JP3295125B2 - 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

Info

Publication number
JP3295125B2
JP3295125B2 JP9665692A JP9665692A JP3295125B2 JP 3295125 B2 JP3295125 B2 JP 3295125B2 JP 9665692 A JP9665692 A JP 9665692A JP 9665692 A JP9665692 A JP 9665692A JP 3295125 B2 JP3295125 B2 JP 3295125B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester
resin
magnetic recording
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9665692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05298670A (ja
Inventor
英資 栗原
定美 三浦
正人 佐藤
剛 長井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP9665692A priority Critical patent/JP3295125B2/ja
Publication of JPH05298670A publication Critical patent/JPH05298670A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3295125B2 publication Critical patent/JP3295125B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用ポリエス
テルフイルムに関し、更に詳しくは走行性、電磁変換特
性、保存耐久性等に優れた磁気記録媒体の製造に有用な
ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】高密度磁気記録媒体として、非磁性支持
体上に強磁性金属薄膜を真空蒸着やスパッタリングの如
き物理沈着法或はメッキ法によって形成した強磁性金属
薄膜磁気記録媒体が知られている。例えば、Coを蒸着
した磁気テープ(特開昭54―147010号)、Co
―Cr合金を用いた垂直磁気記録媒体(特開昭52―1
34706号)等が知られている。このような蒸着、ス
パッタ又はイオンプレーティング等の薄膜形成手段によ
って形成される金属薄膜は、厚みが1.5μm以下と非
常に薄く、それにも拘らず磁気記録層の厚みが3μm以
上である塗布型磁気記録媒体(磁性体粉末を有機高分子
バインダーに混入させて非磁性支持体上に塗布してなる
磁気記録媒体)と同等以上の性能が得られるという利点
がある。
【0003】ところで、磁気記録媒体の静的特性である
保磁力Hcまたはヒステリシスループの角形比のような
磁気特性は、用いられる非磁性支持体の表面状態にあま
り依存しないという考えがある。このような考えによっ
たものの例として、米国特許第3787327号明細書
には真空蒸着によるCo―Crの多層構造体が開示され
ている。
【0004】しかしながら、金属薄膜型の磁気記録媒体
においては、非磁性支持体表面に形成される金属薄膜厚
さが薄く、非磁性支持体の表面状態(表面凹凸)がその
まま磁気記録層表面の凹凸として発現し、それが雑音の
原因となることが欠点とされている。
【0005】雑音の観点からは、非磁性支持体の表面状
態ができるだけ平滑であることが好ましい。他方ベース
フイルムの巻取り、巻出しといったハンドリングの観点
からは、フイルム表面が平滑であると、フイルム―フイ
ルム相互の滑り性が悪く、ブロッキング現象が発生し、
製品にはなり得ず、このためベースフイルム表面が粗で
あることが要求される。このように、電磁変換特性とい
う観点からは非磁性支持体の表面が平滑であることが要
求され、一方ハンドリング性の観点からは粗であること
が要求される。そこで、これら両者の二律背反する性質
を同時に満足することが必要となる。
【0006】更に、金属薄膜磁気記録媒体には、実際に
使用される時の重大な問題点として、金属薄膜面の走行
性がある。従来の磁性体粉末を有機高分子バインダーに
混入させてベースフイルムに塗布してなる塗布型磁気記
録媒体の場合には、該バインダー中に滑剤を分散させて
磁性面の走行性を向上させることができるが、金属薄膜
磁気記録媒体の場合には、このような対策をとることが
できず、走行性を安定して保つのは非常に困難であり、
特に高温高湿時の走行性が劣るなどの欠点を有してい
た。
【0007】この欠点の改良を目的として、特公昭62
―30105号公報には微細粒子と水溶性樹脂およびシ
ランカップリング剤を用いて微小突起をフイルム表面に
形成することが提案されている。また特公昭62―30
106号公報、特開昭59―229316号公報には微
細粒子と水溶性樹脂を用いて微小突起をフイルム表面に
形成することが提案されている。しかし、これらはいず
れも水溶性樹脂の台形状突起中に微細粒子を存在させた
ものであり、微細粒子をフイルム表面上に均一に存在さ
せたものではない。また特公平1―34456号公報に
は水溶性高分子の不連続皮膜と、これより高い突起を形
成する微細粒子とを夫々独立してフイルム表面に密着さ
せることが提案されている。しかし、これは突起が不連
続皮膜であり、また均一に分散していない微粒子による
ことからフイルム表面上の均一性に劣る。
【0008】また、金属薄膜型の磁気記録媒体は、特公
平2―27733号公報に記載されている如く、金属薄
膜形成時にベースフイルムが金属イオン等の蒸気の有す
るエネルギー、蒸発源その他の高温部から輻射エネルギ
ー等を受けて温度上昇し、オリゴマーの蒸発析出が生じ
る。このオリゴマーはこの量が多過ぎると、フイルム表
面の平坦性が損われ好ましくないが、特公平2―277
33号公報に記載のように適度にオリゴマーが析出する
のは好ましい。ところが、特公平2―27733号公報
に例示してあるポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂及びシリコン樹脂は塗膜の平坦性
を確保しにくく、とりわけポリエステルフイルムの製造
時の延伸工程途中でフイルム表面に架橋高分子薄膜を形
成させ、その後の延伸工程で液状あるいは粒状のパター
ンを有する表面を形成せんとした場合得られるフイルム
表面が波状のしわを有する面となったり、ミミズ状の突
起を有する面となり、平坦性が損われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の欠点を解消し、走行性、電磁変換特性等に優れた
磁気記録媒体、特に金属薄膜磁気記録媒体の製造に有用
なポリエステルフイルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成からなる。
【0011】ポリエステルフィルムの一つの表面に連続
薄膜よりなる磁性層のプライマー層が塗設してあり、該
プライマー層の連続薄膜の表面には(A)平均粒径0.
