JP3309411B2 - 信号再生装置 - Google Patents

信号再生装置

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JP3309411B2
JP3309411B2 JP35922191A JP35922191A JP3309411B2 JP 3309411 B2 JP3309411 B2 JP 3309411B2 JP 35922191 A JP35922191 A JP 35922191A JP 35922191 A JP35922191 A JP 35922191A JP 3309411 B2 JP3309411 B2 JP 3309411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばテープレコーダ
の速度オフセットや可変速再生中のタイムコードを基に
して調相やリシンクする際に用いて好適な信号再生装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マスタ側のテープレコーダから供給され
る複数チャンネルを有する映像信号等をスレーブ側のテ
ープレコーダに同期運転する方法が採られている。図1
7に示すシステム構成は、マスタ側のテープレコーダ4
0とスレーブ側のテープレコーダ41をセクタ・ベース
・シンクロナイズさせて運転させる際のブロック構成を
示している。マスタ側のテープレコーダ40は、リモー
トコントローラ42と接続している。このテープレコー
ダ40はマスタ側からの同期信号(セクタ同期信号等)
やリモートコントローラ42を介して供給される命令に
応じて値をリモートコントローラ42に返している。
【0003】また、スレーブ側のテープレコーダ41
は、このシステムを制御するコントロールユニットを内
蔵するリモートコントローラ43に接続している。上記
リモートコントローラ43を介してマスタ側からの同期
を取るためのオーディオ信号から抜き出した情報である
ワード同期信号、セクタ同期信号及びセクタアドレス
が、上記リモートコントローラ43に供給されている。
上記ワード情報が時間情報よりも細かな情報である。こ
れらの情報を基にスレーブ側のテープレコーダ41は、
リモートコントローラ43によって制御される。この
際、使用するテープレコーダがディジタル信号を扱う場
合、両者のサンプリング周波数は、必ず一致させておく
必要がある。実際のデータは、国際電気電子学会のIE
EE−488規格のバスを介してデータの送受が行われ
る。このマスタ側から出力されるTCを同期信号として
スレーブ側を同期させるセクタ・ベース・シンクロナイ
ズした運転が行われる。
【0004】また、図18に示すシステム構成は、タイ
ムコード・シンクロナイズの同期運転を行わせるために
外部にタイミングコード・シンクロナイザ47を配設し
た場合の構成を示している。このシステムは、入力端子
44からコンポジットビデオ信号を各機器の映像信号に
対する外部同期信号としてそれぞれ例えばマスタ側のビ
デオ機器45及びスレーブ側のディジタル・マルチチャ
ンネル・テープレコーダ46に供給している。このシス
テムの制御は、リモートコントローラ48が行い、リモ
ートコントローラ48が出力する命令は、例えば早送り
(FF)、巻戻し(REW)や再生(PB)等のコマン
ドがステーブ側のディジタル・マルチチャンネル・テー
プレコーダ46、タイミングコード・シンクロナイザ4
7を介してビデオ機器に供給されている。
【0005】この同期運転を行う場合、上記マスタ側の
ビデオ機器は、TC(以下TCと略す)を上記タイムコ
ード・シンクロナイザ47のマスタ側47aに供給し、
上記スレーブ側のディジタル・マルチチャンネル・テー
プレコーダ46はTCを上記タイムコード・シンクロナ
イザ47のスレーブ側47bに供給している。
【0006】最初、早送り(FF)や巻戻し(REW)
のコマンドを供給して所望のテープ位置の範囲内に入っ
たならば、タイムコード・シンクロナイザ47は、例え
ばスレーブ側から供給されたTCを基準にして調相用の
コマンドをリモートコントローラ48は出力して調相を
行う。上記早送り(FF)や巻戻し(REW)中もTC
はタイムコード・シンクロナイザ47に供給している。
上記調相期間中のテープ速度の制御は、タイムコード・
シンクロナイザ47から出力される外部位相信号(EXT
PHASE)を用いて行う。この調相期間中に上記外部位相信
号(EXT PHASE)を用いて可変速再生を行って制御するこ
ともできる。このようにして調相が取れた後、上記コン
ポジットビデオ信号に同期して再生モードに移行してテ
ープ走行が制御される。この一連の制御は、いわゆるタ
イムコードチェースと呼ばれている。
【0007】上記機器間の調相は上述した外部同期用の
コンポジットビデオ信号の入力がなくても行うことが可
能であるが、上記コンポジットビデオ信号がないときT
Cが完全に一致しているときとズレが生じているときで
はフォーマットは全く同じでも微妙な食い違いが生じて
しまうので必要である。特に、マスタ側のビデオ機器が
アナログテープレコーダの場合、共に基準となる幅も機
器毎にばらつきがあることからこれを用いることによっ
て生じるワウフラッタ等を改善することができる。
【0008】なお、一部のメーカのタイムコード・シン
クロナイザにおいて図中の破線で示すように早送り(F
F)、あるいは巻戻し(REW)を行って同期させる際
に直接的にディジタル・マルチチャンネル・テープレコ
ーダ46へ位相のズレ量を電圧で制御する外部速度信号
(EXT SPEED)で行う場合がある。
【0009】さらに、図19に示すシステム構成は、上
述したシステム構成を応用してビデオ機器50とディジ
タルマルチチャンネル・テープレコーダ51をタイムコ
ード・シンクロナイザ53で同期運転させながら、上記
ディジタル・マルチチャンネル・テープレコーダ51と
もう一台のディジタルマルチチャンネル・テープレコー
ダ52をセクタ・ベース・シンクロナイズを併用した構
成を示している。
【0010】この場合、入力端子49から外部同期用に
コンポジットビデオ信号がビデオ機器50とマスタ側の
ディジタル・マルチチャンネル・テープレコーダ51に
供給されている。このとき、上記ビデオ機器50はタイ
ムコードをタイムコード・マスタとしてタイムコード・
シンクロナイザ53のマスタ側53aに供給し、上記デ
ィジタル・マルチチャンネル・テープレコーダ51はタ
イムコード・スレーブとして上記タイムコード・シンク
ロナイザ53のスレーブ側53bに供給している。タイ
ムコード・シンクロナイザ53は、この供給されるTC
のズレを位相差としてディジタル・マルチチャンネル・
テープレコーダ51に外部位相信号を供給している。
【0011】上記マスタ側のディジタル・マルチチャン
ネル・テープレコーダ51とスレーブ側のディジタル・
マルチチャンネル・テープレコーダ52は、リモートコ
ントローラ54、55の2台を用いてセクタ・ベース・
シンクロナイズを行う。このディジタル・マルチチャン
ネル・テープレコーダ51は、リモートコントローラ5
4に同期信号を供給する。この供給される同期信号をリ
モートコントローラ54はワード同期信号、セクタ同期
信号及びセクタアドレスをリモートコントローラ55に
供給してスレーブ側のディジタル・マルチチャンネル・
テープレコーダ52と同期運転させている。
【0012】このように構成することによって、従来の
システムに何ら変更を加えることなく、例えば上記ディ
ジタル・マルチチャンネル・テープレコーダ52が48
チャンネルの場合、2台を同時に同期運転して96チャ
ンネルに拡張して使用することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セクタ・ベ
ース・シンクロナイズは、従来から容易に可能な技術で
あるが、上述したように例えばチャンネル数を96チャ
ンネルに拡張して使用してトラックダウン等のMA作業
を行うとき、タイムコード・シンクロナイズが必要であ
る。
