JP3287191B2 - 車両用自動速度制御装置 - Google Patents

車両用自動速度制御装置

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JP3287191B2 JP28366995A JP28366995A JP3287191B2 JP 3287191 B2 JP3287191 B2 JP 3287191B2 JP 28366995 A JP28366995 A JP 28366995A JP 28366995 A JP28366995 A JP 28366995A JP 3287191 B2 JP3287191 B2 JP 3287191B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両をある目標車
速で定速走行するように自動的に速度制御する車両用自
動速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動速度制御装置は一般に、高速
道路のように一定速度で長距離を走行することが可能な
道路においてある車速、例えば80km/hの速度をキープ
しながら走行しようとするのに用いられる機能であっ
て、定速走行セットスイッチを投入することによって、
ドライバがブレーキペダルあるいはアクセルペダルを踏
むという車速変更操作をしない限り現在速度をキープし
ながら走行するように車両側で自動的に実車速と目標車
速との偏差を見てスロットル開度を増減調整し、加減速
制御する装置である。
【0003】このような車両用自動速度制御装置の従来
例として、本願出願人が特願平7−20640号として
出願したものがある。この先願にかかる発明は、目標車
速と実車速との偏差に基づいて両者を一致させるような
目標駆動力を演算し、この目標駆動力に実駆動力を一致
させるようにスロットル開度を制御することにより、車
速制御性能を向上させる装置において、制御対象である
車両の駆動力が有限であるために、車速制御中にそれを
越える駆動力を必要とした時に、装置内で演算される目
標駆動力が実駆動力を越さないように、あらかじめ記憶
させてある最大エンジントルクとエンジン回転速度及び
減速機の減速比から求めた駆動力上限値を用いて目標駆
動力を制限することにより、車両最大駆動力を持ってし
ても駆動力が不足して車速が低下してしまう登り坂にお
いて目標駆動力が最大駆動力を越えないように制限し、
走行抵抗推定器内部に誤差が蓄積しないようにして登り
坂から平坦路に移った時に車速がオーバーシュートする
のを防止するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら一般的
に、図9に示すように、エンジン負圧を駆動源としたア
クチュエータではスロットル開動作と逆にエンジン負圧
が低下するので、最大駆動力TVO/pkに達する前にスロッ
トルがそれ以上(TVO/lt以上)に開かなくなることがあ
るが、上記の提案されている装置では、このような場合
にはリミッタが正常に作動せず、装置内部で演算される
目標駆動力が実際の駆動力を越えてしまって走行抵抗推
定器内部に誤差が蓄積し続けてしまうことがあり、この
結果、道路勾配が平坦に戻った後でもこの影響がしばら
く残り、車速VSP が目標車速VSPrに対してなおオーバー
シュートすることがあるおそれがある。
【0005】本発明はこのような技術的課題を解決する
ためになされたもので、最大駆動力に達する前にスロッ
トルが開かなくなっても、そのような状態になったと推
測できる時に目標駆動力と実駆動力との差が生じないよ
うに目標駆動力を制限し、走行抵抗推定手段の内部に誤
差が蓄積しないようにして車速のオーバーシュートの発
生を確実に防止する車両用自動速度制御装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、所定
の制御サイクルごとにエンジン負圧を駆動源としたアク
チュエータによってスロットル開度を調節し、車両速度
を制御する車両用自動速度制御装置において、車両の実
