JP3353405B2 - 筒状フィルターの製造方法 - Google Patents

筒状フィルターの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メルトブロー法による
細繊度ウェブを成形する精密濾過用筒状フィルターの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精密濾過用フィルターは、電子機器用材
料の洗浄液用フィルターや、除塵用エアフィルター、医
薬品に用いられる水のプレフィルター等として広く用い
られている。この種のフィルターの製造方法として、特
開昭60−216818号公報には、メルトブロー法で
得られたウエブを繊維が接着しない温度まで冷却した後
心棒上に巻き取る方法が開示されている。また単一成分
からなる複数のメルトブロー法不織布をフィルターの厚
み方向に密度勾配ができるように順次数層づつ巻取る方
法(特開平1ー297113号公報)、更には、メルト
ブロー法による複合繊維を用いたカートリッジフィルタ
ーの製造方法(特開平4−126508号公報)等が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭60ー2168
18号公報記載の方法では、ポリプロピレンやポリエス
テル等の単一の熱可塑性樹脂をメルトブロー法でー定の
紡糸条件で均一な繊維径の極細繊維を紡糸して、または
押出量や高圧気流等を経時的に変化させ繊維径を変化さ
せて紡糸し、得られるウェブを繊維が接着しない温度ま
で冷却した後心棒上に巻き取る方法で成形したものであ
る。繊維間の結合は機械的なもつれや絡みによるもので
あるので弱く、このフィルターは硬度が低く耐圧性に劣
る。このフィルターの硬度を上げようとして巻取工程で
ウエブを加熱すると、繊維が単一成分であるのでウエブ
は溶融してフィルム化し、得られるフィルターは濾過精
度が低下し、且つ濾過ライフの短いものとなる。特開平
1ー297113号公報記載の方法では、あらかじめ繊
維径や嵩密度の異なる数種のメルトブロー法不織布を準
備する必要があり、この不織布を補強材を兼ねた多孔性
の中芯に内層が密、外層が粗となるように数回づつ巻つ
けては順次交換する。従って製造方法が複雑であり、非
効率的な製法である。 また該不織布は製造時にカレン
ダー等により圧密加工された紙状のものであるので、得
られるフィルターは濾過特性が濾紙のような表面濾過に
なり、濾過ライフが短くなると言う課題がある。また、
特開平4−126508号公報記載のメルトブロー法に
よる複合繊維で作られたカートリッジフィルターは、安
定した複合紡糸をするための異種ポリマーの溶融粘度調
整が難しく、紡糸条件が固定化されるので繊維径も一定
のものしか得られず、また装置が複雑化してコスト高に
なるという課題が残る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成を採用
する事により所期の目的が達成されることを知り、本発
明を完成するに至った。即ち本発明は、融点差が15℃
以上ある2種の熱可塑性樹脂の混合物を用いて、メルト
ブロー法で順次繊維径を変えながら紡糸して得られたウ
ェブを、低融点樹脂のみを溶融するように加熱しながら
巻芯に巻き取り熱接合成形する筒状フィルターの製造方
であって、混合された2種の樹脂がそれぞれ繊維内部
に分散して存在するか、または高粘度の樹脂からなる多
数の核を低粘度の樹脂が包囲した海島構造をとって存在
することを特徴とする筒状フィルターの製造方法であ
る。本発明でいう筒状フィルターとは、フィルターの横
断面の形状が円形または楕円形などの中空状フィルタ
ー、あるいは横断面の形状が三角または四角以上の多角
形をした角型中空状フィルターなどである。なお、巻芯
の形状が多角形の場合には、繊維ウェブを巻き重ねるに
つれ外形は円形に近くなり中空部は多角形を保つものも
ある。以下本発明を詳しく説明する。本発明で使用され
