JPH05346160A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH05346160A
JPH05346160A JP4179279A JP17927992A JPH05346160A JP H05346160 A JPH05346160 A JP H05346160A JP 4179279 A JP4179279 A JP 4179279A JP 17927992 A JP17927992 A JP 17927992A JP H05346160 A JPH05346160 A JP H05346160A
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JP
Japan
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pressure
supplied
shift
line
hydraulic chamber
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Application number
JP4179279A
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English (en)
Inventor
Kazunori Enokido
一典 榎戸
Hidehiko Mishima
英彦 三島
Tatsutoshi Mizobe
龍利 溝部
Toshihisa Marusue
敏久 丸末
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Priority to EP19930105857 priority patent/EP0565111A3/en
Priority to CN 93103729 priority patent/CN1034003C/zh
Priority to KR1019930006072A priority patent/KR960016252B1/ko
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝達トルクが異なる複数の変速段で締結され
る特定の摩擦要素を有し、該特定摩擦要素を締結させる
締結圧を電磁弁により制御する自動変速機において、上
記電磁弁の耐久性を向上させると共に電力消費量を抑制
することを目的とする。 【構成】 伝達トルクの大きい2速と伝達トルクの小さ
い4速とで締結される直結クラッチ32に対して、4速
時には、ライン42から第4、第5シフトバルブ64,
65を介して受圧面積の小さな第2油圧室322に締結
圧を供給し、且つ第2リニアソレノイドバルブ103を
非通電状態としてライン42からのライン圧を受圧面積
の大きな第1油圧室321に締結圧を供給すると共に、
4−3変速時には、上記第2リニアソレノイド103を
通電状態として受圧面積の大きな第1油圧室321から
締結圧を排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に搭載される自動
変速機の制御装置、特に伝達トルクが異なる複数の変速
段で締結される特定の摩擦要素を有する自動変速機の制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータと変速機構とを連結
し、この変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選
択的締結によって切り換えることにより、変速段を自動
的に切り換えるようにした自動変速機においては、所定
の摩擦要素が伝達トルクの異なる複数の変速段で締結さ
れる場合があり、その例として、例えば特開昭61−9
9745号公報に開示されているような主変速機と副変
速機とを有する自動変速機における副変速機側の摩擦要
素がある。
【0003】つまり、この種の自動変速機において、例
えば主変速機の低速段に副変速機の低速段または高速段
を組み合せて1速および2速を構成し、次に主変速機の
中速段に副変速機の低速段または高速段を組み合せるこ
とにより3速および4速を構成する場合に、副変速機に
おいて例えば高速段で締結される摩擦要素は2速と4速
で締結されることになる。その場合に、この摩擦要素
は、2速で締結される場合には、主変速機側の変速段は
低速段であるから、大きな入力トルクを伝達しなければ
ならないのに対し、4速で締結される場合には、主変速
機側の変速段が中速段であるから、比較的小さな入力ト
ルクを伝達すれば良いことになり、このように、副変速
機側の特定の摩擦要素が、伝達トルクが異なる複数の変
速段で締結される場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、副変速機における特定の摩擦要素を伝達トルクが異
なる複数の変速段で締結する場合に、その摩擦要素のト
ルク容量が一定であると、伝達トルクが大きな変速段で
は、容量が不足してトルクの伝達が不確実になったり、
変速時に変速動作が完了するのに長時間を要したりする
ことになり、また、これを回避するためにトルク容量を
大きくすると、伝達トルクが小さな変速段で該容量が過
大となって、変速時のショックが大きくなったりするこ
とになる。
【0005】これに対しては、摩擦要素に対する締結圧
の給排を制御する油圧回路に、伝達トルクが異なる複数
の変速段で締結される特定の摩擦要素に供給する締結圧
を変速段によって高圧もしくは低圧に切り換える締結圧
切換手段を設け、各変速段毎に伝達トルクに応じてトル
ク容量を可変にすれば良いのであるが、この場合、油圧
回路の構造が複雑化することになる。
【0006】そこで、伝達トルクが異なる複数の変速段
において、各変速段で必要とされる伝達トルクに応じた
締結力で特定の摩擦要素を締結させるために、例えば受
圧面積の異なる大小2つの油圧室を設け、伝達トルクが
大きい変速段では受圧面積の大きな油圧室に締結圧を供
給し、また伝達トルクが小さい変速段では、受圧面積の
大きな油圧室より締結圧を排出させ、且つ受圧面積の小
さな油圧室に締結圧を供給することが考えられる。
【0007】そして、上記の受圧面積の異なる大小の油
圧室に供給される締結圧を調整する電磁弁として、リニ
アソレノイドバルブやデューティソレノイドバルブ等の
電磁弁を用いることがあり、該電磁弁により、上記特定
の摩擦要素の油圧室の一方に給排される締結圧を制御
し、特定の摩擦要素の油圧室の他方に締結圧が供給され
る場合には、該電磁弁を切り換えて上記一方の油圧室よ
り締結圧を排出させることが考えられる。この場合、通
常、上記電磁弁を通電状態としてその作動を制御し、特
定の摩擦要素の油圧室の一方より締結圧を排出させるよ
うに構成される。このため、上記特定の摩擦要素の油圧
室の他方に締結圧が供給される変速段においては、常に
電磁弁が通電状態とされることになって、該電磁弁の耐
久性が問題となり、しかも、消費電力が増大することに
なる。
【0008】そこで本発明は、伝達トルクが異なる複数
の変速段で締結される特定の摩擦要素を有し、且つ該特
定摩擦要素を締結させる締結圧を電磁弁により制御する
自動変速機において、上記電磁弁に対する通電状態を特
定摩擦要素の締結状態に応じて適切に制御することによ
り、該電磁弁の耐久性を向上させると共に電力消費を抑
制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、伝達トルクが異なる複数の変速段
で締結される特定の摩擦要素を有する自動変速機の制御
装置において、上記特定摩擦要素を締結させる締結圧が
供給される油圧室として、伝達トルクが大きい変速段で
締結圧が供給される受圧面積の大きな第1油圧室と、伝
達トルクが小さい変速段で締結圧が供給される受圧面積
の小さな第2油圧室とを設けると共に、上記第1、第2
油圧室の一方に給排される締結圧を制御する電磁弁を有
し、その電磁弁として非通電時に油圧源からの元圧を調
圧することなく直接出力する電磁弁を使用すると共に、
上記第1、第2油圧室の他方への締結圧の供給による変
速段達成後に上記電磁弁への通電を遮断する制御手段を
設けたことを特徴とする。
【0011】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2発明という)は、上記第1発明における電磁弁を、
第1、第2油圧室のうち第1油圧室に給排される締結圧
を制御すると共に、非通電時に油圧源からの元圧を調圧
することなく直接出力するように構成し、更に、制御手
段を、上記第1、第2油圧室のうち第2油圧室への締結
圧の供給による変速段達成後に上記電磁弁への通電を遮
断するように構成したことを特徴とする。
【0012】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3発明という)は、上記第1発明または第2発明にお