008μm以上0.06μm未満のプライマー層に含有
されている粒子を核とする高さ13nm以下の小突起と
(B)平均粒径0.06μm以上0.25μm以下のポ
リエステルフィルムに含有されている粒子を核とする高
さが30nm以下の大突起と(C)プライマー層を形成
する樹脂のみによる最大長径が0.10μm以上0.3
0μm以下の微小突起とが形成されており、これら突起
の数が下記式
【0012】
【数2】AN ≧1.0×106 (個/mm2 ) BN ≧1.05×104 (個/mm2 ) AN ≦−3.4 ×102 ・BN +13.6×106 (個/mm2 ) 1.0 ×10(個/mm2 )≦CN <1.0 ×104 (個/mm2
【0013】(ただし、ANは小突起の数(個/m
2)、BNは大突起の数(個/mm2)、CNは微小突起
の数(個/mm2)である。)を満足し、前記プライマ
ー層を形成する樹脂のみによる連続薄膜の微小表面粗さ
Rasが1.10nm以下であり、さらに前記連続薄膜
の表面粗さRaが1〜1.8nmであり、そして前記連
続薄膜はフイルムを160℃で5分間空気中で連続加熱
したときにフイルム表面上のポリエステルオリゴマー微
結晶の析出率を0.8%以下に抑制できるものであるこ
とを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
【0014】本発明のフイルムを構成するポリエステル
は、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジ
オール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される
線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの好
ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンイソフタレート、ポリテトラメチレンテレ
フタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート)、ポリエチレン―2,6―ナフタレ
ンジカルボキシレート等が例示でき、これらの共重合体
又はこれらと小割合の他樹脂とのブレンド物なども含ま
れる。これらの中ポリエチレンテレフタレートが特に好
ましい。
【0015】かかるポリエステルは従来から知られてい
る方法で製造することができる。例えば、ポリエチレン
テレフタレートはテレフタル酸とエチレングリコールと
をエステル化反応又はジメチルテレフタレートとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応せしめ、次いで反応
生成物を重縮合せしめる方法で製造することができる。
その際公知の触媒を用いることができるが、フイルム特
性の点から重縮合反応の触媒として有機チタン化合物を
用いることが好ましい。
【0016】この有機チタン化合物としては、例えば特
開昭63―278927号公報に記載されているものを
挙げることができる。更に説明すると、チタンのアルコ
ラートや有機酸塩、テトラアルキルチタネートと芳香族
多価カルボン酸又はその無水物との反応物等を例示で
き、好ましい具体例としてチタンテトラブトキシド、チ
タンイソプロポキシド、蓚酸チタン、酢酸チタン、安息
香酸チタン、トリメリット酸チタン、テトラブチルチタ
ネートと無水トリメリット酸との反応物等を挙げること
ができる。有機チタン化合物の使用量は、そのチタン原
子がポリエステルを構成する酸成分に対し3〜10ミリ
g原子%となる割合が好ましい。
【0017】また、ポリエステル中には、本発明の目的
を損わない範囲で当業界でよく知られた粗面化物質、例
えば炭酸カルシウム、カオリナイト、二酸化チタン、シ
リカ、アルミナ等や他の添加剤を含有させることができ
る。
【0018】上記のポリエステルを常法により溶融押出
し、二軸方向に延伸配向し、そして熱固定することによ
ってフイルムとする。二軸延伸は、例えば逐次二軸延伸
法、同時二軸延伸法等の二軸延伸法で行うことができ
る。この二軸配向ポリエステルフイルムは通常、差動走
査熱量計を用い窒素雰囲気下昇温速度10℃/min で求
めた融解熱が4cal /g以上となる結晶配向特性を有す
る。延伸配向後のフイルムの厚さは一般に3〜100μ
m、好ましくは4〜50μmの範囲である。
【0019】本発明のフイルムは、ポリエステルフイル
ムの一つの表面に磁性層のプライマーとして連続薄膜が
塗設してある。そしてこの連続薄膜の上に磁性層、特に
強磁性金属薄膜層を形成することになる。
【0020】この連続薄膜の表面には、(A)平均粒径
0.008μm以上、0.06μm未満、好ましくは
0.05μm以下のプライマー層に含有されている粒子
を核とする高さ13nm以下、好ましくは12nm以下
の小突起と(B)平均粒径が0.06〜0.25μm、
好ましくは0.06〜0.15μmのポリエステルフィ
ルムに含有されている粒子を核とする高さが30nm以
下、好ましくは25nm以下の大突起と(C)プライマ
ー層を形成する樹脂のみによる最大長径が0.10μm
以上、0.30μm以下、好ましくは0.25μm以下
の微小突起とが形成されている。
【0021】前記小突起の数(AN :個/mm2 )は1.
0×106 個/mm2 以上、好ましくは1.6×106
/mm2 以上であり、前記大突起の数(BN :個/mm2
は1.05×104 個/mm2 以上、好ましくは1.3×
104 個/mm2 以上であり、そして小突起の数(AN
と大突起の数(BN )とは下記式
【0022】
【数3】 AN ≦−3.4 ×102 ・BN +13.6×106 (個/mm2
【0023】を満足する。さらに前記微小突起の数(C
N :個/mm2 )は1.0×10個/mm 2 以上1.0×1
4 個/mm2 未満であり、好ましくは1.0×10個/
mm2 〜5.0×103 個/mm2 の割合で存在する。この
微小突起(C)はその最大長径が0.30μm以下、好
ましくは0.20μm以下である。
【0024】さらに、前記連続薄膜は樹脂のみによる連
続薄膜部の微小表面粗さRasが1.10nm以下、好
ましくは1.00nmであり、そして薄膜全体の表面粗
さRaが1〜1.8nm(0.001〜0.0018μ
m)である。
【0025】さらに、前記連続薄膜はフイルムを160
℃で5分間空気中で連続加熱したときにフイルム表面上
のポリエステルオリゴマー微結晶の析出率を0.8%以
下、好ましくは0.75%以下、さらに好ましくは0.
