JP2018053377A - ポリアミド短繊維及びその製造方法 - Google Patents

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拓世 江崎
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輝彦 笠原
雄介 木下
Yusuke Kinoshita
雄介 木下
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Abstract

【課題】優れた絹様光沢を発現でき、他素材との混紡可能である衣料用途に好適なポリアミド短繊維、及び低コスト、且つ生産効率良く製造できる製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、ポリアミドおよびポリアルキレンエーテル系化合物と、ブロックエーテルアミド化合物あるいはブロックポリエステルアミド化合物とを有するポリアミド組成物から構成される短繊維で、捲縮数が8山〜22山/25mm、捲縮率が10〜25%であることを特徴とするポリアミド短繊維である。また、上記ポリアミド短繊維は、ポリアミド組成物を溶融吐出し、冷却固化した後に、給油処理にて界面活性剤を含有した油剤液を付与し、延伸、捲縮付与を行った後に、切断することにより製造される。【選択図】なし

Description

ポリアミドおよびアルキレンエーテル系化合物と、ブロックエーテルアミド化合物あるいはブロックポリエステルアミド化合物とを有するポリアミド組成物から構成される短繊維、及びその製造方法に関するものである。
ポリアミド繊維はポリエステル繊維などに比べ、ソフトでかつ、耐磨耗性・タフネスに優れた特性をもっているため、インナーウェア(肌着等)、ソックス、ストッキングなどの分野で広く使用されている。
このポリアミド繊維の優れた特性に、さらに絹のような光沢を付加するため、ポリアルキルエーテル系化合物等を配合して繊維(製品)した後、これを溶かし出して微小な空隙(ボイド)を形成させるという方法により、絹のように光沢を発現させたポリアミド繊維(製品)も製造されている。(特許文献1、2、3)
特公昭55−010685号公報 特公昭58−012935号公報 特開平02−191713号公報
ところが特許文献1〜3記載ポリアミド繊維は長繊維(フィラメント糸)であり、天然繊維またはその他合成繊維の組合せは限定され、インナーウェアやソックスなどの特定分野のみでしか、使用されていなかった。
また、このポリアミド繊維をそのまま紡績しても工業的に満足のできる紡績糸は得られなかった。
そこで、本発明では、優れた絹様光沢を発現でき、他素材との混紡が可能であるポリアミド短繊維、及び低コスト、且つ生産効率良く製造できる製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、ポリアミドおよびアルキレンエーテル系化合物と、ブロックエーテルアミド化合物あるいはブロックポリエステルアミド化合物とを有するポリアミド組成物から構成される短繊維で、捲縮数が8山〜22山/25mm、捲縮率が10〜25%であることを特徴とするポリアミド短繊維。
また、ポリアミド組成物を溶融吐出し、冷却固化した後に、給油処理にて界面活性剤を含有した油剤液を付与し、延伸、捲縮付与を行った後に、切断し、請求項1記載のポリアミド短繊維を製造することを特徴とするポリアミド短繊維の製造方法。
上記ポリアミド短繊維からなる紡績糸。
上記紡績糸を含む布帛。
本発明のポリアミド短繊維によれば、優れた絹様光沢を発現でき、他素材との混紡可能である衣料用途に極めて好適なポリアミド短繊維が得られるようになった。また、本発明のポリアミド短繊維の製造方法によれば低コスト、且つ生産効率良く製造できるようになった。
以下、本発明を詳細に説明とする。
本発明で得られるポリアミド短繊維は、ポリアミドおよびポリアルキレンエーテル系化合物と、ブロックポリエーテルアミド化合物あるいはブロックポリエステルアミド化合物とを含有するポリアミド組成物で構成され、捲縮数が8山〜22山/25mm、捲縮率が10〜25%を特徴としたポリアミド短繊維である。
前記のポリアミドとしては、1−カプロラクタム、ω−ラウリンラクタム等のラクタム類、ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のω−アミノ酸類ならびにヘキサメチレンジアミ、ノナメチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キシレンジアミン等の脂肪族、脂環族および芳香族ジカルボン酸との組合せから合成されるホモポリアミドまたは共重合ポリアミドであり、より好ましくはナイロン66、ナイロン6である。
また、前記のポリアルキレンエーテル系化合物としては、次のような物が挙げられる。
