JP3284455B2 - ブラシレスモータ - Google Patents

ブラシレスモータ

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JP3284455B2
JP3284455B2 JP16111395A JP16111395A JP3284455B2 JP 3284455 B2 JP3284455 B2 JP 3284455B2 JP 16111395 A JP16111395 A JP 16111395A JP 16111395 A JP16111395 A JP 16111395A JP 3284455 B2 JP3284455 B2 JP 3284455B2
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勇 橋本
智 伊藤
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  • Brushless Motors (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、CDおよびCD−R
OM駆動用スピンドルモータなどに適用するブラシレス
モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のCDおよびCD−ROM駆動用ス
ピンドルモータなどに用いられているブラシレスモータ
は、図14の従来のブラシレスモータにおける全体構成
図およびE型アウトコア形状図に示すように、外周部に
駆動用永久磁石102を固着したロータ101と、ロー
タ101に対向して配置され、3個のティースを備えた
E型アウトコア105に、電機子コイル104を巻回し
たステータ107と、ロータ101を囲むように形成し
た磁性体のシールドヨーク106とを備える。
【0003】ティース103は、3個とも同じ幅でE型
アウトコア105に形成され、先端は、ロータ101の
外周方向に延在し、所定の間隙をとって駆動用永久磁石
102に対向し、先端の幅もそれぞれ同じ幅で形成され
ている。
【0004】シールドヨーク106は、ロータ101を
挟んだ反対側のE型アウトコア105と対称の位置で、
シールドヨーク106を形成する弧の中点とロータ10
1の中心を結ぶ直線が、ロータ101の中心を通る中央
のティースの中心線と重なるように設置されて構成され
たブラシレスモータが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のCDおよびCD
−ROM駆動用スピンドルモータなどに用いられている
ブラシレスモータは、スロット形の3ティースE型アウ
トコアを備えたステータで構成されている。
【0006】ステータは、3個のティースそれぞれに直
接電機子コイルを巻回した構造となり、構造的には簡単
になって製造効率が向上する反面、突極構造を持つステ
ータは、ティースとロータ外周の駆動用永久磁石との間
でコギングを発生し、高速応答や低速回転での定速駆動
を要求されるロータでは、ロータのトルクむらあるいは
回転むら特性を悪化させる課題がある。
【0007】また、E型アウトコアの3個のティースの
形状は、中央ティースと外側ティースでは形状が異なる
ために磁気的に均一とはならず、不均一なコギングトル
クを発生しやすく、また、外側テイースは中央テイース
に比べ、駆動用永久磁石の磁束を効率よく集中させるこ
とができないので、ブラシレスモータの平均起動トルク
が小さくなり、トルクリップルも大きくなる課題があ
る。
【0008】さらに、ロータ外周の駆動用永久磁石の磁
界の影響を遮蔽するため、磁性体のシールドヨークを配
置すると、シールドヨークと駆動用永久磁石との間でも
コギングトルクが発生する。
【0009】E型アウトコアの3個のティースと駆動用
永久磁石との間で発生するコギングトルクと、シールド
ヨークと駆動用永久磁石との間で発生するコギングトル
クの周期が合うと、両者は合成されてコギングはさらに
大きくなる。
【0010】複雑に合成された不均一なコギングトルク
や回転駆動中のトルクリップルは、ブラシレスモータの
振動や騒音を増大させ、特に低速回転数領域における振
動やワウ・フラッタを大きくする課題がある。
【0011】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたもので、その目的は、ブラシレスモータの
コギングを最小化するとともにトルクリップルを減少さ
せ、振動や騒音の低減を図ったブラシレスモータを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、この発明に係るブラシレスモータは、次の構成を有
する。 (1) 回転自在で外周部に駆動用永久磁石を固着した
ロータと、前記ロータに対向して配置され、3個のティ
ースを備えたE型アウトコアのそれぞれに電機子コイル
を巻回したステータと、前記ロータを囲むように形成し
た磁性体のシールドヨークと、前記電機子コイルに流す
三相の励磁電流を制御し、前記ロータを回転駆動させる
電機子コイル駆動手段とを備えたブラシレスモータにお
いて、前記3個のティースと前記駆動用永久磁石との間
で発生するコギングトルクと、前記シールドヨークと前
記駆動用永久磁石との間で発生するコギングトルクとが
同じ周期となるように前記シールドヨークと前記3個の
ティースとを構成し、且つ、前記シールドヨークの弧の
中点と前記ロータの中心を結ぶ直線と前記E型アウトコ
アの中央ティースの中心線とがなす角度が電気角でnπ
±π/4(n=±2,±3,±4)となる位置に前記シ
ールドヨークを配置したことを特徴とするブラシレスモ
ータ。 (2) 中央ティース先端の幅(W1)と外側ティース
先端の幅(W2)の比(W1/W2)を、0.6〜0.