【0014】ところが、タイムコード・シンクロナイズ
を行うための外付けのシンクロナイザは、非常に高価な
装置である。上記機器を購入してシステムアップする場
合ユーザは、かなり大きな負担を強いられることになっ
てしまう。
【0015】上述したシンクロナイザを使ってタイムコ
ードチェースする場合、マスタ機/スレーブ機のTCは
共に、上述したように入力される例えばコンポジットビ
デオ信号に同期していなければならない。すなわち例え
ばSMPTE(Society of Movie Picture and Television En
gineerings) 〈DF〉規格で同期運転する場合、厳密に基
準フレーム長が29.97Hz でなければ調相することができ
ない。
【0016】また、前述したマスタ側の機器がアナログ
テープレコーダの場合、アナログテープレコーダは、動
作時、基準速度に対して約0.1 −0.3 %程度のテープ巻
径によって異なる速度オフセットがあるため、目標のア
ドレス/位相に到達しなかったり、または一度位相がロ
ックしても上記ロック状態から外れてしまい安定に調相
することができない場合があった。このため、上記MA
作業は、ほとんどビデオ信号に同期したTCを使う環境
に限定されていた。
【0017】そこで、本発明は上述の実情に鑑み、同期
運転に用いる例えばテープレコーダに上記シンクロナイ
ザを内蔵して安価にシステムが構築することができるよ
うにする信号再生装置の提供を目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る信号再生装
置は、再生信号中のアドレス情報と外部からのマスタア
ドレス情報との位相差に基づいて再生サーボ制御を行う
信号再生装置であって、外部から供給されるマスタアド
レス情報に対して実際に検出されたアドレス情報との位
相差を検出する位相差検出手段と、該位相差検出手段か
らの出力信号を基にマスタ側の機器のアドレス情報の更
新速度を上記マスタアドレス情報の周期から算出し、通
常の再生時の制御曲線の基準値を上記マスタ側の機器の
アドレス情報の更新速度に応じて補正し、補正されて得
られた制御曲線を用いて再生サーボ制御を行うサーボ制
御手段とを有することにより、上述の課題を解決する。
【0019】ここで、上記サーボ制御手段は、通常の再
生時の制御曲線を基準としてこの制御曲線に検出したマ
スタ側の機器の再生速度に応じて検出した検出量の値を
加算、または減算して補正して位相制御している。この
ように補正してリールモータ及びキャプスタンモータに
対してTCを基にしたサーボ制御を行うと共に、例えば
TC同期モード、再生リジェネモード、外部位相モード
等の各モード時に調相制御するため基準信号を制御して
可変速再生にも対応して制御させている。
【0020】また、上記アドレス情報は、例えばテープ
レコーダから供給されるタイムコード(TC)を用いる
場合があるがこの他にコード発生器等でデータフォーマ
ットに応じて生成した情報を用いて行ってもよい。
【0021】
【作用】本発明に係る信号再生装置は、マスタ側の機器
のアドレス情報が基準フレーム長に対してズレを持って
いても外部からのアドレス情報による位相差検出手段で
検出した情報を基に算出された更新速度に応じて通常の
再生時の制御基準値、例えば速度オフセット等で補正し
てサーボ制御することによってアドレス制御及び位相制
御を行い、位相のロック状態を安定に維持する。また、
可変速再生、いわゆるバリスピード再生においても同様
にアドレス制御及び位相制御を行い、位相のロック状態
を安定に維持している。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る信号再生装置の第1の実
施例について図面を参照しながら説明する。
【0023】図1は、本発明の信号再生装置における概
略的なシステム構成示している。ここで、上記信号再生
装置は、複数の例えばテープレコーダ等の機器同士を接
続して同期運転させるために用いている。図1に示す信
号再生装置は、同期運転するシステムにおいて外部から
供給されるマスタアドレス情報に対して実際に検出され
たアドレス情報との位相差を検出する位相差検出手段で
あるTC検出部12と、該TC検出部12からの出力信
号を基にマスタ側の機器のアドレス情報の更新速度を上
記マスタアドレス情報の周期から更新速度を算出して当
該更新速度に応じて通常の再生時の制御基準値を補正し
て位相制御するサーボ制御手段であるサーボ制御部13
からなる構成で各テープレコーダを制御している。
【0024】この信号再生装置において、入力端子10
を介してシンクロナイザ部11内の上記TC検出部12
に外部TCが供給されている。外部に設けたテープレコ
ーダやコード発生器等から供給されるタイムコード(T
C)を用いる。また、上記TC検出部12はテープに記
録した情報をヘッド24を介して再生した再生TCを入
力している。
【0025】TC検出部12は、外部TCと再生TCの
位相差をカウント値にしてサーボ制御部13に供給して
いる。また、TC検出部12は、それぞれ外部TCアド
レスと再生TCアドレスをサーボ制御部13に供給して
いる。
【0026】サーボ制御部13は、可変速再生モード、
いわゆるバリシンクモードにおいて速度検出処理を行っ
てマスタ側のテープ走行速度を検出し、この検出量に応
じた例えば後述するバリベース制御に基づく補正値(バ
リベース値)と通常の再生時制御量に基づく制御基準値
の和をバリシンク値として出力している。シンクロナイ
ザ部11内に設けた各部の動作及び制御は、この速度検
出処理を含む各種の制御について後段で詳述する。サー
ボ制御回路13は後述するキャプスタンモータ駆動回路
部19とリールモータ駆動回路部21にそれぞれサーボ
制御信号を出力している。
【0027】上記バリシンク値は、コミニュケーション
RAM14を介してデータコマンド解析部15に供給し
ている。このデータコマンド解析部15は、表示及びキ
ーボード16からコマンドや目標アドレス等のデータが
供給される。データコマンド解析部15は、ステータ
ス、コマンドの解析をメインCPU(MC)で行い、イ
ンターフェース等の役割も担っている。データコマンド
解析部15は、データ解析されたステータス情報、例え
ばモード情報やサンプリング周波数等の情報をクロック
信号発生部17に供給している。
【0028】クロック信号発生部17は供給された情報
に基づき必要とされる基準クロックをキャプスタンモー
タ駆動回路18に供給している。キャプスタンモータ駆
動回路18は、上記サーボ制御部13からのサーボ制御
信号を入力して上記基準クロックでキャプスタンモータ
19を回転駆動させる駆動制御信号を出力する。
【0029】キャプスタンモータ19は、供給される駆
動制御信号に応じて回転駆動されると共に、周波数発生
器(FG)20に内蔵するモータが回転して回転数に比
例した周波数に基づく信号をリールモータ駆動回路部2
1に供給すると共に、上記キャプスタンモータ駆動回路
部18に供給する。キャプスタンモータ駆動回路部18
は実際に回転するキャプスタンモータ19の回転状況と
サーボ制御回路13から出力される前記サーボ制御信号
に応じて駆動制御信号をキャプスタンモータ19に出力
している。
【0030】リールモータ駆動回路部21も同様に実際
に回転するキャプスタンモータ19の回転状況を示すF
G信号や例えば早送り(FF)や巻戻し(REW)モー
ド等において、目標のアドレスにテープ走行させる場
合、ヘッド24を介して再生された再生TCに基づくサ
ーボ制御信号で例えばそれぞれ送り側のリールモータ2
2、受け側のリールモータ23の回転速度等を制御して
目標のアドレス近傍の範囲内に入るように高速制御して
いる。目標のアドレスに対して許容範囲内に入った場
合、調相にモードを移行する。
【0031】調相時、キャプスタンモータ19は、シン
クロナイズ部11からのTCに基づく制御が行われる。
この調相完了後に図示していない他の信号再生装置と同
期運転して信号を再生出力する。
【0032】さらに、信号再生装置に内蔵される上記シ