主鎖両末端が水酸基であるポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体など)、あるいは末端水酸基の一部または全部を反応性化合物で封鎖されたポリアルキレングリコール誘導体(例えば、脂肪酸エステル封鎖ポリエチレングリコール、トリアジン封鎖ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールリン酸エステル塩、アミンエチレンオキシド付加物リン酸エステル塩、アルキルシラン封鎖ポリエチレングリコール、シリコン化合物封鎖ポリエチレングリコール、シアノエチル封鎖ポリエチレングリコールなと)、あるいは反応可能な活性水素原子を有する化合物のアルキレンオキシド付加物(例えば、高級アルコールエチレンオキシド付加物、フェノール類エチレンオキシド付加物、フェニルグリシジルエーテルエチレンオキシド付加物、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ラクタムエチレンオキシド付加物、アルキルアミドエチレンオキシド付加物など)、あるいはその他スルホン基含有ポリエチレンオキシド等をいうが、これに限定されるものではなく、ポリアルキレンエーテル成分を主として含有する化合物が挙げられる。この場合、ポリアルキレンエーテル系化合物の分子量は1000以上とすることが、光沢、風合、制電性などの改質効果を高めるために好ましい。また、オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基あるいは両者の混合物などが好ましい。
このようなポリアルキレンエーテル系化合物の含有量は、ポリアミドに対して0.5〜20質量%とすることが、本発明の目的を達成する上で好ましい。上記ポリアルキレンエーテル系化合物の配合法は特に限定しない。ポリアミドの重合時に添加してもよいし、紡糸前ペレットへのブレンド等により行えばよい。
ポリアルキレンエーテル系化合物を含有するポリアミドは、その後、繊維化すると、ポリアミド中にポリアルキレンエーテル系化合物が微小分散してなる繊維が得られる。この繊維を、あるいはさらに布帛等の製品とした後に、水洗処理することによってポリアルキレンエーテル系化合物の一部分が溶け出し、繊維中に光の波長レベルの長さの微小空洞が生成され、その結果、絹様の光沢が発現される。
ブロックポリエーテルアミド化合物やブロックポリエステルアミド化合物(以下、アミド系化合物と総称する)は、前述のポリアルキレンエーテル系化合物のポリアミド中における分散性を向上させ、分散性不良による溶融紡糸性や製糸性の悪化を防ぐために、また、制電性を付与するために必要である。
このブロックポリエーテルアミド化合物は、実質的にポリエーテルセグメントとポリアミドセグメントとが、ポリマ主鎖中でブロック状に結合しているブロック共重合体であり、例えば、少なくとも一つの末端がアミノ基もしくはカルボキシル基に変性されたポリアルキレンエーテルとポリアミド形成性モノマあるいは比較的低分子量のポリアミドとの化学反応により得られるブロック共重合体が挙げられる。
そのポリアミド形成性モノマとしては、重合によって容易にブロックポリエーテルアミドを形成し得る物が好ましく、例えば、εカプロラクタム、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート、ヘキサメチレンイソフタレート等が挙げられ、それらの2種以上を併用し共重合ポリアミドとしてもよい。
ポリアルキレンエーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドの単独重合体あるいはそれらの相互間の共重合体が挙げられる。例えば、両末端にアミン基を有するポリエチレンオキシドと脂肪族あるいは芳香族のジカルボン酸とからなる塩の存在下で、εカプロラクタムを溶融重合せしめることが有利である。このブロックポリエーテルアミド化合物中にはそれぞれ単独のポリアルキレンエーテルあるいはポリアミドが少量含まれていてもよい。
また、ブロックポリエステルアミド化合物は、実質的にポリエステルセグメントとポリアミドセグメントとが、ポリマ主鎖中でブロック状に結合しているブロック共重合体であり、上記ブロックポリエーテルアミド化合物に準じて得ることができる。
これらアミド系化合物中におけるポリアルキレンエーテル部分あるいはポリアルキレンエステル部分の割合は、15〜85質量%が好ましい。この割合が少な過ぎても多過ぎても、本発明の目的とする効果を十分に達成することが困難である。
これらアミド系化合物の配合率は、ポリアルキレンエーテル系化合物とポリアミドの合計に対し0.1〜20質量%、さらに、0.5〜10質量%が好ましい。
その配合の方法としては、重合後、ペレット化したアミド系化合物と、ポリアルキレンエーテル系化合物を予め配合し含有せしめたポリアミドベレットとを溶融紡糸前に混合する方法が挙げられる。