6%以下に抑制できるものである必要がある。
【0026】本発明において前記連続薄膜を形成する樹
脂は小突起(A)を形成する粒子の結合剤としても作用
し、具体的にはアルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹
脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル―酢酸ビニル樹脂、ア
クリル樹脂、アクリル―ポリエステル樹脂等を例示する
ことができる。これら樹脂は単一重合体でも共重合体で
もよく、また混合体でもよい。
【0027】前記アクリル樹脂は、例えばアクリル酸エ
ステル(アルコール残基としては、メチル基、エチル
基、n―プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、
イソブチル基、t―ブチル基、2―エチルヘキシル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニル
エチル基等を例示できる);メタクリル酸エステル(ア
ルコール残基は上記と同じ);2―ヒドロキシエチルア
クリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、2
―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等の如きヒドロキシ含有モノマ
ー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチルメ
タクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、N―メチ
ロールアクリルアミド、N―メチロールメタクリルアミ
ド、N,N―ジメチロールアクリルアミド、N―メトキ
シメチルアクリルアミド、N―メトキシメチルメタクリ
ルアミド、N―フェニルアクリルアミド等の如きアミド
基含有モノマー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリ
レート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート
等の如きアミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル等の如きエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホ
ン酸、ビニルスルホン酸、及びそれらの塩(例えばナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の如きス
ルホン酸基又はその塩を含有するモノマー;クロトン
酸、イタコン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、及びそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等)等の如きカルボキシル基又はそ
の塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の無水物を含有するモノマー;その他ビニルイソ
シアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリス
アルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、
アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量
体の組合せからつくられたものであるが、アクリル酸誘
導体、メタクリル酸誘導体の如き(メタ)アクリル単量
体の成分が50モル%以上含まれているものが好まし
く、特にメタクリル酸メチルの成分を含有しているもの
が好ましい。
【0028】かかるアクリル樹脂は分子内の官能基で自
己架橋することができるし、メラミン樹脂やエポキシ化
合物等の架橋剤を用いて架橋することもできる。
【0029】また前記ポリエステル樹脂を構成する酸成
分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸、2,6―
ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、コハク酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸、2
―カリウムスルホテレフタル酸、トリメリット酸、トリ
メシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p―ヒ
ドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩等の
多価カルボン酸を例示しうる。また、ヒドロキシ化合物
成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3―プロパンジオール、1,4―ブタ
ンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、p
―キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテ
トラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピ
オン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチ
ロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロ
ピオン酸カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を例示しう
る。これらの化合物から常法によってポリエステル樹脂
をつくることができる。水性塗液をつくる場合には、5
―ナトリウムスルホイソフタル酸成分又はカルボン酸塩
基を含有するポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
かかるポリエステル樹脂は分子内に官能基を有する自己
架橋型とすることができるし、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂のような硬化剤を用いて架橋することもできる。
【0030】さらにまた、前記アクリル―ポリエステル
樹脂はアクリル変性ポリエステル樹脂とポリエステル変
性アクリル樹脂とを包含する意味で用いており、アクリ
ル樹脂成分とポリエステル樹脂成分とが互いに結合した
ものであって、例えばグラフトタイプ、ブロックタイプ
等を包含する。アクリル―ポリエステル樹脂は、例えば
ポリエステル樹脂の両端にラジカル開始剤を付加してア
クリル単量体の重合を行わせたり、ポリエステル樹脂の
側鎖にラジカル開始剤を付けてアクリル単量体の重合を
行わせたり、あるいはアクリル樹脂の側鎖に水酸基を付
け、末端にイソシアネート基やカルボキシル基を有する
ポリエステルと反応させてくし形ポリマーとする等によ
って製造することができる。その際、用いるポリエステ
ル樹脂はその分子内にスルホニルオキシ基を含有しない
ものが好ましい。
【0031】かかる樹脂に分散含有させる小突起形成の
核としての粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート、メチルメタクリレート共重合体、メチル
メタクリレート共重合架橋体、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニト
リル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き有機質微粒子、シ
リカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、タルク、グ
ラファイト、炭酸カルシウム、長石、二硫化モリブデ
ン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の如き無機質微
粒子のいずれを用いてもよい。これらは乳化剤等を用い
て水性分散液としたものであってもよく、また微粉末状
で水性液に添加できるものであってもよい。
【0032】連続薄膜をポリエステルフィルム表面上に
形成させる方法としては、小突起形成の粒子を含有する
樹脂塗液、好ましくは水性塗液をポリエステルフィッル
ムの製造工程中にフィルム表面に塗布、乾燥固化する方
法等を採用することができる。これらの塗液中に塗布を
容易にさせるための界面活性剤を含有させることは一向
に差しつかえない。
