JP3309320B2 - フィルター及びその製造方法 - Google Patents

フィルター及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器用材料の洗浄
液用フィルターや、除塵用エアフィルター、医薬品用に
用いられる水等のプレフィルター等として広く用いられ
ている精密濾過用筒状フィルター及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】精密濾過用フィルターとしては、単一成
分からなるメルトブロー法不織布を厚み方向に密度勾配
のある状態に順次数層に巻回したもの(特開平1ー29
7113号公報)等が知られている。しかしながら、前
記特開平1ー297113号公報記載のフィルターにあ
っては、あらかじめ繊維径や嵩密度の異なる数種のメル
トブロー法不織布を準備しておき、補強材を兼ねた多孔
性の中芯に該不織布を内層が密、外層が粗となるように
順次数回ずつ巻回して構成されている。従って製造方法
が複雑であり、非効率的な製法である。また該不織布は
製造時にカレンダー等により圧密加工されるため濾紙と
同様な組織となり、濾過は各不織布層の最外面における
表面濾過になり、濾過ライフが短いと言う課題がある。
また特公昭56−26452号公報には、濾紙やメンブ
レンフィルターをプリーツ加工して菊花状型にし、濾過
ライフを延長する手法を取り入れている。この方法では
絶対濾過精度の良いものが得られるが、濾過層は薄く耐
圧性に劣りかつ表面濾過であるので、濾過面積を広げて
も目詰まりを起こすのが早く、濾過ライフはやはり短い
と言う課題が残る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は濾過精度が高
く、耐圧性に優れかつ濾過ライフが長い精密濾過用フィ
ルタ−及びその簡便な製造方法を提供することを目的と
する。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成を採用
することにより、所期の目的が達成されることを知り、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明の一つは、平
均繊維径10μm以下の繊維ウェブを主体とする筒状フ
ィルタ−であって、該筒状フィルタ−の外周面が凹凸状
に成形され、その外周面積が、外周面が平滑である筒状
フィルタ−の外周面積の1.2倍以上であることを特徴
とする筒状フィルタ−である。本発明の他の一つは、メ
ルトブロ−法紡糸により得られる繊維ウェブを中芯に巻
き取ってフィルタ−とする際に、巻き取り時及び/また
は巻き取り後に凸状型部材で押圧(以下、型付けという
ことがある)して、その外周面積を、押圧前の筒状フィ
ルタ−の外周面積の1.2倍以上にすることを特徴とす
る筒状フィルタ−の製造方法である。さらに、好ましい
態様としては、繊維ウェブを中芯に巻き取り時及び/ま
たは巻き取り後に、複合繊維の低融点成分の融点以上で
高融点成分の融点以下の温度で熱処理し、ついで型付け
する筒状フィルタ−の製造方法である。
【0004】以下本発明を詳しく説明する。本発明のフ
ィルターでは平均繊維径が10μm以下の繊維を用い
る。平均繊維径が10μmを超えるとフィルターの濾過
精度が低下し、粒径の大きな粒子まで流出するようにな
り好ましくない。なおここで言う平均繊維径とは、フィ
ルターの断面の電顕写真を用いて測定した100箇所の
繊維径より求めた平均値である。この様な平均繊維径が
10μm以下という繊維ウェブは、メルトブロー法によ
り得ることができ、メルトブロー法による繊維は実質的
に延伸されておらず有限繊維長で構成される。本発明の
フィルターは、かかる繊維ウェブを主体とする素材で構
