JP3277740B2 - 車両用自動速度制御装置 - Google Patents

車両用自動速度制御装置

Info

Publication number
JP3277740B2
JP3277740B2 JP02064095A JP2064095A JP3277740B2 JP 3277740 B2 JP3277740 B2 JP 3277740B2 JP 02064095 A JP02064095 A JP 02064095A JP 2064095 A JP2064095 A JP 2064095A JP 3277740 B2 JP3277740 B2 JP 3277740B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving force
target driving
throttle valve
vehicle speed
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02064095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08207619A (ja
Inventor
英夫 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP02064095A priority Critical patent/JP3277740B2/ja
Publication of JPH08207619A publication Critical patent/JPH08207619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3277740B2 publication Critical patent/JP3277740B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の走行速度(以
下、車速とも言う。)を自動制御する車両用自動速度制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用自動速度制御装置として
は、特開平4−132845号公報に開示されるものが
ある(第1従来例)。これは、「目標車速と実車速との
偏差に基づいて、両者を一致させるような目標駆動力を
演算し、この目標駆動力に実駆動力を一致させるように
スロットル弁開度を制御することで、車速制御性能を向
上させる」ようにしたものである。
【0003】また、公知の一般的な制御手法(第2従来
例)として、「近似ゼロイング制御手法」が知られてい
る。これは、制御対象への操作量と制御対象の出力に基
づいて、制御対象の動的モデルを用いた外乱推定器(デ
ィスターバンスオブザーバ)を用いて制御対象に加わる
外乱を推定し、この推定結果に基づき操作量を補正する
ことで、外乱による影響を排除するようにするものであ
る。
【0004】さらに、特開平1−313136号公報に
開示されるものがある(第3従来例)。これは、目標エ
ンジントルクを達成するために、予め記憶されたエンジ
ン性能データを用いて目標スロットル弁開度を求め、実
スロットル弁開度を目標スロットル弁開度に一致させる
ように制御するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、車両用自動速
度制御装置において、車速をより高精度に目標車速に制
御するために、上記第1従来例と第2従来例とを組み合
わせた場合を考えてみると、外乱推定器により車両に加
わる外乱である走行抵抗(勾配抵抗,空気抵抗,転がり
抵抗の総和)を推定して、当該推定結果に基づき、車速
偏差から求められた目標駆動力を補正することで、走行
抵抗の変化に左右されない車速制御性能を達成すること
ができる。
【0006】しかしながら、上記の組み合わせでは、以
下のような問題がある。即ち、制御対象である車両の駆
動力が有限であるために、車速制御中に、それを越える
駆動力(負に場合はエンジンブレーキ力)を必要とした
時に、外乱推定器の内部に誤差が溜まり続け、その後の
車速制御性能を低下させてしまう。つまり、例えば、定
車速制御中に、急な登り坂に入って、車両の最大駆動力
をもってしても駆動力が不足して車速が目標値に対して
低下する状況を想定してみる。この状況下では、外乱推
定器の内部に誤差が溜まり続け、目標駆動力がプラス側
に大きく補正されてしまい、道路勾配が平坦に戻った後
でもこの影響が暫く残り、結果として車速が逆にオーバ
ーシュートしてしまうことになる(図8A参照)。
【0007】一方、自動速度制御中(以下、定車速制御
中とも言う。)に、急な下り坂に入って、車両の最大エ
