JP3580168B2 - 拡声通話装置 - Google Patents

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  • Interconnected Communication Systems, Intercoms, And Interphones (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Telephone Function (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭内、ビルディング、工場等で用いられる拡声通話装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インターホンや電話機あるいはPHS等の拡声通話装置においては、スピーカからマイクロホンへの音響フィードバックおよびハイブリッド回路(2−4線変換回路)におけるインピーダンスの不整合により閉ループが形成され、増幅器の利得が大きすぎる等の理由により上記閉ループの利得が1倍以上になるとハウリングが生じるという問題があり、ハウリングが生じた場合には通話を継続することが困難となるため、ハウリングを抑圧する手段が必要不可欠となっていた。
【0003】
そこで従来は、送受話信号を監視することで通話状態が受話状態か送話状態の何れであるかを判別し、受話状態の時には送話信号に対して所定の損失量を挿入し、送話状態の時は受話信号に対して所定の損失量を挿入することにより、閉ループの一巡伝達利得を低減させる、所謂音声スイッチと呼ばれるものが広く用いられてきた。この音声スイッチを用いる場合、挿入損失量を大きくしすぎると通話中に切断感を生じる等の通話品質の劣化を招くため、挿入損失量は所望の利得余裕(ハウリングマージン)が得られるだけの必要最小限とすることが望ましい。
【0004】
上述のような課題に対して、近端側(音声スイッチの挿入位置よりも端末側)と遠端側(音声スイッチの挿入位置よりも回線側)の帰還利得を随時推定し、その推定結果に応じて挿入損失量を適応的に制御することによって、常に一定の利得余裕を保ちながら挿入損失量を必要最小限とする音声スイッチが提供されている(特開昭63−212251号公報等参照)。
【0005】
上記公報に記載されている従来技術の原理を図6を参照して説明する。近端側のマイクロホン1に送話減衰器30が接続されるとともにスピーカ3に受話減衰器31が接続されているとき、受話減衰器31の入出力信号rin,routを整流平滑して求められる振幅値をRi,Ro、送話減衰器30の入出力信号sin,soutを整流平滑して求められる振幅値をSi,Soと定義する。そして、近端側の帰還利得αを推定するために送話減衰器30の入力信号sinの振幅値Si、受話減衰器31の出力信号routの振幅値Roの比Si/Roの受話状態における観測値を用いており、遠端側の帰還利得βを推定するために受話減衰器31の入力信号rinの振幅値Ri、送話減衰器30の出力信号soutの振幅値Soの比Ri/Soの送話状態における観測値を用いている。つまり上記公報に記載されているものは、近端側話者の音声信号が存在しない場合、すなわち図6におけるVs=0のときはSi/Ro=αとなり、遠端側話者の音声信号が存在しない場合、すなわち図6におけるVr=0のときはRi/So=βとなるという原理に基づいている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例においては、時刻tにおいて求められる受話減衰器31の入出力信号rin,routの振幅値をRi(t),Ro(t)、送話減衰器30の入出力信号sin,soutの振幅値Si(t),So(t)とするとSi(t)/Ro(t)を用いて近端側の帰還利得αを推定し、Ri(t)/So(t)を用いて遠端側の帰還利得βを推定している。しかし、実際の帰還経路には伝達遅延時間があり、近端側及び遠端側の各帰還経路の伝達遅延時間を各々Tα,Tβとすると、近端側の帰還利得αはVr=0におけるSi(t)/Ro(t−Tα)で表され、遠端側の帰還利得βはVs=0におけるRi(t)/So(t−Tβ)で表される。
【0007】
而して、上記従来例では帰還利得α,βを推定する際に経路の伝達遅延時間Tα,Tβを考慮していないため、これら伝達遅延時間Tα,Tβの値が無視できないほど長いときには真の帰還利得と推定値との誤差が大きくなってしまう。従って、そのような場合には信号経路に挿入すべき損失量を精度よく算出することができないと言う問題がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、高い精度で帰還利得を推定し挿入損失量を適切な値に制御することで同時通話性に優れた拡声通話装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、集音した音を送話側の音声信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの音声信号を増幅する第1の増幅手段と、受話側の音声信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される音声信号を増幅する第2の増幅手段と、送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話側損失挿入手段と、受話