JP3265714B2 - 高タフネス黒原着ポリアミド繊維 - Google Patents

高タフネス黒原着ポリアミド繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高タフネス黒原着ポリ
アミド繊維に関するものであり、さらに詳しくは、強靱
性および耐久性にすぐれ、漁網、ベルト、紐、土木ネッ
ト、およびターポリンなどの産業資材用途に適した高タ
フネス黒原着ポリアミド繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黒原着ポリアミド繊維は、すぐれた強靱
性や耐久性を有し、かつ染色することなく使用可能であ
ることから、漁網、ベルト、紐、土木ネット、およびタ
ーポリンなどの産業資材用途に好まれて使用されてい
る。
【0003】そして、上記産業資材用途においては、軽
量化および経済性の点から、材料使用量を減少させるこ
とが要求されており、一方で常に強度および伸度を高め
ること、すなわち高タフネス化が必要とされている。
【0004】しかるに、黒原着ポリアミド繊維は、カー
ボンブラック粒子を含有させることにより得ることがで
きるが、この場合カーボンブラック粒子が繊維中で異物
として作用するため、製糸工程で糸切れが発生し易く、
従来糸以上の高タフネス糸を得ることが困難であり、例
えば、強度が8.0g/dで伸度が22%以上の高タフ
ネスポリアミド繊維を工業的に製造することは困難であ
った。
【0005】上記の問題は、カーボンブラック自身の1
次粒子径は通常数十mμと微細であるにもかかわらず、
ポリアミドポリマとブレンドして繊維化した時に、その
一部が約十倍以上の粒子径に凝集した粒子として繊維中
に分散し、それらが異物として作用することに起因して
いる。
【0006】このような異物を除去するために、紡糸パ
ック中で濾過を強化する試みもなされているが、この場
合には急激な濾圧の上昇を生ずるため、パックフィルタ
ーの交換周期を速めることになり、実際には解決に至っ
ていない。
【0007】したがって、高タフネス黒原着ポリアミド
繊維の製造については、カーボンブラック粒子を如何に
微分散させるかが重要なポイントであり、かかるカーボ
ンブラック粒子の分散性を改善する技術としては、例え
ば特開平3−220313号公報記載の方法が提案され
ている。
【0008】すなわち、上記特開平3−220313号
公報の技術は、「一次粒子が20mμ以下のカーボンブ
ラックを含む黒原着ポリアミド繊維を紡出するに際し
て、脂肪酸アミドをポリアミドの重量を基準として0.
05重量%以上含有せしめたポリアミドを用いることを
特徴とするポリアミド繊維の製造方法」を開示するもの
である。
【0009】しかしながら、この技術を産業資材用の黒
原着ポリアミド繊維の製造に適用すると、従来技術より
は若干高いレベルのタフネス繊維が得られるものの、産
業資材用途で求められているレベル、すなわち強度8.
0g/d以上、伸度22%以上の高タフネス繊維を得よ
うとする場合には、延伸工程で糸切れが頻発し、かつ延
伸ロールの表面が急激に摩耗してしまい、工業的生産が
できないという問題があった。
【0010】一方、カーボンブラック粒子がポリアミド
繊維中で異物として作用し、糸切れや高タフネス化の障
害となることを避けるため、カーボンブラックに替えて
有機顔料を採用することも行なわれているが、この方法
によっては、確かにカーボンブラックによる障害は避け
られるものの、カーボンブラック含有黒原着ポリアミド
繊維の特徴でもあるすぐれた耐候性が失なわれ、かつ一
般に高価格になるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点を解決するためになされたもので
あり、強度8.0g/d以上、伸度22%以上の高タフ
ネスを有し、かつ耐候性にすぐれ、産業資材用途に適し
た黒原着ポリアミド繊維の提供を目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の高タフネス黒原着ポリアミド繊維は、ポ
リアミド繊維中に、300mμ以下に微分散されたカー