ンクロナイズ部11の動作及び制御について図面を参照
しながら詳細に説明する。図2は、本発明の信号再生装
置のTCを用いたシンクロナイズ部11による目標アド
レスへのテープ供給、調相及び再生という追込み制御、
いわゆるタイムコード(TC)チェース(以下TCチェ
ースと略す)の概略的な動作を示す状態遷移図である。
このTCチェースには、アドレスモードとフリーモード
の2つのチェースモードがある。
【0033】上記アドレスモードは一端外部TCの同期
した後もストップキーまたは“TCCHASE"キーが押される
まで外部TCに対し再調相動作を行うモードである。こ
のため、このアドレスモードは、外部TCに欠落やエラ
ーがなく、連続して記録されている場合に用いられる。
【0034】また、フリーモードは一端外部TCの同期
した位相制御完了後ではTCチェース動作が解除され通
常の再生モードに戻るモードである。このフリーモード
は、上記アドレスモードの使用条件と逆に外部TCが連
続して記録されておらず、外部TCに欠落やエラーがあ
る場合に用いられる。このフリーモードは制御方法とし
て上記アドレスモードの説明に含めることができるので
説明を省略する。
【0035】図2に示すこの状態遷移は上記アドレスモ
ードの場合である。この状態遷移に沿って説明すると、
通常のモード状態30は、通常の再生モードにおいてス
トップ状態を示している(ステータスを示すエッジフラ
グ“00H”を出力)。通常のモード状態30は、信号
再生装置のリモートの状態においてシンクオフセット値
SOを設定した上で、TCチェースモードのコマンドが
入力されると、ロケート制御によるアドレス追込み制御
の状態制御であるTLOC状態31に移行する。
【0036】信号再生装置本体は、図1に示すTC検出
部12で入力されている外部タイムコードTCEXT と現
在テープから再生した再生タイムコードTCPBをそれぞ
れ検出する。このTC検出については後段で詳述する。
検出された上記外部タイムコードTCEXT と再生タイム
コードTCPBと予め設定した上記シンクオフセット値S
Oを基にアドレス差ΔADを求めると、上記アドレス差
ΔADは、上記3つのパラメータと ΔAD={(TCEXT −SO)−TCPB} ・・・・・(1) の関係で示される。ここで使用するシンクロナイザ部1
1を内蔵した信号再生装置は、例えばディジタル・マル
チチャンネル・テープレコーダでマルチチャンネルの記
録を行う上で有効なダッシュフォーマットを使用する装
置である。
【0037】このTLOC状態31は、上記アドレス差
ΔADが、上記ダッシュフォーマットにおけるフレーム
で ΔAD < ±3フレーム ・・・・・(2) の条件を満足するまでリールモータのサーボ制御によっ
てロケート制御してアドレス追込み制御を行う。このと
きモードを示すステータスを示すエッジフラグは“88
H”を出力している。
【0038】このアドレス追込み条件が満足した場合、
上記TLOC状態31は、速度制御を行うTPHASE
状態32に状態遷移をする(ステータスを示すエッジフ
ラグ“84H”を出力)。信号再生装置は、この装置に
配設しているクラッチ(図示せず)をオン状態にして上
記リールサーボからキャプスタンサーボに切り換える。
このTPHASE状態32は、このTPHASE状態3
2に状態遷移したとき、直ぐにバリシンク再生モード、
すなわち基準とするクロックをメインCPUの制御で可
変速のクロックを発生させこのクロックに基づく同期再
生を行うモードである。
【0039】バリシンク再生モードで、信号再生装置は
キャプスタンモータ19の回転を可変速、いわゆるバリ
スピード制御を行い、音の再生を行いながら、目標のア
ドレスに対してアドレス/位相追込みを行っている。こ
のとき、トランスポート制御(TRansport Control)は、
信号再生装置のキャプスタンローラとキャプスタンモー
タの間を結合するクラッチを作動状態にする。しかしな
がら、トランスポートがテープ走行中に上記クラッチを
入れると、テープにとってキャプスタンローラの慣性が
急に大きくなってしまう。このため、テープとキャプス
タンローラの間に“滑り”が生じる場合がある。
【0040】この“滑り”によって上記TLOC状態3
1でアドレス差ΔADを±3の範囲内に追込んだアドレ
ス差ΔADが−1〜4フレームだけ拡大してしまう。こ
のフレームズレを減少させるため、後述するロケート制
御曲線に応じた動作をさせながら、信号再生装置は目標
のアドレス近傍のアドレス/速度に達したならば、通常
10インチのリールで8m/s、14インチのリールで
3m/sに設定していたテープ走行の加減速レートを1
m/sと抑えることで、クラッチを入れたときの衝撃を
極力少なくしてフレームズレの発生を減少させている。
【0041】また、上記フレームズレが発生してもTP
HASE状態32から再度TLOC状態31に戻ってロ
ケート処理でアドレス追込み制御させるのでなく、フレ
ームがズレたならば、その状態のままからバリシンク再
生を行いアドレス追込みを行うようにしている。このよ
うな追込み制御を行うことによって何度もクラッチのオ
ン/オフする必要がなく、切り換え時の音の発生もなく
すことができる。この制御によってアドレス追込み制御
の動作が滑らかに、しかもロックまでの所要時間も短縮
することができる。
【0042】このようにして目標のアドレスに到達する
ようにアドレス追込みが行われる。この目標アドレスの
範囲内に入ると、上記アドレス追込みで行っていた外部
TCと再生TCの相対位置情報であるアドレス差ΔAD
の追込み処理から、より細かな追込み制御、すなわち位
相制御を開始する。この位相制御の必要性は、外部TC
と再生TCの検出をそれぞれ別のタスクで行っており、
両者のTCが同期していないことによっている。
【0043】この位相制御は、外部TCと再生TCの位
相差をカウント値ΔPHで表し、この位相差カウント値
ΔPHを用いて制御している。ここで、微妙な位相制御
を行うため信号再生装置は1フレーム(F)を1/100 した
サブフレーム(SF) を設定する。位相制御追込みは、上
記位相差カウント値ΔPHを±1SF以内に入るように制
御を行う。この範囲内に位相追込みが行われたとき、位
相追込みが完了したものとして位相差を監視するCHA
SE LOCK状態33に状態遷移する(ステータスを
示すエッジフラグ“81H”を出力)。CHASE L
OCK状態33は、上記アドレス差ΔADの監視も行っ
ており、アドレス差ΔADが±2F を越えると前記TL
OC状態31に状態遷移して再調相の動作を行う。
【0044】このCHASE LOCK状態33の動作
中にマスタ側の機器のTCに生じるワウ・フラッタ、速
度オフセット及び再生速度をいわゆるバリスピードで変
化させること等によって位相差カウント値ΔPHが、予
めこの信号再生装置に設定した位相ロックさせる範囲で
ある位相ロックウィンドウを越えた場合、信号再生装置
は、上記CHASE LOCK状態33からRESYN
C状態34(ステータスを示すエッジフラグ“82H”
を出力)に状態遷移して位相追込み動作を行う。このと
きの位相追込みの範囲は、±1SFである。上記位相追込
みの条件が満足した場合、信号再生装置はRESYNC
状態34からCHASE LOCK状態33に状態遷移
に戻して制御を継続する。
【0045】また、上記信号再生装置は詳述しないが、
前記TPHASE状態32と上記RESYNC状態34
から必要に応じて前記TLOC状態31に状態遷移させ
て所望のアドレスへのアドレス追込み制御を行わせてい
る。このTCチェースモードにおける各状態でおいて表
示及びキーボード16等の外部からキー操作、例えば
“ストップ”キー、または”TCチェース”キーが押さ
れた場合、TCチェースの動作をすべて“アボート”し
て通常の再生モードの状態30に状態遷移してテープの
走行の停止を行い、各制御設定条件や表示等を切り換え
る。
【0046】次に、信号再生装置のシンクロナイザ部1
1の上記TCチェースモード時における各部の動作につ
