JP3294722B2 - シリコンウェーハの製造方法及びシリコンウェーハ - Google Patents

シリコンウェーハの製造方法及びシリコンウェーハ

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JP3294722B2 JP22976594A JP22976594A JP3294722B2 JP 3294722 B2 JP3294722 B2 JP 3294722B2 JP 22976594 A JP22976594 A JP 22976594A JP 22976594 A JP22976594 A JP 22976594A JP 3294722 B2 JP3294722 B2 JP 3294722B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超LSIなどの半導体
のデバイス用のシリコンウェーハおよびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】超LSI用半導体デバイスの製造プロセ
スにおいて、ウェーハに混入している微量金属不純物お
よびウェーハのデバイス活性領域(ウェーハ表面から深
さ10μm程度)内に存在する微小欠陥が製造される半
導体デバイスの特性および信頼性劣化の原因となること
がある。そのため、従来よりこれらの金属不純物および
微小欠陥を極力低減するためにさまざまな対策がなされ
ている。
【0003】金属不純物を低減させる方法としては、金
属不純物を捕獲(ゲッタリング)するためにサンドブラ
ストなどにより、ウェーハ裏面に微小な歪みを設けるバ
ックサイドダメージ法(BSD法)がある。また、ウェ
ーハ裏面に多結晶シリコンを堆積する方法も用いられて
いる。
【0004】また、後者の対策としては、デバイス活性
領域に微小欠陥を有さない、気相成長させた単結晶シリ
コン層をもつエピタキシャルウェーハが用いられてい
る。
【0005】さらに、両者の対策を同時に行うためにイ
ントリンシックゲッタリング法(IG法)が開発され
た。IG法はウェーハを高温熱処理することにより、ウ
ェーハ表面の酸素を外方に拡散させて微小欠陥の核とな
る格子間酸素を減少させ、デバイス活性領域に微小欠陥
のないdenuded zone(DZ層)を形成させ
る。さらにDZ層以下の深い領域(バルク部)では含ま
れている過剰な格子間酸素が高温熱処理によって析出
し、微小なSiO2 析出物に代表されるBMDを生成す
る。これらのBMDがバルク部のシリコンマトリックス
に歪みを及ぼして二次的な転位や積層欠陥を誘起し、金
属不純物をゲッタリングする。
【0006】IG法においては、引き上げられた単結晶
シリコンインゴットの熱履歴に影響を受けないこと、お
よびより広い含有酸素濃度範囲のウェーハを利用するこ
とを目的として、複数段の熱処理を施している。まず、
前熱処理においては、酸素含有の不活性ガス雰囲気中で
高温(〜1200℃)で熱処理を施してウェーハ表面か
ら酸素を外方に拡散させ、もともと存在していた酸素に
起因するBMD核を縮小・消滅させる。次に酸素雰囲気
中の中段の低温(500〜900℃)の熱処理を施して
バルク部にBMD核を生成させる。そして最終的に酸素
雰囲気中の中温(〜1000℃)熱処理により、BMD
核を成長させてBMDを生成・成長させている。中段の
熱処理には種々の工夫がなされており、例えば等温アニ
ール、低温からの多段階アニールおよび低温からのラン
ピングアニールなどが代表的である。
【0007】上記IG法においては、実際には前段の熱
処理による酸素の外方拡散が十分でなくデバイス活性領
域に微小な酸素析出物(BMDなど)が残ってしまうこ
とがある。また、複数の熱処理工程が必要なため、作業
性の問題およびコストの問題などにより実用化があまり
進んでいない。
【0008】最近、このような多段階の熱処理を必要と
する方法に代わり、100%還元性ガスまたは100%
不活性ガスあるいは還元性ガスと不活性ガスの混合ガス
雰囲気中で高温の熱処理を施すことにより、ウェーハ表
面にDZ層、バルク部にBMDを形成し、イントリンシ
ックゲッタリング効果(IG効果)をもたせるウェーハ
の製造方法も行われている。これらの製造方法に関して
本出願人は特開昭60−247935号、特開昭61−
193458号、特開昭61−193459号、特開昭
61−193456号、特開昭62−123098号、
