JP3308216B2 - 遮水構造、その漏水検知方法および漏水部補修方法 - Google Patents

遮水構造、その漏水検知方法および漏水部補修方法

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JP3308216B2
JP3308216B2 JP23358998A JP23358998A JP3308216B2 JP 3308216 B2 JP3308216 B2 JP 3308216B2 JP 23358998 A JP23358998 A JP 23358998A JP 23358998 A JP23358998 A JP 23358998A JP 3308216 B2 JP3308216 B2 JP 3308216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮水構造、その漏
水検知方法、遮水シートおよび漏水部補修方法に関し、
特に土木用の漏水防止機能を有する遮水構造、その漏水
検知方法、遮水シートおよび漏水部補修方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年、土木工事等において、シート防水工
法が広く採用されている。
【0003】例えば、ダムや調整池、溜池等の人工池に
おいては、その底面および法面に遮水シートを敷設して
貯水用として用いるようにしている。また、廃棄物の最
終処分場においては、最終処分場に遮水シートを敷設
し、廃棄物等から出る汚水が土中に流出するのを防止す
るために用いるようにしている。
【0004】しかし、何らかの原因で、遮水シートが破
損し、漏水が発生すると、ダムや調整池、溜池等の人工
池においては、貯水効率が低下することとなる。特に、
廃棄物の最終処分場においては、有害物質が溶出して土
中に流出し、地下水等を汚染する恐れが高く、このよう
な事態を防止しなければならない。
【0005】そこで、遮水シートに漏水が発生した場
合、ただちに漏水を発見し、しかもその漏水位置を特定
する必要がある。
【0006】そのため、従来では、例えば、図17に示
すように、遮水シート1の上下に多数の線状電極2,3
を配設している。この上側の線状電極2と下側の線状電
極3とは、遮水シート1の上下でX軸方向およびY軸方
向に直交させて配設してある。そして、同図(1)に示
すように、まず下側の複数の線状電極3をスイッチ5に
より切り換えるなどして人工的に高電気伝導性の方向を
作り出し、これを同図(2)に示すように遮水シート1
の上下で方向を90度変えるなどして、電極2,3間に
流れる電流の大きさを測定し、その電流の大きさから損
傷位置を決定するようにしている。
【0007】また、特開平4−359130号公報に示
されるように、最終処分場内と、最終処分場外とにそれ
ぞれ電流電極を設置し、これらの電流電極に電圧をか
け、その電流を測定することにより、電場の分布状況を
判断し、漏水が生じている場合には、抵抗が小さくなっ
て分布状況が変化することから、漏水の確認を行い、か
つ最終処分場内に配した測定電極により漏水位置を検出
するようにしたものが知られている。
【0008】さらに、特開平6−31261号公報に示
されるように、少なくとも2層のシート体で遮水シート
を構成し、これらシート体の間に隔壁を設けてシート体
間を複数の空間に区画するようにし、広い遮水シートの
うちおおよそどの部分に漏水が生じたかを知ることがで
きるようにし、補修に際しては該当する空間部分だけを
検査すれば漏水個所を確認することができようにしたも
のが知られている。
【0009】そしてさらに特開平6−63525号公報
に示されるように、多数の区画に分割し、かつ分割した
各区画の周囲において、下層シートと上層シートとを溶
着することにより多数の袋体を形成した二重構造の遮水
シートとし、各袋体内部に導電線と固化材注入管とを設
け、導電線によりその抵抗値の変化から遮水シートの破
損個所を検知特定し、固化材注入管により袋体に固化材
を注入して破損個所を補修するようにしたものも知られ
ている。
【0010】また、特開平8−323319号公報に示
される遮水シートの補修方法では、下地整形工において
ベントナイトと粘土の混合土を厚さ30cm程度施工し、
その上にモニタリング専用管その上に当接して導水マッ
トを敷設し、さらにその上に混合土を厚さ30cm程度施
工して遮水シートを敷設するようにしている。
【0011】そして、遮水シートが破損すると、モニタ
リング専用管により浸出液がモニタされ、この場合、注
入ホースによりモニタリング専用管を介してグラウト材
を遮水シート漏水個所まで浸透させるようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述の図17に示す漏
水の検出にあっては、線状電極2が遮水シート1の上面
に配設されるようになっており、しかもこの遮水シート
1上には砂等を敷き詰めて遮水シート1の保護層を形成
することが多く、その場合ブルドーサ等で砂等を均らす
際に線状電極2に断線を生じさせる恐れがあり、このよ
うな事態が生じると漏水位置の確認ができなくなるとい
う問題があった。また、線状電極が腐蝕して断線を起こ
すと、同様に漏水位置の確認ができなくなり、メンテナ
ンスも困難であるという問題があった。
【0013】また、特開平4−359130号公報に示
される漏水の検出にあっては、電流電極に高い電圧をか
ける必要があり、周囲の感電防止対策が必要となる上
に、廃棄物の最終処分場に用いる場合には、廃棄物の種
類によって電極の分布状況に変化が生じて誤差が出てし
まうという問題があった。
【0014】さらに、断線等による漏れ確認不能状態が
生じ、そのメンテナンスも困難で、補修時にも廃棄物を
掘削しなければならず、補修作業が困難であるという問
題があった。
【0015】さらに、特開平6−31261号公報に示
される漏水の検出にあっては、正確な漏水発生位置を検
出することが困難で、さらには補修に際しては廃棄物等
