JP2002016691A - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JP2002016691A
JP2002016691A JP2000196872A JP2000196872A JP2002016691A JP 2002016691 A JP2002016691 A JP 2002016691A JP 2000196872 A JP2000196872 A JP 2000196872A JP 2000196872 A JP2000196872 A JP 2000196872A JP 2002016691 A JP2002016691 A JP 2002016691A
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signal
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transmission
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JP2000196872A
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English (en)
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Takehiko Isaka
岳彦 井阪
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D30/00Reducing energy consumption in communication networks
    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Landscapes

  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Telephone Function (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】受話信号が様々なレベルで到来する状況でも良
好なエコーキャンセル動作を行うことができるエコーキ
ャンセラを提供する。 【解決手段】受話信号xと送話入力信号yに混入したエ
コーとの関係の学習に基づいて生成される擬似エコー信
号を送話入力信号yから差し引くことによりエコーを打
ち消すエコーキャンセル部、及び受話信号xのパワーが
閾値を超えたときに受話状態と判定してエコーキャンセ
ル部に学習を行わせる受話状態判定器を有し、受話状態
判定閾値を互いに異ならせた複数の単位エコーキャンセ
ラ13−1〜13−n、各単位エコーキャンセラ13−
1〜13−nから出力されるエコー残差信号のうちパワ
ーが最も小さい残差信号を判定する最小値判定器14、
及び残差エコー信号のパワーが最も小さいと判定された
単位エコーキャンセルの出力信号を送話出力信号として
選択する送話出力選択器15を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拡声電話機のよう
な送話用マイクロフォンと受話用スピーカを備えた通信
装置に装備されるエコーキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】拡声電話機では、一般に受話用スピーカ
から放音される受話音声が直接あるいは部屋の壁等に反
射した後、送話用マイクロホンに回り込むことにより、
エコーとなって送話音声に重畳され、このエコーが快適
な通話を妨げるという問題がある。このようなエコーを
除去するために、従来からエコーキャンセラが用いられ
ている。
【0003】エコーキャンセラは、エコー信号に等しい
大きさの擬似エコー信号を生成し、これを送話入力信号
から差し引くことによってエコーを消去する回路であ
り、擬似エコー信号は受話信号をエコーパス(受話用ス
ピーカからの受話音声が送話用マイクロフォンに至る経
路)のインパルス応答と等しい特性を持つ適応フィルタ
を通すことによって生成される。適応フィルタは、エコ
ーパスの特性(インパルス応答)を推定し、これと等し
い特性を持つようにフィルタ係数が適応的に制御され
る。具体的には、例えばエコーキャンセラから出力され
る送話出力信号が最小になるようにフィルタ係数を更新
することによって行われる。このフィルタ係数の更新を
