JP3270035B2 - 被削性に優れ,強度異方性の小さい鉛無添加の機械構造用鋼 - Google Patents

被削性に優れ,強度異方性の小さい鉛無添加の機械構造用鋼

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JP3270035B2
JP3270035B2 JP2000025516A JP2000025516A JP3270035B2 JP 3270035 B2 JP3270035 B2 JP 3270035B2 JP 2000025516 A JP2000025516 A JP 2000025516A JP 2000025516 A JP2000025516 A JP 2000025516A JP 3270035 B2 JP3270035 B2 JP 3270035B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,機械的性質の異方性が小さく,
広範な切削方法や切削条件における被削性に優れ,か
つ,鉛を含有しない鉛無添加の機械構造用鋼に関する。
【0002】
【従来技術】近年の切削加工の高速化,自動化の発展に
伴って,機械構造用部品に使用される鋼材の被削性が重
要視されるようになり,被削性を改善した鋼いわゆる快
削鋼の需要が高まっている。しかも,鋼材の必要強度は
厳しくなりつつある。鋼材を高強度化した場合には被削
性は劣化する。すなわち近年の機械構造用鋼には,高強
度化と被削性という相反する特性の改善が要求されてい
る。
【0003】現在,一般的に使用されている快削鋼とし
ては,Pb,S,Caを含有させた鋼材がある。この中
でも,Pbを含有するPb快削鋼は,基本鋼と比較して
機械的性質の劣化が小さく,一般の旋削加工において切
粉処理性の改善を示し,ドリル加工,タップ加工,リー
マ加工,中ぐり加工等の工具寿命の延長を図ることがで
きるという優れた特徴を有している。また,Pb快削鋼
は,(穴深さ/ドリル直径)≧3となる深穴のあけ加工
時に切屑の排出を容易にし,突発的な切屑つまりによる
工具の折損防止にも優れている。また,Pbに加えて他
のS,Ca等を加えてこれらの優れた特性を付加したP
b複合快削鋼も種々開発されている。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のP
b含有快削鋼においては,次の問題がある。即ち,Pb
は,上記のごとく被削性向上には非常に有効であるが,
環境面では有害性を有する物質である。そのため,近年
の環境問題への関心の高まりから,Pbを含有すること
なく,Pb含有快削鋼に匹敵する鋼材の開発が望まれて
いる。
【0005】一方,従来よりPbを含有しない他の快削
鋼もあるが,これらは,次のような欠点を有し,Pb含
有快削鋼の代替として使用できない場合が多い。例え
ば,Sを添加したS快削鋼は,比較的広範な切削加工に
対して工具寿命を延長させる改善効果を示すが,Pb快
削鋼にくらべて切粉処理性が悪い。また,Sを含有する
場合には,介在物として存在するMnSが熱間圧延ある
いは熱間鍛造中に延伸するため,圧延方向から直角方向
に近づくにつれて衝撃強度等の機械的性質が低下する,
強度異方性という問題がある。したがって,衝撃強度が
重要とされる部品を対象とした鋼材はS含有量をできる
だけ抑える必要があり,その結果十分な被削性が得られ
ない場合がある。
【0006】また,Ca脱酸により鋼中の酸化物系介在
物を低融点化させたCa脱酸快削鋼は,鋼材の強度特性
にほとんど影響を及ぼさず,高速切削領域の超硬工具寿
命に著しい延長効果を示す。しかし,Ca脱酸快削鋼は
超硬工具寿命以外の被削性改善効果がほとんど認められ
ないため,オールラウンドの被削性を得るためにSある
いはPbとの複合で使用される場合が一般的である。
【0007】従来のCa脱酸快削鋼とは異なり,S快削
鋼の欠点である強度異方性をCa添加によって鋼中の介
在物を均一に分散・分布させることから改善し,同時に
被削性も向上させた例として特公平5−15777号に
記載された鋼材がある。この場合,Ca脱酸快削鋼のよ
うな欠点はないが,十分な被削性を得るには多量のSを
添加する必要がある。その場合に硫化物を形態制御させ
るために必要十分な量のCaを鋼材中に含有させること
はCa歩留りが低いため量産鋼としての製造は極めて困
難である。
【0008】また上記のCaと同様な効果を狙った例と
して特公昭52−7405号公報に記載された鋼材があ
る。これらは,Mg,Baの第1群元素の1種または2
種とS,Se,Teよりなる第2群元素の1種以上を含
有した快削鋼である。この鋼材は,Oを0.004〜
