JP3265217B2 - 帯鋸刃 - Google Patents

帯鋸刃

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JP3265217B2
JP3265217B2 JP05654597A JP5654597A JP3265217B2 JP 3265217 B2 JP3265217 B2 JP 3265217B2 JP 05654597 A JP05654597 A JP 05654597A JP 5654597 A JP5654597 A JP 5654597A JP 3265217 B2 JP3265217 B2 JP 3265217B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、帯鋸刃に係り、
更に詳細には、被切断材の切断時における切曲り、およ
び騒音を抑制し得る帯鋸刃に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、帯鋸刃において、典型的なものと
しては、帯幅一定で、左右の各アサリ歯における左右の
アサリ振出量一定の帯鋸刃がある。このような一般的な
帯鋸刃においては、例えば加工硬化を生じ易い難削材の
切断時には、切削が困難になることが多い。そこで、難
削材に対応すべく、また材料の切削時における騒音を抑
制すべく、帯鋸刃における鋸歯の高低差、アサリ振出量
およびピッチを変えるなど、種々の帯鋸刃が開発されて
いる。
【0003】例えば、米国特許4195543号に示さ
れているように、帯幅一定で帯幅方向に波形状を備えた
帯鋸刃や、他の例として、米国特許4557172号
(対応特公昭61−50735号)に示されているよう
に歯高に高低差を設けた帯鋸刃や、米国特許47277
88号(対応特公平7−24973号)および米国特許
4813324号(対応特公平7−41467号)に示
されているように、歯高に高低差を設けて、歯高の低い
歯ほどアサリ幅を大きく設けてなる帯鋸刃が知られてい
る。更に、米国特許5094135号(対応特開平2−
279209)に示されているように、鋸刃背面が直線
的で鋸刃の歯先が仮想曲線上に一致するようなウェーブ
形状を備えた帯鋸刃等も開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の帯鋸刃では、例えば、難削材である小径材の切断に
おいては、帯鋸刃の歯先に用いられている歯材が同一と
すると、前述した米国特許4195543号、4813
324号、5094135号の帯鋸刃であっても切断で
きる累計切断面積に大きな差は見られない。しかし、大
径材の切断においては、それぞれの帯鋸刃で顕著な差が
現れてくるのが一般的である。
【0005】その難削材である大径材に関して、従来の
改良を加えた帯鋸刃で切断を行った場合に切断できる切
断面積と、小径材を切断できる切断面積と比較すると、
大径材を切断できる切断面積が著しく少ないというのが
現状である。
【0006】また、前記米国特許4195543号に記
載の帯鋸刃では、鋸刃背面と歯先は波形状ではあるが、
切屑は細分化されない。前記米国特許4813324号
に記載の帯鋸刃では、切屑は細分化されるが、波形状で
ないため切削長は短くならない。更に、前記米国特許5
094135号に記載の帯鋸刃では、切屑の細分化が行
われ得るが、歯先側にのみ仮想曲線に一致する波形状を
備えた構成であるから、切削長を短くする効果は小さ
く、不十分であるという問題があった。
【0007】この発明の目的は、難削材の切断におい
て、切断できる切断面積を、小径材と大径材で差異を少
なくすると共に、切削抵抗を低減して、切曲りおよび騒
音の抑制を図った帯鋸刃を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述のごとき問
題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、周
期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背面を備え、
上記鋸刃背面の反対側に、鋸刃背面の上記波の周期とは
相関性または同期性を持たずかつ鋸刃背面の前記波の周
期よりも大きな周期で互いに並行して設けた複数の仮想
曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備え、前記鋸
刃背面に最も遠い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群
は、適数の直歯または複数の左右アサリ歯又は適数の直
歯と複数の左右アサリ歯で構成してあり、その他の仮想
曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複数の左右アサリ歯
で構成してあって、前記鋸刃背面に近い仮想曲線に歯先
端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅を大きくし、帯鋸盤
による被切断材の切削時に揺動、振動切削及び切り屑の
細分化が同時に行われる構成としたものである
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の例
を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】図1を参照するに、図1には第1の参考
が示されていて、帯鋸刃1は胴部3の鋸刃背面5の反対
側に多数の鋸歯を備えてなるものである。より詳細に
は、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する波状の
鋸刃背面5を備え、鋸刃背面5の反対側には、図1より
明らかなように、鋸刃背面5に形成した前記波とほぼ同
周期で上記波に並行する第1の仮想曲線L1に歯先端が
ほぼ一致する複数の鋸歯2S,6L,8Rの群を備えて
いると共に、第1の仮想曲線L1に並行する第2の仮想
曲線L2に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯4R,10
Lの群を備えている。
【0011】換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8R
の歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、波状の鋸刃背面5の
反対側に、鋸刃背面5の波に並行する第1の仮想曲線L
1が得られるものであり、また、各鋸歯4R,10Lの
歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、第1の仮想曲線L1に
並行する第2の仮想曲線L2が得られるものである。
【0012】前記第1の仮想曲線L1は外側に位置し、
第2の仮想曲線L2は鋸刃背面5に近い内側に位置する
ので、第1の仮想曲線L1に歯先端が一致する複数の鋸
歯群2S,6L,8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2
の仮想曲線L2に歯先端が一致する複数の鋸歯群4R,
10Lは歯高の低い鋸歯群である。
【0013】なお、仮想曲線はL1,L2の2本を採用
したが、例えば、図示を省略したが歯高の高さが中間の
鋸歯を設けた場合には、仮想曲線は3本となる。すなわ
ち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合
には、仮想曲線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に応じ
た複数本となるものである。
【0014】前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右の
アサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸刃4R,8R
は右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,1
0Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図
1より明らかなように、第1の仮想曲線L1に歯先端が
一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅A
1よりも、第2の仮想曲線L2に歯先端が一致する左右
のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が大
きく設けてある。
【0015】すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群にお
いて、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の
低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言
い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想曲線L2に歯先端が
一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものであ
る。
【0016】具体的には、鋸刃背面5の波または複数の
仮想曲線L1,L2の振幅が0.1〜3.0mmで、仮
想曲線L1と仮想曲線L2との間の距離は0.05mm
以上であることが好ましい。なお、図1においては、仮
想曲線L1,L2と複数の鋸歯群との間に規則的な関連
性を設けていないが、例えば、仮想曲線の頂部に直歯2
Sが一致するような規則的な関連性を設けても良いもの
である。また、前述したごとくアサリの振出しを左右に
行なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとした
が、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても
良いものである。
【0017】上記構成により、帯鋸刃1によって大径材
である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規
則に変化する波状の鋸刃背面5が帯鋸刃1のバックアッ
プガイドに沿って揺動するために、大径材であっても切
削長が短くなる。更に、鋸刃背面5に近い仮想曲線L2
に歯先端がほぼ一致する歯群4R,10Lほどアサリ幅
A2が広くなるように構成してあるので、切り屑の細分
化が行なわれることになるものである。
【0018】すなわち、難削材である大径材であって
も、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切
り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減
され、騒音が抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削
することができるものである。
【0019】次に、上述した帯鋸刃1にて切削した試験
結果の一例を下記に示す。
【0020】図2を参照するに、難削材であるSUS3
04の直径100mmの中実材を被切断材として試験を
行なった。なお、この試験に用いられた帯鋸刃は、帯鋸
刃Aは、帯幅一定で波形状なし、また鋸歯の先端の高低
差がなく、かつ左右のアサリ幅が一定の一般的な従来の
帯鋸刃、帯鋸刃Bは米国特許4195543号に示され
ている帯鋸刃と同構成の帯鋸刃、帯鋸刃Cは米国特許4
813324号に示されている帯鋸刃と同構成の帯鋸
刃、帯鋸刃Dは米国特許5094135号に示されてい
る帯鋸刃と同構成の帯鋸刃、帯鋸刃Eは図1に示された
構成と同一構成の帯鋸刃である。また、この試験におい
ては、帯鋸盤、鋸歯の歯材、鋸歯の歯材硬度、切断速
度、切削率、切削油等の試験環境および試験条件は出来
る限り統一して行なった。
【0021】その結果は、図2に示されているように、
5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eによって切断できた
被切断材の切削断面積を棒グラフで示すごとく、5種類
の帯鋸刃のいずれにも大差がないことが言える。この理
由としては、被切断材が直径100mmの比較的小径材
であったために、切削抵抗が比較的小さく、切削抵抗を
小さくする目的で作られた帯鋸刃B,C,D,Eの特徴
が現れ難かったものと考えられる。
【0022】次に、図3を参照するに、この実験結果
は、難削材であるSUS304の直径400mmの中実
材を被切断材として試験を行なった。この試験に用いら
れた帯鋸刃、試験環境および試験条件等は図2に示した
