JP3289749B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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直 柴田
忠弘 大見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路に係
る。より詳細には、ニューロンMOSトランジスタを用
いて構成された半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路において、素子の微細化
による回路の高集積化が進んでいる。素子を微細化すれ
ば、素子の動作速度が向上するだけでなく、1つのチッ
プに搭載される素子の数が増えるため、チップあたりの
機能が増大する。マイクロプロセッサLSIがよい例
で、現在最先端のマイクロプロセッサチップでは、素子
寸法が0.5ミクロン程度、チップあたりの素子数は数
百万個にも上る。従来マイクロプロセッサチップとは別
のチップに分けられていたキャッシュメモリや浮動小数
点演算ユニット等は、素子の微細化により回路コンポー
ネント自体も小さくなったことから、1つのマイクロプ
ロセッサチップ内に同時に搭載できるようになり、コン
ピュータの性能向上に大きな役割を果たした。
【0003】しかし、素子の微細化・高集積化に伴い、
種々の問題点が顕在化してきた。微細な素子に一定の電
源電圧が印加されることから、素子内部に高電界が発生
し、加速されたキャリアがホットキャリアとなりゲート
酸化膜に注入され、素子特性が劣化してしまうホットキ
ャリアの問題がその1つである。また、数百万個に上る
素子と素子の間を接続しなければならない配線を、如何
にレイアウトし、形成するかといった問題も新たに生じ
ている。これらの問題により、今後素子のさらなる微細
化は非常に難しい段階に来ている。したがって、LSI
チップの機能向上も今後あまり望めないことになる。
【0004】この問題を解決したのが、ニューロンMO
SトランジスタおよびニューロンMOSトランジスタを
用いた論理回路の発明である(発明者:柴田直、大見忠
弘、特開平3−6679号公報および特願平3−831
52号)。ニューロンMOSトランジスタは、フローテ
ィングゲートとそのフローティングゲートに容量的に結
合する複数個の入力結合電極を持ち、フローティングゲ
ートレベルで複数の入力結合電極の入力信号の加重平均
を演算し、その結果に基づきトランジスタのオン・オフ
が制御されるという、生体の神経細胞と類似の機能を持
った高機能な素子である。従来のトランジスタが、2端
子間に流れる電流のオン・オフを第3の端子で制御する
ことから3端子デバイスと呼ばれるのに対し、ニューロ
ンMOSトランジスタは、2端子間に流れる電流のオン
・オフを制御する第3の端子の、その制御の仕方を制御
することができる第4の端子を複数持った4端子デバイ
スであるといえる。素子自体の機能が高いため、論理回
路に用いれば、ある論理機能を実現するのに必要な素子
や配線の数が、従来のCMOS論理回路の場合に比べて
激減した。また、単に1つの入力が0か1かを判断して
オン・オフを制御するだけの従来のトランジスタを用い
た回路が不得手とする柔軟な信号処理が簡単に実現で
き、柔らかい論理回路、実時間ルール可変型マッチング
回路、ウイナーテイクオール回路、連想メモリ等の高機
能回路が簡単に構成できるようになった。また、膨大な
量のデータの中からその特徴を抽出する機能も簡単に実
現可能であり、この機能を用いれば、文字認識や画像の
動きベクトルの検出等の画像情報処理分野においても、
回路の簡単化・高速化が期待できる。この様に、ニュー
ロンMOSトランジスタは、超高速・超高機能LSI実
現に向けて、まったく新しい回路技術を生む可能性を秘
めた新デバイスであるといえる。
【0005】ところが、ニューロンMOSトランジスタ
はフローティングゲートを有しているため、信頼性の面
で、以下のような大きな問題点を持っている。ニューロ
ンMOSトランジスタは、フローティングゲートレベル
で多値の電圧信号を扱っている。つまり、接地電位(G
ND)から電源電圧(VDD)の間の電位差を、複数の論
理レベルに分割して割り当て、しきい動作を行ってい
る。電源電圧を一定と考えれば、ある論理レベルと近接
する論理レベルとの間の電圧差、つまり論理振幅は、多
値化するレベルの数が大きくなればなるほど小さくなっ
てしまい、ノイズマージンが減少してしまう。したがっ
て、ニューロンMOSトランジスタを用いた回路におい
ては、トランジスタのしきい値の誤差は、回路の誤動作
を防止するため、バイナリ論理回路に比べて十分小さく
抑えなければならない。
【0006】しかしながら、フローティングゲート中に
存在する電荷量のばらつきにより、むしろニューロンM
OSトランジスタのしきい値の誤差の方が、通常のMO
Sトランジスタのしきい値の誤差よりも大きい。表1
は、製造直後のある1枚のウエハ上にある9個のニュー
ロンMOSトランジスタの、入力結合電極から見たしき
い値を示したものである。−7.95Vから+1.02
Vまで実に9Vの幅でばらついている。通常のMOSト
ランジスタのしきい値ばらつきが0.2V程度なので4
5倍程度のばらつきである。ニューロンMOSトランジ
スタのフローティングゲートに一旦注入された電荷は、
非常に高い絶縁抵抗のため自然に消滅することはなく、
そのまま残留し、しきい値に直接影響を与える。ニュー
ロンMOSの大きなしきい値ばらつきは、反応性イオン
エッチングやスパッタ等のデバイス製造プロセス時のウ
エハ面内不均一に由来し、デバイス毎で不均一な電荷が
フローティングゲートに残留したためである。
【0007】
【表1】
【0008】しかしながら、しきい値のデバイス製造直
後の初期ばらつきは、紫外線(UV)照射等の手法によ
り、ある程度キャンセルすることができる。表2は、表
1に示したデバイス製造プロセス直後の、ばらばらのし
きい値を持ったデバイスに、UV光を1000秒照射し
た後のしきい値を示している。ばらつきは、0.17V
に減少している。しかし、これとて、多値を扱うニュー
ロンMOSトランジスタにとっては十分ではなく、ニュ
ーロンMOSトランジスタの扱える多値レベルのレベル
数を著しく限定してしまう。
【0009】
【表2】
【0010】さらに、ニューロンMOSトランジスタに
とって致命的なのは、デバイスが動作すると同時に起こ
るしきい値の経時変化である。それは、主に、フローテ
ィングゲートへのホットキャリア注入によって起こる。
通常のMOSトランジスタでは、ゲート酸化膜に注入さ
れたホットキャリアは、そのほとんどが酸化膜を素通り
してゲート電極に抜けてしまうため、酸化膜中に捕獲さ
れてしきい値を変化させる電荷の量は、注入された電荷
量のほんの一部である。ところが、ニューロンMOSで
は、注入された電荷のほとんどがフローティングゲート
に残留するため、ごく少量の注入電荷でも、ニューロン
MOSトランジスタのしきい値を著しく変化させてしま
う。ニューロンMOSトランジスタは、通常のMOSト
ランジスタに比べて許されるしきい値の誤差が小さいだ
けでなく、ホットキャリア注入に対するしきい値の変化
量が著しく大きいのである。
【0011】ニューロンMOSトランジスタと同様にフ
ローティングゲートを有するフローティングゲートタイ
プEPROMは、0か1か、つまり2値を判断すれば良
いデバイスであり、許されるしきい値の経時変化量も大
きい(数V程度)。したがって、数年のデータ保持特性
を保証することができ、実用化できたのである。これに
対し、ニューロンMOSトランジスタは、前述のように
フローティングゲートで多値を扱うデバイスであり、許
されるしきい値の変化量は小さく、少量の電荷注入によ
っても誤動作を招いてしまう。
【0012】以上のように、ニューロンMOSトランジ
スタは、顕著な高機能性を持ちながら、信頼性が著しく
乏しいという大きな欠点を持っていた。また、高機能性
