JP3279921B2 - 積層ポリエステルフイルム - Google Patents

積層ポリエステルフイルム

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JP3279921B2 JP12563696A JP12563696A JP3279921B2 JP 3279921 B2 JP3279921 B2 JP 3279921B2 JP 12563696 A JP12563696 A JP 12563696A JP 12563696 A JP12563696 A JP 12563696A JP 3279921 B2 JP3279921 B2 JP 3279921B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層ポリエステルフ
イルムに関し、更に詳しくは隠ぺい性に優れ、かつイン
クジェットプリンター等の水性インク受像層に対する接
着性に優れた、受像紙用に有用な積層ポリエステルフイ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフイルムに
代表されるポリエステルフイルムは、受像紙用フイルム
のベースフイルムとして従来より広く使用されている。
近年、カラープリンターの需要に伴い、インクジェット
方式等の新しい印字方式が発展してきた。このような印
字方式用の受像紙用フイルムでは、特開昭64―364
79号公報、特開平1―95091号公報で提案されて
いるように、フイルム上にインク受像層の形成が必要と
なる。このインク受像層には多孔質でインクの吸収性が
良好なものが使用されるが、このインク受像層はベース
フイルムとして用いるポリエステルフイルムに対する接
着性が乏しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ク受像層との接着性に優れ、かつ隠ぺい性を兼備した、
インクジェットプリンター用受像紙などに有用な積層ポ
リエステルフイルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、ポリエステルフイルムの少なくとも片
面に塗膜を積層せしめ、更に該塗膜の少なくとも一面に
上に水性インク受像層を設けて用いる積層ポリエステル
フイルムであって、該塗膜が(A)全カルボン酸成分に
対するスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分の割合
が1〜16モル%であり、かつ二次転移点が20〜90
℃であるコポリエステル50〜80重量%、(B)数平
均分子量が600〜2000のポリアルキレンオキサイ
ド10〜30重量%及び(C)平均粒径が20〜80n
mの微粒子3〜25重量%からなる成分を主成分とし、
該塗膜の表面エネルギーが54〜70dyne/cmで
あることを特徴とする積層ポリエステルフイルムにより
達成される。
【0005】[ポリエステルフイルム]本発明における
ポリエステルフイルムを構成するポリエステルとして
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフ
タリンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリ
コール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキ
サンジメタノール、1,6―ヘキサンジオール等のグリ
コール成分とから構成されるポリエステルが好ましく、
特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,
6―ナフタリンジカルボキシレートが好ましい。また、
上記成分等の共重合ポリエステルであっても良い。
【0006】ポリエステルにはフイルムを製造する際の
巻取性や、インク受像層等を塗設する際のフイルムの搬
送性等を良くするため、必要に応じて滑剤としての有機
又は無機の微粒子を含有させることが好ましい。かかる
微粒子としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸
化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋
アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素樹
脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等
が例示される。また、微粒子以外にも着色剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、潤滑剤、触媒、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン―プロピレン―ポリマー、オレフィ
ン系アイオノマーのような他の樹脂等も透明性を損なわ
ない範囲で任意に含有させることができる。
【0007】また、本発明におけるポリエステルフイル
ムには、光線透過率が20%以下でありかつ白色である
ポリエステルフイルム(白色ポリエステルフイルム)を
用いることが好ましい。この白色ポリエステルフイルム
は、ポリエステルに白色顔料、例えば酸化チタン及び/
または硫酸バリウムを例えば5〜20重量%含有させる
ことにより得ることができる。また、白色ポリエステル
フイルムは、受像紙として用いるときの印字物の意匠性
から、その光線透過率が20%以下であることが好まし