行う適応アルゴリズムとしては、例えば「学習同定法」
が知られている。
【0004】このようなエコーキャンセラにおいては、
受話信号が存在していないときにエコーパス特性の推定
を行うと、適応フィルタは受話信号と送話信号の相関を
学習できないため、推定精度は著しく劣化する。その結
果、エコーキャンセラの出力には、消去しきれないエコ
ー、すなわちエコー残差信号が多く発生してしまう。
【0005】この問題に対して、受話信号レベルがある
閾値(受話状態判定閾値という)を超えたときに受話状
態と判定してエコーキャンセラでの適応制御を行い、受
話信号レベルが閾値以下で受話音声が存在していないと
きは、エコーキャンセラでの適応制御、つまり係数更新
制御を停止することによって、適応フィルタの推定精度
の低下を防止する技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】拡声電話機における実
際の通話では、送話用マイクロホンと話者の口の距離は
様々であり、また話者によって声の大きさや周波数分布
の特徴も様々である。さらに伝送回線の通過、中継時に
受話信号のレベル、周波数特性も様々に変形したりす
る。このため受話信号レベルも種々変化するので、例え
ば受話状態判定閾値をあまり高く設定すると、通話状況
によっては受話信号が入力されても受話状態と判定され
ないことがある。このような場合、エコーキャンセラの
学習がなかなか進まず、適応フィルタの収束が遅くなる
ため、実質的にエコーキャンセル動作ができなくなると
いう問題が生じる。
【0007】逆に、受話状態判定閾値をあまり低く設定
すると、受話信号の到来していないときやパワーの小さ
い区間でも受話状態と判定されてエコーキャンセラが学
習を行ってしまい、適応フィルタの推定精度が低下して
しまうという問題が生じる。従来では、エコーキャンセ
ラを学習させることを優先して、受話状態判定閾値を低
めに設定することが多いため、適応フィルタの推定精度
が低く、エコーを十分に消しきれないという問題があっ
た。
【0008】本発明は、このような問題点を解消すべく
なされたもので、受話信号が様々なレベルで到来する状
況であっても、良好なエコーキャンセル動作を行うこと
ができるエコーキャンセラを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るエコーキャンセラは、受話信号と送話
入力信号に混入したエコーとの関係の学習に基づいて前
記受話信号から推定される擬似エコー信号を送話入力信
号から差し引くことによりエコーを打ち消すエコーキャ
ンセル手段、及び受話信号のパワーが閾値(受話状態判
定閾値)を超えたときに受話状態と判定してエコーキャ
ンセル手段に学習を行わせる受話状態判定手段をそれぞ
れ有し、受話状態判定閾値を互いに異ならせた複数の単
位エコーキャンセラと、これら複数の単位エコーキャン
セラから出力される残差エコー信号のうちパワーが最も
小さい残差信号を判定する最小値判定手段と、この最小
値判定手段により残差信号のパワーが最も小さいと判定
された単位エコーキャンセルの出力信号を送話出力信号
として選択する出力選択手段とを具備することを特徴と
する。
【0010】実際の通話では前述したように、様々な原
因で受話信号レベルが種々変化するが、本発明では受話
状態判定閾値を固定値とせず、受話信号レベルに応じて
適応的に変化させ、等価的に受話状態判定閾値を受話信
号レベルが高いときは高く設定し、受話信号レベルが低
いときは低く設定することにより、適応フィルタの推定
精度を必要以上に低下させることなく学習を行わせて、
確実なエコーキャンセル動作を行うことができる。
【0011】本発明に係る他のエコーキャンセラは、受
話信号と送話入力信号に混入したエコーとの関係の学習
に基づき受話信号から推定される擬似エコー信号を送話
入力信号から差し引くことによりエコーを打ち消して送
話出力信号を生成するエコーキャンセル手段と、受話信
号のパワーが受話状態判定閾値を超えたときに受話状態
と判定してエコーキャンセル手段に学習を行わせるため
の受話状態判定手段と、送話入力信号と送話出力信号の
パワー相関または受話信号と送話出力信号のパワー相関
に基づいて受話状態判定閾値を変更する閾値変更手段と
を具備することを特徴とする。
【0012】すなわち、このエコーキャンセラは言い換
えれば、適応フィルタを用いて構成され、受話信号と送
