といわれる溶接
電流、通電時間及び加圧力をそれぞれ予め固定的に設定
して抵抗溶接するのが通常であるため、抵抗溶接時にお
いて、ターミナルの折り曲げ部の表面粗度状態、電極の
先端径の変化、ターミナルの形状、板厚或いは硬さや、
被膜電線の被膜の厚さ或いは電線の径等の変動等の外乱
により、次のような不具合が生ずる。
【0004】(1).抵抗発熱量の変動に応じて被膜電
線の被膜の剥離状態にバラツキが生じるため、被膜剥離
の不良を招く。
【0005】(2).抵抗発熱量の変動に応じて被膜電
線の先端部のつぶれ度合いにバラツキが生じ、溶接強
度、即ち継手効率{(溶接強度/母材強度)×100
(%)}が低下したり、或いは溶接強度に大きなバラツ
キが生ずる。このため、溶接やその強度の不良を招く。
特に、大量生産工程では溶接不良が連続的に生ずるおそ
れがある。これに対し、抵抗溶接部の接合強度を確保す
るために、例えば、被膜電線の先端部とターミナルの折
り曲げ部とのカシメ量を確保しようとすると、被膜電線
の先端部がつぶれて継手効率がさらに低下してしまう。
【0006】そこで、本発明は、以上のようなことに対
処すべく、被膜導電部材の抵抗溶接制御方法及びその装
置において、抵抗溶接にあたり、被膜剥離工程と溶接工
程を時を異にして別々に制御することにより安定した被
膜剥離と溶接強度を実現するように制御しようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するにあ
たり、請求項1に記載した発明は、抵抗溶接機の両電極
間に、溶接導電部材及び被膜導電部材からなる被溶接材
を介装し、この被溶接材に、前記両電極を介して加圧力
を加えるとともに溶接電流を通電し、これと同時に前記
被膜導電部材の被膜剥離の進行と関連して変化する溶接
条件を検知し、この溶接条件の検知信号に基づいて前記
被膜導電部材の被膜剥離が所定量に達したかどうかを判
定し、この判定に基づいて前記被膜剥離が所定量に達す
るまでの被膜剥離工程と、前配被膜剥離が所定量に達し
た後の溶接工程とで、それぞれの溶接条件を独立に制御
し、かつ前記溶接工程において前記電極間に投入された
電気エネルギーの総和が設定値に達したか否かを判断
し、当該設定値に達したときに前記通電と加圧を終了す
といった技術的手段を採用するものである。
【0008】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明によれば、被膜
剥離工程においては、前記被溶接材に対し加圧力が加え
られるとともに溶接電流が通電される。そして、この通
電は、被膜剥離の進行に関連して変化する溶接条件に基
づいて、被膜導電部材の被膜剥離が所定量に達するまで
継続される。続いて、被膜剥離工程から抵抗溶接工程に
移行する。抵抗溶接工程に移行後は、溶接電流の通電が
一時的に停止される、その後、溶接電流の通電が再開さ
れる。
【0009】このように、前記抵抗溶接機により被溶接
材を抵抗溶接するにあたり、この抵抗溶接制御を被膜剥
離工程と抵抗溶接工程とに時間的に分離して行われる。
その結果、安定した被膜剥離状態を実現できる。
【0010】
【課題を解決するための手段】さらに、請求項3に記載
した発明は、抵抗溶接機の両電極間に、溶接導電部材及
び被膜導電部材からなる被溶接材を介装し、この被溶接
材に、前記両電極を介して加圧力を加えるとともに溶接
電流を通電し、これと同時に前記被膜導電部材の被膜剥
離の進行と関連して変化する溶接条件を検知し、この溶
接条件の検知信号に基づいて前記被膜導電部材の被膜剥
離が所定量に達したかどうかを判定し、この判定に基づ
いて前記被膜剥離が所定量に達すると、前記通電を一時
的に停止するとともに、前記加圧力を低下させ、その
後、前記通電を再開して前記被膜導電部材の被膜剥離部
と前記溶接導電部材とを抵抗溶接し、かつこの溶接にお
いて前記電極間に投入された電気エネルギーの総和が設
定値に達したか否かを判断し、当該設定値に達したとき
前記通電と加圧を終了するといった技術的手段を採用
する。
【0011】
【発明の作用効果】請求項3記載の発明によれば、被膜
剥離工程においては、前記被溶接材に対し加圧力が加え
られるとともに溶接電流が通電される。そして、この通
電は、被膜剥離の進行に関連して変化する溶接条件に基
づいて、被膜導電部材の被膜剥離が所定量に達するまで
継続される。続いて、被膜剥離工程から抵抗溶接工程に
移行する。この移行後は、溶接電流の通電が一時的に停
止されるとともに加圧力を低下し、その後、溶接電流の
通電が再開される。ついで、この溶接において前記電極
に投入された電気エネルギーの総和が設定値に達した
か否かを判断し、当該設定値に達したときに抵抗溶接工
程を終了する。このように、前記抵抗溶接機により被溶
接材を抵抗溶接するにあたり、この抵抗溶接制御を被膜
剥離工程と抵抗溶接工程とに時間的に分離して行われ
る。その結果、安定した被膜剥離状態を実現できる。ま
た、この被膜剥離後、加圧力を低下させて、被膜導電部
材の被膜剥離部と前記被溶接導電部材との抵抗溶接を行
うので、この抵抗溶接が、被膜導電部材の過度の変形を
伴うことなく、安定した溶接強度及び高継手効率にて実
現され得る。その結果、被膜剥離不良や溶接不良を招く
ことなく、抵抗溶接機による被溶接材の抵抗溶接を、高
溶接品質でもって実現し得る。
【0012】
【課題を解決するための手段】さらに、請求項5に記載
した発明は、両電極およびこれら両電極を短絡する短絡
導体を備えてなる抵抗溶接機の前記両電極間に溶接導電
部材及び被膜導電部材からなる被溶接材を介装し、この
被溶接材に、前記両電極を介して加圧力を加えるととも
に、前記両電極および前記短絡導体に溶接電流を通電
し、前記被膜導電部材の被膜剥離を進行させ、これと同
時に前記被膜導電部材の被膜剥離の進行と関連して変化
する溶接条件を検知し、この溶接条件の検知信号に基づ
いて前記被膜導電部材の被膜剥離が所定量に達したかど
うかを判定し、この判定に基づいて前記被膜剥離が所定
量に達したと判定されると、前記通電を一時的に停止す
るとともに前記加圧力を上昇させ、その後、前記通電を
再開して前記被膜導電部材の被膜剥離部と前記溶接導電
部材とを抵抗溶接し、かつこの溶接において前記電極間
に投入された電気エネルギーの総和が設定値に達したか
否かを判断し、当該設定値に達したときに前記通電と加
圧を終了するようにするといった技術的手段を採用す
る。
【0013】
【発明の作用効果】請求項5記載の発明によれば、被膜
剥離工程においては、前記被溶接材に対し加圧力が加え
られるとともに、両電極および短絡導体に溶接電流が通
電される。そして、この通電は、被膜剥離の進行に関連
して変化する溶接条件に基づいて、被膜導電部材の被膜
剥離が所定量に達するまで継続される。被膜導電部材の
被膜剥離が所定量に達し、被膜剥離工程が終了される
と、抵抗溶接工程に移行する。抵抗溶接工程に移行した
後は、溶接電流の通電が一時的に停止されるとともに加
圧力を上昇させ、その後、溶接電流の通電が再開され
る。ついで、この溶接において前記電極間に投入された
電気エネルギーの総和が設定値に達したか否かを判断
し、当該設定値に達したときに抵抗溶接工程を終了す
る。このように、前記抵抗溶接機により被溶接材を抵抗
溶接するにあたり、この抵抗溶接制御を被膜剥離工程と
抵抗溶接工程とに時間的に分離して行われる。その結
果、安定した被膜剥離状態を実現できる。また、この被
膜剥離後、加圧力を上昇させて、被膜導電部材の被膜剥
離部と前記被溶接導電部材との抵抗溶接を行うので、こ
の抵抗溶接が、被膜導電部材の過度の変形を伴うことな
く、安定した溶接強度及び高継手効率にて実現され得
る。その結果、被膜剥離不良や溶接不良を招くことな
く、抵抗溶接機による被溶接材の抵抗溶接を、高溶接品
質でもって実現し得る。
【0014】
【課題を解決するための手段】さらに、請求項11に記
載した発明は、抵抗溶接機の両電極間に介装した溶接導
電部材及び被膜導電部材からなる被溶接材に前記両電極
を介し、加圧力を付与する加圧力付与手段と、前記被膜
導電部材に溶接電流を前記両電極に通電する通電手段
と、前記被膜導電部材の被膜剥離の進行に伴って変化す
る溶接条件を検知する検知手段と、この検知手段によっ
て検知される溶接条件が極値に達した旨判定する第1判
定手段と、この第1判定手段の判定後、前記溶接条件が
極値より所定値変化したとき前記被膜導電部材の被膜剥
離が所定量に達した旨判定する第2判定手段と、この第
2判定手段の判定に伴い、前記通電手段の通電を一時的
に停止するとともに、前記加圧力付与手段による付与加
圧力を低下させるように制御する第1制御手段と、この
第1制御手段による加圧力制御後、前記被膜導電部材の
被膜剥離部と前記溶接導電部材とを抵抗溶接させるよう
に前記通電手段による通電を再開するとともに、この溶
接において前記電極間に投入された電気エネルギーの総
和が設定値に達したか否かを判断し、当該設定値に達し
たときに前記通電手段による通電と前記加圧力付与手段
による加圧力付与を終了するように制御する第2制御手
段とを設けるといった技術的手段を採用する。
【0015】
【発明の作用効果】 請求項11記載の発明によれば、請
求項3記載の発明と実質的に同様な作用効果を達成し得
る装置を提供し得る。
【0016】
【課題を解決するための手段】さらに、請求項12に記
載した発明は、両電極及びこれら両電極を短絡する短絡
導体を備えてなる抵抗溶接機の前記両電極間に介装され
た溶接導電部材及び被膜導電部材からなる被溶接材に前
記両電極を介して前記被膜導電部材の被膜剥離に必要な
加圧力を付与する加圧力付与手段と、前記被膜導電部材
に溶接電流を前記両電極及び短絡導体に通電する通電手
段と、前記被膜導電部材の被膜剥離の進行に伴って変化
する溶接条件を検知する検知手段と、この検知手段によ
って検知された溶接条件が極値に達した旨判定する第1
判定手段と、この第1判定手段の判定後、前記溶接条件
が極値より所定値変化したとき前記被膜導電部材の被膜
剥離が所定量に達した旨判定する第2判定手段と、この
第2判定手段の判定に伴い、前記通電手段の通電を一時
的に停止するとともに、前記加圧力付与手段による付与
加圧力を上昇させるように制御する第1制御手段と、こ
の第1制御手段による加圧力制御後、前記被膜導電部材
の被膜剥離部と前記溶接導電部材とを抵抗溶接させるよ
うに前記通電手段による通電を再開するとともに、この
溶接において前記電極間に投入された電気エネルギーの
総和が設定値に達したか否かを判断し、当該設定値に達
したときに前記通電手段による通電と前記加圧力付与手
段による加圧力付与を終了するように制御する第2制御
手段とを設けるといった技術的手段を採用する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1実施例につき図面により
説明すると、図1は二電極式抵抗溶接機Mに本発明が適
用された例を示している。この二電極式抵抗溶接機M
は、互いに上下に対向して配置された上部電極10及び
下部電極20(共にタングステン等からなる)を備えて
おり、上部電極10は、その加圧面11により、下部電
極20の載置面21上に載置したターミナル30aと被
膜電線30bとからなる被溶接材30を下方に向け加圧
するとともに、被溶接材30を介する上部電極10から
下部電極20への溶接電流に応じ被溶接材30に抵抗溶
接を施すようになっている。被溶接材30のターミナル