成されるが、本発明の効果を妨げない範囲において、繊
維状活性炭や繊維状イオン交換体等の他の機能性繊維、
あるいは粉末状の活性炭やゼオライト等の吸収剤を混入
することもできる。本発明で言う凹凸状とはフィルター
の外周面が平坦でなく、何等かの凹凸状を形成したもの
を言う。具体的な形状としては、直線状、波状、破線
状、格子状等の溝、円錐形、角錐形、円柱形、角柱形、
畝状、茸状、星状、舌状、ハート状、亀甲状、弓状、櫛
刃状、くさび状等の穴(窪み)を単独または適宜組み合
わせて、筒状フィルターの外周部に均等に配置すること
が例示できる。筒状フィルター外周面を凹凸状に成形す
る方法としては、メルトブロー法紡糸により得られる繊
維ウェブをフィルター作製用の中芯に巻き取るに際し、
巻き取り時及び/または巻き取り後にフィルターの外周
から凸状型部材で適宜加熱押圧して型付けするのであ
る。例えば繊維ウエブを巻取った表面がフラットなフィ
ルターを、エンボスロールの様な凸状の突起を有するロ
ール及び/または深溝の仕上げロールの上で回転押圧し
ながら型付けする方法がある。また、表面がフラットな
フィルターに、剣山様の押し型で2方向及びそれ以上の
方向から挟んで型付けする方法もある。凹凸状の構造
は、型付け前の筒状フィルターの外周面積を少なくとも
1.2倍以上に拡大するように、その形状、大きさ、数
等を適宜決定する。型付け後のフィルターの外周面積が
型つけ前の筒状フィルターの外周面積の1.2倍未満で
あると、フィルターの濾過ライフを長くするという効果
が得られないので好ましくない。なお、本発明のフィル
ターの好ましい態様として、前記凹凸状の構造と併せ
て、フィルターの素材として融点差の異なる2種の成分
を複合メルトブロー紡糸して得た複合繊維ウェブを用
い、ウエブの巻取り時及び/又は巻取り後に、複合繊維
の低融点成分の融点以上で高融点成分の融点以下の温度
で熱処理して、繊維の接点を低融点成分の融着により接
着させた構造とすることにより、得られるフィルターは
耐圧性が著しく向上し、一段と濾過精度が安定するよう
になる。
【0005】以下、本発明の好ましい態様である複合メ
ルトブロー繊維を用いた例について述べる。なお、複合
メルトブロー繊維でない場合は、原料樹脂を1種のみ用
い、後述の熱処理を省略すれば、本発明のフィルターが
得られる。複合メルトブロー法とは、2種の熱可塑性樹
脂を各々独立に溶融し複合紡糸口金に供給し、紡糸孔か
ら押し出される熱可塑性樹脂を紡糸孔の周囲より吹き出
す高速気体によって捕集用ネットコンベア上に吹き付
け、極細の複合繊維ウェブを得る方法である。複合形式
としては、芯鞘型、並列型等を例示できる。用いる気体
は、通常2kg/cm2・G、400℃、10m3/分の
空気や、不活性ガスなどが一般的である。メルトブロ−
用口金とコンベアとは、繊維同士の融着が少ない距離に
設定され、熱可塑性樹脂の融点や高速空気流の吹き付け
条件などにより適宜調節される。通常は、約30〜80
cmである。複合メルトブロー繊維の構造で重要なこと
は、融点の異なる2種の熱可塑性樹脂の中、低融点の成
分が繊維断面外周の少なくとも一部を占めることであ
る。低融点成分の外周を占める比率は繊維軸方向に変化
してもよく、特に限定されない。要は、後述する熱処理
によって繊維の各接点を低融点成分のみの融着により接
着し、複合繊維ウェブに三次元構造を形成させるような
複合構造であればよい。低融点成分と高融点成分の複合
比は、80/20〜20/80、好ましくは70/30
〜30/70、より好ましくは55/45〜45/55
の範囲である。本発明のフィルターの素材として用いら
れる繊維ウェブを構成する熱可塑性樹脂としては、ポリ
アミド、ポリエステル、低融点共重合ポリエステル、ポ
リビニリデンクロライド、ポリビニルアセテート、ポリ
