JP3301614B2 - 人間または動物の生体の組織または腔を連続的に灌流および排液するための装置 - Google Patents

人間または動物の生体の組織または腔を連続的に灌流および排液するための装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内視鏡検査タイプの手術中に、灌流用生理
液によって、人間または動物の生体の組織または腔を連
続的に灌流および排液するための装置であって、少なく
とも１つの蠕動タイプのポンプと、前記灌流を制御する
ための手段を有している装置に関するものである。
内視鏡検査は医学分野で急速に発展している技術であ
る。これは光ファイバーを使用している観察技術によっ
て人体の腔を検査するものである。これらの腔のあるも
のは内視鏡による検査をし得るように膨らませなければ
ならない。現在、膨らませる技術は２つある。即ち、無
水炭酸ガスを使用している技術と、塩またはグリココル
溶液のような生理液を使用している技術である。ガスの
使用は外科に限られていて、消滅の傾向にある。現在、
この第１の技術は、灌流を使用しながら診断を行う場合
にしか使用されない。液体注入を使用している第２の技
術は、反面、大きく進展している。これは観察ばかりで
なく、すすぎや破片の排出を可能にする。この技術は一
般外科、整形外科、泌尿器科、婦人科、耳鼻咽喉科、胃
腸の内視鏡検査、眼科などに使用される。
これらの種々の分野では、生理液の循環は、開回路ま
たは閉回路で行うことができる。流体の循環を閉回路で
行う場合には、被検腔を一定圧力に保持しなければなら
ない。流体の循環を開回路で行う場合には、腔内の圧力
を一定に保持する必要はないが、すすぎノズルの出口で
圧力を実質的に一定に保持しなければならない。閉回路
での流体循環は、主として、観察し得るために腔を膨ら
ませなければならない婦人科、泌尿器科、及び整形外科
で使用される。開回路での流体循環は、一般外科、耳鼻
咽喉科、胃洗浄、および開いた傷口の洗浄に使用され
る。
現在、閉回路での流体循環は、以下の３つの従来の手
段によって得られる。
−重力流 −蠕動ポンプによる強制流 −２つの蠕動ポンプによる強制流と吸込み 重力流の原理に基づく第１の技術は、たとえば0.9％
の塩の溶液で構成された生理血清を含んでいる袋を使用
する。この袋は、外科医によって決められた所定の高さ
に吊され、通常は患者の上方1m台である。この袋は、殺
菌された管によって手術区域に連結される。またこの管
自体は、例えば、関節検査の手術の時には関節に挿入さ
れたアースロスコープ（arthroscope）のような器具に
連結されている。バルブを備えた排出カニューレは、液
体を急速且つ連続的に排出するために使用されるので、
手術中に生じた破片を除去し、血清を連続的に入替えて
外科医が関節内部での彼の作業を目で追えるようにする
ことができる。
第２の技術は、実質上、第１の技術と同じであるが、
手術区域に生じた圧力を水柱で得るのではなく、蠕動ポ
ンプによって得るものである。排液は、前述したよう
に、流量を調整し得るコックやバルブを備えたカニュー
レによって重力で行われる。
第３の技術は、手術区域の上流と下流とに１つずつ配
置された２つの蠕動ポンブを使用している。第１ポンプ
は液体を手術区域に導くためのものであり、第２ポンプ
はこの液体及びこの液体によって運ばれる固形または液
体物質を排出するためのものである。２つのポンプは制
御され得るものが好ましく、少なくとも理論的には、手
術区域に一定の圧力を与えることができるものである。
開放腔の診断または外科術を行う時に現在使用されてい
る方法は、重力による拡張技術または灌流用蠕動ポンプ
を使用している技術から直接派生している。排液は操作
ブロックに装備されている真空ポンプに直接接合された
吸込みノズルによって行うこともできる。
現在、各タイプの手術には特定の装置が必要である。
即ち、関節検査の手術の場合には、アメリカの会社であ
る3M社のポンプ、またはスイスの会社であるオーソコン
セプト社のポンプを使用する。開いた傷口の灌流にはダ
ボル社が市販している洗浄装置を使用し、また前立腺の
切除にはオーソコンセプト社のポンプを使用する。
予期される手術の各々に特定のシステム一式を手術室
に配置しなければならないこと、病院にとっては大きな
投資であって、常に受入れられるものではない。また、
費用の他に、保存、消毒の難しさ、混同および時間のロ
スなどの問題が生じる。
本発明は、どんな手術が行われても使用できるユニバ
ーサルな装置を外科医が自由に使用できるようにするこ
とで前述の欠点を解決することを提案するものである。
このため、本発明の装置は、内視鏡検査タイプの手術
中に灌流用生理液によって、人間または動物の生体の腔
または組織を連続的に灌流し排液するための装置を対象
としている。
そして、取り外し自在なカセットに配置され、内視鏡
タイプの手術中に灌流する生理液を供給する管に接続さ
れた第１蠕動ポンプを備えている。
更に、取りり外し自在な上記カセットが取り付けら
れ、第１蠕動ポンプに係合する駆動軸を駆動する制御モ
ータを有する永久モジュールを備えている。
その上、上記カセットに設けられ、実施される手術に
対応する所定コードを関連づけるように構成されたコー
ド化手段を備えている。
加えて、上記永久モジュールに設けられ、上記コード