30a(請求項における溶接導電部材)は銅合金や銅等
の材料により形成されており、このターミナル30aの
先端部31はU字形状に折り曲げられて折り曲げ部とし
て形成されている。また、被膜電線30b(請求項にお
ける被膜導電部材)は、電線32を、ポリエステル等の
絶縁材料からなる被膜33により、環状に被膜して形成
されており、この被膜電線30bの先端部は、抵抗溶接
にあたり、図1で示すごとく、ターミナル30aのU字
形状の折り曲げ部31内にこれに直交して挿入されてい
る。
【0018】次に、抵抗溶接機Mによる抵抗溶接のため
の制御装置Eの構成について説明する。この制御装置E
は、エアシリンダ40と、比例制御弁50とを備えてお
り、エアシリンダ40は、空圧源50aから比例制御弁
50を介し圧送される空気流に応じ、上部電極10を下
動させてターミナル30aの折り曲げ部31に図1にて
図示上方から加圧力を加えるようになっている。比例制
御弁50は、後述する加圧力制御回路150による比例
制御に基づく弁開度に応じ、空圧源50aからエアシリ
ンダ40への空気流の圧送量を制御する。溶接電源60
は、各電源導線61、62を介し上部電極10及び下部
電極20にそれぞれ接続されており、この溶接電源60
は、電源導線61、上部電極10、被溶接材30及び下
部電極20を通し、60(Hz)にて正弦波の溶接電流
を流すようになっている。かかる場合、溶接電源60
は、リレーコイルRyと常開型リレースイッチYとから
なるリレー60aを有しており、このリレー60aは、
リレーコイルRyの励磁によるリレースイッチYの閉成
に伴い溶接電源60から溶接電流を出力させ、一方、リ
レーコイルRyの消磁によるリレースイッチYの開成に
伴い溶接電源60からの溶接電流の出力を停止させる。
【0019】溶接電流検出回路70は、電流検出コイル
71と、電流検出部72とにより構成されており、電流
検出コイル71は、電源導線62を流れる溶接電流(以
下、溶接電流Iという)を検出し同溶接電流の微分波形
を有する微分検出信号として発生する。電流検出部72
は積分回路と増幅器とからなるもので、この電流検出部
72は電流検出コイル71からの微分検出信号を前記積
分回路により積分しこの積分結果を前記増幅器により増
幅し検出溶接電流として出力する。電圧検出回路80
は、上部電極10と下部電極20との間に生ずる電極間
電圧(以下、電極間電圧Vという)を検出し増幅して電
極間検出電圧として発生する。変位量検出回路90は、
差動変圧器91と、増幅器を有する電極変位量検出部9
2とを備えており、差動変圧器91は、そのアーム91
aにて上部電極10に連結されている。しかして、この
変位量検出回路90は、上部電極10の上動端からの下
動量に相当するアーム91aの下動量を、差動変圧器9
1により検出し、これを電極変位量検出部92により電
極変位量(以下、電極変位量Xという)として増幅出力
する。
【0020】演算処理回路100は、その作動に伴い、
被膜電線30bの被膜剥離に要する値に、被溶接材30
への加圧力Pを上昇させるための演算処理をし、この加
圧力Pの上昇終了に伴い溶接電源60から溶接電流Iを
出力させるに要する演算処理をする。その後、演算処理
回路100は、サンプリングタイミングサイクル毎に、
溶接電流検出回路70からの検出溶接電流及び電圧検出
回路80からの電極間検出電圧に基づきこれらの各実効
値IRMS及びVRMSを演算し、これら両実効値IRMS及び
VRMSに基づき上部電極10と下部電極20との間の電
極間抵抗R(=VRMS/IRMS)を演算するとともに、こ
れら各電極間抵抗Rのうちの連続する両電極間抵抗毎に
比較し各両比較電極抵抗のうちの小さい方を順次選択
し、これら各選択電極間抵抗Rにそれぞれ対応する変位
量検出回路90からの電極変位量Xを選択する。
【0021】また、演算処理回路100は、最新の選択
電極間抵抗Rの最小値への到達に伴い、同最新の選択電
極間抵抗Rを最小抵抗Rmin と決定し、かつ、この最小
抵抗Rminに対応する最新の電極変位量Xを最小変位量
Xminと決定し、以後、サンプリングタイミングサイク
ル毎に、最小抵抗Rminからの立ち上がり抵抗RUを電極
間抵抗Rに基づき演算し、最小変位量Xmin を基準とし
て、その後の変位量検出回路90からの電極変位量Xを
電極変位量Xとして演算し直す。立ち上がり抵抗設定回
路110は、後述の立ち上がり抵抗RUOを設定する。電
極変位量設定回路120は、後述の電極変位量Xoを設
定する。
【0022】ところで、上述のように演算処理回路10
0における演算処理にあたり電極間抵抗R、電極変位量
X、最小抵抗Rmin及び各立ち上がり抵抗RUの概念を導
入した根拠、立ち上がり抵抗設定回路110における設
定立ち上がり抵抗RUO及び電極変位量設定回路120に
おける設定電極変位量Xo の各概念を導入した根拠につ
いて説明する。本発明者等が、被膜電線とターミナルと
の抵抗溶接にあたり、種々の実験を繰り返したところ、
以下に述べるような抵抗溶接を行えば、上述の不具合を
解消して、抵抗溶接品質の信頼性を、大幅に向上させ得
ることが分かった。まず、被膜電線とターミナルとの良
好な抵抗溶接品質が得られる時の上下両電極間抵抗(即
ち、電極間抵抗R)が抵抗溶接過程においてどのような
変化をするかにつき調べたところ、この電極間抵抗R
は、図2の特性曲線La の図示左側半分部分及び図3に
て示すように下方に向けて凸な変化傾向を示すととも
に、最小抵抗Rmin を有することが分かった。かかる場
合、電極間抵抗Rが最小抵抗値Rmin に達した後増大す
るのは次の理由による。通電開始後加圧の進行に伴う上
部電極とターミナルとの間の接触面積の増大による接触
抵抗減少によって電極間抵抗Rが減少する。電極間抵抗
Rの最小抵抗値Rmin への減少に伴い両電極10、20
の通電電流が増大し、両電極10、20の温度が上昇し
てこれら両電極10、20の各内部抵抗が増大し電極間
抵抗Rが最小抵抗値Rmin から増大して行く。これが、
電極間抵抗Rが最小抵抗Rminへの到達後増大する理由
である。
【0023】また、電極間抵抗Rが最小抵抗Rmin をと
るとき、図3にて示すように上下両電極間の導通度合い
が急増することから、溶接ではなく、被膜電線の被膜の
剥離がR=Rmin で開始されることも分かった。このこ
とから、抵抗溶接にあたり、被膜剥離工程と溶接工程と
が分離できることも分かった。また、電極間抵抗Rが最
小抵抗Rminに減少した後増大する度合いを、図2の特
性曲線Laにて示すごとく、立ち上がり抵抗RUで表す
と、この立ち上がり抵抗RUは被膜電線の被膜剥離率と
密接な相関性をもつことが図4に示すごとく判明した。
以上のことから、立ち上がり抵抗RUが予め設定した値
RUO (所要被膜剥離率を確保する値をいう)に増大す
るまで溶接電流を流せば、被膜電線の被膜剥離状態を常
に安定したバラツキのない状態で実現できることが分か
る。かかる現象は、電極間抵抗Rの最小抵抗Rmin への
到達時期からの投入熱量(溶接電流の二乗×電極間抵抗
×時間)で制御しても同様に得られる。
【0024】また、溶接工程では、被膜電線のつぶれ度
合いを適正にして継手効率の向上と安定的な溶接強度を
確保するにあたり、被膜電線のつぶれ度合いと継手効率
との関係を実験により種々の検討を加えてみたところ、
立ち上がり抵抗RU が上述のような設定立ち上がり抵抗
値RUOに達した時以後において、溶接電流の通電を一時
的に中止して冷却期間をおき、上部電極を介するターミ
ナル及び被膜電線への加圧力(即ち、加圧力P)を図2
の特性曲線Lc にて示すごとく低下させるように制御し
て両電極と被溶接材との電気的接触抵抗を高めつつ抵抗
発熱量を増大させ、被膜電線のつぶれ度合いを減少させ
つつ抵抗溶接を促進させ、かつ、被膜剥離が開始するR
=Rmin の成立時に対応する上部電極の下方への変位量
から上部電極にて予め設定した電極変位量Xo(図2の
特性曲線Lb参照)に到達したとき、溶接電流の通電を
終了させれば、継手効率の向上と安定した溶接強度を実
現できることが分かった。
【0025】比較判定回路130は、その作動に伴い、
比例制御弁50の弁開度を、被膜電線30bの被膜剥離
に必要な加圧力Pの値まで増大させるように加圧力制御
回路150に指令し、その後、溶接電源60から溶接電
流Iを出力させるように電流制御回路140に指令す
る。また、比較判定回路130は、演算処理回路100
からの各立ち上がり抵抗RU を立ち上がり抵抗設定回路
110からの立ち上がり抵抗RUOと比較して、RU=RU
O の成立により、溶接電流Iの一時的な通電停止が必要
である旨及び被溶接材30への加圧力Pを低下させる必
要がある旨判定する。また、比較判定回路130は、演
算処理回路100による加圧力Pの低下処理に伴う所定
時間(予め実験により定めてある)経過後の加圧力Pの
安定に伴い、溶接電流Iの通電を再開させるように電流
制御回路140に指令し、演算処理回路100からの電
極変位量Xを変位量設定回路120からの設定電極変位
量Xo と比較して、X=Xo の成立時に溶接電流Iの通
電を終了すべき旨及び被溶接材30への加圧を終了すべ
き旨判定する。
【0026】電流制御回路140は、比較判定回路13
0からの溶接電流Iの通電指令、一時的な通電停止の旨
の判定、通電再開の判定、通電終了の判定に応答して溶
接電源60からの溶接電流Iの出力、溶接電流Iの出力
の一時的停止、溶接電流Iの出力の再開及び溶接電流I
の出力の終了を実現するように溶接電源60を制御す
る。また、加圧力制御回路150は、比較判定回路13
0からの加圧力Pの上昇指令、低下指令及び終了指令に
応答して、比例制御弁50の弁開度を、増大、減少及び
零にするように同比例制御弁50を制御する。
【0027】このように構成した本第1実施例におい
て、被溶接材30が、図1にて示すごとく、抵抗溶接機
Mの上部電極10の加圧面11下にて下部電極20の載
置面21上に載置されているものとする。このとき、被
溶接材30に対する加圧力P及び溶接電源60からの溶
接電流は共に零であるとする。しかして、被溶接材30
の抵抗溶接にあたり、制御装置Eを図2の時間t=t0
にて作動状態におけば、演算処理回路100が、被膜電
線30bの被膜剥離に要する値に加圧力Pを上昇させる
ための演算処理をし、これに伴い、比較判定回路130
が、比例制御弁50の弁開度を加圧力Pの被膜剥離値に
対応する値にするに要する指令を加圧力制御回路150
に出力する。このため、加圧力制御回路150が、比例
制御弁50の弁開度を制御して、空圧源50aからの空
気流をエアシリンダ40に圧送し、かつ、このエアシリ
ンダ40が比例制御弁50からの空気流に応じ上部電極
10を下動させて被溶接材30に加圧力Pを被膜剥離に
要する値として加え始める。このとき、変位量検出回路
90が、上部電極10の電極変位量X(図2のt=t0
参照)を検出して出力する。
【0028】ついで、加圧力Pの上昇に伴い図2にて時
間t=t1 に達すると、演算処理回路100が、溶接電
源60から溶接電流Iを出力させるに要する演算処理を
し、これに伴い比較判定回路130が、溶接電源60か
ら溶接電流Iを出力させる指令を電流制御回路140に
出力する。このため、リレー60aが、電流制御回路1
40による制御のもとに、そのリレーコイルRyにて励
磁されてリレースイッチYを閉成し、これに応答して、
溶接電源60が、溶接電流Iを、電源導線61、上部電
極10、被溶接材30、下部電極20及び電源導線62