また、本発明で用いるポリアミド組成物には、粘度安定剤、耐熱剤、耐光剤、つや消し剤等の添加物が含まれていてもよい。
これらのポリアルキレンエーテル系化合物とアミド系化合物とを有するポリアミド組成物(以下、改質ポリアミドと称する)は次のようにして溶融紡糸され、繊維化される。
次に、前記した改質ポリアミドから本発明のポリアミド繊維を製造する方法について説明する。
前記した方法で製造した改質ポリアミドを溶融紡糸に供する。この改質ポリアミドは、一旦固化されたチップ状ポリアミドをエクストルーダーやプレッシャメルタ方式等の紡糸機で再溶融させて供するものであってもよいし、また、重合後直接に紡糸に供するものであってもよい。
その溶融ポリアミドは、紡糸口金を介して吐出され繊維状とされる。紡糸口金から吐出された繊維状物は、通常の方法で冷却固化された後に引取られる。その引取り方法としてはドラムに巻取る方法、缶に収納する方法等がある。また、その引取り速度は特に限定されない。300m/分程度の低速で引取ってもよいし、2500m/分程度以上、さらには、5000m/分以上のような高速で引取ってもよい。
引取られたトウは、通常、延伸後の総繊度が10〜100ktexになるようにその複数本を引揃えた後に延伸される。その延伸方法は、通常、周速の異なるローラー間でトウを延伸する方法が採られる。その延伸の際には、蒸気や熱水で加熱して延伸性を向上させる方法を用いてもよい。
その後、トウは、紡績性向上等のために、通常、押し込み型捲縮付与装置により捲縮を付与される。捲縮付与装置前でトウ温度をコントロールすることが重要であり、捲縮付与装置前のトウ温度条件としては50〜100℃、好ましくは60〜90℃とする。捲縮付与装置前のトウ温度条件が50℃以下であると、捲縮付与性が著しく悪化し、所望の捲縮特性が得ることができず、逆に100℃以上であると繊維同士の融着が発生し、原綿品位に影響を及ぼす原因となり、好ましくない。
また本発明のポリアミド繊維の捲縮特性は上記のような捲縮付与時の温度条件を採用すれば、ニップ圧及びスタッフィング圧を適宜設定することにより、前述の範囲内での調整が可能である。
捲縮数に関しては、8山〜22山/25mmであり、好ましくは14〜20山/25mmである。8山/25mm未満であると、繊維間の交絡が弱いため、紡績加工時におけるカード工程でシリンダー巻付やフライが多発し、スライバー品質と工程通過性が悪化する原因となり、逆に22山/25mm以上であると開繊されにくいため、紡績加工時におけるカード工程でネップが発生し、スライバー品質と工程通過性が悪化する原因となり、好ましくない。
また、捲縮率に関しては、10〜25%であり、好ましくは12%〜20%である。10%未満であると、繊維間の交絡が弱いため、紡績加工時におけるカード工程でシリンダー巻付やフライが多発し、スライバー品質と工程通過性が悪化する原因となり、逆に25%以上であると開繊されにくいため、紡績加工時におけるカード工程でネップが発生し、スライバー品質と工程通過性が悪化する原因となり、好ましくない。
また、上記範囲内の捲縮数・捲縮率を満たすことができれば、該ポリアミド短繊維100%での紡績、または他素材との混紡を容易に行うことができる。
本発明のポリアミド短繊維を製造するにあたって、上記製造工程の任意の段階で、給油処理を施すが、この給油処理の油剤液は界面活性剤を含む水エマルジョン液であることが好ましい。油剤液濃度は0.5〜10質量%程度、界面活性剤の含有量は0.5〜10質量%程度であればよい。
界面活性剤を含む油剤液のトウへの付与は、浸漬法、噴霧法(スプレー法あるいはシャワー法)により行えばよい。その付与工程は、トウの延伸前、延伸後、定長下での熱処理後、捲縮付与後、乾燥後のいずれであってもよく、これらの工程のうちの一箇所あるいは複数箇所にて実施すればよい。特にトウの延伸前に浸漬法にて付与することが好ましい。
繊維表面に付与する界面活性剤としては、高級脂肪酸のカルボン酸塩、高級アルコールや高級アルキルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、パラフィンスルフォン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤やペタイン型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤などの両性界面活性剤、ポリエチレングリコール型、多加アルコール型などの非イオン系界面活性剤等が使用される。この界面活性剤は必要に応じて2種以上混合して使用してもよい。また、上記成分にカチオン系界面活性剤を少量成分として併用してもよい。
ポリアミド単繊維の断面形状は特に限定するものではなく、丸断面の他、三角断面、四角断面等の多角形断面、偏平断面、中空断面等であってもよい。
