JP3076521B2 - 遮水構造の破損位置検出方法および破損規模検出方法並びに漏水部補修方法 - Google Patents

遮水構造の破損位置検出方法および破損規模検出方法並びに漏水部補修方法

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JP3076521B2 JP08099072A JP9907296A JP3076521B2 JP 3076521 B2 JP3076521 B2 JP 3076521B2 JP 08099072 A JP08099072 A JP 08099072A JP 9907296 A JP9907296 A JP 9907296A JP 3076521 B2 JP3076521 B2 JP 3076521B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮水構造の破損位
置検出方法および破損規模検出方法並びに漏水部補修方
法に関し、特に土木用の漏水防止機能を有する遮水構造
の破損位置検出方法および破損規模検出方法並びに漏水
部補修方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年、土木工事等において、シート防水工
法が広く採用されている。
【0003】例えば、ダムや調整池、溜池等の人工池に
おいては、その底面および法面に遮水シートを敷設して
貯水用として用いるようにしている。また、廃棄物の最
終処分場においては、最終処分場に遮水シートを敷設
し、廃棄物等から出る汚水が土中に流出するのを防止す
るために用いるようにしている。
【0004】しかし、何らかの原因で、遮水シートが破
損し、漏水が発生すると、ダムや調整池、溜池等の人工
池においては、貯水効率が低下することとなる。特に、
廃棄物の最終処分場においては、有害物質が溶出して土
中に流出し、地下水等を汚染する恐れが高く、このよう
な事態を防止しなければならない。
【0005】そこで、遮水シートに漏水が発生した場
合、ただちに漏水を発見し、しかもその漏水位置を特定
する必要がある。
【0006】そのため、従来では、例えば、図16に示
すように、遮水シート1の上下に多数の線状電極2,3
を配設している。この上側の線状電極2と下側の線状電
極3とは、遮水シート1の上下でX軸方向およびY軸方
向に直交させて配設してある。そして、同図(1)に示
すように、まず下側の複数の線状電極3をスイッチ5に
より切り換えるなどして人工的に高電気伝導性の方向を
作り出し、これを同図(2)に示すように遮水シート1
の上下で方向を90度変えるなどして、電極2,3間に
流れる電流の大きさを測定し、その電流の大きさから損
傷位置を決定するようにしている。
【0007】また、特開平4−359130号公報に示
されるように、最終処分場内と、最終処分場外とにそれ
ぞれ電流電極を設置し、これらの電流電極に電圧をか
け、その電流を測定することにより、電場の分布状況を
判断し、漏水が生じている場合には、抵抗が小さくなっ
て分布状況が変化することから、漏水の確認を行い、か
つ最終処分場内に配した測定電極により漏水位置を検出
するようにしたものが知られている。
【0008】さらに、特開平6−31261号公報に示
されるように、少なくとも2層のシート体で遮水シート
を構成し、これらシート体の間に隔壁を設けてシート体
間を複数の空間に区画するようにし、広い遮水シートの
うちおおよそどの部分に漏水が生じたかを知ることがで
きるようにし、補修に際しては該当する空間部分だけを
検査すれば漏水個所を確認することができようにしたも
のが知られている。
【0009】そしてさらに特開平6−63525号公報
に示されるように、多数の区画に分割し、かつ分割した
各区画の周囲において、下層シートと上層シートとを溶
着することにより多数の袋体を形成した二重構造の遮水
シートとし、各袋体内部に導電線と固化材注入管とを設
け、導電線によりその抵抗値の変化から遮水シートの破
損個所を検知特定し、固化材注入管により袋体に固化材
を注入して破損個所を補修するようにしたものも知られ
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の図16に示す漏
水の検出にあっては、線状電極2が遮水シート1の上面
に配設されるようになっており、しかもこの遮水シート
1上には砂等を敷き詰めて遮水シート1の保護層を形成
することが多く、その場合ブルドーサ等で砂等を均らす
際に線状電極2に断線を生じさせる恐れがあり、このよ
うな事態が生じると漏水位置の確認ができなくなるとい
う問題があった。また、線状電極が腐蝕して断線を起こ
すと、同様に漏水位置の確認ができなくなり、メンテナ
ンスも困難であるという問題があった。
【0011】また、特開平4−359130号公報に示
される漏水の検出にあっては、電流電極に高い電圧をか
ける必要があり、周囲の感電防止対策が必要となる上
に、廃棄物の最終処分場に用いる場合には、廃棄物の種
類によって電極の分布状況に変化が生じて誤差が出てし
まうという問題があった。
【0012】さらに、断線等による漏れ確認不能状態が
生じ、そのメンテナンスも困難で、補修時にも廃棄物を
掘削しなければならず、補修作業が困難であるという問
題があった。
【0013】さらに、特開平6−31261号公報に示
される漏水の検出にあっては、正確な漏水発生位置を検
出することが困難で、さらには補修に際しては廃棄物等
を掘削して遮水シートを露出させた状態で工事を行わな
ければならず、補修作業に手間がかかるという問題があ
った。
【0014】そしてさらに、特開平6−63525号公
報に示される漏水の検出にあっては、導電線による抵抗
値の変化から破損個所を検知特定するため、導電線に断
線等の異常が生じやすく、その場合のメンテナンス作業
も面倒であるという問題があった。
【0015】さらに、前記いずれの漏水の検出方法にお
いても、破損規模(漏水量)の検出ができず、破損状況
の確認ができないという問題があった。
【0016】本発明は、前記従来の問題点に着目してな
されたもので、その目的は、高い電圧を用いることなく
安全で、しかもメンテナンスが容易で確実に破損位置や
破損規模を把握することができ、さらには補修が容易な