ボンブラック粒子を含有し、強度8.0g/d以上、伸
度22%以上の特性を有することを特徴とする。
【0013】また、本発明の高タフネス黒原着ポリアミ
ド繊維は、カーボンブラック粒子として、チャンネル法
で製造されたカーボンブラックを用いたことを特徴とす
る。
【0014】さらに、本発明の高タフネス黒原着ポリア
ミド繊維は、カーボンブラック粒子の含有量が、0.2
〜1.0重量%であることを特徴とする。
【0015】本発明の高タフネス黒原着ポリアミド繊維
は、強度が8.0g/d以上、伸度が22%以上、好ま
しくは強度が8.2g/d以上、伸度が24%以上の高
タフネス特性を有する。
【0016】カーボンブラックを含有しないポリアミド
繊維の場合は、上記レベルの高タフネスが得られるが、
カーボンブラックを0.2〜1.0重量%含有するポリ
アミド繊維であって、かつ上記の高タフネス特性を有す
るものが、工業的に製造された例はいまだに見当たらな
い。
【0017】本発明で用いるポリアミドポリマとして
は、ナイロン6、ナイロン66、およびナイロン46な
どが挙げられ、これらを相互に組合わせた共重合ポリマ
またはブレンドポリマなども使用できる。
【0018】そして、高タフネスを達成するためには、
硫酸相対粘度で3.0以上の高分子量ポリアミドを適用
するのが望ましい。ここでいう硫酸相対粘度とは、試料
濃度1%の硫酸溶液を25℃で測定した値である。
【0019】本発明の高タフネスポリアミド繊維は、黒
原着成分として繊維中に300mμ以下に微分散された
好ましくは、チャンネルタイプのカーボンブラックを
0.2〜1.0重量%含むことを特徴とする。
【0020】ここでいうチャンネルタイプカーボンブラ
ックとは、チャンネル法で製造されたカーボンブラック
のことである。
【0021】従来の黒原着ポリアミド繊維は、一般にフ
ァーネスタイプカーボンブラックが用いられており、例
えば上記特開平3−220313号公報に記載の実施例
でもファーネスタイプカーボンブラックが使用されてい
る。
【0022】ファーネスタイプカーボンブラックは、ポ
リアミドポリマ中への分散性が劣るが、さらに重大な欠
点は、このカーボンブラックを含むポリアミド繊維は製
糸工程で接触する金属類、例えばロール、熱板、および
ガイドなどを摩耗させ、かつ摩耗の進んだ部分の金属と
接触したポリアミド繊維が、しばしば糸切れしてしまう
ことである。
【0023】かかる現象は従来から認められており、こ
のような金属の摩耗に係る障害を避けるためには、黒原
着ポリアミド繊維の製糸工程およびこの繊維を用いた製
品加工工程で接触するロール、熱板およびガイドなどの
交換頻度を高めて対策してきたのが実情である。
【0024】特に近年、高タフネス化および生産の効率
化の要求に対処する製糸方法として、直接紡糸延伸法が
採用されるようになったことから、上記欠点が致命的と
なっていた。
【0025】すなわち、ファーネスタイプカーボンブラ
ックを含有するポリアミド繊維を直接紡糸延伸法で製糸
すると、強度8.0g/d以上、伸度22%以上の高タ
フネス繊維が得られないばかりか、特に高張力のかかる
延伸ロールの表面が摩耗してしまい、摩耗が進むに従っ
て糸切れが頻発するため、工業的な生産を断念せざるを
得ないのが実情であった。
【0026】本発明の高タフネス黒原着ポリアミド繊維
は、繊維中にチャンネルタイプカーボンブラック粒子が
300mμ以下、好ましくは250mμ以下に微分散さ
れていることが特徴である。
【0027】カーボンブラック粒子の微分散の状態は、
透過型電子顕微鏡によって、例えば超薄切片法で試料調
整し、(株)日本電子製TEM1200EXを用い、加
速電圧100KVで観察した写真によって確認すること
ができる。
【0028】本発明において、カーボンブラック粒子が
微分散された状態とは、上記写真において、粒子の大き
いものから順次20ケを選び、その平均値が300mμ
以下、好ましくは250mμ以下であることを意味す
る。
【0029】チャンネルタイプカーボンブラックは、比
較的ポリアミドポリマ中への分散性が良いが、さらに分