0.012%の範囲で積極的に添加していので,疲労強
度に劣るおそれがある。さらにOの積極添加により鋼中
の酸化物が増加し,ドリル加工性等の切削性の低下も予
想される。
【0009】また特公昭51−4934号公報の快削鋼
においては,Mg,Baの第1群元素の1種または2種
とS,Se,Teよりなる第2群元素の1種以上を含有
した快削鋼と,さらにCaを選択的に含有した快削鋼が
開示されている。しかし,この鋼は,Oを0.002〜
0.01%の範囲で積極的に添加している。そのため,
疲労強度に劣るおそれがある。さらにOの積極添加によ
り鋼中の酸化物が増加し,ドリル加工性等の切削性の低
下も予想される。
【0010】また特開昭51−63312号公報には,
SとMgとCa,Ba,Sr,SeおよびTeの元素の
1種以上を含有する快削鋼が開示されている。しかし,
当該公報には,鋼の具体的な成分系が示されておらず,
技術の開示が不十分である。また,この鋼は,Al脱酸
を前提としており,Al含有量が0.02%を超え,O
量の限定もなく,疲労強度に劣るおそれがある。さらに
Oの積極添加により鋼中の酸化物が増加し,ドリル加工
性等の切削性の低下も予想される。
【0011】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,Pbを含有せず,かつ,従来のPb含有
快削鋼と同等以上の特性を有する,被削性に優れ,強度
異方性の小さい鉛無添加の機械構造用鋼を提供しようと
するものである。
【0012】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,重量%におい
て,C:0.10〜0.65%,Si:0.03〜1.
00%,Mn:0.30〜2.50%,S:0.03〜
0.35%,Cr:0.1〜2.0%,Al:0.00
5%未満,Ca:0.0005〜0.020%,Mg:
0.0003〜0.020%を含有し,O:20ppm
未満であり,残部Feおよび不可避不純物からなり,か
つ,連続鋳造により作製したことを特徴とする,被削性
に優れ,強度異方性の小さい鉛無添加の機械構造用鋼に
ある。
【0013】本発明において最も注目すべきことは,A
l及びOの含有量を上記特定の範囲に低減し,かつ,S
含有量を一般レベルよりも高め,さらにMg及びCaを
複合添加し,Pbの添加を完全に無くした点にある。
【0014】なお,機械構造用鋼は,調質強靱鋼,非調
質鋼,肌焼鋼という3種類の鋼種に大きく分類され,用
途等によって使い分けられる。そのため,本発明の鉛無
添加の機械構造用鋼においても,これらの3種類の鋼種
ごとに若干成分範囲の好ましい範囲が異なる場合があ
る。以下に,上記構成成分の限定理由について,上記3
種類の鋼種における好ましい範囲をまじえて説明する。
【0015】C:0.10〜0.65%,Cは,機械構
造用鋼としての強度を確保するための必須元素であり,
0.10%以上添加する。しかし,多すぎると硬さ増加
から靱性および被削性の劣化を招くため上限を0.65
%とする。特に,調質強靱鋼の場合には,好ましくは
0.28〜0.55%であり,より好ましくは0.32
〜0.48%がよい。非調質鋼の場合には,好ましくは
0.10〜0.55%であり,より好ましくは0.35
〜0.50%がよい。肌焼鋼の場合には,好ましくは
0.10〜0.30%であり,より好ましくは0.12
〜0.28%がよい。
【0016】Si:0.03〜1.00%,Siは,製
鋼時の脱酸剤として不可欠であるため下限を0.03%
とする。しかし,過剰に添加すると延性を低下させるほ
か,鋼中に高硬度の介在物であるSiO2を生成させて
被削性も劣化させるため上限を1.00%とする。Si
は上記3種類のいずれの鋼種においても,好ましくは
0.10〜0.50%であり,より好ましくは0.15
〜0.35%がよい。
【0017】Mn:0.30〜2.50%,Mnは,一
般に鋼の強度,靱性,熱間延性,焼入性を確保する上で
重要な元素であり,かつ,本発明において,硫化物系介
在物生成に不可欠な元素であるため0.30%以上添加
する。しかし,多すぎると硬さ増加から被削性が劣化す
るため上限を2.50%とする。Mnは上記3種類のい
ずれの鋼種においても,好ましくは0.40〜2.00
%であり,より好ましくは0.60〜1.50%がよ
い。
【0018】S:0.03〜0.35%,Sは,被削性
を改善させる硫化物系介在物の生成元素であり,被削性
改善効果を得るためには少なくとも0.03%以上添加
する必要があり,Sの増量に伴い被削性は向上する。し
かし,多すぎるとCaおよびMgによる硫化物形態制御
が困難となり,衝撃異方性が劣化するため,上限を0.