【0033】前記微粒子と樹脂(結合剤)との割合は前
述した表面特性の設計で定めるのが好ましく、全固形分
当り、微粒子が1〜40重量%であり、結合剤となる樹
脂が20〜95重量%であることが好ましい。微粒子が
少なすぎると塗膜に均一に所定量の突起を付与すること
ができず、他方多すぎるとまた分散性が悪化し均一に所
定量の突起を付与することが難しい。結合剤となる樹脂
が少なすぎると、塗膜のポリエステルフイルムへの密着
性が低下し、他方多すぎると耐ブロッキング性が低下す
る。
【0034】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独又
は組合せて適用するとよい。
【0035】以上述べてきた諸方法の中で、連続薄膜の
表面粗さ、特に微小表面粗さを所定の値以下に確保しつ
つ、オリゴマーの析出を抑制する効果が大きいという観
点から、結合剤としてはアクリル樹脂とポリエステル樹
脂又はアクリル―ポリエステル樹脂を用いてロールコー
ト法で微粒子を含有する前記樹脂溶液を塗布する方法が
好ましい。
【0036】かかる塗布処理によって、連続薄膜(プラ
イマー層)の表面に小突起(A)とともに樹脂のみによ
る微小突起(C)も形成される。
【0037】一方、前記連続薄膜の表面に形成される大
突起(B)は、小突起形成の粒子とともに前記平均粒径
が0.06μm以上の粒子を樹脂塗液に含有させること
で形成することができるが、好ましくは該平均粒径の粒
子をポリエステル中に含有させ、該粒子によるフイルム
表面の突起によるものである。この大突起形成の核とな
る粒子としては、例えば炭酸カルシウム、カオリナイ
ト、二酸化チタン、シリカ、アルミナ等の当業界でよく
知られたポリエステルフイルムの粗面化物質をあげるこ
とができる。
【0038】これらの粗面化物質は、ポリエステルフイ
ルム中で良好な分散状態が得られるなら、ポリエステル
の製造工程中で添加してもよいし、ポリエステルフイル
ム製造時に一軸、二軸などのエクストルーダーあるいは
ベント機構を有するエクストルーダーなどを用いて溶融
状態にあるポリマーに添加混合してもよい。ポリエステ
ルの製造段階に添加する場合はポリエステル重合開始前
から重合反応中の段階で添加するのが粒子分散性の点で
特に好ましい。ポリエステル製造の前駆段階又は重縮合
段階における粒子の添加は、ジオール、好ましくはエチ
レングリコール又は1,4―ブタンジオールのスラリー
として添加するのが好ましい。このスラリー濃度として
は0.5〜20重量%程度が適当である。エチレングリ
コール等の分散媒体への分散法としては、例えば高速分
散機、サンドミル、ロールミル等を挙げることができ
る。また粒子分散時にリン酸、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウムなどのリン含有化合物、テトラエチルアンモニウム
ハイドロオキサイド、ヒドロキシルアミンなどの窒素含
有化合物、アルカリ化合物、陽イオン、陰イオン、両性
もしくは非イオン性などの界面活性剤あるいは水溶性高
分子等の分散剤を使用すると、スラリーおよびポリマー
中の粗面化物質の分散性がさらに向上し、好ましい。
【0039】このようにして形成した連続薄膜の上に磁
性層、特に金属薄膜磁性層を設けると、雑音を飛躍的に
減少し、ノイズレベルに格段に優れ、かつ金属薄膜面の
走行性、保存耐久性に優れた性能を得ることができる。
【0040】本発明においてはポリエステルフィルムの
他の表面、すなわち磁性層のプライマーとなる連続薄膜
を設けた表面と反対の表面に、易滑性表面を形成する連
続薄膜を塗設することが好ましい。この薄膜はセルロー
ス系樹脂及び平均粒径0.01μm以上0.15μm以
下、好ましくは0.01〜0.1μmの粒子を含み、か
つこの表面粗さRaが0.002〜0.01μm、好ま
しくは0.003〜0.009μmである。
【0041】前記セルロース系樹脂としては、例えばエ
チルセルロース、メチルセルロース、アセチルセルロー
ス、アセトアセチルセルロース、ニトロセルロース、カ
ルボキシル化セルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、セルロースアセテートブチレート等を挙げることが
できる。このセルロース系樹脂を用いることで、塗膜の
表面に多数の微小ひだを形成することができる。
【0042】また前記粒子としては、ポリスチレン、ポ
リメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重合
体、メチルメタクリレート共重合体架橋体、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリ
アクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き有機
質微粒子、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリ
ン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、二
硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の
如き無機質微粒子のいずれを用いてもよい。これらは乳
化剤等を用いて水性分散液としたものであってもよく、
また微粉末状で水性液に添加できるものであってもよ
い。
【0043】前記セルロース系樹脂及び粒子は、塗膜自
体の微小突起の均一形成を促進する作用と微粒子自体に
よる塗膜の補強作用とを奏し、更には塗膜形成樹脂の耐
ブロッキング性、摩擦力低減性等への作用、及び両者の
相乗作用による耐スクラッチ性向上とあいまって、フイ
ルムに優れた滑り性を付与する。
【0044】易滑性薄膜を形成する樹脂は、耐ブロッキ
ング性、摩擦力低減性等に優れたものが好ましく、例え
ばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びアクリル―ポ
リエステル樹脂が好ましく挙げられる。これら樹脂の説
明には磁性層プライマーの形成に用いる樹脂として前述
したアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびアクリル
―ポリエステル樹脂の説明をそのまま用いることができ
る。
【0045】易滑性表面を形成する成分、すなわち薄膜
形成樹脂(成分a)、セルロース系樹脂(成分b)及び
粒子(成分c)の配合割合は表面特性の設計で定めるこ
とが好ましく、全固形分当り成分aが30〜80重量
%、成分bが1〜50重量%、成分cが5〜40重量%
であることが好ましい。成分aが少なすぎると、塗膜の
ポリエステルフイルムへの密着性が低下し、一方多すぎ
ると耐ブロッキング性や滑り性が低下する。成分bが少
なすぎると、塗膜のひだが減って加工性が低下し、一方
多すぎると表面が粗れすぎる。成分cが少なすぎると易
滑性が低下し、一方多すぎると粒子が塗膜から脱落しや
すくなる。
【0046】本発明における易滑性塗膜の形成は、磁性
層のプライマー形成と同様に、ポリエステルフイルム製
造後でもポリエステルフイルム製造中でもよいが、ポリ
エステルフイルム製造過程で行なうのが好ましい。例え
ば、結晶配向が完了する前のポリエステルフイルムの表
面に水性塗液を塗布するのが好ましい。
【0047】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフイルムとは、ポリエステルを熱溶融押出してその
ままフイルム状となした未延伸状フイルム、該未延伸フ
イルムを縦方向又は横方向の何れか一方に配向せしめた
一軸延伸フイルム、更には二軸方向に延伸されている
が、少くとも一方向は低倍率延伸であって更に該方向の
延伸配向を要する二軸延伸フイルム(最終的に縦方向及
び/又は横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せし
める前の二軸延伸フイルム)等を含むものである。
【0048】本発明のフイルムは、好ましくは結晶配向
が完了する前の未延伸あるいは少くとも一軸方向に延伸
された状態のフイルムに上記組成の塗液、特に水性塗液
を塗布し、次いで縦延伸及び/又は横延伸と熱固定とを
施す、所謂インラインコーティング方式で製造する。そ
の際、配向結晶が完了する前のポリエステルフイルムの
表面に塗膜を円滑に塗設できるようにするために、予備
処理としてフイルム表面にコロナ放電処理を施すか、又
は被覆組成物とともに、これと化学的に不活性な界面活
性剤を併用することが好ましい。かかる界面活性剤は、
塗液特に水性塗液の表面張力を40dyne/cm以下に降下
でき、ポリエステルフイルムの濡れを促進するものであ