を発揮するためには、ニューロンMOSトランジスタの
入力数を増やさなければならないが、入力数を増やせば
論理振幅は減少し、信頼性が更に低下してしまうため、
入力数を増やすことも容易ではなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ニュ
ーロンMOSトランジスタのフローティングゲートにス
イッチを付加し、フローティングゲートに残留してい
る、あるいは注入された電荷を、スイッチを介して速や
かに逃がすことにより、ニューロンMOSトランジスタ
の信頼性を向上させ、同時に多入力のニューロンMOS
を使用可能とし、このニューロンMOSトランジスタを
用いた高機能な半導体集積回路を提供することを目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体集積回路
は、基体上に一導電型の半導体領域を有し、この領域内
に設けられた反対導電型のソース及びドレイン領域を有
し、前記ソース及びドレイン領域を隔てる領域に絶縁膜
を介して設けられたフローティングゲートを有し、前記
フローティングゲートと絶縁膜を介して容量結合する複
数の入力結合電極を有するニューロンMOSトランジス
タを1個以上有し、前記ニューロンMOSトランジスタ
において、前記フローティングゲートが、1個以上のス
イッチ素子を介して所定の信号ラインに接続されてお
り、前記ニューロンMOSトランジスタの複数の入力結
合電極に第1の信号の組を入力するとともに前記スイッ
チ素子を導通させた後、前記スイッチ素子を遮断するこ
とにより前記ニューロンMOSトランジスタのフローテ
ィングゲートを電気的にフローティング状態にし、その
後、前記ニューロンMOSトランジスタの複数の入力結
合電極に第2の信号の組を入力する事により演算を行う
様に制御された事を特徴とする。
【0015】
【作用】本発明では、ニューロンMOSトランジスタの
フローティングゲートにスイッチを付加している。この
スイッチの一端は所定の信号ラインにつながれており、
このスイッチを適宜制御することにより、フローティン
グゲートに存在する余剰な電荷を除去することができ
る。したがって、ニューロンMOSトランジスタのしき
い値の経時変化を防止することができ、ニューロンMO
S集積回路の信頼性を向上することができる。また、し
きい値変動を小さく抑えることができることから、ニュ
ーロンMOSトランジスタの最大許容入力数を増大させ
ることができ、より高機能なニューロンMOS集積回路
の実現が可能となる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を上げ本発明を詳細に説明する
が、本発明がこれら実施例に限定されるものではないこ
とはいうまでもない。
【0017】(第1の実施例)図1は、本発明の第1の
実施例を示す回路の構成図である。この回路は、X1
2、X3の3つのバイナリ信号入力に対し、多数決論理
を演算する回路となっている。つまり、3つの入力のう
ち2個以上が1であれば0を、入力の内の1の数が1個
以下であれば1を出力する回路である。図において、1
01はPチャネルニューロンMOSトランジスタ、10
2はNチャネルニューロンMOSトランジスタである。
これらのニューロンMOSトランジスタ101、102
は、共通のフローティングゲート103、およびフロー
ティングゲート103に容量結合する3個の入力結合電
極104、105、106により、3入力のニューロン
MOSインバータを構成している。入力結合電極10
4、105、106のフローティングゲートとの結合容
量は等しくCCであるとする。107は、フローティン
グゲート103と接地電位の電源ラインの間にあり、第
1の制御信号が1のときに導通するスイッチである。1
08、109、110は、それぞれ入力結合電極10
4、105、106と入力X1、X2、X3の間にあるス
イッチで、第2の制御信号で制御され、第2の制御信号
が0のときフローティングゲートと入力が、第2の制御
信号が1のときフローティングゲートと接地電位が接続
されるように構成されている。
【0018】一般に、ニューロンMOSトランジスタの
フローティングゲートの電位ΦFは、次式で表わされ
る。
【0019】
【数1】 ここで、Ciはi番目の入力結合電極の結合容量、Vi
i番目の入力結合電極の電位、QFは、フローティング
ゲートに存在する電荷量である。CTOTは、フローティ
ングゲートに関する全容量であり、次式で表わされる。
【0020】
【数2】 ここで、C0は、トランジスタのゲート容量や、フロー
ティングゲートと基板との間の容量等の、フローティン
グゲートに関する全寄生容量である。
【0021】図1の回路例中のフローティングゲート1
03の電位Φ103は、
【0022】
【数3】 と表わせる。ここで、V104、V105、V106はそれぞれ
入力結合電極104、105、106の電位、Q103
は、フローティングゲート103に存在する電荷であ
る。いま、フローティングゲート103に関する全寄生
容量C0は、結合容量CCに比べて十分小さく、無視でき
ると仮定すると、フローティングゲート電位Φ103は、
【0023】
【数4】 となる。右辺の第1項は、3つの入力の平均値であり、
第2項は、オフセット値である。いま、フローティング
ゲート電荷Q103が0であると仮定すると、フローティ
ングゲート電位Φ103は、3つの入力すべてが0のとき
0、1つだけ1のときVDD/3、2つ1で1つだけ0の
とき2VDD/3、3つとも1のときVDDとなる。ただ
し、論理状態0を0V、論理状態1をVDDと対応させて
ある。PチャネルMOSトランジスタ101およびNチ
ャネルMOSトランジスタ102が構成するCMOSイ
ンバータのフローティングゲート103からみた反転し
きい値がVDD/2に設定されているとすると、CMOS
インバータの出力、つまりこの多数決関数演算回路の出
力111は、3つの入力の中で1の数が0個あるいは1
個のとき1、つまり電位はVDD、1の数が2個以上のと
きにはCMOSインバータが反転して0を出力する。こ
れはまさに多数決関数の演算である。
【0024】以上の説明においては、フローティングゲ
ート電荷Q103は0であるとして無視したが、実際に
は、ある0でない値を持ち、かつMOSトランジスタ動
作中におけるホットキャリア注入等により、経時変化す
る。いま、フローティングゲート電荷Q103が経時変化
してCCDDという値になった場合を仮定する。フロー
ティングゲート103の電位Φ103は、
【0025】
【数5】 となる。つまり、フローティングゲートの電位がVDD
3だけオフセットされることになる。したがって、フロ
ーティングゲートの電位Φ103は、3つの入力のなかで
論理1の数、つまり電圧V104、V105、V106の中でV
DDの数が0のときVDD/3、1個以上の場合は2VDD
3以上になってしまう。したがって、3つの入力のなか
で1の数が0個の時にのみ回路は1を出力し、1の数が
1個以上のときは0を出力してしまう。これは、正常な
多数決論理演算ではない。
【0026】このように、フローティングゲートに余剰
な電荷が蓄積されると、回路が誤動作してしまう。図1
の回路中のスイッチ107は、この余剰な電荷を除去す
るために設けてある。動作は以下のとおりである。スイ
ッチ107をオンすることにより、フローティングゲー
ト103は強制的に接地電位にバイアスされる。同時に
入力結合電極104、105、106に、第1の信号の
組として接地電位を入力する。このとき、フローティン
グゲートと入力結合電極間の結合容量には電圧が印加さ
れず、結合容量の電極に電荷は発生しない。フローティ
ングゲート103に関する寄生容量C0は、結合容量CC
に比べて十分小さく、無視できると仮定すると、フロー
ティングゲート103内に電荷は0になる。この状態
で、スイッチ107をオフにすれば、フローティングゲ
ート103内の電荷のリセットが完了する。スイッチ1