9に設定したことを特徴とする請求項1記載のブラシレ
スモータ。
【0013】
【実施例】以下に、この発明の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図1はこの発明に係るブラシレスモータ
の全体構成図である。
【0014】本発明は、ロータ外周の磁極とステータコ
アの間と、同じくロータ外周の磁極とシールドヨークの
間で、それぞれ発生するコギングトルクの周期性に着目
し、前者のコギングトルクを後者のコギングトルクで打
ち消してブラシレスモータのコギングを最小化するもの
である。
【0015】また、本発明は、ロータ外周の磁極からテ
ィースに集中される磁束が、中央と外側のティース形状
の違いから均一でなく、各々の電機子コイルに誘起され
る逆起電力が異なってトルクリップルの一因となること
に着目し、ティース先端の形状や寸法あるいは電機子コ
イルを改善し、逆起電力の違いによって生じるロータ駆
動トルクのトルクリップルを、最小化するものである。
【0016】図1において、本実施例のブラシレスモー
タ1は、シャフト4に固定されて回転自在のロータ2
と、ロータ2に対向して配置した三相のステータ9と、
ロータ2を囲むように配置したシールドヨーク8と、電
機子コイル5に流す励磁電流を制御し、ロータ2を回転
駆動させる電機子コイル駆動手段8とを備え、全体が構
成されている。
【0017】ロータ2は、外周部に固着した8極の駆動
用永久磁石3を備え、ティース7a、7b、7cと駆動
用永久磁石3との間で発生するコギングトルクを小さく
する目的で、コギングの発生源となる駆動用永久磁石3
の磁極の切り替わり部分の急激な磁界の変化を避け、滑
らかに切り替わるように所謂サイン着磁を施している。
【0018】ステータ9は、3個のティース7a、7
b、7cを成形したE型アウトコア6と、各々のティー
スに巻回した電機子コイル5とを備え、ティース7a、
7b、7cの先端部は、駆動用永久磁石3の外周面に所
定の間隙を介して延在し、外側ティース7a、7bは、
中央ティース7cと幅が異り、中央ティースと対向する
面の先端部には、ティース先端の凹部11が形成されて
いる。
【0019】シールドヨーク8は、駆動用永久磁石3の
磁束が、記録媒体やヘッドの動作に影響しないように磁
束の漏洩を遮蔽するため、ロータ2を囲むようにロータ
2の中心と同じくした円弧状の磁性体で形成されるとと
もに、ブラシレスモータ1のコギングが最小となる位置
に配置されている。
【0020】ここで、コギング特性に関するこの発明の
本旨の有意性を示すため、本実施例のブラシレスモータ
におけるコギング特性を図2、図3、図4に示す。
【0021】図2は、この発明に係るブラシレスモータ
のE型アウトコアのみのコギングトルク特性図であり、
シールドヨーク8を削除し、ロータ2とE型アウトコア
6だけで構成した時の、ロータ2に発生するコギングト
ルク波形を表す。
【0022】図3は、この発明に係るブラシレスモータ
のシールドヨークのみのコギングトルク特性図であり、
E型アウトコア6を削除し、ロータ2とシールドヨーク
8だけで構成した時のロータ2に発生するコギングトル
ク波形を表す。
【0023】図2および図3において、各々のコギング
トルクの大きさと周期が同一である場合に、E型アウト
コア6に対するシールドヨーク8の位置を、各々のコギ
ングトルクの位相が互いに逆相となって互いに打ち消し
合う位置に設定できれば、ブラシレスモータのコギング
を最小にすることが可能であることがわかる。
【0024】図4はこの発明に係るブラシレスモータの
コギング特性図である。図4において、両者のコギング
トルクが互いに打ち消し合うようにシールドヨーク8を
配置した時の、本実施例のブラシレスモータのコギング
特性であり、図5の従来のブラシレスモータのコギング
特性図と比較し、ブラシレスモータのコギングは改善さ
れることがわかる。
【0025】上記のような、両者のコギングトルク変動
の周期・位相・振幅が、所定の条件となるシールドヨー
クの配置位置を求めた実施例を、以下に順を追って説明
する。
【0026】ここで、以下、E型アウトコア6のティー
ス7a、7b、7cと駆動用永久磁石3との間で発生す