話入力信号に混入したエコーとの関係の学習に基づき受
話信号から適応フィルタによって推定される擬似エコー
信号を送話入力信号から差し引くことによりエコーを打
ち消して送話出力信号を生成するエコーキャンセル手段
と、受話信号のパワーが受話状態閾値を超えたときに受
話状態と判定してエコーキャンセル手段に学習を行わせ
るための受話状態判定手段と、適応フィルタの収束状態
を判定して受話状態判定閾値を上げる制御を行うフィル
タ収束判定手段とを具備することを特徴とする。
【0013】このように受話状態においても適応フィル
タがまだ収束していないと判断したときは受話状態判定
閾値を下げ、適応フィルタが収束したと判断したときは
受話状態判定閾値を上げることによって、より早く、か
つより精度良く適応フィルタを収束させることができ、
受話信号が様々なレベルで到来する状況であっても良好
なエコーキャンセル動作を行うことが可能となる。
【0014】さらに、本発明に係るエコーキャンセラに
おいては、受話信号と送話入力信号のパワー相関、受話
信号と送話出力信号のパワー相関、または送話入力信号
と送話出力信号のパワー相関に基づいて、エコーキャン
セル手段に学習を行わせるか否かを決定する手段をさら
に具備してもよく、例えばこれらのパワー相関に基づい
て送受話同時通話状態(ダブルトーク状態)か否かを判
定し、ダブルトーク状態と判定したときエコーキャンセ
ル手段の学習を停止させるようにしてもよい。このよう
にすることによって、適応フィルタに対して外乱として
作用する送話音声による適応フィルタの推定精度の劣化
を防止して、残差信号を低減させることができ、より安
定したエコーキャンセル動作が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。なお、以下では各図を通じて同じ
回路要素には同じ参照番号を付して説明を行うものとす
る。
【0016】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係るエコーキャンセラを示すブロック図で
ある。図1において、通話の相手側から送信された信号
は受話入力端子Rinに受話信号xとして入力され、受話
出力端子Routを経て受話用スピーカ11から受話音声
として放音される。この受話音声の一部はエコーパスを
経て送話用マイクロホン12に回り込み、マイクロフォ
ン12に入力された送話音声にエコーとして重畳する。
【0017】エコーが重畳された送話音声は、マイクロ
ホン12からエコーキャンセラの入力端子Sinに送話入
力信号yとして与えられる。送話音声に重畳したエコー
は、以下に示すエコーキャンセラによって除去され、出
力端子Soutから送話出力信号として出力される。
【0018】本実施形態では、複数の単位エコーキャン
セラ13−1〜13−nが用意されている。単位エコー
キャンセラ13−1〜13−nは、基本的には従来のエ
コーキャンセラと同様に、受話信号xと送話入力信号y
に混入したエコーとの関係に基づき内部の適応フィルタ
の係数を更新して、受話信号xからエコー信号に等しい
大きさの擬似エコー信号を生成し、これを送話入力信号
yから差し引くことによってエコーを打ち消すエコーキ
ャンセル動作を行う。
【0019】単位エコーキャンセラ13−1〜13−n
の出力信号は、最小値判定器14と送話出力選択器15
に入力される。最小値判定器14は、エコーキャンセラ
13−1〜13−nの出力にそれぞれ含まれる残差エコ
ー信号のパワーを比較し、パワーが最も小さい残差信号
を判定する。送話出力選択器15は、この最小値判定器
14の判定結果に従って、単位エコーキャンセラ13−
1〜13−nの出力信号のうち残差信号のパワーが最も
小さいと判定された一つの単位エコーキャンセラの出力
信号を送話出力信号として選択し、出力端子Soutへ出
力する。
【0020】ここで、単位エコーキャンセラ13−1〜
13−nは基本的には全て同一構成であり、後述するよ
うに受話信号のパワーが閾値(受話状態判定閾値)を超
えたとき受話状態と判定して学習を行わせる構成となっ
ているが、この受話状態判定閾値が各単位エコーキャン
セラ13−1〜13−n間で互いに異なっていることが
ポイントである。
【0021】図2は、単位エコーキャンセラ13−1〜
13−nとして用いられるエコーキャンセラの詳細な構
成を示している。このエコーキャンセラは、エコーキャ
ンセル部20、減算器25、レベル算出器26及び受話