08、109、110は、それぞれ、入力結合電極10
4、105、106を強制的に接地電位にするためのも
のである。その後、スイッチ108、109、110を
切り替えて、入力結合電極に第2の信号の組として回路
の入力X1、X2、X3を印加することにより、フローテ
ィングゲート余剰電荷の無い状態で正確な演算が行われ
る。
【0027】以上の様に、フローティングゲートにスイ
ッチを付加して構成されたニューロンMOS回路は、デ
バイス製造プロセス直後のフローティングゲート残留電
荷によるニューロンMOSトランジスタのしきい値のば
らつき、およびそれによる回路の誤動作を防止すること
ができる。さらに、回路動作中においても、適宜、フロ
ーティングゲートスイッチによるフローティングゲート
電荷のリセット動作を実施すれば、デバイス動作中に発
生するホットキャリアのフローティングゲートへの注入
によるしきい値の経時変化、および結果として生ずる回
路誤動作の問題も完全に解決することができる。ところ
で、フローティングゲートスイッチの付加されてない、
完全にフローティングなフローティングゲートは、非常
に高い絶縁抵抗を持っており、デバイス動作時に、ホッ
トキャリア注入以外の機構、例えばリーク電流等によっ
てフローティングゲート電荷が増減することはありえな
い。ところが、フローティングゲートスイッチを付加す
ることにより、ホットキャリア注入よりも、むしろ、フ
ローティングゲートスイッチを通してのリーク電流によ
り、フローティングゲート電荷が増減することになる。
しかしながら、MOSトランジスタを用いた一般的なス
イッチのリーク電流は、フェムト(10-15)アンペア
オーダーであり、結合容量として、DRAMにおける一
般的な蓄積容量である数10フェムトファラッドの容量
を用いると仮定すれば、ミリ秒程度の電荷保持特性は十
分確保できる。したがって、フローティングゲートスイ
ッチによるフローティングゲート電荷リセット動作は、
ミリ秒程度の周期で実施されれば十分である。DRAM
のリフレッシュサイクルの様に、ミリ秒程度の時間間隔
おきに、リセットサイクルを設け、リセットサイクル以
外の時間は、回路をフリー・ランさせる制御方式が最も
一般的である。ただし、多入力ニューロンMOSトラン
ジスタの場合のように、フローティングゲート電位によ
る演算に精度が必要な場合には、リセットサイクルの周
期を短くしたり、あるいは演算を行う直前に毎回リセッ
ト動作を実施する、といった制御方式を用いてもよい。
即ち、リセットの周期に関しては、もっぱら使用目的等
で決められるべき事項であり、いかなる周期で行っても
よいことは言うまでもない。
【0028】ところで、図1の回路において、フローテ
ィングゲート内に電荷を残留させないためには、スイッ
チ107が完全に解放され、フローティングゲートがフ
ローティングになった後に、スイッチ108〜110が
切り替わらなければならない。先にスイッチ108、あ
るいは109、あるいは110が切り替わり、入力結合
電極104、あるいは105、あるいは106に入力信
号が印加されると、入力結合容量に電圧が印加され、ス
イッチ107を通して電荷がフローティングゲートに流
入(流出)してしまうからである。このために、スイッ
チ107と、スイッチ108、109、110はタイミ
ングの異なる制御信号で駆動するのが良い。しかし、配
線の伝搬遅延等を考慮し、スイッチ107の解放される
タイミングがスイッチ108、109、110よりも遅
れるように構成されていれば同じ制御信号を用いても構
わない。また、入力信号が、リセット動作時に、必ず一
定電位、たとえば接地電位、になるように制御されてい
れば、スイッチ108、109、110は、なくても構
わない。スイッチ107でフローティングゲート103
と接続される接点は、電源と低インピーダンスで接続さ
れている接点であればよく、必ずしも接地電位である必
要はない。たとえば、フローティングゲート電荷を0に
リセットするのは、リセット時に、入力結合電極10
4、105、106をVDDに、フローティングゲート1
03もスイッチ107を介してVDDに設定することによ
っても可能である。この場合、スイッチ107でフロー
ティングゲート103と接続される接点はVDDラインと
なる。一般に、フローティングゲート電荷を0にリセッ
トするのは、リセット時に、入力結合電極と、フローテ
ィングゲートを低インピーダンスの経路で同電位にして
やればよく、その電位そのものはいくらであっても構わ
ない。リセット動作を迅速に行うためには低インピーダ
ンスで所定の電源、もしくは所定の信号ラインに接続さ
れていることが望ましいが、目的に応じ、例えば高イン
ピーダンスの素子を介して接続してもよい。
【0029】さらに、リセット時に、入力結合電極とフ
ローティングゲートを異なる電位に設定して実行するリ
セット手法もある。電位差があるので、リセット後に
は、ある量の電荷がフローティングゲートに残留するこ
とになる。しかし、リセット時の入力結合電極とフロー
ティングゲート電極の電位差が毎回同じであれば、毎回
まったく同じ量の電荷がフローティングゲートに残留す
ることになり、ホットキャリア注入等によるフローティ
ングゲート電荷の経時変化を補正することができる。つ
まり、しきい値の経時変化をリセットするためには、毎
回同じ電位でリセットすればよいのである。また、電位
差を与えたリセットにより、フローティングゲート電位
に意図的にオフセットを与えることも可能である。たと
えば、入力結合電極104、105、106は接地電
位、フローティングゲート103はV DD/3に設定して
リセットを行うと、フローティングゲートはVDD/3の
オフセットを持つことになる。これは、CCDDの量の
フローティングゲート電荷が残留することと同じであ
り、前述の例で示したとおり、3つの入力の中で1の数
が0個の時にのみ回路は1を出力し、1の数が1個以上
のときは0を出力する。また、逆に、フローティングゲ
ート103は接地電位に、入力結合電極104、10
5、106はすべてVDD/3にバイアスしてリセットを
行うと、3つの入力の中で1の数が2個以下の時に回路
は1を出力し、すべての入力が1のときに0を出力する
回路となる。これらは、多数決関数ではないが、もとも
と、そういう関数を実現したいのであれば、有効な手法
である。なお、VDD/3等の中間電位は、VDD/3の電
圧を出力する電源から直接供給しても良いし、VDDと接
地電位の間に接続して用いる抵抗分圧回路等を用いて生
成してもよい。
【0030】ここで示している例においては、複数の入
力結合電極に全て同じ電圧を与えてリセットを行ってい
るが、異なる電圧にしても構わない。各入力結合電極の
電位を、結合容量で重み付けを行って平均した値のみが
重要なのである。例えば、前述の、等しい結合容量を持
った3つの入力結合ゲート全てにVDD/3の電位を与え
て行うリセット動作については、同等な事が、入力結合
電極のうち1個にVDD、残り2個に接地電位を印加する
ことによっても実施できる。つまり、平均値が所定の値
になっていれば良いのである。
【0031】フローティングゲートに接続されるスイッ
チ素子としては、通常、単体トランジスタやCMOSス
イッチ等を用いる。しかし、ダイオードを用いる場合も
ある。たとえば、図2の様にPNダイオード201を用
いれば、フローティングゲート電荷の、負の方向の経時
変化(正電荷の減少、あるいは、負の電荷の増加)をリ
セットすることができる。図2の回路では、入力結合電
極202、203、204の電位を接地電位にすること
によりリセット動作が行われる。リセット時には、フロ
ーティングゲート205の電位は、PNダイオードの順
方向のオンとオフの境界の電位に自動的にバイアスされ
る。つまり、ダイオードのターンオン電圧をVONとする
と、−VONの電位になる。次いで、入力結合電極20
2、203、204に接地電位以外の正の電圧が印加さ
れて、回路が演算動作を行っている時には、フローティ
ングゲート205の電位は、−VONより大きく、ダイオ