試験のときと同様である。結果は図3に示されているよ
うに、5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eによって切断
できた被切断材の断面積を棒グラフで示す。この結果か
ら判るように5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eで顕著
な差が見られる。特に帯鋸刃Eは従来の帯鋸刃Aに比べ
て4倍以上も良好であり、予測を超えたものとも云える
結果が得られた。
【0023】次に、図4には前述した図2と図3の結果
を一覧表にして、5種類の帯鋸刃A,B,C,D,Eに
関して、比較的大径材である直径400mmと比較的小
径材である直径100mmの被切断材を切断できた断面
積の割合を表したものである。
【0024】図4から判るように帯鋸刃Eは小径材を切
断できた断面積の74.2%に達しており、従来の帯鋸
刃Aの場合の17.2%に比べて飛躍的に向上してお
り、2番目に良好であった帯鋸刃Dの場合の56.5%
に比べてもかなり改善されていることが判る。
【0025】上記効果を考察するに、鋸刃Eの構成は、
鋸刃背面5に波状のうねりを備えた構成であるから、被
切断材の切削時に、帯鋸盤における左右の鋸刃ガイドの
バックアップガイドに鋸刃背面5が案内されるとき帯鋸
刃1に左右の鋸刃ガイド巾と鋸刃背面の波状のうねりと
の関係で決定される揺動が生じることになり、被切断材
が大径材であっても切削長が短くなる効果がある。また
鋸歯側にも波状のうねりを備えた構成であるから、被切
断材に切込みを行うとき、振動切削的効果を生じている
ものと考えられる。さらに、歯高の低い鋸歯のアサリ幅
を大きく形成してあるので、切り屑の細分化が行われ
て、各鋸歯に生じる負荷が軽減される。以上のような効
果が同時に生じる相乗効果によって、直径の大きな被切
断材に対しても比較的大きな切込みが行われることとな
り、加工硬化層を擦ることなく、加工硬化層以上の深い
切込みが行われて切削が行われるものと推考される。
【0026】すなわち、帯鋸刃1の鋸刃背面5及び鋸歯
側の両方に波状のうねりを形成すると共に歯高の低い鋸
刃のアサリ幅を大きくしたことによる3要素の相乗効果
によって、前述のごとき良好な切削が行われ、特異の効
果を奏するものである。
【0027】ところで、帯鋸刃1の鋸刃背面5に波状の
うねりを形成したことにより帯鋸刃1の揺動を効果的に
行うには、左右の鋸刃ガイドのバックアップガイドの間
隔をWとし、鋸刃背面5の波状のうねりの周期をPとす
ると、W=np/2(nは正の奇数)の関係にすると、
より効果的である。
【0028】次に、図5を参照するに、この発明の第2
参考例を示す。
【0029】帯鋸刃1は、胴部3の鋸刃背面5の反対側
に多数の鋸歯を備えてなるものである。より詳細には、
帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃
背面5を備え、鋸刃背面5の反対側に並行する第1の仮
想直線L3に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,6
L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想直線L3
に並行する第2の仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する
複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。換言すれ
ば、前記各鋸歯2S,6L,8Rの歯先端を直線で結ぶ
と、第1の仮想直線L3が得られるものであり、また、
各鋸歯4R,10Lの歯先端を直線で結ぶと、第1の仮
想直線L3に並行する第2の仮想直線L4が得られるも
のである。
【0030】前記第1の仮想直線L3は外側に位置し、
第2の仮想直線L4は内側に位置するので、第1の仮想
直線L3に歯先端が一致する複数の鋸歯群2S,6L,
8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2の仮想直線L4に
歯先端が一致する複数の鋸歯群4R,10Lは歯高の低
い鋸歯群である。なお、本参考例では、仮想直線L3,
L4は2本であるが、例えば歯高の高さが中間の鋸歯を
設けた場合には、仮想直線は3本になるものである。す
なわち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する
場合には、仮想直線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に
応じた複数本となるものである。
【0031】前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右の
アサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8R
は右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,1
0Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図
5より明らかなように、第1の仮想直線L3に歯先端が
一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅A
1よりも、第2の仮想直線L4に歯先端が一致する左右
のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が大
きく設けてある。
【0032】すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群にお
いて、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の
低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言
い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想直線L4に歯先端が
一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものであ
る。具体的には、鋸刃背面5の波の振幅が0.1〜3.