を掘削して遮水シートを露出させた状態で工事を行わな
ければならず、補修作業に手間がかかるという問題があ
った。
【0016】そしてさらに、特開平6−63525号公
報に示される漏水の検出にあっては、導電線による抵抗
値の変化から破損個所を検知特定するため、導電線に断
線等の異常が生じやすく、その場合のメンテナンス作業
も面倒であるという問題があった。
【0017】さらに、前記いずれの漏水の検出方法にお
いても、漏水量の検出ができず、破損状況の確認ができ
ないという問題があった。
【0018】また、特開平8−323319号公報に示
される遮水シートの補修方法にあっては、遮水シートに
破損が生じると、廃棄物の上載荷重によって、上層側の
混合土に漏水が浸透し、導水マットに達した後、浸出液
には常に上載荷重によって圧力がかかった状態となって
いるため、浸出水が導水マットを通過して下層側の混合
土に浸透してしまうこととなり、ついには、底面地盤に
浸透してしまうおそれが高いという問題があった。
【0019】本発明は、前記従来の問題点に着目してな
されたもので、その目的は、高い電圧を用いることなく
安全で、しかもメンテナンスが容易で確実に漏水および
漏水位置を把握することができ、さらには補修が容易な
遮水構造、その漏水検知方法および漏水部補修方法を提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係る遮水構造は、被遮水施工
部の表面に所定の厚さで形成した第1の難透水粘性土層
と、前記第1の難透水粘性土層上に敷設した上部遮水シ
ートとを有し、前記第1の難透水粘性土層と前記上部遮
水シートとの間に、漏水時の浸透圧力を低減する空間層
を形成すると共に、 前記空間層は、空間を確保するため
のドレン材と、少なくとも前記ドレン材の下面に配設さ
れたシートとから構成され、 前記ドレン材の下面に配設
されたシートは遮水性を有することを特徴とする。
【0021】この発明によれば、上部遮水シートと第1
の難透水粘性土層によって被遮水施工部の確実な遮水を
行うことができ、しかも、上部遮水シートと第1の難透
水粘性土層との間に空間層が存在するため、万が一、上
部遮水シートに破損が生じ、上方からの水圧によって、
上部遮水シートの破損部分から浸出水が浸入して空間層
にまで達したとしても、空間層の存在によって、上方か
らの水圧が低減され、その結果、浸出水は第1の難透水
粘性土層側に浸透するのが防止され、空間層で浸出水を
停止させることができる。また、ドレン材の少なくとも
下面に配設されたシートによりドレン材の下面側に空隙
を確保することができ、浸透圧力の伝達を低減する空間
の確保を確実に行うことができ、しかも、このシートを
遮水性のものとすることで、侵入してきた漏水がシート
によって下方に浸透するのを確実に防止することができ
る。
【0022】請求項2記載の発明は、被遮水施工部の表
面に所定の厚さで形成した第1の難透水粘性土層と、
記第1の難透水粘性土層上に敷設した上部遮水シートと
を有し、 前記第1の難透水粘性土層と前記上部遮水シー
トとの間に、漏水時の浸透圧力を低減する空間層を形成
すると共に、前記上部遮水シートと前記空間層との間
に、所定の厚さで形成した第2の難透水粘性土層を有す
ることを特徴とする。
【0023】この発明によれば、上部遮水シートと第1
及び第2の難透水粘性土層とによって被遮水施工部の確
実な遮水を行うことができ、しかも、第1の難透水粘性
土層と第2の難透水粘性土層との間に空間層が存在する
ため、万が一、上部遮水シートに破損が生じ、上方から
の水圧によって、上部遮水シートの破損部分から第2の
難透水粘性土層に浸出水が放射状に浸透して空間層にま
で達したとしても、空間層の存在によって、上方からの
水圧が低減され、その結果、浸出水は第1の難透水粘性
土層側に浸透するのが防止され、空間層で浸出水を停止
させることができる。
【0024】請求項3記載の発明は、請求項1または2
において、前記第1の難透水粘性土層の下に下部遮水シ
ートを有することを特徴とする。
【0025】この発明によれば、請求項1または2の状
態に加え、第1の難透水粘性土層の下に下部遮水シート
を設けることで、より一層確実な遮水を行うことができ
る。
【0026】
【0027】
【0028】請求項記載の発明は、請求項2または請
求項2に従属する請求項3において、前記空間層は、空
間を確保するためのドレン材と、前記ドレン材の上下面
の少なくとも一方に配設されるシートとから形成される
ことを特徴とする。
【0029】この発明によれば、ドレン材の上下面の少
なくとも一方にシートを配設することで、ドレン材の一
方の面側に空隙を確保することができ、浸透圧力の伝達
を低減する空間の確保が確実に行われることとなる。
【0030】請求項記載の発明は、請求項におい
て、前記シートは透水性を有することを特徴とする。
【0031】この発明によれば、ドレン材の上下面の少
なくとも一方に配置されたシートによって、ドレン材に
空隙を確保することができ、しかも、シートは透水性を
有するので、たとえシートがドレン材の上面側にあって
も浸入してきた漏水をドレン材側に確実に透過させるこ
とができる。
【0032】請求項記載の発明は、請求項におい
て、前記ドレン材の下面にシートが配置され、かつ、こ
のシートは遮水性を有することを特徴とする。
【0033】この発明によれば、ドレン材の下面に遮水
性のシートを配置することで、浸入してきた漏水がこの
シートによって下方に浸透するのを確実に防止すること
ができる。
【0034】請求項記載の発明は、被遮水施工部の表
面に所定の厚さで形成した第1の難透水粘性土層と、前
記第1の難透水粘性土層上に所定の厚さで形成した第2
の難透水粘性土層と、前記第1の難透水粘性土層と第2
の難透水粘性土層との間に形成した漏水時の浸透圧力を
低減する空間層とを有し、前記空間層は、空間を確保す
るためのドレン材と、前記ドレン材の上下面の少なくと
も一方に配設される遮水シートとから形成されることを
特徴とする。