ンジンブレーキ力をもってしてもエンジンブレーキ力が
不足して車速が目標値を越えてしまう状況を想定してみ
る。この状況下では、外乱推定器の内部に誤差が溜まり
続け、目標駆動力がマイナス側に大きく補正されてしま
い、道路勾配が平坦に戻った後でもこの影響が暫く残
り、結果として車速が逆にアンダーシュートしてしまう
ことになるのである(図8B参照)。
【0008】さらに、第1従来例と第3従来例との組み
合わせを考えてみても、以下のような問題がある。即
ち、エンジン性能の非線形な特性によって、スロットル
弁開度が全開にならなくてもほぼ最大のエンジン出力ト
ルクが発生する運転領域がある。この非線形なエンジン
特性データを用いて目標エンジントルクから目標スロッ
トル弁開度を求めるようにした場合には、スロットル弁
開度は最大エンジン出力トルクが得られると予め想定さ
れた開度以上の値にはならない。従って、実際の車両の
エンジン特性にバラツキがあって、最大トルクに差があ
っても、必ずしもそのエンジンの最大エンジントルク、
即ち最大の駆動力が得られない場合がある(図9参
照)。
【0009】本発明は、かかる実情に鑑みなされたもの
であり、目標車速が得られるように、目標駆動力を演算
し、この目標駆動力が得られるように、エンジンを制御
するようにした車両用自動車速制御装置において、目標
駆動力が現実に達成できない値に設定された場合に発生
する走行抵抗の推定演算の誤差を抑制して、以って高精
度な車両の自動速度制御を行なうことができるようにし
た車両用自動速度制御装置を提供することを第1の目的
とする。
【0010】また、目標車速が得られるように、目標駆
動力を演算し、この目標駆動力が得られるように、スロ
ットル弁開度を制御するようにした車両用自動車速制御
装置において、目標スロットル弁開度の設定に際し、従
来の非線形なエンジン特性データに代えて、エンジント
ルクがスロットル弁開度全域で必ず一対一で対応するよ
うに拡張されたエンジン特性データを用いて目標スロッ
トル弁開度を設定することで、実際の車両のエンジン特
性にバラツキがあっても高精度に目標スロットル弁開度
を設定できるようにして、以って高精度な車両の自動速
度制御を行なうことができるようにした車両用自動速度
制御装置を提供することを第2の目的とする。
【0011】なお、上記車両用自動速度制御装置におい
て、更なる高精度化,簡略化を図ることも本発明の目的
である。
【0012】このため、請求項1に記載の発明は、図1に
示すように、車両の実車速と目標車速とに基づいて、両
者を略一致させるような目標駆動力を演算する目標駆動
力演算手段と、前記演算された目標駆動力と、車両の走
行抵抗推定値と、に基づいて、最終目標駆動力を演算す
る最終目標駆動力演算手段と、前記演算された最終目標
駆動力をエンジン特性から決定される最大駆動力及び最
小駆動力で制限することで、修正最終目標駆動力を得る
最終目標駆動力修正手段と、前記修正最終目標駆動力
と、実車速と、に基づいて、前記車両の走行抵抗値を推
定演算する走行抵抗演算手段と、を含んで構成した。
【0013】
【0014】請求項2に記載の発明は、図2に示すよう
に、車両の実車速と目標車速とに基づいて、両者を略一
致させるような目標駆動力を演算する目標駆動力演算手
段と、前記演算された目標駆動力と、車両の走行抵抗推
定値と、に基づいて、最終目標駆動力を演算する最終目
標駆動力演算手段と、前記演算された最終目標駆動力を
エンジン特性から決定される最大駆動力及び最小駆動力
で制限することで、修正最終目標駆動力を得る最終目標
駆動力修正手段と、前記修正最終目標駆動力と、実車速
と、に基づいて、前記車両の走行抵抗値を推定演算する
走行抵抗演算手段と、前記最終目標駆動力演算手段によ
り演算された最終目標駆動力と、エンジントルクがスロ
ットル弁開度全域で一対一で対応するように拡張された
エンジン特性データと、に基づいて、目標スロットル弁
開度を設定する目標スロットル弁開度設定手段と、前記
目標スロットル弁開度に実スロットル弁開度が略一致す
るようにスロットル弁を制御するスロットル弁制御手段
と、を含んで構成した。
【0015】請求項3に記載の発明は、エンジン回転速
度毎に設定されたスロットル弁全開時及び全閉時のエン
ジントルクに基づいて、前記上限値及び下限値を設定す
るように構成した。請求項4に記載の発明は、前記目標
駆動力を、予め定められた規範モデルの応答特性に沿っ
て前記実車速が前記目標車速に略一致するような目標駆
動力を演算するモデルマッチング車速制御手段を用いて
演算するようにした。
【0016】
【作用】かかる構成を備える請求項1に記載の発明で
は、前記走行抵抗演算手段における走行抵抗の推定演算