側損失挿入手段及び送話側損失挿入手段の挿入損失量を調整する挿入損失量調整手段とを備えた拡声通話装置において、挿入損失量調整手段は、送話側並びに受話側の音声信号を監視して通話状態を判定する通話状態判定部と、送話側損失挿入手段の入力信号並びに受話側損失挿入手段の出力信号から近端側の帰還利得を推定する近端側帰還利得推定部と、受話側損失挿入手段の入力信号並びに送話側損失挿入手段の出力信号から遠端側の帰還利得を推定する遠端側帰還利得推定部と、近端側帰還利得推定部及び遠端側帰還利得推定部の各推定値に基づいて閉ループに挿入すべき総損失量を算出する総損失量算出部と、通話状態判定部の判定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量を決定する挿入損失量分配処理部とを具備し、近端側帰還利得推定部は、送話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第1の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第2の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力点から送話側損失挿入手段の入力点の間の近端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第2の平均パワー推定部の出力の最小値を求める第1の最小値算出部、第1の平均パワー推定部の出力値を第1の最小値算出部の出力値で除算する第1の除算器を有して通話状態判定部により受話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成り、遠端側帰還利得推定部は、受話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第3の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第4の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力点から受話側損失挿入手段の入力点の間の遠端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第4の平均パワー推定部の出力の最小値を求める第2の最小値算出部、第3の平均パワー推定部の出力値を第2の最小値算出部の出力値で除算する第2の除算部を有して通話状態判定部により送話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成ることを特徴とし、第1及び第2の最小値算出部にて算出される最小値は帰還経路の伝達遅延時間の影響を低減して高い精度で帰還利得を推定することができ、挿入損失量を適切な値に調整して優れた同時通話性を確保することができる。また、伝達遅延時間の変動に追従して帰還利得を高い精度で推定することが可能である。しかも、帰還利得の推定値が真の値よりも小さくなる場合は少なく、総損失量の不足による信号経路の不安定化を防ぐことができる。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項2の発明は、集音した音を送話側の音声信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの音声信号を増幅する第1の増幅手段と、受話側の音声信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される音声信号を増幅する第2の増幅手段と、送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話側損失挿入手段と、受話側損失挿入手段及び送話側損失挿入手段の挿入損失量を調整する挿入損失量調整手段とを備えた拡声通話装置において、挿入損失量調整手段は、送話側並びに受話側の音声信号を監視して通話状態を判定する通話状態判定部と、送話側損失挿入手段の入力信号並びに受話側損失挿入手段の出力信号から近端側の帰還利得を推定する近端側帰還利得推定部と、受話側損失挿入手段の入力信号並びに送話側損失挿入手段の出力信号から遠端側の帰還利得を推定する遠端側帰還利得推定部と、近端側帰還利得推定部及び遠端側帰還利得推定部の各推定値に基づいて閉ループに挿入すべき総損失量を算出する総損失量算出部と、通話状態判定部の判定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量を決定する挿入損失量分配処理部とを具備し、近端側帰還利得推定部は、送話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第1の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第2の平均パワー推定部、第2の平均パワー推定部の出力を閉ループの最小伝達遅延時間以上の時間だけ遅延させる第1の遅延部、第1の平均パワー推定部の出力値を第1の遅延部の出力値で除算する第1の除算器を有して通話状態判定部により受話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成り、遠端側帰還利得推定部は、受話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第3の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第4の平均パワー推定部、第4の平均パワー推定部の出力を閉ループの最小伝達遅延時間以上の時間だけ遅延させる第2の遅延部、第3の平均パワー推定部の出力値を第2の遅延部の出力値で除算する第2の除算部を有して通話状態判定部により送話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成ることを特徴とし、第1及び第2の遅延部の出力値は帰還経路の伝達遅延時間の影響を低減して高い精度で帰還利得を推定することができ、挿入損失量を適切な値に調整して優れた同時通話性を確保することができる。