特開平2−177541号などの出願を行っている。
【0009】この方法の代表的な不活性ガス雰囲気での
熱処理は、次のような温度プロセスによって行われてい
る。熱処理温度まで昇温する昇温プロセスは、室温から
1000℃までは約10℃/min程度、1000℃か
ら1200℃までは3℃/min以下、熱処理は約12
00℃において1時間以上、降温プロセスは1200℃
から900℃程度まで3℃/min以下である。図1に
代表的な温度プロセスを示す。図1の熱処理操作は、昇
温プロセスは室温から1000℃までは10℃/mi
n、1000℃から1200℃の間は3℃/min、熱
処理は1200℃で1時間、降温プロセスは1200℃
から1000℃まで3℃/min、1000℃以下は1
0℃/minで行っている。
【0010】この熱処理操作において、1000℃以上
の領域の昇温プロセスでは昇温速度を3℃/min程度
より高くすると処理中のウェーハにスリップが発生して
しまう恐れがある。また、通常使用されている熱処理炉
は断熱や発熱体の制約のため、早い速度で昇温を行うこ
とはされていなかった。
【0011】上記熱処理過程によるウェーハ構造の形成
のメカニズムについて以下のように推測できる。昇温プ
ロセス中では昇温速度が遅いため、バルク部ではBMD
の成長が起こるとともに同時に表層部では酸素の外方拡
散が起こり、表層部の酸素濃度は低下する。熱処理温度
に到達後は、表層部の酸素の外方拡散がより行われ表層
部のBMD核となる格子間酸素が減少し表層部のBMD
の消滅が加速される。バルク部では高温熱処理のため酸
素がウェーハ内を拡散しBMDの収縮が生じる。しかし
酸素減少量が少ないためBMDの消滅は生じない。降温
プロセス中では、昇温速度が遅いため、理論上はウェー
ハ表層部でもBMDの成長が生じるが表層部の酸素は外
方拡散により減少しているためBMDは形成されずにD
Z層となる。これに対し、バルク部では再びBMDの成
長・析出が生じる。
【0012】図2にウェーハにアルゴンガス100%
中、図1に示す様な熱処理を行った場合のウェーハ初期
酸素濃度と熱処理後のウェーハのバルク部のBMD密度
との関係を●で示す。図2より熱処理後のバルク部のB
MD密度はウェーハの初期酸素濃度に依存し、初期酸素
濃度が高くなるにつれバルク部のBMD密度が大きくな
ることが理解される。
【0013】近年、高集積化の進むメモリーデバイスな
どではその特性向上のため、出発原料としてのシリコン
ウェーハには表面のデバイス活性層をより完全に近い無
欠陥にすることが要求され、かつ、複雑化するデバイス
製造プロセス中に混入する金属不純物をゲッタリングす
るとができる構造を有することが必要かつ重要となって
いる。
【0014】前者の要求、すなわちより完全な無欠陥層
を形成するには、欠陥の原因となる格子間酸素濃度が低
いものの方が好ましいのであるが、そのようなウェーハ
は従来の製造方法・条件では製造が難しく生産性、コス
トなどの面から問題が多い。また、そのようなウェーハ
は従来の熱処理工程では内部のバルク部にゲッタリング
機能を十分に果たすに足りる十分な量のBMDを形成す
る事が困難である。
【0015】本発明は、以上のような問題を解決するた
めになされたものであり、比較的低い酸素濃度範囲のウ
ェーハであっても、デバイス活性層はより無欠陥に、か
つバルク部にBMDを高い密度で形成し十分なゲッタリ
ング効果を奏することができるシリコンウェーハの製造
方法およびそのようなシリコンウェーハを提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段と作用】本願の第1の発明
は、チョクラルスキー法により製造された単結晶シリコ
ンインゴットから製造された格子間酸素濃度[Oi]が
1.50×10 18 atoms/cm 3 以下のシリコンウ
ェーハを、アルゴンガス雰囲気中で、熱処理温度を11
00℃〜1300℃、熱処理時間を1分間〜48時間、
昇温過程の1000℃から熱処理温度に到るまでの温度
範囲内における昇温速度を5〜10℃/minとした
件で熱処理を施すことによって、ウェーハ表面から少な
くとも深さ10μm以上にわたって大きさが20nm以
上のBMDが103 個/cm3 以下である無欠陥層を有
し、ウェーハ内部バルク部の酸素析出物密度[BMD]
が、[BMD]≦1×1010個/cm3 、かつ[BM
D]≧exp{1.151×10-17 ×[Oi]+1.
