JP3283119B2 - 回路基板 - Google Patents
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Description
る回路基板に係り、特に動作中に作用する熱サイクルに
よって基板にクラックが発生することが少なく、信頼性
が高く、また容易に製造することが可能な回路基板に関
する。
に、銅または銅合金から成る導電層を直接接合した回路
基板の実用化が試みられている。この回路基板1は、図
3に示すように、例えば酸化アルミニウム(アルミナ:
Al2 O3 )などのセラミックス基板2表面の所定位置
に、CuまたはCu合金から成る導電層3a,3bを配
置し、基板方向に押圧した状態で銅と酸素との共晶温度
以上に加熱し、生成したCu−O共晶液相を接合剤とし
て利用し、導電層3a,3bを直接的に接合する銅直接
接合法(Direct Bonding Copper 法)によって製造され
る。また導電層3a上部には導出端子4の一端が接合さ
れる。
とセラミックス基板2との間に、汎用の接着剤等の介在
物が存在しないため、両者間の熱抵抗が小さく、導電層
3a,3b上に設けられた半導体素子の発熱を系外に迅
速に放散させることが可能である。
た導出端子4は半導体素子の作動に伴い繰り返しの熱衝
撃を受けて伸縮するために、導出端子4の接合部付近の
セラミックス基板2にクラックが発生し易く、耐久性が
低い欠点があった。その対策として図3に示すように、
導出端子4を接合した導電層3a部分とセラミックス基
板2との間に空間部分5を形成し、この空間部分5によ
り導出端子4の熱変形を吸収する構造も採用されてい
る。
に係る回路基板においては、導出端子4を接合した導電
層3a部分が、セラミックス基板2表面に接合しないよ
うに、高さが0.3〜0.5mm程度の空間部分5をプレ
ス成形等によって形成することが必須となり、必然的に
製造コストが上昇する欠点があった。
電層3aが平坦にならず、銅直接接合法によって接合す
る際に導電層3a全体をセラミックス基板2表面に均一
に押圧することが困難になり、導電層3aの接合強度に
ばらつきを生じる問題点がある。
る際に、空間部分5に対応する部分の導電層3aの肉厚
が減少し易く、導電層3a部分の通電容量が低下してし
まう問題点があった。
と歩調を合せて、半導体素子等の電子部品の高集積化お
よび高出力化が進行し、動作時における電子部品からの
発熱量も比例して増大し、より耐熱サイクル性、放熱特
性および耐久性が優れた回路基板の開発が要請されてい
る。
たものであり、半導体素子の作動中にセラミックス基板
の割れや導電層の剥離が発生せず、信頼性が高い回路基
板を提供することを目的とする。
達成するため、セラミックス基板にクラックが発生する
現象を解明し、次のような知見を得た。すなわちセラミ
ックス基板と銅製導電層との熱膨脹差は100〜140
×10-7/℃と大きく、このようなセラミックス基板に
銅製導電層を一体に接合した回路基板においては、両者
の接合面に熱膨脹差による熱応力を生じ、この熱応力が
セラミックス基板の強度以上となるとセラミックス基板
が破壊する。そこでセラミックス基板と銅製導電層との
間で発生する熱応力が小さくなるように両者の板厚を選
定し、無理のない状態で使用している。
導体素子を実装した状態では、外部回路と接続するため
の導出端子が銅製導電層に接合され、この接合部におい
て熱応力が局部的に増大することになる。したがってこ
の状態で半導体素子を作動させ、温度上昇−下降サイク
ルを繰り返すと、導出端子付近のセラミックス基板に過
大な熱応力が作用し、基板が破壊に至ることを確認し
た。
の接合構造を工夫することにより、接合部分の熱応力を
大幅に緩和することに成功した。すなわち、活性金属を
含有する接合剤組成物(活性金属ペースト)を所定形状
に基板表面に印刷し、導出端子接合部分を除く導電層
を、活性金属層を介してセラミックス基板に接合したと
きに、導電層とセラミックス基板との接合強度が高まる
とともに、セラミックス基板の割れを大幅に低減するこ
とが可能になった。また上記活性金属層を介する接合構
造によれば、平板状の導電層をそのまま接合する場合に
おいても、未接合部を容易に形成することが可能となる
ことが判明した。本発明は上記知見に基づいて完成され
たものである。
ックス基板の表面に形成された活性金属層を介して平板
状の導電層がセラミックス基板に一体に接合され、上記
導電層に導出端子が接続されるとともに、上記導出端子
を接続した導電層とセラミックス基板との間に未接合部
を設けたことを特徴とする。また活性金属層は、Ti,
Zr,HfおよびNbから選択される少くとも1種の活
性金属を含有するろう材から構成するとよい。さらに導