【0035】この発明によれば、第1及び第2の難透水
粘性土層と遮水シートとによって被遮水施工部の確実な
遮水を行うことができ、しかも、第1の難透水粘性土層
と第2の難透水粘性土層との間に空間層が存在するた
め、万が一、第2の難透水粘性土層に浸出水が浸透して
空間層にまで達したとしても、空間層の存在によって、
上方からの水圧が低減され、その結果、浸出水は第1の
難透水粘性土層側に浸透するのが防止され、空間層で浸
出水を停止させることができる。
【0036】特に、遮水シートがドレン材の上面側にあ
る場合には、第2の難透水粘性土層から漏水が生じても
遮水シートで漏水をくい止めることができ、さらには、
遮水シートから漏水が生じても、ドレン材にて第1の難
透水粘性土層側への漏水の浸入を防止することができ
る。
【0037】また、ドレン材の下面側に遮水シートを配
置した場合には、第2の難透水粘性土層からの漏水をド
レン材及び遮水シートによって第1の難透水粘性土層へ
の漏水の浸入を防止することができる。
【0038】請求項記載の発明は、請求項1〜のい
ずれかにおいて、前記空間層は、複数の独立したブロッ
クに形成され、前記各ブロックには、それぞれに集水手
段が設けられることを特徴とする。
【0039】この発明によれば、複数の独立したブロッ
クにそれぞれ集水手段を設けることで、ブロック単位で
の漏水の検出を行うことができる。
【0040】請求項記載の発明は、請求項におい
て、隣接する前記各ブロックの前記ドレン材間に不透水
区域あるいは難透水区域が形成されることを特徴とす
る。
【0041】この発明によれば、各ブロックのドレン材
間に不透水区域あるいは難透水区域が形成されること
で、各ブロック内の漏水が他のブロックに入り込むのを
防止して、漏水検出の精度を向上させることができる。
【0042】
【0043】
【0044】請求項10記載の発明は、請求項8または
において、前記集水手段として、各ブロック内の集水
と各ブロック内への止水材の注入を可能にする集水・注
入管を用いると共に、前記ブロック内への止水材注入時
に、前記ブロック内の空気を排出する空気抜き手段を有
することを特徴とする。
【0045】この発明によれば、集水・注入管により、
漏水の検出と、止水材の注入が可能で、また、空間層内
に空気抜き管を配設することで、集水・注入管を用いて
止水材を空間層内に注入して破損を補修する際に、空気
抜き管から空間層内の空気を排出しつつ止水材の注入を
行うことができ、止水材の注入を容易にするとともに、
確実に止水材を空間層内全体に充満させることができ
る。
【0046】請求項11記載の発明は、請求項1〜10
のいずれかにおいて、前記被遮水施工部は、底面または
底面と法面から構成され、前記被遮水施工部の底面に監
査廊が配設され、前記空間層は、少なくとも前記被遮水
施工部の底面に形成されるとともに、前記監査廊の軸方
向で複数の独立したブロックに形成されることを特徴と
する。
【0047】この発明によれば、空間層を被遮水施工部
の少なくとも底面に形成し、空間層を監査廊の軸方向で
複数の独立したブロックに形成することで、被遮水施工
部の少なくとも底面において確実な遮水を行うことがで
き、しかも遮水シートからの漏水が生じた場合には、監
査廊の軸方向において独立したブロックの範囲における
遮水シートの漏水を把握することができ、しかも、漏水
したブロック単位で補修を監査廊内から確実に行うこと
ができる。
【0048】請求項12記載の発明は、請求項8〜11
のいずれかにおいて、前記集水手段には、漏水を検知す
る検知計が配設されることを特徴とする。
【0049】この発明によれば、集水手段に配設した検
知計によって、自動的に遮水シートの漏水の発生を確認
することができ、漏水管理をより容易かつ確実にするこ
とができる。
【0050】請求項13記載の遮水構造の漏水検知方法
は、請求項1〜のいずれかに記載の遮水構造を有し、
前記空間層が複数の独立したブロックに形成され、前記
空間層の各ブロックが集水手段に接続された遮水構造の
漏水検知方法であって、前記空間層の複数のブロックの
内いずれかのブロック対応位置の前記上部遮水シートに
破損が生じた際に、その破損部から前記対応位置のブロ
ック内に浸出水を導き、前記ブロックに導かれた浸出水
を集水手段へと導き、前記集水手段へと導かれた浸出水
により、前記ブロック対応位置の前記上部遮水シートの
漏水を検出することを特徴とする。
【0051】この発明によれば、各ブロック対応位置の
上部遮水シートに破損が生じた場合に、集水手段によ
り、各ブロック内の漏水を集水して、容易に破損ブロッ
クを検出することができる。
【0052】請求項14記載の遮水構造の漏水検知方法
は、被遮水施工部に配設された監査廊と、前記被遮水施
工部の表面に前記監査廊に向かって下降傾斜して形成さ
れた請求項1〜のいずれかに記載の遮水構造とを有
し、前記空間層が複数の独立したブロックに形成され、
前記空間層の各ブロックが前記監査廊に集水手段を介し
て連通された遮水構造の漏水検知方法であって、前記空
間層の複数のブロックの内いずれかのブロック対応位置
の前記上部遮水シートに破損が生じた際に、その破損部
から前記対応位置のブロック内に浸出水を導き、前記ブ
ロックに導かれた浸出水を前記遮水構造の傾斜により前
記ブロック内を移動させて、前記集水手段へと導き、前
記集水手段へと導かれた浸出水を前記集水手段を介して
前記監査廊内へと導き、この監査廊内に導かれた浸出水
により、前記ブロック対応位置の前記上部遮水シートの
漏水を検出することを特徴とする。
【0053】この発明によれば、集水手段を介し、空間
層の各ブロック毎に、破損状態を監査廊内で確実に検出
することができる。
【0054】
【0055】
【0056】請求項15記載の発明に係る漏水部補修方
法は、請求項13または14の遮水構造の漏水検知方法
により漏水を確認した後、漏水の生じている前記ブロッ
クの前記集水手段に止水材供給ホースを接続し、前記各
ブロックに設けた空気抜き管を開いて、前記ブロック内