遮水構造の破損位置検出方法および破損規模検出方法並
びに漏水部補修方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、底面が所定位置に向かって
下降傾斜する被遮水施工部と、前記被遮水施工部の底面
傾斜下端位置に配設された監査廊と、前記被遮水施工部
の表面に、前記監査廊位置を中心にして、前記監査廊か
ら離れる方向に敷設されて、前記被遮水施工部の表面を
覆う複数の遮水シート区画とを備え、前記各遮水シート
区画は、2枚のシート体の周縁部を密閉して成され、
前記各遮水シート区画内部と、前記監査廊内部とが集水
・注入管を介して結された遮水構造の破損位置検出方
法であって、前記複数の遮水シート区画の内いずれかの
遮水シート区画の前記シート体に破損が生じた際に、前
記破損部から前記シート体間内に浸入した浸出水を、前
記被遮水施工部底面の傾斜により、前記集水・注入管側
へと導き、前記集水・注入管を介して前記監査廊内で前
記遮水シート区画の漏水を検出する工程と、前記漏水の
検出された遮水シート区画の前記監査廊内の前記集水・
注入管より前記遮水シート区画内に注水を行う工程と、
前記監査廊内の集水・注入管に設けた水圧計により前記
遮水シート区画内の水圧を測定し、前記遮水シート区画
内の水圧の増加率が減少した時点または水圧が安定した
状態での前記水圧計の測定値を求める工程と、前記水圧
の測定値により、前記水圧計から前記遮水シート区画内
の水面までの高さを求めることで、前記破損部の高さ位
置を求める工程と、前記破損部の高さ位置および前記被
遮水施工部底面の傾斜角度から、前記シート体の破損部
の位置を求める工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】この発明によれば、いずれかの遮水シート
区画からの漏水を確認した場合、監査廊内から遮水シー
ト区画内に注水し、水圧の増加率が減少した時点または
水圧が安定した状態での水圧計の測定値と被遮水施工部
底面の傾斜角度からシート体の破損部の位置を容易に求
めることができ、しかも高い電圧を用いることなく、安
全に行うことができ、さらにはメンテナンスも容易で、
確実に破損部の位置を把握することができる。
【0019】また、破損部の位置を確実に把握できるた
め、破損部の補修を行うにあたっても、容易かつ短時間
で補修を行えることとなる。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記水圧が安定した状態での水圧計による水圧の測
定は、前記遮水シート区画内の水面位置が少なくとも前
記破損部位置を超える水量の注水を行った後、前記遮水
シート区画内の水が前記破損部から外部に漏出して一定
の水圧で停止した状態での測定値を求めることを特徴と
する。
【0021】この発明によれば、注水量や注水時の圧力
等を考慮することなく注水を行うことができ、これらの
管理のための手間を要することなく、しかも確実な水圧
の測定を行うことができる。
【0022】請求項3記載の発明は、請求項1または2
において、前記漏水の検出工程では、前記集水・注入管
に導かれた浸出水の水圧が前記監査廊内の集水・注入管
に設けられた水圧計に作用することによって漏水を検出
することを特徴とする。
【0023】この発明によれば、各遮水シート区画毎に
1つの水圧計で、漏水の検出および破損部の破損位置の
検出を行うことができ、測定器具の簡略化が可能とな
る。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかにおいて、前記遮水シート内には前記監査廊内部
と連結された空気抜き管が配設され、前記遮水シート区
画内への注水時には、前記空気抜き管より遮水シート区
画内の空気を監査廊内に排出することを特徴とする。
【0025】この発明によれば、遮水シート区画内の空
気を排出しつつ注水を行うことで、注水を容易、確実に
行うことができ、また、注水時の圧力も比較的低くて済
むこととなる。
【0026】請求項5記載の発明は、底面が所定位置に
向かって下降傾斜する被遮水施工部と、前記被遮水施工
部の底面傾斜下端位置に配設された監査廊と、前記被遮
水施工部の表面に、前記監査廊位置を中心にして、前記
監査廊から離れる方向に敷設されて、前記被遮水施工部
の表面を覆う複数の遮水シート区画とを備え、前記各遮
水シート区画は、2枚のシート体の周縁部を密閉して
成され、前記各遮水シート区画内部と前記監査廊内部と
集水・注入管を介して結された遮水構造の破損規模
検出方法であって、前記複数の遮水シート区画の内いず
れかの遮水シート区画の前記シート体に破損が生じた際
に、前記破損部から前記シート体間内に浸入した浸出水
を、前記被遮水施工部底面の傾斜により、前記集水・注
入管側へと導き、前記集水・注入管を介して前記監査廊
内で前記遮水シート区画の漏水を検出する工程と、前記
漏水の検出された遮水シート区画の前記監査廊内の前記
集水・注入管より前記遮水シート区画内に一定水量の注
水を行う工程と、前記監査廊内の集水・注入管に設けた
水圧計により前記遮水シート区画内の水圧を測定し、前
記水圧の増加率が変化して前記遮水シート区画内の水位
が前記シート体の破損部を超えた後、さらに注水を継続
し、前記破損部がない場合の水圧の増加率と実際の水圧
の増加率との差により、前記破損部からの漏水量を算出
し、破損規模を求める工程と、を含むことを特徴とす
る。
【0027】この発明によれば、漏水の検出された遮水
シート区画内に一定水量の注水を継続して行いながら、
水圧を測定し、水圧の増加率の変化後における実際の水
圧の増加率と、破損部がなかったとした場合の水圧の増
加率との差によって、容易かつ確実に漏水量を算出する
ことができる。
【0028】また、破損規模の検出にあたって、高い電
圧等を用いることもないので、安全で、メンテナンスも
容易となる。
【0029】さらに、破損規模を確実に把握できるた
め、破損部の補修を行う場合に、予め破損部の規模に対
応した補修方法を選択して補修を行うことができる。
【0030】請求項6記載の発明は、請求項5におい
て、前記遮水シート区画内の水位が前記シート体の破損
部を超えた後に水圧が増加しない場合には、段階的に前
記注水量を増加させ、前記水圧計計測値が増加し始めた
段階で、増加させた注水量により前記破損部がないとし