るメルトブロー法とは、インダストリアル・アンド・エ
ンジニアリング・ケミストリー誌、第48巻、第8号
(1956)第1342〜1346頁、「スーパー・フ
ァイン・サーモプラスチックス」ヴアン・A・ウエン
テ:(Industrial and Engineering Chemistry Vol.48,
No.8,p.1342(Super Fine Thermoplastics)Van A Went
e)や米国特許第3,532,800号に示されている
方法であり、紡糸孔より押し出された溶融した熱可塑性
樹脂を、紡糸孔の周囲より吹き出す高温高速気体によっ
て捕集コンベアネット上に吹き付け、繊維ウェブを得る
方法である。用いる気体は空気や不活性ガスなどが一般
的で、通常2kg/cm・G、400℃、10cm
/分程度の吹き付け条件である。メルトブロー用口金と
コンベアとの距離は繊維間接合の少ない距離に設定さ
れ、熱可塑性樹脂の融点や高速空気流の吹き付け条件な
どにより適宜調節され、約30〜80cmが一般的であ
る。また熱可塑性樹脂を混合し、メルトブロー繊維のマ
ットを作る特開昭54−134177号公報の方法も参
考にできる。
【0005】本発明のフィルターの繊維ウェブの素材と
して用いられる樹脂としては、ポリアミド、ポリエステ
ル、低融点共重合ポリエステル、、ポリスチレン、ポリ
ウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、共重合ポリプロピレン
(例えば、プロピレンを主体とする、エチレン、ブテン
−1、4−メチルペンテン−1等との二元または三元共
重合体)等の熱可塑性樹脂が例示でき、これらの中から
融点が15℃以上、好ましくは20℃以上異なるものを
適宜組合わせて使用する。融点差が15℃未満であると
ウエブを熱処理して巻取る際に、高融点成分も軟化ない
し融解し、繊維の形状がくずれてウエブがフィルム化し
てしまい、フィルター内の空隙が消滅し、通水性低下や
濾過ライフ短縮など濾過性能に大きな悪影響が出て好ま
しくない。なお、ここでいう融点とは、一般的には示差
走査熱量計(DSC)で測定される吸熱ピークを指す
が、低融点共重合ポリエステル等の非晶質樹脂の場合に
は軟化点で代用する。混合する樹脂の好ましい組み合わ
せとしては、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエス
テル/低融点共重合ポリエステル、ポリエチレン/ポリ
エステルなど例示できるが、これらに限定されるもので
はない。混合された樹脂はそれぞれ繊維内部に分散して
存在したり、高粘度の樹脂からなる多数の核を低粘度の
樹脂がそれぞれ包囲した海島構造をとることもある。樹
脂混合物をメルトブロー紡糸して得たウエブを熱処理し
て繊維同士を融着させるためには、樹脂の混合比は通常
低融点樹脂が55〜90重量%であり、好ましくは60
〜80%である。また、上述のように低融点樹脂が海島
構造の海を形成する場合には、繊維表面が低融点樹脂で
被われるので、55%未満であっても良好な融着状態が
得られることがある。
【0006】メルトブロー法では、繊維径は樹脂の押出
量を増せば太くなり、熱風の流速を増せば細くなるの
で、これらの条件の何れか一方あるいは両方を変化させ
ることにより繊維径が変化したウェブを作ることができ
る。繊維径の変化は連続的であってもよく、段階的であ
ってもよいが、ウェブを巻き取って作られるフィルター
の厚み方向に(通液する下流側にむけて)順次細くする
のがよい。この様に設計することにより、フィルターは
液の入口側は太い繊維で構成された大きな空隙を有し、
液の出口側は細い繊維で構成された小さな空隙を有した
密度勾配型となり、フィルターの厚み方向に微粒子を分
級して捕捉するので、濾過ライフの長いフィルターを得
ることができる。本発明においては、後述の熱処理によ
って低融点樹脂のみを溶融して繊維の接点を融着させ、