また本発明のポリアミド短繊維の繊度、フィラメント数、切断長も、通常、衣料用紡績糸に用いられる範囲内の設定でよく、特に限定されない。用途に応じて適した範囲を選択すればよい。
切断長としては、20mm〜120mmであることが好ましく、より好ましくは38mm〜105mmである。切断長が20mm未満であると、繊維間の絡合性が悪くなり、紡績加工が困難であり、120mmを越えると、開繊性や、工程通過性が悪くなり、好ましくない。
所定の繊維長に切断されたポリアミド短繊維は、常法により、紡績糸へ加工する。この際、衣料用紡績糸として用いられる範囲内であれば、他素材との混紡を行ってもよいし、該ポリアミド短繊維のみで行ってもよい。その後、得られた紡績糸を用いて、織物、編物の形態で用途に応じた布帛製品とすればよい。
この布帛製品を水洗処理行うことで、ポリアルキルエーテル系化合物一部を溶出し、繊維中に光の波長レベルの長さの微小空洞が生成され、その結果、絹のような光沢が発現する。また、絹のような光沢を発現させる水洗処理は、布帛にした後に行ってもよいし、切断後のポリアミド短繊維の段階や紡績糸にした段階で行ってもよく、水洗処理を行うタイミングを規定しない。得られた布帛は、絹のような光沢を発現し、ニットやアウター等の衣料用途に好ましく用いることが出来る。
次に、本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明する。
なお、以下における特性値等は次の方法により測定した。
(1)ポリアミドの25℃における98%硫酸相対粘度(ηr):オストワルド粘度計を用いて、0.01g/mLの98%硫酸溶液/25℃の相対粘度を測定した。
(2)単繊維繊度:JIS L 1015−8−5−1A(2010年改正版)の方法に準じた。
(3)単繊維の捲縮数、捲縮率:JIS L 1015−8−12−1,2(2010年改正版)の方法に準じた。
(4)繊維長:JIS L 1015−8−4−1(2010年改正版)の方法に準じた。
(5)付着油分量:JIS L 1015−8−22(2)(2010年改正版)の方法に準じて抽出分(質量%)を求める。次に、この抽出分を分解してケルダール窒素定量法によりポリアミドポリマーのモノマ、オリゴマー相当量(以下MO量、質量%)を求める。そして、下記式によりトウ付着油分量を算出する。
トウ付着油分量(質量%)=抽出分−MO量
ただし、抽出分の分解には分解剤として硫酸ナトリウム:硫酸カリウム:硫酸銅=1:2:1(質量比)の混合物を使用し、濃硫酸を加えて加熱分解する。
(6)油剤有効成分濃度:油剤約10gをコニカルビーカーにとり90〜98℃の乾燥機中で十分に蒸発乾固させた。その蒸発乾固前の油剤質量(W2)、その蒸発乾固後の油剤質量(W3)をそれぞれ測定し、次式にて算出する。
油剤有効成分濃度(質量%)=(W3/W2)×100
(7)紡績加工性:紡績加工時の工程通過性(加工時にローラー巻き付き等)の程度等から相対評価した。
◎:極めて良好
○:良好
×:不良
(8)紡績糸品質:紡績糸の糸ムラやネップ等の程度から相対評価した。
◎:極めて良好
○:良好
×:不良
(9)光沢度:布帛製品の光沢度を、目視による比較判定によって評価し、その結果を相対比較した。
◎:極めて良好
○:良好
×:不良
(10)生産効率:生産トラブル発生頻度、収率、単位時間あたりの生産量を比較判定によって評価し、その結果を相対比較した。
◎:極めて良好
○:良好
×:不良
(11)総合評価:紡績加工性、紡績糸品質、光沢度、生産効率の結果を元に、下記の判断基準に従って、評価した。
◎:極めて良好 (全てが◎か◎が3つと○が1つ)
○:良好 (◎が3つ未満で他全てが○)
△:やや不良 (1項目でも×がある場合)
×:不良 (1項目以上×がある場合)
[実施例1]
数平均分子量4000のポリエーテルグリコールの両末端基をアミノ化してなるジアミンと等量のアジピン酸とを反応させナイロン塩を合成した。このナイロン塩をεカプロラクタムに42質量%混合した後、定法に従って重合し、ペレット化して、ブロックポリエーテルアミド化合物のペレットを得た。
一方ラウリルアルコールにエチレンオキシドを付加反応させた分子量6500のポリアルキルエーテルをヘキサメチレンアジパド(ナイロン66塩)88質量%水溶液に3質量%配合した後、定法に従って重合し、ペレット化して98%硫酸相対粘度が2.6の変性ナイロン66チップ(ポリアルキルエーテル系化合物3.0質量%含有)を得た。
この変性ナイロン66に前記ブロックポリエーテルアミドペレットを1.0質量%混合し(これを、原料改質N66ポリマという)、その後エクストルーダーに供給した。これを、290℃に加熱した紡糸口金から、繊維状に溶融吐出し、冷却固化後、1300m/分で引取り、未延伸サブトウとした。延伸後の総繊度が約75ktexになるように複数本、未延伸サブトウを引揃え、未延伸トウとした。