た場合に生じる水圧の増加率と実際の水圧の増加率との
差により、前記破損部からの漏水量を算出することを特
徴とする。
【0031】この発明によれば、当初の注水量を超える
破損部からの漏水量があるような規模の大きな破損部で
あっても、確実に破損規模の検出を行うことができる。
【0032】請求項7記載の発明は、底面が所定位置に
向かって下降傾斜する被遮水施工部と、前記被遮水施工
部の底面傾斜下端位置に配設された監査廊と、前記被遮
水施工部の表面に、前記監査廊位置を中心にして、前記
監査廊から離れる方向に敷設されて、前記被遮水施工部
の表面を覆う複数の遮水シート区画とを備え、前記各遮
水シート区画は、2枚のシート体の周縁部を密閉して
成され、前記各遮水シート区画内部と前記監査廊内部と
集水・注入管を介して結された遮水構造の破損規模
検出方法であって、前記複数の遮水シート区画の内いず
れかの遮水シート区画の前記シート体に破損が生じた際
に、前記破損部から前記シート体間内に浸入した浸出水
を、前記被遮水施工部底面の傾斜により、前記集水・注
入管側へと導き、前記集水・注入管を介して前記監査廊
内で前記遮水シート区画の漏水を検出する工程と、前記
漏水の検出された遮水シート区画の前記監査廊内の前記
集水・注入管より前記遮水シート区画内に注水を行う工
程と、前記遮水シート区画内の水位が前記シート体の破
損部を超えるまで注水した後、注水を停止する工程と、
前記監査廊内の集水・注入管に設けた水圧計により注水
停止時の前記遮水シート区画内の水圧を測定し、前記注
水停止時の水圧からの水圧の減少率により、前記破損部
からの漏水量を算出し、破損規模を求める工程と、を含
むことを特徴とする。
【0033】この発明によれば、水圧の測定時には、注
水を停止しているため、注水の影響を受けることなく正
確な測定を行って、より正確な破損規模の測定を行うこ
とができる。特に、この場合には、比較的破損規模が小
さな破損部に対して、より正確な破損規模の検出が可能
となる。さらに、注水時の注水量や注水圧力を考慮する
ことなく注水を行うことができ、注水管理が容易とな
る。
【0034】また、破損規模の検出にあたって、高い電
圧等を用いることもないので、安全で、メンテナンスも
容易となる。
【0035】さらに、破損規模を確実に把握できるた
め、破損部の補修を行う場合に、予め破損部の規模に対
応した補修方法を選択して補修を行うことができる。
【0036】請求項8記載の発明は、請求項7におい
て、前記遮水シート区画内への注水は、一定水量で行わ
れることを特徴とする。
【0037】この発明によれば、一定水量で注水を行う
ことにより、破損位置に達した状態を容易に把握でき、
その後の注水量も容易に算出することができる。
【0038】請求項9記載の発明は、請求項5〜8のい
ずれかにおいて、前記漏水の検出工程では、前記集水・
注入管に導かれた浸出水の水圧が前記監査廊内の集水・
注入管に設けられた水圧計に作用することによって漏水
を検出することを特徴とする。
【0039】この発明によれば、各遮水シート区画毎に
1つの水圧計で、漏水の検出および破損部の破損規模の
検出を行うことができ、測定器具の簡略化が可能とな
る。
【0040】請求項10記載の発明は、請求項5〜9の
いずれかにおいて、前記遮水シート内には前記監査廊
と連結された空気抜き管が配設され、前記遮水シート
区画内への注水時には、前記空気抜き管より遮水シート
区画内の空気を監査廊内に排出することを特徴とする。
【0041】この発明によれば、遮水シート区画内の空
気を排出しつつ注水を行うことで、注水を容易、確実に
行うことができ、また、注水時の圧力も比較的低くて済
むこととなる。
【0042】請求項11記載の発明は、請求項1〜4の
破損位置検出方法または請求項5〜10の破損規模検出
方法によって検出された破損位置または破損規模に基づ
き、前記漏水の生じている遮水シート区画内への止水材
の注入量を算出する工程と、この算出した注入量の止水
材を前記漏水の生じている遮水シート区画の前記集水・
注入管を介し、前記監査廊内から前記遮水シート区画内
に注入して固化させることで、止水を行う工程と、を含
むことを特徴とする。
【0043】この発明によれば、破損位置および破損規
模の検出結果に基づいて止水材の注入量を求めること
で、必要にして十分な量の止水材を注入して確実に破損
部の補修を行うことができる。
【0044】しかも、監査廊内から止水材を注入するだ
けで確実に補修を行うことができ、外部から掘削等によ
って破損部の補修を行う場合に比し、補修を容易かつ短
時間で行うことができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して詳細に説明する。
【0046】図1〜図15は、本発明の遮水構造を一実
施の形態にかかる廃棄物最終処分場に用いた状態を示す
図である。
【0047】この実施の形態における廃棄物最終処分場
10は、図1に示す底面14および法面16a,16b
からなる被遮水施工部18を形成するようにしている。
【0048】底面14は、図8および図13にも示すよ
うに、矢印A方向において、法面16a位置から中央部
に向けて所定角度θ(図9参照)で下降傾斜する勾配が
形成された状態となっている。法面16a,16bは、
法面16aと16b、16bと16bとの間に小段部2
0を連続させて環状に形成した多段状のものとされてい
る。
【0049】そして、このようにして形成した被遮水施
工部18に監査廊22と、第1の遮水シート24と、第
2の遮水シート26とを配設して、遮水構造を構築する
ようにしている。
【0050】監査廊22は、図1、図2、図7、図8お
よび図13に示すように、鉄筋コンクリート造などによ
り断面略矩形状に形成され、被遮水施工部18の底面1
4の下降傾斜した最も低い位置である中央部の長手方向
ほぼ全長にわたって埋設され、その上面部が底面14と
ほぼ同一高さとなるようにされている。
【0051】また、監査廊22の一端部は、図1に示す
ように、T字状に形成され、他端部は、図14に示すよ
うに、地上に露出された状態となっている。
【0052】さらに、監査廊22の底面には、側壁に沿
って2本の排水溝28が形成され、監査廊22内の水を
外部に排出できるようにするとともに、換気管30を配
