JP2007215569A - 血漿成分分離器及び二重濾過血液浄化装置 - Google Patents

血漿成分分離器及び二重濾過血液浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】補体活性化抑制能並びに血液凝固系活性化抑制能を有する加齢性黄斑変性症治療用に極めて優れた血漿成分分離器及びそれを用いた安全で効率的な血液処理ができる二重濾過血液浄化装置の提供。
【解決手段】 中空糸膜がポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなる中空糸膜型の血漿成分分離器7であって、牛血漿イムノグロブリンGの透過率が80%以上100%以下で、かつ牛血漿フィブリノーゲンの透過率が10%以上30%以下であり、毛管上昇法で測定した該中空糸膜の液面上昇値が内径200μmの中空糸膜に換算すると80mm以上120mm以下であり、かつ、前記中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径が13nm〜64nmであることを特徴とする血漿成分分離器7を提供する。さらに、該血漿成分分離器7を用いた二重濾過血液浄化装置において、血漿分離器3と該血漿成分分離器7を接続する血漿導入回路中で血漿を加温制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加齢性黄斑変性症(AMD: age-related macular degeneration)治療用の血漿成分分離器及びそれを用いた二重濾過血液浄化装置に関するものである。
近年、分子量の大きな病因ないし病因関連物質の除去を目的とした二重慮過血漿交換法(DFPP: double filtration plasmapheresis)による血液浄化療法が開発され、種々の病態に適応され、優れた成績をおさめてきており、最近ではAMDの治療も試みられている。
DFPPの 原理は、膜孔径の異なる2種類の濾過膜を組み合わせることにより、血漿中のアルブミンよりも大きな病因物質を除去する治療法であり、2種類の膜はそれぞれ血漿分離膜(一次膜)、血漿成分分離膜(二次膜)と呼ばれる。
一次膜でまず血漿を血液から血球と分離し、次に二次膜でグロブリンその他病因(関連)物質を含む分子量の大きな物質を分離除去して、アルブミンを中心とする病因(関連)物質以下の分子量物質を回収する。
一次膜である血漿分離膜の膜材質はポリエチレンやセルロースジアセテートが主流であるが、血液から血球と血漿を分離するためには、遠心式の分離装置を用いることも可能である。
二次膜である血漿成分分離膜は、セルロースジアセテート、エチレンビニルアルコール共重合体やポリスルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマーなどが用いられている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、セルロースアセテートを材料とした選択透過性中空糸膜及びそれを用いた血漿成分分離器が開示されている。特許文献3には、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を材料とした血漿処理用中空糸膜が開示されている。
AMDは、原因不明な慢性、進行性の変性眼疾患である。AMDは中心視力の進行性喪失を特徴とし、米国においては、AMDの徴候および症状で診断される人は65歳以上の人々が最も一般的で、現在1500万人を超えると推定されている。
AMDは観察される眼の病変に関連する形態学的特徴に応じてウェット型とドライ型に分類される。ウェット型は、脈絡膜から発生する新生血管と呼ばれる異常な血管(脈絡膜新生血管)を伴うタイプである。ドライ型は、新生血管を伴わないタイプであり、網膜色素上皮細胞とブルッフ膜の間に黄白色の物質が沈着することによって、視力の喪失を伴うとされている。ウェット型の治療方法としては、新生血管をレーザー光で焼き固める光凝固術が主な治療法であるが、一方、ドライ型の治療方法としては、上述した網膜色素上皮細胞とブルッフ膜の間に沈着した物質を取り除くことによって、視力回復を図ろうとする治療方法が行われている。
例えば、特許文献4には、フィブリノーゲンやLDLのような粘性の高い高分子量蛋白を一次膜としてOP−05W(旭化成メディカル社製)を用い、二次膜にセルロースジアセテートを素材とするAR−2000(旭化成メディカル社製)を使用してDFPPを行い、それらの蛋白を血液中から除去し、血液の粘度を低下させることによって、病態を改善させることが記載されている。しかしながら、セルロースジアセテートの二次膜は、補体の活性化を惹起してしまうという欠点があった。
一般に、血液や血漿成分と接触する回路や膜等の材料は、補体活性や血液凝固活性などをなるべく起こさない素材が望まれている。そのため、素材表面を親水化させ、血液になじみやすい素材が適用される。しかしながら、血液や血漿などの血液成分と接触する材料表面に親水性を発揮する水酸基を有するセルロースジアセテート、エチレンビニルアルコール共重合体は、補体活性化を起こすことが知られている。
一方、疎水性高分子材料のみでは、血漿蛋白の吸着等がおこり、又、血液凝固系の活性化が惹起されるケースが多いため、疎水性高分子材料と水酸基を有さない親水性高分子材料からなる素材で、補体活性化抑制能並びに血液凝固系活性化抑制能をもつ血液適合性に優れた膜材料であり、かつ、AMD治療用に適した二次膜の開発が望まれていた。
特許文献5には、疎水性高分子材料であるポリスルホンと親水性高分子材料であるポリビニルピロリドンを材料とした中空糸膜型血漿成分分離膜について開示されているが、補体活性化抑制能並びに血液凝固系活性化抑制能といった血液適合性に関しては、実質的には、言及されておらず、当然のことながら、毛管上昇法による液面上昇の特定範囲のものが極めて優れた血液適合性を示すという観点からの示唆は全くなかった。さらに付け加えると、DFPPによるAMDの治療において必要な治療前後のフィブリノーゲンの除去率は50%以上であることが治療現場の臨床医から求められているが、特許文献5の実施例に記載している二次膜を実際にAMD患者に使用して、臨床試験をしたところ、治療前後のフィブリノーゲンの除去率は40%程度であり、50%に満たないことが判明した。治療前後のフィブリノーゲンの除去率を50%以上にし、AMD治療用に最適な中空糸膜にするためには、該特許文献に記載の二次膜の中空糸膜のポアサイズを小さくすることなどが考えられるが、該特許文献には、その詳細な膜構造及びその具体的な製造方法については、なんら触れられていない。
