JP3298518B2 - 車両用回転座席 - Google Patents

車両用回転座席

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JP3298518B2 JP25703398A JP25703398A JP3298518B2 JP 3298518 B2 JP3298518 B2 JP 3298518B2 JP 25703398 A JP25703398 A JP 25703398A JP 25703398 A JP25703398 A JP 25703398A JP 3298518 B2 JP3298518 B2 JP 3298518B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば高齢者や
身体障害者等の乗員用として好適な車両用回転座席に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の回転座席としては、乗員が楽に
乗り降りできるようにするために、様々な改良が加えら
れて現在に至っている。そして、多くの場合、車両用回
転座席は水平回転動作と車両前後方向のスライド動作と
の二つの動作を組み合わせることによって乗員の乗降性
を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な回転及びスライド機構付き車両用回転座席において、
座席の回転動作及びスライド動作を手動で行う場合、特
に体重の重い人が座っている場合には、座席の回転又は
スライドを操作する人(介護者)の負担が大きいといっ
た点に問題がある。
【0004】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、車両用
回転座席において、座席の回転動作とスライド動作とを
機械的に連動した上で電動モータのような動力を用いて
駆動できるようにして座席を操作する人の負担を軽減す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明は次のように構成したものである。即ち、請
求項1の発明は、進行方向正面の着座位置から車両側面
開口部側へ回転しつつ車両前方へスライドする構成の車
両用回転座席であって、フロアに設けられた前後方向支
持台に回転支持台を車両前後方向にスライド可能に設
け、その回転支持台に回転盤を構成する相対回転可能な
外輪又は内輪の一方を固定し、前記回転盤における外輪
又は内輪の他方に座席本体が取り付けられた座席台を載
置し、その座席台の下面側に前記前後方向支持台に設け
られて車両前後方向に延在するラックと噛合うピニオン
ギヤを固着して、前記座席台の回転動作と前後方向のス
ライド動作とが連動する構成とし、さらに前記回転支持
台に設けた駆動源によって前記座席台側に設けられた前
記外輪又は内輪を回転駆動するように構成したものであ
る。
【0006】上記のように構成された請求項1の発明に
よれば、駆動源を作動して回転盤の外輪又は内輪を回転
すると、それに座席台を介して取り付けられた座席本体
が回転する。このとき、座席本体と一体に回転するピニ
オンギヤが前後方向支持台に固定されたラックに噛合っ
ているため、該座席本体は回転しながら回転支持台と共
に前後方向支持台に沿ってスライドする。即ち、請求項
1の発明によれば、座席本体の回転動作とスライド動作
をラックとピニオンギヤとを用いて機械的に連動し、か
つ動力によって駆動することができるため、座席を操作
する人の負担を軽減することができる。この場合におい
て、座席本体の駆動系を前後方向支持台に沿って前後方
向にスライドする回転支持台に設けてあるため、その駆
動系を座席本体の下面に納まるように配置することが可
能である。
【0007】上記の請求項1記載の車両用回転座席にお
いて、駆動源の駆動力は少なくとも一つの無端ベルトに
よって回転盤の外輪又は内輪に伝達する構成とすること
が可能である。その場合、駆動源を回転支持台の前側に
設置することもできるし、回転支持台の後側に設置する
こともできる。そして、無端ベルトによる動力伝達方式
によるときは、駆動系が回転支持台と共に移動すること
により、回転運動のみによって座席本体の回転及びスラ
イドが可能であり、またベルトの柔軟性を活かしてのレ
イアウト上の自由度が高いため、付近に存在する他部材
との干渉を回避しつつ狭いスペースを効果的に利用して
配置することができる。
【0008】また、請求項1記載の車両用回転座席にお
いて、回転盤の外輪又は内輪に外方向に突出するアーム
を設け、該アームを駆動源によって押し引きすることに
よって外輪又は内輪を回転するように構成することが可
能である。このような駆動源の駆動力を押し引き運動の
形態でアームに伝達する構成のときも、前述の無端ベル
トの場合と同様に駆動系が回転支持台と共に移動するこ
とにより、回転運動のみによって座席本体の回転動作及
びスライド動作が可能となる。その場合において、駆動
源とアームをギヤードケーブル又はリンクによって接続
する構成、又は駆動源によって回転されるボールネジを
設け、そのボールネジに螺合したボールナットをリンク
を介してアームに接続する構成を採用し、さらには駆動
源の動力をボールネジを用いてアームに伝達する動力伝
達構造の場合は、駆動源を回転支持台の前方に配置した
上で、ボールネジを回転支持台のスライド方向と略平行
方向に配置する構成としたり、又は駆動源を回転支持台
の後方に配置した上で、ボールネジを回転支持台のスラ
イド方向に略直角に配置する構成としたりする等の様々
なバリエーションを得ることができる。
【0009】また、請求項11の発明は、進行方向正面
の着座位置から車両側面開口部側へ回転しつつ車両前方
へスライドする構成の車両用回転座席であって、フロア
に設けられた前後方向支持台に回転支持台を車両前後方
向にスライド可能に設け、その回転支持台に回転盤を構
成する相対回転可能な外輪又は内輪の一方を固定し、前
記回転盤における外輪又は内輪の他方に座席本体が取り
付けられた座席台を載置し、その座席台の下面側に前記
前後方向支持台に設けられて車両前後方向に延在するラ
ックと噛合うピニオンギヤを固着して、前記座席台の回
転動作と前後方向のスライド動作とが連動する構成と
し、さらに前記回転支持台に設けた駆動源によって前記
座席台側に設けられた前記外輪又は内輪を回転駆動する
ために、前記駆動源によって回転されるボールネジを設