設して監査廊22内の換気を行えるようにしている。
【0053】第1の遮水シート24は、図1,図2,図
8,図13に示すように、被遮水施工部18の底面14
および最下段の法面16aを覆い、第2の遮水シート2
6は、最下段の小段部20から法面16bの最上段まで
を覆うようになっている。
【0054】第1の遮水シート24は、複数の遮水シー
ト区画24aを有し、この遮水シート区画24aは、図
5に示すように、対面させて配設した上下部2枚のシー
ト体32,34と、これらシート体32,34に挟まれ
て対面して配設された上下部2枚のクッション材36,
38とこれらクッション材36,38に挟まれて配設さ
れたドレン材40等を積層し、図3に示すように、集水
・注入管42と空気抜き管44とを一体に形成した状態
となっている。
【0055】上下部のシート体32,34は、長尺のシ
ートからなるもので、遮水性および柔軟性を有する材
質、例えば、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニ
ール共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)など
の合成樹脂系、エチレンプロピレンジエンモノマー(E
PDM)、ブチルゴムなどの合成ゴム系、アスファルト
系等のゴムが採用可能である。なお、好ましくは、熱融
着の可能な材料であるとよい。
【0056】上下部のクッション材36,38は、それ
ぞれ上下部のシート体32,34の保護をなすもので、
シート体32,34の表面に廃棄物74等によってある
程度の力が加わった場合でも、その力を吸収してシート
体32,34の破損を防止できる程度の厚さおよび弾力
性を有するものであることが必要である。このクッショ
ン材36,38として、本実施の形態においては、不織
布を用いている。なお、この不織布にかえて、柔軟な発
泡材等の材料を用いることも可能である。
【0057】また、この実施の形態では、上部側のクッ
ション材36に対し、下部側のクッション材38の厚さ
を厚くしている。
【0058】ドレン材40は、図6に示すように、シー
ト体32,34間に連通部46を形成するためのもの
で、図6に示すように、規則正しく凹凸状に形成し、所
定間隔で通水孔48を形成したシート状の芯材50の両
面に透水フィルタ52を取り付けた高耐圧型の排水材と
されている。
【0059】シート状の芯材50は、規則正しく凹凸状
に形成したプラスチックシート(高密度ポリエチレンシ
ート)を、ポリプロピレン製不織布で被覆した状態とな
っている。
【0060】なお、ドレン材40としては、図6に示す
もののほか、例えば、プラスチック製の網を重ねて透水
性を確保した状態で用いることも可能である。
【0061】そして、図5に示すように、シート体3
2,34、クッション材36,38およびドレン材40
を積層した状態で、上下部のシート体32,34の周縁
部を密閉し、内部を独立連通状態として形成している。
【0062】このシート体32,34の周縁部の密閉に
際しては、例えば、シート体32,34と同質の材料を
周縁部に配設し、熱融着で上下部のシート体32,34
に固定することで密閉される。
【0063】集水・注入管42は、遮水シート区画24
a内に侵入した浸出水を取り出すとともに、遮水シート
区画24a内に止水材を注入するためのもので、図3に
示すように、遮水シート区画24aの一端部側に2個設
けられた状態となっている。
【0064】各集水・注入管42は、一端が下部側のシ
ート体34から露出された状態でドレン材40に連結さ
れた状態となっている。
【0065】空気抜き管44は、集水・注入管42から
止水材を遮水シート区画24a内に注入する際に、遮水
シート区画24a内の空気を排出するためのもので、図
3に示すように、遮水シート区画24aの長手方向両側
辺部内にその側辺のほぼ全長にわたって2本配設されて
いる。
【0066】また、この空気抜き管44の一端は、下部
側のシート体34の一端部側から露出された状態となっ
ている。
【0067】さらに、集水・注入管44および空気抜き
管44は、耐圧性のあるフレキシブルホースにて形成さ
れている。なお、集水・注入管42および空気抜き管4
4の取付部分の下部側のシート体34は、取付部分の強
度を向上させるために他の部分よりも厚めに形成されて
いる。
【0068】そして、このようにして形成された遮水シ
ート区画24aを被遮水施工部18に配設する場合に
は、底面14および小段部20を含む法面16a,16
bの表面に、図5に示すように、下部側のクッション材
38と同様の厚さのクッション材53を敷き詰めた状態
で、図1〜図3に示すように、監査廊22の上面部に遮
水シート区画24aの一端部を位置させ、集水・注入管
42および空気抜き管44の一端を監査廊22を上下部
に連結し、他端部側を監査廊22から離れる方向に底面
14および法面16aへと敷設するとともに、複数の遮
水シート区画24aを監査廊22の軸方向で、各遮水シ
ート区画24aが独立した個々のブロックを形成するよ
うに連結するようにしている。
【0069】監査廊22の一端部に形成されたT字部に
おいても同様に遮水シート区画24aの形成が行われ
て、遮水シート区画24aが相互に連結される。これら
遮水シート区画24a同士の連結は、熱融着によって行
われる。
【0070】第2の遮水シート26は、シート体32,
34と同様の材質からなる長尺のシートにて構成され、
小段部20を含む法面16bを覆って配設され、第1の
遮水シート24との間および第2の遮水シート26同士
を熱融着により連結するようにしている。
【0071】そして、このようにして被遮水施工部18
の表面を覆った第1の遮水シート24および第2の遮水
シート26上に、図8および図13に示すように、保護
砂54を所定厚さで施し、第1の遮水シート24および
第2の遮水シート26の保護をはかるようにしている。
【0072】また、保護砂54内には、図14に示すよ
うに、排水管56が配設され、廃棄物最終処分場10内
の浸出水を、周囲に形成した浸出水貯水池58に排出
し、この浸出水貯水池58から水処理施設60にて水処
理した後、河川62等に放流されるようになっている。
【0073】また、監査廊22内では、図4および図7
に示すように、集水・注入管42に水圧計64を取り付