特許文献6には、二重濾過血漿交換法において、全血を血球成分と血漿成分に分離する1次膜と患者から血液を脱血する回路の間を加温する手法が開示されている。しかしながら、1次膜へ血液が導入される前に加温しても、2次膜へ血漿が導入される前にはかなり温度の低下が認められ、先願発明の例として開示されている中空糸2次膜を用いて牛血漿での評価を行うと、施行中に圧上昇が起こり、評価を続行することが困難であり、かつ、性能も圧上昇により十分に発揮することが出来なかった。非特許文献1には、2次膜血漿導入直前の回路に加温装置が図示されているが、当然のことながら本願発明のAMD用に最適な血漿成分分離器は使用されておらず、又、具体的な温度設定など操作方法については何ら触れられていない。
以上のごとく、従来、血漿成分分離膜として、充分な補体活性化抑制能並びに血液凝固系活性化抑制能をもち、かつ、AMD治療用に最適な膜材料は、今まで提供されていなかった。又、特にこのようなポリスルホン系中空糸ニ次膜での安全で効率的な二重濾過血液浄化装置については、知られていなかった。
特開昭61−293469号公報 特公平2−11263号公報 特開昭58−155865号公報 国際公開第00/38760号パンフレット 特開2005−261601号公報 特開2000−70362号公報 Reinhard Klingel、Cordula Fassbender、Thurid Fasbender、Britta Gohlen、「Transfusion and Apheresis Science」、2003年、29巻、p.71−84
本発明の課題は、前記の問題点を解決するものであって、二重濾過血漿交換法による血漿浄化のための、補体活性化抑制能並びに血液凝固系活性化抑制能を有するAMD用に極めて優れた血漿成分分離器及びそれを用いた安全で効率的な血液処理ができる二重濾過血液浄化装置を提供することにある。
上記の如く、血漿成分分離膜として、充分な補体活性化抑制能並びに血液凝固活性化抑制能をもつAMD治療用に極めて優れた膜材料は、今まで知られておらず、又、これを用いた安全で、効率的な二重濾過血液浄化装置については、全く知られていなかった。
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなり、牛血漿イムノグロブリンGの透過率が80%以上100%以下で、かつ牛血漿フィブリノーゲンの透過率が10%以上30%以下であり、毛管上昇法で測定した該中空糸膜の液面上昇値が内径200μmの中空糸膜に換算すると80mm以上120mm以下であり、かつ、前記中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径が13nm〜64nmである中空糸膜を用いれば、充分な補体活性化抑制能並びに血液凝固活性化抑制能を有し、かつ、シャープな分画特性を有したAMD治療用に最適な血漿成分分離器が作製できることを見出した。
更に本発明者らは、温度が下がった状態で血漿の濾過を行なうと補体が活性化し易くなり、体温付近に加温した状態で血漿の濾過を行なうことによって、補体の活性化が抑制され、又、凝固因子の活性化も抑制されることを見出した。補体や凝固因子の活性化が抑制されるのは、血漿の温度を上げて濾過すると血漿の分画特性が良くなるので分子量の大きい補体系分子や血液凝固因子は血漿分画膜の孔の中に入り難くなり、その結果、補体系分子や凝固因子が孔中で物理的な刺激を受け難くなるためと考えられる。
上記のことから、本発明に係る血漿成分分離器を用いた二重濾過血液浄化装置において、血漿導入回路上で血漿を加温制御することで、安全で効率的な血液処理が可能になることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の血漿成分分離器並びに二重濾過血液浄化装置に関する。
(1) 筒状容器の内部に中空糸膜の束が充填され、中空糸膜の両端部が硬化性樹脂により容器両端部にポッティング加工されて容器両端部で開口端面となっており、さらに開口端面の夫々に血液の流通口を有するヘッダーキャップを取り付けてなり、かつ前記中空糸膜がポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなる中空糸膜型の血漿成分分離器であって、牛血漿イムノグロブリンGの透過率が80%以上100%以下で、かつ牛血漿フィブリノーゲンの透過率が10%以上30%以下であり、毛管上昇法で測定した該中空糸膜の液面上昇値が内径200μmの中空糸膜に換算すると80mm以上120mm以下であり、かつ、前記中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径が13nm〜64nmであることを特徴とする血漿成分分離器。
(2) 前記中空糸膜のジメチルアセトアミドに可溶性のポリビニルピロリドン含有量が総ポリビニルピロリドン量の25重量%以上95重量%以下であることを特徴とする(1)記載の血漿成分分離器。
(3) 前記中空糸膜束の筒状容器への充填率が50%以上75%以下である(1)または(2)記載の血漿成分分離器。
(4) 照射滅菌されている(1)〜(3)の何れかに記載の血漿成分分離器。
(5) 抗酸化剤溶液が充填されている(1)〜(4)の何れかに記載の血漿成分分離器。
(6) 前記血漿成分分離器が加齢性黄斑変性症の治療用であることを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の血漿成分分離器。
(7) 血液導入回路が血液入口に接続された血漿分離器と、該血液導入回路に設置された血液を送液するための血液ポンプと、該血漿分離器の血液出口に接続された血液導出回路と、一端が該血漿分離器の濾液出口に接続され、他端が血漿成分分離器に接続された血漿導入回路と、該血漿導入回路に設置された血漿を送液するための血漿ポンプと、
該血漿導入回路が接続された該血漿成分分離器と、一端が該血漿成分分離器の濾液出口に接続され、他端が前記血液導出回路に接続された血漿導出回路を少なくとも有する二重濾過血液浄化装置であって、前記血漿成分分離器が(1)〜(6)の何れかに記載された血漿成分分離器であり、かつ前記血漿導入回路に血漿を加温するための加温器が設置されていることを特徴とする、二重濾過血液浄化装置。
(8) 前記加温器の加温範囲が30℃以上45℃以下であることを特徴とする、(7)記載の二重濾過血液浄化装置。