ける第1油圧室と第2油圧室とを、大径のピストンと小
径のピストンとによってそれぞれ構成したことを特徴と
する。
【0013】更にまた、本願の請求項4に係る発明(以
下、第4発明という)は、上記第1発明における制御手
段を、第1、第2油圧室の他方への締結圧の供給による
変速段達成後に電磁弁への通電を遮断し、且つこれら両
油圧室の両方に締結圧が供給されて特定摩擦要素が締結
される変速段から該特定摩擦要素が解放される変速段へ
の変速時に、両油圧室のいずれか一方の油圧室の締結圧
を先に排出させ、その後、他方の油圧室より締結圧を排
出させるように構成したことを特徴とする。
【0014】
【作用】第1発明によれば、特定の摩擦要素を締結させ
る締結圧が供給される上記第1、第2油圧室の他方への
締結圧の供給による変速段達成後に、電磁弁が非通電状
態とされることになる。即ち、上記他方の油圧室へ締結
圧が供給される変速段への変速過度期のみ電磁弁が通電
状態とされることになるので、該電磁弁の耐久性が向上
すると共に、電力消費量が低減されることになる。
【0015】また、第2発明によれば、上記第1発明と
同様に、上記第1、第2油圧室のうち第2油圧室への締
結圧の供給による変速段達成後に電磁弁が非通電状態と
され、これにより、該電磁弁の耐久性が向上し電力消費
量が低減される。特に、この第2発明によれば、受圧面
積の小さな第2油圧室に締結圧が供給される変速段、即
ち、通常走行時において特に使用頻度が高い伝達トルク
が小さな変速段では、上記電磁弁が非通電状態とされる
ことになるので、該電磁弁の耐久性がより向上すると共
に電力消費量が更に一段と抑制されることになる。
【0016】ところで、上記第1、第2発明のように受
圧面積の異なる第1油圧室と第2油圧室とを形成する場
合、両室を1つのピストンの背面の内周部と外周部とに
形成することができるが、この場合、上記第1、第2油
圧室のそれぞれについて所要のトルク容量に合致した受
圧面積を確保しようとするとピストン径が大型化するこ
とになる。これに対して、第3発明によれば、受圧面積
の異なる第1、第2油圧室が大径及び小径の2つのピス
トンによってそれぞれ形成されることになるので、両室
を1つのピストンの内、外周部に形成する場合に比べて
ピストン径を小さくすることができる。
【0017】一方、上記第1、第2発明によれば、第
1、第2油圧室のうち他方の油圧室(第2発明において
は第2油圧室)に締結圧が供給される変速段では、電磁
弁が非通電時状態とされて該電磁弁により油圧源からの
元圧が第1、第2油圧室のうち一方の油圧室(第2発明
においては第1油圧室)にも供給されることになり、こ
の状態の変速段より特定の摩擦要素が解放される変速段
への変速時に、本来、他方の油圧室より締結圧を排出す
れば良いところが、第1、第2油圧室の両方から締結圧
を排出する必要がある。この場合、両油圧室より同時に
締結圧を排出させた場合には、特定の摩擦要素の締結力
が急激に低下し、この締結力の急激な変化が変速ショッ
クを増大させる原因となるのであるが、第4発明によれ
ば、上記第1、第2油圧室の両方に締結圧が供給されて
特定摩擦要素が締結される変速段から該特定摩擦要素が
解放される変速段への変速時には、制御手段により、上
記両油圧室のいずれか一方の油圧室の締結圧が先に排出
され、その後、他方の油圧室より締結圧が排出されるこ
とになり、これにより、両油圧室より同時に締結圧を排
出させる場合のように、締結力が急激に低下することが
抑制されることになって、変速ショックの増大が防止さ
れる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0019】図1に示すように、この実施例に係る自動
変速機1は、トルクコンバータ10と、該トルクコンバ
ータ10と同一軸線上に配置された主変速機20と、こ
れらの軸線と平行な軸線上に配置された副変速機30と
を有する。
【0020】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、
該ポンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動
油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12と
タービン13との間に配置され、かつワンウェイクラッ
チ14を介して変速機ケース3に支持されたステータ1
5と、上記タービン13に連結されたコンバータ出力軸
16と、上記ケース11を介して該出力軸16をエンジ
ン出力軸2に直結するロックアップクラッチ17とで構
成されている。
【0021】なお、トルクコンバータ10と主変速機2
0との間には、該トルクコンバータ10を介してエンジ
ン出力軸2に駆動されるオイルポンプ4が配置されてい
る。
【0022】上記主変速機20は、コンバータ出力軸1
6上におけるトルクコンバータ側に配置されたフロント
遊星歯車機構21と、反トルクコンバータ側に配置され
たリヤ遊星歯車機構22とを有する。そして、上記コン
バータ出力軸16が、前進クラッチ23を介してフロン
ト遊星歯車機構21のサンギヤ21aに、また、直結ク
ラッチ24を介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ2
2aにそれぞれ結合されるようになっていると共に、フ
ロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aとリヤ遊星歯
車機構22のリングギヤ22bとが結合されている。
【0023】また、フロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ21bと変速機ケース3との間には、第1ワンウェ
イクラッチ25とローリバースブレーキ26とが並列に
配置されていると共に、リヤ遊星歯車機構22のサンギ
ヤ22aと変速機ケース3との間には、第2ワンウェイ
クラッチ27と3−4ブレーキ28とが直列に配置さ
れ、かつ、これらに並列にエンジンブレーキ用のコース
トブレーキ29が配置されている。そして、フロント遊
星歯車機構21及びリヤ遊星歯車機構22のピニオンキ
ャリヤ21c,22cが結合され、これらに主変速機2
0から副変速機30へ動力を伝達する中間ギヤ5が連結
されている。
【0024】このような構成により、この主変速機20
によれば、上記前進クラッチ23、直結クラッチ24、
3−4ブレーキ28及びローリバースブレーキ26を選
択的に締結させることにより、前進の低速段、中速段及
び高速段と後退段とが得られることになる。
【0025】一方、副変速機30は単一の遊星歯車機構
31を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常
時噛み合った中間ギヤ6が該遊星歯車機構31のリング
ギヤ31aに連結されていると共に、該リングギヤ31
aとサンギヤ31bとの間には直結クラッチ32が配置
され、かつ、サンギヤ31bと変速機ケース3との間に
は、第3ワンウェイクラッチ33と減速ブレーキ34と
が並列に配置されている。そして、該遊星歯車機構31
のピニオンキャリヤ31cに出力ギヤ7が連結され、該
ギヤ7から差動装置を介して左右の駆動輪(図示せず)
に動力が伝達されるようになっている。
【0026】この副変速機30は、主変速機20から中
間ギヤ5,6を介して入力される動力を低速段と高速段
の前進2段に変速して出力ギヤ7に出力することができ
るようになっている。
【0027】つまり、直結クラッチ32が解放されてい
る状態では、第3ワンウェイクラッチ33もしくは減速
ブレーキ34によって遊星歯車機構31のサンギヤ31
bが固定されることにより、該遊星歯車機構31のリン
グギヤ31aに入力される中間ギヤ6からの動力が減速
されてピニオンキャリヤ31cから出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより低速段が得られる。その場合に、上記減
速ブレーキ34が締結されておれば、この副変速機30
の単体として、エンジンブレーキが作動することにな
る。
【0028】また、上記直結クラッチ32が締結され、
かつ減速ブレーキ34が解放されておれば、該遊星歯車
機構31のリングギヤ31aとサンギヤ31bとが結合
されることにより、上記中間ギヤ6からの動力がピニオ
ンキャリヤ31cからそのまま出力ギヤ7に出力され、
これにより高速段(直結段)が得られることになる。
【0029】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して高低2段の変
速段が得られるから、自動変速機の全体としては前進に
ついては6段の変速段が得られ、また、後退について
は、主変速機20の後退段と副変速機30の減速ブレー
キ34が締結された低速段との組合せで全体としての後