を通し通電し始める(図2にて符号Ld 参照)。このと
き、溶接電流Iは、溶接電流検出回路70により検出さ
れる(図2参照)とともに、上部電極10と下部電極2
0との間の電極間電圧Vは電圧検出回路80により検出
される。
【0029】上述のような溶接電流Iの出力演算処理
後、演算処理回路100が、サンプリングタイミングサ
イクル毎に、溶接電流検出回路70からの検出溶接電流
及び電圧検出回路80からの検出電極間電圧に基づきこ
れらの各実効値IRMS及びVRMSを演算し、これら各実効
値IRMS及びVRMSに基づき上部電極10と下部電極20
との間の電極間抵抗Rを演算し、これら各電極間抵抗R
のうちの連続する両電極間抵抗R毎に比較して各両電極
間抵抗のうちの小さい方を順次選択し、これら各選択電
極間抵抗Rにそれぞれ対応する変位量検出回路90から
の電極変位量Xを選択する。かかる場合、図2にて示す
ごとく、電極変位量X及び電極間抵抗Rがt=t1 から
共に減少し始める。このことは、被膜電線30aの被膜
33の剥離工程が開始されたことを意味する。
【0030】このような過程において、図2のt=t2
にて示すごとく、最新の選択電極間抵抗Rが直前の選択
電極間抵抗Rと一致することによって最小値に達する
と、演算処理回路100が、同最新の選択電極間抵抗R
を最小抵抗Rmin と決定し、かつ、この最小抵抗Rmin
に対応する最新の電極変位量Xを最小変位量Xminと決
定する。以後、演算処理回路100が、サンプリングタ
イミングサイクル毎に、最小抵抗Rminからの立ち上が
り抵抗RUを電極間抵抗Rに基づき演算し、最小変位量
Xmin を基準とし、その後の変位量検出回路90からの
電極変位量Xを電極変位量Xとして演算し直す。
【0031】然る後、図2の時間t=t3にて、最新の
立ち上がり抵抗RUが設定回路110にて設定され、
ち上がり抵抗RUOに達すると、比較判定回路130が、
RU=RUOの成立と判定し、溶接電流Iの一時的な通電
停止を必要とする旨、及び被溶接材30に対する加圧力
Pを被膜剥離値から低下させる必要がある旨を判定す
る。すると、電流制御回路140が、比較判定回路13
0からの溶接電流Iの一時的な通電停止の旨の判定に応
答して、リレー60aのリレーコイルRyを一時的に消
磁するように制御する。このため、リレー60aがその
リレースイッチYを一時的に開成して溶接電源60から
の溶接電流Iの出力を一時的に停止させる。これによ
り、電極間抵抗Rの増大が一時的に停止する(図2にて
t=t3〜t4参照)。また、加圧力制御回路150が、
比較判定回路130からの加圧力Pを低下させる旨の判
定に応答して比例制御弁50をその弁開度を減少させる
ように制御する。このため、比例制御弁50からエアシ
リンダ40への空気流の圧送量が減少し、上部電極10
の下動が停止し、電極変位量Xの減少が停止し、かつ被
溶接材30への加圧力Pが低下する(図2にてt=t3
〜t4参照)。
【0032】時間t=t4 にて加圧力Pの低下が完了し
て前記所定時間の経過後、演算処理回路100における
最新の検出変位量Xに基づき加圧力Pが安定すると、比
較判定回路130が溶接電流Iの通電を再開させる旨の
判定をし、これに伴い電流制御回路140がリレー60
aのリレーコイルRyを再度励磁させるように制御す
る。このため、リレー60aが、そのリレースイッチY
を閉成し、これに応答して、溶接電源60が、溶接電流
Iを、再び、電源導線61、上部電源10、被溶接材3
0、下部電源20及び電源導線62を通して通電する。
このことは、被膜剥離確保後の被溶接材30の溶接工程
に移行したことを意味する。
【0033】このような状態においては、上述のような
加圧力Pの低下安定下にて、被膜電線30bにおいて被
膜の剥離後の電線32の先端部とターミナル30aとの
溶接が進行し、演算処理回路100における電極間抵抗
Rが図2にて示すごとく直線的に増大する一方、電極変
位量Xが同図にて示すごとく直線的に減少していく。然
る後、時間t=t5にて演算処理回路100における電
極変位量Xが設定電極変位量Xoに達すると、比較判定
回路130が、演算処理回路100及び電極変位量設定
回路120との協働によりX=Xoの成立と判定し、溶
接電流Iの通電を停止させる旨の判定をするとともに、
被溶接材30への加圧も停止させる旨の判定をする。つ
いで、リレー60aが、比較判定回路130の溶接電流
Iの通電停止の判定に応答して電流制御回路140によ
り、そのリレーコイルRyにて消磁されてリレースイッ
チYを開成し溶接電源60からの溶接電流Iの出力を終
了させる。また、比例制御弁50が比較判定回路130
の加圧停止の判定に応答して加圧制御回路150により
制御されて閉弁しエアシリンダ40を介する上部電極2
0への空気流の圧送を終了する。このとき、電極間抵抗
Rは一定となっている(図2参照)。このことは、溶接
工程において電極間に投入された電気エネルギーの総和
が設定値になったときに上部電極20への空気流の圧送
を終了することを意味する。
【0034】以上説明したように、本第1実施例におい
ては、被膜剥離工程において、被溶接材30にその被膜
電線30bの被膜剥離に必要な値にて加圧力Pを加える
とともに同被溶接材30に溶接電流Iを通電し、電極間
抵抗Rの最小抵抗Rmin への到達後立ち上がり抵抗RU
の設定立ち上がり抵抗RUO への増大時まで継続する。
そして、RU=RUO の成立時に被膜剥離工程を終了して
溶接工程に移行し、通電電流Iの通電を一時的に停止す
るとともに加圧力Pを低下させ、その後の加圧力Pの安
定に伴い溶接電流Iの通電を再開し、電極変位量Xの設
定変位量Xo への到達時に溶接工程を終了するようにし
た。従って、抵抗溶接機Mにより被溶接材30を抵抗溶
接するにあたり、この抵抗溶接制御を被膜剥離工程と抵
抗溶接工程とに時間的に分離して行い、RU=RUO の成
立時に被膜剥離を完了するので、安定した被膜剥離状態
を実現できる。また、この被膜剥離後の加圧力Pの低下
のもとでの溶接工程を通じ電線33の先端部とターミナ
ル30aとの抵抗溶接を行うので、この抵抗溶接が、電
線33の過度のつぶれを伴うことなく、安定した溶接強
度及び高継手効率にて実現され得る。その結果、被膜剥
離不良や溶接不良を招くことなく、抵抗溶接機Mによる
被溶接材30の抵抗溶接を、高溶接品質でもって確保し
得る。
【0035】因みに、本第1実施例による抵抗溶接品質
と従来の抵抗溶接品質とを比較実験したところ、図5に
て示すような結果が得られた。これによれば、図5にて
示すような確認条件を前提として、被溶接材30の溶接
部断面は、従来に比べて1.2倍に増大したので、本発
明での電線のつぶれが従来に比べかなり抑制できること
がわかる。また、図5にて示すように引張り強度が従来
に比べ安定的に増大しているので、本発明での溶接強度
(引張りせん断強度に対応)も従来に比べ安定して増大
していることが分かる。また、図5にて示すように、従
来に比べ、本発明の方が強度不良や剥離不良による溶接
不良率も著しく減少したことが分かる。
【0036】次に、本発明の第2実施例を図面により説
明すると、この第2実施例においては、前記第1実施例
にて述べた抵抗溶接機M及び制御装置Eに代えて、図6
にて示すごとく、三電極式抵抗溶接機Ma及び制御装置
Eaを採用し、被溶接材30に代えて、被溶接材30A
を抵抗溶接するようにしたことにその構成上の特徴があ
る。抵抗溶接機Maは、前記抵抗溶接機Mにおいて、上
部電極10の下端周壁部に固着した中間電極10a及び
この中間電極10aと下部電極20とを短絡する短絡導
体10bを付加した点を除き、同抵抗溶接機Mと実質的
に同様の構成を有する。被溶接材30Aは、前記被溶接
材30においてターミナル30aに代えてターミナル3
0cを採用し、このターミナル30cを下部電極20の
載置面上に載置するとともに、被膜電線30bの先端部
を上部電極10の加圧面によりターミナル30c上に直
接加圧するようにした点を除き、被溶接材30と実質的
に同様の構成を有する。なお、溶接電流が上部電極10
に流入すると、この溶接電流は、被膜電線30bの被膜
による絶縁性のため、短絡導体10bを通り下部電極2
0に流入し、被膜剥離に伴い、被溶接材30Aを通り主
電流Im として下部電極20に流入する。
【0037】制御装置Eaは、前記第1実施例にて述べ
た電流検出回路70に加え、電流検出回路70Aを有し
ており、この電流検出回路70Aは、下部電極20を流
れる主電流Im を電流検出コイル73により検出し、こ
の検出結果を主電流検出部74により検出主電流として
検出増幅するようになっている。また、制御装置Eaは
演算処理回路100Aを有しており、この演算処理回路
100Aは、その作動に伴い、被溶接材30Aへの加圧
力Pを被膜電線30bの被膜剥離に要する値に上昇させ
るための演算処理をし、この加圧力Pの上昇終了に伴い
溶接電源60から溶接電流Iを出力させるに要する演算
処理をする。
【0038】その後、演算処理回路100Aは、サンプ
リングタイミングサイクル毎に、溶接電流検出回路70
からの検出溶接電流及び電圧検出回路80からの電極間
検出電圧に基づきこれらの各実効値IRMS及びVRMSを演
算し、これら両実効値IRMS及びVRMSに基づき上部電極
10と下部電極20との間の電極間抵抗R(=VRMS/
IRMS)を演算するとともに、これら各電極間抵抗Rの
うちの連続する両電極間抵抗毎に比較し各面電極間抵抗
のうちの大きい方を順次選択する。また、演算処理回路
100Aは、最新の選択電極間抵抗Rのその直前の選択
電極間抵抗Rとの一致による最大値への到達に伴い、同
最新の選択電極間抵抗Rを最大抵抗Rmaxと決定し、以
後、サンプリングタイミングサイクル毎に、電流検出回
路70Aからの検出主電流に基づき実効値IMRMSを演算
し、この各実効値IMRMSの二乗と電極間抵抗Rとの積の
時間的積分によリ投入パワーPW(すなわち溶接工程に
おいて電極間に投入された電気エネルギーの総和)とし
て演算処理し、かつ最大抵抗Rmaxからの立ち下がリ抵
抗RLを電極間抵抗Rに基づき演算する。立ち下がリ抵
抗設定回路110Aは、後述する立ち下がり抵抗RLo
を設定する。投入パワー設定回路120Aは、後述する
所定パワーPWoを設定する。
【0039】ところで、上述のように演算処理回路10
0Aにおける演算処理にあたり電極間抵抗R、最大抵抗
Rmax、投入パワーPW及び各立ち下がり抵抗RLの概念
を導入した根拠、立ち下がり抵抗設定回路110Aにお
ける設定立ち下がり抵抗RLO及び投入パワー設定回路1
20Aにおける設定投入パワーPWo の各概念を導入し
た根拠について説明する。三電極式抵抗溶接機Maによ
る被膜電線とターミナルとの抵抗溶接にあたり、溶接電
流、通電時間や加圧力等の溶接条件が固定されているた
め、被膜剥離時間や溶接時間が変動して溶接強度不良や
溶接スパーク不良が生ずる。本発明者等は、種々の実験
を繰り返したところ、被膜剥離に伴い主電流Im が流れ
ると電極間抵抗が減少するという現象を有効に活用し、
以下に述べるようにして抵抗溶接を行えば、上述の不具
合を解消して、抵抗溶接品質の信頼性を大幅に向上させ
得ることが分かった。即ち、被膜電線とターミナルとの
良好な抵抗溶接品質が得られる時の電極間抵抗Rが抵抗
溶接過程においてどのような変化をするかにつき調べた
ところ、この電極間抵抗Rは、図7の特性曲線Leの図
示左側半分部分にて示すように上方に向けて凸な変化傾