ード201はオフ状態であり(スイッチがオフ)、フロ
ーティングゲート205は、文字通り電気的にフローテ
ィング状態となる。もし、この演算動作時に、フローテ
ィングゲート205に負の電荷が注入されたと仮定する
と、フローティングゲート電位は、実効的に負の方向に
シフトする。ところが、次のリセットサイクル時には、
入力結合ゲートがすべて接地電位になるとともに、フロ
ーティングゲート電位は−VONよりも、より負の電位に
変化しようとするが、たちまちPNダイオード201が
ターンオンして(スイッチがオン)、フローティングゲ
ート電位を−VONにクリップしてしまう。この効果によ
り、演算中にフローティングゲートに注入された負の電
荷をリセットすることができる。同様にVDDとフローテ
ィングゲート間にPNダイオードを接続することによ
り、フローティングゲート電荷の、正の方向の経時変化
(正電荷の増加、あるいは、負の電荷の減少)をリセッ
トすることができる。
【0032】本実施例においては、ニューロンMOSイ
ンバータ回路を例に上げたが、ここで述べたことは、ニ
ューロンMOSトランジスタ単体や、ニューロンMOS
トランジスタを用いた回路に一般的に適用できることは
いうまでもない。
【0033】(第2の実施例)図3は、本発明の第2の
実施例を示したものである。この回路は、X0、X1、X
2の3ビットデジタル信号入力に対し、デジタル・アナ
ログ信号変換したアナログ電圧信号を出力する回路であ
る。図において301はディプリーション型Pチャネル
ニューロンMOSトランジスタ、302はディプリーシ
ョン型NチャネルニューロンMOSトランジスタであ
る。これらのニューロンMOSトランジスタ301、3
02は、インバータ回路のニューロンMOSトランジス
タとはVDD、接地電極に対する位置が逆になっており、
共通のフローティングゲート303、およびフローティ
ングゲート303に容量結合する4個の入力結合電極3
04、305、306、307により、4入力のニュー
ロンMOSソースフォロア回路を構成している。入力結
合電極304、305、306、307のフローティン
グゲートとの結合容量比は、4:2:1:1である。入
力結合電極304、305、306の結合容量比はバイ
ナリウエイトとなっている。入力結合電極307は、フ
ローティングゲート303の電位にオフセットを与える
ためのものであり、常に接地電位となっている。その他
の構成は、実施例1と同じであるので省略する。回路の
制御に関しても実施例1と同じである。
【0034】フローティングゲート余剰電荷のリセット
を行うために、まず入力結合電極304、305、30
6を接地電位にし、スイッチ308をオンにする。その
後スイッチ308をオフにしてフローティングゲート3
03を電気的にフローティングにする。スイッチ30
9、310、311を切り替えて入力結合ゲート30
4、305、306に3ビットデジタル信号X2、X1
0を印加すると、バイナリウエイトづけされた入力結
合容量により、フローティングゲート303の電位ΦF
は次式で表わされる電位になる。
【0035】
【数6】 ニューロンMOSトランジスタ301および302で構
成するソースフォロア回路は、フローティングゲート3
03の電位とほぼ同じ電圧を出力することができるた
め、結果として式6で示される、デジタル・アナログ変
換出力が得られる。
【0036】本実施例は、フローティングゲートにスイ
ッチを付加することにより、フローティングゲート余剰
電荷をリセットすることができる本発明が、実施例1に
示したインバータ回路のみならず、広く一般に、ニュー
ロンMOSトランジスタを用いた回路に適用可能である
ことを示す一例である。
【0037】本実施例においては、スイッチ308を介
してフローティングゲートが接続されるのは接地電位で
あり、リセット時に入力結合ゲートに印加する電位も接
地電位であるが、実施例1の場合と同じく、フローティ
ングゲートリセットは、様々な電位を用いて実施するこ
とが可能であることは言うまでもない。
【0038】また、この回路は次のように用いてもよ
い。入力結合電極304、305、306に入力信号X
2、X1、X0を入力した状態で、スイッチ308をオン
にしてフローティングゲート電荷をリセットした後、ス
イッチ308をオフにし、次いで入力結合電極304、
305、306に、第2の入力信号X2’、X1’、
0’を入力すると、フローティングゲート303の電
位ΦFは、
【0039】
【数7】 となる。これは、第2の信号の重み付き平均値から第1
信号の重み付き平均値を減算した差の信号である。ソー
スフォロア構成となっている本回路においては、フロー
ティングゲートの電位をそのまま出力することができる
ため、本回路は、2つの信号の差に相当するアナログ値
を出力することができるのである。この機能を用いれ
ば、アナログ値の加減算が自由に行えるため、画像処理
等のデータ処理回路に有用である。
【0040】(第3の実施例)図4は、本発明の第3の
実施例を示すものである。本発明を、ニューロンMOS
トランジスタを用いた論理回路(発明者:柴田直、大見
忠弘、特願平3−83152号)に適用した例である。
この回路は、3つのバイナリ入力信号VA、VB、VC
対して排他的論理和(XOR)演算を行う回路である。
401、および402は、等しい結合容量の入力結合電
極を5つ持ったニューロンMOSインバータである。ニ
ューロンMOS論理回路においては、401をメインイ
ンバータ、402をプレインバータと呼んでいる。ニュ
ーロンMOSトランジスタを用いれば、あらゆる論理関
数も、1個のメインインバータと複数のプレインバータ
を組み合わせることにより実現可能である。
【0041】403、404は、それぞれニューロンM
OSインバータ401、402のフローティングゲート
余剰電荷をリセットするためのスイッチ素子として用い
ているNチャネルMOSトランジスタである。これらの
NチャネルMOSトランジスタスイッチは、制御信号φ
FGにより制御される。NチャネルMOSトランジスタ4
05およびPチャネルMOSトランジスタ406は、ニ
ューロンMOSインバータ402の出力と、ニューロン
MOSインバータ401の2つの入力結合電極をまとめ
た節点407の間の接続、遮断を行うCMOSスイッチ
を構成している。408は、節点407、つまりニュー
ロンMOSインバータ401の2つの入力結合電極を接
地電位電極に接続するためのNチャネルMOSトランジ
スタスイッチである。これらのスイッチは、制御信号φ
Rで制御される。409、410、411はともにNO
Rゲートである。
【0042】この回路のフローティングゲート余剰電荷
リセットは、ニューロンMOSインバータ401、40
2の全ての入力結合電極、フローティングゲートを接地
電位にすることにより実施され、その後、フローティン
グゲートを電気的にフローティングにし、入力結合電極
に回路の入力信号を導入することにより演算が行われ
る。具体的にリセットサイクルは、制御信号φFG、φR
が0から1へ立ち上がることにより開始される。リセッ
ト時には、入力部のNORゲートは、入力信号V A
B、VCに関係なく0、つまり接地電位を出力する。し
たがって、プレインバータ402、メインインバータ4
01の共通な入力となっている節点412、413、4
14は強制的に接地電位となる。ニューロンMOSプレ
インバータ402の他の2つの入力結合電極は、演算時
においては一方は接地電位、他方はV DDにバイアスされ
なければならないが、リセット時には共に接地電位にバ
イアスされなければならない。したがって、演算時にV
DDにバイアスされるべき入力結合電極には、制御信号φ
Rの反転信号が入力されている。以上で、リセット時に
ニューロンMOSインバータ402の入力結合電極は全
て接地電位となる。ニューロンMOSインバータ402
のフローティングゲートは、スイッチトランジスタ40
4により、制御信号φFGが1の間、強制的に接地され