また、帰還経路の伝達遅延時間が既知であって殆ど変動がないような場合に単純な演算処理により帰還利得を推定することが可能となり、信号処理量の低減化が図れる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、第1及び第2の除算器の出力値のうちから人間の音声の音韻継続時間以上の所定時間内における最小値を算出する第3及び第4の最小値算出部を近端側帰還利得推定部並びに遠端側帰還利得推定部にそれぞれ設け、第3及び第4の最小値算出部の出力値を近端側帰還利得推定部並びに遠端側帰還利得推定部の推定値として成ることを特徴とし、請求項1の発明の作用に加えて、所定時間における帰還利得の推定値の最小値を用いて総損失量を算出するため、所謂ダブルトーク状態において帰還利得の推定値が真の値よりも大きくなるのを抑制することができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、適応フィルタを有し近端側帰還経路又は遠端側帰還経路の少なくとも何れか一方に設けられるエコーキャンセラと、適応フィルタの係数の収束値からエコーキャンセラを設けた側の帰還経路の利得を近似的に算出する帰還利得近似算出部と、この帰還利得近似算出部の出力値とエコーキャンセラを設けた側の帰還利得推定部の帰還利得推定値との比を求める第3の除算器と、第3の除算器の出力値に応じてエコーキャンセラを設けた側の帰還利得推定部の帰還利得推定値の最新の値と以前の値の何れか一方を選択して総損失量算出部に出力する帰還利得選択部とを備え、この帰還利得選択部は、第3の除算器の出力値が所定の範囲内である場合には最新の帰還利得推定値を選択し、第3の除算器の出力値が所定の範囲を超えた場合には以前の帰還利得推定値を選択して成ることを特徴とし、請求項1の発明の作用に加えて、帰還利得近似算出部の近似的な推定値を参照して適切な推定値を帰還利得選択部で選択しているから、通話路中に衝撃性のノイズが混入した場合等の外乱により生じる推定誤差を低減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の拡声通話装置は、図1に示すように集音した音を送話側の音声信号として出力するマイクロホン1と、マイクロホン1からの音声信号を増幅する第1の増幅器2と、受話側の音声信号に応じて鳴動するスピーカ3と、スピーカ3へ出力される音声信号を増幅する第2の増幅器4と、送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話側損失挿入手段たる送話信号減衰器5と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話側損失挿入手段たる受話信号減衰器6と、送話信号減衰器5及び受話信号減衰器6の損失量を調整する挿入損失量調整手段7とを備えている。
【0014】
また、挿入損失量調整手段7は、図2に示すように送話側並びに受話側の音声信号を監視して通話状態を判定する通話状態判定部8と、送話信号減衰器5の入力信号sin並びに受話信号減衰器6の出力信号routから近端側の帰還利得を推定する近端側帰還利得推定部9と、受話信号減衰器6の入力信号rin並びに送話信号減衰器5の出力信号soutから遠端側の帰還利得を推定する遠端側帰還利得推定部10と、近端側帰還利得推定部9及び遠端側帰還利得推定部10の各推定値に基づいて閉ループに挿入すべき総損失量を算出する総損失量算出部11と、通話状態判定部8の判定結果と総損失量算出部11の算出値に応じて送話信号減衰器5及び受話信号減衰器6の各挿入損失量を決定する挿入損失量分配処理部12とを具備している。
【0015】
さらに近端側帰還利得推定部9は、送話信号減衰器5の入力信号sinの時間平均パワーを推定する第1の平均パワー推定部13と、受話信号減衰器6の出力信号routの時間平均パワーを推定する第2の平均パワー推定部14と、受話信号減衰器6の出力点から送話信号減衰器5の入力点の間の近端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第2の平均パワー推定部14の出力の最小値を求める第1の最小値算出部15と、第1の平均パワー推定部13の出力値を第1の最小値算出部15の出力値で除算する第1の除算器16とで構成される。また遠端側帰還利得推定部10は、受話信号減衰器6の入力信号rinの時間平均パワーを推定する第3の平均パワー推定部17と、送話信号減衰器5の出力信号soutの時間平均パワーを推定する第4の平均パワー推定部18と、送話信号減衰器5の出力点から受話信号減衰器6の入力点の間の遠端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第4の平均パワー推定部18の出力の最小値を求める第2の最小値算出部19と、第3の平均パワー推定部17の出力値を第2の最小値算出部19の出力値で除算する第2の除算部20とで構成される。なお、挿入損失量調整手段7はDSP(Digital Signal Processor)やCPU等を用いていて構成することができ、さらには近端側帰還利得推定部9並びに遠端側帰還利得推定部10のみをアナログ回路で構成してもよい。