に用いる最終目標駆動力に対して、エンジン特性等から
求まる最大駆動力(上限値)と最小駆動力(下限値)
により修正(制限)を加えるようにして、最終目標駆動
力が現実には得られない値に設定されたような場合にお
いても、走行抵抗の推定演算に誤差が生じないようにす
る。これにより、例えば、自動速度制御中に、急な登り
坂に入って、車両の最大駆動力をもってしても駆動力が
不足して、車速が目標値に対して低下してしまうような
場合や、急な下り坂に入って、車両の最大エンジンブレ
ーキ力をもってしても、エンジンブレーキ力が不足し
て、車速が目標値を大きく越えてしまうような場合で
も、前記走行抵抗演算手段内部に誤差が蓄積されること
がなく、道路勾配が平坦に戻った後でも走行抵抗演算手
段が速やかに機能してオーバー或いはアンダーシュート
することなく車速を目標車速に制御することができるよ
うになる。従って、高精度な車両の自動速度制御を行な
うことができるようになる。
【0017】
【0018】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明の構成に、最終目標駆動力演算手段により演算
された最終目標駆動力を用いる目標スロットル弁開度設
定手段を付加したことで、目標スロットル弁開度の設定
に際して、エンジントルクがスロットル弁開度全域に必
ず一対一で対応するような拡張されたエンジン特性デー
タ(線形)を用いて目標スロットル弁開度を求めるよう
にする。これにより、例えば、目標車速から車速が低下
してしまうような急な登り坂では、スロットル弁を全開
まで完全に開くことができるようになるので、エンジン
特性のバラツキに左右されることなく、そのエンジンの
最大駆動力を引き出すことができる。従って、高精度な
車両の自動速度制御を行なうことができるようになる。
なお、第2目標スロットル弁開度設定手段は、設定精度
向上のために、走行抵抗値を加味した目標駆動力を用い
て、目標スロットル弁開度を設定するようにしてもよ
い。
【0019】請求項3に記載の発明では、比較的簡単な
構成により、高精度に、前記上限値及び下限値を設定す
ることが可能となる。請求項4に記載の発明では、比較
的簡単な構成により、高精度に、目標駆動力を演算でき
る。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。図3
は、本発明の一実施例に係る自動速度制御装置のシステ
ム構成図である。この図3において、図示しない車両に
搭載されたエンジン20の出力側には、自動変速機30が設
けられている。この自動変速機30は、エンジン20の出力
側に介在する流体式トルクコンバータ40と、この流体式
トルクコンバータ40を介してエンジン20に連結された歯
車式変速機50と、この歯車式変速機50中の各種変速要素
の結合・開放操作を行う油圧アクチュエータ(図示せ
ず)とを備えて構成される。
【0021】前記油圧アクチュエータ(図示せず)に対
する作動油圧は図示しない各種の電磁バルブを介して制
御され、CPU,ROM,RAM,デジタルポート,A
/Dポート,各種タイマー等を内蔵するマイクロコンピ
ュータからなる自動変速機用コントロールユニット12
は、前記各種の電磁バルブのオン・オフの組み合わせに
よって目標のギア位置に変速させる。
【0022】なお、前記自動変速機用コントロールユニ
ット12は、信号線Aを介して、定車速制御中(即ち、自
動速度制御中)のギア位置(3rd又はOD〔オーバー
ドライブ〕)を定速走行用コントロールユニット1へ送
るようになっている。一方、後述する定速走行用コント
ロールユニット1は、自動変速機用コントロールユニッ
ト12へ、定速走行制御中に、信号線Bを介して定速走行
制御中信号を送り、また、信号線Cを介して定速走行時
OD(オーバードライブ)キャンセル要求信号を送るよ
うになっている。そして、自動変速機用コントロールユ
ニット12は、定速走行制御中は、定速走行用コントロー
ルユニット1からの指令に基づいて変速制御を行なうよ
うになっている。即ち、自動変速機用コントロールユニ
ット12は、通常走行中は、各種センサからの信号(TV
OやVsp等)に基づき目標変速段を決定し、かかる目標
変速段に応じて前記電磁バルブをオン・オフさせる変速
信号を出力し、自動変速機2における変速動作を制御
し、定速走行制御中は、定速走行用コントロールユニッ
ト1らの信号に基づいて目標変速段を決定し、かかる目
標変速段に応じて前記電磁バルブをオン・オフさせる変
速信号を出力し、自動変速機2における変速動作を制御
することとなる。なお、前記定速走行用コントロールユ
ニット1と自動変速機用コントロールユニット12との間