化手段によって活性化され、手術に応じたプログラムを
選択し、制御モータの制御回路に特定の情報を供給する
ための確認手段とを備えている。
好適実施例によれば、カセットは実施される手術に従
って永久モジュールのポンプの作動を制御するための所
定のプログラムを記憶するように構成された記憶装置を
有している。
応用例として、装置は夫々手術区域の灌流と排液のた
めの２つの蠕動ポンプを有するように構成できる。
第１変形例によれば、２つのポンプは永久モジュール
に装着されている。
第２変形例によれば、２つのポンプはカセットに装着
されており、またこれらのポンプの駆動軸は永久モジュ
ールに装着されている。
この場合には、カセットには前記ポンプの各々に対で
対応している少なくとも４つの管が備えられている。第
１対の管のうちの１つの管は生理液のタンクに連結され
ており、他方の管は前記生理液を手術区域に導くために
患者側の手術器具に連結されている。また第２対の管の
うちの１つの管も生理液を手術区域から排出するために
手術器具に連結されており、他方の管は排出回路に連結
されている。
好ましくは、コード化手段は、予期された手術に応じ
て所定位置に配置された少なくとも１つのコード化装置
を有している。また確認手段は一連の検出装置を有して
いて、そのうちの少なくとも１つの検出装置がカセット
のコード化装置によって活性化される。
このコード化装置は、例えばカセットの１面に配設さ
れた突出状の突起である。
検出装置は、具体的には、機械作動型スイッチ、光学
検出装置、磁気検出装置、または容量検出装置である。
好適な実施例によれば、この装置は単一用途のカセッ
トの再使用を防ぐための安全手段を備えている。
これらの安全手段は、永久モジュールの溝に嵌合し、
またカセットの取り出し時に折れるように構成されてい
る、カセットと一体の突起を有している。
これらの安全手段は、確認手段に連結されているのが
効果的である。
本発明は、実施例および添付図面の説明を参照するこ
とによって、より良く理解されるであろう。図面におい
て、 図１は本発明の装置の効果的な実施例の斜視図であ
る。
図２は図１の装置の永久モジニールの斜視図である。
図３は本発明の装置のカセットの縦断面図である。
図４はカセットの、図３のＡ−A'線による断面図であ
る。
図５は図３に図示されたカセットのＢ−B'線による断
面図である。
図６は装置の係止手段の詳細図である。
図１は基本的には永久モジュール10と取外し自在のカ
セット11からなる前述の装置の好適な実施例を示してい
る。永久モジニールは箱体12から成り、それは例えばそ
の前面に機能キー13と、圧力や流量などの物理的な大き
さを示すインジケータ、即ち表示装置14を有している。
図示された例の場合には、カセット11には生理液を入れ
たタンク（図示せず）に接合される生理液供給管15と、
この液を患者の手術区域に案内する導水管16と、この区
域の生理液を吸引するための吸引管17と、手術区域で吸
引された破片や生理液が廃棄される排出回路に通じてい
る排出管18が備えられている。
前述したように、このカセットは与えられた応用に対
応しており、しかも管15と16及び管17と18に夫々対応し
ている２つの蠕動ポンプを有している。またこれらのポ
ンプの機能、特に圧カバラメータ、流量パラメータまた
は患者に所定の手術を行うために制御されなければなら
ないその他の物理的なパラメータを記憶する手段を有し
ている。
図２はカセットを取り出した時の永久モジュールの図
である。この永久モジュールはカセットがはめ込まれる
凹部19を有しており、そこにはカセット11（図１を参
照）に配置された蠕動ポンプ（図示せず）の２つの駆動
軸20と21がある。この凹部の底部には更に、圧力取入れ
用接合部22と、穴23とこの穴に通じている溝24が配設さ
れている。この溝の役割は後述する。
最適実施例では、ポンプはカセットの中に配設される
が、用途や状況に応じて、ポンプを永久モジュールに固
定装着するようにしても良い。
図３、図４、図５は、カセット11の特に効果的な実施
例の詳細図である。概略的に図示されている第１蠕動ポ
ンプ30は、前述の役割を果す管15と16に連結している。
この実施例では、蠕動ポンプ30の排出管は管16ではなく
て、圧力供給源を構成しているタンク32に通じている管
31である。このタンクに通じている圧力検出器の接合部
33は、手術区域に送られた瞬間の液体の圧力を測定する
ことができる。
第２蠕動ポンプ34は前述の役割を果す管17と18に連結
している。
これらの全ての部材によってカセットが構成されてい
うる。これらは好ましくは適切な合成材料で鋳造された
箱体の中に配置されている。
図４は２つの蠕動ポンプ30と34の軸を通るＡ−A'線で
切った断面図である。この図はポンプ30のころ体30aと3
0b、及びポンプ34のころ体34aと34bを図示している。
図５はＢ−B'線で切った断面図であり、特に圧力検知
器の接合部33と、管31の口と、管16の接合部を図示して
いる。
図６は溝24の詳細図である。この溝は、カセットの再
使用を防ぐ安全手段に関連したプログラムの選択溝であ
る。溝24は特定の輪郭を有しており、広い溝41に結合し
た狭い溝40から成っている。実施される手術に応じて、
装置の使用プログラムを選択する作用を持つ複数のスイ