ウェブ内で繊維が三次元構造を形成させるので、熱処理
が均質になされるためにはウエブの目付は100g/m
2以下が好ましい。
【0007】メルトブロー法で得たウェブを用いてフィ
ルターを作製するには二つの方法がある。ひとつは、吸
引機構を備えた中空の中芯を回転させながら、該中芯に
直接混合メルトブローの繊維を吹き付け堆積させてフィ
ルターとする、いわゆるメルトブロー紡糸直結法であ
る。また、メルトブロー法でネットコンベア上に堆積さ
せたウエブを一旦貯蔵し、あらためてこれを中芯に巻き
取る方法もある。後者では中芯には吸引機構は不要であ
る。いずれの方法においても、使用する中芯の断面形状
は円形の他、楕円形、三角形、四角形等の多角形でも構
わないが、円形が一般的である。
【0008】本発明において、熱処理はウェブの繊維接
点に低融点樹脂による結合を成形させ、繊維ウェブに三
次元的な構造を形成させる上で重要である。熱処理の具
体的な手順としては、中芯に巻き付ける前のウエブを加
熱する方法、中芯に巻き付けつつあるウエブを加熱する
方法、さらにはウエブを中芯に巻き付けた後に加熱する
方法があるが特に限定されない。加熱方法としては、熱
エンボス法、熱カレンダー法、熱風法、遠赤外加熱法な
どが使用できる。中でも、サクション機構を備えた熱風
法は、ウェブを乱す事なく厚みムラが少なく均一に加熱
でき、製品のフィルターも安定した品質の濾過性能が得
られる優れた方法である。
【0009】以上は未使用の樹脂を使用することを前提
にして説明したが、本発明のフィルターは再生レジンを
用いても製造できる。近年、異種成分からなる複合繊維
が多用されるようになったが、複合繊維をそれぞれの成
分に分離して回収する事が困難であり、再使用が困難で
ある。しかし、メルトブロー法では少々糸切れしても紡
糸性にほとんど影響を及ぼさず、樹脂の種類や混合比及
び溶融粘度などが明確でありさえすれば再使用が可能で
あり、コスト削減というメリットがある。また、スパン
ボンド法やメルトブロー法等のジェット紡糸法で生産さ
れたものは例外として、回収された繊維には繊維仕上剤
が付着しており、このような繊維をそのままフィルター
に加工すると、繊維仕上剤が濾液中に溶出し、濾液が泡
立つという問題がある。しかし、本願発明のフィルター
では、回収繊維をメルトブロー紡糸の過程で繊維仕上剤
が気化したり、繊維内部に練り込まれるので、この再生
レジンで紡糸して作ったフィルターでは繊維仕上剤によ
る濾液の泡立ちは認められない。
【0010】
【発明の効果】本発明の顕著な特徴は、海島構造を形成
している繊維の一部が、フィルターを成形する際の熱処
理により溶融し、海成分を形成していた低融点成分同士
の接合部と、部分的に高融点成分からなる島成分の部分
が多くなり、繊維径はより細くなるので微細な孔径とな
り濾過精度が向上する。本発明において、低融点成分と
高融点成分からなる混合繊維ウェブを用い、熱処理によ
り低融点成分のみを溶融させて熱接合すると、フィルタ
ーの性能がより一層向上する。即ち熱接合成形で繊維ウ
ェブは三次元構造を形成するので、フィルター内の細孔
構造は水圧などでも細孔が目開きや目詰まり起こさず、
安定した濾過精度が得られる。また耐圧性に優れ、フィ
ルター内部に多孔性支持体や補強材などを必要としな
い。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例で更に具体的に説明す
る。なお実施例中に於ける測定法は、以下の方法で行っ
た。 [濾過精度]: ハウジングにフィルター1本を取り付
け、30リットル用水槽からポンプで循環通水する。流
量を毎分30リットルに調整した後、水槽にケ−キ(カ
ーボランダム、#4000)を5g添加する。ケ−キ添
加より1分後に濾過水を100ml採取する。この濾過
水をメンブレンフィルター(1μm以上を捕集できるも
の)で濾過し、メンブレンフィルター上に捕集されたケ
−キの粒度を粒度分布測定機で測定し、最大流出粒径を
