JP2000157841A - 空気中に含まれる窒素酸化物濃度の低減方法 - Google Patents

空気中に含まれる窒素酸化物濃度の低減方法

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JP2000157841A
JP2000157841A JP10339757A JP33975798A JP2000157841A JP 2000157841 A JP2000157841 A JP 2000157841A JP 10339757 A JP10339757 A JP 10339757A JP 33975798 A JP33975798 A JP 33975798A JP 2000157841 A JP2000157841 A JP 2000157841A
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titanium dioxide
photocatalyst
titanium
light
air
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Hiroshi Takeuchi
浩士 竹内
Nobuaki Negishi
信彰 根岸
Shinichi Sugihara
愼一 杉原
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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ECODEVICE CO Ltd
Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光線も利用可能な新たな光触媒を用い
て、空気中に含まれる窒素酸化物の一部または全部を除
去する方法の提供。 【解決手段】 窒素酸化物を含有する空気を、可視光を
含む光線の照射下で、安定した酸素欠陥を有する二酸化
チタンまたは少なくとも表層に1価のイオンを含有する
二酸化チタンと接触させることを特徴とする空気中に含
まれる窒素酸化物濃度の低減方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、可視光活性を有す
る光触媒を用いた、空気中に含まれる窒素酸化物濃度の
低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光触媒
を用いて脱臭や殺菌を行うことは種々検討され、実用化
されているものもある。例えば、WO94/11092
号には室内照明下における光触媒による空気処理方法が
開示されている。また特開平7−102678号には、
光触媒を用いた院内感染の防止方法が開示れている。さ
らに、光触媒を用いて、空気中に含まれる窒素酸化物を
除去する方法も知られている(例えば、特開平7−33
1120号、特開平8−10576号、特開平8−99
020号)。しかるに、いずれの方法も、二酸化チタン
等の、励起光として400nm以下の紫外線を必要とす
る光触媒を使用している。
【0003】ところが、励起光源となる太陽光や人工光
には、紫外線以外に紫外線より長波長側の可視光線等も
含まれている。しかし、上記二酸化チタン等からなる光
触媒では、可視光線は利用されておらず、エネルギー変
換効率という観点からは、非常に非効率的であった。そ
の結果、空気中に含まれる窒素酸化物を除去する場合に
も、除去できる窒素酸化物量が限られてしまい、実用化
には至っていない。
【0004】また、二酸化チタンにクロム等の金属イオ
ンをイオン注入法により注入することにより可視光領域
でも光触媒活性が得られることは知られている。しか
し、イオン注入法は、方法が大がかりであり、イオン注
入法を用いて得られた光触媒を用いて窒素酸化物を除去
する方法は実用化にはほど遠い。
【0005】そこで本発明の目的は、可視光線も利用可
能な新たな光触媒を用いた、空気中に含まれる窒素酸化
物の一部または全部を除去する方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒素酸化物を
含有する空気を、可視光を含む光線の照射下で、安定し
た酸素欠陥を有する二酸化チタンまたは少なくとも表層
に1価のイオンを含有する二酸化チタンと接触させるこ
とを特徴とする空気中に含まれる窒素酸化物濃度の低減
方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明についてさらに説明す