151}個/cm3 であるウェーハを製造することを特
徴とするシリコンウェーハの製造方法を要旨とする。ま
た、本願の第2の発明は、チョクラルスキー法により製
造された単結晶シリコンインゴットから製造された格子
間酸素濃度[Oi]が1.50×10 18 atoms/c
3 以下のシリコンウェーハを、アルゴンガス雰囲気中
で、熱処理温度を1100℃〜1300℃、熱処理時間
を1分間〜48時間、昇温過程の1000℃から熱処理
温度に到るまでの温度範囲内における昇温速度を5〜1
0℃/minとした条件で熱処理を施すことによって製
造された、ウェーハ表面から少なくとも深さ10μm以
上にわたって大きさが20nm以上のBMDが103
/cm3 以下である無欠陥層を有し、ウェーハ内部バル
ク部の酸素析出物密度[BMD]が、[BMD]≦1×
1010個/cm3 、かつ[BMD]≧exp{1.15
1×10-17 ×[Oi]+1.151}個/cm3 であ
ることを特徴とするシリコンウェーハを要旨とする。
【0017】また、本明細書中の酸素濃度はすべてOl
d ASTMによる換算係数による値である。
【0018】一般的にウェーハを熱処理する際のBMD
の挙動について説明する。
【0019】古典的核形成理論によれば、BMDは酸素
クラスタを均一核として過飽和な酸素が付着および脱離
することによりそれぞれ成長および収縮する。
【0020】ある時点で存在するBMDが成長するか縮
小・消滅するかは、その時点でのBMDの大きさ、およ
びそのときの温度(および酸素濃度)によって定まる臨
界核半径によってきまる。臨界核半径は温度に依存し、
高温になれば臨界核半径は増大する。ある温度にウェー
ハを保持すると、その温度での臨界核半径よりも既に大
きく成長しているBMDは成長を続け、臨界核半径より
小さい径のBMDは縮小・消滅する。
【0021】本発明者らは以上の知見に基づきこれをウ
ェーハの製造方法に応用することによってBMDを制御
し、高集積デバイス製造に適したウェーハが製造できる
ことを知得して本発明をなし得たものである。
【0022】本発明は通常のチョクラルスキー法で製造
されたシリコンインゴットから製造されるシリコンウェ
ーハであって、含有酸素濃度が比較的低い領域である
1.50×10 18 atoms/cm 3 以下のウェーハの
熱処理に適用される。これより高い酸素濃度を有するウ
ェーハは前に述べたように本発明の熱処理を施さなくて
もBMD密度を高くできる。
【0023】本発明の熱処理は、100%不活性ガス雰
囲気中で行われる。100%不活性ガス雰囲気中で行う
ことは、100%水素ガス雰囲気中と同様に無欠陥層の
形成、酸素の外方拡散のしやすさおよび熱処理の際の面
荒れが生じにくいなどの面から好ましい。
【0024】本発明の熱処理は1100℃〜1300℃
で行われる。1100℃以下では本発明による効果が得
られず、1300℃以上では酸素の外方拡散効果は優れ
ているが、装置の安全性と信頼性に問題がある。
【0025】本発明の熱処理時間は1分間〜48時間で
ある。1分間未満では本発明の効果が得られず、48時
間を越えて熱処理を行っても効果の向上は見込めない。
【0026】本発明の熱処理過程中、1000℃以上か
ら熱処理温度に到るまでの温度範囲内では昇温速度を5
〜10℃/minとして昇温する事が必要である。
【0027】1000℃以上の領域において昇温速度が
5℃/min未満であると、前述した臨界核半径の増大
速度はBMDの成長速度を追い抜くことが無くなり、B
MDは成長するかに思える。しかし、本発明のような低
酸素含有量のウェーハでは付着する酸素自体が少なく、
また、昇温過程を含めた実効のある熱処理時間が長くな
るため、存在するBMD核に付着する酸素量(確率)よ
り脱離する酸素量が多くなってしまうのでBMDの大き
さが小さくなり、さらには消滅する。したがって密度も
小さくなる。
【0028】1000℃以上の領域において、本発明で
規定するように昇温速度が5〜10℃/minである
と、前述の場合とは逆で、熱処理操作全体を通して比較
した場合に、付着する酸素量の方が脱離する酸素量より
多くなるのでBMDの大きさおよび密度が増加すると考
えられる。
【0029】1000℃以上の領域において、昇温速度
が10℃/minより大きいと、前述した臨界核半径の
増大速度の方が、既に存在するBMDのその温度におけ
る成長速度よりも大きくなり、また、昇温過程の時間が
短くなるので臨界核半径と存在するBMDの径の差がよ
り大きくなり、BMDは成長せず縮小の方向に向かう。
【0030】このように昇温速度を5〜10℃/min
とした場合にのみ高い密度でBMDを形成することがで
きる。
【0031】熱処理温度においては、表面領域では酸素
の外方拡散が進むため、表面近傍のBMDの周りの酸素
濃度が低くなり消滅は進みDZ層が形成される。バルク
