JP3307897B2 - 電動パワステ・モータコア用無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
電動パワステ・モータコア用無方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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Description
を軽く操作できるようにする電動パワステ(電動機によ
るパワーステアリング)に用いられるモータコアの無方
向性電磁鋼板に関するもので、従来の電動パワステモー
タの課題を解決する無方向性電磁鋼板およびその製造方
法を提供する。
あらゆる分野でエネルギーの無駄遣いをなくそうとの動
きが盛んである。一方で便利さ、快適さを求める人間の
欲望は留まるところを知らないようである。ところで、
自動車のハンドル操作が簡単になる、所謂パワーステア
リング(以下、パワステと略称)装置は、軽自動車、普
通自家用車、トラックを問わず一般化している。従来こ
のパワステは油圧式が通常であったが、近年エネルギー
消費効率の観点から電動パワステに替える動きが急であ
る。
られていたモータコア用無方向性電磁鋼板は、JISグ
レードで50A600〜50A1000クラス(Si%
で0.3〜1.5%であり、結晶粒径では15〜40μ
m)のフルプロセス材であった。しかしながらこの低〜
中級グレードでは、電動パワステとしての致命的な欠陥
を解決できなかった。この欠陥は、ハンドルを切った後
には従来の油圧パワステでは自動的に逆方向にハンドル
が戻ろうとするが、電動パワステでは戻りのトルクが働
かないことである。このため電動パワステへの転換が遅
れていた。
来、例えば特開平6−219311号公報や特開平9−
156519号公報に開示されている如く、電気回路の
制御による方法が採用されている。しかしながら電気制
御だけでは不足で、モータコアで発生した鉄損がこの戻
りトルクに有害に働くとされている。この鉄損は低周波
・高磁場での鉄損であって、高磁場での直流ヒステリシ
ス損で代表することができる。この高磁場での直流ヒス
テリシス損を色々な鋼種などで測定してみても、製造ロ
ット毎にバラツキが大きく、調査しても旧来の改善知見
であった粗大結晶粒、不純物の低減以外に何かが大きく
効いていることが予想されるだけで、解決に到っていな
かったのである。なお、電動パワステの構造は、通常無
方向性電磁鋼板ロータに巻線を施され、ステータに永久
磁石を利用したものが多く、PWM制御が通常である。
ス材およびセミプロセス材と称される製品がある。フル
プロセス材は顧客で焼鈍を実施しないもので、鉄鋼メー
カーの製品がそのまま打ち抜かれてコアとして積層され
ると定義する。またセミプロセス材とは、顧客で打抜き
加工された後、打抜き、かしめや溶接歪みの除去と結晶
粒成長とを兼ねて鉄損を改善するために歪取り焼鈍が実
施されるものと定義する。このため、歪取り焼鈍を前提
として、鉄鋼メーカーでの最終工程でスキンパスによる
歪み誘起粒成長を利用した、所謂スキンパス材が用いら
れることが多い。この顧客での歪取焼鈍温度は、通常6
00〜850℃程度である。なお、無方向性電磁鋼板と
して知られる製品板厚は0.1〜1mmである。
み、電動パワステの固有問題であったハンドルの戻りト
ルクを出すための無方向性電磁鋼板およびその製造方法
を提供する。
とするところは以下の通りである。 (1)電動パワステ・モータコアに用いられるフルプロ
セス無方向性電磁鋼板であって、重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.002%、 Al≦2%、 N ≦0.004%、 Ti≦0.005%、 Nb≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなり、結晶粒径が60〜200μ
mで、最表面層の鉄メタル層の下層に形成される内部酸
化層厚みが≦0.5μmであることを特徴とする電動パ