【0016】
通話状態判定部8では送話信号減衰器5の入出力信号sin,sout及び受話信号減衰器6の入出力信号rin,routを監視し、これらの信号sin,sout,rin,routのパワーレベルの大小関係並びに音声信号の有無などの情報から通話状態が受話状態、送話状態、遷移状態の何れであるかを判定し、その判定結果を挿入損失量分配処理部12に与えている。
【0017】
近端側帰還利得推定部9を構成する第1の平均パワー推定部13は、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて送話信号減衰器5への入力信号sinの短時間における時間平均パワーLsinを求めている。同じく第2の平均パワー推定部14は、受話信号減衰器6の出力信号routの短時間における時間平均パワーLroutを求めている。また、第1の最小値算出部15においては、近端側帰還経路において考えられる最大の伝達遅延時間の間、上記時間平均パワーLroutを観測してその最小値[Lrout]minを求める。第1の除算器16においては、第1の平均パワー推定部13の出力Lsinと第1の最小値算出部15の出力[Lrout]minとの比を算出し、この値を近端側帰還利得の推定値として総損失量算出部11に出力する。
【0018】
一方、遠端側帰還利得推定部10を構成する第3の平均パワー推定部17は、整流平滑器や低域通過フィルタ等を用いて受話信号減衰器6への入力信号rinの短時間における時間平均パワーLrinを求めている。同じく第4の平均パワー推定部18は、送話信号減衰器5の出力信号soutの短時間における時間平均パワーLsoutを求めている。また、第2の最小値算出部19においては、遠端側帰還経路において考えられる最大遅延時間の間、上記時間平均パワーLsoutを観測してその最小値[Lsout]minを求める。第2の除算器20においては、第3の平均パワー推定部17の出力Lrinと第2の最小値算出部19の出力[Lsout]minとの比を算出し、この値を遠端側帰還利得の推定値として総損失量算出部11に出力する。
【0019】
ここで、近端側帰還利得推定部9における上記推定処理は通話状態判定部8にて通話状態が受話状態と判定されたときに更新され、遠端側帰還利得推定部10における上記推定処理は通話状態判定部8にて通話状態が送話状態と判定されたときに更新される。
【0020】
総損失量算出部11においては、これらの帰還利得推定値から所望の利得余裕(ハウリングマージン)を得るために必要な総挿入損失量を算出し、その値を挿入損失量分配処理部12に出力する。そして、挿入損失量分配処理部12では、通話状態判定部8にて判定された通話状態に応じた割合で総挿入損失量を送話信号減衰器5と受話信号減衰器6に分配するように各減衰器5,6の損失量を調整する。
【0021】
而して、本実施形態では第1及び第2の最小値算出部15,19により近端側並びに遠端側の帰還経路において考えられる最大の伝達遅延時間の間、第2及び第4の平均パワー推定部14,18の出力値(時間平均パワーLrout,Lsout)を観測してその最小値[Lrout]min,[Lsout]minを求め、その値を用いて帰還利得の推定値を算出しているから、帰還経路の伝達遅延時間の影響を低減して帰還利得の推定精度を向上することができるとともに、上記伝達遅延時間が変動してもそれに追従して高い精度で帰還利得を推定することができる。また、本実施形態では帰還利得の推定値が真の値よりも小さくなる場合は少なく、総損失量の不足による信号経路の不安定化を防ぐことができるという利点もある。
【0022】
(実施形態2)
本発明の実施形態2における挿入損失量調整手段7のブロック図を図3に示す。本実施形態は、実施形態1の挿入損失量調整手段7における第1及び第2の最小値算出部15,19を、それぞれ第1の遅延器21及び第2の遅延器22に置き換えたものであり、その他の各部の構成及び動作は実施形態1と共通するので、共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0023】
第1及び第2の遅延器21,22は、それぞれ近端側の帰還経路並びに遠端側の帰還経路の構成要素や諸条件(マイクロホン1−スピーカ3間の距離など)により一意に定まる最短の伝達遅延時間以上の一定時間だけ第2の平均パワー推定部14及び第4の平均パワー推定部18の出力信号を遅延させて第1及び第2の除算器16,20に出力するものである。すなわち、これら近端側及び遠端側の帰還経路の伝達遅延時間を各々T,Tとすると、時刻tにおける近端側の帰還利得推定値はLsin(t)/Lrout(t−T)、遠端側の帰還利得推定値はLrin(t)/Lsout(t−T)としてそれぞれ表される。
【0024】