部では酸素の外方拡散の効果が及びにくく、酸素濃度の
減少は少ない。本発明の昇温速度で昇温した場合には、
BMDの大きさは熱処理温度での臨界核半径よりすでに
大きくなっているため、BMDは成長する。
【0032】降温プロセス中は、表層部ではすでにBM
Dが減少し、さらに酸素濃度が小さくなっているため降
温速度を変化させてもBMDは発生・成長しないと考え
られる。バルク部ではBMDがすでに成長しており降温
速度を変化させても大きな影響は無い。ただし、降温速
度は生産性、ウェーハの品質(スリップ、面荒れ発生の
防止)、および使用する炉の構造上の問題などから2〜
300℃/minであることが望ましい。
【0033】このような熱処理を施すことによって、初
期酸素濃度が1.50×10 18 atoms/cm 3 以下
シリコンウェーハを使用して、ウェーハ表面から10
μm以上の深さにわたって大きさが20nm以上のBM
Dが103 個/cm3 以下であるDZ層を有し、かつ、
DZ層より深い領域のバルク部のBMD密度[BMD]
≦1×1010個/cm3 、かつ[BMD]≧exp
{1.151×10-17 ×[Oi]+1.151}個/
cm3 であるウェーハを製造することができる。
【0034】このようなウェーハは図2のグラフ中の領
域A+B+Cで示される。
【0035】上述のような初期酸素濃度を有するウェー
ハであって、表層部に良好なDZ層を有し、バルク部の
BMD密度が上述の範囲内にあるウェーハは従来存在せ
ず、本発明によって初めて提供されるものである。
【0036】より好ましいBMD密度の範囲としては、
1×108 個/cm3 ≦[BMD]≦1×1010個/c
3 (図2中の領域B+C)であり、さらに[BMD]
≦1×1010個/cm3 、かつ[BMD]≧exp
{4.605×10-18 ×[Oi]+12.434}個
/cm3 (図2中の領域C)である。
【0037】このような範囲のBMD密度を有するウェ
ーハは十分なゲッタリング機能を有し、かつ表層のデバ
イス活性層は良好な無欠陥のDZ層となる。
【0038】表層部のDZ層中のBMDは実質的に0で
あることが好ましい。DZ層中のBMDを上記のように
規定した理由は、現在の装置のBMDの大きさの検出限
界が20nmであるからであり、BMD密度が103
/cm3 を越えるともはや無欠陥とはいえず、製造され
るデバイスの特性に悪影響を及ぼすためである。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する使用したウ
ェーハはすべてチョクラルスキー法によって引き上げら
れたシリコンインゴットから切り出し、通常の方法によ
って製造され、鏡面加工を施したシリコンウェーハを用
いた。これらのウェーハは、Nタイプ、面方位(10
0)、比抵抗1〜1000Ω/cm、初期格子間酸素濃
度[Oi]は1.45〜1.74×1018atoms/
cm3 である。
【0040】実施例1 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.50×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%アルゴンガス雰囲
気中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、1
000℃から1200℃の範囲の昇温速度を6.3℃/
min、降温速度を10℃/minとした。
【0041】実施例2 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.45×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%アルゴンガス雰囲
気中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、1
000℃から1200℃の範囲の昇温速度を8.5℃/
min、降温速度を3.8℃/minとした。
【0042】比較例1 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.72×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%水素ガス雰囲気
中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、10
00℃から1200℃の範囲の昇温速度を30℃/mi
n、降温速度を300℃/minとした。
【0043】比較例2 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.61×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%水素ガス雰囲気