いて図3及び図12に示す状態遷移図や必要に応じて各
種の図面を参照しながら説明する。信号再生装置におけ
るシンクロナイザ部11のTC検出部12で、外部TC
と再生TCをそれぞれ検出してアドレス差ΔADを算出
していることは既に述べた。このアドレス差算出にあた
り外部TCを基準として前記した式(1)を用いてアド
レス差ΔADを求めると、再生TCより 外部TCが進み過ぎた場合 (アドレス差ΔAD)>0 ・・・(3) 外部TCと再生TCの一致した場合(アドレス差ΔAD)=0 ・・・(4) 外部TCが遅れた場合 (アドレス差ΔAD)<0 ・・・(5) になることは明らかである。
【0047】TCチェースモードに入ったならば、前述
したように直ぐにTLOC状態31に状態遷移する。図
3に示す状態遷移図は、このTLOC状態31に状態遷
移した段階からを示している。このTLOC状態31に
遷移して、先ず、TLOCステータスが“TLOC”に
設定される。このとき、エッジフラグは“88H”であ
る。
【0048】また、このTC検出部12は、外部TCに
対する再生TCの位相差を読み取る位相差カウントを位
相差検出回路121を設けて検出した位相差カウント値
をサーボ制御回路12内のトランスポートコントロール
(TRC) のCPU131に供給している。この位相差検出
にあたり入力端子35〜39を介して各種信号が入力さ
れる。入力端子35を介して外部TCシンク(EFLD*)が
上記位相差検出回路121に供給されている。外部TC
シンクを反転した信号と再生TCシンク(IFLD*)がそれ
ぞれ入力端子36、37を介して切換スイッチ122の
端子a、b側に供給されている。
【0049】入力端子38、39を介して1.44MHz のク
ロックと位相差追込み時に用いるサンプリング周波数FS
を24倍した周波数のクロックがそれぞれ切換スイッチ
123の端子c、dに供給されている。これは、再生T
Cシンクと外部TCシンクのよる位相差検出処理時と外
部TC速度検出処理時に用いるクロックが、それぞれク
ロック24FSと固定した1.44MHz のクロックと異なるク
ロックを用いてカウントしなければならないためであ
る。
【0050】上記外部TC速度検出処理は、上記固定ク
ロック1.44MHz をカウンタクロックとして用い後述する
外部の速度オフセットの検出を行っている。外部TCシ
ンクを反転した信号と再生TCシンク(IFLD*)がそれぞ
れのクロックでカウントさせるためトランスポートコン
トロール(TRC) から供給される内部/外部切換信号(IN
T/EXT*) でそれぞれ上記切換スイッチ122、123を
切り換える。図4に示す切換スイッチ122、123
は、速度検出処理時で外部TCシンクの反転信号と1.44
MHz のクロックを位相差検出回路121に供給している
状況を示している。この切換スイッチ122、123の
動作については後述する外部TCの速度検出処理で詳述
する。
【0051】上記位相差検出回路121において各TC
の読み取りのシーケンスは、図5に示す関係にある。こ
の関係は、図5(b)に示す外部TCシンク(EFLD*)の
立ち上がりによってカウンタのゲートを開き(すなわち
図5(d)の信号を立ち上げる)、図5(c)に示す再
生シンク/外部シンク(Low 時)(SEL FRM*)の外部T
Cシンクの情報を取り込んでいる。
【0052】この取り込みは、図5(c)に示す信号が
再生TCシンクに切り換わる立ち上がりまで続けてカウ
ンタのゲートを閉じる(図5(d)の信号を立ち下げ
る)。上記ゲートの立ち下がりと同時に図5(e)に示
す位相差読出完了割込信号(I/E INT*) がレベル“L”
になる。上記位相差読出完了割込信号(I/E INT*) は、
サーボ検出制御部13のトランスポートコントロール(T
RC) から供給される図5(a)に示す位相差読出要求信
号(I/E RQ*)の立ち上がりに応じてレベルを“H”にし
ている。この位相差読出完了割込信号(I/E INT*) は、
上記トランスポートコントロール(TRC) のインターフェ
ース回路に送ると共に、後述する検出したTCの位相差
カウント値がトランスポートコントロール(TRC) に供給
される。
【0053】上記位相差カウント値は、図6に示すそれ
ぞれ(a)の示す外部TCシンクと(b)に示す再生T
Cシンクの立ち上がりエッジまでの期間を位相のズレと
してカウントしている。すなわち位相差カウントの開始
は外部TCシンクの立ち上がりで行い、位相差カウント
の停止は再生TCシンクの立ち上がりで行っている。ま
た、位相差カウント値ΔPHは隣接したフレームに入る
度にカウント値はリセットされる。
【0054】このため、位相差カウント値は最大値が外
部TCシンクと再生TCシンクの周期を加算した期間に
用いたクロックでカウントされた値になる。従って、位
相差カウント値の最大値は、用いるTCのフォーマット
とサンプリング周波数によって理論的に決めることがで
きる。この理論式は、位相差カウント値の理論による最
大値ΔPHC-MAX 、サンプリング周波数FSにより、 ΔPHC-MAX =(1/フレーム数)・24・FS ・・・・・(6) で表される。また、各種のフォーマットとサンプリング
周波数の関係から表される位相差カウント値の最大値
は、16進表示を用いて、
【0055】
【表1】
【0056】と表され、位相差カウント値ΔPHは、カ
ウンタのクロックに同期しているのでTCフォーマット
に応じて12通りの組合わせが示される。ここで、サン
プリング周波数FSの24倍の周波数を用いている理由
は、分解能を大きくすることと、カウンタの最大値“F
FFFH”をオーバーフローしないような機械内部のク
ロックを選択したためである。この位相差カウント値
は、上記サーボ制御回路13内のトランスポートコント
ロール(TRC) において前述したサブフレーム(SF) 値に
変換して制御に用いている。
【0057】次に、外部TCからマスタ側の機器の速度
制御処理を開始する(TPHASE状態における処理3
2a)。式(2)に示した条件によって目標のアドレス
との差ΔADに応じて可変速に対応する設定(“バリ設
定”)が6つ設定される。すなわち、アドレス差ΔAD
が、 目標アドレスとのアドレス差+3のとき、バリ設定A “F0H” 目標アドレスとのアドレス差+2のとき、バリ設定B “11H” 目標アドレスとのアドレス差+1のとき、バリ設定C “01H” 目標アドレスとのアドレス差−1のとき、バリ設定D “02H” 目標アドレスとのアドレス差−2のとき、バリ設定E “12H” 目標アドレスとのアドレス差−3のとき、バリ設定F “10H” に設定している。このアドレス追込み制御においてサー
ボ制御部13は、図3の各バリ設定がアドレスの変化に
応じてアドレス差の小さくなる方向に移っていくことを
示している。このとき、まだエッジフラグは“00H”
のままである。
【0058】上述したアドレス追込み制御を繰り返して
目標アドレスとのアドレス差がゼロになるまでアドレス
差に応じてバリデータを制御する。目標アドレスに到達
したときに追込み制御はTPHASE状態32に入った
ものとする。このとき、TPHASEステータスは“T
PHASE”に設定してエッジフラグを“88H”にし
て、TPHASE状態32bに遷移する。アドレス情報
とカウント値のエッジ情報は、処理タスクが別等の理由
によって同期していない場合がある。そこで、TPHA
SE状態32bは、トランジェント状態としてバリ設定
Gを介してバリデータの制御を行っている。
【0059】このトランジェント状態において目標アド
レスに追い込むアドレス追込み制御について図7及び図
8を参照しながら説明する。アドレス追込み制御は、後
段で詳述する位相追込み制御において用いている“バリ
ベース値(VARI-BASE)" で追込み制御している。図7に
示すようにアドレス差ΔADごとにバリシンク値VSを
変化させているのは極力オーバーシュートを抑えて目標
のアドレスに到達する時間を短縮させるためである。例