この未延伸トウを、油剤浴中を通過させゴム製ニップローラで挟んで付着量を制御した後、水蒸気中にて3.0倍に延伸した。その油剤液は、次の濃度、組成からなる水エマルジョンであった。
油剤有効成分濃度:2.0質量%
油剤有効成分組成:
ポリエチレングリコール型 非界面活性剤 70質量部
高級アルコール系リン酸エステルカリウム塩 陰イオン界面活性剤 30質量部
その後、前記油剤中と同じ界面活性剤成分を付与し、温度条件が75℃に設定された押し込み型捲縮付与装置によって捲縮付与を行った。捲縮付与後は繊維長が38mmになるように切断した。
得られた原綿は常法に従って紡績加工し、得られた紡績糸を丸編みにして布帛とした。得られた布帛を50℃の温水中で30分間精錬した後、常法通り酸性染料で染色し、その染色した布帛の特性(光沢)を測定した。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は良好であり、染色後は優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[実施例2]
捲縮付与時にニップ圧、スタッフィング圧を調整して、捲縮数を22山/25mm、捲縮率を25%とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド繊維及び布帛を作製した。得られた結果を表1に示す。実施例1同様に、得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は良好であり、染色後は優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[実施例3]
捲縮付与時にニップ圧、スタッフィング圧を調整して、捲縮数を8山/25mm、捲縮率を10%とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド繊維及び布帛を作製した。得られた結果を表1に示す。実施例1同様に、得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は良好であり、染色後は優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[実施例4]
実施例1で得られたポリアミド短繊維を50質量%と繊度2dtex、捲縮数14山/25mm、捲縮率10%、繊維長38mmのポリアクリルニトリル短繊維を50質量%とで、混紡し、混紡糸を得た。この紡績方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。得られた混紡糸を用いて、実施例1同様に布帛を作製し、精錬後、染色を行い、布帛の特性を評価した。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は良好であり、染色後は優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。しかし、光沢度は実施例1〜3に比べて、若干劣位であった。
[実施例5]
実施例1で用いた原料改質N66ポリマをエクストルーダーに供給し、290℃に加熱した紡糸口金から、繊維状に溶融吐出、冷却固化後、4500m/分で引取り、連続してストレッチをかけることなく、100dtexのナイロン長繊維を得た。これを、最終的な総繊度が約75ktexになるように合糸し、延伸トウとした。
この延伸トウに実施例1同様の油剤液を付与し、温度条件が75℃に設定された押し込み型捲縮付与装置によって捲縮付与を行った。捲縮付与後は繊維長が38mmになるように切断した。
その後、得られた原綿は実施例1と同様に紡績加工、布帛化し、精錬後に染色を行った。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は良好であり、染色後は優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。しかし、紡糸時の繊度が小さいので、安定的に捲縮付与を行うためには、長時間の作業が必要となる合糸作業を要し、実施例1〜4の方が生産効率の点では優れており、その結果、製造コストの点でも実施例1〜4の方法が優れていた。
[実施例6]
分子量約10000のポリエチレングリコールを、ε−カプロラクタム濃縮液に3wt添加し、常法に従って重合し、ペレット化して、98%硫酸相対粘度が2.6の変性ナイロン6チップ(ポリアルキルエーテル系化合物3.0質量%含有)を得た。
実施例1で得たブロックポリエーテルアミド化合物のペレットを用いて、常法に従って、重合し、ペレット化して、ブロックポリエステルアミド化合物のチップを得た。