スチレン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエ
ラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、共重合ポ
リプロピレン等からなる熱可塑性樹脂が例示でき、複合
紡糸する場合は融点の差が20℃以上異なる熱可塑性樹
脂を組合わせて使用する。複合繊維の両成分の融点差が
20℃未満であると、熱処理時に高融点成分も軟化ない
し融解して繊維形状がくずれ、ウエブがフィルム化して
しまい、フィルター内部の空隙が潰れて、通水性低下な
ど濾過性能に大きい悪影響が出て好ましくない。なお、
ここでいう融点とは、一般的には示差走査熱量計(DS
C)での測定が可能で、吸熱ピークとして現れる。非晶
性の低融点共重合ポリエステル等の場合、融点が必ずし
も明確に現れないため、一般的に言われている軟化点で
代用され、測定には示差熱分析(DTA)等を利用す
る。複合の好ましい組み合わせとしては、ポリエチレン
/ポリプロピレン、ポリエステル/低融点共重合ポリエ
ステル、ポリエチレン/ポリエステルなど例示できる
が、これらに限定されるものではない。
【0006】熱可塑性樹脂を複合メルトブロー紡糸し
て、捕集ネットコンベア上に堆積した繊維ウェブをフィ
ルター作製用の中芯に巻き取るに際し、次の方法があ
る。ひとつは、吸引機構を備えた中空の中芯を回転させ
ながら、該中芯に直接複合メルトブローの繊維ウェブを
吹き付ける、いわゆるメルトブロー紡糸直結方式で筒状
フィルターを得る方法である。なお、この時メルトブロ
ーの熱風に強弱をつけ、繊維径をフィルターの内面から
外周面に向かって順次大きくしたり、繊維ウェブを中芯
に巻き取る際外周面をロールで押圧したりしてフィルタ
ーに密度勾配をつけてもよい。また、複合メルトブロー
紡糸によりネットコンベア上に堆積させた繊維ウェブを
一旦巻き取り、これを改めて加熱しながら中芯に巻き取
り、冷却後中芯を抜き取る方法もある。この場合は中芯
に吸引装置を具備する必要が無い。この場合も前記と同
様に繊維径を変えたり、密度勾配を付けることもでき
る。中芯の断面形状は円形の他、楕円形、三角形、四角
形、及びそれ以上の多角形でも構わないが、円形が一般
的である。本発明において、繊維ウェブの熱処理とは、
複合繊維の低融点成分の融点以上、高融点成分の融点以
下の温度で加熱し、低融点成分のみを融解して繊維の接
点を接着させ、繊維ウェブに三次元構造を形成させるこ
とをいう。熱処理の加熱源としては、熱風、過熱蒸気あ
るいは遠赤外線による加熱、あるいは熱エンボス法、熱
カレンダー法、超音波接着法等を用いることができる。
特に遠赤外加熱法は、複合メルトブロー法により得られ
たウェブを乱す事なく厚みムラが少い状態で均一に加熱
接合でき、濾過性能の安定したフィルターが得られる好
ましい方法である。熱処理の具体的な手順としては、繊
維ウエブを加熱しながら中芯に巻取る方法、あるいは繊
維ウエブを中芯に巻取った後に加熱する方法があるが、
特に限定されない。このような熱処理により繊維ウェブ
には三次元構造が形成され、フィルター内部の細孔構造
は水圧変動などでも細孔が目開きせず、かつ流体の圧力
による空隙の目詰まりを防止する。このため、フィルタ
ー層内部に多孔性支持体や補強材などを用いなくても優
れた耐圧性を示し、濾過精度が安定する。
【0007】
【実施例】次に本発明を実施例で更に具体的に説明す
る。なお、実施例中に於ける測定法は以下の方法で行っ
た。 [濾過ライフ]ハウジングに、フィルタ−1本をとりつ
け、30リットルの水槽からポンプで循環通水する。流
量を30毎分30リットルに設定した後、水槽に火山灰
土壌下層土粉末(平均粒径12.9μm、粒径範囲1.