い。
【0008】本発明におけるポリエステルフイルムは、
150℃で30分間保持したときの熱収縮率が1%以下
の二軸延伸フイルムであることが、ポリエステルフィル
ムを受像紙に用いた際に寸法安定性が良好であり、印字
のずれ等を抑制できるため好ましい。このような熱収縮
率を有する二軸延伸フイルムは、例えば、二軸延伸後に
熱固定やポリエステルのTg以上の温度での熱処理によ
りフィルムの密度を例えば1.390g/cm3 以上と
することにより得ることができる。
【0009】[塗膜]本発明においては、ポリエステル
フイルムに(A)コポリエステル、(B)ポリアルキレ
ンオキサイド及び(C)微粒子を主成分とする塗膜を積
層する。
【0010】この塗膜を形成する成分として用いる
(A)コポリエステルは、分子内の全ジカルボン酸成分
に対し、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分の割
合が1〜16モル%であるポリエステルである。かかる
コポリエステルは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,
6―ナフタリンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸、フェニルイン
ダンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、5―スル
ホイソフタル酸、トリメリット酸、ジメチロールプロピ
オン酸等のカルボン酸成分及び5―Naスルホイソフタ
ル酸、5―Kスルホイソフタル酸、5―Kスルホテレフ
タル酸等のスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分
と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチレングコール、1,4―ブタンジオール、1,6
―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ビスフェ
ノール―Aのアルキレンオキシド付加物等のヒドロキシ
化合物成分とから構成されるポリエステルであって、水
溶液、水分散液又は乳化液として使用される。
【0011】(A)コポリエステルでは、親水性を付与
するための、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分
が、分子内の全カルボン酸成分に対し、1〜16モル%
である必要があるが、好ましくは1.5〜14モル%で
ある。スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分が1モ
ル%未満ではコポリエステルの親水性が不足し、一方1
6モル%を超えると塗膜の耐湿性が低下するので好まし
くない。
【0012】また、(A)コポリエステルの二次転移点
(Tg)は20〜90℃である必要がある。Tgが20
℃未満ではフイルムがブロッキングしやすく、一方90
℃を超えるとフイルムの削れ性や接着性が低下するので
好ましくない。
【0013】上記塗膜を形成する成分として用いる
(B)ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレ
ン・プロピレンオキサイド等を好ましく挙げることがで
きる。
【0014】(B)ポリアルキレンオキサイドの分子量
は、数平均分子量が600〜2000である必要があ
る。この分子量が600未満ではフイルムのブロッキン
グ性、塗膜の耐湿性が低下し、一方2000を超えると
インク受像層に対する接着性が低下するので好ましくな
い。
【0015】さらに、上記塗膜を形成する成分として用
いる(C)微粒子は有機又は無機の微粒子であり、粒径
が20〜80nmのものである。かかる微粒子として
は、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウ
ム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂
粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、
架橋シリコーン樹脂粒子等が例示される。該微粒子の粒
径が20nm未満ではフイルムがブロッキングしやす
く、一方80nmを超えると削れ性が低下するので好ま
しくない。
【0016】本発明において、(A)コポリエステル、
(B)ポリアルキレンオキサイド及び(C)微粒子の配
合割合は、(A)コポリエステル50〜80重量%、
(B)ポリアルキレンオキサイド10〜30重量%、
(C)微粒子3〜35重量%である。(A)成分の割合
が50重量%未満ではポリエステルフイルムとの接着性
が不足し、一方80重量%を超えるとインク受像層との
接着性が低下するので好ましくない。(B)成分の割合
が10重量%未満ではインク受像層との接着性が不足
し、一方30重量%を超えると耐ブロッキング性が低下
するので好ましくない。また、(C)成分の割合が3重
量%未満ではフイルムの滑性(搬送性)が不足し、一方
25重量%をこえると削れ性が低下するので好ましくな
い。
【0017】また、本発明における塗膜は、その表面エ
ネルギーが54〜70dyne/cmであることが必要
であり、特に60〜65dyne/cmであることが好
ましい。この表面エネルギーが54dyne/cm未満
であると、水性インク受像層の塗工性及び接着性が不良
となり、70dyne/cmを超えると基体であるポリ