ワステ・モータコア用無方向性電磁鋼板。 (2)重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.002%、 Al≦2%、 N ≦0.004%、 Ti≦0.005%、 Nb≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなる熱延板に、熱延板焼鈍を施し
または施さずして、冷延を行い、次いで焼鈍して、結晶
粒径を60〜200μm、最表面層の鉄メタル層の下層
に形成される内部酸化層の厚みを≦0.5μmとするこ
とを特徴とする電動パワステ・モータコア用無方向性電
磁鋼板の製造方法。
れるセミプロセス無方向性電磁鋼板であって、重量%
で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなり、最表面層の鉄メタル層の下
層に形成された内部酸化層厚みが≦0.5μmであるこ
とを特徴とする電動パワステ・モータコア用無方向性電
磁鋼板。 (4)重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなる熱延板に、熱延板焼鈍を施し
または施さずして、冷延を行い、次いで焼鈍して、最表
面層の鉄メタル層の下層に形成される内部酸化層厚みを
≦0.5μmとすることを特徴とする電動パワステ・モ
ータコア用無方向性電磁鋼板の製造方法。
れるセミプロセス無方向性電磁鋼板であって、重量%
で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなり、最表面層の鉄メタル層の下
層に形成される内部酸化層厚みが≦0.5μm、スキン
パス圧延に相当する歪みが15%以下であることを特徴
とする電動パワステ・モータコア用無方向性電磁鋼板。 (6)重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなる熱延板に、熱延板焼鈍を施し
または施さずして、冷延を行い、次いで焼鈍して、最表
面層の鉄メタル層の下層に形成される内部酸化層厚みを
≦0.5μmとし、スキンパス圧延を冷延率15%以下
で実施することを特徴とする電動パワステ・モータコア
用無方向性電磁鋼板の製造方法。
パワステの課題であったハンドルを切った後にハンドル
をセンター位置に収束させるべく、高磁場でのヒステリ
シス損を改善させるには、内部酸化層を少なくすること
が最重要である。ここで言う内部酸化層とは、製品断面
の表層部であって以下の第三層で定義される。すなわち
最表層(第一層)が絶縁皮膜、第二層が地鉄から若干脱
Siや脱Alした金属層、第三層が内部酸化層で、第四
層が地鉄である。
000倍程度以上で、通常の二次電子像ではなく、反射
電子像でしか観察されないものである。この内部酸化層
と地鉄との境界面は凹凸が激しく、ヒステリシス損を著
しく劣化させる。また内部酸化層は、従来技術である高
温均熱帯での還元ガスであるH2 の増大や露点を下げる
ことなどで防止できるものではない。2点目は、この高
磁場ヒステリシス損を改善するためには従来の不純物、
結晶粒径、内部応力などを制御すれば良いこと。3点目
は、これらを特定範囲に規制することは工業的に充分可
能なことである。
説明する。フルプロセス材とセミプロセス材とでは、最
終コアでの打ち抜き歪みなどが異なるため、成分限定範
囲などが相違する。このため分けて説明する。まず、フ
ルプロセス材について述べる。
0.005%を超えると磁気時効問題があるため低周波
鉄損が増加するためである。
圧延で割れるためである。
長を阻害して製品結晶粒径を細粒化するため少ない方が
好ましいが、2%を超えると焼入れ組織となって脆化す
るため不可である。
0.2%超では偏析によって冷間割れが生じるので避け
る。
物を形成して低周波鉄損を劣化させる。この限界が0.
002%である。
での脱酸材として有効であるが、添加コストの問題もあ
るので2%以下とする。
物を形成して低周波鉄損を劣化させる。この限界が0.