る。
【0043】このようにして、ニューロンMOSインバ
ータ402のフローティングゲート電荷リセットが実行
される。ニューロンMOSインバータ402のフローテ
ィングゲートが接地されるため、その出力はVDDとな
る。このままニューロンMOSインバータ401の入力
結合電極に接続したのではニューロンMOSインバータ
401のフローティングゲート電荷リセットが実行でき
ない。したがって、リセット時にはトランジスタ40
5、406からなるCMOSスイッチにより、ニューロ
ンMOSインバータ402の出力と、ニューロンMOS
インバータ401の入力結合電極節点407の接続が解
放される。さらに、トランジスタスイッチ408によ
り、接点407は強制的に接地電位にバイアスされる。
ニューロンMOSインバータ401のフローティングゲ
ートもスイッチトランジスタ403により接地される。
以上によりニューロンMOSインバータ401のフロー
ティングゲート電荷のリセットが実施される。
【0044】図5は、本実施例の図4の回路の入出力信
号波形および内部信号波形を測定した結果を示してい
る。ΦFPおよびVOPは、ニューロンMOSインバータ4
02のフローティングゲート電位波形、およびその出力
波形である。同じくΦFMおよびVOMは、ニューロンMO
Sインバータ401のフローティングゲート電位波形、
およびその出力波形である。リセット周期においては、
フローティングゲートの電位が接地電位になっているこ
とがわかる。リセット周期が終われば、入力の信号変化
に対応してフローティングゲートの電位が変化し、出力
も変化していることがわかる。回路の出力VOUTは、3
入力VA、VB、VCに対して正常な排他的論理和(XO
R)となっている。
【0045】リセットサイクルは、まず制御信号φFG
立ち下がり、ついでφRが立ち下がることにより終了す
る。制御信号は、φFGとφRの2種類用いているが、配
線の伝搬遅延等を考慮し、フローティングゲートスイッ
チ403および404の解放されるタイミングが他のス
イッチよりも遅れるように構成されていれば同じ制御信
号を用いても構わない。
【0046】本実施例で用いたスイッチ素子は、Nチャ
ネルMOSトランジスタ、CMOSスイッチ、NORゲ
ートであるが、これらに限定されるものではなく、スイ
ッチ機能を果たすものであれば、本発明の回路動作にと
って本質的ではない若干の回路接続変更により用いるこ
とが可能である。
【0047】複雑な論理回路を構成する場合、複数の論
理回路をカスケード接続することがある。本実施例に示
した様なニューロンMOS論理回路をカスケード接続す
る場合には、後段の回路において、入力部のNORゲー
ト409、410、411等は、必要ない。なぜなら、
本実施例に示される手法を適用したニューロンMOS論
理回路は、リセット時に必ず0、つまり接地電位を出力
するからである。スイッチ403によりメインニューロ
ンMOSインバータ401のフローティングゲートが接
地され、出力はVDDとなる。このメインインバータの出
力は、通常CMOSインバータにより論理反転されて全
体回路の出力となるため、全体回路の出力としては接地
電位なのである。したがって、入力部のNORゲート
は、従来の論理回路と、本発明を適用した本実施例に示
されるニューロンMOS論理回路の接続部にのみ必要な
だけである。
【0048】ここでは、3入力のXOR関数を演算する
ニューロンMOS論理回路を例にとり、本発明の1つの
実施例を説明したが、3入力のXOR関数に限定される
ものではなく、ひろくニューロンMOS論理回路全体に
適用できるものである。また、本実施例では、ニューロ
ンMOSの入力結合電極およびフローティングゲートを
共に接地電位にバイアスするリセット手法を取り上げた
が、他に、VDD電位でリセットする手法等、種々のバリ
エーションがあることは言うまでもない。
【0049】(第4の実施例)図6は、本発明の第4の
実施例を示す回路の構成図である。本発明の技術を適用
し、一括変換型A/D変換器に用いられるコンパレータ
(比較器)を構成したものである。ニューロンMOSイ
ンバータを用いているが、説明を簡単にするため、ニュ
ーロンMOSの標準的なシンボル表記は用いず、一般的
なCMOSインバータと、容量素子のシンボルを用いて
表わしてある。601は、CMOSインバータ、602
および603は、それぞれmC、(2n−m)Cの容量
素子である。604は、CMOSインバータ601と容
量602、603を接続する節点である。節点604を
フローティングゲートとして、CMOSインバータ60
1と容量602、603により、2つの入力結合電極を
持ったニューロンMOSインバータを構成している。つ
まり節点604は、ニューロンMOSインバータのフロ
ーティングゲートである。このニューロンMOSインバ
ータを2のn乗個並列に配置することにより、nビット
の一括変換型A/D変換器のコンパレータ部となる。図
6では、簡単のため、m番目の1個のコンパレータを抜
き出して示してある。605、606はコンパレータと
して働くニューロンMOSインバータの2つの入力結合
電極に信号を供給する配線で、全コンパレータ共通の信
号配線である。607、608はスイッチで、信号配線
605、606に供給する信号として、A/D変換器の
入力であるアナログ電圧信号VINか、最大基準電圧VH
および最小基準電圧VLか、どちらかを選択するための
ものである。
【0050】スイッチ609は、ニューロンMOSイン
バータのフローティングゲートの余剰電荷をリセットす
るためのものであり、ニューロンMOSインバータの出
力とフローティングゲート604との間にある。本実施
例は、ニューロンMOSトランジスタのフローティング
ゲートがスイッチ素子を介して接続されている節点が、
そのニューロンMOSトランジスタ自身が構成するイン
バータ回路の出力であるような半導体集積回路の一例で
ある。
【0051】このニューロンMOS回路の、フローティ
ングゲート余剰電荷のリセットは、以下のように行われ
る。リセット期間においては、スイッチ609がオンす
る様に制御され、ニューロンMOSインバータのフロー
ティングゲート604と、フローティングゲート604
からみたインバータ601の出力が導通する。したがっ
て、フローティングゲート604、つまりインバータ6
01の入力と、インバータ601の出力が強制的に同電
位となる。つまり、ニューロンMOSインバータのフロ
ーティングゲート604は、インバータ601の入出力
が等しい電圧、つまり、インバータ601の反転しきい
値VINVに、自動的にバイアスされることになる。一
方、スイッチ609と同時にスイッチ607およびスイ
ッチ608も、リセット期間中はスイッチが下のほう
に、つまり、配線605にVHが、配線606にVLが印
加されるように制御される。したがって、容量602の
入力側の電極には電圧VHが、容量603の入力側には
Lがそれぞれ印加される。容量602の静電容量がm
C、容量603の静電容量が(2n−m)Cであること
を考慮すると、容量602と容量603をまとめた、静
電容量2nCの1個の等価的な単一入力結合容量を仮定
し、その入力側に、
【0052】
【数8】 で表わされる等価電位VREFが印加されていることと同
じである。この等価電位VREFは、最小基準電圧VLと最
大基準電圧VHの間を2n等分したm番目の電位であり、
m番目のコンパレータに対する基準電位となる。ニュー
ロンMOSを用いたこのコンパレータは、基準電位を、
ニューロンMOSの入力結合容量を用いた容量分割原理
により発生させているのである。ところで、結果的に
は、リセット期間中は、等価単一入力結合容量の両端
に、VREFとVINVの電位が印加されるいることになる。
リセットが終了すれば、スイッチ609は解放され、フ
ローティングゲート604は電気的にフローティングに
なる。したがって、リセット時のVREFとVINVの電位差
に対応する電荷がフローティングゲート604内に残留