エステルフィルムとの密着性が不足したり、塗膜の耐湿
性が不足することがあるため好ましくない。
【0018】表面エネルギーが54〜70dyne/c
mの塗膜は、(A)コポリエステル、(B)ポリアルキ
レンオキサイド及び(C)微粒子が本発明の範囲である
塗膜を、例えば0.02〜1μmの厚さで積層すること
により得ることができる。
【0019】尚、本発明の積層ポリエステルフイルム
は、塗膜表面の中心線平均粗さ(Ra)が100nm〜
250nmの範囲にあることが、塗膜とポリエステルフ
イルムとの接着性、塗膜とインク受像層との接着性、塗
膜の耐削れ性、積層フィルムの耐ブロッキング性や搬送
性が良好となるため好ましい。このようなRaを有する
塗膜は、例えば塗膜成分として前記微粒子を前記の割合
で用いることにより得ることができる。
【0020】本発明においては塗膜を形成する成分とし
て、上記の成分以外にメラミン樹脂等の他の樹脂、帯電
防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等を使用す
ることができる。
【0021】[塗膜の積層]本発明においては、ポリエ
ステルフイルムの少なくとも片面に前記成分からなる塗
膜を積層するが、例えば延伸可能なポリエステルフイル
ムに塗膜を形成する成分を含む水性液を塗布した後、乾
燥、延伸し、必要に応じて熱処理することにより積層す
ることができる。この水性液の固形分濃度は、通常30
重量%以下であり、10重量%以下がさらに好ましい。
【0022】上記の延伸可能なポリエステルフイルムと
は、未延伸ポリエステルフイルム、一軸延伸ポリエステ
ルフイルム又は二軸延伸ポリエステルフイルムである。
このうちフイルムの押出し方向(縦方向)に一軸延伸し
た縦延伸ポリエステルフイルムが特に好ましい。
【0023】ポリエステルフイルムへ水性液を塗布する
場合は、通常の塗工工程、即ち二軸延伸熱固定したポリ
エステルフイルムに該フイルムの製造工程と切り離した
工程で行うと、芥、塵埃等を巻き込み易く好ましくな
い。かかる観点よりクリーンな雰囲気での塗布、即ちフ
イルム製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗布
によれば、塗膜のポリエステルフイルムへの密着性がさ
らに向上する。
【0024】塗布方法としては、公知の任意の塗布法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法及びカーテンコート法などを単独
または組み合わせて用いることができる。塗布量は走行
しているフイルム1m2 当り0.5〜20g、更に1〜
10gが好ましい。水性液は水分散液又は乳化液として
用いるのが好ましい。
【0025】水性液を塗布した延伸可能なポリエステル
フイルムは、乾燥、延伸処理工程に導かれるが、かかる
処理は、従来から当業界に蓄積された条件で行うことが
できる。好ましい条件としては、例えば乾燥条件は90
〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度は90〜13
0℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必
要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合は1
80〜240℃×2〜20秒である。
【0026】かかる処理後のポリエステルフイルムの厚
さは50〜150μmであること、また塗膜の厚さは
0.02〜1μmであることが好ましい。
【0027】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に説明する。
なお、各特性値は以下の方法で測定した。
【0028】1.接着性 ポリエステルフイルムの塗膜面に、球状シリカ(平均粒
径18μ、平均細孔径200オングストローム、平均細
孔容積1.5cc/g)70重量%、ポリビニルアルコ
ール(クラレ製PVA117)30重量%を混合した水
性スラリーを乾燥厚さで20μm塗設し、その上に幅1
2.7mm、長さ150mmのスコッチテープ(スリー
エム社製・No.600)を気泡が入らないよう粘着
し、この上をJIS・C2701(1975)記載の手
動式荷重ロールでならして密着させた後、テープ幅に切
り出す。このようにして作成したサンプルからスコッチ
テープを剥離する際の、インク受像層のポリエステルフ
イルムからの剥離状態を観察して接着性を下記の通り評
価した。 A:剥離が全く認められず、密着性良好 B:異物部分で僅かに剥離が認められる C:剥離が顕著に認められる
【0029】2.摩擦係数 ASTM・D1894―63に準じ、東洋テスター社製
のスリッパ―測定器を使用し、フイルムの表面と裏面を
合わせ、荷重1kgを加えて静摩擦係数を測定した。摩
擦係数が0.6を超えるとフイルム搬送性に支障をきた
す。
【0030】3.ブロッキング性 50mm幅に切断したフイルムを2枚重ね、50kg/
cm2 の荷重下40℃×50%RH×17時間処理した
後、引張り試験機にて荷重を加えた箇所の剥離強度(g
/50mm)を測定した。剥離強度の値により下記の通
り評価した。 剥離強度≦10g/50mm…ブロッキング性良好 10g/50mm<剥離強度≦30g/50mm…ブロッキング性やや良好 30g/50mm<剥離強度 …ブロッキング性不良
【0031】4.表面エネルギー W. A. Zisman:“Contact Augle, Wettability and Adh