け、該ボールネジに螺合したボールナットにラックを設
け、該ラックを回転盤における外輪又は内輪外周に設け
たギヤに噛合したものである。この場合、駆動源は回転
支持台の前方に配置することも可能であるし、後方に配
置することも可能である。上記のようなボールネジとボ
ールナット及びラックとギヤとの組み合わせによる動力
伝達方式の場合には、無端ベルトの場合と同様に駆動系
が回転支持台と共に移動することにより、回転運動のみ
によって座席本体の回転動作及びスライド動作が可能と
なる。
【0010】また、請求項14記載の発明は、進行方向
正面の着座位置から車両側面開口部側へ回転しつつ車両
前方へスライドする構成の車両用回転座席であって、フ
ロアに設けられた前後方向支持台に回転支持台を車両前
後方向にスライド可能に設け、その回転支持台に回転盤
を構成する相対回転可能な外輪又は内輪の一方を固定
し、前記回転盤における外輪又は内輪の他方に座席本体
が取り付けられた座席台を載置し、その座席本体の下面
側に前記前後方向支持台に設けられて車両前後方向に延
在するラックと噛合うピニオンギヤを設けて、前記座席
台の回転動作と前後方向のスライド動作とが連動する構
成とし、さらに前記座席台側に駆動源を設け、その駆動
源の動力を前記回転支持台側に設けた外輪又は内輪に伝
達したときの反力によって前記座席台が回転される構成
としたものである。
【0011】上記のように構成された請求項14の発明
によれば、座席本体の回転とスライドを連動して動力で
作動し、座席を操作する人の負担を軽減することができ
ることについては、請求項1の発明と同様であるが、特
にこの発明においては、駆動系が座席本体と共に回転す
ることによって該座席本体の回転動作及びスライド動作
が可能となる。
【0012】また、請求項1又は14記載の車両用回転
座席において、回転盤の外輪又は内輪にピニオンギヤを
取り付け、該ピニオンギヤに駆動源の駆動力を減速ギヤ
を介して伝達する構成を採用することも可能である。こ
のようなピニオンギヤと減速ギヤとの組み合わせによる
動力伝達方式の場合は、動力の伝達構造の簡素化を図る
上で有利である。
【0013】また、請求項1〜15のいずれかに記載の
車両用回転座席において、シートの回転とスライドとを
連動する場合において、ピニオンギヤとラックとの間に
中間ギヤを介在する構成を採用することが可能である。
そのときは、ラックを室内側に配置することが可能とな
る。このため、ラックを車両側面開口部側に設けたとき
に比較して乗降の邪魔にならないという点で効果が得ら
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。先ず、本発明の第1の実施の形態
を図1〜図8に基づいて説明する。本実施の形態に係る
車両用回転座席(以下、単に回転座席ともいう)1は、
図1に示すように、運転席左側の助手席に設定した場合
を例示する。従って、当該回転座席1の左側にドア開口
部Dが設けられ、回転座席1は車両進行方向に向かって
正面の着座位置から車両前方へスライドしつつ左側(平
面的に見て反時計回り)に略90°回転させることによ
りドア開口部Dへ移動される。
【0015】さて、本実施の形態に係る車両用回転座席
1は、座席本体2と、この座席本体2を回転支持するた
めの回転支持台10と、座席本体2と回転支持台10を
車両前後方向に移動可能に支持するための前後方向支持
台30を備えている。座席本体2の詳細が図2に示さ
れ、回転支持台10及び前後方向支持台30の詳細が図
3に示されている。なお、各図では車両前方を矢印
「前」で示し、ドア開口部D側を矢印「外」で示す。
【0016】図2に示すように、座席本体2はシートク
ッション2aとシートバック2bを有し、シートクッシ
ョン2aの前部には乗員が足を載せて置くためのフット
レスト2cが取り付けられている。この座席本体2は本
発明の実施に当たり特に変更を要するものではない。
【0017】次に、回転支持台10を説明する。図3に
示すように、回転支持台10は前後方向に所定間隔で配
置されて車幅方向に延在する複数(図では3個の場合を
示す)のベース12に、それら複数のベース12の両端
を相互に接合するように左右2本の移動側保持部材11
を取り付けて構成したもので、後及び中間の両ベース1
2の上面に跨って回転盤13が設けられている。回転盤
13は外輪13aと内輪13bとからなり、両輪13
a,13bはその間に介在される図示省略の多数の鋼球
によって滑らかな相対回転ができるように構成されてい
る。そして、本実施の形態では、回転盤13における内
輪13bがベース12側に固定され、外輪13a上に座
席台3が固定され、その座席台3上に座席本体2が載置
される。かくして、座席本体2は座席台3と共に回転支
持台10に対して水平回転可能とされる。なお、この場
合において、図示は省略するが、座席本体2は座席台3
に対してスイング振り出し式の昇降装置を介して取り付
けられており、ドア開口部Dへ移動された位置(以下、
この位置を乗降位置ともいう)で、該昇降装置のスイン
グ式昇降動作によって室内と室外との間を車両前方から
見て略円弧状に昇降可能とされる。
【0018】次に、前後方向支持台30を図3に基づい
て説明する。図示のように、前後方向支持台30は前後
方向に長い略長方形状のプレートからなるベース31を
備えており、このベース31は車両のフロアに水平に固
定される。ベース31の車幅方向の両端上面には、前記
回転支持台10における移動側保持部材11を前後方向
にスライド可能に案内するための、前後方向に長い左右
2本の固定側保持部材32が平行に設けられている。固
定側保持部材32と移動側保持部材11は、1側面が互
いに対向するように配置され、その対向両面には、図4
に示すように、それぞれ互いに長手方向に延びるV字溝
11a,32aが形成され、そのV字溝11a,32a
に嵌まり込む形態で多数個の鋼球33が挟み込まれ、こ
れによって左右一対の直線案内機構34が構成されてい
る。かくして、回転支持台10延いては座席本体2が車
両前後方向にスライド可能となっている。
【0019】次に、座席本体2の回転動作とスライド動
作とを機械的に連動させるための回転スライド連動機構
20を図3及び図5に基づいて説明する。この回転スラ
イド連動機構20は、図示のように、ラック21と、中
間ギヤ22と、ピニオンギヤ24とから構成される。ラ