0〜30μmが99%)20gを添加攪拌して循環濾過
を続け、水槽内の液が透明になった時点でフィルタ−入
口圧と出口圧を読む。この操作を入口圧と出口圧の差が
4kg/cm2 になるまで続け、それまでの時間(分)
を濾過ライフとした。 [濾過精度]ハウジングに、フィルター1本を取り付
け、30リットルの水槽からポンプで循環通水する。流
量を毎分30リットルに調整した後、水槽にケ−キ(カ
ーボランダム、#4000)を5g添加する。ケ−キ添
加より1分後に採取した濾過水100ミリリットルをメ
ンブレンフィルター(1μm以上の粒子を捕集できるも
の)で濾過し、メンブレンフィルター上に捕集されたケ
−キの粒度を、粒径毎の個数を測る粒度分布測定機で測
定し、最大流出粒径を濾過精度とした。 [平均繊維径]ウェブより5箇所採取した試料に付き各
1枚の電顕写真を撮り、それぞれの写真から任意に20
本の繊維径を計測し、計100本の平均繊維径を求め
た。フィルター内部についても同様な方法で平均繊維径
を求めた。
【0008】実施例1 メルトフローレート(以下MFRと略記する)が80
(g/10分、at230℃)、融点165℃のポリプ
ロピレンを孔径0.3mm、孔数501のメルトブロ−
用口金を用い、紡糸温度を280℃、総吐出量120g
/分の条件で紡糸した。紡糸中、温度350℃の空気を
圧力1.2kg/cm2・Gで導入し口金から48cm
の距離に設置した吸引装置付きのコンベアネット上に吹
き付け、極細繊維ウェブを得た。得られた繊維ウェブの
平均繊維径は、2.5μm、目付45.0g/m2であ
った。この繊維ウェブを一旦巻取った後、改めて速度1
5m/分のコンベアで送りながら、外径30mm、長さ
250mmの多孔性プラスチック製中芯に外径60mm
になるまで巻き取り、表面の平滑な筒状フィルターを得
た。この筒状フィルターの表面を、縦横高さがいずれも
5mmの四角錐状突起を多数有した金型で、温度175
℃、2kg/cm2、60秒間型付け加工し、外周面に
約12,700個/m2の凹部を有するフィルターを得
た。このフィルターの濾過面積は型付け前のフィルター
の約1.4倍に当たる660cm2であった。また濾過
性能を測定したところ、濾過精度は3.0μmで、濾過
ライフは型付け前のフィルターが7分だったのに対し、
型付け後のフィルターは10分と良好なものであった。
【0009】〔実施例 2〕MFRが80(g/10
分、at230℃)、融点165℃のポリプロピレンを
芯成分とし、MFRが124(g/10分、at190
℃)、融点122℃の線状低密度ポリエチレンを鞘成分
とし、孔径0.3mm、孔数501の芯鞘型メルトブロ
−用口金を用い、芯鞘複合比50/50、紡糸温度を芯
成分280℃、鞘成分260℃、総吐出量120g/分
の条件で紡糸した。紡糸中、温度350℃の空気を圧力
1.2kg/cm2・Gで導入し、口金から48cmの
距離に設置した吸引装置付きのコンベアネット上に吹き
付け、極細の複合繊維ウェブを得た。得られた繊維ウェ
ブの平均繊維径は2.6μm、目付49.0g/m2
あった。この繊維ウェブを電顕観察したところ、やや繊
維間の融着は観られたものの、ローピングやショットの
ない良好なものであった。この繊維ウェブを一旦巻取っ
た後、改めて速度15m/分のコンベアで送りながら、
遠赤外ヒータ付き加熱成型装置で雰囲気温度140℃の
条件に加熱し、引続き外径30mmの金属製中芯に外径
が60mmになるまで巻取り、室温で放冷した後中芯を
抜き取って切断し、外径60mm、内径30mm、長さ
250mmの表面が平滑な筒状フィルターを得た。この
フィルターは、繊維の接点が低融点成分のポリエチレン
の融着により互いに接着されて三次元構造を形成してい
た。この筒状フィルターの表面を、ロールの軸方向と直
角に多数の平行な山脈状突起を有する型付けロールで型