の通信に関しては、本実施例では最も簡単なパラレル型
としたが、他の型式のものであってもよい。
【0023】ところで、前記定速走行用コントロールユ
ニット1は、CPU,ROM,RAM,デジタルポー
ト,A/Dポート,各種タイマー等を内蔵するワンチッ
プマイコン(或いは同機能を実現する複数チップマイコ
ン)及びスロットルアクチュエータ駆動回路1−3によ
って構成される。なお、本実施例のように、異常時に定
速走行制御をキャンセルさせるフェイルセーフ用遮断回
路1−2を備えるようにするのが好ましい。
【0024】前記定速走行用コントロールユニット1に
は、各種信号が入力される。前記各種信号は、ドライバ
ーが操作するスイッチ2〜7、及び車速センサ8,スロ
ットルセンサ9,クランク角センサ10からの信号等で
あり、これらの信号に基づいて、定速走行用コントロー
ルユニット1では定速走行制御の開始または解除等を判
断するようになっている。
【0025】ここで、メインスイッチ(MAIN S
W)2は、定速走行用コントロールユニット1及びスロ
ットルアクチュエータ駆動回路1−3への電源供給を許
可する定速走行許可スイッチである。セットスイッチ
(SET SW)3は、定速走行制御の開始及び設定車
速のセットを行なうためのスイッチである。アクセラレ
ートスイッチ(ACC SW)4は設定(目標)車速を
上げるためのスイッチで、コーストスイッチ(COAS
T SW)5は設定(目標)車速を下げるためのスイッ
チである。キャンセルスイッチ(CANSEL SW)
6は、定速走行制御を解除するスイッチで、ブレーキス
イッチ(BRAKE SW)7は、ドライバーがブレー
キペダルを踏んだときに定速走行制御を解除させるため
のスイッチである。
【0026】なお、車速センサ8は、電磁ピックアップ
を用いた車速センサであり、自動変速機30の出力軸等に
同期してパルス信号を発生させ、定速走行用コントロー
ルユニット1では、このパルス信号を受けカウント或い
は周期計測することで出力軸回転速度を検出し、当該検
出結果と最終減速比等とに基づいて実車速Vspを検出す
るようになっている。このようにして検出された実車速
Vspは、スロットルアクチュエータ11の操作量の演算
や、定速走行制御中の変速時期の判断等に用いられる。
【0027】スロットルセンサ9は、エンジン20の吸気
系に介装されて図示しないアクセルペダルに連動して開
閉するスロットル弁21の開度を検出するポテンショ型の
センサであり、例えば実スロットル弁開度に対応したア
ナログ信号を定速走行用コントロールユニット1に出力
し、当該ユニット1にてA/D変換を行い、実スロット
ル弁開度TVOを検出できるようになっている。このよ
うにして検出されたスロットル弁開度TVOは、スロッ
トルアクチュエータ11のサーボコントロール、及び走行
抵抗の推定等に利用される。
【0028】クランク角センサ10は、エンジン回転速度
の計測に利用されるセンサである。なお、スロットルア
クチュエータ11は、負圧式スロットルアクチュエータで
あり、モータ等で駆動されるバキュームポンプの負圧
を、大気連通可能な複数のソレノイドバルブ(図示せ
ず)の開閉組み合わせにより調整し、この負圧の大きさ
に応じてスロットル弁21を、アクセル操作に依らず
に、強制作動させることができるものである。
【0029】ここで、本実施例における定速走行用コン
トロールユニット1が行なう定速走行制御について、
のフローチャートに従って説明する。尚、本実施例に
おいて、定速走行用コントロールユニット1が、本発明
に係る目標駆動力演算手段、最終目標駆動力演算手段、
最終目標駆動力修正手段、走行抵抗演算手段、第1目標
スロットル弁開度設定手段、第2目標スロットル弁開度
設定手段、スロットル弁制御手段、モデルマッチング車
速制御手段としての機能をソフトウェア的に備えてい
る。
【0030】まず、P1では、100msec間にカウント
された車速センサ8からのパルス数のカウント値に基づ
いて演算を行い、100msec間の平均実車速VSPを計
測する。また、100msec間にカウントされたクランク
角センサ10からのパルス数のカウント値に基づいて演算
を行い、100msec間の平均エンジン回転速度Neを計
測する。さらに、マイコン内のA/D変換機能を用い
て、スロットルセンサ9からのアナログ信号値を読み取
り所定の演算を行いスロットル弁開度TVOを計測す
る。
【0031】P2では、キャンセルスイッチ6,ブレー
キスイッチ7に繋がるデジタルI/Oポートの状態をモ
ニターして、どちらかがON状態のときには、定速走行
制御(ASCD〔AUTO SPEED CONTOROL DEVICE〕による
制御) を解除すべく、P8へ進み、両方ともOFFの場