る。本発明の方法で用いる光触媒は、安定した酸素欠陥
を有する二酸化チタンまたは少なくとも表層に1価のイ
オンを含有する二酸化チタンである。
【0008】安定した酸素欠陥を有する型二酸化チタン 本発明で用いる安定した酸素欠陥を有する二酸化チタン
からなる光触媒は、可視光照射下で活性を有する触媒で
ある。二酸化チタンは、アナターゼ型またはルチル型の
いずれでも良いが、可視光線の利用効率が高いという観
点から、アナターゼ型二酸化チタンであることが好まし
い。二酸化チタンの酸素欠陥の程度は、X線光電子分光
法により得られるチタンの2p電子に帰属されるピーク
の面積に対する、チタンと結合している酸素の1s電子
に帰属されるピークの面積の比(O1s/Ti2p)に
より特定でき、例えば1.99以下である。より好まし
い面積比(O1s/Ti2p)は、1.5〜1.95の
範囲である。また、二酸化チタンの酸素欠陥の安定性
は、この光触媒を大気中に放置しても、例えば、上記面
積比(O1s/Ti2p)が1週間以上実質的に一定し
ていることを意味する。二酸化チタンを水素ガスにより
還元すると、酸素欠陥が生じることは知られているが、
水素ガス還元により得られる酸素欠損は極めて不安定
で、空気中では、短時間に消失する。一方、上記光触媒
が有する酸素欠陥は極めて安定であり、実験結果によれ
ば、大気中に放置しても少なくとも半年は安定である。
また、上記光触媒を光触媒反応に使用しても、上記酸素
欠陥が短期間に消失することはなく、触媒として安定的
に使用することができる。
【0009】二酸化チタンのバンドギャップは、アナタ
ーゼ型が3.2eV、ルチル型が3.0eVであり、い
ずれも紫外線によってのみ活性化されるが、本発明で用
いる光触媒は、二酸化チタンの持つ紫外線下における光
活性に加えて可視光のみによっても光活性化される。光
触媒の可視光による光活性化の程度は、酸素欠陥量等に
より変化するが、例えば、400nm以上の光をカット
したブラックライト光照射下における活性を100とし
た場合、420nm以下の光をカットしたハロゲンラン
プ光照射下における活性は、少なくとも5はあり、通常
20以上である。さらに、本発明で用いる光触媒の可視
光照射下での活性は、二酸化チタンが本来有する酸化活
性または還元活性である。
【0010】さらに、光触媒の形状には、制限はなく、
例えば、粒子状、薄膜状または板状であることができ
る。但し、これらに限定されない。また、粒子状二酸化
チタン(触媒)は、活性を高める目的で、微細化したも
のであっても、また、ハンドリングを容易にする目的で
造粒したものであってもよい。また、薄膜状または板状
の二酸化チタン(触媒)の表面は、活性を高める目的で
粗面化したものであってもよい。また、上記二酸化チタ
ンは、本発明の可視光活性を妨げない程度の他の成分を
添加したものであってもよい。
【0011】本発明で用いるこの光触媒は、例えば、酸
化チタンを水素プラズマ処理または希ガス類元素プラズ
マ処理する方法であって、処理系内への大気の侵入が実
質的にない状態で上記処理を行うことより得ることがで
きる。原料として使用する二酸化チタンは、湿式法、例
えば、硫酸法で製造した二酸化チタン及び乾式法で製造
した二酸化チタンであることができる。
【0012】水素プラズマ処理は、電磁波、例えば、マ
イクロ波やラジオ波を照射した減圧状態においた二酸化
チタンに、水素ガスを導入することで水素プラズマを発
生させ、このプラズマに二酸化チタンを所定時間暴露す
ることで行うことができる。また、希ガス類元素プラズ
マ処理は、電磁波、例えば、マイクロ波やラジオ波を照
射した減圧状態においた二酸化チタンに、希ガス類元素
ガスを導入することで希ガス類元素プラズマを発生さ
せ、このプラズマに二酸化チタンを所定時間暴露するこ
とで行うことができる。希ガス類元素としては、例え
ば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノ
ン、ラドンを挙げることができるが、入手が容易である
という観点からはヘリウム、ネオン、アルゴン等である
ことが好ましい。上記減圧状態は、例えば10トール以
下であることができ、2トール以下であることもでき
る。電磁波の出力は、処理する二酸化チタンの量やプラ
ズマの発生状態を考慮して適宜決定できる。水素ガスあ
るいは希ガス類元素ガスの導入量は、減圧状態やプラズ
マの発生状態を考慮して適宜決定できる。また、二酸化