向を示すとともに、最大抵抗Rmaxを有することが分か
った。
【0040】かかる場合、電極間抵抗Rが最大抵抗Rma
xに向けて増大し同最大抵抗Rmaxへの到達後減少するの
は次の理由による。両電極10、20と中間電極10a
及び短絡導体10bへの通電初期には、被膜電線の被膜
との関連で溶接電流が主として中間電極10a及び短絡
導体10bを流れるため、両電極10、20の温度が低
い。従って、両電極10、20の各内部抵抗が小さく電
極間抵抗Rも小さい。その後、被膜剥離及び加圧の進行
に伴い短絡導体10bを流れる電流が減少し両電極1
0、20を流れる電流が増大すると、両電極10、20
の温度が上昇してその各内部抵抗も増大し電極間抵抗R
も増大する。そして、電極間抵抗Rの最大抵抗Rmax へ
の到達に伴う被膜剥離後は、中間電極10a及び短絡導
体10bと両電極10、20及び電線部との並列回路の
形成により、電極間抵抗Rが減少する。以上が、電極間
抵抗Rが最大抵抗Rmax への到達後減少する理由であ
る。また、被膜電線の被膜の剥離がR=Rmax で開始さ
れることは、電極間抵抗Rが最大抵抗Rmaxをとると
き、図7にて符号Lfで示すように主電流Im が流れる
ことから理解される。このことから抵抗溶接にあたり、
被膜剥離工程と溶接工程とが分離できることも分かっ
た。
【0041】また、電極間抵抗Rが最大抵抗Rmax に増
大した後減少する度合いを、図7の特性曲線Leにて示
すごとく、立ち下がり抵抗RLで表すと、この立ち下が
り抵抗RL は被膜電線の被膜剥離面積と密接な相関性を
もつことが図8に示すごとく判明した。以上のことか
ら、立ち下がり抵抗RL が予め設定した値RLO(所要被
膜剥離面積を確保する値をいう)に減少するまで溶接電
流を流せば、被膜電線の被膜剥離状態を常に安定したバ
ラツキのない状態で実現できることが分かった。
【0042】また、溶接工程では、被膜電線のつぶれ度
合いを適正にして継手効率の向上と安定的な溶接強度を
確保するにあたり、被膜電線のつぶれ度合いと継手効率
との関係を実験により種々の検討を加えてみたところ、
立ち下がり抵抗RL が上述のような設定立ち下がり抵抗
値RLOに達した時以後において、溶接電流の一時的通電
停止により冷却期間をおき、上部電極を介する被膜電線
及び被膜電線への加圧力Pを図7の特性曲線Lg にて示
すごとく 上昇させ、かつ、被膜剥離が終了するRL=
RLOの成立時に対応する投入パワーPWから、予め設定
した投入パワーPWo (図9にて示すごとく、電線32
とターミナルとの安定溶接強度に対応する接合部面積を
確保するのに必要な値)に到達したとき、溶接電流の通
電を停止させれば、接触面積を増大させて、接触抵抗を
減少させ、それによって発熱量を抑えることができる。
このように、短時間で溶接を行うので、電線の軟化を抑
制でき、最終的には被膜電線のつぶれを防止することが
でき、継手効率の向上(図10参照)と安定した溶接強
度を実現できることが分かった。
【0043】比較判定回路130Aは、その作動に伴
い、比例制御弁50の弁開度を、被膜電線30bの被膜
剥離に必要な加圧力Pの値まで上昇させるように加圧力
制御回路150に指令し、その後、溶接電源60から溶
接電流Iを出力させるように電流制御回路140に指令
する。また、比較判定回路130Aは、演算処理回路1
00Aからの各立ち下がり抵抗RL を立ち下がり抵抗設
定回路110Aからの立ち下がり抵抗RLOと比較して、
RU=RLO の成立により、溶接電流Iの一時的な通電停
止が必要である旨及び被溶接材30Aへの加圧力Pを上
昇させる必要がある旨判定する。また、比較判定回路1
30Aは、演算処理回路100Aによる加圧力Pの上昇
処理に伴う所定時間(加圧力の安定に要する時間)の経
過後の加圧力Pの安定に伴い、溶接電流Iの通電を再開
させるように電流制御回路140に指令し、演算処理回
路100Aからの各投入パワーPWを投入パワー設定回
路120Aからの設定投入パワーPWoと比較して、P
W=PWoの成立時に溶接電流Iの通電を終了すべき旨
及び被溶接材30Aへの加圧を終了すべき旨判定する。
その他の構成は前記第1実施例と実質的に同様である。
【0044】このように構成した本第2実施例におい
て、被溶接材30Aが、図6にて示すごとく、抵抗溶接
機Maの上部電極10の加圧面下にて下部電極20の載
置面上に載置されているものとする。このとき、被溶接
材30Aに対する加圧力P及び溶接電源60からの溶接
電流は共に零であるとする。しかして、被溶接材30A
の抵抗溶接にあたり、制御装置Eaを図7の時間t=t
0 にて作動状態におけば、演算処理回路100Aが、被
膜電線30bの被膜剥離に要する値に加圧力Pを上昇さ
せるための演算処理をし、これに伴い、比較判定回路1
30Aが、比例制御弁50の弁開度を加圧力Pの被膜剥
離値に対応する値にするに要する指令を加圧力制御回路
150に出力する。このため、加圧力制御回路150
が、比例制御弁50の弁開度を制御して、空圧源50a
からの空気流をエアシリンダ40に圧送し、かつ、この
エアシリンダ40が比例制御弁50からの圧送空気流に
応じ上部電極10を下動させて被溶接材30Aに加圧力
Pを被膜剥離値として加える。
【0045】ついで、加圧力Pの上昇に伴い図7にて時
間t=t1 に達すると、演算処理回路100Aが、溶接
電源60から溶接電流Iを出力させるに要する演算処理
をし、これに伴い比較判定回路130Aが、溶接電源6
0から溶接電流Iを出力させる指令を電流制御回路14
0に出力する。このため、リレー60aが、前記第1実
施例と同様にそのリレースイッチYを閉成し、これに伴
い、溶接電源60が溶接電流Iを電源導線61から上部
電極10に流入させる。すると、この流入溶接電流が、
被膜電線30bの被膜の絶縁性のため、中間電極10a
及び短絡導体10bを通り下部電極20に流入した後電
源導線62に流入する(図7にて符号Ld 参照)。この
とき、溶接電流Iは、溶接電流検出回路70により検出
されるとともに、上部電極10と下部電極20との間の
電極間電圧Vは電圧検出回路80により検出される。
【0046】上述のような溶接電流Iの出力演算処理
後、演算処理回路100Aが、サンプリングタイミング
サイクル毎に、溶接電流検出回路70からの検出溶接電
流及び電圧検出回路80からの電極間検出電圧に基づき
これらの各実効値IRMS及びVRMSを演算し、これら各実
効値IRMS及びVRMSに基づき上部電極10と下部電極2
0との間の電極間抵抗Rを演算し、これら各電極間抵抗
Rのうちの連続する両電極間抵抗R毎に比較し各両比較
電極間抵抗のうちの大きい方を順次選択する。かかる場
合、図7にて示すごとく、電極間抵抗Rがt=t1 から
増大し始める。これにより、被膜電線30bの被膜33
の剥離工程が開始される。
【0047】このような過程において、図7のt=t2
にて示すごとく、最新の選択電極間抵抗Rがその直前の
選択電極間抵抗Rに一致することにより最大値に達する
と、演算処理回路100Aが、同最新の選択電極間抵抗
Rを最大抵抗Rmax と決定する。このとき、被膜電線3
0bの被膜の剥離が開始されるため、上部電極10に流
入する溶接電流が、主電流Im として、被溶接材30A
を通り下部電極20に流入するようになる(図7参
照)。以後、演算処理回路100Aが、サンプリングタ
イミングサイクル毎に、電流検出回路70Aからの検出
主電流に基づき実効値IMRMSを演算し、この各実効値I
MRMSの二乗と電極間抵抗Rとの積の時間的積分により投
入パワーPWとして演算処理し、かつ、最大抵抗Rmax
からの立ち下がり抵抗RLを電極間抵抗Rに基づき演算
する。
【0048】然る後、図7の時間t=t3にて、最新の
立ち下がり抵抗RLが立ち下がり抵抗RLOに達すると、
比較判定回路130Aが、RL=RLO の成立と判定し、
溶接電流Iの一時的な通電停止を必要とする旨、及び被
溶接材30Aに対する加圧力Pを被膜剥離値から上昇さ
せる必要がある旨を判定する。すると、電流制御回路1
40が、比較判定回路130Aからの溶接電流Iの一時
的な通電停止の旨の判定に応答してリレー60aのリレ
ースイッチYを一時的に開成し、溶接電源60が溶接電
流Iの出力を一時的に停止させる。また、加圧力制御回
路150が、比較判定回路130Aからの加圧力Pを上
昇させる旨の判定に応答して比例制御弁50をその弁開
度を増大させるように制御する。このため、比例制御弁
50からエアシリンダ40への空気流の圧送量が増大
し、上部電極10が更に下動し、かつ被溶接材30Aへ
の加圧力Pが上昇する(図7にてt=t3〜t4参照)。
【0049】時間t=t4 にて加圧力Pの上昇が完了し
て前記所定時間の経過後、加圧力Pが安定すると、比較
判定回路130Aが溶接電流Iの通電を再開させる旨の
判定をし、これに伴い電流制御回路140がリレー60
aのリレースイッチYを再度閉成するようにリレー60
aを制御する。このため、溶接電源60が、溶接電流I
を、再び、主電流として、上部電源10及び被溶接材3
0Aを通して下部電源20に流入させる。これにより、
被膜剥離確保後の被溶接材30Aの溶接工程に移行した
こととなる。
【0050】このような状態においては、上述のような
加圧力Pの上昇安定下にて、被膜電線30bにおいて被
膜の剥離後の電線32の先端部とターミナル30cとの
溶接が進行する。然る後、時間t=t5 にて演算処理回
路100Aにおける投入パワーPWが設定投入パワーP
Wo に達すると、比較判定回路130Aが、演算処理回
路100A及び投入パワー設定回路120Aとの協働に
よりPW=PWo の成立と判定し、溶接電流Iの通電を
停止させる旨の判定をするとともに、被溶接材30Aへ
の加圧力付与も停止させる旨の判定をする。ついで、電
流制御回路140が溶接電源60が比較判定回路130
Aの溶接電流Iの通電停止の判定に応答しリレー60a
をそのリレースイッチYを開成するように制御して、溶
接電源60がその溶接電流Iの出力を終了する。また、
比例制御弁50が比較判定回路130Aの加圧力付与停
止の判定に応答して加圧制御回路150により制御され
て閉弁しエアシリンダ40を介する上部電極20への空
気流の圧送を終了する。
【0051】以上説明したように、本第2実施例におい
ては、被膜剥離工程において、被溶接材30Aにその被
膜電線30bの被膜剥離に必要な値にて加圧力Pを加え
るとともに溶接電流Iを短絡導体10bを通し通電し、
電極間抵抗Rの最大電極間抵抗Rmaxへの到達後立ち下
がり抵抗RLの設定立ち下がり抵抗RLOへの減少時まで
継続する。そして、RL=RLO の成立時に被膜剥離工程
を終了して溶接工程に移行し、溶接電流Iの通電を一時
的に停止するとともに加圧力Pを上昇させ、その後の加
圧力Pの安定に伴い溶接電流Iの通電を再開し、投入パ
ワーPWの設定投入パワーPWo への到達時に溶接工程
を終了するようにした。従って、抵抗溶接機Maにより
被溶接材30Aを抵抗溶接するにあたり、この抵抗溶接
制御を、前記第1実施例と同様に被膜剥離工程と抵抗溶
接工程に時間的に分離して行い、RL=RLO の成立時に
被膜剥離を完了するので、安定した被膜剥離状態を実現
できる。また、この被膜剥離後の加圧力Pの上昇下での
溶接工程を通じ電線32の先端部とターミナル30cと
の抵抗溶接を行うので、この抵抗溶接が、電線32の過
度の軟化を伴うことなく、安定した溶接強度及び高継手