35%とする。Sは上記3種類のいずれの鋼種において
も,好ましくは0.04〜0.30%であり,より好ま
しくは0.08〜0.20%がよい。
【0019】Cr:0.1〜2.0%,Crは,鋼の焼
入性および靭性を向上させるために添加する。その効果
を得るためCrは0.1%以上必要である。一方,多量
に添加した場合には被削材の硬さが増加することから,
被削性確保のためにはCrは2.0%以下とする必要が
ある。Crは上記3種類のいずれの鋼種においても,好
ましくは0.10〜1.50%であり,より好ましくは
0.15〜1.20%がよい。
【0020】Al:0.005%未満この鉛無添加の機械構造用鋼においては,Alを0.0
05%未満とすることにより,実際の製造上問題となる
連続鋳造性を大幅に改善することができる。即ち,上記
Alの含有量が0.005%以上となった場合には,溶
鋼中に多量のCaS生成を促し,CaSが連続鋳造用の
ノズルに堆積し,これを閉塞しやすくなるという問題が
ある。この問題を上記Al含有量の0.005%未満と
いう制限により,確実に解消することができる。
【0021】Ca:0.0005〜0.020%,Ca
は,Mn,Mgと共に硫化物生成元素であるとともに,
Al,Siとの複合酸化物をも生成し,被削性向上効果
および硫化物形態制御による機械的性質の異方性改善効
果がある。その効果を得るためには少なくとも0.00
05%以上必要である。また製鋼段階でのCa歩留りは
非常に悪く,必要以上に含有させてもその効果が飽和す
るため,Caの上限を0.020%とする。Caは上記
3種類のいずれの鋼種においても,好ましくは0.00
05〜0.0060%であり,より好ましくは0.00
05〜0.0040%がよい。
【0022】Mg:0.0003〜0.020%,Mg
は,Caと同様の効果を示し,Caと複合で存在させた
場合に大きな被削性改善効果および機械的性質の異方性
改善効果が得られる。その効果を得るためには少なくと
も0.0003%以上必要である。一方,必要以上に含
有させてもその効果が飽和状態となり,無駄であるため
Mgの上限を0.020%とする。Mgは上記3種類の
いずれの鋼種においても,好ましくは0.0003〜
0.0060%であり,より好ましくは0.0005〜
0.0040%がよい。
【0023】O:20ppm未満 Oは,被削性に有害な酸化物系の硬質介在物の生成を抑
制する点から極力低減させることが望ましい。Oが20
ppm以上となると,酸化物系の硬質介在物の生成量が
増えて被削性を損なうと共に,疲労強度が低下するた
め,Oを20ppm未満とする必要がある。なお,Oに
ついては,上記3種類の鋼種における好適な範囲の差異
はほとんどない。
【0024】このように,本発明では,AlおよびOの
含有量を上記のごとく制限することにより酸化物形態を
制限し,かつ,S含有量を一般レベルよりも高め,Ca
およびMgを同時に鋼中に含有させることにより,衝撃
特性の劣化,特に衝撃異方性(強度異方性)を最小限に
抑えることができ,かつPb含有の快削鋼並に被削性を
向上させることができる。この強度異方性及び被削性向
上効果は,CaとMg一方のみを鋼材中に存在させる場
合よりも大きな改善効果となる。さらに,本発明ではA
lおよびOの含有量を上記のごとく制限することによ
り,被削性向上効果に加えて疲労強度の改善等の効果を
も得ることができる。
【0025】
【0026】本発明において最も注目すべきことは,
記のごとく,Al含有量を低減し,0.005%未満と
することである。そして,この鉛無添加の機械構造用鋼
においては,Alを0.005%未満とすることによ
り,実際の製造上問題となる連続鋳造性を大幅に改善す
ることができる。
【0027】即ち,上記Alの含有量が0.005%以
上となった場合には,溶鋼中に多量のCaS生成を促
し,CaSが連続鋳造用のノズルに堆積し,これを閉塞
しやすくなるという問題がある。この問題を上記Al含
有量の0.005%未満という制限により,確実に解消
することができる。
【0028】また,請求項2の発明のように,上記鉛無
添加の機械構造用鋼は,さらにMo:0.05〜1.0
0%,Ni:0.1〜3.5%,V:0.01〜0.5
0%,Nb:0.01〜0.10%,Ti:0.01〜
0.10%,B:0.0005〜0.0100%から選
択した1種または2種以上を含有することが好ましい。
これらの好ましい成分の成分範囲の限定理由を以下に示
す。
【0029】Mo:0.05〜1.00%,Ni:0.