えば目標アドレスとのアドレス差ΔADが、 +2(“11H”)でバリシンク値VSは−3.2% +1(“01H”)でバリシンク値VSは−1.6% −1(“02H”)でバリシンク値VSは+2.5% −2(“12H”)でバリシンク値VSは+8.0% に設定している。ここで、バリシンク値とは、前述した
ように通常の再生モードにおける制御用の曲線のバリシ
ンク値にバリベース値を加算して得られる値である。
【0060】目標のアドレスに達する、すなわちアドレ
ス差がゼロ(“FFH”)になると、図8に示す位相差
に応じた位相追込み制御に移行する。この位相追込み制
御を行うにあたり外部TCの速度検出処理がTC検出回
路12で行われる。このような速度検出処理の必要性
は、例えばマスタ側の機器がバリスピードコントロール
されていたり、アナログテープレコーダのように本発明
の信号再生装置との間に速度オフセットがある場合にも
信号再生装置のTC値はそれらの外部TC値に合わせな
ければならないからである。このため、マスタ側の機器
から供給される外部TCのみからマスタ側の機器の速度
を検出することが必要になる。この検出結果が上記バリ
ベース値である。
【0061】この外部TCの速度検出処理は、図4に示
した位相差検出回路121で行っている。位相差検出回
路121は、この場合、外部TCシンクの速度検出時に
再生TCシンクに代わって外部TCシンクの逆相信号を
入力して外部TCシンクの1/2シンク間の位相差、す
なわち1/2フレーム間の位相差カウント値を読み取っ
ている。前述したようにTC検出部12内の切換スイッ
チ122は、外部TC速度検出時に再生TCシンクから
外部TCシンクに内部/外部切換信号(INT/EXT*) で切
り換えている。この外部TC速度検出処理が終了したな
らば、また再生TCシンク側に切り換える。
【0062】また、切換スイッチ123は、外部TCシ
ンク/再生TCシンクの位相差検出時にクロック24FS
を用いるよう切り換える。位相追込み中は、バリシンク
再生を行うためサンプリング周波数は変化している。こ
のバリシンク再生中に上記外部TCの速度検出処理を行
うと、トランスポートコントロールが入力するカウント
値が外部TCの速度と1対1に対応していないので、外
部TCの速度検出処理はできない。外部TCの速度検出
処理時に切換スイッチ123は、上記クロック24FSか
ら固定クロック1.44MHz に切り換える。
【0063】この外部TCのバリスピード検出処理は、
後述するRESYNC状態34において読み込んだ外部
TC/逆相外部TCの位相差検出を8回連続で行い、読
み込んだ位相差カウント値ΔPHを移動平均して平均化
し、バリスピード求めている。この平均化処理は、マス
タ側の機器に生じるTCのジッタを考慮してデータのバ
ラツキを吸収して検出精度を向上させるために行ってい
る。
【0064】図8における原点の位置はアドレス差ΔA
Dがない及び位相差カウント値ΔPHがない目標とする
テープ位置を示している。また、図8に示すバリシンク
値(単位:%)はマスタ側の機器が通常の再生モードで
位相差追込みする場合に用いる位相追込み用のバリシン
ク値曲線を示している。このバリシンク値は、±12%
の範囲で制御している。この図8は後述する確定状態3
2cのバリシンク値制御曲線になっている。
【0065】さらに、より理解を深めるため、いわゆる
バリベースを用いたバリシンク再生と通常の再生の制御
について図9を参照しながら説明する。ここで、図9に
示した横軸は位相差カウント値ΔPHでなくアドレス差
ΔADも示している。破線Aは上述したマスタ側の機器
が通常の再生モード時の位相追込みで用いる制御用バリ
シンク値曲線である。実線Bは、マスタ側の機器がバリ
スピード再生した場合、上記通常の再生モードのバリシ
ンク値曲線に検出した速度、すなわちバリスピード分を
バリベース値(VARI-BASE)として加算した値を示すもの
である。従って破線Aのバリシンク値曲線はバリベース
値(VARI-BASE)がゼロの場合である。通常の再生モード
でこのバリシンク値がゼロの位置は、この通常の再生ス
ピードの基準となる。
【0066】この実線Bにおいてアドレス差ΔADの
“01H”と目標のアドレス“FFH”の境界を切る切
片Cの値がマスタ側の機器の検出された速度(バリスピ
ード)=バリベース値である。また、この切片Cのバリ
シンク値がマスタ側の機器がバリスピード再生を行って
いる場合の制御基準値になる。
【0067】ところで、バリシンク値は、最大範囲が±
12.5%に設定されているため、上記バリベース値が
加算してもバリシンク値の絶対値12.5に限定され
る。なお、上記マスタ側の機器のバリスピードが(+)
側は通常の再生モードより速い場合、(−)側は遅い場
合を示している。
【0068】このようにして目標アドレス内ではバリシ
ンク値が±12.5%の範囲で制御の基準速度をシフト
させて位相追込み制御を行っている。また、目標のアド
レスに隣接するフレームに入ると図7から明らかなよう
にバリシンク値ゼロを基準に動作させている。
【0069】このトランジェント状態32bは前述した
ようにアドレス情報(アドレス差も含む)に関するタス
クと位相差カウント値の制御に関するタスクが非同期同
士の制御である。すなわち上記アドレス情報に関するタ
スクはロケート制御のタイミングでアドレス差を10m
sのタイミングでサンプリングしている。また、位相制
御処理に関するタスクは位相差カウント値制御を基準と
して上記位相差カウント値を1フレーム間隔、約33m
s間隔で読み込んでいる。
【0070】図10は、両タスクの関係をアドレス差と
エッジフラグの変化のタイミングで示す図である。位相
差カウント値が目標アドレスのフレームの境界を通過す
る場合、例えば1/2フレーム間の位相差カウント値が
“位相差カウント値>4000H”でアドレス差情報と
エッジフラグが同期したと判断する。このようにこの同
期をとるまでの期間をエッジフラグは“88H”を示し
た後、エッジフラグは同期がとれたと判断して“FF
H”の確定状態に設定する。この同期設定に従って位相
制御処理中にアドレス差情報を参照していると、後述す
るように両タスクが非同期のため図10に示すように隣
接するフレームの境界で上記アドレス差情報は正しくな
いことになる。
【0071】これを説明すると、例えば図10(a)は
位相差カウント値の変化がアドレス差の変化より早い場
合、すなわちアドレス差は既に“FFH”の状態であり
ながら位相差カウント値上のフレーム境界を通過してい
ない場合である。この場合は位相差カウント値が例えば
最大位相差カウント値の半分である4000Hより小さ
い場合、トランジェント状態“88H”として、上述し
たように“位相差カウント値>4000H”で目標アド
レス確定状態(すなわちエッジフラグを“FFH”)に
なる。また、図10(b)は位相差カウント値の変化が
アドレス差の変化より遅い場合を示している。このよう
に隣接するフレームの境界で上記アドレス差情報は位相
差カウント値のサンプリング時のアドレス差は1フレー
ムずれてしまう場合がある。
【0072】図10における位相差カウント値がゼロの
位置は、位相差は合っているがアドレス差が示す数値分
だけ存在することを意味する。また、例えば+1フレー
ムにおける位相差カウント値の増加は、次のアドレスに
近づいていることを意味する。この判断境界値が、上記
“位相差カウント値>4000H”である。
【0073】図11は、上記判断を行う位相差カウント
とアドレス差のサンプリング関係を示す図である。上記
位相差カウントは、約33ms毎にサンプリングを行っ
ており、他方、アドレス差のサンプリングは、約10m
s毎に行っている。このズレをなくして位相追込み制御
を行うために先ず、アドレス追込みで追い込んでアドレ
ス差の値が目標アドレスに対し±3フレーム以内にある
場合でトランジェント状態“88H”にした後、サンプ
リングした位相差カウント値が目標のサブフレームの範
囲内にあることによって確定状態を示す“FFH”にエ
ッジフラグを切り換えている。トランジェント状態32
b(“88H”)は、上記両者のサンプリングがズレて