効率で実現され得る。その結果、被膜剥離不良や溶接不
良を招くことなく、抵抗溶接機Maによる被溶接材30
Aの抵抗溶接を、高溶接品質でもって実現し得る。
【0052】次に、本発明の第3実施例について説明す
ると、この第3実施例においては、前記第1実施例にて
述べた制御装置Eに代えて、図11にて示すごとく、制
御装置Ebを採用したことにその構成上の特徴がある。
制御装置Ebは前記第1実施例にて述べた溶接電流検出
回路70及び電圧検出回路80にそれぞれ接続した各実
効値演算回路200、210を有しており、実効値演算
回路200は、溶接電流検出回路70に接続した絶対値
回路200aと、この絶対値回路200aに接続した二
乗平均化回路200bとによって構成されている。しか
して、絶対値回路200aは溶接電流検出回路70から
の検出溶接電流の絶対値をとり絶対値信号として発生す
る。二乗平均化回路200bは絶対値回路200aから
の絶対値信号の二乗平均化処理をし同二乗平均化結果か
ら実効値(前記第1実施例にて述べた溶接電流の実効値
IRMS に相当する)を演算し溶接電流実効値信号として
出力する。実効値演算回路210は、電圧検出回路80
に接続した絶対値回路210aと、この絶対値回路21
0aに接続した二乗平均化回路210bとによって構成
されている。しかして、絶対値回路210aは電圧検出
回路80からの電極間電圧Vの絶対値をとり絶対値信号
として発生する。二乗平均化回路210bは絶対値回路
210aからの絶対値信号の二乗平均化処理をし同二乗
平均化結果から実効値(前記第1実施例にて述べた電極
間電圧の実効値VRMS に相当する)を演算し電極間電圧
実効値信号として出力する。
【0053】また、制御装置Ebは、各実効値演算回路
200、210及び変位量検出回路90にそれぞれ接続
した各ローパスフィルタ220a、220b及び220
c(以下、各LPF220a、220b及び220cと
いう)を備えており、これら各LPF220a、220
b及び220cの遮断周波数Fcは、共に、60(H
z)に設定されている。しかして、LPF220aは、
実効値演算回路200の二乗平均化回路200bからの
溶接電流実効値信号の周波数成分のうち60(Hz)よ
りも高い周波数成分を除去し残余の周波数成分をフィル
タ電流信号として発生する。LPF220bは実効値演
算回路210の二乗平均化回路210bからの電極間電
圧実効値信号の周波数成分のうち60(Hz)よりも高
い周波数成分を除去し残余の周波数成分をフィルタ電圧
信号として発生する。また、LPF220cは変位量検
出回路90からの電極変位量出力の周波数成分のうち6
0(Hz)よりも高い周波数成分を除去し残余の周波数
成分をフィルタ変位量信号として発生する。
【0054】アナログマルチプレクサ230は、後述す
るマイクロコンピュータ250による制御のもとに、各
LPF220a、220b及び220cからのフィルタ
電流信号、フィルタ電圧信号及びフィルタ変位量信号を
順次選択してAーD変換器240に出力する。かかる場
合、LPF220aからのフィルタ電流信号がアナログ
マルチプレクサ230の第1チャンネル1chを通して出
力され、LPF220bからのフィルタ電圧信号がアナ
ログマルチプレクサ230の第2チャンネル2chを通し
て出力され、また、LPF220cからのフィルタ変位
量信号がアナログマルチプレクサ230の第3チャンネ
ル3chを通して出力される。A−D変換器240はアナ
ログマルチプレクサ230からのフィルタ電流信号、フ
ィルタ電圧信号及びフィルタ変位量信号を順次ディジタ
ル変換しディジタル電流信号、ディジタル電圧信号及び
ディジタル変位量信号として発生する。マイクロコンピ
ュータ250は、図12〜図14にて示すフローチャー
トに従いコンピュータプログラムをA−D変換器240
との協働により実行し、この実行中において、D−A変
換器260の制御に必要な演算処理をする。但し、上記
コンピュータプログラムはマイクロコンピュータ250
のROMに予め記憶されている。
【0055】D−A変換器260はマイクロコンピュー
タ250から後述のように出力される加圧力データをア
ナログ変換し加圧力出力信号として駆動回路270aに
出力する。駆動回路270aはD−A変換器260から
の加圧力出力信号に応答して比例制御弁50を、その弁
開度を同加圧力出力信号の値に相当する値にするように
駆動する。駆動回路270bはマイクロコンピュータ2
50から後述のように生ずる溶接電源60による通電を
表す通電出力信号に応答してリレー60aを、そのリレ
ーコイルRyを選択的に励磁するように駆動する。その
他の構成は前記第1実施例と同様である。
【0056】このように構成した本第3実施例におい
て、前記第1実施例と同様に、被溶接材30が図1にて
示すごとく抵抗溶接機Mの上部電極10の加圧面11下
にて下部電極20の載置面上21上に載置されているも
のとし、また、被溶接材30に対する加圧力P及び溶接
電源60からの溶接電流は共に零であるとする。しかし
て、被溶接材30の抵抗溶接にあたり、制御装置Ebを
作動状態におけば、マイクロコンピュータ250が図1
2〜図14のフローチャートに従いコンピュータプログ
ラムの実行をステップ300にて開始する。すると、マ
イクロコンピュータ250が、ステップ310にて、被
膜導線30bの被膜剥離に要する所定の初期加圧値(図
1にてt=t1 参照)に加圧力Pを設定し加圧力データ
として出力する。
【0057】すると、D−A変換器260がマイクロコ
ンピュータ250からの加圧力データをアナログ変換し
加圧力出力信号として出力し、これに応答して、駆動回
路270aが、比例制御弁50を、その弁開度を同加圧
力出力信号の値(前記初期加圧値)に相当する値にする
ように駆動する。このため、比例制御弁50が、その弁
開度に応じて空圧源50aからの空気流をエアシリンダ
40に圧送し、かつ、このエアシリンダ40が、比例制
御弁50からの空気流に応じて上部電極10を下動さ
せ、加圧力P(=前記初期加圧値)を被膜剥離に必要な
値として被溶接材30に加え始める。このとき、変位量
検出回路90が、上部電極10の電極変位量X(図2の
t=t0参照)を検出して出力する。
【0058】ついで、マイクロコンピュータ250が、
ステップ310aにて、溶接電源60による通電を開始
させるに必要な演算処理をして通電出力信号を出力する
と、駆動回路270bがリレー60aのリレーコイルR
yを励磁する。このため、リレー60aがそのリレース
イッチYを閉成し、これに応答して溶接電源60が、溶
接電流Iを、電源導線61、上部電極10、被溶接材3
0、下部電極20及び電源導線62を通して通電する。
このとき、溶接電流Iは溶接電流検出回路70により検
出されるとともに、上部電極10と下部電極20との間
の電極間電圧Vは電圧検出回路80により検出される。
【0059】このようにステップ310aにおける演算
処理が終了すると、マイクロコンピュータ250が、ス
テップ320にて、アナログマルチプレクサ230の第
1チャンネル1chを選択し、これに応答してアナログマ
ルチプレクサ230が、その第1チャンネル1chを通し
てLPF220aからのフイルタ電流信号をA−D変換
器240に出力する。すると、このA−D変換器240
が同フィルタ電流信号をディタル変換しディジタル電流
信号としてマイクロコンピュータ250に出力する。こ
のため、マイクロコンピュータ250が、ステップ32
0aにて、同ディジタル電流信号の値を実効値IRMS と
してセットする。ついで、マイクロコンピュータ250
がステップ330にてアナログマルチプレクサ230の
第2チャンネル2chを選択すると、アナログマルチプレ
クサ230が、その第2チャンネル2chを通してLPF
220bからのフイルタ電圧信号をA−D変換器240
に出力する。
【0060】すると、このA−D変換器240が同フィ
ルタ電圧信号をディタル変換しディジタル電圧信号とし
てマイクロコンピュータ250に出力する。このため、
マイクロコンピュータ250が、ステップ330aに
て、同ディジタル電圧信号の値を実効値VRMS としてセ
ットする。さらに、マイクロコンピュータ250がステ
ップ340にてアナログマルチプレクサ230の第3チ
ャンネル3chを選択すると、アナログマルチプレクサ2
30が、その第3チャンネル3chを通してLPF220
cからのフイルタ変位量信号をA−D変換器240に出
力する。すると、このA−D変換器240が同フィルタ
変位量信号をディタル変換しディジタル変位量信号とし
てマイクロコンピュータ250に出力する。このため、
マイクロコンピュータ250が、ステップ340aに
て、同ディジタル変位量信号の値を電極変位量Xとして
セットする。
【0061】然る後、マイクロコンピュータ250が、
ステップ350にて、ステップ320aにおける実効値
IRMS及びステップ330における実効値VRMSに基づき
上部電極10と下部電極20との間の電極間抵抗Rを演
算し、この電極間抵抗Rがステップ300での初期抵抗
値Riniよりも大きいことに基づき「NO」と判別し、
かつステップ360aにて、ステップ350における電
極間抵抗Rを現段階での最小抵抗Rmin とセットし、以
後、ステップ320〜ステップ360aを循環する演算
を実質的に同様に繰り返す。なお、かかる過程では、前
記第1実施例と同様に、電極間抵抗R及び電極変位量X
が共に減少し始めるため、被膜電線30aの被膜33の
剥離工程が開始されたことになる。
【0062】このような繰り返しの演算処理過程におい
て、ステップ350における最新の電極間抵抗Rがその
直前のステップ360aにおける最小抵抗Rmin に一致
すると、マイクロコンピュータ250が、ステップ36
0にて「YES」と判別し、ステップ360bにて、同
最新の電極間抵抗Rを最小抵抗Rmin として一時的に記
憶し、かつ、ステップ360cにて、同最小抵抗Rmin
に対応するステップ340aでの最新の電極変位量Xを
最小変位量Xmin として決定し一時的に記憶する。
【0063】ついで、マイクロコンピュータ250が、
アナログマルチプレクサ230及びA−D変換器240
との協働により、各ステップ370、370a、38
0、380a及び390にて、上述の各ステップ32
0、320a、330、330a及び350における演
算と同様の演算処理をして、各実効値IRMS、VRMSのセ
ット及び電極間電圧Rの演算をする。然る後、マイクロ
コンピュータ250が、ステップ390aにて、ステッ
プ390での電極間抵抗Rとステップ360aでの最小
抵抗Rminとの差を演算して立ち上がり抵抗RUとセット
し、次のステップ400にて同立ち上がり抵抗RU を前
記第1実施例にて述べた設定立ち上がり抵抗値RUOと比
較判別する。但し、本第3実施例においては、設定立ち
上がり抵抗値RUOはマイクロコンピュータ250のRO
Mに予め記憶されている。現段階においては、ステップ
390aでの立ち上がり抵抗RU が設定立ち上がり抵抗
値RUOよりも小さいため、マイクロコンピュータ250
がステップ400にて「NO」と判別してコンピュータ
プログラムをステップ370に戻す。以後、ステップ3
70〜ステップ400を循環する演算処理を繰り返す。
【0064】このような演算処理の繰り返し中におい
て、ステップ390aでの立ち上がり抵抗RUが設定立
ち上がり抵抗値RUO 以上になると、マイクロコンピュ
ータ250が、ステップ400にて「YES」と判別