1〜3.5%,Mo,Niは,鋼の焼入性および靭性を
向上させる元素で必要な場合に添加する。その効果を得
るため,Moは0.05%以上,Niは0.1%以上添
加することが好ましい。多量に添加した場合には被削材
の硬さが増加することから,被削性確保のためには,M
oは1.00%以下,Niは3.5%以下とすることが
好ましい。Moは上記3種類のいずれの鋼種において
も,好ましくは0.10〜0.40%であり,より好ま
しくは0.15〜0.30%がよい。またNiは上記3
種類のいずれの鋼種においても,好ましくは0.40〜
3.00%であり,より好ましくは0.40〜2.00
%がよい。
【0030】V:0.01〜0.50%,Vは析出強化
作用の強い元素であるので,焼入焼戻し処理を省略する
場合に添加する。この効果を得るには0.01%以上添
加することが好ましい。一方,0.50%を超えて含有
させても効果は飽和するので上限を0.50%とするこ
とが好ましい。非調質鋼の場合には,より好ましくは
0.05〜0.35%であり,さらに好ましくは0.0
5〜0.30%がよい。
【0031】Nb:0.01〜0.10%,Ti:0.
01〜0.10%,Nb,Tiはそれぞれ炭窒化物を生
成し,ピン止め効果により結晶粒を微細化させる効果が
あり,必要に応じて添加する。この効果を得るには0.
01%以上必要であるが,0.10%を超えて含有させ
ても効果は飽和するので上限を0.10%とすることが
好ましい。より好ましくは0.01〜0.08%であ
り,さらも好ましくは0.01〜0.06%がよい。
【0032】B:0.0005〜0.0100%,Bに
は少量の含有で焼入性を向上させ,鋼の機械的性質を向
上させる効果があり,必要に応じて添加する。この効果
を得るには0.0005%以上必要であるが,0.01
00%を超えて含有させても効果は飽和するので上限を
0.0100%とすることが好ましい。より好ましくは
0.0005〜0.0060%であり,さらに好ましく
は0.0005〜0.0040%がよい。
【0033】また,請求項3の発明のように,上記鉛無
添加の機械構造用鋼は,さらに,Bi:0.01〜0.
30%,REM:0.001〜0.10%から選択した
1種または2種を含有することが好ましい。これらの好
ましい成分の成分範囲の限定理由を以下に示す。
【0034】Bi:0.01〜0.30%,Biは機械
的性質の異方性をほとんど劣化させることなく,切屑処
理性および穿孔性を改善するのに有効であるため,その
ような特性が特に必要な場合に添加する。この効果を得
るには0.01%以上必要であるが,0.30%を超え
て含有させても効果は飽和し,またコスト高となるた
め,上限を0.30%とすることが好ましい。より好ま
しくは0.01〜0.10%であり,さらに好ましくは
0.01〜0.08%がよい。
【0035】REM:0.001〜0.10%,REM
(希土類元素)は硫化物の形態制御効果が大きいため,
Mg,Caの効果を助長させる場合に用いる。なお,R
EMは主にCe,La,Nd,Pr,Smの混成合金か
ら成るものである。この効果を得るには0.001%以
上のREMが必要であるが,0.10%を超えて含有さ
せても効果は飽和し,またコスト高となるため,上限を
0.10%とすることが好ましい。より好ましくは0.