中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、10
00℃から1200℃の範囲の昇温速度を30℃/mi
n、降温速度を300℃/minとした。
【0044】比較例3 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.50×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%水素ガス雰囲気
中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、10
00℃から1200℃の範囲の昇温速度を30℃/mi
n、降温速度を300℃/minとした。
【0045】比較例4 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.61×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%アルゴンガス雰囲
気中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、1
000℃から1200℃の範囲の昇温速度を6.3℃/
min、降温速度を10℃/minとした。
【0046】比較例5 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.70×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%アルゴンガス雰囲
気中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、1
000℃から1200℃の範囲の昇温速度を3.8℃/
min、降温速度を3.8℃ /minとした。
【0047】比較例6 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.50×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%水素ガス雰囲気
中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、10
00℃から1200℃の範囲の昇温速度を2〜3℃/m
in、降温速度を2〜3℃/minとした。
【0048】比較例7 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.56×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%水素ガス雰囲気
中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、10
00℃から1200℃の範囲の昇温速度を2〜3℃/m
in、降温速度を2〜3℃/minとした。
【0049】比較例8 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.60×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%水素ガス雰囲気
中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、10
00℃から1200℃の範囲の昇温速度を2〜3℃/m
in、降温速度を2〜3℃/minとした。
【0050】比較例9 前記ウェーハのうち、[Oi]が1.74×1018at
oms/cm3 のウェーハを100%水素ガス雰囲気
中、1200℃で1時間熱処理を行った。ただし、10
00℃から1200℃の範囲の昇温速度を2〜3℃/m
in、降温速度を2〜3℃/minとした。
【0051】これらの実施例および比較例の熱処理を行
ったウェーハを断面((110)面)から赤外線トモグ
ラフ法により生成したBMDの密度を測定した。使用し
た赤外線トモグラフ法における、検出可能なBMD最小
サイズは20nmである。この方法は測定領域によりB
MD密度の検出限界が異なる。本測定ではウェーハ表面
上で4×200μm、深さ185μmの直方体形状の領
域で測定を行った。この場合のBMD密度の測定限界は
6.8×106 個/cm3 である。このような条件では
本発明で規定する、大きさ20nm以上のBMDが10
3 個/cm3 以下のDZ層の厚さは典型的視野で初めて
BMDが検出される表面からの深さに相当する。
【0052】測定結果を熱処理条件と併せて表1、表2
に示す。また、図2にウェーハの初期酸素濃度とBMD
密度の関係をグラフにしたものを示す。
【0053】
【表1】
【表2】 表1、表2および図2から明らかなように、本発明の熱
処理を施したウェーハは初期酸素濃度[Oi]が低いも
のであっても良好なDZ層が形成され、更にバルク部に
形成されるBMDを高密度とすることができる。すなわ