し、ステップ400aにて、被溶接材30への加圧力P
を前記初期加圧値(即ち、被膜剥離値)から所定加圧力
幅だけ低下させるように演算処理し、前記所定加圧値と
前記所定加圧力幅との差を低下加圧力データとして出力
し、かつ、ステップ400bにて、溶接電源60による
通電を一時的に停止させる演算処理をし通電出力信号の
出力を一時的に停止する。
【0065】すると、D−A変換器260がマイクロコ
ンピュータ250からの低下加圧力データをアナログ変
換して加圧力出力信号として出力し、これに応答して駆
動回路270aが、比例制御弁50を、その弁開度を前
記所定加圧値と前記所定加圧力幅との差に相当する値に
減少させるように駆動する。このため、比例制御弁50
が、その減少弁開度に応じて空圧源50aからエアシリ
ンダ40への空気流を減少させ、エアシリンダ40が同
空気流の減少に応じて上部電極10による被溶接材30
への加圧力を低下させる。これに伴い電極変位量Xの減
少も停止する。また、マイクロコンピュータ250から
の通電出力信号の出力の一時的停止に伴い、駆動回路2
70bが、リレー60aのリレーコイルRyを一時的に
消磁させる。このため、溶接電源60が溶接電流Iの出
力を一時的に停止する。
【0066】然る後、加圧力Pがその低下の完了に伴い
安定するに必要な所定の時間(マイクロコンピュータ2
50のROMに予め記憶されている)が経過すると、マ
イクロコンピュータ250がステップ410にて「YE
S」と判別し、ステップ410aにて、溶接電源60に
よる通電を再開させる演算処理をして通電出力信号を再
度出力する。このため、リレー60aが、駆動回路27
0bにより駆動されて、そのリレーコイルRyにて励磁
されリレースイッチYを閉成し溶接電源60から溶接電
流Iを再度出力させる。このため、溶接電流Iが、再
び、電源導線61、上部電極10、被溶接材30、下部
電極20及び電源導線62を通して通電される。これに
より、前記第1実施例と同様に、被膜剥離確保後の被溶
接材30の溶接工程に移行したことになる。
【0067】このような過程においては、上述のような
加圧力Pの低下安定下にて、前記第1実施例と同様に、
被膜電線30bにおいて被膜の剥離後の電線32の先端
部とターミナル30aとの溶接が進行し、電極間抵抗R
が直線的に減少する一方、電極変位量Xが直線的に減少
していく。かかる段階では、ステップ410aでの演算
処理後、マイクロコンピュータ250が、ステップ42
0にて、アナログマルチプレクサ230の第3チャンネ
ル3chを選択する。すると、アナログマルチプレクサ2
30が、LPF220cからの変位量フィルタ信号をA
−D変換器240に出力し、このA−D変換器240が
同変位量フィルタ信号をディジタル変換してディジタル
変位量信号としてマイクロコンピュータ250に出力す
る。
【0068】ついで、マイクロコンピュータ250が、
ステップ420aにて、同ディジタル変位量信号の値を
電極変位量Xとセットし、ステップ420bにて、同電
極変位量Xとステップ360cでの最小変位量Xmin と
の差を演算し、この演算差を電極変位量Xとして更新す
る。そして、同更新電極変位量Xが前記第1実施例にて
述べた設定電極変位量Xo よりも小さいことに基づき、
マイクロコンピュータ250がステップ430にて「N
O」と判別し、コンピュータプログラムをステップ42
0に戻す。但し、設定電極変位量Xo はマイクロコンピ
ュータ250のROMに予め記憶されている。
【0069】以後、ステップ420〜ステップ430を
循環する演算処理を繰り返している間に、ステップ42
0bでの最新の更新電極変位量Xが設定電極変位量Xo
以上になると、マイクロコンピュータ250が、ステッ
プ430にて「YES」と判別し、ステップ430aに
て溶接電源60による溶接電流Iの出力を終了させるべ
く通電出力信号の出力を終了し、かつ、ステップ430
bにて上部電極10による被溶接材30への加圧を終了
させるべく加圧出力信号の出力を終了する。すると、駆
動回路270bが、マイクロコンピュータ250からの
通電出力信号の出力の停止に伴いリレー60aのリレー
コイルRyを消磁させ、同リレー60aがそのリレース
イッチYの開成により溶接電源60からの溶接電流Iの
出力を終了させる。また、駆動回路270aがマイクロ
コンピュータ250からの加圧出力信号の出力終了に伴
い比例制御弁50をその弁開度を零にするように駆動す
る。これにより、上部電極10による加圧を終了する。
その他の作用は前記第1実施例と同様である。これによ
り、マイクロコンピュータ250による上述のような演
算処理を活用しても、前記第1実施例と同様の効果を達
成し得る。
【0070】次に、本発明の第4実施例について説明す
ると、この第4実施例においては、前記第2実施例にて
述べた制御装置Eaに代えて、図15にて示すごとく、
制御装置Ecを採用したことにその構成上の特徴があ
る。制御装置Ecは前記第2実施例にて述べた溶接電流
検出回路70、電流検出回路70A及び電圧検出回路8
0にそれぞれ接続した各実効値演算回路500、510
及び520を有しており、実効値演算回路500は、前
記第3実施例にて述べた実効値演算回路200の絶対値
回路200a及び二乗平均化回路200bと同様の構成
と機能をそれぞれ有する絶対値回路500a及び二乗平
均化回路500bによって構成されている。しかして、
絶対値回路500aは溶接電流検出回路70からの検出
溶接電流の絶対値をとり絶対値信号として発生する。二
乗平均化回路500bは絶対値回路500aからの絶対
値信号の二乗平均化処理をし同二乗平均化結果から実効
値(前記第2実施例にて述べた溶接電流の実効値IRMS
に相当する)を演算し溶接電流実効値信号として出力す
る。
【0071】実効値演算回路510は、電流検出回路7
0Aに接続した絶対値回路510aと、この絶対値回路
510aに接続した二乗平均化回路510bとによって
構成されている。しかして、絶対値回路510aは電流
検出回路70Aからの検出主電流の絶対値をとり絶対値
信号として発生する。二乗平均化回路510bは絶対値
回路510aからの絶対値信号の二乗平均化処理をし同
二乗平均化結果から実効値(前記第2実施例にて述べた
検出主電流の実効値IMRMSに相当する)を演算し主電流
実効値信号として出力する。実効値演算回路520は、
前記第3実施例にて述べた実効値演算回路210の絶対
値回路210a及び二乗平均化回路210bと同様の構
成と機能をそれぞれ有する絶対値回路520a及び二乗
平均化回路520bによって構成されている。しかし
て、絶対値回路520aは電圧検出回路80からの電極
間電圧Vの絶対値をとり絶対値信号として発生する。二
乗平均化回路520bは絶対値回路520aからの絶対
値信号の二乗平均化処理をし同二乗平均化結果から実効
値(前記第2実施例にて述べた電極間電圧の実効値VRM
Sに相当する)を演算し電極間電圧実効値信号として出
力する。
【0072】また、制御装置Ecは、各実効値演算回路
500、510及び520にそれぞれ接続した各ローパ
スフィルタ530a、530b及び530c(以下、各
LPF530a、530b及び530cという)を備え
ており、これら各LPF530a、530b及び530
cの遮断周波数Fcは、共に、60(Hz)に設定され
ている。しかして、LPF530aは実効値演算回路5
00の二乗平均化回路500bからの溶接電流実効値信
号の周波数成分のうち60(Hz)よりも高い周波数成
分を除去し残余の周波数成分をフィルタ電流信号として
発生する。LPF530bは実効値演算回路510の二
乗平均化回路510bからの主電流実効値信号の周波数
成分のうち60(Hz)よりも高い周波数成分を除去し
残余の周波数成分をフィルタ主電流信号として発生す
る。また、LPF530cは実効値演算回路520から
の電圧実効値信号の周波数成分のうち60(Hz)より
も高い周波数成分を除去し残余の周波数成分をフィルタ
電圧信号として発生する。
【0073】アナログマルチプレクサ540は、後述す
るマイクロコンピュータ560による制御のもとに、各
LPF530a、530b及び530cからのフィルタ
電流信号、フィルタ主電流信号及びフィルタ電圧信号を
順次選択してAーD変換器550に出力する。かかる場
合、LPF530aからのフィルタ電流信号がアナログ
マルチプレクサ540の第1チャンネル1chを通して出
力され、LPF530bからのフィルタ主電流信号がア
ナログマルチプレクサ540の第2チャンネル2chを通
して出力され、また、LPF530cからのフィルタ電
圧信号がアナログマルチプレクサ540の第3チャンネ
ル3chを通して出力される。A−D変換器550はアナ
ログマルチプレクサ540からのフィルタ電流信号、フ
ィルタ主電流信号及びフィルタ電圧信号を順次ディジタ
ル変換しディジタル電流信号、ディジタル主電流信号及
びディジタル電圧信号として発生する。マイクロコンピ
ュータ560は、図16〜図18にて示すフローチャー
トに従いコンピュータプログラムをA−D変換器550
との協働により実行し、この実行中において、D−A変
換器570の制御に必要な演算処理をする。但し、上記
コンピュータプログラムはマイクロコンピュータ560
のROMに予め記憶されている。
【0074】D−A変換器570はマイクロコンピュー
タ560から後述のように出力される加圧力データをア
ナログ変換し加圧力出力信号として駆動回路580aに
出力する。駆動回路580aはD−A変換器570から
の加圧力出力信号に応答して比例制御弁50を、その弁
開度を同加圧力出力信号の値に相当する値にするように
駆動する。駆動回路580bはマイクロコンピュータ5
60から後述のように生ずる溶接電源60による通電を
表す通電出力信号に応答してリレー60aを、そのリレ
ーコイルRyを選択的に励磁するように駆動する。その
他の構成は前記第2実施例と同様である。
【0075】このように構成した本第4実施例におい
て、前記第2実施例と同様に、被溶接材30Aが、抵抗
溶接機Maの上部電極10の加圧面下にて下部電極20
の載置面上に載置されているものとし、被溶接材30A
への加圧力P及び溶接電源60からの溶接電流は共に零
であるとする。しかして、被溶接材30Aの抵抗溶接に
あたり、制御装置Ecを作動状態におけば、マイクロコ
ンピュータ560が図16〜図18のフローチャートに
従いコンピュータプログラムの実行をステップ600に
て開始する。すると、マイクロコンピュータ560が、
ステップ610にて、被膜導線30bの被膜剥離に要す
る所定の初期加圧値に加圧力Pを設定し加圧力データと
して出力する。
【0076】すると、D−A変換器570がマイクロコ
ンピュータ560からの加圧力データをアナログ変換し
加圧力出力信号として出力し、これに応答して、駆動回
路270aが、比例制御弁50を、その弁開度を同加圧
力出力信号の値(前記初期加圧値)に相当する値にする
ように駆動する。このため、比例制御弁50が、その弁
開度に応じて空圧源50aからの空気流をエアシリンダ
40に圧送し、かつ、このエアシリンダ40が、比例制
御弁50からの空気流に応じて上部電極10を下動さ
せ、加圧力P(=前記初期加圧値)を被膜剥離に必要な
値として被溶接材30に加え始める。
【0077】ついで、マイクロコンピュータ560が、
ステップ610aにて、溶接電源60による通電流を開
始させるに必要な演算処理をして通電出力信号を出力す