0mmで、仮想直線L3と仮想直線L4間の距離は0.
05mm以上であることが好ましい。
【0033】また、前述したアサリの振出しを左右に行
なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとした
が、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても
良いものである。
【0034】上記構成により、帯鋸刃1によって大径材
である被切断材の切削を行なうと、前述した第1の実施
の形態の例とほぼ同様に、帯鋸刃1の周期的あるいは不
規則に変化する波状の鋸刃背面5が帯鋸刃1のバックア
ップガイドに沿って揺動する。このため、大径材であっ
ても切削長が短くなり、更に、鋸刃背面5に近い仮想直
線L4に歯先端がほぼ一致する歯群4R,10Lほどア
サリ幅A2が広くなるよう構成してあるので切り屑の細
分化が行なわれることになるものである。
【0035】すなわち、難削材である大径材であって
も、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切
り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減
され、騒音が抑制されると共に切曲りを生じ難く切削す
ることができるものである。
【0036】次に、図6を参照するに、図6には第1の
実施の形態の例が示されていて、帯鋸刃1は胴部3の鋸
刃背面5の反対側に多数の鋸歯を備えてなるものであ
る。より詳細には、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に
変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面
5を備え、波5Aは小波であり、波5Bは大波となって
いて、波5Bのうねりに波5Aは沿って形成されてい
る。この波5Aに並行する第1の仮想曲線L5に歯先端
がほぼ一致する複数の鋸歯2S,6L,8Rの群を備え
てなると共に、第1の仮想曲線L5に並行する第2の仮
想曲線L6に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯4R,1
0Lの群を備えている。
【0037】換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8R
の歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、波5Aの鋸刃背面5
の反対側に並行する第1の仮想曲線L5が得られるもの
であり、また、各鋸歯4R,10Lの歯先端を滑らかな
曲線で結ぶと、第1の仮想曲線L5に並行する第2の仮
想曲線L6が得られるものである。
【0038】前記第1の仮想曲線L5は外側に位置し、
第2の仮想曲線L6は内側に位置するので、第1の仮想
曲線L5に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群2S,6
L,8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2の仮想曲線L
6に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群4R,10Lは
歯高の低い鋸歯群である。
【0039】なお、仮想曲線はL5,L6の2本を採用
したが、例えば、図示を省略したが歯高の高さが中間の
鋸歯を設けた場合には、仮想曲線は3本となる。すなわ
ち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合
には、仮想曲線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に応じ
た複数本となるものである。
【0040】前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右の
アサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8R
は右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,1
0Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図
6により明らかなように、第1の仮想曲線L5に歯先端
が一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ幅
A1よりも、第2の仮想曲線L6に歯先端が一致する左
右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2の方が
大きく設けてある。
【0041】すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群にお
いて、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の
低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言
い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想曲線L6に歯先端が
一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるものであ
る。
【0042】具体的には、鋸刃背面5の波5A,5Bま
たは複数の仮想曲線L5,L6の振幅が0.1〜3.0
mmで、仮想曲線L5と仮想曲線L6との間の距離は
0.05mm以上であることが好ましい。なお、図6に
おいては、仮想曲線L5,L6と複数の鋸歯群との間に