004%である。
窒炭化物を形成して低周波鉄損を劣化させる。この限界
が0.005%である。
窒炭化物を形成して低周波鉄損を劣化させる。この限界
が0.005%である。
ために公知のSb,Sn,Cu,Ni,Cr,B,Mo
などを添加しても、電動パワステ用として有害なもので
はない。但し添加コストの問題があるので、それぞれ
0.5%以下とするのがが好ましい。
造スラブを、通常の熱間圧延を行って熱延板にする。熱
延板は、次いで焼鈍しても良いし、焼鈍を省略すること
も可能である。熱延板焼鈍は、一般に磁化力5000A/
m 程度での磁束密度改善を目的として実施されるが、本
発明はむしろ100A/m 程度の低磁場特性の方が効いて
いるので、熱延板焼鈍そのものの意味はあまりない。但
し、2%Si以上で発生し易いリジング(縦縞の形状不
良)を解消する意味では、熱延板焼鈍する方が望まし
い。熱延板焼鈍は通常の再結晶温度650℃以上が好ま
しい。
焼鈍後の鋼板の平均結晶粒径は60μm以上、200μ
m以下とする。60μm未満では低周波鉄損が不満足で
あり、また200μm超では焼鈍に高温熟熱が必要なた
め生産性が悪くなるためである。結晶粒径を60μm以
上とするためには、鋼板の不純物量や均熱時間によって
も異なるが、大体900℃×20秒程度であって、結晶
粒径200μmを得るためには1100℃×40秒程度
である。
でなければならない。内部酸化層が0.5μmを超える
と、低周波でなお且つ高磁場の鉄損劣化が大きいためで
ある。ここで言う内部酸化層とは、最表層がSiまたは
Alが若干少なくなった鉄メタル層の下層に形成され
た、Si,Al,Mnなどがリッチの酸化層のことであ
る。最表層の鉄メタル層厚みは内部酸化層の厚みによっ
ても異なってくるが、内部酸化層が0.5μmの場合は
0.8μm程度である。なお、鉄メタル層は島状に観察
されることもある。内部酸化層の下層は地鉄である。こ
の内部酸化層は地鉄との境界面の凹凸が大きく、磁束の
流れを阻害して低周波・高磁場鉄損を著しく劣化させる
ので、特に注意しなければならない。
面を5000倍以上の倍率でSEM−EDX測定するこ
とで観察することができるが、SEM像は通常の二次電
子ではなく、反射電子像の方が内部酸化層厚みを明瞭に
見ることができる。内部酸化層厚みは最表層の鉄メタル
界面と下層の地鉄界面との中間層の厚みであるが、上下
それぞれの界面の凹凸中心線(凹凸曲線の平均線に平行
な直線を引いたとき、この直線と凹凸曲線で囲まれる面
積が、この直線の両側で等しくなる直線を中心線とす
る)同士の差として定義される。
などで酸化された場合に生じるため、例えば加熱ラジア
ントチューブでの割れや直火無酸化炉での空燃比に十分
注意しなければならない。なおこの内部酸化層は、従来
のH2 +N2 +H2 O混合の湿潤ガス中での焼鈍の表面
酸化を意味しない。この表面酸化は低周波・高磁場鉄損
に悪影響しない。また実験室レベルでは、加熱から均
熱、冷却まで非酸化性ガス中で焼鈍することが容易であ
るが、鉄鋼メーカーでの実炉では加熱帯に直火バーナー
やラジアントチューブを用いることが多いので、特にこ
の内部酸化層には注意を払わなければならない。均熱帯
で例えば100%H2 の露点−50℃ドライ雰囲気とし
て高温均熱しても、この内部酸化層は還元されない。
て述べる。C量は0.005%以下とする。C量が0.
005%を超えると、磁気時効問題があるため低周波鉄
損が増加するためである。
圧延で割れるためである。
長を阻害して製品結晶粒径を細粒化するため、少ない方
が好ましいが、3%を超えると焼入れ組織となって脆化
するため不可である。
0.2%超では偏析によって冷間割れが生じるので避け
る。
物を形成して低周波鉄損を劣化させる。この限界が0.
007%である。
での脱酸材として有効であるが、添加コストの問題もあ
るので2%以下とする。
物を形成して低周波鉄損を劣化させる。この限界が0.
005%である。
たTi,Nb量については、現行の製鋼実力であれば問
題ないが、セミプロセス材ではそれぞれ0.015%以
下とするのが好ましい。その他の元素として、集合組織
を改善するために公知のSb,Sn,Cu,Ni,C
r,B,Moなどを添加しても、電動パワステ用として
有害なものではない。但し添加コストの問題があるの
で、それぞれ0.5%以下が好ましい。
ラブを、通常の熱間圧延を行って熱延板にする。熱延板
は、次いで焼鈍しても良いし、焼鈍を省略することも可
能である。熱延板焼鈍は、一般に磁化力5000A/m 程
度での磁束密度改善を目的として実施されるが、本発明
はむしろ100A/m 程度の低磁場特性の方が効いている
ので、熱延板焼鈍そのもの意味はあまりない。但し、2
%Si以上で発生し易いリジング(縦縞の形状不良)を
解消する意味では実施する方が望ましい。熱延板焼鈍は
通常の再結晶温度650℃以上が好ましい。
焼鈍は通常の再結晶を行わせるもので、650〜100
0℃程度が好ましい。内部酸化層の厚みは0.5μm以
下でなければならない。0.5μm超では低周波鉄損の
劣化が大きいためである。
可能である。15%以下の冷延率は、顧客での歪取焼鈍
で大きく粒成長するため、低周波鉄損を改善するが、1
5%を超えるとその効果が少ないので避けなければなら
ない。以下、実施例で説明する。
溶解を実施し、表1に示す成分のインゴットを作成し
た。これを1030℃に加熱してから10mm厚の鋼板に
熱延した。次いで、更に1030℃に加熱してから1.