ると、駆動回路580bがリレー60aのリレーコイル
Ryを励磁する。このため、リレー60aがそのリレー
スイッチYを閉成し、これに応答して溶接電源60が、
溶接電流Iを電源導線61から上部電極10に流入させ
る。すると、この流入溶接電流Iが、被膜電線30bの
被膜の絶縁性のため、中間電極10a及び短絡導体10
bを通り下部電極20に流入した後電源導線62に流入
する。このとき、溶接電流Iは溶接電流検出回路70に
より検出されるとともに、上部電極10と下部電極20
との間の電極間電圧Vは電圧検出回路80により検出さ
れる。
【0078】このようにしてステップ610aにおける
演算処理が終了すると、マイクロコンピュータ560が
ステップ620にてアナログマルチプレクサ540の第
1チャンネル1chを選択し、これに応答してアナログマ
ルチプレクサ540が、その第1チャンネル1chを通し
てLPF530aからのフィルタ電流信号をA−D変換
器550に出力する。すると、このA−D変換器550
が同フィルタ電流信号をディジタル変換しディジタル電
流信号としてマイクロコンピュータ560に出力する。
このため、マイクロコンピュータ560が、ステップ6
20aにて、同ディジタル電流信号の値に基づきその実
効値IRMS としてセットする。ついで、マイクロコンピ
ュータ560がステップ630にてアナログマルチプレ
クサ540の第3チャンネル3chを選択し、これに応答
してアナログマルチプレクサ540が、その第3チャン
ネル3chを通してLPF530cからのフィルタ電圧信
号をA−D変換器550に出力する。すると、このA−
D変換器550が同フィルタ電圧信号をディジタル変換
しディジタル電圧信号としてマイクロコンピュータ56
0に出力する。このため、マイクロコンピュータ560
が、ステップ630aにて、同ディジタル電圧信号の値
に基づきその実効値VRMS としてセットする。
【0079】然る後、マイクロコンピュータ560が、
ステップ640にて、ステップ620aでの実効値IRM
S及びステップ630aでの実効値VRMSに基づき、上部
電極10と下部電極20との間の電極間抵抗Rを演算す
る。現段階では、この電極間抵抗Rがステップ600で
の初期抵抗値Rini よりも小さいことに基づき、マイク
ロコンピュータ560がステップ650にて「NO」と
判別し、かつ、ステップ650aにて、ステップ640
における電極間抵抗Rを現段階における最大抵抗Rmax
とセットしてコンピュータプログラムをステップ620
へ戻し、以後、ステップ620〜ステップ650aを循
環する演算を実質的に同様に繰り返す。なお、かかる過
程では、電極間抵抗Rが前記第2実施例と同様に増大し
始めるため、被膜電線30bの被膜の剥離工程が開始さ
れたこととなる。
【0080】このような状態において、ステップ640
における最新の電極間抵抗Rがステップ650aにおけ
るその直前の最大抵抗Rmax に達すると、マイクロコン
ピュータ560が、ステップ650にて「YES」と判
別し、ステップ650bにて、同最大抵抗Rmax を一時
的に記憶する。このとき、前記第2実施例と同様に、被
膜電線30bの剥離が開始されるため、上部電極10に
流入する溶接電流が、主電流Imとして、被溶接材30
Aを通り下部電極20に流入するようになる。
【0081】ステップ650bにおける演算処理後、マ
イクロコンピュータ560が、各ステップ660、66
0a、670、670a及び680にて、アナログマル
チプレクサ540及びAーD変換器550との協働によ
り、ステップ620〜ステップ630aにおける演算処
理と同様の演算処理をして、実効値IRMS のセット、実
効値VRMS のセット及び電極間抵抗Rの演算を行う。然
る後、マイクロコンピュータ560が、ステップ690
にて、ステップ680での電極間抵抗Rとステップ65
0bでの最大抵抗Rmax との差を、前記第2実施例にて
述べた立ち下がり抵抗RLとして演算する。現段階で
は、ステップ690での立ち下がり抵抗RLが前記第2
実施例にて述べた設定立ち下がり抵抗RLOよりも小さい
ため、マイクロコンピュータ560がステップ700に
て「NO」と判別してコンピュータプログラムをステッ
プ660に戻し、以後、ステップ660〜ステップ70
0を循環する演算処理を同様に繰り返す。但し、本第4
実施例において、設定立ち下がり抵抗RLOはマイクロコ
ンピュータ560のROMに予め記憶されている。
【0082】このような演算処理の繰り返し過程におい
て、ステップ690での最新の立ち下がり抵抗RLが設
定立ち下がり抵抗RLO 以上になると、マイクロコンピ
ュータ560が、ステップ700にて「YES」と判別
し、ステップ700aにて、被溶接材30Aへの加圧力
Pを所定加圧力幅だけ上昇させるように演算処理し、前
記所定加圧値と前記所定加圧力幅との和を上昇加圧力デ
ータとして出力し、かつ、ステップ700bにて、溶接
電源60による通電の一時的停止に必要な演算処理をし
通電出力信号の出力を一時的に停止する。
【0083】すると、D−A変換器570がマイクロコ
ンピュータ560からの上昇加圧力データをアナログ変
換して加圧力出力信号として出力し、これに応答して駆
動回路580aが、比例制御弁50を、その弁開度を前
記所定加圧値と前記所定加圧幅との和に相当する値に増
大させるように駆動する。このため、前記第2実施例と
同様に、比例制御弁50が、その増大弁開度に応じて空
圧源50aからエアシリンダ40への空気流を増大さ
せ、エアシリンダ40が同空気流の増大に応じて上部電
極をさらに下動させ同上部電極10による被溶接材30
Aへの加圧力を上昇させる。
【0084】然る後、加圧力Pがその上昇の完了に伴い
安定するに必要な所定の時間(マイクロコンピュータ5
60のROMに予め記憶されている)が経過すると、マ
イクロコンピュータ560がステップ710にて「YE
S」と判別し、ステップステップ710aにて、溶接電
源60による通電を再開させる演算処理をして通電出力
信号を再度出力する。このため、リレー60aが、駆動
回路580bにより駆動されて、そのリレーコイルRy
にて励磁されリレースイッチYを閉成し溶接電源60か
ら溶接電流Iを再度出力させる。このため、溶接電源6
0が、溶接電流Iを、再び、主電流として、上部電極1
0及び被溶接材30Aを通して下部電源20に流入させ
る。これにより、前記第2実施例と同様に、被膜剥離確
保後の被溶接材30Aの溶接工程に移行されたことにな
る。
【0085】ステップ710aにおける演算処理後、マ
イクロコンピュータ560が、両ステップ720、72
0aにて、アナログマルチプレクサ540及びA−D変
換器550との協働により、両ステップ620、620
aにおける演算処理と同様に実効値IRMS のセットをす
る。そして、マイクロコンピュータ560がステップ7
30にてアナログマルチプレクサ540の第2チャンネ
ル2chをすると、アナログマルチプレクサ540が、そ
の第2チャンネル2chを通してLPF530bからのフ
ィルタ主電流信号をA−D変換器550に出力する。す
ると、このA−D変換器550が同フィルタ主電流信号
をディジタル変換しディジタル主電流信号としてマイク
ロコンピュータ560に出力する。このため、マイクロ
コンピュータ560が、ステップ730aにて、同ディ
ジタル主電流信号の値をその実効値IMRMSとしてセット
する。
【0086】ついで、マイクロコンピュータ560が、
両ステップ740及び740aにて、アナログマルチプ
レクサ540及びA−D変換器550との協働により、
両ステップ630、630aにおける演算処理と同様の
演算処理をして実効値VRMSのセットをする。然る後、
マイクロコンピュータ560が、ステップ750にて、
ステップ640における演算処理と同様の演算処理をし
て各ステップ720a、740aでの各実効値IRMS、
VRMSに基づき電極間抵抗Rを演算し、かつ、ステップ
760にて、ステップ730aでの実効値IMRMSの二乗
と電極間抵抗Rとの積の時間的積分により投入パワーP
Wを演算する。現段階では、ステップ760での投入パ
ワーPWが前記第2実施例にて述べた設定投入パワーP
Wo とりも小さいため、マイクロコンピュータ560
が、ステップ770にて「NO」と判別しコンピュータ
プログラムをステップ720に戻し、以後、ステップ7
20〜ステップ770を循環する演算処理を繰り返す。
【0087】このような過程においては、上述のような
加圧力Pの上昇安定下にて、被膜電線30bにおいて被
膜の剥離後の電線32の先端部とターミナル30cとの
溶接が進行する。然る後、ステップ760での最新の投
入パワーPWが設定投入パワーPWo 以上になると、マ
イクロコンピュータ560が、ステップ770にて「Y
ES」と判別し、ステップ770aにて、溶接電源60
による溶接電流Iの出力を終了させるべく通電出力信号
の出力を終了し、かつ、ステップ770bにて、上部電
極10による被溶接材30Aへの加圧を終了させるべく
加圧出力信号の出力を終了する。すると、駆動回路58
0bが、マイクロコンピュータ560からの通電出力信
号の出力の停止に伴いリレー60aのリレーコイルRy
を消磁させ、同リレーコイル60aがそのリレースイッ
チYの開成により溶接電源Iの出力を終了させる。ま
た、駆動回路580aが、マイクロコンピュータ560
からの加圧出力信号の出力の終了に伴い比例制御弁50
をその弁開度を零にするように駆動する。これにより、
上部電極10による加圧を終了する。その他の作用は前
記第2実施例と同様である。これにより、マイクロコン
ピュータ560による上述のような演算処理を活用して
も、前記第2実施例と同様の効果を達成し得る。
【0088】なお、本発明の実施にあたり、前記第2或
いは第4の実施例にて述べたような被膜剥離の時期を判
断するにあたり、被膜電線の溶接部近傍温度を赤外線温
度計等により検出した結果や、被膜剥離時に発生するガ
スをガスセンサにより検出した結果を活用して行っても
よい。
【0089】また、本発明の実施にあたっては、最小抵
抗Rmin(又は、最大抵抗Rmax)を決定するにあたって
は、互いに連続する両電極間抵抗を比較して、その差分
が所定差分以下となったときにその直前の電極間抵抗R
を最小抵抗Rmin (又は、最大抵抗Rmax)と決定する
ようにして実施してもよい。
【0090】また、本発明の実施にあたっては、溶接電
源60の電源周波数は60(Hz)に限ることなく必要
に応じ適宜変更して実施してもよい。
【0091】また、本発明の実施にあたっては、前記第
3実施例のステップ360(図12参照)における「Y
ES」との判別を、R=Rminに代えて、R≧Rminに基
づいて行うようにしてもよく、また、前記第4実施例で
のステップ650(図16参照)における判別を、R=
Rmaxに代えて、R≦Rmaxに基づいて行うようにしても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を表す全体概略構成図であ
る。
【図2】前記第1実施例における電極間抵抗R、電極変
位量X、加圧力P及び溶接電流Iの変化を示すタイムチ
ャートである。
【図3】電極間抵抗Rの変化に伴う被膜剥離開始時期の
説明のための説明図である。
【図4】被膜剥離率と立ち上がり抵抗RUとの関係を示
すグラフである。
【図5】溶接部断面、溶接強度及び溶接不良の状態を、