散性を改善するために、一般には分散剤を併用すること
が望ましい。
【0030】ここでいう分散剤としては、高級脂肪酸ア
ミド化合物、例えばエチレンビスステアリルアミド、ス
チレンビスステアリルアミド、ステアリン酸アミド、パ
ルミチン酸アミドなど、およびパラフィン、ワックス、
高級脂肪酸、モノグリセリンのエステル、高級脂肪酸ア
ルコール、金属石鹸などが用いられる。
【0031】また、分散効果を有するポリマとしては、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6
10、ナイロン11、ナイロン12などの2元、3元ま
たは4元共重合ポリマなどがあり、これらを適用するこ
とができる。
【0032】カーボンブラックは、通常ポリアミドに対
し10〜40重量%の高濃度で重合時添加またはブレン
ドされてマスターチップとされる。次いでこのマスター
チップをナイロンポリマとブレンドして製糸することに
より、本発明の黒原着ポリアミド繊維が製造される。
【0033】カーボンブラック濃度は、ポリアミド繊維
に対し0.2〜1.0重量%が適当である。0.2重量
%未満では黒の着色が不十分であり、1.0重量%を越
えると繊維物性の低下を生ずることがある。
【0034】また、上記分散剤の添加量は、ポリアミド
繊維に対し0.01〜0.1重量%、ナイロン共重合ポ
リマの場合は0.1〜1.0重量%の範囲が好ましい。
なお、分散剤を予めマスターチップ中に混合させておく
のが、カーボンブラック粒子のポリアミド中への分散効
果が良好であることから望ましい。
【0035】マスターチップとして用いるポリマは、一
般に本発明に係る高タフネス黒原着ポリアミドと同種の
ものが用いられるが、重合度およびポリアミド種の異な
るポリマを用いることもできる。
【0036】本発明の高タフネス黒原着ポリアミド繊維
の表面を、FE−SEMで5000倍または10000
倍で観察すると、フィラメントの表面には約100〜3
00mμの凹凸がほぼ均一に分散しており、従来のファ
ーネスタイプカーボンブラックを含有する黒原着ポリア
ミド繊維に観察される、フィラメントの表面全域に形成
され、繊維軸に平行な亀裂やカーボンブラック粒子を含
んだフィッシュアイ状の亀裂などが認められないことが
特徴である。
【0037】次に、本発明の高タフネス黒原着ポリアミ
ド繊維の製造法の具体例について説明する。
【0038】まず、黒原着マスターチップを製造するた
め、硫酸相対粘度3.0以上のポリアミドポリマを10
0部、1次粒子径が20mμ以下のチャンネルタイプカ
ーボンブラックを10〜30部、前記分散剤を1〜10
部、またはナイロン共重合ポリマ10〜40部を、2軸
型エクストルーダーを用いて混合溶融し、紡出する。紡
出したガットを冷水浴中に導いて冷却固化させた後、数
mmの円筒状チップに切断してマスターチップとする。
マスターチップは一旦乾燥して0.1%未満の水分率と
する。
【0039】上記マスターチップと、別に準備したポリ
アミドチップとを別々のホッパーに仕込み、それぞれホ
ッパーの下に設置した計量ブレンダーで計量した後、ブ
レンドする。ブレンド率はポリアミド繊維中のカーボン
濃度が0.2〜1.0重量%となるよう調整する。
【0040】ブレンドしたチップは、連続して紡糸機で
溶融し、紡糸パック中で濾過した後、口金細孔より紡出
する。次に、紡出糸条に冷風を吹き付けて冷却固化させ
た後油剤を付与する。
【0041】油剤は、一般に用られる平滑剤と活性剤を
主成分とし、微量の制電剤および極圧剤などを含む。本
発明の高タフネス黒原着ポリアミド繊維は、直接紡糸延
伸法で製造されるため、非水系油剤を付与することが好
ましい。前記固化した糸条に低粘性の鉱物油で希釈した
油剤を付与した後、引取りロールで引取り、引続いて給
糸ロールとの間で1〜10%のストレッチを掛けなが
ら、原油剤を付与する。油剤の付与量は、製品糸として
0.5〜1.5重量%となるよう調整するのが望まし
い。
【0042】従来のファーネスタイプカーボンブラック
を含有する黒原着ポリアミド繊維の場合は、前記引取り
ロールと給糸ロール間でストレッチをかけた際に生ずる