車速を検出する車速検出手段と、車両を一定車速で走行
させるために目標車速を与える目標車速設定手段と、車
両のスロットルの開度を検出するスロットル開度検出手
段と、前記実車速と前記目標車速とに基づいて両者を一
致させるために必要な目標駆動力を演算する目標駆動力
演算手段と、前記実車速と前記目標駆動力とに基づいて
走行抵抗推定値を演算する走行抵抗推定手段と、前記走
行抵抗推定手段の算出した走行抵抗推定値に基づいて、
前記目標駆動力演算手段の算出した目標駆動力を補正し
て最終目標駆動力を演算する目標駆動力補正手段と、前
記目標駆動力補正手段の算出した最終目標駆動力に基づ
いて目標スロットル開度を演算するスロットル開度演算
手段と、前記実スロットル開度を前記目標スロットル開
度に一致させるようにスロットル開度を制御するスロッ
トル開度制御手段と、前記実スロットル開度と前記目標
スロットル開度との偏差を監視し、目標スロットル開度
の方が実スロットル開度よりも大きく、かつ当該偏差が
あらかじめ設定されている比較基準値を越えて大きくな
った場合に前記最終目標駆動力を1制御サイクル前の最
終目標駆動力に変更する目標駆動力制限手段とを備えた
ものである。
【0007】この請求項1の発明の車両用自動速度制御
装置では、目標駆動力演算手段で車両の実車速と目標車
速とに基づいて両者を一致させるために必要な目標駆動
力を算出し、走行抵抗推定手段で実車速と算出された目
標駆動力とに基づいて走行抵抗推定値を算出し、さら
に、目標駆動力補正手段でこの走行抵抗推定値に基づい
て目標駆動力を補正して最終目標駆動力を算出する。そ
して、スロットル開度演算手段で前記目標駆動力補正手
段の算出した最終目標駆動力に基づいて目標スロットル
開度を算出し、スロットル開度制御手段が実スロットル
開度をこの目標スロットル開度に一致させるようにスロ
ットル開度を制御する。
【0008】ここで目標駆動力制限手段は、実スロット
ル開度と目標スロットル開度との偏差を監視し、目標ス
ロットル開度の方が実スロットル開度よりも大きく、か
つその偏差があらかじめ設定されている比較基準値を越
えて大きくなった場合には最終目標駆動力を1制御サイ
クル前の最終目標駆動力に変更してスロットル開度制御
手段に与える。
【0009】これにより、スロットル開動作と逆にエン
ジン負圧が低下して最大駆動力に達する前にスロットル
が開かなくなったような場合にはスロットルが開けられ
る範囲でほぼ最大の開度に維持しながら自動速度制御を
継続することにして、走行抵抗推定手段に入力される目
標駆動力が実際の駆動力を越えないように制限し、走行
抵抗推定手段の内部に誤差が蓄積して平坦路に移ったと
きに車速がオーバーシュートするという事態の発生を防
止する。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の車両用自動
速度制御装置において、前記走行抵抗推定手段を、前記
目標駆動力を入力としたローパスフィルタと、前記実車
速を入力としたロバスト補償器と、前記ローパスフィル
タの出力と前記ロバスト補償器の出力との差を求める加
算器とによって構成したものである。
【0011】この請求項2の発明の車両用自動速度制御
装置では、走行抵抗推定手段において、目標駆動力をロ
ーパスフィルタに入力し、またロバスト補償器に実車速
を入力し、これらのローパスフィルタの出力とロバスト
補償器の出力との差を求め、これを走行抵抗推定値とす
る。
【0012】請求項3の発明は、請求項1の車両用自動
速度制御装置において、前記走行抵抗推定手段を、前記
目標駆動力を入力とした車両特性モデルと、前記車両特
性モデルの出力と前記実車速との差を求める加算器と、
前記加算器の出力を入力とするロバスト補償器とによっ
て構成したものである。
【0013】この請求項3の発明の車両用自動速度制御
装置では、走行抵抗推定手段において、目標駆動力を入
力とする車両特性モデルの出力と実車速との差を求め、
この差値をロバスト補償器に入力して走行抵抗推定値を
得る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の