状態判定器27から構成される。エコーキャンセル部2
0は、データメモリ21、係数更新回路22、係数メモ
リ23及びフィルタ演算回路24からなっており、適応
フィルタを構成している。
【0022】エコーキャンセル部20では、受話信号x
をエコーパスの特性(インパルス応答)と等しい特性を
持つ適応フィルタに通すことによってエコーを推定し、
この推定に基づき疑似エコー信号yhatを生成する。す
なわち、データメモリ21に所定長さだけ格納された受
話信号xと、係数メモリ22に格納されたフィルタ係数
との畳み込み演算をフィルタ演算回路24で行うことに
よって、擬似エコー信号yhatが生成される。係数メモ
リ23に格納されているフィルタ係数は、例えば次式に
示す公知の学習同定法に従って、エコーキャンセル部2
0がエコーパスと等しい特性を持つように、係数更新回
路22によって適応的に更新される。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、hk(n)は時刻nにおけるk番目の
タップのフィルタ係数値、μはステップサイズ、e(n)
は時刻nにおける残差エコー信号、x(n)は時刻nにお
ける受話信号x、Nは適応フィルタのタップ数であり、
係数更新回路22は式(1)に従って係数更新を行う。
【0025】こうしてエコーキャンセル部20によって
生成された疑似エコー信号yhaは減算器25に入力さ
れ、送話入力信号yから疑似エコー信号yhaが差し引か
れることによって、エコーが消去された送話出力信号が
得られる。
【0026】一方、受話信号xはレベル算出器26にも
入力され、そのレベルがLxが検出される。レベル比判
定器27は、レベル算出器26で算出された受話信号レ
ベルLxが予め設定された閾値(受話状態判定閾値)K
iを超えたときに受話状態と判定する。
【0027】レベル比判定器27から出力される受話状
態判定結果RCは、エコーキャンセル部20の係数更新
回路22に入力される。係数更新回路22は、この判定
結果RCが「受話状態」のとき、係数メモリ23に格納
されているフィルタ係数の更新を行う。ここで、受話状
態判定閾値Kiは前述したように図1の各単位エコーキ
ャンセラ13−1〜13−nで異なる値に設定されてい
る。
【0028】単位エコーキャンセラ13−1〜13−n
の中で、受話信号レベルLxに最適な受話状態判定閾値
Kiを有する単位エコーキャンセラの出力が最も適応フ
ィルタの推定精度が良く、残差エコー信号のレベルが低
いと考えられる。そこで、図1に示したように最小値判
定器14によって残差エコー信号eのパワーが最も小さ
い単位エコーキャンセラの出力信号を判定し、その単位
エコーキャンセラの出力信号を送話出力選択器15によ
り選択して送話出力信号として出力端子Soutへ出力す
る。このようにすれば、受話信号レベルLxに最適な受
話状態判定閾値Kiを有するエコーキャンセラによって
エコーを打消したことと等価になる。
【0029】すなわち、本実施形態によれば受話信号レ
ベルLxが高いときは、受話状態判定閾値Kiの大きい
単位エコーキャンセラの出力信号、また受話信号レベル
Lxが低いときは、受話状態判定閾値Kiの小さい単位
エコーキャンセラの出力信号をそれぞれ選択して送話出
力信号とすることにより、受話信号レベルLxが様々に
変化する状況であっても、適応フィルタの推定精度をあ
まり低下させることなく学習を行って、確実なエコーキ
ャンセル動作を行うことができる。
【0030】(第2の実施形態)図3に、本発明の第2
の実施形態に係るエコーキャンセラの構成を示す。本実
施形態のエコーキャンセラは、図2の構成にフィルタ収
束判定部30Aを追加した構成となっている。また、本
実施形態のエコーキャンセラは、第1の実施形態におけ
る単位エコーキャンセラ13−1〜13−nとしてでな
く、基本的に単独で使用されるものであるが、単位エコ
ーキャンセラ13−1〜13−nとして使用することも
可能である。
【0031】フィルタ収束判定部30Aは、エコーキャ
ンセル部20を構成する適応フィルタの収束状態、すな
わち適応フィルタが収束しているか否かを判定する回路
であり、送話入力信号のレベルLyを算出するレベル算
出器31、送話出力信号のレベルLeを算出するレベル
算出器32、送話入力信号レベルLyに対する送話出力
信号レベルLeの比C1(=Le/Ly)を算出するレ
ベル比算出器33、及びレベル比C1を所定の閾値K1
と比較判定してフィルタ収束判定結果FCを出力するレ