ック21は室内側の固定側保持部材32の側面に取り付
けられている。中間ギヤ22は室内側の移動側保持部材
11の上面に支持プレート23を介して回転可能に取り
付けられ、ラック21と噛み合うように配置される。な
お、中間ギヤ22とラック21との噛合いは、座席本体
2の前後方向の全移動範囲で維持されるようにラック2
1の位置及び長さが設定されている。
【0020】一方、ピニオンギヤ24は前記座席本体2
を支持する座席台3の下面に固着されている。このピニ
オンギヤ24は座席台3の回転中心を中心とする略90
°の範囲の円弧状に形成され、その噛み合い当初側(反
時計回り方向の端部側、以下同じ)の一定角度範囲(本
実施の形態では約26°)には、噛み合い歯が形成され
ていない。このため、座席本体2をその着座位置(車両
前方に向いた位置、図5中実線で示す位置)からドア開
口部D側(反時計回り方向)へ回転させ始めた当初約2
6°の範囲はピニオンギヤ24と中間ギヤ22は噛み合
わず、従って座席本体2は回転するのみで車両前方へは
スライドしない(非連動範囲)。座席本体2をドア開口
部D側へさらに回転させると、ピニオンギヤ24が中間
ギヤ22に噛み合うため、座席本体2の回転動作に連動
して中間ギヤ22が回転する。中間ギヤ22はラック2
1に噛み合っているので、回転しながら車両前方へ移動
し、これにより回転支持台10が車両前方へスライド
し、延いては座席本体2がドア開口側へ回転しつつ車両
前方へスライドする(連動範囲)。
【0021】次に、上記のように構成された車両用回転
座席1において、座席本体2の回転及びスライド動作を
動力によって駆動するための座席駆動装置40を図6及
び図7に基づいて説明する。座席駆動装置40は駆動源
としての正逆転可能な電動モータ41と、該電動モータ
41の駆動力を前記回転盤13の外輪13aに伝達する
ベルト式動力伝達機構42とから構成される。図示のよ
うに、電動モータ41は前記回転支持台10の前側に配
置され、前側のベース12に直に又はブラケット(図示
省略)を介して固定される。ベルト式動力伝達機構42
は、複数(本実施の形態では3個)の歯付きベルト(タ
イミングベルト)42a,42b,42cと、それらベ
ルト42a,42b,42cが掛装される複数の歯付き
プーリ43からなり、動力の最終伝達部材である最もリ
ヤ側の歯付きベルト42cが外輪13aの外周面に形成
された歯44に周回するように掛装されている。なお、
複数の歯付きプーリ43は、回転支持台10の構成部材
であるベース12に適宜ブラケット(図示省略)を介し
て回転可能に取り付けられる。
【0022】そして、上記のように構成される座席駆動
装置40は、その構成部材の全てが前記前後方向支持台
30のベース31の領域内に納まるように配置される。
即ち、前後方向支持台30と回転支持台10との上下間
スペース又は回転支持台10とシートクッション2aと
の上下間スペースを利用して配置され、座席本体2の下
面からはみ出ないように設定されている。
【0023】なお、具体的な図示は省略するが、電動モ
ータ41はウォームギヤ式減速機を内蔵したユニット構
造であって、その出力軸の手前には電磁クラッチが取り
付けられている。従って、モーター故障時にはメインス
イッチを操作して電磁クラッチをオフにすることによっ
て動力伝達系から切り離し、座席本体2の手動操作を可
能としている。また、図示はしないが、車両本体2の回
転動作及びスライド動作をロックするための回転ロック
機構及びスライドロック機構が備えられており、これら
ロック装置によって座席本体2は着座位置とドア開口部
側へ移動された乗降位置においてそれぞれ回転及びスラ
イドがロックされる構成となっている。
【0024】次に、以上のように構成した本実施の形態
に係る車両用回転座席1の操作を図8に基づいて説明す
る。図では、座席本体2の回転中心(回転盤13の回転
中心)を基準にして、車両前後方向移動範囲の後方位置
を符号L0 で示し、前方位置を符号L1 で示している。
【0025】さて、図8(A)は座席本体2が着座位置
に位置する状態を示している。この着座位置において、
操作者がロック機構のロックを解除後、図示省略の降車
用スイッチを操作して電動モータ41を駆動すると、ベ
ルト式動力伝達機構42を介して外輪13aが回転さ
れ、このことによって、座席本体2は前述したようにド
ア開口部D側に向かって回転を開始する。図8(B)
は、同方向へ約26°回転させた状態を示している。こ
の間は、ピニオンギヤ24と中間ギヤ22は噛み合わな
いので、座席本体2は回転動作のみする。この段階で、
座席本体2は、シートクッション2aがドア開口部Dの
後部、即ちリヤピラーPに干渉する手前の位置にまで至
っているため、このままさらに回転させたのではピラー
Pに干渉して座席本体2をドア開口部Dに向けた横向き
位置まで回転させることができない。
【0026】しかしながら、約26°回転させた時点
で、ピニオンギヤ24が中間ギヤ22に噛み合い始め
る。このため、以後さらに座席本体2を回転させると、
この回転動作に連動して座席本体2は、ピニオンギヤ2
4と中間ギヤ22との噛合い作用及び中間ギヤ22とラ
ック21の噛合い作用により前方へ移動する。こうして
座席本体2は残り約64°回転しつつ前方へスライド
し、これにより図8(C)に示すようにドア開口部D側
に向いた横向き姿勢になるとともに、前方位置L1 に至
る。即ち、乗降位置となる。このように、座席本体2が
回転しつつ前方へスライドすることにより、その回転途
中において乗員の足あるいはフットレストがドア開口部
Dの前端に干渉することが回避される。この点、従来の
ように一旦座席本体を前方位置にまで移動させた後、回
転させると乗員の足等がドア開口部(ボディ)の前端に
干渉する問題があったが、本実施の形態のように回転さ
せつつ前方へ移動させることによりこのような問題を回
避することができる。
【0027】こうして、座席本体2が乗降位置に達する
と、このことが前後方向支持台30上に設けられた、例
えばリミットスイッチのような乗降位置検出器(図示省
略)によって検出され、その検出信号で電動モータ41
が停止される。また、その停止位置で座席本体2はロッ
ク機構によって回転とスライドが共にロックされる。そ
して、乗降位置において、図示省略のスイング振り出し
式昇降機構を作動することによって座席本体2を室内
と室外との間で円弧状に昇降して出入することができ