け、遮水シート区画24aが破損した場合に、遮水シー
ト区画24a内に侵入した浸出水が、集水・注入管42
を通してその水圧が水圧計64に作用することにより、
漏水を検出し得るようになっている。また、この水圧計
64には、計測ケーブル66が接続され、この計測ケー
ブル66を介して、外部の図示せぬ管理所で漏水の有無
を監視できるようにしている。
【0074】また、この実施の形態においては、非常時
における廃棄物最終処分場10からの浸出水の貯水槽と
して管査廊22を利用するようにしている。
【0075】すなわち、図14で示すように、査廊2
2と浸出水貯水池58および排水管56と接続し、排水
管56から査廊22へと排水できるようにするととも
に、査廊22から浸出水貯水池58へと排水できるよ
うにしている。
【0076】たとえば、遮水シート区画24aの上下部
のシート体32,34が両方とも破損した場合、漏水の
多くが圧力の関係から第1の遮水シート24を通して
査廊22に集まり、特に大雨時には、漏水量が多く、廃
棄物最終処分場10からの浸出水も多くなるため、浸出
水貯水池58の能力を超えることも考えられ、この場合
に、第1の遮水シート24からの漏水を査廊22内に
一時貯水できるようにしている。
【0077】また、第1の遮水シート24が破損してい
ない場合でも、設計雨量を超える大雨により廃棄物最終
処分場10内から雨水が溢流する恐れがあるときには、
監査廊22を貯水槽として雨水の溢流を防ぐのに利用で
きるようにしている。
【0078】次に、前述の遮水構造の破損位置検出方法
および破損規模検出方法並びに漏水部補修方法について
説明する。
【0079】まず、複数の遮水シート区画24aのうち
いずれかの遮水シート区画24aのシート体32,34
に破損が生じた場合、図8に示すように、例えば、上部
のシート体32に破損部70があった場合、破損部70
からシート体32,34間に浸出水が侵入することとな
る。
【0080】このシート体32,34間に侵入した浸出
水は、被遮水施工部18の底面14に形成した所定角度
θの勾配によって図中矢印に示すように監査廊22側へ
と流下する。
【0081】この場合、遮水シート区画24aは、上下
部のシート体32,34が外周が密閉され、かつドレン
材40によって内部に連通部46が形成された状態とな
っているため、破損部70のある第1の遮水シート24
内で連通部46を通し、確実に監査廊22側へと流下す
ることとなる。
【0082】この場合、ドレン材40は耐圧性とされて
いるため、上載荷重によってつぶれることはなく、確実
に連通部46を確保することができる。
【0083】この遮水シート区画24a内で監査廊22
側へ移動した浸出水は、ドレン材40と連結され、か
つ、監査廊22の上面部に接続された集水・注入管42
内へ導かれることとなる。
【0084】集水・注入管42内へ導かれた浸出水は、
集水・注入管42を通して、監査廊22内へと導かれ、
監査廊22の集水・注入管42に取り付けた水圧計64
に水圧が作用し、この水圧計64によって破損の生じた
遮水シート区画24aの漏水を検出することとなる。
【0085】この水圧計64によって検出された検出値
は、監査廊22内の計測ケーブル66を介し、図示せぬ
外部の管理所に送られ、管理所で漏水の有無を監視す
る。
【0086】この場合、水圧計64の値が増加した場
合、その遮水シート区画24a内で漏水発生の可能性が
あることから、監査廊22内のその遮水シート区画24
aの集水・注入管42の弁を開いて漏水の有無を目視で
確認するようにすることが好ましい。
【0087】このように、複数の遮水シート区画24a
における漏水の発生の有無を遮水シート区画24aのブ
ロック単位で検出することで、特別な配管等を施すこと
なく、簡単な構造で漏水の検知を行うことが可能とな
る。
【0088】次いで、前述のように、いずれかの遮水シ
ート区画24aの漏水の発生を検知した後、図9に示す
ように、漏水の検知された遮水シート区画24a内に、
監査廊22内の集水・注入管42より注水を行う。
【0089】この場合、例えば、遮水シート区画24a
内に一定水量で注水を行うと共に、監査廊22内の集水
・注入管42に設けた水圧計64により、遮水シート区
画24a内の水圧を測定すれば、遮水シート区画24a
内の水圧は一定の増加率で増加し、破損部70の位置に
達すると、破損部70から水が外部に漏出するため、水
圧が一定の増加率から減少し出すこととなる。
【0090】そこで、この水圧が一定の増加率から減少
した時点での水圧計64の測定値ΔHを求める。
【0091】次いで、この測定値ΔHによって、水圧計
64から遮水シート区画24a内の破損部70部分に位
置する水面までの高さを求めることで、破損部70の高
さ位置を求める。
【0092】そして、この破損部70の高さ位置と被遮
水施工部18底面14の傾斜角度θとから、シート体3
2の破損部70までの距離Lを求めることにより、破損
部70の位置を容易かつ確実に求めることができる。
【0093】この場合、破損部70の位置は、遮水シー
ト区画24aの長さ方向での位置が求められ、その幅方
向での位置は求められないが、幅方向の長さに対して長
さ方向での長さが遙かに長い状態となっているため、長
さ方向の位置を検出することができれば、後述のような
補修法方を採用する限り、補修に際してもなんら問題が
生じない。
【0094】また、破損部70の位置検出に際しては、
前述のように、注水を継続して、その水圧の増加率が減
少して時点で水圧計の測定値ΔHを検出する場合の他、
例えば、遮水シート区画24a内に遮水シート区画24
a内の水面位置が少なくとも破損部70位置を超えるに
十分な水量の注水を行った後、注水を停止して、遮水シ
ート区画24a内の水が破損部70から外部に漏出して
一定の水圧で停止し、安定した水面位置となった状態
で、水圧計64の測定値ΔHを求めるようにすることも
できる。
【0095】このようにすることで、注水時の水量や水
圧の管理を行わずに測定することができ、しかも、注水
時の影響を受けることなく、より正確な測定を行うこと
が可能となる。
【0096】なお、この位置検出時の注水に際しては、
空気抜き管44より遮水シート区画24a内の空気を監
査廊22内に排出することで、注水を容易かつ確実に行
えるようにしている。