るコギングトルクをコアコギング、シールドヨーク8と
駆動用永久磁石3との間で発生するコギングトルクをシ
ールドコギングと称することにする。
【0027】コアコギングをシールドコギングで打ち消
すためには、両者のコギングトルクの周期を等しくする
必要がある。コアコギングの周期をシールドコギングに
一致させ、両者の周期を等しくした実施例を、図6のテ
ィースの幅比に対するコギングトルク特性図に基づいて
説明する。
【0028】図6(a)において、W1は、E型アウト
コア6の中央ティース7cの先端の幅、W2は、E型ア
ウトコア6の両側のティース7a、7bの先端の幅であ
り、図6(b)において、αは、シャフト4の中心とシ
ールドヨーク8の両端を結ぶ直線がなす角度であり、シ
ールドヨーク開角と称する。
【0029】図6(c)において、駆動用永久磁石1極
当たりのコアコギングおよびシールドコギングの波形を
示しており、測定時の構成は、各々図(a)、(b)に
示すとおりシールドコギングの測定ではE型アウトコア
6を取り除き、コアコギングの測定ではシールドヨーク
8を取り除いている。
【0030】さらに、その他の測定条件として、シール
ドコギングの測定におけるシールドヨーク8の開角αは
3π、コアコギングの測定では、3個のティース7a、
7b、7cと駆動用永久磁石3との間隔は一定としてい
る。
【0031】以上の測定条件において、駆動用永久磁石
1極当たりのシールドコギング1周期を基準値πとし、
中央ティース7cと両側のティース7a、7bの比(W
1/W2)が1.0、0.75、0.3の時、期間πに
おけるコアコギングの波形は図6(c)に示されている
とおり各々3周期、1周期、2周期となる。
【0032】図示されていないが、(W1/W2)が
0.6〜0.9の範囲において、期間πにおけるコアコ
ギングの周期は1周期となり、両側ティース7a、7b
に対する中央ティース7cの幅を0.6倍〜0.9倍に
することにより、コアコギングとシールドコギングの周
期を等しくすることができる。
【0033】また、両側ティース7a、7bに比べて磁
束密度の高い中央ティース7cの幅を狭くしたことで、
3個のティースの磁束密度の不均一性も少なくすること
ができる。
【0034】なお、本実施例では、両側ティース7a、
7bに対する中央ティース7cの幅は、0.75倍に設
定した。
【0035】コアコギングをシールドコギングで打ち消
すためには、周期の一致した両者のコギングトルクの周
期を、互いに逆位相とする必要がある。
【0036】E型アウトコア6に対するシールドヨーク
8の位置を調節し、シールドコギングの位相を、コアコ
ギングの位相に対して逆位相にした実施例を、図7のシ
ールドヨークの配置に対するコギングトルク特性図に基
づいて説明する。
【0037】図7において、中央ティース7cの中心線
とシールドヨーク8の弧の中点とロータ2の中心を結ぶ
直線とがなす角の、中央ティース7cの中心線からの角
度に対するシールドコギングを表わしており、シールド
コギングは電気角でnπ±π/4および(n+1)π±
π/4のとき最小となっている。
【0038】この時、ティース7a、7b、7cと駆動
用永久磁石3との間隙は0.3(mm)、シールドヨー
ク8と駆動用永久磁石3との間隙は1.0(mm)、シ
ールドヨーク開角αは3πとし、角度はいずれも電気角
で表わしている。
【0039】図7から、以上の条件においては、シール
ドヨーク8の位置が、電気角でnπおよびこの位置から
πだけ離れた(n+1)πの位置でコギングは最小とな
り、従って、コギングが最小となる位置の実用範囲は、
nπ±π/4(n=±2、±3、±4)であり、この範
囲でシールドコギングはコアコギングと逆位相となる。
なお、本実施例ではn=4に設定した。
【0040】図8は、駆動用永久磁石とティースとの間
隙に対するコギング・起動トルク特性図である。
【0041】図8において、ティース7a,7b、7c
と駆動用永久磁石3との間隙に対する起動トルク特性か
ら、仕様上の要請や設計上の理由によって決まる起動ト
ルク値に対し、確保すべきティース7a,7b、7cと
駆動用永久磁石3との間隙は、製造上のバラツキなどを
考慮して本実施例におけるブラシレスモータでは、0.