り、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属
石ケン、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アル
キルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型の界
面活性剤を挙げることができる。更に、本発明の効果を
消失させない範囲において、例えば帯電防止剤、紫外線
吸収剤、潤滑剤等の他の添加剤を混合することができ
る。
【0049】本発明において、塗液殊に水性塗液の固形
分濃度は通常30重量%以下であり、15重量%以下が
好ましい。この粘度は通常100センチポイズ(cp
s)以下、好ましくは20cps以下である。塗布量は
走行しているフイルム1m2 当り約0.5〜20g、更
には約1〜10gが好ましい。換言すれば、最終的に得
られる二軸配向フイルムにおいて、フイルムの一表面に
1m2 当り約0.001〜1g、更には約0.005〜
0.3gの固形分量となるのが好ましい。
【0050】塗布方法としては、磁性層のプライマー形
成の場合に述べたように、公知の任意の塗工法が適用で
きる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロー
ルブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコー
ト法、含浸法、カーテンコート法などを単独又は組合せ
て適用するとよい。
【0051】本発明における好ましい製造法によれば、
上記塗液は縦一軸延伸が施された直後のフイルムに塗布
され、次いで該フイルムは横延伸及び熱固定のためのテ
ンターに導かれる。その際、塗布物は未固化の塗膜の状
態でフイルムの延伸にともなってその面積が拡大されか
つ加熱されて媒体を揮発し、二軸延伸されたフイルム表
面上で薄い固体連続塗膜層に変換され、二軸延伸された
フイルム表面に強固に固着される。上記の延伸及び熱処
理は好ましくは約80℃〜約240℃の温度で行われ
る。また熱処理は通常約1〜約20秒間行われる。
【0052】ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、
例えば延伸熱固定等の条件は従来から当業界に蓄積され
た条件で行なうことができる。
【0053】本発明のポリエステルフイルムを用いての
金属薄膜磁気記録媒体の製造は、それ自体既知の方法、
例えば特開昭54―147010号公報、特開昭52―
134706号公報に記載の方法により行なうことがで
き、具体的には真空蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタ法が好ましく使用できる。
【0054】本発明のポリエステルフイルムは、平滑で
走行性及び保存耐久性に優れた磁性層、特に金属薄膜磁
性層を形成でき、雑音が飛躍的に減少し、ノイズレベル
が格段に優れかつ磁性面特に金属薄膜面の走行性に優れ
た磁気記録媒体、特に金属薄膜磁気記録媒体を製造する
のに有用である。
【0055】本明細書における種々の特性は下記のとお
りにして測定される。
【0056】(1)固有粘度[η] オルソクロロフェノール溶媒中35℃で測定した値から
求める。
【0057】(2)平均粒径 小突起(A)を形成する平均粒径0.06μm未満の粒
子は、光散乱法により求められる全粒子の50重量%の
点にある粒子の「等価球形直径」をもって表示する。
【0058】大突起(B)を形成する平均粒径0.06
μm以上の粒子は光透過式遠心沈降法により求められる
全粒子の50重量%の点にある粒子「等価球形直径」
をもって表示する。
【0059】(3)突起数 フイルム表面上の突起数の測定は走査型電子顕微鏡によ
り行なう。すなわち、小突起(A)は倍率2万倍〜5万
倍で、大突起(B)は倍率5千倍〜1万倍で、樹脂のみ
による微小突起(C)は倍率5千倍〜2万倍で評価す
る。
【0060】(4)突起の高さ、最大長径 フィルム表面上の小突起(A)の高さ、微小突起(C)
の最大長径の測定は、トンネル電流を利用した三次元粗
さ計(走査型トンネル顕微鏡)により行なう。すなわ
ち、フィルム表面に200オングストローム厚さの金を
均一に蒸着した試料を用い、被測定表面と金属製探針と
の間印加する電圧は0.8V、トンネル電流は0.5m
Aとして、大気中において小突起の高さ、微小突起の最
大長径を測定する。
【0061】大突起(B)の高さの測定は触針式表面粗
さ計により、カットオフ値0.008mmとして、縦倍率
100万倍で測定した表面粗さ曲線から大突起の高さを
測定する。
【0062】(5)微小表面粗さRa フイルム表面に200オングストローム厚さの金を均一
に蒸着した試料を用い、被測定表面と金属製探針との間
に印加する電圧は0.8V、トンネル電流の設定を0.
5mAとして、大気中において2ミクロン×2ミクロン
の範囲を測定し、小突起(A)のない部分を選定してフ
イルム表面粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さL
の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、
縦倍率の方向をY軸として、粗さ曲線をY=f(x)で
表わしたとき、次の式で与えられた値をnm単位で表わ
す。
【0063】
【数4】
【0064】実際にはこの測定は小突起(A)及び大突
起(B)のない部分で0.4〜1.2ミクロンの長さに
ついて求めた値を1回とし、10回の測定値の平均値を
もって微小表面粗さRaとする。
【0065】(6)表面粗さ Ra(Center Line Average :中心線平均粗さ) JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精
度表面粗さ計SE―3FATを使用して、針の半径2μ
m、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ0.0
8mmの条件下にチャートをかかせ、フイルム表面粗さ曲
線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取
り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向を
Y軸として、粗さ曲線をY=f(x)で表わしたとき、
次の式で与えられた値をμm単位で表わす。
【0066】
【数5】
【0067】この測定は基準長を1.25mmとして4個
行い、その平均値で表わす。
【0068】(7)摩擦係数(フイルムスリッパリー) ASTM D1894―63に準じ、東洋テスター社製
のスリッパリー測定器を使用し、静摩擦係数(μs)を
測定する。但し、スレッド板はガラス板とし、荷重は1
kgとする。
【0069】フイルムスリッパリーは次の基準で判定す
る。 ○:良好なもの(μs 0.6未満) △:やや不良なもの(μs 0.6〜0.8) ×:不良なもの(μs 0.8以上)。
【0070】(8)電磁変換特性 真空蒸着装置を用いて、直径1mの円筒キャンにフイル
ムを沿わせ、5×10 -5(Torr)の酸素中で最小入
射角43度でCo―Ni(Ni 20wt%含有)合金
を膜厚約1300オングストロームに斜方蒸着し、サン
プルテープを作成する。
【0071】このテープを8mm巾に加工して蒸着テープ
とし、ギャップ長0.2μmのアモルファスヘッドによ
り、ホワイトピーク0.45μm、帯域巾9(MHz)
のC/N(初期値)を比較する。
【0072】このC/Nから次の基準で判定する。 ○:基準値に対して+0.0dB以上 △: 〃 −0.5dB〜+0.0dB ×: 〃 −0.5dB未満。
【0073】また、40℃、80%RHでテープ走行速
度85cm/分で記録再生を繰り返した後250回目のC
/N(耐久性)を比較する。
【0074】このC/Nから次の基準で判定する。 ○:基準値に対して+0.0dB以上 △: 〃 −1.0dB〜+0.0dB ×: 〃 −1.0dB未満。
【0075】(9)スチル特性 前記した蒸着テープに4.2MHzの映像信号を記録
し、この再生出力が50%に減衰するまでの時間を測定
する。この時間より次の基準で判定する。 ○:50%に減衰時間が100分以上 △: 〃 50分〜100分 ×: 〃 50分未満。
【0076】(10)シャトル特性 前記した蒸着テープに4.2MHzの映像信号を記録
し、25℃50%RH条件下でテープ走行速度41m/
分、巻き戻し速度41m/分での走行を1回とし、合計
200回くり返した後の出力変動を調べる。この出力変