本発明によれば、ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなり、牛血漿イムノグロブリンGの透過率が80%以上100%以下で、かつ牛血漿フィブリノーゲンの透過率が10%以上30%以下であり、毛管上昇法で測定した該中空糸膜の液面上昇値が内径200μmの中空糸膜に換算すると80mm以上120mm以下であり、かつ、前記中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径が13nm〜64nmである中空糸膜を内蔵する血漿成分分離器が提供され、該血漿成分分離器は充分な補体活性化抑制能並びに血液凝固活性化抑制能を有し、かつ、シャープな分画特性を有したAMD治療用に最適な血漿成分分離器である。また、本発明の血漿成分分離器を有する二重濾過血液浄化装置は、治療に有効な血漿量を安全に効率的に処理することができる。
以下、本発明について詳細に述べる。
本発明でいう血漿成分分離器とは、血液を遠心分離や一次膜によって血漿成分と血球成分とに分離した後、その血漿成分をグロブリンその他病因(関連)物質を含む分子量の大きな物質を分離除去して、アルブミンを中心とする病因(関連)物質以下の分子量物質を回収することができる中空糸膜型分離器のことをいう。
本発明でいう毛管上昇法とは、中空糸の開口部の一端を水溶液に浸し、一定時間後に毛細管現象で中空糸膜の中空部を上昇した水面からの高さを測定する方法のこという。具体的には、血液濾過器のモジュールの血液流入口及び濾液流出口からそれぞれ注射用蒸留水500mLを流し中空糸内部及び中空糸外部を洗浄し、血液濾過器モジュール内の水を十分に廃棄した後、モジュールを解体し、中空糸部分を取り出して乾燥させる。乾燥後の中空糸を用いて、その中空糸の開口部の一端を水溶液に浸し、一定時間後に毛細管現象で管状の構造体の中空部を上昇した水面からの高さを測定する方法のことをいう。
毛管上昇法に関しては、一般的に、以下の関係式があることが知られている。
[数1]
h=2γcosθ/rρg ・・・ (1)

h:液体面からの上昇位
γ:液体の表面張力
θ:接触角
(固体と液体の接触面から液体と気体の接触面への角度)
r:管半径
ρ:液体の密度
g:重力加速度
すなわち、r(管半径)、ρ(液体密度)、h(液体面からの上昇位)を測定することによって、液体の表面張力を測定することができ、(1)式から、管状の構造体の内表面のぬれやすさ、すなわち、親水性、疎水性の度合いは、毛管上昇の度合いによって評価することが可能である。
したがって、中空糸の場合も上記の毛管上昇法により、中空糸膜内表面のぬれやすさ、すなわち、内表面の化学的な組成や微細な表面構造の違いによる見かけ上の内表面の親水性、疎水性の度合いを測定することができる。内径の異なる中空糸であっても、各々の毛管上昇値と内径を測定し、(1)式の関係から、基準とする中空糸の内径換算の補正をすることによって、各々の中空糸の親水性、疎水性度合いを基準とする中空糸の毛管上昇値との相対比較が可能になる。
中空糸の毛管上昇値を測定するに際しては、中空糸の水分率や内径は、測定値に影響を与えるので、水分率と内径を測定しておく必要がある。中空糸の水分率としては、5%以下である必要があり、水分率が5%より大きいと、本質的に有している中空糸内面の疎水性の性質が現れにくくなり、その毛管上昇値は、大きな測定値を示すようになり、サンプル同士の比較を困難にしてしまう。
毛細管現象による水溶液の上昇値の測定を行う際には、その測定時間が重要である。 中空糸膜の内表面の性質が、より親水性である場合は、中空糸内を上昇していく水溶液のスピードが速くなり、短時間での測定は、測定値にばらつきがでてしまう。また、多くのサンプルを一度に測定することが難しくなる。実用的な測定時間は、中空糸を水溶液に浸してから、5秒以上経過した時点で計測することが好ましく、より、実用的には3分が好ましい。
中空糸内の水溶液の水位は、中空糸がある程度の透明性を有していれば、肉眼で観察することができる。しかしながら、中空糸膜がポーラスになるほど、透明性が低下し、肉眼での観察が難しくなる。その場合は、水溶液にコンゴーレッドなどのような染料を水溶液の表面張力に影響を与えない程度の量を加えて、水溶液を着色することによって観察が容易になる。
本発明の血漿成分分離器に内蔵されるポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンよりなる中空糸の毛細管上昇法により測定される水溶液の上昇値は、80mmより低いと、補体活性化抑制能が低くなるので、80mm以上であることが必要である。一方、中空糸の毛管上昇法により測定される水溶液の上昇値が、120mmを越えると中空糸の吸湿性により非常に取扱い性が難しくなり製造が困難になってくる。従って、より好ましくは、90mm以上であり、中空糸の吸湿性による取扱い性や製造性を考慮すると120mm以下であることが望ましい。
本発明の血漿成分分離器に内蔵されるポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンよりなる中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径は、13nm〜64nmである必要がある。
このことは、より具体的には、中空糸膜表面に存在する孔の95%以上が円換算率直径で、13nm〜64nmの範囲にあることを意味する。中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径が64nmより大きいと、フィブリノーゲンの透過率が上がり、臨床において治療前後のフィブリノーゲンの除去率が50%を超えなくなってしまう。又、中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径が13nmより小さいと、臨床現場における二重ろ過血漿交換治療において、圧上昇を起こしてしまい、十分な血漿処理が行えずに、治療を中断せざるを得なくなってしまう。
中空糸膜内表面の孔の円換算率直径は、中空糸膜の内表面を電子顕微鏡にて撮影した写真を画像解析して内表面に存在する孔の円換算率直径を測定することができる。より具体的には、中空糸内表面を30,000倍に拡大し電子顕微鏡にて観察し、写真撮影を行い、得られた画像について、500nm角(0.25平方μm)中の内表面の各々の孔の面積を画像解析によって測定し、その面積から円換算率直径を計算することができる。円換算率直径とは、画像解析によって得られる孔の面積から、その面積をもつ孔が円と仮定したときの直径のことをいう。尚、このとき、内表面の孔とは中空糸内表面層に開いた孔の事であり、内表面層よりも奥に開いた孔は含まない。