ハードウェア構成を示しており、定速走行コントロール
ユニット1はCPU、RAM、ROM、各種インタフェ
ース及び各種タイマを備えたマイクロコンピュータ1a
を主要部とし、各種のプログラムにしたがって本発明に
かかる自動速度制御演算を実行し、各種の機器の動作制
御を行う。
【0015】この定速走行コントロールユニット1に対
して電源スイッチとしてのメインスイッチ(MAIN_SW )
と、定速走行制御の開始を指令する定速走行セットスイ
ッチ(SET_SW)、現在速度に対して加速指令を与えるア
クセラレートスイッチ(ACC_SW)、現在速度に対して減
速指令を与えるコーストスイッチ(COAST_SW)、定速走
行制御をキャンセルさせるためのキャンセルスイッチ
(CANCEL_SW )及びブレーキペダルが踏み込まれたこと
を検出するブレーキスイッチ(BRAKE_SW)を含むスイッ
チ群2と、電磁ピックアップを用いた車速センサ3と、
スロットル開度センサ4と、エンジン回転速度を計測す
るためのクランク角センサ5とがそれぞれ入力信号を与
える要素として接続されている。またスロットルアクチ
ュエータ6がこの定速走行コントロールユニット1によ
る制御対象として接続されている。
【0016】このスロットルアクチュエータ6は負圧式
であり、モータで駆動されるバキュームポンプ7、大気
連通可能なベントバルブ8及びセーフティバルブ9を備
えていて、バキュームポンプ7をモータで駆動し、また
ベントバルブ8の開度を制御することによって負圧の大
きさを調整し、スロットルバルブ10の開度をアクセル
操作によらずに強制的に所望の値に制御する働きをなす
ものである。またセーフティバルブ9は自動速度制御モ
ードにセットされていないときにこの制御系がスロット
ルを駆動しないように大気に開放するためのものであ
り、定速走行コントロールユニット1によって開閉制御
される。
【0017】定速走行コントロールユニット1が実行す
る自動速度制御機能は図2に示す構成であり、セットス
イッチが操作されると現在速度VSP を目標車速VSPrにし
て定速走行すべく、目標車速VSPrを設定する目標車速設
定部21と、車速センサ3の信号に基づいて現在の実車
速VSP を検出する車速検出部22と、スロットル開度セ
ンサ4の信号に基づいてスロットルバルブ10の開度TV
O を検出するスロットル開度検出部23とを備えてい
る。
【0018】また目標車速設定部21で設定された目標
車速VSPrに対して後述する所定の演算手法に基づいて目
標駆動力y4を算出する目標駆動力演算部24と、実車速
VSPと最終目標駆動力y1とに基づいて走行抵抗推定値x
を算出する走行抵抗推定部25と、目標駆動力y4と走行
抵抗推定値xとに基づいて目標駆動力を補正して最終目
標駆動力y1を出力する目標駆動力補正部26と、この目
標駆動力補正部26からの最終目標駆動力y1を出力する
のに必要なスロットル開度、つまり目標スロットル開度
TVOrを算出する目標スロットル開度演算部27と、実ス
ロットル開度TVO を目標スロットル開度TVOrに一致させ
るフィードバック制御を行うスロットル開度制御部28
を備えている。
【0019】そして本発明の特徴として、スロットル開
度検出部23からの実スロットル開度TVO と目標スロッ
トル開度演算部27が算出する目標スロットル開度TVOr
とを比較し、目標スロットル開度TVOrが所定値、例えば
5°を越えて大きくなった時に最終目標駆動力y1を1制
御サイクル前の最終目標駆動力に制限して走行抵抗推定
部25に今回の制御サイクルの最終目標駆動力として与
える目標駆動力制限部29を備えている。
【0020】次に、この実施の形態による自動速度制御
処理を図3〜図7のフローチャートに基づいて説明す
る。タイマの割込みなどによって所定時間ごと、例え
ば、100msecごとにこの自動速度制御処理は繰返し実
行される。まず車速センサ3、スロットル開度センサ4
及びクランク角センサ5それぞれの信号を読込んで制御
サイクル100msecの間の平均実速度VSP 、平均スロッ