規則的な関連性を設けてないが、例えば、仮想曲線L5
の頂部に直歯2Sがほぼ一致するような規則的な関連性
を設けても良いものである。また、前述したごとくアサ
リの振出しを左右に行なった左右アサリ歯4R,6L,
8R,10Lとしたが、この左右アサリ歯の代りにバチ
型アサリ歯としても良いものである。
【0043】上記構成により、帯鋸刃1によって大径材
である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規
則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃
背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動す
るために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、
鋸刃背面5に近い仮想曲線L6に歯先端がほぼ一致する
歯群4R,10Lほどアサリ幅A2が大きくなるように
構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれることに
なるものである。
【0044】すなわち、難削材である大径材であって
も、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切
り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減
され、帯鋸刃1の共振による騒音の増大をより効果的に
抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することがで
きる。
【0045】次に、図7を参照するに、この発明の実施
の形態の例として第2の実施の形態の例が示されてい
て、帯鋸刃1は胴部3の鋸刃背面5の反対側に多数の鋸
歯を備えてなるものである。より詳細には、帯鋸刃1は
周期的あるいは不規則に変化する複数の波5A,5Bが
重なった形状の鋸刃背面5を備え、波5Aは小波であ
り、波5Bは大波となっていて、波5Bのうねりに波5
Aは沿って形成されている。この波5Bに並行する第1
の仮想曲線L1に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2
S,6L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想曲
線L1に並行する第2の仮想曲線L2に歯先端がほぼ一
致する複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。
【0046】換言すれば、前記各鋸歯2S,6L,8R
の歯先端を滑らかな曲線で結ぶと、波5Bの鋸刃背面5
の反対側に並行する第1の仮想曲線L1が得られるもの
であり、また、各鋸歯4R,10Lの歯先端を滑らかな
曲線で結ぶと、第1の仮想曲線L1に並行する第2の仮
想曲線L2が得られるものである。
【0047】前記第1の仮想曲線L1は外側に位置し、
第2の仮想曲線L2は内側に位置するので、第1の仮想
曲線L1に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群2S,6
L,8Rは歯高の高い鋸歯群で、第2の仮想曲線L2に
歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群4R,10Lは歯高
の低い鋸歯群である。
【0048】なお、仮想曲線はL1,L2の2本を採用
したが、例えば、図示を省略したが歯高の高さが中間の
鋸歯を設けた場合には、仮想曲線は3本となる。すなわ
ち、歯高の高さが種々異なる鋸歯群を複数具備する場合
には、仮想曲線の本数は種々の高さの鋸歯群の数に応じ
た複数本となるものである。
【0049】前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右の
アサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8R
は右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,1
0Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図
7より明らかなように、第1の仮想曲線L1に歯先端が
ほぼ一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ
幅A1よりも、第2の仮想曲線L2の歯先端がほぼ一致
する左右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2
の方が大きく設けてある。
【0050】すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群にお
いて、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の
低い鋸歯群のアサリ幅A2の方を大きく設けてある。言
い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想曲線L2に歯先端が
ほぼ一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあるもの
である。
【0051】具体的には、鋸刃背面5の波5A,5Bま
たは複数の仮想曲線L1,L2の振幅が0.1〜3.0
mmで、仮想曲線L1と仮想曲線L2との間の距離は
0.05mm以上であることが好ましい。なお、図7に
おいては、仮想曲線L1,L2と複数の鋸歯群との間に
規則的な関連性を設けてないが、例えば、仮想曲線L1
の頂部に直歯2Sがほぼ一致するような規則的な関連性