の空気を排出しつつ、止水材注入装置により前記集水手
段をへて前記ブロック内に止水材を注入し、前記止水材
を前記ブロック内に充満させることにより、止水を行う
ことを特徴とする。
【0057】この発明によれば、空間層のブロック内へ
の漏水確認後、集水手段より、漏水の生じたブロック内
に止水材を注入し、止水材をブロック内全体に充満させ
ることで、容易かつ確実に、しかも、短時間で漏水部の
補修を行うことができる。
【0058】また、空間層のブロック内への止水材の注
入時に、空気抜き管からブロック内の空気を抜きつつ、
止水材を注入することで、止水材の注入を容易にすると
ともに、止水材を確実にブロック内全体に充満させるこ
とができる。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して詳細に説明する。
【0064】図1〜図12は、本発明の遮水構造を一実
施の形態にかかる廃棄物最終処分場に用いた状態を示す
図である。
【0065】この実施の形態における廃棄物最終処分場
10は、図1に示す底面14および法面16a,16b
からなる被遮水施工部18を形成するようにしている。
【0066】底面14は、図10および図12にも示す
ように、矢印A方向において、法面16a位置から中央
部に向けて下降傾斜する勾配が形成された状態となって
いる。
【0067】法面16a,16bは、法面16aと16
b、16bと16bとの間に小段部20を連続させて環
状に形成した多段状のものとされている。
【0068】そして、このようにして形成した被遮水施
工部18に、監査廊22と、第1の難透水粘性土層24
と、第2の難透水粘性土層26と、空間層28と、上部
遮水シート30とを形成して、遮水構造を構築するよう
にしている。
【0069】監査廊22は、図1、図3、図5、図10
および図12に示すように、鉄筋コンクリート造などに
より断面略矩形状に形成され、被遮水施工部18の底面
14の下降傾斜した最も低い位置である中央部の長手方
向ほぼ全長にわたって埋設され、その上面部が底面14
とほぼ同一高さとなるようにされている。
【0070】また、監査廊22の一端部は、地上に露出
された状態となっている。
【0071】第1の難透水粘性土層24は、図1に示す
ように、被遮水施工部18の底面14および最下段の法
面16aを覆うようになっている。
【0072】この第1の難透水粘性土層24は、例え
ば、透水係数が1x10-6cm/sec以下のベントナイトと
土砂の混合土を、所定の厚さ、例えば20〜50cm程度
に形成するようにしている。
【0073】第2の難透水粘性土層26は、第1の難透
水粘性土層24上に、第1の難透水粘性土層24と同様
の材料で、同様の厚さに形成されるようになっている。
【0074】この第1及び第2の難透水粘性土層24、
26の厚さの相対比は、全体で40cm以上の厚さの範囲
で適宜設定することができる。
【0075】空間層28は、第1の難透水粘性土層24
と、第2の難透水粘性土層26との間に形成されるよう
になっている。
【0076】この空間層28は、監査廊22の軸方向で
複数の独立したブロック32に区画形成されるようにな
っている。
【0077】また、空間層28は、第1の難透水粘性土
層24の上面に敷設した下部側のシート34と、この下
部側のシート34の上面に敷設したドレン材36と、こ
のドレン材36の上面に敷設した上部側のシート38と
から形成され、この上部側のシート38の上面に第1の
難透水粘性土層24が形成されている。
【0078】上下部のシート34、38は、それぞれ第
1及び第2の難透水粘性土層24、26がドレン材36
に密着してドレン材36の空隙を潰してしまうのを防止
するためのもので、本実施の形態においては、透水性の
ある不織布を用いている。
【0079】また、本実施の形態では、ドレン材36の
上下面側に透水性のあるシート34、38を配設してい
るが、このシートは、ドレン材36の上下面の少なくと
も一方に配置されていればよく、ドレン材36の下面側
に配置する場合には、遮水性のあるシートとすることで
第1の難透水粘性土層24側に漏水が浸透しないように
するのが好ましく、また、ドレン材36の上面側に配置
する場合には、少なくとも透水性を有するものとするこ
とが必要である。
【0080】ドレン材36は、図4に示すように、規則
正しく凹凸状に形成された高耐圧性を有する高密度ポリ
エチレン製のシート状の芯材42と、この芯材42に所
定間隔で形成された通水孔40とを有する状態となって
いる。
【0081】なお、通水孔40は、ドレン材36の下部
にシートがない場合には省略可能である。
【0082】また、ドレン材36としては、図4に示す
もののほか、例えば、プラスチック製の網を重ねて透水
性を確保した状態で用いることも可能である。
【0083】そして、図5及びその部分拡大図である図
6に示すように、ブロック32同士の境界部分では、ド
レン材36の端部同士を上下で離間させて重合させ、そ
の間に第1または第2の難透水粘性土層24または26
を入り込ませるようにして、この間に入り込んだ第1ま
たは第2の難透水粘性土層24または26によって難透
水区画を形成し、空間層28を複数のブロック32に区
画形成するようにしている。
【0084】この場合、間に入り込ませた第1または第
2の難透水粘性土層24または26厚さtやドレン材3
6の重合代lを十分に確保することが好ましい。
【0085】このような構造とすることにより、たとえ
重合上部側のドレン材36側から浸出水が間の第1また
は第2の難透水粘性土層24または26に浸透したとし
ても、下側のドレン材36によって第1の難透水粘性土
層24側に浸透するのを防止することが可能となる。
【0086】また、図5及び図6の境界部の構造に代え
て、図7に示すように、断面H状の区画部材62を用い
て、この区画部材62に隣接するドレン材36の端部を
挿入して突き合わせ状にして不透水区画を形成し、各ブ
ロック32に区画形成することも可能で、このようにす
ることでより確実な区画ができる。