ベル比判定器34によって構成される。レベル比判定器
34は、送話入出力信号のレベル比C1(=Le/L
y)が閾値K1以下のとき、適応フィルタが収束したと
判定する。送話出力信号のレベルLeは、送話出力信号
に含まれる残差エコー信号eのレベルである。
【0032】このフィルタ収束判定部30Aの判定結果
FCは受話状態判定器27に入力され、この判定結果F
Cに従って受話状態判定器27の受話状態判定閾値Ki
が変更される。すなわち、受話状態にも関わらずフィル
タ収束判定部30Aにおいて送話入出力信号のレベル比
C1が閾値K1を超えたときは、エコー残差信号eのレ
ベルが大きく、適応フィルタがまだ収束していないと判
断して受話状態判定閾値Kiは下げられる。逆に、受話
状態でレベル比C1が閾値K1以下であったときは、エ
コー残差信号eが十分に小さくなり、適応フィルタが十
分収束したと判断して受話状態判定閾値Kiは上げられ
る。
【0033】従って、本実施形態によれば、より早く、
かつより精度良く適応フィルタを収束させることがで
き、受話信号が様々なレベルで到来する状況であっても
良好なエコーキャンセル動作を行うことができる。
【0034】(第3の実施形態)図4は、本発明の第3
の実施形態に係るエコーキャンセラの構成を示す図であ
り、第2の実施形態と同様にフィルタ収束判定部30B
が図2の構成に追加された構成となっている。
【0035】本実施形態におけるフィルタ収束判定部3
0Bが図3に示したフィルタ収束判定部30Aと異なる
点は、図3における送話入力信号yのレベルを算出する
レベル算出器31が除去され、代わってレベル算出器2
6によって算出された受話信号レベルLxがレベル比算
出器33に入力されている点である。この場合、レベル
比算出器33では、受話信号レベルLxに対する送話出
力信号レベルLeの比C2(=Le/Lx)を算出し、
レベル比判定器34では、この比C2(=Le/Lx)
が閾値K2以下のとき、適応フィルタが収束したと判定
する。
【0036】従って、本実施形態によってもフィルタ収
束判定部30Bの判定結果FCに従い、受話状態にも関
わらずフィルタ収束判定部30Bにおいてレベル比C2
が閾値K2を超えたときは、適応フィルタがまだ収束し
ていないと判断して受話状態判定閾値Kiを下げ、逆に
受話状態でレベル比C2が閾値K2以下であったとき
は、適応フィルタが十分収束したと判断して受話状態判
定閾値Kiを上げることにより、第2の実施形態と同様
の効果を得ることができる。
【0037】(第4の実施形態)図5に、本発明の第4
の実施形態に係るエコーキャンセラの構成を示す。本実
施形態のエコーキャンセラは、基本的に第1の実施形態
における単位エコーキャンセラ13−1〜13−nとし
て使用されるものであるが、単独で使用することも可能
である。
【0038】一般的に、適応フィルタがエコーパスのイ
ンパルス特性を推定中に(このとき受話音声は存在して
いる)、送話音声が存在する、いわゆるダブルトーク状
態では、送話音声が適応フィルタにとって外乱となり、
適応フィルタの推定精度は著しく劣化する。その結果、
エコーキャンセラの出力に消去しきれないエコー、すな
わち残差信号が含まれるようになる。
【0039】本実施形態は、この問題を解決するために
図2に示したエコーキャンセラの構成にダブルトーク判
定部40Aを追加してダブルトーク状態にあるか否かを
判定し、ダブルトーク状態の間はエコーキャンセル部2
0での学習(適応制御)、すなわち係数更新制御を停止
することによって、適応フィルタの推定精度の劣化を防
止するようにしたものである。
【0040】ダブルトーク判定部40Aは、受話信号の
レベルLxを算出するレベル算出器26、送話入力信号
のレベルLyを算出するレベル算出器41、受話信号レ
ベルLxに対する送話入力信号レベルLyの比C3(=
Ly/Lx)を算出するレベル比算出器43、及びレベ
ル比C3を所定の閾値K3と比較判定してダブルトーク
判定結果DTを出力するレベル比判定器44から構成さ
れる。
【0041】レベル比判定器44は、レベル比C3(=
Ly/Lx)が閾値K3より大きいとき、ダブルトーク
状態と判定する。レベル比判定器44の判定結果DTは
エコーキャンセル部20に送出され、ダブルトーク状態
のとき係数更新回路22による係数更新制御を停止させ
る。
【0042】このように本実施形態によれば、ダブルト
ーク状態のときはエコーキャンセル部20での学習を停