る。また、座席本体2を図8(C)に示す乗降位置から
元の着座位置に戻すには、乗車用スイッチ(図示省略)
を操作して電動モータ41を逆転駆動すると、ベルト式
動力伝達機構42を介して外輪13aが逆回転される。
このとき、ピニオンギヤ24と中間ギヤ22及び中間ギ
ヤ22とラック21がそれぞれ噛合い状態に保持されて
いるので、座席本体2は前記とは逆に室内側に回転しつ
つ前方位置L1 から後方位置L0 へ向けてスライドす
る。
【0028】乗降位置から約64°室内側に回転された
段階で座席本体2は後方位置L0 に戻されて図8(B)
に示す位置に至る。その後、座席本体2がさらに約26
°回転することにより、図8(A)に示す着座位置に戻
すことができる。この26°の回転範囲では、ピニオン
ギヤ24と中間ギヤ22の噛合いが外れ、座席本体2は
回転動作のみし、前後方向にはスライドしない。なお、
座席本体2が乗降位置から移動を開始して着座位置に達
したときは、そのことが、例えばリミットスイッチのよ
うな着座位置検出器(図示省略)によって検出され、そ
の検出信号によって電動モータ41が停止される。その
後は、ロック機構によって座席本体2の回転とスライド
をロックすることによって、座席本体2を着座位置に固
定することができる。
【0029】以上のように構成した本実施形態の車両用
回転座席1によれば、座席本体2は回転支持台10及び
前後方向支持台30に支持され、座席本体2と前後方向
支持台30との間には、中間ギヤ22を介して相互に噛
み合うピニオンギヤ24とラック21が介装されている
ため、座席本体2の回転動作と前後方向のスライド動作
が連動される構成となっている。このため、例えばセダ
ン型乗用車の場合のように狭いドア開口部Dであって
も、回転操作のみで座席本体2をピラー等の他部位に干
渉することなく、かつ乗員の足をドア開口部Dの端部に
干渉させることなくドア開口部D側へ向けることができ
るので、従来よりもその使い勝手を大幅に向上させるこ
とができる。
【0030】そして、本実施の形態においては、上記の
ように連動される座席本体2の回転動作及びスライド動
作を、電動モータ41を駆動源とする座席駆動装置40
によって駆動することができるため、従来の手動式に比
べて操作者の負担を軽減することが可能となる。この場
合、座席駆動装置40が回転支持台10と一体的に移動
する構成としたことによって、回転運動のみで座席本体
2の回転動作とスライド動作とを行うことができ、しか
も動力伝達機構42としてベルト式を採用したので、ベ
ルトの柔軟性を活かしてのレイアウトが可能なため、付
近に存在する他部材との干渉を回避しつつ狭いスペース
を効果的に利用して配置することが可能となる。
【0031】また、回転盤13は座面の室外側端部に取
付けられているので、座面の室内側下面に大きなスペー
スを確保することができ、これにより大きな径のピニオ
ンギヤ24を取付けることができる。ピニオンギヤ24
の径が大きいほど、座席本体2の前後方向の移動距離を
大きく設定することができるので、車両用回転座席1
は、前後方向の移動距離が比較的大きいことが要求され
るワンボックスカーに特に好適に適用することができ
る。さらに、回転中心が、ヒップポイントHPの室外側
に設定されているので、座席本体2を室外側に回転させ
るだけで、座席本体2を車両前方へ移動させることがで
き、この点でも前後方向に大きな移動距離を確保するこ
とができる。
【0032】また、座席本体2を車両前後方向に移動さ
せるための直線案内機構34として、移動側保持部材1
1と固定側保持部材32と、両者の溝部11a,32a
間に挟み込まれた多数の鋼球33〜33から構成される
直線案内機構34を用いているので、座席本体2をガタ
付きなくスムーズに前後方向に移動させることができ
る。この点、直線案内機構として例えばコ字形のレール
の内側にローラを転動させる構成とした場合には、スム
ーズに移動させるためにローラとレールとの間に適度な
隙間を設定する必要があり、この隙間は座席本体のガタ
付きの原因となるが、上記直線案内機構34によれば、
このような問題はなく、極めて支持剛性の高い(ガタ付
きのない)回転座席1を提供することができる。
【0033】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。なお、以下に説明する他の実施の形態は、その全て
が座席本体2を駆動するための座席駆動装置40に関す
る変更例であって、座席駆動装置40を除いた座席本体
2の回転動作及びスライド動作のための機構や両動作の
連動機構等は、前述の第1の実施の形態と同様に構成さ
れている。従って、図面に示されている部材のうち、第
1の実施の形態と同一の構成部材については同一符号を
付してその説明を省略する。
【0034】図9及び図10は本発明の第2の実施の形
態を示している。この第2の実施の形態では、回転盤1
3の外輪13aが回転支持台10側に固定され、内輪1
3bが座席本体2を支持する座席台3側に固定されてい
る。そして、座席駆動装置40の駆動源としては第1の
実施の形態と同様な構成の正逆転可能な電動モータ51
を用い、動力伝達機構としてはギヤ列を用いている。即
ち、電動モータ51は座席本体2を支持する座席台3の
上面略中央部上に直に又はブラケットを介して載置さ
れ、その電動モータ51の出力軸に設けられた駆動ギヤ
52が減速ギヤ53を介して外輪13aの外周に設けた
従動ギヤ54に噛み合っている。なお、減速ギヤ53
は、座席台3にブラケット(図示省略)を介して回転可
能に取り付けられる。
【0035】上記のように構成された座席駆動装置40
は、座席台3に取り付けられる座席本体2のシートクッ
ション2aの下面に配置されて、回転時における乗員及
び操作者の挟まれ防止が図られている。上記構成の第2
の実施の形態においては、電動モータ51が駆動され、
その回転力がギヤ列52〜54を経て外輪13aに伝達
されると、外輪13aが回転支持台10に固定されてい
るため、その反力によって座席台3及び座席本体2が回
転される。即ち、第2の実施の形態によれば、座席駆動
装置40が座席台3と一体となって外輪13aの回りを
回転することによって座席本体2を回転し、また第1の
実施の形態と同様に回転スライド連動機構20を介して
前後方向にスライドし、着座位置と乗降位置との間を移
動することができる。そして、このようなギヤ列を用い
た構成によれば、座席駆動装置40のコンパクト化が可