プレストレッチ張力が、約4倍程度にアップするのに対
し、本発明に係る高タフネス黒原着ポリアミド繊維の製
造方法においては、カーボンブラックを含有しないポリ
アミド繊維の場合とほぼ同レベルの低いプレストレッチ
張力に保つことができる。
【0043】例えば、ストレッチを5%にした時、本発
明にかかるポリアミド繊維の張力は、延伸後の繊維のデ
ニール当り0.2〜0.4gであるのに対し、ファーネ
スタイプカーボンブラックを使用する場合は0.9〜
1.4gである。
【0044】次に、前記給糸ロールと2対のネルソンロ
ールで2段の熱延伸を行なった後、リラックスロールと
の間で2〜10%の弛緩熱処理をして捲取る。引取りロ
ールの速度、すなわち紡糸速度は300〜1000m
分、延伸速度は1500〜4000m/分の範囲が好適
である。延伸に適用する最高の温度は、ポリアミドの融
点および該融点から40℃低い温度との間に設定するの
が望ましい。
【0045】かくして製造された本発明の高タフネス黒
原着ポリアミド繊維は、強度8.0g/d以上、伸度2
2%以上の高タフネスを有している。
【0046】そして、TEMで超薄切片法で観察したカ
ーボンブラックの分散状態は、一部最大粒径が200〜
300mμのものもあるが、大部分はさらに微細な粒子
として均一に分散している。
【0047】また、FEーSEMで観察したフィラメン
トの表面は、100〜300mμ程度の凹凸が均一に分
散しているものの、繊維軸方向の亀裂は観察されない。
【0048】そして、本発明の高タフネス黒原着ポリア
ミド繊維は、従来の黒原着ポリアミド繊維と同等のすぐ
れた耐候性を保持している。
【0049】さらに別の効果として、本発明の高タフネ
ス黒原着ポリアミド繊維は、カーボンブラックが微分散
した結果として、従来より数十%含有量が少なくても鮮
明な黒色に発色するという利点も認められる。
【0050】次に、実施例より、本発明の実施態様につ
いて具体的に説明する。
【0051】
【実施例1〜3】硫酸相対粘度3.4のナイロン6チッ
プに、チャンネルタイプのカーボンブラック(" スペシ
ャルブラック" )を20重量%、およびエチレンビスス
テアリルアミドを2重量%混合してマスターチップを製
造した。
【0052】上記マスターチップ1重量部と、マスター
チップに用いたと同じナイロン6チップ39重量部を計
量混合しながら、エクストルーダー型紡糸機で溶融し
た。溶融ポリマを紡糸パック中で、平均孔径20μの金
属不織布を通して濾過した後、孔径0.5mm、孔数2
8の口金を通して紡糸した。
【0053】紡糸糸条を20℃の冷風で冷却固化させた
後、炭素数C13の高級炭化水素で20重量%に希釈した
油剤を付与し、引取りロールで500m/分の速度で引
取った。
【0054】次いで、引取糸条に対し、引取りロールと
50℃に加熱された給糸ロールとの間で、5%のストレ
ッチをかけながら原液油剤を付与した。油剤は原糸に対
し約1重量%となるよう付与したが、引取りロール前で
約0.2重量%、残りを引取りロールと給糸ロール間で
付与した。
【0055】上記5%のストレッチをかけた時の張力
は、カーボンブラックを添加しないポリマを製糸した場
合と同レベルの低張力であった。
【0056】引き続いて、糸条を給糸ロールと120℃
に加熱されたネルソンタイプの第1延伸ロールとの間
で、3.0倍に延伸し、さらに210℃に加熱されたネ
ルソンタイプの第2延伸ロールとの間で1.5倍に延伸
した。
【0057】さらに、延伸された糸条を、120℃のネ
ルソンタイプのリラックスロールとの間で、8%の弛緩
熱処理をして捲取った。
【0058】上記の方法により、840D−28fil
の黒原着ポリアミド繊維が得られた。
【0059】この黒原着ポリアミド繊維について、マス
ターチップ組成、黒原着ポリアミド繊維成分および5%
ストレッチ時張力を表1に、また繊維物性およびカーボ
ンブラックの分散性を表2に、それぞれ実施例1として
示した。
【0060】なお、表2中EBAはエチレンビスステア
リルアミドを意味し、またロール摩耗性の評価結果は下