出端子は湾曲部を有し、この湾曲部において軸方向に伸
縮自在に構成するとよい。またセラミックス基板は、酸
化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(A
lN)、酸化ベリリウム(BeO),炭化けい素(Si
C)および窒化けい素(Si3N4)から選択される少
なくとも1種のセラミックス材料で形成する。
基板としては、電気絶縁特性に優れた酸化アルミニウム
(Al2 O3 )を使用することができる。特に放熱性に
優れた回路基板を形成するためには、熱伝導率が高い窒
化アルミニウム(AlN)、酸化ベリリウム(Be
O)、炭化けい素(SiC)が好ましい。なお、炭化け
い素は絶縁抵抗がやや低い一方、酸化ベリリウムは毒性
の点で難点がある。したがって、電気絶縁性および放熱
性に共に優れた回路基板を形成するためにはセラミック
ス基板として窒化アルミニウムを使用することが望まし
い。またセラミックス基板の厚さを0.3〜1mmの範囲
とする一方、後述する導電層の厚さを0.1〜0.5mm
の範囲に設定して両者を組み合せると、熱膨脹差による
影響を受けにくくなる。
導電層の接合を行なうために形成される活性金属層は、
Ti,Zr,HfおよびNb等の活性金属を含有し適切
な組成比を有するAg−Cu−Ti系ろう材等で構成さ
れ、このろう材組成物を有機溶媒中に分散して調製した
接合用組成物ペーストをセラミックス基板表面にスクリ
ーン印刷する等の方法で形成される。
は、下記のようなものがある。すなわち重量%でCuを
15〜35%、Ti、Zr、HfおよびNbから選択さ
れる少くとも1種の活性金属を1〜10%、残部が実質
的にAgから成る組成物を有機溶媒中に分散して調製し
た接合用組成物ペースト、または重量%でCuを15〜
35%、Ti、Zr、HfおよびNbから選択される少
くとも1種の活性金属を1〜10%、W,Mo,Al
N,Si3 N4 およびBNから選択される少くとも1種
を5〜40%含有し、残部が実質的にAgから成る組成
物を有機溶媒中に分散して調製した接合用組成物ペース
トを使用するとよい。
ろう材の濡れ性を改善するための成分であり、特に窒化
アルミニウム(AlN)基板に対して有効である。それ
らの活性金属の配合量は、接合用組成物全体に対して1
〜10重量%が適量である。W,Mo,AlN,Si3
N4 およびBNは、セラミックス基板と導電層との接合
部における応力緩和を図るために有効な成分であり、5
〜40重量%添加される。すなわちセラミックス基板と
導電層とを接合する場合において、両部材の熱膨脹係数
差に起因する残留熱応力を緩和するため、接合用組成物
に、セラミックス基板と金属とを接合する反応層を形成
させる作用の他に、反応層自身に応力緩和作用をもたせ
ることが有効である。
導電性を有するAg−Cuを主体にしたろう材に、熱膨
脹係数がセラミックス基板に比較的に近いW,Mo,A
lN,Si3 N4 ,BNを添加することにより、反応層
に応力緩和作用を発揮させ、高い接合強度を有し、かつ
熱衝撃試験(TCT)特性に優れた回路基板を得ること
ができる。特にセラミックス基板が窒化アルミニウム
(AlN)焼結体の場合には、Ag−Cuろう材にW,
Mo,AlNを添加したろう材を使用すると割れや剥離
が少ない接合体を得ることができる。
ミックス基板とTiとの接合層の形成を促進する成分と
して有効であり、Tiを拡散させ強固な接合体を形成す
るのに寄与するのみならず、導体層としての微細な回路
を形成する材料ともなる。
ンを接合用組成物によって形成する場合には、生成する
液相の流れによってパターンがくずれることを防止する
ために、Ag−Cu成分が共晶組成物(72wt%Ag
−28Cu)を生成し易い組成比から離れた組成比を有
する接合用組成物を使用し、液相の生成量を低減するこ
とが肝要である。すなわち、ろう接合時に加熱昇温する
温度700〜950℃の範囲で必要最少量の液相を生成
する金属成分を含む化合物系で構成された接合用組成物
を使用することが重要となる。
ては、導電性および熱膨脹性を考慮して、Cu,Cu合
金,53Fe−28Ni−18Co(コバール合金)等
のFe−Ni−Co合金,42Ni−Fe等のFe−N
i合金,Cu−Mo−Cuクラッド材,Cu−(Fe−
Ni−Co合金)−Cuクラッド材等が好適である。特
に上記コバール合金や42Ni−Fe合金はセラミック
ス基板に近似した低い熱膨脹係数を有しており、基板と
導電層との熱膨脹差に起因する疲労劣化を効果的に防止
することができる。
成することにより、湾曲部を形成し、この湾曲部におい
て導出端子が伸縮自在となるように構成し、導出端子自
体に伸縮機能をもたせて熱膨脹の影響を低減することも