001〜0.006%であり,さらに好ましくは0.0
01〜0.004%がよい。
【0036】また,請求項4の発明のように,上記鉛無
添加の機械構造用鋼は,硫化物系の介在物として(C
a,Mg)S,(Ca,Mg,Mn)Sの1種または2
種を含有することが好ましい。上記SとCa,Mg,M
nとの硫化物としては種々あるが,この中でも,特にC
a,Mg,Sによる複合的な硫化物(Ca,Mg)S,
或いは,Ca,Mg,Mn,Sによる複合的な硫化物
(Ca,Mg,Mn)Sの少なくとも一方を含有させる
ことにより,超硬工具摩耗性を大幅に改善することがで
きる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の鉛無添加の機械構造用鋼
の優れた特性を評価すべく,調質強靱鋼,非調質鋼,肌
焼鋼の3種類の鋼種ごとに種々の試験を行った。これら
の試験結果を実施形態例として以下に示す。
【0038】実施形態例1 本例では,表1,表3に示すごとく,調質強靱鋼におけ
る発明鋼Aと従来鋼B,Cとを準備し,これらの比較を
行った。従来鋼Bは,Pbを0.1%含有するPb快削
鋼である。また,この従来鋼Bは,S含有量及びO含有
量が本発明範囲から外れている。また,従来鋼Cは,C
a,Mgを添加していないものである。
【0039】各鋼材は,100kg真空溶解炉にて溶製
し,1200℃にてφ60mmへ鍛伸し,一部はさらに
40×70mm角材に鍛伸した。その後,いずれも88
0℃にて焼入れ後,580℃にて焼戻しの熱処理を実施
した。そして,φ60mm材を用いて被削性試験,引張
試験,鍛伸方向(以下,L方向と示す)の衝撃試験を実
施した。また,40×70mm角材を用いて鍛伸方向と
直角の方向(以下,T方向と示す)の衝撃試験を実施し
た。
【0040】被削性試験方法と切削条件を表2に示す。
なお,引張試験片はJIS4号試験片を,衝撃試験片は
JIS3号試験片を用いた。被削性試験評価項目は本発
明の目的がPb快削鋼に代替する鋼の開発にあることに
鑑み,Pb快削鋼の長所である切屑処理性,ドリル切削
性を中心に評価した。
【0041】また,被削性試験の一つであるドリル深穴
性試験は,図1に示すように,穿孔開始から切削抵抗
(トルク)を測定し,そのトルクT2が安定穿孔トルク
1の2倍になるまでの穿孔時間tを「安定穿孔時間」
とし,「安定穿孔時間(sec)」×「送り量(mm/
sec)」で定義した「安定穿孔深さ(mm)」を算出
して評価した。
【0042】試験結果等を表3に示す。表3より知られ
るごとく,調質強靱鋼における本発明鋼Aは,全ての評
価項目において,従来鋼B,Cよりも優れた特性を示し
た。特に,ドリル寿命については,従来のPb快削鋼よ
りも格段に優れた性能を示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】実施形態例2 本例では,上述した表1,表3に示すごとく,非調質鋼
における発明鋼Dと従来鋼E〜Gとを準備し,これらの
比較を行った。従来鋼Eは,Pbを0.17%含有する
Pb快削鋼である。また,従来鋼Fは,Pbを0.18
%含有するとともCaを22ppm含有するPbとCa
を複合添加した快削鋼である。また,従来鋼Gは,C
a,Mgを含有していないものである。また従来鋼E〜
Gは,いずれもAlが0.010%を超えている。
【0047】各鋼材は,30kg真空溶解炉にて溶製
し,1200℃にてφ40mmへ鍛伸し,一部はさらに
40×70mm角材に鍛伸した。その後,いずれも12
00℃の温度に30分間保持した後,空冷の熱処理を実
施した。そして,φ40mm材を用いて被削性試験,引
張試験,L方向の衝撃試験を実施した。また,40×7
0mm角材を用いてT方向の衝撃試験を実施した。試験
方法,切削条件,引張試験片および衝撃試験片は実施形
態例1と同様である。
【0048】試験結果等を上記表3に示す。表3より知
られるごとく,非調質鋼における本発明鋼Dは,全ての
評価項目において,従来鋼E〜Gよりも優れた特性を示
した。特に,超硬工具摩耗量,ドリル寿命については,
従来のPb快削鋼よりも格段に優れた性能を示した。快
削性に優れる鉛複合快削鋼である従来鋼Fに比べ,Pb
快削鋼の長所であるドリル寿命が格段に向上したのは,
まさに,従来鋼に比べAlとOを同時に低減して酸化物
量およびその形態を制御した上で,S含有レベルを高め
ると共にMg,Caを複合添加したことによるものであ
って,これにより初めてなしえたものである。
【0049】実施形態例3 本例では,上述した表1,表3に示すごとく,肌焼鋼に
おける発明鋼H,Iと従来鋼J,Kとを準備し,これら
の比較を行った。発明鋼HとIは,発明鋼HにBiを添
加したことが最も大きく異なる点である。従来鋼Jは,
多量のSとPbとを添加した快削鋼である。また,従来
鋼J,Kは,いずれもAl含有量が0.010%を超え
ている。
【0050】各鋼材は,100kg真空溶解炉にて溶製