することになる。これは、アナログ電位を、容量に蓄え
られた電荷としてダイナミックに記憶するメモリ機能と
いえる。リセット期間が終われば、スイッチ607、6
08も切り換わり、配線605および606には共にア
ナログ信号電圧VINが接続される。したがって、等価単
一入力結合容量の入力側の電極にはアナログ信号入力V
INが印加される。このとき、フローティングゲート60
4内に残留している電荷量を考慮すれば、フローティン
グゲート604の電位ΦFは、
【0053】
【数9】 となる。ただし、フローティングゲート604に関連す
る寄生容量は小さいとして無視している。式9をみても
分かるように、フローティングゲートにスイッチを付加
し、これまで述べた様な制御を行うことにより、フロー
ティングゲートレベルで信号の引き算が実現できてい
る。VINの方がVREFより小さいと、フローティングゲ
ートの電位ΦFがVINVより小さくなり、インバータ60
1は1を出力する。一方、VINの方がVREFより大きい
と、フローティングゲートの電位ΦFがVINVより大きく
なり、インバータ601は反転し、0を出力する。つま
り、入力アナログ信号電圧VINと基準電圧VREFの比較
(コンパレーション)が実行できるのである。
【0054】リセット時において、フローティングゲー
ト604は、毎回必ず同じ電位、V INVにバイアスされ
るため、リセット期間以外の演算期間における、ホット
キャリア注入等による、ニューロンMOSインバータの
入力結合電極から見た反転しきい値の経時変化はリセッ
トすることができる。加えて、リセット時にはフローテ
ィングゲート604が反転しきい値電位VINVでリセッ
トされ、比較演算時にも、フローティングゲート604
の電位が反転しきい値電位VINVより大きいか小さいか
で判定が行われる。つまり、リセット時も比較演算時も
共に反転しきい値が基準となっている。したがって、イ
ンバータの反転しきい値VINVが個々のコンパレータの
間でばらついていても、比較演算時の誤差とはならな
い。リセット時の入力結合電極の電位と、比較演算時の
入力結合電極の電位の差分だけが比較されるのである。
つまり、本実施例で示した手法を用いれば、デバイス動
作に伴うニューロンMOSインバータの入力結合電極か
ら見た反転しきい値の経時変化のみならず、個々の素子
パラメタのばらつきに起因する、フローティングゲート
から見たインバータの反転しきい値のばらつきをもキャ
ンセルすることができるのである。
【0055】以上の説明は、ニューロンMOSの入力結
合電極に、リセット時、つまりスイッチ609がオンの
時に基準電圧が、比較演算動作時にアナログ入力信号が
印加されるように制御する場合であるが、逆のシーケン
スでもよい。つまり、リセット時にアナログ入力信号電
圧が、比較演算動作時に基準電圧が印加されるように制
御することもできる。このときは、アナログ信号入力が
入力結合容量に記憶保持されることになり、A/D変換
時のサンプル・アンド・ホールド機能を同時に実現す
る。これは、サブレンジング型のA/D変換器の構成時
には効果的である。
【0056】(第5の実施例)図7は、本発明の第5の
実施例を示す回路の構成図である。この回路は、第4の
実施例で述べた、ニューロンMOSインバータのフロー
ティングゲートと出力をスイッチを介して接続し、フロ
ーティングゲート電荷をリセットする手法を、ニューロ
ンMOS論理回路に適用した例である。3入力の排他的
論理和(XOR)を演算する回路である。リセット機構
部を除いて、第3の実施例の回路と同じである。70
1、702はニューロンMOSインバータである。回路
の構成上、701をメインインバータ、702をプレイ
ンバータと呼ぶ。703、704は、それぞれニューロ
ンMOSインバータ701、702のフローティングゲ
ート余剰電荷をリセットするためのスイッチ素子として
用いているNチャネルMOSトランジスタである。これ
らのNチャネルMOSトランジスタスイッチは、制御信
号φFGにより制御され、ニューロンMOSインバータの
フローティングゲートと出力の間の接続、解放を行って
いる。NチャネルMOSトランジスタ705およびPチ
ャネルMOSトランジスタ706は、ニューロンMOS
インバータ702の出力と、ニューロンMOSインバー
タ701の2つの入力結合電極をまとめた節点707の
間の接続、遮断を行うCMOSスイッチを構成してい
る。708は、節点707、つまりニューロンMOSイ
ンバータ701の2つの入力結合電極を接地電位電極に
接続するためのNチャネルMOSトランジスタスイッチ
である。これらのスイッチは、制御信号φRで制御され
る。709、710、711、712はともにNAND
ゲートである。
【0057】リセット動作は以下のようにして行われ
る。まず、ニューロンMOSインバータのフローティン
グゲートと出力とを結ぶスイッチをオンにする。これに
より、フローティングゲートは、インバータの反転しき
い値VINVに自動的にバイアスされる。同時に、第1の
信号の組として、ニューロンMOSインバータの複数の
入力結合電極の電位を、その平均した値が論理的なしき
い値、つまりVDD/2になるように制御する。これによ
り、フローティングゲートには、論理的なしきい値VDD
/2と、フローティングゲートから見たインバータの実
際のしきい値VIN Vの間のずれの電位差に相当する電荷
が誘起される。したがって、フローティングゲート電荷
量の経時変化がリセットできるだけでなく、各々のイン
バータのパラメータの誤差に由来する反転しきい値V
INVのばらつきをキャンセルすることができる。つま
り、個々のインバータでVINVにばらつきがあっても、
本実施例で示すリセット手法により、入力結合電極から
見た論理しきい値は、すべてのニューロンMOSインバ
ータで正確にVDD/2に合わせることができるのであ
る。したがって、ニューロンMOS論理回路の演算精度
が向上し、ノイズマージンが改善され、入力数の多い
(ファンインの大きい)論理回路を実現することができ
る。
【0058】具体的には、まず、スイッチ703、70
4をオンし、ニューロンMOSインバータ701および
702のフローティングゲートをインバータの反転しき
い値VINVにバイアスする。入力結合電極の電位の平均
をVDD/2にするためには、ニューロンMOSインバー
タのフローティングゲートに容量結合する入力結合電極
の中で、半分の結合容量分の入力結合電極をVDDに、残
りの半分を接地電位にする。図7の例では、演算時に回
路の入力信号VA、VB、VCが印加される節点713、
714、715に接続される入力結合電極は、リセット
時にはすべてV DD、それ以外の入力結合電極にはすべて
接地電位が印加されるように構成されている。NAND
ゲート709、710、711は、リセット時に、入力
信号によらず、節点713、714、715をVDDにす
るためのスイッチとして用いている。MOSトランジス
タ705、706からなるCMOSスイッチ、およびN
チャネルMOSトランジスタスイッチ708は、リセッ
ト時に、ニューロンMOSインバータ701の入力結合
電極とニューロンMOSインバータ702の出力節点を
切り離し、ニューロンMOSインバータ701の入力結
合電極に接地電位を印加するためのものである。NAN
Dゲート712は、ニューロンMOS論理回路がカスケ
ード接続された場合に、リセット時に、前段回路の出力
つまり後段回路の入力をVDDにバイアスするためのもの
である。709、710、711のNANDゲートと目
的、機能は同じである。この場合、後段の回路におい
て、709等の入力部NANDゲートが必要ないことは
いうまでもない。
【0059】入力結合電極716、717、718、7
19は、他の入力結合電極の半分の結合容量をもってい
る。これらの入力結合電極は、ニューロンMOS論理回
路の演算自体には何も寄与しない電極である。リセット
時に、全入力結合電極電位の重み付平均値がVDD/2と
なるように調整するためのものである。具体的には、リ