【0097】次に、破損規模の検出を行う場合につい
て、図10〜図12を参照して説明する。
【0098】この破損規模の検出を行う場合も、前述の
破損位置の検出の場合と同様に、漏水の生じている遮水
シート区画24a内に注水し、水圧計64による水圧の
測定値を検出して行うようにしており、図10〜図12
ではそれぞれ水圧と時間との関係を示している。
【0099】まず、図10に示す場合には、一定水量で
注水を行い、この注水量よりも破損部からの漏水量が多
い、破損規模が大きな場合を示している。
【0100】この場合、一定水量で遮水シート区画24
a内に注水を行うと、水圧が、Mで示すように一定の増
加率で上昇し、破損部70位置まで注水が行われると、
注水量よりも破損部70からの漏水量が多いため、注水
を継続しても水圧は、Nで示すように、増加せず、一定
値を示すこととなる。
【0101】そこで、段階的に、注水量を増加させる
と、注水量が破損部70からの漏水量を超えた段階で、
水圧計64の計測値が、Oで示すように、再び増加し始
めることとなる。
【0102】そして、水圧計64の計測値が増加し始め
た段階で、増加させた注水量により破損部70がないと
した場合に生じる水圧の増加率と、Oで示される実際の
水圧の増加率との差により、破損部70からの漏水量を
算出して、破損規模を求めるようにしている。
【0103】次に、図11に示す場合には、一定水量で
注水を行い、この注水量よりも破損部からの漏水量が少
ない、中程度の破損規模の場合を示している。
【0104】この場合、一定水量で遮水シート区画24
a内に注水を行うと、水圧が、Mで示すように一定の増
加率で上昇し、破損部70位置まで注水が行われると、
注水量よりも破損部70からの漏水量が少ないため、注
水を継続すると水圧は、Pで示すように、一定の増加率
よりも減少して増加することとなる。
【0105】そこで、Qで示すような、破損部70がな
いとした場合の水圧の増加率と、Pで示すような、実際
の水圧の増加率との差Rにより、破損部70からの漏水
量を算出し、破損規模を求めるようにしている。
【0106】次いで、図12に示す場合には、小〜微小
程度の破損規模の検出状態を示している。
【0107】この場合、水圧計64により水圧を測定し
つつ、遮水シート区画24a内に一定水量で注水を行
う。
【0108】この注水により、Mで示すように、遮水シ
ート区画24a内の水圧は、一定の増加率で上昇し、遮
水シート区画24a内の水が破損部70位置に達して、
その水圧の増加率が、Sで示すように、若干減少するよ
うに変化した後、さらに一定時間注水を継続する。
【0109】この一定時間注水を継続し、遮水シート区
画24a内の水が破損部70位置を十分に超える量とな
った後、注水を停止する。
【0110】注水を停止すると、破損部70位置を超え
て注入された水が破損部70から漏出し、Tに示すよう
に、徐々に水圧が減少することとなる。
【0111】そこで、この水圧の減少率を測定し、この
減少率により、破損部70からの漏水量を算出し、破損
規模を求めるようにしている。
【0112】このような破損規模の検出を行うことによ
り、注水中における水圧の測定結果よりも、より正確な
測定結果が得られることとなり、小〜微小程度の破損規
模の検出がより正確に行えることとなる。
【0113】また、この場合、注水時に一定水量での注
水を行うことなく、破損部の位置を十分に超える水量の
水を遮水シート区画24a内に注水し、注水停止時点で
の水圧からの水圧の減少率を測定するようにすることも
可能である。
【0114】さらに、この場合の破損規模の検出は、特
に、小〜微小程度の破損規模に限られるものではなく、
注水量よりも漏水量の少ない程度の破損規模の破損部一
般に適用可能である。
【0115】このように、水圧計64による水圧の測定
によって、容易、確実に、破損規模を把握することがで
きる。
【0116】次いで、遮水シート区画24aの破損部7
0の位置および破損規模を把握したした後、監査廊22
内に図13に示すように、止水材注入装置72を搬入
し、漏水の生じている遮水シート区画24aの一方の集
水・注入管42から水圧計64を取り外し、その集水・
注入管42に止水材注入装置72を接続する。
【0117】そして、止水材注入装置72によって、注
水・注入管42を介し、その遮水シート区画24a内に
止水材を注入する。
【0118】この場合、止水材の注入量は、遮水シート
区画24a内の破損部70位置まで確実に遮水シート区
画24a内を充満させることができ、かつ、破損部70
の破損規模に応じて、破損部外側周辺に充分な止水固化
物74が形成できる量とし、破損部70の漏水を確実に
防止できるように算出する。
【0119】この止水材の注入に際しては、監査廊22
内の空気抜き管44を開放し、遮水シート区画24a内
の空気を抜きつつ止水材を所定の圧力で注入し、止水材
を遮水シート区画24a内に充填する。
【0120】この場合、空気抜き管44は、遮水シート
区画24aの全長にわたる長さにされているため、止水
材を遮水シート区画24aの監査廊側の端部の一方向の
みから注入しても、監査廊22から離れた端部側へも確
実に止水材を注入することができ、しかも、空気抜き管
44を2本配設しているため、一方の空気抜き管44が
詰まったとしても、他方の空気抜き管により確実に遮水
シート区画24a内の空気を排出することができる。ま
た、空気抜き管44により遮水シート区画24a内の空
気を排出しつつ止水材を注入することで、止水材の注入
が容易かつ確実に行えることとなる。
【0121】ここで、止水材としては、遮水シート区画
24a内に必要量の止水材を充填させるに充分なゲルタ
イムを有するもの、すなわち、低粘度の止水材を用いる
ことにより、止水材を確実に遮水シート区画24a内に
充填させることができるようにしている。
【0122】具体的には、止水材として、親水性ウレタ
ンプレポリマーを主成分とするもので、水と任意の割合
で混合分散溶融し、水と直接反応してゲル化し、ゴム弾
性状の含水ゲルを形成し、止水効果を発揮するものを採
用している。
【0123】例えば、ゲルタイム45〜90分の止水材
が望ましく、具体的には図15に示すような温度20℃
の条件下でゲルタイム60分程度ものを採用でき、また
1つの遮水シート区画の面積に応じ、集水・注入管42