【0087】さらに、図8に示すように、第1の難透水
粘性土層24上に隣接するドレン材36の端部同士を離
間対向させた状態にして、その下部に遮水シート64を
敷き、その上に第2の難透水粘性土層26を形成して不
透水区画を形成し、各ブロック32を区画するようにす
れば、より簡単に確実な区画をすることができる。
【0088】そしてさらに、図5〜図8では、シート3
4、38をドレン材36の端部まで配設した状態で用い
ているが、例えば、図9に示すように、第1の難透水粘
性土層24上に、隣接するシート34、38の端部を切
除した状態で、むき出しのドレン材36の端部同士を重
合させ、その周囲をベントナイト66で覆って難透水区
画を形成し、その上に第2の難透水粘性土層26を形成
することで、各ブロック32を区画するようにすれば、
簡単に区画をすることができる。
【0089】また、空間層28の各ブロック32内に
は、図3に示すように、集水手段としての集水・注入管
46と空気抜き管48とが配設されている。
【0090】集水・注入管46は、空間層28の各ブロ
ック32内に侵入した浸出水を取り出すとともに、各ブ
ロック32内に止水材を注入するためのもので、各ブロ
ック32の監査廊22側に2個設けられた状態となって
いる。
【0091】各集水・注入管46は、一端がドレン材3
6に到達し、他端が監査廊22内に臨ませられた状態と
なっている。
【0092】空気抜き管48は、集水・注入管46から
止水材を各ブロック32内に注入する際に、各ブロック
32内の空気を排出するためのもので、各ブロック32
の長手方向両側辺部内に、その側辺のほぼ全長にわたっ
て2本配設されている。
【0093】また、この空気抜き管48の一端は、監査
廊22内に臨ませられた状態となっている。
【0094】さらに、集水・注入管46および空気抜き
管48は、耐圧性のあるフレキシブルホースにて形成さ
れている。
【0095】上部遮水シート30は、遮水性および柔軟
性を有する材質、例えば、ポリエチレン(PE)、エチ
レン酢酸ビニール共重合体(EVA)、ポリプロピレン
(PP)などの合成樹脂系、エチレンプロピレンジエン
モノマー(EPDM)、ブチルゴムなどの合成ゴム系、
アスファルト系等のゴムが採用可能である。なお、好ま
しくは、熱融着の可能な材料であるとよい。
【0096】法面16bは、小段部20を含んで、上部
遮水シート30を延長して覆われるようになっている。
【0097】そして、このようにして被遮水施工部18
の底面を覆った上部遮水シート30上に、図2および図
6〜図8に示すように、保護砂50を所定厚さで施し、
上部遮水シート30の保護をはかるようにしている。
【0098】また、保護砂50内には、図示せぬが、排
水管が配設され、廃棄物最終処分場10内の浸出水を、
周囲に形成した浸出水貯水池に排出し、この浸出水貯水
池から水処理施設にて水処理した後、河川等に放流され
るようになっている。
【0099】また、監査廊22内では、図5に示すよう
に、集水・注入管46に検知計としての水圧計52を取
り付け、上部遮水シート30が破損した場合に、対応す
るブロック32内に侵入した浸出水が、集水・注入管4
6を通して、その水圧が水圧計52に作用することによ
り、漏水を検出し得るようになっている。また、この水
圧計52には、計測ケーブル54が接続され、この計測
ケーブル54を介して、外部の図示せぬ管理所で漏水の
有無を監視できるようにしている。また、水圧計に代え
て、電気伝導度計を用いることも可能である。
【0100】次に、前述の遮水構造を用いた漏水検知方
法および漏水部補修方法について説明する。
【0101】まず、上部遮水シート30のいずれかの位
置に破損が生じた場合、図11に示すように、上方から
の水圧により、破損部56から第2の難透水粘性土層2
6内に浸出する浸出水の圧力分布が球根状に形成され
て、浸出水が放射状に浸透することとなる。
【0102】この第2の難透水粘性土層26内に浸透し
た浸出水は、第2の難透水粘性土層26内で徐々に広が
り、第2の難透水粘性土層26の下面より空間層28の
対応するブロック32内に流下することとなる。
【0103】この場合、上方からの水圧は、空間層28
によって断たれることとなるため、空間層28のブロッ
ク32内に流下した浸出水は、第1の難透水粘性土層2
4内に浸透することなく、第1の難透水粘性土層24の
上面で停止されることとなる。
【0104】第1の難透水粘性土層24の上面で停止さ
れた浸出水は、被遮水施工部18の底面14に形成した
勾配によって、図10にも示すように、図中矢印Aに示
すように監査廊22側へと流下する。
【0105】この場合、ドレン材36は耐圧性とされて
いるため、上載荷重によってつぶれることはなく、確実
に空間層28を確保することができる。
【0106】このブロック32内で監査廊22側へ移動
した浸出水は、ドレン材36から集水・注入管46内へ
導かれることとなる。
【0107】集水・注入管46内へ導かれた浸出水は、
集水・注入管46を通して、監査廊22内へと導かれ、
監査廊22内の集水・注入管46に取り付けた水圧計5
2に水圧が作用し、この水圧計52によって上部遮水シ
ート30の漏水を検出することとなる。
【0108】この水圧計52によって検出された検出値
は、監査廊22内の計測ケーブル54を介し、図示せぬ
外部の管理所に送られ、管理所で漏水の有無を監視す
る。
【0109】このように、複数の上部遮水シート30に
おける漏水の発生の有無をブロック32単位で検出する
ことで、特別な配管等を施すことなく、簡単な構造で漏
水の検知を行うことが可能となる。
【0110】次いで、漏水の有無を確認した後、監査廊
22内に、図12に示すように、止水材注入装置58に
接続したホース60を搬入し、漏水の生じているブロッ
ク32の一方の集水・注入管46から水圧計52を取り
外し、その集水・注入管46に接続する。
【0111】そして、止水材注入装置58によって、注
水・注入管46を介し、そのブロック32内に止水材を
注入する。