濾過精度とした。 [濾過ライフおよび耐圧強度]:ハウジングにフィルタ
ー1本を取り付け、30リットル用水槽からポンプで循
環通水する。流量を毎分30リットルに調整した後、水
槽にケ−キ(JIS Z 8901の16種、平均粒径
3.5μmの重質炭酸カルシウム)を毎分0.4g添加
し、フィルターの入口と出口の差圧が3kg/cm2
なるまでの時間を濾過ライフとする。引き続き、差圧が
10kg/cm2になるか又はフィルターが変形するま
でケーキの添加を続行し、ケーキの添加を止めたときの
差圧を耐圧強度とする。 [平均繊維径] フィルター内部の5箇所に相当する試
料をウェブから採取し、それぞれ電子顕微鏡写真を撮
り、1枚の写真から任意の20本の繊維径を計測し、合
計100本の繊維の平均径を求めた。
【0012】実施例 1 メルトフローレート(以下MFRと略記する)が75
(g/10分、at230℃)で融点が165℃のポリ
プロピレンと、MFRが121(g/10分、at19
0℃)で融点が122℃の線状低密度ポリエチレンと
を、重量比45/55で混合した。この混合物を、孔径
0.3mm、孔数501のメルトブロ−用口金を用い、
紡糸温度280℃、吐出量120g/分の条件で紡糸し
た。温度350℃の加熱空気を導入し、吸引装置付きの
コンベアネット上に吹き付け、目付49.0g/m2
ウェブを得た。なお、紡糸口金に供給する空気の圧力を
3.2kg/cm2 ・Gから0.6kg/cm2 ・Gに
連続的に徐々に減少させた。
【0013】このウエブを速度15m/分、雰囲気温度
140℃の条件のエアスルー加工機で加熱した。この結
果、ウェブは線状低密度ポリエチレンの融着により繊維
の接点で接着した三次元構造を形成していた。引続き、
高温のウエブをエアスルー加工機の出口において外径3
0mmの金属製中芯に巻取り、室温に放冷後中芯を抜き
取って切断し、外径60mm、内径30mm、長さ25
0mmの円筒状フィルターを作製した。このウェブから
フィルターの各所に相当する試料を採取して繊維径を測
定した結果、フィルターの内側表面で0.8ミクロン、
内側から5mmで1.8ミクロン、内側から10mmで
2.7ミクロン、外側表面で7.6ミクロンであった。
このフィルターの濾過性能は、濾過精度は1.5μm、
濾過ライフは32分、耐圧強度は7.4kg/cm2
で、濾液に泡立ちのない良好なものであった。
【0014】実施例2 固有粘度が0.63で融点が252℃のポリエチレンテ
レフタレートと、実施例1で用いた線状低密度ポリエチ
レンとを重量比30/70で混合し、孔径0.3mm、
孔数501のメルトブロー用口金を用い、紡糸温度を2
80℃、吐出量120g/分、加熱空気の温度400
℃、の条件で紡糸した。この時の繊維ウェブの目付は5
1.0g/m2であった。紡糸中、加熱空気の圧力を初
期の2.8kg/cm2・Gから末期の0.4kg/c
2・Gに連続的に徐々に減少しながら導入し、コンベ
アネット上に捕集した繊維ウェブを直ちにエアスルー加
工機に移送し、実施例1と同条件で加熱した。この結
果、ウェブは線状低密度ポリエチレンの融着により繊維
の接点で接着した三次元構造を形成していた。引続き、
高温のウェブを実施例1と同じ条件で中芯に巻き取り、
室温に放冷後、中芯を抜き取って外径60mm、内径3
0mm、長さ250mmの円筒状フィルターを作製し
た。このウェブからサンプリングした繊維径はフィルタ
ー内側表面が2.8ミクロンで、厚み方向に漸増し、外
側表面で9.2ミクロンであった。このフィルターの濾
過性能を測定したところ、濾過精度は4.5μm、濾過
ライフは51分、耐圧強度は7.3kg/cm2で、濾
液の泡立ちは認められなかった。
【0015】実施例3 固有粘度が0.61で融点が253℃のポリエチレンテ
レフタレートと、固有粘度が0.55で融点が205℃
のエチレングリコールテレフタレート・イソフタレート
共重合体とを重量比40/60で混合し、孔径0.3m