効果的である。すなわち導電層に接合した導出端子に湾
曲部を形成し、熱応力を緩和吸収する構造を採用するこ
とにより、未接合部による応力吸収効果と相俟ってセラ
ミックス基板に作用する応力の影響を大幅に低減するこ
とができる。
製造される。すなわち、未接合部を形成する部位を除い
たセラミックス基板表面に、前記接合用組成物ペースト
(活性金属ペースト)をスクリーン印刷法等によって塗
布し乾燥して活性金属層パターンを形成する。次に、こ
の活性金属層パターン上に導電層となる銅板等を接触配
置した状態で、真空中または不活性ガス雰囲気中で、例
えばAg−Cu共融温度である780℃以上、銅の融点
である1083℃以下の温度に加熱することにより、上
記導電層となる銅板等を活性金属層を介してセラミック
ス基板表面に一体に接合する。このとき接合用組成物ペ
ーストを塗布しない部分においては、導電層とセラミッ
クス基板とが接合されず未接合部を形成する。また未接
合部に対向した導電層表面に導出端子がろう接合され
る。
部の隙間幅は、0.01mm以上であれば、十分に熱応力
を吸収できる一方、隙間幅を0.3mmを超えるように設
定すると活性金属層の厚さが過大になり、基板と導電層
との間の熱抵抗が増大し、回路基板の放熱性が低下す
る。したがって未接合部の隙間幅は0.01〜0.3mm
の範囲が好適である。また導出端子の伸縮によってセラ
ミックス基板に作用する熱応力を低減するために、未接
合部の長さは、導出端子と導電層との接合部の長さより
大きくすることが望ましい。
接続された導電層部分とセラミックス基板とが接合され
ず、両者間に未接合部が形成されているため、導出端子
に生じた熱応力は未接合部において吸収され、この熱応
力が直接セラミックス基板に作用することがない。した
がって、セラミックス基板の割れの発生が少なく、耐久
性に優れた回路基板を提供することができる。
ミックス基板表面に接合用組成物ペーストを印刷し、印
刷された活性金属層パターンに、平板状の導電層を部分
的に接合することにより、未接合部が容易に形成するこ
とができる。特に突出したブリッジ部や凹凸部を形成し
ない平板状の導電層をそのまま使用した場合においても
未接合部が容易に形成でき、ブリッジ部等を形成した導
電層を使用する場合と比較して構成部品の加工工数が少
なく、回路基板を安価に製造できる。またプレス加工等
をせずに平板状の導電層をそのまま使用できるため、加
工による導電層の減肉がなく、導電層の通電容量が低下
するおそれもなくなる等、優れた効果が発揮される。
照して説明する。
は図1におけるII−II矢視部分断面図である。
セラミックス基板2aの表面に形成された活性金属層6
を介して平板状の導電層3c,3dがセラミックス基板
2aに一体に接合され、上記導電層3cに導出端子4a
が接続されるとともに、上記導出端子4aを接続した導
電層3cとセラミックス基板2aとの間に未接合部7を
設けて構成される。また導出端子4aの途中には複数の
切込み8が形成されて湾曲部9が形成されており、この
湾曲部9において導出端子4aが軸方向に伸縮自在とな
るよう構成されている。さらに導電層3dの表面には半
導体素子10が半田付けされている。
造した。すなわち厚さ0.6mmの窒化アルミニウム基板
2aの両面の所定位置、すなわち未接合部を形成する部
位を除いた表面に、30wt%Ag−65%Cu−5%
Tiろう材をスクリーン印刷し乾燥して活性金属層パタ
ーンを形成した。この活性金属層パターン上の所定位置
に導電層3c,3d,3eとしての平板状銅回路板を接
触配置させた状態で、真空中で温度850℃で10分間
保持し、接合体を得た。さらに銅から成る導出端子4a
を、導電層3cの未接合部7に対向する部位に半田接合
する一方、導電層3d表面に半導体素子10を半田接合
するとともに、半導体素子10の電極と導電層3cと
を、Au,Al等の金属細線11によって電気的に接続
して、実施例1に係る回路基板1aを調製した。
置され、その周囲にシリコン樹脂ゲル剤を充填した後
に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で封止した状態で使
用される。
頼性を評価するために下記のような熱衝撃試験(ヒート
サイクル試験:TCT)を実施し、回路基板におけるク
ラック発生状況を調査した。ヒートサイクル試験は、−
50℃から+150℃までの範囲で加熱し、引き続いて
+150℃から−50℃まで冷却するまでを1サイクル
とする昇温−降温サイクルを繰り返して付加するもので
ある。
00サイクル経過後においても、AlN基板の割れや導
電層の剥離が皆無であり、優れた耐久性と信頼性とを有
することが確認された。