而して本実施形態によれば、帰還経路の伝達遅延時間が既知であり且つ変動が少ない場合に第1及び第2の遅延器21,22で上記伝達遅延時間以上の一定時間だけ第2の平均パワー推定部14及び第4の平均パワー推定部18の出力信号を遅延させることにより、伝達遅延時間を考慮して精度よく帰還利得を推定することができる。しかも、第1及び第2の遅延器21,22は実施形態1における第1及び第2の最小値算出部15,19に比較して構成が簡単であり、コストダウンが図れるという利点がある。
【0025】
(実施形態3)
本発明の実施形態3における挿入損失量調整手段7のブロック図を図4に示す。本実施形態は、実施形態1における挿入損失量調整手段7に対して、第1及び第2の除算器16,20の出力側にそれぞれ第3及び第4の最小値算出部23,24を設け、これら第3及び第4の最小値算出部23,24の出力を近端側及び遠端側の帰還利得推定値として総損失量算出部11に入力するものであり、その他の各部の構成及び動作は実施形態1と共通するので、共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
第3及び第4の最小値算出部23,24は、RAM等の記憶手段を用いて人間の音声の音韻継続時間以上の一定時間だけ第1及び第2の除算器16,20の出力値を保持し、その保持した値の最小値をその時点での帰還利得推定値として抽出し総損失量算出部11に出力する。このような処理により、送話信号減衰器5の入力信号sin並びに受話信号減衰器6の入力信号rinにエコー成分(受話信号減衰器6の出力信号rout及び送話信号減衰器5の出力信号soutが各々近端側及び遠端側の帰還経路を経て回り込む信号成分)以外の成分、すなわち近端側の話者の音声信号、遠端側の話者の音声信号並びに周囲騒音が含まれる場合にそれらの影響が最小となる瞬間に推定された帰還利得を得ることができ、推定精度の向上が図れるのである。
【0027】
上述のように本実施形態によれば、近端側と遠端側の話者が略同時に話す状態、所謂ダブルトーク状態において帰還利得の推定値が真の値よりも大きくなるのを抑制することができる。
【0028】
(実施形態4)
本実施形態の拡声通話装置は、図5に示すように送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話信号減衰器5と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話信号減衰器6と、送話信号減衰器5及び受話信号減衰器6の損失量を調整する挿入損失量調整手段7と、適応フィルタ25aを有し近端側帰還経路に設けられるエコーキャンセラ25と、適応フィルタ25aの係数の収束値からエコーキャンセラ25を設けた近端側の帰還経路の利得を近似的に算出する帰還利得近似算出部26と、この帰還利得近似算出部26の出力値と近端側帰還利得推定部9の帰還利得推定値との比を求める第3の除算器27と、第3の除算器27の出力値に応じて近端側帰還利得推定部9の帰還利得推定値の最新の値と以前の値の何れか一方を選択して総損失量算出部11に出力する帰還利得選択部28とを備えている。なお、図示はしていないが実施形態1と同様にマイクロホン1、第1の増幅器2、スピーカ3並びに第2の増幅器4を備えていることは言うまでもない。また、実施形態1と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
エコーキャンセラ25は、従来周知のように近端側帰還経路のインパルス応答を適応フィルタ25aにより同定し、参照信号(受話信号減衰器6の出力信号rout)からエコー信号を推定して減算器により相殺して近端側において生じるエコーを消去するものである。適応フィルタ25aの係数が収束した状態では、適応フィルタ25aの係数は近端側の帰還経路のインパルス応答を近似しているので、その係数値から帰還利得を算出することができる。帰還利得近似算出部26はエコーキャンセラ25における適応フィルタ25aの係数から近端側帰還利得を算出する。すなわち、適応フィルタ25aの係数列をh,h,h,…,hI−1(Iは適応フィルタ25aのタップ数)とすると、その2乗和(=h +h +h +…+hI−1 )から帰還利得を近似的に算出することができる。
【0030】
第3の除算器27は、帰還利得近似算出部26の出力信号と近端側帰還利得推定部9の出力信号との比を求める。帰還利得選択部28は、第3の除算器27で求めた上記比の値が所定の範囲内か否かを判断し、上記比の値が所定範囲内であれば近端側帰還利得推定部9の出力信号を選択して総損失量算出部11に出力し、上記比の値が所定範囲外であればそれ以前の時刻において所定範囲内と判断された上記比の値を選択して総損失量算出部11に出力する。すなわち、上記比の値が1に近い場合は、近端側帰還利得推定部9の推定値には誤差が少ないと考えられるが、上記比の値が1と離れている場合には誤差が多く含まれている可能性が高いから、上記所定範囲を1を中心とした許容誤差範囲とし、許容誤差範囲は挿入損失量が所望の利得余裕(ハウリングマージン)を得ることができるように決定される。
【0031】