m、孔数501のメルトブロー用口金を用い、紡糸温度
300℃、吐出量120g/分、加熱空気の温度40
0℃の条件で紡糸した。この時の繊維ウェブの目付は5
1.0g/m2であった。紡糸中、加熱空気の圧力を初
期の2.8kg/cm2・Gから末期の0.4kg/c
2・Gに連続的に徐々に減少しながら導入した。本例
ではコンベアネットに代えて吸引機構を備えた中空で且
つ穿孔を有する外径30mmの金属製中芯を用い、10
m/分で回転している中芯上に直接メルトブロー繊維を
吹き付けて巻取った。室温放冷後中芯を抜き取り、長さ
を250mmに切断し、外径62mm、内径30mmの
円筒状フィルターを得た。巻取りに際し、遠赤外ヒータ
を設置してフィルターの周囲を雰囲気温度140℃に加
熱して成形性を良くした。この結果、ウェブは共重合ポ
リエステルの融着により繊維の接点で接着した三次元構
造を形成していた。得られた筒状フィルターの繊維径
は、フィルター内側表面が2.0ミクロンで厚み方向に
漸増し、外側表面で9.5ミクロンであった。このフィ
ルターの濾過性能を測定したところ、濾過精度は3.3
μm、濾過ライフは44分、耐圧強度は8.4kg/c
2であり、濾液の泡立ちは認められなかった。
【0016】実施例4 メルトフローレート(以下MFRと略記する)が75
(g/10分、at230℃)で融点が165℃のポリ
プロピレンと、MFRが65(g/10分、at230
℃)で、融点が138℃のプロピレン・エチレン・ブテ
ン−1ランダムコーポリマーとを重量比45/55で混
合し、孔径0.3mm、孔数501のメルトブロー用口
金を用い、紡糸温度を290℃、加熱空気の温度330
℃、圧力1.9kg/cm2・Gの条件で紡糸した。吐
出量を初期の100g/から末期の200g/
させた。このウェブをエアスルー加工機に移送し、速
度15m/、雰囲気温度145℃の条件で加熱した。
この結果、繊維ウェブはランダムコーポリマーの融着に
より繊維の接点で接着した三次元構造を形成していた。
引続き、高温のウェブをエアスルー加工機の出口におい
て一辺が15mmの正六角形の金属製中芯に巻取り、室
温に放冷後、中芯を抜き取って長さを250mmに切断
した。得られた筒状フィルターの外径は最大のところが
60mm、最小は52mmで、概ね円形に近いものにな
った。このウェブからサンプリングした繊維径はフィル
ター内側表面では0.9μmで厚み方向に漸増し、外側
表面で7.7ミクロンであった。このフィルターの濾過
性能を測定したところ、濾過精度は2.1μm、濾過ラ
イフは35分、耐圧強度は7.2kg/cm2で、濾液
の泡立ちは認められなかった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点差が15℃以上ある2種の熱可塑性樹
    脂の混合物を用いて、メルトブロー法で順次繊維径を変
    えながら紡糸して得られたウェブを、低融点樹脂のみを
    溶融するように加熱しながら巻芯に巻き取り熱接合成形
    する筒状フィルターの製造方法であって、混合された2
    種の樹脂がそれぞれ繊維内部に分散して存在するか、ま
    たは高粘度の樹脂からなる多数の核を低粘度の樹脂が包
    囲した海島構造をとって存在することを特徴とする筒状
    フィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】 2種の熱可塑性樹脂のうち低融点の樹脂
    の混合割合が、55〜90重量%である請求項1に記載
    の筒状フィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】 2種の熱可塑性樹脂のうち低融点の樹脂
    が繊維断面中、海になるように配合した請求項1に記載
    の筒状フィルターの製造方法。
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