退段が得られることになる。そして、この実施例では、
前進変速段としては上記6段のうちの所定の5段(1速
から5速用)を採用するようになっている。
【0030】ここで、この前進5段、後退1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)は、エン
ジンブレーキ用のレンジのみで締結されることを示す。
【0031】
【表1】 なお、この実施例では、副変速機30における直結クラ
ッチ32と減速ブレーキ34の締結用ピストンとして、
図2に示すような2重構造のピストンが採用されてい
る。
【0032】つまり、直結クラッチ32は、中間ギヤ6
及び遊星歯車機構31のリングギヤ31aが一体的に形
成されたハブ部材32aと、上記遊星歯車機構31のサ
ンギヤ31bが固着された軸35に一体のドラム部材3
2bとの間に駆動側及び被駆動側の複数の摩擦板32
c,32dを交互に配設すると共に、これらの摩擦板3
2c,32dの背部に受圧面積の大きい大径の第1ピス
トン32eを配置し、かつ、さらにその背部に受圧面積
の小さい小径の第2ピストン32fを配置し、また、両
ピストン32e,32fのリターンスプリング32gを
備えた構成とされている。
【0033】そして、油路36により締結圧が導入され
る第1ピストン32eの背部の第1油圧室321と、油
路37により締結圧が導入される第2ピストン32fの
背部の第2油圧室322とが設けられ、これらの油圧室
321,322に同一の締結圧が導入された場合に、第1
油圧室321に導入された場合の方が第2油圧室322
導入された場合より大きな締結力が得られるようになっ
ている。
【0034】また、減速ブレーキ34は、上記直結クラ
ッチ32のドラム部材32bと変速機ケース3との間に
駆動側及び被駆動側の複数の摩擦板34a,34bを交
互に配設し、リターンスプリング34cに抗してこれら
の摩擦板34a,34bを締結させるピストン34dを
備えると共に、該ピストン34dの背部に、受圧面積の
大きい内周側の第1油圧室341と、受圧面積の小さい
外周側の第2油圧室342とを同心状に設けた構成とさ
れている。そして、これらの油圧室341,342に同一
の締結圧が導入された場合に、第1油圧室341に締結
圧が導入された場合の方が第2油圧室342に導入され
た場合より大きな締結力が得られるようになっている。
【0035】次に、上記表1に従って各クラッチ及びブ
レーキを選択的に締結させることにより、運転状態もし
くは運転者の要求に応じた変速段を形成する油圧回路に
ついて説明する。
【0036】図3に示すように、この油圧回路40に
は、まず、オイルポンプ4から吐出される作動油の圧力
を所定圧力のライン圧に調整するレギュレータバルブ4
1が備えられ、該レギュレータバルブ41によって調整
されたライン圧が、メインライン42により、運転者に
よって操作されるマニュアルバルブ43と、各種制御用
元圧を生成する第1〜第3レデューシングバルブ44,
45,46とに供給されるようになっている。
【0037】これらのレデューシングバルブ44〜46
のうち、第1レデューシングバルブ44によって一定圧
に減圧された制御用元圧はライン47を介してモデュレ
ータバルブ48に供給されるようになっている。そし
て、このモデュレータバルブ48の制御ポート48aに
はデューティソレノイドバルブ49によって調整された
制御圧が供給され、このデューティソレノイドバルブ4
9のデューティ率(1ON,OFFサイクル中のON時
間の比率)に応じて上記制御元圧からモデュレータ圧が
生成されると共に、このモデュレータ圧がライン50を
介して上記レギュレータバルブ41の第1増圧ポート4
1aに供給され、これにより、ライン圧が上記デューテ
ィ率に応じて増圧されるようになっている。その場合
に、上記デューティ率は例えばエンジンのスロットル開
度等に応じて設定さることにより、ライン圧が該スロッ
トル開度等に応じた値に調整されることになるなお、上
記モデュレータ圧をレギュレータバルブ41の第1増圧
ポート41aに供給するライン50には、デューティソ
レノイドバルブ49の周期的ON,OFF動作に起因す
る油圧の脈動を抑制するための第1アキュムレータ51
が設置されている。
【0038】また、上記マニュアルバルブ43は、D,
3,2,1の各前進レンジと、R(後退)レンジと、N
(中立)レンジと、P(駐車)レンジの設定が可能とさ
れており、前進レンジでは、上記メインライン42を前
進ライン52に、Rレンジでは後退ライン53にそれぞ
れ接続させるようになっている。
【0039】上記前進ライン52は、作動油の供給時と
排出時とで絞り量を異ならせたオリフィス54を介して
前進クラッチ23に導かれており、したがって、D,
3,2,1の各前進レンジでは、前進クラッチ23が常
時締結されることになる。その場合に、この前進ライン
52には、前進クラッチ23への締結圧の供給時におけ
るショックを緩和するための第2アキュムレータ55が
設置され、このアキュムレータ55に上記メインライン
42からライン56を介して背圧が供給されるようにな
っている。
【0040】また、上記後退ライン53は、副変速機3
0における減速ブレーキ34の受圧面積の大きな第1油
圧室341に直接導かれており、したがって、Rレンジ
では、この第1油圧室341に導入されるライン圧によ
り、減速ブレーキ34が大きな締結力で締結されること
になる。なお、この後退ライン53からはレギュレータ
バルブ41の第2増圧ポート41bに通じるライン57
が分岐され、Rレンジでライン圧の調整値を高くするよ
うになっている。
【0041】一方、上記メインライン42、前進ライン
52及び後退ライン53からは、主変速機20における
変速用の第1、第2、第3シフトバルブ61,62,6
3と、副変速機30における変速用の第4、第5シフト
バルブ64,65とにライン圧が供給されるようになっ
ている。
【0042】これらのシフトバルブ61〜65は、いず
れも一端に制御ポート61a〜65aが設けられ、上記
第2レデューシングバルブ45から導かれた制御用元圧
ライン66が主変速機用の第1〜第3シフトバルブ61
〜63の各制御ポート61a〜63aに、また、第3レ
デューシングバルブ46から導かれた制御用元圧ライン
67が副変速機用の第4、第5シフトバルブ64,65
の各制御ポート64a,65aにそれぞれ接続されてい
る。
【0043】上記制御用元圧ライン66,67には、第
1〜第5シフトバルブ61〜65に対応させて第1〜第
5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75が設置され
ている。これらのON−OFFソレノイドバルブ71〜
75は、ON時に当該シフトバルブ61〜65の制御ポ
ート61a〜65a内をドレンさせるようになってお
り、従って、各シフトバルブ61〜65のスプールは、
対応するON−OFFソレノイドバルブ71〜75がO
Nのときに図面上、左側に位置し、OFFのときに右側
に位置することになる。
【0044】そして、これらのソレノイドバルブ71〜
75のON,OFFの組合せ、即ち各シフトバルブ61
〜65のスプールの位置の組合せに応じて、上記メイン
ライン42、前進ライン52もしくは後退ライン53か
ら各クラッチ及びブレーキに通じるラインが選択的に連
通され、これにより、前記表1に示すところに従って各
クラッチ及びブレーキが締結されて、1〜5速と後退速
とが得られることになる。その場合に、各クラッチ及び
ブレーキに供給される締結圧は、それぞれ次のようにし
て適正値に制御されるようになっている。
【0045】つまり、主変速機20における直結クラッ
チ24、コーストブレーキ29、ローリバースブレーキ
26及び3−4ブレーキ28については、ライン圧を減
圧して所定の締結圧に調整するためのコントロールバル
ブ76,77,78,79がそれぞれ備えられ、これら
のうち、コーストブレーキ用、ローリバースブレーキ用
及び3−4ブレーキ用のコントロールバルブ77,7
8,79については、制御ポート77a,78a,79
aに第1リニアソレノイドバルブ80によって調整され
た制御圧がライン81を介して供給されて、該制御圧に
応じて締結圧がそれぞれ制御されるようになっている。
【0046】また、直結クラッチ用コントロールバルブ
76の制御ポート76aには、ライン82によって直結
クラッチ24に供給される締結圧自体がワンウェイオリ
フィス83と第3アキュムレータ84とが設けられたラ
イン85を介して制御圧として供給され、このアキュム
レータ84の作動により該締結圧の立ち上がりが制御さ
れるようになっている。
【0047】なお、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0は、上記第1レデューシングバルブ44からライン4
7を介して供給される制御元圧をコントローラ(図4参