本発明の血漿成分分離器において、濾過性能は牛血漿を用いて評価することができる。濾過性能の評価方法としては、ACD−A(1:8)を加えた牛血液を遠心分離し、1次膜であるOP−05W(旭化成メディカル社製、日本国)にて処理した牛血漿を採取し、その牛血漿を血液回路を通じて、血漿成分分離器に導入できるように回路を接続する。その際、血漿成分分離器に導入される部分は、37℃に加温し、血漿導入速度30ml/mlで、全濾過方式で濾過を行う。
本発明の血漿成分分離器において、1Lの牛血漿処理を行った時点での牛血漿イムノグロブリンの透過率は、80%以上100%以下である必要がある。実際には牛血漿イムノグロブリンの透過率は、100%を超えることはないが、牛血漿イムノグロブリンの透過率が80%より小さいと臨床現場における二重ろ過血漿交換治療においては、生体防御のために必要なイムノグロブリンが低下してしまう可能性があり、その場合、血漿製剤などの補充が必要になってしまう。
更に本発明の血漿成分分離器において、1Lの牛血漿処理を行った時点での牛血漿フィブリノーゲンの透過率は、10%以上30%以下である必要がある。牛血漿フィブリノーゲンの透過率が10%より小さいと、臨床現場における二重濾過血漿交換治療において、圧上昇を起こしてしまい、十分な血漿処理が行えずに、治療を中断せざるを得なくなってしまう。又、牛血漿フィブリノーゲンの透過率が30%より大きいと、臨床現場において、AMDの治療に必要な治療前後のフィブリノーゲン除去率が50%を下回ってしまう。
次に、本発明の血漿成分分離器の製造方法について説明する。
ここで、ポリスルホン(以下、PSf)とは、スルホン結合を有する高分子結合物の総
称であり特に規定するものでないが、例を挙げると、
または
に示される繰り返し単位をもつポリスルホン系ポリマー樹脂が広く市販されており、入手
も容易なため好ましく用いられる。例えば、化学式1の構造を持つポリスルホン系ポリマ
ーは、ソルベイ社より「ユーデル」の商標名で、またビー・エー・エス・エフ社より「ウ
ルトラゾーン」の商標名で市販されており、重合度等によっていくつかの種類が存在する
。この他、例えば、ポリアリルエーテルスルホンやポリフェニレンスルホンなども用いる
ことができる。
また、ポリビニルピロリドン(以下、PVP)とは、N−ビニルピロリドンをビニル重
合させた水溶性の高分子化合物であり、アイ・エス・ピー社より「プラスドン」の商標名
で、また、ビー・エー・エス・エフ社より「コリドン」の商標名で市販されており、それ
ぞれいくつかの分子量のものがあり、何れも用いることができる。
本発明における中空糸膜の製膜に際しては、従来より一般的に知られている技術である乾湿式製膜技術を利用できる。すなわち、まず、PSfとPVPを両方に共通溶媒に溶解し、均一な紡糸原液を調製する。このようなPSf及びPVPを共に溶解する共通溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジオキサン等の多種の溶媒あるいは上記2種以上の混合液からなる溶媒が挙げられる。本発明の中空糸の紡糸原液は、これらのPSfとPVPと溶媒とを少なくとも含有していれば良く、紡糸原液には、孔径制御のための水などの他の添加物を加えても良い。具体的には、例えば、特開2005−261601号公報に記載の方法を改良することによって中空糸を製膜することができる。
本発明の血漿成分分離器は、収容される中空糸膜において、毛管上昇値が80mm以上である必要があるが、毛管上昇値を上記の範囲にするためには幾つかの膜特性が関係している。
毛管上昇値に影響する膜特性の1つは、中空糸膜中の親水性成分の濃度である。例えば、疎水性成分としてポリスルホン(PSf)、親水性成分としてポリビニルピロリドン(PVP)からなるポリマーブレンド膜について説明すると、中空糸膜中のPVPの濃度が低い場合、PSfによる疎水性の効果が強くなり毛管上昇値が低下する。一方、中空糸膜中のPVPの濃度を多くすると、中空糸膜からのPVPの溶出が無視できない、中空糸膜の強度及び伸度物性が低下する等の問題が生じる。従って、中空糸膜中のPVPの濃度は2.0重量%〜4.0重量%にする事が好ましい。
さらに、中空糸膜中のPVPを内表面に偏析させるとより好ましい。血漿と中空糸膜との
接触面である中空糸膜内表面に十分な濃度のPVPが存在しない場合、中空糸膜中のPVPの濃度が適当であっても、蛋白の吸着を抑制することが困難になることがある。したがって、中空糸膜内表面のPVP濃度は30wt%以上であることが好ましい。
ここで述べる中空糸膜内表面のPVP濃度は、以下のようにX線光電子分光(ESCA)測定によって求められる。中空糸膜内表面のESCAの測定は、試料を両面テープ上に並べた後、カッターで繊維軸方向に切開し、中空糸膜の内側が表になるように押し広げたものを並べて試料とし、通常の方法で測定する。すなわち、C1s、O1s、N1s、S2pスペクトルの面積強度より、装置付属の相対感度係数を用いて窒素の表面濃度(A)とイオウの表面濃度(B)求め、次式(2)によって中空糸膜内表面のPVP濃度を定義する。
[数2]
表面PVP濃度=100×A×111/(A×111+B×442)・・・(2)
次に本発明の血漿成分分離器の製造方法について詳細に説明する。
チューブインオリフィス型の紡糸口金を用い、該紡糸口金のオリフィスから紡糸原液を、チューブから該紡糸原液を凝固させる為の中空内液とを同時に空中に吐出させる。中空内液は水、または水を主体とした凝固液が使用でき、一般的には紡糸原液に使った溶剤と水との混合溶液が好適に使用される。紡糸口金から中空内液とともに吐出された紡糸原液は、空走部を走行させ、紡糸口金下部に設置した水を主体とする凝固浴中へ導入させる。
この時、血漿成分分離膜領域の孔径を発現させるためには中空内液の溶剤濃度を高くし、凝固力を落として相分離に時間をかける必要がある。その場合、空走部の糸の落下速度が速くなり、糸揺れが激しくなり、紡糸性が著しく悪化する。紡糸性を確保するには、適当な紡糸原液粘度で紡糸する、紡糸時の内液の吐出線速度、紡糸原液の吐出線速度を下げ、適度なドラフトをかける、などの方法を用いる。膜孔径を大きくするには、ゆっくりと相分離を進めるために内液の溶剤濃度を高くする方法が考えやすいが、そうすると紡糸性が悪くなるので、内液の溶剤濃度は極力低く抑えつつ他の要因を制御して相分離速度を抑制するような紡糸条件を採用する。
前記中空糸膜を製造するには、まず紡糸原液組成を適正にする事が好ましい。中空糸膜中のPVP濃度を適当な範囲にするために、原液中のPVPの濃度としては4%〜7%、PSfに対するPVPの仕込み比率は0.2〜0.3が好ましい。また、膜中のポリマー密度が高過ぎる場合には、血漿UFRが低くなり、膜中ポリマー密度が低すぎる場合には、血漿UFRが高くなるため、血漿UFRを適当な範囲にするために、原液中のPSfの濃度としては18%〜22%が好ましい。尚、血漿UFRとは、血漿を用いて測定した場合の限外濾過率のことをいい、次式(3)で示される。