いることが大きな原因である。
【0074】このように図3に示すTPHASE状態の
トランジェント状態32bは、フレームの境界を位相差
カウント値の通過した後サンプリングが行われるまで保
持され、以後目標の位相になるまでバリシンク再生で位
相制御する。このアドレス情報とカウント値が同期した
とき、目標アドレスに到達したことを示す相対位置情報
(アドレス差ゼロ)のエッジフラグは“FFH”に設定
して、TPHASE状態32cの目標アドレス確定状態
に移行する。
【0075】上記TPHASE状態32cは、目標アド
レス処理32dを施して相対位置情報の確定状態にす
る。上記目標アドレス処理32dは、例えばリモートで
設定されたサブフレーム(SF) 単位のチェース- オフセ
ット値をTCフォーマット、サンプリング周波数(FS)
に応じて位相差カウント値に変換し、後述するロック-
ウィンドウ値(SF単位) を位相差カウント値に変換す
る。
【0076】また、位相差カウント値とオフセット値等
からオフセットエラー値を計算して、オフセットエラー
カウント値の設定を行う。上記オフセットエラーカウン
ト値は、TCフォーマット、サンプリング周波数(FS)
に応じて表示用のサブフレーム値に変換する。このよう
に各値が目標アドレス処理で設定されこれらの値に応じ
た処理を行って相対位置情報の確定状態にして位相ロッ
クする。
【0077】この位相ロックによって状態は、TPHA
SE状態32cから図2に示したCHASE−LOCK
状態33に移行する。図3に示すTPHASE状態32
cからCHASE−LOCK状態33への状態遷移は、
接続子Aを介して図12に示す接続子Aに移行してい
る。
【0078】CHASE−LOCK状態33におけるロ
ック処理33aは、例えば予め設定した上記の各値を基
に位相追込みを行うため位相追込み領域は、この状態で
±1サブフレームから上記リモートで設定されたロック
ウィンドウに切り換えて状態をチェース−ロック状態3
3bに状態遷移させる。チェース−ロック状態33b
は、上記設定したロックウィンドウに応じてロックウィ
ンドウの範囲を越えるまでロック状態を保持する。ま
た、アドレス差の監視が行われて±2フレームを越えた
場合、図2に示したようにTLOC状態31に状態遷移
させて再調相動作している。
【0079】このチェース−ロック状態33bは、追込
み処理がアンロック状態から移行してきた場合、すなわ
ち前述したロケートからの位相追込み、または後述すう
RESYNC状態によるロックの場合がある。これらの
ロック状態は、アドレス差が目標値(“FFH”)にあ
るときと、アドレス差にズレがあるときの2つがある。
【0080】アドレス差が目標値(“FFH”)にある
ときの処理は、例えばフラグのクリア処理及びシンクタ
スク内のチェースステータスをロック状態を示す“CH
ASE−LOCK=01H”に設定し、トランスタスク
にチェース完了イベントを設定する。この処理によって
チェースステータスは“CHASE−LOCK:エッジ
フラグ(81H)”にする。
【0081】また、アドレス差にズレがある場合の処理
は位相追込みリトライ処理を行う。この処理は、エッジ
フラグを初期状態である“00H”に設定することによ
って再度位相追込みを開始させている。
【0082】チェース−ロック状態33bのロック状態
において位相差が、ロックウィンドウの範囲を越えた場
合、RESYNC状態34における位相追込み状態34
aに状態遷移する。この状態遷移は、特にマスタ側の機
器がバリスピード値を変化させた場合に新たに外部TC
の速度検出処理を行う。位相追込み状態34aは、この
検出された新しいバリスピード値を基準に位相制御する
(位相追込み処理34c)。
【0083】この位相追込み制御において通常オフセッ
トエラーは、RESYNC状態34で減少する。このた
めに、サーボ制御部13内のトランスポートコントロー
ラは、オフセットエラーの変化を常に特定の固定した時
間間隔における位相差の変化をオフセットエラー監視処
理34bで監視している。位相追込み状態34aは、上
記オフセットエラーがRESYNC状態34中に拡大し
ているか、停滞しているかの認識に応じてマスタ側の機
器のバリスピード値が変えられたと判断して外部TC速
度検出処理を行う外部TC速度検出状態34dに状態遷
移する。
【0084】外部TC速度検出状態34dにおいて外部
TC速度検出処理は外部TC/逆相外部TCの位相差検
出を連続8回行い、読み込んだ位相差カウント値ΔPH
を移動平均して平均化し、バリスピード求めている。こ
の平均化処理は、マスタ側の機器のTCのジッタを考慮
してデータのバラツキを吸収して検出精度を向上させる
ために行っている。この検出結果データと前回求めた外
部TC速度検出時の値と比較を行う。この比較において
両者の値が同じならば、前回の値をそのままバリベース
値にする。また、両者の値が一致していなければ、上記
検出結果データを基にバリベース値を計算して更新す
る。
【0085】上記バリベース値の更新処理34eの後、
位相追込み状態34aに状態遷移してサーボ制御部13
内のトランスポートコントローラは上記更新したバリベ
ース値を基に位相追込みを実行する。位相差が縮小した
状態になるまでこの追込み処理を繰り返しロックさせ
る。このロック状態に達したならば、信号再生装置はR
ESYNC状態34からCHASE−LOCK状態33
に状態遷移する。
【0086】次に、前述したCHASE−LOCK状態
33における位相制御についてより具体的な例を挙げな
がら説明する。エッジフラグは、この状態遷移によって
“FFH”に設定される。前述した図8や図9は、位相
追込みの制御曲線を示している。この制御曲線は位相差
カウント値をバリシンク値に変換する変換テーブルを図
示したものである。制御曲線の形状は、サーボの応答性
を考慮して決定し、ステップ応答としては臨界応答(ダ
ンピングファクタ=0.7)を理想としている。しかし
ながら、この応答をすべての位相差に応じて最適化し、
かつメカニカルな例えばリール径やテープ巻径等による
慣性の変動に応じて最適化することは非常に難しい。
【0087】このため本発明の信号再生装置は、位相差
が比較的小さい範囲、例えば23サブフレーム(SF) 以
下で臨界制動を行うこととし、オーバシュートなく安定
に位相追込みを行わせる。一方、上記位相差の範囲より
大きい範囲における位相制御は、目標位置への到達速度
を速くするため、例えばゲインを上げて過応答ぎみにし
てダンピングを効かせた制御方法を用いている。このよ
う位相制御の方法を用いることによって、たとえオーバ
ーシュートが発生してもハンチング等の不具合を生じる
ことなく安定に範囲内に位相を収束させるようにしてい
る。
【0088】この具体的な制御方法について図13に示
すフローチャートを参照しながら説明する。ステップS
10で位相制御を開始する。ステップS11で位相差カ
ウント値ΔPHからバリシンク値に変換テーブルを用い
て変換する。この変換された値は、レジスタaに格納し
てステップS12に進む。
【0089】ステップS12においてオーバーシュート
の回数を示すフラグをTCPH-OVRと設定してオーバーシュ
ートの回数がゼロかどうか判別する。上記フラグTCPH-O
VRの値がゼロのとき、ステップS13に進む。このステ
ップS13において上記レジスタaに格納していた値は
レジスタbに格納してステップS25に進む。
【0090】ステップS12で上記フラグTCPH-OVRの値
がゼロでないとき、ステップS14に進んで位相差カウ
ント値ΔPHの比較を行う。ステップS14で検出され
た位相差カウント値ΔPHが約23サブフレームを示す
2000H(16進表示)より大きいかどうかを判別し
ている。ここで、位相差カウント値ΔPHが2000H
より大きい値のとき、ステップS15に進む。
【0091】ステップS16では、上記レジスタaに格
納した値から0.5減じた値をレジスタbに格納してス
テップS25に進む。
【0092】一方、ステップS14において位相差カウ
ント値ΔPHが2000H以下のとき、ステップS16