2〜0.5(mm)の範囲に設定した。
【0042】また、決定されたティース7a、7b、7
cと駆動用永久磁石3との間隙に対するコアコギングの
値は、図8のコギングトルク特性より、約60〜30
(g・cm)の範囲であることがわかる。
【0043】本実施例では、ティース7a、7b、7c
と駆動用永久磁石3との間隙を0.35(mm)とし、
この時のコアコギング値は、約50(g・cm)と読み
取れる。
【0044】コアコギングをシールドコギングで打ち消
すためには、周期の一致した両者のコギングトルクの周
期を互いに逆位相にし、さらに、両者のコギングトルク
の振幅を互いに等しくする必要がある。
【0045】シールドヨーク8と駆動用永久磁石3との
間隙を調整し、シールドコギングの振幅を、コアコギン
グの振幅と等しくした実施例を、図9のシールドヨーク
と駆動用永久磁石3との間隙に対するコギングトルク特
性図に基づいて説明する。
【0046】図9は、シールドヨーク開角αが、nπと
nπ±π/4における、シールドヨーク8と駆動用永久
磁石3との間隙に対するシールドコギングの測定値であ
る。
【0047】シールドコギングの振幅をコアコギングと
等しくする、シールドヨーク8と駆動用永久磁石3との
間隙の最適値は、図9に基づいて次のようにして決め
る。
【0048】コアコギングの設定値は既に記述したとお
り、ティース7a、7b,7cと駆動用永久磁石3との
間隙0.2〜0.5(mm)において、60〜30(g
・cm)の範囲であり、本実施例では、間隙を0.35
(mm)、コアコギング値を約50(g・cm)に設定
した。
【0049】また、前述したとおり、コアコギングとシ
ールドコギングが、互いに逆位相となるシールドヨーク
8の位置は、電気角でnπ±π/4(n=±2、±3、
±4)に相当する範囲であり、本実施例ではn=4に設
定した。
【0050】既に決定された設定値により、図9におい
て、シールドコギングは、60〜30(g・cm)の範
囲(斜線部)内で、n=4であることからα=nπのシ
ールドコギングの曲線を対象とし、シールドヨーク8と
時の駆動用永久磁石3との間隙の取り得る値は、1.2
5〜3.50(mm)の範囲となる。
【0051】コアコギング設定値約50(g/cm)と
等しくなるシールドコギングにおいて、シールドヨーク
8と駆動用永久磁石3との間隙は、ティース7a、7
b,7cと駆動用永久磁石3との間隙の5倍とすること
で、コアコギングとシールドコギングは互いに打ち消し
合うことが可能となる。本実施例では、シールドヨーク
8と駆動用永久磁石3との間隙は、1.75(mm)に
設定した。
【0052】以上、説明してきたように、図4のこの発
明に係るブラシレスモータのコギング特性図に示すとお
り、ブラシレスモータのコギングの変動幅は約25(g
・cm)となり、図5に示した従来のブラシレスモータ
のコギングの変動幅約80(g・cm)と比較して、約
70%減少することができた。
【0053】次に、中央と外側の電機子コイル5に誘起
される逆起電力を等しくするため、ティース7a、7
b、7cの先端の形状や寸法あるいは電機子コイル5を