[数3]
UFR(限外濾過率,ml/hr/mmHg)=
60×Qf(濾過流量,ml/min)/TMP(膜間圧力差,mmHg)・・・(3)
牛血漿イムノグロブリンの透過率を80%以上、100%以下でかつ、牛血漿フィブリノーゲンの透過率を10%以上、30%以下にするために、紡糸原液中の濃度は、より好ましくは18〜20重量%である。これら原液中のPSfとPVPの組成比および紡糸原液の吐出温度を適度に調整した後の紡糸原液粘度としては、2500mPa・s〜4000mPa・s程度にすると良い。
次に原液が吐出される紡口のスリット幅は、適当な紡糸ドラフト率になるように設定する。紡糸ドラフト率が低過ぎる場合には、空走部での糸揺れが激しく安定な紡糸が不可能になる。一方、高過ぎる場合には、中空糸膜内表面が張力で引き裂かれることにより、孔径を揃えることが出来ず、分画性能が悪化する傾向にある。また、中空内液濃度が高く、凝固力が弱い条件のため、中空糸膜内表面が引き裂かれることにより、PVPが容易に脱落し、結果として中空糸膜内表面のPVP濃度が低下してしまう。したがって、紡糸ドラフト率は1.2〜1.9程度が好ましく、紡糸ドラフト率をその範囲にするために、スリット幅を調整する必要がある。
本発明に係る中空糸膜を製造するには、中空内液の溶剤濃度が重要である。内液の溶剤濃度が高過ぎると、空走部での凝固が進まず安定な紡糸が不可能になる。また、紡糸可能であったとしても、内液の溶剤濃度が高いと空走部での凝固が不十分となり、中空糸膜中のPVPが容易に脱落してしまい、結果として、膜中PVP濃度や、中空糸膜内表面のPVP濃度が低下してしまう。しかし一方で、内液の溶剤濃度を低くし過ぎると、血漿成分分離膜領域の孔径を開けることができなくなる。
内部凝固液および凝固浴としては水を主体とした液が用いられるが、ポリスルホン系高分子の溶剤と水の混合液を用いることが好ましい。内部凝固液は、血漿成分分離器としての透過性、濾過性を得るうえで、例えばN,N-ジメチルアセトアミドを用いた場合は、45〜80重量%の水溶液が好適に用いられる。加齢性黄斑変性症の治療のために必要な中空糸膜の孔径を得るためには、50〜60重量%の水溶液が好ましく、さらに好ましくは、53重量%以上57重量%未満である。
内液の溶剤濃度以外の要素で孔径を大きくする場合には、凝固浴温度を60℃以上好ましくは75℃以上にすると好ましい。
また、原液の吐出温度を50℃以上、好ましくは60℃以上にする。但し、原液温度は高すぎると空走部での揺れが助長される為、原液組成、粘度、紡糸ドラフト、紡速、内液の溶剤濃度などの紡糸諸条件を勘案しながら調整する必要がある。空走部温度を50℃以上好ましくは60℃以上とする。但し空走部温度は高すぎると落下部揺れが助長される為、他の紡糸条件を勘案しながら調整しなければならない。
空走部の長さも重要である。空走部の長さが短い方が、落下部の揺れは小さくなり好ましい。但し、余り短くすると相分離時間が取れずに孔径を血漿成分分離膜領域まで大きくすることが出来ない。したがって、空走部の長さも、他の紡糸条件を勘案しながら調整しなければならないが、30cmから130cm、好ましくは50cm〜120cmがよい。
凝固浴への浸漬の後、中空糸膜は精錬工程に導かれる。凝固浴への浸漬時間と精錬工程は安定し、かつ高い分画性能を発現させるために極めて重要である。その方法は、凝固浴への浸漬を0.5秒〜2秒、好ましくは0.75秒〜1.5秒以内に抑え、続いて90℃以下の熱水で洗浄を複数回行うことである。尚、この際、洗浄と洗浄の間に3分以上の待機時間を置くと好ましい。この方法が、安定し、かつ高い分画性能を発現させる理由については定かではないが、中空糸膜に熱履歴を与えることによって、中空糸膜中のポリマー鎖が歪のない状態に緩和することが考えられ、結果として、孔径分布が狭くなると推測される。したがって、与える熱履歴は多い方が好ましく、熱水洗浄の回数は3回以上が好ましく、さらに好ましくは4回以上である。なお、待機時間を3分以上おく理由は、上記のような緩和過程を放冷することなく続けると、PSf鎖とPVP鎖の絡み合いが解け、中空糸膜中のPVP濃度が減少するためである。また、凝固浴への浸漬時間は0.5秒より短いとこの時点での脱溶剤が十分で無く、その後の操作に伴い孔径が容易に変形する恐れがある。一方、凝固浴への浸漬が2秒を超えてしまうと脱溶剤が進み過ぎ、その後の熱水処理の効果が発揮し難くなる。なお、最も好ましい形態は、凝固浴から導き出した中空糸を一旦所定数量巻き取り、ロープ状若しくは束状にカットした後、シャワーを降らせる事であるが、凝固浴から連続的に導き出し、精錬工程を通す連続プロセスでも構わない。
このように精錬することにより、紡糸溶媒や余分な親水性成分が中空糸膜から除去され
て膜の物性が固定し安定する。
本発明において、孔径保持剤に浸漬する工程は重要である。シャワーを降らせた後の工程として、後の乾燥工程による孔径の収縮を防ぎ、中空糸膜の孔径を保持するために、孔径保持剤に浸漬させる工程がある。その際の孔径保持剤の濃度と温度は特に重要である。孔径保持剤としては、グリセリンやポリエチレングリコールなどが好適に用いられるが、安定性や取扱い性を考慮するとグリセリンが好ましい。また、ウレタンなどのポッティング剤を用いたモジュール成型において、ウレタンによる中空糸への目つまりを起こさないで成型を行うことを考慮すると、最終的に乾燥した中空糸に付着したグリセリン付着率は100%以上が好ましい。そのための孔径保持剤としてのグリセリン濃度としては、35〜40%が好ましい。
また、毛管上昇値を80mm以上にするためには、中空糸内に含まれるPVPをマイグレーションさせ、より表面に偏析させるために、グリセリン水溶液によって温度をかける必要があるが、そのグリセリン水溶液の温度は、好ましくは40℃以上90℃以下であり、より好ましくは60℃以上80℃以下である。
本発明に係る血漿成分分離器は、前記の中空糸膜を巻き取って乾燥した束を筒状容器に充填して成型したものであるが、成型方法は中空糸膜型モジュールの公知の成型方法を参照すればよい。例えば、中空糸膜を数千本から2万本程度に束ねた中空糸膜束を濾液ポートを1つ以上有する筒状容器に挿入して充填し、中空糸膜束の端部と容器端部とを硬化性樹脂によりポッティング加工し、さらに硬化した樹脂層を切断して中空糸膜をその端部に開口させた後、両端部に血液流通口(流入口または流出口)を有するヘッダーキャップを装着することによって形成される。