トル実開度TVO 及び平均エンジン回転速度Neを演算する
(ステップP1)。
【0021】そしていままでが自動速度制御モードであ
って、今回キャンセルスイッチの操作によってこの自動
速度制御モードがキャンセルされたかどうかを判断し
(ステップP2)、キャンセルスイッチがオンになって
いなければ、次に新しく自動速度制御モードのセットス
イッチが操作されたかどうか判断する(ステップP
3)。
【0022】今回の制御サイクルで新しくセットスイッ
チが操作されていた場合には、今回計測した平均実速度
VSP において定速走行する指示がドライバによって行わ
れたものであるから、この実速度VSP を目標速度VSPrに
設定し(ステップP4)、自動速度制御中フラグをセッ
トし、次回から自動速度制御に入る用意をする(ステッ
プP5)。
【0023】次回以降の制御サイクルでは、キャンセル
スイッチが操作され、あるいはブレーキが踏まれてブレ
ーキスイッチがオンとなるまで自動速度制御処理が繰返
される。すなわち、ステップP1で各制御サイクルの最
初に計測した実車速VSP 、スロットル実開度TVO 、エン
ジン回転速度Neに基づいて、目標速度VSPrに実速度VSP
が一致するようにスロットル開度制御を行うのである
(ステップP1〜P3,P6〜P14)。
【0024】自動速度制御に入ると、ステップP7〜P
11において、広く知られている線形制御手法であるモ
デルマッチング手法及び近似ゼロイング手法を利用した
図4に示す補償演算回路30を用いて、エンジンの最終
目標駆動力y1を演算する。
【0025】この補償演算回路30は図2における目標
駆動力演算部24、走行抵抗推定部25、目標駆動力補
正部26及び目標駆動力制限部29の演算処理を実行す
る回路に相当し、モデルマッチング補償部31が目標駆
動力演算部24に相当し、ローパスフィルタ32とロバ
スト補償器33と加算器34を含む部分が走行抵抗推定
部25に相当し、加算器35が目標駆動力補正部26に
相当し、リミッタ36が目標動力制限部29に相当す
る。
【0026】いま制御対象の伝達特性をパルス伝達関数
P(z-1)とおくと、目標駆動力y1を演算入力し、車速
VSP を出力とする制御対象のモデル化は積分特性とな
る。そして図4に示す補償演算回路ではこのときの伝達
特性をパルス伝達関数P(z-1)とおくことができる。
【0027】この図4の補償演算回路で、zは遅延演算
子であり、z-1を乗ずることによって1制御サイクル前
の値となる。またC1(z-1),C2(z-1)は近似ゼロイ
ング手法による外乱推定演算を実行し、外乱やモデル化
誤差による影響を抑制するものであり、ここでは走行抵
抗推定部25を構成している。またモデルマッチング補
償部31のC3(z-1)はモデルマッチング手法による補
償演算を実行し、制御対象の応答特性をあらかじめ定め
た一次遅れとむだ時間を持つ規範モデルH(z-1)の特
性と一致させる。
【0028】目標駆動力y1を入力、実車速VSP を出力と
する部分を制御対象とおくと、P(z-1)は次の数1式
に示す積分要素P1(z-1)とむだ時間要素P2(z-1)=
-2の式でおくことができる。
【0029】
【数1】 ここで、 T:制御サイクル(ここでは、100msecに設定されて
いる) M:は平均車重 このとき、C1(z-1),C2(z-1)は次の数2,数3式
になる。
【0030】
【数2】 (時定数Tbのローパスフィルタ)
【数3】 ただし、γ=exp (−T/Tb) ここで、補償器C2は車両特性モデルの逆系にローパスフ
ィルタをかけたロバスト補償器で、実車速VSP に対応す
る駆動力y3を出力する。したがって図2、図4における
走行抵抗推定部25は図5に示す機能構成となり、加算
器34においてローパスフィルタ32の出力を車両特性
の逆系にローパスフィルタをかけたロバスト補償器33
の出力から減算することによって走行抵抗推定値xを
得、これを目標駆動力補正部26に相当する加算器35
に与える。
【0031】制御対象のむだ時間を無視して、規範モデ
ルH(z-1)を時定数Taの1次ローパスフィルタとする