上述のように本実施形態によれば、エコーキャンセラ25の適応フィルタ係数から帰還利得近似算出部26にて算出した帰還利得の推定値を参照して近端側帰還利得推定部9における帰還利得推定値の妥当性を確認するため、通話路中に衝撃性のノイズが混入した場合等の外乱により生じる推定誤差を低減することができる。なお、本実施形態ではエコーキャンセラ25を近端側の帰還経路のみに設けたが、遠端側の帰還経路のみあるいは近端側と遠端側の両方の帰還経路にエコーキャンセラ25を設けてもよい。なお、本実施形態が効果を発揮するのは、エコーキャンセラによるエコー消去量が所定のしきい値を越えた場合のみに限る。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明は、集音した音を送話側の音声信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの音声信号を増幅する第1の増幅手段と、受話側の音声信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される音声信号を増幅する第2の増幅手段と、送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話側損失挿入手段と、受話側損失挿入手段及び送話側損失挿入手段の挿入損失量を調整する挿入損失量調整手段とを備えた拡声通話装置において、挿入損失量調整手段は、送話側並びに受話側の音声信号を監視して通話状態を判定する通話状態判定部と、送話側損失挿入手段の入力信号並びに受話側損失挿入手段の出力信号から近端側の帰還利得を推定する近端側帰還利得推定部と、受話側損失挿入手段の入力信号並びに送話側損失挿入手段の出力信号から遠端側の帰還利得を推定する遠端側帰還利得推定部と、近端側帰還利得推定部及び遠端側帰還利得推定部の各推定値に基づいて閉ループに挿入すべき総損失量を算出する総損失量算出部と、通話状態判定部の判定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量を決定する挿入損失量分配処理部とを具備し、近端側帰還利得推定部は、送話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第1の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第2の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力点から送話側損失挿入手段の入力点の間の近端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第2の平均パワー推定部の出力の最小値を求める第1の最小値算出部、第1の平均パワー推定部の出力値を第1の最小値算出部の出力値で除算する第1の除算器を有して通話状態判定部により受話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成り、遠端側帰還利得推定部は、受話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第3の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第4の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力点から受話側損失挿入手段の入力点の間の遠端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第4の平均パワー推定部の出力の最小値を求める第2の最小値算出部、第3の平均パワー推定部の出力値を第2の最小値算出部の出力値で除算する第2の除算部を有して通話状態判定部により送話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成るので、第1及び第2の最小値算出部にて算出される最小値は帰還経路の伝達遅延時間の影響を低減して高い精度で帰還利得を推定することができ、挿入損失量を適切な値に調整して優れた同時通話性を確保することができるという効果がある。また、伝達遅延時間の変動に追従して帰還利得を高い精度で推定することが可能であり、しかも、帰還利得の推定値が真の値よりも小さくなる場合は少なく、総損失量の不足による信号経路の不安定化を防ぐことができるという効果がある。
【0033】
請求項2の発明は、集音した音を送話側の音声信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの音声信号を増幅する第1の増幅手段と、受話側の音声信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される音声信号を増幅する第2の増幅手段と、送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話側損失挿入手段と、受話側損失挿入手段及び送話側損失挿入手段の挿入損失量を調整する挿入損失量調整手段とを備えた拡声通話装置において、挿入損失量調整手段は、送話側並びに受話側の音声信号を監視して通話状態を判定する通話状態判定部と、送話側損失挿入手段の入力信号並びに受話側損失挿入手段の出力信号から近端側の帰還利得を推定する近端側帰還利得推定部と、受話側損失挿入手段の入力信号並びに送話側損失挿入手段の出力信号から遠端側の帰還利得を推定する遠端側帰還利得推定部と、近端側帰還利得推定部及び遠端側帰還利得推定部の各推定値に基づいて閉ループに挿入すべき総損失量を算出する総損失量算出部と、通話状態判定部の判定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量を決定する挿入損失量分配処理部とを具備し、近端側帰還利得推定部は、送話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第1の