【0112】この止水材の注入に際しては、監査廊22
内の空気抜き管48を開放し、ブロック32内の空気を
抜きつつ止水材を所定の圧力で注入し、止水材をブロッ
ク32内全体に充満させる。
【0113】この場合、空気抜き管48は、各ブロック
32の全長にわたる長さにされているため、止水材をブ
ロック32の監査廊22側の端部の一方向のみから注入
しても、監査廊22から離れた端部側へも確実に止水材
を注入することができ、しかも、空気抜き管48を2本
配設しているため、一方の空気抜き管48が詰まったと
しても、他方の空気抜き管48により、確実にブロック
32内の空気を排出することができる。
【0114】また、空気抜き管48により、ブロック3
2内の空気を排出しつつ、止水材を注入することで、止
水材の注入が容易かつ確実に行えることとなる。
【0115】ここで、止水材としては、各ブロック32
内に止水材を充満させるに充分なゲルタイムを有するも
の、すなわち、低粘度の止水材を用いることにより、止
水材を確実にブロック32内全体に充満させることがで
きるようにしている。
【0116】具体的には、止水材として、親水性ウレタ
ンプレポリマーを主成分とするもので、水と任意の割合
で混合分散溶融し、水と直接反応してゲル化し、ゴム弾
性状の含水ゲルを形成し、止水効果を発揮するウレタン
系の固化材や、アスファルト系あるいはゴム系の固化材
を採用できる。
【0117】例えば、ゲルタイム45〜90分の固化材
が望ましく、具体的には、温度20℃の条件下でゲルタ
イム60分程度ものを採用でき、また、1つのブロック
32の面積に応じ、集水・注入管46の数を設定すると
よい。
【0118】そして、止水材をブロック32内に充分に
注入した後、その集水・注入管46および空気抜き管4
8を閉塞し、集水・注入管46からホース60を取り外
せば、容易かつ短時間で漏水の生じたブロック32を補
修することができる。
【0119】また、止水材としては、液体、例えば、ベ
ントナイトと水を混合した膨潤性粘土溶液を用い、この
膨潤性粘土溶液を破損部56にかかっている水圧よりも
高い圧力で常に加圧するようにして、止水するようにし
てもよい。
【0120】この場合、加圧によって、膨潤性粘土溶液
が、破損部56から最終廃棄物処分場10内に流れて浸
出水の浸入を防止すると共に、膨潤性粘土溶液が徐々に
破損部56の周辺で目詰まりを起こすことで、破損部5
6を閉塞する。さらには、破損部56の下部周辺の第2
の難透水粘性土層26の下面に泥膜を形成することによ
り、より確実な止水がなされることになる。
【0121】このようにして、漏水の生じたブロック3
2の補修を行った後、他のブロック32に漏水が生じた
場合には、前述と同様の工程を繰り返すことによって容
易に補修を行うことができる。
【0122】図13は、本発明の他の実施の形態に係る
遮水構造を示す断面図である。
【0123】この遮水構造は、被遮水施工部18の表面
に、第1の難透水粘性土層24を所定の厚さで形成し、
この第1の難透水粘性土層24上に空間層28を形成
し、さらにこの空間層28上に上部遮水シート30を敷
設して空間層28を覆うようにしている。
【0124】この第1の難透水粘性土層24の厚さは、
例えば、40cm〜60cm程度に設定されている。
【0125】また、空間層28は、前述の実施の形態と
同様に、空間を確保するためのドレン材36と、このド
レン材36の上下面に配設された上部側シート38及び
下部側シート34とから構成されている。
【0126】そして、このような遮水構造とすることに
より、上部遮水シート30と第1の難透水粘性土層24
によって被遮水施工部18の確実な遮水を行うことがで
きる。
【0127】しかも、上部遮水シート30と第1の難透
水粘性土層24との間に空間層28が存在するため、万
が一、上部遮水シート30に破損が生じ、上方からの水
圧によって、上部遮水シート30の破損部分から浸出水
が浸入して空間層28にまで達したとしても、空間層2
8の存在によって、上方からの水圧が低減され、その結
果、浸出水は第1の難透水粘性土層24側に浸透するの
が防止され、空間層28で浸出水を停止させることがで
きる。
【0128】他の構成及び作用は、前記実施の形態と同
様につき説明を省略する。
【0129】図14は、本発明のさらに他の実施の形態
に係る遮水構造を示す断面図である。
【0130】この遮水構造は、被遮水施工部18の表面
に、下部遮水シート70を敷設し、この下部遮水シート
70上に第1の難透水粘性土層24を所定の厚さで形成
し、この第1の難透水粘性土層24上に空間層28を形
成し、さらにこの空間層28上に上部遮水シート30を
敷設して空間層28を覆うようにしている。
【0131】すなわち、本実施の形態では、図13の実
施の形態における第1の難透水粘性土層24の下に下部
遮水シート70を有する状態とされている。
【0132】この場合、第1の難透水粘性土層24に加
えて下部遮水シート70を有することから、第1の難透
水粘性土層24の厚さは、図13の実施の形態よりも薄
く、例えば、20cm〜60cm程度に設定されている。
【0133】このような構成とすることで、より一層遮
水性を向上させることができる。
【0134】他の構成及び作用は、前記各実施の形態と
同様につき説明を省略する。
【0135】図15は、本発明のさらに他の実施の形態
に係る遮水構造を示す断面図である。
【0136】この遮水構造は、被遮水施工部18の表面
に、下部遮水シート70を敷設し、この下部遮水シート
70上に第1の難透水粘性土層24を所定の厚さで形成
し、この第1の難透水粘性土層24上に空間層28を形
成し、さらにこの空間層28上に第2の難透水粘性土層
26を所定の厚さで形成すると共に、この第2の難透水
粘性土層26上に上部遮水シート30を敷設している。
【0137】この場合、第1及び第2の難透水粘性土層
24、26の厚さは、例えば、20cm〜50cm程度に設
定されている。
【0138】すなわち、本実施の形態は、図14の実施