の数を設定する。
【0124】そして、止水材を遮水シート区画24a内
に充分に注入した後、集水・注入管42から止水材注入
装置72を取り外し、その集水・注入管42および空気
抜き管44を閉塞し、固化させれば、容易かつ短時間で
漏水の生じた遮水シート区画24aをブロック単位で補
修することができる。
【0125】このようにして、漏水の生じた遮水シート
区画24aの補修を行った後、他の遮水シート区画24
aに漏水が生じた場合には、前述と同様の工程を繰り返
すことによって容易に補修を行うことができる。また、
補修後に再度漏水が生じた場合にも、ゴム弾性状の含水
ゲル状の止水材であるため、再注入することにより止水
材とシート体との間に隙間を形成して止水材を充填する
ことが可能である。
【0126】本発明は、前記実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の実
施の形態に変形可能である。
【0127】たとえば、監査廊の配設状態は、前記実施
例に限らず、その用途に応じて種々の組合せが可能であ
る。
【0128】また、本発明の遮水構造は、廃棄物最終処
分場以外にも調整池、ダム等にも採用可能である。
【0129】さらに、地表面を掘削する場合に限らず、
地表面上に盛り上げる場合の遮水構造としても採用する
ことができる。
【0130】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水構造を用いた一実施の形態にかか
る廃棄物処分場を示す斜視状態断面図である。
【図2】図1の監査廊と遮水シート区画との関係を示す
部分拡大斜視図である。
【図3】図2の状態で、遮水シート区画の集水・注入管
および空気抜き管を示した平面図である。
【図4】図1のIV-IV線に沿う拡大断面図である。
【図5】図4の遮水シート区画の構造を示す断面図であ
る。
【図6】図5のドレン材の状態を示す部分斜視図であ
る。
【図7】本実施の形態の監査廊の状態を示す拡大縦断面
図である。
【図8】本実施の形態における遮水シート区画の漏水時
の状態を示す断面図である。
【図9】図8の漏水の生じた遮水シート区画の破損位置
を水圧計によって測定する状態を示す概略断面図であ
る。
【図10】大きな破損部の破損規模を検出する状態にお
ける水圧と時間との関係を示す特性図である。
【図11】中程度の破損部の破損規模を検出する状態に
おける水圧と時間との関係を示す特性図である。
【図12】微小な破損部の破損規模を検出する状態にお
ける水圧と時間との関係を示す特性図である。
【図13】図8の状態から、遮水シート区画の補修時を
する状態を示す断面図である。
【図14】本実施の形態において、監査廊を緊急時の貯
水に用いる状態を示す概略図である。
【図15】本実施の形態における止水材のゲルタイムの
一例を示す特性図である。
【図16】(1)、(2)は、漏水検出状態を電極を切
り替えて検出する従来の漏出検出方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 廃棄物最終処分場 14 底面 16a,16b 法面 18 被遮水施工部 22 監査廊 24 第1の遮水シート 24a 遮水シート区画 26 第2の遮水シート 32,34 シート体 36,38 クッション材 40 ドレン材 42 集水・注入管 44 空気抜き管 46 連通部 64 水圧計 70 破損部 72 止水材 θ 被遮水施工部底面の傾斜角度 ΔH 遮水シート区画内の破損部位置の水圧測定値 L 破損部までの距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−308648(JP,A) 特開 平7−214026(JP,A) 特開 平7−185496(JP,A) 特開 平7−75765(JP,A) 特開 平6−142631(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/04 B09B 1/00 ZAB E02B 7/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面が所定位置に向かって下降傾斜する
    被遮水施工部と、前記被遮水施工部の底面傾斜下端位置
    に配設された監査廊と、前記被遮水施工部の表面に、前
    記監査廊位置を中心にして、前記監査廊から離れる方向
    に敷設されて、前記被遮水施工部の表面を覆う複数の遮
    水シート区画とを備え、 前記各遮水シート区画は、2枚のシート体の周縁部を密
    閉して成され、前記各遮水シート区画内部と、前記
    査廊内部とが集水・注入管を介して結された遮水構造
    の破損位置検出方法であって、 前記複数の遮水シート区画の内いずれかの遮水シート区
    画の前記シート体に破損が生じた際に、前記破損部から
    前記シート体間内に浸入した浸出水を、前記被遮水施工
    部底面の傾斜により、前記集水・注入管側へと導き、前
    記集水・注入管を介して前記監査廊内で前記遮水シート
    区画の漏水を検出する工程と、 前記漏水の検出された遮水シート区画の前記監査廊内の
    前記集水・注入管より前記遮水シート区画内に注水を行
    う工程と、 前記監査廊内の集水・注入管に設けた水圧計により前記
    遮水シート区画内の水圧を測定し、前記遮水シート区画
    内の水圧の増加率が減少した時点または水圧が安定した
    状態での前記水圧計の測定値を求める工程と、 前記水圧の測定値により、前記水圧計から前記遮水シー
    ト区画内の水面までの高さを求めることで、前記破損部
    の高さ位置を求める工程と、 前記破損部の高さ位置および前記被遮水施工部底面の傾
    斜角度から、前記シート体の破損部の位置を求める工程
    と、 を含むことを特徴とする遮水構造の破損位置検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記水圧が安定した状態での水圧計による水圧の測定
    は、前記遮水シート区画内の水面位置が少なくとも前記
    破損部位置を超える水量の注水を行った後、前記遮水シ
    ート区画内の水が前記破損部から外部に漏出して一定の
    水圧で停止した状態での測定値を求めることを特徴とす