動から次の基準で判定する。 ◎:200回繰り返し後の出力変動が0dB〜−0.3
dB ○:200回繰り返し後の出力変動が−0.3dB〜−
0.6dB △:200回繰り返し後の出力変動が−0.6dB〜−
1.5dB ×:200回繰り返し後の出力変動が−1.5dB〜。
【0077】(11)オリゴマーの析出率 フイルムを木枠に固定した後160℃の熱風循環(空
気)式乾燥器内に5分間保持した後、フイルム表面にア
ルミニウムを蒸着し、微分干渉型光学顕微鏡でフイルム
表面の写真を撮影する。この写真上でオリゴマー(白い
斑点状に写る)の占める面積の総和の写真全面積に対す
る百分率でオリゴマー析出率を評価する。
【0078】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、例中の「部」は重量部である。
【0079】
【実施例1】ジメチルテレフタレート100部、エチレ
ングリコール70部、酢酸マンガン・4水塩0.019
部及び酢酸ナトリウム・3水塩0.013部を反応器に
仕込み、内温を145℃から徐々に上げながらエステル
交換反応を行った。エステル交換反応率が95%となっ
た時点で、安定剤としてあらかじめトリメチルホスフェ
ート25部とエチレングリコール75部を反応させたリ
ン化合物のグリコール溶液を0.044部添加し、更に
平均粒径0.10μmの二酸化ケイ素のエチレングリコ
ールスラリー(二酸化ケイ素の10wt%/エチレング
リコールスラリー)0.19部を添加した。十分撹拌し
た後、重合触媒としてエチレングリコール2.5部中で
無水トリメリット酸0.8部とテトラブチルチタネート
0.65部を反応せしめた液(チタン含有率は11重量
%)0.011部を添加した。次いで反応生成物を重合
反応器に移し、高温真空下(最終内温290℃)にて重
縮合反応を行い、固有粘度0.60のポリエチレンテレ
フタレートを得た。このポリエチレンテレフタレートを
常法に従って溶融押出し、急冷して厚さ131μmの未
延伸フイルムを作成し、次いで該未延伸フイルムを縦方
向に90℃で3.6倍、横方向に105℃で3.7倍の
逐次二軸延伸を行い、更に235℃で5秒間熱固定を行
って厚さ9.8μmの二軸配向フイルムを作成した。こ
の際横延伸前の一軸延伸フイルムに次の組成の塗液をロ
ールコート法でフイルムの表面(A)及び(B)に塗布
した。
【0080】この表面(A)は磁性層を形成する側の表
面であり、表面(B)は易滑面を形成する。
【0081】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の1.5wt%溶液82.2
部、 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の1.5wt%溶液2.8部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15部 塗布量はウエットで2.4g/m2 である。
【0082】フイルム表面(B)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の2.1wt%溶液62.0
部、 セルロース系樹脂(信越化学(株)製メチルセルロース
SM―15)の2.1wt%溶液18.0部、 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の2.1wt%溶液9.0部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである)
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS208.5)の2.1wt%溶液11.0
部 塗布量はウエットで4.0g/m2 である。
【0083】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0084】
【実施例2】ジメチルテレフタレート100部、エチレ
ングリコール70部とともに酢酸マンガン・4水塩0.
019部を反応器に仕込み、内温を145℃から徐々に
上げながらエステル交換反応を行った。エステル交換反
応率が90%となった時点で、酢酸ナトリウム・3水塩
0.013部を添加し、エステル交換反応を継続した。
エステル交換反応が95%となった時点で、安定剤とし
てあらかじめトリメチルホスフェート25部とエチレン
グリコール75部を反応させたリン化合物のグリコール
溶液を0.044部添加し、更に重合触媒としてエチレ
ングリコール2.5部中で無水トリメリット酸0.8部
とテトラブチルチタネート0.65部を反応せしめた液
(チタン含有率は11重量%)0.011部を添加し
た。次いで反応生成物を重合反応器に移し、高温真空下
(最終内温290℃)にて重縮合反応を行い、固有粘度
0.60のポリエチレンテレフタレート(A)を得た。
【0085】エステル交換反応率が90%となった時点
で酢酸ナトウリム・3水塩0.013部を添加せず、エ
ステル交換反応率が97%となった時点で安定剤として
あらかじめトリメチルホスフェート25部とエチレング
リコール75部を反応させたリン化合物のグリコール溶
液を0.100部添加し、更に重合触媒としてエチレン
グリコール2.5部中で無水トリメリット酸0.8部と
テトラブチルチタネート0.65部を反応せしめた液
(チタン含有率は11重量%)0.011部を添加し
た。更に5分後平均粒径0.30μmの炭酸カルシウム
0.15部を添加すること以外は、ポリエチレンテレフ
タレート(A)と同様に行なって固有粘度0.62のポ
リエチレンテレフタレート(B)を得た。
【0086】これらのポリエチレンテレフタレート
(A),(B)を厚み比7:3の割合で溶融押出し急冷
して厚さ96μm未延伸フイルムを作成した。その際
ポリエチレンテレフタレート(A)に平均粒径0.08
μmの二酸化ケイ素0.020部を二軸エクストルーダ
ーを用いて混練した。
【0087】次いで該未延伸フイルムを縦方向に95℃
で3.6倍、横方向に110℃で3.7倍の逐次二軸延
伸を行い、更に234℃で8秒間熱固定を行って厚さ
7.1μmの二軸配向フイルムを作成した。この際横延
伸前の一軸延伸フイルムに次の組成の塗液をロールコー
ト法でポリエチレンテレフタレート(A)及び(B)の
外表面に塗布した。
【0088】ポリエチレンテレフタレート(A)の外表
面に塗布した塗布液の組成:ポリエステル樹脂(日本合
成化学工業(株)製ポリエスターWR961)の1.5
wt%溶液50.5部 アクリル系樹脂(日本純薬(株)製ジュリマーAT61
3)の1.5wt%溶液33.7部 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の1.5wt%溶液0.8部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.025μmであ
る) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15.0部 塗布量はウエットで2.7g/m2 である。
【0089】ポリエチレンテレフタレート(B)の外表
面に塗布した塗布液の組成:ポリエステル樹脂(日本合
成化学工業(株)製ポリエスターWR901)の2.3
wt%溶液30.0部 アクリル系樹脂(ロームアンドハース社製プライマルA
C―604)の2.3wt%溶液29.0部 セルロース系樹脂(信越化学(株)製メチルセルロース
SM―15)の2.3wt%溶液20.0部 コロイダルシリカ(触媒化成(株)製 Cataloid-SI-35
0)の2.3wt%溶液11.0部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS208.5)の2.3wt%溶液10.0
部 塗布量はウエットで4.0g/m2 である。
【0090】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムのポリエチレンテレフタレート(A)側の表面に
磁性層を設けた磁気記録媒体の特性を表1に示す。
【0091】
【実施例3】テレフタル酸のビス―β―ヒドロキシエチ
ルエステル100部、テレフタル酸65部及びエチレン
グリコール29部の混合物を210〜230℃の温度で
エステル化反応を行った。反応により生成する水の留出
量が13部となった時点で反応終了とし、反応生成物1
00部当り0.0067部の酢酸チタンを添加した。次
いで平均粒径0.08μmの二酸化ケイ素のエチレング
リコールスラリー(二酸化ケイ素の10wt%/エチレ
ングリコールスラリー)0.12部を添加し混合した。
その後反応生成物を重合反応器に移し、高温真空下(最
終内温285℃)にて重縮合反応を行って固有粘度0.