照)からの制御信号に応じて調整して、そのときの変速
段や運転状態に応じた制御圧を生成するようになってい
る。
【0048】また、上記直結クラッチ用コントロールバ
ルブ76と、上記ローリバースブレーキ用コントロール
バルブ78の一端に設けられたポート76b,78bに
は、上記後退ライン53から分岐された調圧動作禁止用
ライン86がそれぞれ接続され、Rレンジで、これらの
ポート76b,78bにライン圧が供給されてスプール
が図面上、左側の位置に固定されることにより、該直結
クラッチ用及びローリバースブレーキ用コントロールバ
ルブ76,78の調圧動作が阻止されるようになってい
る。さらに、3−4ブレーキ用コントロールバルブ79
の一端のポート79bには、コーストブレーキ29に締
結圧が供給されるときに、該締結圧がライン87を介し
て供給されて、該コントロールバルブ79の調圧動作が
制限されるようになっている。
【0049】また、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0によって生成された制御圧は、ライン81を介してア
キュムレータ用コントロールバルブ88の制御ポート8
8aにも供給されるようになっている。このコントロー
ルバルブ88は、メインライン42からライン89を介
して供給されるライン圧を上記第1リニアソレノイドバ
ルブ80からの制御圧に応じて調整して、上記第3アキ
ュムレータ84及び第4アキュムレータ90用の背圧を
生成し、これをライン91によって両アキュムレータ8
4,90の背圧ポート84a,90aに供給するように
なっている。
【0050】一方、副変速機30における締結圧の制御
用としては、直結クラッチ32の受圧面積の大きな第1
油圧室321および受圧面積の小さな第2油圧室322
供給される締結圧を調整する直結クラッチ用コントロー
ルバルブ101と、減速ブレーキ34の受圧面積の小さ
な第2油圧室342に供給される締結圧を調整する減速
ブレーキ用コントロールバルブ102と、第2リニアソ
レノイドバルブ103とが備えられている。なお、減速
ブレーキ34の受圧面積の大きな第1油圧室341
は、前述のように、Rレンジでマニュアルバルブ43か
ら後退ライン53を介してライン圧が直接供給される。
【0051】上記第2リニアソレノイドバルブ103
は、メインライン42からライン圧が制御元圧として供
給され、これをコントローラからの制御信号(制御電
流)に応じて調整した上で、ライン104及び第5シフ
トバルブ65から、ライン105もしくはライン106
を介して減速ブレーキ用コントロールバルブ102の制
御ポート102aに供給し、もしくは直結クラッチ32
の第1油圧室321に連通して該油圧室321の油圧を調
整するようになっており、図4に示すように、制御電流
が0の場合には、メインライン42から供給されるライ
ン圧を調圧(減圧)することなく該ライン圧を直接出力
し、制御電流が増加するに従ってライン圧を低下させて
所定の出力油圧を出力するように構成されている。な
お、上記第1リニアソレノイドバルブ80についても同
様の構成とされている。
【0052】そして、上記減速ブレーキ用コントロール
バルブ102は、上記のようにして第2リニアソレノイ
ドバルブ103で生成された制御圧が制御ポート102
aに供給されているときに、メインライン42からライ
ン107、第4シフトバルブ64、ライン108、第5
シフトバルブ65及びライン109を介して供給される
ライン圧を上記制御圧に応じて調整し、これをライン1
10を介して減速ブレーキ34の第2油圧室342に供
給する。
【0053】一方、直結クラッチ用コントロールバルブ
101には、メインライン42からライン107、第4
シフトバルブ64、ライン111を介してライン圧が供
給され、これを調整した上で、ワンウェイオリフィス1
12、ライン113及び第5シフトバルブ65から、上
記ライン106もしくはライン114を介して直結クラ
ッチ32の第1油圧室321もしくは第2油圧室322
選択的に供給するようになっている。
【0054】そして、この直結クラッチ用コントロール
バルブ101の制御ポート101aには、上記直結クラ
ッチ32の第1油圧室321もしくは第2油圧室322
供給される締結圧自体が、ワンウェイオリフィス115
及び第5アキュムレータ116が設けられたライン11
7を介して制御圧として供給されるようになっており、
従って、上記締結圧は、第5アキュムレータ116の作
動により一定の棚圧状態を経て立ち上がることになる。
なお、このアキュムレータ116の背圧ポート116a
には、メインライン42からライン118を介して背圧
が供給されるようになっている。
【0055】そして、以上の構成の油圧回路40におい
て、第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5のON,OFFの組合せパターンは表2に示すように
なっており、これにより前進の1〜5速と後退速とが得
られるようになっている。ここで、表2中、(1)、
(2)はエンジンブレーキ用レンジでの1速及び2速を
示す。
【0056】
【表2】 次に、この表2に従って各ON−OFFソレノイドバル
ブ71〜75のON,OFFの組合せと変速段との関係
を具体的に説明する。
【0057】まず、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキの作動しない1速では、主変速機20側では、第
1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73がO
N,OFF,OFFの状態にあって、第1〜第3シフト
バルブ61〜63のスプールが左側、右側、右側にそれ
ぞれ位置している。この状態では、前進ライン52から
分岐されたライン121が第1シフトバルブ61を介し
てライン122に連通し、さらに第2シフトバルブ62
を介してライン123に連通するが、このライン123
は第3シフトバルブ63で遮断される。また、同じく前
進ライン52から分岐された他のライン124は第2シ
フトバルブ62で、メインライン42から分岐されたラ
イン125は第1シフトバルブ61でそれぞれ遮断され
る。したがって、この場合は、前述のように、前進レン
ジで常時締結される前進クラッチ23のみが締結された
状態となり、主変速機20においてエンジンブレーキが
作動しない低速段が得られる。
【0058】そして、副変速機30においては、第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にO
FFの状態にあって、第4、第5シフトバルブ64,6
5のスプールが共に右側に位置することにより、メイン
ライン42がライン107及び第4シフトバルブ64を
介してライン108に連通し、さらに、第5シフトバル
ブ65を介して減速ブレーキ用コントロールバルブ10
2に至るライン109に連通して、該コントロールバル
ブ102にライン圧が供給される。このとき、第2リニ
アソレノイドバルブ103で生成された制御圧がライン
104、第5シフトバルブ65及びライン105を介し
て減速ブレーキ用コントロールバルブ102の制御ポー
ト102aに供給されることにより、上記ライン圧が該
制御圧に応じて調整され、所定の締結圧とされた上で、
ライン110を介して減速ブレーキ34の第2油圧室3
2に供給され、該減速ブレーキ34が締結される。
【0059】また、直結クラッチ32は、第1油圧室3
1がライン106、第5シフトバルブ65、ライン1
13、直結クラッチ用コントロールバルブ101及びラ
イン111を介して第4シフトバルブ64のドレンポー
トに連通し、また、第2油圧室322が、ライン114
を介して第5シフトバルブ65のドレンポートに連通す
ることにより解放された状態にある。その結果、副変速
機30の変速段はエンジンブレーキが作動する低速段と
なり、自動変速機全体としては、エンジンブレーキの作
動しない1速となる。
【0060】また、1レンジや2レンジ等で採用される
エンジンブレーキが作動する1速では、上記のエンジン
ブレーキ非作動の1速に対して主変速機20における第
3ソレノイドバルブ73がONとなり、これに伴って、
第3シフトバルブ63のスプールが左側に位置する。し
たがって、この場合は、上記前進ライン52が、その分
岐ライン121、第1シフトバルブ61、ライン12
2、第2シフトバルブ62、ライン123及び第3シフ
トバルブ63を介してローリバースブレーキ用コントロ
ールバルブ78に通じるライン126に連通し、該コン
トロールバルブ78にライン圧が供給されることにな
る。
【0061】そして、このコントロールバルブ78に供
給されたライン圧は、第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して制御ポート78aに供給されて