    る遮水構造の破損位置検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記漏水の検出工程では、前記集水・注入管に導かれた
    浸出水の水圧が前記監査廊内の集水・注入管に設けられ
    た水圧計に作用することによって漏水を検出することを
    特徴とする遮水構造の破損位置検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記遮水シート内には前記監査廊内部と連結された空気
    抜き管が配設され、前記遮水シート区画内への注水時に
    は、前記空気抜き管より遮水シート区画内の空気を監査
    廊内に排出することを特徴とする遮水構造の破損位置検
    出方法。
  5. 【請求項5】 底面が所定位置に向かって下降傾斜する
    被遮水施工部と、前記被遮水施工部の底面傾斜下端位置
    に配設された監査廊と、前記被遮水施工部の表面に、前
    記監査廊位置を中心にして、前記監査廊から離れる方向
    に敷設されて、前記被遮水施工部の表面を覆う複数の遮
    水シート区画とを備え、 前記各遮水シート区画は、2枚のシート体の周縁部を密
    閉して成され、前記各遮水シート区画内部と前記監査
    内部とが集水・注入管を介して結された遮水構造の
    破損規模検出方法であって、 前記複数の遮水シート区画の内いずれかの遮水シート区
    画の前記シート体に破損が生じた際に、前記破損部から
    前記シート体間内に浸入した浸出水を、前記被遮水施工
    部底面の傾斜により、前記集水・注入管側へと導き、前
    記集水・注入管を介して前記監査廊内で前記遮水シート
    区画の漏水を検出する工程と、 前記漏水の検出された遮水シート区画の前記監査廊内の
    前記集水・注入管より前記遮水シート区画内に一定水量
    の注水を行う工程と、 前記監査廊内の集水・注入管に設けた水圧計により前記
    遮水シート区画内の水圧を測定し、前記水圧の増加率が
    変化して前記遮水シート区画内の水位が前記シート体の
    破損部を超えた後、さらに注水を継続し、前記破損部が
    ない場合の水圧の増加率と実際の水圧の増加率との差に
    より、前記破損部からの漏水量を算出し、破損規模を求
    める工程と、 を含むことを特徴とする遮水構造の破損規模検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記遮水シート区画内の水位が前記シート体の破損部を
    超えた後に水圧が増加しない場合には、段階的に前記注
    水量を増加させ、前記水圧計計測値が増加し始めた段階
    で、増加させた注水量により前記破損部がないとした場
    合に生じる水圧の増加率と実際の水圧の増加率との差に
    より、前記破損部からの漏水量を算出することを特徴と
    する遮水構造の破損規模検出方法。
  7. 【請求項7】 底面が所定位置に向かって下降傾斜する
    被遮水施工部と、前記被遮水施工部の底面傾斜下端位置
    に配設された監査廊と、前記被遮水施工部の表面に、前
    記監査廊位置を中心にして、前記監査廊から離れる方向
    に敷設されて、前記被遮水施工部の表面を覆う複数の遮
    水シート区画とを備え、 前記各遮水シート区画は、2枚のシート体の周縁部を密
    閉して成され、前記各遮水シート区画内部と前記監査
    内部とが集水・注入管を介して結された遮水構造の
    破損規模検出方法であって、 前記複数の遮水シート区画の内いずれかの遮水シート区
    画の前記シート体に破損が生じた際に、前記破損部から
    前記シート体間内に浸入した浸出水を、前記被遮水施工
    部底面の傾斜により、前記集水・注入管側へと導き、前
    記集水・注入管を介して前記監査廊内で前記遮水シート
    区画の漏水を検出する工程と、 前記漏水の検出された遮水シート区画の前記監査廊内の
    前記集水・注入管より前記遮水シート区画内に注水を行
    う工程と、 前記遮水シート区画内の水位が前記シート体の破損部を
    超えるまで注水した後、注水を停止する工程と、 前記監査廊内の集水・注入管に設けた水圧計により注水
    停止時の前記遮水シート区画内の水圧を測定し、前記注
    水停止時の水圧からの水圧の減少率により、前記破損部
    からの漏水量を算出し、破損規模を求める工程と、 を含むことを特徴とする遮水構造の破損規模検出方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記遮水シート区画内への注水は、一定水量で行われる
    ことを特徴とする遮水構造の破損規模検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかにおいて、 前記漏水の検出工程では、前記集水・注入管に導かれた
    浸出水の水圧が前記監査廊内の集水・注入管に設けられ
    た水圧計に作用することによって漏水を検出することを
    特徴とする遮水構造の破損規模検出方法。
  10. 【請求項10】 請求項5〜9のいずれかにおいて、 前記遮水シート内には前記監査廊内部と連結された空気
    抜き管が配設され、前記遮水シート区画内への注水時に
    は、前記空気抜き管より遮水シート区画内の空気を監査
    廊内に排出することを特徴とする遮水構造の破損規模検
    出方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4の破損位置検出方法また
    は請求項5〜10の破損規模検出方法によって検出され
    た破損位置または破損規模に基づき、前記漏水の生じて
    いる遮水シート区画内への止水材の注入量を算出する工
    程と、 この算出した注入量の止水材を前記漏水の生じている遮
    水シート区画の前記集水・注入管を介し、前記監査廊内
    から前記遮水シート区画内に注入して固化させること
    で、止水を行う工程と、 を含むことを特徴とする遮水構造の漏水部補修方法。
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