止させることによって、適応フィルタに対して外乱とし
て作用する送話音声による適応フィルタの推定精度劣化
を防止して、残差エコー信号を低減させることができ、
より安定したエコーキャンセル動作が可能となる。
【0043】(第5の実施形態)図6は、本発明の第5
の実施形態に係るエコーキャンセラの構成を示す図であ
り、第4の実施形態と同様にダブルトーク判定部40B
が図2の構成に追加された構成となっている。
【0044】本実施形態におけるダブルトーク判定部4
0Bが第4の実施形態の図5に示したダブルトーク判定
部40Aと異なる点は、図5における送話入力信号yの
レベルLyを算出するレベル算出器41に代えて送話出
力信号のレベルLeを算出するレベル算出器42が用い
られている点である。この場合、レベル比算出器43で
は、受話信号レベルLxに対する送話出力信号レベルL
eの比C2(=Le/Lx)を算出し、レベル比判定器
44では、この比C2(=Le/Lx)が閾値K2より
大きいとき、ダブルトーク状態と判定する。
【0045】従って、本実施形態によっても第4の実施
形態と同様に、ダブルトーク判定部40Bの判定結果D
Tに従い、ダブルトーク状態のときはエコーキャンセル
部20での学習を停止させることによって、適応フィル
タに対して外乱として作用する送話音声による適応フィ
ルタの推定精度劣化を防止して、残差信号を低減させる
ことができ、より安定したエコーキャンセル動作が可能
となる。
【0046】(第6の実施形態)図7は、本発明の第6
の実施形態に係るエコーキャンセラの構成を示す図であ
り、やはりダブルトーク判定部40Cが図2の構成に追
加された構成となっている。
【0047】本実施形態におけるダブルトーク判定部4
0Cが第4、第5の実施形態の図5及び図6に示したダ
ブルトーク判定部40A,40Bと異なる点は、送話入
力信号yのレベルLyを算出するレベル算出器41と送
話出力信号のレベルLeを算出するレベル算出器42が
用いられ、レベル比算出器43では送話入力信号レベル
Lyに対する送話出力信号レベルLeの比C1(=Le
/Ly)を算出し、レベル比判定器44で、この比C1
(=Le/Ly)が閾値K1より大きいとき、ダブルト
ーク状態と判定するようにした点である。
【0048】従って、本実施形態によっても第4、第5
の実施形態と同様に、ダブルトーク判定部40Cの判定
結果DTに従い、ダブルトーク状態のときはエコーキャ
ンセル部20での学習を停止させることによって、適応
フィルタに対して外乱として作用する送話音声による適
応フィルタの推定精度劣化を防止して、残差信号を低減
させることができ、より安定したエコーキャンセル動作
が可能となる。
【0049】(第7の実施形態)図8は、本発明の第7
の実施形態に係るエコーキャンセラの構成を示す図であ
り、第1の実施形態の図1に示した構成に、ダブルトー
ク判定部40Cを組み合わせた構成となっている。
【0050】すなわち、本実施形態ではダブルトーク判
定器40Cに送話出力信号として送話出力選択器15で
選択された送話出力信号を入力して、そのレベルをレベ
ル算出器41で算出する点が図7に示した第6の実施形
態と異なっている。
【0051】このような構成により、第1の実施形態と
同様に受話信号レベルLxが高いときは、受話状態判定
閾値Kiの大きい単位エコーキャンセラの出力信号、ま
た受話信号レベルLxが低いときは、受話状態判定閾値
Kiの小さい単位エコーキャンセラの出力信号をそれぞ
れ選択して送話出力信号とすることにより、受話信号レ
ベルLxが様々に変化する状況であっても、適応フィル
タの推定精度をあまり低下させることなく学習を行って
確実なエコーキャンセル動作を行うという効果に加え
て、ダブルトーク判定部40Cの判定結果DTに従い、
ダブルトーク状態のときはエコーキャンセル部20での
学習を停止させることで、送話音声による適応フィルタ
の推定精度劣化を防止して残差エコー信号を低減させ、
安定したエコーキャンセル動作が可能となる、という効
果を得ることができる。
【0052】なお、上述の各実施形態では、エコーキャ
ンセル部20として学習同定法により係数更新を行う適
応フィルタの例について説明したが、係数更新制御のア
ルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例えば、
LMS法、RLS法、またアフィン射影法等を用いて係
数更新制御を行うことも可能である。