の形態における上部遮水シート30と空間層28との間
に第2の難透水粘性土層26を形成した状態となってい
る。
【0139】このような構成とすることにより、さらに
一層遮水性を向上させることができる。
【0140】他の構成及び作用は、前記各実施の形態と
同様につき説明を省略する。
【0141】図16は、本発明のさらに他の実施の形態
に係る遮水構造を示す断面図である。
【0142】この遮水構造は、被遮水施工部18の表面
に、下部遮水シート70を敷設し、この下部遮水シート
70上に空間層28を形成し、この空間層28上に第2
の難透水粘性土層26を所定の厚さで形成すると共に、
この第2の難透水粘性土層26上に上部遮水シート30
を敷設している。
【0143】この場合、第1及び第2の難透水粘性土層
24、26の厚さは、例えば、20cm〜60cm程度に設
定されている。
【0144】すなわち、本実施の形態は、図2に示す実
施の形態における第1の難透水粘性土層24に代えて下
部遮水シート70を設けた状態となっている。
【0145】このような構成とすることにより、図2及
び図14の実施の形態とほぼ同等の遮水性を得ることが
できる。
【0146】他の構成及び作用は、前記各実施の形態と
同様につき説明を省略する。
【0147】本発明は、前記各実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の
実施の形態に変形可能である。
【0148】たとえば、監査廊の配設状態は、前記実施
例に限らず、種々の配設状態にすることができる。
【0149】また、本発明の遮水構造は、廃棄物最終処
分場以外にも調整池、ダム等にも採用可能である。
【0150】さらに、地表面を掘削する場合に限らず、
地表面上に盛り上げる場合の遮水構造としても採用する
ことができる。
【0151】また、漏水の検知は、前記実施の形態にお
ける検知計を用いる場合に限らず、例えば、集水・注入
管に検知管を接続し、この検知管を監査廊内を通して外
部の検知マスに導き、検知マス内の漏水をテレビモニタ
ー等で監視することによっても可能である。
【0152】さらに、監査廊を用いて漏水の検出及び補
修を行う場合に限らず、監査廊を設けず、各ブロックに
ホース等の集水手段を設け、この集水手段のみによって
漏水を検知した後、集水手段より止水材を各ブロック内
に注入するようにすることもできる。
【0153】また、各ブロックは、監査廊の軸方向に沿
って形成し、監査廊に向けて水勾配を形成する場合に限
らず、所定の水勾配が形成されて集水可能であれば、配
置や水勾配の方向は任意に設定できる。
【0154】さらに、前記実施の形態では、最下段の法
面にも第1及び第2の難透水粘性土層を形成している
が、法面の傾斜がきついような場合には、二重の遮水シ
ート内にシート材に挟まれたドレン材を挿入した構造の
ものを最下段の法面に敷設することも可能である。
【0155】また、前記各実施の形態では、上部遮水シ
ートを用いる場合について説明したが、この例に限ら
ず、上部遮水シートを用いずに、第1及び第2の難透水
粘性土層間に、ドレン材とこのドレン材の上下面の少な
くとも一方に遮水シートを配置した空間層を形成するこ
とによっても同様の目的を達成することができる。
【0156】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水構造を用いた一実施の形態にかか
る廃棄物処分場を示す斜視状態断面図である。
【図2】図1の遮水構造を示す拡大断面図である。
【図3】図2の状態で、空間部のブロック内の遮水シー
ト区画の集水・注入管および空気抜き管を示した平面図
である。
【図4】ドレン材の拡大斜視図である。
【図5】図1のV−V線に沿う拡大断面図である。
【図6】図5の部分拡大断面図である。
【図7】ブロック境界部の変形例を示す図6同様の部分
拡大断面図である。
【図8】ブロック境界部の他の変形例を示す図6同様の
部分拡大断面図である。
【図9】ブロック境界部のさらに他の変形例を示す図6
同様の部分拡大断面図である。
【図10】漏水の検知状態を示す部分断面図である。
【図11】図10の破損部の状態を示す部分拡大図であ
る。
【図12】ブロックの補修状態を示す部分断面図であ
る。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る遮水構造を示
す断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態に係る遮水構
造を示す断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態に係る遮水構
造を示す断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施の形態に係る遮水構
造を示す断面図である。
【図17】(1)、(2)は、漏水検出状態を電極を切
り替えて検出する従来の漏出検出方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 廃棄物最終処分場 14 底面 16a,16b 法面 18 被遮水施工部 22 監査廊 24 第1の難透水粘性土層 26 第2の難透水粘性土層 28 空間層 30 上部遮水シート 32 ブロック 34、38 シート 36 ドレン材 46 集水・注入管 48 空気抜き管 52 水圧計 56 破損部 58 止水材注入装置 60 ホース 70 下部遮水シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 1/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被遮水施工部の表面に所定の厚さで形成
    した第1の難透水粘性土層と、 前記第1の難透水粘性土層上に敷設した上部遮水シート
    とを有し、 前記第1の難透水粘性土層と前記上部遮水シートとの間
    に、漏水時の浸透圧力を低減する空間層を形成すると共