合には、定速走行制御を許可すべくP3へ進む。P3で
は、セットスイッチ3に繋がるデジタルI/Oポートの
状態をモニターして、ONの場合にはP4へ進み、OF
Fの場合にはP7へ進む。
【0032】P4では、現在の実車速Vspを、目標車速
Vspr として記憶する。P5では、定速走行制御中(A
SCD作動中)を示すASCD作動フラグをセットする
(=1)。P6では、フェイルセーフ用電源遮断回路1
−2を通電状態とするように、対応するデジタルI/O
ポートのレジスタ所定ビットをセットする。
【0033】P7では、ASCD作動フラグをチェック
して、セット状態(=1)であれば、定速走行制御中と
判断して、P10へ進む。非セット状態(=0)であれ
ば、P8へ進む。P8では、各フラグ及び変数の初期化
を行なう。P9では、フェイルセーフ用電源遮断回路1
−2を遮断状態とするように対応するデジタルI/Oポ
ートのレジスタ所定ビットをクリアする。
【0034】P10〜P14では、目標車速Vspr に、
実車速Vspを一致させるために、公知の線形制御手法で
ある「モデルマッチング手法」と「近似ゼロイング手
法」を用いて最終目標駆動力y1を演算する。まず、車
速フィードバック補償器の概要をパルス伝達関数を用い
て説明する。制御対象の伝達特性をパルス伝達関数P
(z-1)でおくと、制御器は図5のようになる。zは遅
延演算子であり、z-1を乗ずると1サンプル周期前の値
となる。C1(z-1),C2(z-1)は、近似ゼロイン
グ手法による外乱推定器であり、外乱やモデル化誤差に
よる影響を抑える。また、C3(z-1)は、モデルマッ
チング手法による補償器で、制御対象の応答特性を規範
モデルH(z-1)の特性に一致させる。
【0035】目標駆動力を入力、実車速を出力とする部
分を制御対象とおくと、P(z-1)は、下式に示す積分
要素P1(z-1)と、むだ時間要素P2(z-1)=z-2
の積でおくことができる。
【0036】
【数1】
【0037】制御対象のむだ時間を無視して、規範モデ
ルを時定数Taの1次のローパスフィルタとすると、C
3は下記の定数となる。 C3=K=〔1−exp (−T/Ta)〕・M/T P10では、モデルマッチング補償器に相当する下記演
算を行い、目標駆動力y4を求める。但し、データy(k
-1) は、1 サンプル周期前のデータy(k) を示す。
【0038】 y4(k)=K・(Vspr(k)−Vsp(k) ) P11では、外乱推定器の一部であるロバスト補償器C
2(z-1)に相当する下記演算を行なう。 y3(k)=γ・y3(k-1) +(1−γ)・M/T・V
sp(k)−(1−γ)・M/T・Vsp(k-1) P12では、目標駆動力y4を下式で補正して最終目標
駆動力y1(k) を求める。但し、y2(k-2) は、P14
で求められるy2(k) の2サンプル周期前のデータであ
る。因に、y2(k-2) −y3(k) が、走行抵抗推定値で
ある。
【0039】 y1(k) =y4(k) −y3(k) +y2(k-2) P13では、スロットル弁全開及び全閉時のエンジント
ルク値を各エンジン回転速度毎に記憶した各テーブルデ
ータを用いて、最大エンジントルクTemax と最小エン
ジントルクTemin を求める。さらに、下式を用いて最
大駆動力Fmaxと最小駆動力Fmin を求める。Gmは、
ミッションギア比、Gfはファイナルギア比、Rtはタ
イヤの有効半径である。
【0040】 Fmax =( Temax ・Gm・Gf) /Rt Fmin =( Temin ・Gm・Gf) /Rt さらに、最終目標駆動力y1(k) を、これらの上限値F
max と下限値Fmin で制限してy5(k) を求める。即
ち、y1(k) >上限値Fmax であれば、y5(k) =上限
値Fmax とし、y1(k) <下限値Fmin であれば、y5
(k) =下限値Fmin とし、上限値Fmax ≧y1(k) ≧下
限値Fmin であれば、y5(k) =y1(k) とする。
【0041】P14では、外乱推定器の一部であるロー
パスフィルタとしての補償器C1(z-1)に相当する下
記演算を行なう。 y2(k) =γ・y2(k-1) +(1−γ)・y5(k-1)) P15では、最終目標駆動力y1(k) から目標エンジン
トルクTer を算出する。Gmは、ミッションギア比、
Gfはファイナルギア比、Rtはタイヤの有効半径であ
る。
【0042】 Ter=(y1・Rt)/(Gm・Gf) さらに、エンジン回転速度毎に予め記憶されたエンジン
非線形特性データマップを用いて、目標エンジントルク
Terから、目標スロットル弁開度を表引き演算する。
例えば、図6に示すような、エンジントルクがスロット