いる制御圧に応じた締結圧に調整され、これがライン1
27を介してローリバースブレーキ29に供給される。
これにより、前進クラッチ23に加えて、ローリバース
ブレーキ29が締結され、主変速機20において、エン
ジンブレーキが作動する低速段が得られることになる。
そして、副変速機30においては、前述のエンジンブレ
ーキ非作動の1速の場合と同様に減速ブレーキ34が締
結されているから、自動変速機全体として、エンジンブ
レーキが作動する1速が得られる。
【0062】次に、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキ非作動の2速、及び1レンジや2レンジ等で採用
されるエンジンブレーキ作動の2速では、上記のエンジ
ンブレーキ非作動の1速及びエンジンブレーキ作動の1
速の状態に対して副変速機30の変速段のみが変化す
る。
【0063】つまり、副変速機30における第4ON−
OFFソレノイドバルブ74がONとなり、これに伴っ
て第4シフトバルブ64のスプールが左側に位置する。
したがって、メインライン42からライン107を介し
て第4シフトバルブ64に供給されているライン圧が該
第4シフトバルブ64からライン111を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ101に供給されると共
に、該コントロールバルブ101で立ち上がりを調整さ
れた上で、ライン113、第5シフトバルブ65及びラ
イン106を介して直結クラッチ32の第1油圧室32
1に供給されることになる。これにより、副変速機30
の変速段が高速段となり、その結果、自動変速機の全体
として、エンジンブレーキが作動しない2速或はエンジ
ンブレーキが作動する2速が得られることになる。
【0064】更に、3速では、主変速機20において、
第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73が
OFF,ON,ONとなり、これに伴って第1〜第3シ
フトバルブ61〜63のスプールが、右側、左側、左側
に位置することになる。この場合、まず、前進ライン5
2からの一方の分岐ライン121が、第1シフトバルブ
61を介してライン128に連通し、さらに第3シフト
バルブ63を介してコーストブレーキ用コントロールバ
ルブ77に通じるライン129に連通する。したがっ
て、該コントロールバルブ77にライン圧が供給され、
これが第1リニアソレノイドバルブ80からライン81
を介して供給される制御圧に応じて所定の締結圧に調整
された上で、ライン130を介してコーストブレーキ2
9に供給され、これにより該コーストブレーキ29が締
結される。
【0065】また、前進ライン52からの他方の分岐ラ
イン124が第2シフトバルブ62を介して3−4ブレ
ーキ用コントロールバルブ79に通じるライン131に
連通し、該コントロールバルブ79にライン圧を供給す
る。このコントロールバルブ79には、上記第1リニア
ソレノイドバルブ80からライン81を介して制御圧が
供給されると共に、上記コーストブレーキ29に供給さ
れている締結圧がライン87を介して制御圧として供給
され、これらの制御圧に応じて調整された締結圧がライ
ン132を介して3−4ブレーキ28に供給されること
になる。
【0066】その結果、主変速機20においては、前進
クラッチ23に加えて3−4ブレーキ28が締結され、
しかも上記コーストブレーキ29も締結されることによ
り、エンジンブレーキが作動する中速段が得られること
になる。
【0067】一方、副変速機30においては、第4、第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にOF
Fの状態にあって、前述の1速の場合と同様にして、変
速段がエンジンブレーキの作動する低速段に設定されて
いる。したがって、自動変速機の全体としては、所定の
減速比を有し、かつ、エンジンブレーキが作動する3速
が得られることになる。
【0068】そして、4速では、この3速の状態から副
変速機30における第4、第5ON−OFFソレノイド
バルブ74,75が共にONとなって、第4、第5シフ
トバルブ64,65のスプールが左側に位置し、これに
より、まず、前記の2速の場合と同様に、メインライン
42からライン107、第4シフトバルブ64、及びラ
イン111を介してライン圧が直結クラッチ用コントロ
ールバルブ101に供給され、該コントロールバルブ1
01で立ち上がりを調整され、所定の締結圧となって、
ライン113及び第5シフトバルブ65から、今度はラ
イン114を介して直結クラッチ32の第2油圧室32
2に供給されることになる。その結果、直結クラッチ3
2が締結されて副変速機30の変速段が高速段となる。
この場合、本実施例においては、上記直結クラッチ32
の第2油圧室322への締結圧供給による変速段達成後
に、上記第2リニアソレノイドバルブ103への通電が
遮断されて該リニアソレノイドバルブ103を介してメ
インライン42からのライン圧がライン104に供給さ
れ、更に、このライン圧が第5ON−OFFソレノイド
バルブ65およびライン106を介して直結クラッチ3
2の第1油圧室321にも供給されることになる。そし
て、主変速機20は上記の3速の場合と同様に中速段に
設定されているから、自動変速機全体としての変速段は
4速となる。
【0069】更に、5速においては、主変速機20にお
ける第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,OFFとなって、第1〜第3シフト
バルブ61〜63のスプールが右側、左側、右側に位置
する。そのため、メインライン42から分岐されたライ
ン125が第1シフトバルブ61を介してライン133
に連通すると共に、さらに、第3シフトバルブ63を介
して直結クラッチ用コントロールバルブ76に通じるラ
イン134に連通し、したがって、該コントロールバル
ブ76にライン圧が供給されることになる。そして、こ
のコントロールバルブ76によって調整された締結圧が
ライン82によって直結クラッチ24に供給され、該ク
ラッチ24を締結させる。これにより、主変速機20に
おいては、前進クラッチ23と直結クラッチ24とが締
結されて、変速段が高速段となる。なお、この直結クラ
ッチ24の締結時には、第3アキュムレータ84の作用
により、締結圧が一定の棚圧状態を経て供給される。
【0070】一方、副変速機30は、前述の4速の場合
と同様に、第4、第5ON−OFFソレノイドバルブ7
4,75が共にONの状態にあって、変速段は高速段に
設定されており、その結果、自動変速機の全体としては
5速が得られることになる。
【0071】更に、上記マニュアルバルブ43がRレン
ジに操作された後退速においては、該マニュアルバルブ
43を介して後退ライン53がメインライン42に連通
されると共に、第1〜第3ON−OFFソレノイドバル
ブ71〜73がOFF,OFF,OFFの状態となっ
て、第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールがい
ずれも右側に位置することになる。
【0072】そのため、まず、メインライン42から分
岐されたライン125が、前述の5速の場合と同様に、
第1シフトバルブ61を介してライン133に連通する
と共に、さらに、第3シフトバルブ63を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ76に通じるライン134
に連通し、従って、該コントロールバルブ76にライン
圧が供給されることになる。この場合は、該コントロー
ルバルブ76の一端のポート76bに、上記後退ライン
53からライン86を介してライン圧が供給されて、該
コントロールバルブ76のスプールが図面上、左側に固
定されることにより、上記ライン134から供給された
ライン圧は、減圧されることなくライン82を介してそ
のまま直結クラッチ24に供給され、該直結クラッチ2
4を高い締結圧で締結させる。
【0073】また、上記後退ライン53は、作動油の供
給方向と排出方向とで絞り量が異なるオリフィス135
を有するライン136、第3シフトバルブ63及び前述
のライン126を介してローリバースブレーキ用コント
ロールバルブ78に連通して、上記のエンジンブレーキ
作動の1速の場合と同様に、該コントロールバルブ78
にライン圧を供給する。この場合、該コントロールバル
ブ78の一端のポート78bには、上記後退ライン53
から分岐されたライン86によってライン圧が導入され
ることにより、該コントロールバルブ78のスプールが
図面上、左側に固定される。そのため、上記ライン12
6によって供給されているライン圧は、該コントロール
バルブ78で調整されることなく、そのままローリバー
スブレーキ26に供給され、該ローリバースブレーキ2
6を高い締結圧で締結することになる。