中空糸充填密度とは、容器に充填された中空糸密度のことをいい、容器内径が大きすぎると中空糸充填密度が下がり、内蔵された中空糸が中空糸同士による固定が十分でなくなり、振動などで中空糸に損傷を与えてしまうので、中空糸充填密度は、50%以上が好ましく、さらには、65%以上が好ましい。一方、中空糸充填密度が高すぎると、容器に中空糸を充填した際に中空糸を傷つけてしまうので、中空糸充填密度は、75%以下が好ましく70%以下がさらに好ましい。
本発明の血液濾過用モジュールは、容器内の空間に水や生理食塩水などの水溶液を充填
させても、させなくても良いが、臨床現場で使用前にプライミングを行うことを考慮する
と、エア抜け性等の理由から容器内に水や生理食塩水などの水溶液を充填させておくこと
が好ましい。いわゆるウエットタイプである。その際、充填液として、グリセリンのよう
なラジカル捕捉型の有機化合物や抗酸化性の無機塩類を含んだ抗酸化剤溶液を用いること
が好ましく、中でも洗浄性のよいピロ亜硫酸ナトリウム溶液を用いることが最も好ましい。これは、血漿成分分離器を放射線滅菌する際に、中空糸膜の酸化を抑制する上で好都合であるばかりではなく、放射線によるPVPの架橋や変性を適度に抑制することにより、毛管上昇法により測定される水溶液の液面上昇値を適切な範囲に調整できることもあるからである。その理由は定かではないが、PVPの線状高分子が架橋によって三次元構造化されると、その分子運動性が抑制されて親水性に影響を与えるものと推定される。
患者にとってより安全に使用できる血漿成分分離器とするためには滅菌が必要である。その滅菌方法については、高圧蒸気滅菌やガンマ線や電子線などの照射滅菌などあるが、特に限定はない。しかしながら、モジュールの生産性を考慮すると照射滅菌、特にγ線滅菌が好ましい。γ線を用いる場合、その線量の選択はPVPの架橋の程度,素材の劣化の程度を考慮して任意に選定できるが、補体活性化抑制能や血液凝固活性化抑制能を十分に保つためには完全架橋でなく、適度な架橋状態が好ましい。より具体的には、ジメチルアセトアミド(以下、DMAC)に可溶性のPVPの含有量が、総PVP量の25重量%以上95重量%であることが好ましい。該DMACに可溶性のPVP含有量は、DMACに溶解するPVP含有量の総PVP(もともと膜中に存在したPVPの量)に対する割合の百分率であり、次式(4)で示される。
具体的には、以下の方法で測定することができる。まず、総PVP重量は、中空糸を元素分析法を用いて測定し、その総窒素量から中空糸単位重量当たりの値を算出することが出来る。即ち、秤量した中空糸膜約1gをDMAC50mlに入れ、25℃、5時間充分な撹袢を行うと、DMACはポリスルホンおよび3次元網目構造を有さないPVPに対する溶剤であるので、架橋等によって3次元網目構造を有するPVPが固形分として残る。この固形分を予め秤量したフィルターで濾過し、水洗した後105℃で16時間乾燥する。得られた固形分重量を測定することにより、中空糸単位重量当たりのDMACに不溶性のPVP重量を求めることができる。これらを上記数式に代入し、DMACに可溶性のPVP含有量(%)を算出することができる。
DMACに可溶性のPVP含有量(%)が25重量%未満であると、PVPは強固に不溶化された状態で膜に存在し、PVP溶出は極めて少ないが血液凝固活性化や補体の活性化が起こり、95重量%を越えるとPVPの溶出量増加が懸念される。そのため本発明の好ましい範囲は25重量%以上95重量%以下であることが好ましく、より好ましくは35重量%以上90重量%以下、更に好ましくは50重量%以上85重量%以下である。
本願発明の血漿成分分離器に内蔵される中空糸膜では、3次元網目構造を有さない、DMACに溶解するPVPが或る程度膜表面に存在することにより血液凝固活性化や補体活性化が抑制される考えられる。すなわち、3次元網目構造を有するPVPは、分子鎖の運動性が悪くなるために、血漿成分が接触する膜表面部分のPVP分子の殆どが3次元網目構造を有すると、血液凝固因子や補体分子を含む血漿蛋白との親和性が低下することが推測される。本発明の血漿成分分離器に内蔵される中空糸膜では、3次元網目構造を有さない線状のPVP分子を或る程度含有して膜表面にも存在するため、血漿蛋白との親和性が良くなり、補体系や血液凝固系の活性化を抑制し、血液適合性が改善されるものと考えられるが詳細なメカニズムは解っていない。
本発明の血漿成分分離器に内蔵される中空糸膜中に存在するPVP分子には、3次元網目構造となりDMACに不溶化した状態のものが共存する。このようなDMACに不溶なPVP分子は、水にも不溶であり、膜からは溶出しない。これに対して、DMACに可溶なPVP分子は、水にも可溶性を示して膜から溶け出しやすいが、3次元網目構造を有するPVP分子が共存すると、水に対して溶け出し難くなる。恐らく、3次元網目構造のPVP分子と分子レベルでの絡み合いや水素結合等の相互作用があるためであろう。このようにして3次元網目構造を有さない分子鎖の運動性が良好なPVP分子が、膜中および膜表面に溶出しないで存在するため、補体活性化抑制能や血液凝固活性化抑制能の改善が図られているものと考えられる。
以上のような理由から、線量範囲は、1から100kGy,好ましくは5から50kGy,更に好ましくは10から25kGyが推奨しうる線量である。
本発明の二重濾過血液浄化装置は、安全かつ効率的に血液処理を行うために、1)血液を血液導入部から血漿分離膜を収容した血漿分離器に導入して、血液処理を行い、2)血漿分離器から導出される血漿を、本発明のポリスルホン製血漿成分分離器に導入して血漿処理を行い、3)血液処理、血漿処理を行った血液を再び混和した後に、血液循環回路を介して人体に戻すことからなる二重濾過型血漿交換を行う二重濾過血液浄化装置において、血漿分離器から該血漿成分分離器までの血漿を加温制御することが必要である。血漿を全く加温しないと、治療途中で圧上昇を起こしてしまう。
加温制御する部位としては、血漿分離器の血漿成分導出部から該血漿成分分離器までの回路を加温制御することができる加温器が必要である。該血漿成分分離器導入直前の血漿温度の好ましい温度範囲は、30℃以上45℃以下である。血漿温度が30℃未満であると、血漿蛋白の膜への目詰まりを起こしやすくなり、治療途中で圧上昇を起こし、十分な血漿処理量が得られない。一方、血漿温度が45℃以上になってしまうと、血漿蛋白の変性が急速に起こり、患者に対して不具合症状を起こす危険性がある。より好ましい温度範囲は35℃〜40℃である。
本発明の装置の一態様である二重濾過血液浄化装置の例を図1にて説明する。
図1において、血漿分離器3の血液入口側に血液を導入する血液導入回路1は、該血液導入回路1上の血液を送液するための血液ポンプ2にセットされ、その後、血漿分離器3の入り口に接続される。