ル弁開度全域に必ず対応するような拡張されたデータマ
ップを用いる。図6において、実線部が本来のエンジン
特性データであり、点線部が拡張されたデータである。
【0043】P16では、PI(比例積分)制御等の公
知の制御手法を用いて、スロットル弁開度偏差Δ(=目
標開度TVOR −実開度TVO)に基づいて、当該偏差
Δを無くすべく、負圧式スロットルアクチュエータ11の
バキュームポンプ及び大気解放用ソレノイドバルブへの
各出力(駆動)パルス幅(Tvac,Tvent)を演算する。
【0044】P17では、定速走行用コントロールユニ
ット1内のパルス出力用レジスタに、バキュームポンプ
出力パルス幅Tvac と、大気解放用ソレノイドバルブ出
力パルス幅Tventを書き込む。かかるフローにより、以
下の作用効果が奏せられる。即ち、”近似ゼロイング手
法”で構成された外乱推定器は、その内部に持つ制御対
象モデル出力と実際の制御対象出力との差異に基づい
て、外乱(走行抵抗)を正確に推定する。
【0045】特に、定車速制御中に、急な登り坂に入っ
て、車両の最大駆動力をもってしても駆動力が不足し
て、車速が目標値に対して低下する状況を想定した場合
でも、前記外乱推定器に入力される最終目標駆動力が実
際の最大駆動力を越えないように制限され、実際に得ら
れないような大きな目標駆動力値にはならないので、外
乱補償器内部に誤差が蓄積されることがない。従って、
道路勾配が、平坦に戻った後でも外乱推定器が速やかに
機能してオーバーシュートすることなく車速を目標車速
に制御することができる(図7A参照)。
【0046】逆に、定車速制御中に、急な下り坂に入っ
て、車両の最大エンジンブレーキ力をもってしても、エ
ンジンブレーキ力が不足して、車速が目標値を大きく越
えてしまう状況を想定した場合でも、外乱推定器に入力
される最終目標駆動力値が実際の最小駆動力値を下回わ
らないように制限され、実際に得られないような小さな
目標駆動力値(大きなエンジンブレーキ目標値)にはな
らないので、外乱補償器内部に誤差が蓄積されることが
ない。従って、道路勾配が、平坦に戻った後でも、外乱
推定器が速やかに機能してアンダーシュートすることな
く、車速を目標車速に収束させることができる(図7B
参照)。
【0047】さらに、上下限値を制限されていない最終
目標駆動力値から求められた目標エンジントルクに基づ
いて、エンジントルク値と、スロットル弁全開度領域と
が、一対一で対応するように拡張されたエンジン非線形
特性データマップ(図6)を用いて目標スロットル弁開
度を求めるようにしたので、目標車速から車速が低下し
てしまうような急な登り坂でも、スロットル弁を全開ま
で完全に開くことができる。従って、エンジン特性のバ
ラツキに左右されることなく、そのエンジンの最大駆動
力を引き出すことができる。
【0048】なお、上記実施例において、エンジン回転
速度は、スロットル弁開度と基本燃料噴射量Tp等のエ
ンジン負荷から推定してもよい。また、エンジントルク
の代わりに、スロットル弁開度以外のエンジン負荷を表
すパラメータ(Tpや吸入空気流量等)を用いることも
できる。また、上記実施例では、本発明の走行抵抗演算
手段と第2目標スロットル弁開度設定手段とを併せ持つ
構成(請求項2に相当)について説明したが、本発明の
走行抵抗演算手段のみを備えるもの(請求項1に相当。
この場合はスロットル弁を強制制御しなくてもよく、例
えばスロットル弁バイパス通路を設け、当該バイパス通
路に介装した流量制御弁〔所謂ISD〕等によりエンジ
ントルクを制御するようにしてもよい。)でも、本発明
の第1の目的を達成できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、前記走行抵抗演算手段における走行抵抗
の推定演算に用いる最終目標駆動力に対して、エンジン
特性等から求まる上限値と下限値とにより修正(制限)
を加えるようにして、最終目標駆動力が現実には得られ
ない値に設定されたような場合においても、走行抵抗の
推定演算に誤差が生じないようにしたので、前記走行抵
抗演算手段内部に誤差が蓄積されることがなく、道路勾
配が、平坦に戻った後でも走行抵抗演算手段が速やかに
機能してオーバー或いはアンダーシュートすることなく
車速を目標車速に制御することができ、以って高精度な
車両の自動速度制御を行なうことができる。
【0050】請求項2に記載の発明では、前記第1目標
スロットル弁開度設定手段を備えることで、目標スロッ
トル弁開度の設定に際して、エンジントルクがスロット
ル弁開度全域に必ず一対一で対応するような拡張された
エンジン特性データ(線形)を用いて目標スロットル弁