能なため、狭いスペースにも容易に組付けることができ
る。
【0036】次に、本発明の第3の実施の形態を図11
〜図13に基づいて説明する。この実施の形態において
は、回転盤13の外輪13aが回転支持台10のベース
12に固定され、内輪13bが座席本体2を支持する座
席台3に固定されている。そして、内輪13bに設けた
アーム65を押し引きすることによって座席本体2を回
転するように構成してある。即ち、内輪13bの底面側
に中間及び後部のベース12間下方に突出する筒体14
を設け、その筒体14の外周面には外方向に水平に突出
する2本のアーム65を回転中心を挟んで略対称位置に
配設している。一方、回転支持台10の前側ベース12
には電動モータ61及び該電動モータ61によって駆動
されるギヤアッシー62を設けるとともに、そのギヤア
ッシー62における駆動ギヤ62aにギヤードケーブル
63を折り返し状に掛装し、その両端部を前記2本のア
ーム65にピン66によって回動可能に接続している。
なお、ギヤードケーブル63はストランドワイヤの外周
にワイヤをスパイラル状に巻き付けて構成したもので、
電動モータ61の駆動時にスパイラル状のワイヤが駆動
ギヤ62aに噛み合って往復動するものである。そし
て、このように構成される座席駆動装置40は、座席本
体2の下面に被われるように配置される。なお、その他
については第1の実施の形態と同様に構成される。
【0037】上記のように構成された第3の実施の形態
によれば、電動モータ61を駆動すると、駆動ギヤ62
aの回転によって一方のギヤードケーブル63が前方へ
引っ張られ、他方のギヤードケーブル63が後方へ押し
出される。このようなギヤードケーブル63の押し引き
動作によってアーム65を介して内輪13bが時計回り
又は反時計回りに回転される。従って、内輪13bに固
定された座席台3及び座席本体2が回転されるととも
に、回転スライド連動機構20を介して前後方向にスラ
イドする。即ち、第3の実施の形態の場合は、第1の実
施の形態の場合と同様に、座席駆動装置40が回転座席
10と一体的に移動することによって回転運動のみで座
席本体2の回転動作とスライド動作とを行うことができ
る。
【0038】次に、本発明の第4の実施の形態を図14
〜図16に基づいて説明する。この実施の形態はアーム
の押し引きによって回転盤13を回転駆動する形式であ
るという点では第3の実施の形態と類似している。そし
て、この第4の実施の形態では、回転盤13の内輪13
bが回転支持台10側に固定され、外輪13aが座席本
体2を支持する座席台3側に固定されており、その外輪
13aに1本のアーム75が外方向に水平に突設されて
いる。一方、回転支持台10の前側のベース12には、
第1の実施の形態と同様な構成の正逆転可能な電動モー
タ71が直に又はブラケットを介して取り付けられ、ま
た該電動モータ71の出力軸上に設けられた駆動ギヤ7
2と噛み合う略円弧状のドリブンギヤ73が水平回動可
能に取り付けられ、そのドリブンギヤ73と前記アーム
75がリンク74によって接続されている。なお、ドリ
ブンギヤ73は図15に示すように、ベース12に突設
された支軸73aを回動支点とするアーム73bにボル
トやリベット等で結合され、また、リンク74はドリブ
ンギヤ73及びアーム75にそれぞれピン76によって
回動自在に接続されている。このように構成される座席
駆動装置40は、座席本体2の下面に被われるように配
置される。なお、その他については第1の実施の形態と
同様に構成される。
【0039】上記のように構成された第4の実施の形態
によれば、電動モータ71を駆動すると、駆動ギヤ72
及びドリブンギヤ73の回転によってリンク74が前後
方向に移動変位され、アーム75を前方へ引いたり後方
へ押したりする。このため、外輪13aが時計回り又は
反時計回りに回転される。従って、外輪13aに固定さ
れた座席台3及び座席本体2が回転されるとともに、回
転スライド連動機構20を介して前後方向にスライドす
る。即ち、第4の実施の形態の場合は、第1の実施の形
態の場合と同様に、座席駆動装置40が回転座席10と
一体的に移動することによって回転運動のみで座席本体
2の回転動作とスライド動作とを行うことができる。
【0040】次に、本発明の第5の実施の形態を図17
〜図19に基づいて説明する。この第5の実施の形態は
アームの押し引きによって回転盤13を回転駆動する形
式であるという点では第3の実施の形態と類似してい
る。この実施の形態では、回転盤13の外輪13aが回
転支持台10側に固定され、内輪13bが座席本体2を
支持する座席台3側に固定されている。そして、図19
に示すように、内輪13bの底面側に中間及び後部のベ
ース12間の下方に突出する筒体85が設けられ、その
筒体85の下端部には外方向に水平に突出する1本のア
ーム86が設けられている。
【0041】一方、第1の実施の形態と同様な構成の正
逆転可能な電動モータ81が前側のベース12に直に又
はブラケットを介して固定され、その電動モータ81に
よって回転されるボールネジ82が回転支持体10のス
ライド方向と平行な方向に配置されている。そして、そ
のボールネジ82に螺合したボールナット83と前記ア
ーム86とがリンク84にて接続されている。なお、ボ
ールネジ82はブラケット82a(図18参照)を介し
てベース12に回転可能に取り付けられ、また、リンク
84はボールナット83及びアーム86に対してそれぞ
れピン87にて回動自在に接続される。このように構成
される座席駆動装置40は、座席本体2の下面に被われ
るように配置される。なお、その他については第1の実
施の形態と同様に構成される。
【0042】上記のように構成された第5の実施の形態
によれば、電動モータ81を駆動してボールネジ82を
右又は左回りに回転すると、ボールナット83が前方又
は後方へ移動し、それによってリンク84を介してアー
ム86が前方へ引かれたり後方へ押されたりする。この
ため、内輪13bが時計回り又は反時計回りに回転され
る。従って、内輪13bに固定された座席台3及び座席
本体2が回転されるとともに、回転スライド連動機構2
0を介して前後方向にスライドする。即ち、第5の実施
の形態の場合は、第1の実施の形態の場合と同様に、座
席駆動装置40が回転座席10と一体的に移動すること
によって回転運動のみで座席本体2の回転動作とスライ
ド動作とを行うことができる。