ッチ42がこの溝に沿って装着されている。カセットは溝
40の、スイッチ42の１つに対応する位置に嵌合する棒部
材43を有している。よって、棒部材43は、泌尿器科手術
用カセットの場合には第１位置に位置し、婦人科の手術
の時には第２位置に位置し、関節検査などの場合には第
３位置に位置する。この棒部材43は、突起44を、引込み
自在の２つの側部翼46を備えた先端部45で伸した構造か
ら成る。前記側部翼は狭い溝部40を通って広い溝41の内
部に挿入されるが、そこから再び出すことはできない。
このため、カセットが手術終了時に取り出される時、先
端部45は突起44から切り離されて穴23（図２を参照）の
中に落下する。この装置はカセットの再使用を防ぐ安全
装置を構成する。
勿論、手術に応じたプログラムを選択し得るスイッチ
42は、光学検出装置、磁気検出装置、容量検出装置など
のようなその他の確認検出器に代えることもできる。
膝関節検査の場合には、この膝のある運動によって大
きな過圧が生じ得る。前述した装置には電子制御装置が
装備されており、この制御装置によって外科医は全く安
全に作業を行うことができる。特に目的の手術にとって
の許容値に圧力を制限し得る過圧安全状態で作業するこ
とができる。膝の急激な運動時に生じる、時ならぬ過圧
は、原則として、高圧の安全装置に作用して蠕動ポンプ
を始動させる。永久モジュールには、ポンプの時ならぬ
始動を阻止するように過圧を制限する装置が装備されて
いる。圧力の調整は手術中に蠕動ポンプを適切に制御す
ることによって得られる。
前述した装置は、種々に変更することができ、同業者
の明白な種々の変形が可能である。特に、ある種のカセ
ットでは、手術区域における破片及び生理液の吸引を必
要としない手術の時には、蠕動ポンプをを１つだけ配設
することができる。一方、永久モジュールの形と、カセ
ットの形は、変更しても良い。更に、種々の構成部材の
機能は、この装置で可能な各タイプの手術に特有な要件
を考慮するように変更することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61M 3/00 A61M 5/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】内視鏡検査タイプの手術中に灌流用生理液
    によって、人間または動物の生体の腔または組織を連続
    的に灌流し排液するための装置であって、 取り外し自在なカセットに配置され、内視鏡タイプの手
    術中に灌流する生理液を供給する管に接続された第１蠕
    動ポンプと、 取り外し自在な上記カセットが取り付けられ、第１蠕動
    ポンプに係合する駆動軸を駆動する制御モータを有する
    永久モジュールと、 上記カセットに設けられ、実施される手術に対応する所
    定コードを関連づけるように構成されたコード化手段
    と、 上記永久モジュールに設けられ、上記コード化手段によ
    って活性化され、手術に応じたプログラムを選択し、制
    御モータの制御回路に特定の情報を供給するための確認
    手段とを備えていることを特徴とする装置。
  2. 【請求項２】請求項１において、 カセットには、第２蠕動ポンプが設けられ、 該第２蠕動ポンプは、生理液を排出する管が接続され、
    永久モジュールに設けられた制御モータによって駆動す
    る第２駆動軸に係合していることを特徴とする装置。
  3. 【請求項３】請求項１において、 コード化手段は、内視鏡タイプの手術に対応した所定の
    位置に設けられた少なくとも１つのコード化装置を備
    え、 確認手段は、コード化装置によって活性化されるように
    配置された少なくとも１つの検出装置を備えていること
    を特徴とする装置。
  4. 【請求項４】請求項３において、 コード化手段は、カセットの一面に設けられた突出状の
    突起を備えていることを特徴とする装置。
  5. 【請求項５】請求項４において、 突起は、カセットの再使用を防止するために永久モジュ
    ールからカセットを取り外す際に折れるように永久モジ
    ュールの溝に係合することを特徴とする装置。
  6. 【請求項６】請求項２において、 カセットは、各ポンプに対で対応している少なくとも４
    つの管が装着され、 第１対の管のうちの１つの管は生理液を供給するために
    連結され、 他方の管は手術区域に前記生理液を導くために患者側の
    手術器具に連結され、 第２対の管のうちの１つの管は同様に手術区域から生理
    液を排出するために手術器具に連結され、 他方の管は排出回路に連結されていることを特徴とする
    装置。
  7. 【請求項７】請求項３において、 検出装置は、機械作動型のスイッチであることを特徴と
    する装置。
  8. 【請求項８】請求項３において、 検出装置は、光学検出装置であることを特徴とする装
    置。
  9. 【請求項９】請求項３において、 検出装置は、磁気検出装置であることを特徴とする装
    置。
  10. 【請求項１０】請求項３において、 検出装置は、容量検出装置であることを特徴とする装
    置。
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