JP3252136B2 - 可視光型光触媒及びその製造方法 - Google Patents

可視光型光触媒及びその製造方法

Info

Publication number
JP3252136B2
JP3252136B2 JP2000113147A JP2000113147A JP3252136B2 JP 3252136 B2 JP3252136 B2 JP 3252136B2 JP 2000113147 A JP2000113147 A JP 2000113147A JP 2000113147 A JP2000113147 A JP 2000113147A JP 3252136 B2 JP3252136 B2 JP 3252136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
visible light
titanium dioxide
light
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000113147A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001212457A (ja
Inventor
愼一 杉原
Original Assignee
有限会社環境デバイス研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27565067&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3252136(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by 有限会社環境デバイス研究所 filed Critical 有限会社環境デバイス研究所
Priority to JP2000113147A priority Critical patent/JP3252136B2/ja
Publication of JP2001212457A publication Critical patent/JP2001212457A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252136B2 publication Critical patent/JP3252136B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】技術分野 本発明は、可視光活性を有する光触媒、この光触媒の製
造方法、この触媒を用いた可視光線を含む光を用いる光
分解方法及びこの光触媒を用いた装置に関する。
【0002】背景技術 光触媒を用いて脱臭や殺菌を行うことは種々検討され、
実用化されているものもある。例えば、WO94/11
092号には室内照明下における光触媒による空気処理
方法が開示されている。また特開平7−102678号
には、光触媒を用いた院内感染の防止方法が開示されて
いる。いずれの場合も、二酸化チタン等の酸化物半導体
を光触媒として用いるものであり、励起光として400
nm以下の紫外線が必要である。ところが、励起光源と
なる太陽光や人工光には、紫外線以外に可視光線も含ま
れている。しかし、上記二酸化チタン等の酸化物半導体
からなる光触媒では、可視光線は利用されておらず、エ
ネルギー変換効率という観点からは、非常に非効率的で
あった。二酸化チタンにクロム等の金属イオンをイオン
注入法により注入することにより可視光領域でも光触媒
活性が得られることは知られているが、方法が大がかり
であり、実用化にはほど遠い。ところで、二酸化チタン
にプラズマCVD法によりTiCコーティングをすることで、
紫外線による触媒活性を向上させることができることが
報告されている(特開平9-87857号公報)。しかし、TiCコ
ーティングによって可視光線による光触媒活性が得られ
るとは記載されていない。そこで本発明の第1の目的
は、可視光線も利用可能な新たな光触媒を提供すること
にある。さらに本発明の第2の目的は、上記新たな光触
媒の製造方法を提供することにある。さらに本発明の第
3の目的は、上記新たな光触媒を利用して有機物や細菌
を含む種々の物質を光分解して除去する方法を提供する
ことにある。さらに本発明の第4の目的は、上記新たな
光触媒を用いた装置を提供することにある。
【0003】発明の要約 本発明は、安定した酸素欠陥を有する酸化物半導体であ
ることを特徴とする可視光照射下で活性を有する触媒に
関する。酸化物半導体としては、二酸化チタンを初めと
して、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ス
トロンチウム、酸化チタン−酸化ジルコニウム複合酸化
物及び酸化珪素−酸化チタン複合酸化物等を挙げること
ができる。上記触媒としては、例えば、アナターゼ型二
酸化チタンであって安定した酸素欠陥を有することを特
徴とする可視光照射下で活性を有する触媒を挙げること
ができる。さらに本発明は、酸化物半導体を水素プラズ
マ処理または希ガス類元素プラズマ処理する方法であっ
て、処理系内への大気の侵入が実質的にない状態で上記
処理を行うことを特徴とする可視光型光触媒の製造方法
に関する。加えて、本発明は、酸化物半導体の表面の少
なくとも一部に、希ガス類元素イオンをイオン注入する
ことを特徴とする可視光型光触媒の製造方法に関する。
さらに本発明は、酸化物半導体を真空下、加熱すること
を特徴とする可視光照射下で活性を有する触媒の製造方
法に関する。特に、上記酸化物半導体はアナターゼ型二
酸化チタンであることができる。さらに本発明は、上記
本発明の製造方法で製造された可視光照射下で活性を有
する触媒に関し、処理される酸化物半導体としては、二
酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化チタン−酸化ジルコニウム複
合酸化物または酸化珪素−酸化チタン複合酸化物を挙げ
ることができる。また、本発明は、上記本発明の触媒を
基材表面に設けたことを特徴とする物品に関する。さら
に本発明は、上記本発明の触媒または上記本発明の物品
に、可視光を含む光照射下で、被分解物を含有する媒体
を接触させて、前記被分解物を分解させる、物質の光分
解方法に関する。さらに本発明は、上記本発明の触媒を
基材表面に設けた光触媒ユニットと、前記光触媒に可視
光を含む光を照射するための光源とからなる光分解装置
に関する。加えて、本発明は、太陽電池用電極及び水の
光分解用電極に関する。
【0004】
【0005】発明を実施するための形態 本発明の触媒は、安定した酸素欠陥を有する酸化物半導
体であることを特徴とする。さらに本発明の触媒は、可
視光照射下で活性を有する触媒である。上記酸化物半導
体としては、例えば、二酸化チタン、酸化ハフニウム、
酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタ
ン−酸化ジルコニウム複合酸化物または酸化珪素−酸化
チタン複合酸化物等を挙げることができるが、これらに
限定されない。酸化物半導体は、ルチル型二酸化チタン
またはアナターゼ型二酸化チタンであることができ、特
に、酸化物半導体は、アナターゼ型二酸化チタンである
ことが、実用性が高いという観点から好ましい。以下、
代表的な酸化物半導体であるアナターゼ型二酸化チタン
の場合について説明する。本発明の1つの態様である触
媒は、可視光照射下で活性を有する触媒アナターゼ型二
酸化チタンであって安定した酸素欠陥を有することを特
徴とする。また、本発明の触媒は、X線回折(XRD)
により得られる回折パターン中にアナターゼ型二酸化チ
タン以外のパターンを実質的に有さない二酸化チタンか
らなるものであることができる。本発明の触媒であるア
ナターゼ型二酸化チタンの酸素欠陥の程度は、X線光電
子分光法により得られるチタンの2p電子に帰属される
ピークの面積に対する、チタンと結合している酸素の1
s電子に帰属されるピークの面積の比(O1s/Ti2
p)により特定でき、例えば1.99以下である。より
好ましい面積比(O1s/Ti2p)は、1.5〜1.
95の範囲である。また、酸化物半導体の酸素欠陥の安
定性は、本発明の触媒が、例えば、酸素欠陥を有するア
ナターゼ型二酸化チタンである場合、大気中に放置して
も、例えば、上記面積比(O1s/Ti2p)が1週間
以上実質的に一定していることを意味する。二酸化チタ
ンを水素ガスにより還元すると、酸素欠陥が生じること
は知られているが、水素ガス還元により得られる酸素欠
損は極めて不安定で、空気中では、短時間に消失する。
一方、本発明の触媒が有する酸素欠陥は極めて安定であ
り、実験結果によれば、大気中に放置しても少なくとも
半年は安定である。また、本発明の触媒を光触媒反応に
使用しても、上記酸素欠陥が短期間に消失することはな
く、触媒として安定的に使用することができる。二酸化
チタンのバンドギャップは、アナターゼ型が3.2e
V、ルチル型が3.0eVであり、いずれも紫外線によ
ってのみ活性化されるが、本発明の触媒は、二酸化チタ
ンの持つ紫外線下における光活性に加えて可視光のみに
よっても光活性化される。本発明の触媒の可視光による
光活性化の程度は、酸素欠陥量等により変化するが、ア
ナターゼ型二酸化チタンの場合、例えば、400nm以
上の光をカットしたブラックライト光照射下における活
性を100とした場合、420nm以下の光をカットし
たハロゲンランプ光照射下における活性は、少なくとも
5はあり、通常20以上である。さらに、本発明の触媒