全面に接合用組成物ペーストをスクリーン印刷して、未
接合部を形成せずに導電層3cを接合した以外は実施例
1と同様に処理して同一寸法を有する比較例1に係る回
路基板を製造した。
施例1と同一条件のTCT試験を実施したところ、10
0サイクル後において、58%の試料について導出端子
付近のAlN基板にクラックが発生し、実用に耐えない
ことが判明した。
位置、すなわち未接合部を形成する部位を除いた表面
に、30wt%Ag−65%Cu−5%Tiろう材をス
クリーン印刷し乾燥して活性金属層パターンを形成し
た。この活性金属層パターン上に平板状銅板を接触配置
させた状態で、真空中で温度850℃で10分間保持
し、接合体を得た。次に得られた接合体の銅板部をエッ
チング処理して、所定の回路パターンを有する導電層3
c,3d,3eを形成した。さらに銅から成る導出端子
4aを、導電層3cの未接合部7に対向する部位に半田
接合する一方、導電層3d表面に半導体素子10を半田
接合して、実施例2に係る回路基板を調製した。
性および信頼性を評価するために実施例1と同一条件で
熱衝撃試験(ヒートサイクル試験:TCT)を実施し、
回路基板におけるクラック発生状況を調査した。
00サイクル経過後においても、AlN基板の割れや導
電層の剥離が皆無であり、優れた耐久性と信頼性とを有
することが確認された。
全面に接合用組成物ペーストをスクリーン印刷して、未
接合部を形成せずに導電層3cを接合した以外は実施例
2と同様に処理して同一寸法を有する比較例2に係る回
路基板を製造した。
施例2と同一条件でTCT試験を実施したところ、10
0サイクル後において、32%の試料について導出端子
付近のAlN基板にクラックが発生し、実用に耐えない
ことが判明した。
板によれば、導出端子が接続された導電層部分とセラミ
ックス基板とが接合されず、両者間に未接合部が形成さ
れているため、導出端子に生じた熱応力は未接合部にお
いて吸収され、この熱応力が直接セラミックス基板に作
用することがない。したがって、セラミックス基板の割
れの発生が少なく、耐久性に優れた回路基板を提供する
ことができる。
ミックス基板表面に接合用組成物ペーストを印刷し、印
刷された活性金属層パターンに、平板状の導電層を部分
的に接合することにより、未接合部が容易に形成するこ
とができる。特に突出したブリッジ部や凹凸部を形成し
ない平板状の導電層をそのまま使用した場合においても
未接合部が容易に形成でき、ブリッジ部等を形成した導
電層を使用する場合と比較して構成部品の加工工数が少
なく、回路基板を安価に製造できる。またプレス加工等
をせずに平板状の導電層をそのまま使用できるため、加
工による導電層の減肉がなく、導電層の通電容量が低下
するおそれもなくなる等、優れた効果が発揮される。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 セラミックス基板の表面に形成された活
性金属層を介して平板状の導電層がセラミックス基板に
一体に接合され、複数の湾曲部を有する導出端子が上記
導電層に接続されるとともに、上記導出端子を接続した
導電層とセラミックス基板との間に未接合部を設けたこ
とを特徴とする回路基板。 - 【請求項2】 活性金属層は、Ti,Zr,Hfおよび
Nbから選択される少くとも1種の活性金属を含有する
ろう材から成ることを特徴とする請求項1記載の回路基
板。 - 【請求項3】 導出端子は湾曲部を有し、この湾曲部に
おいて軸方向に伸縮自在に構成したことを特徴とする請
求項1記載の回路基板。 - 【請求項4】 セラミックス基板は、酸化アルミニウム
(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ベ
リリウム(BeO),炭化けい素(SiC)および窒化
けい素(Si3N4)から選択される少なくとも1種の
セラミックス材料で形成されたことを特徴とする請求項
1記載の回路基板。
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---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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JP23512793A Expired - Lifetime JP3283119B2 (ja) | 1993-09-21 | 1993-09-21 | 回路基板 |
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-
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