と、モデルマッチング補償部31のC3は次の数4式の定
数となる。
【0032】
【数4】 以上の制御手法に基づき、図3のフローチャートにおけ
るステップP7ではモデルマッチング補償部31に相当
する次の数5式の演算を行い、目標駆動力y4を求める。
ただし、データy(k-1 )はk制御サイクルに対してそ
の1つ前の(k-1 )制御サイクルのデータを示す。
【0033】
【数5】y4(k)=K・(VSP r(k)−VSP (k)) 次のステップP8では、走行抵抗推定部25の一部であ
るロバスト補償器33のC2(z-1)に相当する次の数6
式の演算を行う。
【0034】
【数6】 次に目標駆動力を走行抵抗推定値xによって補正する次
の数7式の演算を実行し、最終目標駆動力y1を求める
(ステップP9)。ここでy2(k-2 )は後述のステップ
P11のローパスフィルタ部C1(z-1)に相当する演算
で得られるy2(k)の2制御サイクル前、つまり(k-2
)制御サイクルで得られたデータを示している。この
ステップP11の演算は前述の積分要素P1(z-1)に相
当し、2制御サイクル前のデータを用いることがむだ時
間要素P2(z-1)=z-2に相当する。
【0035】
【数7】 y1(k)=y4(k)+(y2(k-2 )−y3(k)) ここでy2(k-2 )は補償器内で求めた走行抵抗の影響を
受けない駆動力であるのに対して、y3(k)は駆動力か
ら走行抵抗を引いた値であることから、上式のかっこ内
の式y2(k-2 )−y3(k)が走行抵抗推定値xとなる。
【0036】こうしてステップP9で得られた最終目標
駆動力y1(k)に対しては、上限値制限をかける。この
演算処理は図2における目標駆動力制限部29におい
て、また図4でこれに相当するリミッタ36における処
理であるが、図6のフローチャートに示す処理である。
現在の目標スロットル開度TVOrとスロットル開度センサ
4からスロットル開度検出部23を介して入力される実
スロットル開度TVO とを比較し(ステップP101)、
目標スロットル開度TVOrの方が実スロットル開度TVO よ
りも5°以上大きい場合には、最終目標駆動力y1(k)
を1制御サイクル前のもの、つまりy1(k-1 )をy5
(k)にすることにより目標スロットル開度に制限をか
ける(ステップP102)。
【0037】こうして目標駆動力の上限値制限処理を行
った後、走行抵抗推定処理の一部であるローパスフィル
タとしての補償器C1(z-1)に相当する次の数8式の演
算を実行する(ステップP11)。
【0038】
【数8】 y2(k)=γ・y2(k-1 )+(1−γ)・y5(k-1 ) 続くステップP12では、目標スロットル開度演算部2
7の処理に相当する目標スロットル開度演算を実行す
る。これには、最終目標駆動力y1(k)から目標エンジ
ントルクを算出し、さらにあらかじめ登録されているエ
ンジン非線形特性データマップを用いて目標エンジント
ルクから目標スロットル開度TVOrを表引き演算する。
【0039】そしてスロットル開度制御部28ではこの
目標スロットル開度TVOrに対して実スロットル開度TVO
を一致させる制御を行う。つまり、目標スロットル開度
TVOrと実スロットル開度TVO との偏差に基づいて負圧式
スロットルアクチュエータ6のバキュームポンプ7及び
ベントバルブ8のPWM制御を行うのである(ステップ
P13,P14)。
【0040】なお、自動速度制御中にキャンセルスイッ
チが操作されれば(ステップP2)、自動速度制御中フ
ラグをクリアし、全てのパラメータを初期状態に戻して
自動速度制御を中止する(ステップP15,P16)。
【0041】このようにしてこの実施の形態の車両用自
動速度制御装置では、目標駆動力の上限制限処理を行う
ことにより、スロットル開動作と逆にエンジン負圧が低
下して最大駆動力に達する前にスロットルが開かなくな
った場合に、最終目標駆動力y1(k)を実現するために
目標スロットル開度TVOrをさらに開く方向に制御するを
防止する。つまり、図7に示すように、定速走行をなす
べく自動速度制御を実行しているときに登り坂に入る