7mmの熱延板を作成した。2%Si未満の素材(実験 N
o.1〜5,14〜17)については、酸洗してから0.
5mmに冷延し、脱脂して880℃×5分均熱の焼鈍を1
00%ドライH2 中で実施した。また2%Si以上の素
材(実験 No.6〜13)については、N2 中で950℃
×30秒均熱の熱延板焼鈍を実施してから酸洗し、0.
5mmに冷延し、脱脂して880℃×5分均熱の焼鈍を1
00%ドライH2 中で実施した。
から、圧延方向とそれと直角方向の直流磁気特性を測定
し、各方向を平均して表1に示した。また鋼板断面の平
均結晶粒径も測定した。更に内部酸化層も調査したが、
存在しなかった。表1に示すように、本発明の成分範囲
を外れるものは磁気特性が劣化した。なお製品での成分
分析も実施したが、インゴットでの分析結果と同じであ
った。
1.5%Si,0.11%Mn,0.02%P,0.0
002%S,2%Al,0.001%N,0.001%
O,0.002%Ti,0.001%Nb,0.002
%B,0.4%Cu,0.04%Sn,0.05%N
i,0.05%Cr,0.006%Mo,0.002%
Vを含むスラブを1100℃で加熱してから、2mm厚の
熱延コイルを製造した。
で実施した。酸洗してから0.2mmまで冷延し、脱脂
後、表2に示す温度で10秒の均熱焼鈍を実施した。こ
の時、加熱を無酸化炉(直火雰囲気、空燃比=0.9)
で行い、無酸化炉出側の板温を制御して内部酸化層の厚
みを変更した。無酸化炉を出てからは電気ヒータゾーン
で40%H2 +60%N2 雰囲気で焼鈍した。絶縁皮膜
を約1μm焼き付けてからエプスタイン試験片で直流磁
気特性を測定した。表中のヒステリシス損W17は、最大
1.7テスラ磁束密度での直流ヒステリシス損である。
表2に示すように、結晶粒径と内部酸化層とを本発明範
囲に制御したものは、優れた鉄損を示した。なお、最終
の鋼板の成分をチェックしたが、スラブ成分と同一であ
った。
施し、表3に示す成分のインゴットを作成した。これを
1100℃に加熱してから15mm厚の鋼板に熱延した。
次いで、更に1100℃に加熱してから1.7mmの熱延
板を作成した。次いでN2 中、850℃×30秒均熱の
熱延板焼鈍を実施してから酸洗し、0.35mmに冷延
し、脱脂して720℃×15秒均熱の焼鈍を100%ド
ライH2 中で実施した。更に、5%冷延率のスキンパス
圧延を実施した。その時の結晶粒径を平均して表3に示
した。また、内部酸化層は認められなかった。
てから、750℃で2時間のN2 中歪取焼鈍を実施して
から、圧延方向とそれと直角方向の直流磁気特性を測定
し、各方向を平均して表3に示した。表3に示すよう
に、本発明の成分範囲を外れるものは磁気特性が劣化し
た。なお製品での成分分析も実施したが、インゴットで
の分析結果と同じであった。
35mm冷延板を用いて、内部酸化層の厚みを変更する実
験を行った。焼鈍は850℃で60秒、20%H2 +8
0%N2 中で行ったが、850℃に到達するまでの加熱
雰囲気をN2 中の酸素%を表4の値に制御した。結晶粒
径はいずれも45μmであった。次いで6%のスキンパ
ス圧延を行ってから、750℃で2時間のN2 中歪取焼
鈍を実施した。測定は実施例3と同様に行った。その結
果を表4に示す。表4で見る如く、内部酸化層が本発明
範囲外のものは鉄損が不満足である。
C,0.1%Si,0.18%Mn,0.08%P,
0.0035%S,0.002%Al,0.0038%
N,0.012%O,0.007%Ti,0.003%
Nb,0.2%Cu,0.08%Sn,0.01%N
i,0.11%Cr,0.002%Mo,0.001%
Vを含むスラブを1200℃で加熱してから、3mm厚の
熱延コイルを製造した。
脱脂後680℃で10秒均熱の30%H2 +70%N2
中の焼鈍を実施した。加熱帯の雰囲気のみ直火の無酸化
炉(空燃比=0.95)とした。結晶粒径は14μmで
あった。次いで有機、無機混合の絶縁皮膜を1μm厚で
焼き付けした。更に、スキンパス圧延を実施して圧下率
を表5のように変えた。この鋼板表面を調査したとこ
ろ、いずれも内部酸化層は0.1μm厚であった。次い