この変性ナイロン66に前記ブロックポリエーテルアミドペレットを1.0質量%混合し(これを、原料改質N6ポリマという)、その後エクストルーダーに供給した。これを、265℃に加熱した紡糸口金から、繊維状に溶融吐出し、冷却固化後、1300m/分で引取り、未延伸サブトウとした。最終的な総繊度が約75ktexになるように複数本、未延伸サブトウを引揃え、未延伸トウとした。
その後、この未延伸トウを、油剤浴中を通過させゴム製ニップローラで挟んで付着量を制御した後、水蒸気中にて2.9倍に延伸した。その油剤液は、次の濃度、組成からなる水エマルジョンであった。
油剤有効成分濃度:2.0質量%
油剤有効成分組成:
ポリエチレングリコール型 非界面活性剤 70質量部
高級アルコール系リン酸エステルカリウム塩 陰イオン界面活性剤 30質量部
その後、前記油剤中と同じ界面活性剤成分を付与し、温度条件が65℃に設定された押し込み型捲縮付与装置によって捲縮付与を行った。捲縮付与後は繊維長が38mmになるように切断した。
得られた原綿は常法に従って紡績加工し、得られた紡績糸を丸編みにして布帛とした。得られた布帛を50℃の温水中で30分間精錬した後、常法通り酸性染料で染色し、その染色した布帛の特性(光沢)を測定した。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は良好であり、染色後は実施例1〜3同様に優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[比較例1]
捲縮付与時にニップ圧、スタッフィング圧を調整して、捲縮数を6山/25mm、捲縮率を14%とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド繊維及び布帛を作製した。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は不良であったが、優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[比較例2]
捲縮付与時にニップ圧、スタッフィング圧を調整して、捲縮数を25山/25mm、捲縮率を20%とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド繊維及び布帛を作製した。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は不良であったが、優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[比較例3]
捲縮付与時にニップ圧、スタッフィング圧を調整して、捲縮数を20山/25mm、捲縮率を26%とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド繊維及び布帛を作製した。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は不良であったが、優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[比較例4]
捲縮付与時にニップ圧、スタッフィング圧を調整して、捲縮数を10山/25mm、捲縮率を9%とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド繊維及び布帛を作製した。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は不良であったが、優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができた。
[比較例5]
ヘキサメチレンアジパド(ナイロン66塩)のみからなり、98%硫酸相対粘度が2.6であるN66ベースポリマチップを原料に用いた以外は実施例1と同様にして、ポリアミド繊維及び布帛を作製した。得られた結果を表1に示す。得られた原綿の紡績加工性、紡績糸品位は良好であったが、優れた絹様光沢をもった布帛を得ることができなかった。
Figure 2018053377

Claims (4)

  1. ポリアミドおよびポリアルキレンエーテル系化合物と、ブロックエーテルアミド化合物あるいはブロックポリエステルアミド化合物とを有するポリアミド組成物から構成される短繊維で、捲縮数が8山〜22山/25mm、捲縮率が10〜25%であることを特徴とするポリアミド短繊維。
  2. 上記ポリアミド組成物を溶融吐出し、冷却固化した後に、給油処理にて界面活性剤を含有した油剤液を付与し、延伸、捲縮付与を行った後に、切断し、請求項1記載のポリアミド短繊維を製造することを特徴とするポリアミド短繊維の製造方法。
  3. 請求項1に記載のポリアミド短繊維からなる紡績糸。
  4. 請求項3に記載の紡績糸を含む布帛。
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