に移行する。ステップS16では上記フラグをに応じて
各制御に分岐する。すなわち、上記フラグTCPH-OVRの値
が1の場合、ステップS17に進む。上記フラグTCPH-O
VRの値が2の場合、ステップS18に進む。さらに上記
フラグTCPH-OVRの値が3以上の場合、ステップS19に
移行する。
【0093】ステップS17において位相差カウント値
ΔPHが約3サブフレームを示す500H(16進表
示)より大きいとき、ステップS20でレジスタBの値
を−0.5に設定してステップS25に進む。また、位
相差カウント値ΔPHが500H以下のとき、ステップ
S21でレジスタBの値を−0.1に設定してステップ
S25に進む。
【0094】ステップS18において位相差カウント値
ΔPHが約3サブフレームを示す500H(16進表
示)より大きいとき、ステップS22でレジスタBの値
を−0.3に設定してステップS25に進む。また、位
相差カウント値ΔPHが500H以下のとき、ステップ
S23でレジスタBの値を−0.1に設定してステップ
S25に進む。
【0095】ステップS19において位相差カウント値
ΔPHのいかんにかかわらず、ステップS24でレジス
タBの値を−0.1に設定してステップS25に進む。
ステップS25で設定されたレジスタbの値をバリシン
ク値として取り込みバリシンク値の設定する。ステップ
S26でこのバリシンク値による位相制御を終了する。
【0096】このようにしてバリシンク値の設定を行う
ことによって、オーバーシュトが発生しても目標位置に
対する現在位置を表すフラグとオーバーシュートの回数
を表すフラグによってオーバーシュートの回数に応じた
バリシンク値に設定して制御している。
【0097】この位相制御を必要に応じて繰り返し行っ
て制御することを図14を用いて説明する。上述した位
相制御の応答は、図14に示す概略的な応答を示す。こ
こで、図中の数字は、上記フラグTCPH-OVRの値を示して
いる。また、縦軸はオフセット値を示し目標位置におけ
る位相ロック許容範囲をロックウィンドウとして表して
いる。目標位置の位相が合致するところをゼロとして表
示している。
【0098】図14(a)は、TPHASE状態におけ
る位相制御の応答である。最初フラグTCPH-OVRの値はゼ
ロから開始して目標に早く到達させるため急傾斜の値で
行う。このため、上記ロックウィンドウの範囲を越えて
しまい、フラグTCPH-OVRの値は1になる。次にやや傾斜
を緩めながらバリシンク値で制御するがまたロックウィ
ンドウの範囲を越えてオーバーシュートしてしまう。従
って、上記フラグTCPH-OVRの値は2になる。このような
オフセット値の増減を制御して3回目のオーバーシュー
トした(フラグTCPH-OVR=3)後、ロックウィンドウの
範囲内に入ることによって上記フラグTCPH-OVRの値は1
に変化し、ステータスも“TPHASE”から“CHA
SE−LOCK”に変化している。
【0099】また、図14(b)は、RESYNC状態
における位相制御の応答を示す。ステータス“CHAS
E−LOCK”が示すようにこのとき、フラグTCPH-OVR
の値は1である。前述したマスタ側の機器のバリスピー
ドの変化等によってロックウィンドウの範囲から外れて
しまうことが生じる。このとき、前述したようにRES
YNC状態34に状態遷移する。このRESYNC状態
34では、1回のオーバーシュートしただけでまたロッ
クウィンドウの範囲内に戻って位相追込み状態34a
は、CHASE−LOCK状態33に状態遷移してい
る。
【0100】このように位相制御すると明らかにRES
YNC状態34における応答の方がTPHASE状態3
2の応答より早くロックさせることができることを示し
ている。
【0101】しかしながら、一旦、エッジフラグが確定
状態、すなわち“FFH”になると以後の制御はカウン
ト値によってのみ位相制御が行われる。このため、TP
HASE状態32の位相制御過程、またはRESYNC
状態34において、例えば隣接するフレームに移動した
しまったり、通過してしまったりした場合に図15
(b)の破線が示す位相差カウント値の生データを用い
て位相制御すると、隣接するフレームの同一位相、すな
わち図中の点L1、L2、L3とそれぞれの位置でロッ
クしてしまう。実際ロックさせたい位置は図15(a)
が示す目標位置ゼロの点L2である。
【0102】この問題に対処するため、図15(a)に
示す変曲点が一つしかない3次関数的な位相制御を行う
ように制御する。すなわちシンクオフセット値がゼロの
ときの位相差カウント値を用いて、さらにエッジフラグ
“01H”側、または“02H”側から上記変曲点の位
置である目標の1つの点L2に向かう制御を行う。この
ためエッジフラグ“01H”の範囲では位相差カウント
値を反転させている。また、エッジフラグ“02H”の
範囲では位相差カウント値をエッジフラグ“FFH”の
先に加算して直線領域を延ばす変換を行っている。
【0103】次に、図14に示したロックウィンドウに
ついて説明する。このロックウィンドウは、再調相の範
囲を指定するこのである。このロックウィンドウは、ユ
ーザが任意に設定できるもので、再調相範囲はサブフレ
ーム単位で01〜99まで設定可能である。この再調相
範囲を越えると再調相が実行される。このロックウィン
ドウの範囲内に入るとプレイコマンドが発行される。図
1に示した表示及びキーボード16内のプレイランプ
は、点滅から点灯に切り換わる。
【0104】例えばマスタ側の機器としてビデオテープ
レコーダから供給されるTCに対して信号再生装置のス
レーブ側TCを調相して同期させる場合、同期後両機に
入力しているコンポジットビデオ信号で同期を保持して
いる。ここで、両機のTCが上記コンポジットビデオ信
号に同期して記録されていれば、この位相のロック後に
ドロップアウトの場合は別として通常同期が外れてリシ
ンク処理を行うことはない。
【0105】しかしながら、両TCが同期して書かれて
いない場合やマスタ側から供給されるTCがアナログテ
ープレコーダの場合に、上記スレーブ側の信号再生装置
はリシンクとロック処理を繰り返すことになる。特に、
ロックウィンドウの境界付近でマスタ側のTCが例えば
ワウ・フラッタ等によって振れている場合、信号再生装
置は殆どRESYNC状態34になってしまう。また、
通常、ユーザのオペレータは上記ロックウィンドウを±
3SF程度に狭く設定している。位相ズレの発生は少なく
なるがプレイランプの点灯または点滅が頻繁に行われ
る。
【0106】これを改善するために上記ロックウィンド
ウを広く設定すると、上述したリシンクとロックの状態
を交互に繰り返すことは少なくなるものの位相のズレが
大きくなってしまう。
【0107】オペレータの立場では、“リシンクしてい
ることは別に何ら問題はないが、情報としてプレイラン
プが頻繁に点滅、点灯することは煩わしく、精神安定上
良くない。しかしながら、例えばドロップアウト等によ
って本当に確実に位相が大きくズレた場合、位相ズレを
知りたい”という要求が数多くある。信号再生装置内の
シンクロナイザ部11はこのランプの点灯処理を含めた
制御を行っている。信号再生装置は、ランプ等の表示を
要求に応じた制御をシンクロナイザ部を介さずに制御で
きないから、オペレータが指定したロックウィンドウの
範囲でしか表示点灯させることができない。
【0108】そこで、図16に示す新たな表示ウィンド
ウを設けてオペレータ自身が必要とする情報と必要ない
情報を完全に分離して作業効率を改善させている。この
表示ウィンドウの範囲は、サブフレーム単位で1から9
9SFで設定することができる。図16においてロックウ
ィンドウは±5SFに設定している。また、表示ウィンド
ウは20SFに設定している。これによってオフセットエ
ラーが±5SFを越える毎に再調相が行われるが、プレイ
キーの表示ランプは外部TCから表示ウィンドウの範囲
20SF以上外れた場合にのみ点灯する。
【0109】これらの処理は、ソフトウェア的に設定し
て行う。設定は、表示ウィンドウのモードを選択して、