該血漿分離器3の血液出口側に接続された血液導出回路4により、該血漿分離器3によって血漿分離されなかった血液は患者に戻される。
一方、前記血漿分離器3の濾液出口に接続され、他端が血漿成分分離器7に接続された濾液を導出する血漿導入回路5は、該血漿導入回路5上の血漿を送液するための血漿ポンプ6にセットされ、前記血漿分離器3によって分離された血漿を血漿成分分離器7に導入することができる。
又、血漿成分分離器7の濾液側に接続され、該血漿成分分離器7によって高分子量蛋白が除去されて分離された血漿成分の濾液を導出する血漿導出回路8の他端が前記血液導出回路4に接続されることによって患者に戻される。
本発明の装置における血漿成分分離器7は、本発明の血漿成分分離器であり、かつ前記血漿導入回路5から前記血漿成分分離器7までの血漿を加温制御する加温器9を有している。この加温器9により該血漿成分分離器7に入る血漿の温度を30℃〜45℃に制御することが可能となり、血漿成分分離器7による血漿成分の分離濾過を圧上昇させることなく、血漿処理することができる。
本発明の装置を用いることによって、二重濾過血漿交換法による血漿浄化療法として、AMD患者の治療に用いることが可能になる。
以下にこの発明の実施例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
[実施例1〜3及び比較例1〜5]
<1.ポリスルホン製中空糸及び血漿成分分離器の作製>
PSf(ソルベイ社製、P−1700)18重量部、PVP(アイ・エス・ピー社製、
K−90)4.5重量部、DMAC 77.5重量部からなる均一な紡糸原液を作成した。中空内液にはDMAC56%水溶液を用い、チューブインオリフィスよりなる紡糸口金の160μm径のチューブ部より吐出させた。一方、紡糸原液は50℃の温度でスリット幅60μmの紡糸口金から吐出させた。この時の紡糸ドラフト率は1.4であった。この時、落下部はフードで覆い、エアプロセッサーを用いて55℃、60%に温調し、90cm下方に設けた水よりなる75℃の凝固浴に浸漬し、40m/分の速度で巻き取った。凝固浴への浸漬時間は1.5秒であった。巻き取られた中空糸をロープ状に束ね、90℃の水シャワーを12分間降らせ、3分間待機、この操作を合計6回行った。この後、65℃の40%グリセリン水溶液を含浸させ、中空糸束を約30cmに定長切断後、80℃の熱風で8時間乾燥を行った。
上記の中空糸12100本をハウジングに挿入し、充填率64%、有効膜面積2.0m2になるようにモジュールを成型した。次に、実施例1としてこのモジュールを洗浄しないもの、実施例2としてこのモジュールの血液側及びろ過側を50℃の水で3L洗浄を行ったもの、実施例3としてその工程を2回繰り返したもの、並びに比較例1として80℃の熱水10Lで洗浄させたもので、血漿成分分離器用モジュールを製造し、続いて二亜硫酸ナトリウム300ppmと炭酸ナトリウム100ppmを溶解させた水溶液に浸漬させ、25kGyのγ線を照射し、ポリスルホン製血漿成分分離器を得た。
<2.毛管上昇値の測定>
実施例1、2、3及び比較例1で作製した血漿成分分離器及び比較のために、市販されている2次膜のセルロースジアセテート(CDA)膜製品であるAR−2000(旭化成メディカル社製、日本国、比較例2)、エチレンビニル共重合体よりなる(EVAL)膜製品であるER−5000(旭化成メディカル社製、日本国、比較例3)、ポリスルホン(PSf)膜製品であるCHAGALL(Fresenius社製、ドイツ国、比較例4)、ポリエーテルスルホン(PES)膜製品であるALBUSAVE(Dideco社製、イタリア国、比較例5)を血液側及びろ液流出側を注射用蒸留水500mlで洗浄し、十分に水を廃棄した後、モジュールを解体後、中空糸を取り出し乾燥機にて乾燥させ、各々の中空糸の水分率が5%以下であることを確認した。
両面テープを貼ったガラス板に、ガラス板の片端に中空糸の末端を揃え、各々の中空糸を10本ずつ鉛直に並べて貼り付けた。その後、そのガラス板の片端の約5mmを0.1%のコンゴーレッド水溶液に30秒浸し、1分以内に水溶液の上昇した水面からの距離を測定し、その平均値を求め、中空糸の内径200μmに相当する毛管上昇値の補正値を求めた。その結果を表1に示した。
<3.補体活性(C3a,C5a)測定>
実施例1、2、3及び比較例1で製作したモジュールから充填液を十分に廃棄した後、血液側及びろ液流出側を生理食塩水500mlで洗浄し、十分に生理食塩水を廃棄した後、容器から中空糸の内外膜表面積が136cm2になるように中空糸を取り出し、その中空糸を2〜3mmにカットし、プラスチック製の遠心管(50ml容;PP製チューブ)に入れ2つのサンプルを用意した。その後、5000U/Lのヘパリンを添加した健常人から採取した人新鮮血漿3mlを各々のサンプルに加え、37℃で加温し、60分後に血漿を取り出し、EDTA−2+インヒビター入りの専用容器に血漿を入れて凍結保存した。その後、凍結保存したサンプルを融解し、補体活性化成分であるC3a及びC5aをRIA(2抗体法)で各々測定した。比較のために、比較例2〜5の2次膜についても同様に測定した。測定結果を表1に示す。その結果、実施例1、2、3で作製したモジュール内の中空糸は、比較例のいずれのサンプルに比べてもC3a、C5aの産生量は十分に低く、補体活性抑制能力に優れていることが示された。
<4.TAT測定>
実施例1、2、3及び比較例1で製作したモジュールから充填液を十分に廃棄した後、血液側及びろ液流出側を生理食塩水500mlで洗浄し、十分に生理食塩水を廃棄した後、容器から中空糸の内外膜表面積が136cm2になるように中空糸を取り出し、その中空糸を2〜3mmにカットし、プラスチック製の遠心管(50ml容;PP製チューブ)に入れ2つのサンプルを用意した。その後、5000U/Lのヘパリンを添加した健常人から採取した人新鮮血漿3mlを各々のサンプルに加え、37℃で加温し、30分後及び60分後に血漿を取り出し、3.8%クエン酸ナトリウム入りの専用容器に血漿を入れて凍結保存した。その後、凍結保存したサンプルを融解し、血液凝固系の亢進状態を測定するために、トロンビン・アンチトロンビン−複合体(TAT)をEIA法で測定した。比較のために、比較例2〜5の2次膜についても同様に測定した。測定結果を表1に示す。その結果、実施例1,2,3で作製したモジュール内の中空糸は、比較例のいずれのサンプルに比べてもTATの産生量は、極めて低く検出限界以下であり、血液凝固活性の抑制能力に優れていることが示された。
[実施例4及び比較例6(牛血漿試]