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第2の平均パワー推定部、第2の平均パワー推定部の出力を閉ループの最小伝達遅延時間以上の時間だけ遅延させる第1の遅延部、第1の平均パワー推定部の出力値を第1の遅延部の出力値で除算する第1の除算器を有して通話状態判定部により受話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成り、遠端側帰還利得推定部は、受話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第3の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第4の平均パワー推定部、第4の平均パワー推定部の出力を閉ループの最小伝達遅延時間以上の時間だけ遅延させる第2の遅延部、第3の平均パワー推定部の出力値を第2の遅延部の出力値で除算する第2の除算部を有して通話状態判定部により送話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成るので、第1及び第2の遅延部の出力値は帰還経路の伝達遅延時間の影響を低減して高い精度で帰還利得を推定することができ、挿入損失量を適切な値に調整して優れた同時通話性を確保することができるという効果がある。また、帰還経路の伝達遅延時間が既知であって殆ど変動がないような場合に単純な演算処理により帰還利得を推定することが可能となり、信号処理量の低減化が図れるという効果がある。
【0034】
請求項3の発明は、第1及び第2の除算器の出力値のうちから人間の音声の音韻継続時間以上の所定時間内における最小値を算出する第3及び第4の最小値算出部を近端側帰還利得推定部並びに遠端側帰還利得推定部にそれぞれ設け、第3及び第4の最小値算出部の出力値を近端側帰還利得推定部並びに遠端側帰還利得推定部の推定値として成るので、請求項1の発明の効果に加えて、所定時間における帰還利得の推定値の最小値を用いて総損失量を算出するため、所謂ダブルトーク状態において帰還利得の推定値が真の値よりも大きくなるのを抑制することができるという効果がある。
【0035】
請求項4の発明は、適応フィルタを有し近端側帰還経路又は遠端側帰還経路の少なくとも何れか一方に設けられるエコーキャンセラと、適応フィルタの係数の収束値からエコーキャンセラを設けた側の帰還経路の利得を近似的に算出する帰還利得近似算出部と、この帰還利得近似算出部の出力値とエコーキャンセラを設けた側の帰還利得推定部の帰還利得推定値との比を求める第3の除算器と、第3の除算器の出力値に応じてエコーキャンセラを設けた側の帰還利得推定部の帰還利得推定値の最新の値と以前の値の何れか一方を選択して総損失量算出部に出力する帰還利得選択部とを備え、この帰還利得選択部は、第3の除算器の出力値が所定の範囲内である場合には最新の帰還利得推定値を選択し、第3の除算器の出力値が所定の範囲を超えた場合には以前の帰還利得推定値を選択して成るので、請求項1の発明の効果に加えて、帰還利得近似算出部の近似的な推定値を参照して適切な推定値を帰還利得選択部で選択しているから、通話路中に衝撃性のノイズが混入した場合等の外乱により生じる推定誤差を低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同上における挿入損失量調整手段を示すブロック図である。
【図3】実施形態2における挿入損失量調整手段を示すブロック図である。
【図4】実施形態3における挿入損失量調整手段を示すブロック図である。
【図5】実施形態4の一部省略した全体構成を示すブロック図である。
【図6】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 マイクロホン
2 第1の増幅器
3 スピーカ
4 第2の増幅器
5 送話信号減衰器
6 受話信号減衰器
7 挿入損失量調整手段

Claims (4)

  1. 集音した音を送話側の音声信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの音声信号を増幅する第1の増幅手段と、受話側の音声信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される音声信号を増幅する第2の増幅手段と、送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話側損失挿入手段と、受話側損失挿入手段及び送話側損失挿入手段の挿入損失量を調整する挿入損失量調整手段とを備えた拡声通話装置において、挿入損失量調整手段は、送話側並びに受話側の音声信号を監視して通話状態を判定する通話状態判定部と、送話側損失挿入手段の入力信号並びに受話側損失挿入手段の出力信号から近端側の帰還利得を推定する近端側帰還利得推定部と、受話側損失挿入手段の入力信号並びに送話側損失挿入手段の出力信号から遠端側の帰還利得を推定する遠端側帰還利得推定部と、近端側帰還利得推定部及び遠端側帰還利得推定部の各推定値に基づいて閉ループに挿入すべき総損失量を算出する総損失量算出部と、通話状態判定部の判定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量を決定する挿入損失量分配処理部とを具備し、近端側帰還利得推定部は、送話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第1の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第2の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力点から送話側損失挿入手段の入力点の間の近端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第2の平均パワー推定部の出力の最小値を求める第1の最小値算出部、第1の平均パワー推定部の出力値を第1の最小値算出部の出力値で除算する第1の除算器を有して通話状態判定部により受話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成り、遠端側帰還利得推定部は、受話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第3の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第4の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力点から受話側損失挿入手段の入力点の間の遠端側帰還経路にて想定される最大遅延時間における第4の平均パワー推定部の出力の最小値を求める第2の最小値算出部、第3の平均パワー推定部の出力値を第2の最小値算出部の出力値で除算する第2の除算部を有して通話状態判定部により送話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成ることを特徴とする拡声通話装置。
  2. 集音した音を送話側の音声信号として出力するマイクロホンと、マイクロホンからの音声信号を増幅する第1の増幅手段と、受話側の音声信号に応じて鳴動するスピーカと、スピーカへ出力される音声信号を増幅する第2の増幅手段と、送話側の信号経路に所定量の損失を挿入する送話側損失挿入手段と、受話側の信号経路に所定量の損失を挿入する受話側損失挿入手段と、受話側損失挿入手段及び送話側損失挿入手段の挿入損失量を調整する挿入損失量調整手段とを備えた拡声通話装置において、挿入損失量調整手段は、送話側並びに受話側の音声信号を監視して通話状態を判定する通話状態判定部と、送話側損失挿入手段の入力信号並びに受話側損失挿入手段の出力信号から近端側の帰還利得を推定する近端側帰還利得推定部と、受話側損失挿入手段の入力信号並びに送話側損失挿入手段の出力信号から遠端側の帰還利得を推定する遠端側帰還利得推定部と、近端側帰還利得推定部及び遠端側帰還利得推定部の各推定値に基づいて閉ループに挿入すべき総損失量を算出する総損失量算出部と、通話状態判定部の判定結果と総損失量算出部の算出値に応じて送話側損失挿入手段及び受話側挿入損失手段の各挿入損失量を決定する挿入損失量分配処理部とを具備し、近端側帰還利得推定部は、送話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第1の平均パワー推定部、受話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第2の平均パワー推定部、第2の平均パワー推定部の出力を閉ループの最小伝達遅延時間以上の時間だけ遅延させる第1の遅延部、第1の平均パワー推定部の出力値を第1の遅延部の出力値で除算する第1の除算器を有して通話状態判定部により受話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成り、遠端側帰還利得推定部は、受話側損失挿入手段の入力信号の時間平均パワーを推定する第3の平均パワー推定部、送話側損失挿入手段の出力信号の時間平均パワーを推定する第4の平均パワー推定部、第4の平均パワー推定部の出力を閉ループの最小伝達遅延時間以上の時間だけ遅延させる第2の遅延部、第3の平均パワー推定部の出力値を第2の遅延部の出力値で除算する第2の除算部を有して通話状態判定部により送話状態と判定されたときにのみ各部の処理を更新して成ることを特徴とする拡声通話装置。
  3. 第1及び第2の除算器の出力値のうちから人間の音声の音韻継続時間以上の所定時間内における最小値を算出する第3及び第4の最小値算出部を近端側帰還利得推定部並びに遠端側帰還利得推定部にそれぞれ設け、第3及び第4の最小値算出部の出力値を近端側帰還利得推定部並びに遠端側帰還利得推定部の推定値として成ることを特徴とする請求項1記載の拡声通話装置。
  4. 適応フィルタを有し近端側帰還経路又は遠端側帰還経路の少なくとも何れか一方に設けられるエコーキャンセラと、適応フィルタの係数の収束値からエコーキャンセラを設けた側の帰還経路の利得を近似的に算出する帰還利得近似算出部と、この帰還利得近似算出部の出力値とエコーキャンセラを設けた側の帰還利得推定部の帰還利得推定値との比を求める第3の除算器と、第3の除算器の出力値に応じてエコーキャンセラを設けた側の帰還利得推定部の帰還利得推定値の最新の値と以前の値の何れか一方を選択して総損失量算出部に出力する帰還利得選択部とを備え、この帰還利得選択部は、第3の除算器の出力値が所定の範囲内である場合には最新の帰還利得推定値を選択し、第3の除算器の出力値が所定の範囲を超えた場合には以前の帰還利得推定値を選択して成ることを特徴とする請求項1記載の拡声通話装置。
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