と、車速VSP を目標車速VSPrに維持するために目標駆動
力を引上げるべくスロットル開度を開く方向に制御する
が、負圧式スロットルアクチュエータの特性上、車両の
最大駆動力を実現するスロットル開度に達する前にスロ
ットルがそれ以上開かなくなることがあり、そのような
場合には、上記の補償演算処理回路30で出力される最
終目標駆動力を目標スロットル開度TVOrと実スロットル
開度TVO との差がある設定値(ここでは5°に設定され
ている)以上開くようになる前の目標駆動力に制限する
ことにより、目標スロットル開度TVOrも車両特性上決定
されるある限界値TVO/ltに制限する。これによってスロ
ットル開度の差が蓄積されることがなくなり、平坦路に
入った時にしばらくの間車速がオーバーシュートすると
いうことが避けられ、早い時期に元の目標車速VSPrに一
致する速度制御ができることになる。しかもこの実施の
形態の場合、車両特性が車両ごとに若干の個体差があっ
たとしても、それぞれの車両に対応したスロットル開度
の限界値TVO/lt以下に制限することができる。
【0042】なお、スロットル開度の上限値制限のため
の比較基準値として上記の実施の形態では5°に設定し
たが、これはそれよりも大きいものあるいは小さいもの
にすることができる。
【0043】また上記の実施の形態では走行抵抗推定部
25の機能構成を図4及び図5のようにしたが、これは
図8のように変更することもできる。すなわち、加算器
41において最終目標駆動力y1を入力とする車両特性モ
デル42の出力を実車速VSPから減算し、これを車両特
性の逆系とローパスフィルタをかけた構成のロバスト補
償器43に入力し、このロバスト補償器43の出力を走
行抵抗推定値xとして用いる構成とすることもできる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車両の実
車速と目標車速とに基づいて両者を一致させるために必
要な目標駆動力を算出し、また実車速と算出された目標
駆動力とに基づいて走行抵抗推定値を算出し、この走行
抵抗推定値に基づいて目標駆動力を補正して最終目標駆
動力を算出し、この最終目標駆動力に基づいて目標スロ
ットル開度を算出し、実スロットル開度を目標スロット
ル開度に一致させるようにスロットル開度を制御するこ
とによって自動速度制御を行うに当り、目標駆動力制限
手段が実スロットル開度と目標スロットル開度との偏差
を監視し、目標スロットル開度の方が実スロットル開度
よりも大きく、かつその偏差があらかじめ設定されてい
る基準値を越えて大きくなった場合には最終目標駆動力
を1制御サイクル前の最終目標駆動力に変更し、これに
基づいてスロットル開度制御を行うようにしているの
で、スロットル開動作と逆にエンジン負圧が低下して最
大駆動力に達する前にスロットルが開かなくなったよう
な場合にはスロットルを開くことができる範囲でほぼ最
大の開度に維持しながら自動速度制御を継続することに
よって、走行抵抗推定手段に入力される目標駆動力が実
際の駆動力を越えないように制限することができ、走行
抵抗推定手段の内部に誤差が蓄積して車両が登り坂から
平坦路に移ったときに車速がオーバーシュートした場
合、効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態のハードウェア構成
を示すブロック図。
【図2】上記の実施の形態においてマイクロコンピュー
タの実行する自動速度制御の機能ブロック図。
【図3】上記の実施の形態においてマイクロコンピュー
タの実行する自動速度制御のフローチャート。
【図4】上記の実施の形態においてマイクロコンピュー
タの実行する自動速度制御のブロック線図。
【図5】上の実施の形態における走行抵抗推定部の機能
ブロック図。
【図6】上記の実施の形態においてマイクロコンピュー
タの実行する自動速度制御における目標駆動力上限制限
処理のフローチャート。
【図7】上記の実施の形態による自動速度制御特性を示
すタイミングチャート。
【図8】上記の実施の形態における走行抵抗推定部の他