60のポリエチレンテレフタレートを得た。
【0092】このポリエチレンテレフタレートを常法に
従って溶融押出し、急冷して厚さ131μmの未延伸フ
イルムを作成し、次いで該未延伸フイルムを縦方向に9
0℃で3.6倍、横方向に105℃で3.7倍の逐次二
軸延伸を行い、更に235℃で5秒間熱固定を行って厚
さ9.8μmの二軸配向フイルムを作成した。この際横
延伸前の一軸延伸フイルムに次の組成の塗液をロールコ
ート法でフイルムの表面(A)及び(B)に塗布した。
この表面(A)は磁性層を形成する側の表面であり、表
面(B)は易滑面を形成する。
【0093】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の1.5wt%溶液82.5部 平均粒径0.03μmの二酸化ケイ素の1.5wt%溶
液2.5部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15.0部 塗布量はウエットで2.2g/m2 である。
【0094】フイルム表面(B)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の3.0wt%溶液54.0部 セルロース系樹脂(信越化学(株)製メチルセルロース
SM―15)の3.0wt%溶液27.0部 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の3.0wt%溶液9.0部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.035μmであ
る) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS208.5)の3.0wt%溶液10.0
部 塗布量はウエットで4.0g/m2 である。
【0095】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0096】
【実施例4】実施例1に於てフイルム表面(A)及び
(B)に塗布する塗液を下記の如く変更する以外は実施
例1と全く同様にしてポリエステルフイルムを得た。
【0097】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:下記方法で作成した水性エマルジョンの1.5wt
%溶液83.5部 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の1.5wt%溶液1.5部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15部 塗布量はウエットで2.7g/m2 である。
【0098】[水性エマルジョンの合成]酸成分がテレ
フタル酸(40mol %)とイソフタル酸(60mol %)
からなり、グリコール成分がジエチレングリコールから
なるポリエステル(35℃のo―クロロフェノール中で
測定した固有粘度0.35)100部をテトラヒドロフ
ラン900部に常圧下64℃に加熱しながら溶解させ
た。その後、脱イオン水900部を高速撹拌しながら徐
々に添加した。全量添加後、再び80℃に加熱してテト
ラヒドロフランを蒸発除去させて、10wt%のポリエ
ステルの水分散体を得た。この水分散体を常圧下で60
℃に加熱して過硫酸アンモニウム1部を添加した。その
後80℃に加熱して、メタクリル酸メチル190部、ア
クリル酸エチル150部、メタクリル酸48部及びt―
ドデシルメルカプタン2部の混合物を徐々に添加した。
次いで脱イオン水560部に過硫酸アンモニウム1部及
び炭酸水素ナトリウム2部を含有させたものを徐々に添
加した。添加完了後、更に3時間反応を続けた後室温に
冷却した。この反応生成物は固形分含有率25wt%、
粒径40nmを有する安定な水性エマルジョンであっ
た。
【0099】フイルム表面(B)に塗布した塗液の組
成:前述の水性エマルジョンの3.0wt%溶液63.
0部 セルロース系樹脂(信越化学(株)製メチルセルロース
SM―15)の3.0wt%溶液18.0部 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の3.0wt%溶液9.0部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.035μmであ
る) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS208.5)の3.0wt%溶液10.0
部 塗布量はウエットで3.0g/m2 である。
【0100】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【比較例1】実施例1において平均粒径0.10μmの
二酸化ケイ素のエチレングリコールスラリー(二酸化ケ
イ素の10wt%/エチレングリコールスラリー)0.
19部を0.007部に変更する以外は実施例1と全く
同様にしてポリエステルを得た。
【0108】このフイルムの表面(A)側に磁性層を設
けた磁気記録媒体の特性を表1に示す。
【0109】
【比較例2】実施例1において平均粒径0.10μmの
二酸化ケイ素のエチレングリコールスラリー(二酸化ケ
イ素の10wt%/エチレングリコールスラリー)0.
19部を5.8部に変更し、更にフイルムの表面(A)
に塗布する塗液の組成を下記の如く変更した。
【0110】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の1.5wt%溶液80.5部 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の1.5wt%溶液4.5部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15.0部 塗布量はウエットで2.7g/m2 である。
【0111】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0112】
【比較例3】実施例1においてフイルム表面(A)に塗
布する塗液の組成を下記の如く変更した。
【0113】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の1.5wt%溶液84.98
7部 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の1.5wt%溶液0.01
3部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15.0部 塗布量はウエットで2.7g/m2 である。
【0114】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0115】
【比較例4】実施例1においてフイルム表面(A)に塗
布する塗液を下記の如く変更した。
【0116】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:ポリエステル樹脂(互応化学(株)製プラスコート
Z―461)の1.5wt%溶液51.3部、 平均粒径0.10μmの二酸化ケイ素の1.5wt%溶
液33.7部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15部 塗布量はウエットで2.7g/m2 である。
【0117】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルム表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の特
性を表1に示す。
【0118】
【比較例5】実施例3において平均粒径0.08μmの
二酸化ケイ素のエチレングリコールスラリー(二酸化ケ
イ素の10wt%/エチレングリコールスラリー)0.
12部を平均粒径0.30μmの炭酸カルシウムのエチ
レングリコールスラリー(炭酸カルシウムの10wt%
/エチレングリコールスラリー)6.0部に変更する以
外は実施例3と全く同様にしてポリエステルフイルムを
得た。このフイルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁
気記録媒体の特性を表1に示す。
【0119】
【比較例6】実施例1においてフイルムの表面(A)に
塗布する塗液を下記の如く変更する以外は実施例1と全
く同様にしてポリエステルフイルムを得た。
【0120】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の4.2wt%溶液84.46
部 平均粒径0.03μmの二酸化ケイ素の4.2wt%溶
液0.54部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の4.2wt%溶液15.0部 塗布量はウエットで5.0g/m2 である。
【0121】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0122】
【比較例7】実施例1において平均粒径0.10μmの
二酸化ケイ素のエチレングリコールスラリー(二酸化ケ
イ素の10wt%/エチレングリコールスラリー)0.