【0074】これにより、主変速機20においては、直
結クラッチ24及びローリバースブレーキ26が締結さ
れ、後退段が得られる。そして、副変速機30において
は、第4,第5ON−OFFソレノイドバルブ74,7
5が共にOFFで、変速段がエンジンブレーキの作動す
る低速段に設定された状態にあり、減速比の大きな後退
速が得られる。
【0075】なお、上記ローリバースブレーキ26に締
結圧が供給される際には、上記ライン136からライン
137を介して第4アキュムレータ90に作動油が導入
されることにより、該締結圧が所定の棚圧状態を経て徐
々に立ち上がることになる。
【0076】以上の構成に加えて、この油圧回路40に
は、トルクコンバータ10内のロックアップクラッチ1
7を制御するためのロックアップ第1、第2シフトバル
ブ141,142と、ロックアップコントロールバルブ
143と、ロックアップ制御用のON−OFFソレノイ
ドバルブ144と、デューティソレノイドバルブ145
とが備えられて、ロックアップクラッチ17の締結、解
放制御と、該クラッチ17をスリップさせるスリップ制
御とが行われるようになっている。
【0077】そして、この油圧回路40に備えられたラ
イン圧調整用のデューティソレノイドバルブ49、変速
用の第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5、締結圧調整用の第1、第2リニアソレノイドバルブ
80,103、ロックアップ制御用のON−OFFソレ
ノイドバルブ145及びデューティソレノイドバルブ1
45は、図5に示すように、コントローラ160からの
制御信号によって制御されるようになっている。そし
て、このコントローラ160には、車速を検出するセン
サ161からの信号、エンジンのスロットル開度を検出
するセンサ162からの信号、及び運転者によって選択
されたシフト位置(レンジ)を検出するセンサ163か
らの信号等が入力され、これらの信号によって示される
運転状態や運転者の要求に応じて上記各ソレノイドバル
ブを制御するようになっている。
【0078】また、このコントローラ160には、主変
速機20の入力側の回転数を検出する第1回転センサ1
64と、主変速機20の出力側(副変速機30の入力
側)の回転数を検出する第2回転センサ165と、副変
速機30の出力側の回転数を検出する第3回転センサ1
66とが接続されている。そして、該コントローラ16
0は、変速時における変速動作を速やかに完了させ、且
つ変速ショックを防止するために、主変速機20側の変
速動作と副変速機30側の変速動作とを同期させるよう
に、上記各センサ164〜166からの信号に基づいて
主変速機20及び副変速機30のギヤ比を算出し、これ
に基づいて該副変速機30の変速動作をフィードバック
制御するようになっている。
【0079】本実施例に係る自動変速機は以上のような
構成であるが、この自動変速機においては、前述の説明
から明らかなように、1−2変速時に、副変速機30に
おける直結クラッチ32が締結され、また、2−3変速
時には該直結クラッチ32が解放されると共に、3−4
変速時には該直結クラッチ32が再び締結されることに
なる。この直結クラッチ32の締結、解放動作を図6な
いし図8に基づいて更に詳しく説明する。
【0080】まず、図6に示すように、1速では、副変
速機30においては、第4、第5ON−OFFソレノイ
ドバルブ74,75が共にOFFの状態にあって、第
4、第5シフトバルブ64,65のスプールが右側に位
置することにより、メインライン42からライン10
7、第4シフトバルブ64、ライン108、第5シフト
バルブ65及びライン109を介して減速ブレーキ用コ
ントロールバルブ102にライン圧が供給され、これが
該コントロールバルブ102で第2リニアソレノイドバ
ルブ103からの制御圧に応じて調整された上で、ライ
ン110を介して減速ブレーキ34の第2油圧室342
に供給されることにより、該減速ブレーキ34が締結さ
れた状態、即ち低速段の状態にある。
【0081】このとき、直結クラッチ32の第1油圧室
321は、ライン106、第5シフトバルブ65、ライ
ン113、直結クラッチ用コントロールバルブ101及
びライン111を介して第4シフトバルブ64の第1ド
レンポート64bに連通しており、また、第2油圧室3
2は、ライン114を介して第5シフトバルブ65の
第1ドレンポート65bに連通して、該直結クラッチ3
2が解放された状態にある。
【0082】そして、この状態から、2速への変速に際
して、図7に示すように、副変速機30における第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75がON,
OFFとなれば、第4シフトバルブ64のスプールが左
側に、第5シフトバルブ65のスプールが右側に位置す
ることになる。
【0083】この場合、メインライン42からライン1
07を介して第4シフトバルブ64に供給されるライン
圧は、該第4シフトバルブ64からライン111を介し
て直結クラッチ用コントロールバルブ101に供給され
ることになり、更に、該コントロールバルブ101から
ワンウェイオリフィス112、ライン113、第5シフ
トバルブ65及びライン106を介して直結クラッチ3
2の第1油圧室321に供給され、該直結クラッチ32
が締結される。また、このとき、減速ブレーキ34の第
2油圧室342は、ライン110、減速ブレーキ用コン
トロールバルブ102、ライン109、第5シフトバル
ブ65及びライン108を介して第4シフトバルブ64
の第2ドレンポート64cに連通し、該減速ブレーキ3
4が解放される。
【0084】これにより、副変速機30の変速段が高速
段となり、1−2変速が完了することになるが、この1
−2変速時における上記直結クラッチ32の第1油圧室
321に対する締結圧の供給に際しては、その立ち上が
りが次のようにして制御される。
【0085】つまり、第4シフトバルブ64から直結ク
ラッチ用コントロールバルブ101に供給されたライン
圧は、該コントロールバルブ101の制御ポート101
a内の制御圧に応じて調整されるのであるが、この制御
ポート101aには、該コントロールバルブ101自身
から出力される作動油がライン117によりワンウェイ
オリフィス112,115を経て、かつ、アキュムレー
タ116を作動させた上で、制御圧として供給されるの
であり、したがって、該制御圧及びこれに対応して調整
される締結圧が棚圧状態を経て徐々に立ち上がることに
なるのである。
【0086】一方、この2速の状態から3速への変速時
には、主変速機20において3−4ブレーキ28を締結
させて、変速段を低変速段から中変速段にシフトアップ
させると同時に、副変速機30においては、上記1速の
場合と同様に、直結クラッチ32を解放し、且つ第2リ
ニアソレノイドバルブ103を通電状態として減速ブレ
ーキ34を締結させて、変速段を高速段から低速段にシ
フトダウンさせることになる。
【0087】また、3−4変速に際しては、図8に示す
ように、副変速機30における第4、第5ON−OFF
ソレノイドバルブ74,75がOFF,OFFの状態か
らON−ON状態に切り換えられて、第4,第5シフト
バルブ64,65のスプールが共に左側に位置すること
になる。この点は、第5シフトバルブ65のスプールが
右側に位置する1−2変速時と異なる点である。
【0088】この4速の状態では、メインライン42か
らライン107を介して第4シフトバルブ64に供給さ
れるライン圧は、該第4シフトバルブ64からライン1
11を介して直結クラッチ用コントロールバルブ101
に供給され、前述の1−2変速時の場合と同様に、アキ
ュムレータ116等の作用によって立ち上がりを調整さ
れたうえで、ワンウェイオリフィス112およびライン
113を介して第5シフトバルブ65に供給される。そ
して、今度は、第5シフトバルブ65にスプールが左側
に位置することにより、ライン114を介して直結クラ
ッチ32の受圧面積の小さな第2油圧室322に供給さ
れるのである。更に、この4速状態においては、上記第
2リニアソレノイドバルブ103への通電が遮断され、
これにより、メインライン42からのライン圧が、直結
クラッチ32の受圧面積の大きな第1油圧室321にも
供給されて該直結クラッチ32が締結されると共に、上
記減速ブレーキ34の第2油圧室342が、ライン11
0、減速ブレーキ用コントロールバルブ102およびラ
イン109を介して第5シフトバルブ65のドレンポー
ト65cに連通し、該減速ブレーキ34が解放されるこ
とになる。
【0089】そして、本実施例においては、上記のよう
な通常の変速動作時における第4、第5ON−OFFソ
レノイドバルブ74、75のON,OFFの組合せパタ
ーン以外に、上記4速から3速への変速に対応させて中
間制御パターンが設定されているのである。
【0090】この中間制御パターンにおいては、4速で