付け加工し、谷の開口幅5mm、谷の深さ5mm、山の
尾根幅2.5mm のV字形溝33本を有するフィルタ
ーを得た。このフィルターの内部の平均繊維径は2.6
μmで、濾過面積は型付け前のフィルターの約1.7倍
に当たる700cm2であった。また濾過性能を測定し
たところ、濾過精度は2.5μmで、濾過ライフは型付
け前のフィルターが10分だったのに対し、型付け後の
フィルターは15分と良好なものであった。
【0010】実施例 3 固有粘度0.61、融点252℃のポリエステルと、前
記実施例2で用いたものと同一の線状低密度ポリエチレ
ンとを、孔径0.3mm、孔数501の並列型メルトブ
ロ−用口金を用い、複合比50/50、紡糸温度をポリ
エステルを310℃、ポリエチレンは240℃で、総吐
出量120g/分の条件で紡糸した。紡糸中、温度40
0℃の空気を圧力2.0kg/cm2・Gで導入し、口
金とコンベアとの距離44cmで紡糸し、コンベア上に
捕集した。この時の繊維ウェブの平均繊維径は5.7μ
m、目付51.0g/m2であった。得られ極細繊維ウ
ェブを引き続き遠赤外ヒータ付き加熱成型装置に導入
し、以下実施例2と同様の条件で加熱、巻取り、冷却切
断して、外径60mm、内径30mm、長さ250mm
の表面が平滑な筒状フィルターを得た。このフィルター
は、繊維の接点が低融点成分の線状低密度ポリエチレン
の融着により互いに接着されて三次元構造を形成してい
た。これを実施例2と同様に、山脈状突起を有したエン
ボスロールで型付け加工し、外周面に33個/25cm
の溝を有したフィルターを得た。このフィルター内部の
平均繊維径は5.5μmで、濾過面積は型付け前のフィ
ルターの約1.5倍に当たる700cm2であった。ま
た濾過性能を測定したところ、濾過精度は4.5μm
で、濾過ライフは型付け前のフィルターが19分だった
のに対し、型付け後のフィルターは31分と良好なもの
であった。
【0011】実施例 4 複合比を55/45とした以外は実施例2と同じ方法で
紡糸した。この時、外径30mmの多孔性金属製の円形
パイプからなる中芯を周速10m/分で回転させなが
ら、パイプの中より吸引機構により排気させ、この中芯
に直接複合メルトブローの極細繊維ウェブを吹き付け、
外径62mm、内径30mmの筒状フィルターを得た。
巻取りに際し、遠赤外ヒータを設置してフィルターの周
囲を、雰囲気温度140℃で加熱し成形性を良くした。
この結果、繊維ウェブは繊維の接点が低融点成分のみの
融着により接着されて三次元構造を形成していた。得ら
れた筒状フィルターの平均繊維径は2.4μmであっ
た。室温で放冷後、中芯を抜き取り、長さを250mm
に切断した。次いで、縦横高さがいずれも5mmの四角
錐状突起を多数有した金型で型付け加工し、外周面に約
19,000個/m2の凹部を有するフィルターを得
た。このフィルターの濾過面積は型付け前のフィルター
の約1.6倍に当たる749cm2であった。また濾過
性能を測定したところ、濾過精度は2.7μmで、濾過
ライフは型付け前のフィルターが12分だったのに対
し、型付け後のフィルターは18分であった。
【0012】〔実施例 5〕線状低密度ポリエチレンの
代わりに、MFRが35(g/10分、at230
℃)、融点138℃のプロピレン・エチレン・ブテン−
1ランダムコーポリマーを用い、紡糸温度300℃、温
度330℃の空気を圧力1.5kg/cm2・Gで導入
し、コンベアとの距離40cmとした以外は実施例2と
同じ条件とした。得られた繊維ウェブの平均繊維径は
2.1μm、目付45.0g/m2であった。この繊維
ウェブを電顕観察したところ、やや繊維間の融着は観ら
れたもののローピングやショットのない良好なものであ
った。この繊維ウェブを一旦巻取った後、コンベアを備
えた遠赤外ヒータ付き加熱成型装置に流し、雰囲気温度
145℃で加熱溶融した。この結果、繊維ウェブは繊維