【0053】また、第2、第3の実施形態では、フィル
タ収束判定部30A,30Bにおいて二つの入力信号、
すなわち(a)送話入力信号と送話出力信号、または(b)受
話信号と送話出力信号のレベル比を算出し、そのレベル
比を閾値と比較して適応フィルタの収束状態の判定を行
ったが、二つの入力信号(送話入力信号と送話出力信
号、または受話信号と送話出力信号)の差を算出し、そ
のレベル差を閾値と比較して適応フィルタの収束状態の
判定を行ってもよく、要するに二つの入力信号のパワー
相関を求め、このパワー相関に基づいて例えば相関値が
閾値以下のとき適応フィルタが収束したと判定してもよ
い。
【0054】さらに、第4〜第7の実施形態ではダブル
トーク判定部40A,40B,40Cにおいて二つの入
力信号、すなわち(a)受話信号と送話入力信号、(b)受話
信号と送話出力信号、(c)送話入力信号と送話出力信号
のレベル比を算出し、そのレベル比を閾値と比較してダ
ブルトーク状態の判定を行ったが、二つの入力信号(受
話信号と送話入力信号、(b)受話信号と送話出力信号、
(c)送話入力信号と送話出力信号)の差を算出し、その
レベル差を閾値と比較してダブルトーク状態の判定を行
ってもよく、要するに二つの入力信号のパワー相関を求
め、このパワー相関に基づいて例えば相関値が閾値より
大きいときダブルトーク状態と判定してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエコーキ
ャンセラによれば、受話状態判定閾値の異なるエコーキ
ャンセラを複数設け、これらの各エコーキャンセラの出
力信号のうちからエコー残差信号のパワーが最も小さい
信号を送話出力信号として選択して出力するか、あるい
は送話入力信号と送話出力信号のパワー相関または受話
信号と送話出力信号のパワー相関に基づいて受話状態判
定閾値を変更することにより、通話毎に最適な受話状態
判定閾値を選択でき、必要以上に受話状態判定閾値を下
げることなく、適応フィルタの推定精度低下を防止し、
受話信号が様々なレベルで到来する状況であっても、良
好なエコーキャンセル動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図
【図2】同実施形態における一つのエコーキャンセラの
構成を示すブロック図
【図3】本発明の第2の実施形態に係るエコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図
【図4】本発明の第3の実施形態に係るエコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図
【図5】本発明の第4の実施形態に係るエコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図
【図6】本発明の第5の実施形態に係るエコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図
【図7】本発明の第6の実施形態に係るエコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図
【図8】本発明の第7の実施形態に係るエコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図
【符号の説明】
11…受話用スピーカ 12…送話用マイクロホン 13−1〜13−n…単位エコーキャンセラ 14…最小値判定器 15…送話出力選択器 20…エコーキャンセル部 21…データメモリ 22…係数更新回路 23…係数メモリ 24…フィルタ演算回路 25…減算器 26…受話信号レベル算出器 27…受話状態判定器 30A,30B…フィルタ収束判定部 31…送話入力信号レベル算出器 32…送話出力信号レベル算出器 33…レベル比算出器 34…レベル比判定器 40A,40B,40C…ダブルトーク判定部 41…送話入力信号レベル算出器 42…送話出力信号レベル算出器 43…レベル比算出器 44…レベル比判定器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受話信号と送話入力信号に混入したエコー
    との関係の学習に基づいて前記受話信号から推定される
    擬似エコー信号を前記送話入力信号から差し引くことに
    より前記エコーを打ち消すエコーキャンセル手段、及び
    前記受話信号のパワーが閾値を超えたときに受話状態と