ON−ON状態とされた第4、第5ON−OFFソレノ
イドバルブ74、75が、3速に対応させてOFF−O
FF状態に切り換えられる途中において、第4ON−O
FFソレノイドバルブ64のみをOFF状態に切換える
と共に、4速において非通電状態とされた上記第2リニ
アソレノイドバルブ103を通電状態として、4速状態
で上記直結クラッチ32の第1、第2油圧室321,3
2の両方に供給された締結圧の排出を制御するもので
ある。
【0091】次に、本実施例の特徴部分である上記コン
トローラ160による4−3変速時における変速制御動
作を、図9に示すフローチャートに基づいて説明する
と、このコントローラ160は、ステップS1におい
て、各センサ161〜166からの信号を読み込み、ス
テップS2おいては、上記各信号に基づいて4−3変速
指令中であるか否かを判定し、NOの場合、即ち、4−
3変速指令中でないと判定したときには、ステップS3
により他の変速制御を実行すると共に、YESの場合、
即ち、4−3変速指令中であると判定したときには、ス
テップS4において、4−3変速を所定の期間内で終了
させるためのバックアップタイマをセットする。次い
で、ステップS5において、上記第1、第2回転センサ
164,165からの信号に基づいて主変速機20側の
ギヤ比を算出して4−3変速が終了したか、あるいは上
記バックアップタイマがタイムアップしたかを判定し、
このステップS5でYESと判定されるまでステップS
6において中間制御を実行する。
【0092】即ち、図10に示すように、まず、上記第
4ON−OFFソレノイドバルブ64を4速のON状態
より、OFF状態として第4シフトバルブ64をに切り
換えて直結クラッチ32の第2油圧室322から締結圧
を排出させると共に、次いで、第2リニアソレノイドバ
ルブ103を4速の非通電状態より通電状態に切り換え
て、制御電流を増大させて該ソレノイドバルブ103の
ドレンポート103aとライン104およびライン10
6とを連通させるように制御することにより、上記直結
クラッチ32の第1油圧室32 1から締結圧を排出させ
る。これにより、図11に(a)で示すように、4−3
変速開始時間Ts後に、まず、副変速機30における直
結クラッチ32の第2油圧室322から締結圧が排出さ
れると共に、僅かに遅れて第2リニアソレノイドバルブ
103が非通電状態より通電状態に切り換えられて所定
の制御電流により、該リニアソレノイドバルブ103の
ドレンポート103aが徐々に開かれることになって、
図11に(Pa)で示すように、該リニアソレノイドバ
ルブ103の出力油圧が次第に低下して0となり、同図
(b)に示すように、直結クラッチ32の第1油圧室3
1から締結圧(ライン圧)が排出されることになる。
【0093】そして、上記ステップS5でYESと判定
したとき、即ち、主変速機20側のギヤ比に基づいて4
−3変速動作に終了を判定した場合あるいは、バックア
ップタイマがタイムアップした場合には、ステップS7
において、上記第4ON−OFFソレノイドバルブ64
と共に第5ON−OFFソレノイドバルブ65を3速状
態に合致させてOFF状態として第5シフトバルブ65
を切り換えると共に、副変速機30の減速ブレーキ34
における第2油圧室342に所定の圧力に調圧された締
結圧を供給するために、上記第2リニアソレノイドバル
ブ103に所定の制御電流を出力して3速への変速制御
を終了する。これにより、上記第2リニアソレノイド1
03のドレンポート103aが閉じられることになっ
て、図11に(Pb)で示すように、4−3変速終了判
定時間Te後に、該リニアソレノイドバルブ103の出
力油圧が次第に増加し、この出力油圧が減速ブレーキ用
コントロールバルブ102のポート102aに供給され
ることになって、同図(c)に示すように、上記減速ブ
レーキ34の第2油圧室342に締結圧が供給され該減
速ブレーキ34が締結されて、3速への変速が完了する
ことになる。
【0094】以上のように、本実施例によれば、副変速
機30の直結クラッチ32を締結させる締結圧が供給さ
れる第1、第2油圧室321,322のうち受圧面積の小
さな第2油圧室322への締結圧の供給による変速段達
成後、即ち、4速状態では、第2リニアソレノイドバル
ブ103が非通電状態とされることになるので、該リニ
アソレノイド103の耐久性が向上し電力消費量が低減
されることになる。特に、通常走行時において特に使用
頻度が高い4速において、上記第2リニアソレノイドバ
ルブ103が非通電状態とされることになるので、該リ
ニアソレノイドバルブ103の耐久性がより向上すると
共に電力消費量を更に一段と抑制することができる。
【0095】ところで、上記副変速機30の減速ブレー
キ34における第2油圧室342に締結圧を供給しなけ
ればならない1速および3速で、何らかの原因で上記第
2リニアソレノイドバルブ103への通電が遮断される
事態が発生しても、その変速段において該リニアソレノ
イド103を介してメインライン42からのライン圧が
減速ブレーキ用コントロールバルブ102のポート10
2aに供給され、これにより、1速または3速において
不測の事態により第2リニアソレノイドバルブ103が
非通電状態とされても、図11に点線(d)で示すよう
に、減速ブレーキ34の第2油圧室342に上記第2リ
ニアソレノイドバルブ103を介してライン圧が締結圧
として供給されることになって、該第2油圧室342
1速または3速において締結圧が供給されないという不
具合が解消されてフェイルセーフ機能が確保されること
になる。
【0096】更に、本実施例においては、図2に示すよ
うに、直結クラッチ32の第1、第2油圧室321,3
2が、大径の第1ピストン32eとその背部に配設さ
れた小径の第2ピストン32fとにより、それぞれ構成
されているので、1つのピストン34dの背面に大径の
第1油圧室341と第2油圧室342とを同心状に設けた
減速ブレーキ34のピストン34dのように径が大きく
なることがなく、上記各ピストン32e,32fをコン
パクトに構成することができる。
【0097】また、本実施例においては、上記第1、第
2油圧室321,322の両方に締結圧が供給されて直結
クラッチ32が締結される4速から該直結クラッチ32
が解放される1または3速への変速時には、図11に
(a)、(b)で示すように、まず、第2油圧室322
より先に締結圧が排出され、次いで、第1油圧室321
より締結圧が排出されることになり、これにより、両油
圧室321,322より同時に締結圧を排出させる場合の
ように、締結力が急激に低下することが抑制されること
になって、変速ショックの増大を防止することができ
る。
【0098】また、図12は、上記中間制御時における
直結クラッチ32の第1、第2油圧室321,322から
締結圧を排出する場合の他の実施例を示すものであっ
て、4速状態より、4−3変速開示時間Ts後、まず、
第2リニアソレノイドバルブ103を通電状態として、
図12に(Pa′)に示すように、該リニアソレノイド
バルブ103の出力油圧を低下させることにより、同図
(b′)に示すように、上記第1油圧室321より締結
圧(ライン圧)を排出させる。次いで、僅かに遅れて第
4ソレノイドバルブ74をOFF状態として第4シフト
バルブ64を切り換えて、図12に(a′)で示すよう
に、第2油圧室322より締結圧を排出させる。その
後、4−3変速終了判定時間Te後に、上記第2リニア
ソレノイドバルブ103に所定の制御電流を出力して、
図12に(Pb′)で示すように、該リニアソレノイド
バルブ103の出力圧を上昇させると共に、第5ソレノ
イドバルブをOFF状態として第5シフトバルブ65を
切り換えることにより、同図(c′)に示すように、減
速ブレーキ34の第2油圧室342に締結圧を供給す
る。
【0099】この場合にも、上記副変速機30の直結ク
ラッチ32を締結させる締結圧が供給される第1、第2
油圧室321,322のうち受圧面積の小さな第2油圧室
322への締結圧の供給による変速段達成後、即ち、通
常走行中における使用頻度の高い4速状態では、第2リ
ニアソレノイドバルブ103が非通電状態とされること
になるので、該リニアソレノイド103の耐久性が向上
し電力消費量が低減されることになると共に、上記減速
ブレーキ34における第2油圧室342に締結圧を供給
しなければならない1速および3速で、何らかの原因で
上記第2リニアソレノイドバルブ103への通電が遮断
される事態が発生しても、その変速段において該リニア
ソレノイド103を介してメインライン42からのライ
ン圧が減速ブレーキ用コントロールバルブ102のポー
ト102aに供給され、これにより、1速または3速に
おいて不測の事態により第2リニアソレノイドバルブ1
03が非通電状態とされても、図12に点線(d′)で
示すように、減速ブレーキ34の第2油圧室342に上