の接点が低融点成分のみの融着により接着され、三次元
構造を形成していた。引続き、外周の各辺が15mmの
正六角形の金属製中芯に巻取り、室温放冷後、中芯を抜
き取って長さ250mmに切断して、表面が平滑な筒状
フィルターを成形した。得られた筒状フィルターの外径
は最大のところが60mm、最小は52mmで、概ね円
形に近いものになった。次いで、前記実施例2と同様の
型付けロールで表面を型付け加工し、外周面にV字形溝
を有したフィルターを得た。このフィルター内部の平均
繊維径は2.2μmで、濾過面積は型付け前のフィルタ
ーの約1.5倍に当たる690cm2であった。また濾
過性能を測定したところ、濾過精度は1.9μmで、濾
過ライフは型付け前のフィルターが8分だったのに対
し、型付け後のフィルターは14分であった。
【0013】
【発明の効果】本発明のフィルターは、外周面に凹凸状
の加工を設けているので、濾過面積が拡大し、濾過ライ
フを長くすることができる。また本発明のフィルター
は、メルトブロー法による極細複合繊維を用い、低融点
成分による接着により繊維に三次元的な構造とすること
により、フィルター層内の細孔構造は水圧変動などでも
目開きせず、高精度な濾過が安定して実施でき、フィル
ターとしての性能を一層向上させることができる。更に
本発明のフィルターは、メルトブロー法による極細繊維
を使用することにより、繊維加工用静電防止剤(油剤)
を用いないため食品分野、精密濾過分野でもフィルター
を使用前に洗浄する必要がなく、衛生的に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−134470(JP,A) 特開 平1−297113(JP,A) 特開 平3−65207(JP,A) 特開 昭50−23073(JP,A) 特開 昭63−287517(JP,A) 特開 平3−119112(JP,A) 特開 昭55−99315(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 39/00 - 39/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均繊維径10μm以下の繊維ウェブを主
    体とする筒状フィルタ−であって、該筒状フィルタ−の
    外周面が凹凸状に成形され、その外周面積が、外周面が
    平滑である筒状フィルタ−の外周面積の1.2倍以上で
    あることを特徴する筒状フィルタ−。
  2. 【請求項2】繊維ウェブが、融点差20℃以上の複合成
    分で構成されるメルトブロ−法複合繊維ウェブであり、
    繊維同士の接点が複合繊維の低融点成分により融着接合
    されている請求項1記載の筒状フィルタ−。
  3. 【請求項3】メルトブロ−法紡糸により得られる繊維ウ
    ェブを中芯に巻き取ってフィルタ−とする際に、巻き取
    り時及び/または巻き取り後に凸状型部材で押圧して、
    その外周面積を、押圧前の筒状フィルタ−の外周面積の
    1.2倍以上にすることを特徴とする筒状フィルタ−の
    製造方法。
  4. 【請求項4】凸状型部材がロ−ルである請求項3記載の
    筒状フィルタ−の製造方法。
  5. 【請求項5】繊維ウェブが、融点差20℃以上の複合成
    分で構成されるメルトブロ−法複合繊維ウェブである請
    求項3記載の筒状フィルタ−の製造方法。
  6. 【請求項6】繊維ウェブを中芯に巻き取り時及び/また
    は巻き取り後に、複合繊維の低融点成分の融点以上で高
    融点成分の融点以下の温度で熱処理し、ついで、凸状型
    部材で押圧することを特徴とする請求項3記載の筒状フ
    ィルタ−の製造方法。
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