の可視光照射下での活性は、アナターゼ型二酸化チタン
が本来有する酸化活性または還元活性である。また、本
発明の触媒の可視光照射下での活性とは、少なくとも4
00〜600nmの可視光照射下でNOx酸化活性を有
することを意味する。従来のアナターゼ型酸化チタン
は、上記バンドギャップを有するため、400nm付近
の可視光線に対しては、ある程度の活性を有する。しか
し、500nmを超える600nm付近までの波長域の
可視光線に対して光触媒活性を示す触媒はこれまでに知
られていない。例えば、水素プラズマ処理方法または希
ガス類元素プラズマ処理方法で得られる本発明の触媒
は、波長360nmの光を照射した時に得られるNOx
酸化活性(NO除去活性)を100とすると、波長46
0nmの光を照射した時に得られるNOx酸化活性(N
O除去活性)は、少なくとも30であり、好ましくは5
0以上であり、最も好ましくは60以上である。また、
波長560nmの光を照射した時に得られるNOx酸化
活性(NO除去活性)は、少なくとも5であり、好まし
くは10以上であり、最も好ましくは15以上である。
光触媒の活性が高いと言われている石原産業(株)製の
アナターゼ型酸化チタンにおいては、波長360nmの
光を照射した時に得られるNOx酸化活性(NO除去活
性)を100とすると、波長460nmの光を照射した
時に得られるNOx酸化活性(NO除去活性)はほぼ0
であり、波長560nmの光については全く活性を示さ
ない。尚、上記NOx酸化活性(NO除去活性)の測定
には、光源として300Wキセノンランプを用い、日本
分光製照射装置により半値幅20nmの単色光を用い
た。例えば、波長360nm、460nm及び560n
mの光は、いずれも半値幅20nmの単色光である。こ
のような、600nm付近までの波長域の可視光線に対
して光触媒活性を示す触媒は、例えば、安定な酸素欠陥
を有する酸化チタンであって、真空中、77K、暗黒下
で測定されたESRにおいて、g値が2.003〜4で
あるシグナルが観測され、かつこのg値が2.003〜
4であるシグナルは真空中、77Kにおいて少なくとも
420nm〜600nm範囲の波長の光を照射下で測定
した場合、上記暗黒下で測定された場合よりシグナルの
強度が大きいものであることが出来る。上記条件下にお
けるESRにおいて測定される、g値が2.003〜4
であるシグナルは、酸化チタンの酸素欠陥に帰属される
シグナルであることは、これまでも知られている。しか
るに、上記シグナルが、420nm〜600nm範囲の
波長の光を照射下で測定した場合、上記暗黒下で測定さ
れた場合より強度が大きくなる場合に、可視光活性の優
れた光触媒となることはこれまでに知られていない。真
空中、77K、暗黒下で測定されたg値が2.003〜
4であるESRシグナルの強度I0と真空中、77Kに
おいて少なくとも420nm〜600nm範囲の波長の
光を照射下で測定したg値が2.003〜4であるES
Rシグナルの強度ILとの比率(IL/I0)は、1を超えるこ
とが好ましく、より好ましくは、比率(IL/I0)は1.3
以上であり、さらに好ましくは1.5以上である。さら
に、上記に加えて、真空中、77K、暗黒下で測定され
たESRにおいて、g値が1.96を示すTi3+に帰属
されるシグナルが実質的に観測されない物であること
が、可視光活性に優れた光触媒であるという観点からは
好ましい。酸化物半導体が二酸化チタン以外の酸化物半
導体である場合も同様であり、紫外線下における光活性
に加えて可視光のみによっても光活性化され、可視光に
よる光活性化の程度は、酸素欠陥量等により変化する。
本発明の触媒の可視光照射下での活性は、酸化物半導体
が本来有する酸化活性または還元活性である。さらに本
発明の触媒の可視光照射下での活性は、無機物又は有機
物の分解活性であるか、殺菌活性である。さらに、本発
明の触媒の形状には、制限はなく、例えば、粒子状、薄
膜状または板状であることができる。但し、これらに限
定されない。また、粒子状酸化物半導体(触媒)は、活
性を高める目的で、微細化したものであっても、また、
ハンドリングを容易にする目的で造粒したものであって
もよい。また、薄膜状または板状の酸化物半導体(触
媒)の表面は、活性を高める目的で粗面化したものであ
ってもよい。また、上記二酸化チタンは、本発明の可視
光活性を妨げない程度の他の成分を添加したものであっ
てもよい。本発明の触媒は、例えば、酸化物半導体を水
素プラズマ処理または希ガス類元素プラズマ処理する方
法であって、処理系内への大気の侵入が実質的にない状
態で上記処理を行うことを特徴とする方法より得ること
ができる。上記酸化物半導体は、例えば、二酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、チタン酸スト
ロンチウム、酸化チタン−酸化ジルコニウム複合酸化物
または酸化珪素−酸化チタン複合酸化物であることがで
きる。また、原料として使用するアナターゼ型二酸化チ
タンは、湿式法、例えば、硫酸法で製造した二酸化チタ
ン及び乾式法で製造した二酸化チタンであることができ
る。水素プラズマ処理は、電磁波、例えば、マイクロ波
やラジオ波を照射した減圧状態においた酸化物半導体
に、水素ガスを導入することで水素プラズマを発生さ
せ、このプラズマに酸化物半導体を所定時間暴露するこ
とで行うことができる。また、希ガス類元素プラズマ処
理は、電磁波、例えば、マイクロ波やラジオ波を照射し
た減圧状態においた酸化物半導体に、希ガス類元素ガス
を導入することで希ガス類元素プラズマを発生させ、こ
のプラズマに酸化物半導体を所定時間暴露することで行
うことができる。希ガス類元素としては、例えば、ヘリ
ウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラド
ンを挙げることができるが、入手が容易であるという観
点からはヘリウム、ネオン、アルゴン等であることが好
ましい。上記減圧状態は、例えば10トール以下である
ことができ、2トール以下であることもできる。電磁波
の出力は、処理する酸化物半導体の量やプラズマの発生
状態を考慮して適宜決定できる。水素ガスあるいは希ガ
ス類元素ガスの導入量は、減圧状態やプラズマの発生状
態を考慮して適宜決定できる。また、酸化物半導体の水
素プラズマまたは希ガス類元素プラズマへの暴露時間
は、酸化物半導体に導入される酸素欠陥量を考慮して適
宜決定する。本発明の製造方法は、プラズマ処理系内へ
の大気の侵入が実質的にない状態で行うことを特徴と
し、プラズマ処理系内への大気の侵入が実質的にない状
態とは、密閉された系の真空度が1トール変化するのに
少なくとも10分を要する状態を意味する。大気の侵入
が少ない程、酸化物半導体への酸素欠陥の導入は容易に
なる。また、上記水素プラズマは、所望により、水素以
外のガスを含むこともでき、そのようなガスとしては、
例えば、希ガス類元素を挙げることができる。本発明の
製造方法では、水素プラズマまたは希ガス類元素プラズ
マを用いれば、酸化物半導体へ酸素欠陥を導入すること
ができ、例えば、水素プラズマに対する希ガス類元素
共存は酸素欠陥の導入に必須ではない。また、希ガス類
元素プラズマについても同様であり、希ガス類元素プラ
ズマに、所望により、希ガス類元素以外のガスを含むこ
ともでき、そのようなガスとしては、例えば、水素を挙
げることができる。但し、希ガス類元素プラズマに対す
る水素の共存は酸素欠陥の導入に必須ではない。本発明
の触媒は、酸化物半導体の表面の少なくとも一部に、希
ガス類元素イオンをイオン注入する方法によっても製造
することができる。イオン注入法は、半導体産業で使用
されている方法及び装置を用いて行うことができる。
尚、イオン注入の条件は、注入すべき希ガス類元素イオ
ンの量及び酸化物半導体の種類等により適宜決定でき
る。尚、希ガス類元素としては、例えば、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンを挙げ
ることができるが、入手が容易であるという観点からは
ヘリウム、ネオン、アルゴン等であることが好ましい。
また、本発明の触媒の製造は、粉体のみならず、適当な
バインダーを用いて基板に固定した酸化チタン等を対象
とすることもできる。さらに、本発明の触媒は、酸化物
半導体を真空下、加熱する方法によっても製造すること
ができる。例えば、二酸化チタンを高真空下で、加熱処
理すること、または高真空下で、加熱水素還元すること
により、酸素欠陥が形成され、可視光吸収を起こすこと
は知られている。しかるに、これら酸素欠陥を有する二
酸化チタンが可視光照射下で活性を有する触媒であるこ
とは知られていない。上記製法は、例えば、アナターゼ
型二酸化チタンを1トール以下の真空下、400℃以上
に加熱する方法であることができる。処理時間は、真空
度及び温度により適宜決定できるが、0.1トールの真
空下、400℃での処理では30分〜1時間であること
ができる。前述のようにアナターゼ型二酸化チタンを水
素プラズマや希ガス類元素プラズマ処理したものあるい
はイオン注入したものは、安定した酸素欠陥を有し、可
視光照射下で活性を有する触媒となるが、ルチル型二酸
化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハウフニム、チタン
酸ストロンチウム等も、実施例に示すように、水素プラ
ズマや希ガス類元素プラズマ処理あるいはイオン注入す
ることで、可視光照射下で活性を有する触媒となる。但
し、可視光照射下での活性の強弱及び活性の波長依存性