を設けても良いものである。また、前述したごとくアサ
リ振出しを左右に行なった左右アサリ歯4R,6L,8
R,10Lとしたが、この左右アサリ歯の代りにバチ型
アサリ歯としても良いものである。
【0052】上記構成により、帯鋸刃1によって大径材
である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規
則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃
背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動す
るために、大径材であっても切削長が短くなる。更に、
鋸刃背面5に近い仮想曲線L2に歯先端がほぼ一致する
歯群4R,10Lほどアサリ幅A2が大きくなるように
構成してあるので、切り屑の細分化が行なわれることに
なるものである。
【0053】すなわち、難削材である大径材であって
も、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切
り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減
され、帯鋸刃1の共振による騒音の増大をより効果的に
抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することがで
きる。
【0054】次に、図8を参照するに、この発明の第3
の参考例が示されていて、帯鋸刃1は胴部3の鋸刃背面
5の反対側に多数の鋸歯を備えてなるものである。より
詳細には、帯鋸刃1は周期的あるいは不規則に変化する
複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃背面5を備
え、波5Aは小波であり、波5Bは大波となっていて、
波5Bのうねりに波5Aは沿って形成されている。
【0055】前記鋸刃背面5の反対側に並行する第1の
仮想直線L3に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯2S,
6L,8Rの群を備えてなると共に、第1の仮想直線L
3に並行する第2の仮想直線L4に歯先端がほぼ一致す
る複数の鋸歯4R,10Lの群を備えている。換言すれ
ば、前記各鋸歯2S,6L,8Rの歯先端を直線で結ぶ
と、第1の仮想直線L3が得られるものであり、また、
各鋸歯4R,10Lの歯先端を直線で結ぶと、第1の仮
想直線L3に並行する第2の仮想直線L4が得られるも
のである。
【0056】前記第1の仮想直線L3は外側に位置し、
第2の仮想直線L4は内側に位置するので、第1の仮想
直線L3に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群2S,6
L,8Rは歯高の高い鋸歯群であり、第2の仮想直線L
4に歯先端がほぼ一致する複数の鋸歯群4R,10Lは
歯高の低い鋸歯群である。なお、本実施の形態の例で
は、仮想直線L3,L4は2本であるが、例えば歯高の
高さが中間の鋸歯を設けた場合には、仮想直線は3本に
なるものである。すなわち、歯高の高さが種々異なる鋸
歯群を複数具備する場合には、仮想直線の本数は種々の
高さと鋸歯群の数に応じた複数本となるものである。
【0057】前記帯鋸刃1において、鋸歯2Sは左右の
アサリ振出しを行なわない直歯であり、鋸歯4R,8R
は右アサリ振出しを行なった右アサリ歯、鋸歯6L,1
0Lは左アサリ振出しを行なった左アサリ歯である。図
8より明らかなように、第1の仮想直線L3に歯先端が
ほぼ一致する左右のアサリ歯6L,8Rの左右のアサリ
幅A1よりも、第2の仮想直線L4に歯先端がほぼ一致
する左右のアサリ歯4R,10Lの左右のアサリ幅A2
の方が大きく設けてある。
【0058】すなわち、歯高の異なる複数の鋸歯群にお
いて、歯高の高い鋸歯群のアサリ幅A1よりも、歯高の
低い鋸歯群のアサリ幅A2の方をより大きく設けてあ
る。言い換えれば、鋸刃背面5に近い仮想直線L4に歯
先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅を大きく設けてあ
るものである。具体的には、鋸刃背面5の波5A,5B
の振幅が0.1〜3.0mmで、仮想直線L3と仮想直
線L4間の距離は0.05mm以上であることが好まし
い。
【0059】また、前述したアサリの振出しを左右に行
なった左右アサリ歯4R,6L,8R,10Lとした
が、この左右アサリ歯の代りにバチ型アサリ歯としても
良いものである。
【0060】上記構成により、帯鋸刃1によって大径材
である被切断材の切削を行なうと、周期的あるいは不規
則に変化する複数の波5A,5Bが重なった形状の鋸刃
背面5が帯鋸刃1のバックアップガイドに沿って揺動す
るために、大径材であっても切削長が短くなる。更に鋸
刃背面5に近い仮想直線L4に歯先端がほぼ一致する歯
群4R,10Lほどアサリ幅A2が大きくなるように構
成してあるので、切り屑の細分化が行なわれることにな
るものである。
【0061】すなわち、難削材である大径材であって
も、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切
り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減
され、帯鋸刃1の共振による騒音の増大をより効果的に
抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削することがで
きる。
【0062】なお、この発明は前述した発明の実施の形
態の例に限定されることなく、適宜な変更を行なうこと
により、その他の態様で実施し得るものである。すなわ
ち、例えば鋸刃背面5の波形状と鋸歯側の波形状との位