選択モードに応じた処理を行っている。このようにそれ
ぞれのウィンドウ領域を設定することによってワウ・フ
ラッタ、非同期TC及びドロップアウトによるリシンク
動作がすべてプレイランプに直結していた表示をオペー
タの自由に設定し、オペレータは必要な情報だけを知る
ことができる。
【0110】このように構成することによって信号再生
装置は、マスタ側の機器のTCが基準フレーム長に対し
てズレを持っていてもアドレス制御及び位相制御を行っ
て、位相のロック状態を安定に維持することができる。
また、可変速再生、いわゆるバリスピード再生において
も同様にアドレス制御及び位相制御及び位相のロック状
態の安定を図ることができる。
【0111】この位相制御によってレスポンスの良い安
定な位相追込みができ、位相のロック状態までの時間を
短縮することができる。
【0112】また、信号再生装置に内蔵する位相差検出
手段で入力する外部からのTCと再生したTCをCPU
で切り換えて位相差を検出することにより従来の信号再
生装置で必要とされた位相差検出回路を配設せずに外部
TCの速度検出も行って基板上の使用効率及びコストの
低減を図ることができる。
【0113】次に、本発明の他の実施例について簡単に
説明する。前述すた実施例は、TC検出部12内に設け
た一つの位相差検出回路121に対してサーボ制御部1
3内の設けたトランスポートコントロール131によっ
て処理動作を切り換えて2つの機能を持たせた実施例で
ある。このため、“外部TCと再生TCの位相差検出処
理”と“外部TCの速度検出処理”は同時におこなうこ
とができない。すなわち上記2つの処理はそれぞれの処
理がシリアル的に行われる。
【0114】一方、サーボ制御部13における処理はマ
ルチタスク処理が可能なオペレーティンシステムOSを
用いている。従って、信号再生装置は、並列的に各種の
処理を行うことが可能であるから、上記位相差検出回路
121をそれぞれの機能毎に分けて配設して処理する
と、処理効率を上げることができる。
【0115】この並列処理を行うことによって、外部T
C速度検出に要していた約500ms程度の時間を短縮
することができる。また、同時に両処理を行うことがで
きることによって、それぞれの状態毎に状態遷移させる
ことがなくなり、前述した各種処理に対して一部簡略化
することもできる。
【0116】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る信号再生装置によれば、再生信号中のアドレス
情報と外部からのマスタアドレス情報との位相差に基づ
いて再生サーボ制御を行う信号再生装置であって、外部
から供給されるマスタアドレス情報に対して実際に検出
されたアドレス情報との位相差を検出する位相差検出手
段と、該位相差検出手段からの出力信号を基にマスタ側
の機器のアドレス情報の更新速度を上記マスタアドレス
情報の周期から算出し、通常の再生時の制御曲線の基準
値を上記マスタ側の機器のアドレス情報の更新速度に応
じて補正し、補正されて得られた制御曲線を用いて再生
サーボ制御を行うサーボ制御手段とを有することによ
り、マスタ側の機器のアドレス情報(タイムコード等)
が基準フレーム長に対してズレを持っていてもアドレス
制御及び位相制御を行って、位相のロック状態を安定に
維持することができる。また、可変速再生、いわゆるバ
リスピード再生においても同様にアドレス制御及び位相
制御及び位相のロック状態の安定を図ることができる。
【0117】この位相制御によってレスポンスの良い安
定な位相追込みができ、位相のロック状態までの時間を
短縮することができる。
【0118】また、信号再生装置に内蔵する位相差検出
手段で入力する外部からのTCと再生したTCをCPU
で切り換えて位相差を検出することにより従来の信号再
生装置で必要とされた位相差検出回路を配設せずに外部
TCの速度検出も行って基板上の使用効率及びコストの
低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る信号再生装置の第1の実施例にお
いて概略的ブロック構成を示す図である。
【図2】信号再生装置の動作を説明する概略的な状態遷
移図である。
【図3】図2に示した状態遷移図をさらに詳しく説明す
るための状態遷移図である。
【図4】TC検出部内に内蔵している位相差検出回路の
切換制御動作を説明するブロックロック図である。
【図5】図4に示した位相差検出回路の動作を各種信号
に基づきシーケンス関係を説明するタイミングチャート
である。
【図6】外部TCシンクと再生TCシンクによって形成
される区間を位相差カウントすることを示す図である。
【図7】目標アドレスまでのアドレス追込みを制御する
制御曲線を示す図である。
【図8】目標アドレスにおいてエッジフラグ確定状態に
おける制御曲線を示す図である。
【図9】信号再生装置で用いているバリベース制御の制
御曲線における関係を説明する図である。
【図10】信号再生装置におけるアドレス差とエッジフ
ラグの変化のタイミングを説明する図である。
【図11】アドレス差とエッジフラグのサンプリングの
タイミングの関係を説明する図である。
【図12】図2に示した状態遷移図をさらに詳しく説明
するための状態遷移図で図3に示した状態遷移図の続き
を説明する図である。
【図13】オーバーシュートフラグを用いてバリシンク
値による位相制御の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図14】図12に示す位相制御における時間に対する
応答状況を示す図である。
【図15】エッジフラグ確定状態の制御曲線を得るため
に必要とされる変換方法を説明する図である。
【図16】ロックウィンドウ及び表示ウィンドウの関係
を説明する模式的な図である。
【図17】従来のセクタベース・シンクロナイズによる
同期運転するために必要なシステム構成を説明する図で
ある。
【図18】従来のタイムベース・シンクロナイズによる
同期運転するために必要なシステム構成を説明する図で
ある。
【図19】従来のセクタベース・シンクロナイズと併合
してタイムベース・シンクロナイズによる同期運転する
ためのシステム構成を説明する図である。
【符号の説明】
10・・・・・・・・・・・・・入力端子 11・・・・・・・・・・・・・シンクロナイザ部 12・・・・・・・・・・・・・TC検出部 13・・・・・・・・・・・・・サーボ制御部 14・・・・・・・・・・・・・RAM 15・・・・・・・・・・・・・データコマンド解析部 16・・・・・・・・・・・・・表示及びキーボード部 17・・・・・・・・・・・・・クロック信号発生部 18・・・・・・・・・・・・・キャプスタンモータ駆
動回路部 19・・・・・・・・・・・・・キャプスタンモータ 20・・・・・・・・・・・・・周波数発生器 21・・・・・・・・・・・・・リールモータ駆動回路
部 24・・・・・・・・・・・・・ヘッド 121・・・・・・・・・・・・位相差検出回路 122、123・・・・・・・・切換スイッチ 131・・・・・・・・・・・・トランスポートコント
ロール

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生信号中のアドレス情報と外部からの
    マスタアドレス情報との位相差に基づいて再生サーボ制
    御を行う信号再生装置であって、 外部から供給されるマスタアドレス情報に対して実際に
    検出されたアドレス情報との位相差を検出する位相差検
    出手段と、 該位相差検出手段からの出力信号を基にマスタ側の機器
    のアドレス情報の更新速度を上記マスタアドレス情報の
    周期から算出し、通常の再生時の制御曲線の基準値を
    記マスタ側の機器のアドレス情報の更新速度に応じて
    正し、補正されて得られた制御曲線を用いて再生サーボ
    制御を行うサーボ制御手段とを有することを特徴とする
    信号再生装置。
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