は、酸化物半導体の種類や処理の方法等により異なる。
酸化ジルコニウムは、半導体ではあるがハ゛ント゛キ゛ャッフ゜が
大きく、実用レベルの光触媒として機能はないと考えら
れていた。ところが、本発明の製造方法により水素プラ
ズマや希ガス類元素プラズマ処理あるいはイオン注入す
ると、可視光照射下で活性を有する触媒となることが判
明した。水素プラズマや希ガス類元素プラズマ処理ある
いはイオン注入した酸化ジルコニウムは、ESCAによ
る表面分析の結果、微量の炭化ジルコニウムと酸素欠陥
の生成が認められた。ルチル型二酸化チタンは、紫外光
照射下では光触媒としての機能はあるが、アナターセ゛型に活
性が比べて劣るために光触媒として使用された実績はな
い。しかし、本発明の製造方法により水素プラズマや希
ガス類元素プラズマあるいはイオン注入処理すると、可
視光照射下でも活性を有する触媒となることが判明し
た。酸化ハウフニムやチタン酸ストロンチウムも、従来
は可視光照射下での活性は知られていないが、本発明の
安定な酸素欠陥を有する触媒では、可視光照射下での活
性が確認された。本発明は、上記本発明の触媒、または
本発明の製造方法により製造された触媒を基材表面に設
けたことを特徴とする物品に関する。 基材としては、
例えば、建築物の外壁面、屋根外面屋上面、窓ガラス外
面若しくは窓ガラス内面、部屋の壁面、床面若しくは天
井面、ブラインド、カーテン、道路の防護壁、トンネル
の内壁、照明灯の外面若しくは反射面、車両の内装面、
ミラー面、窓ガラス外面若しくは窓ガラス内面であるこ
とができる。基材への触媒の付設は、例えば、本発明の
触媒、または本発明の製造方法により製造された触媒の
粒子を含む塗料をコーティングあるいはスプレーするこ
とにより行うことができる。また、二酸化チタン等の酸
化物半導体層を表面に有する基材を上記本発明の製造方
法により水素プラズマ処理することで、酸化物半導体層
表面を本発明の触媒とすることで、本発明の物品を得る
こともできる。さらに本発明の物質の光分解方法は、上
記本発明の触媒、本発明の製造方法により製造された触
媒または本発明の物品に、可視光を含む光照射下で、被
分解物を含有する媒体を接触させて、前記被分解物を分
解させることを特徴とする。被分解物は、無機化合物、
有機化合物、微生物菌体及び腫瘍細胞からなる群から選
ばれる少なくとも1種の物質であることができる。ま
た、媒体は、例えば、水や空気であることができる。よ
り具体的には、悪臭や有害物質(例えば、窒素酸化物や
ホルマリン)等を含有する空気、有機物(例えば、原油
や石油製品を含む汚水や海水)等である。さらに、可視
光を含む光は、太陽光線または人工光線であることがで
きる。人工光線源は、可視光を含む光を供給できるもの
であればよく、例えば、蛍光灯、白熱灯、ハロゲンラン
プからの光線であることができる。さらに本発明の光分
解装置は、上記本発明の触媒または本発明の製造方法に
より製造された触媒を基材表面に設けた光触媒ユニット
と、前記光触媒に可視光を含む光を照射するための光源
とからなる。光触媒ユニットは、例えば、空気清浄機用
のフィルターであることができる。また、可視光を含む
光を照射するための光源は、例えば、蛍光灯、白熱灯ま
たはハロゲンランプであることができる。本発明の方法
または装置を用いることで、少なくとも可視光線を含む
光を照射した本発明の光触媒または光触媒ユニット(物
品)に被分解物を含む空気を接触させることで、空気が
悪臭の原因物質を含む空気である場合、触媒との接触に
より空気中に含まれる悪臭の原因物質を分解し、悪臭を
低減または除去することができる。また、空気が細菌を
含む空気である場合、触媒との接触により空気中に含ま
れる細菌の少なくとも一部を死滅させることができる。
空気が悪臭及び細菌を含む場合には、上記作用が並行し
て得られることは勿論である。本発明の方法または装置
を用いることで、少なくとも可視光線を含む光を照射し
た本発明の光触媒または光触媒ユニット(物品)に被分
解物を含む水を接触させることで、水が有機物を含有す
る場合、触媒との接触により、水中の有機物を分解する
ことができる。水が細菌を含有する場合、触媒との接触
により、水中の細菌を死滅させることができる。水が有
機物及び細菌を含む場合には、上記作用が並行して得ら
れることは勿論である。さらに本発明の太陽電池用電極
及び水の光分解用電極は、アナターゼ型二酸化チタン等
の酸化物半導体であって安定した酸素欠陥を有する材料
からなるものであり、材料の内容や製造方法は上記のと
おりである。また、本発明の太陽電池用電極及び水の光
分解用電極は、本発明の製造方法により処理された酸化
物半導体の触媒からなるものである。太陽電池用電極と
して用いる場合、本電極の特性を考慮しつつ、公知のシ
ステムを用いて、太陽電池を構築することができる。ま
た、水の光分解用電極として使用する場合は、公知の方
法、装置を用いて水の光分解を行うことができる。
【0006】実施例 以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。 実施例1 アナターゼ型二酸化チタン粉末(60メッシュ以下)1
0gを200mlの石英製反応管に収容した。この石英
製反応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポン
プで排気した後、400Wの電磁波(2.45GHz)
を反応管内のアナターゼ型二酸化チタン粉末に照射し、
テスラーコイルによってプラズマを発生させた。そし
て、H2ガス(流量を30ml/分)を系内の圧力が約
1トールとなるように導入した。反応管内のアナターゼ
型二酸化チタン粉末を攪拌しながら30分間処理した。
なお、プラズマ処理系は、ガスを導入せず、かつポンプ
での排気も断絶した状態で真空度が1トール上昇するの
に40分を要した。得られたアナターゼ型二酸化チタン
粉末をX線光電子分光法(XPS)により、チタンの2
p電子に帰属されるピーク(458.8eV(Ti2p
3/2)及び464.6eV(Ti2p1/2)の面積
とチタンと結合している酸素の1s電子に帰属されるピ
ーク(531.7eV(O1s)の面積とを求めた。得
られた面積比(O1s/Ti2p)は、1.91であっ
た。尚、プラズマ処理しないアナターゼ型二酸化チタン
粉末の面積比(O1s/Ti2p)は、2.00であっ
た。また、この試料を1週間大気中に放置した後に上記
と同様に測定した面積比(O1s/Ti2p)も、1.
91であった。さらに、この試料の1カ月後の面積比
(O1s/Ti2p)にも変化はなかった。また、上記
プラズマ処理前の試料及び処理後の試料をX線回折試験
に付した結果、プラズマ処理の前及び後で、アナターゼ
型二酸化チタンに変化は見られなかった。
【0007】実施例2 アナターゼ型二酸化チタン粉末(60メッシュ以下)1
0gを200mlの石英製反応管に収容した。この石英
製反応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポン
プで排気した後、400Wの電磁波(2.45GHz)
を反応管内のアナターゼ型二酸化チタン粉末に照射し、
テスラーコイルによってプラズマを発生させた。そし
て、アルゴンガス(流量を10ml/分)を系内の圧力
が約1トールとなるように導入した。反応管内のアナタ
ーゼ型二酸化チタン粉末を攪拌しながら120分間処理
した。なお、プラズマ処理系は、ガスを導入せず、かつ
ポンプでの排気も断絶した状態で真空度が1トール上昇
するのに40分を要した。得られたアナターゼ型二酸化
チタン粉末をX線光電子分光法により、チタンの2p電
子に帰属されるピーク(459.5eV(Ti2p3/
2)及び465.4eV(Ti2p1/2)の面積とチ
タンと結合している酸素の1s電子に帰属されるピーク
(530.0eV(O1s)の面積とを求めた。得られ
た面積比(O1s/Ti2p)は、1.89であった。
尚、プラズマ処理しないアナターゼ型二酸化チタン粉末
の面積比(O1s/Ti2p)は、2.00であった。
また、この試料を1週間大気中に放置した後に上記と同
様に測定した面積比(O1s/Ti2p)も、1.89
であった。さらに、この試料の1カ月後の面積比(O1
s/Ti2p)にも変化はなかった。また、上記プラズ
マ処理前の試料及び処理後の試料をX線回折試験に付し
た結果、プラズマ処理の前及び後で、アナターゼ型二酸
化チタンに変化は見られなかった。
【0008】実施例3 酸化物半導体であるアナターゼ型二酸化チタンの表面に
希ガス類元素イオンを注入する方法による本発明の触媒
の製造方法について説明する。 機器:中電流イオン注入装置 日本真空技術(株)製UL
VAC IKX-7000 方法:アルゴンガスを導入、電子ビームを照射、イオン
化した後質量分析にかけアルゴンイオンを分離、取り出
す。その後 加速器(直流電圧100kV)により加速
しターゲットにアルゴンイオンを注入した。 ターゲット:ST−01 0.2gを直径6cmのガラス
板(0.2mm程度の厚みで、ガラス上にサブミクロン
オーダーの炭素膜がコーティングされている。イオン注
入法に必要な導電性確保のため)に塗布したもの。 注入されたアルゴンイオン数5×1016個/平方センチ
メートル 得られたアナターゼ型二酸化チタン試料をX線光電子分
光法により、チタンの2p電子に帰属されるピーク(4
58.6eV(Ti2p3/2)及び464.3eV
(Ti2p1/2)の面積とチタンと結合している酸素
の1s電子に帰属されるピーク(529.7eV(O1
s)の面積とを求めた。得られた面積比(O1s/Ti
2p)は、1.76であった。尚、プラズマ処理しない
アナターゼ型二酸化チタン粉末の面積比(O1s/Ti
2p)は、2.00であった。また、この試料を1週間
大気中に放置した後に上記と同様に測定した面積比(O
1s/Ti2p)も、1.76であった。さらに、この
試料の1カ月後の面積比(O1s/Ti2p)にも変化
はなかった。
【0009】試験例1(アセトアルデヒドの可視光によ
る分解試験) 実施例1〜2で作製した試料0.2gをガラスプレート
(6×6cm)に塗布したもの、あるいは実施例3で作
成した試料(プレート状)をガラス製ベルジャー型反応
装置(1.9リットル)内に設置した。光源にはハロゲ
ンランプ(東芝ライテックJDR110V 75WN/
S−EK)を用い、かつ420nm以下の紫外線をカッ
トするガラスフィルターを用いた(中心光度:10万ル
クス)。系内を十分に排気した後、アセトアルデヒドを
反応器内に注入して、所定濃度(1000ppm )の反応ガス
とした。アセトアルデヒドが吸着平衡に達した後、所定
時間光照射を行った。反応ガスは、ガスクロマトグラフ
ィー(FID)で分析した。光照射後のアセトアルデヒ
ド濃度減少量を以下の表に示す。比較のため、プラズマ
処理しない試料についても同様の試験を行い結果を比較
例1として表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】上記表1に示す結果から、本発明のアナタ
ーゼ型二酸化チタンであって安定した酸素欠陥を有する
光触媒は、可視光によってアセトアルデヒドに対する高
い光分解特性を有することが分かる。また、比較例1の
材料は、アセトアルデヒドに対する高い吸着能を有する
が、可視光による光分解特性は有さなかった。
【0012】実施例4 アナターゼ型二酸化チタン粉末(石原産業(株)製、S
T−01)5gを内径5cm、長さ100cmの石英製
反応管に収容した。この石英製反応管にRFプラズマ発生
装置を装着し、反応管系内を真空ポンプで0.1トール
まで排気した後、500Wの電磁波(13.56MH
z)を反応管内のアナターゼ型二酸化チタン粉末に照射
し、プラズマを発生させた。そして、H2ガス(流量を
500ml/分)を系内の圧力が約1トールとなるよう
に導入した。反応管内のアナターゼ型二酸化チタン粉末
を攪拌しながら30分間処理した。尚、ニクロム線によ
る抵抗加熱により石英管壁を400℃に加熱し、その温
度を反応期間中維持した。得られたアナターゼ型二酸化
チタン粉末をX線光電子分光法(XPS)により、チタ
ンの2p電子に帰属されるピーク(458.8eV(T
i2p3/2)及び464.6eV(Ti2p1/2)
の面積とチタンと結合している酸素の1s電子に帰属さ
れるピーク(531.7eV(O1s)の面積とを求め
た。得られた面積比(O1s/Ti2p)は、1.94
であった。尚、プラズマ処理しないアナターゼ型二酸化
チタン粉末の面積比(O1s/Ti2p)は、2.00
であった。また、この試料を1週間大気中に放置した後
に上記と同様に測定した面積比(O1s/Ti2p)
も、1.94であった。さらに、この試料の1カ月後の
面積比(O1s/Ti2p)にも変化はなかった。ま
た、上記プラズマ処理前の試料及び処理後の試料をX線
回折試験に付した結果、プラズマ処理の前及び後で、ア
ナターゼ型二酸化チタンに変化は見られなかった。プラ
ズマ処理前の試料(a)及び処理後の試料(b)のX線
回折パターンを図1に示す。また、上記プラズマ処理前
の試料及び処理後の試料のESRスペクトルを測定し
た。測定は、真空中(0.1Torr)、77Kで行っ
た。測定条件は以下の通りである。 〔基本的パラメーター〕 測定温度 77K フィールド 330mT±25mT 走査時間 4分 Mod. 0.1mT ゲイン 5×10 パワー 0.1mW タイムコンスタント 0.03秒 光源 高圧水銀ランプ 500W フィルター L−42 〔試料作成〕 真空脱気 1時間以上 〔g値の計算〕 Mn2+マーカー(gmn=1.981)を基準として g=gmn×Hmn/(Hmn+△H) Hmn:Mn2+マーカーの磁場、△H:Hmnからの磁場の
変化量 プラズマ処理前の試料のESRスペクトルを図2に示
す。図中(a)が暗黒下でのESRスペクトル、(b)
が420nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使
用)をカットするフィルター(L−42)を介して光照
射した状態で測定したESRスペクトルである。プラズ
マ処理後の試料のESRスペクトルを図3に示す。図中
(a)が暗黒下でのESRスペクトル、(b)が420
nm以下の光(500Wの高圧水銀ランプを使用)をカ
ットするフィルター(L−42)を介して光照射した状
態で測定したESRスペクトル、(c)がフィルター
(L−42)を介さずに光照射した状態で測定したES
Rスペクトルである。図2と図3に示すESRスペクト
ルは同じ条件で測定したものである。両者を比較する
と、本発明の触媒は、出発原料には見られない、g=
2.003〜4に特異的なシグナルを有し、しかもこの
シグナルは、420nm以下の光をカットした光照射下
で、増幅される。本発明の触媒(プラズマ処理したアナ
ターゼ型二酸化チタン)は、420nm以上の可視光で
強度が強くなるg値2.003〜4にシグナルが観測さ
れた。さらに、このピークは、試料を1週間大気中に放
置した後、再度測定した際にも維持されていた。また、
実施例4の触媒は、g値が1.96にシグナルを示すT
3+に帰属されるシグナルは観測されなかった。
【0013】試験例2(NOx酸化活性測定) 実施例4で作製した試料0.2gをガラスプレート(6
×6cm)に塗布したものをパイレックス(登録商標)
ガラス製反応容器(内径160mm、厚さ25mm)内
に設置した。光源には300Wキセノンランプを用い、
日本分光製照射装置により半値幅20nmの単色光とし
て、光を照射した。上記反応容器に湿度0%RHの模擬汚
染空気(NO:1.0ppm)を1.5リットル/分の
流速で連続的に供給し、反応出口におけるNOの濃度変
化をモニターした。NOの濃度は、オゾンを用いた化学
発光法により測定した。24時間のモニター値の累積値
からNOxの除去率を求めた。その結果を表2に示す。
表2には、比較のため、原料として使用した試料(ST
−01)の結果も示す。
【0014】
【表2】
【0015】上記表2に示す結果から、本発明のアナタ
ーゼ型二酸化チタンであって安定した酸素欠陥を有する
光触媒(実施例4のサンプル)は、少なくとも560n
mまでの可視光によって窒素酸化物を酸化除去する効果
を有することが分かる。さらに表2には示していない
が、本発明のアナターゼ型二酸化チタンであって安定し
た酸素欠陥を有する光触媒(実施例4のサンプル)は、
少なくとも600nmまでの可視光によって窒素酸化物
を酸化除去する効果を有していた。
【0016】試験例3 (安息香酸減少測定試験) 実施例4で作製した試料0.02gと0.1mmol/
l安息香酸 25mlをパイレックス製反応セル(40m
l)に入れ、マグネチックスターラーにより攪拌した。
光源は、電圧調整器により波長500nmで70mWと
なるように調製したハロゲンランプを用いた。ハロゲン
ランプと反応セルの距離は、10cmとなるように配置
した。また、そのあいだには、シャープカットフィルタ
ーを用い、紫外線をカットした。反応は、設置後24時
間放置し、吸着平衡させた後、光を48時間照射し反応
させた。反応前と反応後の比較は、可視紫外光吸収スペ
クトルにより、228nmにおける吸光度により安息香酸の
濃度を測定した。なお、反応及び測定時には、光が入り
込まないようにした。その結果、48時間後における安
息香酸の分解率は20.46%であった。尚、原料とし
て用いた酸化チタンには、上記条件下での安息香酸の分
解は観測されなかった。
【0017】実施例5 アナターゼ型二酸化チタン粉末(石原産業(株)製ST
−01)10gを400mlの石英製反応管に収容し
た。この石英製反応管をプラズマ発生装置に接続し、系
内を真空ポンプで排気した後、200Wの電磁波(2.
45GHz)を反応管内のアナターゼ型二酸化チタン粉
末に照射し、テスラーコイルによってプラズマを発生さ
せた。そして、H2ガス(流量を30ml/分)を系内
の圧力が約1トールとなるように導入した。反応管内の
アナターゼ型二酸化チタン粉末を攪拌しながら10分間
処理した。なお、プラズマ処理系は、ガスを導入せず、
かつポンプでの排気も断絶した状態で真空度が1トール
上昇するのに40分を要した。得られたアナターゼ型二
酸化チタン粉末をX線光電子分光法(XPS)により、
チタンの2p電子に帰属されるピーク(458.8eV
(Ti2p3/2)及び464.6eV(Ti2p1/
2)の面積とチタンと結合している酸素の1s電子に帰
属されるピーク(531.7eV(O1s)の面積とを
求めた。得られた面積比(O1s/Ti2p)は、1.
92であった。尚、プラズマ処理しないアナターゼ型二
酸化チタン粉末の面積比(O1s/Ti2p)は、2.
00であった。また、この試料を1週間大気中に放置し
た後に上記と同様に測定した面積比(O1s/Ti2
p)も、1.92であった。さらに、この試料の1カ月
後の面積比(O1s/Ti2p)にも変化はなかった。
また、上記プラズマ処理前の試料及び処理後の試料をX
線回折試験に付した結果、プラズマ処理の前及び後で、
アナターゼ型二酸化チタンに変化は見られなかった。ま
た、上記プラズマ処理前の試料及び処理後の試料のES
Rスペクトルを測定した。測定は、実施例4と同様であ
る。その結果、実施例5の触媒(プラズマ処理したアナ
ターゼ型二酸化チタン)は、実施例4と同様にg値2.
003〜4にシグナルが観測された。さらに、このピー
クは、試料を1週間大気中に放置した後、再度測定した
際にも維持されていた。また、実施例5の触媒は、g値
が1.96にシグナルを示すTi3+に帰属されるシグナ
ルは観測されなかった。
【0018】実施例6 アナターゼ型二酸化チタン粉末(石原産業(株)製ST
−01)4gを200mlの石英製反応管に収容した。
この石英製反応管に電熱線加熱器を装着し、系内を真空
ポンプで0.1トール以下になるまで排気した後、加熱
器で反応管ごと400℃に昇温した。加熱後400℃を
1時間した。なお、処理中は、真空ポンプで排気を続
け、0.1トール以下を維持した。1時間後に褐色の粉
体を得た。得られたアナターゼ型二酸化チタン粉末をX
線光電子分光法により、チタンの2p電子に帰属される
ピーク(459.5eV(Ti2p3/2)及び46
5.4eV(Ti2p1/2)の面積とチタンと結合し
ている酸素の1s電子に帰属されるピーク(530.0
eV(O1s)の面積とを求めた。得られた面積比(O
1s/Ti2p)は、1.92であった。尚、プラズマ
処理しないアナターゼ型二酸化チタン粉末の面積比(O
1s/Ti2p)は、2.00であった。また、この試
料を1週間大気中に放置した後に上記と同様に測定した
面積比(O1s/Ti2p)も、1.92であった。さ
らに、この試料の1カ月後の面積比(O1s/Ti2
p)にも変化はなかった。また、上記プラズマ処理前の
試料及び処理後の試料をX線回折試験に付した結果、プ
ラズマ処理の前及び後で、アナターゼ型二酸化チタンに
変化は見られなかった。
【0019】試験例4(NOx酸化活性測定) 試験例2と同様の条件で実施例6で作製した試料のNO
x酸化活性を測定した。結果を表3に示す。実施例4で
得られたサンプルに比べてやや活性は低い(特に短波長
領域での)が、600nm付近まで活性が見られた。
【0020】
【表3】
【0021】試験例5 (安息香酸減少測定試験) 実施例6で作製した試料を用い、試験例3と同様の条件
で安息香酸の光分解試験を行った。その結果、48時間
後における安息香酸の分解率は15.42%であった。
尚、原料として用いた酸化チタンには、上記条件下での
安息香酸の分解は観測されなかった。
【0022】実施例7 アナターゼ型二酸化チタン粉末(石原産業(株)製、S
T−01)5gを内径5cm、長さ100cmの石英製
反応管に収容した。この石英製反応管にRFプラズマ発生
装置を装着し、反応管系内を真空ポンプで0.05トー
ルまで排気した後、500Wの電磁波(13.56MH
z)を反応管内のアナターゼ型二酸化チタン粉末に照射
し、プラズマを発生させた。そして、H2ガス(流量を
500ml/分)を系内の圧力が約1トールとなるよう
に導入した。反応管内のアナターゼ型二酸化チタン粉末
を攪拌しながら30分間処理した。尚、ニクロム線によ
る抵抗加熱により石英管壁を400℃に加熱し、その温
度を反応期間中維持した。得られたアナターゼ型二酸化
チタン粉末をX線光電子分光法(XPS)により、チタ
ンの2p電子に帰属されるピーク(458.8eV(T
i2p3/2)及び464.6eV(Ti2p1/2)
の面積とチタンと結合している酸素の1s電子に帰属さ
れるピーク(531.7eV(O1s)の面積とを求め
た。得られた面積比(O1s/Ti2p)は、1.51
であった。尚、プラズマ処理しないアナターゼ型二酸化
チタン粉末の面積比(O1s/Ti2p)は、2.00
であった。また、この試料を1週間大気中に放置した後
に上記と同様に測定した面積比(O1s/Ti2p)
も、1.51であった。さらに、この試料の1カ月後の
面積比(O1s/Ti2p)にも変化はなかった。
【0023】実施例8(参考例) ジルコニアのプラズマ処理 キシダ化学製ZrO22gを280mlの石英製反応管に収容
した。この石英製反応管をプラズマ発生装置に接続し、
系内を真空ポンプで排気した後、400Wに電磁波
(2.45GHz)を反応管内のジルコニア粉末に照射
し、テスラーコイルによってプラズマを発生させた。そ
して、H2ガス(流量を30ml/分)を系内の圧力が
約1トールとなるように導入した。反応管内のジルコニ
ア粉末を攪拌しながら30分間処理した。その結果、薄
い灰色の粉体を得た。得られた酸化ジルコニウム試料を
X線光電子分光法により、ジルコニウムの3d電子に帰
属されるピーク(182〜183eV(Zr3d5/
2)及び184〜185eV(Zr3d3/2)の面積
とジルコニウムと結合している酸素の1s電子に帰属さ
れるピーク(530eV(O1s)の面積とを求めた。
得られた面積比(O1s/Zr3d)は、1.98であ
った。尚、プラズマ処理しない酸化ジルコニウム粉末の
面積比(O1s/Zr3d)は、2.01であった。ま
た、この試料を1週間大気中に放置した後に上記と同様
に測定した面積比(O1s/Zr3d)も、1.98で
あった。さらに、この試料の1カ月後の面積比(O1s
/Zr3d)にも変化はなかった。
【0024】試験例6 実施例8で調製した試料(0.2g)をガラス製ベルジ
ャー型反応装置(1.9リットル)内に設置した。光源
にはハロゲンランプ(東芝ライテックJDR100V 7
5WN/S−EK)を用い、かつ390nm以下の紫外
線をカットするガラスフィルターを用いた(中心光度:
10万ルクス)。系内を充分に排気した後、アセトアル
デヒドを反応容器内に注入して、所定濃度(500pp
m)の反応ガスとした。アセトアルデヒドが吸着平衡に
達した後、光照射を開始した。反応ガスは、ガスクロマ
トグラフィー(FID)で分析した。光照射開始120
分後のアセトアルデヒドを表4に示す。また、比較例と
してプラズマ処理しないジルコニア原料についても、光
照射開始120分後のアセトアルデヒドを測定し、結果
を表4に示す。
【0025】試験例7 実施例8で調製した試料(0.2g)をガラス製ベルジ
ャー型反応装置(1.9リットル)内に設置した。光源
にはブラックランプ(岩崎電気株式会社 H110B
L)を用いた(UV強度:1.8mW/cm2)。この
ランプはUVa領域の紫外線の照射を行うものである。
系内を充分に排気した後、アセトアルデヒドを反応容器
内に注入して、所定濃度(500ppm)の反応ガスと
した。アセトアルデヒドが吸着平衡に達した後、光照射
を開始した。反応ガスは、ガスクロマトグラフィー(F
ID)で分析した。光照射開始120分後のアセトアル
デヒド濃度を表4に示す。また、比較例としてプラズマ
処理しないジルコニア原料についても、光照射開始12
0分後のアセトアルデヒドを測定し、結果を表4に示
す。
【0026】
【表4】
【0027】上記表4に示す結果から、本発明の製造方
法により水素プラズマ処理したジルコニアは、可視光に
よってアセトアルデヒドに対する高い光分解特性を有
し、可視光型の光触媒として機能することが分かる。ま
た、比較例2の原料として使用したジルコニアは、可視
光及び紫外光いずれによっても、アセトアルデヒドに対
する光分解特性は有さなかった。
【0028】実施例9ルチル型TiO2のプラズマ処理 テイカ製ルチル型TiO2(MT−500B)2gを2
80mlの石英製反応管に収容した。この石英製反応管を
プラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポンプで排気し
た後、400Wの電磁波(2.45GHz)を反応管内
のルチル型酸化チタン粉末に照射し、テスラーコイルに
よってプラズマを発生させた。そして、H2ガス(流量
を30ml/分)を系内の圧力が約1トールとなるよう
に導入した。反応管内のルチル型酸化チタン粉末を攪拌
しながら30分間処理した。その結果、青味の強い薄灰
色の粉体を得た。上記プラズマ処理前の試料及び処理後
の試料をX線回折試験に付した結果、プラズマ処理の前
及び後で、ルチル型二酸化チタンに変化は見られなかっ
た。得られたルチル型二酸化チタン試料をX線光電子分
光法により、チタンの2p電子に帰属されるピーク(4
58.6eV(Ti2p3/2)及び464.2eV
(Ti2p1/2)の面積とチタンと結合している酸素
の1s電子に帰属されるピーク(529.8eV(O1
s)の面積とを求めた。得られた面積比(O1s/Ti
2p)は、1.74であった。尚、プラズマ処理しない
ルチル型二酸化チタン粉末の面積比(O1s/Ti2
p)は、2.01であった。また、この試料を1週間大
気中に放置した後に上記と同様に測定した面積比(O1
s/Ti2p)も、1.74であった。さらに、この試
料の1カ月後の面積比(O1s/Ti2p)にも変化は
なかった。上記方法により調製した試料(0.2g)を
ガラス製ベルジャー型反応装置(1.9リットル)内に
設置した。光源にはハロゲンランプ(東芝ライテックJD
R110V 75WN/S−EK)を用い、かつ390
nm以下の紫外線をカットするガラスフィルターを用い
た(中心光度:10万ルクス)。系内を充分に排気した
後、アセトアルデヒドを反応容器内に注入して、所定濃
度(500ppm)の反応ガスとした。アセトアルデヒ
ドが吸着平衡に達した後、光照射を開始した。反応ガス
は、ガスクロマトグラフィー(FID)で分析した。光
照射開始120分後のアセトアルデヒド濃度を表5に示
す。また、比較例としてプラズマ処理しないルチル型T
iO2についても、光照射開始50分後のアセトアルデ
ヒドを測定し、結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】上記表5に示す結果から、本発明の製造方
法により水素プラズマ処理したルチル型酸化チタンは、
可視光によってアセトアルデヒドに対する高い光分解特
性を有し、可視光型の光触媒として機能することが分か
る。また、比較例3の原料として使用したルチル型酸化
チタンは、可視光によるアセトアルデヒドの光分解特性
は示したが、実施例3の試料に比べて弱かった。
【0031】実施例10(参考例) 酸化ハフニウムのプラズマ処理 酸化ハフニウム(HfO2、Fluka製、純度99.
8%)2gを容量200mlの石英製反応管に収容した。
この石英製反応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を
真空ポンプで排気した後、400Wの電磁波(2.45
GHz)を反応管内の酸化ハフニウム粉末に照射し、テ
スラーコイルによってプラズマを発生させた。そして、
2ガス(流量をマスフローメーターにより30ml/
分に調整)を系内の圧力が約1トールとなるように導入
した。石英反応管を回転させながら、管内の酸化ハフニ
ウム粉末を攪拌しながら1時間処理した。その結果、表
面が灰色になった粉体を得た。得られた酸化ハフニウム
試料をX線光電子分光法により、ハフニウムの4f電子
に帰属されるピーク(16〜17eV(Hf4f))の
面積とハフニウムと結合している酸素の1s電子に帰属
されるピーク(530eV(O1s))の面積とを求め
た。得られた面積比(O1s/Hf4f)は、2.15
であった。尚、プラズマ処理しない酸化ハフニウム粉末
の面積比(O1s/Hf4f)は、2.20であった。
また、この試料を1週間大気中に放置した後に上記と同
様に測定した面積比(O1s/Hf4f)も、2.15
であった。さらに、この試料の1カ月後の面積比(O1
s/Hf4f)にも変化はなかった。上記方法により調
製した試料0.4gをメタノールに分散し、ガラス板
(6cm×6cm)に塗布した。このガラス板をガラス
製ベルジャー型反応装置(1.9リットル)内に設置し
た。光源にはハロゲンランプ(東芝ライテックJDR11
0V 75WN/S−EK)を用い、かつ420nm以
下の紫外線をカットするガラスフィルターを用いた)。
系内を充分に排気した後、アセトアルデヒドを反応容器
内に注入して、所定濃度(500ppm)の反応ガスと
した。アセトアルデヒドが吸着平衡に達した後、光照射
を開始した。反応ガスは、ガスクロマトグラフィー(F
ID)で分析した。光照射開始90分後のアセトアルデ
ヒド濃度は420ppmであった。尚、未処理の酸化ハ
フニウム粉末0.4gを同様にして塗布したサンプルに
ついても試験を行ったが、光照射前後でアセトアルデヒ
ド濃度に変化はなかった。この結果から、本発明の製造
方法により水素プラズマ処理した酸化ハフニウムは、可
視光によってアセトアルデヒドに対する光分解特性を有
し、可視光型の光触媒として機能することが分かる。
【0032】実施例11(参考例) チタン酸ストロンチウムのプラズマ処理 チタン酸ストロンチウム(SrTiO2、Aldrich Chemi
cal Company 製、5ミクロン以下の粒子径、純度99
%)2gを容量200mlの石英製反応管に収容した。こ
の石英製反応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真
空ポンプで排気した後、400Wの電磁波(2.45G
Hz)を反応管内のチタン酸ストロンチウム粉末に照射
し、テスラーコイルによってプラズマを発生させた。そ
して、H2ガス(流量をマスフローメーターにより30
ml/分に調整)を系内の圧力が約1トールとなるよう
に導入した。石英反応管を回転させながら、管内のチタ
ン酸ストロンチウム粉末を攪拌しながら1時間処理し
た。その結果、表面が灰色になった粉体を得た。以上に
より調製した試料0.2gをメタノールに分散し、ガラ
ス板(6cm×6cm)に塗布した。このガラス板をガ
ラス製ベルジャー型反応装置(1.9リットル)内に設
置した。光源にはハロゲンランプ(東芝ライテックJDR
110V75WN/S−EK)を用い、かつ420nm
以下の紫外線をカットするガラスフィルターを用い
た)。系内を充分に排気した後、アセトアルデヒドを反
応容器内に注入して、所定濃度(500ppm)の反応
ガスとした。アセトアルデヒドが吸着平衡に達した後、
光照射を開始した。反応ガスは、ガスクロマトグラフィ
ー(FID)で分析した。光照射開始60分後のアセト
アルデヒド濃度は450ppmであった。尚、未処理の
チタン酸ストロンチウム粉末0.4gを同様にして塗布
したサンプルについても試験を行ったが、光照射前後で
アセトアルデヒド濃度に変化はなかった。この結果か
ら、本発明の製造方法により水素プラズマ処理したチタ
ン酸ストロンチウムは、可視光によってアセトアルデヒ
ドに対する光分解特性を有し、可視光型の光触媒として
機能することが分かる。
【0033】実施例12湿式太陽電池 実施例1で作成した本発明の触媒(粉末)をポリエチレ
ングリコールとアセトンと混合し、透明電極(ITO)
に塗布した。塗布後、約300℃で1時間焼き付け処理
をした。得られた電極を、市販のルテニウム錯体(8R
uL2(NCS)2、L=4,4‘−ジカルボキシ−
2,2’−ビスピリジン)を含有するメタノール溶液に
浸漬した。得られた電極に、0.1Mヨウ化カリウム水
溶液を1滴滴下した。この上に、対極として透明電極
(ITO)を積層し、周囲を樹脂で固定し、湿式太陽電
池を得た。この電池に、420nm以下の紫外線をカッ
トするガラスフィルターを介してハロゲンランプ(東芝
ライテックJDR110V 75WN/S−EK)の光を
照射した。その結果、光電流が観測された。実施例4で
作成した本発明の触媒(粉末)についても上記と同様に
して湿式太陽電池を作成した。この電池に、420nm
以下の紫外線をカットするガラスフィルターを介してハ
ロゲンランプ(東芝ライテックJDR110V 75WN
/S−EK)の光を照射した。その結果、光電流が観測
された。
【0034】実施例13湿式太陽電池 対極として、透明電極(ITO)の代わりにポリアニリ
ン薄膜電極を用いた以外は、実施例12と同様にして、
湿式太陽電池を実施例1及び4の試料のそれぞれについ
て得た。これらの電池に、420nm以下の紫外線をカ
ットするガラスフィルターを介してハロゲンランプ(東
芝ライテックJDR110V 75WN/S−EK)の光
を照射した。その結果、光電流が観測された。
【0035】実施例14可視光による水の分解試験 実施例1で作製した光触媒0.3g、水(pH7、30
ml)及びマグネチックスターラーを反応容器内に設置
し、真空脱気ライン(500ml)に接続した。光源に
はキセノンランプ(500W)を用い、420nm以下
の紫外線をカットするガラスフィルターを用いた。系内
を充分に排気した後、光照射を開始した。5時間毎に発
生した水素ガスを採取し、ガスクロマトグラフィー(T
CD)で分析を行った。水素ガスの生成速度は0.02
μmol/hであった。
【0036】実施例15可視光による二酸化炭素の還元試験 実施例1で作製した光触媒0.3gをメタノールに分散
しガラス板(6cm×6cm)に塗布した後、300度で
1時間加熱し粉体脱離しにくい試料を作製した。1リッ
トルの反応容器内に光触媒を塗布したガラス板を設置し
た後、真空脱気ライン(500ml)に接続した。系を
脱気した後、水蒸気相を通した二酸化炭素ガス(500
ppm)を反応容器内に注入した。光源にはキセノンラ
ンプ(500W)を用い、420nm以下の紫外線をカ
ットするガラスフィルターを用いた。発生したガスの分
析にはガスクロマトグラフィー(TCD)を使用した。
反応容器に可視及び赤外光を照射し、各照射時間毎に反
応容器内の混合気体の分析を行ったところ、メタノール
が2μmol/hの速度で生成していることが観測され
た。
【0037】本発明によれば、可視光活性を有する光触
媒を提供することができ、この触媒を用いることで、ア
セトアルデヒド、NOx、安息香酸等の物質を光分解する
ことができる。さらに本発明の材料は、可視光活性を利
用した種々の分野での応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 は、プラズマ処理前の試料及び処理後の試料
のX線回折パターンを示す。
【図2】は、プラズマ処理前の試料(アナターゼ型二酸
化チタン)のESRスペクトルを示す。
【図3】 は、本発明の触媒(プラズマ処理後の試料
(アナターゼ型二酸化チタン))のESRスペクトルを
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 37/08 B01J 37/34 37/34 C01G 23/053 C01G 23/053 B01D 53/36 J H01L 31/04 H01L 31/04 Z (31)優先権主張番号 特願平10−339772 (32)優先日 平成10年11月30日(1998.11.30) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−64665 (32)優先日 平成11年3月11日(1999.3.11) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−208138 (32)優先日 平成11年7月22日(1999.7.22) (33)優先権主張国 日本(JP) 早期審査対象出願

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 安定した酸素欠陥を有する二酸化チタン
    であって、真空中、77K、暗黒下で測定されたESR
    において、g値が2.003〜4であるシグナルが観測
    され、かつこのg値が2.003〜4であるシグナルは
    真空中、77Kにおいて少なくとも420nm〜600
    nm範囲の波長の光を照射下で測定した場合、上記暗黒
    下で測定された場合よりシグナルの強度が大きいことを
    特徴とする可視光照射下で活性を有する光触媒
  2. 【請求項2】 二酸化チタンがアナターゼ型またはルチ
    ル型である請求項1に記載の光触媒
  3. 【請求項3】 二酸化チタンがアナターゼ型酸化チタン
    粉体であり、一次粒子径が10nm以下である請求項1
    に記載の光触媒
  4. 【請求項4】 二酸化チタンがX線回折(XRD)によ
    り得られる回折パターン中にアナターゼ型二酸化チタン
    以外のパターンを実質的に有さない請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の光触媒
  5. 【請求項5】 少なくとも400〜600nmの可視光
    照射下でNOx酸化活性を有する請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の光触媒
  6. 【請求項6】 X線光電子分光法により得られるチタン
    の2p電子に帰属されるピークの面積に対する、チタン
    と結合している酸素の1s電子に帰属されるピークの面
    積の比(O1s/Ti2p)が1.99以下である請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の光触媒
  7. 【請求項7】 面積比(O1s/Ti2p)が1.5〜
    1.95の範囲である請求項6に記載の光触媒
  8. 【請求項8】 面積比(O1s/Ti2p)が1週間以
    上実質的に一定している請求項6または7に記載の光触
  9. 【請求項9】 真空中、77K、暗黒下で測定されたE
    SRにおいて、g値が1.96を示すTi3+に帰属され
    るシグナルが実質的に観測されない、請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の光触媒
  10. 【請求項10】 二酸化チタンを水素プラズマ処理する
    方法であって、処理系内への大気の侵入が実質的にない
    状態で上記処理を行うことを特徴とする可視光照射下で
    活性を有する光触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】 二酸化チタンを希ガス類元素プラズマ
    処理する方法であって、前記プラズマ処理はマイクロ波
    プラズマ処理であるか、または400℃の加熱下で行う
    ラジオ波プラズマ処理であり、処理系内への大気の侵入
    が実質的にない状態で上記処理を行うことを特徴とする
    可視光照射下で活性を有する光触媒の製造方法。
  12. 【請求項12】 処理系内への大気の侵入が実質的にな
    い状態が、密閉された系の真空度が1トール変化するの
    に少なくとも10分を要する状態である請求項10また
    は11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 二酸化チタンの表面の少なくとも一部
    に、希ガス類元素イオンをイオン注入することを特徴と
    する可視光照射下で活性を有する光触媒の製造方法。
  14. 【請求項14】 二酸化チタンを1トール以下の真空
    下、400℃以上に加熱することを特徴とする可視光照
    射下で活性を有する光触媒の製造方法。
  15. 【請求項15】 二酸化チタンがアナターゼ型二酸化チ
    タンである請求項10〜14のいずれか1項に記載の製
    造方法。
  16. 【請求項16】 アナターゼ型二酸化チタンを1トール
    以下の真空下、400℃以上に加熱することを特徴とす
    る可視光照射下で活性を有する光触媒の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項10〜16のいずれか1項に記
    載の方法で製造された可視光照射下で活性を有する光触
  18. 【請求項18】 可視光照射下での活性が、酸化活性ま
    たは還元活性である請求項1〜9及び17のいずれか1
    項に記載の光触媒
  19. 【請求項19】 可視光照射下での活性が、無機物又は
    有機物の分解活性であるか、殺菌活性である請求項1〜
    9及び17のいずれか1項に記載の光触媒
  20. 【請求項20】 粒子状、薄膜状または板状である請求
    項1〜9及び17〜19のいずれか1項に記載の光触
  21. 【請求項21】 請求項1〜9及び17〜20のいずれ
    か1項に記載の光触媒を基材表面に設けたことを特徴と
    する物品。
  22. 【請求項22】 基材が建築物の外壁面、屋根外面屋上
    面、窓ガラス外面若しくは窓ガラス内面、部屋の壁面、
    床面若しくは天井面、ブラインド、カーテン、道路の防
    護壁、トンネルの内壁、照明灯の外面若しくは反射面、
    車両の内装面、ミラー面、窓ガラス外面若しくは窓ガラ
    ス内面である請求項21に記載の物品。
  23. 【請求項23】 請求項1〜9及び17〜20のいずれ
    か1項に記載の光触媒または請求項21または22に記
    載の物品に、可視光を含む光照射下で、被分解物を含有
    する媒体を接触させて、前記被分解物を分解させる、物
    質の光分解方法。
  24. 【請求項24】 被分解物が、無機化合物、有機化合
    物、微生物菌体及び腫瘍細胞からなる群から選ばれる少
    なくとも1種の物質である請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 媒体が水又は空気である請求項23ま
    たは24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 可視光を含む光が太陽光線または人工
    光線である請求項23〜25のいずれか1項に記載の方
    法。
  27. 【請求項27】 人工光線が蛍光灯、白熱灯及び/又は
    ハロゲンランプからの光線である請求項26に記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 請求項1〜9及び17〜20のいずれ
    か1項に記載の光触媒を基材表面に設けた光触媒ユニッ
    トと、前記光触媒に可視光を含む光を照射するための光
    源とからなる、光分解装置。
  29. 【請求項29】 可視光を含む光を照射するための光源
    が、蛍光灯、白熱灯及び/又はハロゲンランプである請
    求項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】 請求項1〜9及び17〜20のいずれ
    か1項に記載の光触媒からなる材料を用いる太陽電池用
    電極。
  31. 【請求項31】 請求項1〜9及び17〜20のいずれ
    か1項に記載の光触媒からなる材料を用いる水の光分解
    用電極。
JP2000113147A 1998-08-21 2000-04-14 可視光型光触媒及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3252136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000113147A JP3252136B2 (ja) 1998-08-21 2000-04-14 可視光型光触媒及びその製造方法

Applications Claiming Priority (13)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23511298 1998-08-21
JP25025098 1998-09-04
JP28774798 1998-10-09
JP33977298 1998-11-30
JP6466599 1999-03-11
JP10-235112 1999-07-22
JP10-250250 1999-07-22
JP20813899 1999-07-22
JP10-287747 1999-07-22
JP11-208138 1999-07-22
JP10-339772 1999-07-22
JP11-64665 1999-07-22
JP2000113147A JP3252136B2 (ja) 1998-08-21 2000-04-14 可視光型光触媒及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000566017 Division

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001212457A JP2001212457A (ja) 2001-08-07
JP3252136B2 true JP3252136B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=27565067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000113147A Expired - Fee Related JP3252136B2 (ja) 1998-08-21 2000-04-14 可視光型光触媒及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252136B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1400491A2 (en) 2002-09-18 2004-03-24 Toshiba Ceramics Co., Ltd. Titanium dioxide fine particles and method for producing the same, and method for producing visible light activatable photocatalyst

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4592846B2 (ja) * 1999-09-28 2010-12-08 独立行政法人産業技術総合研究所 空気中の窒素酸化物除去用光触媒コーティング及びこのコーティングを有する物品
EP1504816A4 (en) 2002-03-25 2010-11-24 Osaka Titanium Technologies Co TITANIUM OXIDE PHOTOCATALYZER, METHOD OF MANUFACTURING THEREOF AND APPLICATION
WO2005029571A1 (ja) * 2003-09-19 2005-03-31 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 半導体膜形成用塗布剤、半導体膜、光電変換素子および太陽電池
TWI246939B (en) 2004-02-20 2006-01-11 Ind Tech Res Inst Nanostructured zinc oxide powder photocatalyst for visible light and manufacturing method of the same
JP4393963B2 (ja) 2004-03-17 2010-01-06 住友化学株式会社 光触媒体コーティング液
JP2007144864A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Sanyo Electric Co Ltd 積層構造体およびそれを用いた冷凍装置
JP2007239048A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Univ Of Electro-Communications 光エネルギー変換装置及び半導体光電極
JP4763492B2 (ja) * 2006-03-27 2011-08-31 住友化学株式会社 光触媒分散体およびその製造方法
US9029449B2 (en) 2006-10-13 2015-05-12 Nitto Boseki Co., Ltd. Polymeric composition comprising metal alkoxide condensation product, organic silane compound and boron compound
JP2008279407A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kanac Corp 可視光応答型二酸化チタン光触媒粉体およびその製造方法と装置
JP2010115635A (ja) 2008-06-05 2010-05-27 Sumitomo Chemical Co Ltd 光触媒体分散液、その製造方法およびその用途
KR101696939B1 (ko) 2008-10-29 2017-01-16 후지필름 가부시키가이샤 색소, 이것을 사용한 광전 변환 소자, 광전기 화학 전지, 및 색소의 제조 방법
JP2010138023A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Kyoto Univ 金属酸化物の還元方法
JP5867794B2 (ja) * 2009-03-13 2016-02-24 イーエイチエス レンズ フィリピン インク 眼鏡レンズの製造方法および光学物品の製造方法
JP2009155202A (ja) * 2009-04-06 2009-07-16 Saruta Shiki Nosan Kk 高分散性二酸化チタン粉末
JP5582522B2 (ja) * 2009-06-16 2014-09-03 国立大学法人電気通信大学 光触媒材料およびその製造方法
JP2011036770A (ja) 2009-08-07 2011-02-24 Hokkaido Univ 貴金属担持光触媒体粒子の製造方法
JP2011224534A (ja) 2009-09-16 2011-11-10 Sumitomo Chemical Co Ltd 光触媒複合体、およびこれを用いた光触媒機能製品
JP5620081B2 (ja) 2009-09-28 2014-11-05 富士フイルム株式会社 光電変換素子の製造方法
JP5524557B2 (ja) 2009-09-28 2014-06-18 富士フイルム株式会社 光電変換素子の製造方法、光電変換素子、および光電気化学電池
JP2013155088A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Kuraray Co Ltd 水素製造装置
JP5972811B2 (ja) 2013-02-22 2016-08-17 富士フイルム株式会社 光電変換素子、光電変換素子の製造方法および色素増感太陽電池
CN104399502B (zh) * 2014-10-27 2016-07-06 重庆工商大学 含有晶格缺陷的双功能碳酸氧铋催化剂及其制备方法
CN109277094A (zh) * 2018-10-18 2019-01-29 浙江工商大学 一种可见光响应光催化剂的改性方法及其在人工海水体系中的应用
KR102463861B1 (ko) * 2019-01-31 2022-11-04 금오공과대학교 산학협력단 수경재배용 나노복합체 배지 및 이의 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1400491A2 (en) 2002-09-18 2004-03-24 Toshiba Ceramics Co., Ltd. Titanium dioxide fine particles and method for producing the same, and method for producing visible light activatable photocatalyst

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001212457A (ja) 2001-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3252136B2 (ja) 可視光型光触媒及びその製造方法
US6908881B1 (en) Visible radiation type photocatalyst and production method thereof
Sopyan et al. Highly Efficient TiO2 Film Photocatalyst. Degradation of Gaseous Acetaldehyde.
US6306343B1 (en) Photocatalyst having visible light activity and uses thereof
WO1997026991A1 (fr) Photocatalyseur, procede de production de ce photocatalyseur, et procede de reaction photocatalytique
US20050227008A1 (en) Titanium oxide photocatalyst, process for producing the same and application
CN101977688A (zh) 光催化剂材料、分解有机材料的方法、内部构件、空气净化装置和用于制备氧化剂的设备
JP3894144B2 (ja) 酸化チタン系光触媒とその製造方法および応用
JP2011031139A (ja) 光触媒材料及びその製造方法
JPH11333304A (ja) 光触媒及びその利用
Filby et al. Heterogeneous catalytic degradation of chlorofluoromethanes on zinc oxide surfaces
JP2002320862A (ja) 金属を酸化チタン薄膜に担持した光触媒薄膜
CN106964375B (zh) 担载铁化合物的氧化钛光催化剂
JP4135907B2 (ja) 可視光活性型光触媒粒子
US8343282B2 (en) Photocatalytic auto-cleaning process of stains
JP4592846B2 (ja) 空気中の窒素酸化物除去用光触媒コーティング及びこのコーティングを有する物品
JP2001347162A (ja) 酸化チタン薄膜を有する光触媒材
JP2000157841A (ja) 空気中に含まれる窒素酸化物濃度の低減方法
JPH11333300A (ja) 光触媒の製造方法
KR100823976B1 (ko) 광촉매용 복합 소재 및 그 제조방법
JP3440295B2 (ja) 新規な半導体光触媒及びそれを使用する光触媒反応方法
JP3799822B2 (ja) 複合酸化物薄膜の製造法
KR20120044691A (ko) TiON 광촉매의 제조방법
JP3962770B2 (ja) 可視光活性を有する光触媒及びその利用
JPH0824666A (ja) 固定化光触媒

Legal Events

Date Code Title Description
S321 Written request for registration of change in pledge agreement

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316321

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S321 Written request for registration of change in pledge agreement

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316321

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071116

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071116

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071116

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees