JP3291364B2 - 自動変速機の変速制御方法 - Google Patents

自動変速機の変速制御方法

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JP3291364B2
JP3291364B2 JP17010293A JP17010293A JP3291364B2 JP 3291364 B2 JP3291364 B2 JP 3291364B2 JP 17010293 A JP17010293 A JP 17010293A JP 17010293 A JP17010293 A JP 17010293A JP 3291364 B2 JP3291364 B2 JP 3291364B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機は、例え
ば特開昭63−186055号公報に開示されるよう
に、トルクコンバータと変速機構とを組み合わせ、該変
速機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の
摩擦締結要素の選択的作動により切換えて、所定の変速
段に自動的に変速するように構成されている。
【0003】そして、上記摩擦締結要素として、通常、
2速変速段及び4速変速段の時に締結される2−4ブレ
ーキが設けられている。このブレーキは、例えば図10
(a)に示すように、ピストンaの前後に締結室bと解
除室cとが設けられ、2速変速段又は4速変速段の時上
記締結室bのみに圧油が供給されて締結状態となり、3
速変速段の時に締結室b及び解除室c共に圧油が供給さ
れて解除状態となり、また1速変速段の時に上記両室
b,c共に圧油が排除されて解除状態となるように構成
されている。尚、図10(a−1)は3速変速段の状態
を示し、(a−2)は1速変速段の状態を示し、(a−
3)は1速変速段から2速変速段への変速途中の状態を
示す。また、図10(b)は、3速変速段から1速変速
段を経て2速変速段へ変速するときの各室内の油圧の変
化状態を示し、締結室b内の油圧の変化状態は破線B
で、解除室c内の油圧の変化状態は一点鎖線Cでそれぞ
れ示す。これらの変化状態と比較するために、図10
(b)には、3−4クラッチの油圧の変化状態を実線A
で示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
2−4ブレーキでは、1速変速段から2速変速段に変速
する時ピストンbがスムーズに移動せず、ブレーキの切
換タイミングが遅れて変速ショックが生じることがあ
り、このことは、特に3速変速段から1速変速段を経て
2速変速段に変速するときに生じる。この原因は、3速
変速段から1速変速段への変速時、解除室c内の圧油は
圧力が抜けた解除状態になるが、油自体は残り、この油
が1速変速段から2速変速段への変速時におけるピスト
ンaの解除室c側への移動によって圧縮されて圧力いわ
ゆる残圧を発生することによるものである(図10
(b)参照)。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記解除室c内の残圧
の発生を防止して、変速ショックの低減化を図り得る自
動変速機の変速制御方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の解決手段は、ピストンの前後に締結室と解
除室とが設けられた摩擦締結要素を備え、該摩擦締結要
素は、その締結室のみに圧油が供給されるときに締結
し、締結室及び解除室共に圧油が供給されるとき又は両
室共に圧油が排除されるときに締結を解除するように構
成されている自動変速機を対象とする。
【0007】そして、自動変速レンジでの変速制御のう
ち、上記摩擦締結要素の解除室に圧油が供給される初期
変速段から上記両室共に圧油が排除される中間の変
速段を経由して、締結室のみに圧油が供給される目的の
変速段に変速するとき、上記初期の変速段から中間の変
速段への変速の際に、締結室に圧油を供給して解除室の
圧油を積極的に排除する状態を経由して変速する構成と
するものである。
【0008】
【作用】上記の構成により、本発明では、自動変速レン
ジでの変速制御のうち、摩擦締結要素の解除室に圧油が
供給される初期の変速段(3速変速段等)から締結室及
び解除室共に圧油が排除される中間の変速段(1速変速
段等)に変速する時、締結室に圧油を供給して解除室の
圧油を積極的に排除する状態を経由して変速されるの
で、解除室内に残る油を少なくすることができる。この
ため、上記中間の変速段から締結室のみに圧油が供給さ
れる目的の変速段(2速変速段等)に変速する時に解除
室で残圧が発生することはなく、摩擦締結要素の切換タ
イミングが遅れることなく円滑に行われる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は自動車用の前進4段・後退1段の自動変速
機ATを示し、この自動変速機ATは、主たる構成要素
として、エンジン出力軸1のトルク(エンジントルク)
を変速してタービンシャフト2に伝達するトルクコンバ
ータ3と、上記タービンシャフト2のトルクを更に変速
し、また後退段が選択されているときには回転を逆転さ
せて出力ギヤ4から駆動輪側に出力する変速歯車機構5
とを有している。尚、タービンシャフト2はパイプ状に
形成され、その中空部にはエンジン出力軸1に連結され
たポンプシャフト6が配設され、該ポンプシャフト6に
よって、変速歯車機構5の後方(図1では左側)に配置
されたオイルポンプ7が回転駆動されるようになってい
る。
【0010】上記トルクコンバータ3は、エンジン出力
軸1に連結されたケース11内に固設されたポンプ12
と、該ポンプ12に対向した状態でタービンシャフト2
に連結され、ポンプ12から吐出される作動油によって
回転駆動されるタービン13と、該タービン13からポ
ンプ12に還流する作動油をポンプ12の回転を促進す
る方向に整流するステータ14とで構成され、ポンプ1
2とタービン13の回転数差に応じた変速比で、エンジ
ン出力軸1のトルクを変速するようになっている。上記
ステータ14はステータ用ワンウェイクラッチ15を介
して変速機ケース16に固定されている。尚、17は必
要に応じてエンジン出力軸1とタービンシャフト2とを
直結するロックアップクラッチ17である。
【0011】一方、上記変速歯車機構5は、ラビニョオ
型のプラネタリギヤ装置で構成され、上記タービンシャ
フト2に遊嵌された小径のスモールサンギヤ21と、該
スモールサンギヤ21より後方で同じくタービンシャフ
ト2に遊嵌された大径のラージサンギヤ22と、上記ス
モールサンギヤ21と噛み合う複数のショートピニオン
ギヤ23(1つのみ図示)と、前部(図1では右側)が
該ショートピニオンギヤ23と噛み合い、後部が上記ラ
ージサンギヤ22と噛み合うロングピニオンギヤ24
と、上記ショートピニオンギヤ23及びロングピニオン
ギヤ24を回転自在に支持するキャリア25と、上記ロ
ングピニオンギヤ24と噛み合うリングギヤ26とを有
している。このような変速歯車機構5では、変速段に応
じてスモールサンギヤ21、ラージサンギヤ22又はキ
ャリア25がトルク入力部となる一方、いずれの変速段
でもリングギヤ26がトルク出力部となる。該リングギ
ヤ26は出力ギヤ4に連結されている。
【0012】そして、上記変速歯車機構5内でのトルク
伝達経路を切換えるために、すなわち変速比を切換えあ
るいは出力ギヤ4の回転方向を切換えるために、複数の
摩擦締結要素としてのクラッチ及びブレーキが設けられ
ている。
【0013】すなわち、上記タービンシャフト2とスモ
ールサンギヤ21との間には、フォワードクラッチ31
と第1ワンウェイクラッチ41とが直列に介設されてい
るとともに、該両クラッチ31,41に対して並列にコ
ーストクラッチ32が介設されている。また、上記ター
ビンシャフト2とキャリア25との間には3−4クラッ
チ33が介設され、タービンシャフト2とラージサンギ
ヤ22との間にはリバースクラッチ34が介設されてお
り、上記ラージサンギヤ22とリバースクラッチ34と
の間には、所定の変速段でラージサンギヤ22を固定す
るためのバンドブレーキからなる2−4ブレーキ35が
設けられている。さらに、上記キャリア25と変速機ケ
ース16との間には、所定の変速段でキャリア25を固
定するローリバースブレーキ36と、キャリア25の反
力を受け止める第2ワンウェイクラッチ42とが並列に
介設されている。尚、以下の説明では、各種のクラッチ
31〜34及びブレーキ35,36を適宜「摩擦締結要
素」として総称する。
【0014】そして、上記各摩擦締結要素31〜36の
締結・解放パターンを組み変えることによって、表1に
示すような各種レンジないし変速段が得られるようにな
っている。以下、表1を参照しつつ、各レンジないし変
速段におけるトルク伝達経路とその変速特性とを説明す
る。
【0015】
【表1】
【0016】(1) Pレンジ(パーキングレンジ)の
場合、全ての摩擦締結要素がオフ(解放)される。この
場合、タービンシャフト2のトルクは変速歯車機構5に
伝達されない。
【0017】(2) Rレンジ(リバースレンジ)の場
合、リバースクラッチ34とローリバースブレーキ36
とが締結され、他の摩擦締結要素は解放される。ローリ
バースブレーキ36が締結されているので、これと並列
に配設された第2ワンウェイクラッチ42は、格別の作
用を及ぼさない。第1ワンウェイクラッチ41は、トル
ク伝達経路から外れ、格別の作用を及ぼさない。
【0018】この場合、タービンシャフト2のトルク
が、リバースクラッチ34を介してラージサンギヤ22
に入力される。そして、ローリバースブレーキ36によ
ってキャリア25が固定されているので、ラージサンギ
ヤ22とロングピニオンギヤ24とリングギヤ26と
が、この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能する。
従って、ラージサンギヤ22に入力されたトルクは、こ
のギヤ列内を上記の順に伝わり、ラージサンギヤ22の
歯数とリングギヤ26の歯数とによって決定される大き
な減速比で変速され、出力ギヤ4に出力される。このR
レンジでは、リングギヤ26(出力ギヤ4)はラージサ
ンギヤ22(タービンシャフト2)と反対方向に回転
し、駆動輪が後進側に駆動される。
【0019】(3) Nレンジ(ニュートラルレンジ)
の場合、Pレンジの場合と同様である。
【0020】(4) Dレンジ(ドライブレンジ)1速
の場合、フォワードクラッチ31が締結され、他の摩擦
締結要素は解放される。第1及び第2ワンウェイクラッ
チ41,42は通常ロック状態となるが、コースティン
グ時には空転する。
【0021】この場合、タービンシャフト2のトルク
が、順にフォワードクラッチ31と第1ワンウェイクラ
ッチ41とを介してスモールサンギヤ21に入力され
る。そして、第2ワンウェイクラッチ42によってキャ
リア25が固定されているので、スモールサンギヤ21
とショートピニオンギヤ23とロングピニオンギヤ24
とリングギヤ26とが、この順に噛み合う固定的なギヤ
列として機能する。従って、スモールサンギヤ21に入
力されたトルクは、このギヤ列内を上記の順に伝わり、
スモールサンギヤ21の歯数とリングギヤ26の歯数と
によって決定される大きな減速比で変速され、出力ギヤ
4に出力される。この場合、リングギヤ26(出力ギヤ
4)はスモールサンギヤ21(タービンシャフト2)と
同一方向に回転し、駆動輪が前進側に駆動される。尚、
このDレンジ1速では、第1ワンウェイクラッチ41の
作用によりエンジンブレーキは得られない。
【0022】(5) Dレンジ2速の場合、フォワード
クラッチ31と2−4ブレーキ35とが締結され、他の
摩擦締結要素は解放される。第1ワンウェイクラッチ4
1は通常ロック状態となるが、コースティング時には空
転する。尚、第2ワンウェイクラッチ42は常時空転す
る。
【0023】この場合、ラージサンギヤ22が固定され
ているので、ロングピニオンギヤ24が、自転しつつラ
ージサンギヤ22周りを公転する。従って、基本的には
上記Dレンジ1速の場合と同様の経路でトルクが伝達さ
れるが、リングギヤ26の回転数がロングピニオンギヤ
24の公転分だけ高くなるので、Dレンジ1速よりもや
や減速比が小さくなる。尚、このDレンジ2速では、第
1ワンウェイクラッチ41の作用によりエンジンブレー
キは得られない。
【0024】(6) Dレンジ3速の場合、フォワード
クラッチ31とコーストクラッチ32と3−4クラッチ
33とが締結され、他の摩擦締結要素は解放される。コ
ーストクラッチ32が締結されているので、これと並列
に配設されたフォワードクラッチ31及び第1ワンウェ
イクラッチ41は、格別の作用を及ぼさない。尚、第2
ワンウェイクラッチ42は常時空転する。
【0025】この場合、スモールサンギヤ21とキャリ
ア25とが、コーストクラッチ32とタービンシャフト
2と3−4クラッチ33とを介して、互いにロックされ
るので、プラネタリギヤ装置全てのギヤ及びキャリア2
1〜26が固定された状態で一体回転するようになり、
タービンシャフト2と出力ギヤ4とが直結される。従っ
て、タービンシャフト2のトルクは、変速されることな
く(減速比1)出力ギヤ4に伝達される。この場合、出
力ギヤ4はタービンシャフト2と同一方向に回転し、駆
動輪が前進側に駆動される。尚、このDレンジ3速で
は、タービンシャフト2と出力ギヤ4とが直結状態にあ
るので、エンジンブレーキが得られるのは勿論である。
【0026】(7) Dレンジ4速の場合、フォワード
クラッチ31と3−4クラッチ33と2−4ブレーキ3
5とが締結され、他の摩擦締結要素は解放される。第1
及び第2ワンウェイクラッチ41,42は常時空転す
る。尚、第1ワンウェイクラッチ41が常時空転するの
で、フォワードクラッチ31は締結されているものの、
格別の作用を及ぼさない。
【0027】この場合、タービンシャフト2のトルク
が、3−4クラッチ33を介してキャリア25に入力さ
れ、このキャリア25のトルクは、順に、ロングピニオ
ンギヤ24とリングギヤ26とを介して出力ギヤ4に伝
達される。2−4ブレーキ35によってラージサンギヤ
22が固定されているので、ロングピニオンギヤ24
は、自転しつつラージサンギヤ22周りを公転する。従
って、リングギヤ26の回転数は、キャリア25の回転
数すなわちタービンシャフト2の回転数より、ロングピ
ニオンギヤ24の公転分だけ高くなり、変速歯車機構5
はオーバードライブ(増速)状態となる。尚、リングギ
ヤ26(出力ギヤ4)はキャリア25(タービンシャフ
ト2)と同一方向に回転し、駆動輪が前進側に駆動され
る。
【0028】(8) Sレンジ1速の場合、Dレンジ1
速の場合と同様である。
【0029】(9) Sレンジ2速の場合、フォワード
クラッチ31とコーストクラッチ32と2−4ブレーキ
35とが締結され、他の摩擦締結要素は解放される。コ
ーストクラッチ32が締結されているので、これと並列
に配設されたフォワードクラッチ31及び第1ワンウェ
イクラッチ41は、格別の作用を及ぼさない。
【0030】この場合、トルク伝達経路及び変速特性
は、基本的にはDレンジ2速の場合と同様であるが、第
1ワンウェイクラッチ41が働かないので、エンジンブ
レーキが得られることになる。
【0031】(10) Sレンジ3速の場合、Dレンジ
3速の場合と同様である。
【0032】(11) Lレンジ1速の場合、フォワー
ドクラッチ31とコーストクラッチ32とローリバース
ブレーキ36とが締結され、他の摩擦締結要素は解放さ
れる。コーストクラッチ32が締結されているので、こ
れと並列に配設されたフォワードクラッチ31及び第1
ワンウェイクラッチ41は、格別の作用を及ぼさず、ま
たローリバースブレーキ36が締結されているので、こ
れと並列に配設された第2ワンウェイクラッチ42も,
格別の作用を及ぼさない。
【0033】この場合、トルク伝達経路及び変速特性
は、基本的にはDレンジ1速の場合と同様であるが、第
1及び第2ワンウェイクラッチ41,42が働かないの
で、エンジンブレーキが得られることになる。
【0034】(12) Lレンジ2速の場合、Sレンジ
2速の場合と同様である。
【0035】次に、図2〜図6により上記変速歯車機構
5の各摩擦締結要素31〜36のアクチュエータに対
し、油圧を給排して締結・解放作動させる油圧制御回路
60について説明する。ここで、上記各アクチュエータ
のうち、2−4ブレーキ35の油圧アクチュエータ38
は、ピストン38aの前後に締結室38bと解除室38
cとを有するサーボピストンタイプのものであり、締結
室38bのみに油圧が供給されているときに2−4ブレ
ーキ35を締結させ、両室38b,38c共に油圧が供
給されているとき又は共に油圧が排除されているときに
はスプリング38dの付勢力等により解放(解除)させ
るようになっている。その他の摩擦締結要素31〜3
4,36のアクチュエータは通常の油圧ピストンで構成
され、油圧が供給されたときに摩擦締結要素を締結さ
せ、油圧が排除されたときに摩擦締結要素を解放させ
る。
【0036】上記油圧制御回路60には、主たる構成要
素として、図1に示すオイルポンプ7からメインライン
110に吐出された作動油の油圧を所定のライン圧に調
整するレギュレータバルブ61と、手動操作によってレ
ンジの選択を行うマニュアルバルブ62と、変速段に応
じて各々作動して各摩擦締結要素(アクチュエータ)3
1〜36に対する油圧の給排を行う1−2,2−3,3
−4の各シフトバルブ63,64,65とが設けられて
いる。
【0037】図4に示すように、上記マニュアルバルブ
62は、メインライン110からライン圧が導入される
入力ポート62eと、第1〜第4出力ポート62a〜6
2dとを有し、スプールの移動により、上記入力ポート
62eが、Dレンジ及びSレンジでは第1及び第2出力
ポート62a,62bに、Lレンジでは第1及び第3出
力ポート62a,62cに、Rレンジでは第4出力ポー
ト62dにそれぞれ連通するようになっている。そし
て、各出力ポート62a〜62dは、それぞれ第1〜第
4出力ライン111〜114に接続されている。また、
図4及び図5に示すように、上記1−2,2−3及び3
−4シフトバルブ63,64,65は、それぞれスプー
ルをスプリング(図示せず)により図面上、右側に付勢
した構成で、これらのスプールの右側にパイロット室6
3a,64a,65aを有している。
【0038】上記1−2シフトバルブ63及び2−3シ
フトバルブ64の各パイロット室63a,64aには、
それぞれ上記メインライン110から分岐した第1及び
第2パイロットライン115,116が接続され、上記
3−4シフトバルブ65のパイロット室65aには、上
記第2パイロットライン116から更に分岐した第3パ
イロットライン117が接続されているとともに、これ
らのパイロットライン115〜117には、それぞれ変
速用の第1、第2及び第3ソレノイドバルブ66,6
7,68が設けられている。上記各ソレノイドバルブ6
6〜68は、いずれもオンのときに対応する各シフトバ
ルブ63〜65のパイロット室63a〜65a内の油圧
(パイロット圧)を排除して、該シフトバルブ63〜6
5のスプールを図面上の右側に位置させ(軸心線より上
半分に示す状態)、オフのときに対応する各シフトバル
ブ63〜65のパイロット室63a〜65aに各パイロ
ットライン115〜117からパイロット圧を導入し
て、該シフトバルブ63〜65のスプールを図面上の左
側に位置させるようになっている(軸心線より下半分に
示す状態)。
【0039】一方、上記マニュアルバルブ62における
各出力ポート62a〜62dに接続された第1〜第4出
力ライン111〜114のうち、D,S,Lの各前進レ
ンジでメインライン110に連通される第1出力ライン
111からはライン119が分岐され、該ライン119
はフォワードクラッチラインと称され、ワンウェイオリ
フィス71を介してフォワードクラッチ31に導かれて
いる。従って、D,S,Lレンジではフォワードクラッ
チ31が常に締結されることになる。尚、上記フォワー
ドクラッチライン119の分岐ライン120にはフォワ
ードクラッチ締結時の緩衝用のアキュムレータ72が接
続されている。
【0040】また、上記第1出力ライン111は、上記
1−2シフトバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバル
ブ66がオンとなって該シフトバルブ63のスプールが
右側に位置したときにサーボアプライライン121に連
通し、ワンウェイオリフィス73及び排圧コントロール
バルブ74を介して2−4ブレーキ35の締結室38b
に至る。従って、D,S,Lレンジで第1ソレノイドバ
ルブ66がオンのとき、上記締結室38bに油圧(サー
ボアプライ圧)が導入されることになる。上記ワンウェ
イオリフィス73は、サーボアプライ圧の排出時に作動
油を適度に絞って排出するような径に設定されている。
上記排圧コントロールバルブ74は、サーボアプライ圧
の排出開始時に作動油を速やかに排出し、サーボアフラ
イ圧が所定圧にまで低下すると作動油を緩やかに排出す
るようになっている。尚、上記アプラインポート35b
にはライン122を介して2−4ブレーキ締結時の緩衝
用のアキュムレータ75が接続されている。
【0041】上記第1出力ライン111は、更に3−4
シフトバルブ65にも導かれ、第3ソレノイドバルブ6
8がオフで該シフトバルブ65のスプールが左側に位置
するときにコーストクラッチライン123に連通する。
該コーストクラッチライン123は、コーストレデュー
シングバルブ76及びワンウェイオリフィス77を介し
てコーストクラッチ32に至る。従って、D,S,Lレ
ンジで第3ソレノイドバルブ68がオフのとき、コース
トクラッチ32が締結されることになる。
【0042】一方、D,Sレンジでメインライン110
に連通する第2出力ライン112は、2−3シフトバル
ブ64に導かれている。そして、該ライン112は、第
2ソレノイドバルブ67がオフで2−3シフトバルブ6
4のスプールが左側に位置するときに3−4クラッチラ
イン124に連通する。このライン124は、さらにワ
ンウェイオリフィス78を介して3−4クラッチ33に
至っている。従って、D,Sレンジで第2ソレノイドバ
ルブ67がオフのとき、3−4クラッチ33が締結され
ることになる。尚、上記3−4クラッチライン124の
分岐ライン125には、3−4クラッチ33の締結時の
緩衝用のアキュムレータ79が接続されている。
【0043】上記3−4クラッチライン124からはラ
イン126が分岐されており、該ライン126は、3−
4シフトバルブ65に導かれ、第3ソレノイドバルブ6
8がオフで該シフトバルブ65のスプールが左側に位置
するときに2−4ブレーキ35の解除室38cに通じる
サーボリリースライン127に連通する。従って、D,
Sレンジで第2及び第3ソレノイドバルブ67,68が
共にオフのとき、2−4ブレーキ35の解除室38cに
圧油(サーボリリース圧)が導入され、2−4ブレーキ
35が解放される。
【0044】また、上記マニュアルバルブ62において
Lレンジでメインライン110に連通する第3出力ライ
ン113は、ローレデューシングバルブ80、ワンウェ
イオリフィス81、ボールバルブ82及びライン128
を介して1−2シフトバルブ63に導かれている。そし
て、上記ライン128は、第1ソレノイドバルブ66が
オフで1−2シフトバルブ63のスプールが左側に位置
するときにローリバースブレーキ36に通じるローリバ
ースブレーキライン129に連通する。従って、Lレン
ジで第1ソレノイド66がオフのとき、ローリバースブ
レーキ36が締結される。
【0045】さらに、Rレンジでメインライン110に
連通する第4出力ライン114は、該ライン114から
分岐したライン130、ワンウェイオリフィス83、上
記ボールバルブ82及びライン128を介して1−2シ
フトバルブ63に導かれ、第1ソレノイドバルブ66が
オフで1−2シフトバルブ63のスプールが左側に位置
するときに上記ローリバースブレーキライン129に連
通する。また、上記出力ライン114は、リバースクラ
ッチライン131となって、リバースクラッチ34に至
っている。従って、Rレンジでは、第1ソレノイドバル
ブ66がオフのときにローリバースブレーキ36が締結
される一方、リバースクラッチ34が常に締結されるこ
とになる。尚、上記ワンウェイオリフィス83とボール
バルブ82との間で上記ライン130から分岐したライ
ン132には、リバースクラッチ締結時の緩衝用のアキ
ュムレータ84が接続されている。
【0046】また、この油圧制御回路60には、図6に
示すように、トルクコンバータ3内のロックアップクラ
ッチ17を作動させるためのロックアップシフトバルブ
85と、該ロックアップシフトバルブ85を介して上記
トルクコンバータ3に供給される油圧を調圧するロック
アップコントロールバルブ86とが設けられている。該
ロックアップコントロールバルブ86の一端のパイロッ
ト室86aには、メインライン110の油圧を一定圧に
減圧するソレノイドレデューシングバルブ87(図3参
照)から油圧(パイロット圧)を導くパイロットライン
133が接続され、該パイロットライン133にはロッ
クアップコントロールバルブ86の付近で第1デューテ
ィソレノイドバルブ88が設けられている。
【0047】上記ロックアップシフトバルブ85には、
上記レギュレータバルブ61からコンバータリリーフバ
ルブ89(図3参照)を介して導かれたトルクコンバー
タライン134が接続されているとともに、該シフトバ
ルブ85の一端のパイロット室85aには、ライン11
5を介してメインライン110に通じるパイロットライ
ン135が接続され、該パイロットライン135にはロ
ックアップ用のソレノイドバルブ90が設けられてい
る。そして、該ソレノイドバルブ90がオフのときにロ
ックアップシフトバルブ85のスプールが左側に位置す
ることにより、上記トルクコンバータライン134がト
ルクコンバータ3内に通じるロックアップ解放ライン1
36に連通し、これによりロックアップクラッチ17が
完全解放される。
【0048】一方、上記ソレノイドバルブ90がオンと
なってロックアップシフトバルブ85のスプールが右側
へ移動したとき、上記トルクコンバータライン134が
コンバータインライン137に連通するとともに、上記
ロックアップ解放ライン136がライン138を介して
ロックアップコントロールバルブ86に連通する。そし
て、上記パイロットライン133からロックアップコン
トロールバルブ86のパイロット室86aに導入される
パイロット圧を上記第1デューティソレノイド88によ
って調整することにより、上記コンバータインライン1
37を介して導入される締結圧と上記ロックアップ解放
ライン136を介して導かれる解放圧との差圧が制御さ
れて、ロックアップクラッチ17が完全締結状態もしく
は所定のスリップ状態に制御される。
【0049】さらに、図3に示すように、油圧制御回路
60には、ライン圧制御用の第2デュティーソレノイド
バルブ91の作動によってエンジン負荷に応じたスロッ
トルモデュレータ圧を発生させるスロットルモデュレー
タバルブ92が設けられ、該スロットルモデュレータバ
ルブ92で発生したスロットルモデュレータ圧は、ライ
ン139を介してレギュレータバルブ61に供給される
とともに、該ライン139から分岐したライン140を
介して上記コーストレデューシングバルブ76(図5参
照)におけるスプールの一端(図で左端)に設けられた
パイロット室76aに導入される。上記コーストレデュ
ーシングバルブ76におけるスプールの他端(図で右
端)に設けられたパイロット室76bには、コーストク
ラッチライン123の該バルブ76下流の油圧(コース
トクラッチ圧)がフィードバック入力されている。ま
た、コーストレデューシングバルブ76の中間部分に接
続されたライン141は2−3シフトバルブ64に導か
れているとともに、第2ソレノイドバルブ67がオンで
該シフトバルブ64のスプールが右側に位置するとき上
記ライン141がメインライン110に通じるライン1
42と連通して、メイン圧が上記スロットルモデュレー
タ圧と共にスプールを図面上の右方に付勢するように作
用する。これにより、上記第2ソレノイドバルブ67が
オンのときにはコーストクラッチ圧が増圧されて、コー
ストクラッチ32の分担トルクが大きくなる。一方、上
記第2ソレノイドバルブ67がオフのときには、上記2
−3シフトバルブ64のスプールが左側に移動し、上記
ライン141,142同士の連通が遮断される。これに
より、コーストクラッチ圧の増圧状態が抑制されて、コ
ーストクラッチ32の分担トルクが小さくなる。尚、上
記スロットルモデュレータ圧をレギュレータバルブ61
に供給するライン139には、その油圧の供給時におけ
る緩衝用のアキュムレータ93が接続されている。
【0050】以上の構成に加えて、図3及び図4に示す
ように、油圧制御回路60には、変速時における油圧の
給排タイミングの調整用として、バイパスバルブ94と
3−2タイミングバルブ95とが設けられている。上記
バイパスバルブ94は、3−4クラッチライン124上
のワンウェイオリフィス78をバイパスするバイパスラ
イン143上に設けられているとともに、このバイパス
バルブ94におけるスプールの一端(図で右端)に設け
られたパイロット室94aには上記3−4クラッチライ
ン124のワンウェイオリフィス78より下流の油圧
(3−4クラッチ圧)が導入されている。また、上記バ
イパスバルブ94におけるスプールの他端(図では左
端)に設けられたパイロット室94bには、上記ライン
140から分岐したライン144を介して、上記スロッ
トルモデュレータバルブ92で発生されるスロットルモ
デュレータ圧が導入されている。そして、3−4クラッ
チ圧が所定圧以上に上昇してスプールが左側に移動した
ときに、上記バイパスライン143を遮断するようにな
っている。従って、3−4クラッチ圧は、供給開始時に
はバイパスライン143を通って速やかに供給され、そ
の後ワンウェイオリフィス78によって供給が緩やかに
なる。このように、2−3シフトアップ変速時における
3−4クラッチ33の締結タイミングが調整され、また
そのタイミングがエンジンのスロットル開度に応じて変
更されることになる。
【0051】また、上記3−2タイミングバルブ95
は、1−2シフトバルブ63から導かれたサーボアプラ
イライン121上のワンウェイオリフィス73及び排圧
コントロールバルブ74をバイパスするバイパスライン
145上に設置されている。このタイミングバルブ95
の一端(図で右端)のパイロット室95aには、メイン
ライン110から分岐したパイロットライン146が連
通されているとともに、該パイロットライン146には
バイパス制御用のソレノイドバルブ96が接続されてい
る。そして、上記ソレノイドバルブ96がオンでタイミ
ングバルブ95のスプールが右側に位置するときには、
バイパスライン145を通して作動油を2−4ブレーキ
35の締結室38bに速やかに供給する一方、上記ソレ
ノイドバルブ96がオフとなりタイミングバルブ95の
スプールが左側に位置するときには、バイパスライン1
45を遮断し、ワンウェイオリフィス73によって作動
油を2−4ブレーキ35の締結室38bに緩やかに供給
するようになっている。尚、上記タイミングバルブ95
のパイロット室95aに導かれるパイロット圧は、パイ
ロットライン147を介して上記ローレデューシングバ
ルブ80(図6参照)の一端のパイロット室80aにも
導入されている。従って、上記ソレノイドバルブ96を
オンにすると、第3出力ライン113がローレデューシ
ングバルブ80で遮断され、ローリバースブレーキ36
の締結が遅れることになる。
【0052】一方、上記2−3シフトバルブ64には、
スプールが右側に位置したときに3−4クラッチライン
124に連通するドレンポート64cが設けられている
とともに、該ドレンポート64cには第1ドレンライン
148が接続されている。また、上記第1ドレンライン
148からは第2ドレンライン149(図3参照)が分
岐され、該第2ドレンライン149は、上記タイミング
バルブ95に導かれているとともに、該タイミングバル
ブ95のスプールが右側に位置するとき、上記第2ドレ
ンライン149がタイミングバルブ95に設けられたド
レンポート95bに連通するようになっている。従っ
て、第2ソレノイドバルブ67がオンで2−3シフトバ
ルブ64が右側に位置するときには、3−4クラッチ3
3に通じる3−4クラッチライン124が第1ドレンラ
イン148に連通する。これにより、3−4クラッチ圧
は第1ドレンライン148から比較的緩やかに排出され
る。一方、この状態でバイパス制御用ソレノイドバルブ
96をオンしてタイミングバルブ95のスプールを右側
に移動させると、上記第1ドレンライン148が第2ド
レンライン149を介してタイミングバルブ95のドレ
ンポート95bに連通することになるので、3−4クラ
ッチ圧は第1及び第2ドレンライン148,149の両
方から速やかに排出されることになる。
【0053】ここで、図7に示すように、上記油圧制御
回路60の全てのソレノイドバルブ、つまり変速用の第
1〜第3ソレノイドバルブ66〜68、ロックアップ用
ソレノイドバルブ90、バイパス制御用ソレノイドバル
ブ96及び第1,第2デューティソレノイドバルブ8
8,91は、変速制御手段としてのコントローラ200
によって作動が制御されるようになっている。該コント
ローラ200には、自動変速機ATを搭載する自動車の
車速を検出する車速センサ201からの信号と、エンジ
ンのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ2
02からの信号と、上記自動変速機ATに備えられたシ
フトレバー(図示せず)の位置(レンジ)を検出するシ
フト位置センサ203からの信号と、トルクコンバータ
3のタービン回転数を検出するタービン回転数センサ2
04からの信号と、作動油の温度を検出する油温センサ
205からの信号と、アクセルペダルの踏込み時にON
動作をするアクセルスイッチ206からの信号とが入力
されるようになっている。そして、上記コントロール2
00は、シフトレバーで選択された各レンジ毎に、自動
車の車速とエンジンのスロットル開度とに応じて予め設
定されたマップに基づいて上記変速用の各ソレノイドバ
ルブ66〜68をオン・オフ制御する。これにより、各
シフトバルブ63〜65のスプールの位置が切換わって
各摩擦締結要素31〜36が表1に示す組合わせで締結
されて、変速段が運転状態に応じて切換えられる。この
場合、各レンジないし変速段と変速用の各ソレノイドバ
ルブ66〜68のオン・オフの組合せパターンとの関係
は、表2に示すように設定されている。
【0054】
【表2】
【0055】次に、表2を参照しつつ、各走行レンジ
(R,D,S,Lレンジ)ないし変速段における、油圧
制御回路60内の油圧の供給経路を説明する。
【0056】(1) Rレンジの場合、マニュアルバル
ブ62はRレンジ位置をとり、第1及び第2ソレノイド
バルブ66,67はオフされ、第3ソレノイドバルブ6
8はオンされる。
【0057】この場合、第4出力ライン114がメイン
ライン110と連通して該出力ライン114に油圧(ラ
イン圧)が供給され、この油圧がリバースクラッチライ
ン131を介してリバースクラッチ34に供給され、リ
バースクラッチ34が締結される。また、第4出力ライ
ン114内の油圧は、順に、3−4シフトバルブ65
と、ボールバルブ82と、ライン128と、1−2シフ
トバルブ64と、ローリバースブレーキライン129と
を介してローリバースブレーキ36に供給され、ローリ
バースブレーキ36が締結される。他の摩擦締結要素は
油圧が供給されないので解放される。
【0058】(2) Dレンジ1速の場合、マニュアル
バルブ62はDレンジ位置(図4はこの状態を示す)を
とり、第1及び第2出力ライン111,112がメイン
ライン110と連通して該両出力ライン111,112
に油圧が供給される。尚、これは以下のDレンジ2〜4
速でも同様である。そして、第1ソレノイドバルブ66
はオフされ、第2及び第3ソレノイドバルブ67,68
はオンされる。
【0059】この場合、第1出力ライン111内の油圧
が、フォワードクラッチライン119を介してフォワー
ドクラッチ31に供給され、フォワードクラッチ31が
締結される。また、各シフトバルブ63〜65からはい
ずれも油圧が出力されないので、他の摩擦締結要素は解
放される。
【0060】(3) Dレンジ2速の場合、第1〜第3
ソレノイドバルブ66〜66は全てオンされる。
【0061】この場合、Dレンジ1速の場合と同様にフ
ォワードクラッチ31が締結される。さらに、第1出力
ライン111内の油圧が、順に、1−2シフトバルブ6
3と、サーボアプライライン121とを介して2−4ブ
レーキ35のアプライポート35bに供給される。この
とき、解除室38cに油圧が供給されないので、2−4
ブレーキ35が締結される。他の摩擦締結要素は油圧が
供給されないので解放される。
【0062】(4) Dレンジ3速の場合、第1ソレノ
イドバルブ66はオンされ、第2及び第3ソレノイドバ
ルブ67,68はオフされる。
【0063】この場合、Dレンジ2速の場合と同様に、
フォワードクラッチ31が締結され、かつ締結室38b
に油圧が供給される。しかし、後で説明するように、解
除室38cにも油圧が供給されるので、2−4ブレーキ
35は解放される。
【0064】そして、第1出力ライン111内の油圧
が、順に、3−4シフトバルブ65と、コーストクラッ
チライン123とを介してコーストクラッチ32に供給
され、コーストクラッチ32が締結される。また、第2
出力ライン112内の油圧が、順に、2−3シフトバル
ブ64と、3−4クラッチライン124とを介して3−
4クラッチ33に供給され、3−4クラッチ33が締結
される。さらに、上記3−4クラッチライン124内の
油圧が、順に、ライン126と、3−4シフトバルブ6
5と、サーボリリースライン127とを介して2−4ブ
レーキ35の解除室38cに供給され、前述した通り2
−4ブレーキ35が解放される。尚、リバースクラッチ
34とローリバースブレーキ36とは、油圧が供給され
ないので解放される。
【0065】(5) Dレンジ4速の場合、第1及び第
3ソレノイドバルブ66,68はオンされ、第2ソレノ
イドバルブ67はオフされる。
【0066】この場合、Dレンジ2速の場合と同様に、
フォワードクラッチ31と2−4ブレーキ35とが締結
される。また、Dレンジ3速の場合と同様に、3−4ク
ラッチ33が締結される。他の摩擦締結要素は油圧が供
給されないので解放される。
【0067】(6) Sレンジ1速の場合、マニュアル
バルブ62はSレンジ位置をとるが、摩擦締結要素への
油圧の供給経路はDレンジ1速の場合と同様である。
【0068】(7) Sレンジ2速の場合、第1及び第
2ソレノイドバルブ66,67はオンされ、第3ソレノ
イドバルブ68はオフされる。
【0069】この場合、Dレンジ2速の場合と同様に、
フォワードクラッチ31と2−4ブレーキ35とが締結
される。また、Dレンジ3速の場合と同様に、コースト
クラッチ32が締結される。他の摩擦締結要素は、油圧
が供給されないので解放される。
【0070】(8) Sレンジ3速の場合、Dレンジ3
速の場合と同様である。
【0071】(9) Lレンジ1速の場合、マニュアル
バルブ31はLレンジ位置をとり、第1及び第3出力ラ
イン111,113がメインライン110と連通して該
両出力ライン111,113に油圧が供給される。第1
及び第3ソレノイドバルブ66,68はオフされ、第2
ソレノイドバルブ67はオンされる。
【0072】この場合、Dレンジ1速の場合と同様にフ
ォワードクラッチ31が締結され、またDレンジ3速の
場合と同様にコーストクラッチ32が締結される。さら
に、第3出力ライン113内の油圧が、順に、ローレデ
ューシングバルブ80と、ライン128と、1−2シフ
トバルブ63と、ローリバースブレーキライン129と
を介してローリバースブレーキ36に供給され、ローリ
バースブレーキ36が締結される。他の摩擦締結要素
は、油圧が供給されないので解放される。
【0073】(10) Lレンジ2速の場合、マニュア
ルバルブ62はLレンジ位置をとるが、摩擦締結要素へ
の油圧供給経路はSレンジ2速の場合と同様である。
【0074】そして、本発明の一実施例に係わる変速制
御方法は、上記コントロール200による上記Dレンジ
での変速制御のうち、3速変速段から1速変速段に変速
する時における2−4ブレーキ35の切換制御に適用す
るものである。以下、この変速制御方法について、図8
及び図9を参照しつつ説明する。図8は3速変速段から
1速変速段への変速時における第1〜第3ソレノイドバ
ルブ66〜68の切換制御のフローチャートであり、図
9は3速変速段から1速変速段を経て2速変速段に変速
するときの2−4ブレーキ35の油圧アクチュエータ3
8の作動状態、第1〜第3ソレノイドバルブ66〜68
のON−OFF切換及び上記2−4ブレーキ35の各室
38b,38c内等の油圧の変化状態を示す。尚、図9
(b)中、2−4ブレーキ35の締結室38b内の油圧
の変化状態は破線Bで、解除室38c内の油圧の変化状
態は一点鎖線Cで、3−4クラッチ33の油圧の変化状
態は実線Aでそれぞれ示す。
【0075】3速変速段の時には、第1ソレノイドバル
ブ66はオンに、第2及び第3ソレノイドバルブ67,
68は共にオフにされて、2−4ブレーキ35の締結室
38b及び解除室38cにそれぞれ圧油が供給されてい
る。この時、2−4ブレーキ35は、スプリング38d
の付勢力によりピストン38aが締結室38b側に寄っ
た解除状態にある(図9(a−1)の状態)。
【0076】このような3速変速段から1速変速段に変
速するときには、図8に示すフローチャートに従って行
われる。すなわち、スタートした後、先ず、アクセルス
イッチ206がONでないこと、つまりいわゆるキック
ダウンでないことを確認した後(ステップS1 )、3速
変速段から1速変速段への変速時に1となる3−1変速
フラグの今回値F(t)が1で前回値F(t−Δt)が
0であるとき、つまり変速指令が出力された直後の時に
は、第1〜第3ソレノイドバルブ66〜68は全てはオ
ンにされる(ステップS2 〜S4 )。この状態は、第2
変速段の時と同じであり、2−4ブレーキ35の締結室
38bに圧油が供給されたまま解除室38cから圧油が
排除される。この際、2−4ブレーキ35のピストン3
8aは締結室38b内の圧油による押圧力を受けて解除
室38c側に移動し、この移動に伴い解除室38c内の
圧油が強制的に排除される(図9(a−2)の状態)。
この状態は、タイマーの初期値TMに対応する時間(T
M/Δt)が経過するまで継続される(ステップS5 〜
S7 )。
【0077】上記時間(TM/Δt)が経過した時、第
1ソレノイドバルブ66はオフに、第2及び第3ソレノ
イドバルブ67,68は共にオンにされ(ステップS8
)、2−4ブレーキ35の締結室38b及び解除室3
8cはそれぞれ圧油が排除される。この際、2−4ブレ
ーキ35のピストン38aはスプリング38dの付勢力
により解除室38c側から締結室38b側に移動し、こ
の移動に伴い締結室38b内の圧油が強制的に排除され
る(図9(a−3)の状態)。また、解除室38cに油
が殆ど残っていない状態のままである。
【0078】そして、このような状態の1速変速段から
2速変速段に変速する時には、2−4ブレーキ35の締
結室38bのみに圧油が供給されて、ピストン38aが
解除室38c側に移動して締結状態となる。この際、上
記解除室38c内には油が殆ど残っていないので、上記
ピストン38aの移動によって解除室38c内で残圧が
発生することは殆どない。この結果、ピストン38aの
移動ひいては2−4ブレーキ35の切換を円滑に行うこ
とができ、その切換タイミングの遅れに起因する変速シ
ョックの発生を防止することができる。
【0079】
【発明の効果】以上の如く、本発明における自動変速機
の変速制御方法によれば、自動変速レンジでの変速制御
のうち、摩擦締結要素の解除室に圧油が供給される初期
変速段から締結室及び解除室共に圧油が排除される
間の変速段を経て、締結室のみに圧油が供給される目的
の変速段に変速する時、その初期の変速段から中間の変
速段への変速の際に、締結室に圧油を供給して解除室の
圧油を積極的に排除する状態を経由して変速しているの
で、自動変速レンジでの変速制御のうち、上記中間の
速段から締結室のみに圧油が供給される目的の変速段に
変速する時に解除室内で残圧が発生するのを防止するこ
とができ、変速ショックの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる自動変速機の概略構成
図である。
【図2】同自動変速機の油圧制御回路のうち、変速機本
体付近を示す油圧回路図である。
【図3】同じくレギュレータバルブ付近を示す油圧回路
図である。
【図4】同じくマニュアルバルブ付近を示す油圧回路図
である。
【図5】同じく3−4シフトバルブ付近を示す油圧回路
図である。
【図6】同じくロックアップシフトバルブ付近を示す油
圧回路図である。
【図7】ソレノイドバルブ制御系のブロック構成図であ
る。
【図8】3速変速段から1速変速段への変速時における
第1〜第3ソレノイドバルブの切換制御のフローチャー
ト図である。
【図9】3速変速段から1速変速段を経て2速変速段に
変速するときの2−4ブレーキの油圧アクチュエータの
作動状態、第1〜第3ソレノイドバルブのON−OFF
切換及び上記2−4ブレーキの各室内等の油圧の変化状
態を示す図である。
【図10】従来例を示す図9相当図である。但し、第1
〜第3ソレノイドバルブのON−OFF切換の変化状態
は省略する。
【符号の説明】
35 2−4ブレーキ(摩擦締結要素) 38a ピストン 38b 締結室 38c 解除室
フロントページの続き (72)発明者 篠塚 浩 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 馬場 文章 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 岡本 健治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−83543(JP,A) 実開 昭62−114250(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの前後に締結室と解除室とが設
    けられた摩擦締結要素を備え、該摩擦締結要素は、その
    締結室のみに圧油が供給されるときに締結し、締結室及
    び解除室共に圧油が供給されるとき又は両室共に圧油が
    排除されるときに締結を解除するように構成されている
    自動変速機において、自動変速レンジでの変速制御のうち、 上記摩擦締結要素
    の解除室に圧油が供給される初期の変速段から上記両
    室共に圧油が排除される中間の変速段を経由して、締結
    室のみに圧油が供給される目的の変速段に変速する
    き、上記初期の変速段から中間の変速段への変速の際
    に、締結室に圧油を供給して解除室の圧油を積極的に排
    除する状態を経由して変速することを特徴とする自動変
    速機の変速制御方法。
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