esion ”,Am. Chem.Soc., (1964)に従い、測定
した臨界表面張力γcをもって、表面エネルギーとし
た。
【0032】5.二次転移点 デュポン製 Thermal Analyst 2000型 示差熱量計
にて、20℃/分の昇温速度にて測定した。
【0033】6.固有粘度 オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃
にて測定し求めた。
【0034】7.水分散性 塗布剤を水で希釈して0.2重量%の水分散体とし、石
英製セルを用いて、日立製作所製 ダブルビーム分光光
度計(228A型機)にて光線透過率を測定した。測定
結果より下記の通り評価した。 光線透過率≧50% ……水分散性良好 50%>光線透過率≧30% ……水分散性やや良好 30%>光線透過率 ……水分散性不良
【0035】8.耐湿性 前記ブロッキング性の評価において、処理条件を60℃
×70%RH×17時間としたほかは同様の方法で剥離
強度(g/50mm)を測定した。測定結果より下記の
通り評価した。 剥離強度≦10g/50mm …耐湿性良好 10g/50mm<剥離強度≦30g/50mm …耐湿性やや良好 30g/50mm≦剥離強度 …耐湿性不良
【0036】9.光線透過率 村上色彩技術研究所製 HR―100型 ヘーズメータ
ーにより、ASTM・D1003に準じて測定した。
【0037】10.熱収縮率 ポリエステルフイルムを150℃×30分熱処理した後
の収縮率を標点間距離30cmで測定した。
【0038】11.中心線平均粗さ(Ra) JIS B0601に準じて、(株)小坂研究所製の高
精度表面粗さ計SE―3FATを使用して、針の半径2
μm、荷重30mgで拡大倍率5万倍、カットオフ0.
08mmの条件下に、チロートを描かせ表面粗さ曲線か
らその中心線方向に測定長さLの部分を抜きとり、この
抜きとり部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし
て、粗さ曲線をY=f(x)で表した時、次式で与えら
れた値をnm単位で表わした。
【0039】
【数1】
【0040】この測定は基準長を1.25mmとして、
4個測定し、平均値で表わした。
【0041】[実施例1]テレフタル酸成分及びエチレ
ングリコール成分からなるポリエステル(固有粘度が
0.62)90重量%と酸化チタン10重量%からなる
組成物を20℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押し
出しして未延伸フイルムとし、次に該未延伸フイルムを
機械軸方向に3.6倍延伸した後、酸成分がテレフタル
酸[60モル%]、イソフタル酸[37モル%]および
5―Naスルホイソフタル酸[3モル%]、グリコール
成分がエチレングリコール[40モル%]、ネオペンチ
ルグリコール[40モル%]およびビスフェノール―A
のエチレンオキサイド付加物[20モル%]よりなる共
重合ポリエステル(Tg=30℃、以下、単に[E]と
いう)65重量%、分子量1000のポリエチレンオキ
サイド16重量%、平均粒径40nmの架橋アクリル樹
脂粒子10重量%並びにポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル9重量%からなる組成の、固形分濃度4重
量%の水性液をロールコーターにて塗布した。次いで、
水性液を塗布した縦延伸フイルムを乾燥しつつ横方向に
4倍延伸し、更に230℃で熱固定して厚さ100μm
の二軸延伸フイルムを得た。このフイルムでの塗膜厚さ
は0.03μm、中心線平均表面粗さは180nm、光
線透過率は3%、表面エネルギーは60dyne/c
m、熱収縮率は縦方向で0.9%、横方向で0.2%で
あった。このフイルムの特性を表1に示す。
【0042】[比較例1]水性液を塗布しない以外は、
実施例1と同様にして得た二軸延伸ポリエステルフイル
ムの特性を表1に示す。
【0043】[実施例2〜7]塗布剤の種類と比率を表
1に示すように変える以外は、実施例1と同様にして二
軸延伸ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの特
性を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の積層ポリエステルフイルムは接着性に優れる。
【0046】尚、表1においてコポリエステルの種類E
およびF(注1)は、下記の共重合体であることを示
す。
【0047】E:テレフタル酸[60モル%]・イソフ
タル酸[37モル%]・5―Naスルホイソフタル酸
[3モル%]/エチレングリコール[40モル%]・ネ
オペンチルグリコール[40モル%]・ビスフェノール
―Aのエチレンオキサイド付加物[20モル%]の共重
合体(Tg=30℃) F:2,6―ナフタリンジカルボン酸[20モル%]・
イソフタル酸[76モル%]・5―Kスルホテレフタル
酸[4モル%]/エチレングリコール[50モル%]・
ネオペンチルグリコール[50モル%]共重合体(Tg
=42℃) また、表1においてポリアルキレンオキサイドの種類P
およびQ(注2)は、下記の重合体であることを示す。
【0048】P:分子量1000のポリエチレンオキサ
イド Q:分子量1200のポリプロピレンオキサイド
【0049】[実施例8〜11及び比較例2、3]
(A)コポリエステルの種類を表2および表3に示すよ
うに変えて、Tgの異なるコポリエステルを用いた外は
実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルムを
得た。得られたフイルムの特性を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の積層ポリエステルフイルムは耐ブロッキング性及び
接着性に優れる。
【0053】[実施例12〜16及び比較例4、5]
(A)コポリエステルのスルホン酸塩基を含有するジカ
ルボン酸成分の割合を表4に示すように変えた外は実施
例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルムを得
た。得られたフイルムの特性を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】表4に示す結果から明らかなように、本発
明における塗布剤は水分散性に優れ、本発明の積層ポリ
エステルフイルムは耐湿性に優れる。
【0056】[実施例17〜19及び比較例6、7]
(A)コポリエステル、(B)ポリアルキレンオキサイ
ド及び(C)微粒子の比率を表5に示すように変えた外
は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルム
を得た。得られたフイルムの特性を表5に示す。
【0057】
【表5】
【0058】表5に示す結果から明らかなように、本発
明の積層ポリエステルフイルムは接着性、搬送性に優れ
る。
【0059】[実施例20、21及び比較例8、9]
(A)コポリエステル、(B)ポリアルキレンオキサイ
ド及び(C)微粒子の比率を表6に示すように変えた外
は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルム
を得た。得られたフイルムの特性を表6に示す。
【0060】
【表6】
【0061】表6に示す結果から明らかなように、本発
明の積層ポリエステルフイルムは接着性、搬送性に優れ
る。
【0062】[実施例22、23及び比較例10、1
1](C)微粒子の粒径を表7に示すように変えた外は
実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイルムを
得た。得られたフイルムの特性を表7に示す。
【0063】
【表7】
【0064】表7に示す結果から明らかなように、本発
明の積層ポリエステルフイルムは耐ブロッキング性に優
れる。
【0065】[実施例24、25及び比較例12、1
3](A)コポリエステル、(B)ポリアルキレンオキ
サイド及び(C)微粒子の比率を表8に示すように変え
た外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフイ
ルムを得た。得られたフイルムの特性を表8に示す。
【0066】
【表8】
【0067】表8に示す結果から明らかなように、本発
明の積層ポリエステルフイルムは接着性及び搬送性に優
れる。
【0068】
【発明の効果】本発明の積層ポリエステルフイルムは、
隠ぺい性に優れ、かつインクジェットプリンター等の水
性インク受像層に対する接着性に優れたものであり、受
像紙用として有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−149353(JP,A) 特開 昭60−141525(JP,A) 特開 昭60−89334(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 7/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に塗膜を積層せしめ、更に該塗膜の少なくとも一面に上
    に水性インク受像層を設けて用いる積層ポリエステル
    イルムであって、該塗膜が(A)全カルボン酸成分に対
    するスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分の割合が
    1〜16モル%であり、かつ二次転移点が20〜90℃
    であるコポリエステル50〜80重量%、(B)数平均
    分子量が600〜2000のポリアルキレンオキサイド
    10〜30重量%及び(C)平均粒径が20〜80nm
    の微粒子3〜25重量%からなる成分を主成分とし、該
    塗膜の表面エネルギーが54〜70dyne/cmであ
    ることを特徴とする積層ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフイルムの光線透過率が2
    0%以下でありかつ白色であることを特徴とする請求項
    1記載の積層ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフイルムが、150℃で3
    0分間保持したときの熱収縮率が1%以下の二軸延伸フ
    イルムである請求項1記載の積層ポリエステルフイル
    ム。
  4. 【請求項4】 塗膜表面の中心線平均粗さRaが100
    nm〜250nmの範囲にある請求項2記載の積層ポリ
    エステルフイルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフイルムの光線透過率が2
    0%以下、かつ白色である請求項2記載の積層ポリエス
    テルフイルム。
  6. 【請求項6】 インクジェットプリンター用受像紙に用
    いる請求項5記載の積層ポリエステルフイルム。
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