【0043】次に、本発明の第6の実施の形態を図20
及び図21に基づいて説明する。この実施の形態におい
ては、回転盤13における内輪13bが回転支持台10
側に固定され、外輪13aが座席本体2を支持する座席
台3に固定されている。そして、第1の実施の形態と同
様な構成の正逆転可能な電動モータ91が前側のベース
12に直に又はブラケットを介して固定され、その電動
モータ91によって回転されるボールネジ92が回転支
持体10のスライド方向と平行な方向に配置されてい
る。ボールネジ92にはボールナット93が螺合され、
そのボールナット93には外輪13aの外周に形成した
歯車95に噛み合うラック94が取り付けられている。
このように構成される座席駆動装置40は、座席本体2
の下面に被われるように配置される。なお、その他につ
いては第1の実施の形態と同様に構成される。なお、ラ
ック94の移動を円滑に行うためのガイドを回転支持台
10に設けることが望ましい。
【0044】上記のように構成された第6の実施の形態
によれば、電動モータ91を駆動してボールネジ92を
右又は左回りに回転すると、ボールナット93及びそれ
に固定されたラック94が前方又は後方へ移動する。こ
のため、ラック94と噛み合う歯車95と一体の外輪1
3aが時計回り又は反時計回りに回転される。従って、
外輪13aに固定された座席台3及び座席本体2が回転
されるとともに、回転スライド連動機構20を介して前
後方向にスライドする。即ち、第6の実施の形態の場合
は、第1の実施の形態の場合と同様に、座席駆動装置4
0が回転座席10と一体的に移動することによって回転
運動のみで座席本体2の回転動作とスライド動作とを行
うことができる。
【0045】以上説明した第1〜第6の実施の形態は、
その全てが座席駆動装置40が回転盤13の前方に設置
した例であるが、以下に説明する各実施の形態は座席駆
動装置40が回転盤13の後方に設置する例であり、座
席台3については図示を省略している。図22は本発明
の第7の実施の形態を示している。この第7の実施の形
態では回転盤13における内輪13bが回転支持台10
側に固定され、外輪13aが座席本体2を支持する座席
台3に固定されている。そして、図示のように、第1の
実施の形態で説明した座席駆動装置40と同様なベルト
駆動による座席駆動装置40が設けられている。即ち、
回転支持台10の後端部に後方に向かって延長プレート
111を設け、その延長プレート111上に駆動源とし
ての第1の実施の形態と同様な構成の正逆転可能な電動
モータ112及び複数(3個)の歯付きベルト113と
複数の歯付きプーリ114とから構成されるベルト式動
力伝達機構115が設けられ、その最終伝達用歯付きベ
ルト113が外輪13aに設けた歯車116に周回する
ように掛装されている。このように構成される座席駆動
装置40は、座席本体2の下面に被われるように配置さ
れて回転時の挟まれ防止が図られている。なお、その他
については第1の実施の形態と同様に構成される。
【0046】従って、上記のように構成される第7の実
施の形態の場合においては、座席駆動装置40が回転座
席10と一体的に移動する構成であるから、第1の実施
の形態と同様に回転運動のみで座席本体2の回転動作と
スライド動作とを行うことができる。
【0047】次に、図23は第8の実施の形態を示して
いる。この第8の実施の形態では回転盤13における内
輪13bが回転支持台10側に固定され、外輪13aが
座席本体2を支持する座席台3に固定されている。そし
て、電動モータ122が後方に配置されている点を除い
ては第6の実施の形態と同様に構成される。即ち、回転
支持台10の後方に設けた延長プレート121上には、
第1の実施の形態と同様な構成の正逆転可能な電動モー
タ122が設けられ、その電動モータ122によって回
転されるボールネジ123が回転支持台10のスライド
方向と平行に配置されるとともにブラケット123aに
よって支持されている。ボールネジ123にはボールナ
ット124が螺合され、そのボールナット124の外周
凹部には、外輪13aの外周に設けた歯車125と噛み
合うラック126の二又爪126aが係合されている。
このように構成される座席駆動装置40は、座席本体2
の下面に被われるように配置されて回転時の挟まれ防止
が図られている。なお、その他については第1の実施の
形態と同様に構成される。
【0048】従って、第8の実施の形態の場合は、第6
の実施の形態の場合と同様に、電動モータ122を駆動
してボールネジ123を右又は左回りに回動すれば、歯
車125と噛み合うラック125がボールナット124
と共に前方又は後方へ移動して外輪13aを回転させ
る。そのため、外輪13aに固定された座席台3及び座
席本体2が回転されるとともに、回転スライド連動機構
20を介して前後方向にスライドする。即ち、座席駆動
装置40が回転支持台10と一体的に移動することによ
って回転運動のみで座席本体2の回転動作とスライド動
作とを行うことができる。
【0049】次に、図24は本発明の第9の実施の形態
を示したものである。この実施の形態においては、回転
盤13における内輪13bが回転支持台10側に固定さ
れ、外輪13aが座席本体2を支持する座席台3に固定
されている。回転支持台10の後部に設けた延長プレー
ト131には第1の実施の形態と同様な構成の正逆転可
能な電動モータ132が設けられている。そして、電動
モータ132の出力軸に設けた駆動ギヤ133が座席台
3の下面に設けた扇形状の従動ギヤ134に噛み合う構
成としたものである。このように構成される座席駆動装
置40は、座席本体2の下面に被われるように配置され
て回転時の挟まれ防止が図られている。なお、その他に
ついては第1の実施の形態と同様に構成される。
【0050】従って、上記のように構成される第9の実
施の形態においては、電動モータ132を駆動すること
により、駆動ギヤ133を経て従動ギヤ134を右又は
左回りに回転することができる。従って、従動ギヤ13
4が固定された座席台3及び座席本体2が回転されると
ともに、回転スライド連動機構20を介して前後方向に
スライドする。即ち、座席駆動装置40が回転座席10
と一体的に移動することによって回転運動のみで座席本
体2の回転動作とスライド動作とを行うことができる。
なお、上述した第9の実施の形態は、図25に示すよう
に、駆動ギヤ133と従動ギヤ134との間に減速ギヤ