ACD−A(1:8)加牛血液5Lをポリタンクに入れ、遠心分離し、1次膜であるOP−05W(旭化成メディカル社製、日本国)にて処理した牛血漿を採取した。その牛血液3Lをポリタンクに入れ、そのタンクから血液回路を通じて、実施例2の製法で作製した3本の血漿成分分離器(A,B,C)に各々個別に導入できるように回路を接続した。その際、各々の血漿成分分離器に導入される部分を37℃に加温し、血漿導入速度30ml/分,全ろ過方式で血漿成分のろ過実験を行った。比較例として、特許文献5の実施例1の製造方法である中空糸内液濃度を57%、含浸させるグリセリン水溶液濃度を30%にした製法で作製した3本の血漿成分分離器(D,E,F)を上記と同様の方法にて牛血漿ろ過実験を行った。測定項目として、濾液のアルブミン、IgG(イムノグロブリンG)、フィブリノーゲン、IgM(イムノグロブリンM)を測定した。その結果を表2に示す。その結果、実施例では、十分なIgGの透過率はいずれも、80%以上でありかつフィブリノーゲンの透過率が30%以下であり、AMD治療用として最適なろ過性能を示したのに対して、比較例ではいずれもフィブリノーゲンの透過率が45%以上であり、AMD治療用としてはフィブリノーゲン透過率が高すぎる濾過性能を示す結果となった。
[実施例5および比較例7(孔サイズの測定)]
実施例2の製法にて作製した血漿成分分離器に導入されている中空糸部分の内表面を電子顕微鏡にて30,000倍に拡大し、得られた電子顕微鏡写真の画像について、500nm角(0.25平方μm)中に存在する内表面層に開いた各々の孔の面積を測定し、その面積から各々の孔の円換算率直径を計算した。また、特許文献5の実施例1の製造方法である中空糸内液濃度を57%にした製法で作成した中空糸を上記と同様の方法にて円換算率直径を算出した。
その円換算率直径の結果を表3に示した。その結果、実施例においては平均円換算率直径は、比較例よりも小さく、標準偏差も小さかった。このことは、実施例の中空糸膜の孔サイズは、比較例よりも小さく、かつ、孔のサイズの分布のばらつきが小さく血漿蛋白の分画性がシャープになることを示している。この差が上述の牛血漿試験におけるフィブリノーゲンの透過率の差になって現れており、本発明の血漿成分分離器がAMD用途として、極めて優れた性能を有していることを示しているものと考えられる。
[実施例6及び比較例8]
ACD−A(1:8)加牛血液5Lをポリタンクに入れ、遠心分離し、1次膜であるOP−05W(旭化成メディカル社製、日本国)にて処理した牛血漿を採取した。その牛血液3Lをポリタンクに入れ、そのタンクから血液回路を通じて、実施例2で作製した血漿成分分離器に導入できるように回路を接続した。その際、血漿成分分離器に導入される部分を37℃に加温し、血漿導入速度30ml/分,全ろ過方式で血漿成分のろ過実験を行い、血漿2.5Lまでのろ過処理を行った。比較例として、血漿成分分離器に導入される部分を加温しない室温条件(25℃)下で、実施例2で作製した血漿成分分離器を用いて、同様にろ過実験を行った。測定項目として、血液回路の圧力、及び濾液のアルブミン、IgG、フィブリノーゲン、IgMを測定した。その結果を表4に示す。その結果、実施例では、十分な血漿成分のろ過性能を示し、かつ、2.5Lの血漿成分を濾過できたのに対して、比較例では実験途中で回路内の圧上昇が起こり、2.5Lの血漿処理ができなかった。
本発明の血漿成分分離器は、補体活性化抑制能並びに血液凝固活性化抑制能を有した、AMD治療用に極めて優れた血漿成分分離器であり、又、本発明の血漿成分分離器を有する二重濾過血液浄化装置は、治療に有効な血漿量を安全に効率的に処理することができるので、二重慮過血漿交換法による血液浄化療法に有効に用いることができる。
本発明の二重濾過血液浄化装置のフロー図である。
符号の説明
1 血液導入回路
2 血液ポンプ
3 血漿分離器
4 血液導出回路
5 血漿導入回路
6 血漿ポンプ
7 血漿成分分離器
8 血漿導出回路
9 加温器

Claims (8)

  1. 筒状容器の内部に中空糸膜の束が充填され、中空糸膜の両端部が硬化性樹脂により容器両端部にポッティング加工されて容器両端部で開口端面となっており、さらに開口端面の夫々に血液の流通口を有するヘッダーキャップを取り付けてなり、かつ前記中空糸膜がポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドンからなる中空糸膜型の血漿成分分離器であって、牛血漿イムノグロブリンGの透過率が80%以上100%以下で、かつ牛血漿フィブリノーゲンの透過率が10%以上30%以下であり、毛管上昇法で測定した該中空糸膜の液面上昇値が内径200μmの中空糸膜に換算すると80mm以上120mm以下であり、かつ、前記中空糸膜内表面の孔径の円換算率直径が13nm〜64nmであることを特徴とする血漿成分分離器。
  2. 前記中空糸膜のジメチルアセトアミドに可溶性のポリビニルピロリドン含有量が総ポリビニルピロリドン量の25重量%以上95重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の血漿成分分離器。
  3. 前記中空糸膜束の筒状容器への充填率が50%以上75%以下である請求項1または2記載の血漿成分分離器。
  4. 照射滅菌されている請求項1〜3の何れかに記載の血漿成分分離器。
  5. 抗酸化剤溶液が充填されている請求項1〜4の何れかに記載の血漿成分分離器。
  6. 前記血漿成分分離器が加齢性黄斑変性症の治療用であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の血漿成分分離器。
  7. 血液導入回路が血液入口に接続された血漿分離器と、
    該血液導入回路に設置された血液を送液するための血液ポンプと、
    該血漿分離器の血液出口に接続された血液導出回路と、
    一端が該血漿分離器の濾液出口に接続され、他端が血漿成分分離器に接続された血漿導入回路と、
    該血漿導入回路に設置された血漿を送液するための血漿ポンプと、
    該血漿導入回路が接続された該血漿成分分離器と、
    一端が該血漿成分分離器の濾液出口に接続され、他端が前記血液導出回路に接続された血漿導出回路を少なくとも有する二重濾過血液浄化装置であって、
    前記血漿成分分離器が請求項1〜6の何れかに記載された血漿成分分離器であり、かつ
    前記血漿導入回路に血漿を加温するための加温器が設置されていることを特徴とする、二重濾過血液浄化装置。
  8. 前記加温器の加温範囲が30℃以上45℃以下であることを特徴とする、請求項7記載の二重濾過血液浄化装置。
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