記第2リニアソレノイドバルブ103を介してライン圧
が締結圧として供給されることになって、該第2油圧室
342に1速または3速において締結圧が供給されない
という不具合が解消されてフェイルセーフ機能が確保さ
れることになる。
【0100】そして、上記第1、第2油圧室321,3
2の両方に締結圧が供給されて直結クラッチ32が締
結される4速から該直結クラッチ32が解放される1ま
たは3速への変速時には、図12に(a′)、(b′)
で示すように、まず、第1油圧室321より先に締結圧
が排出され、次いで、第2油圧室322より締結圧が排
出されることになり、これにより、両油圧室321,3
2より同時に締結圧を排出させる場合のように、締結
力が急激に低下することが抑制されることになって、変
速ショックの増大を防止することができる。
【0101】なお、本実施例においては、特定の摩擦要
素としての副変速機30側の直結クラッチ32における
第1油圧室321と、他の摩擦要素としての減速ブレー
キ34における第2油圧室342とに対する締結圧の給
排を第2リニアソレノイドバルブ103により行う場合
における該第2リニアソレノイドバルブ103の作動を
制御する場合について説明したが、該第2リニアソレノ
イドバルブ103と同様の電磁弁により締結圧が給排制
御される特定の摩擦要素および他の摩擦要素としては、
上記直結クラッチ32および減速ブレーキ34に限定さ
れるものではない。
【0102】
【発明の効果】以上のように、第1、第2発明によれ
ば、特定の摩擦要素を締結させる締結圧が供給される第
1、第2油圧室の他方(第2発明においては第2油圧
室)への締結圧の供給による変速段達成後に電磁弁が非
通電状態とされることになるので、該電磁弁の耐久性が
向上すると共に、電力消費量を抑制することができる。
【0103】特に、第2発明によれば、受圧面積の小さ
な第2油圧室に締結圧が供給される変速段、即ち、通常
走行時において特に使用頻度が高い伝達トルクが小さな
変速段では、上記電磁弁が非通電状態とされることにな
るので、該電磁弁の耐久性がより向上すると共に電力消
費量を更に一段と抑制することができる。
【0104】ところで、上記第1、第2発明のように受
圧面積の異なる第1油圧室と第2油圧室とを形成する場
合、両室を1つのピストンの背面の内周部と外周部とに
形成することができるが、この場合、上記第1、第2油
圧室のそれぞれについて所要のトルク容量に合致した受
圧面積を確保しようとするとピストン径が大型化するこ
とになる。これに対して、第3発明によれば、受圧面積
の異なる第1、第2油圧室が大径及び小径の2つのピス
トンによってそれぞれ形成されることになるので、両室
を1つのピストンの内、外周部に形成する場合に比べて
ピストン径を小さくすることができる。
【0105】また、第4発明によれば、第1、第2油圧
室の両方に締結圧が供給されて特定摩擦要素が締結され
る変速段から該特定摩擦要素が解放される変速段への変
速時には、制御手段により、上記両油圧室のいずれか一
方の油圧室の締結圧が先に排出され、その後、他方の油
圧室より締結圧が排出されることになり、これにより、
両油圧室より同時に締結圧を排出させる場合のように、
締結力が急激に低下することが抑制されることになっ
て、変速ショックの増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子
図。
【図2】 同自動変速機における副変速機の構造を示
す断面図。
【図3】 同自動変速機の油圧回路を示す回路図。
【図4】 副変速機における摩擦要素に供給する締結
圧を調整する第2リニアソレノイドバルブの出力特性を
示すグラフ。
【図5】 図3の油圧回路における各ソレノイドバル
ブに対する制御システム図。
【図6】 同油圧回路における副変速機制御部分の1
速および3変時の状態を示す回路図。
【図7】 同油圧回路における副変速機制御部分の1
−2変速時の状態を示す回路図。
【図8】 同油圧回路における副変速機制御部分の3
−4変速時の状態を示す回路図。
【図9】 コントローラによる4−3変速制御動作を
示すフローチャート図。
【図10】 副変速機制御部分の4−3変速中における
中間制御時の状態を示す回路図。
【図11】 4−3変速時における副変速機側の締結圧
の変化状態を示す説明図。
【図12】 他の実施例の4−3変速時における副変速
機側の締結圧の変化状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 自動変速機 20 主変速機 30 副変速機 32 直結クラッチ 321 第1油圧室 322 第2油圧室 32e,32f ピストン 34 減速ブレーキ 342 第2油圧室 40 油圧回路 64 第4シフトバルブ 65 第5シフトバルブ 74 第4ON−OFFソレノイドバルブ 75 第5ON−OFFソレノイドバルブ 101 直結クラッチ用コントロールバルブ 102 減速ブレーキ用コントロールバルブ 103 第2リニアソレノイドバルブ 160 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸末 敏久 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝達トルクが異なる複数の変速段で締結
    される特定の摩擦要素を有する自動変速機の制御装置で
    あって、上記特定摩擦要素を締結させる締結圧が供給さ
    れる油圧室として、伝達トルクが大きい変速段で締結圧
    が供給される受圧面積の大きな第1油圧室と、伝達トル
    クが小さい変速段で締結圧が供給される受圧面積の小さ
    な第2油圧室とが設けられていると共に、上記第1、第
    2油圧室の一方に給排される締結圧を制御する電磁弁を
    有し、その電磁弁として非通電時に油圧源からの元圧を
    調圧することなく直接出力する電磁弁を使用すると共
    に、上記第1、第2油圧室の他方への締結圧の供給によ
    る変速段達成後に上記電磁弁への通電を遮断する制御手
    段が設けられていることを特徴とする自動変速機の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 伝達トルクが異なる複数の変速段で締結
    される特定の摩擦要素を有する自動変速機の制御装置で
    あって、上記特定摩擦要素を締結させる締結圧が供給さ
    れる油圧室として、伝達トルクが大きい変速段で締結圧
    が供給される受圧面積の大きな第1油圧室と、伝達トル
    クが小さい変速段で締結圧が供給される受圧面積の小さ
    な第2油圧室とが設けられていると共に、上記第1、第
    2油圧室のうち第1油圧室に給排される締結圧を制御す
    る電磁弁を有し、その電磁弁として非通電時に油圧源か
    らの元圧を調圧することなく直接出力する電磁弁を使用
    すると共に、上記第1、第2油圧室のうち第2油圧室へ
    の締結圧の供給による変速段達成後に上記電磁弁への通
    電を遮断する制御手段が設けられていることを特徴とす
    る自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 第1油圧室と第2油圧室とは、大径のピ
    ストンと小径のピストンとによってそれぞれ構成されて
    いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の自
    動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 伝達トルクが異なる複数の変速段で締結
    される特定の摩擦要素を有する自動変速機の制御装置で
    あって、上記特定摩擦要素を締結させる締結圧が供給さ
    れる油圧室として、伝達トルクが大きい変速段で締結圧
    が供給される受圧面積の大きな第1油圧室と、伝達トル
    クが小さい変速段で締結圧が供給される受圧面積の小さ
    な第2油圧室とが設けられていると共に、上記第1、第
    2油圧室の一方に給排される締結圧を制御する電磁弁を
    有し、その電磁弁として非通電時に油圧源からの元圧を
    調圧することなく直接出力する電磁弁を使用すると共
    に、上記第1、第2油圧室の他方への締結圧の供給によ
    る変速段達成後に上記電磁弁への通電を遮断し、且つこ
    れら両油圧室の両方に締結圧が供給されて特定摩擦要素
    が締結される変速段から該特定摩擦要素が解放される変
    速段への変速時に、両油圧室のいずれか一方の油圧室の
    締結圧を先に排出させ、その後、他方の油圧室より締結
    圧を排出させる制御手段が設けられていることを特徴と
    する自動変速機の制御装置。
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