135を介在する構成に変更することも可能である。ま
た、図示はしないが、従動ギヤ134を別物とせずに外
輪13aの外周を従動ギヤとして構成することも可能で
ある。
【0051】次に、図26は本発明の第10の実施に形
態を示している。この第10の実施の形態は前述した第
5の実施の形態の変更例であって、回転盤13における
外輪13aが回転支持台10側に固定され、内輪13b
に座席本体3を支持する座席台3が固定されている。そ
して、回転支持台10の後端部に第1の実施の形態と同
様な構成の正逆転可能な電動モータ141が設置され、
その電動モータ141によって回転されるボールネジ1
42が回転支持台10の移動方向と直交する方向、即ち
車幅方向に沿って配置され、ブラケット143によって
回転可能に支持されている。ボールネジ142にはボー
ルナット144が螺合され、そのボールナット144が
内輪13bにリンク145を介して接続されている。そ
の場合、内輪13bとリンク145の接続は、第5の実
施の形態で説明したように、内輪13bに下方に突出す
る筒体を設け、その筒体の下端面にピンを介して回動可
能に取り付けるといった形で達成される。このように構
成される座席駆動装置40は、座席本体2の下面に被わ
れるように配置される。なお、その他については第1の
実施の形態と同様に構成される。
【0052】上記のように構成された第10の実施の形
態によれば、電動モータ141を駆動してボールネジ1
42を右又は左回りに回転すれば、ボールナット144
の移動に伴いリンク145を介して内輪13bが時計回
り又は反時計回りに回転される。このため、内輪13b
に固定された座席台3及び座席本体2が回転されるとと
もに、回転スライド連動機構20を介して前後方向にス
ライドする。即ち、第10の実施の形態の場合は、座席
駆動装置40が回転座席10と一体的に移動することに
よって回転運動のみで座席本体2の回転動作とスライド
動作とを行うことができる。
【0053】以上説明した各実施の形態には、種々変更
を加えることが可能である。例えば、座席台3に取り付
けられる座席本体2は、座席台3に対してスイング振り
出し式の昇降装置を介して取り付けられる場合で説明し
たが、レールを用いてのスライド式に変更してもよい
し、座席本体2を室外へ振り出す必要がなければ、省略
しても差し支えない。また、上記の第7〜第10の実施
の形態においては、回転支持体10のベース12を一枚
のプレートから構成される如く簡略的に図示している
が、これについては第1の実施の形態の場合と同様に前
後3枚のプレートをもって構成する形態であっても何ら
差し支えない。
【0054】また、実施の形態では、座席本体2の回転
動作とスライド動作とを連動する回転スライド連動機構
20において、回転動作の一部の領域でスライド動作が
連動する形式としたが、全領域に亙って連動する形式に
変更してもよい。また、ピニオンギヤ24とラック21
との間に中間ギヤ22を介在することによって回転スラ
イド連動機構20を室内側に配置できる構成としたが、
中間ギヤ22を省略してドア開口部側に配置する構成に
変更してもよい。さらに、実施の形態では助手席に適用
した回転座席を例示したが、本発明に係る回転座席はそ
の他の位置、例えば後部席、運転席にも適用可能であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
座席本体の回転動作とスライド動作をラックとピニオン
ギヤとを用いて機械的に連動し、かつ動力によって駆動
することができるため、座席を操作する人の負担を軽減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であって、車両用回
転座席の室内における配置を示す平面図である。
【図2】座席本体の斜視図である。
【図3】回転支持台及び前後方向支持台の斜視図であ
る。
【図4】回転支持台の移動を案内する直線案内機構の断
面図である。
【図5】座席本体の回転動作と前後方向のスライド動作
とを連動するための機構を示す平面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る座席駆動装置を示す斜
視図である。
【図7】同じく平面図である。
【図8】車両用回転座席の動作を示す平面図であって、
(A)は着座位置の座席本体を示し、(B)は約20°
ドア開口部側に回転した座席本体を示し、(C)は乗降
位置に移動された横向き状態の座席本体を示す。
【図9】第2の実施の形態に係る座席駆動装置を示す斜
視図である。
【図10】同じく平面図である。
【図11】第3の実施の形態に係る座席駆動装置を示す
斜視図である。
【図12】同じく平面図である。
【図13】図12のA−A線断面図である。
【図14】第4の実施の形態に係る座席駆動装置を示す
斜視図である。
【図15】同じく平面図である。
【図16】図15のB−B線断面図である。
【図17】第5の実施の形態に係る座席駆動装置を示す
斜視図である。
【図18】同じく平面図である。
【図19】図18のC−C線断面図である。
【図20】第6の実施の形態に係る座席駆動装置を示す
斜視図である。
【図21】同じく平面図である。
【図22】第7の実施の形態に係る座席駆動装置を示す
斜視図である。
【図23】第8の実施の形態に係る座席駆動装置を示す
斜視図である。
【図24】第9の実施の形態に係る座席駆動装置を示す
斜視図である。
【図25】第9の実施の形態に係る座席駆動装置の変更
例を示す斜視図である。