セット時、入力結合電極716、717、718、71
9は、すべて接地電位となる。演算時には、716と7
17の平均電位、および718と719の平均電位がと
もに論理しきい値VDD/2となるようになっており、こ
れらの電極は、演算結果に全く影響を与えない。リセッ
ト時に接地電位、演算時にVDD/2となる様に制御され
た節点を用いれば、入力結合電極716、717および
718、719は、それぞれで他の入力結合電極と同じ
結合容量の1つの電極にまとめても構わない。
【0060】本実施例においては、リセット時に入力結
合電極の電位の平均をVDD/2にするために、ニューロ
ンMOSインバータのフローティングゲートに容量結合
する全入力結合電極の中で、半分の結合容量分に相当す
る、節点713、714、715に接続された入力結合
電極をVDDに、残りの半分の入力結合電極を接地電位に
しているが、必ずしもこの方法である必要はなく、逆に
節点713、714、715に接続された入力結合電極
を接地電位に、他をVDDでもよいし、例えば、すべての
入力結合電極にVDD/2を印加することによって実施し
てもかまわない。
【0061】図8は、本実施例の図7の回路の入出力信
号波形および内部信号波形を測定した結果を示してい
る。ΦFPは、ニューロンMOSインバータ702のフロ
ーティングゲート電位波形である。第1番目のリセット
周期においては、フローティングゲートの電位が2.6
Vになっていることがわかる。リセット周期が終われ
ば、入力の信号変化に対応してフローティングゲートの
電位が2.6Vを中心にして変化し、演算が行われてい
ることがわかる。第2番目のリセット周期の始まりとと
もに、ニューロンMOSインバータを構成するNチャネ
ルMOSトランジスタの基板バイアス電圧VSUBを0V
から−1Vに変化させている。この操作により、ニュー
ロンMOSインバータのフローティングゲートから見た
反転しきい値は、強制的に2.6Vから3.1Vに変わ
ってしまうが、リセット周期により、新しい反転しきい
値の3.1Vでフローティングゲートリセットが行わ
れ、これによりフローティングゲート電位がシフトし、
3.1Vを中心にして変化するようになる。つまり、イ
ンバータの反転しきい値のズレが自動的にキャンセルさ
れたことを示している。回路の出力VOUTは、第1番目
のリセット後、第2番めのリセット後ともに、3入力V
A、VB、VCに対して正常な排他的論理和(XOR)と
なっている。
【0062】リセットサイクルは、まず制御信号φFG
立ち下がり、ついでφRが立ち下がることにより終了す
る。制御信号は、φFGとφRの2種類用いているが、配
線の伝搬遅延等を考慮し、フローティングゲートスイッ
チ703および704の解放されるタイミングが他のス
イッチよりも遅れるように構成されていれば同じ制御信
号を用いても構わない。
【0063】本実施例で用いたスイッチ素子は、Nチャ
ネルMOSトランジスタ、CMOSスイッチ、NAND
ゲートであるが、これらに限定されるものではなく、ス
イッチ機能を果たすものであれば、本発明の回路動作に
とって本質的ではない若干の回路接続変更により用いる
ことが可能である。
【0064】ここでは、3入力のXOR関数を演算する
ニューロンMOS論理回路を例にとり、本実施例を説明
したが、3入力のXOR関数に限定されるものではな
く、広くニューロンMOS論理回路全体に適用できるも
のである。
【0065】(第6の実施例)図9は、本発明の第6の
実施例を示したものである。901は、ニューロンMO
Sインバータ、902は、ニューロンMOSインバータ
901のフローティングゲート電荷をリセットするため
のスイッチである。903は、ニューロンMOSインバ
ータ901の出力に接続されている通常のインバータで
ある。ニューロンMOSインバータ901の出力は、イ
ンバータ903で論理反転された後、スイッチ904を
介して自分自身のフローティングゲートと接続されてい
る。ニューロンMOSインバータ901の入力結合電極
にはリセット機構に対応した回路ブロックが続いてお
り、たとえば、第1の実施例(図1)の様にスイッチ素
子の場合や、第3の実施例(図4)の様に一部ニューロ
ンMOS回路の出力が接続される場合がある。これらニ
ューロンMOSインバータ901の前段の回路は、本実
施例の説明において本質的ではないので省略する。
【0066】本実施例に示す回路のフローティングゲー
ト残留電荷のリセットは、第2の実施例の回路と同じ
く、リセット時にフローティングゲートを接地電位にバ
イアスする手法を例として採用している。リセット時に
は、スイッチ902がオン、スイッチ904がオフであ
る。リセット周期が終了し、回路が論理演算を実行して
いる間は、スイッチ902、904共にオフである。こ
れまでの動作は、実施例2の場合と同じである。
【0067】演算が終了し、回路の出力VOUTが確定し
た後、スイッチ904をオンにすることにより、ニュー
ロンMOSインバータ901のフローティングゲート
に、回路の出力、つまり、ニューロンMOSインバータ
901自身の出力を論理反転したもの、がフィードバッ
クされる。スイッチ904のオンの前の時点で、ニュー
ロンMOSインバータ901のフローティングゲートの
電位が、フローティングゲートから見たインバータの反
転しきい値VINVより大きい場合、ニューロンMOSイ
ンバータ901の出力は0、インバータ903により反
転整形された回路出力は1、つまりVDDの電位である。
スイッチ904のオンにより、このVDDの電位が、ニュ
ーロンMOSインバータ901のフローティングゲート
に印加されるのである。元々ニューロンMOSインバー
タ901のフローティングゲートの電位はVINVより大
きかったわけであるが、これが促進され、最終的にVDD
に達するのである。一方、スイッチ904のオンの前の
時点で、ニューロンMOSインバータ901のフローテ
ィングゲートの電位が、VINVより小さい場合、スイッ
チ904のオンにより、接地電位が、ニューロンMOS
インバータ901のフローティングゲートに印加される
ことになる。一旦、スイッチ904のオンにより、ニュ
ーロンMOSインバータのフローティングゲートにVDD
あるいは接地電位が低インピーダンスで供給されると、
ニューロンMOSインバータ901、通常インバータ9
03、スイッチ904で構成されるループは、その値を
安定に保持することができる。つまり、スイッチ904
がオンしてフィードバックループが形成されると、以
後、ニューロンMOSインバータの入力結合電極の電位
がどのように変化しようとも、フィードバックループは
ループ形成時点の出力状態を維持する事ができる。ニュ
ーロンMOS回路において、ある時点の論理状態を保持
するラッチ機能が実現できるのである。保持状態のリセ
ットは、通常のフローティングゲート残留電荷のリセッ
トと同じ手法により実施できる。
【0068】ニューロンMOS論理回路においては、ニ
ューロンMOSトランジスタのフローティングゲートで
多値の信号を取り扱うため、論理振幅が小さくなってし
まい、フローティングゲートの電位は常にインバータの
遷移領域付近にバイアスされ、結果として、常に貫通電
流が流れ、回路の消費電力を増大させていた。本実施例
で示す手法を用いれば、フローティングゲートにフィー
ドバックをかけた後は、フローティングゲートの電位は
DDか接地電位になるので、基本的にCMOSインバー
タでは貫通電流は流れない。したがって、消費電力の低
減に効果的である。
【0069】本実施例においては、ニューロンMOSの
入力結合電極およびフローティングゲートを共に接地電
位にバイアスするリセット手法を取り上げたが、他に、
DD電位でリセットする手法等、種々のバリエーション
があることは言うまでもない。ニューロンMOSインバ
ータ901の出力を論理反転する回路として通常インバ
ータ903を用いたが、他のものでもよく、たとえばN
ANDやNORゲートでもよいことは言うまでもない。
また、回路の出力としては、通常インバータ903の出
力を取り出しているが、ニューロンMOSインバータ9
01の出力を回路の出力として取り出してもよいことは
言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ニューロ
ンMOSトランジスタを用いた集積回路において、デバ
イス製造時のフローティングゲート残留電荷や、デバイ
ス動作に伴うフローティングゲート注入電荷を効果的に
リセットすることができ、フローティングゲート電荷に
由来する回路の誤動作を防止することができるため、ニ
ューロンMOS集積回路の信頼性を向上することができ
る。さらに、フローティングゲートを用いた多値信号の
演算の精度が向上し、ノイズマージンが増大することか
ら、より多機能な演算を行うことができる。
【0071】請求項2に係る発明によれば、特にニュー
ロンMOS論理回路において、信頼性の向上、機能の向
上が実現できる。
【0072】請求項3に係る発明によれば、特にニュー
ロンMOSトランジスタを用いたアナログ回路におい
て、信頼性の向上、機能の向上が実現できる。
【0073】請求項4に係る発明によれば、ニューロン
MOS集積回路において、信頼性の向上、機能の向上が
実現できるとともに、一部の回路においては回路の簡単
化も実現できる。
【0074】請求項5に係る発明によれば、特にニュー
ロンMOS論理回路において、信頼性の向上、機能の向
上を実現できる。たとえば、ある論理回路Aの出力を、
ニューロンMOS論理回路Bに含まれるニューロンMO
Sトランジスタのフローティングゲートにスイッチを介
して接続すれば、論理回路Aの演算結果に基づいてニュ
ーロンMOS論理回路Bの演算機能を切り替えたりする
ことができ、より高機能な集積回路が実現できる。
【0075】請求項6に係る発明によれば、特にニュー
ロンMOS論理回路において、信頼性の向上、機能の向
上を実現できるとともに、回路内でフィードバックルー
プを構成することになり、より多彩な機能が実現でき
る。
【0076】請求項7に係る発明によれば、特にニュー
ロンMOS論理回路において、個々のトランジスタの持
つしきい値のばらつきをもキャンセルする事ができ、演
算の精度、信頼性、機能を飛躍的に高めることができ
る。
【0077】請求項8に係る発明によれば、特にニュー
ロンMOS論理回路において、信頼性の向上、機能の向
上が実現できるだけでなく、入力データや演算結果など
を論理的に保持するラッチ回路を構成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す概略構成回路図で
ある。
【図2】スイッチ素子としてPNダイオードを用いた場
合の概略構成回路図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す概略構成回路図で
ある。
【図4】本発明の第3の実施例を示す概略構成回路図で
ある。
【図5】本発明の第3の実施例の回路の入出力、内部信
号波形を測定した結果を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例を示す概略構成回路図で
ある。
【図7】本発明の第5の実施例を示す概略構成回路図で
ある。
【図8】本発明の第5の実施例の回路の入出力、内部信
号波形を測定した結果を示す図である。
【図9】本発明の第6の実施例を示す概略構成回路図で
ある。
【符号の説明】
101 PチャネルニューロンMOSトランジスタ、 102 NチャネルニューロンMOSトランジスタ、 103 フローティングゲート、 104,105,106 入力結合電極、 107,108,109,110 スイッチ、 111 出力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/792 (73)特許権者 598158521 アイ・アンド・エフ株式会社 東京都文京区本郷4丁目1番4号 コス モス本郷ビル (72)発明者 小谷 光司 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉(無番 地)東北大学工学部電子工学科内 (72)発明者 柴田 直 宮城県仙台市太白区日本平5番2号 (72)発明者 大見 忠弘 宮城県仙台市青葉区米ケ袋2−1−17− 301 (56)参考文献 特開 平2−74053(JP,A) 特開 平6−112442(JP,A) 特開 平6−112505(JP,A) 特開 平3−6679(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/10 G06F 15/18 H01L 21/8247 H01L 27/115 H01L 29/788

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に一導電型の半導体領域を有し、
    この領域内に設けられた反対導電型のソース及びドレイ
    ン領域を有し、前記ソース及びドレイン領域を隔てる領
    域に絶縁膜を介して設けられたフローティングゲートを
    有し、前記フローティングゲートと絶縁膜を介して容量
    結合する複数の入力結合電極を有するニューロンMOS
    トランジスタを1個以上有し、前記ニューロンMOSト
    ランジスタにおいて、前記フローティングゲートが、1
    個以上のスイッチ素子を介して所定の信号ラインに接続
    されており、前記ニューロンMOSトランジスタの複数
    の入力結合電極に第1の信号の組を入力するとともに前
    記スイッチ素子を導通させた後、前記スイッチ素子を遮
    断することにより前記ニューロンMOSトランジスタの
    フローティングゲートを電気的にフローティング状態に
    し、その後、前記ニューロンMOSトランジスタの複数
    の入力結合電極に第2の信号の組を入力する事により演
    算を行う様に制御された事を特徴とする半導体集積回
    路。
  2. 【請求項2】 前記ニューロンMOSトランジスタがイ
    ンバータ回路を構成している事を特徴とする請求項1に
    記載の半導体集積回路。
  3. 【請求項3】 前記ニューロンMOSトランジスタがソ
    ースフォロア回路を構成している事を特徴とする請求項
    1記載の半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 前記所定の信号ラインが、抵抗素子によ
    る分圧回路の節点に接続されていることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体集積回
    路。
  5. 【請求項5】 前記所定の信号ラインが、論理回路の出
    力端子に接続されていることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載の半導体集積回路。
  6. 【請求項6】 前記論理回路の出力が、前記ニューロン
    MOSトランジスタ自身により出力の論理値が決定され
    る論理回路の出力であることを特徴とする請求項5に記
    載の半導体集積回路。
  7. 【請求項7】 前記ニューロンMOSトランジスタ自身
    により出力の論理値が決定される論理回路が、前記ニュ
    ーロンMOSトランジスタ自身が構成するインバータ回
    路であることを特徴とする請求項6に記載の半導体集積
    回路。
  8. 【請求項8】 前記ニューロンMOSトランジスタ自身
    により出力の論理値が決定される論理回路が、前記ニュ
    ーロンMOSトランジスタ自身が構成するインバータ回
    路の出力を反転させた信号を出力するように構成された
    論理回路であることを特徴とする請求項6に記載の半導
    体集積回路。
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