前記第1実施例による場合を、従来による場合と比較す
る説明図である。
【図6】本発明の第2実施例を表す全体概略構成図であ
る。
【図7】前記第2実施例における電極間抵抗R、加圧力
P及び溶接電流I及び主電流Imの変化を示すタイムチ
ャートである。
【図8】被膜剥離面積Sと立ち下がり抵抗RLとの関係
を示すグラフである。
【図9】接合部面積と溶接エネルギーとの関係を示すグ
ラフである。
【図10】溶接部硬、即ち溶接強度と溶接時間との関係
を示すグラフである。
【図11】本発明の第3実施例の要部を示すブロック回
路図である。
【図12】図11におけるマイクロコンピュータの作用
を示すフローチャートの前段部である。
【図13】同フローチャートの中段部である。
【図14】同フローチャートの後段部である。
【図15】本発明の第4実施例の要部を示すブロック回
路図である。
【図16】図15におけるマイクロコンピュータの作用
を示すフローチャートの前段部である。
【図17】同フローチャートの中段部である。
【図18】同フローチャートの後段部である。
【符号の説明】
E、Ea、Eb、Ec…制御装置、M、Ma…抵抗溶接
機、10…上部電極、20…下部電極、30、30A…
被溶接材、30a…ターミナル、30b…被膜電線、3
2…電線、33…被膜、40…エアシリンダ、50…比
例制御弁、50a…空圧源、60…溶接電源、60a…
リレー、70、70A…溶接電流検出回路、80…電圧
検出回路、90…変位量検出回路、100、100A…
演算処理回路、110…立ち上がり抵抗設定回路、11
0A…立ち下がり抵抗設定回路、120…変位量設定回
路、120A…投入パワー設定回路、130、130A
…比較判定回路、140…電流制御回路、150…加圧
力制御回路、200、210、500、510、520
…実効値演算回路、220a、220b、220c、5
30a、530b、530c…LPF、240、550
…A−D変換器、250、560…マイクロコンピュー
タ、260、570…D−A変換器、270a、270
b、580a、580b…駆動回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−72345(JP,A) 特開 昭63−84782(JP,A) 特開 昭62−289379(JP,A) 特開 平1−245980(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗溶接機の両電極間に、溶接導電部材
    及び被膜導電部材からなる被溶接材を介装し、この被溶
    接材に、前記両電極を介して加圧力を加えるとともに溶
    接電流を通電し、これと同時に前記被膜導電部材の被膜
    剥離の進行と関連して変化する溶接条件を検知し、この
    溶接条件の検知信号に基づいて前記被膜導電部材の被膜
    剥離が所定量に達したかどうかを判定し、この判定に基
    づいて前記被膜剥離が所定量に達するまでの被膜剥離工
    程と、前配被膜剥離が所定量に達した後の溶接工程と
    で、それぞれの溶接条件を独立に制御し、かつ前記溶接
    工程において前記電極間に投入された電気エネルギーの
    総和が設定値に達したか否かを判断し、当該設定値に達
    したときに前記通電と加圧を終了することを特徴とする
    被膜導電部材の抵抗溶接制御方法。
  2. 【請求項2】 前記被膜剥離工程では前記加圧力を大き
    くし、前記溶接工程では前記加圧力を小さくするよう
    に、前記被膜剥離工程における溶接条件と前記溶接工程
    における溶接条件とを独立に制御することを特徴とする
    請求項1記載の被膜導電部材の抵抗溶接制御方法。
  3. 【請求項3】 抵抗溶接機の両電極間に、溶接導電部材
    及び被膜導電部材からなる被溶接材を介装し、この被溶
    接材に、前記両電極を介して加圧力を加えるとともに溶
    接電流を通電し、これと同時に前記被膜導電部材の被膜
    剥離の進行と関連して変化する溶接条件を検知し、この
    溶接条件の検知信号に基づいて前記被膜導電部材の被膜
    剥離が所定量に達したかどうかを判定し、この判定に基
    づいて前記被膜剥離が所定量に達すると、前記通電を一
    時的に停止するとともに、前記加圧力を低下させ、その
    後、前記通電を再開して前記被膜導電部材の被膜剥離部
    と前記溶接導電部材とを抵抗溶接し、かつこの溶接にお
    いて前記電極間に投入された電気エネルギーの総和が設
    定値に達したか否かを判断し、当該設定値に達したとき
    前記通電と加圧を終了するようにしたことを特徴とす
    る被膜導電部材の抵抗溶接制御方法。
  4. 【請求項4】 前記被溶接材は、略U字形形状の折り曲
    げ部を有する溶接導電部材と、導電線の外周を絶縁被膜
    で被膜した被膜電線とからなり、この被膜電線を前記溶
    接導電部材の前記折り曲げ部の間に挿入することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の被膜導
    電部材の抵抗溶接制御方法。
  5. 【請求項5】 両電極およびこれら両電極を短絡する短
    絡導体を備えてなる抵抗溶接機の前記両電極間に溶接導
    電部材及び被膜導電部材からなる被溶接材を介装し、こ
    の被溶接材に、前記両電極を介して加圧力を加えるとと
    もに、前記両電極および前記短絡導体に溶接電流を通電
    し、前記被膜導電部材の被膜剥離を進行させ、これと同
    時に前記被膜導電部材の被膜剥離の進行と関連して変化
    する溶接条件を検知し、この溶接条件の検知信号に基づ
    いて前記被膜導電部材の被膜剥離が所定量に達したかど
    うかを判定し、 この判定に基づいて前記被膜剥離が所定量に達したと判
    定されると、前記通電を一時的に停止するとともに前記
    加圧力を上昇させ、その後、前記通電を再開して前記被
    膜導電部材の被膜剥離部と前記溶接導電部材とを抵抗溶
    接し、かつこの溶接において前記電極間に投入された電
    気エネルギーの総和が設定値に達したか否かを判断し、
    当該設定値に達したときに前記通電と加圧を終了するよ
    うにしたことを特徴とする被膜導電部材の抵抗溶接制御
    方法。
  6. 【請求項6】 前記被膜導電部材の被膜剥離の進行と関
    連して変化する溶接条件として、前記両電極間の電気抵
    抗値を検知することを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか1つに記載の被膜導電部材の抵抗溶接制御方法。
  7. 【請求項7】 前記溶接条件の検知信号が極値に達した
    後、さらに所定値変化したとき、前記被膜導電部材の被
    膜剥離が所定量に達した旨判定することを特徴とする請
    求項1ないし6のいずれか1つに記載の被膜導電部材の
    抵抗溶接制御方法。
  8. 【請求項8】 前記被溶接材は、平板状の溶接導電部材
    と、導電線の外周を絶縁被膜で被膜した被膜電線とから
    なり、この被膜電線を前記溶接導電部材の前記折り曲げ
    部の間に挿入することを特徴とする請求項記載の被膜
    導電部材の抵抗溶接制御方法。
  9. 【請求項9】 抵抗溶接機の両電極間に、溶接導電部材
    及び被膜導電部材からなる被溶接材を介装し、この被溶
    接材に、前記両電極を介して加圧力を加えるとともに溶
    接電流を通電して前記被膜導電部材の被膜剥離を進行さ
    せ、前記溶接導電部材と被膜導電部材とを抵抗溶接する
    抵抗溶接方法における前記被膜導電部材の被膜剥離検知
    方法であって、 前記被溶接部材に加えられる前記加圧力および、前記被
    膜導電部材の被膜剥離に関連して変化する溶接条件を検
    知し、この溶接条件の検知信号が極値に達した後、さら
    に所定値変化すると、前記被膜導電部材の被膜剥離が所
    定量に達した旨 判定することを特徴とする被膜導電部材
    の被膜剥離検知方法。
  10. 【請求項10】 前記溶接条件として、前記両電極間の
    電気抵抗値を検知することを特徴とする請求項9記載の
    被膜導電部材の被膜剥離検知方法。
  11. 【請求項11】 抵抗溶接機の両電極間に介装した溶接
    導電部材及び被膜導電部材からなる被溶接材に前記両電
    極を介し、加圧力を付与する加圧力付与手段と、 前記被膜導電部材に溶接電流を前記両電極に通電する通
    電手段と、 前記被膜導電部材の被膜剥離の進行に伴って変化する溶
    接条件を検知する検知手段と、 この検知手段によって検知される溶接条件が極値に達し
    た旨判定する第1判定手段と、 この第1判定手段の判定後、前記溶接条件が極値より所
    定値変化したとき前記被膜導電部材の被膜剥離が所定量
    に達した旨判定する第2判定手段と、 この第2判定手段の判定に伴い、前記通電手段の通電を
    一時的に停止するとともに、前記加圧力付与手段による
    付与加圧力を低下させるように制御する第1制御手段
    と、 この第1制御手段による加圧力制御後、前記被膜導電部
    材の被膜剥離部と前記溶接導電部材とを抵抗溶接させる
    ように前記通電手段による通電を再開するとともに、
    の溶接において前記電極間に投入された電気エネルギー
    の総和が設定値に達したか否かを判断し、当該設定値に
    達したときに前記通電手段による通電と前記加圧力付与
    手段による加圧力付与を終了するように制御する第2制
    御手段とを設けることを特徴とする被膜導電部材の抵抗
    溶接制御装置。
  12. 【請求項12】 両電極及びこれら両電極を短絡する短
    絡導体を備えてなる抵抗溶接機の前記両電極間に介装さ
    れた溶接導電部材及び被膜導電部材からなる被溶接材に
    前記両電極を介して前記被膜導電部材の被膜剥離に必要
    な加圧力を付与する加圧力付与手段と、 前記被膜導電部材に溶接電流を前記両電極及び短絡導体
    に通電する通電手段と、 前記被膜導電部材の被膜剥離の進行に伴って変化する溶
    接条件を検知する検知手段と、 この検知手段によって検知された溶接条件が極値に達し
    た旨判定する第1判定手段と、 この第1判定手段の判定後、前記溶接条件が極値より所
    定値変化したとき前記被膜導電部材の被膜剥離が所定量
    に達した旨判定する第2判定手段と、 この第2判定手段の判定に伴い、前記通電手段の通電を
    一時的に停止するとともに、前記加圧力付与手段による
    付与加圧力を上昇させるように制御する第1制御手段
    と、 この第1制御手段による加圧力制御後、前記被膜導電部
    材の被膜剥離部と前記溶接導電部材とを抵抗溶接させる
    ように前記通電手段による通電を再開するとともに、
    の溶接において前記電極間に投入された電気エネルギー
    の総和が設定値に達したか否かを判断し、当該設定値に
    達したときに前記通電手段による通電と前記加圧力付与
    手段による加圧力付与を終了するように制御する第2制
    御手段とを設けることを特徴とする被膜導電部材の抵抗
    溶接制御装置。
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