記の内容を示す。 ◎…1ケ月後ほとんど摩耗なし ×…3日後著しく摩耗。
【0061】表1の結果から明らかなように、本発明の
黒原着ポリアミド繊維は、強度、伸度共に高く高タフネ
スで、かつカーボンブラックの分散性がよく、ロール摩
耗を生じないばかりか、すぐれた耐候性も保有するもの
であった。
【0062】また、実施例1と同様チャンネルタイプカ
ーボンブラックを用い、表1に示したように若干条件を
変更したマスターチップを用い、同様に製糸した結果
を、表1および表2に実施例2、実施例3として示し
た。
【0063】表2の結果から明らかなように、この実施
例1および実施例2における黒原着ポリアミド繊維も、
高タフネスで、かつカーボンブラックの分散性がよく、
ロール摩耗を生じることかせなく、しかもすぐれた耐候
性を有するものであった。
【0064】
【表1】
【表2】
【0065】
【比較例1〜4】実施例1〜3で用いたチャンネルタイ
プカーボンブラックの代わりに、従来のファーネスタイ
プカーボンブラックまたは有機顔料を黒原着剤として用
いたマスターチップを用い、実施例1〜3と同様の方法
で製糸した結果を、表1および表2に比較例1〜4とし
て併せて示した。
【0066】表1および表2の結果から明らかなよう
に、ファーネスタイプカーボンブラックを用いた場合
は、強度、伸度が低く、ロール摩耗を生じ、しばしば糸
切れを生じるばかりか、延伸直前の5%ストレッチ時の
張力が著しくアップするという問題を生じる。
【0067】一方、有機顔料を用いた場合は、繊維物
性、製糸性共に良好でロール摩耗も生じなかったが、従
来の黒原着ポリアミド繊維に比べて、耐候性が著しく劣
っていた。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高タフネ
ス黒原着ポリアミド繊維は、強度8.0g/d以上、伸
度22%以上と、従来にない高タフネスを有しており、
かつすぐれた耐候性も保持しているため、漁網、ベル
ト、紐、土木ネットおよびターポリンなどの産業資材用
途に望ましく適用することができる。そして、特に従来
の黒原着ポリアミド繊維よりも高タフネスである特徴を
生かして、製品中の繊維の量を減少させることができる
ため、軽量化でき、製造コスト面でも有利である。
【0069】また、本発明の高タフネス黒原着ポリアミ
ド繊維は、チャンネルタイプカーボンブラックの粒子
が、ポリアミド中できわめて微分散しているため、カー
ボンブラックの含有量が数十%少なくても鮮明な黒色に
発色するという特徴を有している。
【0070】さらに、本発明の高タフネス黒原着ポリア
ミド繊維の製造過程および繊維の製品化加工工程におい
ては、繊維がロール、熱板およびガイドなどの金属と接
触しても、金属の摩耗が著しく軽減されるため、これら
金属装置および部品などの交換周期が延長できるという
利点を有する。
【0071】また、本発明の高タフネス黒原着ポリアミ
ド繊維は、産業資材用ポリアミド繊維以外の、例えばカ
ーペット用黒原着糸、カーボンブラック入り導電性芯鞘
繊維、黒原着太繊度モノフィラメント、あるいはポリア
ミド繊維以外の黒原着繊維にも適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/90 301 D01F 1/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド繊維中に、300mμ以下に
    微分散されたカーボンブラック粒子を含有し、強度8.
    0g/d以上、伸度22%以上の特性を有することを特
    徴とする高タフネス黒原着ポリアミド繊維。
  2. 【請求項2】 カーボンブラック粒子が、チャンネル法
    で製造されたカーボンブラックであることを特徴とする
    請求項1記載の高タフネス黒原着ポリアミド繊維。
  3. 【請求項3】 カーボンブラック粒子を、0.2〜1.
    0重量%含有することを特徴とする請求項1または2記
    載の高タフネス黒原着ポリアミド繊維。
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