し,1200℃にてφ60mmへ鍛伸し,一部はさらに
40×70mm角材に鍛伸した。その後,いずれも90
0℃の温度にて60分間の焼ならし熱処理を実施した。
そして,φ60mm材を用いて被削性試験を実施した。
また,φ60mm材より,引張試験,L方向の衝撃試験
片を,40×70mm角材よりT方向の衝撃試験を粗加
工した後,880℃にて焼入れ,180℃にて焼戻しを
施してから仕上げ加工し,その後機械試験を実施した。
試験方法等は実施形態例1と同様である。
【0051】試験結果等を上記表3に示す。表3より知
られるごとく,肌焼鋼における本発明鋼H,Iは,少な
くとも被削性では,従来鋼J,Kよりも優れた特性を示
した。また,機械的性質に関しては,従来鋼とほとんど
差がない優れた特性が維持されていた。特にBiを添加
した本発明鋼Hは,ドリル寿命が飛躍的に向上してい
る。これは,Biによる低融点挙動により介在物の変形
を増長させること,および複合硫化物による工具摩耗の
進行阻止効果によるものである。
【0052】実施形態例4 本例では,表4に示すごとく,非調質鋼ベースでの,本
発明鋼L,従来鋼M,N,比較鋼Oを準備し,疲労特性
の比較を行った。従来鋼MはPbを含有する快削鋼であ
り,従来鋼NはPbの他にCaを加えた鉛複合快削鋼で
ある。比較鋼Oは,本発明鋼に対して,Oを増加させて
20ppmを超えるようにしたものである。
【0053】各鋼材は,30kg真空溶解炉にて溶製
し,1200℃にてφ60mmへ鍛伸した。そして12
00℃の温度に30分間保持した後,空冷の熱処理を実
施した。そして,φ60mm材より試験片を削り出し,
引張試験,小野式回転曲げ疲労試験を実施した。
【0054】試験結果を表5に示す。表5より知られる
ごとく,本発明鋼Lは,従来鋼M(鉛快削鋼),従来鋼
N(鉛複合快削鋼)と比べて,引張強さではほとんど差
がなく,疲労限および耐久比では同等以上の優れた特性
を発揮した。また,本発明鋼Lに対して酸素量が高い比
較鋼Oは,疲労特性が劣る。これは,酸化物介在物の量
および大きさが増したためであると考えられる。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】実施形態例5 本例では,調質強靱鋼と非調質鋼において,連続鋳造性
の評価を行った。この評価には,表6に示すごとく,本
発明鋼P〜Sと比較鋼T〜Wとを準備した。比較鋼T〜
Wは,発明鋼P〜Sに対してAl含有量を0.05%以
上に増加させたものである。
【0058】連続鋳造テストは,130ton電気炉−
LF(取鍋精錬炉)−RH(真空脱ガス装置)により溶
製した後,型格370mm×530のブルーム連続鋳造
機を用いて行った。そして,130tonの溶湯が上記
連続鋳造機により鋳造できるか否かをテストした。
【0059】テスト結果を表7に示す。表7より知られ
るごとく,Alを0.005%未満に低く抑えた本発明
鋼P〜Sは,すべて,鋳造機のノズルを閉塞することな
く130tonすべての連続鋳造を行うことができた。
これに対し,Al量が0.005%以上の比較鋼T〜W
は,いずれもノズル閉塞が発生して,130tonすべ
てを連続鋳造することができなかった。
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】実施形態例6 本例では,表8に示す非調質鋼ベースの本発明鋼Xを準
備し,該発明鋼中における介在物を観察した。本発明鋼
Xは,30kg真空溶解炉にて溶製し,1200℃にて
φ40mmへ鍛伸した。その後,1200℃の温度に3
0分間保持した後,空冷の熱処理を実施した。
【0063】介在物観察結果を図2に示す。同図は,S
EM像と,同位置におけるMn,Si,Mg,S,A
l,Fe,O,P,Ca元素のそれぞれの像を示す図面
代用写真である。同図より知られるごとく,Mn,M
g,SおよびCaが同一介在物内で検出されており,M
nS,(Mg,Ca)Sおよび(Mn,Mg,Ca)S
の存在が確認された。また介在物の形状は,一般的にM
nSで代表される硫化物は鍛伸後に棒状になるが,今回
の発明鋼では球状である。このことにより,機械的性質
の試験時に介在物による切欠き効果を減少させて機械的
性質の衝撃異方性が改善されると考えられる。
【0064】
【表8】
【0065】実施形態例7 本例では,表8に示すごとく,本発明鋼Xの他に従来鋼
Y,Zを準備し,これらに超硬工具摩耗量,切屑処理性
指数,ドリル深穴性,ドリル寿命を求める試験を行っ
た。試験条件等は実施形態例1と同様である。そして,
工具のすくい面摩耗部(クレータ摩耗部)での合金元素
の分布を観察した。
【0066】従来鋼Yは,PbおよびCaを含有する鉛
複合快削鋼である。また,従来鋼Zは,Pbは含有して
いないが,Al量を増大させ,かつ,Ca,Mgの両方
の添加をやめたものである。これらの製造方法は本発明
鋼Xと同様とした。試験結果を表9に示す。
【0067】
【表9】