【図26】第10の実施の形態に係る座席駆動装置を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1…車両用回転座席 2…座席本体 3…座席台 10…回転支持台 13…回転盤 13a…外輪 13b…内輪 20…回転スライド連動機構 21…ラック 22…中間ギヤ 24…ピニオンギヤ 30…前後方向支持台 40…座席駆動装置 41…電動モータ 42…ベルト式動力伝達機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩谷 正光 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 三浦 芳幸 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 村林 賢司 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 黒田 智幸 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 岩男 将典 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 土方 隆文 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (72)発明者 田島 孝行 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−142723(JP,A) 特開 平8−192667(JP,A) 特開 平6−92169(JP,A) 実開 平3−71932(JP,U) 実開 平4−46932(JP,U) 実開 平4−28127(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/14 A61G 3/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 進行方向正面の着座位置から車両側面開
    口部側へ回転しつつ車両前方へスライドする構成の車両
    用回転座席であって、 フロアに設けられた前後方向支持台に回転支持台を車両
    前後方向にスライド可能に設け、その回転支持台に回転
    盤を構成する相対回転可能な外輪又は内輪の一方を固定
    し、前記回転盤における外輪又は内輪の他方に座席本体
    が取り付けられた座席台を載置し、その座席台の下面側
    に前記前後方向支持台に設けられて車両前後方向に延在
    するラックと噛合うピニオンギヤを固着して、前記座席
    台の回転動作と前後方向のスライド動作とが連動する構
    成とし、さらに前記回転支持台に設けた駆動源によって
    前記座席台側に設けられた前記外輪又は内輪を回転駆動
    するように構成した車両用回転座席。
  2. 【請求項2】 駆動源の駆動力を少なくとも一つの無端
    ベルトによって回転盤の外輪又は内輪に伝達する構成と
    した請求項1記載の車両用回転座席。
  3. 【請求項3】 駆動源を回転支持台の前側に設置した請
    求項2記載の車両用回転装置。
  4. 【請求項4】 駆動源を回転支持台の後側に設置した請
    求項2記載の車両用回転装置。
  5. 【請求項5】 回転盤の外輪又は内輪に外方向に突出す
    るアームを設け、該アームを駆動源によって押し引きす
    ることによって外輪又は内輪を回転するように構成した
    請求項1記載の車両用回転座席。
  6. 【請求項6】 駆動源とアームとをギヤードケーブルで
    接続した請求項5記載の車両用回転座席。
  7. 【請求項7】 駆動源とアームとをリンクを介して接続
    した請求項5記載の車両用回転座席。
  8. 【請求項8】 駆動源によって回転されるボールネジを
    設け、該ボールネジに螺合したボールナットをリンクを
    介してアームに接続した請求項5記載の車両用回転座
    席。
  9. 【請求項9】 駆動源を回転支持台の前方に設け、ボー
    ルネジを前記回転支持台のスライド方向と略平行方向に
    配置した請求項8記載の車両用回転装置。
  10. 【請求項10】 駆動源を回転支持台の後方に設け、ボ
    ールネジを前記回転支持台のスライド方向に略直角に配
    置した請求項8記載の車両用回転座席。
  11. 【請求項11】 進行方向正面の着座位置から車両側面
    開口部側へ回転しつつ車両前方へスライドする構成の車
    両用回転座席であって、 フロアに設けられた前後方向支持台に回転支持台を車両
    前後方向にスライド可能に設け、その回転支持台に回転
    盤を構成する相対回転可能な外輪又は内輪の一方を固定
    し、前記回転盤における外輪又は内輪の他方に座席本体
    が取り付けられた座席台を載置し、その座席台の下面側
    に前記前後方向支持台に設けられて車両前後方向に延在
    するラックと噛合うピニオンギヤを固着して、前記座席
    台の回転動作と前後方向のスライド動作とが連動する構
    成とし、さらに前記回転支持台に設けた駆動源によって
    前記座席台側に設けられた前記外輪又は内輪を回転駆動
    するために、 前記駆動源によって回転されるボールネジ
    を設け、該ボールネジに螺合したボールナットにラック
    を設け、該ラックを回転盤における外輪又は内輪外周に
    設けたギヤに噛合した車両用回転座席。
  12. 【請求項12】 駆動源を回転支持台の前方に設置した
    請求項11記載の車両用回転座席。
  13. 【請求項13】 駆動源を回転支持台の後方に設置した
    請求項11記載の車両用回転座席。
  14. 【請求項14】 進行方向正面の着座位置から車両側面
    開口部側へ回転しつつ車両前方へスライドする構成の車
    両用回転座席であって、 フロアに設けられた前後方向支持台に回転支持台を車両
    前後方向にスライド可能に設け、その回転支持台に回転
    盤を構成する相対回転可能な外輪又は内輪の一方を固定
    し、前記回転盤における外輪又は内輪の他方に座席本体
    が取り付けられた座席台を載置し、その座席本体の下面
    側に前記前後方向支持台に設けられて車両前後方向に延
    在するラックと噛合うピニオンギヤを設けて、前記座席
    台の回転動作と前後方向のスライド動作とが連動する構
    成とし、さらに前記座席台側に駆動源を設け、その駆動
    源の動力を前記回転支持台側に設けた外輪又は内輪に伝
    達したときの反力によって前記座席台が回転される構成
    とした車両用回転座席。
  15. 【請求項15】 回転盤の外輪又は内輪にピニオンギヤ
    を取り付け、該ピニオンギヤに駆動源の駆動力を減速ギ
    ヤを介して伝達する構成とした請求項1又は14記載の
    車両用回転座席。
  16. 【請求項16】 座席台に設けたピニオンギヤと、前後
    方向支持台に設けたラックとの間に中間ギヤを介在した
    請求項1〜15のうちのいずれかに記載の車両用回転座
    席。
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