で、エプスタイン試料(30mm×300mm)に切断して
から750℃で2時間のN2 中歪取焼鈍を実施し磁気特
性を測定した。また、結晶粒径も測定して表5に示し
た。表5に示すように、本発明範囲のスキンパス圧下率
範囲で優れた磁気特性が得られた。
題であったハンドルの戻りトルクを出すための、高磁場
・低周波鉄損に優れた無方向性電磁鋼板およびその製造
方法を提供することが出来る。
Claims (6)
- 【請求項1】 電動パワステ・モータコアに用いられる
フルプロセス無方向性電磁鋼板であって、重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.002%、 Al≦2%、 N ≦0.004%、 Ti≦0.005%、 Nb≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなり、結晶粒径が60〜200μ
mで、最表面層の鉄メタル層の下層に形成される内部酸
化層厚みが≦0.5μmであることを特徴とする電動パ
ワステ・モータコア用無方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.002%、 Al≦2%、 N ≦0.004%、 Ti≦0.005%、 Nb≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなる熱延板に、熱延板焼鈍を施し
または施さずして、冷延を行い、次いで焼鈍して、結晶
粒径を60〜200μm、最表面層の鉄メタル層の下層
に形成される内部酸化層の厚みを≦0.5μmとするこ
とを特徴とする電動パワステ・モータコア用無方向性電
磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 電動パワステ・モータコアに用いられる
セミプロセス無方向性電磁鋼板であって、重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなり、最表面層の鉄メタル層の下
層に形成された内部酸化層厚みが≦0.5μmであるこ
とを特徴とする電動パワステ・モータコア用無方向性電
磁鋼板。 - 【請求項4】 重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなる熱延板に、熱延板焼鈍を施し
または施さずして、冷延を行い、次いで焼鈍して、最表
面層の鉄メタル層の下層に形成される内部酸化層厚みを
≦0.5μmとすることを特徴とする電動パワステ・モ
ータコア用無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 電動パワステ・モータコアに用いられる
セミプロセス無方向性電磁鋼板であって、重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなり、最表面層の鉄メタル層の下
層に形成される内部酸化層厚みが≦0.5μm、スキン
パス圧延に相当する歪みが15%以下であることを特徴
とする電動パワステ・モータコア用無方向性電磁鋼板。 - 【請求項6】 重量%で、 C ≦0.005%、 Si≦4%、 Mn≦2%、 P ≦0.2%、 S ≦0.007%、 Al≦2%、 N ≦0.005%、 残部が実質的に鉄からなる熱延板に、熱延板焼鈍を施し
または施さずして、冷延を行い、次いで焼鈍して、最表
面層の鉄メタル層の下層に形成される内部酸化層厚みを
≦0.5μmとし、スキンパス圧延を冷延率15%以下
で実施することを特徴とする電動パワステ・モータコア
用無方向性電磁鋼板の製造方法。
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JP30602299A JP3307897B2 (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | 電動パワステ・モータコア用無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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