【0068】表9より知られるごとく,本発明鋼Xは,
従来鋼Y,Zに比べてすべての評価項目において優れて
いた。次に,合金元素分布の観察結果を図3〜図5に示
す。これらの図は,摩耗試験後の工具すくい面摩耗部表
面のSEM像と,同位置におけるCa,S,Mn,M
g,W,Fe,Si,Al,O元素の像をそれぞれ示す
図面代用写真である。
【0069】図3より知られるごとく,本発明鋼Xにお
いては,工具のすくい面摩耗部には,Mn,S,Ca,
Mgが付着していた。このことから,MnSと(Ca,
Mg)Sの複合効果による潤滑作用が発揮され,工具摩
耗の進行が抑制されたものと思われる。
【0070】一方,図4より知られるごとく,従来鋼Y
においては,上記摩耗部には,Ca,Sが,摩耗端部に
はPbが付着している。この結果からCaSの潤滑作用
から摩耗の進行が抑制されたものと推定できるが,本発
明鋼Xには及ばない。また,図5より知られるごとく,
従来鋼Zにおいては,Sがわずかに工具摩耗部に分布し
ているが,FeとOが多量に付着している。Feの酸化
物は工具内のCoと置換現象を起こして工具の摩耗を促
進させる作用があり,これにより摩耗が激しかったと考
えられる,
【0071】実施形態例8 本例では,さらに多数の本発明鋼および比較鋼を準備
し,実施形態例1と同様に被削性その他の評価を行っ
た。まず,本発明鋼としては,表10〜表12に示すご
とく,本発明の成分範囲内において成分を種々変化させ
たa1〜a78の78種類の鋼を準備した。
【0072】また,比較鋼としては,表13に示すごと
く,本発明の成分範囲から外れるb1〜b8の8種類の
鋼を準備した。比較鋼b1はS量が下限をきるもの,比
較鋼b2はS量が上限を超えるものである。比較鋼b3
はAl量が上限を超えるものである。比較鋼b4はCa
量が下限をきるもの,比較鋼b5はCa量が上限を超え
るものである。比較鋼b6はMg量が下限をきるもの,
比較鋼b7はMg量が上限を超えるものである。比較鋼
b8はO量が上限を超えるものである。
【0073】各鋼の作製は,調質鋼についは実施形態例
1と同様に,非調質鋼については実施形態例2と同様に
して行った。なお,後述する表14〜表17において,
焼入れ焼戻し処理の項目にデータがあるものが調質鋼で
あり,空冷処理(1200℃加熱後)の項目にデータが
あるものが非調質鋼である。そして,機械試験について
は,調質鋼については焼入れ焼戻し処理後に,非調質鋼
については1200℃加熱後空冷後に行った。その他は
実施形態例1〜3と同様である。
【0074】評価結果を表14〜表17に示す。結果を
わかりやすくするために,非常に良好なものは◎,良好
なものは○,悪いものは×により示した。各評価項目の
◎,○,×の判断基準は表18に示す。
【0075】表14〜表16より知られるごとく,すべ
ての本発明鋼は,すべての評価項目において優れた結果
が得られた。これに対し,表17より知られるごとく,
比較鋼においては,評価項目すべてを満足するものはな
かった。
【0076】具体的には,S量が下限値を切った比較鋼
b1は,超硬工具摩耗,切屑処理指数,ドリル深穴性,
ドリル寿命において十分な特性が得られなかった。S量
が上限を上回る比較鋼b2は,衝撃異方性と耐久比とが
優れなかった。Al量が上限を上回る比較鋼b3は,超
硬工具摩耗と耐久比とが優れなかった。また,比較鋼b
3は,非調質鋼よりなるので本発明鋼a1〜a78中の
非調質鋼(空冷処理鋼)と比較すると,上記本発明鋼は
ほぼすべてPb快削鋼の特徴であるドリル深穴性および
ドリル寿命が非常に優れているのに対し,上記比較鋼b
3は非常に優れたレベルには達せず,良好なレベルにと
どまっている。
【0077】Ca量が下限値を切った比較鋼b4は,超
硬工具摩耗,ドリル寿命,衝撃異方性が優れなかった。
Ca量が上限を上回る比較鋼b5は,耐久比が優れなか
った。Mg量が下限値を切った比較鋼b6は,超硬工具
摩耗,ドリル寿命,衝撃異方性が優れなかった。Mg量
が上限を上回る比較鋼b7は,耐久比が優れなかった。
O量が上限を上回る比較鋼b8は,超硬工具摩耗,ドリ
ル寿命,耐久比が優れなかった。
【0078】
【表10】
【0079】
【表11】
【0080】
【表12】
【0081】
【表13】
【0082】
【表14】
【0083】
【表15】
【0084】
【表16】
【0085】
【表17】
【0086】
【表18】
【0087】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,Pbを
含有せず,かつ,従来のPb含有快削鋼と同等以上の特
性を有する,被削性に優れ,強度異方性の小さい鉛無添
加の機械構造用鋼を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ドリル深穴性の評価方
法を示す説明図。
【図2】実施形態例6における,本発明鋼X中の各元素
の像を示す図面代用写真。