    に、 前記空間層は、空間を確保するためのドレン材と、少な
    くとも前記ドレン材の下面に配設されたシートとから構
    成され、 前記ドレン材の下面に配設されたシートは遮水性を有す
    ことを特徴とする遮水構造。
  2. 【請求項2】 被遮水施工部の表面に所定の厚さで形成
    した第1の難透水粘性土層と、 前記第1の難透水粘性土層上に敷設した上部遮水シート
    とを有し、 前記第1の難透水粘性土層と前記上部遮水シートとの間
    に、漏水時の浸透圧力を低減する空間層を形成すると共
    に、 前記上部遮水シートと前記空間層との間に、所定の厚さ
    で形成した第2の難透水粘性土層を有することを特徴と
    する遮水構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記第1の難透水粘性土層の下に下部遮水シートを有す
    ることを特徴とする遮水構造。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項2に従属する請求
    項3において、 前記空間層は、空間を確保するためのドレン材と、 前記ドレン材の上下面の少なくとも一方に配設されるシ
    ートとから形成されることを特徴とする遮水構造。
  5. 【請求項5】 請求項において、 前記シートは透水性を有することを特徴とする遮水構
    造。
  6. 【請求項6】 請求項において、 前記ドレン材の下面にシートが配置され、かつ、このシ
    ートは遮水性を有することを特徴とする遮水構造。
  7. 【請求項7】 被遮水施工部の表面に所定の厚さで形成
    した第1の難透水粘性土層と、 前記第1の難透水粘性土層上に所定の厚さで形成した第
    2の難透水粘性土層と、 前記第1の難透水粘性土層と第2の難透水粘性土層との
    間に形成した漏水時の浸透圧力を低減する空間層とを有
    し、 前記空間層は、空間を確保するためのドレン材と、 前記ドレン材の上下面の少なくとも一方に配設される遮
    水シートとから形成されることを特徴とする遮水構造。
  8. 【請求項8】 請求項1〜のいずれかにおいて、 前記空間層は、複数の独立したブロックに形成され、 前記各ブロックには、それぞれに集水手段が設けられる
    ことを特徴とする遮水構造。
  9. 【請求項9】 請求項において、 隣接する前記各ブロックの前記ドレン材間に不透水区域
    あるいは難透水区域が形成されることを特徴とする遮水
    構造。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、 前記集水手段として、各ブロック内の集水と各ブロック
    内への止水材の注入を可能にする集水・注入管を用いる
    と共に、 前記ブロック内への止水材注入時に、前記ブロック内の
    空気を排出する空気抜き手段を有することを特徴とする
    遮水構造。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかにおいて、 前記被遮水施工部は、底面または底面と法面から構成さ
    れ、 前記被遮水施工部の底面に監査廊が配設され、 前記空間層は、少なくとも前記被遮水施工部の底面に形
    成されるとともに、前記監査廊の軸方向で複数の独立し
    たブロックに形成されることを特徴とする遮水構造。
  12. 【請求項12】 請求項8〜11のいずれかにおいて、 前記集水手段には、漏水を検知する検知計が配設される
    ことを特徴とする遮水構造。
  13. 【請求項13】 請求項1〜のいずれかに記載の遮水
    構造を有し、前記空間層が複数の独立したブロックに形
    成され、前記空間層の各ブロックが集水手段に接続され
    た遮水構造の漏水検知方法であって、 前記空間層の複数のブロックの内いずれかのブロック対
    応位置の前記上部遮水シートに破損が生じた際に、その
    破損部から前記対応位置のブロック内に浸出水を導き、 前記ブロックに導かれた浸出水を集水手段へと導き、 前記集水手段へと導かれた浸出水により、前記ブロック
    対応位置の前記上部遮水シートの漏水を検出することを
    特徴とする遮水構造の漏水検知方法。
  14. 【請求項14】 被遮水施工部に配設された監査廊と、
    前記被遮水施工部の表面に前記監査廊に向かって下降傾
    斜して形成された請求項1〜のいずれかに記載の遮水
    構造とを有し、前記空間層が複数の独立したブロックに
    形成され、前記空間層の各ブロックが前記監査廊に集水
    手段を介して連通された遮水構造の漏水検知方法であっ
    て、 前記空間層の複数のブロックの内いずれかのブロック対
    応位置の前記上部遮水シートに破損が生じた際に、その
    破損部から前記対応位置のブロック内に浸出水を導き、 前記ブロックに導かれた浸出水を前記遮水構造の傾斜に
    より前記ブロック内を移動させて、前記集水手段へと導
    き、 前記集水手段へと導かれた浸出水を前記集水手段を介し
    て前記監査廊内へと導き、 この監査廊内に導かれた浸出水により、前記ブロック対
    応位置の前記上部遮水シートの漏水を検出することを特
    徴とする遮水構造の漏水検知方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14の遮水構造の漏
    水検知方法により漏水を確認した後、 漏水の生じている前記ブロックの前記集水手段に止水材
    供給ホースを接続し、 前記各ブロックに設けた空気抜き管を開いて、前記ブロ
    ック内の空気を排出しつつ、止水材注入装置により前記
    集水手段をへて前記ブロック内に止水材を注入し、 前記止水材を前記ブロック内に充満させることにより、
    止水を行うことを特徴とする漏水部補修方法。
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