相を適宜にずらしても良く、また、上記両方の波形状の
周期、振幅等を異にしても良いものである。
【0063】すなわち、図9に示すように、帯鋸刃1に
おいて、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃背
面5の反対側に、上記鋸刃背面5とは相関性または同期
性を持たずに、互いに並行して設けた複数の仮想曲線L
1,L2に歯先端がほぼ一致する複数の歯群2S,4
R,6L,8R,10Lを設けた構成としても良いもの
である。
【0064】図9に示した帯鋸刃1の構成は、波状の鋸
刃背面5と複数の仮想曲線L1,L2とが相関性または
同期性を持たず、かつ鋸刃背面5の波の周期よりも仮想
曲線L1,L2の周期を大きくしただけで、その他の構
成は前述した帯鋸刃の構成と同一であるから、より詳細
な説明は省略する。なお、上記においても前述した帯鋸
刃と同様の効果を奏し得るものである。
【0065】図10は第4の参考例を示し、帯鋸刃1に
おける鋸刃背面5を台形状の凹凸が繰り返す構成とな
し、かつ図5に示した左右のアサリ歯4R,6L,8
R,10Lの高低を逆にしたものであり、その他の構成
は前述した帯鋸刃と同様である。
【0066】すなわち、図10においては、帯鋸刃1に
おける鋸刃背面5の波形状は種々の形状が可能であるこ
とを例示するものである。既に理解されるように、鋸刃
背面5は波状すなわち凹部と凸部とが交互に繰り返され
る構成であれば良く、例えば、直線状の部分に三ケ月状
などのごとき凸部又は凹部を適宜間隔に設ける構成とす
ることも可能なものであり、このように構成することに
よっても前述とほぼ同様の効果を奏し得るものである。
【0067】図11は第5の参考例を示すものである。
この図11の構成においては、歯高寸法の大きな直歯4
Sの前後に歯高寸法の大きな左右のアサリ歯2L,6R
を配置し、その他の左右のアサリ歯8L,12Rの歯高
寸法を小さくし、その間に歯高寸法の小さな直歯10S
を配置した構成である。
【0068】すなわち図11の構成は、歯高寸法の大き
な直歯4S,歯高寸法の小さい直歯10Sの前後にそれ
ぞれ同一歯高寸法の左右のアサリ歯2L,6R,8L,
12Rを配置し、かつ左右の各アサリ歯の左右方向のア
サリ幅をほぼ等しく設けたものである。
【0069】この図11に示す構成においては、歯高寸
法の大きな鋸歯群2L,4S,6Rと歯高寸法の小さな
鋸歯群8L,10S,12Rとが交互に繰り返して配置
してあることにより、鋸歯側において全体として凹凸を
繰り返す態様となり、歯高寸法の大きな鋸歯群2L,4
S,6Rがワークの切削に比較的強く作用し、難削材の
切削においては加工硬化層の下を削り取ることとなり切
削性能向上が図られる。
【0070】この場合、鋸歯側が全体として凹凸を繰り
返すことと、背面が波状であることとが相俟って、加工
硬化層の下を削り取る効果と切削長を短くする効果とを
奏し、ワークが大径材の場合であっても小径材の切削時
とほぼ同様に切削し得るものであり、前述した帯鋸刃と
同様の効果を奏し得るものである。
【0071】なお、本例において鋸刃側を適宜の波状に
形成しても良いことは言うまでもないことである。この
場合には、前述した効果を奏することは勿論のこと振動
切削的効果をも奏し得るものである。
【0072】図12は歯高寸法の大きな直歯2Sと歯高
寸法の小さなバチ型アサリ歯4Bとを交互に配置し、か
つ仮想曲線L1,L2に沿う構成として帯鋸刃1の背面
5側および鋸歯側とを共に波状にした構成の帯鋸刃を示
すものである。この構成においても前述した帯鋸刃とほ
ぼ同様の効果を奏し得るものである。
【0073】また、上記構成においては、バチ型アサリ
歯としたことにより、切断面のユーレイ模様が非常に小
さくなり、切断面が綺麗であるという更なる効果があ
る。
【0074】図13は、直歯2Sのみを歯高寸法の大き
な鋸歯となし、左右のアサリ歯4R,6Lを歯高寸法の
小さな鋸歯とし、かつ仮想曲線L1,L2に沿う構成と
して帯鋸刃1の背面5および鋸歯側を共に波状に構成し
た帯鋸刃を示すものである。この構成においても前述し
た帯鋸刃と同様の効果を奏し得るものである。
【0075】以上のごとき説明より理解されるように、
本発明の帯鋸刃は、波状の鋸刃背面を備えてなり、か
つ、鋸歯の歯高が異なる態様であれば、基本的な効果と
してはほぼ同様であるものである。具体的に波状の鋸刃
背面とは、周期的あるいは不規則に変化する波状の鋸刃
背面としてもよく、周期的あるいは不規則に変化する複
数の波が重なった形状の鋸刃背面としてもよく、あるい
は、凹部と凸部とが交互に繰り返される形状の鋸刃背面
等としてもよく、更にはこれらを組み合わせた形状の鋸
刃背面としてもよいものである。また、具体的に鋸歯の
歯高が異なる態様とは、鋸刃背面に並行する複数の仮想
曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるも
のでもよく、鋸刃背面の反対側に鋸刃背面とは相関性ま
たは同期性を持たずに、互に並行して設けた複数の仮想
曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯群を備えてなるも
のでもよく、鋸歯に関しては、直歯、アサリ歯、バチ型
アサリ歯等を様々に組み合わせて実施可能なものであ
り、その他適宜変更、組合わせて実施可能なものであ
る。
【0076】
【発明の効果】以上のごとき実施の形態の例より理解さ
れるように、本発明に係る帯鋸刃によって被切断材の切
削を行なうと、周期的あるいは不規則に変化する波状の
鋸刃背面がバックアップガイドに沿って揺動するため
に、大径材であっても切削長が短くなる。更に、鋸刃背
面に近い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサ
リ幅が大きくなるように構成してあるので、切り屑の細
分化が行なわれるものである。
【0077】更に鋸刃背面と鋸歯側の両方にうねりを形
成した構成であるから、被切断材に切込みを行うとき、
振動切削的効果を生じるものであり、3要素の相乗効果
により、更なる効果が得られるものである。
【0078】すなわち、難削材である大径材であって
も、疑似的に小径材のごとく切削長が短くなり、更に切
り屑の細分化が行なわれることにより、切削抵抗が低減
され、騒音が抑制されると共に、切曲りを生じ難く切削
することができるものである。言い換えれば大径材であ
っても、小径材であっても、同程度の帯鋸刃寿命となる
ので、切断面積より帯鋸刃寿命予測が容易になり、従来
の帯鋸刃に比べて切断管理および切断計画が容易に実施
できるものである。また、大径材の切断に関しては、従
来の帯鋸刃より飛躍的に帯鋸刃寿命が向上しているの
で、従来よりも更に経済的な効果が得られるものであ
る。
【0079】さらに、本発明によれば、周期的あるいは
不規則に変化する波状の鋸刃背面を備え、鋸刃背面の反
対側に、鋸刃背面とは相関性または同期性を持たずに互
に並行して設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致す
る複数の歯群を備えてなるものであるから、鋸刃背面の
波と歯先側の波との同期性がなくなり、帯鋸刃の共振に
よる騒音の増大をより効果的に抑制することができる。
なお更に、切曲りを生じ難く切削することができるもの
である。
【0080】言い換えれば、大径材であっても、小径材
であっても、同程度の鋸刃寿命となるので、切断面積よ
り鋸刃寿命予測が容易になり、従来の帯鋸刃に比べて切
断管理および切断計画が容易に実施できるものである。
また、大径材の切断に関しては、従来の帯鋸刃より飛躍
的に帯鋸刃寿命が向上しているので、従来よりも更に経
済的な効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の参考例である帯鋸刃を示し、(a)
は正面図、(b)は底面図である。
【図2】実験結果を示し、各種帯鋸刃を用いて小径材を
切削時の切削断面積を表した棒グラフである。
【図3】実験結果を示し、各種帯鋸刃を用いて大径材を
切削時の切削断面積を表した棒グラフである。
【図4】実験結果を示し、各種帯鋸刃を用いて小径材と
大径材を切削時の切削断面積の割合を表した一覧表であ
る。
【図5】この発明の第2の参考例である帯鋸刃を示し、
(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図6】この発明の第の実施の形態の例である帯鋸刃
を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図7】この発明の第の実施の形態の例である帯鋸刃
を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図8】この発明の第3の参考例である帯鋸刃を示し、
(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図9】この発明の第の実施の形態の例である帯鋸刃
を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図10】この発明の第4の参考例である帯鋸刃を示
し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図11】この発明の第5の参考例である帯鋸刃を示
し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図12】この発明の第の実施の形態の例である帯鋸
刃を示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図13】この発明の第の実施の形態の例である帯鋸
刃を示し、(a)は正面図、 (b)は底面図である。
【符号の説明】
1 帯鋸刃 3 胴部 5 鋸刃背面 5A,5B 波 L1 第1の仮想曲線 L2 第2の仮想曲線 L3 第1の仮想直線 L4 第2の仮想直線 L5 第1の仮想曲線 L6 第2の仮想曲線 2S,4R,6L,8R,10L,2L,4S,6R,
8L,10S,12R,4B 鋸歯 A1,A2 アサリ幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23D 61/00 - 61/18 B27B 33/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的あるいは不規則に変化する波状の
    鋸刃背面を備え、上記鋸刃背面の反対側に、鋸刃背面の
    上記波の周期とは相関性または同期性を持たずかつ鋸刃
    背面の前記波の周期よりも大きな周期で互いに並行して
    設けた複数の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する複数の歯
    群を備え、前記鋸刃背面に最も遠い仮想曲線に歯先端が
    ほぼ一致する歯群は、適数の直歯または複数の左右アサ
    リ歯又は適数の直歯と複数の左右アサリ歯で構成してあ
    り、その他の仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群は複
    数の左右アサリ歯で構成してあって、前記鋸刃背面に近
    い仮想曲線に歯先端がほぼ一致する歯群ほどアサリ幅を
    大きくし、帯鋸盤による被切断材の切削時に揺動、振動
    切削及び切り屑の細分化が同時に行われる構成とした
    とを特徴とする帯鋸刃。
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