    判定して前記エコーキャンセル手段に前記学習を行わせ
    る受話状態判定手段をそれぞれ有し、前記閾値を互いに
    異ならせた複数の単位エコーキャンセラと、 前記複数の単位エコーキャンセラから出力される残差エ
    コー信号のうちパワーが最も小さい残差信号を判定する
    最小値判定手段と、 前記最小値判定手段により前記残差信号のパワーが最も
    小さいと判定された前記単位エコーキャンセルの出力信
    号を送話出力信号として選択する出力選択手段とを具備
    することを特徴とするエコーキャンセラ。
  2. 【請求項2】受話信号と送話入力信号に混入したエコー
    との関係の学習に基づき前記受話信号から推定される擬
    似エコー信号を前記送話入力信号から差し引くことによ
    り前記エコーを打ち消して送話出力信号を生成するエコ
    ーキャンセル手段と、 前記受話信号のパワーが閾値を超えたときに受話状態と
    判定して前記エコーキャンセル手段に前記学習を行わせ
    るための受話状態判定手段と、 前記送話入力信号と前記送話出力信号のパワー相関また
    は前記受話信号と前記送話出力信号のパワー相関に基づ
    いて前記閾値を変更する閾値変更手段とを具備すること
    を特徴とするエコーキャンセラ。
  3. 【請求項3】適応フィルタを用いて構成され、受話信号
    と送話入力信号に混入したエコーとの関係の学習に基づ
    き前記受話信号から適応フィルタによって推定される擬
    似エコー信号を前記送話入力信号から差し引くことによ
    り前記エコーを打ち消して送話出力信号を生成するエコ
    ーキャンセル手段と、 前記受話信号のパワーが閾値を超えたときに受話状態と
    判定して前記エコーキャンセル手段に前記学習を行わせ
    るための受話状態判定手段と、 前記適応フィルタの収束状態を判定して前記閾値を上げ
    る制御を行うフィルタ収束判定手段とを具備することを
    特徴とするエコーキャンセラ。
  4. 【請求項4】前記受話信号と前記送話入力信号のパワー
    相関、前記受話信号と前記送話出力信号のパワー相関、
    または前記送話入力信号と前記送話出力信号のパワー相
    関に基づいて前記エコーキャンセル手段に前記学習を行
    わせるか否かを決定する手段をさらに具備することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のエコーキ
    ャンセラ。
  5. 【請求項5】前記受話信号と前記送話入力信号のパワー
    相関、前記受話信号と前記送話出力信号のパワー相関、
    または前記送話入力信号と前記送話出力信号のパワー相
    関に基づいて送受話同時通話状態か否かを判定し、送受
    話同時通話状態と判定したとき前記エコーキャンセル手
    段の前記学習を停止させる送受話同時通話判定手段をさ
    らに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1項記載のエコーキャンセラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010199809A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 反響消去装置、反響消去方法、反響消去プログラム
JP2013005106A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 場内拡声装置、場内拡声方法、及びそのプログラム
JP2013017192A (ja) * 2012-08-15 2013-01-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 反響消去装置、反響消去方法、反響消去プログラム

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JP2013017192A (ja) * 2012-08-15 2013-01-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 反響消去装置、反響消去方法、反響消去プログラム

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