ち、表面から少なくとも深さ10μm以上にわたって大
きさが20nm以上のBMDが103 個/cm3 以下で
ある無欠陥層を有し、ウェーハ内部バルク部の酸素析出
物密度[BMD]が、[BMD]≦1×1010個/cm
3 、かつ[BMD]≧exp{1.151×10-18 ×
[Oi]+1.151}個/cm3 であるウェーハを製
造することができる。
【0054】これに対し、比較例から理解されるよう
に、本発明の範囲外の条件で熱処理を行ったウェーハは
初期酸素濃度が高いほど形成されるBMDも多いが、低
酸素濃度のウェーハでは形成されるBMD密度が低くな
ってしまうことがわかる。比較例1〜3および6では無
欠陥層は形成されるもののウェーハ内部のバルク部のB
MDが低密度であり、十分なゲッタリング機能が果たせ
ない恐れがある。
【0055】また、本発明のウェーハは、上記のように
構成されているのでデバイス活性層が無欠陥となり、バ
ルク部にBMDが十分に形成されているので、良好な特
性を有するデバイスを歩留まりよく製造することができ
る。
【0056】
【発明の効果】本発明により初期酸素濃度の低いウェー
ハでも形成されるBMD密度を高くでき、その結果十分
なゲッタリング機能を有しているので良好な特性を有す
る高集積デバイスを歩留まりよく製造することができ
る。また、そのようなウェーハを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の熱処理の温度プロセスを示す図。
【図2】ウェーハの初期酸素濃度と熱処理後のBMD密
度の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿島 一日児 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社開発研究所内 (72)発明者 桐野 好生 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−167637(JP,A) 特開 平8−97222(JP,A) 特開 平6−295913(JP,A) 特開 平6−252154(JP,A) 特開 平4−69937(JP,A) 特開 平2−177542(JP,A) 特開 昭61−193458(JP,A) 特開 昭59−202640(JP,A) 特開 昭58−56343(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/322 H01L 21/02 H01L 21/324

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法により製造された単
    結晶シリコンインゴットから製造された格子間酸素濃度
    [Oi]が1.50×10 18 atoms/cm 3 以下の
    シリコンウェーハを、アルゴンガス雰囲気中で、熱処理
    温度を1100℃〜1300℃、熱処理時間を1分間〜
    48時間、昇温過程の1000℃から熱処理温度に到る
    までの温度範囲内における昇温速度を5〜10℃/mi
    とした条件で熱処理を施すことによって、ウェーハ表
    面から少なくとも深さ10μm以上にわたって大きさが
    20nm以上のBMDが103 個/cm3 以下である無
    欠陥層を有し、ウェーハ内部バルク部の酸素析出物密度
    [BMD]が、[BMD]≦1×1010個/cm3 、か
    つ[BMD]≧exp{1.151×10-17 ×[O
    i]+1.151}個/cm3 であるウェーハを製造す
    ることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  2. 【請求項2】 チョクラルスキー法により製造された単
    結晶シリコンインゴットから製造された格子間酸素濃度
    [Oi]が1.50×10 18 atoms/cm 3 以下の
    シリコンウェーハを、アルゴンガス雰囲気中で、熱処理
    温度を1100℃〜1300℃、熱処理時間を1分間〜
    48時間、昇温過程の1000℃から熱処理温度に到る
    までの温度範囲内における昇温速度を5〜10℃/mi
    とした条件で熱処理を施すことによって製造された、
    ウェーハ表面から少なくとも深さ10μm以上にわたっ
    て大きさが20nm以上のBMDが103 個/cm3
    下である無欠陥層を有し、ウェーハ内部バルク部の酸素
    析出物密度[BMD]が、[BMD]≦1×1010個/
    cm3 、かつ[BMD]≧exp{1.151×10
    -17 ×[Oi]+1.151}個/cm3 であることを
    特徴とするシリコンウェーハ。
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