改善した実施例について説明する。
【0054】図12のこの発明に係るE型アウトコアに
よる電機子コイルの逆起電力とロータのトルクリップル
波形図、図13の従来のE型アウトコアによる電機子コ
イルの逆起電力とロータのトルクリップル波形図であ
り、ここで、ステータ9の逆起電力特性に関する本発明
の有意性を示す。
【0055】図12および図13において、回転角度に
対する電機子コイル5に誘起される逆起電力とロータに
生じるトルクリップルを表し、逆起電力の波形は、中央
と外側の電機子コイル5のそれぞれが示されている。
【0056】中央と外側の両者の逆起電力の振幅が等し
ければ、図12に示すとおりトルクリップルの波高値は
一定となり、図13における両者の振幅が異る場合と違
って、トルクリップルは安定して中央と外側との逆起電
力違いは、トルクリップルに表れない。
【0057】中央と外側の電機子コイル5の逆起電力を
等しくするには、ティース7a、7b、7cによって集
中された駆動用永久磁石3からの磁束を、中央のティー
ス7cと外側ティース7a、7bで等しくすればよい。
【0058】以下に、ティース7a、7b、7cの先端
の形状や寸法あるいは電機子コイル5を改善し、中央と
外側の電機子コイル5に誘起される各々の逆起電力を等
しくした実施例を、図10のこの発明に係るE型アウト
コア形状図、図11の実測による電機子コイルの逆起電
力比較図に基づいて説明する。
【0059】図10において、ティース7a、7b、7
cの先端の形状と寸法が異なった4種類のE型アウトコ
ア6とそれぞれ同じ形状のロータ2が描かれており、図
中の、W1、W2は、ティース7a、7b、7cの先端
のロータ2と対向した部分の幅、G1、G2は、同じく
ロータ2と対向したティース7a、7b、7cの先端と
ロータ2との間隙のそれぞれ寸法を表し、また、T1、
T2は、中央ティース7cと外側ティース7a、7bの
電機子コイル5の巻数である。
【0060】図に示すように、2個の外側ティース7
a、7bの先端部の形状は、中央ティース7cに対向し
ている側にティース先端の凹11部が設けられており、
中央ティース7cの中心線に対して互いに対称で、ティ
ース7a、7b先端のロータ2と対向した部分の幅W2
は等しく、また同じくロータ2と対向したティース7
a、7b先端とロータ2との間隙も両者同じ寸法値であ
る。
【0061】次に、図10の各図に表したステータ9の
構成条件を記述する。図10(a)は、W2=W1、G
2=G1、T2=T1とし、従来のE型アウトコアの外
側ティース先端にティース先端の凹部11を設けたもの
である。
【0062】図10(b)は、W2=W1、G2=G
1、T2の巻数は、T1の巻数の1.1倍〜1.4倍と
し、以後この関係はT2=(1.1〜1.4)*T1と
表す。図10(c)は、W2=W1、T2=T1、G2
は、G1の0.4倍〜0.7倍、とし、以後この関係は
G2=(0.4〜0.7)*G1と表す。図10(d)
は、G2=G1、T2=T1、W2は、W1の1.2倍
〜1.6倍とし、以後この関係はW2=(0.4〜0.