【図3】実施形態例7における,本発明鋼Xを切削した
工具に付着した各元素の像を示す図面代用写真。
【図4】実施形態例7における,従来鋼Yを切削した工
具に付着した各元素の像を示す図面代用写真。
【図5】実施形態例7における,従来鋼Zを切削した工
具に付着した各元素の像を示す図面代用写真。
【符号の説明】
1,T2...切削抵抗, t...穿孔時間,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000003207 トヨタ自動車株式会社 愛知県豊田市トヨタ町1番地 (72)発明者 岩間 直樹 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知 製鋼株式会社内 (72)発明者 大脇 進 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知 製鋼株式会社内 (72)発明者 内山 雅夫 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知 製鋼株式会社内 (72)発明者 藤井 伊佐夫 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知 製鋼株式会社内 (72)発明者 西門 勝司 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知 製鋼株式会社内 (72)発明者 常陰 典正 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番 地 山陽特殊製鋼株式会社内 (72)発明者 小林 一博 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番 地 山陽特殊製鋼株式会社内 (72)発明者 大庫 和孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 内藤 国雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 森 元秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開2000−282169(JP,A) 特開2000−87179(JP,A) 特開2001−152280(JP,A) 特開 昭60−59052(JP,A) 特公 昭51−4934(JP,B1) 杉山信明,特殊製錬技術の最近の進 歩,第72,73回西山記念技術講座,日 本,社団法人日本鉄鋼協会,1981年2月 10日,3.電気炉製鋼と真空脱ガス法, P.67−78 小川兼広,最近の高純度鋼溶製技術の 進歩,第143,144回西山記念技術講座, 日本,社団法人日本鉄鋼協会,1992年4 月30日,6.高純度鋼溶製のためのスラ グ製錬技術,P.137−171 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%において,C:0.10〜0.6
    5%,Si:0.03〜1.00%,Mn:0.30〜
    2.50%,S:0.03〜0.35%,Cr:0.1
    〜2.0%,Al:0.005%未満,Ca:0.00
    05〜0.020%,Mg:0.0003〜0.020
    %を含有し,O:20ppm未満であり,残部Feおよ
    び不可避不純物からなり,かつ,連続鋳造により作製し
    ことを特徴とする,被削性に優れ,強度異方性の小さ
    い鉛無添加の機械構造用鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1において,さらにMo:0.0
    5〜1.00%,Ni:0.1〜3.5%,V:0.0
    1〜0.50%,Nb:0.01〜0.10%,Ti:
    0.01〜0.10%,B:0.0005〜0.010
    0%から選択した1種または2種以上を含有することを
    特徴とする,被削性に優れ,強度異方性の小さい鉛無添
    加の機械構造用鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,さらに,B
    i:0.01〜0.30%,REM:0.001〜0.
    10%から選択した1種または2種を含有することを特
    徴とする,被削性に優れ,強度異方性の小さい鉛無添加
    の機械構造用鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    硫化物系の介在物として(Ca,Mg)S,(Ca,M
    g,Mn)Sの1種または2種を含有することを特徴と
    する,被削性に優れ,強度異方性の小さい鉛無添加の機
    械構造用鋼。
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