開度を求めるようにしたので、常に、スロットル弁を全
開まで完全に開くことができるようになるので、エンジ
ン特性のバラツキに左右されることなく、そのエンジン
の最大駆動力を引き出すことができ、以って高精度な車
両の自動速度制御を行なうことができる。
【0051】請求項2に記載の発明では、比較的簡単な
構成により、高精度に、前記上限値及び下限値を設定す
ることができる。請求項3に記載の発明では、比較的簡
単な構成により、高精度に、目標駆動力を演算すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に記載の発明のブロック図
【図2】 請求項2に記載の発明のブロック図
【図3】 本発明の一実施例の自動速度制御装置のシス
テム構成図。
【図4】 同上実施例における自動速度制御を示すフロ
ーチャート。
【図5】 同上実施例における車速フィードバック補償
器の概要をパルス伝達関数を用いて説明した図。
【図6】 同上実施例における拡張されたエンジン特性
データを示す図。
【図7】 (A)は、登り坂における同上実施例におけ
る作用効果を説明する図。(B)は、下り坂における同
上実施例における作用効果を説明する図。
【図8】 (A)は、従来装置における登り坂での問題
点を説明する図。(B)は、従来装置における下り坂で
の問題点を説明する図。従来の施例における変速レンジ
切り換え時の変速制御を示すフローチャート。
【図9】 従来のエンジン特性データを示す図。
【符号の説明】
1 定速走行用コントロールユニット 8 車速センサ 9 スロットルセンサ 10 クランク角センサ 11 スロットルアクチュエータ 12 自動変速機用コントロールユニット 20 エンジン 21 スロットル弁 30 自動変速機
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 31/00 F02D 29/02 301 F02D 41/04 310

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の実車速と目標車速とに基づいて、両
    者を略一致させるような目標駆動力を演算する目標駆動
    力演算手段と、 前記演算された目標駆動力と、車両の走行抵抗推定値
    と、に基づいて、最終目標駆動力を演算する最終目標駆
    動力演算手段と、 前記演算された最終目標駆動力をエンジン特性から決定
    される最大駆動力及び最小駆動力で制限することで、修
    正最終目標駆動力を得る最終目標駆動力修正手段と、 前記修正最終目標駆動力と、実車速と、に基づいて、前
    記車両の走行抵抗値を推定演算する走行抵抗演算手段
    と、 を含んで構成したことを特徴とする車両用自動速度制御
    装置。
  2. 【請求項2】 車両の実車速と目標車速とに基づいて、両
    者を略一致させるような目標駆動力を演算する目標駆動
    力演算手段と、 前記演算された目標駆動力と、車両の走行抵抗推定値
    と、に基づいて、最終目標駆動力を演算する最終目標駆
    動力演算手段と、 前記演算された最終目標駆動力をエンジン特性から決定
    される最大駆動力及び最小駆動力で制限することで、修
    正最終目標駆動力を得る最終目標駆動力修正手段と、 前記修正最終目標駆動力と、実車速と、に基づいて、前
    記車両の走行抵抗値を推定演算する走行抵抗演算手段
    と、 前記最終目標駆動力演算手段により演算された最終目標
    駆動力と、エンジントルクがスロットル弁開度全域で一
    対一で対応するように拡張されたエンジン特性データ
    と、に基づいて、目標スロットル弁開度を設定する目標
    スロットル弁開度設定手段と、 前記目標スロットル弁開度に実スロットル弁開度が略一
    致するようにスロットル弁を制御するスロットル弁制御
    手段と、 を含んで構成したことを特徴とする車両用自動速度制御
    装置。
  3. 【請求項3】 エンジン回転速度毎に設定されたスロット
    ル弁全開時及び全閉時のエンジントルクに基づいて、前
    最大駆動力及び最小駆動力を設定することを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の車両用自動速度制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記目標駆動力が、予め定められた規範モ
    デルの応答特性に沿って前記実車速が前記目標車速に略
    一致するような目標駆動力を演算するモデルマッチング
    車速制御手段を用いて演算されることを特徴とする請求
    項1〜請求項3の何れか1つに記載の車両用自動速度制
    御装置。
JP02064095A 1995-02-08 1995-02-08 車両用自動速度制御装置 Expired - Lifetime JP3277740B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02064095A JP3277740B2 (ja) 1995-02-08 1995-02-08 車両用自動速度制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02064095A JP3277740B2 (ja) 1995-02-08 1995-02-08 車両用自動速度制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08207619A JPH08207619A (ja) 1996-08-13
JP3277740B2 true JP3277740B2 (ja) 2002-04-22

Family

ID=12032835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02064095A Expired - Lifetime JP3277740B2 (ja) 1995-02-08 1995-02-08 車両用自動速度制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3277740B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003902172A0 (en) * 2003-05-07 2003-05-22 Dawson, Nicole Accelerator pedal signal controller
JP4986559B2 (ja) * 2006-09-25 2012-07-25 株式会社Kelk 流体の温度制御装置及び方法
JP5052265B2 (ja) * 2007-09-06 2012-10-17 トヨタ自動車株式会社 走行路判定装置および車両走行制御装置
JP6131965B2 (ja) * 2015-01-21 2017-05-24 トヨタ自動車株式会社 無段変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08207619A (ja) 1996-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3555402B2 (ja) 車速制御装置
US7693641B2 (en) Vehicle speed control system
JP3358509B2 (ja) 車両用走行制御装置
JP2887948B2 (ja) 車両用速度制御装置
JP2000111570A (ja) 車両内に設けられた横方向加速度センサのモニタ装置および方法
JP4046777B2 (ja) 車両用自動車速制御装置
JP3277740B2 (ja) 車両用自動速度制御装置
JPH0523394Y2 (ja)
JP3796959B2 (ja) 無段変速機付き車両の車速制御装置
JP3225846B2 (ja) 車両用定速走行装置
JP3092444B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JPH092100A (ja) 車両用定速走行制御装置
JP3428419B2 (ja) 制駆動力制御装置
JP3608388B2 (ja) 走行抵抗推定装置及び車両用走行制御装置
JP3780689B2 (ja) 制駆動力制御装置
JP3613974B2 (ja) 車速制御装置
JP3591015B2 (ja) 車両用定速走行制御装置
JP3099725B2 (ja) 車速制御装置
JP3045067B2 (ja) 車速制御装置
JP3669122B2 (ja) 車速制御装置
JPH09150646A (ja) 車両用自動速度制御装置
JP3719032B2 (ja) 無段変速機を装備した車両の駆動力制御装置
JP3528319B2 (ja) 車両用定速走行装置
JP3287191B2 (ja) 車両用自動速度制御装置
JP3235435B2 (ja) 車速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090215

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140215

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term