の機能構成例を示す機能ブロック図。
【図9】従来例の自動速度制御特性を示すタイミングチ
ャート。
【符号の説明】
1 コントロールユニット 1a マイクロコンピュータ 2 スイッチ群 3 車速センサ 4 スロットル開度センサ 5 クランク角センサ 6 スロットルアクチュエータ 7 バキュームポンプ 8 ベントバルブ 9 セフティバルブ 10 スロットル弁 21 目標車速設定部 22 車速検出部 23 スロットル開度検出部 24 目標駆動力演算部 25 走行抵抗推定部 26 目標駆動力補正部 27 目標スロットル開度演算部 28 スロットル開度制御部 30 補償演算回路 31 モデルマッチング補償部 32 ローパスフィルタ 33 ロバスト補償器 34 加算器 35 加算器 36 リミッタ 41 加算器 42 車両特性モデル 43 ロバスト補償器43
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/14 320 F02D 41/14 320D (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 31/00 F02D 29/02 301 F02D 29/02 311 F02D 41/04 310 F02D 41/14 320

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の制御サイクルごとにエンジン負圧
    を駆動源としたアクチュエータによってスロットル開度
    を調節し、車両速度を制御する車両用自動速度制御装置
    において、 車両の実車速を検出する車速検出手段と、 車両を一定車速で走行させるために目標車速を与える目
    標車速設定手段と、 車両のスロットルの開度を検出するスロットル開度検出
    手段と、 前記実車速と前記目標車速とに基づいて両者を一致させ
    るために必要な目標駆動力を演算する目標駆動力演算手
    段と、 前記実車速と前記目標駆動力とに基づいて走行抵抗推定
    値を演算する走行抵抗推定手段と、 前記走行抵抗推定手段の算出した走行抵抗推定値に基づ
    いて、前記目標駆動力演算手段の算出した目標駆動力を
    補正して最終目標駆動力を演算する目標駆動力補正手段
    と、 前記目標駆動力補正手段の算出した最終目標駆動力に基
    づいて目標スロットル開度を演算するスロットル開度演
    算手段と、 前記実スロットル開度を前記目標スロットル開度に一致
    させるようにスロットル開度を制御するスロットル開度
    制御手段と、 前記実スロットル開度と前記目標スロットル開度との偏
    差を監視し、目標スロットル開度の方が実スロットル開
    度よりも大きく、かつ当該偏差があらかじめ設定されて
    いる比較基準値を越えて大きくなった場合に前記最終目
    標駆動力を1制御サイクル前の最終目標駆動力に変更す
    る目標駆動力制限手段とを備えて成る車両用自動速度制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記走行抵抗推定手段を、前記目標駆動
    力を入力としたローパスフィルタと、前記実車速を入力
    としたロバスト補償器と、前記ローパスフィルタの出力
    と前記ロバスト補償器の出力との差を求める加算器とに
    よって構成したことを特徴とする請求項1記載の車両用
    自動速度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記走行抵抗推定手段を、前記目標駆動
    力を入力とした車両特性モデルと、前記車両特性モデル
    の出力と前記実車速との差を求める加算器と、前記加算
    器の出力を入力とするロバスト補償器とによって構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の車両用自動速度制御
    装置。
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