7)*W1と表す。
【0063】図11は、上述のステータ構成条件におけ
る、中央ティース7cと外側ティース7a、7bの電機
子コイル5に誘起される逆起電力を実測した波形図であ
り、波形Aは、外側ティース7a、7bの電機子コイル
5に誘起される逆起電力、波形Bは、中央ティース7c
の電機子コイル5に誘起される逆起電力をそれぞれ表し
ている。
【0064】図11(a)は、図14に表した、従来の
ブラシレスモータのE型アウトコアによる電機子コイル
の逆起電力であり、外側ティース7a、7bは、中央テ
ィース7cに較べて駆動用永久磁石3の磁束を効率よく
集中できないので、外側ティース7a、7bに取り付け
られた電機子コイル5の逆起電力(波形A)は、中央テ
イース7cの電機子コイル5の逆起電力(波形B)より
約30〜40%小さい。
【0065】図11(b)は、図10(a)(b)
(c)のステータ構成条件による逆起電力の波形であ
り、波形Aの振幅は波形Bに比較してやや小さく、外側
ティース7a、7bおよび中央ティース7cの電機子コ
イル5の逆起電力の差は少なくなっていることがわか
る。
【0066】図11(c)は、図10(d)のステータ
構成条件による逆起電力の波形であり、波形Aと波形B
の振幅の差はほとんどみられず、外側ティース7a、7
bおよび中央ティース7cの電機子コイル5の逆起電力
は、ほぼ等しくなっていることがわかる。
【0067】なお、図10(c)(d)のステータ構成
で、逆起電力をさらに厳密に等しくするには、図10
(b)のステータ構成条件のうち電機子コイル5の巻
数、T2=(1.1〜1.4)*T1を実施すればよ
い。
【0068】以上、説明してきたように、ティース7
a、7b、7cの先端の形状や寸法あるいは電機子コイ
ル5を改善し、ティース7a、7b、7cに集中した磁
束を均等にし、外側ティース7a、7bと中央ティース
7cの電機子コイル5の逆起電力を等しくすることによ
り、図12に示したように、トルクリップルの変動を最
小化することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るブ
ラシレスモータは、3個のティースと駆動用永久磁石と
の間で発生するコギングトルクと、シールドヨークと駆
動用永久磁石との間で発生するコギングトルクとが互い
に打ち消し合うことができるので、ブラシレスモータの
コギングによる振動や騒音や回転むらを最小にすること
ができる。また、ブラシレスモータの複雑なコギングの
変動を最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るブラシレスモータの全体構成図
【図2】この発明に係るブラシレスモータのE型アウト
コアのみのコギングトルク特性図
【図3】この発明に係るブラシレスモータのシールドヨ
ークのみのコギングトルク特性図
【図4】この発明に係るブラシレスモータのコギング特
性図
【図5】従来のブラシレスモータのコギング特性図
【図6】ティースの幅比に対するコギングトルク特性図
【図7】シールドヨークの配置に対するコギングトルク
特性図
【図8】ティースと駆動用永久磁石との間隙に対するコ
ギング・起動トルク特性図
【図9】シールドヨークと駆動用永久磁石との間隙に対
するコギングトルク特性図
【図10】この発明に係るE型アウトコア形状図
【図11】実測による電機子コイルの逆起電力比較図
【図12】この発明に係るE型アウトコアによる電機子
コイルの逆起電力とロータのトルクリップル波形図
【図13】従来のE型アウトコアによる電機子コイルの
逆起電力とロータのトルクリップル波形図
【図14】従来のブラシレスモータにおける全体構成図
およびE型アウトコア形状図
【符号の説明】
1…ブラシレスモータ、2…ロータ、3…駆動用永久磁
石、4…シャフト、5…電機子コイル、6…E型アウト
コア、7a…外側ティース、7b…外側ティース、7c
…中央ティース、8…シールドヨーク、9…ステータ、
10…電機子コイル駆動手段、11…ティース先端の凹
部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転自在で外周部に駆動用永久磁石を固着
    したロータと、 前記ロータに対向して配置され、3個のティースを備え
    たE型アウトコアのそれぞれに電機子コイルを巻回した
    ステータと、 前記ロータを囲むように形成した磁性体のシールドヨー
    クと、 前記電機子コイルに流す三相の励磁電流を制御し、前記
    ロータを回転駆動させる電機子コイル駆動手段とを備え
    たブラシレスモータにおいて、 前記3個のティースと前記駆動用永久磁石との間で発生
    するコギングトルクと、前記シールドヨークと前記駆動
    用永久磁石との間で発生するコギングトルクとが同じ周
    となるように前記シールドヨークと前記3個のティー
    スとを構成し、且つ、前記シールドヨークの弧の中点と
    前記ロータの中心を結ぶ直線と前記E型アウトコアの中
    央ティースの中心線とがなす角度が電気角でnπ±π/
    4(n=±2,±3,±4)となる位置に前記シールド
    ヨークを配置したことを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 【請求項2】中央ティース先端の幅(W1)と外側ティ
    ース先端の幅(W2)の比(W1/W2)を、0.6〜
    0.9に設定したことを特徴とする請求項1記載のブラ
    シレスモータ。
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