チタンの水素プラズマへまたは希ガス類元素プラズマへ
の暴露時間は、二酸化チタンに導入される酸素欠陥量を
考慮して適宜決定する。
【0013】上記光触媒の製造方法は、プラズマ処理系
内への大気の侵入が実質的にない状態で行うことを特徴
とし、プラズマ処理系内への大気の侵入が実質的にない
状態とは、密閉された系の真空度が1トール変化するの
に少なくとも10分を要する状態を意味する。大気の侵
入が少ない程、二酸化チタンへの酸素欠陥の導入は容易
になる。
【0014】また、上記水素プラズマは、所望により、
水素以外のガスを含むこともでき、そのようなガスとし
ては、例えば、メタンや希ガス類元素を挙げることがで
きる。水素プラズマまたは希ガス類元素プラズマを用い
れば、二酸化チタンへ酸素欠陥を導入することができ、
例えば、水素プラズマに対するメタンや希ガス類元素の
共存は酸素欠陥の導入に必須ではない。また、希ガス類
元素プラズマについても同様であり、希ガス類元素プラ
ズマに、所望により、希ガス類元素以外のガスを含むこ
ともでき、そのようなガスとしては、例えば、メタンや
水素を挙げることができる。但し、希ガス類元素プラズ
マに対するメタンや水素の共存は酸素欠陥の導入に必須
ではない。
【0015】上記光触媒は、二酸化チタンの表面の少な
くとも一部に、希ガス類元素イオンをイオン注入する方
法によっても製造することができる。イオン注入法は、
半導体産業で使用されている方法及び装置を用いて行う
ことができる。尚、イオン注入の条件は、注入すべき希
ガス類元素イオンの量等により適宜決定できる。尚、希
ガス類元素としては、例えば、ヘリウム、ネオン、アル
ゴン、クリプトン、キセノン、ラドンを挙げることがで
きるが、入手が容易であるという観点からはヘリウム、
ネオン、アルゴン等であることが好ましい。
【0016】前述のように二酸化チタン、特に、アナタ
ーゼ型二酸化チタンを水素プラズマや希ガス類元素プラ
ズマ処理したものあるいはイオン注入したものは、安定
した酸素欠陥を有し、可視光照射下で高い活性を有する
触媒となる。ルチル型二酸化チタンは、紫外光照射下で
は光触媒としての機能はあるが、アナターゼ型に活性が
比べて劣るために光触媒として使用された実績はない。
しかし、水素プラズマや希ガス類元素プラズマあるいは
イオン注入処理すると、可視光照射下でも活性を有する
触媒となる。
【0017】少なくとも表層に1価のイオンを含有する
二酸化チタン 本発明で用いる少なくとも表層に1価のイオンを含有す
る二酸化チタンからなる光触媒は、可視光照射下で活性
を有する触媒である。二酸化チタンは、アナターゼ型ま
たはルチル型のいずれでも良いが、可視光線の利用効率
が高いという観点から、アナターゼ型二酸化チタンであ
ることが好ましい。1価のイオンとしては、水素イオン
またはアルカリ金属イオンを挙げることができる。さら
にアルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイ
オン、リチウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイ
オン及びセシウムイオンからなる群から選ばれる少なく
とも1種である。水素イオン及びアルカリ金属イオンは
単独であっても、2種以上であってもよい。また、水素
イオン及び/又はアルカリ金属イオンは、少なくとも表
層に含有されていればよい。可視光照射下での触媒活性
は、表層に含まれる水素イオン及び/又はアルカリ金属
イオンにより発現するからである。但し、二酸化チタン
のバルクに水素イオン及び/又はアルカリ金属イオンを
含有するものを排除する意図ではない。
【0018】表層に含まれる水素イオン及び/又はアル
カリ金属イオン量は、可視光照射下での活性が発現でき
る程度以上であれば制限はなく、アルカリ金属イオンの
場合、例えば、TOF−SIMSで表面分析して得られ
た測定結果において、全陽イオン量の5%以上であるこ
とができる。また、水素イオンの定量は高真空下の昇温
脱離法 により行うことができる。さらにこの光触媒
は、少なくとも表層に酸素欠陥を有することができる。
酸素欠陥は、二酸化チタンの光触媒活性、特に可視光活
性を高める作用がある。アルカリ金属イオンの場合と同
様に、酸素欠陥は、触媒活性との関係では、少なくとも
表層にあれば良い。酸素欠陥量は、光触媒の可視光照射
下での活性を考慮して、適宜決定できる。
【0019】さらに、二酸化チタンの形状にも制限はな
く、例えば、粒子状、薄膜状または板状であることがで
きる。但し、これらに限定されない。また、粒子状酸化
チタン(触媒)は、活性を高める目的で、微細化したも
のであっても、また、ハンドリングを容易にする目的で
造粒したものであってもよい。また、薄膜状または板状
の酸化チタン(触媒)の表面は、活性を高める目的で粗
面化したものであってもよい。
【0020】光触媒の可視光照射下での活性は、二酸化
チタンが本来有する酸化活性または還元活性である。但
し、通常の二酸化チタンのバンドギャップは、アナター
ゼ型が3.2eV、ルチル型が3.0eVであり、いず
れも紫外線によってのみ活性化されるが、光触媒は、酸
化チタンの持つ紫外線下における光活性に加えて可視光
のみによっても光活性化される。例えば、本発明で用い
る光触媒は、400nm以上の光をカットしたブラック
ライト光照射下における活性を100とした場合、42
0nm以下の光をカットしたハロゲンランプ光照射下に
おける活性が少なくとも5であり、好ましくは10以上
である。可視光活性は主に水素イオン及び/又はアルカ
リ金属イオンの添加量により変動するので、これを調整
することにより、変動させることができる。
【0021】上記の少なくとも表層に水素イオン及び/
又はアルカリ金属イオンを含有する二酸化チタンからな
る触媒は、例えば、二酸化チタンの表面の少なくとも一
部に、水素イオンまたはアルカリ金属イオンをイオン注
入することで製造することができる。イオン注入法は、
半導体産業で使用されている方法及び装置を用いて行う
ことができる。尚、イオン注入の条件は、注入すべきイ
オンの種類や量等により適宜決定できる。
【0022】原料となる二酸化チタンに制限はなく、ア
ナターゼ型、ルチル型のいずれであってもよい。さら
に、原料となる二酸化チタンは、形状にも制限はなく、
例えば、粒子状、薄膜状または板状であることができ
る。但し、これらに限定されない。また、粒子状二酸化
チタンは、活性を高める目的で、微細化したものであっ
ても、また、ハンドリングを容易にする目的で造粒した
ものであってもよい。また、薄膜状または板状の二酸化
チタンの表面は、活性を高める目的で粗面化したもので
あってもよい。
【0023】さらに本発明では、光触媒として、上記光
触媒を基材表面に設けた物品を用いることもできる。
基材としては、例えば、建築物の外壁面、屋根外面屋上
面、窓ガラス外面若しくは窓ガラス内面、部屋の壁面、
床面若しくは天井面、ブラインド、カーテン、道路の防
護壁、トンネルの内壁、照明灯の外面若しくは反射面、
車両の内装面、ミラー面、窓ガラス外面若しくは窓ガラ
ス内面であることができる。基材への光触媒の付設は、
例えば、上記光触媒の粒子を含む塗料をコーティングあ
るいはスプレーすることにより行うことができる。ま
た、二酸化チタンを表面に有する基材を上記製造方法に
より水素プラズマ等で処理し、二酸化チタン表面を上記
光触媒とすることで、上記物品を得ることもできる。
【0024】本発明の空気中に含まれる窒素酸化物濃度
の低減方法は、窒素酸化物を含有する空気を、可視光を
含む光線の照射下で、上記光触媒と接触させることを特
徴とする。可視光を含む光は、太陽光線または人工光線
であることができる。人工光線源は、可視光を含む光を
供給できるものであればよく、例えば、蛍光灯、白熱
灯、ハロゲンランプからの光線であることができる。
【0025】空気中に含まれる窒素酸化物の種類には制
限はなく、通常NOxと総称されるものであることがで
きる。また、窒素酸化物を含有する空気にも制限はな
く、例えば、室内の空気、野外の大気、あるいはトンネ
ル等の自動車から排出される高濃度の窒素酸化物を含有
する大気等を挙げることができる。また、処理されるべ
き空気と光触媒との接触は、ファン等を用いて強制的に
行うこともできるが、単に、光触媒を処理すべき空気中
に静置しておくこともできる。
【0026】本発明の方法では、少なくとも可視光線を
含む光を照射した上記光触媒に、窒素酸化物を含む空気
を接触させることで、窒素酸化物は酸化される。上記光
触媒による窒素酸化物の酸化のメカニズムは必ずしも定
かではないが、例えば、NOはNOになり、NO
さらに酸化され、最終的には、光触媒の吸着水または表
面水酸基と反応してHNOになる。HNOは、上記
光触媒が、雨水に当たる場所に設置されたものである場
合、雨水に洗い流され、光触媒の表面は清浄化され得
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 参考例1 アナターゼ型二酸化チタン粉末(60メッシュ以下)1
0gを200mlの石英製反応管に収容した。この石英
製反応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポン
プで排気した後、400Wの電磁波(2.45GHz)
を反応管内の二酸化チタン粉末に照射し、テスラーコイ
ルによってプラズマを発生させた。そして、H2ガス
(流量を30ml/分)を系内の圧力が約1トールとな
るように導入した。反応管内の二酸化チタン粉末を攪拌
しながら30分間処理した。なお、プラズマ処理系は、
ガスを導入せず、かつポンプでの排気も断絶した状態で
真空度が1トール上昇するのに40分を要した。得られ
た二酸化チタン粉末をX線光電子分光法により、チタン
の2p電子に帰属されるピーク(458.8eV(Ti
2p3/2)及び464.6eV(Ti2p1/2)の
面積とチタンと結合している酸素の1s電子に帰属され
るピーク(531.7eV(O1s)の面積とを求め
た。得られた面積比(O1s/Ti2p)は、1.91
であった。また、この試料を1週間大気中に放置した後
に上記と同様に測定した面積比(O1s/Ti2p)
も、1.91であった。さらに、この試料の1カ月後の
面積比(O1s/Ti2p)にも変化はなかった。
【0028】参考例2 アナターゼ型二酸化チタン粉末(60メッシュ以下)1
0gを200mlの石英製反応管に収容した。この石英
製反応管をプラズマ発生装置に接続し、系内を真空ポン
プで排気した後、400Wの電磁波(2.45GHz)
を反応管内の二酸化チタン粉末に照射し、テスラーコイ
ルによってプラズマを発生させた。そして、アルゴンガ
ス(流量を10ml/分)を系内の圧力が約1トールと
なるように導入した。反応管内の二酸化チタン粉末を攪
拌しながら120分間処理した。なお、プラズマ処理系
は、ガスを導入せず、かつポンプでの排気も断絶した状
態で真空度が1トール上昇するのに40分を要した。得
られた二酸化チタン粉末をX線光電子分光法により、チ
タンの2p電子に帰属されるピーク(459.5eV
(Ti2p3/2)及び465.4eV(Ti2p1/
2)の面積とチタンと結合している酸素の1s電子に帰
属されるピーク(530.0eV(O1s)の面積とを
求めた。得られた面積比(O1s/Ti2p)は、1.
89であった。また、この試料を1週間大気中に放置し
た後に上記と同様に測定した面積比(O1s/Ti2
p)も、1.89であった。さらに、この試料の1カ月
後の面積比(O1s/Ti2p)にも変化はなかった。
【0029】参考例3 二酸化チタンの表面に希ガス類元素イオンを注入する方
法による光触媒の製造方法について説明する。 機器:中電流イオン注入装置 日本真空技術(株)製UL
VAC IKX-7000 方法:アルゴンガスを導入、電子ビームを照射、イオン
化した後質量分析にかけアルゴンイオンを分離、取り出
す。その後 加速器(直流電圧100kV)により加速
しターゲットにアルゴンイオンを注入した。 ターゲット:ST−01 0.2gを直径6cmのガラス
板(0.2mm程度の厚みで、ガラス上にサブミクロン
オーダーの炭素膜がコーティングされている。イオン注
入法に必要な導電性確保のため)に塗布したもの。 注入されたアルゴンイオン数5×1016個/平方セン
チメートル
【0030】得られた二酸化チタン試料をX線光電子分
光法により、チタンの2p電子に帰属されるピーク(4
58.6eV(Ti2p3/2)及び464.3eV
(Ti2p1/2)の面積とチタンと結合している酸素
の1s電子に帰属されるピーク(529.7eV(O1
s)の面積とを求めた。得られた面積比(O1s/Ti
2p)は、1.76であった。また、この試料を1週間
大気中に放置した後に上記と同様に測定した面積比(O
1s/Ti2p)も、1.76であった。さらに、この
試料の1カ月後の面積比(O1s/Ti2p)にも変化
はなかった。
【0031】実施例(NO(一酸化窒素)の可視光によ
る除去試験) 参考例1で作製した試料0.2gをガラスプレート(6
×6cm)に塗布したものをパイレックスガラス製反応
容器(内径160mm、厚さ25mm)内に設置した。
光源にはブラックライト(0.5mW/cm)または
白色蛍光ランプ(0.5mW/cm)を用いた。
【0032】上記反応容器に湿度の異なる(0%RHまた
は80%RH)模擬汚染空気(NO:1.0ppm)を1.
5リットル/分の流速で連続的に供給し、反応出口にお
けるNOの濃度変化をモニターした。NOの濃度は、オ
ゾンを用いた化学発光法により測定した。24時間のモ
ニター値の累積値からNOxの除去率を求めた。湿度が
異なる場合、及び光源が異なる場合についての結果を図
1に示す。
【0033】上記図1に示す結果から、本発明のアナタ
ーゼ型二酸化チタンであって安定した酸素欠陥を有する
光触媒は、可視光を含む光によって窒素酸化物を酸化除
去する効果を有することが分かる。湿度が0%RHの場
合、白色蛍光ランプを用いた系でもブラックライトを用
いた系と同等のNOx除去率を示している。また、湿度
が80%RHの場合であっても、除去率は低下するが、除
去効果が得られている。
【0034】参考例2及び3で得られた光触媒を用いた
場合も、上記と同様に、白色蛍光ランプによって窒素酸
化物を酸化除去する効果があることが分かった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、可視光活性を有する光
触媒を用いることで、可視光線を含む光を用いても空気
中に含まれる窒素酸化物を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験例において得られたNO(一酸化窒素)の
可視光による除去試験結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根岸 信彰 茨城県つくば市小野川16番3 工業技術院 資源環境技術総合研究所内 (72)発明者 杉原 愼一 神奈川県横浜市青葉区梅が丘12−37 Fターム(参考) 4D048 AA06 AB01 BA07X BA14Y BB01 EA01 4G069 AA02 AA08 AA09 AA12 BA04A BA04B BA04C CA01 CA13 DA06 EA02X EA02Y FA01 FB58

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素酸化物を含有する空気を、可視光を
    含む光線の照射下で、安定した酸素欠陥を有する二酸化
    チタンまたは少なくとも表層に1価のイオンを含有する
    二酸化チタンと接触させることを特徴とする空気中に含
    まれる窒素酸化物濃度の低減方法。
  2. 【請求項2】 安定した酸素欠陥を有する二酸化チタン
    が、X線光電子分光法により得られるチタンの2p電子
    に帰属されるピークの面積に対する、チタンと結合して
    いる酸素の1s電子に帰属されるピークの面積の比(O
    1s/Ti2p)が1.99以下である請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 面積比(O1s/Ti2p)が1.5〜
    1.95の範囲である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 面積比(O1s/Ti2p)が1週間以
    上実質的に一定している請求項2または3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 1価のイオンが水素イオン及びアルカリ
    金属イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1の記載の方法。
  6. 【請求項6】 TOF−SIMSで測定した表層のアル
    カリ金属イオン量が全陽イオン量の5%以上である請求
    項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 二酸化チタンが少なくとも表層に酸素欠
    陥を有する請求項5または6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 二酸化チタンが、アナターゼ型二酸化チ
    タンである請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 可視光を含む光が太陽光線または人工光
    線である請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 人工光線が蛍光灯、白熱灯及び/又は
    ハロゲンランプからの光線である請求項9に記載の方
    法。
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