19部を平均粒径0.75μmの炭酸カルシウム6.5
部に変更する以外は実施例1と全く同様にしてポリエス
テルフイルムを得た。このフイルムの表面(A)側に磁
性層を設けた磁気記録媒体の特性を表1に示す。
【0123】
【比較例8】実施例1において、フイルムの表面(A)
に塗布する塗液を下記の如く変更する以外は実施例1と
全く同様にしてポリエステルフイルムを得た。
【0124】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の1.5wt%溶液81.0
部、 平均粒径0.03μmの二酸化ケイ素の1.5wt%溶
液4.0部 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15.0部 塗布量はウエットで2.2g/m2 である。
【0125】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0126】
【比較例9】実施例1においてフイルム表面(A)に塗
布する塗液を下記の如く変更する以外は実施例1と全く
同様にしてポリエステルフイルムを得た。
【0127】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル樹脂(ロームアンドハース社製プライマル
AC―604)の1.0wt%溶液83.0部 ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の1.0wt%溶液2.0部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである)
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.0wt%溶液15.0部 塗布量はウエットで2.7g/m2 である。
【0128】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0129】
【比較例10】実施例1においてフイルム表面(A)に
塗布する塗液を行わないこと以外は実施例1と全く同様
にしてポリエステルフイルムを得た。
【0130】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0131】
【比較例11】実施例1においてフイルム表面(A)に
塗布する塗液を下記の如く変更する以外は実施例1と全
く同様にしてポリエステルフイルムを得た。
【0132】フィルム表面(A)に塗布した塗液の組成: アクリル樹脂(日本純薬(株)製ジュリマーAC10
L)の0.8wt%溶液69.3部 コロイダルシリカ(触媒化成(株)製 Cataloid-SI-35
0)の0.8wt%溶液0.7部(但し、この微粒子の平均粒径は0.008μmであ
る) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の0.8wt%溶液30.0部 塗布量はウエットで2.7g/m2である。
【0133】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルム表面(A)側に実施例1と同様に行って磁性層を
設けた磁気記録媒体の特性を表1に示す。
【0134】
【比較例12】実施例1において逐次二軸延伸を行った
後の熱固定を195℃で55秒間実施し、更にフイルム
の表面(A)に塗布する塗液を下記の如く変更する以外
は実施例1と全く同様にしてポリエステルフイルムを得
た。
【0135】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成:アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペ
スレジンSH551A)の1.5wt%溶液82.7
部、ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の1.5wt%溶液2.3部 (但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである) ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂
(株)製NS240)の1.5wt%溶液15部 塗布量はウエットで3.0g/m2 である。
【0136】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0137】
【表1】
【0138】
【発明の効果】本発明によれば、走行性、電磁変換特
性、保存耐久性等に優れた磁気記録媒体の製造に有用な
ポリエステルフイルムを提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正人 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (72)発明者 長井 剛 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (56)参考文献 特開 平3−140241(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの一つの表面に連
    続薄膜よりなる磁性層のプライマー層が塗設してあり、
    該プライマー層の連続薄膜の表面には(A)平均粒径
    0.008μm以上0.06μm未満のプライマー層に
    含有されている粒子を核とする高さ13nm以下の小突
    起と(B)平均粒径0.06μm以上0.25μm以下
    ポリエステルフィルムに含有されている粒子を核とす
    る高さが30nm以下の大突起と(C)プライマー層を
    形成する樹脂のみによる最大長径が0.10μm以上
    0.30μm以下の微小突起とが形成されており、これ
    ら突起の数が下記式 【数1】 AN≧1.0×106 (個/mm2) BN≧1.05×104 (個/mm2) AN≦−3.4×102・BN+13.6×106 (個/mm2) 1.0×10(個/mm2)≦CN<1.0×104(個/mm2) (ただし、ANは小突起の数(個/mm2)、BNは大突
    起の数(個/mm2)、CNは微小突起の数(個/m
    2)である。)を満足し、前記プライマー層を形成す
    る樹脂のみによる連続薄膜の微小表面粗さRaSが1.
    10nm以下であり、さらに前記連続薄膜の表面粗さR
    aが1〜1.8nmであり、そして前記連続薄膜はフィ
    ルムを160℃で5分間空気中で連続加熱したときにフ
    ィルム表面上のポリエステルオリゴマー微結晶の析出率
    を0.8%以下に抑制できるものであることを特徴とす
    る磁気記録媒体用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフイルムの他の表面に易滑
    面を形成する連続薄膜が塗設してあり、該連続薄膜がセ
    ルロース系樹脂及び平均粒径0.01μm以上0.15
    μm以下の粒子を含み、かつこの表面粗さRaが2〜1
    0nmである請求項1記載の磁気記録媒体用ポリエステ
    ルフイルム。
  3. 【請求項3】 連続薄膜を形成しかつ粒子の結合剤であ
    る樹脂がアクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリ
    ル−ポリエステル樹脂から選ばれる少くとも一種の樹脂
    である請求項1又は記載の磁気記録媒体用ポリエステ
    ルフイルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルが有機チタン化合物を重合
    触媒として製造されたポリエステルである請求項1記載
    の磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    ートである請求項1記載の磁気記録媒体用ポリエステル
    フイルム。
  6. 【請求項6】 小突起の高さが8〜13nm、大突起の
    高さが15〜30nmおよび微小突起の数(C N )が
    1.0×10(個/mm 2 )〜5.0×10 3 (個/mm
    2 )であって、かつ金属薄膜型磁気記録媒体のベースフ
    ィルムに用いる請求項1記載の磁気記録媒体用ポリエス
    テルフィルム。
JP9665692A 1992-04-16 1992-04-16 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム Expired - Fee Related JP3295125B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9665692A JP3295125B2 (ja) 1992-04-16 1992-04-16 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9665692A JP3295125B2 (ja) 1992-04-16 1992-04-16 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05298670A JPH05298670A (ja) 1993-11-12
JP3295125B2 true JP3295125B2 (ja) 2002-06-24

Family

ID=14170883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9665692A Expired - Fee Related JP3295125B2 (ja) 1992-04-16 1992-04-16 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3295125B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0822220B1 (en) * 1996-07-31 2003-12-17 Teijin Limited Laminate film
CN1161758C (zh) 1998-11-02 2004-08-11 帝人株式会社 磁记录介质用双轴取向叠层聚酯薄膜
JP2000309649A (ja) * 1999-02-23 2000-11-07 Teijin Ltd 2軸配向ポリエステルフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05298670A (ja) 1993-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0145286B1 (ko) 자기 기록매체용 폴리에스테르 필름
JP2777003B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム及びその製造方法
US5306538A (en) Magnetic recording medium having a resin coated biaxially oriented polyester substrate
JP2746786B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP3215136B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP2954792B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP3295125B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP3215152B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JPH066633B2 (ja) 平坦・易滑性ポリエステルフイルム
JP2543621B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JPH07119099B2 (ja) 磁気記録媒体用ベースフイルム
JP4216698B2 (ja) 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP2859467B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP3181757B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP3222370B2 (ja) 金属薄膜磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JPH069809A (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP2965814B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP3626587B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
JP2003132524A (ja) 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
JPH0690785B2 (ja) 磁気記録媒体用ベ−スフイルム
JP2003136656A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2002264286A (ja) 磁気記録媒体用複合ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
JP2002150538A (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
JP2001341254A (ja) 易滑性積層フィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体
JP2004145966A (ja) 磁気記録媒体用コーティングフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090405

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100405

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees